経済・港湾委員会速記録第五号

平成十七年三月十八日(金曜日)
第八委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長野島 善司君
副委員長山田 忠昭君
副委員長柿沢 未途君
理事谷村 孝彦君
理事清水ひで子君
理事松原 忠義君
ともとし春久君
三宅 茂樹君
大津 浩子君
丸茂 勇夫君
鈴木貫太郎君
山崎 孝明君
川島 忠一君

欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長関谷 保夫君
総務部長島田 健一君
中央卸売市場市場長森澤 正範君
管理部長石川 俊一君
新銀行設立本部本部長津島 隆一君
港湾局局長成田  浩君
総務部長斉藤 一美君
労働委員会事務局局長久保田経三君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案   平成十七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
・第七号議案   平成十七年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案   平成十七年度東京都農業改良資金助成会計予算
・第九号議案   平成十七年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十号議案   平成十七年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第十一号議案  平成十七年度東京都と場会計予算
・第二十一号議案 平成十七年度東京都中央卸売市場会計予算
・第二十三号議案 平成十七年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十四号議案 平成十七年度東京都港湾事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第九十五号議案 東京都しごとセンター条例の一部を改正する条例
・第九十六号議案 東京都立食品技術センター条例の一部を改正する条例
・第九十七号議案 東京都立産業貿易センター条例の一部を改正する条例
・第九十八号議案 東京都工場立地法地域準則条例
・第九十九号議案 東京都農業関係試験等手数料条例
・第百号議案   改良普及員の資格試験に関する条例を廃止する条例
・第百一号議案  東京都農業振興事務所設置条例の一部を改正する条例
・第百二号議案  東京都立技術専門校条例の一部を改正する条例
・第百三号議案  東京都労政会館設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
・第百四号議案  東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
・第百五号議案  東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例
・第百六号議案  東京都立芝浦賭場条例の一部を改正する条例
・第百七号議案  東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
・第百八号議案  東京都漁港管理条例の一部を改正する条例
・第百九号議案  東京都海上公園条例の一部を改正する条例
・第百十号議案  東京都港湾区域及び港湾隣接地域占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第百十一号議案 東京都海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例
陳情の審査(決定)
・一七第一六号 指定管理者制度を導入するための東京都海上公園条例の一部を改正する条例に関する陳情
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○野島委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書については、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○野島委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、平成十七年度予算の調査、付託議案及び陳情の審査を行いますとともに、請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出に対する決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分及び第七号議案から第十一号議案まで、第二十一号議案、第二十三号議案及び第二十四号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○山田委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された平成十七年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 都財政は、このところの景気回復を反映して、税収の増加が見込まれておりますが、一方で、将来にわたって巨額な財源不足が見込まれるなど、依然として厳しい状況にあります。
 こうした中にあって、知事は、十七年度予算案を第二次財政再建推進プランの折り返しの予算として、東京の新たな発展を目指しつつ、財政構造改革を一層推進する予算と位置づけ、編成されました。
 予算案の内容を見ると、我が党がとりわけ力を注いできた都市機能の充実、都民生活の安全確保、福祉、医療の充実、産業力の強化などが盛り込まれました。
 都市機能の拡充としては、幹線道路網や公共交通網の整備、鉄道の連続立体交差化の推進、羽田空港の再拡張事業など、首都東京の国際競争力を強化するとともに、都民の利便性を高める施策が取り上げられており、投資的経費全体として、対前年度比八・九%の大幅な増となっています。都民生活の安全確保としては、自然災害への予防策とともに、三宅島民への帰島支援、また、百二番目となる警察署の新設などの治安対策等、我が党がこれまで強く主張してきた事項が盛り込まれております。我が党は、こうした各分野における積極的かつ果断な取り組みを高く評価いたします。
 一方、財政構造改革を進め、財政再建に向けた道のりを確かなものとすることも、都政が抱える重要課題であります。これまで我々は、利用者本位の福祉を実現するための福祉改革推進事業を初めとして、知事の聖域なき見直しを支持し、できる限りの協力を行ってきました。この結果、十七年度予算は、これまでのような臨時的な財源対策に頼ることなく、予算を編成することができました。これは、我々と知事とが両輪となって財政再建に取り組んできた成果であると考えております。
 十七年度の職員定数についても、知事は昨年度を大きく上回る二千二百二十三人の削減を行っており、十六年度の削減と合わせると、知事部局の定数削減数は、既に第二次財政再建推進プランで掲げた目標を上回っております。我々は、これが財政再建に向けた知事の強い決意のあらわれであると評価しておりますが、さらなる定数、職員給与の見直しはもとより、これまでの財政構造改革の取り組みをさらに進めることを求めます。
 なお、国の三位一体改革は、我が党が懸念したとおり、本来、国が財政責任を負うべき義務教育国庫負担金などが削減対象とされ、地方分権改革とはほど遠いものになっているばかりか、生活保護などの具体的取り扱いが先送りされ、先行きが不透明なものとなっています。さらに重大なのは、法人事業税分割基準の見直しなど、不当な財源調整の動きがはっきりしたことです。
 ややもすると、国はこの改革を十八年度までに終わらせたいようでありますが、このまま幕を引かせることなく、引き続き、地方税財政改革に取り組んでいただきたいと思います。
 改めて申し上げるまでもなく、東京の再生を果たすための先進的な施策を今後も継続して展開していくには、強固で弾力的な財政基盤の確立が不可欠であります。あすの東京と都民の幸せのため、財政再建に向けたたゆまぬ努力が必要であると、あえて強調しておきたいと思います。
 なお、予算の執行に当たっては、各局とも効率的な事業運営に努め、都民の期待にこたえるべく、最大限の努力を重ねられるよう強く要望いたします。
 それでは、各局関係に移ります。
 まず、産業労働局関係について申し上げます。
 一、中小企業の資金調達を支援するため、中小企業制度融資の一層の充実を図るとともに、債券市場の創出やベンチャーファンドなど、直接金融による資金調達の充実を引き続き推進されたい。
 二、ナノテクノロジーなど、今後、成長が期待される産業分野における中小企業の技術開発等を支援されたい。
 また、すぐれた技術や人材を持ちながら経営が悪化している中小企業を支援するため、中小企業再生ファンドを活用するほか、事業承継や事業転換に対する支援策を充実されたい。
 三、商店街の意欲的で先進的な取り組みに対し、新・元気を出せ商店街事業を中心に支援策を拡充し、商店街の活性化をさらに推進されたい。
 四、産業構造の変化に直面する中小企業に対し、地域特性を生かした専門性の高い支援体制を整備されたい。
 五、観光産業の振興を図るため、観光まちづくり事業などにより観光資源の開発を推進されたい。
 また、東京の水辺空間を観光資源として活用し、新たな魅力ある都市空間として再生を図られたい。
 六、都市農業の振興のため、大都市東京の特性を生かした収益性の高い農業経営対策や農業の担い手確保対策等を推進されたい。
 また、都民の安全・安心な食生活を確保するため、生産情報の提供や特別栽培農産物の認証などの対策を総合的に推進されたい。
 七、林業経営の安定と森林の再生のため、シカ被害対策を行うとともに、造林、間伐など森林保全対策を充実されたい。
 また、水産業経営の安定のため、漁業施設の整備等に努めるほか、つくり育てる漁業を推進されたい。
 加えて、沖ノ鳥島周辺海域を新たな漁場として開拓し、小笠原漁業の振興のための支援を行われたい。
 八、きめ細かなカウンセリングなど、仕事に関するさまざまなサービスをワンストップで提供する東京しごとセンター事業を一層充実し、若年者から中高年、高齢者まで幅広い都民の雇用就業を促進されたい。
 九、三宅島帰島に伴う農業、漁業、商工業の円滑な事業再開に向けた支援を実施されたい。
 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
 一、卸売市場法の改正の趣旨を踏まえ、今後とも中央卸売市場が生鮮食料品の基幹的流通システムとしての役割を果たせるよう、適切に対応されたい。
 二、第八次卸売市場整備計画については、食の安全・安心を確保するとともに、卸売市場を活力あるものとするため、市場の効率的な整備、運営が図られるよう、整備基本方針及び整備計画の策定に万全を期されたい。
 三、豊洲新市場建設に当たって、関係者の十分な理解と協力を得ながら、将来とも基幹市場としての役割を適切に担えるよう、建設を着実に進められたい。
 四、食肉市場については、食肉需要に対応した大動物の増頭を着実に進めるとともに、引き続き衛生管理の徹底を図るなど、食の安全確保に万全な措置を講じられたい。
 五、多摩地域青果地方卸売市場については、多摩地域における青果物の円滑な供給を図るため、都と多摩地域の地方卸売市場の開設者との連携強化を図るとともに、施設整備費補助制度を活用するなど、支援の充実に努められたい。
 六、中央卸売市場の機能を強化する観点から、市場関係業者の提携関係の強化や統合大型化の支援、経営基盤の弱い仲卸業者への経営改善指導などによる業者の経営基盤の強化を図るよう、積極的に取り組まれたい。
 七、市場財政については、財政基盤を確立し、安定的な市場運営を目指すために、市場財政のあり方について検討を進められたい。
 八、市場内の小型特殊自動車の低公害車化を推進するとともに、廃棄物の減量化や資源化の促進など、市場における環境対策に業界とともに積極的に取り組むよう努められたい。
 次に、港湾局関係について申し上げます。
 一、東京港におけるスーパー中枢港湾形成に向けた取り組みとして、ターミナル運営の効率化に向けた施策等を推進するとともに、規制緩和への働きかけを行うなど、官民を挙げて東京港のサービスアップとコストダウンに努められたい。
 二、外貿コンテナふ頭の整備を進めるとともに、既存ふ頭の機能強化を図り、港湾機能の総合力を向上されたい。
 三、港湾物流の効率化や都心部への交通集中の緩和を図るため、東京港臨海道路の整備を推進するとともに、物流ボトルネックの解消を図られたい。
 四、新海面処分場の整備を着実に推進するとともに、その延命化に努められたい。
 五、高潮や津波から都民の生命、財産を守るため、水門、排水機場の耐震強化や、防潮堤、内部護岸等の着実な整備を進められたい。
 六、臨海副都心は、東京の活力を支える有力な拠点であり、引き続き事業者誘致に努め、観光の観点からも魅力あるまちづくりに取り組まれたい。
 七、豊かな水辺環境を生かした職住近接のまちづくりを目指す豊洲・晴海地区及び有明北地区の開発を着実に進められたい。
 また、臨海副都心と都心部とを結ぶ晴海通り及び環状二号線等の広域幹線道路の整備や、新交通「ゆりかもめ」の豊洲延伸等を引き続き促進されたい。
 八、海上公園の規制緩和を推進するとともに、中央防波堤内側埋立地において、海の森の整備を積極的に推進されたい。
 九、島しょの港湾、漁港、空港の整備を着実に進めるとともに、ジェットフォイルが安定的に就航できるよう港湾施設を整備されたい。
 また、三宅島などの災害復旧に万全を期されたい。
 さらに、離島航路補助及び航空路補助の充実に努められたい。
 最後に、新銀行設立本部関係について申し上げます。
 一、本年四月に開業する新銀行東京は、経営の健全性を十分に確保するとともに、東京の産業を支える幅広い中小企業に対し、円滑かつ迅速な資金供給を実施するよう努められたい。
 二、新銀行は、信用金庫などの地域金融機関と、業務のさまざまな側面で緊密な連携を図り、中小企業支援の実効性を一層高めるよう努められたい。
 三、新銀行は、預金者に対する補償や偽造防止など、安全性にすぐれたICカードを活用し、地域商店街との連携など利便性の向上に努めることで、新たな金融サービスの提供を図られたい。
 四、都は、新銀行が地域金融機関と緊密に連携し、真に都民、中小企業に貢献する銀行として着実に実績を上げられるよう、経営監視に努められたい。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○谷村委員 私は、都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成十七年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 十七年度予算案では、企業収益の回復により、都税収入が前年度を三千三百二億円上回る四兆二千五百八億円と、三年ぶりに四兆円台に回復したものの、政策的経費である一般歳出は四兆一千七百五十九億円と、前年度に比べ一・一%減という緊縮型の予算案となりました。
 しかし、まず歳出面では、東京が直面する防災や治安の回復、都市機能の充実、福祉、医療の拡充、東京の産業力強化など、都民福祉の向上のために、都政の緊急課題に重点的に財源を配分する一方で、低所得者への都営住宅使用料の減免延長や、固定資産税、都市計画税の一層の軽減措置を行うなど、都民要望に敏感に対応したものとなっております。
 また、税収の増加を踏まえて、他会計からの借入金などの隠れ借金を圧縮し、財政調整基金の増額を図るなど、都財政の体力回復を進めるとともに、折り返しとなる第二次財政再建プランについては、職員定数を二千二百二十三人削減するなど、引き続き内部努力を徹底し、行政のむだを省くとともに、施策の見直し、再構築を進めております。
 これらは、我が党の主張と軌を一にするところであり、高く評価できるものであります。
 十七年度予算案は、七年ぶりに臨時的な財源対策なしに予算編成を行いましたが、これには都税の増収が大きく貢献をしております。しかし、今後、景気の先行きは不透明で、引き続き、十七年度のような税収を期待できるものではなく、また、三位一体改革の影響や退職手当の急増及び社会資本ストックの更新経費の増加など、都財政を取り巻く環境は厳しいことなどから、これからも気を緩めることなく、都庁一丸となって財政の構造改革を進めるべきであります。
 今後、予算案の執行に当たっては、都民の期待にこたえられるよう、より一層効果的かつ効率的に行うことを要望しておきます。
 以下、各局別に申し上げます。
 初めに、産業労働局関係について申し上げます。
 一、東京の経済活性化のため、創業者やベンチャー企業を初め、意欲ある中小企業やグループの取り組みに対し、場の提供や資金調達、経営、技術面などを含めた総合的な支援策を強化するとともに、時代に合った専門性の高い産業支援体制を構築すること。
 一、東京の経済の活力を取り戻すため、事業の再生や承継、新たな事業への転換などの取り組みに対し総合的な支援を行う中小企業リバイバル支援事業について、中小企業再生ファンドとの連携を図るなどして効果的に実施し、中小企業の再生を支援すること。
 一、中小企業の会計情報の適正化などを支援する新たなメニューの創設など、中小企業制度融資をより使いやすいものにして中小企業の資金調達を支援すること。
 一、中小企業の技術力を高め、東京の産業の国際競争力を強化するため、特許やデザインの活用など知的財産活用に係るさまざまな支援策の充実に努めること。
 一、長引く消費の低迷と大型店の出店などにより、厳しい経営環境にある商店街の振興を図るため、新・元気を出せ商店街事業、進め若手商人育成事業など、積極的な支援に努めること。
 一、東京の魅力をさらに引き出すため、観光まちづくりを引き続き推進するとともに、東京の水辺空間の魅力向上、多摩・島しょの観光振興などに取り組むこと。
 また、海外からの観光客の受け入れ体制を強化するとともに、観光産業の振興のため、積極的な施策の展開を図ること。
 一、昨年設置された東京しごとセンターにおいて、引き続き、きめ細やかなカウンセリングなどさまざまなサービスをワンストップで提供し、若年者から中高年、高齢者まで幅広い都民の雇用就業を促進すること。
 また、若年者の就労対策など、施策の充実に努めること。
 一、就業構造の変化や技術革新の進展など、労働者を取り巻く環境が変化している中で、一人でも多くの労働者が安定的な職業につけるよう、時代や産業界のニーズに的確に対応した職業訓練に努めること。
 一、団塊の世代が定年退職を迎えようとする中で、高齢者の就業機会の拡大を図るため、区市町村と連携したシルバー人材センターの活性化や、はつらつ高齢者就業機会創出支援事業の積極的な展開等に努めること。
 一、障害者の就業促進を図るため、国との密接な連携を図りながら、職業能力開発の推進、普及啓発事業の推進など、積極的な取り組みを図ること。
 一、日本的雇用慣行の変容や雇用の流動化など、労働環境が大きく変化し、働き方が多様化する中で、男女がともに働きやすい就業環境の整備を図るとともに、個別的な労使紛争を解決するための労働相談機能等の充実強化を図ること。
 一、時代の変化や消費者ニーズに的確に対応した都市農業の振興を図るため、東京という大消費地に立地する優位性を生かした意欲ある取り組みを、農地と担い手マッチング事業や魅力ある都市農業育成対策事業などにより支援すること。
 また、食の安全・安心を確保するため、引き続き、生産情報の提供、生産段階の広域連携などの取り組みを進めること。
 一、林業経営の安定のため、間伐、シカ被害対策など森林保全対策を充実すること。
 また、東京という大消費地に立地する優位性を生かした、森林の持つ多様な機能を生かす森林産業の育成を図ること。
 一、島しょ農漁業の振興については、島しょの地域特性に合った基盤整備、栽培漁業の推進、農水産物の流通システムの整備など一層の充実を図り、農水産業の経営安定を図るための支援事業等を強力に推進すること。
 一、三宅島火山活動により被害を受けた島民の方々の生活再建や産業復興のために、引き続き適切な支援を講ずるとともに、必要な対策を充実すること。
 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
 一、豊洲新市場については、豊洲地域の環境との調和に留意するとともに、市場を取り巻く環境の変化に対応した首都圏の新しい基幹市場となるよう、関係機関と十分連携し、建設を着実に進められたい。
 一、第八次東京都卸売市場整備計画については、市場制度の改革等の趣旨を踏まえ、各市場それぞれの特性に応じてその機能が十分発揮され、卸売市場の活性化が図られるよう、その策定に努められたい。
 一、都民に対する食の安全と安心を確保するため、国内で生産された食品はもとより、輸入品も含め、常に消費者の視点に立ち、安全・安心な生鮮食料品が流通するよう万全を期されたい。
 一、国の卸売市場制度の改正等を踏まえ、都として積極的に市場改革に取り組み、安全でかつ効率的な流通を担う市場づくりを進めるとともに、卸売業者、仲卸業者など市場関係業者の経営基盤の強化が図られるよう、適切な指導を行われたい。
 一、食肉市場については、周辺環境に十分配慮しながら整備を進められたい。
 また、小動物と畜ラインの大動物と畜ラインへの転換による牛と畜数の増頭を円滑に行い、より安全で安心な食肉の供給に努められたい。
 一、市場における環境対策を推進するため、市場に出入りするディーゼル車両対策や市場内で使用する運搬車両の低公害化、市場から発生するごみのリサイクルなど、市場関係業者と協力しながら、環境への負荷の低減に努められたい。
 一、市場財政の健全な運営を確保するため、市場財政基盤の確立に向けて、財政のあり方について検討を進められたい。
 一、緊急災害時における生鮮食料品の供給に遺憾なきを期されたい。
 続いて、新銀行設立本部関係について申し上げます。
 一、新銀行創設の政策目的を実現するとともに、金融機関としての健全性を確保するため、平成十七年四月一日の本格開業後においても、新銀行の業務運営に対し、大株主として適切な監視を行うよう努めること。
 一、新銀行においては、事業再建を目指す中小企業の資金調達支援を目的としたDIPファイナンスに積極的に取り組み、いわゆる敗者復活を可能とする社会システムの構築に寄与するよう努めること。
 一、新たな技術やノウハウを持ちながらも、創業期において資金調達に制約があるベンチャー企業に対して多面的な支援を実施し、産業全体の活性化に寄与するよう努めること。
 最後に、港湾局関係について申し上げます。
 東京港を輸送革新及び取扱貨物量の増大に的確に対応できる効率的な港湾として充実させるとともに、東京にとって貴重な空間である臨海部埋立地を活用して、業務・商業、文化、居住の都市的機能がバランスよく配置された新しい港づくりを目指して、次の施策を強力に推進されたい。
 一、東京港におけるスーパー中枢港湾形成に向けた取り組みとして、ターミナル運営の効率化に向けた施策等を推進するとともに、港湾の規制緩和や商慣行の見直しに取り組むなど、官民を挙げて東京港のサービスアップとコストダウンを図られたい。
 また、東京港を国際貿易港としてさらに発展させるために、ポートセールス活動を引き続き推進し、内外の船舶、船客、貨物の誘致に努めるとともに、姉妹港、友好港交流事業等を推進するなど、港の活性化を促進されたい。
 一、東京港は、大都市生活港湾として、首都圏などの住民生活及び産業活動に必要な物資の流通拠点として重要な位置にあり、近年の船舶の大型化、モーダルシフトの進展、国際物流動向等に的確に対応し、港湾機能を充実強化した東京港とするため、外貿コンテナふ頭の整備を進めるとともに、既存ふ頭の機能強化にも積極的に取り組まれたい。
 一、臨海副都心の魅力を高め、新たな企業進出を促すとともに、東京の活性化を図るため、イベントの誘致や外国人観光客の呼び込みに努めるなど、観光まちづくりを推進されたい。
 一、臨海副都心の開発は、中小企業に対する大きな経済波及効果や雇用創出効果をもたらし、東京再生に大きく寄与する重要な事業であり、規制緩和や地区ごとの特性を生かした事業者誘致に積極的に取り組み、着実に開発を進められたい。
 また、災害時の支援物資の受け入れ、運搬など、有明の丘を中心とした臨海副都心全体として、防災機能の充実や体制整備を図られたい。
 一、臨海副都心を初め東京臨海地域の交通アクセスの向上のため、東京港臨海道路の整備、新交通「ゆりかもめ」の臨海副都心地域から豊洲方面への延伸など、広域交通基盤施設の整備を積極的に推進されたい。
 一、豊かな水辺環境を生かした職住近接のまちづくりを目指す豊洲・晴海地区や有明北地区の開発を着実に進めるとともに、広域幹線道路の整備を促進されたい。
 一、都民の生命、財産を高潮等の災害から守るため、防潮堤等高潮防御施設の整備を前倒しするとともに、臨海地域全体の地盤の液状化対策や、ふ頭、道路、橋梁等の耐震性強化に努められたい。
 一、新芝運河など東京港の運河を、都民が水辺に親しみ憩えるよう、汚泥の除去等の水質汚濁防止、浄化を図るなど環境整備に努められたい。
 一、新海面処分場の整備を着実に進めるとともに、地盤の深掘等による容量の増大や、建設発生土、しゅんせつ土の広域利用などリサイクルを進めて、新海面処分場の延命化を図られたい。
 一、海上公園は、臨海部の魅力を引き出す役割を期待されているが、都独自の制度であるメリットを生かし、水辺や水域の開放を進めるなど、規制緩和に取り組まれたい。
 また、中央防波堤内側の海の森の整備に当たっては、都民がみずからの森と実感できる取り組みを行われたい。
 一、離島住民の生活の安定、産業の振興を図るため、島しょの港湾、漁港、空港などの整備を引き続き推進されたい。特にジェットフォイルの就航率を改善するため、港湾の防潮堤等の整備を推進されたい。
 また、離島航路補助の充実に努めるとともに、離島航空路補助の実施などにより、島しょ航空路線の維持を図られたい。
 さらに、三宅島等の災害復旧に万全を期されたい。
 以上をもって意見の開陳といたします。

○大津委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成十七年度予算にかかわる議案について意見の開陳を行います。
 平成十七年度予算案は、一般会計で前年度比二・六%増の五兆八千五百四十億円、一般歳出で前年度比一・一%減の四兆一千七百五十九億円となっています。都税収入を、八・四%、三千三百二億円増の四兆二千五百八億円と見込んでいますが、これは十六年度当初比であり、十六年度最終補正後との比較では、一・一%、四百六十四億円の増しか見込んでいません。景気の先行き不透明感から、手がたく見込んだといえます。都債は三千六百五十八億円と、十六年度に比べて二四・二%、千百七十一億円減となっていますが、通常債で見れば、二百八十七億円増の二千六百六十二億円となっています。
 いわゆる三位一体改革により、新たに七百三十五億円が歳入に計上されましたが、新たな負担が八百十二億円に達し、差し引き七十七億円の負担増となっています。さらに、法人事業税の分割基準の見直しで、平成十八年度より約六百億円の減収が見込まれています。自治体の自立につながる真の分権改革の結果による減収、負担増であるならばやむを得ませんが、今回のいわゆる三位一体改革も、単に国の負担を自治体に押しつけるものでしかなく、到底許せるものではありません。
 歳出においては、福祉と保健、都市の整備以外は軒並み前年比減となっており、福祉と保健の増四百四十二億円についても、いわゆる三位一体改革による国民健康保険都負担金等四百六十六億円の負担増によるもので、実質的には前年比二十四億円減といえます。
 こうした中にあっても、財政構造改革を進めつつ、都民生活の安全確保、都市機能の拡充、福祉、医療の充実、東京の産業力の強化などの課題に施策を厳選して重点的に予算を配分しており、とりわけ投資的経費を、八・九%、五百十億円増の六千二百三十一億円とした点は、財政状況を勘案するならば、評価できるものになっています。
 都民福祉の向上を図るためには、単に福祉と保健の歳出増を図るだけではなく、そのための原資となる税源の涵養もまた講じていかなければなりません。とりわけ東京では、本年をピークに生産年齢人口が減少に転じ、十年後には総人口そのものが減少に転じるという歴史的転換点を迎えています。今後も、そうした中長期的視点に立った財政構造改革を進め、都民福祉の後退となることのないよう、知恵を出し、工夫を凝らされるよう求めておきたいと思います。
 以上、私どもの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について述べさせていただきます。
 まず、産業労働局についてです。
 一、若年者の雇用就業支援を充実するために、しごとセンターにおけるキャリアカウンセリングの充実や街角カウンセリングなど、多様なルートによる若者へのアプローチを図ること。特にしごとセンターでは、若者が立ち入りやすく、相談しやすい雰囲気の創出に努めること。
 また、インターンシップの受け入れや就職相談会などを促進するために、若者支援サポーター企業の組織化を図ること。
 一、労働相談機能を、充実強化に向けて、困難事例などの相談情報を集約、分析、周知するなど、体制整備を図ること。
 また、都民が利便性の高い地域で労働相談を受けられるよう、池袋での事務所を早期に設置すること。
 一、勤労者の生活の安定と向上を図るために、ファミリー・サポート・センターの対象拡大を図るとともに、センターの機能充実を図ること。
 一、中小企業リバイバル支援事業として、廃業や事業承継等の問題を抱える中小企業に対して、できるだけ早い段階での対策が可能となる相談体制を構築するとともに、再生ファンドの活用などにより、具体的な支援を講じること。
 一、東京のアニメ、映像産業の振興を図るため、データベースの構築や制作資金支援のための仕組みを構築すること。
 また、東京国際映画祭など、東京都が関与する映画祭を連携して展開すること。
 一、商店街の活性化に向けて、新・元気を出せ商店街事業の予算規模の拡大を図るとともに、新たに地域連携型モデル商店街事業等を創設すること。
 また、商店街の財政基盤の安定化を図るために、商店街の街路灯を活用して、広告を張り出す企業から収入を得られる仕組みづくりに取り組むこと。
 一、中小企業制度融資については、前年度と同水準の十分な融資目標額を設定するとともに、新たに事業承継などのメニューを創設すること。
 また、保証協会と金融機関とがリスクを分担し合う部分保証の導入なども見据えた制度の見直しを検討すること。
 一、東京の観光資源の開発に向けて、隅田川などの水辺空間の魅力向上に取り組むために、早期に全体構想を取りまとめるとともに、テラスの連続化及び憩いの場としてのテラスの活用などについて率先的に取り組むこと。
 一、豊かな森を将来に引き継ぐために、総合的なシカ対策を実施するとともに、多摩産木材の利用促進に向け、公立公園のトイレや児童遊具などでの利用を進めること。
 また、花粉症対策として、花粉の多い杉を重点的に間伐、枝打ちする効果的な森林管理手法に取り組むとともに、無花粉杉を入手し、その普及に努めること。
 次に、中央卸売市場についてでございます。
 一、市場会計の健全化を図るため、現在の市場会計の財政状況を把握し、公営企業としての効率的な経営に向けて、より一層の企業努力に努めること。
 一、改正卸売市場法の施行により、仲卸業者の財務基準が策定されたところですが、東京都としても、仲卸業者などとも十分協議しながら、よりきめの細かい経営指導を行い、仲卸業者の経営強化を図ること。
 一、市場内で荷物搬送を行っている小型特殊自動車の電動車への切りかえをより強力に推進するため、購入等に対する補助を増額すること。
 一、卸売市場活性化のために、将来の市場のあり方などを見据えた第八次卸売市場整備計画の策定に向け、取り組むこと。特に豊洲新市場の整備に当たっては、できる限り一体的な敷地の確保に努め、市場関係者や地元自治体の意向に十分配慮をすること。
 次に、新銀行設立本部についてです。
 一、新銀行については、官としての信用力や影響力を背景としない民間銀行とし、中小企業に対する総合的な支援という設立目的の実現と経営の安定方策について十分配慮をすること。
 また、店舗やATMの仕様については、障害者に十分配慮をすること。
 次に、港湾局についてでございます。
 一、東京港の国際競争力を強化するため、コンテナターミナルの利便性の向上と運営コストの削減に取り組むこと。
 また、京浜港間のコンテナ輸送の効率化や、コンテナターミナル管理におけるICタグの活用に取り組むこと。
 さらに、京浜港ポートオーソリティーも含め、新たな港湾運営のあり方を目指し、両港の連携を積極的に進めること。
 一、隅田川などとも連続して、水辺空間の魅力向上を図るために、運河ルネッサンスを推進すること。特に豊洲地区については、民間開発者がドックの保存、活用を検討しており、周辺の公園整備とあわせ、快適な水辺空間の創設に努めること。
 一、都市防災への貢献として、防潮堤の整備や内部護岸の補強に重点的に取り組むとともに、水門の耐震強化を図ること。
 一、改正SOLAS条約に基づき、監視カメラやフェンス等の保安施設の設置に加え、監視員の充実を図ることなどにより、東京港の水際対策に取り組むこと。
 一、中央防波堤内側地区における海の森の整備に向けて、都民等との協働のための体制づくりに着手するとともに、在来種の育成や環境に優しい交通アクセスなど、自然環境の再生を全国に発信できるさまざまな工夫を凝らすこと。
 一、東京港臨海道路二期の整備をすること。
 また、広域交通基盤の整備として、晴海通り、環状二号線など広域幹線道路の整備を進めるとともに、新交通「ゆりかもめ」の豊洲延伸を推進すること。
 一、臨海副都心地域への企業誘致に引き続き取り組むとともに、魅力的な土地の暫定利用を進め、臨海副都心の地域ブランドを高めるよう努めること。
 また、まちづくり協議会の体制を充実し、臨海副都心ならではのイベントをつくり出すなど、新しい観光資源の開発等に取り組むこと。
 最後に、労働委員会事務局についてでございます。
 一、労働組合法の改正を踏まえ、審査計画書の策定や審査の迅速化を図るため、ITの活用などを含めて事務局体制を強化すること。
 以上で、都議会民主党を代表いたしまして意見開陳を終わります。

○清水委員 日本共産党都議団を代表し、平成十七年度予算案に対し、意見開陳を行います。
 東京都の来年度予算案は、小泉政権による七兆円もの負担増が都民生活にさらなる痛みを押しつけようとしているもとで、三位一体改革に伴う予算増分を除けば実質的に削減となる福祉予算を初め、医療、教育、住宅、中小企業、環境など、都民生活にかかわる予算を軒並み削減するものとなっています。その一方、丸の内開発、三環状道路など、多国籍企業のための都市再生を聖域とし、重点的に配分することで、都市の整備予算だけが突出して増額されています。
 そうした中で、日本の産業を支える重要な役割を担っている中小企業への支援はますます重要になっていますが、中小企業対策予算は十年連続で減らされ、ピーク時には四千億円以上あった予算が、来年度はその半分です。制度融資は、預託原資が最高時の六割以下に削減され、借りかえ融資の拡充を求める業者の切実な声が見送られました。
 都内の事業所当たりの予算は、この六年間に全国の順位を四位も下げ、全国で下から八番目の三十七位になりました。全国の自治体が、厳しい財政状況の中でも商工予算を守り、それなりに拡充しているのとは大きな違いです。せめて各県並み、今の二倍の水準に引き上げることを求めるものです。
 産業労働局関係です。
 一、商工指導所の再開、ものづくりのコアとなる大学と連携した研究室、産学公連携、インキュベート、常設展示場などを持った総合的な研究、支援施設を集積地域ごとに開設すること。
 一、地域資源活用型産業活性化事業など、新しい工業のあり方などを踏まえた工業集積地域活性化事業を立ち上げること。
 一、多摩中小企業振興センターを抜本的に拡充するとともに、多摩東部、西部にもブランチを出すこと。
 一、メッキ産業、繊維産業、アニメ産業を初め、製造業、建設業など、分野別の振興プランを策定し、振興すること。
 また、機械金属、アパレル、印刷製本など三大集積産業を東京を代表する産業として位置づけ、支援すること。
 一、産業技術研究所の独立行政法人化を行わないこと。八王子分室の存続など、直営で拡充を図ること。
 工業集積地域ごとに試験研究機関を設置するなど、製造業の生き残り支援を強めること。
 一、深刻な雇用情勢に対応し、都として雇用対策室を設置すること。若年者の就職支援を抜本的に強化すること。しごとセンター及びヤングコーナーを多摩地域に整備すること。
 一、大企業に対して、リストラによる人減らしを規制し、新規採用など雇用を確保するよう求めること。
 また、労働時間短縮やサービス残業規制の通達徹底と、未払い賃金の支給、有給休暇の完全取得などによる雇用確保を政府、経済団体、企業に働きかけること。
 一、次世代育成支援に基づき、企業、中小企業が育児・介護休業など仕事と家庭の両立支援を進めやすいよう、都としての支援を強化し、助成を行うこと。
 一、大型店の無秩序な出店から地域経済を守るために、国による立地法の見直しに際し、商業調整を自治体の権限で規制できるよう改正することを求めること。
 一、小売商業調整法に基づく申請に、中小業者の営業を守る立場から積極的に対応すること。
 一、輝け店舗支援事業の復活、商店街総合活性化事業の創設、新・元気を出せ商店街事業の拡充など、三位一体の支援システムをつくり、支援すること。
 一、都の公共事業を、住宅建設や介護基盤整備など生活密着型に思い切って重点を移すとともに、分離分割発注を強め、中小企業の仕事確保に努めること。
 一、預託原資を積み増しし、すべての融資に預託を行い、低利の政策金利とするなど、業者が使いやすいものとすること。
 一、保証つき融資を初め、設備投資なども含めた京都並みの借りかえ融資を創設すること。無担保無保証人融資の貸出額を一千五百万円まで引き上げること。
 一、巨大消費地である首都東京の都民への食の安全確保と食料の自給率向上、環境保全など、農林業の多面的機能を重視し、東京の基幹産業と位置づけ、予算を増額すること。
 一、農業、林業、水産、畜産の各試験場の統廃合や外部委託は行わないこと。各研究員を増員し、施設の整備拡充などを図ること。
 一、獣害対策の強化と多摩産材の積極的活用を図ること。
 中央卸売市場関係です。
 一、卸売市場制度の変質と解体につながる大幅な規制緩和はやめ、本来の市場機能の発揮こそ重視すべきです。
 一、築地市場の再整備は、地元、市場関係者の声を尊重し、関係者合意に努めること。交通アクセス、土壌汚染など、問題が指摘されている豊洲移転は強行しないこと。
 一、第二次アクションプランに基づく統廃合や民間委託は行わないこと。各市場の再編整備に当たっては、業者、住民との十分な協議を行うとともに、市場分場の一方的な廃止を行わないこと。
 一、市場全施設の耐震診断を行い、その結果を明らかにし、耐震補強工事を計画的に行うこと。民間の施設の補強工事について、促進を図るための援助を強めること。
 港湾局関係。
 臨海開発は、計画から既に二十年以上が経過し、過大な都財政をつぎ込み、一兆円を超える借金と売れない土地が残されています。臨海副都心開発事業会計が借り入れ、返済しなければならない借金は、今後、残された土地のすべてが売れたとしても、完済することは困難です。数年後から始まるその借金返済で資金ショートし、隠れ借金を膨らませていくことが現実の問題となっています。
 臨海関連の第三セクターの破綻処理も避けて通れない問題であり、都はこれまで、三百億円以上の財政支援を行ってきたにもかかわらず、昨年の決算では、臨海関連三セク五社は軒並み赤字で、その累積損失は合計で千三百億円を超えるという異常事態です。臨海副都心開発の抜本見直しに直ちに着手することを求めるものです。
 一、東京港湾計画は、都民生活の充実や中小企業の振興につながる物流機能の充実を図るとともに、貴重な水辺空間は都民の憩いの場として整備すること。
 一、破綻した臨海副都心開発を凍結し、税金投入を中止するとともに、都民参加で見直すこと。
 一、臨海地域開発事業会計は、埋立会計と分離し、従前に戻すこと。埋立事業の余剰金は、臨海開発につぎ込むのではなく、都民のために活用すること。
 一、環状二号線、晴海通り延伸、第二期臨海道路など、臨海副都心のためのアクセス道路、広域幹線道路建設は凍結し、抜本的に再検討すること。
 一、破綻した第三セクタービル経営への都財政投入はやめ、企業責任で解決を図らせること。都民への情報公開を全面的に行うこと。
 一、大企業奉仕の豊洲・晴海の開発はやめること。
 以上です。

○野島委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長まで提出いたしますので、ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○野島委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第九十五号議案から第百十一号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも質疑を終了しております。
 ただいま、第百四号議案に対し、谷村理事外十名から付帯決議案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

付帯決議案の提出について
第百四号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
 右議案に付する付帯決議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成十七年三月十八日
(提出者)
谷村 孝彦  山田 忠昭  柿沢 未途
ともとし春久 野島 善司  松原 忠義
三宅 茂樹  大津 浩子  鈴木貫太郎
山崎 孝明  川島 忠一
経済・港湾委員長殿

第百四号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例に付する付帯決議案
一 中央卸売市場は、近年の生鮮食料品流通をめぐる情勢の変化に的確に対応できるよう、消費者ニーズに対応した商品提供機能の強化や適正な品質管理の推進などにより、競争力の一層の向上に取り組むこと。
二 取引規制等の緩和に伴う卸売業者・仲卸業者による卸売市場外での販売行為の承認については、地域社会において重要な役割を担っている専業小売店の経営に著しい影響を及ぼすことが厳に無いよう適切に運用すること。

○野島委員長 これを本案とあわせて議題といたします。
 この際、本案に対する発言の申し出がありますので、これを許します。

○丸茂委員 日本共産党を代表して、第九十五号議案、東京都しごとセンター条例の一部を改正する条例から百四号議案、及び第百六号議案から第百十一号議案に至る、合計十六議案に反対の意見を述べます。
 第九十五号議案から九十七号議案、百七号議案から百九号議案は、いずれも指定管理者制度にかかわる条例の一部改正です。指定管理者制度は、地方自治法の改正で、公の施設の管理をこれまでの委託方式から指定管理者制度に改め、管理を法人その他の団体に委託できるようにするもので、一番のねらいは営利法人への委託にあり、公共施設の民営化に道を開くものです。導入の背景には、財界による公的分野の市場開放の要求があり、市場原理に公共サービスを委ねることは、都民の負担増やサービス低下を招きかねません。
 我が党は、こうした基本を踏まえ、海上公園の管理を例に、公の施設の公共性が確保され、住民サービスが堅持されるよう、第三者の管理運営委員会や利用者会議の設置などを求めましたが、認められませんでした。また、検討の中身も説明不十分であること、導入による経営改善が、コスト縮減として労働者に犠牲が及びかねないことなどから反対する。
 第百六号議案は、と畜料の大幅値上げであり、百十号、百十一号議案も料金値上げを含む改正であり、反対する。
 第九十八号議案は、敷地面積九千平方メートル以上または建築物の面積三千平方メートル以上の大規模工場の緑地面積を国基準から緩和するものであり、緑化の拡充こそ求められる現在、認められない。大企業の都外移転は、開発優先の都市再生が要因であり、ものづくりの産業政策をきちんと位置づけることこそ求められていると考える。
 第九十九号議案から百一号の議案は、都市農業の多面的機能が見直され、安心・安全な農産物が求められているときに、農業振興からの後退などにかかわる条例改正であり、反対する。
 第百二号、百三号議案は、厳しい雇用情勢が続くもとで、技術専門校や労政事務所がますますその役割を発揮すべき重要な施設であるにもかかわらず、王子技術専門学校や労政事務所を廃止し、移転、統合することは、到底認めることはできない。
 第百四号議案は中央卸売市場法の改正に伴う条例改正だが、生鮮食料品の適正な商品流通の品質管理は、食の安全・安心から重要である。しかし、取引規制の緩和や経営体質強化については、市場の基本である商物一致の原則が緩和されたり、原則禁止の卸の買い付け集荷を全面的に認めるなど、小規模や力の弱い業者は市場から排除されかねないものである。付帯決議については理解できるものの、法改正そのものが、WTO体制下での食料品の公的管理を大幅に縮小し、巨大化しつつある食品産業の利潤追求のビジネスチャンスを強めるねらいを持っている。法改正に反対した経過を含めて、反対する。
 以上、反対意見とします。

○野島委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百四号議案を採決いたします。
 まず、谷村理事外十名から提出された付帯決議案について、起立により採決いたします。
 本案に、お手元配布の付帯決議を付することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野島委員長 起立多数と認めます。よって、本案にお手元配布の付帯決議を付することに決定いたしました。
 次に、本案について、起立により採決いたします。
 本案は、ただいまの付帯決議を付して、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野島委員長 起立多数と認めます。よって、第百四号議案は、お手元配布の付帯決議を付して、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第九十五号議案から第百三号議案まで、及び第百六号議案から第百十一号議案までを一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野島委員長 起立多数と認めます。よって、第九十五号議案から第百三号議案まで、及び第百六号議案から第百十一号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百五号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認めます。よって、第百五号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○野島委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情一七第一六号を議題といたします。
 本件については、質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野島委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一七第一六号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情審査を終わります。

○野島委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○野島委員長 この際、所管局を代表しまして、津島新銀行設立本部長から発言を求められておりますので、これを許します。

○津島新銀行設立本部長 本委員会所管五局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 野島委員長を初め委員の皆様方には、本定例会にご提案申し上げました議案等につきまして熱心にご審議を賜り、まことにありがとうございました。ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご指導につきましては十分尊重させていただき、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
 今後とも、所管五局に対しまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、御礼のあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。

○野島委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十四分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る