経済・港湾委員会速記録第十四号

平成十六年十一月二十九日(月曜日)
第八委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長野島 善司君
副委員長山田 忠昭君
副委員長柿沢 未途君
理事谷村 孝彦君
理事清水ひで子君
理事松原 忠義君
ともとし春久君
三宅 茂樹君
大津 浩子君
丸茂 勇夫君
鈴木貫太郎君
山崎 孝明君
川島 忠一君

欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長関谷 保夫君
総務部長島田 健一君
参事奥秋 彰一君
参事三枝 秀雄君
参事佐藤 仁貞君
商工部長市原  博君
商工施策担当部長塚田 祐次君
金融部長中井 敬三君
参事坂  崇司君
観光部長高松  巖君
参事保坂 俊明君
農林水産部長菊地 輝雄君
参事瀧川  清君
雇用就業部長安藤 立美君
就業調整担当部長関口 栄一君
港湾局局長成田  浩君
技監樋口 和行君
総務部長斉藤 一美君
団体調整担当部長岡田  至君
港湾経営部長片岡 貞行君
参事新田 洋平君
臨海開発部長鈴木 雅久君
参事尾田 俊雄君
参事松本 義憲君
港湾整備部長田中  亨君
計画調整担当部長滝野 義和君
離島港湾部長萩原 豊吉君
参事西塚 武彦君
地方労働委員会事務局局長久保田経三君

本日の会議に付した事件
地方労働委員会事務局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都地方労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・東京都地方労働委員会あつ旋員の費用弁償条例の一部を改正する条例
・審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
産業労働局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
港湾局関係
報告事項(説明)
・中央防波堤内側海の森(仮称)構想中間のまとめ
請願の審査
(1)一六第四四号 海の森構想の中で青少年のキャンプができるようにすることに関する請願

○野島委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、地方労働委員会事務局及び産業労働局関係の第四回定例会提出予定案件の説明を聴取した後、港湾局関係の報告事項の説明聴取及び請願審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより地方労働委員会事務局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定しております案件について理事者の説明を求めます。

○久保田地方労働委員会事務局長 平成十六年第四回都議会定例会におきましてご審議をお願いいたします、地方労働委員会事務局所管の議案についてご説明申し上げます。
 お手元の別冊になっている資料、条例案をごらんください。
 目次をお開きいただきたいと存じます。今回提出を予定しております条例案は三件で、いずれも、今臨時国会で十一月十日に成立し、十七日に公布されました労働組合法の改正に伴うものでございます。
 目次の次の一ページをお開き願います。東京都地方労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 労働組合法の改正により、「地方労働委員会」が「都道府県労働委員会」に名称変更されたことに伴いまして、条例の題名及び条文中にあります「東京都地方労働委員会委員」の名称を「東京都労働委員会委員」に変更するものでございます。
 資料の二ページ目は新旧対照表となっております。
 次に、資料の三ページをお開き願います。東京都地方労働委員会あつ旋員の費用弁償条例の一部を改正する条例でございます。
 地方労働委員会の名称変更により、条例の題名及び条文中にあります「東京都地方労働委員会あつ旋員」の名称を「東京都労働委員会あつせん員」に変更するなど、規定の整備を行うものでございます。
 資料の四ページは新旧対照表となっております。
 次に、資料の五ページ目をお開き願います。審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 労働組合法の改正によって、別表中の引用条文を変更する必要に伴い、規定の整備を行うものでございます。
 資料の六ページ目は新旧対照表となっております。
 また、これらの条例の施行期日は、いずれも平成十七年一月一日といたしております。
 なお、労働組合法改正の概要を、参考として配布させていただいております。
 以上、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で地方労働委員会事務局関係を終わります。

○野島委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定しております案件について理事者の説明を求めます。

○関谷産業労働局長 平成十六年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております産業労働局関係の案件につきましてご説明を申し上げます。
 提出案件は、東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例一件でございます。
 薬事法の改正に伴い、動物用高度管理医療機器等の販売業または賃貸業の許可などに係る手数料の規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明を申し上げます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○島田総務部長 産業労働局所管の条例案一件につきましてご説明申し上げます。
 資料2、条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開きいただきます。薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の施行による薬事法の改正に伴い、東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正し、薬事法及び同施行令に基づく事務を新たに規定するものでございます。
 概要の(1)、手数料の新設でございますが、動物用高度管理医療機器等の販売業または賃貸業の許可申請にかかわる手数料の規定など、新たに四つの事務について手数料を設けるものでございます。
 (2)につきましては、条例中に引用している条文などについて規定を整備するものでございます。
 施行日につきましては、平成十七年四月一日を予定しております。ただし、許可申請に対する審査に関する規定につきましては、平成十七年一月一日を予定しております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○野島委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○鈴木臨海開発部長 中央防波堤内側に計画されております海上公園、仮称海の森の構想につきまして、昨年十一月、東京都港湾審議会に諮問し、専門部会で検討を進めてまいりました。このたび、これまでの検討結果を中間のまとめとして港湾審議会に報告されましたので、ご説明申し上げます。
 なお、海の森の名称は、現在のところ仮称でございますが、ご説明に当たりましては、仮称について省略をさせていただきます。
 これまで六回開催された専門部会では、まず、構想策定に当たっての基本的な考え方を整理し、その上で、どのような公園にし、どのように事業を進めていくかということを中心に検討してまいりました。
 お手元の資料1、中間のまとめの概要及び資料2の三枚の図面でご説明申し上げます。
 資料2の一ページは、海の森のコンセプトをお示ししております。
 二ページは、海の森の事業に当たりましての主な課題と対応方策、都民、企業、NPO等との協働による事業の展開等についてお示ししております。
 三ページが構想平面図でございます。各コーナーのイメージ写真を添えてお示ししております。
 それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。
 まず、海の森の位置づけでございます。
 計画地は中央防波堤内側埋立地の東側にあり、面積は約八十七・九ヘクタールでございます。完成いたしますと、日比谷公園の五・五倍にもなる区部最大級の公園となります。この区域のほとんどが、昭和四十八年から昭和六十二年にかけて区部で発生したごみ一千二百三十万トンで埋め立てられた土地でございます。
 計画地内には、平成八年度に開催されました全国植樹祭の植樹地、埋め立てごみからしみ出す汚水を処理する第三排水処理場、東京臨海風力発電所、東京都建設発生土再利用センター等の諸施設があり、これらは長期にわたって存続するものでございます。
 計画地は、昭和四十七年七月の東京港第二次改訂港湾計画一部変更以来、緑地として計画されてまいりました。平成十三年十二月には、内閣府都市再生本部による都市再生プロジェクト第三次決定におきまして、堺、尼崎とともに、臨海部の緑の拠点形成の先導的事例として位置づけられております。また、東京港第七次改訂港湾計画基本方針、東京らしいみどりをつくる新戦略等におきまして、水と緑のネットワークや海辺の回廊など、ネットワーク形成上の拠点として位置づけられております。
 このような位置づけの海の森につきまして、平成十四年の東京都海上公園審議会答申では、「蘇れごみの島」として、都民等との協働により自然環境の再生を図ることを提言されております。
 こうした背景を踏まえて、海の森構想の基本的な考え方を、自然環境の再生、活気ある個性的な公園、新しい事業手法の展開といたしました。
 資料2の一ページをごらんください。第一の自然環境の再生では、海風の強いごみ埋立地での自然再生を行い、多様な生物が息づく豊かな自然を取り戻してまいります。その一つとして、臨海部に植えられている木々から、ドングリを初めとした種子を採取し、それをまいて苗木を育てていくという取り組みを行ってまいります。
 第二の活気ある個性的な公園では、より多くの利用者が訪れるよう、立地やスケールメリットを生かし、周辺にある公園との差別化を図り、個性化を図るものでございます。森や海での自然との触れ合い、広場でのイベントの開催、前面の海域でのマリンスポーツなどにより、活気ある公園を目指していくこととしております。
 第三の新しい事業手法の展開では、都民や企業の社会参加や社会貢献への意欲の高まりに対し、社会的な参加の場として位置づけ、さまざまなニーズに合う多様な参加形態を展開して、民間の力を活用し、都民、企業、NPOなどと協働しながら森づくりを進めていくものでございます。
 このような基本的な考え方を進める上での欠かせない視点として、リサイクル、自然環境を学ぶ、海と空の玄関口にランドマークの形成、時間をかけて段階的に整備の四つをお示ししました。
 リサイクルの視点でございますが、計画地は、かつてごみの島であったことと、現在も周辺にリサイクルや廃棄物処理施設が立地しているため、持続可能な社会の実現のための取り組みの一つとして、整備や利用においてリサイクルに取り組んでまいります。例えば、剪定枝葉のリサイクルによる土づくりや、間伐された根株による緑化、建設発生土を用いた造成、雨水を有効に活用した整備などを図ってまいります。
 自然環境を学ぶという視点でございますが、海の森では協働により自然環境の再生を進めることから、その過程で得られる多様な情報を活用して積極的に環境学習に取り組むとともに、それにかかわる人材の育成を進めていくことが必要であると考えております。
 海と空の玄関口にランドマークの形成につきましては、計画地が東京の空と海の玄関口に位置するため、航空機や船舶からの眺望、臨海部の建物等からの眺望を考慮し、東京湾に浮かぶ大きな緑の森として、新たな東京のランドマークとなるように整備を図ることが必要であるとの考え方でございます。
 時間をかけて段階的に整備をするという視点につきましては、自然再生の取り組みにおいては、ドングリから苗木を育て、さらに森へと成長させていくため、長期的な視点に立った整備を進める必要があると考えております。また、都民等のより広範な参加による森づくりを継続的に行うため、世代を超えた取り組みが必要であるとも考えております。
 こうしたプロセスを重視した森づくりによって、一人一人の公園であるという意識や愛着が醸成されていくものと考えております。
 また、長期にわたる事業となることから、整備の過程で順次供用するため、段階的な整備を進めるとともに、社会の変化に対応して適宜事業を見直すことも必要であると考えております。
 このような考え方や視点に立ちまして、ごみの埋立地をおおむね三十年かけて、新しい東京のシンボルとなるような、海に囲まれた緑豊かな公園に整備をしていくこととしております。
 資料2の二ページをごらんください。公園の整備に当たっては、幾つかの条件や課題がございます。一つには、台形の単純な地形であること、二つには、ごみの埋立地であり、大規模な掘削ができないこと、三つ目は、強い海風を受ける埋立地で自然再生を進めること、このほか、計画地への交通手段、海とのつながり、外側から見たときの景観形成などの課題がございます。
 こうした課題への対応といたしまして、一つには、台地上部に土塁を設け、部分的に小山をつくるなどにより、地形に変化を持たせてまいります。二つには、土壌改良を図りながら、風に強い種類や植え方により防風林を形成してまいります。
 こうした取り組みにより、風の影響を弱め、多様な植物の生育を可能にし、海、海辺、草地、林、森などの自然の多様な形態を配置するとともに、利用しやすい空間を確保してまいります。
 また、バス以外にも、海上バスを利用した海からの交通手段を確保するとともに、海辺にいそ浜やプロムナードを設け、海に親しめる空間を確保してまいります。
 資料2の三ページをごらんいただきたいと思います。構想平面図でございます。
 計画地の持つ条件や課題に対応いたしまして、人の動線や自然の度合いとの兼ね合いを考えてゾーンの配置を行っております。
 斜面部に防風機能を有した常緑樹主体の風の森、この風の森に囲まれた台地中央部に、つどいのくさ原、ふれあいの林、観察と保全の森の三つの利用ゾーンを配置いたします。
 また、臨海道路や海からのアクセスを考慮し、計画地南側に、エントランス、管理、サービス拠点、駐車場などのサービスエリアを配置いたします。
 さらに、計画地の南東から東にかけては、観察と保全の海辺とふれあいの海辺を配置し、人と生き物と海との接点を創出いたします。
 海沿いには、海に親しんでいただけるよう、プロムナードやいそ浜を配置しております。また、海からおいでいただけるよう、海上バスの発着場を設けております。この海上バス発着場前の広場からは、臨海道路の第三航路横断橋や対岸の若洲地区を望むことができます。
 海辺から内側に入りましては、原っぱ、林、森、池などを、利用の度合いと自然の度合いに順次変化を持たせた配置を行っております。
 土塁の内側に降った雨水をためた池が、原っぱと林の間と、林と森の間の二カ所につくられ、異なる景観を見せます。この池から流れ出る小川が東側の湿地を潤し、さらには海際の潮入りの池に入って、淡水と海水がまざり、そこにすむ生物の種類をふやします。
 原っぱでは、野外コンサートなどのイベントも開かれます。
 また、海の森から臨海部を展望できるよう、小山を配置しております。
 東側の斜面にはお花畑を設け、若洲地区や航路からの景観に四季の彩りを演出しております。
 次に、新しい事業手法の展開でございますが、恐れ入りますが、もう一度、資料2の二ページをごらんいただきたいと思います。
 都民、企業、NPO等との協働によって事業を進めていくに当たりまして、その仕組みについて考え方をまとめております。
 海の森づくりは、市街地から離れた埋立地での事業であり、東京都を代表する大規模な公園であり、長期にわたる事業でありますので、地域や世代を超えて、より広範な都民、企業、NPO等の参加を求めて協働事業を進めていく必要があります。そこで、協働についての原則的な考え方を五つ示してございます。
 一つ目は、役割分担の明確化でございます。協働参加者と東京都は役割分担を明確にし、協働事業を展開していくことが必要でございます。
 二つ目は、進化発展する協働の仕組みづくりでございます。事業の初期段階では東京都が協働事業を先導し、徐々に協働参加者の自主性を拡大し、試行、軌道修正をしながら独自の仕組みへと進化をさせていくこととしております。
 三つ目は、海の森をつくり、育て、守り続ける仕組みづくりでございます。世代を超えた森づくりを支えるために、継続する協働の仕組みを考える必要がございます。
 四つ目は、公平性、公開性を担保した仕組みづくりでございます。広範な参加を得るためには、特定の参加者による偏った運営が行われないよう、公平性、公開性を確保する必要がございます。
 五つ目は、拡大するネットワークづくりです。さまざまな都民、企業、NPO等の参加や交代が繰り返される柔軟な体制を継続し、さまざまな主体とのネットワーク形成、人や組織の育成を図ってまいります。こうした考え方によって、海の森の活動が外部へ波及していくことが期待されるとしております。
 海の森の事業の進め方でございますが、事業期間としましては、おおむね三十年程度と想定をしております。そのため、整備の終わったところから順次利用していただけるような段階的な整備を進めてまいりたいと考えております。この過程で協働活動も行われますので、整備、利用、維持管理、協働を総合的にマネジメントして、よりよい事業の展開を図っていくことが必要であると考えております。
 以上、仮称海の森構想の中間のまとめの概要を説明させていただきました。詳細につきましては、後ほど本文をご一読いただければ幸いに存じます。
 報告は以上でございます。

○野島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○野島委員長 これより請願の審査を行います。
 一六第四四号、海の森構想の中で青少年のキャンプができるようにすることに関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○鈴木臨海開発部長 本日ご審査いただきます請願につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます資料5、請願・陳情審査説明表をごらんください。
 一ページをお開き願います。本日ご審査いただきますのは、請願一件でございます。
 それでは、一六第四四号、海の森構想の中で青少年のキャンプができるようにすることに関する請願についてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。本請願は、大田区日本ボーイスカウト東京連盟理事長、吉田謙さんほかから提出されたものでございます。
 請願の要旨は、中央防波堤内側海の森(仮称)構想において青少年のキャンプができるようにしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、中央防波堤内側海の森(仮称)の構想につきましては、平成十五年十一月に東京都港湾審議会へ諮問いたしまして、公園整備の内容や事業の進め方などについて検討を進めてきたところでございます。
 本年十一月二十四日に取りまとめられた中間のまとめでは、計画面積約八十七・九ヘクタールに深い森や疎林、原っぱ、池などを配置するとともに、疎林等におきまして青少年が多様な野外活動を体験できる場を想定しております。
 青少年の健全育成を図る野外活動としてのキャンプは、海の森(仮称)の構想に沿った利用形態の一つであると考えております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○野島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○松原委員 海の森構想については、また、党であり個人でやらせていただくかもしれませんが、きょうは、ただいま上程されました請願について何点か質問をさせていただきたいと思います。
 東京都がやっております海上公園というのは、現在四十二という大変大きな数があるわけで、面積的にも、七百八十八ヘクタールにも及ぶ面積になっているそうです。大変大きい面積でございますが、私の地元であります大田区にも、大井ふ頭中央海浜公園や東京港野鳥公園などの大規模公園があります。地元の方々を初め、大変多くの都民の方々が利用しているところとなっております。
 海上公園というのは、東京都海上公園構想をもとに、臨海部の埋立造成に伴いまして失われた自然の回復を図り、緑豊かな都市づくりを進めて、都民に、水辺の自然との触れ合い、スポーツ施設など多様なレクリエーションの場を提供するために整備を進めていると聞いております。レクリエーションの場としては、テニスコートや野球場といったスポーツ施設、キャンプ場や海釣り施設などの憩いの場、さらには野鳥観察や休息に供する施設などさまざまなものがあり、それぞれ果たす役割があると考えております。
 現実に、私のところにも東京港野鳥公園がありまして、これも大田市場との移転の中でできた公園でございますが、本当に関東でも屈指の珍しい鳥たちが飛び交っておりまして、野鳥だけに限らず、散歩の道としても都民の方々が大変多く利用をなさって、非常に関心の強いところでもあります。
 そういうふうなことでございますが、海上公園における、いろいろキャンプ場もあります。特に城南島のところにもあるわけなんですが、この海上公園におけるキャンプ場の整備状況というのはどのようになっているのか、また、どのようにこれは利用されているのか、まずお伺いいたしたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 現在、キャンプ場は、若洲海浜公園と城南島海浜公園に整備をしており、城南島海浜公園にはオートキャンプ場も設置しているところでございます。
 いずれも、テントサイトや炊事棟、野外炉が整備されており、都心で手軽にバーベキューやキャンプなどのアウトドアレジャーを楽しめる場として、多くの都民の方に利用されている実態にございます。

○松原委員 今の答弁のように、キャンプ場で手軽にバーベキューなどを楽しむ施設とか、憩いの場として大変利用されています。私も両方とも利用しておりまして、特に城南島の方は近いものですから、たびたび行っております。あそこのロケーションというのは、飛行機がもうどんどん入ってきて、空港が直接見えますものですから、音はうるさいんですけれども、都民の方から大変喜ばれているところでございまして、人工海浜場もつくっていただいて、釣り場もありますし、それぞれ大変楽しんでおります。
 若洲海浜公園も大変いいところなんですが、両方のキャンプ場を見ていまして感じるのは、大変悪い言葉でいうと、キャンプができる一つの面積がすごく狭いんですよ。特に若洲の方は狭いですね。いっちゃ悪いかもしれないけれども、よく新興住宅の宅地分譲に行きますと、区画がこうあるでしょう、ああいう形のイメージなんですね。だから、隣と隣との話はもろに入ってくるし、ゆっくりしたいという気持ちはあるんだけれども、余りゆっくりできないという感じもするんですね。ですから、できるだけ--自然の中にあるわけですから、余りにも手が加えられ過ぎているという感じがするんです。
 特に、今までのキャンプ場というのは、どちらかというと、大人を見たものかなという感じがしてならないんですよね。ですから、やはりキャンプ場ですから、自然に親しんで、家族とか、もう少し自然というのをキャンプ場の中に入れていってもらったらいいかなというふうに思っているんです。
 そういうふうに思いますと、特に青少年の健全育成にとって、キャンプ場というのは欠かせないものだと思っているんですが、日常生活や親元を離れて、子どもたちがみずから食事を用意したり、テントで共同生活するなどの野外体験を通じて子どもたちの自立心を養うとともに、キャンプというのは、自然の恵みを享受しながら、連帯感や責任感等をはぐくむ絶好の場所だというふうに思います。
 年齢も違いますし、今、大根一つ切れない、ミカンもむけない、はさみも切れないとか、こういうふうな時代とよくいわれますけれども、そういうものをすべてこういうところで学ぶことができますので、青少年のキャンプというんですか、そういった問題について東京都はどのような認識を考えているのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 今の子どもたちには、さまざまな体験活動が必要であるというふうにいわれております。委員ご指摘のように、青少年の健全育成という観点においては、特に子どもたちが自然体験や異年齢集団の生活体験を通して、自然に感動する、あるいは感性を高めるとともに、豊かな人間関係を築く力を培う機会となることから、こうした野外活動としてのキャンプは非常に重要であると認識をしております。
 海上公園におけるキャンプ場は、増大する都民の余暇活動へのニーズに対応して、豊かな自然を回復し、海の展望、野外活動を楽しむことができる場としてこれまで整備をしてまいりました。
 先ほどの若洲海浜公園や城南島海浜公園では、さまざまな形のキャンプがございますが、小学生を対象とした区の青少年キャンプなどについては、教育キャンプと位置づけまして、その集団での利用について配慮しているところでございます。

○松原委員 部長の答弁で、海上公園における今までの取り組みはわかりました。しかし、今私がいったように、青少年にとってキャンプというのは、平らな場所と水、トイレ等があるところで行いまして、城南島海浜公園などすべての施設が全部そろっているというキャンプでは、現在の子どもたちに不足している野外体験、いろんな学習効果、そういった視点が欠けてきたというふうに私は思います。
 そんなところで、せっかく今回、海の森の構想が出てきているわけでございますので、約八十八ヘクタールという区部最大級の公園になるわけでございます。聞くところによりますと、神宮を含む代々木公園よりももっと大きいという、もう二度と東京には出てこない、それも臨海部につくるということに、私は大変大きな意味と、尊重をしているところでございます。この地に、原っぱ、森とか林あるいはいそ辺など、さまざまな自然を取り入れた公園をつくろうとしていることが今の報告からもうかがえますけれども、都会から大変近い距離にある臨海部にこうした施設をつくるということは、都民の、なかんずく子どもたちにとっては、本当に心のオアシスという形になってくると思うんです。
 最近、ご承知のとおり、犯罪の低年齢化とともに、青少年における凶悪犯罪が多発しています。二十一世紀の日本を担う子どもたちをしっかりと育てていくためには、先ほど述べた野外体験を通じてのキャンプが果たす役割は大変大きいものと考えております。
 そこで、この海の森構想では、キャンプ場のあり方をどのように考えているのか、お伺いいたしたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 海の森(仮称)の構想では、ふれあいの林等において、自然に親しみながら、青少年がキャンプを初めとして多様な野外活動を体験できる場を想定しております。
 ここでは、若洲海浜公園や城南島海浜公園に見られる専用的、恒久的なキャンプ場とは異なり、そのための施設は、理事からのお話しのように、より自然な状態にすることとしておりまして、青少年の健全育成を図る野外活動としてのキャンプは、海の森構想に沿った利用形態と考えております。

○松原委員 今の報告によりますと、海の森構想というのは三十年間かけてやるということで、大変長期的なもので、しっかりと腰を据えてやっていこうという、かなり状況も変わっていきますから、その都度しっかりと考えていくんだというふうに思っておりますが、しかし、この請願で出ておりますのは、ボーイスカウトの方々を初めとして、都内でこういうことをやる場所がないという大変切実な希望もあるようでございます。
 聞くところによりますと、まだまだこの署名じゃなくて、たくさんの署名を連盟も全部集めているということで、恐らくこの後からも出てくるんじゃないかなというふうに思っておりますが、ボーイスカウトを初めとするいろんな青少年団体がありますが、大変注目している場所でもございます。そういった意味では、できるだけ早期に青少年がキャンプできるような形にぜひともお願いをいたして、私の質問を終わりたいと思います。

○清水委員 一言意見だけ述べさせていただきまして、請願に趣旨採択をしたいと思います。
 この請願の趣旨にも触れられておりますように、都心でのキャンプ場などの会場確保に苦心をしているという現状から見ても、この場所がそうした目的にも利用されるということに対しては、非常によいことだというふうに思いまして賛成ですが、私は、長い間、三多摩の地域で廃棄物埋立処分場のあり方をめぐって議論されてきた、その議論に加わってきた一人として、キャンプ場というのは、今ご説明がありましたように、火を使う、火器使うということで、埋立処分場から発生するメタンガスとか、ガスなどに対する安全性の十分な確保ということをきちんと考えなければいけないというふうに考えています。
 今度審議されます中間のまとめでも一部触れられているようですけれども、大勢の子どもたちが利用するキャンプ場なのですから、また、埋立処分場という特殊な場所を使うということですので、十分な安全の確保という点をお願いしておきたいというふうに思います。
 以上です。

○野島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野島委員長 異議なしと認めます。よって、請願一六第四四号は趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本件は執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十九分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る