経済・港湾委員会速記録第六号

平成十六年五月二十七日(木曜日)
第八委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十二名
委員長真鍋よしゆき君
副委員長北城 貞治君
副委員長酒井 大史君
理事谷村 孝彦君
理事三宅 茂樹君
理事丸茂 勇夫君
土持 正豊君
和田 宗春君
池田 梅夫君
前島信次郎君
山崎 孝明君
田中 晃三君

 欠席委員 一名

 出席説明員
産業労働局局長有手  勉君
総務部長島田 健一君
特命担当部長乾  敏一君
産業力強化担当部長志賀 敏和君
産業政策調整担当部長野口  孝君
参事奥秋 彰一君
参事佐藤 仁貞君
商工部長市原  博君
参事塚田 祐次君
金融部長中井 敬三君
観光部長渡辺  勉君
参事小宮 三夫君
農林水産部長菊地 輝雄君
参事瀧川  清君
雇用就業部長安藤 立美君
就業調整担当部長関口 栄一君
中央卸売市場市場長森澤 正範君
管理部長石川 俊一君
事業部長高津 満好君
調整担当部長岸  信子君
新市場建設担当部長井戸 秀寿君
参事上田 良治君
参事松村  進君
参事後藤  正君
港湾局局長成田  浩君
技監高野 一男君
総務部長浅倉 義信君
参事岡田  至君
港湾経営部長片岡 貞行君
参事新田 洋平君
臨海開発部長高松  巖君
開発調整担当部長萩原 豊吉君
参事松本 義憲君
港湾整備部長樋口 和行君
計画調整担当部長滝野 義和君
離島港湾部長原田 龍次君
参事西塚 武彦君

本日の会議に付した事件
 中央卸売市場関係
報告事項(説明)
・平成十五年度東京都中央卸売市場会計予算の繰越しについて
・第七次東京都卸売市場整備計画の実施状況等について
 産業労働局関係
報告事項(説明)
・平成十五年度東京都一般会計予算(産業労働局所管分)の繰越しについて
・都内におけるコイヘルペスウイルス(KHV)病の発生状況について
・東京都中小企業振興対策審議会「都のものづくり産業の集積施策のあり方」答申について
陳情の審査
(1)一六第一五号 緊急地域雇用創出特別交付金の継続・改善を求める意見書提出に関する陳情
 港湾局関係
報告事項(説明)
・平成十五年度東京都一般会計予算(港湾局所管分)の繰越しについて
・平成十五年度東京都臨海地域開発事業会計予算の繰越しについて
請願の審査
(1)一六第五号   利島・新島・式根島・神津島における生活航路の確保に関する請願
(2)一六第八号の二 都立スポーツ施設の使用料の値上げにつながる条例の改正反対等に関する請願

○真鍋委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、先般の人事異動に伴い、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の小笠原勝彦君です。同じく議事課の古徳裕一郎君です。議案調査課の斎木牧子さんです。よろしくお願いいたします。
〔書記あいさつ〕

○真鍋委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の報告事項の説明聴取、産業労働局関係の報告事項の説明聴取及び陳情審査、並びに港湾局関係の報告事項の説明聴取及び請願審査を行います。
 なお、報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、森澤中央卸売市場長から紹介があります。

○森澤中央卸売市場長 去る四月一日付で当局の幹部職員に異動がございましたので、紹介させていただきます。
 新市場建設において主に基盤整備を担当いたします、新市場建設調整担当参事の後藤正でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕

○真鍋委員長 紹介は終わりました。

○真鍋委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○石川管理部長 それでは、中央卸売市場会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成十五年度東京都中央卸売市場会計予算建設改良費繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。1の市場施設拡張事業におきまして繰り越しいたしましたのは、左から二列目にあります予算計上額百九億五千六百四十六万円のうち、左から四列目に掲載しました十億一千九百四万円でございます。
 繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 なお、右から二列目にございます不用額につきましては、港湾局に執行委任いたしました豊洲新市場建設に係る防潮護岸整備工事費の縮減及びその他の整備の契約差金等でございます。
 以上、大変簡単ではございますが、平成十五年度予算の繰り越しにつきましてご説明を終わらせていただきます。

○上田参事 現在、国会におきまして審議されております卸売市場法の改正を踏まえまして、本年は、第八次東京都卸売市場整備計画の策定作業に入る予定となっているところでございます。このため、本日はそれに先立ちまして、現行の第七次東京都卸売市場整備計画の実施状況等についてご報告申し上げます。
 お手元の資料2、第七次東京都卸売市場整備計画の実施状況等についてによりご説明いたしたいと存じます。
 一ページをお開き願います。1は、第七次東京都卸売市場整備計画、平成十三年度から二十二年度までの主な実施状況でございます。
 まず(1)は、流通の効率化と市場の活性化についてでございます。
 今日、卸売市場流通は、その経由率が低下傾向にあり、市場機能を強化する観点から、流通の効率化と市場の活性化が求められているところでございます。
 このため、都はこれまでに国に対して、規制緩和などを内容とする卸売市場システムの改革を提言してまいりました。現在、国はこれらを踏まえ、卸売市場法の改正を進めているところであります。
 また、市場業者の経営基盤を強化し、活力ある事業展開を行うようにするために、卸売業者の統合大型化の推進を図るとともに、仲卸業者に対しましては、平成十三年度に策定した仲卸業者の経営基盤強化指導指針により経営改善指導などを実施してまいりました。
 その結果、中段に記載してございますとおり、築地、大田、北足立、葛西の四市場において、卸売業者が合併、統合いたしております。
 次に、都民に親しまれる市場づくりの消費者事業委員会についてでございます。
 都民の食生活の向上や地域と共存する市場づくりに資するため、各市場へ消費者事業委員会を設置し、消費者の視点から見たさまざまなご意見を承ってまいったところでございますが、今回は、より幅広く都民のご意見を伺うためモニター制を導入するなど、消費者事業委員会の抜本的な見直しを行いました。
 (2)は、流通環境に対応した施設整備の推進についてでございます。
 まず、適切な施設整備の推進でございます。
 卸売市場が阪神・淡路大震災に見られるような大規模災害時にあっても、都民へ生鮮食料品を安定的に供給するという卸売市場としての役割を十分に果たすことができるよう、全市場を対象に耐震診断を行うとともに、順次これに係る補強工事を実施するなど、適切な施設整備を進めてまいりました。
 次に、二ページをごらんください。中段の多様な整備手法の導入でございます。
 市場業者みずからがその必要とする施設を適時に整備することができるようにするため、これに必要な市場用地貸付に関する規則を制定し、大田市場花き部の卸売業者がこれを適用して、定期借地権方式により商品保管庫や駐車場施設を整備しております。
 また、衛生、環境対策につきましては、平成十三年から牛海綿状脳症、いわゆるBSE対策といたしまして、芝浦屠場においては、と畜牛の全頭について、BSE検査の実施のほか、脊髄などの特定部位の除去、焼却処分を行い、あわせて内臓等保管用冷蔵庫、脊髄吸引装置の設置など、徹底的なBSE対策を行っております。
 さらに、生産から消費に至る生鮮食料品のコールドチェーンを保持し、食の安全・安心の確保という消費者のニーズに対応するために、築地市場、足立市場を初めとする各市場に、低い温度で管理する低温卸売り場や、一定の温度で管理する定温倉庫などの施設を整備いたしました。
 加えて、市場内の環境を確保するため、小型特殊車両の電動化、アイドリングストップの啓発や指導などを実施するとともに、平成十五年度には、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例、いわゆる東京都環境確保条例に基づくディーゼル車の排出ガス規制を全市場において徹底するため、環境局と連携して対応措置を講ずるなど、環境対策の強化を進めております。
 (3)の卸売市場の再編、統合でございますが、交通網整備の進展や市場間格差の拡大、さらには都市計画的観点などから、現在の卸売市場の配置に関しましては検討が求められております。また、流通の効率化や市場業者の経営健全化の観点からも、市場の再編、統合の取り組みが求められているところでございます。
 資料に記述してございますとおり、平成十三年度以降は、淀橋市場の練馬分場を地方卸売市場化し、杉並分場をここへ統合いたしました。また、食肉市場センタービルの完成に伴い、食肉市場分場の施設、機能をこれに収容し、同分場を廃止いたしました。
 (4)は、地方卸売市場の整備についてでございます。
 東京都における地方卸売市場は、開設者を民営とする卸売市場でございますが、都民に対する生鮮食料品供給基地として、中央卸売市場とともに重要な機能を果たしております。
 このため、都といたしましては、これまで施設整備事業費などの補助を行ってまいりましたが、施設の低温化など卸売市場の機能高度化を図るための施設整備を行う場合には補助を厚くするなど、地方卸売市場が消費者のニーズに的確に対応し、積極的な市場運営を行うことが可能となるよう、補助率の見直しを行いました。
 三ページ及び四ページをお開き願います。(5)は、各市場別整備計画の実施状況でございます。
 第七次整備計画で取り上げました中央卸売市場の各市場別の整備計画について、事業内容、工期、目途、現在までの実施の状況を記載しております。
 築地市場につきましては、豊洲地区への移転までの間、中核市場としての機能を十分果たすことができますよう、暫定整備事業として、老朽化対策、交通動線整備による物流の効率化、卸売り場の再配置や低温卸売り場の整備等を実施してまいりました。
 また、豊洲地区への移転整備につきましては、平成十五年度に豊洲新市場基本構想を策定し、これを踏まえ、現在は基本計画の策定を進めているところでございます。
 その他市場の各事業につきましては、おおむね計画どおり実施済みの状況となってございます。
 五ページをお開き願います。2、第八次東京都卸売市場整備計画の策定に向けた今後のスケジュールについてでございますが、平成十六年七月には、卸売市場整備基本方針について東京都卸売市場審議会へ諮問をさせていただきます。その上で、平成十七年一月には同審議会から中間報告をいただき、平成十七年四月を目途に第八次東京都卸売市場整備基本方針の答申をいただく予定でございます。
 東京都といたしましては、この答申を踏まえ、平成十七年十月を目途に第八次東京都卸売市場整備計画を策定することを予定しております。
 以上、簡単ではございますが、第七次東京都卸売市場整備計画の実施状況等についてのご報告とさせていただきます。

○真鍋委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○真鍋委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○真鍋委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、有手産業労働局長から紹介があります。

○有手産業労働局長 初めに、本年四月、当局の組織を再編整備いたしましたので、ご案内申し上げます。
 主な改正内容でございますが、産業政策部を総務部に統合するとともに、今後の金融施策を円滑に展開するため、新たに金融部を設置いたしました。また、厳しい雇用情勢に対する新たな取り組みを進めていくために、労働部を雇用就業部に再編いたしました。さらに、生活文化局所管の株式会社東京国際フォーラムが、産業振興の観点から、本年四月より当局の所管となっております。
 今後とも、委員の皆様のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 次に、四月一日付人事異動によりまして、当局幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 特命担当部長の乾敏一でございます。政策企画担当参事の奥秋彰一でございます。改革担当参事の佐藤仁貞でございます。商工施策担当参事の塚田祐次でございます。金融部長の中井敬三でございます。農林漁業事業改善担当参事の瀧川清でございます。雇用就業部長の安藤立美でございます。就業調整担当部長の関口栄一でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○真鍋委員長 紹介は終わりました。

○真鍋委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○島田総務部長 私から二件ご報告をさせていただきます。
 まず、平成十五年度一般会計の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料1、平成十五年度東京都一般会計予算繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開きいただきたいと存じます。1、繰越明許費の繰り越しについてでございます。
 対象となりました事業は、事業名欄に記載してございますように、林道整備、治山事業及び災害復旧事業でございます。
 予算額は六十九億一千四百六万四千円でございますが、自然災害等により不測の日数を要し、工事が年度内に終わらないものを見込みまして、平成十五年度当初予算で三十五億二千七百万円の繰越明許の議決をいただいております。今回、平成十五年度の執行額が確定いたしましたので、執行が終わっていない二十八億八千二百十六万九千円を平成十六年度に繰り越すこととなったものでございます。
 これらの事業に要する財源につきましては、繰越財源内訳欄にございますように、国庫支出金十六億百九万五千円などが充当されるものでございます。
 事業内訳及び繰越理由でございますが、まず、1の治山事業でございますが、奥多摩町等において実施した公共治山事業において、工事施行の際の安全確保について、地元自治体との調整に時間を要したことなどにより、三千七百九十万五千円を繰り越すものでございます。
 次に、2の災害復旧事業でございますが、檜原村の現場において、山地崩壊斜面より湧水があり、工法を決定するために時間を要したことや、三宅島で火山性ガスの発生が続き、工事着手が遅れ、工期延長となったことなどにより、十一カ所の事業について二十八億四千四百二十六万四千円を繰り越すものでございます。
 次に、二ページをお開きください。2の事故繰越についてでございます。
 支出負担行為額は八億七千七百七十四万四千円でございます。今回、平成十五年度の執行額が確定いたしましたので、執行の終わっていない五億六千四百七十万四千円を平成十六年度に繰り越すものでございます。
 事業内訳及び繰越理由でございますが、1の災害復旧事業でございますが、新島村で実施した二カ所の災害復旧事業につきまして、工事契約後に発生した山腹崩壊による地形変更により、再度測量、設計を行った結果、必要な工期をとることができなかったため、繰り越すものでございます。
 続きまして、都内におけるコイヘルペスウイルス病の発生状況につきましてご報告させていただきます。
 資料2をごらんください。コイヘルペス病は、昨年、都内六カ所で発生が確認をされ、当委員会でご報告をさせていただきましたが、本年五月以降、水温の上昇とともに、都内各地で再び発生しております。
 まず、1の発生の状況でございますが、平成十六年五月七日以降、釣り堀、河川など、表にございますが、十六カ所で発生が確認されております。
 2、発生場所でございますが、次のページの折り畳みの資料をごらんいただきたいと存じます。黄色は平成十五年、赤は平成十六年の発生場所を示してございます。平成十六年は、多摩川、江戸川流域を初め都内の河川、公園など、都内全域にわたり発生をしているところでございます。
 資料2に戻りまして、3、蔓延防止の対策でございますが、国は感染ルート等を調査しておりますが、現在のところ、原因は不明でございます。
 都の対応でございますが、一つには、一般河川等につきましては、本年三月に東京都内水面漁場管理委員会が公表いたしましたコイの放流や持ち出し禁止の指示を、都のホームページ、区市町村、関係団体等を通じ、改めて都民に周知徹底を図ってまいります。
 二つ目は、河川管理者等と連携して監視の強化、また、多摩川など都県境にある河川につきましては、隣接県と共同でモニタリング調査などを実施してまいります。
 三つ目には、発生した釣り堀等につきましては、これまでと同様に、池の消毒、コイの焼却等を実施してまいります。
 今後とも、これらの対応等により、蔓延防止に全力で努めてまいります。
 以上、報告を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○乾特命担当部長 三番目のご報告を申し上げます。
 五月二十四日、東京都中小企業振興対策審議会から、都のものづくり産業の集積施策のあり方について答申がございましたので、ご報告を申し上げます。
 お手元の資料の3が答申の本文でございますけれども、その中に差し込んでございます概要資料がございます。それをごらんいただきたいと存じます。
 本件に関しましては、現行の工業集積地域活性化支援事業が本年度末で終了期限を迎えるということを契機といたしておりますけれども、また、産業構造の変化などによりまして、従来の産業集積施策が実態にそぐわなくなってきたということも踏まえまして、二十一世紀の新しい東京のものづくり産業の集積施策が必要であるという観点から、昨年十月に知事より諮問を行ったところでございます。
 この諮問を受けまして、審議会として現場主義に立ちまして検討を行い、本年四月には中間のまとめを発表いたしました。さらに、ホームページなどへの掲載、産業界への説明などを通じまして寄せられました意見を踏まえまして、今回答申としてまとめられたものでございます。
 資料の1の課題でございますけれども、大きく三点ございます。
 一点目は、図にございますように、東京のものづくり産業自体が、情報処理業などいわゆるソフトなものづくりの台頭など、変化をしているということでございます。
 二点目は、系列関係の崩壊が進むなど、企業間関係が変化をしているということでございます。
 三点目でございますけれども、都内製造業の四社に一社が事業承継の問題を抱えるということなど、事業環境が厳しさを増しているということでございます。
 二ページをごらんいただきたいと思います。従来の産業集積施策、左側でございますけれども、対象が製造業の集積に限られておりまして、工場の集積密度を基準に選定されるなど、ソフトなものづくりの台頭でございますとか、東京のものづくり産業の集積の特徴でございます広域性や企業間連携などの動きを十分に反映したものとはなってございませんでした。
 このため、新たな集積施策におきましては、ソフトなものづくりも対象にすることや、地縁的な関係にとらわれずに、共同受注、共同開発などという事業化を目指しました企業間連携を核に支援することが必要であるというふうにしております。
 一ページにお戻りいただきたいと存じます。その冒頭にございますように、答申の目標といたしましては、まず「新生-東京のものづくり産業」を目指すということが掲げられてございます。これは、巨大な市場が存在していること、研究機関や事業所サービスといった豊富な地域資源の集積というような東京の強みを生かしながら、積極的な取り組みを行います企業群を支援いたしまして、二十一世紀の東京産業の創出へつなげていくという趣旨でございます。
 その上で、東京が企業全体として開発製造拠点としての機能を一層高めまして、国内外と人、物、技術の交流を図りながら、アジアのものづくりのハブ--中核ということでございますけれども--として、より高次な役割を果たすことを目指すことが掲げられておるわけでございます。
 二ページをお願いいたします。この目標のもとで、本答申におきます施策の体系でございますけれども、大きく四点が掲げられております。
 一点目でございますが、国際的な視点を踏まえながら、大きな潜在力を有します区部や多摩の地域資源を産業活性化につなげるために、区部と多摩それぞれに中核を据えた、いわゆる二眼レフで施策を進めていくということでございます。
 二点目は、東京の強みを生かしながら、アジアのものづくりのハブを目指すために、集積をリードする意欲ある中小企業や人材が必要になってまいります。そのために、新たな時代を担う人材の投入や産学公連携などの推進が必要とされております。
 三点目でございますけれども、新たな産業集積のコアといたしまして、企業のネットワークの形成を促進するということが掲げられてございます。
 四点目には、貴重な経営資源の喪失を防ぐために、仮に退出を余儀なくされた企業に対しましても、事業再生を円滑に行い得るような環境を整備していくことが挙げられてございます。
 具体的な施策の方向性でございますけれども、答申では三つの方向性を掲げております。
 この二ページの下半分でございますけれども、方向性の1でございますが、新たな技術、知識、人材の投入による集積の変革、活性化でございます。これは、新たな人材を生み出しますとともに、技術で勝負をするというような趣旨でございます。
 その下でございますが、一点目が、新規創業などニュープレーヤーの輩出、二点目が先端技術の開発やソフトなものづくりの展開、三点目がグローバル化時代のものづくり産業の支援でございます。
 特に、区部と多摩、それぞれに国際的な情報の受発信、創業支援、販路拡大など、ものづくり産業をワンストップで支援するための産業創造拠点を整備することが示されてございます。
 四ページの図をごらんください。別紙でございます。
 区部や多摩は、首都圏への大きな波及効果を持つ潜在力を有する地域でございまして、それぞれが二眼レフで首都圏の拠点となっていることをお示しした図でございます。
 三ページでございます。方向性の2でございますが、柔軟で機動的なネットワークによる地域のイノベーションの促進でございます。ここでネットワークといいますのは、広く企業連携の姿を表現いたしております。
 この一点目としまして、東京発の活発なネットワークを創出、二点目としまして、付加価値の高いものづくりを促進を掲げてございます。
 特に、ネットワークによります優良事業を選定しまして、共同受注や共同開発などの事業目的に対応しました支援メニューを提供することなどの施策が示されてございます。
 方向性の3でございますが、新たなチャレンジを生む事業環境の整備でございます。
 一点目は、新時代が求めるものづくり人材の輩出でございます。二点目は、円滑な事業再生、事業承継の実現に向けた支援でございます。三点目は、障害を取り除いて円滑な工場立地等を実現でございます。
 特に、事業再生を検討している企業に対しまして、選択可能な対応策を提示する仕組みの構築などが示されてございます。
 最後になりますけれども、資料にはございませんが、答申におきましては、こういった政策を実現するに当たりまして、産業政策、金融政策、雇用就業政策などを総合的に展開していくことによりまして、目標としての東京のものづくり産業の活性化を実現することが強く求められているところでございます。
 以上、簡単でございますけれども、報告とさせていただきます。

○真鍋委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○真鍋委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○真鍋委員長 これより陳情の審査を行います。
 一六第一五号、緊急地域雇用創出特別交付金の継続・改善を求める意見書提出に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○関口就業調整担当部長 お手元の資料4、請願・陳情審査説明表の二ページをお開きください。
 一六第一五号の緊急地域雇用創出特別交付金の継続・改善を求める意見書提出に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、東京都豊島区の東京春闘共闘会議代表委員の中山伸さんでございます。
 本陳情の趣旨でございますが、失業者の就労対策事業として、国に対し次のことを求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
 その内容は、第一に、現在実施している緊急地域雇用創出特別交付金を平成十七年度以降も継続して実施すること、第二に、その上で、同交付金の継続に当たっては、失業者の就労に役立ち、実施主体の地方自治体が運用しやすいように、実施要綱や運用方法などを改善することの二点でございます。
 現在の状況でございますが、第一及び第二の点につきまして、緊急地域雇用創出特別交付金は、平成十三年度から十六年度までの間の臨時応急の措置として実施されているものでございまして、国は現在、継続について明確な方針を示しておりません。
 なお、現行の交付金につきましては、厳しい実施要件等が課せられていたため、国に対して要件緩和等を要望してきたところでございます。国は、ある程度の要件緩和を行ってまいりました経緯がございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。どうぞご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○真鍋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○和田委員 緊急地域雇用創出特別交付金の継続・改善を求める意見書提出に関する陳情ということで、ただいま委員長からご提起されたこの問題について、二、三点の質疑をし、理解を深めたいと思っています。
 緊急地域雇用創出特別交付金とありますけれども、今はこの名称になっておりますが、事の第一次というか、発端といいましょうか、それは平成十一年度に緊急地域雇用特別基金事業という形で発足を見たものです。それが平成十一年度から始まったのでありますけれども、改めて十四年一月から、年度が少し不正常ですけれども、開始をされてきているという経緯がございます。
 そこで、初めにお伺いしたいのは、当初の緊急地域雇用特別基金事業というものと、創出という二字が入った今の平成十四年一月からのこの制度、どのように大きな改変なり改善がなされてきたのかということについてお伺いいたしたいと思います。

○関口就業調整担当部長 ただいまの変更の大きなポイントはどこにあるかということでございますが、主な変更点といたしましては、新たな事業実施要件が設けられたということでございます。
 具体的には、事業費に占める人件費の割合がおおむね八割以上とされたこと、それから、事業の従事者に占める新規に雇用される失業者の数の割合がおおむね四分の三以上とされたことでございます。
 現行の基金事業は、雇用情勢が急激に悪化する中で、平成十三年度の国の総合雇用対策の一環として開始されたものでございまして、より多くの雇用創出を目指すため、このような要件が設けられたものと認識しております。

○和田委員 ここにも交付金交付要綱があります。この第九の事業計画全体としての要件等の中に、今、関口部長ご答弁の二項目が入っています。
 しかし、それを実際に動かしていく東京都はどのような構えをしているかといいますと、東京都も、創出の方ですけれども、今も機能している方でありますけれども、そこでは一般事業と中小企業の特別委託事業と二つに分けて、実際の動かしをしています。特に一般事業については、国の奨励事業を参考にして、独自に企画をした新たな事業もいいですよと。しかし、これは建設、土木事業を除いたものです。
 それから、これは肝心なことですけれども、雇用期間が原則六カ月未満。いうならば雇用促進ということもあるものですから、七カ月、一年はだめですよと。六カ月間で、一たん就職した方もやめなければならない、そういう義務をここに課しているわけです。
 その次の中に、今答弁のあった事業費に占める人件費の割合がおおむね八割以上、それから、新規雇用の失業者数が全労働者数に占める率としては、おおむね四分の三という一つの基準があります。
 そのほかに、事業費に占める人件費の割合がおおむね七割以上でもいいよと。一割ダウンするけれども、しかし、事業に従事する全労働者に占める新規雇用の失業数は、先ほどの四分の三は七五ですけれども、八五%以上にしなきゃだめだよと。
 どちらにしても、この二つの、おおむね八割以上、おおむね四分の三以上をとるか、あるいはおおむね七割以上、こっちは軽いんだけれども、おおむね八五%以上の全労働者に対する新規雇用の失業者数をとるか、どちらかの基準でいいですよというふうに、国の要綱とは違って、東京都が実際機能させていく上では、こういうワイドな形で、広げた形での事業要件を一つ構えています。ここは私も、国の全国共通の要綱と違って、東京都なりの動かし方かなと思っています。
 もう一つ大事なことは、中小企業の特別委託事業ということがあります。これは事業の要件が、五十人未満の中小企業で二年連続売り上げが減っている、あるいは生産指標が三分の一以上減っている、こういうところは、人件費の割合が五割、失業者雇用が一割でもその要件になりますよと。また、五十人未満の中小企業の場合には、二年連続の売り上げ減、ここは同じですね。生産指標は、今までの五十人未満の中小企業で二年連続というのとは違って、五分の一以上で減った場合、それで人件費が五割、失業者雇用が五割ということで、ここも五割、一割とは違って、五割、五割という基準で、この中小企業の場合には事業の適用ができますよというふうに広げてはいるんです。
 このように自治体の少しながらの自由度はあるにしても、どちらにしても窮屈だという陳情の方々の思いは、今、関口部長が答弁されたとおり、国に都自身も改善方を要求しているように、どうも縛りがきつ過ぎるよという雰囲気は、実際やっている自治体そのものにあるわけですから、東京都も国に向かって物を申すときに申し上げてきているということにつながっているだろうと思うんです。
 そこで、実際、平成十一年度から始まり、それが第一期だとすると、新しく創出という二文字を入れて第二期目の特別基金事業が始まったとして、現在までどのようなこの事業の効果があったのか、それを、具体的な件数とか事業額を含め、それから新規雇用がどれだけふえてきたのかという数字で公表できる部分についてはこの場で、一番新しい数字をぜひご披露いただきたいと思います。

○関口就業調整担当部長 これまでの雇用創出に寄与してきた実績でございますけれども、現行の基金事業は平成十四年一月から事業が開始されて、平成十三年度、事業期間が一月から三月、実質は二カ月間程度という極めて短期間の中で、事業件数は五十六件、事業額は約三億円、新規雇用は七百三十六人という実績を上げております。
 翌年、平成十四年度の事業の実績でございますが、これは事業件数が六百四十四件、事業額が約七十三億円、新規に雇用される失業者の方の数ですが、一万六千六百九十八人となっております。
 平成十五年度、昨年度の実績につきましては現在集計中でございますが、六百を超える都区市町村事業が実施されております。
 以上でございます。

○和田委員 たしかに十三年度は変則的なスタートでしたから、五十六件で三億円だと。人数も、新規雇用も七百三十六名だということで、ここはいたし方ないと思うんですが、十四年度の実績として、六百四十件とか、あるいは新規雇用が一万六千六百九十八でしたか、大体その数字になってくると、これはちょっとしたエネルギー、パワーになってきているなというふうに思うんです。
 しかしながら、国の方は、今の計画ですと、十六年度をもって、一応この基金事業はおしまいにするということにしているようです。
 しかしながら、振り返ってみれば、平成十一年度から実施したときも、私どもは関心を持っておりましたけれども、十三年度で終わるんだよということでした。しかし、全国的にこの基金事業をやってみて、継続の声が強いということもあったりして、新しく十四年一月から、雇用創出という、創出の二字を挿入させた事業を発足させているということから、さきに申し上げた要件なども、人件費あるいは雇用ということに集約された形でこの基金事業を発動させてきたという、政策的な目標がきちっと定まって、今機能してきているというふうに私は思うんです。
 その意味で、今のご披露いただいた数字からも、東京に限らず、地方自治体全体にこの事業は定着をしてきているし、経済の波及効果も含め、確実にそれなりの役割を果たしてきているというふうに思うんです。
 そこで、十五年度と、それから今年度、最後になると思われているんですけれども、創出数などを加えた場合に、実施期間全体でどのくらいの雇用創出を最終目標に、今、過程でありますけれども、東京都としては考えて努力をされているのか、お伺いいたしたいと思います。

○関口就業調整担当部長 どれくらいの雇用創出を最終目標にしているのかというお尋ねでございますが、制度発足当初におきましては、国から交付された交付金が二百三十八億円でございました。その際、四万人の雇用創出を目標として掲げて取り組んでおります。
 その後、平成十五年二月には、国から約六十四億円の追加交付を受けまして、都といたしましては、目標を上げまして、五万人の雇用創出を目指して頑張ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。

○和田委員 当初二百三十八億円、それから平成十五年二月に六十四億、都合合わせると三百二億円になりますね。計算すれば三百二億円になります。そこで、最終的には五万人の雇用だということで、人数で割り返せば三百二億円がどのような形になるかというのは、火を見るよりも明らかなのでありますけれども、私は、目標として五万人まで東京都は努力をするというこの目標の掲げ方は、頑張る目標としては大いに好ましいものだろうと思っております。
 私どもも承知している限りでは、この事業全体をどのような形で三百二億円を動かしているかということは、教育、文化とか環境、治安、防災、福祉、保育、地域振興というような形で、十三年度、十四年度、十五年度で、それぞれ教育、文化については、情報教育アドバイザー、学校安全対策ですとか、学習指導員あるいは教育補助者の配置ですとか、IT講習会の補完事業とか、教育、文化に限っても、事業例としては極めて今日的な形でこの三百二億円の一部が使われてきて、景気回復を含め、教育、文化の振興にも役立っているというふうに評価をしてきているところなんです。
 私自身も剣道をやるものですから、剣道の講師、都立のクラブ活動の講師、五段以上というふうに一応くくっていますけれども、派遣をして、正当な剣道理論、実技を教えようということで、この緊急雇用対策の一つの事業の中に組んでもらって今やっています。
 大変地域から喜ばれておりますし、指導者も学校に出入りすることができるということで、都立高校の内容に触れることができて、いい意味で見直したよというような声も聞かれるくらいに、この基金事業の波及的な効果は、教育の中身あるいは都立高校の閉鎖的なところを広げていくという意味でも、随分機能しているというふうに、私も体験的には知っているわけです。
 その意味で、この基金事業はぜひ継続してほしいというこの陳情願意には、私も大いに賛同するところなのでありますが、しかし、今私の質疑の中で、平成十五年度の集約はまだできていない。現在六百を超える都市区町村事業の実績を集計中だということであります。
 聞くところによると、これはおおむね夏前か夏中には上がるだろうといわれておりますから、いうならば第三回定例会ぐらいには、十五年度の六百を超す事業の総体としての、今までかかわってきた平成十一年から、あるいは平成十四年度からかかわってきているものの全体像が明らかになるだろうというふうに思います。
 したがって、国に意見書をというこの願意ではありますが、東京都が努力をしてきた結果がどうなのか、そこを検証、分析した上で、この意見書に沿うかどうかということをやっても遅くはないだろう。国の予算化については、ちょうど夏以降がヒアリングの時期にもなるわけでありますから、遅くもないし早くもない。
 したがって、第三回定例会までに、六百件に上る、都を含め市区町村の実績が上がってきた時点で、再度議会として私どもは結論を出したらどうかなと思うものですから、結論的には、私は今委員会においては、この陳情については保留という形が妥当だろうというふうに思いますので、私なりの考えを申し上げておきます。
 以上です。

○池田委員 失業率が戦後最悪の五・五%を超えるという状況から、最近、若干緩和したといわれています。しかし、完全失業率が、平成十五年、全国で五・三%、東京では五・〇%と、依然として厳しい状況です。完全失業者が全国で三百五十万人、東京都で三十三万人を超えています。特に三人に一人以上が一年以上の失業という失業の長期化などの状況、これまた深刻な事態に失業者の生活を追い込んでいる、これが現状です。
 政府は、一九九五年、緊急失業対策法を廃止しました。そして、失業対策事業をやめてしまったわけです。しかし、失業、雇用情勢の悪化が深刻になる中で、一九九九年、平成十一年、失業対策として緊急地域雇用創出特別交付金事業を実施しました。
 そこで伺いますが、平成十一年、国が最初の基金事業を発足させた時点の全国の失業率、また、平成十四年一月、新基金事業発足当時の失業率、これの比較を現在としていただきたいと思うんです。現在、完全失業率、また失業者数が、先ほど申し上げたようにかなり厳しい状況だ。こういう現況と比較してどういう変化があったのか、この辺を説明してください。
 そしてまた、現在の失業情勢をどういうふうに東京都は認識しておられるか、この点もあわせてお答えください。

○関口就業調整担当部長 旧基金が発足した平成十一年と新基金が発足した平成十三年、そのときの全国の完全失業率ということでございますと、平成十一年の場合は四・七%、平成十三年の場合は五・〇%、これが全国の完全失業率でございますが、十一年の完全失業者数は、全国ででございますけれども、三百十七万一千人、平成十三年の完全失業者数は三百三十九万五千人でございます。
 先ほど先生のご発言で、現在の状況で失業率が東京都で五%というお話、これは歴年でございますが、その上で私どもの認識をということでございますので、私どもとしては、この五月の経済の月例報告が最近出ましたけれども、雇用について若干の改善が見られるという上方修正の文言でございますが、私ども東京都の中で考えてみますと、その水準といたしましては、いまだ楽観を許さない状況ではないかと考えております。
 以上でございます。

○池田委員 全日本建設交運一般労働組合が失業者のアンケートを、ハローワークに来られる人たちを対象にやった。そこの中で、先ほども申し上げたのですけれども、失業の長期化、一年以上というのが東京都では、前年比で比べてみて、八・四%から一五・五%になっている。この調査をしたのが〇二年五月ですから、かなり厳しい状況がこの事態でも明らかになったと。
 それから、希望する求職がハローワークにほとんどない。これはもうご案内のように、八割から九割近くになる。八九%だといっているんですね。特に年齢による求人に見合わない、差別という言葉はどうかと思いますけれども、そういう理由が明らかになっているんですね。
 今もお話がありましたけれども、依然としてやはり厳しい。若干緩和するというふうなことがいわれておりますけれども、実態としては、やはり厳しい状況は変わらないというのが実態だと思うんです。
 しかし、最近よく有効求人倍率が一・〇を超したよと。だから、かなりよくなってきているのではないか、こういうようなことを国もいっているし、一部でもそういうふうにいう人たちがいるわけですね。
 私は、この問題は、ちょっとはっきりさせておく必要があるというふうに思うんです。そこで、有効求人倍率の最近の状況をひとつ示してください。

○関口就業調整担当部長 直近の都内の有効求人倍率でございますけれども、十六年三月の都内の有効求人倍率は、季節調整値、季節の調整をした後でございますけれども、一・〇七倍でございます。
 内訳といたしましては、一般、フルタイムですが、〇・九七倍、パートが一・八倍となっております。

○池田委員 これはまさに、常用の方たちの有効求人倍率というのは一・〇を超したことはないんですね。今説明をいただいたように、一般とパートの求人を合わせると一・〇七%。しかもパートタイムは一・八ですね。今年の三月ですね。ですから、そういう状況の中で、あたかも有効求人倍率が上がってきたよということで説明される方がいるわけですね。
 問題は、いわれる労働力需給のミスマッチが就労に結びついていない、確かにそういうことがあるわけです。しかし、その実態としては、今申し上げたように、フルタイムでの仕事がやはりない、つけないという事態が、先ほど申し上げた失業者のアンケートの中でも明らかだし、数字的にも明らかになっているというふうに思うんです。
 それで、国の東京労働局の資料で有効求人倍率を見ると、特に年齢で四十五歳以上の方たちは、有効求人倍率というのは約〇・五前後です。特に中高年者は非常に厳しい。だから、単にミスマッチということだけで、今の雇用だとか就労の状況を済ませるわけにいかないということを、私は厳しさの中身として指摘しなければならないというふうに思うんです。
 そこで、この問題は、私どもが一貫していっているように、基本的には、労働者がいつリストラや人減らしに遭って失業するかわからないような、こういう長期不況の中で、本当に苦しい状態に追い込まれている。経済社会状況が今の状況の中で、本当に働く人たちの生活を保障するような、こういうものを、安定的に就労、雇用の対策をしていくということがまさに政治の責任だと私どもは考えています。当面、しかし、つなぎの就労としてその場を確保すること、これは国や東京都の責任だというふうに私は思います。
 そういうことでお伺いしたいのですけれども、失業、雇用の厳しい状況の中で、この事業が失業対策事業として、今も質問の中で明らかにされました。実績としても一定の役割を持ってきたし、また、いろいろその中で、就労期間が六カ月というような問題、短いと。それから事業費における人件費割合、八〇%というふうにいわれていたけれども、これは若干改善をされてきたようです。しかし、それは一貫して運動としてもいわれてきたわけですね。
 私は、そういうものはあるけれども、職を失った人、家族の最低限度の生活を守る上で、一定のこれは役割を果たしてきているというふうに思うんです。東京都として、この事業が果たしてきた役割についてどういうふうに基本的に認識をしているか、お伺いしたいと思います。

○関口就業調整担当部長 これまでに実施してきた基金事業についての評価でございますが、基金事業は、厳しい雇用情勢に対応するために、都や区市町村が創意工夫を凝らしまして雇用を創出する事業を実施することによって、緊急かつ臨時的ではございますけれども、雇用創出を図るとともに、都民サービスの向上にも寄与するものでございまして、一定の成果が上がっているものと考えております。

○池田委員 陳情の二点目に、失業者の就労に役立ち、実施主体の自治体が運用しやすいように、実施要綱や運用方法などを改善すること、こういうふうにあります。
 東京都も、国に対していろいろ働きかけをやってきたと思うんです。どんなことをやってきたか、そして、どういうふうにそれが改善されてきたか、それをひとつ伺いたいと思います。

○関口就業調整担当部長 国への働きかけと国の対応でございますけれども、昨年度でございますけれども、中小企業の関係で、対象企業要件が厳しく、また執行が困難な状況にございました中小企業特別委託事業につきまして、対象企業要件の大幅な緩和を国に要望いたしました。
 国の方では、都ばかりでなくて、ほかの各自治体からも強い要望がございまして、本年四月に若干の要件の緩和を実施したところでございます。

○池田委員 これまでの答弁からお聞きのように、東京都はこの基金事業について一定の評価をしている。また、国に対して要件緩和の要望を行ってきたという話がありました。
 先ほども出ていましたけれども、現行の事業というのは、今年度これで終了する、こういうふうになっています。政府は、来年度以降については、今もありましたけれども、継続するかどうか明言を避けている、こういうふうに聞いています。東京都はこれに対してどういうふうに考えるか。
 これは、ぜひ私は、東京都としても交付金事業を継続する、こういうふうに要望をしていくべきだというふうに考えているわけですけれども、その辺の見解を伺いたいと思います。

○関口就業調整担当部長 基金事業についての継続について、東京都の見解でございますけれども、この基金事業は、国からの交付金で造成いたしました基金を活用いたしまして、都や区市町村が緊急的な雇用創出につながる事業を実施するものでございます。
 現在の時点では、国が今後の方針を明確にしておりません。国の動向をよく見定めて対応してまいりたいと考えております。

○池田委員 国が継続するかどうか、方針を明確にしていない。今だからこそ、東京都が国に向けて継続を求めて意見をいう、これが大事だと思うんです。先ほど来お話ししてきましたけれども、完全失業率だとか失業者の数の問題、それから、実際に職を求めてハローワークへ行っても、なかなか職につけない。実態はもう明らかだ。そういうことを認識し、さらにこの交付金事業について、いろいろな問題はあるにしても、東京都としても一定評価をしているということ、これがやはり大事だと思うんですね。国がそういう時期だからこそ、私は東京都が意見をちゃんというと。
 そして、この陳情は、議会に、国に向けて意見書を提出してほしい、こういうことをいわれているわけです。ですから、私は、国にこの事業の継続、それから中身の改善、これを含めて議会としても意見書をまとめる、こういう努力をぜひしたい。そして、私どもはその立場で、ぜひ各党にも協力をお願いしたいというふうに思います。このことを意見として、質問を終わります。

○真鍋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○真鍋委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一六第一五号は保留といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○真鍋委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、成田港湾局長から紹介があります。

○成田港湾局長 去る四月一日付の人事異動により交代のございました当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 参事で営業担当の松本義憲でございます。続きまして、計画調整担当部長の滝野義和でございます。続きまして、参事で島しょ、小笠原空港整備担当の西塚武彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕

○真鍋委員長 紹介は終わりました。

○真鍋委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○浅倉総務部長 平成十五年度予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成十五年度繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。まず、一般会計予算の繰り越しについてご説明申し上げます。
 三ページをお開き願います。総括表でございます。
 繰越明許費繰越の基礎となる港湾局所管一般会計の平成十五年度の歳出予算現額は、上の段の左から二列目にありますように、五百八十四億九千五百十万円でございます。このうち繰越明許の議決をいただいております金額は、左から三列目にありますように、百十四億一千八百三十七万円でございます。
 当局といたしましては、平成十五年度内に円滑に事業が終了するよう努めてまいりましたが、工事施行の調整等に日時を要した事業や、平成十五年度に補正予算として議決をいただいた事業の一部などについては、平成十六年度に繰り越して継続実施することといたしました。繰り越しいたしました金額は、最終列にありますように、七十二億四千四百三十五万一千円でございます。
 なお、繰越財源の内訳につきましては、国庫支出金以下、記載のとおりでございます。
 次に、繰越明許費繰越の内訳についてご説明申し上げます。
 五ページをお開き願います。1の東京港整備事業でございます。
 繰越明許の議決をいただいております金額は、上の段の左から二列目にありますように、五十七億四千五百万円でございます。繰り越しいたしました金額は、左から三列目にありますように、二十三億二千百四十四万三千円でございます。
 次に、下段に参りまして、東京港整備事業のうち、1の港湾整備事業でございます。
 繰り越しいたしました金額は、左から三列目にありますように、十五億五千五百六十万円でございます。繰越理由等は、説明欄に記載のとおりでございます。
 六ページをお開き願います。2の東京港廃棄物処理場建設事業でございます。
 繰り越しいたしました金額は、四億六千五百八十四万三千円でございます。繰越理由等は、説明欄に記載のとおりでございます。
 次に、下段に参りまして、3の海岸保全施設建設事業でございます。
 繰り越しいたしました金額は、三億円でございます。繰越理由等は、説明欄に記載のとおりでございます。
 右の七ページに参りまして、2の島しょ等港湾整備事業でございます。
 繰越明許の議決をいただいております金額は、上の段の左から二列目にありますように、五十六億七千三百三十七万円でございます。繰り越しいたしました金額は、左から三列目にありますように、四十九億二千二百九十万八千円でございます。
 次に、下段に参りまして、島しょ等港湾整備事業のうち、1の港湾整備事業でございます。
 繰り越しいたしました金額は、左から三列目にありますように、三十三億一千二百八十八万一千円でございます。繰越理由等は、説明欄に記載のとおりでございます。
 八ページをお開き願います。下段に参りまして、2の漁港整備事業でございます。
 繰り越しいたしました金額は、十一億六千九百八十二万七千円でございます。繰越理由等は、説明欄に記載のとおりでございます。
 右の九ページの下段に参りまして、3の災害復旧事業でございます。
 繰り越しいたしました金額は、四億四千二十万円でございます。繰越理由等は、説明欄に記載のとおりでございます。
 以上で、一般会計予算の繰り越しについての説明を終わらせていただきます。
 一一ページをお開き願います。引き続きまして、臨海地域開発事業会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 一三ページをお開き願います。総括表でございます。
 建設改良費繰越の基礎となる臨海地域開発事業会計の平成十五年度の予算計上額は、上の段の左から二列目にありますように、百八十億一千四百万円でございます。このうち繰り越しいたしました金額は、左から四列目にありますように、二億九千九百九十一万八千円でございます。
 当局といたしましては、平成十五年度内に円滑に事業が終了するよう努めてまいりましたが、工事施行の調整に日時を要したことにより、平成十六年度へ繰り越して継続実施することといたしました。
 次に、建設改良費繰越の内訳についてご説明申し上げます。
 一五ページをお開き願います。1の臨海副都心建設事業でございます。
 予算計上額、翌年度繰越額、繰越理由等につきましては、記載のとおりでございます。
 大変簡単ではございますが、以上で平成十五年度予算の繰り越しにつきましてご説明を終わらせていただきます。

○真鍋委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○真鍋委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○真鍋委員長 これより請願の審査を行います。
 一六第五号、利島・新島・式根島・神津島における生活航路の確保に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○原田離島港湾部長 本日ご審査いただきます請願につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます資料2、請願・陳情審査説明表をごらんください。
 一ページ目をお開き願います。本日ご審査いただきますのは、請願二件でございます。
 まず、一六第五号、利島・新島・式根島・神津島における生活航路の確保に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。請願者は、利島村、伊豆諸島の生活航路の改善を推進する会代表、東京都利島村長、藤井良治さん外三千百四十四名の方々でございます。
 請願の趣旨は、都において、利島、新島、式根島、神津島における生活航路を確保していただきたいというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、都ではこれまで、島しょと本土を結ぶ定期航路の確保のため、五千トン級の大型貨客船が接岸できる港湾整備を進めてきたところでございます。この結果、大型貨客船による定期的、安定的な運航が可能となったところでございます。
 平成十四年四月に、運航事業者である東海汽船株式会社は、東京と神津島までを結ぶ定期航路に高速船--ジェットフォイルのことでございますけれども、高速船を毎日就航させるとともに、従来、毎日運航しておりました大型貨客船を基本的に週三便といたしました。
 この高速船の導入により、神津島までが日帰り圏となり、観光振興や島民生活の利便性向上に寄与することとなったところでございます。
 しかしながら、高速船の就航率は、就航前の運航事業者の予測に比べて低く、特に海が荒れる冬季におきましては、大島を除く各島の就航率は、定期航路としての使命を果たすには極めて不十分なものとなっております。
 都といたしましては、高速船対応の施設整備を段階的に実施してまいりますが、冬季においても十分な就航率を確保するには、これらの施設整備に一定の期間が必要であり、このため、当面の対策として、運航上の改善が必要と考えているところでございます。
 都は、定期航路の安定した運航は、運航事業者の責務であるとの認識のもとに、冬季の安定的な就航を確保するための大型貨客船と高速船の運航形態について、現在、運航事業者及び各島と調整をしているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○真鍋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○三宅委員 東京都議会自民党の三宅でございます。本請願、採択を求める立場で若干の質問をいたします。
 ただいま理事者より説明がありましたが、島しょ地域の住民の方々にとりまして、島しょと本土とを結ぶ航路というのは、陸上における幹線道路に相当するものであり、最も基本的な交通基盤であります。
 今さら私が申し上げるまでもございませんが、定期航路における安定的な運航の確保というのは、住民の方々の生活や医療、福祉、経済活動を考えた場合、極めて重要なことであります。都においては、こうした観点から、五千トン級の大型貨客船が定期就航できる港湾整備を進めてきたところであります。
 こうした中、平成十四年四月に、東京-大島、神津島航路に高速船ジェットフォイルが導入され、東京-大島間が二時間弱、東京-神津島間が三時間程度で結ばれるようになり、スピード時代に対応した新しい交通手段として、島民の方々を初め、我々も大いに期待し歓迎したところであります。しかしながら、この高速船は、冬の波浪が強い時期には欠航が多く、島民の方々の生活に影響を及ぼしていると聞いております。
 そこでまず、高速船の就航状況について伺います。

○原田離島港湾部長 就航率のお尋ねでございますけれども、波浪の強い十月から三月までの各島の就航率は、平成十五年度の場合、大島が九五・九%、利島四・二%、新島が五八・五%、式根島四三・四%、神津島六七・二%でございます。

○三宅委員 今の数字をお聞きしますと、大島は比較的にいいようでありますが、他の島は予想外に悪い数字だと思います。
 特に利島における就航率については、定期航路としては非常に心もとないものがあります。このような状況に対して、運航事業者は何か対策を講じたのですか。

○原田離島港湾部長 運航事業者の対策でございますけれども、運航事業者として、貨客船「ゆり丸」というのがあるんですけれども、「ゆり丸」を大島に待機させ、高速船が利島に寄港できない場合に大島-利島間を運航したり、下田-神津島、式根島、新島を結んでおりました貨客船「あぜりあ丸」を利島まで延航しております。
 また、利島に寄港している貨物船を一部改造しまして、旅客定員を確保するなどの対策を講じてきております。

○三宅委員 運航事業者としての高速船の低就航率対策として、主に利島ということになっているようであります。しかしながら、今般、利島村の村長さん外三千百四十四名という、この島しょ地域では大変な数の方々から、安定した生活航路確保に関する請願が出されている、このことを考えれば、今説明のあった対応では全く不十分であるといわざるを得ません。
 都として、高速船の就航率対策にどのように取り組んでいくつもりなのか、まずは基本的な考えをお聞きします。

○原田離島港湾部長 基本的な考えでございますけれども、定期航路の安定した運航は、海上運送法に基づきまして、運航事業者の責務と認識しております。
 都としましては、短期的な高速船対策として、小型船だまりの泊地の整備等を実施しているところでございます。また、長期的には、防波堤等の施設整備を、平成二十二年度完了目途に引き続き推進していきます。これにより、波浪の強い十月から三月におきましても、各島で将来的には七五%から九五%程度の就航率を確保できると予想してございます。
 しかしながら、これらの施設整備にはなお時間を要することから、当面は、運航上の改善によりまして就航率対策に取り組んでまいります。

○三宅委員 長期的には、高速船に対応した港湾整備をさらに推進していきますが、当面の対策として、運航上の改善を図っていくというようなご説明です。
 先ほど請願の状況説明の中で、大型貨客船と高速船の運航形態について調整を行っているとの説明がありましたが、具体的にはどのような運航形態の調整を行っているのでしょうか。

○原田離島港湾部長 具体的な調整でございますけれども、現在、波浪の強い十月から三月の間は、安定した就航率を確保できる大型貨客船を基本とした運航形態とする方向で、運航事業者と各島と調整を進めているところでございます。

○三宅委員 今回の請願に込められております島民の皆さんの熱い切実な声を真摯に受けとめて、ぜひとも運航事業者と各島との調整に--調整って、これ、やるということですよ。そういう意味で全力で取り組まれて、就航率対策を万全なものとするように強く要望いたします。
 結びに、離島のアクセス向上について、港湾局長の決意をお伺いします。

○成田港湾局長 大島や利島を初めといたします島しょと本土を結びます海路や空路、これらは、人、物、情報、そして文化を運ぶ重要な交通アクセス、交通インフラであると認識しております。
 こうした観点から、これまでも島しょの港湾や空港の整備につきましては、非常に厳しい財政状況のもとではございましたけれども、鋭意取り組んできたつもりでございます。
 先日、利島、新島、式根、神津島を訪問する機会がございました。大変短い行程ではございましたが、その中で、それぞれの島しょの漁港であるとか、あるいは港湾であるとか、そういったものを視察するとともに、きょう、それぞれ村長さんもお見えになっておられますが、島しょの皆様からの切実なご要望も直接伺うことができたところでございます。
 また、それぞれの島の豊かな自然であるとか、あるいは貴重な観光資源も拝見いたしましたが、そうした中で、先ほど三宅理事もご指摘いただいておりますように、安定的な交通アクセス手段を確保することが大変に重要であるということを身をもって実感したところでございます。
 今後とも、島の玄関口であります港湾や空港の整備を着実に進めまして、島しょ地域のさらなる発展に寄与していきたいと考えておりますので、委員会の皆様方のご理解とご支援をお願いしたいと思います。

○和田委員 私も、利島・新島・式根島・神津島における生活航路の確保に関する請願について、三、四点の質疑をさせていただきたいと思うんです。
 請願者の方は、生活航路を確保してほしいという趣旨だと今説明がございましたけれども、私どもは生命航路だと思っています。生活以前、命にかかわる航路だろうという位置づけで、三、四点の質疑をしてまいりたいと思います。
 そこでですが、ここの説明の中では、請願内容の中では具体的になっていないのですけれども、十月から三月までの就航率が低いとなっています。十月から三月というと六カ月あって、一年のうちの半分なんですね。そこが低いということで、さきの質問者に、東京から利島が四・二とか、あるいは新島が五八・五とかという数字が出されました。就航率ですね、冬の間六カ月間。
 一つだけ数字を教えていただきたいんですけれども、東京-大島、利島、新島、式根、神津を平均すると何%になるのか、それが一つ。これはジェットフォイルの場合ですが、大型貨客船の場合の就航率は、私の計算では九〇%ぐらいになるんですけれども、そこで比較対照したいものですから、その数字を、ジェットフォイルの場合、冬場六カ月でどのくらいの就航率かを平均的に出してください。
 それからもう一つは、ここの中にも出ておりますけれども、東海汽船という運航事業者が明らかになっていますけれども、今申し上げたのは平均値は出ていませんけれども、例えば利島が四・二なんという就航率だったら、とても冬場は経営上成り立っていかないので、余分なことですけれども、東海汽船はよくこれでやっていけたなというように思うんです。
 しかしながら、実態はこうなんだけれども、ジェットフォイルを開設するときには、どれだけの就航率で、このくらいの収入があるだろうという読みがあったがゆえに、多分踏み切ったと思うんですね。金銭的なことは別にして、就航率はどのくらいと見て、運航事業者である東海汽船は、このジェットフォイルの就航に踏み切ったというふうに考えたらよろしいのでしょうか。

○原田離島港湾部長 先ほど一点目のジェットフォイルの平均でございますけれども、ちょっと詳しい数字が、もし違っていればまた訂正させていただきますけれども、五島で六一・四%だというように認識しております。
 それから、在来船といいますか、大型貨客船につきましては、九〇%以上いっているというように認識しております。
 それから、先ほど二点目の、運航事業者が就航率をどう予測していたかということでございますけれども、運航事業者は、高速船の性能とか海象条件、それから他の航路の運航状況等を勘案しまして、大島につきましては九七、八%、それから利島外三島につきましても九五%程度の年間就航率を見込んで予想したと聞いております。

○和田委員 そうすると、見込み違いも甚だしいという言葉があるんですけれども、例えば、先ほどの三宅理事に対する答弁でも、利島が四・二%となっていましたよね。しかし、今のご答弁だと、九五%ぐらいをもくろんでいた、計画していた。これはもう、四%と九五じゃ、見込み違いも甚だしいといわざるを得ません。
 それから式根についても、実際は、冬季四三・四という数字が出ていますけれども、しかしこれも九五を読んでいた。半分以下ですよね。比較的いいと思われる神津も、六七・二%が現況なのに、実際は九五を読んでいらしたと。東海汽船は、こうなってくると、さきに申し上げたとおり、ジェットフォイルについては大赤字なのではないかと、余分な心配をせざるを得ません。
 しかしながら、今回のこの請願の願意は、それを前提にしながらも改善してほしいということでありますから、そちらの方に向けての質問を続けたいと思うのですけれども、それでは、当初の、大島などについては九七だとか、あるいはそのほかの島についても九五だという計画が、場合によっては四・二だとか、四三・四だとか、ダブルスコア以上に下回っちゃったという理由は、どういうことが今になって考えられるのでしょうか。

○原田離島港湾部長 当初の予想に反して低い就航率ということの原因と思いますけれども、高速船は、在来の大型貨客船に比べまして非常に小さい、軽量でございます。そういった軽量化を図った構造でございますので、このために、波浪とか風の影響を非常に受けやすいということがございまして、それが主たる原因と考えております。

○和田委員 確かに、ジェットフォイルのトン数も二百八十トン、それから、「かめりあ」の大型貨客船の場合には三千七百五十一トンと、全然比較にならない大きさです。それから全長にしても、ジェットフォイルは二十七・四三メートルであるし、「かめりあ」は百二・八七という、全く比較だにできないくらいの大きなボリュームです。
 さらに、定員につきましても、ジェットフォイルは二百六十八で、「かめりあ」は一千三百四十三、名目上の定員数はこうなっています。
 したがって、冬場にこのジェットフォイルを運航するということは、この数字が出る前から、相当難しい航路だといわざるを得なかったと思うんですが、しかし現実問題としては、そのことを評価、検討するというよりも、実際に生命航路として、これらの島しょとこちらの方を結ぶ航路をしっかり確保しなきゃなりません。
 具体的に当局は、こうなれば大型貨客船をふやしていくしかない。先ほど申し上げたとおり、「かめりあ」の場合には九〇%以上無事に就航しているわけですから、現実問題として、やはりそちらの方にシフトしていく必要がある。
 そういうことを、東京都がやっているわけじゃないですけれども、運航している事業者にきちっと強く大きな声で指導といいましょうか、要請というか、していくべきではないのかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○原田離島港湾部長 大型貨客船の便数をふやすような対応ということでございますけれども、現在、波浪の強い十月から三月の間は、安定した就航率を確保できるように、大型貨客船を基本とした運航形態とする方向で今詰めておるわけでございますけれども、ご指摘のように、運航事業者にも強く大きな声で要請していきたいというように考えてございます。

○和田委員 先ほどの現在の状況の説明の中で、東京と神津島までを結ぶ定期航路にジェットフォイルを毎日就航させるとともに、従来、毎日運航していた大型貨客船を基本的に週三便に減らしちゃったでしょう、かつての経緯は。減らしたんだけれども、実態として四・二%の就航率とか、五〇%に満たない就航率が出てきちゃったとなったら、まさに生命航路である以上、すぐにそれは復元しなければ、すぐに安定したところに戻さなければおかしかったのではないかなと思うんです。
 このような陳情が出る前に、数字的に把握されているわけだから、もっと積極的に改善方を東海汽船にきちっと、東京都はお願いというか指導というか、その辺はともかくとして、都民の島しょの方々の利益代弁者として、実態を行政側がしっかり声を大にしていうべきではなかったのかということも、私は強く申し上げておきたいと思うんです。
 そこで、今後どうするかということです。一たんは毎日出たものを、ジェットフォイルが出てきたからというので、安心して週三便にしちゃった。これをもとに復元していくということによって、生命航路をもう一回生き返らせていくということは大事なんですけれども、具体的には、いつごろをめどに安定した形での生命航路の復元という形を東京都は計画しているのか、あるいはスケジュールとして考えているのか、その決意のところをしっかりお答えいただきたいと思います。

○原田離島港湾部長 ご指摘でございますけれども、本委員会でのご審議を踏まえまして、引き続き、運航事業者及び各島と調整を図っていきたいというように思っております。
 今ご質問のスケジュールでございますけれども、スケジュールといたしましては、大型貨客船を基本とした対応策をなるべく早く取りまとめまして、本年十月以降には安定した生活航路が確保できるように努力してまいりたいというように思っております。

○和田委員 請願の趣旨に沿って、具体的に十月以降、いわゆる冬季に入ったそのときから、もう既に安定した生命航路--僕がいう生命航路というのは、答弁者は生活航路といっていましたけれども、そこを確保できるように努力するという決意がしっかり表明されました。したがって、私は、この請願についてはしっかり採択をしていくべきだ、趣旨採択していくべきだというふうに態度表明をさせていただきたいと思います。終わります。

○丸茂委員 三番目の質問なので、大分ダブっているところがあるんですが、私自身も実際にジェットフォイルを利用させていただいたこともありますし、高速船が動かないということで、急遽、調布の飛行場を使ったという経験もありまして、そして、今請願を出されている各島からも本当に切実な要望として寄せられている問題ですので、重なる部分もありますけれども、質問をさせていただきたいと思います。
 請願は、島しょの航路に高速船が導入されて二年が経過する、そういうもとで、就航率が大きく落ち込む十月一日から翌年の三月三十一日までの期間に、在来大型船の運航などにより安定した生活航路を確保するため、都に対して特段の配慮、陳情文には書いてあるんですよね、そういうことを求める内容になっております。したがって、私ども、ぜひこの請願の趣旨に沿って、都として対応していただきたい、そういう立場でお伺いをいたします。
 そこでまず、運航業者がこの高速船を導入したときの趣旨はどうだったのか。また、東京都としては、この導入に対してどういう認識を持っていたのか。その点、改めてお伺いをいたします。

○原田離島港湾部長 高速船を導入したときの趣旨と都の認識でございますけれども、運航事業者としましては、旅客需要の増加を図りまして島しょ振興に寄与するため、ジェットフォイルを導入したとのことでございました。
 都の認識でございますけれども、島民生活の利便性が向上し、神津島までの日帰り圏、これは非常に重要でございますけれども、日帰り圏が実現することによりまして観光振興等に寄与するなど、島の自立的発展を促進するものと認識してございます。

○丸茂委員 利便性の向上につながるし、旅客の増加なども図って島しょ振興にも寄与するという目的、あるいは東京都もそういう認識で運航がされたと。
 しかし、請願にもあるとおり、高速運航開始前、航路運航会社の説明では、超高速船の予想就航率は大型貨客船と同程度とされていたものが、二年間の就航率を見ると、大型貨客船に比較して著しく低く、特に季節風の強い冬季は欠航が続き、島によっては、昨年十月以降ほとんど欠航という事態に直面していると述べています。
 先ほどの説明でも、高速船の導入によって神津島まで日帰りで行ける、大島などは、飛行機を使うよりも早くて値段も安いというようなこともいわれましたけれども、やはり定期の航路といたしましては、安定した運航というのが第一だと思うんですね。
 それで、先ほども答弁がありましたけれども、就航率について、導入時の予測と現時点ではどのような違いが出ているのか。さらに、高速船と大型貨客船の就航率では、冬季で見るとどういう状況にあるのか。これは一つ一つの島の就航率を含めてお伺いをしておきます。

○原田離島港湾部長 就航率の問題でございますけれども、まず高速船導入前、運航事業者は、大島につきましては、繰り返しになりますけれども、九七から九八%、それ以外の利島外三島につきましては、九五%程度の年間の就航率を見込んでいた、予想していたというように聞いております。
 それから、高速船導入後の冬季、いわゆる波浪の強い十月から三月までの各島のジェットフォイルと大型貨客船の就航率でございますけれども、平成十五年度の場合、ジェットフォイルの方でございますけれども、大島が九五・九%、利島が四・二%、新島が五八・五%、式根島が四三・四%、神津島が六七・二%でございます。
 また、大型貨客船でございますけれども、大島が一〇〇%、利島が六六・四%、新島が九一・一%、式根島が九五・三%、神津島が九七・二%でございます。

○丸茂委員 この点は答弁は、先ほどありましたので要りませんけれども、こういう現状の中で、特に利島などは四・二%ですから、ほとんど毎日欠航というようなことで、定期航路とはとてもいえないという状況にあります。したがって、大型船の運航等、先ほど答弁あったとおり、もう現に対応せざるを得ないという現状にあるわけですよね。したがって、私ども、これらの状況、それから今請願が出されている各島についても、やはり具体的な対応策が必要だと。
 昨年、私、高速船そのものの泊地の整備も急いでほしいという質問をしましたけれども、それだけですと請願の--先ほどお答えがあったとおり、港の整備となると時間もかかるという点では、両面から改善方を図っていく必要があるだろうというふうに思います。その点では、お聞きする予定だったんですけれども、先ほど答弁がありましたので、省略をいたします。
 やはり私は、今の現状を十分認識していただいて、東京都として、この請願の趣旨にどうこたえるのか。きょう、島の村長さん等もお見えですし、先ほど局長は、直接島のお話も聞いたと。ですから、そういう要望に沿って特段の対応策を改めて求めるものですけれども、この点についてもう一度、決意を含めて、私からもぜひ実現方をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○原田離島港湾部長 ご質問でございますけれども、請願の趣旨、そういったものに沿いまして、局長も先日、島を回りました。それから、その前に私も四島を回りまして、いろんなご意見をいただきました。そういうものを踏まえまして、安定した就航率を確保できるような運航形態、それから港湾整備をやっていきたいというように思っております。

○丸茂委員 先ほども局長からもそういうお話もありましたので、ぜひこの請願の趣旨に沿って早急に対応策がとれるように求めて、質問を終わります。

○谷村委員 都議会公明党の谷村でございます。本請願につきましては、私ども公明党は、石井義修幹事長を先頭に、前島信次郎議員、土持正豊議員、そして私と、本委員会の公明党全委員が紹介議員となっております。
 議論は尽くされておりますが、離島航路につきましては、島民の方々の使い勝手がよいものであること、これが第一に考えるべき事項であります。その考えに立つならば、先ほど答弁にもありましたけれども、本年十月以降については、運航計画をもとに戻すことも含めまして考えていくべきであります。
 本請願がぜひとも趣旨採択されるべきことを強く要望し、また態度表明をいたしたいと思います。

○真鍋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○真鍋委員長 異議なしと認めます。よって、請願一六第五号は趣旨採択と決定いたしました。

○真鍋委員長 次に、一六第八号の二、都立スポーツ施設の使用料の値上げにつながる条例の改正反対等に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高松臨海開発部長 続きまして、一六第八号の二、都立スポーツ施設の使用料の値上げにつながる条例の改正反対等に関する請願についてご説明申し上げます。
 説明書の三ページをお開き願いたいと思います。本請願は、豊島区、新日本スポーツ連盟東京都連盟理事長、伊賀野明さんほかから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都のスポーツを振興する方針において重要な次のことを実現していただきたいとするものでございます。
 請願は全部で四項目ありまして、1及び2は文教委員会の所管でございますので、当委員会でご審査いただきますのは、3、4についてでございます。
 3は、アマチュアスポーツ団体が競技会を開催するために使用する施設の使用料について、都教育委員会が行っている減免制度を、港湾局が所管している都立海上公園のスポーツ施設においても適用していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都教育委員会のスポーツ施設は、教育施策の一環としてスポーツの普及、振興を図り、都民の心身の健全な発達に寄与するために設置しているものでございます。
 一方、港湾局が所管しております海上公園は、都民が休息、散歩、運動などのレクリエーションを行う場所でございます。公園内に設置しておりますスポーツ施設も、これら海上公園の効用を全うするための施設の一つとして設置しており、スポーツ振興のみを目的としているものではございません。
 このように、港湾局所管の海上公園内のスポーツ施設と都教育委員会のスポーツ施設とでは、その設置目的が異なり、また、スポーツの普及、振興に対する局としての施策が異なりますので、本件請願のアマチュアスポーツ団体に対する使用料の減免について、都教育委員会と同様な取り扱いは困難であるというふうに考えております。
 4は、都立スポーツ施設の指定管理者制度の導入に当たっては、営利のためのスポーツ振興によることなく、各都立スポーツ施設の設置目的に合致できる指定管理者となるよう、慎重な対応を行っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、平成十五年六月の地方自治法の改正により、現在、管理の委託をしている施設につきましては、平成十八年度までに指定管理者制度を導入することになります。港湾局所管の海上公園につきましても、都全体の方針等を踏まえ、必要な準備、検討を行ってまいります。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○真鍋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○丸茂委員 それでは、ただいま説明のありました請願についてお尋ねいたします。
 請願の趣旨の一つは、都が認めているアマチュアスポーツ団体が競技会を開催する場合、教育委員会と同様に、海上公園の有料スポーツ施設の利用においても減免をしてほしいというものであります。私は、ぜひ検討してほしいという立場からお尋ねをいたします。
 先ほど説明では、都として、教育委員会のスポーツ施設の場合は、教育施策の一環で体育、スポーツの普及、振興が目的だと。海上公園の場合は、公園施設の一つで、都民の散歩だとか休養だとか、そういうレクリエーションで利用するもので、設置目的が違う。したがって、所管も違うし減免もできないという説明がされました。
 そこで、改めてお聞きしますけれども、教育委員会の東京都体育施設条例の目的はどうなっているのか、また、港湾局の海上公園条例の目的はどうなっているのか、お伺いをいたします。

○高松臨海開発部長 ご質問の各条例の目的でございますけれども、東京都体育施設条例では、体育、スポーツ及びレクリエーションの普及振興を図り、都民の心身の健全な発達に寄与することが目的というふうに書かれてございます。
 一方、東京都海上公園条例は、海上公園の整備促進及び利用の適正化を図るとともに、自然環境の保全、回復を図り、もって都民の福祉の増進と緑豊かな都市づくりに寄与することを目的としているというものでございます。

○丸茂委員 省略して今ご説明があったのですけれども、東京都体育施設条例を見ますと、設置目的、第一条に書かれておりますけれども、体育、スポーツ及びレクリエーションの普及振興を図り、都民の心身の健全な発達に寄与するため設置するとなっております。
 それから、東京都の海上公園条例では、今ご説明のあったとおり、この条例は、海上公園の設置及び管理運営に関し必要な事項を定め、海上公園の整備の促進及び利用の適正化を図るとともに、自然環境の保全及び回復を図り、もって都民の福祉の増進と緑豊かな都市づくりに寄与することを目的とする、こうなっております。
 そこで、お伺いいたしますけれども、私は、東京都の海上公園条例は、都民の福祉の増進に寄与するという点では大変幅広い意味を持っているし、現に事業概要の海上公園構想の中では、都民が自然と触れ合いながら、スポーツ、レクリエーションを楽しめる場とする、こういう場であるということも述べております。
 そうしますと、私は、海上公園は都民の福祉の増進に寄与するという意味では、教育委員会のスポーツ、レクリエーション施設より、もっと広い視野で都民に幅広くご利用いただく、そういう施設であるというふうに思います。
 そこで、こうした海上公園の目的からして、私はそういう認識を持っているんですけれども、東京都としては、港湾局としてはどういうお考えなのか、お伺いをいたします。

○高松臨海開発部長 海上公園は、先ほど申し上げましたように、都民に休息、観賞あるいは散歩、遊戯、運動等のレクリエーションを行う場を提供するということによりまして、都民の福祉増進に寄与することとしておるわけでございます。
 今回の請願のスポーツ施設ということで比較いたしますと、改めて申し上げるまでもございませんけれども、教育庁の体育施設はスポーツの振興を図ること、一方、海上公園のスポーツ施設は、都民がレクリエーションを楽しむ場の提供であるというふうに考えております。

○丸茂委員 それぞれ設置目的、教育委員会所管と港湾局だから、そういわざるを得ないんだろうけれども、幅広い都民からすれば、運動施設であれば、そこでスポーツもやるし、レクリエーションとしても利用する。そういう立場で行政としては、幅広くそういう都民のさまざまな要望に沿って、それぞれの目的に沿って、私は施設を設置していると思うんです。
 海上公園には、運動施設でいえば、有明のコロシアムを持つような有明テニスの森公園、それから、大井中央公園には陸上競技場から野球場、テニス、そろっていますよね。それから、若洲にはゴルフ場まである。最近では、辰巳ではラグビーの一定の施設も、民間の協力のもとでできましたけれども、そういう立派な運動施設を持っているわけですよ。
 スポーツ、運動、レクリエーション、そういう点では、海上公園も都民にとっては大事な施設だというふうに思うんですね。そして、その利用をより充実させる、なおかつ大会準備をして運動団体が主催するという場合に、ぜひ減免をしてほしいという要望なので、もう少し具体的な減免についてお伺いをしたいと思います。
 海上公園条例二十七条には、有料施設の使用料の減額、免除が定められておりますが、適用例はどういうものがあるのか。障害者団体や各種団体が開催するスポーツ大会など、例があると思いますけれども、どういうものがあるのか、お伺いをいたします。

○高松臨海開発部長 直近の平成十五年度における主な減免の実例を申し上げたいと思います。
 たくさんございますけれども、主なものといたしましては、関東車いすテニス協会主催の関東車いすテニス大会、これは障害者に対する減免を措置しております。また、東都少年軟式野球連盟主催の東都少年軟式野球大会、これは青少年の方々を対象にしております。
 申しましたように、障害者の方々であるとか、青少年の方々を対象にしたもの、これらに限って減免の対象としているわけでございます。

○丸茂委員 今、例が示されたのですが、この条例には、管理受託者の減免措置という項目があるんですね。もちろん知事の判断でできる項目と。
 今、事例に挙げられたこういう大会の減免は、どういう根拠というんですか、基準によってやっているのか、その点お伺いをいたします。

○高松臨海開発部長 先ほど先生の方からもお話がありましたように、海上公園条例第二十七条の第二項の規定によりまして、都の指導に基づき減免に関する取扱基準は管理受託者が定めるということになっております。
 その減免基準では、公益を目的とする催し、大会でございますね。それから身体障害者等の手帳を有する者、または更生援護施設の入所者を対象とする催し、あるいは児童福祉施設入所者を対象とする催しで、いずれもこれは、東京都が主催、共催、後援する場合は二分の一減額できるということになっております。また、その他、公益を目的とする催しで、管理受託者が特に必要と認めるもので、東京都が主催、共催、後援する場合も減免できる、こういうふうになっております。

○丸茂委員 今ご説明があった趣旨に沿って、資料も取り寄せていただいて見てみますと、公益を根拠として減免されているのが、平成十五年度でいいますと、テニス大会で一件、少年野球大会で一件、ゴルフで四件になっております。その中には、関東ゴルフ連盟が主催するジュニアゴルフ大会、こういうものも含まれております。
 そういう点で、公益性の観点からして、こうした野球大会、テニス大会、さらにはゴルフ大会、こういうものと、請願で求めている、都が認めるアマチュアスポーツ団体が、それも都と共催する競技会でなぜ同等に扱えないのか、その点、改めてお伺いをしておきたいと思います。

○高松臨海開発部長 公益を目的とする催しとして減免しておりますのは、先ほどお話がありましたように、テニスの日の記念行事であるとか、あるいはチャリティー大会という、その実施内容が施設特有の行事であるとか、あるいは社会奉仕を目的とするもの、さらに、その前に申し上げましたけれども、青少年対策あるいは高齢者を対象とすることなど、いわば広く社会一般で料金の減免等が行われているもの、これらに限らせていただいておるわけでございます。
 アマチュアスポーツ団体が主催し、東京都が後援するからといって、こうした実施内容に公益ということがうたわれませんと、今の規定の中では減免の対象とすることは難しいというふうに考えております。

○丸茂委員 私はそうじゃないと思うんですね。確かに中身を見ますと、チャリティーを目的に、ゴルフ大会でもそういう目的でやっているもの、これは確かにいえると思いますし、それから、老人福祉週間という特別な行事の一環として、優待で高齢者のゴルフ参加だとかいろいろあると思うんですが、私はやっぱり、一般都民が東京都の後援も受けて、一定期間、準備をして大会を運営する、こういうアマチュアの力も大いに--参加と協働とよくいいますけれども、そういう機会をふやす意味でも、特に--私、実際の運営の中身を聞きますと、施設利用料というのは大変な負担になっているんですね。その分、準備、運営する方々が、ボランティア活動で本当に準備に時間をかけて、多くの参加者のために力を貸している。そのために、せっかくの東京都の海上公園におけるスポーツ施設についても何らかの検討をしてほしいという要望なんですよね。そういう検討もできないのですか。

○高松臨海開発部長 先ほどから申し上げておりますように、東京都海上公園におけるスポーツ施設につきましては、広く都民の方々にご利用いただいて、そして、この利用を全うする形で海上公園のにぎわいを創出するために設置しているものでございまして、これが単にアマチュアの方々が主催する大会だからといって、これを減免し、特別扱いをするということは難しいというふうに思います。
 もしアマチュア団体のスポーツ振興ということであれば、これはやはり教育的な立場から教育委員会が、教育庁がそれぞれ専管をして、その所管のもとで行うという、いわば東京都全体の施策の切り分けというのができているのではないかと思います。
 したがいまして、今回のこの請願にありますような海上公園のスポーツ施設に対する減免は困難であるというふうに考えております。

○丸茂委員 ぜひ私は、都民の立場、そして、こういう大会も、今インターネットで幅広い都民がごらんになって、いろいろ広い範囲で参加をしている、こういう状況にあります。今回、なかなか厳しいお答えですけれども、そういう実情あるいは要望に沿って引き続き検討を求めて、私はこの点は質問を終わりたいと思います。
 この請願に関して、指定管理者制度についても要望が出されておりますので、これからの検討ということなので、簡単なことについて簡潔にお伺いしておきます。
 まず、港湾局所管の施設で指定管理者制度導入の対象となる公の施設、これはどういうものが対象になるのか、お伺いをしておきます。

○岡田参事 指定管理者制度は、昨年六月の地方自治法改正により導入された制度でございまして、いわゆる公の施設の管理について、その受託者を公共的団体などに限定していたものを広く民間事業者にまで拡大し、管理の代行ができることとしたものでございます。したがいまして、指定管理者制度の対象となる施設は、現在、公の施設の管理委託の対象となっている施設でございます。
 港湾局所管のものといたしましては、東京都港湾管理条例に定めるものといたしまして、船舶給水設備や客船ターミナル施設、東京都海上公園条例に定めるものといたしまして、大井ふ頭中央海浜公園など四十二施設、東京都漁港管理条例に定めるものといたしまして、小笠原・二見漁港などがございます。

○丸茂委員 指定管理者制度は、公の施設を直営でやらない。それで委託する場合は、今ご説明のあったとおり、新たな形で指定管理者に委託するというものです。当然、条例改正が伴うものですけれども、この指定管理者制度に当たって、港湾局としてはどのような段取り、スケジュールで検討されていくのか、お伺いをいたします。

○岡田参事 先ほどご説明いたしました指定管理者制度の対象となる公の施設でございますが、このうち、従前から管理委託制度を行っているものにつきましては、地方自治法の改正の施行から三年以内、すなわち、平成十八年の九月までに条例改正を行いまして、制度を導入する経過措置が設けられてございます。
 港湾局といたしましては、平成十八年度から指定管理者制度を導入していきたいと考えてございまして、今後は、この日程に向けて必要な準備を進めていきまして、平成十七年中に議会の議決を経て、条例改正や指定管理者の選定などを行うことになろうと考えてございます。

○丸茂委員 意見としますけれども、指定管理者制度については、管理の委託をする場合、公の施設の管理規定が、株式会社などの営利法人からNPO、自治会など市民団体まで幅広くなったものであります。本会議では、一番のねらいは営利法人の委託であって、背景には財界による公的分野の市場開放の要求があって、このような市場原理に公共サービスをゆだねることは、都民の負担増やサービスの低下を招きかねないと、厳しい指摘もしてきました。
 したがって、公の施設の管理は直営を基本としつつ、指定管理者制度導入に当たっては、営利目的なのか、住民福祉なのか、一つ一つ私ども分析をしながら対応していくことになるというふうに思っております。
 そういったことを述べて、質問を終わりにいたします。

○真鍋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○真鍋委員長 異議なしと認めます。よって、請願一六第八号の二は保留といたします。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で港湾局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十一分散会