委員長 | 三宅 茂樹君 |
副委員長 | 初鹿 明博君 |
副委員長 | 田島 和明君 |
理事 | 中西 一善君 |
理事 | 丸茂 勇夫君 |
理事 | 前島信次郎君 |
谷村 孝彦君 | |
河野百合恵君 | |
中屋 文孝君 | |
野村 有信君 | |
尾崎 正一君 |
欠席委員 二名
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 森澤 正範君 |
管理部長 | 石川 俊一君 | |
事業部長 | 高津 満好君 | |
調整担当部長 | 岸 信子君 | |
新市場建設担当部長 | 井戸 秀寿君 | |
参事 | 上田 良治君 | |
参事 | 松村 進君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・豊洲新市場基本構想について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○三宅委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
本件については、本日の理事会において協議の結果、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。
お諮りいたします。
本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○三宅委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の報告事項に対する質疑、並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
報告事項に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○中屋委員 それでは私の方から、豊洲の新市場の基本構想につきまして、幾つか質問させていただきたいというふうに思っております。
今回、当委員会で報告をされました豊洲の新市場の基本構想は、都が初めて考え方を示したものであります。しかし、この示された建設予定スケジュールをよく見ますと、開場は平成二十四年から二十八年ということになっております。最も早くて、おおむね十年かかるというわけでありますが、その間、築地市場の業者の皆さんは、現状での営業を続けなければならないわけであります。
しかしながら、昨今の流通構造の変革、また景気低迷による売り上げの減少ということを、最も我々は考えなきゃいけないというふうに、配慮しなければいけないというふうに思っております。
現在のその中で働いている方々の財務状況というのは極めて悪いわけでありますが、この組合の財務状況につきましてはどのような認識を持っておられるのか、まずお尋ねをしたいというふうに思っております。
○高津事業部長 ただいまのお尋ねの組合の財務状況につきましては、大変厳しいというふうに私ども受けとめております。
○中屋委員 この厳しいという中でも、歯を食いしばって、市場の中で皆さんはお働きになっているわけでありますが、そうした組合の皆様方に、融資ということについてはどのようなお考えをお持ちか、お尋ねします。
○高津事業部長 東京都並びに国の方で、中小企業向けの融資制度がございます。そういったものを、いろいろな経営指導あるいは経営相談、あるいはその他の機会にご活用いただくように十分にご紹介し、あっせんもしていきたいと考えております。
○中屋委員 今お答えいただいたんですが、なかなかその制度にそぐわないような状況なわけであります。そうした今のこの厳しい状況を考えて、これからどのようにすべきかということは一番大事なことだというふうに思っているんです。各築地市場の中で働いている皆さんが、新しい市場に向けて夢と希望を持って、次なる新しい市場に向けて体力をつけてもらわなきゃいけない、こんなふうに思っているので、この辺はよくこれから検討をいただきたいな、こんなふうに思っております。
また一方で、スーパーなどの量販店の力が大変強くなっておりまして、これに対応する価格面とか消費者に対するサービス面、卸、仲卸の営業体制を整備するということも急務であると思います。この構想の中でも活性化策については述べられておりますけれども、営業体制、物流、情報システム、小売店、飲食店などへの支援策について、今後どんな計画で決定をされるのか。
そこで、私はまず、老朽化した築地市場について、今後この十年間、移転に向けてのこの十年間、この施設をどのように維持をして--最低限の整備が私は必要だというふうに思っております。これまでの、現在までの取り組みについてはどのようなものか、お尋ねをいたします。
○井戸新市場建設担当部長 現築地市場の整備についてのお尋ねでございますけれども、新市場開場まで、先生お話のように約十年間を要することから、移転までの間、首都圏の中核市場として引き続き機能しますよう、業界団体の方と、内容ですとかあるいは負担区分を協議いたしまして、十三年から十五年度の約三カ年で暫定的な整備を実施することといたしました。
整備の主な内容でございますけれども、一つは、場内交通動線の円滑化でございます。物流の入り口でございます青果の棟があります青果門ですとか、あるいは勝鬨橋のところの勝どき門でございますけれども、その混雑緩和のための施設の移設等を行いまして、一定のスペースを確保いたしました。
また、第二でございますけれども、物流の効率化と衛生対策の観点から、温度帯でございますけれども、五度から十五℃の温度帯の、低温化といっておりますけれども、そういったような低温的な施設を、青果卸売り場、これは六千平米でございますけれども、また、水産マグロの施設でございますけれども、これは大体二カ所、四千平米ございます。また、シラスですとか干物等の、塩干加工品といいますけれども、卸売り場約三千平米などにつきまして整備をいたしてございます。
こういったことによりまして、当面の営業面ですとか衛生面の条件整備はできるのではないかというふうに考えてございます。
○中屋委員 その衛生面については、昨今、東京電力のトラブルによっての心配が非常にあるわけですが、その点も含めてなんですけれども、もちろん、鮮度を維持するために冷蔵庫というものが必要なわけでありますけれども、その辺についてはどのようなお考えか、ちょっとお尋ねをいたします。
○井戸新市場建設担当部長 冷蔵庫施設についてのお尋ねでございますけれども、現在、市場内には、都有も含めまして八棟の冷蔵庫がございます。ご指摘のように、冷蔵施設につきましては、鮮度保持の観点から要望は強く出されております。
ただ、しかしながら、費用対効果ですとか、あるいはまた、業界の負担額等も考慮して検討すべき課題というふうに考えてございます。
○中屋委員 よくわかります。
それとあと、電力不足によっての市場の不安というのは大丈夫なんですか、お尋ねします。
○高津事業部長 この夏の電力危機といわれております状況につきましては、各市場に、業界の方々も含めた省資源、省エネルギーの、あるいは節電のお願いをしております。そのようにしていただくように通知を出しまして、いろいろな細かい点で、エレベーターの停止だとか、ある時間帯での電気消灯だとか、細かい点まで含めたご指導をさせていただいております。
緊急時の対応につきましては、また、その緊急時の対応用の危機管理のための指導要領みたいなものをつくりまして、各場で対応しているようになっております。
○中屋委員 それは安心をいたしましたけれども、本当にまだ不安がありますので、その辺、よく注意をしていただきたいなというふうに思います。
それからあと、市場の中で、仲卸組合の方からちょっと話を聞いたんですが、水産物部の仲卸業者売り場が今回店舗移動が行われるというお話を聞いたんですが、これはどんなものなのか、どういう効果があるのか、ちょっと教えていただきたいんですけれども。
○高津事業部長 築地の水産卸売り場は、扇形の中に約千六百こまもの店舗割りがございます。位置、場所の多少の有利、不利がございます。店舗移動は、そういった店舗配置による格差是正を目的といたしまして、水産仲卸組合が主導して実施する店舗の一斉移動でありまして、抽せんにより行われます。これまで四年に一回の割で移動が恒例となっておりましたが、前回が平成七年、今回は来年五月に実施予定と聞いております。
組合としては、店舗移動により仲卸業者の活性化を図っていきたいとしております。
○中屋委員 店舗移動することによっての市場の活性化ということが期待をされると思うんですが、これはどういうことでしょうか。
○高津事業部長 築地の水産仲卸業者は、ご案内のとおり中小零細な業者が多くて、現在約九百社ございます。その中には、経営状況が芳しくなく、店舗移動を機会に店を畳む方がいる一方、この機会に事業拡大を図る業者もいます。
こうしたことから、店舗移動を機会に統合、大型化が図られ、それが経営基盤の強化につながるということがございます。さらに、店舗配置等により、衛生対策の推進や施設の有効活用が進むということがございまして、こういった点から市場の活性化が期待されております。
○中屋委員 それで、その移動ということにつきましては、かなり私は費用がかかるというふうに思っているんですが、それでなくとも今、経営が非常に厳しいわけであります。その大変厳しい状況にある中で、この十年間、仲卸業者の売上高というのはどのような変化を、推移しているか、お聞きしたいんですが。
○高津事業部長 仲卸業者一社当たりの平均売上高は、平成三年が七億八千六百七十万円に対しまして、平成十三年、十年後は五億五千五百七十万円となっておりまして、三〇%近く減少しております。
○中屋委員 その店舗移動にかかる費用の一部を、都に融資を期待するという声も実は上がっておりまして、これについてはどんなお考えか、ちょっとお聞きしたいんですけれども。
○高津事業部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、店舗移動は仲卸業者が自主的に行うものでありまして、これに、開設者として都が特別の融資を行うというのは困難であると考えております。
今後、先ほども触れましたけれども、経営指導や経営相談、その他の機会に、都や国の中小企業向けの制度融資に関する情報提供とかあっせんを積極的に進めていきたいと考えております。
○中屋委員 これまで都は、定例検査とか業務指導、研修会の開催とか、公認会計士を導入しまして特別の窓口をつくっているわけでありますが、この事業者の経営改善に取り組んできている努力というのはよくわかりますけれども、事業者が経営破綻によって自分の住んでいる家も失ってしまう、こんな状況が実際にあるわけですけれども、こうした事態になる前に、むしろその点での指導というものが私は必要だというふうに思うんですが、こうした指導というものはどんな状況で行われているのかということを、ちょっとお話をいただきたいんですが。
○高津事業部長 都といたしましては、平成十三年四月に仲卸業者に対する指導指針を設けまして、財務内容が一定の基準に達しない業者に対しまして改善計画書を提出させるなど、特別指導を行ってきたところでございます。
ご指摘のような事態、悲惨な事態が起こらないよう、公認会計士の助言を得ながら適切に指導してまいります。
○中屋委員 その指導というものは、数字的なことも当然大切なんですけれども、やはり個々の業者にもうけてもらうような、そういう指導も私は大切だというふうに思っているんですね。だから、そういうことも含めて、これからさまざまな角度で、都の方からいろいろな企画とか提案ということも含めて考えていただきたいなと、こんなふうに思っております。
また、今後十年間、活力を保ったまま豊洲に行ってもらいたい、こういう考えであるわけですけれども、ぜひこういう方々に適切な指導というものをしてもらって、これから進めていってというふうに思うんですが、築地市場の活性化を保つために、これから東京都はどんなふうなお考えを持っているのか、ちょっとお聞きをしたいんですが。
○高津事業部長 委員、今ご指導いただきましたような、個々の企業がこれからさらに元気よくなる、いろいろな角度から、営業成績を伸ばしていけるような企画、提案を我々の方からすべきだということでございますので、そういったこともぜひやっていきたいと考えております。
また、活性化につながることということであれば、平成十一年度になりますけれども、都が学識経験者や業界の方々にも加わっていただいて検討いたしました、仲卸業者の経営基盤の強化に向けた研究会というものがございまして、その答申の中では、市場の活性化のためには、外部の企業の新規参入が必要じゃないかということが指摘されております。こういった点について、今後、業界と十分協議しながら、経営基盤の強化につながるあらゆる方策について検討してまいりたいと考えております。
○中屋委員 今、新しい、外から受け入れるというようなお話がありましたけれども、今まで中で頑張って働いてこられた方々が追い出されるようなということはないと思いますけれども、そういったことを十分に配慮してもらって、そういった部分を検討していただきたいなと、こんなふうに思うわけであります。
いずれにしても、築地市場というものは大変歴史があるわけでありまして、四百年に及ぶ魚河岸の伝統というのがまだまだ生きているわけでありますが、昨今のこの経済状況で、本当に考えられない変化に今あるわけでありますね。
ですから、そういった変化に対応する市場、これからその十年、移動に向けたこの十年、ここが築地市場の一番重要な部分だと私は思っておりますので、この大切な十年間、いかに市場を元気を取り戻すような市場にするかということが一番重要でありますので、その辺、どうかともに力を合わせて頑張ってまいりたいというふうに思っておりますが、そこで、新市場への移転に向けて、また、これから十年間築地市場を動かしていく中での市場長の活性化に取り組む決意というものをお伺いをいたしまして、私の質問を終えたいというふうに思っております。お願いします。
○森澤中央卸売市場長 生鮮食料品流通をめぐる環境が今、大変変化が急速でございまして、いわゆる市場外流通といわれる部分もふえております。しかしながら、例えば水産品を見ても、まだ卸売市場を経由する割合は七割近くを占めておりまして、今日でも卸売市場は、全国から多種大量の生鮮食料品を集荷し、都民に安定的に供給するという重要な役割を果たしているわけでございます。
今後も卸売市場が生鮮食料品流通の根幹としてその役割を果たしていくためには、今委員ご指摘の市場の活力や、また信用力を維持して、生産者にとっても、市場を利用される方にとっても魅力ある市場にすることが必要であるというふうに考えております。
市場業者の経営も現在大変厳しい状況にあるわけですが、市場を取り巻く流通環境が変化する中で、市場業者が経営革新を進め、経営基盤の強化に努められるよう、市場当局としても、市場機能を高めるための規制緩和など、さまざまな活性化に向け、必要な改革に全力で取り組んでまいる所存でございます。
○初鹿委員 ただいま市場長から力強い決意表明というのがあったようですけれども、やはり市場業者の今の活力というものを維持しながら、この豊洲の移転というものにつなげていかなければならないと思うわけですが、前回の第一回の定例会において、私もこの委員会で、この築地の水産仲卸業者の経営問題について、何点か質問をさせていただきました。先ほどの事業部長の答弁の中でもありましたけれども、財務状況は大変厳しいということでありますから、この点を十分に配慮する中で計画を具体化していく必要があるというふうに考えております。
さきの質疑の中で私も指摘をさせていただいたんですが、店舗の面積の狭さというんですか、これが非常に売り上げの伸び悩みの一因にもなっているのではないかなという指摘をさせていただきまして、その点が非常にひっかかってきておりますので、本日は、その点について何点か質問をさせていただきます。
この基本構想の冊子を開いてみますと、二〇ページですか、〔5〕卸売業者・仲卸業者等のあり方という項目がありまして、ここに、基本構想の具体的とはいえないまでも、大まかの方向性というものが打ち出されているんですが、まず、事実関係をおさらいというわけではないんですけれども、現状の状況を確認させていただきます。
築地の水産仲卸業者の売り場の一店舗当たりの面積は、今幾つになっているのか、どの程度なのでしょうか。
○井戸新市場建設担当部長 売り場面積についてのお尋ねでございますけれども、現在、築地の水産物仲卸業者さんにつきましては、東京都が使用を許可しておりますこま数といいますか、一区画でございますけれども、千六百七十七区画、こま数がございまして、一店舗当たりの店舗面積につきましては、平均約七・一平方メートルでございます。
これにつきましては、基本的に戦前から、間口一間、一・八メートル、奥行き二間、約三・六メートルぐらいの長さでございます。
○初鹿委員 今、七・一で、こま数が千六百七十七というお答えでしたけれども、実際には、業者によっては二こま、三こま使っているわけですよね。千六百七十七なんて、業者の数も千に欠けているわけですから、一業者当たりに換算すると、計算するとどの程度になりますか。
○井戸新市場建設担当部長 現在の業者数は八百九十九業者、九百を切ってございます。一業者当たりの面積は約十三・三平方メートルでございます。
○初鹿委員 こま数でいくと十三・三平方メートルということだと思うんですが、実際現地に行って視察をすると、それ以上にはみ出て使っているといういい方になるんでしょうかね、大きく使っていますよね。そうなると、十三・三以上、多分使っているということになると思います。
また今回、店舗移動が行われていくということで、先ほどの答弁で、期待されているということは統合とか大型化ということで、簡単にいえば、より広いこまをとっていくような方向を、皆さん方は進めていこうと考えているのかなと思うんですね。そうなると、現状でも倍くらい使っているということは、簡単にいえば、その程度は必要なんじゃないかなというふうに感じるんですね。
では、ほかの、他市の卸売市場の状況はどうなっているのかというのが非常に気になるところですので、ほかの卸売市場の水産仲卸売り場の面積というのは大体どういう状況になっているのか、それをお答えください。
○井戸新市場建設担当部長 他市の水産仲卸売り場の状況でございますけれども、事業の内容ですとか、あるいは地域差が大きいということがございまして、一概にいえませんけれども、最近再整備を終了いたしました大阪市の本場でございますけれども、ここにつきましては三十一・三平方メートル、また、福岡市の鮮魚市場では約六十七平方メートルとなってございます。
○初鹿委員 ほかの政令市などの面積を見てみますと、大体七・一という築地のこのこまの大きさというのは、著しく小さいんですよね、はっきりいって。先ほど、先日視察をしました福岡市なんというのは六十七ですから、ゼロが一つ違う規模ですね。
ということは、やはりその程度か、またはそれに近いぐらいのものは考えていかなければならないということになると思うんですが、この基本構想の二一ページに、図11というところにイメージ図というのが出ていますね。これを見ると、横が冷蔵庫が三台並んでいて、大体一・八メートルになるんでしょうか。これで大体計算すると、三十平米ぐらいのイメージの図なのかなと思うんですね。
これが実際かどうかはともかくとして、皆さん方が今考えているこの新市場の仲卸売り場の面積というのは、どういう規模になると考えているのか、お答えください。
○井戸新市場建設担当部長 基本構想の冊子で掲げております図でございますけれども、先生のお話にもございましたように、約幅六メートル、奥行き五メートルぐらいの図でございます。これにつきましては、陳列台が三台ですとか、あるいは冷蔵庫ですとか、あるいは加工の機能も含めました作業台も加えてございます。そういったものをイメージ図として出してございますけれども、これにつきましてはあくまでも想定でございますので、具体的にこのように決めたわけではございません。
具体的な仲卸店舗の面積につきましては、仲卸売り場全体の面積ですとか、あるいは個々の仲卸店舗の営業の形態ですとか、あるいは衛生面など、こういったような条件につきまして検討を進める必要があると思っております。今後策定いたします基本計画の中で、これらの条件について具体的に検討を進めることになるというふうに考えてございます。
○初鹿委員 具体的に検討を進めるということですから、その際には、十分に実際に働いて仕事をしている業者の方々の意見というものを聞いていただきたいなと。特に経営基盤が厳しいわけですから、その強化策とか、個々の事業者の負担がどういうふうになるのかとか、そういう点を十分にご留意をいただくように、まずお願いをさせていただきます。
ところで、今挙げたように、個々の売り場の面積やブースの配置がどうなるとか、そういうことについて、業界からの要望や個々の業者の声というのは今聞いているのでしょうか。
○井戸新市場建設担当部長 これまで基本構想の策定段階におきましても、業界と構成します新市場の建設協議会ですとか、あるいは業界との検討会の中で、業界の方からの要望を聞いてきたところでございます。また、団体ですとか業種ごとに説明会を持ちまして、その中で都の考え方を示すなどの意見交換も頻繁に行ってまいりました。
計画策定に当たりましても、面積ですとか配置などにつきましては、さまざまな形で業界の要望に耳を傾け、よりよい計画づくりに努めたいというふうに考えてございます。
○初鹿委員 最後に、一つ意見をさせていただきますけれども、まず、こういうふうにイメージ図が出てしまうと、いろいろな誤解が生じてしまうと思うんですよ。これで大体面積が三十平米ぐらいだなというのが想定されたとしまして、じゃ、今度ゾーンをどこにするかというのを決めていくと、ゾーンが決まって、それが面積が大体何平米だというと、三十平米でどれぐらいのこま数ができるのかなと。そうすると、移転する業者の数というもの、おのずと計算が立ってしまいますから、先にそういうゾーンを決めたり、面積を決めたりするのではなくて、その前に十分に業界の声というものを聞いていただきたいと思うんですね。
特に水産仲卸業者の方は、今答弁にもありましたように、財務状況が非常に厳しいわけでありまして、また、経営者の方も九十歳を超えるような方もいて、後継者不足に悩んでいるという業者もかなりいるというふうに聞いております。ですから、今後、計画を策定するに当たっては、業界の要望というよりも、私は個々それぞれの事業者の意向というのを十分にとらえていく必要があるんだと思うんです。
恐らく、基本的にこの仲卸業者は、機関決定で反対ということを表明していると思いますけれども、個々の業者によって、反対をしている事情というのは違うと思うんですね。業界全体で話を聞いてしまうと、何となく業界全体の意向ということになってしまうと思うんですが、個々聞いてみると、それぞれ事情が異なると思いますから、個々それぞれの事情に合った対策ができるように、それぞれの事情を十分に聞いていく努力というのをぜひしていただきたいなと。
具体的にいえば、非常に細かいアンケートをとるなり、経営相談の際にそういったところまで突っ込んで聞いて、約九百社ありますけれども、その意見集約というものをしっかりと行って、よりよい計画が策定できるように努力をしていただきますようにご要望させていただいて、私の質問を終わります。
○谷村委員 過日行われました、今定例会におきます本会議の代表質問、また一般質問等におきまして、石原都知事の二期目に当たる基本姿勢、また都政全般にわたる質疑等におきまして、第一党の自由民主党、そして、都民与党の立場を標榜しております私ども公明党に対しまして、かなり真摯な、また踏み込んだご答弁をいただきました。石原都知事の二期目に向けての都政に対する意欲というものを大変強く感じたわけでございます。
本委員会におきましても、三宅委員長を中心に、石原都知事の都政に対する意欲に負けない活発な議論を展開していかなければならないと、決意を新たにしているところでございます。
とりわけ目を引いたのが、日本共産党さんに対する基本姿勢のところで、知事の大変並々ならぬ決意を披瀝されておりました。日本共産党さんのいわれることをやらないということが知事の二期目の基本姿勢であるという、こういうお話がございました。こういった石原都知事の基本姿勢というものが、どれだけ理事者の皆様に浸透されているのかどうかといった視点につきましても、私ども議会の立場でチェック機能をしっかりと行使していきたい、このように感じている次第でございます。
さて、先日、当委員会に報告をされました豊洲新市場基本構想には、これからの新市場建設の意義、新市場のコンセプトとともに、新市場づくりの基本方向について明確に示されております。今後は、この構想をもとに計画づくりが進められることと思いますが、現在の築地市場は生鮮食料品流通の大宗を担う基幹市場であり、新しい豊洲新市場は、このような機能に加えて、千客万来の市場づくりを目指すとされています。
このような新市場を建設することは、その中で営業活動を行う関係業者のみならず、地元区、広くは都民全体の関心が大変に高いものであると思います。
公共施設をつくる際には、単に行政の思いだけでなく、私たち議会を初め関係者の意見をよく聞いて、計画の中に取り入れることが大変に重要であると思っておりますが、そういった観点から、この基本構想と、それに続く基本計画策定における関係者の意見をどのように取り入れていくのか、また、これまで取り入れてこられたのかという視点で幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、この基本構想策定に当たり、関係業界の意見について、どういう会議でどのように耳を傾けてこられたのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○井戸新市場建設担当部長 関係業界との協議でございますけれども、業界団体の代表者と構成いたします新市場建設協議会がございますけれども、基本的な枠組みを協議いたしました。具体の事項につきましては、その協議会のもとに、下部組織でございます新市場の基本問題検討会を設けました。さらにその下に四つの専門部会、流通ですとか、あるいは千客万来ですとかというような専門部会を設けました。この中で具体的な協議を行ってまいりました。
全体でございますけれども、全体としましては三十回以上の回数の会議を行ってまいりました。延べ、業界の方々の約七十名以上の参画を得ております。
また、この協議会とは別に、個々の団体ですとか、あるいは業界の方々を対象にしました説明会を行ってまいりました。対象としましたのは、水産、青果、関連団体でございますけれども、これも業種ごとに三十回以上行ってまいりました。
業界の方々におかれましては、お仕事がお忙しい中、貴重な時間を割いていただきましたことにつきまして、感謝をいたしておる次第でございます。
○谷村委員 関係業界とはかなり意見交換をされて、その議論の果実として、基本構想の骨組みができ上がったということは確認をさせていただきました。
しかし、市場の中だけで議論を進めるのでは不十分であると思います。市場外の関係者の声にも真摯に対応することが必要でありますが、そこで、関係区や地元住民の方とはどのように話し合われてこられたのか、お聞かせ願いたいと思います。
○井戸新市場建設担当部長 関係区でございます江東区につきましては、基本構想の進捗状況に合わせまして、適宜説明を行いました。最終的には三月十二日に説明を行いまして、基本構想の骨子につきましてご了承を得たところでございます。
また、あわせまして、地元住民の方につきましても、適宜説明会を行ってまいりました。
また、中央区の場外の市場団体でございますけれども、平成十四年九月、去年でございますが、場外三団体の合同の説明会を開催いたしております。また、それ以外にも各団体ごとに適宜説明会を行い、理解を求めてまいった次第でございます。
○谷村委員 基本構想の策定の段階で行ってきました市場当局の対応について、今のご答弁でよくわかりました。
次なる課題としては、これから基本計画をどのようにつくっていくかであります。基本構想の中では、例えば市場の建設計画の基本である青果や水産の卸、仲卸の配置も四つの案を併記しただけであり、まだ決まってはおりません。
表現は悪いと思いますが、今後、各部門ごと、あるいは各業種ごとのいわば陣取り合戦も予想されております。厳しい経済環境の中で、少しでも業績を上げようと個々の業者も業界団体も必死になるのは、ある意味では当然のことであります。
また、そこを調整するのが都の役割でもあると思いますが、今後、計画策定に当たり、どのように調整機能を発揮されるのか、お伺いしたいと思います。
○井戸新市場建設担当部長 先生お話しのとおり、基本構想につきましては、新市場づくりの基本方向を明らかにしたものでございます。今後、基本計画の策定に当たりましては、業界団体と、より具体的な議論ですとか、よりシビアな議論を闘わせることになるというふうに考えてございます。
しかしながら、基本構想の検討の過程を通じてつくられてまいりました、お互いの理解ですとか、あるいは信頼関係を基本といたしまして、粘り強く協議をしてまいりたいというふうに思っております。
また、そのほかにも、有識者等からも幅広く意見を聞いてまいりまして、計画に反映していきたいというふうに思っております。
○谷村委員 これまでもいろいろな機会をとらえて関係者から意見を聞き取り、構想づくりに反映してきたこと、さらに、これからの計画策定に当たっても、同様に幅広い意見を求めて、よりよい市場づくりを行うとされることについては一定の評価ができると思います。
しかしながら、関係者の間にも意見の相違はあり、最後の決定は、都の責任者である都知事の大所高所からの判断もあると思います。私としては、誠心誠意、関係者また都民の皆様のご意見を十分聞き取って、だれもが納得する新市場建設を目指されることを強く要望しておきたいと思います。
そこで最後に、新市場建設に向けての森澤市場長の決意をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○森澤中央卸売市場長 豊洲新市場の建設は、築地から豊洲へ単に場所を移すだけではなくて、将来の流通環境に適応した首都圏の基幹市場として再生する必要があるわけでございます。また、新市場は、都民はもとより、首都圏三千三百万人の日常生活に不可欠な生鮮食料品を供給する広域流通拠点となるものでもありまして、その建設は大変重要な事業であると認識をいたしております。
今回発表しました基本構想を踏まえ、現在、市場づくりの骨格となる基本計画について、十六年度中ごろを目途に策定作業を進めているわけでございます。計画策定に当たりましては、ご指摘のとおり、市場業界や関係業界と引き続き協議を重ねるとともに、有識者等からも幅広く意見を求めてまいります。
新市場が、生産者にとっても、市場業者にとっても、また都民にとっても魅力ある市場となるよう、計画策定に取り組んでまいります。
○丸茂委員 質問の前に、今、谷村委員から我が党に対する、まあ批判ともいうべき許されない発言がありまして、石原知事の発言を利用して、理事者に対しても同じような趣旨で意見を述べるというのは大変問題で、私は撤回を含めて抗議もしたいと思います。
各政党議員は、それぞれ選挙民の選択によって選ばれてきたもので、その発言なり要望なり提案については、知事もやっぱり、積極的な提案についてはこたえているわけですから、そういうことまで無視して--これは議会の権威にかかわる問題として重大な発言だと思いますので、撤回を、私は抗議をしておきます。
それはさておきまして、本年二月二十五日の経済・港湾委員会の質疑と、五月十三日に市場審議会も開かれまして、そこでも議論がされております。そういうものを踏まえて、何点かお聞きをいたします。
まず最初に、新市場の建設費と使用料についてですけれども、答弁では、建設費については基本計画を策定する段階で概要を明らかにする、使用料については、基本計画策定までに、施設整備の概要を踏まえて、市場別使用料の導入の検討を含めて使用料の水準を試算したいと答えております。
これまで現在地の再整備計画で進められてきたわけで、本構想でも、ローリング工事では、市場機能が長期にわたり低下し、営業への影響が大きいということが移転の一つの理由とされております。現地での再整備で試算されていた建設費は、どの程度と試算されていたのか。
また、当然のこととして市場会計の関係もあるわけで、市場会計の赤字が累積しているという財政上のことからも、大まかな建設費はどうあるべきかという点で考えはないのかどうか。二点にわたってお伺いいたします。
○井戸新市場建設担当部長 一点目のご質問につきましては、築地の現在地整備についての建設費のお尋ねでございます。
再整備を想定しておりましたときの建設費でございますけれども、平成二年度の基本設計段階では、約二千三百八十億円と試算してございます。
また、新市場の建設費の財源につきましては、国庫補助金、企業債、内部留保資金などを充てるほか、築地市場の跡地を処分した財源を充当するということになっておりまして、できる限り効率的な整備を目指してまいります。
○丸茂委員 まあ二年度の試算ですから、その当時、二千三百八十億円と。大体面積的には五十七万ですか。そういう数字もお聞きしているのですが、八九年に業務開始となった大田市場、これは青果、水産、これは平家建てですけれども、九十五万平方メートルで、建設費は五百五十三億という数字などを比較しますと、大変な額になるなと。そういう建設費が膨らめば膨らむほど、またそこに入られる方への影響、使用料にもはね返ってくるわけで、土地の問題は今答弁あったのですが、そうした運営上には影響はあるかもしれませんが、建設費からは含まれないということも含めて、どうあるべきかなということを、また改めて考えております。
それで、築地の再整備については、現在地であれ、あるいは移転であれ、過大な投資を避けること、適正な規模と採算性を考慮した計画が必要であります。そういう点では、基本計画を策定する段階で概要を明らかにするということですけれども、基本計画は、これまで十五年度中に策定するスケジュールになっていたと思います。
そこで、いつ建設費と市場使用料が明らかになるのか、改めてお伺いいたします。
○井戸新市場建設担当部長 建設費と市場使用料が明確になる時期のご質問でございます。
実は、基本構想の中では、この表の中で、基本計画の策定につきましては平成十六年度にかかった表になってございまして、基本的には平成十六年の中ごろを目途に策定をしたいと思っております。
繰り返しになりますけれども、新市場の規模ですとか、あるいは施設内容をプランニングした基本計画につきまして、来年中ごろを目途に策定することとしておりますので、新市場の建設費などにつきましては、基本計画で、施設規模ですとかあるいは内容等が固まることになりますので、それらを踏まえて検討していきたいというふうに思っております。
○丸茂委員 それでは角度をかえて、検討に当たって、市場会計に与える影響や、建設費と市場使用料について、どうかかわってくるのかシミュレーションを当然行うと思いますけれども、その点ではどうなのか。
また、建設費については、過大な投資を避けると先ほどいいましたけれども、本来の市場機能を効果的、衛生的に、さらに活気があるシステムにすることが大事だと考えます。
そこで、新たな付加価値をつけるという加工場、配送センターなどの流通機能、さらに千客万来のゾーン機能、こういった棟を整備するということが構想では示されておりますけれども、こうした流通あるいは千客万来の機能それぞれの費用対効果、そういうものの検討と、その結果について明らかにすべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。
○井戸新市場建設担当部長 市場機能の一部、例えば冷蔵庫ですとか、加工施設ですとか、配送関係につきましては、民間活力の活用を視野に入れて今検討しております。
また、ご指摘の千客万来の施設につきましては、民間のノウハウを活用した方が、よりお客様に喜んでいただけるような施設になることもございますので、そういったことも含めまして、今後、基本計画の中で検討してまいりたいというふうに思っております。
○丸茂委員 費用対効果の検討と、それを明らかにするという点ではいかがでしょうか。
○井戸新市場建設担当部長 当然のことでございますけれども、建設に当たりましては、費用対効果におきまして効率的な整備をしてまいりたいというふうに思っております。
○丸茂委員 市場機能にとって欠かせない設備というものは、やっぱり今後の対応の面でも、整備するということは大変大事だと思うのですが、流通施設だとかあるいは千客万来の施設は、民間活力の活用だとかそういうものを視野に入れて整備していきたいということが示されました。
手法はいろいろあるかと思いますが、東京都が基本計画に入れて物事を進めると、それが結果的にうまくいかないということになって、それがまた都にはね返ってくるという問題も予測がされます。そういう点では、やっぱり市場機能をまず第一に、現在の厳しい経営状況の中で営業されている関連団体の意向を尊重していただきたいというふうに思っております。
私自身これまで、大規模の市場整備、これ、視察も含めて見てまいりました。行った感想では、やっぱり市場機能を大変優先して整備しているなということを感じております。
大阪市本場の再整備も見てまいりましたけれども、市場棟は、一、二階が水産物関係、三、四階が野菜関係、五階が駐車場と、ここは地下一階、地上五階、延べ十七万二千五百平方メートル。市場棟はそういうつくりと、それから三階建ての関連棟を含めて、建設費は千二百二十億円ほどになっております。また、札幌市場は三百七十億。この前、委員会として視察した福岡市場は、冷蔵庫建設は市がやっておりまして、それを含めて五百三十二億という状況も見てまいりました。そういう状況を踏まえて、やっぱり計画に当たっての考えをきちんとしていただきたいなというふうに思っております。そういうことを踏まえて、市場使用料のあり方についてもお尋ねしたいと思います。
外部監査の指摘で検討されているといわれる市場別使用料についてお尋ねしたいと思います。
豊洲市場、新市場を考えた場合、これまでの方法による使用料の試算と市場別使用料の比較で、使用料は低く抑えられる見通しなのか、逆に高くなるのか、そういう見通しを示していただきたいと思います。
さらに、市場別使用料を導入しますと、現在ある隣接する大田だとか葛西、都心にある淀橋だとか、他市場との均衡問題が当然起こってきます。その点どう考えているのか、お伺いをいたします。
○井戸新市場建設担当部長 現在の使用料につきましては、ご承知のように、総括原価主義に基づきまして全市場同一料金でございます。
財政健全化のため、使用料につきましては、業界の方の理解もいただきまして適宜改定を行っておりますけれども、個々の市場の支出と負担の関係が不明確なため、包括外部監査におきましても、市場別収支についての検討が指摘されております。
豊洲新市場につきましては、新しい市場施設に対応した使用料体系につきまして、先ほど申し上げましたけれども、基本計画の施設規模ですとか内容等を踏まえて検討してまいりたいと思っております。
○丸茂委員 これは、状況をある程度見ないと何ともいえませんし、ただ、やっぱり市場別使用料になってきますと、かなり年数がたって減価償却がもう終わっている施設と、新しいところと格段の格差が生まれて、そういう形で、施設は新しいけれども、高いために品物が集まらないなんてことになったら大変ですし、逆に大変低い数字が出て、逆にそちらの新しいところに集荷されるということになったら、またこれ、市場全体あるいは運営全体にも支障を来すという点で、やっぱり注視をしておきたいと思います。
次に、築地市場は、先ほどからも議論されておりますように、新市場移転を前提としても、このスケジュールで見ますと、九年から十三年は現在地で運営しなければならない。そこで、それまで耐震補強工事だとか衛生面での改善を計画的に整備しなければならないという課題があります。
先ほども、三カ年の暫定計画等、検討がされているというお話があったわけですけれども、この三カ年計画そのものは、きちんと年度的に示されているのか。それと、三カ年終了した段階で、耐震補強などはすべて終わるのか、それとも、引き続いて整備計画を立てていく方向なのか。その点をお伺いしたいと思います。
○井戸新市場建設担当部長 現在地におきます暫定整備につきましては、先ほど申し上げましたように、業界団体の方と協議いたしまして、全体のこうしたような施設の整備は必要だというふうなことで枠組みは組んでございます。
ただ、実際、それがどの程度--かなり進捗はしておりますけれども、まだ一年間ございますので、進捗の状況を見まして、私どもとしましては一応終了するというふうに考えてございますけれども、まだ残っている部分があるかもしれません。それにつきましては、また協議してまいります。
○丸茂委員 特に耐震性の問題では、非常に心配の声が寄せられておりますし、それから中央区長も、審議会でも、その点、強調されておりまして、そういうものが具体的に示されていないのじゃないかという質疑もやられておりましたので、この点は、現実に今の現場で営業されている方は苦労をしながらやっているわけですから、それはきちんと対応をしていただきたい。そして、具体的な計画も示していただいて、進捗方をお願いしたいと思います。
次に、都財政との絡みで、交通アクセスとしての道路整備等ですね。これは大変金がかかる問題で、財政面と、道路整備が本当に進むのかという問題が、市場審議会で中央区長から指摘がされております。
審議の中身を見ますと、まともな答えが示されていないという感じがしたのですが、私が二〇〇〇年二月に当委員会で質問した中で、広域幹線道路等の整備に関する事業費は、おおよそ四千七百億円と答弁されております。現在、都は、第二次財政再建推進プランで、三千億円の財源不足があるとか、あるいは他会計の借り入れなどで一兆円の借金があると、財政難を指摘されております。そういう都財政の現状と、こういった道路整備等の関係で、一体どうなのかなと。
そういう点で、この委員会で明らかにできる部分はぜひ示していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○井戸新市場建設担当部長 道路整備と財源確保の面のご質問でございますけれども、豊洲地区へのアクセスとなります幹線道路につきましては、平成十四年九月、去年に策定いたしました豊洲・晴海開発整備計画の再改定案に示されてございますが、晴海通りの延伸部等につきましては平成十七年を目途に、また環状二号線については平成二十年から二十七年の完成を目指し、所管局において鋭意取り組んでございます。
市場も含めまして、都全体として円滑に進捗するように取り組んでございます。
○丸茂委員 今の答弁を見ても、財政的な、これは東京都全体の財政、財務局との絡みで、なかなかいいにくいのかもしれませんけれども、ただし、市場が運営されていくという点では、やっぱり交通アクセス、築地の面でも、そういうものが市場にとっては非常に大事な要素なんですよね。そういうところも含めて、やっぱり考慮されなければならないと。
だから、本当にそこから移転が、逆にかえって大変になるということになれば、また見直さなければなりませんし、そういう点では根本問題にかかわるという点で、そういう点も質問も出ているわけですから、何度か尋ねられていると思いますので、やっぱりきちんと答えられるように私は求めておきたいというふうに思います。
次に、場外市場の関係業者について伺いたいと思うのですが、組合員の最も多い団体は、現在地の場所で活性化を目指す、こういう方向のようですけれども、三団体あるという場外業者の意向はどうなっているのか、お伺いをします。
また、豊洲の商店街等、豊洲の商業者への影響なども考えられるわけですが、江東区豊洲の要望などはどうなのか、お伺いいたします。
○井戸新市場建設担当部長 豊洲の移転先等についての業者の意向でございますが、その前に、先ほど丸茂先生がおっしゃいました道路整備との関係でございますけれども、あくまでも市場は、市場を建設する局でございますので、道路整備につきましては所管局がございますので、我々としましては、順調に行われているということを今確信しているというふうに考えてございます。
場外市場の意向でございますけれども、場外業者団体の三団体のうち、一団体は豊洲移転、二団体は現在地での営業を希望する意向があると聞いていますけれども、その中でも移転を希望するグループもございまして、三団体とともに、折に触れて意見交換してございます。
また、豊洲地区の方々につきましても、説明等も行ってございます。
○丸茂委員 他局のことを云々じゃなくて、財政面でのかかわりをと聞きましたので、その点、誤解のないようにしていただきたいと思います。
今、環境問題に触れられましたけれども、そういう点で、構想には、地域の環境とまちづくりへの配慮ということで、車両による排気ガス、騒音を抑制するとして対策が挙げられております。
その中でも、モーダルシフトや共同配送の推進による交通量の発生抑制が掲げられております。この発生抑制について、もう少し具体的な取り組みについてお伺いいたします。
○井戸新市場建設担当部長 モーダルシフトについてのお尋ねでございますけれども、現在の築地市場におきましては桟橋が四百メートルございますが、その中で、活魚を中心にしまして、ハマチとかカンパチでございますけれども、年間で四百七十七隻、二千六百トンぐらいの船による輸送実績がございます。
モーダルシフトとか共同配送につきましても、具体的内容につきまして、基本計画の策定の中で検討してまいりたいというふうに思っております。
○丸茂委員 モーダルシフトについては、東京湾の奥という点でなかなか大変だと思うのですが、ただ港湾局は、関係局とあわせて、このモーダルシフトについて、東京港の機能という点で取り組むという方向を出されております。特に青果など、輸入による、それも船舶による品物が入ってくるという点では、現状を踏まえて、可能なところは、やっぱりモーダルシフトを掲げっ放しじゃなくて、具体的な対処をすべきじゃないかというふうに思います。
共同配送については、第七次整備計画でもういっているのですが、ここでは、一部共同配送などが行われているが、全体的には取り組みがおくれており、場内混雑に拍車をかけているだけでなく、排気ガスなど環境負荷を大きくする一因となっていると指摘をしております。
私の地元の大田市場も、開設に当たって、周辺の環境基準が大変悪い、したがって、なるべく環七への車の流通を少なくする上でも、共同配送とかが約束事項になっていたわけです。しかし、それが、まあ一部実施に移されていますけれども、なかなか思うようにいかないという実態なんですね。
そういう点で、七次整備計画でも示されている点で、やっぱりもう少し具体的な、どう進めるのか、考えは示していいと思うのですが、いかがですか。
○井戸新市場建設担当部長 先ほど申し上げましたように、共同配送やモーダルシフトにつきましては、産地の関係ですとか、あるいは業者の状況ですとか、さまざまないわゆる条件がございますので、具体的な計画につきましては、基本計画の中で、あるいはそれ以後詰めてまいりたいというふうに思っております。
○丸茂委員 基本計画以前に、やっぱり直ちに、現状でもそういう問題があるわけですから、そこを取り組んで、やっぱりそれを、よりそれが前進するような形でいかないと、ただ基本計画で云々というのでは、私は心もとないし、市場としてこういうことが指摘されているわけですから、具体的に対応していただきたいというふうに思います。
次に、環境アセスについてどう考えているのか、お伺いをしたいと思います。
特に中央区や移転先の江東区豊洲の周辺地域の大気汚染は、環境基準を上回っている、こういうところがあるのが現状です。新市場周辺の晴海も、高層住宅だとかいろいろな開発がメジロ押しですし、あるいは豊洲も大型開発が進んでいる。
こうした周辺の環境も配慮した総合的なアセスが必要だと考えますけれども、アセスについてどのように考えているのか、作成時期を含めてお伺いをしたいと思います。
○井戸新市場建設担当部長 環境アセスについてのお尋ねでございますけれども、豊洲新市場は環境アセスの対象となってございますので、東京都環境影響評価条例に基づきまして、基本計画を踏まえまして実施していくことになるというふうに考えてございます。
今後、関係局と十分協議し、適切に進めてまいります。
○丸茂委員 条例に基づくアセスというのは、計画施設からどういう環境への負荷が生ずるかというアセスなんですよね。
だけど、住民が求めているのは、現在住んでいる環境、そして新たにできる施設の環境の負荷、それが住んでいる方々あるいは働いている方々の生活に影響するわけですから、やっぱりそういうものを含めて総合的に評価をして、その負荷をなくしていく対策が求められるという点では、やはり関係住民の意向も十分踏まえて評価をする、そういう方向で検討すべきだと思うのですが、いかがですか。
○井戸新市場建設担当部長 繰り返しになりますけれども、東京都環境影響評価条例に基づきまして適切に対応してまいります。
○丸茂委員 しかし、住民なり関係区のいろいろな合意だとかは必要なわけで、そういう点では、意向を十分踏まえて評価をするよう求めておきたいと思います。
最後に、昨日、質疑に当たって、最近の築地市場の状況を我が党の区議にも聞いてみたのですが、築地の仲卸業者、特に鮮魚の方が、経営難から、先月末から今月初めにかけて相次いで廃業しているという話を聞きまして、大変ショックを受けました。都として経営改善に力を入れていると、先ほど議論もされておりましたけれども、現状は大変厳しいものがあります。こうした現実を踏まえて、意見を述べておきます。
本構想については、市場審議会で我が党の渡辺議員が述べたように、基本スタンスとして、豊洲移転については、市場関係者や地元区の合意が前提であること、現時点での中央区や市場関係者の中に、反対意見や危惧の声が根強く残っていること--さらに、構想で示された新市場の目指す方向として、卸売市場として基本的役割をきちんと位置づけず、卸売市場を支えてきた仕組みの見直しを進めることや、過度の競争や不当、不合理な取引をしてはならないという法の趣旨にもとる競争原理の一層の導入、促進、それから、国庫補助や地方自治体の役割など公的市場のあり方を踏まえない、適正な受益者負担に基づく計画的、効率的な施設整備、運営など、多様な整備手法の導入が打ち出されております。
構想の方向は、卸から仲卸、買参人等、市場関係者の営業を一変させ、不況で困難な経営を強いられている中小業者にとって、廃業も余儀なくされる危惧があること、さらに、累積赤字を重ねる市場会計の悪化のおそれなどを指摘し、構想については承認できないことを表明してまいりました。
いうまでもなく中央卸売市場は、都民の台所として、公正かつ迅速な取引を確保し、生鮮食料品等の円滑な供給と消費生活の安定を図ることを目的として、衛生的かつ効率的な施設建設として、その役割が求められております。その役割を十分果たすよう求めて、質問を終わります。
○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認めます。よって、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
○三宅委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
なお、閉会中に、会議規則第六十条の規定に基づく委員の派遣の必要が生じた場合は、その取り扱いを委員長にご一任いただきたいと思います。ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時十四分散会
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