委員長 | 松原 忠義君 |
副委員長 | 三宅 茂樹君 |
副委員長 | 中村 明彦君 |
理事 | 丸茂 勇夫君 |
理事 | 森田 安孝君 |
理事 | 山崎 孝明君 |
中屋 文孝君 | |
河野百合恵君 | |
藤井 一君 | |
富田 俊正君 | |
橋本辰二郎君 | |
田島 和明君 | |
小林 正則君 | |
川島 忠一君 |
欠席委員 なし
出席説明員産業労働局 | 局長 | 有手 勉君 |
総務部長 | 山口 一久君 | |
中央卸売市場 | 市場長 | 碇山 幸夫君 |
管理部長 | 橋本 康男君 | |
港湾局 | 局長 | 高橋 信行君 |
技監 | 高野 一男君 | |
総務部長 | 津島 隆一君 | |
参事 | 井戸 秀寿君 | |
港湾経営部長 | 浅倉 義信君 | |
参事 | 吉田 安輝君 | |
臨海開発部長 | 三枝 修一君 | |
参事 | 萩原 豊吉君 | |
参事 | 金子 優君 | |
港湾整備部長 | 梶山 修君 | |
計画調整担当部長 | 松井 創君 | |
参事 | 安藤 哲士君 | |
離島港湾部長 | 樋口 和行君 | |
参事 | 松本 義憲君 | |
地方労働委員会事務局 | 局長 | 立花 壯介君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
港湾局関係
報告事項(質疑)
・「豊洲・晴海開発整備計画-再改定(豊洲)案-」の策定について
付託議案の審査(決定)
・第二百九号議案 東京都営空港条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○松原委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
さきに理事会にご一任いただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨議長に報告すべきとの結論になりましたので、ご了承いただきたいと思います。
○松原委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の報告事項の質疑を行った後、付託議案の審査を行いまして、請願陳情及び特定事件の継続審査及び調査の申し出に対する決定を行います。
これより港湾局関係に入ります。
報告事項の質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料について、理事者の説明を求めます。
○津島総務部長 去る九月二十七日開催の当委員会におきましてご要求のありました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の資料1、経済・港湾委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
ご要求のありました資料は、表紙の次のページにありますように、「豊洲・晴海開発整備計画-再改定(豊洲)案-」の主な改定内容の一件でございます。
一ページから三ページにわたりまして、人口フレーム、広域交通基盤の整備目途時期など五項目についてまとめてございます。
まず一ページでございますが、主な改定内容のうち、人口フレームと広域交通基盤の整備目途時期についてでございます。
表の読み方でございますが、表の中央に平成九年策定の改定版の内容を、右側に今回の再改定案の内容を載せてございまして、二ページ以降も同じ形式でお示ししてございます。
(1)の人口フレームについては、豊洲地区、晴海地区の居住人口、就業人口の変更点をお示ししたものでございます。なお、晴海地区については、変更点はございません。
(2)の、広域交通基盤の整備目途時期については、環状二号線延伸部など広域幹線道路等の整備目途時期の変更点をお示ししたものでございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
二ページをお開き願います。
(3)の、豊洲地区の土地利用フレームについてでございますが、土地利用区分ごとに面積の変更点をお示ししたものでございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
三ページをお開き願います。
(4)の、公園・緑地の面積について、公園、準公共的な空地、親水緑地、それぞれの面積の変更点をお示ししたものでございます。
(5)の、整備が予定される主な公益施設については、開発整備計画の中で参考として載せているものでございますけれども、教育、福祉施設等について、開発フレームから試算される箇所数の変更点をお示ししたものでございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○松原委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○藤井委員 ただいま報告がございました豊洲・晴海開発整備計画の再改定について、お伺いいたします。
私はかねてから、この東京の臨海地域というのは、都市再生の起爆剤になるということで、東京都にとっては極めて重要な地域であるというふうに認識しております。国もようやく都市再生本部を設置いたしまして、さまざまな取り組みを始めました。本年七月末には、東京都の臨海地域が都市再生緊急整備地域に指定されたところであります。中でも、この豊洲・晴海地域については、都心に近く、また、大規模な未利用地も多くあります。そして、豊洲地区につきましては、昨年十二月に策定しました第七次東京都卸売市場整備計画において、東京都として正式に、築地市場を豊洲地区へ移転するということを決定したところであります。
そこで、こういった点を踏まえて、まず、今回の再改定は必要だったというふうに考えますけれども、今回見直しを行ったそのねらいということについて、まずお伺いしたいと思います。
○萩原参事 ねらいについてのお尋ねでございますが、現在、豊洲地区につきましては、土地区画整理事業により整備を進めておりますが、今後、事業を円滑に進めるためには、市場の移転を前提といたしました土地利用計画等を早期に定める必要がございました。また、中央卸売市場は今後、基本構想、基本計画を策定していくためにも、地権者が個別の開発計画を策定する上でも、土地利用計画等が早期に必要となったところでございます。
以上のことから、市場移転については、地元区と引き続き協議中ではございますが、今回、再改定案として策定したところでございます。
○藤井委員 今、地元区と協議中ということでございますが、きのうの新聞報道によりますと、江東区は移転を正式了承していない、また、中央区は移転について反対しているというふうに出ておりましたけれども、今回のこの再改定について、地元江東区はどのような理由で、あるいはどういう反応を起こしているのか、そしてまた、それに対して東京都はどういう対応をするのか、これについてお伺いします。
○萩原参事 地元江東区の対応についてのお尋ねでございますが、都がまちづくりを進める上におきましては、地元住民はもとより、地元自治体の協力は不可欠でございます。そのような観点から、まちづくり計画の策定に当たりましても、地元区と関係者の調整は必要であるというふうに認識いたしております。本改定案につきましては、豊洲地区にかかわる内容の改定を主としておりますので、今回の再改定に当たりましては、地元江東区と協議、調整を行いまして取りまとめたものでございます。
○藤井委員 いろいろとやはり地元との協議、大変だと思いますけれども、かつて江東区は--きょうは山崎理事もいらっしゃるので、私が云々することは大変差し出がましいこととは存じますが、地元だからいいにくい面もあると思いますので、かつて、ごみ戦争で江東区は、江東区の中を清掃車が走り回るということで、区長を先頭に反対運動を起こして、東京都と全面対決をしたというような経過もございますけれども、今回、この再改定につきましても、地元のやはり了解、理解というのが大変重要ではないかというふうに思いますので、そういった点もしっかりと踏まえながら取り組んでいただきたいというふうに要望したいと思います。
ところで、新しい市場は四十一ヘクタールを占めるというふうにいわれておりますけれども、これによって土地利用が大きく変わったものになっているというふうに聞いております。こういった地域が、快適で、かつ魅力的なまちづくりというものを進めていく上においては、いろいろな機能をバランスよく配慮した、そういったものが必要だというふうに考えますけれども、今後どういう考え方で港湾局はこの豊洲地区の開発を進めようとされているのか、お伺いしたいと思います。
○萩原参事 これまで、豊洲地区の開発の基本的な考え方につきましては、居住、業務・商業など諸機能が効果的に複合された、活力ある、職住近接のまちづくりを行うものでございました。今後は、市場の配置を踏まえまして、従来の、どちらかといいますと居住機能中心のまちづくりから、業務・商業、居住、市場などの各機能がバランスよく配置されました複合市街地の形成を目指すことに重点を置いたまちづくりを進めていくことといたしております。
○藤井委員 あと、先ほど総務部長の方からご報告ありましたけれども、ここの交通基盤、いわゆるアクセスの整備についてなんですけれども、いただいた資料によりますと、晴海通りのいわゆる放射三四号線拡幅部が、当初の平成十二年度から平成十七年度に変わるということ、あるいは環状二号線延伸部が、当初は平成二十七年度の計画が、平成二十から二十七年度というふうになっておりますけれども、これも、新聞報道によりますと、中央区がこの移転計画、今回の計画について反対をしている理由の一つが、いわゆる環状二号線の整備計画が不明確だというふうに中央区がいっている、あるいは、中央区に事前協議がなかったというようなことで、東京都の姿勢に対して憤りを感じているというふうに書いてありますけれども、こういったアクセスについて、都として今後どういう計画を、あるいはまた地元との了解をとるのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
○萩原参事 豊洲へのアクセスにつきましては、ただいま先生ご指摘のとおり、環状二号線や晴海通り、こういった幹線道路が計画いたしておりまして、現在整備中でございます。都といたしましては、これらの整備に全力を挙げておりまして、豊洲地区にとりましては十分な道路整備、道路環境が図られるというふうに思っております。また、「ゆりかもめ」の有明-豊洲間の整備につきましても、十七年度を目途に、順調に工事は進んでいるというふうに担当部署から聞いております。
○藤井委員 直接港湾局の所管ではないと思いますけれども、関係局との今後連携、そしてまた協力を進めていただきたいというふうに要望をしたいと思います。
第三番目に、この豊洲地区につきましては、現在、開発整備計画に基づいて区画整理事業が行われております。そして、まちづくりが進められているというふうに聞いておりますけれども、今回のこの土地利用計画、これを変更することによって、今後のこの地域のまちづくりの進展にどういう影響が出るのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○萩原参事 今回の土地利用計画の大きな特徴の一つでございますが、市場を織り込んだ土地利用計画を定め、市場の位置を明らかにしたことでございます。これによりまして、各地権者は、将来のまちづくりの構想を立てやすくなり、また、開発が促進するものと考えております。各地権者は市場配置を念頭に置いたまちづくりを進めることになりますし、また、市場もまちづくりに調和した市場整備を進めることとしているため、お互いの相乗効果によりまして、豊洲地区全体として調和がとれたまちづくりが進んでいくものと考えております。
以上のように、今回の土地利用計画は、今後の良好なまちづくりの推進に寄与するものでありまして、これに基づき積極的に開発を進めてまいりたい、このように考えております。
○藤井委員 最後に、局長にお伺いしたいと思います。今いろいろとお聞きしてきた中で、地元区との協議の問題、あるいは今後の豊洲の地域の開発に伴うさまざまな課題等があると思いますけれども、この豊洲地区は、大変水辺に囲まれた、いわゆる一等地だというふうにいわれておりますし、しかし、大部分がまだまだ利用されていない地域であるわけでして、そういった意味で、今回、この再改定案については、港湾局だけではなくて、都市計画局あるいは建設局、中央卸売市場や知事本部、こういった各局が力を合わせてまとめたというふうに聞いておりますけれども、しかし、こういった計画案ができたとしても、これが実際に開発が行われなければ、絵にかいたもちで終わってしまうという懸念があるわけでございますが、そういった意味で、今後、いろいろな課題を乗り越えて、港湾局として、局長がどのように取り組んでいかれるのか、局長のご決意をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○高橋港湾局長 先生ご指摘のとおり、東京の臨海地域は、東京圏の都市活動を支え、牽引していく、かけがえのない空間であり、港湾局におきましても、これまで、これらの地域において、その地域特性を踏まえながら開発を進めてきたところであります。とりわけ豊洲地区は、大規模な未利用地を有するとともに、都心にも近く、東京再生のための高い潜在力を持っている地区でもございますし、昨年十二月に都として築地市場の豊洲移転を決定したことからも、ご指摘のとおり、早期に開発を進めていかなければいけないと考えてございます。
今後、この地区が、今まで、ある意味では構想、計画から、市場という具体的な施設の核ができたわけでございますので、そうしたことを踏まえて、多様な機能を備えた、魅力と活力のあふれるまちとして大きく発展していくように、この再改定案に基づきまして、地権者、それから関係区、それから関係局とも積極的に調整をしながら、この開発を着実に推進していきたいというふうに考えております。
○小林委員 私は、今回の再改定案の中身ではなくて、手続について聞こうかなと思って準備をいたしました。
藤井さんがもうかなり質問していますので、半分ぐらい減りましたけれども、最初見たときに、こういう改定案というのはよく出ますから、私もそうかなと思ってよく見たら、表紙のところに案というのが入っているわけですね。この主な改定内容を見ると、この開発フレームというのは物すごい大きく変更するわけですよね。もともと市場がなかったところに市場を持っていくわけですから、それを多分前提とした上で、いろいろ地元との協議を進めておられて、こういう結果になったのだろうと思って、江東区、中央区との協議はどうなっているのかと最初聞こうかと思ったのですけれども、うまくいっていないということで案になったのが大体今見えてきたわけです。
そこで、一点目ですけれども、端的にそのことを聞きますけれども、何でちゃんとした、これだけ大きな開発フレームの変更なんですから、もうちょっと何か、案じゃなくて、ちゃんとしたものでこう、何というのですかね、案というのは、基本的に姿形がいろんな過程で変わるということが前提なんですよね。そういう意味で、何で案をつけたのか。数値でもいいし、いえないところもあるのかもしれない。どうぞ答えてください。
○萩原参事 なぜ案として取りまとめたのかというご質問でございますが、本改定案につきましては、江東区との協議を終えたところではございますが、これはあくまで市場の移転を前提としたものでございまして、築地市場の具体的提案につきましては、地元区といまだ協議をしている段階でございます。
しかしながら、現在、豊洲地区に進めております土地区画整理事業を円滑に進めるためには、市場の移転を前提といたしました土地利用計画等の早期策定が必要でございました。また、市場移転協議を進める上で、新市場の基本計画等を策定する必要もあり、また、位置等につきましても明確に定めておく必要がございました。さらに、地権者等が個別の開発計画を検討を進めるに当たりましても必要となるわけでございまして、こういった要請から、案として取りまとめたものでございます。
○小林委員 そうすると、個別の事業を進めるとか、全体のフレームを進めるとかというのはよくわかります。開発というのは、大体そういう手法でやるんですよね。今回の場合は、市場という非常に象徴的なものがあったからこういう形になったのかもしれないけれども、そうすると、もともと開発というのは大体そういう目標があって、全部決まってからやる部分と、ある程度進めなきゃいけない部分もあるじゃないですか。こういうのというのは過去に例があったんですか。あるいは、こういう手法というのは、今後とり得るということですか。
○萩原参事 今回、案としてまとめましたのは、先ほど説明しましたとおり、市場移転の地元区協議が引き続き行われている点を踏まえたものでございまして、豊洲地区の今後のまちづくりを円滑に進めていくために必要だというふうに判断したものでございます。
今回の案につきましては、市場移転の地元協議が引き続き行われている中でということでございますので、土地利用計画を定めて、地権者等に提示することによって着実に事業を進めていく、こういう必要があったものですから、そういう意味におきましては、まれなケースであるというふうに理解しております。
○小林委員 私が心配しているのは、正式なもので出して、ここで我々だって、聞いたことで責任を負うわけですから、そういう意味で、何かこう、お互い中途半端な感じがするものですから。開発手法って大体そういうものじゃないですか。一定の方針があってやっていくわけですから。だから私は、これが日常的に行われるということなると非常に問題があると。今回の場合、市場という極めて例外的なものというふうに受けとめておりますので、中身は別にとやかくいうつもりはありませんが、手続として、これはもうまさに例外中の例外というふうにとらえていきたいと思いますが、いかがですか。
○萩原参事 繰り返しの答弁になって恐縮ではございますが、まさに今回の開発を円滑に進める、このような観点からの措置でございまして、非常にまれなケースである、このように申し上げさせていただきます。
○小林委員 市場は相当議会の中でも議論がし尽くされた問題ですから、それはもうそれとして、本当にこういう変にずるずるとやられちゃうと、まずいと思うんですよね。出す側には出す側にいろんな調整事項もあるだろうし、そこはきちっと押さえて、今聞いた範囲では、中央区も江東区も、あそこはあそこでいろいろな事情があって反対をしているのもよくわかりますよ、中身については。ただ、そこはきちっとやっぱり案をとって、きちっと提案してもらわないと、今後、こんな形でやられたら、何か、どこが責任負うのかが不明確じゃないですか。そういう意味で問題を提起して、質問を終わります。
○河野委員 豊洲・晴海開発整備計画の再改定案につきまして、このいただいた冊子に基づいて幾つかお聞きいたします。
再改定案について、九月二十七日の委員会で、豊洲に築地の中央卸売市場を移転する案を市場とか関係組合等つくる必要があって、整備計画の再改定を行うことになったというご説明がありました。今、お二人の委員の質問もありましたけれども、市場の豊洲移転については、地元の江東区、中央区の二つの区を初め、関係者の合意が尊重されなくてはならない問題だというふうに思います。これまでの経過は複雑で、現段階でも関係者の協議や合意が十分であるとはいえない状況だと思いますが、私も初めに、地元自治体との協議がどのように進められてきたのか、この問題についてお尋ねをしておきたいと思います。
まず、再改定案と直接、豊洲地区ということで関係している江東区及び江東区議会への説明と協議がどうだったのか、もう少し具体的にお答えをいただければと思います。
○萩原参事 江東区との協議についてのお尋ねでございますが、江東区とは昨年から協議、調整を行ってまいりました。具体的には、区とは、江東区内に設置されました築地市場豊洲移転整備に係る検討会の場で協議を行いましたほか、個別に関係課長会等の場で協議を重ねてまいったところでございます。また、区議会とは、江東区清掃港湾・臨海部対策特別委員会の場でご説明を行い、理解を得たところでございます。
○河野委員 今、ご答弁で、理解を得たというお言葉はあったのですが、それはどうなのかなというふうに思います。都としては、江東区の行政当局と区議会に説明をし、合意が進められているという認識かもしれないんですが、実際は、江東区議会では、再改定案について、おおよそのことは東京都の港湾局から聞いたけれども、肝心の市場移転の問題については引き続き協議事項として区議会と東京都が話し合っていく、問題はこれからだと、そういう受けとめになっている。それが、私たちが聞いている現状です。きょうの東京新聞でも、先ほどお話がありましたけれども、これから江東区に対して基本計画を示しながら理解を求めていくと報道されておりますが、江東区との合意について、そして今、区議会のお話がありましたけれども、これは合意形成途上にあるというのが実際ではないかと思いますし、私たちはそういう認識に立っているということを申し上げておきたいと思います。
それでは、もう一つの、中央区については、どのような状況でご説明、協議を進められてきているでしょうか。
○萩原参事 中央区との協議についてでございますが、今回の再改定におきましては、豊洲・晴海開発の基本的考え方にまず変更がないこと、築地市場の豊洲移転に伴う豊洲整備計画の変更に主たる内容であること、また、晴海整備計画は時点修正にとどめたことから、中央区とは協議はいたしておりませんが、説明はいたしたところでございます。
○河野委員 私が考える範囲では、中央区は、今回の豊洲の市場移転問題では一番影響のある区だと思います。もともと豊洲と晴海地区の区画整理は、臨海部開発とあわせて、一体となって進めていくということも東京都のこれまでの方針の中で明らかにされていると思うのですけれども、こういう重大な影響を受けて、まちづくりでも深くかかわっている中央区と東京都が説明を行ったという段階でこの再改定案が発表されていくというのは、いかがなものかなというふうに思います。こういう東京都のやり方では、今後の市場のあり方を定めていく上で、私は重大な禍根を残すことになるといわなくてはならないのではないかと思っています。中央区長さんのさっきの東京都への抗議の意思を表明した文書のお話もありましたけれども、私は、こうした事態を招いた責任を東京都は深く負っているということを認識していただきたいと思います。そして、豊洲への市場移転、これが先にありきといわんばかりに東京都が関係者の、特に地元自治体への十分な協議などを行わない中で推進していくということは、やはり都民や関係者の間に矛盾を拡大していくものであるということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。
次に質問をさせていただきます。東京のまちづくりと再改定案の位置づけについての質問です。
再改定案は、市場の豊洲移転を準備していくために出したという説明ですけれども、平成九年の整備計画改定という、その冊子に書いてあることに比べまして、豊洲・晴海地区の区画整理事業による開発計画の位置づけそのものが変わってきているのではないかという疑問が起こっています。再改定案の二ページから四ページに開発の目標が載せられています。これを見ますと、環状メガロポリス構造であるとかセンター・コアなどということが冒頭に並んでおりまして、石原知事のもとで打ち出された東京構想二〇〇〇による大規模な開発を推進していくために、豊洲・晴海地区の開発が改めて位置づけられたのではないかと感じているところです。ことし六月には、国の都市再生特別措置法による開発を進める地区ということで、東京都がこの地域も緊急整備地区に申請をいたしました。平成九年のときの計画では、豊洲、そして晴海の開発は、生活都市東京としての位置づけをしていたと思うのですけれども、再改定によって、今後この位置づけがどのようになっていくのかをお伺いしておきます。
○萩原参事 豊洲・晴海両地区にかかわる開発方針につきましては、一つといたしまして、職住近接の都市型居住のまちの形成、二つ目としまして、業務・商業、居住、文化などが調和した複合市街地の形成、三つ目といたしまして、東京の海の玄関にふさわしい文化と交流のまちの形成という三つの開発目標に基づきまして、土地利用転換に合わせた、個性的で新しい複合市街地や都市型住宅の形成を図ることといたしております。今回の再改定につきましては、先ほど来申し上げましたとおり、昨年十二月に都として築地市場を豊洲に移転するとしたことに伴いまして、豊洲地区の内容を中心に見直したものでございまして、開発の基本方針につきましては、基本的には変更いたしていないというふうに考えております。
○河野委員 そういうご答弁なんですけれども、今、二ページから四ページのお話をいたしましたけれども、この冒頭に書いてあることと、平成九年に出した生活都市東京という文言とが大きく変わってきているというのが、私は、今回の計画というか、再改定案がこれまでと違った位置づけを持っているというふうに判断する一つの材料ではないかと思っています。今までは生活都市東京ということになっていますが、この二ページには、世界をリードする魅力とにぎわいのある国際都市へと叙述が変化してきているわけです。私は、これは都の方針に一定の変更が加えられているということをやはり申し上げないわけにはいかないというふうに判断をしています。
次の質問に移らせていただきます。
再改定案では、豊洲地区の居住人口は三万一千人から一万三千人に変更になっています。また、土地の利用フレームを見ますと、市場移転を前提としていることもありまして、住宅系が三十二ヘクタールから八ヘクタールに減ります。教育、文化施設も合計十三ヘクタールから五ヘクタールに減ります。こういうことになりますし、公園の面積も二ヘクタール減ります。これはやはり、居住環境を守るということよりも、業務経済活動優先のまちづくりになっていくのではないかと感じています。豊洲地区の開発は、もともと、建築物の高度化を目指した、同じ区画整理でも、大街区方式という方式をとりますし、再開発、地区計画というまちづくりの手法も用いるとされています。その上に、東京構想二〇〇〇や都市再生という方針によって、さらに大きな開発が推進されることになりますが、再改定案の五ページの第一に掲げられております、快適で潤いのある住環境の形成、この点について、豊洲を今後どのようなまちにしていこうとしているのか、ここで都としての考え方をご説明していただきたいと思います。
○萩原参事 今後のまちづくりに関するご質問でございますが、おっしゃいますとおり、豊洲地区におきましては、居住人口を一万三千人に変更いたしております。これにつきましては、今回の再改定案では、市場配置、まずこれを踏まえまして、業務・商業、居住、市場、各機能がバランスよく配置された複合市街地を目指すということに重点を置いたまちづくりを進める結果でございまして、必ずしも住居地域をいじめるとか、そういった趣旨ではございませんで、全体としてバランスをとるまちづくりを進める、このようにいたしたものでございます。
○河野委員 全体のフレームから見ますと、やはりこれまで東京都が豊洲、晴海のまちづくり方針で出していた、居住環境を守っていくという方針、生活都市という文言に象徴されるそういうまちづくりから、市場の移転のこともあって、業務や商業、経済活動中心のまちへと変えていくというのは明らかではないかというふうに思っています。
次に、東京都内では大規模開発がどんどんと進んで、都心部の高層ビルの乱立によって環境破壊が深刻になっています。東京都環境基本計画を見ますと、ヒートアイランド現象は、環境への配慮が不十分だったこれまでの都市づくりの結果生まれているものであり、東京ではヒートアイランド現象の原因として挙げられているどの要素も改善に向かってはいない。この政策の転換が図られない限り、今後も悪化していくおそれが強いということが書かれています。豊洲地区では、今後、高速晴海線、晴海通り、環状二号などが次々と開通する予定になっており、その上、市場移転も行われれば、車両通行量がふえて、騒音や大気汚染など、環境が悪化するのではないかと心配されています。
ちなみに、ことし六月に大気汚染測定運動東京連絡会が実施した調査では、臨海部のほぼ全域で窒素酸化物が環境基準を超える高濃度になっていることが報道されています。お台場や有明地区などでは〇・〇八ppmを超えているという測定値が出ていて、現状でも臨海部の環境の汚染は大変深刻です。このような状況で、東京都が豊洲、晴海を都市再生の緊急整備地区に指定して、他の地区とあわせて、同時多発的にこれ以上の大規模開発を推進したら、ヒートアイランド現象はもっと深刻になってしまうのではないでしょうか。
豊洲地区の自然と生活環境を守っていく、居住環境をいじめるわけではないと今ご答弁がありましたが、東京都は環境保全に対してどのような対策を講じていかれるおつもりか、お聞かせください。
○萩原参事 環境面での配慮についてのお尋ねでございますが、当地区におきましては、豊かな水域に囲まれる地域特性、こういったものを生かしまして、水辺には親水性にすぐれた防潮護岸を整備するほか、地区内には積極的に公園緑地などを整備することなどによりまして、水と緑のネットワークを形成することといたしております。
公園緑地面積につきましては、これまでの計画とほぼ変わらない二十三ヘクタールを確保いたしたところでございますし、一人当たりの公園面積も約三平米から約四平米へとふえてございます。また、市場整備におきましても、専用入出路の設置や、駐車場の整備を図るなど、周辺交通に配慮することといたしてございます。
以上のことから、今回の再改定案につきましても環境面での配慮は十分行っている、このように考えております。
○河野委員 いろいろ申し上げたいことはありますけれども、公園面積が一人当たり若干ふえますということですが、居住している人口で割り出すとそうなるかもしれませんが、働き、そこに集中してくる人たちのことを考えると、そのご答弁も本当にどうなのかなと思いますし、ぜひ、お答えにありましたように、環境保全のために努力を続けられていく、そのことはお約束をしていただきたいと思います。
最後に私は、この再改定案について意見を述べさせていただきます。
豊洲・晴海地区の開発は、当初から臨海副都心開発と一体に進めていくとされてきました。肝心の臨海部開発は、まちづくり計画は破綻したといわれるほど財政上も厳しい状況です。今回は詳しく触れませんけれども、このまま大規模開発を推進していけば、東京都の財政は一層危機的状況になってしまうことを指摘しておきます。
加えて、もう一点申し上げます。平成九年の改定案には、都民への住宅供給について、多様な都市型住宅を供給するとして、都と区、東京都住宅供給公社、都市整備公団などの公共部門と民間とで適切な役割分担を図るという、いわゆる公的支援が明記されていたわけです。今回、この再改定案を見ますと、こうしたことが全く消えてしまっているというのも重大な問題の一つだと思います。都民が望んでいるのは、暮らしと環境を守ることを優先するまちづくりであって、安心して住み続けられる東京になるように、住宅供給についても東京都が責任を持つべきであることを要望しておきます。
今回報告されました再改定案は、豊洲地区の土地利用方針の変更ということにとどまらず、東京都のまちづくり全体に関係するものであるといえます。再改定案は、石原知事のもとでの東京構想二〇〇〇や、都市再生の方針によって、大規模開発を推進し、都財政をより圧迫するまちづくりの一翼を担うものであると判断いたします。また、地元区や関係者の協議、合意形成など、欠かすことができない問題について、東京都の努力が極めて不十分なまま出されてきたものでもあります。豊洲への市場移転先にありきということで、このような計画を進めていくのではなく、再改定案については、地元区や関係者の合意の上に、改めて示すべきであるということを強く申し上げまして、私は質問を終わります。
○山崎委員 藤井委員や小林委員から地元区のことについてご配慮いただいて、心からお礼を申し上げます。
市場の豊洲移転について、この委員会で、昨年だと思いますが、私が質問をいたしました。中央卸売市場の答弁は、移転については地元区の了承が絶対条件ですという答弁をされております。したがって、今、再改定案を出されたとしても、最終的には両区の、中央区、江東区の理解をしっかりと得ない限りは移転ができないと。これはあくまでも案ですよということですから。ですから、いずれいろいろ計画を進めようとしておられると思うのですが、着工ができるかどうかというのは、地元区の了承があって初めて着工にこぎつけるわけであります。今の段階は、いろいろな開発者の計画もあるだろうから、こうした案をつくって、進めるべきところは進んでいくのでしょうけれども、しかしながら、市場が着工、工事に入るということは、地元区の了承が絶対条件であるということのように私は考えておりまして、それが中央卸売市場の答弁でありましたから、港湾局もその点はしっかりと認識をしていただきたいというふうに思います。
それから、新海面処分場をつくるときに、千葉県の漁業関係者に対して、港湾局は当時相当の努力をして、毎日のように通って、理解を得ることができたわけであります。そのようなやはり努力を、かつてできる、また、した港湾局でありますので、両区に対しては、委員会があるからそこへ行くとか、そういうことではなくて、区長なり区議会なり地元なり、できる限り足を運んで、理解を得られるような努力を続けていただくこと、これも絶対私は必要だと思いますので、ぜひその点を努力することを要望いたしまして、発言を終わらせてもらいます。
○松原委員長 ほかに発言がなければ、本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松原委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
○松原委員長 これより付託議案の審査を行います。
第二百九号議案を議題といたします。
本案に対する質疑は既に終了しております。
討論の申し出はありませんので、これより採決を行います。
第二百九号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松原委員長 異議なしと認めます。よって、第二百九号議案は原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○松原委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松原委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
なお、閉会中に会議規則第六十条に基づく委員の派遣の必要が生じた場合は、その取り扱いを委員長にご一任いただきたいと思います。ご了承願います。
○松原委員長 この際、港湾局長から発言の申し出がありますので、これを許します。
○高橋港湾局長 所管四局を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
委員長を初め委員の皆様方には、昨年九月以来、私ども四局の事務事業につきまして大変ご熱心なご審議を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
ご審議、ご調査の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望等につきましては、今後の事務事業の執行に当たりまして十分反映させてまいる所存でございます。
今後とも引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げまして、お礼のあいさつとさせていただきます。
まことにありがとうございました。
○松原委員長 発言は終わりました。
本日が委員長としての最後かと思いますので、私からも一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。
光陰矢のごとしといわれますけれども、本当に一年がたつのは早いなというふうに思っております。私もたしか冒頭で、この委員会は東京の最先端を行って、この委員会が元気が出れば東京が元気になるだろう、そんな発言をした記憶がございます。まさにそのとおりの一年間であったかなというふうに私は思っておりますが、特に所管別にいいますというと、産労さんの方は、観光部が新しくできました。それと、BSEの問題が出まして、中央市場さんと一緒に取り組んで、利子補給なんかもやってくれました。そのほか、商工業中心の問題もいろいろとやりまして、大変実りの深い審議をしたというふうに思っています。
また、港湾局の方は、私もちょっと調べてもらったらば、港湾局関係の方で今大きく動いているのが、千葉から横浜まで含めますというと、約三十近くの大きな、いろいろな整備計画やビッグプロジェクトがあります。そういった意味で、新しい日本のところはこの臨海部からいくのかなというふうに思っておるぐらい、大変大きな問題を港湾局としては抱えておりますし、ご承知のとおり、三宅島の問題も大きな課題としてあるところでございます。
また、中央卸売市場さんにおきましては、BSE問題で私も夜中に電話をいただきまして、大変な思いで解決をしてもらったというふうに思っています。また、卸売市場の移転の問題、これは大変大きな問題でございますが、今後の審査にお任せしたいと思います。
地労委さんについては、これは、こういうあれが余りない方が私はいい地労委さんだと思いますので、そういうふうな、余り地労委さんが動かない方が、私はかえって東京都政にはいいのかなというふうに思っております。
そういった中で、大変委員の方々も活発に論議をしていただきました。私みたいな委員長でございましたんですが、三宅、中村両副委員長さん、そして理事の山崎理事、森田理事、丸茂理事ということで理事会なんかもやらせていただいて、大変助けてもらいました。また、各委員の先生方にもそれぞれ大変助けてもらいまして、大変実りのある活発な審議ができたというふうに思っております。
理事者の方々も、私はやはり、今この置かれた東京都政の中で皆さん方が非常に自覚をなされて、前向きに大変答弁を一緒にしていただきました。これからの審議の過程におきまして、いろいろとまた出てくると思いますが、より一層東京都政発展のために議会側と行政側が一体となって頑張っていただくことを申し上げ、そして、最後に、本当にお世話になりましたことを重ねて厚く御礼申し上げて、ごあいさつにかえさせていただきます。本当にありがとうございました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時五十四分散会
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