経済・港湾委員会速記録第十二号

平成十三年九月十四日(金曜日)
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長松原 忠義君
副委員長三宅 茂樹君
副委員長中村 明彦君
理事丸茂 勇夫君
理事森田 安孝君
理事山崎 孝明君
中屋 文孝君
河野百合恵君
藤井  一君
富田 俊正君
橋本辰二郎君
田島 和明君
小林 正則君
川島 忠一君

 欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長浪越 勝海君
総務部長飯山 幸雄君
同和対策担当部長坂爪 正二君
参事百合 一郎君
産業政策部長樋口  勉君
参事帆刈 祥弘君
参事鈴木 房男君
商工部長大原 正行君
参事中村 晶晴君
参事橋本 直紀君
農林水産部長矢口 貴行君
参事和田 敏明君
労働部長渡邉 泰弘君
雇用就業推進担当部長友繁 佳明君
労働調整担当部長高橋  勝君
地方労働委員会事務局局長大久保 隆君
次長松田 曉史君

本日の会議に付した事件
 地方労働委員会事務局関係
  事務事業について(説明)
 産業労働局関係
  事務事業について(説明)
  報告事項(説明)
  ・観光産業振興プラン(素案)について

○松原委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、地方労働委員会事務局及び産業労働局関係の事務事業について説明を聴取した後、産業労働局関係の報告事項について説明を聴取いたします。
 事務事業、報告事項とも、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日に行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより地方労働委員会事務局関係に入ります。
 初めに、事務局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○大久保地方労働委員会事務局長 地方労働委員会事務局長の大久保隆でございます。
 このたび松原委員長を初め委員の皆様方には、当局所管事業につきましてご指導を賜ることになりました。私ども地方労働委員会事務局職員一同、労使関係の安定と正常化のために、精いっぱい努力してまいる所存でございます。ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、お手元の事務局理事者名簿によりまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 まず、事務局次長の松田曉史でございます。次に、本委員会との連絡に当たります参事で総務課長事務取扱の高橋誠でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○松原委員長 あいさつ並びに幹部職員の紹介は終わりました。

○松原委員長 これより事務事業について理事者の説明を求めます。

○大久保地方労働委員会事務局長 地方労働委員会の事務事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 地方労働委員会は、労働組合法及び地方自治法に基づいて設置されました合議制の行政委員会でございます。当委員会は、公益委員、労働者委員、使用者委員の三者で構成されております。委員の数はそれぞれ十三名、合わせて三十九名でございます。委員会の設置目的は、労働組合法、労働関係調整法などに基づき、公平な立場から労使間の紛争処理に当たることによりまして、労働基本権の保護並びに労使関係の安定と正常化を図ることにあります。
 委員会の機能は、判定的機能と調整的機能に大別できます。
 まず、判定的機能は、労働者側の申し立てに基づきまして、不当労働行為の審査、すなわち、使用者の行った行為が労働組合法第七条によって禁止された行為に該当するか否かを判定し、救済命令を発するなど、適切な措置を講ずることが主なものでございます。このほか、申請に基づいて行う労働組合の資格審査などがあります。
 次に、調整的機能は、労使紛争が自主的に解決されない場合に、当事者の申請または職権によりまして、あっせん、調停または仲裁を行うことが主なものでございます。このほか、主として争議予告通知を受けた公益事業を対象とする労働争議の実情調査などがあります。
 以上が事業の概要でございますが、近年、社会経済情勢や労働市場の変化の中で、労使関係や労使紛争の状況も大きく変化しております。こうしたことから、当委員会の取り扱う事件も複雑多様化し、特に昇格や賃金の差別に関する事件など、解決に当たって長期間を要する困難な事案が多くなってきております。
 また、地域を基盤に、産業や企業の枠を超えて中小企業やパートタイムの労働者などを主な構成員とする、いわゆる合同労組が当事者となる事件が増加しております。
 このような状況のもと、労使関係の安定と正常化を図ることを基本的な責務とする地方労働委員会といたしましては、会長を初め各委員及び事務局職員一同、事件の適切かつ迅速な解決を図るべく全力を傾注しているところでございます。今後とも、委員の皆様方のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては、事務局次長からご説明申し上げます。

○松田次長 それでは、お手元にお配りしてございます資料2の事業概要によりましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。まず、委員会の概要でございますが、設置の根拠及び主な機能につきましては、先ほど局長が申し上げたとおりでございます。
 次に、委員会の構成及び委員の選任でございます。構成につきましては、使用者委員、労働者委員、公益委員各十三名、計三十九名でございます。委員の選任につきましては、使用者委員は都内の使用者団体の推薦に基づき、労働者委員は都内の労働組合の推薦に基づき、そして公益委員は労働者委員及び使用者委員の同意を得て、それぞれ知事が任命しております。任期は二年で、非常勤でございます。委員名簿は、一六、一七ページ記載のとおりでございます。
 なお、現在の委員の任期は、本年十一月末までとなっております。
 二ページをごらん願います。委員会の活動でございます。委員会に会長及び会長代理を置くことになっておりまして、いずれも公益委員の中から委員の選挙によって選出されます。
 次に、委員会の会議でございます。主な会議といたしましては、委員全員で行う総会と、公益委員のみで行う公益委員会議があり、それぞれ毎月二回、定例的に開催しております。総会におきましては、会長、会長代理の選挙、あっせん員候補者の委嘱・解任、調停・仲裁の開始など、委員会運営上の基本的事項の審議を行っております。また、公益委員会議においては、不当労働行為の審査、決定及び命令、労働組合の資格審査などについての審議を行っております。
 次に、委員の活動状況等でございます。委員は、総会等の会議に出席するほか、あっせん、調査、審問など、事件処理のため積極的に活動を行っております。一月平均の出席回数は、公益委員の例で申しますと約十一・三回となっております。委員の報酬につきましては、条例によって定められております。
 三ページをごらん願います。事務局の組織でございます。一課一室となっており、課及び室の分掌事務は、三ページ下段から四ページに記載のとおりでございます。
 五ページをごらん願います。事務局職員の人事でございます。事務局長以下の職員は、会長の同意を得て知事が任命することとなっております。職員の配置状況は表のとおりでございまして、現員は四十五名となっております。
 次に、六ページをお開き願います。当委員会の予算でございます。平成十三年度当初予算は、委員の報酬及び職員の給与関係費として六億七千二百万余円、事業費として九千六百万余円、計七億六千九百万円を計上しております。平成十二年度と比べまして、五百万円の減となっております。
 七ページをごらん願います。主要事業の概要でございます。表1は、最近五年間の事件別取扱件数を年度別に示したものでございます。平成十二年度について申し上げますと、取扱総件数は千六百六十八件でございまして、前年度と比べて七十九件の減となっております。
 次に、事件の種別により概要をご説明いたします。まず、不当労働行為の審査でございます。
 八ページをお開き願います。表2の1をごらんください。平成十二年度における取扱件数は、五百二件となっております。中ほどの新受け付け件数でございますが、ここ二、三年、高い水準で推移しております。これは、主としていわゆる合同労組から申し立てられる事件の伸びによるものでございます。
 なお、八ページ下段から九ページの表及びグラフには、取扱件数の申し立て事由別、事業所規模別、産業別の内訳を示しております。
 次に、一〇ページをお開き願います。労働組合の資格審査でございます。平成十二年度における取扱件数は、表3の1にありますように六百九十六件であり、そのうち不当労働行為の申し立てに伴うものが、表3の2にありますとおり六百五十七件と、約九四%を占めております。
 一一ページをごらん願います。あっせんや調停など、労働争議の調整についてでございます。平成十二年度における取扱件数は、百八十二件となっております。
 一二ページをお開き願います。表4の2をごらん願います。取扱件数は、近年の増加傾向から、十二年度は減少に転じております。なお、調整事項別、事業所規模別、産業別の内訳は、一二ページの表並びにグラフに記載のとおりでございます。
 一三ページは、労働争議の実情調査でございますが、平成十二年度における取扱件数は二百八十八件でございます。
 次に、一四ページをお開き願います。労働相談でございます。平成十二年度におけるあっせんの申請や不当労働行為の申し立て方法、手続などに関する相談件数は七百四十三件でございます。
 終わりに、再審査申し立て等でございます。当委員会が取り扱った命令事件のうち、本年三月三十一日現在、中央労働委員会に再審査申し立て事件として係属しているものが三十四件ございます。また、行政訴訟事件として裁判所に係属しているものが六件となっております。
 なお、ご参考までに、一八ページから二一ページには、不当労働行為の類型や審査手続、調整の方法とあっせん手続について簡単に説明してございます。
 また、お手元には、資料3といたしまして「労働委員会のてびき」をお配りしております。後ほどごらんいただければ幸いに存じます。
 以上で事務事業についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

○松原委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○河野委員 不当労働行為事件申し立て一覧を、三年分お願いします。
 以上です。

○松原委員長 そのほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○松原委員長 ただいま河野委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○松原委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
 以上で地方労働委員会事務局関係を終わります。

○松原委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、産業労働局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○浪越産業労働局長 産業労働局長の浪越勝海でございます。
 松原委員長を初め各委員の先生方のご指導をいただきまして、微力ではございますが、産業労働行政の推進のために全力を尽くしてまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 引き続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の飯山幸雄でございます。産業政策部長の樋口勉でございます。商工部長の大原正行でございます。農林水産部長の矢口貴行でございます。労働部長の渡邉泰弘でございます。同和対策担当部長の坂爪正二でございます。雇用就業推進担当部長の友繁佳明でございます。労働調整担当部長の高橋勝でございます。監理団体調整を担当いたします参事の百合一郎でございます。産業政策を担当いたします参事の帆刈祥弘でございます。産業調査を担当いたします参事の鈴木房男でございます。商工施策を担当いたします参事の中村晶晴でございます。金融・観光を担当いたします参事の橋本直紀でございます。農林漁業技術改善を担当いたします参事の和田敏明でございます。さらに、本委員会との連絡に当たらせていただきます参事で総務課長事務取扱の宮下茂でございます。企画調整課長の大野精次でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕

○松原委員長 あいさつ並びに幹部職員の紹介は終わりました。

○松原委員長 これより事務事業について理事者の説明を求めます。

○浪越産業労働局長 産業労働局が所管をしております事務事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 当局が担当しております事務事業は、産業の活力の維持、発展と勤労者の生活の安定を図ることを主たる目的とし、都政にとって極めて重要な分野である中小企業対策、農林水産対策、労働対策の三つの分野から成っており、種々の対策を講じております。
 特に、関連する産業が広く、経済の発展に大きな役割を果たす観光産業対策を、当局において新しく所管することとしました。東京の産業を活性化し、同時に都市としての魅力を高めるため、今後、都として観光産業の一層の振興に努めてまいります。
 また、噴火地震災害による伊豆諸島の観光被害からの復興を図るため、イメージアップキャンペーンを行うとともに、避難されている島民の方々への支援として、八王子に、げんき農場を開設するなど、雇用や交流の機会の拡大を図っております。
 さて、経済情勢を見ますと、世界経済、中でもアメリカ経済の減速は、輸出の減少など我が国経済に大きな影響を与えており、景気は悪化をしております。また、雇用情勢も、七月の完全失業率が五%と、現在の調査を始めた昭和二十八年以来最高の水準に達するなど厳しい状況にあります。
 今後、政府の構造改革の推進に伴う離職者の増加など、雇用の先行きはさらに厳しさが予想されます。都内の経済情勢も、中小企業の業況指数は三カ月連続で低下するなど、さらに悪化しつつあります。このため、当局では「緊急雇用・経済 東京プロジェクト」をまとめ、今月から各種対策に取り組むことといたしました。
 主な事項といたしましては、第一に、雇用対策として、中高年齢離職者等を対象とした職業訓練枠の追加など、約四千人の方々の就職を支援してまいります。さらに、多摩地域の森林において、倒木の片づけなど林業整備事業の拡充を行い、延べ二千人の雇用を図ってまいります。
 第二に、中小企業への支援として、制度融資の金利を一律に〇・三%引き下げることや貸付要件の緩和などを行い、約三千億円の融資増加を図ります。また、管理職による大企業への発注拡大要請活動など、中小企業への取引拡大に向けた取り組みを実施します。
 第三に、勤労者や中小企業者の幅広い相談に応じるため、緊急総合相談窓口を庁内に設置するとともに、労政事務所による労働相談を夜間、土曜日も行ってまいります。雇用の確保と中小企業の経営の安定を図るため、こうした各種対策に総力を挙げて取り組んでおります。
 次に、情報、環境、高齢化、食品の四分野の企業がすぐれた製品や技術をアピールし、交流するとともに、新たな雇用につなげる場として、神奈川県、埼玉県、横浜市、川崎市や業界団体と連携して、来る十月十日、十一日の二日間、産業交流展二〇〇一を開催することとしております。
 以上で私からの説明を終わらせていただきますが、事業の詳細につきましては、総務部長に説明いたさせます。
 産業労働行政に寄せる都民の期待にこたえるべく、職員一同、全力を傾注してまいる所存でございますので、委員の皆様におかれましても、より一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

○飯山総務部長 ただいま局長からご説明申し上げました事務事業の概要につきまして、補足のご説明をさせていただきます。
 お手元に資料ナンバー1の事業概要という冊子と、それを要約いたしました資料2、事業概要説明をお配りしております。時間の制約もございますので、資料2、事業概要説明に基づきご説明させていただきます。
 それでは、資料2の一ページと二ページをお開き願います。産業労働局の組織を見開きでお示ししてございます。
 組織図にありますように、産業労働局は、総務部、産業政策部、商工部、農林水産部、労働部の五つの部から成っており、その下に二十三課がございます。さらに、産業技術研究所、農業試験場、中央労政事務所など四十一の事業所がございます。
 次の三ページは、当局の職員数を記載してございます。
 表の総計欄にありますように、職員定数は千九百七十五名となっております。内訳は、事務系九百十三名、技術系九百五十名、技能労務系百十二名となっております。
 次に、当局の予算を五ページ、六ページに掲げてございます。
 産業労働局の予算は、一般会計と四つの特別会計から成り、それらの全会計を合わせた平成十三年度の歳出予算額は、(1)、各会計別予算総括表の最下段の差引純計にありますように、約三千五百五億円でございます。
 次に八ページでございますが、2、産業労働政策の企画立案でございます。
 当局は、局の政策形成機能と総合調整機能の強化を図るために、本年四月に新たに産業政策部を設置いたしました。産業政策部では、緊急的な施策や中長期的な施策の立案を進めるとともに、総合的、戦略的に施策を展開していくため、産業労働分野の柱となる施策を確立し、新たな事業展開と事業の再構築を進めてまいります。
 続きまして、産業労働局の各事業についてご説明申し上げます。産業労働局の事業は多岐にわたっておりますが、大きく分けて中小企業対策、農林水産対策、労働対策の三つの分野から成っております。
 まず、中小企業対策についてご説明いたします。
 九ページと一〇ページをお開き願います。中小企業対策の体系図でございます。
 中小企業対策は、1、情報の収集・提供から、10、資金調達の支援までの十の分野に体系立てて事業を展開しております。以下、これらのうち主なものについてご説明申し上げます。
 一一ページをごらんください。1の情報の収集・提供と、2の相談指導でございますが、地域中小企業振興センターや試験研究機関等において、都内の中小企業や団体等に情報提供を行うほか、経営や技術に関する相談指導、製品の検査等を行っております。
 また、1の(3)にありますように、中小企業データベース、TOKYOキラリ企業ネットにより、技術、財務情報の提供を行い、中小企業の取引の活性化を目指してまいります。
 3の製品技術の開発支援についてでございますが、試験研究機関による技術開発支援や技術者の養成を行うほか、新製品や新技術の開発に対して各種の助成を行っております。
 また、一二ページの(5)にございますとおり、ベンチャー企業の技術開発意欲を高め、東京の産業の活性化を図ることを目的として、すぐれた企業を表彰する東京都ベンチャー技術大賞を実施しております。
 さらに、次の一三ページの〔5〕にございますように、中小企業の技術力の向上や新規事業の育成を支援するため、未利用特許の活用事業にも取り組んでおります。
 次に一四ページ、4のネットワークづくりの支援でございますが、中小企業の製品技術開発や市場開拓を促進するため、中小企業のネットワークづくりを積極的に支援しております。
 具体的には、(2)にありますように、地域の中小企業の交流拠点として地域中小企業振興センターの交流室を開放し、経営者・技術者交流会を開催することや、(3)にありますように、中小企業の技術開発力の向上を図るため、産・学・公の連携の強化を図ってまいります。
 次に、5の創業の支援でございますが、東京の産業の活性化のためには、新たな都市型産業の創出と企業の促進が重要な課題となっております。(1)にございますように、TOKYO起業塾を開催して、起業を目指す方々に創業に関する相談を行ったり、セミナーの開催や交流の機会を提供するなどして、総合的な起業家支援を行ってまいります。
 また、(2)の創業支援施設の提供といたしましては、臨海副都心のタイム二十四ビルや東京ファッションタウンビルにおいて、新規産業の創出を図るためスモールオフィス等を提供しているほか、都が保有する空き庁舎を利用し、インキュベーターオフィスとして創業、ベンチャー企業に対し提供しております。
 また、次の一五ページ、〔5〕にございますように、東京都中小企業振興公社にワンストップサービスを行う総合支援窓口を設置して、技術、経営、労働分野等の専門家を配置し、助言、相談等の支援を行ってまいります。
 次に、6の市場開拓の支援でございますが、都内中小企業製品の市場開拓のため、さまざまな支援を行っております。具体的には、(1)にございますように、下請企業の振興を図るため、受発注のあっせんや体質強化を図るほか、一六ページ、(2)の東京国際展示場の運営や、(3)の国際化支援を行っております。国際化支援では、国際ビジネスのためのセミナー開催等を行っております。
 次に、一七ページをお開き願います。7の業種別振興対策でございます。
 都内には、都市型産業から伝統工芸品産業までさまざまな産業が存在しており、それらの産業が活性化していくためには、それぞれの企業、組合がみずから経営革新を行っていく必要がございます。そこで、経営革新のための計画を実行する企業、組合に対して、指導助成を行うことにより、産業の振興を図ってまいります。
 具体的には、(1)にありますように、中小企業が経済環境の変化に対応して行う経営革新等に対して支援を行う中小企業経営革新支援事業や、(2)にありますように、業界団体等がみずから計画、実施する活性化対策事業について、指導及び事業費を補助する中小企業業種別活性化対策などの事業を行っております。
 次に、一九ページをごらんください。8の地域経済の活性化対策でございます。
 都内の各地域には、地域社会の発展とともに形成されてきた特色ある産業が集積しており、東京の経済の活性化を図るためには、それぞれの地域の産業集積の特色を踏まえた振興策を推進する必要がございます。
 まず、工業関連の施策でございますが、(1)にございますように、城南、城東地域など都内の主要な工業集積地域の企業が、共同でその地域に蓄積された技術、情報、人材などを活用して、新製品、新技術の開発等を行う場合に助成する工業集積地域活性化支援事業を実施しております。
 また、(3)にありますように、京浜地区を対象とし、基盤的技術産業集積の活性化に関する計画を策定し、基盤的技術産業集積の維持、活性化を図ってまいります。
 次に、商店街の支援施策でございます。(6)の商店街活性化総合支援事業は、区市町村による地域商店街の活性化のための計画の策定等を促進するため、その経費の一部を助成するもので、今年度新たに実施するものでございます。
 また、二〇ページにありますように、魅力ある商店街づくりに取り組む商店街の事業計画を認定し、経費を助成する(7)、活力ある商店街育成事業や、商店街が地域と一体となって実施するイベントに対して助成する(9)、元気を出せ商店街事業、商店街の空き店舗活用に対して支援する(10)、商店街空き店舗活用推進事業などがございます。
 次に、二一ページをごらんください。9の観光産業の振興でございます。
 東京のさまざまな観光資源を活用し、すそ野が広く、経済波及効果の大きな産業である観光産業を振興することは重要であります。そのため、都では観光産業振興プラン素案を策定し、広く民間事業者や都民の方々から意見を募集しているところであります。また、関連団体、企業、都民と一体となり、積極的にシティーセールスを推進するとともに、東京が外国人を引きつけるまちとなるよう、(2)、都市観光支援事業を実施してまいります。
 さらに、二二ページにありますように、伊豆諸島の噴火地震災害からの復興及び観光の振興を図るため、(4)、伊豆諸島観光復興支援事業や、(5)、多摩・島しょ地域観光施設整備等補助事業を実施してまいります。
 そのほか、アニメ関連産業の振興を図るため、国内外からアニメ関連企業を誘致し、十三年度新たに見本市、イベント等から成る新世紀東京国際アニメフェア21を開催するなど、積極的にシティーセールスを行ってまいります。
 次に、10の資金調達の支援でございます。
 次の二三ページ、(1)の中小企業制度融資でございますが、金融機関との取引が少なく信用力が弱いため、金融機関からの融資が受けにくい中小企業の資金調達の円滑化を図るため、都と東京信用保証協会と金融機関の三者が協力して融資を行っております。平成十三年度の融資目標額は一兆三千百億円で、その内訳は表1のとおりでございます。
 二五ページをお開き願います。(7)の債券市場の創設でございますが、これは、すぐれた発想力や高い技術力を持つ中小企業の資金調達の多様化を図り、東京の産業を活性化させることを目的に、債券市場の創設に取り組んでいるものでございます。
 現在までに二回の債券の発行を行った結果、約一千二十億円の新たな資金が供給されました。今年度につきましては、これまでの発行の結果を踏まえ、新たなスキームの提案を募っているところであります。
 二六ページをごらんください。(8)の中小企業等投資事業有限責任組合でございますが、すぐれた技術力を持った将来性のある企業の育成と、これらの企業の資金調達手段の多様化を推進するため、都とベンチャーキャピタルが共同で設立した中小企業等投資事業有限責任組合により、ベンチャー企業の育成、支援を行ってまいります。
 以上で中小企業対策を終わり、農林水産対策に移らせていただきます。
 二七ページと二八ページをお開き願います。農林水産対策の体系図でございます。
 1、情報の収集提供、調査研究、相談指導等から、7、資金調達の支援までの七つに体系立てて事業を展開しております。これらのうち、主なものについてご説明申し上げます。
 二九ページをごらんください。1の情報の収集提供等でございますが、東京の農林水産業に関する計画の策定、各種の情報提供、試験研究機関による調査研究、農業改良普及員等による相談指導などを実施するとともに、限られた水産資源を管理するため、特に重要な魚種の漁獲量を制限する国連海洋法に基づく資源管理を推進しております。
 2の生産基盤の整備、資源の保全でございますが、農林水産業の生産基盤を整備するため、農道や林道の整備、治山、魚礁の設置等の事業を実施しております。
 (1)の農地の改良は、いずれも主に農地の効用を高めるため、かんがい施設や農道等の整備を行っているものでございます。
 三〇ページの(2)の森林の保全、育成でございますが、造林、間伐を行っているほか、林道の整備や治山事業、保安林の管理、整備を行っています。
 (3)、水産資源の確保では、主につくり育てる漁業を育成するため、栽培漁業、漁場の造成などを行っております。具体的には、大島にある栽培漁業センターにおけるアワビやトコブシなどの種苗の生産、配布、魚礁の設置、増殖場の造成などを行っております。
 続いて、三一ページをお開き願います。
 3の生産、流通施策の推進でございますが、農家等の温室や直売所の施設整備、木製材業者が省力化等を行う際の施設導入、水産業の冷凍冷蔵施設の整備等に対する支援を行っております。
 特に(1)、農畜産物生産、流通施策のうち、〔1〕、活力ある農業経営の育成は、企業的な経営感覚に基づく収益性の高い農業経営を育成するものでございます。また、〔7〕、畜産生産流通対策において、豚の「TOKYO・X」等を高品質で安全な特産物として確立し、消費者への普及啓発、消費拡大を図っております。
 なお、先般、千葉県で海綿状脳症を疑う牛が発生したことに伴いまして、都内の牛を飼育している全農家、施設約二百カ所に、家畜保健衛生所の獣医師等が一昨日、昨日の二日間立ち入り、乳用、肉用合わせて約四千五百頭の臨床検査を行いました。その結果、すべての牛に臨床的な異常は見られませんでした。また、聞き取り調査におきましても、過去に海綿状脳症が疑われるような中枢神経症状を呈した牛が発生したことはなかったとのことでございます。
 続いて、三二ページに参りまして、4の循環型社会づくりに資する施策の推進でございます。
 農林水産業は、自然を糧とし、自然と調和しながら営まれる産業でございます。そのような農林水産業の特性を生かし、東京における循環型社会づくりに貢献していくために行っているものでございます。
 まず、(1)の環境保全型農業の推進として、有機農業や農薬、化学肥料の使用を少なくした環境保全型農業の普及を図るため、モデル生産団地の指定や有機農産物等の認証を行っております。また、都庁の食堂から排出される生ごみの堆肥化や、生ごみなどの未利用資源を堆肥化し、地域内の農家に還元する取り組みに対する支援などを実施しております。
 次に、(2)の食生活の安全確保として、ダイオキシンなどの有害物質のモニタリングや農薬の安全対策、肥料や飼料の安全性の検査や取り締まり等を行っております。
 また、(3)の環境改善、保全対策等として、市街地における緑の回復を図るために必要な苗木の生産、配布を行うほか、都民が自然に親しみ、森林や林業について理解を深められるように、檜原村と奥多摩町に整備した都民の森の管理運営を行っております。
 次に、三三ページをごらんください。5の担い手の確保、育成と経営の安定でございますが、高齢化の進展等により担い手が不足している農林水産業を支援するため、新規就業者に対する助成等を行っております。
 まず、農業に関しましては、(1)にございますとおり、青年農業者を確保、育成するための就農相談や就農資金の貸し付け、後継者のためのセミナーを行うほか、農業に関心を持つ都民を農家へ派遣する援農ボランティアの運営などを実施しております。
 次に、林業に関しましては、(2)にございますとおり、健全で活力ある森林を維持、造成していくために、新規参入者等に対する支援を行うほか、森林ボランティア団体の活動助成等を行っております。
 また、水産業に関しましては、(3)にございますとおり、漁業後継者の確保、育成を図っております。
 続いて、三四ページでございますが、6の農林災害対策は、今回の伊豆諸島の災害による被害など、自然災害によって生じた農林水産施設等の被害を復旧させるために行う災害復旧事業でございます。
 7の資金調達への支援でございますが、経営の近代化等に取り組む農林漁業者が農協等から資金を借り受ける場合の利子補給や各種の融資を行っております。
 以上で農林水産対策を終わり、労働対策に移らせていただきます。
 三五ページと三六ページをお開き願います。労働対策の体系図でございます。
 労働対策は、1、情報の収集提供から、5、勤労者の生活の充実までの五つに体系立てて事業を展開しております。これらのうち、主なものについてご説明申し上げます。
 次の三七ページをごらんください。1の情報の収集提供でございますが、都内の雇用、就業等に関する情報や、賃金、退職金等の労働条件に関する情報等を幅広く提供してまいります。特にインターネットホームページ「TOKYOはたらくネット」では、広く企業の求人情報を提供するとともに、雇用、就業等に関する情報を総合的かつ一元的に提供してまいります。
 次に、2の相談指導でございます。都では現在、さまざまな労働に関する問題の解決のため、各種労働相談等を行っております。
 三八ページの(2)でございますが、都内八カ所にある労政事務所において、労使及び都民を対象に労働問題全般の相談に応じております。
 表1にありますように、一年間に取り扱う労働相談の件数は依然高い数値を示しており、平成十二年度の総数は約四万八千件となっております。
 相談内容は、表2にありますように、労働条件に関するものが約五万四千項目と圧倒的に多くなっております。
 また、当事者同士で解決することが困難な労使間の問題について、依頼に応じてあっせんを行っております。平成十二年度のあっせん件数は千三百六十七件となっております。
 次に、三九ページをごらんください。3の雇用、就業の促進でございますが、雇用対策につきましては基本的には国の所管となっておりますが、高齢者、障害者の方々に対する就業支援等、特に地域性の高いものについては都独自の施策として実施し、雇用、就業の推進に努めております。
 四〇ページ、(3)の高齢者の雇用、就業機会の拡大でございますが、高齢者の就業の推進を図るため、シルバー人材センターに対する指導、助成等を実施しております。平成十二年度末、都内に五十九のセンターがあり、会員数は約六万七千人、平成十二年度の就業延べ人数は約五百七十万人となっております。
 次の四一ページ、(5)の障害者の就業支援でございますが、都と民間企業とが出資して重度障害者を雇用する企業を設立し、障害者雇用の拡大に努めておりまして、表5にありますように、現在、四企業が設立されております。
 (6)の山谷地区等就業対策でございますが、山谷地区等の日雇い労働者の就業機会を確保することが重要な課題となっております。このため、労働者に対する職業相談、事業所に対する求人開拓など、就労機会の拡大のための取り組みを進めてまいります。
 四二ページをごらんください。(7)、緊急地域雇用特別基金事業の運営でございますが、国の緊急地域雇用特別交付金を財源とした基金を活用し、平成十一年度から十三年度まで、臨時応急的な雇用、就業の場の確保を図るものでございます。国からの交付金の総額は百八十二億五千百万円、十三年度の計画事業は、都では六十七事業、約三十億円、区市町村では三百十一事業、約三十四億円となっております。
 4の職業能力の開発、向上でございますが、産業を支える人材育成と働く人々のキャリア形成という役割を果たしていくため、時代や環境の変化に機敏に対応した公共職業訓練を展開してまいります。
 (1)の公共職業訓練の推進でございますが、これは都の十七の技術専門校において、求職者や在職者に対する公共訓練を実施するものでございます。本年度は、特に急速に進むIT革命に対応するため、デジタルデバイドの解消やインターネットビジネスのための職業訓練など、IT訓練科目の拡充を図るとともに、現在の高い失業率の中で非自発的失業者、特に中高年離職者の再就職の支援強化が課題となっていることから、中高年齢者を対象とした施策の充実を図ってまいります。
 次の四三ページの表6にございますとおり、公共職業訓練は、大きく能力開発訓練と能力向上訓練に分けて実施しております。能力開発訓練は、主に求職者を対象とする訓練で、本年度は約八千人の年間定員となっております。また、能力向上訓練は在職者を対象とする訓練で、年間定員は約一万八千五百人となっております。
 四四ページ、(3)、民間企業が実施する職業能力開発への支援でございますが、生涯能力開発給付金制度等により、民間企業が従業員に対して行う職業能力開発を支援しております。
 続いて、四六ページをお開き願います。5の勤労者の生活の充実でございますが、中小企業の従業員の福利厚生を図るため、勤労福祉会館等の福利厚生施設の提供や、労働金庫と共同で中小企業従業員に対し生活資金等の融資を行ってまいります。
 また、次の四七ページ、(4)にありますように、仕事と育児の両立を支援するため、会員同士が相互に育児の援助を行うファミリー・サポート・センターの設立を支援してまいります。
 以上で労働対策の説明を終わらせていただきます。
 引き続いて、東京都の出資または出捐金の資本金または基本財産等に占める割合が二五%以上となっている監理団体及び報告団体についてでございますが、お手元の資料3、東京都監理団体等運営状況をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくり願います。産業労働局が所管する監理団体及び報告団体で対象となっておりますのは、目次に列記しております、1、財団法人山谷労働センターから、11、東京都プリプレス・トッパン株式会社までの合計十一団体でございます。各団体の詳細につきましては、本文をご参照いただきたいと存じます。
 これらの団体は、都の事務事業を代行もしくは補完し、都民サービスの向上に寄与することを目的として事業展開を行っております。
 以上で産業労働局の事業に関する説明を終わらせていただきます。今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

○松原委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○丸茂委員 一つは、三宅島からの避難者への就労あっせんなどの取り組みと実績。
 二つ目には、技術専門校、障害者能力開発校の学校別定数と応募者数、そして入校者数の十年間の推移。
 三つ目には、都内区市町村別の企業倒産の十年間の推移。
 四つ目には、同じく都内区市町村別の工場数、従業員数、製造業の年間出荷額の二十年間の推移。
 五つ目には、都内小売業の売り場面積と、それに占める大規模小売店舗の売り場面積及び占有率について。
 六つ目には、大型店の区市町村別出店数の推移、十年間分。
 七つ目には、大店立地法に基づく条例及び要綱を定めた区市町村の状況。
 八つ目に、予算に占める中小企業対策費の割合。ただし、国際展示場、TFT、タイム二十四など、臨海関連大規模施設の建設費や制度融資を除いたもの。
 九つ目には、中小企業制度融資の実績と推移について、十年分。
 十番目には、大量離職にかかわる届け出状況、五年分。できれば、全国、東京都に分けられればお願いしたい。
 十一番目には、労政事務所における労働相談件数と職員数。
 十二番目には、完全失業率の動向、全国と南関東、そして年齢別もわかりましたらお願いしたい。
 十三番目には、緊急雇用対策の計画と実績。
 最後に、十四番目に、獣害と対策の状況、五年分。
 以上です。                〇富田委員 全部で五点ございます。
 一点目には、職業安定行政の国一元化後の都における雇用就業対策の実施状況について。
 二点目、労働行政に関する都から国への要望事項について。
 三点目、技術専門校の応募、入校、修了、そして就業状況について。
 四点目、七月二十三日から実施された失業一一〇番の実施結果について。
 最後、五点目でございますが、労政事務所、勤労福祉会館の廃止、統合に対する三多摩各市議会の意見書、市長要請書等について。
 以上でございます。

○小林委員 元気を出せ商店街の区市町村別の件数、平成十二年度。本当は全部出してもらおうと思ったんですけれども、七百六十九件ですから出しようがないので、区市町村別で結構です。
 それから、補助の事業の中身です。一件一件全部出すというのは不可能ですから、何か特色のあるものを大別して出してもらえば、どこかで集約してもらえばいい。十二年度だけで結構です。
 以上です。

○藤井委員 三宅島支援について、昨年から今日までに局が行いました支援の事業、内容がわかるものをお願いいたします。
 二番目に、この事業に援農ボランティア制度というのがありますけれども、これの実績がわかるものについてお願いをいたします。
 三点目に、緊急地域雇用特別基金事業を十一年度から十三年度まで行っておりますが、東京都が実施した内容がわかるものについてお願いいたします。

○森田委員 一つだけお願いします。
 ファミリー・サポート・センターの行われている市町村と利用状況がわかるものをお願いします。

○松原委員長 そのほかに。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○松原委員長 ただいま丸茂理事、富田委員、小林委員、藤井委員、森田理事からそれぞれ資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○松原委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。

○松原委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○橋本参事 去る八月三十一日に発表いたしました観光産業振興プラン素案につきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料4をごらんいただきたいと存じます。
 この素案は、国内外の旅行者を集客し、観光産業振興を図るため、広く議論するたたき台として作成、提案させていただいているものでございます。今後、都議会、民間事業者、都民、区市町村の方々のご意見をいただき、この秋には観光産業振興プランの最終版を取りまとめる予定でございます。これによりまして、都は、みずからも積極的に観光産業振興に取り組むとともに、国、区市町村にも働きかけ、千客万来の世界都市東京の実現を目指してまいりたいと存じております。
 まず、表紙をお開き願いたいと存じます。「東京の観光産業振興のために」と題しまして、観光産業振興の基本的な考え方と目標を掲げさせていただいております。
 観光は、多くの産業に経済効果が波及し、雇用、税収、外貨収入などの増加をもたらす、すそ野の広い産業であります。これまで外国人旅行者の誘致についての取り組みが決定的に欠けていたという反省点に立ち、東京都は観光を産業として位置づけ、国内外からの旅行者を東京に誘致するための施策に取り組んでまいります。
 また、観光産業振興をより確かなものとするために、東京への外国人旅行者の誘致目標数を、二百七十七万人から、五年後には倍増の六百万人にするという大きな目標を掲げさせていただいております。
 次に、一ページをお開き願います。
 第1章、「観光の重要性」と題しまして、観光の発展性、観光の経済波及効果など四点について分析をしております。
 まず、一ページの1、観光の発展性でございます。図1にありますように、日本人海外旅行者が千七百八十一万九千人に達している反面、訪日外国人の旅行者は四百七十五万七千人と、四分の一にすぎない状況にございます。
 また、次の二ページの図3にありますように、香港、ロンドン、パリが年間一千万人を超える外国人旅行者を受け入れている一方、東京は二百七十七万人にすぎません。しかし、図4の世界の国際観光出国者数にありますように、世界を旅行する人々の数は、一九九七年の六億一千百万人から、二〇二〇年には十六億二百万人と、爆発的に増加することが予測されております。
 今後、観光の持つ多大な経済効果をめぐって、観光客の誘致、獲得の各国間競争が激化していくと予想されます。こうした状況に乗りおくれることのないよう、観光に力を入れていく必要がございます。
 次に、三ページでございます。
 2の観光経済波及効果をごらんいただきたいと思います。図5にありますように、東京の外国人旅行者が六百万人に増加した場合、東京の生産誘発効果は約五千七百二十七億円、雇用誘発効果は約三万七千百人、さらに他の地域も合わせますと、全国で生産誘発効果は約九千九百六十二億円、雇用誘発効果は約七万四千六百人になると予測されます。
 次に、六ページをお開き願いたいと存じます。
 3、観光先進国・都市の取り組みでございます。ニューヨーク、フランス、シンガポールについて、外国人旅行者誘致のための数々の取り組みを紹介させていただいております。
 さらに、九ページをお開き願いたいと存じます。
 4、主要国政府観光局の組織と予算では、各国の職員数、海外事務所数、年間予算額を紹介しております。
 次に、一〇ページ、一一ページをお開き願いたいと存じます。
 一一ページに、第2章として、これからの観光産業振興策を提案させていただいております。
 東京の観光を産業ととらえ、振興策を検討するに当たりまして、東京の魅力をどのように伝えてきたのか、観光資源の開発のためにどう取り組んできたのか、旅行者を迎えるために何をしてきたのかという三つの分野について検証し、一〇ページにありますとおり、観光産業振興施策の体系というものをあらわしております。ここで見ますと、東京の魅力を世界に発信、観光資源の開発、受け入れ体制の整備の三つの節に分けて東京の現状と課題の整理を行った上で、課題解決のために取り組むべき施策を提案させていただいております。
 まず、一一ページの1、東京の魅力を世界に発信でございますが、図10にありますように、東京に来た外国人に対しまして、外国人旅行者をふやすために日本ヘのアドバイスあるいは提案を求めましたところ、海外宣伝の必要性が言語、物価を抑えてトップを占めております。
 また、次の一二ページの11の図にありますように、国際会議の開催件数は、欧米主要国に比べ低い水準にとどまっております。今後、広く世界から集客するには、ニーズを的確にとらえたマーケティング戦略を立案し、展開するとともに、海外に効果的なシティーセールスを行い、東京の魅力を積極的に伝えてまいります。また、大規模なコンベンションやイベントを誘致することも必要であります。
 一二ページ以降に、情報の収集及び発信など具体的な施策を提案しております。
 次に、少し飛ばせていただきますが、一七ページをお開き願います。
 2、観光資源の開発でございます。東京は、政治、経済、文化の中心であり、ITなど先端的な産業が集積している都市でもあります。一方、江戸東京四百年の歴史や文化を感じることができ、また、多摩、島しょ地域には豊富な自然もあるなど、さまざまな観光資源が内在しております。しかし、これまで東京は、その魅力を生かす取り組みが不十分でした。今後は、旅行者のニーズを把握しながら多様な観光資源を複合的に組み合わせて、訪れるたびに新たな東京が発見できるよう、多面的な演出をしてまいります。
 一八ページ以降に、都市づくりによる観光資源創設など具体的な施策を提案させていただいております。
 次に、二九ページをお開きください。
 3、受け入れ体制の整備でございます。図13にありますように、成田空港の航空機発着回数は限界にあります。これを解決するには、羽田空港の容量の拡大を図り、国際化することが不可欠であります。
 また、東京を訪れる旅行者に対し、歓迎するメッセージを伝え、温かく迎えることができるよう、日本人の持つホスピタリティーあふれる、おもてなしの心を伝える仕組みづくりをしてまいります。
 さらに、国内外からの旅行者のニーズに対応するため、観光案内所等の観光情報の充実に努めてまいります。
 三一ページ以降に、交通アクセスの整備など具体的な施策を提案させていただいております。
 最後になりますが、三五ページをお開き願いたいと存じます。
 ここからは、第2章で提案した各種施策の中で、国際的なイベントの活用、積極的な誘致活動の展開、観光資源開発の早期着手などの早急に取り組むべき施策を第3章として取りまとめております。今後、できるものから直ちに着手してまいりたいと存じております。
 以上、簡単でございますが、観光産業振興プランの素案の説明を終わらせていただきます。

○松原委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○松原委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時六分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る