経済・港湾委員会速記録第五号

平成十三年三月十九日(月曜日)
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長いなば真一君
副委員長浅川 修一君
副委員長白井 常信君
理事林  知二君
理事川井しげお君
理事藤沢 志光君
山本  信君
藤井  一君
五十嵐 正君
宮崎  章君
河合秀二郎君
山崎 孝明君
川島 忠一君
西田ミヨ子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
中央卸売市場市場長大矢  實君
経営管理部長長尾 至浩君
業務企画担当部長石川 俊一君
調整担当部長浅倉 義信君
施設部長内村 修三君
築地市場再整備担当部長小栗 英夫君
港湾局局長齋藤 哲哉君
技監高見 憲一君
総務部長渡辺日佐夫君
港営部長高橋 和志君
港湾振興担当部長小宮山元二君
開発部長津島 隆一君
臨海部開発推進担当部長南雲 栄一君
臨海部開発調整担当部長高野 一男君
港湾整備部長小池 正臣君
計画調整担当部長細川 泰廣君
離島港湾部長野村 孝雄君
参事押元 雅治君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 中央卸売市場関係
  予算の調査(質疑)
  ・第十一号議案  平成十三年度東京都と場会計予算
  ・第二十一号議案 平成十三年度東京都中央卸売市場会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第八十四号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
 港湾局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為港湾局所管分
  ・第二十二号議案 平成十三年度東京都臨海地域開発事業会計予算
  ・第二十三号議案 平成十三年度東京都港湾事業会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第八十五号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
  報告事項(質疑)
  ・「東京ベイエリア21」の公表について

○いなば委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 本件の取り扱いについては、理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○いなば委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場及び港湾局関係の予算の調査、付託議案の審査並びに過日聴取いたしました港湾局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 この際、予算の調査について申し上げます。
 平成十三年度予算につきましては、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しは、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十三年三月十六日
東京都議会議長 渋谷 守生
経済・港湾委員長 いなば真一殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十六日付で予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
  記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(金)午後五時

(別紙1)
経済・港湾委員会
第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費  経済・港湾委員会所管分
債務負担行為
第七号議案   平成十三年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第八号議案   平成十三年度東京都農業改良資金助成会計予算
第九号議案   平成十三年度東京都林業改善資金助成会計予算
第十号議案   平成十三年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一号議案  平成十三年度東京都と場会計予算
第二十一号議案 平成十三年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十二号議案 平成十三年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十三号議案 平成十三年度東京都港湾事業会計予算

(別紙2省略)

○いなば委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第十一号議案、平成十三年度東京都と場会計予算、第二十一号議案、平成十三年度東京都中央卸売市場会計予算並びに第八十四号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求のありました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○長尾経営管理部長 去る二月十六日の委員会でご要求のありました資料につきまして、説明させていただきます。
 ご要求のありました三項目につきましては、お手元に配布しております資料1にまとめてございます。
 一ページをお開き願います。中央卸売市場関係業者数の推移及び経営状況でございます。
 平成七年から十一年までの五年間にわたり、卸売業者、仲卸業者については業者数及び赤字業者数を、売買参加者については業者数を、部門ごとに記載してございます。
 卸売業者につきましては、各年度末現在で、仲卸業者につきましては、各年十二月末現在でお示ししております。仲卸業者の欄の括弧書きは、調査業者に対する赤字業者の割合をパーセントで記載してございます。
 なお、売買参加者の数は、各年度四月一日現在で記載してございます。
 次に、二ページをお開き願います。地方卸売市場における卸売業者の経営状況でございます。
 平成七年度から十一年度までの五カ年間につきまして、水産、青果、食肉、花きの部門ごとに、卸売業者の経営状況を表にしてございます。各部門ごとに、各年度末の業者数と経常赤字の業者数をそれぞれお示ししてございます。
 なお、割合につきましては、業者数に対する赤字業者の割合をパーセントで記載したものでございます。
 次に、三ページをお開き願います。中央卸売市場における盗難発生状況でございます。
 各市場ごとに、平成十年から平成十二年までの三カ年につきまして、各年の盗難件数、金額及び主な被害品をそれぞれお示ししてございます。平成十二年で見ますと、盗難件数は合計で百五件、金額で二千十八万五千円、主な被害品は、現金、水産物、野菜、果実等でございます。盗難件数は東京都へ被害報告があった件数、被害金額は被害者の申告金額で、千円単位となっております。
 なお、金額欄が空欄のものは、被害者から金額の申告がなかったものでございます。
 以上、甚だ簡単でございますが、ご要求のございました資料三項目につきまして、説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○いなば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料とあわせて、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○浅川委員 それでは、幾つかお伺いいたします。
 たしか以前の新聞報道だったと思いますけれども、ホームレスの人が築地市場でフグを拾って食べて、食中毒を起こしたというのがあったかと思うんですね。フグというのは、当然さばくのに、料理をしたりするのに免許が要りますし、衛生局に伺いますと、フグの毒のある肝だとか内臓の部分などについては、かぎをかけてきちんと処理をしなければいけないということになっているので、なぜこのような事件が起きたのかと思うんですけれども、これは一体どういう経過だったのか、まずご説明願いたいと思います。

○長尾経営管理部長 卸売市場内で発生いたしますフグの有毒部位につきましては、先生ご指摘のとおり、法律に基づきまして厳しい管理を行っております。
 具体的には、他の食品や廃棄物にフグの有毒部位が混入しないよう施錠管理をいたしまして、その処分は専門業者に委託しております。
 先般、事件の起きました足立市場でも、同様の厳しい管理を行っておりました。たまたま一般のごみ捨て場に廃棄されておりましたフグの廃棄物を、場内に入り込んだホームレスが食したため、事故が起きたと報告を受けております。そして、このフグは、市場の内部から出たものではなくて、外部の者から持ち込まれたフグであろうと推測されております。

○浅川委員 内部の管理のミスといいますか、そういう中から出たことではないということで、外から持ち込まれたという説明の経過はわかりましたけれども、しかし、外からでも自由に出入りできるといいますか、ごみを捨てに来るのにも自由なのかなというあたりでは、これは市場の性格として、常にオープンになっているという特徴からも生まれてくるものなのかもしれませんけれども、やはり管理上の問題はなかったのかなというふうに思う心配もあるわけです。
 それで、先ほどご説明をいただきました、資料要求いたしましたけれども、中央卸売市場関係で発生している盗難事件というのも、この資料を見ますと、現金から高級な鮮魚、商品券に至るまでさまざまなものが、これだけ大変な数の盗難事件があるということであります。
 この盗難の件数も、合わせると毎年百件以上、ここ三年間でも起きておりますし、特に最近はこの金額が非常にふえている。平成十二年のこの額を見てもそう思うわけですが、こういうあたりでは、事件の発生状況、管理の先ほどの問題とあわせて、どのように認識をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○長尾経営管理部長 資料でお示ししている盗難の件数、被害額のうち、現金とか商品券など、こういうものは、売買参加者や買い出し人が市場へ参りまして、施錠せず車を離れた間に遭った盗難、あるいは施錠しているにもかかわらず、車両をこじあけられて盗難に遭ったというケースが多いというふうに報告を受けております。
 また、卸売場におきます生鮮食料品の被害は、昼過ぎから午前三時ごろまで、比較的人の少ない時間帯に、競り待ちですとか、売れ残って卸売場に残されております商品、そういうものが被害に遭っております。また最近は、高級魚が盗まれるケースが多いとも聞いております。
 そのため、私ども、非常にこれは重要な問題だと認識をしておりますので、業界と一緒になりまして頻繁に巡回を行い、警備には万全を期しております。

○浅川委員 状況を報告していただきましたし、業界と連携して警備に万全を期しているということですが、先ほどの報告の中でも、例えば車から現金を持ち去ってしまうとか、こじあけるとか、そうすると日常的にやっぱり、窃盗団という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、入り込んでいるというふうなこともあるんじゃないかと想定されるわけですけれども、私も他県の状況を若干聞きました。やはり他県でも、市場では盗難というのは相当多くあると、頭を悩ませている問題だそうであります。
 大阪の中央卸売市場本場では、それでも平成九年が十件、十年が二十五件、十一年が二十五件、十二年度は二月末までで六件ということになっています。これでも大阪の関係者は多いといっておりましたが、大阪市場では管理者として、ガードマンの配置、防犯カメラの設置とあわせて、業界にも協力を呼びかけて、業界もガードマンの配置を行う、二十四時間の警備体制をとっているということでした。それでもこうした事件の発生ということは、なかなか現状では出てしまうという中で、将来的には入室管理、こういう計画をつくる予定だと、そのための委員会も設けて検討中だということでありました。
 都としても、こうした市場管理について、一層努めていっていただきたいというふうに思うんですけれども、先ほどのフグ事件や盗難事件、こういうものをなくしていくために、市場管理についてこれからどう取り組んでいかれるのか、見解をお伺いしたいと思います。

○長尾経営管理部長 特に盗難の問題ですが、なかなか決め手となる対策がないというのが正直いって一面でございます。ただ、私どもといたしましては、産地から安心して生鮮食料品を出荷していただくために、防犯対策をさらに充実しなければならないと考えております。
 そのため、巡回などを徹底する私ども開設者の努力はもちろんですが、他方で業界の努力に負うものも多く、市場と業界との連携が大変重要であると考えております。
 これまでも各市場ごとに、業界との協議会などにおきまして協議を重ねてまいりましたが、今後も引き続き、安心して生鮮食料品を送れる信頼される市場を目指しまして、十分検討を重ねていきたいと思っております。

○浅川委員 これは、今後の市場の整備ということともかかわる問題かもしれませんけれども、ぜひこうした管理について、十分努めていただきたいと思います。
 次に、練馬分場と杉並分場の統合整備の計画についてお伺いいたします。
 これまでの第六次整備改革の中で、中央卸売市場として統合して整備を進めていく、こういうふうにしていたと思うんですけれども、昨年の十二月、卸売整備基本方針中間のまとめというのが出されまして、この中で、地方卸売市場として整備することが望ましいと。経過を見ると、突然の方向転換のように受けとめられるような感じがあるわけですけれども、今回、民間の市場に変更する理由、それから、これが中央卸売市場から地方卸売市場になった場合に、一体どういう違いがあるのか、具体的な計画についてどういうふうに進めていかれるのか、三つ伺います。

○浅倉調整担当部長 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、中央卸売市場から地方卸売市場へ変更した理由でございますけれども、一つは、杉並分場及び練馬分場が中央市場となっておりますけれども、その大半の土地や施設は、そこで営業を行っております卸売会社が所有管理しております。そういう点で、民営市場と同様の実態にあるということが第一点でございます。
 二つ目が、両分場とも老朽化が著しく、特に杉並分場の老朽化が著しくて、安全対策上、一刻も早い整備が求められております。現在の逼迫した市場財政を勘案いたしますと、民間の資金を活用し、都がその整備費の一部を補助し、民営市場として整備する方が早期に整備できるということ。
 三つ目が、両分場の地権者であります卸売会社からも、早期に整備を行うために、地方卸売市場としてみずから整備したいという申し出があったこと、また、一昨年の卸売市場法の改正によりまして、中央卸売市場の卸売会社が、同一開設区域内の地方卸売市場においても卸売業ができることになったこと、そういったことから、関係業界とも鋭意話し合いをした結果、そのことが一番現実的だろうということで、変更を行ったものでございます。
 次に、中央市場から地方市場への変更に伴う違いですけれども、練馬分場が地方卸売市場となった場合には、法制度上は、中央卸売市場条例から地方卸売市場条例の適用となります。
 大きな違いは、開設者が東京都ではなく民間の卸売会社となること、取引方法など、東京都の条例ではなく開設者が定める業務規程によること、三つ目として、仲卸業者や売買参加者の承認は、東京都ではなく開設者が行うことなどでございます。
 なお、差別的取り扱いの禁止や、公正、効率の原則など、取引に当たっての基本的な考え方は、中央卸売市場も地方卸売市場も同様でございます。
 それから三点目、どのような整備を行うかということでございますけれども、新しい市場の開設者とは、都が中央卸売市場として練馬分場を整備した場合と同様な規模、あるいは施設を配置するということで合意をしてございます。

○浅川委員 状況は大体わかりましたけれども、今回、予算では補助金だけ出されているわけでありますが、今ご答弁いただきましたように、中央卸売市場条例から地方卸売市場条例へ変わるということがあるわけでして、本来、条例改正というんですかね、こういうことが必要ではないかと思うんですけれども、この条例改正については、今回なぜ提出されておらないんでしょうか。

○浅倉調整担当部長 当然、地方卸売市場として整備する場合には、中央卸売市場の廃止が必要でございます。
 今回、条例改正を一緒にやるというのも一つの方法でございますけれども、中央卸売市場から地方卸売市場への整備変更につきまして、市場関係者の理解を得る期間を可能な限りとりたいということ、それから、五月に予定しておりますけれども、練馬分場の都市計画決定、これは周辺住民への説明、理解が必要でございます。そういった理解を受けた上で市場条例改正を行う方が適切な段取りだというふうに考えております。

○浅川委員 今のご答弁は、ちょっと誤解を生むような感じになると思うんですよ。予算だけとってあります、予算は提案しましたけれども、条例の改正はまだこれからですと。市場関係者の理解を得る期間をとった方がいいと。そのとおりですけれども、じゃ、理解を得られてないけれども、予算だけは提案されたのかなと、こういうふうに、うがった見方をすればとられかねないわけでありまして、そういうあたりは、この間、関係者との合意というんですか、どういうふうにとられてきたのかと思います。
 例えば、先ほどの条例改正で、中央から地方へ移るということの中で、今まで開設者は東京都で、東京都の条例に従ってやっていたわけですけれども、今度はこれが民間事業者の規定になるという点では、今まで杉並の分場を利用されていた方が、そのままきちんと練馬の方へ行けるのか、あるいは遠くなる方に対してはどうするのかとか、あるいは使用料なんかについても、今までは東京都の条例ということで、ある程度の線が引かれて、皆さん納得するとか、いろいろ意見をいえるとか、そういうことがあると思うんです。今度は開設者の規定ということで、そういうことについて大きく変わったりはしないのかという心配でありますとか、いろいろな関係者の合意を得るということが必要だと思いますけれども、そこら辺の合意については、どのようにこれまで進めてこられたのか、これからどうされようとしているのか、お伺いいたします。

○浅倉調整担当部長 これまで、練馬、杉並分場の統合整備につきましては、早期整備に向けまして、市場関係者と精力的に協議を進めております。
 今回、地方卸売市場への変更に当たりましては、現在、両分場で営業している業者で希望する者は、新たな卸売市場においても引き続き営業ができること、あるいは取引や施設の利用、利用料金も含めてですが、基本的にこれまでの両分場における取り扱いと同様なものとすることなど、市場関係者の間で混乱が生じることのないよう最大限配慮するということで新たな開設者と合意し、関係する市場事業者の方々にご説明しております。
 これらの合意を踏まえまして、繰り返しになりますけれども、両分場の卸売業者、仲卸業者、関係事業者、売買参加者など市場関係者、それから練馬分場の地元住民に対しても、練馬分場でどのような施設整備を行うか説明会を開くなど、さまざまな機会をとらえて調整を行ってきたところでございます。今後とも、円滑な整備、それから運用ができますよう努力してまいります。

○浅川委員 十分に理解をしていただけるような説明なり、あるいは要望は、ぜひ多く承っていただいて、そういう要望が今度の統合整備の中で入れられるように検討していただきたいというふうに思います。とりわけ、市場を利用されている八百屋さん、こういう方々の不利益にならないようにという点で、これは重ねて要望しておきます。
 最後に、市場環境白書というのが出されました。この環境白書を出した目的について、お伺いします。

○長尾経営管理部長 市場におきましては、産地からのディーゼルトラックによる大気汚染ですとか、場内から排出されます廃棄物の処理を初め、環境対策が極めて重要になっております。
 こうした中、今回初めて市場環境白書をまとめましたのは、一つには、市場をめぐる環境の実態と、これまで行ってきた環境対策及び今後の課題を明らかにすること、二つ目は、環境対策を市場の重要な課題と位置づけ、それを市場関係業界にも理解と協力をお願いする、こういうことをねらいとしたものでございます。

○浅川委員 この点で一点だけお伺いいたしますが、市場にも大型トラックですとか、ディーゼル関係は相当数多く出入りをしているわけでありまして、東京で今、環境問題、ディーゼル車対策ということを進める中で、市場もその中の一つの役割を担って環境対策を進めていくということは、重要だというふうに思います。
 それで、環境局の方ですか、向こうでディーゼル車対策という基本的なことはやるわけですけれども、市場のこれだけ出入りのある業者の皆さんに協力をしていただくという点で、環境局の施策だけでいいのかなということを思うわけでありまして、市場として、やはり業界の皆さんに協力をしていただく、そういう点で何らかの対応策について、私は今後検討していくべきではないかと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○長尾経営管理部長 ディーゼル車対策は環境局の問題だけではございませんで、私ども、大変多数の車が出入りしますので、市場としても主体的に、積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 これまでも、アイドリングストップの啓発ですとか、不正軽油撲滅のための抜き取り検査など、さまざまなディーゼル対策に努めてきております。今後とも、環境確保条例の成立を踏まえまして、条例の趣旨を周知するとともに、関係業界との本格的な検討を開始してまいりたいと考えております。

○白井委員 時間もありませんので、簡単に市場長に質問いたします。
 中央市場、築地の方は豊洲ということでほぼ方向性ができているわけでありますけれども、多摩の中央市場といいますか、その整備について、今まで、第一次から今第七次ですか、次々用地が変わって--くるくる、くるくる変わっているんですけれども、今日までの、ポイントだけで結構ですから、第一次から第七次まで、その状況をお話しいただきたいと思います。

○浅倉調整担当部長 多摩地域の青果卸売市場整備の経緯でございますけれども、昭和四十七年の第一次整備計画では、民営市場の吸収を前提に中央卸売市場を四カ所つくるということで、それは第一次、第二次、第三次まで続きまして、昭和五十八年に多摩ニュータウン市場を開場したわけでございます。
 その後、昭和六十一年の第四次の整備計画では、青果民営卸売市場の中央市場化計画は取りやめ、施設整備補助制度を創設して民営市場の整備を進めるという方針変更を行ったところでございます。
 しかしながら、その後バブルがありまして、民間では整備がなかなかおぼつかないということで、平成三年の第五次計画におきまして、既存の多摩ニュータウン市場に加えまして、新たに中央卸売市場を設置するということで、方針を変更いたしました。
 その後、平成七年の多摩地域青果卸売市場整備基本構想におきまして、多摩ニュータウン市場に加えまして、西部、北部、中部の三ブロックに中央卸売市場を設置するという方針が出され、平成八年の第六次整備計画におきまして、新市場の設置に当たっては、課題とされている入場業者の調整や交通アクセス、事業採算性等について調査を行い、調査結果を踏まえ、課題解決の整ったところから取り組みを行うということ、それから中部ブロックの候補地の特定に努める、こういう経緯をたどっております。

○白井委員 今、平成八年、六次でそういうお話でございますけれども、伺っていますと、経済的な変遷もあるし、状況も変わるし、いろいろあるわけだから、それは構わないんですけれども、初めやらない、今度やる、またやらない、また今度やる、またやらないと。考えてみますと、何回もやる、やらないを繰り返していらっしゃるんですね。これは、どういう機関で、どういうところでこれを検討されて、この答申といいますか、計画がなされているんですか。

○浅倉調整担当部長 第六次整備計画の整備方針に基づきまして調査機関をつくりまして、東京都と中央市場と調査機関におきまして、先ほど申しました入場業者の意向調査、交通アクセス、取扱規模、用地確保の可能性、事業採算性など、それぞれの検討項目を行い、今回、なかなか難しいというような結論を出した次第でございます。

○白井委員 そうすると部長、今度はまたやらないという方向に、ざっくばらんにそうなったわけでしょう、ほんとの話申し上げますとね。
 これはいいんだけれども、正直な話いうと、そのたびに委員会をつくって、そのたびに用地を選定して、そのたびに、あそこが候補だ、ここが候補だって走り回って経費を使って、それで市場業者がああだこうだ騒いで--騒いでといったら失礼な話だけれども、走り回ると。何のことはない、三、四年してまたやらない。こういう繰り返しなんですよね、今まで見ていると。
 何でそういうわけのわからない中途半端な案がしょっちゅう出てくるんだろうということを率直に、大矢さん、疑問持っているんだよね。何だろう、これはと思うんだけれども、しょっちゅう人を使って、時間を使って、金を使って調査しちゃ、だめ、また今度やる、またやらない、またやる。いつも繰り返しなんだよね。これ、どう思いますか、市場長。

○大矢中央卸売市場長 先生ご指摘のとおり、いろいろな経過があって、やる、やらないと。本当に私も、こういうやり方というのは決していいことではないというふうに思います。
 当初計画では、四ブロック案というのがございまして、その一つの実現が多摩の青果市場でございますが、あそこもご案内のとおり、非常に経営効率が悪くて、計画トン数の何分の一という状況になってございます。
 これらも一つの経過でございますが、当初の四ブロック案が、当時はいろいろバブルに向けての非常に大きな、壮大な計画でございました。
 しかし、財政状況が逼迫してきたり、取扱量が大きく変化する、それから大型総合市場傾向化というものが出てまいりまして、特に大田市場に見られるように、計画トン数を三割も四割もオーバーするような取扱量が出る。
 それらの流通の変化とか、あるいは財政状況、それから業界の方におかれまして、多摩はほとんどいわゆる地方市場で役割を果たしていただいておりますが、業界の経営がそれなりにいい状態にございまして--最近、若干経営状態も悪くなってまいりましたけれども、地方市場としての役割を大いに発揮されている、土地の確保という問題も困難になってくる、交通アクセスの問題等、それらを総合的に考えて、今回、卸売市場審議会に諮問をしているところでございます。

○白井委員 市場長、その辺の経過も、もう耳にたこができるほど伺っていますからよくわかっているんですよ。わかっているんだけど、今までのお話のように、三次まではやると、今度四次はやめたと、今度また性懲りもなく、平成三年、七年、またやるといい出したんだよね、ほんとの話いうと。今度はもっともらしく三カ所やるというのね。今度は、東久留米と、八王子と、調布か国立か、どこかあの辺にやると。もっもらしい話をまたしたわけですよ、皆さん方が。そうするとまた騒ぐんだな。ということの繰り返しで、今の調整部長の話だと、今度は正式にやらないと。
 それはそれでいいんですけれども、それだけ今まで調査されて、流通のこの時代に--正直な話申し上げて取引自体が変わっているわけですから、そういう時代にあって、確認をしておきたいことは、今の時点では、やるということはありませんね。

○大矢中央卸売市場長 現在、先ほども申し上げましたように、卸売市場審議会におきまして、今年度を初年度とする第七次の卸売市場整備計画を策定するための基本方針の諮問をしてございます。
 その中で現在、検討されておりますが、せんだって十二月に出されました中間報告では、多摩地域の青果中央市場の整備につきましては、流通環境の変化が激しく、四ブロックのすべてに中央市場にふさわしい取扱規模の市場を設置することは、適地の確保等の上から困難になっていると。このような状況を踏まえて、地方市場の中にも集荷力のある市場が育っていることから、新たな中央市場の整備については長期的な課題とすべきであるという中間報告が出てございます。
 やらないというふうにいっているわけではございませんが、一応長期的課題とすべきであるという報告がなされておりまして、これを受けまして、ことしの四月、来月を予定しておりますが、最終答申を受けて、それで今年度策定します第七次整備計画で方向づけをしていきたい、このように考えてございます。

○白井委員 ニュアンスで、どこを着地点にしていらっしゃるか大体わかりますから、それで結構であります。
 同時に、今お話のあった多摩の市場の中で、私も前々から申し上げて、何がいい、悪いという話じゃなくて、大矢さんも同じだと思うんだけれども、多摩市場をどう整備統合するかという話が前々から出ていた。これは、どこかの時点でやりますという話をしておられたようだけれども、これはどういう方向になるんでしょう。

○浅倉調整担当部長 済みません、多摩市場の整備というのは。

○白井委員 統合だよ、統合。

○浅倉調整担当部長 統合の問題につきましては、各市場業者の意向、これは第一に尊重しなければなりません。我々としても、地方市場を経営している卸売会社の方々の意向を踏まえ、いろいろな形で--これは個別具体的には申しませんけれども、例えば八王子地区においては、八王子地区のこことここについては、統合された方が経営効率もよくなる、取扱規模も大きくなるし、そのための施設整備については補助金を出しますというような形でもって(白井委員「いや、八王子じゃなくてニュータウン市場」と呼ぶ)ニュータウン市場につきましては、先ほど市場長が申しましたとおり、当初の取扱規模を大きく下回っております。昨年、細かい話になりますけれども、大きな仲卸業者二者を導入いたしまして、取扱規模、今昨年に比べて約倍ほどになっておりますけれども、多摩市場の活性化、多摩市場の有効活用を図るための活性化に向けた取り組みを行っております。

○白井委員 そうすると、今いったほかの市場というのは、これから長期的な展望で、どこかで恐らく収束をするんでしょうけれども、ニュータウン市場というのは、有力業者を入れて、ニュータウン市場をもう一回、環境のかさ上げをするという方向なんですか。

○浅倉調整担当部長 昨年行われました東京都の行政評価におきまして、Cランクとなりまして、抜本的な取り組みが必要だという指摘を受けました。それを受けまして、中央市場としては、多摩青果を活性化するべく、先ほど申しました仲卸業者を入れるなり、卸売会社、昨年一つ倒産しましたけれども、それの対応策も含めて、多摩市場の活性化に向けて、今後とも存続のための活性化に向けて努力していく、そういうつもりでおります。

○白井委員 それは、別に残してくれと僕はいってるわけじゃないんですよ。いわゆるめり張りをつけて、必要なものは残し、必要でなかったら--実際問題として、正直な話いうと、外部監査といいますか、評価の中では、かなり厳しい位置にありますよね。今、あなた方、多少てこ入れをしているようですけれども、厳しい部分がある。そういったことについては、めり張りをしっかりつけて、今後、多摩都民の方に直接影響のないような方向であるならばきちっと--無理なものは無理なんですから。僕は、時々行ってみても、いつも全く人っ子一人いない。そういうことですから、きちっとめり張りをつけてやっていくことが一点。
 二点目は、今回、答申がどう出るかということも大体こっちでもわかっておりますけれども、今後五年なら五年、十年なら十年は、多摩市場の建設とか整備計画については、これはこういうことですよということをはっきり、めり張りをつけたことを市場として明確にやるべきである。これが二点目。
 重ねて三点目は、今いわれる公設民営によって東京都が補助していく、これは非常に逆に時宜を得たことであるかもしれませんけれども、それについてはよく内容を--公設民営のやっていらっしゃる内容をどこまでご存じかわかりませんし、余計なことを、個々の問題をいうつもりはありませんけれども、公設民営で、東京都がある程度お金を出して、統合なり、あるいは施設整備をしておりますね。それについては、この辺をきっちりやった方がいいんじゃないかと、こういう点が三点目であります。
 市場長だけで結構です。

○大矢中央卸売市場長 先生ご指摘のように、本当に紆余曲折があったということは、おっしゃるとおりでございます。
 昨今の流通環境の変化等から判断しまして、中間報告にありましたとおり、長期的展望として、多摩地域における青果物の流通の円滑化を図るためには、当面、集荷力のある地方卸売市場に対する支援を強化して実施してまいりたい、このように考えております。
 このような考え方に基づきまして、今後とも、多摩地域における青果物流通の円滑化が図れるように万全の対策をとってまいりたい、このように考えております。

○山本委員 それでは、質問をさせていただきます。
 まず、第五十四回の卸売市場審議会の議事録を送っていただきました。この中に、東京卸売市場整備の基本方針中間報告というものが掲載されておりました。この整備方針、四月には最終取りまとめが行われるというようなお話を聞いているんですけれども、具体的にどんなスケジュールになるのか、まず最初に教えてください。

○浅倉調整担当部長 東京都中央卸売市場整備基本方針のスケジュールでございますが、昨年の六月に、都知事から市場審議会の方に、第七次市場整備計画作成のための基本方針を諮問いたしました。
 審議会では、この議論が専門的な事項にわたるため、計画部会を設置いたしまして、学識経験者四名から成る委員で構成された計画部会でこれまで十一回開催し、昨年十二月に中間報告を出したところでございます。
 その後、第五十四回の審議会の意見を踏まえまして、なお計画部会を現在開催中でございまして、ことし、この四月に、予定では、計画部会から最終報告を審議会の方に出す、こういうスケジュールでおります。

○山本委員 スケジュールは伺いましたけれども、この中間報告の中心点、特に今の市場をどういうふうに見ているのかといった点では、どういうことになっているのか、簡潔に説明してください。

○浅倉調整担当部長 中間報告におきましては、卸売市場は生鮮食品流通の中心的役割を担ってきたけれども、流通環境の変化への対応のおくれ、取扱数量の減少、市場間格差の拡大等、重大な転換期を迎えております。その背景としては、グローバリゼーションや情報通信技術の進歩等、社会経済の状況の変化が生鮮食料品に大きな影響を与えている、そういったことを指摘しております。
 その上で、東京都の卸売市場の現状と課題について言及し、二十一世紀への卸売市場のあり方といたしまして、流通の効率化と卸売市場の活性化に向けた方策、例えば情報化、物流の効率化の推進等五項目を取り上げ、また、市場整備に当たりましては、新たなニーズに対応した施設等整備の推進、衛生環境対策の強化等、五項目にわたりまして、今後の整備の方針、方向の項目を提案しております。

○山本委員 今、中心点伺ったんですけれども、その役割は大事なんだけれども、だんだん転換期に来ている。特に流通環境の変化から、どんどん卸売市場の取扱高が減少しているということは、ただ単に流通環境の変化だからしようがないとはいえないだろうと思うんですね。
 特に昨年、市場法が改正されまして、相対取引が認められると。このことが、市場外取引が、もう物によっては八割、九割に及んでいるという事態ですから、このままいくと、本当に市場の役割そのものがどうなるんだろうかと。一方では、例えば相対取引を認めないなんていうことになると、市場を通さないのがもっとひどくなるんだというようなお話も以前あったわけですけれども、しかし、現実だから仕方がないというままにするわけにはいかないと思うんです。
 特に、商店街との関係で考えますと、今私の住んでおります渋谷なんかの場合では、とにかく商店街の中から生鮮三品のお店がどんどん消えていくわけですよね。私のいるところのすぐ近くの商店街なんていうのは、魚屋さんが一番最初になくなりましたね。お肉屋さんもとうとうなくなった。あと、八百屋さんが二軒、それ以外は小さい規模のスーパーマーケットが一つあって、それで何とか商店街の体を保っているという状態なんですよね。これは多くのところで、みんな共通したような事態が、多かれ少なかれ起こっているんじゃないかと思うんです。
 ですから、商店街を本当に何とか活性化していこうというふうに考えると、やはり生鮮食料品を取り扱う肉屋さん、魚屋さん、八百屋さん、ここをどういうふうにしててこ入れするんだということになると思うんですよ。
 しかし問題は、この相対の取引が大きくなっていくと、結局、大型店との間での商品確保が求められるということになりますよね。競りというのは、ある面でいうと、公正、公平な取引を担保しているというシステムだったわけですから、ここのところを、ただ単に物流のあり方をより現代化していくんだというふうな形にはいい切れないんじゃないかと、こう思うんです。
 ちょっと伺いたいんですが、商店街の振興、特に生鮮三品のお店を本当に商店街の中で生き生きさせていくということまで念頭に置いて、川上、川下対策なんていう言葉がありますけれども、そういうことを念頭に置いて市場の役割を考えることが必要だと思うんですが、いかがでしょうか。

○浅倉調整担当部長 先生、今お話のありましたように、これからの卸売市場が生き残るためには川下の発想が必要であると。一番の川下である消費者の食に対するニーズが変化している。商店街のこともございます。それから、社会経済全体におきまして、少子高齢化の進展や女性の社会進出、ライフスタイルの多様化、そういった食の簡便化や外部化が進んでいます。それから、安全性や商品情報に対する消費者の関心が増大しております。
 小売業界も変化しておりまして、量販店の増加、その一方で、商店街自身がそういった消費者のニーズに対応していかなければならない。そういった川下の変化に対応した新たな需要に市場がこたえていくことが必要である。例えば、消費者ニーズにこたえて、小売店がカット野菜を販売できるような、これに対応した加工場を市場に設置する必要がある、そういったことも言及しております。

○山本委員 カット野菜の販売だとか、そういうことも言及しているんだというふうにおっしゃるんですけれども、やはり一番大事なところで、大型量販店がどんどんふえているからと、それを現状として認めてしまうのかどうかというのは、すごく大事な問題だと思うんですよ。
 労働経済局のところで大型店の問題はずっと議論されてきましたけれども、特に大型店がどんどんふえた、だから大型店に対応して市場も変わっていかなければいけないという話になっていくと、結果的には町場の商店街が大型店と対抗していく。商店街自身の魅力の中で一番大きい部分は、やはり生鮮三品のところへの期待でありますから、ここの観点というのは、やっぱりきちんと据えていただきたいと、こう思っております。
 あわせて、市場審議会の場でも議論されましたけれども、築地市場の再整備の問題について何点か伺いたいと思っております。
 二月十六日の本委員会での提出案件説明で、市場長の説明でしたけれども、築地市場再整備事業につきましては、基幹市場としての将来の機能のあり方を見据えて調査計画を行う、こう説明をされました。
 この中間報告の中にも、二十一世紀の生鮮食料品の流通の中核を担う市場に再生する、そのために抜本的整備が必要であるというふうに指摘して、しかし、現在地では、情報化、物流の効率化、衛生環境対策の強化を実現し、将来の流通構造の変化に対応することは困難だと、だから移転整備について検討する必要があると、こういうふうに述べています。
 ここでは、移転前提ということで全体が動いているんですけれども、全体の合意形成の問題が置き去りにされているのではないだろうか、私、それを非常に危惧するわけです。
 そこで、ちょっと確認しておきたいんですが、合意形成については置き去りにされている、こういうふうな心配の声について、どうお考えですか。

○小栗築地市場再整備担当部長 関係者との話し合いでございますけれども、私ども、平成八年に第六次市場整備計画ができてから、推進協議会で種々話し合いをしてまいりました。その会議の中で私どもの考え方をお示しをし、そして業界の皆さんのお声をお聞きし、そういう中で平成十一年十一月に取りまとめをしたということでございまして、業界の皆様のご意見を聞きながら進めていくというのが私どものスタンスでございます。

○山本委員 そうおっしゃるけれども、いまだに業界関係団体二団体は反対の態度ですよね。そして、その取りまとめの期日についても、何回も時点が延ばされていって、ある面でいうと、かなり都が強引に引っ張ってきたという印象が私、ぬぐえないと思うんですよ。地元の中央区も反対の態度を今とっています。
 こう見ると、市場全体の--確かに業界団体の多数を占めたというけれども、全事業者、関係者の意見をきちんと集約するということは、私、まだされていないと思うんです。特に、視察の際にも懇談の場を設けさせていただきましたけれども、この中でも、ご意見としては、やはり移転が先にあるということに対する危惧の声というのは、たくさんあったというふうに思います。
 そもそもなんですが、現地再整備について、各関係者とも、原則賛成ということで始まったわけですよね。ところが、青写真ができて、一階と二階をどっちが使う、青果を二階にするとか一階にするとかという、そういう具体的な話が出てきたときに、使い勝手の問題であるとか、いろんなご意見の違いがたくさん出てきて、それでちょっと、これじゃうまくいかないんじゃないだろうかという議論があったのは確かだったと思うんです。
 ただ、そこで現在地の整備についての合意形成が図られなかったというのは事実なんですけれども、問題は、豊洲の移転について合意形成を図る場合に、一体どういうものになるのかという話は抜きにして、豊洲に行ったらうまくいくということだけで事が進んでいるんじゃないだろうか。これは仲卸の方なんかも、その辺のことを不安だというふうにおっしゃっているわけですよね。
 そこで何点か伺いたいんですけれども、豊洲、具体的に移そうとしているのはどの位置になるかということを教えていただけますか。

○小栗築地市場再整備担当部長 現在の移転候補地の豊洲の地権者でございます東京ガスと、このほど移転を前提として、移転先、敷地面積等について具体的な協議を開始したところでございます。
 先生おっしゃいました場所でございますけれども、この協議の中で決定をしていくということで考えております。

○山本委員 今、協議が始まりましたというお話だったんですけれども、豊洲は先端の部分とつけ根の部分と、どちらにするかというのは随分議論があるというふうに聞いているんですね。
 これは、去年の六月でしたけれども、東京ガスが東京都に対して質問状を出されたと。その中で、東京ガスとして使うつもりがいろいろあるんだというお話が出て、特に先端部分については、東京ガスとして使いたいという意向とその計画を持っているんだと、だから先端部分については嫌だよと。簡単にいえば、そういう趣旨の質問状であったと思うんですけれども、その辺について、例えば今、協議に入ったということは、具体的に、じゃ、先端部分あきらめますという話になるんですか、それとも違うんですか。

○小栗築地市場再整備担当部長 先ほどお話し申し上げましたように、この三月から東京ガスと協議に入っております。
 私どもの希望といたしましては、先端部を確保したいということで、意見を申し上げております。これは、協議の中でどういう形で決着をするのか、まだ現在協議中でございますので、お話しできませんけれども、私どもの希望としては、先端部を確保したいと思っております。

○山本委員 先端部を確保するということを前提にしてということのようですけれども、でも結局、これからの協議なんですよね。その辺が非常に不安といいますか、あるんじゃないかと思うんです。要するに、それによって、道路計画との関係なんかも含めて、位置が変わってくるわけですね。そうすると、実際に今の段階で果たして判断できるんだろうか。面積についても、まだ確認されているわけではないんですよね。
 まだ、都市計画上も、たしか市場をつくる場合には準工業地帯である必要があるはずなんですが、ここの場所を見てみますと、先端部分、一番前の方は文化、レクリエーション等の拠点施設用地、公園緑地、それから、もうちょっと根元の方へ来ると住宅地ということになり、また、複合地だとか商業地というので、準工業はどこにもないんですよね。それは、決まれば都市計画も変わるだろうとは思いますけれども、しかし、今こういう状態の中で、豊洲に移れば今の問題全部解決しますよということだけで本当に進めていっていいんだろうかと、非常に不安と疑問を感じるんです。
 というのは、実際にいざ進めました、それで大体方向が決まりました、青写真をつくり始めましたというところで、これで大丈夫--これじゃ困るという意見がまた出てくる可能性もあるんではないかと、こう思うんです。特に買い出し人の皆さんからは、今やっと市場の前に大江戸線も通って便利になったと思ったら、全然遠くへ飛んでいくということの不便さということは、るる述べられていたというふうに思います。
 あと、もう一つ、気になることなんですが、この予定地に芝浦工業大学が進出するというような話があったということでありますとか、それから予定地の土壌汚染があったという報告が、これは新聞でも取り上げられているということなんですが、この辺はいかがでしょうか。

○小栗築地市場再整備担当部長 芝浦工大の件でございますが、芝浦工大の問題につきましては、当事者でございます東京ガスの方と芝浦工大が既に話し合っておりまして、今回の協議の中で、具体的な話として、まだ東京ガスから考え方が示されておりませんけれども、いずれ出るものであろうと考えております。それについては、東京ガスと話し合っていきたいと思っております。
 次に、土壌汚染対策でございますけれども、土壌汚染につきましては、一月二十五日に東京ガスが、現在の豊洲地区に汚染があるという発表をしております。これに対して、適切な処理がされるというお話を伺っております。この問題、環境局と十分協議をして、市場用地として支障がないことを確認して購入するという考えでおります。

○山本委員 この土壌汚染の問題については、よく環境局と一緒になって調査をしてからということのようですけれども、万が一ふさわしくないというような結論が出た場合には、どうなるんですか。

○小栗築地市場再整備担当部長 土壌処理につきましては、環境局が、環境確保条例に基づいて適切に処理するよう指導していくといっております。そのように私ども聞いておりまして、市場といたしましては、購入することが決定した場合には、環境局と十分連携し、万全の対応をしていきたいと思っております。
 なお、関係局から聞いた話ですと、この処理方法については、すぐれた方法であるということを聞いております。

○山本委員 土壌汚染の問題を今伺いましたが、結局、買うことが決まったら、ちゃんと処理されるだろうということですよね、今のお話では。違いますか。

○小栗築地市場再整備担当部長 東京ガスは、ことしの二月から、この土壌汚染の処理に取りかかっております。平成十九年三月までにこれを完了させるというお話でございます。

○山本委員 そうすると、東京ガスがちゃんとしますということなんですが、その調査については、環境局の方で確実に確認をするんでしょうか。

○小栗築地市場再整備担当部長 処理が十九年の三月までかかるそうでございますが、処理が終了した段階で、処理の内容、処理の結果等が報告書に作成されまして、関係機関に提出されることになっております。このところで確認ができるという認識を持っております。

○山本委員 そうすると、土地を東京都が取得をするというのは、その確認がされてから取得をするということですね。
 ただ、非常に心配なのは、こうしたベンゼンを初めとします有機物、そうした有害物質についての処理ですから、特にその上では食料品が扱われるという点で、本当に十分な精査が必要だろうということを指摘しておきたいと思います。
 あわせて、築地から豊洲に移るということについて、地元の中央区がこれに反対をしている。これは、ただ単に位置だけの問題ではありませんで、築地の市場がどういうふうにしてつくり上げられてきたのかということもあわせて考える必要があるんではないかと思うんです。
 私、あの地域の魚屋さん何人かから声をかけられて、一体どうなっちゃうんだろうか、心配だという声を随分伺いました。その中で、魚屋さんたち皆さんおっしゃるのは、築地ブランドを育てたのは、別にあの場所という問題だけじゃないよと。特に卸もいるし、仲卸もいるけれども、買い出し人の目ききが本当にすぐれた人たちがどんどんそこに行くようになって、その目があって、どんどん切磋琢磨されてこの市場が育て上げられてきたんだと。
 ところが、買い出し人にとって行きづらいような状況をつくられるということは、ただ単に利用者が、データとして数字が減ったということにとどまらないと思うんですね。実際に、そこには量を扱うという点では、大手のスーパーとか、いろんな人たちが入ってくると思いますけれども、小さい扱い量の中でも、調理師さんであるとか、またはすご腕の目ききというんですか、そういう魚屋さんであるとか、たくさんいらっしゃるわけですよ。そういう買い出し人の皆さんが本当に利用しやすい市場ということを抜きにして、市場の発展自身があり得ないのではないか、その点を指摘して、私の質問を終わりたいと思います。

○いなば委員長 ほかに発言、いかがですか。--ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○いなば委員長 これより港湾局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、港湾局所管分、第二十二号議案、第二十三号議案及び第八十五号議案並びに報告事項を一括して議題といたします。
 本案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○渡辺総務部長 二月十六日開催の当委員会におきまして、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、経済・港湾委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 ご要求のありました資料は、表紙の次のページにありますように、全部で九項目でございます。
 一ページをお開き願います。東京港における港湾労働者及び船舶乗組員のための福利厚生施設の配置状況でございます。
 宿泊施設、診療所など、主な施設の設置場所をふ頭ごとにまとめたものでございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 次に、二ページをお開き願います。各会計の繰越資金の状況でございます。
 平成元年度から十二年度までは、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計、羽田沖埋立事業会計の決算額及び決算見込み額に基づく繰越資金でございまして、平成十三年度につきましては、今定例会に設置を提案しております臨海地域開発事業会計の予算提案額に基づく繰越資金でございます。
 次に、三ページをお開き願います。会計間の貸付金及び返還金の推移でございます。
 平成元年度から平成十三年度までの一般会計、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計、羽田沖埋立事業会計及び臨海地域開発事業会計の各会計間における貸付金等の推移を取りまとめたものでございます。
 次に、四ページをお開き願います。臨海副都心開発における諸会計間及び第三セクターの相互関係並びに事業費でございます。
 臨海副都心開発における各会計の事業費等を、平成十三年度予算提案額に基づき取りまとめたもので、図の中ほど上段に臨海地域開発事業会計、下段に一般会計、左側に都の各会計、右側に各第三セクターを記載してございます。
 次に、五ページをお開き願います。四ページと同じく、臨海副都心開発における諸会計間及び第三セクターの相互関係並びに事業費でございます。
 こちらは、昭和六十三年度から平成十一年度までの決算額、平成十二年度の最終補正予算額を含む予算額及び平成十三年度の予算提案額の累計に基づく各会計の事業費等を取りまとめたものでございます。
 次に、六ページをお開き願います。臨海副都心の第二次公募の状況と審査結果でございます。
 第二次公募は、平成十年二月に有明南LM区画を、平成十二年七月に台場H区画及び有明南P区画について行いました。結果については、審査結果欄に記載のとおりでございます。
 なお、この間、公募以外では、欄外注記にありますように、有明の丘病院用地等約八・五ヘクタールの用地に対して進出事業者が決定しております。
 次に、七ページをお開き願います。平成十二年度における臨海副都心内の海上公園駐車場に係る収入等でございます。
 臨海副都心内には四カ所の海上公園駐車場がございまして、平成十二年度においては、シンボルプロムナード公園A棟及びB棟駐車場は、管理委託により運営を行い、お台場海浜公園一号及び二号駐車場については、管理許可により事業者に使用許可をしております。
 次に、八ページをお開き願います。三宅島火山活動及び新島・神津島近海地震等による平成十三年三月十九日現在の被災状況と対応でございます。
 1は、三宅島火山活動により被災のありました三宅島空港、三池港、坪田漁港等の被災状況と当局の対応でございます。
 2は、新島・神津島近海地震等により被災のありました神津島空港、御蔵島港、神津島港、三浦漁港、若郷漁港の被災状況と当局の対応でございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 次に、九ページをお開き願います。伊豆諸島離島航路事業者の経営状況と都の支援でございます。
 平成八年度から十二年度までの航路ごとの航路事業者の経営状況と都及び国の補助額を取りまとめてございます。表の下段に記載してございますが、平成十二年度の都補助額欄の括弧内の数字は、航路事業者を支援するため、平成十二年十月に概算払いした補助額でございます。
 なお、東京-大島-神津島航路は、平成十二年度に三宅島火山活動及び新島・神津島近海地震による特別措置として指定を受けた補助航路でございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○いなば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料とあわせて、これより本案及び報告事項に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山本委員 私からは、有明北の埋め立ての問題について伺いたいと思っております。
 この有明北の埋め立ての問題は、この間、何度も質疑してまいりましたけれども、やはり私、事業目的のところがどうもしっくりしない、こうずっと思い続けてきました。特に、この埋め立ての事業目的は、住宅の整備というふうに説明をされ続けてきたわけですけれども、臨海部では、民間などによる多くの住宅整備が実際に地域で行われている。にもかかわらず、新たにこの場所を埋め立てて住宅をつくらなければいけないのかというのは、非常に疑問だと思うんですね。
 それで、これは昨年の八月四日付で東京都知事石原慎太郎名で、東京港港湾管理者石原慎太郎氏あてに、臨海副都心有明北地区埋め立てにおける住宅の整備について、という文書が出されていますけれども、この文書というのはどういう性格のものなのか、まず最初に教えてほしいんですが。

○高橋港営部長 有明北地区の埋立地における住宅整備につきまして、事業者から免許権者に対しまして、住宅予定地の住宅整備計画の実効性について、着実に実現できることを確認するものとして提出されたものでございます。

○山本委員 不思議な文書なんですね。同じ人が同じ人に出すんですけれども、なぜこういう文書を出さなければいけなかったのかということだと思うんですよ。これは、運輸省が埋め立てを許可するに当たって、本当に東京都が住宅をつくる気があるんだろうか、疑わしいというふうに思って問い合わせがあったんじゃないですか、どうですか。

○高橋港営部長 認可庁であります運輸省とは、いろいろ事務的な詰めをしておりましたが、そのような中で、そのような疑いというお話は出ておりません。

○山本委員 しかし、当初の予定よりもはるかに埋め立ての免許が出るのが遅かったと。そして、その中で、ここに住宅をつくるということが本当にされるのかということは、問い合わされていたと思いますよ。
 それで、この文書を見ると、これまで臨海副都心では、台場地区及び青海地区において約三千戸の公的住宅が建設されてきており、有明北地区の埋立地の公的住宅の整備につきましても、上記推進計画及び住宅整備計画に基づき、責任を持って着実に実現してまいりますといって、これはいわば念書のような感じの文章ですよね。一般的に、こういうふうにつくるからといって、わざわざこの文書を出さなきゃいけなかったというのは、要するに、本当につくりますよということの約束という形で、この文書を出されたように見えるんですよ。
 なぜそういうふうに疑われるのかというと、もともと、この臨海部の住宅計画そのものは、住宅を建てるという予定であって、例えば有明の丘は、これは住宅を建てるつもりでいたわけですよね。それを最終的には、まだ今年度は予算計上されませんでしたけれども、これは売り払いの対象にされてしまう。一方で住宅用地やめるといいながら、片方でわざわざ埋め立てをして住宅用地を確保しようというところに矛盾があるんだと思うんですよ。都営住宅見たら、来年度の予算でもゼロでしょう。そういうふうに考えたら、公的住宅と民間住宅の割合ということも含めて、これは実現できる可能性がそもそもないんじゃありませんか。

○高野臨海部開発調整担当部長 臨海副都心開発の住宅整備につきましては、従前の計画から住宅を建てるということについては計画されておりまして、その後の見直しにおいても、現在の計画のとおり、住宅を建設することになっておりますけれども、臨海副都心開発は、その目標として、職と住を適切に配置したバランスのとれた都市づくり及び職住近接の実現を目的に挙げております。
 現在、臨海副都心周辺地域におきましては、民間、公団等、住宅建設が進められていることは、委員ご指摘のとおりでございますけれども、都心三区では、四人に一人が九十分以上の通勤通学時間であり、最近では、職住近接、都心居住志向の高まりなどによって、台場地区及び晴海地区で昨年募集した公団の賃貸住宅の平均応募倍率は、それぞれ十一・二倍、約九・五倍となっております。
 したがって、今後とも、都心居住を進める臨海副都心及びその周辺地域における住宅需要は続くものというふうに考えております。
 ご質問にありました都営住宅の新規建設につきましては、十三年度予算計上がなされていないということは承知しておりますけれども、公的住宅でいいますと、都市基盤整備公団は、都心居住を実現し地域のまちづくりや再開発に貢献する場合の賃貸住宅事業に取り組んでおりまして、有明北地区において土地のポテンシャルを認め、既に一部の土地を取得し、さらに土地取得の交渉を進めているというふうに聞いております。
 有明北地区における住宅建設につきましては、以上の動向を踏まえつつ、地元地権者や関係機関と調整を図りながら、既定計画に基づいて実現に努めてまいります。

○山本委員 都市基盤整備公団は、賃貸住宅つくるんだと、そして、こういうところがつくればどんどん入るんだといいますけれども、これは公的住宅というふうにいっても、公社住宅なんかに比べたら、家賃ははるかに高いんじゃありませんか。家賃わかったら、教えていただけますか。

○高野臨海部開発調整担当部長 家賃のお尋ねですが、公営住宅につきましては、所得階層によって家賃が定められていると。公団住宅については、所定の建設費ですとか、いろいろなものを想定した家賃で、支払い可能な対象が入るということですから、当然家賃には差があるということは、委員ご指摘のとおりでございます。

○山本委員 結局、そういう話になると、ここはもうかりそうだからやりましょうということで、いろんなところが進出してくるだろうからという前提なのかもしれません。
 今、そうすると、土地の造成も含めて、それにかかった費用に基づいて住宅建設がされるということのようなんですけれども、結局、民間の事業者なり、また住都公団なりが、それなりに高い家賃の住宅を供給する。そのために、わざわざ東京都がこういう形で埋め立てをどうしてもしなくちゃいけないのか、どうしても納得のいかないことなんですね。大変人気が高いということで、ウォーターフロントはそういう場所なんだと、こういわれて、確かにこの地域、随分空き地がたくさんできて、そこにはマンション計画、住宅計画が山のようにあるという状況を考えますと、そういう中で、わざわざ埋め立てをして住宅地をつくらなければいけない必然性が本当にあるのかな、ここが一番の疑問じゃないかというふうに思うんですよ。
 もともと、有明北全体の区画整理のこととこの埋め立てというのは、オーバーラップしていた問題としてずっと来たわけですよね。それと同時に、有明北の埋立事業の目的の中には、広域幹線道路でありますとか、「ゆりかもめ」の整備ということがいわれています。
 埋め立てをしなくても、例えば、橋梁方式というような形で「ゆりかもめ」を通すということも可能じゃないかと、こういうふうに思って前にも一回、質問をしているんですけれども、都のいい分だと、いや、そんなことをしたらお金がもっとかかるようになるんだというふうな話をしていましたが、もし橋梁方式にした場合には、どのぐらいお金がかかるというふうに計算をするんですか。

○高野臨海部開発調整担当部長 埋め立てを行わずに道路部分だけを整備することは、技術的には全く不可能とはいえないと考えております。
 しかし、その場合は、開発者負担を賄う埋立地がなくなるために、都民の税金で整備せざるを得なくなると。仮に、埋め立てを行わずにこの部分を--これは環二と放射三四号線でございますけれども、この部分を橋で整備するとした場合には、これは単純な試算でございますけれども、二百億円以上の費用が余計にかかることになるというふうに考えております。
 そのほかに、現在、民有地が占めております水際線を都民に開放し、高潮に安全なまちとするためには、埋め立てを含む一定の整備が必要でありますから、このための経費も含めると、合計で約六百億円近くに上る事業費を都民の税金で賄わなければいけない、そういう事態になるというふうに考えております。

○山本委員 はるかに高くなるんだということを今いわれたようなんですけれども、もともと、考えてみると有明北の埋立事業そのものは、工事費用が約四百億円、これは全部起債で賄うわけですから、年に三%程度の利子を払う。そうすると、利子額と合計すると五百二十億、こうなりますよね。しかも、埋め立ての補償調査費に百二十九億円、公園道路の整備費が百億円、土地の区画整理事業に四百八十億円、区画道路の整備費に九十億円、こういう関連事業を全部含めていくと千三百十九億円、こうなるんですよ。ここには幹線道路、それから「ゆりかもめ」の建設費というのは含まなくたって、既にこれだけかかっちゃうという全体の仕掛けになっているんだと思うんですよ。
 ですから、簡単に比較して、いや、埋め立てよりもよっぽどお金がたくさんかかりますからと、税金使っていいんですかというようないい方は、私、やめていただきたいと思うんですよ。
 この中で、特に埋め立てをすることによって道路をつくった方がうまくいくんだ、こういった話がありましたけれども、実際は、もう既に東雲地区の方なんか見れば、橋梁状の形のものが少しずつ、つくり上げられつつありますよね。そうすると、最初から埋め立てをした土地というのは軟弱な地盤ですから、そこに橋をかけようとすれば、当然その下に、岩盤のかたいところまで、何らかの構造物をつくらなくちゃいけなくなると思うんですよ。そういうことを考えたら、埋め立てをしたからといって安く上がるという保証はほとんどないんじゃないか、こう私は思います。
 実際にこういう状況であるにもかかわらず、どんどん仕事だけは発注された。前回にも私、指摘しましたけれども、この埋立免許が出る前から先に工事契約を進めるとか、そういうやり方も含めて、本当に乱暴なやり方だと思うんですよ。この埋め立てについて、許可を受ける前から工事契約をしてしまったという問題については、訴訟にもなっている。こういうこともあえて指摘をしておきたいと思います。
 それとともに、この埋め立ての問題で、ハゼを初めとして自然環境への影響も大きな問題で取り上げられてきました。これは、埋めないという選択肢が本当にないのかどうか、もう一度立ちどまって再検討すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○高野臨海部開発調整担当部長 さきの本会議においても知事が答弁いたしましたように、有明北地区埋立事業は、都民も参加した懇談会や都議会などでの十分な論議を踏まえ、既に計画の見直しを行っているということでございます。
 その後、地権者や地元区の合意を得て、昨年八月に埋立免許を取得した上で工事に着手しております。埋め立てに当たっては、埋立規模を縮小して水域の三分の一強を残すとともに、水生生物への環境対策を十分行うこととしております。
 この事業は、臨海副都心の発展のみならず、東京の活性化にも資するものであり、着実に整備を推進していくつもりでございます。

○山本委員 臨海副都心の着実な発展というようなことをいわれましたけれども、これは全く着実な発展にはなってないというふうに思いますよ。
 それで、東京構想二〇〇〇であるとか、または戦略プランとか、こういう中でも公共事業のあり方について見直しをするんだということが語られているわけですよね。それから同時に、ヒートアイランド現象なんかの問題についても、対応を考えなくちゃいけないんだと、こういうふうにいわれています。
 それを、例えばヒートアイランド現象の問題について考えれば、埋め立てをどんどんしていけばいくだけ、都心部の温暖化、ヒートアイランド化というのはひどくなるというのは、多くの研究者が実際指摘している問題なんですね。こういう事実を考えてみても、公共事業についても経済動向も踏まえて見直しが必要だ、こういうことをいうわけですから、こうした埋立事業について、有明北については絶対見直しをする対象にすべきだということを主張して、私の質問を終わります。

○藤井委員 それでは私は、臨海副都心開発について何点かお伺いいたします。
 臨海副都心では、現在、都市基盤施設の約八割が完成し、業務、商業施設や、あるいは国際研究交流大学村などの施設建築も進み、東京ディズニーランドの二倍以上の来訪者でにぎわっているというふうにいわれております。この委員会でも、たしか昨年、実際に視察させていただきまして、ただいま論議があった埋め立ての問題も含めて、いろいろと見てきたところでございます。
 そういった意味では、今や東京の新しい名所として定着したこの臨海副都心開発は、東京再生の起爆剤として、今後ますますの発展が期待されているわけであります。しかし、一方でこの事業は、多額の借入金を抱えるなど、厳しい財政状況にあることも事実であるわけです。
 こうした状況に対して、知事はこのたびの施政方針の表明の中で、こう述べておりました。臨海副都心開発事業会計は、財政基盤を強化することが喫緊の課題であり、埋立事業会計、羽田沖埋立事業会計と統合するということを明らかにいたしまして、今後も大胆な改革を行っていくという考えを示されたわけであります。私は、これは課題から目をそらさずに、事態の改善を前向き、あるいは建設的に進めようとする知事並びに当局の姿勢のあらわれというふうに受け取りたいと思います。
 臨海副都心開発については、これまでその重要性とか、いろいろ議論されておりますが、一部に理解されてない方々もおるわけでございまして、直面する課題に正面から取り組んで事業を力強く推進していくためには、この事業の実態といいますか、姿を理解することが大事だというふうに考えます。
 そこで何点か伺いますが、臨海副都心開発は破綻しているといういい方をされる方がいるわけですけれども、実際のところはどうなのか、その点のご説明をお願いしたいと思います。

○津島開発部長 まず、開発の状況についてでございますが、現在、臨海副都心は三万人を超える方々が働き、約三千九百人が居住しております。また、七百社を超える企業が進出し、年間三千六百七十万人の来訪者で活況を呈するなど、開発が着実に進展しております。
 また、会計の状況でございますが、臨海副都心開発事業会計の収支は、景気の低迷や都市基盤整備のための起債等による支出が先行するこの事業の特性などから、引き続き厳しい状況にあることは事実でございますが、平成十一年度末の累積欠損は自己資本を下回っているなど、会計上も破綻しておりません。

○藤井委員 会計上破綻してないということですから、こういったものをもっと声を大にして、当局はいっていったらどうでしょうか。
 次に、臨海副都心開発は都民に多大な負担をかけているというふうに、やはりこれも一部いわれておりますけれども、実際はこの点についてどうなのか、都民の皆さんにもわかりやすい説明をお願いしたいと思います。

○津島開発部長 臨海副都心開発は、事業費の大部分を土地運用収入などにより賄うということで、極力都民負担を抑制する、開発利益の還元方式という方式を採用しております。
 具体的な例で申し上げますと、例えば清掃工場などのごみ処理施設の総事業費は、約六百億円でございますが、そのうち都税は約三億円でございます。また、総事業費約九百億円のレインボーブリッジ、これには全く都税を充てておりません。こういういろんな実例がございます。
 そういう結果、通常のまちづくりと比べまして、都税すなわち都民の負担は極めて低く抑えられておりまして、全体の事業費約二兆四千億円の約一六%にとどまっております。

○藤井委員 いろいろと土地運用収入等、また、先ほどいわれましたように、都税を極力使わないような工夫もしながら開発を進めてきたというご答弁だと思います。
 今お尋ねしたような点については、港湾局としても、やはり正しい情報を広く都民にもっと積極的にPRしていく必要があるというふうに考えます。それとともに、収支両面にわたる徹底した改善努力を今後ともぜひ実行していただきたい、このことを強く要望したいと思います。
 次に、臨海副都心のまちづくりの現状について、何点かお伺いしたいと思います。
 臨海副都心を代表する施設の一つとして国際研究交流大学村、これは今月末竣工に向けて工事が進んでいるというふうに聞いておりますが、それ以外の施設についてはどうなっているのか、最近の事業者の進出状況、これについてもお伺いをしたいと思います。

○津島開発部長 最近の状況でございますけれども、まず観光スポットともなっております台場地区におきましては、昨年十一月に、デックス東京ビーチ第二期工事のアイランドモールが完成いたしました。翌十二月には、シーリアお台場一番街に都市基盤整備公団の超高層住宅が完成し、これにより台場地区の住宅整備が終了いたしました。この際の応募の平均倍率は十一・二倍、最高倍率は三百三十倍であり、その人気の高さがうかがわれました。
 また先月には、日商岩井株式会社の本社ビルでありますトレードピアお台場が完成しまして、ビジネス街としての機能が強化されました。それから、有明南地区におきましては、昨年十二月、世界的な通信会社であります英国のケーブル・アンド・ワイヤレスIDC株式会社のデータセンターが、有明パークビルの全館に入居するということが決定いたしました。
 また本日、きょうでございますけれども、松下電器産業株式会社が、有明南地区の新たな総合情報発信拠点となる松下センターの工事に、来年秋のオープンを目指して着手したところでございます。
 こういったことにより、グローバルITエリアに向けて、着実に企業の進出が進んでございます。

○藤井委員 経済停滞で厳しいこの状況の中で、今答弁にありましたように、臨海においては事業者の進出が着々と進んでいるということだと思います。日商岩井、あるいは松下電器、こういった大手もどんどん進出して、これからも進出がされれば、さらににぎわいが期待をされるというふうに思うわけです。
 次に、臨海副都心のまちが今後とも発展していくためには、何といっても交通基盤のアクセスの整備がかぎだというふうに思います。
 ご承知のとおり、臨海副都心は都心から六キロメートルという近いところにありまして、羽田空港と成田空港を結ぶ線上に位置しているわけであります。将来的に、この交通網を整備することによって、都心からでも、あるいは羽田空港からでもアクセスできる便利なまちになることが期待されているわけでございますが、さらに東京港がありますので、陸・海・空の交通の結節点ともなっているわけでして、今後、羽田空港の国際化に伴って、世界じゅうから人、物、情報、こういったものが集まる拠点として、大きく発展する可能性があるというふうに私は考えるところでございます。
 そこで伺いますけれども、公共交通基盤をめぐる最近の動きについて伺いたいと思います。

○津島開発部長 まず、「ゆりかもめ」でございますけれども、この「ゆりかもめ」の新しい新橋駅が今月二十二日に開業いたします。この新駅は、JR新橋駅に約百二十メートル近くなりまして、JR線などとの乗り継ぎが一層便利になります。運転間隔につきましては、ラッシュ時、これまで三分三十秒でございましたが、さらに三分に短縮されるとともに、運行本数も平日で二十六本、土曜、休日で三十本増強される予定になっております。
 また今月末には、りんかい線の東京テレポート駅から天王洲アイル駅間が開業する予定でございます。これによりまして、天王洲地域と臨海副都心とが直結するとともに、東京モノレールの天王洲アイル駅を経由して、羽田空港と臨海副都心、さらには千葉方面との連絡が大いに便利になる予定でございます。
 天王洲アイル駅からさらに大崎駅までの延伸についてでございますが、これは平成十四年十二月の開業を目指して鋭意工事を進めております。この開業によりまして、乗りかえなしで新宿から二十分台でアクセスできるようになり、利便性は飛躍的に高まるものと考えております。

○藤井委員 将来、ぜひとも羽田空港からも、都心からも、十分ぐらいでこの臨海につなげられるような、そういうまちになることが早く来ることを期待したいと思いますけれども、先ほど申しましたように、臨海副都心は、この地域の中の都市基盤の約八割が計画が進ちょくしているという状況の中で、さらに今後は都心と結ぶ交通基盤の整備に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、このインフラ整備とともに、まちが発展する上で重要な課題として、事業者の誘致があると思います。港湾局は昨年、事業者誘致促進策を決定いたしまして、取り組んでいるというふうに聞いておりますが、どういう内容なのか、お示しいただきたいと思います。

○津島開発部長 昨年九月、東京ベイエリア21の中間のまとめで、土地売却方式を民間事業者へ拡大する方針を明らかにしたほか、昨年十一月に港湾局長を本部長といたします事業者誘致促進本部を発足させ、土地処分促進に向けた新たな施策の検討を進めてまいりました。その主なものでございますが、まず第一に、常時公募の実施でございます。これは企業の選択肢を拡大し、進出のタイミングに即応するために、十区画を一斉に公募対象といたしまして、いつでも応募を受け付けるものでございます。
 第二に、共同溝の開放でございます。IT産業を初めとする民間企業の強い要望を受けまして、本年四月から共同溝を電気通信事業者に開放するものでございまして、これにより今後IT産業や研究機関の集積を図りまして、臨海副都心をグローバルITエリアとすることを目指しております。
 第三に、仲介成功報酬制度を新設いたしました。これは不動産の仲介事業者のあっせんを受け、土地処分契約が成立した場合には成功報酬を支払うという制度でございまして、不動産専門事業者の高度な情報力を活用して誘致促進を図るという目的を持っております。
 その他、インターネット等を活用した効果的なPRなど、積極的に企業誘致に取り組んでいるところでございます。

○藤井委員 ただいまご説明にありましたように、臨海に対する誘致促進に向けた取り組みが意欲的に行われているということでございますが、じゃ、具体的にどのように効果があられているのか、その点についてお伺いいたします。

○津島開発部長 現在、長期貸付で十区画、暫定利用で三区画におきまして、常時公募を実施しておりますけれども、進出を検討する事業者あるいは仲介事業者からさまざまな引き合いが寄せられております。とりわけ、暫定利用につきましては、三区画すべてに応募がございまして、これから所定の手続を経まして、近々事業者を決定する予定でございます。
 また、平成十年に第二次公募におきまして事業者として決定していた株式会社テーオーシー、これとはまだ予約契約を締結しておりませんでしたけれども、これも本日、十九日でございますが、有明南のLM第二区画の予約契約を締結したところでございます。依然として厳しい経済環境の中で契約を締結できたことは、臨海副都心の将来性が高く評価されたあかしではないかというふうに考えるとともに、土地売却の方針など、一連の誘致促進策が大きな誘因になったのではないかと考えております。

○藤井委員 一部の党が、この臨海に応募が全くないなどという批判をしておりましたけれども、ただいまのお答えにありましたように、いろいろな引き合いが来ているということで、前途に明るさがあるというふうに思います。
 これまで臨海副都心開発については、その正確な姿と、最近の開発状況、こういったものを伺ってまいりました。まだまだ景気の低迷の中で事業をめぐる経済環境というのは大変厳しいものがありますが、そうした中にあっても、開発を着実に進めるための前向きな取り組みを要望しておきたいと思います。
 最後に、この臨海副都心開発に対します今後の都としての取り組み方針、そしてまたその決意を局長にお伺いして、終わりたいと思います。

○齋藤港湾局長 臨海副都心開発は、あすの東京の活力を担い、都民生活を支える新しいまちを創造する極めて重要な事業であります。また、東京再生にも大きく寄与するものと考えております。
 お話にもありましたように、長引く景気低迷など、今日の経済環境は依然厳しいものがございます。しかし、そうした状況にあるからこそ、この事業の重要性が高まっているのではないかというふうに思っております。いろいろご答弁の中で申し上げましたように、こういう厳しい環境の中でも、いろいろ新しい動きがございます。これまでさまざまな努力と工夫によりまして、事業者誘致や交通基盤整備に取り組んできたことにより、開発は確かな足取りで前進をしていると思っております。
 今後とも、三会計等を初め、土地処分の一層の促進など、収支改善に向けた改革に積極的に取り組みながら、現行計画の基本的方向を踏まえて開発を着実に推進していく決意でございます。

○林委員 私は、報告事項の東京ベイエリア21について、事業者サイドの港湾局の皆さんに質問する中身じゃないかもしれませんけれども、いろいろと聞かせていただきたいと思います。
 私どもは東京湾を全体で見るべきだという考えにいつも立っているんですけれども、現在も豊洲・晴海の水際線だとか、有明北の埋め立ても進んでいますね。これから先、日の出のふ頭なども埋め立てるというふうに伺っておりますけれども、埋立事業の現況といいますか、実態が今どうなっているか、まずお聞かせください。

○小池港湾整備部長 東京港内におきます埋め立ての現況でございますけれども、中央防波堤外側につきまして、昭和四十九年度より事業に着手してございますが、廃棄物の最終処分場といたしまして現在も一部埋め立て中でございます。また、新海面処分場の事業を進めてございますが、これにつきましては、七ブロックに分けて段階的に整備することとしており、平成八年度より事業に着手し、現在A、B、Cブロックが完成もしくは概成し、A、Bブロックで廃棄物を処分してございます。
 豊洲・晴海及び有明北地区につきましては、それぞれ平成十一年度、十二年度より事業に着手してございます。
 また、ご質問の中にもございました日の出ふ頭の埋め立てについてでございますが、前面水域約七・三ヘクタールを埋め立てまして、既存のふ頭地域とあわせて再開発し、にぎわいのある港湾空間の創出や震災時の人や物資の輸送基地としての利用を計画してございますが、現在の厳しい財政状況等から事業実施を見送っております。

○林委員 僕自身、基本的には埋め立ての時代は終わったというふうに思っておりまして、漁師の人が山へ登って植林をしているような時代でありますから、東京湾全体あるいは地球全体がどういう時代を迎えているかというような考え方も、一方で必要だというふうに思うんですね。
 港湾局として、今後埋め立てを全くやめるということは当然ないだろうと思いますけれども、そういう事業に対してどういうポリシーといいますか、配慮をしながらやっているのか、その辺をちょっと伺わせていただきたいんです。

○小池港湾整備部長 東京港内におきます海面埋め立てについての基本的な考え方がございますので、それについてまずお答えしたいと思います。
 東京臨海地域の開発につきましては、これまで東京が抱える大都市問題の解決の一翼を担うことを開発目的の柱の一つとしてまいっております。例えば、廃棄物の最終処分場の確保や清掃工場、下水処理場などの供給処理施設用地の確保、また市街地再開発と連携しました構外工事の受け入れ、さらには自然回復や新しいまちづくりのための用地の確保など、それぞれ時代の要請に応じまして、どうしても必要な埋め立てについてこれまで行ってきているものでございます。
 また、先ほど申し上げました新海面処分場のような最終処分場につきましては、都内に残された最後の処分場として、できる限り長期にわたって利用できるよう、廃棄物の減容化、減量化の徹底や、深掘り工法による処分容量の拡大など、できる限りの延命化に努めているところでございます。
 また、ご質問にございました、どのような埋め立てに当たっての配慮かということについてでございますけれども、基本的には、できるだけ自然環境への配慮をして事業を実施するということで進めてございます。例えば、東京臨海地域におきましては、これまでも都民にとって潤いと憩いの場となります海上公園を、陸域と水域を合わせまして約一千六十三ヘクタール計画し、整備を進めております。
 また、生物環境に配慮した緩傾斜護岸等の整備や、延長約七キロメートルにわたる羽田沖浅場の造成、堆積汚泥の除去による海気浄化など、さまざまな形で自然環境の保全回復に配慮してまいりました。
 今後とも、東京臨海地域の再編整備を進めるに当たりましては、緑地の確保等に努めますとともに、水生生物の生息に配慮した護岸の整備や運河沿いの緑化を進めるなど、自然環境の保全回復や親水空間の確保に一層努めてまいりたいと考えております。

○林委員 でも、努めていただいても、すべて人工的である点は否めないですね、人工であるというところは。
 それは別にしまして、この報告書の中では、中央防波堤の内側、外側の土地利用について、今お話にあった海上公園だとか、あるいは環境関連産業、高機能複合物流空間などに利用するというふうになっております。かねがね私は、馬や小動物と触れ合えるような公園づくりを提唱しているといいますか、お願いしているわけですし、また獣医師会などもここ数年来、ふれあい牧場といいますか、そういう公園をつくってほしいという要望が毎年寄せられています。特に中央防波堤の内側、外側の土地利用として、今のお話、概略でイメージがわかないかもしれませんけれども、そういう動物と触れ合えるような公園は、土地利用として合致しているのかどうか、お答えいただけたらと思います。

○津島開発部長 先生お話しの、東京ベイエリア21では、中央防波堤内側及び外側埋立地において、そのスケールメリットを生かして、既成の市街地では確保しがたい大規模な海上公園を整備するという形で提案してございます。
 それからまた、東京構想二〇〇〇におきましては、中央防波堤内側の大規模海浜公園が、東京の水と緑の骨格軸形成のための重点対象公園に位置づけられております。こういったことから、ご提案の、馬や小動物と触れ合える公園については、今後予定されておりますこの海浜公園の調査の中で研究してまいりたいと考えております。

○林委員 今、諫早湾がかなり話題になっておりますけれども、東京湾にも干潟だとか、浅場が数多くあるわけです。そういうのを残してほしいという気持ちから申し上げるわけです。三番瀬も今かなり問題になって、七分の一か何かに縮小したというふうに聞いていますし、人工の干潟としては葛西沖の三枚洲などがありますが、この干潟に対して、港湾局としての見解はどういう考えを持っているか。

○津島開発部長 三枚洲は、東京臨海地域に残された、先生ご指摘のとおり大きな干潟でございまして、水鳥の中継地として重要であるとともに、水生生物の生息環境としても貴重な自然であるというぐあいに認識しております。
 東京都ではこの干潟の保全に早くから取り組みまして、平成元年には、三枚洲を含む葛西海浜公園を開設いたしまして、公園内に人の立ち入りを禁止した保護区域を設けるなど、自然の保全に努めてまいりました。今後とも、この干潟の重要性を認識しまして、その保全に努力していきたいと思います。

○林委員 今お話しした、三枚洲はもとより、三番瀬とか、千葉県の富津洲というんですか、そういうのもありますし、干潟の浄化作用とか、渡り鳥が利用するというような立場からすれば、やはり東京湾全域でぜひ見ていただきたいと冒頭申し上げたことでありますし、また、埋め立てるのは、計画を立てるのは、関係している自治体自体が計画して、それに対して運輸省なり環境省が関与するような仕組みになっておりますけれども、僕はこの埋め立てを少し勉強させていただくようになって不思議に思ったのは、先ほど申し上げた豊洲と有明とで同時に埋め立てをやっていますね、合わせれば五十ヘクタール以上になるだろうと思うんです。けれども、許可なり認可は別々。この前お話聞いたら、島単位で計画を上げて出すというふうに聞いていまして、先ほど来いっている全体的な視野から見れば、微妙な形で生態系が変わる。諫早湾もそうだと思うんですけれども、そういうことをぜひ頭に入れて、できたら最低五年ぐらいのスパンで埋立計画を立てるような、環境影響調査もそういうのを全部見通した形で事業を進めていただきたいなと思っているところなんです。
 千葉県にしろ、神奈川県にしろ、独自に行っておりますから、東京湾の自然環境を守る、保全するという視点で、ぜひ連携を強めていただきたいということをお願いして、終わります。

○西田委員 それでは、私も臨海副都心開発について伺いたいと思います。
 先ほど、臨海会計が破綻しているなんていうのは、理解していないだとか、違うとか、にぎわっているのに何だとか、いろいろいわれる方いらっしゃいました。
 私、実は、一九八九年からこの問題にずっと取り組んでまいりました。今日までこの臨海副都心開発問題で、議会の中で、大きな財政の負担がどうなるのかというのが一番大きい問題だったと思うんですけれども、大変な議論をしてまいりました。今、三千六百何十万人にぎわっているからというお話もありましたけれども、にぎわっていることは悪いことではありません、私たちもにぎわいのあるまちをつくるべきだといってきたわけですから。しかし、そうだからといって、都の財政状況が、あるいはこの臨海副都心開発事業会計がちゃんと回っているという状況でないということは、今度の三会計の統合、これを見れば明らかですよね。
 もともと東京都が、この臨海副都心開発地域、当初は四十ヘクタールが四百四十八ヘクタールになった。これは金丸元副総理、こういう人がやってきて、たちまち十倍に膨れ上がった。歴史的経過を見れば、そういう事態になっているわけですが、この土地の中に東京都が基盤整備をして、そして企業を呼び込んできて、その権利金や地代でかかった経費を回収するんだ、だから、都民には迷惑をかけないんだ、こういうことで、この開発が始められたんです。三十年間で七兆円の権利金、地代収入がある、それを基礎にして、基盤整備の計画が立てられてきたわけです。
 そういうことに対して、二十一世紀になったらすばらしい未来型の都市ができるんだ、こういうふうに主張して支持をしてこられた方々も、もちろんいらっしゃいます。しかし、そこに今でき上がっているまちのコンセプトを見れば、当初のバラ色に描かれたすばらしいインテリジェントビル群の臨海副都心開発という、そういうコンセプトは、本当に崩れつつあるではありませんか。
 そういう中で、今日までいろいろ経過がありましたけれども、結局のところ、お金を貸した大銀行と仕事をした大手のゼネコンが、この臨海副都心開発で大いに利益を上げたということは、これまでもるる、何回も何回も質疑をしてきたところであります。中小企業への発注もほんのわずか。大手のゼネコンは、資料を示して私も質問いたしましたけれども、この臨海副都心開発での共同溝の工事では三割、四割の利益率を上げられるんだ、こういって、その企業内で臨海副都心の共同溝の工事が一番にランクされる、そういう実例もあったわけです。
 大手のゼネコンの社員が派遣された臨海副都心開発建設株式会社で、その設計、見積もり、そして発注、監督、それぞれその企業がやっている、こういう事実も明らかにしてまいりました。世界都市博覧会を設定すればとにかく一気に開発が進められるといって、これを起爆剤に臨海副都心開発を進めるんだ、こういう位置づけも行われました。ですから、当然、そこには矛盾が出ます。
 平成三年の一定では、とにかく臨海副都心開発事業会計そのものが否決される、こういう事態になって、凍結をされるということも起こりました。大した見直しもしないでその後凍結解除が行われたわけですけれども、その後の長期収支試算による収支の試算でも、六十年たってもとにかく収支均衡なんかしないという、そういう私独自の試算をして、そして質問をしたこともありました。
 都議選の前でしたけれども、当選して戻ってきてみたら、その新土地利用方式はやめになって、通常の貸付方式に変えられるということになって、それまで権利金を支払った進出企業に権利金を返還する、こういうことも行われてきたんですね。
 そういう中で、マスコミもこの問題を大いに、一体何なんだと取り上げました。そういう中で都民の関心も高まり、その象徴として、世界都市博覧会中止すべきだ、こういう世論が高まってきて、あの青島都知事の当選になって、その後の世界都市博覧会中止という事態にも至ったというのが今日の経過であります。
 そして、その後の見直し懇談会でさんざん議論が行われました。詳しいことは申し上げませんけれども、A案、B案、こういうふうに出されたけれども、基本的に、それまでの計画を何ら変えるものではなくて、むしろこれまでの計画をそのままにしたまま、そのスケジュールを先送りする、あるいは一般財源に振り向ける、こういうような見直しが行われて、これが今日のまちづくり計画として進められているものになっていると思うんです。
 ですから、この問題については、うまくとんとん進んでいっているどころか、ますます矛盾が深まっていて、ですから、石原知事もかつて本会議で、私が当選してきたときには船出をしていたんだと、こういって答弁せざるを得なかったわけであります。しかし、石原知事はみずからの手で、自然を破壊する、そして埋め立てをどんどん進めていけばヒートアイランド問題なども起こってくる、こういわれる環境問題に関心が高まっている中で、改めて有明北の埋め立てを推進する。その他、ベイエリア21で描き出された臨海の開発に大きくこれを広げていく、こういう状況になっているわけであります。
 私は、このような計画が、今の都財政の大変な事態の中で、一体この臨海の開発が本当に東京再生の起爆剤になるんだろうか、大きな疑問を持っているわけであります。
 そういう立場に立って幾つか、ベイエリア21の大きな話ではなく、具体的に議案にも沿いながら質問を進めてまいりたいと思いますけれども、そういう立場であるということをまず明確に申し上げておきたいと思います。
 そこでまず、第三セクターの問題について質問をしたいと思うんです。今度の議案として出されております東京都海上公園条例を改正する、この問題についてなんですけれども、資料でも先ほど説明がありました。シンボルプロムナードのA棟、B棟の駐車場について改定をするというものです。今回の施設使用料の改定によりまして、従来の駐車場の運営方法がどのように変更になるのか、そして、そのことによって東京都の収入がどのように変わっていくのか、この点をまず伺いたいと思います。

○津島開発部長 駐車場の運営方式を現在の管理委託から管理許可に変えるということが、この条例の中身でございます。
 管理委託と申しますのは、東京都海上公園条例の規定に基づきまして、この駐車場の管理運営を管理受託者に委託するというものでございます。具体的な方式は、条例、規則で定められました額で収納されました駐車場の使用料、これは直接東京都の歳入として、収入として入ります。また、駐車場の維持管理費はやはり委託料として東京都から管理受託者に支出される、こういう方式をとっております。
 これに対しまして、新たに変更される管理許可でございますが、これは東京都海上公園条例に基づきまして、東京都が設置した施設の管理を東京都以外の者に許可するという形をとります。この方式は、駐車場の利用料の額は、許可を受けた者が決定し、利用料収入もみずからの収入となる。そのかわり、維持管理費もみずからの負担で出す、こういう形になりまして、東京都に対しては定額の施設使用料が支払われる、こういう方式でございます。
 この方式に変更することによりまして、従来の管理委託方式による平成十二年度予算の収支見込みでございますけれども、年間の駐車場収入は約一億七千万、これに対して委託料が一億一千二百万、収支差として五千八百万円が都の収入とこれまでなってございました。これが今回の管理許可に変更することによりまして、平成十三年度の施設使用料としては年額六千七百万円が収入されることになるということで、差し引き九百万円の東京都にとって収入増となるという見込みでございます。

○西田委員 今、受託事業者というふうにいわれましたけれども、どこからどこに、受託事業者は変更になりますか、なりませんか。

○津島開発部長 これまでは受託事業者、株式会社東京テレポートセンターでございますが、これが管理許可という方式に変わるということで、いわゆる受託を受ける客体は変わっておりません。

○西田委員 変わっていないと今おっしゃったのは、受ける事業者は変わっていないということですか。

○津島開発部長 そういうことです。

○西田委員 埠頭公社がこれまでやっていたんじゃないんですか。

○津島開発部長 この対象となる駐車場につきましては、東京テレポートセンターが、いわゆる管理委託という方式でやっておりまして、それを今度は管理許可という方式に切りかえるというだけでございます。

○西田委員 そうしますと、とにかく六千七百万円というお金が定額でちゃんと東京都の方へ入ってくる。今まではそれより少ないときも多いときもあったけれども、定額で入ってくるから安定した収入が東京都としては得られる、こういう話になるわけですね。しかし、今度は、東京テレポートが駐車場代を幾らにするかというのも、自分の裁量でどんどん決められるわけですね。条例の縛りがないわけですから、どんどん決められていく。だから、それによって大きく利益を上げることができるということも可能になるわけですね。
 そういう点でいえば、東京テレポートに対するいろんな支援がこれまで行われてまいりましたけれども、これも支援の一つになるんじゃないか、このように思っているわけです。その点についてはどのようにお考えでしょうか。

○津島開発部長 この管理委託という方式から管理許可という形に変えることによりまして、事業者でございます東京テレポートセンターの効率的な事業運営、それからさまざまな工夫した経営ノウハウ、こういったものを活用することができます。それからまた、やはり民間事業者の弾力的な事業実施によって、都民サービスについても向上するということが期待されます。
 今、駐車場につきましては、臨海副都心で、「ゆりかもめ」、それから臨海高速線、いろいろ公共交通機関が整備される過程の中で、駐車場運営というのも今後非常に工夫が求められる事業でございますので、こういった工夫を民間の視点からどんどんやっていただいて、そして都には安定した収入を納めていただく、こういう趣旨でございまして、決して経営支援という考え方ではございません。

○西田委員 そこでちょっとお聞きいたしますけれども、臨時駐車場というのがありますね、いろいろあるんですが。あの臨時駐車場も東京テレポートが貸していると思うんですけれども、これは東京都にお金がそのまま入ってくるということになっているんですか、やっぱり委託方式でやっているんですか。

○津島開発部長 既に臨時駐車場につきましても、管理許可ということで経営努力を求めた委託の仕方をしております。

○西田委員 それについて、実績わかりますか。

○津島開発部長 先ほどの答弁、管理許可と申し上げました。失礼しました。訂正いたします。貸付方式という形で、土地を貸し付ける形でやっておりまして、その貸し付けの金額が、平成十一年度決算ベースで十三億でございます。

○西田委員 テレポートの収入。

○渡辺総務部長 TTCの臨時駐車場につきましては、TTCが東京都から土地を、一時使用でございますけれども借り受けて、そこで臨時の駐車場事業を営むという形になってございます。それで、その収入につきましては、先ほどの答弁の収入がTTCの方に入っている。一方、所定の土地の貸付料の場合には土地の貸付料の基準がありますので、その基準に従って東京都は地代を収受しているという形になってございます。
 具体的な数字は、幾ら地代収入が入っているかというのは、大変恐縮でございますが、今この場では持ち合わせておりません。

○西田委員 それではまた後で教えてください。
 もう一つ、明確に、これはもともと、何だ東京テレポートの支援じゃないかと問題になった、疑問に思われていた問題に、夢の島マリーナの管理の問題があるんですね。夢の島マリーナの決算では、余剰金は幾ら出ているでしょうか。

○高橋港営部長 東京テレポートセンターに事業をお願いしております夢の島マリーナの事業管理でございますが、会社の有価証券報告書によりますと、マリーナ事業、これは報告書の中では施設管理事業というふうに位置づけられておりますが、移管が十年四月でございますから、今、決算の中では、十年と十一年、両年度の数字が出ております。平成十年度の収入は五億七千万、平成十一年度の収入は五億九千万、支出は、それぞれ二億五千三百万、二億六千百万でございます。
 マリーナ事業の支出には、このほかに各事業にまたがる共通経費としての販売費及び一般管理費がございます。これらの支出につきましては、マリーナ事業を含めまして、テレポートセンター、会社全体事業の中に位置づけられております。したがいまして、マリーナ事業の実質的な収支差額というのは、この有価証券報告書の収支差額よりは少なくなっております。

○西田委員 これよりは少なくなっているということなんですけれども、十年度も十一年度も、三億円を超える収益というか、差益、収支の差額が出ているということですね。これまでの三年間に十億円ぐらい入っているということになるわけですが、このテレポートは利用者からさまざまな要望が出ていたにもかかわらず、あまりちゃんとやってこなかったということではないかと思うんです。その点について、どのように認識しておられるのでしょうか。

○高橋港営部長 夢の島マリーナは、平成四年に開設して以来、都民の海洋スポーツ振興、レクリエーション活動の拠点として役割を担ってきたわけでございます。しかし、条例に基づく公の施設としての管理方式では、利用者の方からのいろいろな改善要望あるいは利用者ニーズに的確にこたえることがなかなか容易ではなかった、こういう状況にございました。また、近隣の大規模マリーナ、特に横浜ベイサイドマリーナなどのオープンによりまして、かなり利用率も低下してきた経過を追っております。
 そこで、公共性を確保しながら利用者サービスの向上等、利用率の向上を図るため、柔軟で弾力性のある運営ができるよう、平成十年四月から、夢の島マリーナの運営を東京テレポートセンターにしたものでございます。移管後は、係留料金の引き下げ、あるいは料金の細分化、年末年始の営業、マリーナカードシステムの導入による二十四時間利用の実現等々の諸施策を実施してまいっております。
 このように、移管されたことによりまして、利用者ニーズに弾力的かつ柔軟に対応できる体制が構築されまして、利用者へのサービス向上が図られているというふうに考えております。

○西田委員 今、移管という言葉が出まして、実は私がいうのを忘れちゃったということなんですが、もともと、これは港営部長さんがお答えになっていらっしゃいますから、臨海副都心とは関係のない地域なんですね。これこそ埠頭公社が管理をしておられたというふうに思うんですが、これを東京テレポートに移管したときに、それこそ今さっき駐車場でいわれたように、土地の賃貸料とか使用料、そういうものが取られたのでしょうか。
 それから、今サービス向上してきたというふうにいわれましたけれども、さまざまな利用者の方々から相当な要望が出ていることは事実だと思うんです。それらについて、今後どのように対応していかれようとしているのか、お伺いしたいと思います。

○高橋港営部長 まず、会社に移管する経緯でございますが、財産等の話だと思います。このマリーナは、先ほど申し上げましたように、都民が水に親しむスポーツ・レクリエーション活動を振興するために整備されたものでございます。したがいまして、都の重要なスポーツ・レクリエーション活動施策の一つでございますマリーナの運営は高い公共性を有する、こういう性格を持っております。
 また、経営に当たりましては、公共性を保ちながら、自主的、自立的な運営を行い、常に利用者サービス向上に努めなければならない。このためには施設の改修あるいは修繕等につきましても、弾力的、機動的に実施する必要があり、常に施設を最高の状態に保つ必要があるということがございます。
 したがいまして、施設の改修等は貸付団体が実施することが適当であり、この場合、施設が海上等にあるため、塩害による傷みが早く、改修等に多額の経費を要するということもございまして、貸付料を無償にして経営に資すと、こういうような経過を追っております。
 いま一つ、利用者に対するいろいろの動きでございますが、この夢の島マリーナでは、マリーナの利用者の代表の方あるいは管理者である会社などから構成されております運営協議会というのがございまして、この協議会の中で、マリーナの振興あるいは活性化、その他使いやすいマリーナにしていこうという検討、協議が随時行われております。この協議会の場におきまして、利用者の方々から種々のご要望をいただいておりまして、会社としてもでき得る限りの利用者サービスに努めてきたところでございます。
 しかしながら、利用者の方々の要望、いろいろ強い、大きな要望もございます。こういった要望をすべて満足させるということはなかなか困難な状況にございまして、利用者の方から若干の要望等が出されていることは承知をしております。最近も、いろいろそういうご意見がございましたが、会社の方からは利用者の代表の方々に対しまして、この協議会の場を通じまして、今後も、例えば、大規模修繕を計画的に行うとか、あるいはヨット経験の豊富なハーバーマスターを採用するとか、こういったさらなる改善策を示したところでございまして、現在その内容につきましては利用者の方々にご理解をいただいている、このように聞いております。

○西田委員 理由は今述べられたわけですけれども、とにかく埠頭公社が管理していたものを、今度は無償で東京テレポートに移管したということなんですね。そして、毎年大体収支の差額が三億円ぐらいずつあった。それにもかかわらず、この利用者協議会の方々から相当大きな、激しい要求が出されていたというふうに思うんですね。それは大規模修繕をやるということで話し合いがついたというお話のようなんです。この大規模修繕はどれくらいの規模で、何年間ぐらいかけて、何年度からこれを実施する予定なんでしょうか。

○高橋港営部長 先ほども申し上げましたが、夢の島マリーナは、施設が海上等にあるため塩害による傷みが激しいこと、それから、平成四年オープン以来十年近く経過をしているということで、経年劣化が非常に大きく、大規模な修繕等が不可欠でございます。会社の方ではこういった施設の劣化状況の調査をしておりまして、修繕計画の策定作業を行ってまいりました。平成十三年度、来年度からこの計画に基づきまして、大規模修繕を行うこととしております。その内容でございますが、今後五年間で約十億円をかけるというふうに聞いております。

○西田委員 十三年度から五年間で十億円かけて改修をするというお話なんですけれども、これから五年間で利用料収入というのは、十五億円ぐらい収支差で上がってくるんじゃないかと思うんです。もちろん一般管理費、全部込み込みの分の管理費はあるんだというのは当然なんですけれども、それにしたって、十五億円ぐらいはある。それから、これまで三年間、そういう意味では、あまりちゃんとお金を使ってこなかった。幾ら収支差があるかという、表に出てこないわけですから。とにかく有価証券報告書で見る限りでは三億円ずつぐらい運用されていったはずなんですね。それが九億円から十億円近いお金になっているということですね。
 もちろん、今後将来、どういう修繕、あるいは大規模改修が要るかわかりませんから、それはそれで積み立てていくということはあると思うんですけれども、五年間で十億円の工事費というのは、十分にこれからの収入で順次賄っていけるんじゃないかなと思うんです。どこかに有価証券報告書で、ちゃんと積み立てなり何なりしているというふうにあらわれているでしょうか。

○高橋港営部長 有価証券報告書上では、そういった内部留保といいますか、そういう経費の積み上げというものは記載されておりません。

○西田委員 結局これも、いろいろおっしゃいましたけれども、最初にテレポートに移管されるといわれたときから、ちまたでは、とにかくこれも三セク支援だというふうにいわれまして、結果としてそういうことになっているといわざるを得ないというふうに思います。
 それから、第三セクターの問題でさらにお聞きしたいわけであります。こうしてわずかな金額かもしれないけれども、いろいろ三セク支援を行っている。これまでも随分と支援が行われてきました。考えてみますと、後で聞こうと思ったんですが、今度、松下電器産業とか、テーオーシーとか、契約があったとか、進出したとかいわれますけれども、青海と有明というのは、民間企業が進出されるのは初めてなんですね。まさに第三セクターか、あるいは国の大学村ですか、そういうものが出ていて、私はかつて、三セクタウンだというふうにいったことがあります。
 テレコムセンターにしても、国際展示場にしても、それは基幹施設だということで東京都がつくっていくということがありましたけれども、本当にあの第三セクターがこけちゃったら、臨海副都心開発そのものがこけちゃう。そういうことだから、いろいろ支援していると思うんです。
 そこで、これまで臨海三セクに対して支出をした出資だとか、地代の減額だとか、あるいは都施設の入居による賃料の支払いなど、どのぐらいの金額に上るでしょうか。

○渡辺総務部長 臨海三セクにつきましては、臨海地区の開発を担い、また先導役を果たすということで大変重要な役割を果たしております。
 そこで、平成十一年度までに東京都が臨海三セク三社に対して支出した出資金、補助金、貸付金の合計でございますが、約四百一億円でございます。これに平成十二年度予算額、十三年度の予算提案額を合算いたしますと、約四百二十一億円となります。
 また、平成十一年度までの臨海三セクビルに入居している東京都の施設の支払い賃料の合計は、約六十一億円でございます。これは施設を借りているわけでございますので、その施設を借り受けたものの対価として支払っているということでございますので、会社への経営支援とは性格が異なるものと考えております。
 また、平成十一年度までの地代の減免額の合計は、約四十一億円となっております。
 一方で、臨海三セクの方から東京都に対して地代、権利金、都税が支払われておりますが、これらの平成十一年度までの合計額は約九百六十七億円でございます。臨海三セクへの支援額と申しますか、支出額、必ずしも先ほどの都施設の支払い賃料につきましては、支援ではありませんが、地代の減免額も含めた合計額は五百三億円でございますが、東京都が臨海三セクから受けている今までの収入額というのは九百六十七億円で、約二倍でございます。

○西田委員 わざわざ、お答えを求めていないことまでお答えをいただきました。先ほど来から、都施設の収入というのは、支援じゃなくて、それは賃料なんだとおっしゃっていますけれども、今詳しくはいいませんけれども、これまでも再三再四、明らかにしてまいりました。とにかくこの三セクのビル、テレコムセンターにしても、賃料が予定どおり取れなくて、相当安い賃料で貸しているという事態がずっと続いているじゃないですか。そういう中で、東京都の入居している賃料というのは、ある意味ではちゃんと払っている。そういうことがずっと明らかにされてきたんです。
 青少年センターをいつも取り上げますけれども、飯田橋にあった青少年センターをあそこに何も持っていく必要はないわけで、とにかく支援として入れてきたというのはもう間違いがないわけですよ。空いているままにしたら大変なことになっちゃうわけですから。そういうことで、出たり入ったりいろいろありますけれども、これは明らかに支援だというふうに申し上げておきたいと思います。
 それから、東京都に九百六十七億円入ってくる、当たり前のことじゃないんでしょうか。これ、民間のビルだったら、東京都の支援なんかなくて、こういうお金が入ってくるんじゃないでしょうか。そういう意味でいえば、東京都の第三セクターをあそこにつくって、先導的な役割を果たさせるんだということで、こけたら大変だというので、どんどんどんどん財政支出をして支えてきたというのが現状だ、それが三つの団体だけで五百億円を超えるんだということなんだと思います。
 それで伺うんですけれども、臨海三セクには、債務超過でどうしようもないという、そういう状態になっちゃった三セクに、統合することも、債務超過になっちゃっているからできないということで、東京テレポートが、竹芝と臨海副都心建設株式会社、サブリース契約を結ぶということで、そこにも支援を入れなきゃどうにもならなかったわけですね。東京都が二百七十億円、十年間で支援するということになったわけですけれども、資料を見ますと、相変わらず累積損益というのはふえ続けているんですね。経営の状況というのは一体今どうなっているんでしょうか。

○渡辺総務部長 臨海三セクの経営状況でございますけれども、経営安定化策で示しましたが、平成十年度には償却前の黒字を達成するということでございましたが、これは平成十年度の経営状況においては達成をしております。また、平成十一年度に至りましては、営業収益、損益の段階で、三社合計すれば営業損益は黒字になるということで、本業での事業についての収支は黒になるという形で、当初定めました経営安定化策を着実に達成しているという状況でございます。

○西田委員 三社の合計を見ますと、三千八百億円余りの借金もあるわけで、そういう点でいうと、まだまだ大変なんじゃないかと思うんですね。それで、金融機関もそのときに東京都と同等の支援をする、十年間で二百七十億円相当の支援をするんだ、こういう計画でありました。当初適用されている金利を引き下げるんだとか、あるいは変動金利を低利の固定金利に変更するんだとか、上がると想定した金利との差額を支援するということで、全体で〇・七五ぐらい下げる、そういう話だったというふうに思うんですけれども、実際には、都の支援は確実に三年間で百五十何億かやられていると思うんですが、銀行の支援というのは、そういう意味ではどのような実態になっているでしょうか。

○渡辺総務部長 臨海三セクの経営安定化策における金融機関からの協力につきましては、二つの方法がございまして、一つは適用金利を引き下げるということでございまして、変動金利から固定金利への変更等による金利負担を軽減していくということ、第二には、元利の棚上げ、円滑な融資等による資金繰りの支援という方法になっておりまして、これらによりまして、東京都と同程度の支援ということでございます。
 このうち変動金利から固定金利への変更につきましては、経営安定化策策定当時に想定した金利に対する支払い利息と支援後の支払い利息の十年間の差額の合計という考え方でございます。こういうことから、金融機関につきまして、その支援はあくまで十年間の合計で都と同程度の支援を行うということで、その内訳や年度別実績の詳細を明らかにいたしますことは、金融機関との取引関係に支障が生ずるおそれがございますので、差し控えさせていただきたいと存じます。
 なお、性格が異なるものではございますが、決算書で明らかにされております実際の支払い利息額について見てみますと、経営安定化策実施前の平成九年度は、約百二億円、平成十年度は約八十五億円、平成十一年度は約八十億円となっておりまして、平成九年度に比べて、それぞれ約十七億円、二十二億円ほど金利についての実支払い額は減少してございます。
 ただ、これ以外に元利の棚上げ及び円滑な融資等による資金繰りの支援というのがございますので、総合的に評価していくと、十年間で二百七十億円という形のご協力は、今後十年の中で得ていけるものと考えてございます。

○西田委員 いずれにしても、出資者である銀行団と--東京都だけがこれをどうするかと頭を悩ませるというんじゃなくて、やっぱりきちんと責任をとってもらわなきゃいけないというふうに思います。
 金利だけ見ても、年平均二十七億ぐらい減っているという状況が出てもいいわけですけれども、今後もその元利の棚上げとか、どういうふうに進められるのかわかりませんけれども、推移を見たいとは思います。
 しかし、この三セクの問題もどこまでこれから税金がつぎ込まれていくのか、そういう心配もあるわけですし、税金だけではなくて--税金じゃない、臨海会計だっておっしゃるかもしれませんが、やっぱり都民の財源であることは間違いないわけですから、見きわめをつけるということも非常に大事な時期があるんじゃないかというふうに思いますので、その点については、今後またいろいろ注目をしていきたいと思います。
 第三セクターの問題はとりあえず以上ですけれども、臨海副都心開発本体の問題について伺いたいと思います。
 先ほど、土地処分の状況についてお話がございましたけれども、改めて、第二次公募の状況、そしてその後の状況について、これはこれで私の質問ですので、お答えをいただきたいと思います。

○津島開発部長 第二次公募の状況でございますけれども、平成十年二月に有明南LM区画の公募を実施いたしまして、LM第一区画は松下電器産業株式会社が、またLM第二、第三区画につきましては、株式会社テーオーシー、三和銀行株式会社、株式会社森トラストの三社による企業グループが、それぞれ事業者として決定いたしました。
 LM第一区画につきましては、平成十二年三月、この間でございますが、松下電器産業と契約を締結いたしました。
 また、LM第二区画、LM第三区画につきましては、予約契約の締結に向けてこれまで協議を進めてまいりましたが、このうちLM第二区画につきましては、本日、株式会社テーオーシーと予約契約を締結したものでございます。
 それから、昨年七月に台場のH区画と有明南P区画、この公募を実施いたしましたが、両区画とも応募者がなかったため、これを平成十二年の十一月、常時公募に切りかえて現在に至っております。

○西田委員 平成十年の二月といいますと、今から三年前になりますね。松下電器産業がようやく昨年の三月に契約をして、権利金収入も十一年度から入ったということで、決算も行われているわけです。有明の南LM二、三街区、二については、先ほども今もご答弁がありましたけれども、きょう予約契約というのが行われたということです。これも十年の六月に業者の選定が行われて、ようやく三年ほどたって予約契約が行われる。三の方はまだのようですが、この予約契約というのは何ですか。
 二の方も、三の方も、いつまでにちゃんとお金を入れる契約ということになるのか、そういう約束はどうなっているんですか。

○津島開発部長 この予約契約というのは本契約を結ぶ両者の義務を課すもので、予約契約をすることによって予約保証金をちょうだいすることになっておりますので、これを担保にして本契約を締結する義務を課せられるという内容でございます。
 今の予定ですと、平成十四年の十一月、本契約を結ぶということになってございます。

○西田委員 平成十四年の十一月に本契約を結ぶということは、先ほども藤井委員の質問にご答弁がありましたが、売却を導入したことが進出意欲を促したということなんですけれども、平成十四年十一月、臨海高速鉄道が大崎まで延伸されるということを契機に売却をしたい、売ってくれるんならいいよという話なんじゃないかと思うんですけれども、そういうことですか。

○津島開発部長 また売却の時期につきましては、地価の動向等十分勘案しまして、東京都にとって有利な時期に適用したいというふうに考えておりますけれども、企業としては売却を希望している企業もあるし、あるいは経営として賃貸契約を継続したいという企業もございます。いずれにしても、売却も実施するということが選択肢の幅を広げるということで大きな誘因になっているということは確実でございます。

○西田委員 いずれにいたしましても、そこで売却になるのかどうなのかわかりませんが、契約が成立をするはずだということになるわけですね。そうしますと、とにかく今年度も、来年度十三年度も、そういう意味ではお金は入ってこないわけですね。テーオーシーとかいう人たち、有明のLM二、三というところは入ってこないわけですね。その保証金がちょっと入ったよ--ちょっとだかいっぱいだかわかりませんが、入ったよということですよね。
 それは今お聞きしておくとして、台場のH街区なんですけれども、先ほど常時公募に回したというお話がございました。二次公募で手が挙がらなかったということですよね。もともとこの台場のH街区というのは、資生堂という企業が当選をして出るということになったんですね。あのとき、一次公募のときに、この台場のH街区というのは、私の記憶違いかもしれませんが、一番倍率が高かったところじゃないかと思うんです。ところが、いろんな経過があって資生堂が出なくなったというので、今日まで二次公募をやっても手が挙がらないということになっているわけです。
 さっきのご答弁で、常時公募のいろいろ引き合いが来ているということになっているわけですが、どのようなめどというか、本当に成約できるような感触というのはあるんでしょうか、その辺をお聞かせいただけますか。

○津島開発部長 進出事業者との交渉でございますので、いろいろ企業秘密もございまして、詳しいことは申し上げられませんけれども、その台場のHも含めまして、かなり強い進出意欲の企業が具体的に来ておりまして、いろんな条件について交渉しているという状況でございます。
 また、ほかの地区につきましても、さまざまな引き合いは来ておりまして、やはりいろんな条件、これのすり合わせという状況でございます。

○西田委員 港湾局長が本部長になられて、総務部長、技監が副本部長になられて、開発部長が事務局長になられて、これを促進する本部をつくられて、一生懸命促進対策をとっておられるわけですから、そのご努力は大変だなというふうに思いますけれども、とにかく、この話ばっかりは、一次公募の経験から見ても、バブルの崩壊という劇的な変化があったということもあるでしょうけれども、本当に契約してみなければわからないというのが現状じゃありませんか。台場のHに出る予定だった企業は、今度は汐留に出るという情報をお聞きいたしました。
 この臨海副都心の周りには、今東京都が進めている汐留の開発あるいは品川東口の開発、さらに、天王洲はもう開発終わっていると思いますけれども、有楽町の駅前の開発、それに丸の内の開発等々、とにかく橋を渡らないで来れる便利なところにいっぱい開発が進められるという状況の中で、臨海副都心が、羽田に近いとはいいながら、どういう状況になっていくのかというのは本当に予断を許さないというか、大変なんじゃないかと思うんです。
 幾ら契約が進んだといたしましても、五千二百億円の借金、こういうのがあるわけですね。これが減っていかないことにはどうにもならないということで、ゼロより、進む方がもちろん展望が持てるわけですから、期待をするというのはあるでしょうけれども、私は、今のような経済環境の中で、努力は努力としてもなかなか大変な事態があるんじゃないかと思います。とにかく進出企業が出てこなければ、収支という点でいえば大変な事態になるわけですから、こういう点でも、本当に見直していく必要があるんじゃないかと思います。
 そこで三会計が統合されるということが考えられたんだろうと思うんです。いろんな状況から見て、今のままの臨海副都心開発事業会計では、もうもたないことは明らかなんですね。本来ならば、臨海副都心開発事業会計自身が、どういうふうな収支の状況になるのか、これをちゃんと見直して、都民に明らかにして、その上で次の手を打つというふうに考えなければいけない問題だったんじゃないかと思うんですが、東京都は三会計統合ということで今定例会に提案しているわけであります。
 そこで、この会計について、会計統合も含めてお伺いをしたいと思います。
 まず、臨海副都心開発事業会計についてなんですが、もともとこの会計は、埋立事業会計が保有している四百四十ヘクタール余りの土地を借りて、借金で共同溝あるいはシンボルプロムナード、広域幹線道路、こういうものを、冒頭にいいましたように、とにかく建設をして、企業を呼び込んで、その権利金、地代で賄っていく。そのために、その収支が都民には迷惑をかけない、そういうことを明らかにするためにつくられた会計だったんだろうと思います。
 さっきもいいましたけれども、当初は三十年間で七兆円の収入があると見込んで四兆円の基盤整備費、そういうことで進められていきましたけれども、バブルの崩壊によって、三十年間で一兆四千億円しか収入が上がらない。丸めた話ですけれども、そういうことが明らかになっていて、青島都政の時代に見直しを行わざるを得なかったわけです。
 そういう中で今日まで、新しい平成九年のまちづくり計画という形で来ているわけなんです。この収支の試算というのが、これまで何回も何回も行われてまいりました。最初はどんな計画で、一番新しいのはどんな計画に変更したのか、お示しをいただきたいと思います。

○渡辺総務部長 収支試算につきましては、経済情勢の変化等を踏まえて、たびたびと、何度か試算を行ってきたところでございます。平成四年三月の試算では、権利金と地代を合わせまして六兆九千六百億円、これは平成四年度から平成三十三年度までの三十年間の収入でございます。これが直近の平成九年二月の試算におきましては、権利金及び地代を含めまして、同じ三十年間でございますが、一兆四千百九十六億円という形で試算をしてございます。

○西田委員 それによって、収支の均衡する年度はどのように変化していますか。

○渡辺総務部長 平成四年三月の試算におきましては、収支均衡年次は平成二十九年度でございましたが、平成九年二月試算におきましては、平成四十八年度が収支均衡の年次でございます。

○西田委員 二十年近く先へ延びちゃうよという話なんですが、しかし、実際に今この計画がそのとおりに進んでいないということは明らかなんですよね。臨海高速鉄道が二年先へ延びちゃったということで、収支上もいろいろ影響を受けているんじゃないかと思うんですが、いずれにしても、平成四十八年というと、三十六年後という話になりますね。どう考えたって、私は、このこと自体、常識的なことだとはとてもいえないというふうに申し上げておきたいと思います。
 そこで、お伺いしますが、臨海副都心開発事業会計の借金というのは、どこからどれだけ借りているのか、改めてお聞きしたいと思います。

○渡辺総務部長 臨海副都心開発事業会計の借入金でございますが、平成十二年度末で企業債の残高が約五千二百億円、他会計の借入金残高が三千六百億円、合計で約八千八百億円でございます。

○西田委員 これにかかわる支払いの利息というのは幾らになりますでしょうか。

○渡辺総務部長 企業債及び他会計借り入れに係る利払いについてでございますが、平成十二年度予算では、企業債利息が約二百億円、他会計借入金利息が約百億円、合計約三百億円となってございます。
 なお、金利が低下傾向にございますため、この金利負担は年々減少傾向にございます。

○西田委員 いずれにしても、これらの元利償還というのは、臨海副都心に進出する企業の権利金や地代などで行うわけですね。それで、この臨海副都心の、もう売却というところもありますから、それはともかくとして、長期貸付の地代というのは毎年幾らになりますか。

○渡辺総務部長 臨海副都心の土地賃貸料収入についてでございますが、年間で約百億円でございます。

○西田委員 今お話ありましたように、年間の賃料が百億円入るということですけれども、利息は三百億円要るわけですね。毎年毎年三百億円必要だった。そうしますと、二百億円が赤字になっていくという計算になりますね。実際に十一年度の決算でも、この年は大学村や有明南のLM街区に松下電器産業が長期貸付で進出などによって権利金収入が入ったり、あるいは売却のお金も入ったのかもしれませんが、それでも全体の会計の収支を見ると、赤字になっているわけなんですね。
 こういう状況の中で三会計を統合せざるを得なかったんじゃないかと思うんですが、この三会計を統合いたしますと、埋立事業会計、羽田沖埋立事業会計から借りている先ほどの三千六百億円、これは返す必要がなくなるわけですし、それに係る百億円の利息というのも要らなくなるわけですね。
 他会計の借り入れは、統合によって消滅するということになるわけですけれども、もう一つの、さっきお答えいただいた五千二百億円の企業債、これは残っているわけなんですね。この企業債残高、これはいつから減っていくんでしょうか。つまり、返し始めれば減っていくわけですから、いつから返し始めるということになるんでしょうか。

○渡辺総務部長 企業債の返済ということについてでございますが、平成八年度に起債した建設元金債の償還が始まるのが平成十八年度となっておりますので、実質的に残高を減らしていく、すなわち返済を開始すべき年度は、平成十八年だというぐあいに考えております。

○西田委員 平成十八年度から、これまで借りていたお金を順次、毎年毎年返していくということになりますと、資料を見てみますと、十八年度には十二億円で済みますけれども、十九年度には百九億余り、二十年度には三百九十七億、さらに二十一年度には一千億円を超えるお金を返していかなきゃならないという話になってくるわけですね。とても土地賃貸料百億円の収入ではもたないということは明らかだと思うんです。
 私たちは、こうした財政状況のもとで、臨海副都心開発にかかわる新たな投資はとにかくストップして、根本的な見直しをする、これが必要ではないかということを要求してきたわけですけれども、皆さんも、知事も、相変わらず着実にこれを推進していくとしているわけであります。
 そこで、お聞きをしたいんですけれども、先ほど来売却という話がありました。今の収支試算で、平成十二年から売却を入れていく、つまり高速鉄道が通ったら、売却を入れていく、対象面積の四分の一を売却していく、こういうふうになっているわけですね。そういうことに基づいて大学村を売却したとか、いろいろあるんでしょうけれども、これを売却すると、今私が申し上げたような百億円の土地賃貸料というだけの話じゃなくなって、毎年ぼんぼんぼんとお金が入ってくるから、そういう返済の必要が出ても大丈夫なんだよ、こういうふうにお考えなんでしょうか。

○津島開発部長 収支を考える場合には、長期的な収支と短期的なつなぎ資金といいますか、短期的な収支、両面から運営していかなければいけないと思います。当初四分の一を売却して、四分の三は賃貸という考え方を打ち出しておったのは、その両面を兼ね備えた配分という考え方でございました。したがって、売却は、当然のことながら、短期的な収支につきましては、売却の効果というのは大きいと思いますけれども、どの時点で、どういうタイミングで売却するかということは、長期収支をよく考えてやっていかなきゃいかぬ、そういうふうに考えております。

○西田委員 先ほどのLM二街区で十四年の十一月に契約をしたいということになったというのは、恐らく売却ということがあるから、進出をする気になったということなんだと思うんです。都の方はできるだけ高く売りたい、しかし、企業の方はできるだけ安く買いたい、これは常識ですね。
 それで、臨海高速鉄道が通ったら、今の収支試算ですと、十二年から十七年までは二%土地が上昇しますよ、十七年以降は三%上昇しますよ、こういう話になってくるわけですね。そうしますと、テーオーシーにしましても、あるいは台場に集積している進出企業、ここも早く土地を買いたいと思っていると思うんです。そういうところが、三%のときに買うんじゃなくて、二%と想定した時期に買いたいというのは当たり前の話だと思うんです。その際、それでも、いやいやいや、とにかくもっと値上がりして待ってみますというふうにおっしゃれるんでしょうかね、どうですか。

○津島開発部長 企業の立場からのもくろみなり思惑はいろいろあると思いますけれども、私ども東京都としては、臨海高速線が平成十四年の十二月に大崎まで延伸することによって、臨海副都心の地価がそれ相応に評価されるだろうというふうに考えておりまして、この時期を一つの目安として売却というものを考えていきたいというふうに考えております。

○西田委員 この時期をもとにというと、十四年以降、十四、十五、十六あたりというふうになるだろうと思うんですね。台場の今集積している既進出企業が土地を買いたいというふうに思っているということなんですが、すべての企業が土地を買いたいといった場合に、買い上げたとして、一体どれぐらい東京都にお金が入ってくるんでしょうか。

○津島開発部長 今台場に進出している企業、また台場のHはあいているわけでございますけれども、全体の、いわゆる業務系、商業系の面積、これを仮に全部売った場合はどうかというお話だと思います。そうした場合には、仮定の計算でございますけれども、業務、商業系の地区で、総額千五百九十五億円の収入になるわけでございます。ただ、既にいわゆる長期貸付で入っている企業は、先に権利金として七百三十四億円いただいておりますので、今後の収入という面から見ると、全体の千五百九十五億円から、既にちょうだいしている七百三十四億円の権利金を除いた、差し引き八百六十一億円、これが収入になって入ってくるということになると思います。

○西田委員 先ほど元金の償還時を迎えるということで、二十一、二十二年度あたりは一千億を超える、こういうことのお話をいたしましたけれども、意外と少ないわけですね、八百億ちょっとというのは。そこが全部売却になって買ってくれたとしても、この元金があんまり減っていかない。あんまり減っていかないどころか、元金償還に足りないんじゃないんですか。やりくりつかないんじゃないかと思うんですが、どうですか。

○津島開発部長 ただいまの仮定の話ということで、台場の全部売った場合千五百九十五億円ということで、試算した根拠としての平均の地価でございますけれども、台場の場合百九万円という数字を、仮定ということで載せております。台場地区につきましては、水辺環境を最大に生かすという趣旨から容積率を比較的抑えた商業系の建物が多いということから、その金額でございますが、これに青海なり有明地区全部を入れますと、今私どもが臨海副都心全体の土地価格の平均としては、一平方メートル当たり百十四万円としております。これに現在既処分されております部分と、それから今後処分を予定しております有床面積、これは百三十九ヘクタールございますけれども、これで計算いたしますと--三会計統合させていただくということになりますと、収支上は均衡するというふうに考えております。

○西田委員 とにかくそれは本当に仮定の話で、全部売れた場合ということですね。そういうことが簡単に想定できるんだったら、これまでの苦労はないわけですね。だからこそ、みんながこれは何だというふうにいってきたし、皆さんも、何で私たちこんなことをするんでしょうかと思いながらやっているんじゃないかなと私は思っているんです。そういうことになっているわけです。
 十四、十五、十六、十七。十八年の償還前に、例えば売却してほしいといって売却したとしても、その間に、今わかっているだけでいえば、これも仮定ですけれども、その間の元金償還に充てるのにやっとだろう。その後の一千億を超える元金償還部分というのは、なかなか大変なやりくりになってしまうんじゃないかというふうにいわざるを得ないと思うんです。
 そこで、もう一つ別な問題ですが、今後、臨海副都心開発事業費というのは、幾らかかるんでしょうか。改めて伺っておきたいと思います。また、そのうち臨海副都心開発事業会計の負担分というのは幾らになるでしょうか。

○津島開発部長 今後の臨海副都心開発に係る事業費でございますけれども、地域内都市基盤施設整備で約二千億円、広域交通基盤整備で約八千三百億円、合計で約一兆三百億円を予定してございます。このうち、臨海副都心開発事業会計が負担を予定している経費は、地域内都市基盤施設整備で約千二百億円、広域交通基盤整備で約千二百億円、合計で二千四百億円でございます。

○西田委員 今お話がありましたように、全体で臨海副都心開発事業会計が持つのは二千四百億円だということなんですけれども、広域交通基盤整備の臨海会計負担分、開発者負担分、これは借金ができるんでしょうか。

○渡辺総務部長 広域交通基盤整備についての臨海会計の負担分について借金ができるかというお尋ねでございますけれども、開発者負担金につきましては、みずから整備事業を実施するものではございませんで、別に事業を実施する者がございまして、その事業を実施する事業者に対して負担金を支払うという性格上、企業債の対象にはならないということで心得ております。

○西田委員 これ、企業債を発行できないということになれば、まさに権利金や地代などの収益で、この分についても生み出していかなければならないということですね。臨海副都心開発事業会計の現状では、今の賃料収入でまさに利息さえ払えないという現状で、既に財政は破綻している、こういってもいい過ぎではないというふうに思います。その上にこういう事業費も生み出していかなければならないわけですから、本当に大変な事態になっているんだろうと思います。
 そこで、これを取り繕うために、やっぱり今提案されているような三会計統合しかないということで、港湾局頑張って統合させてもらったというのが現状だと思います。統合すれば、先ほどからお答えがありましたように、埋立事業会計、羽田沖埋立事業会計からの借り入れはなくなるわけですし、それから利息も消滅するわけであります。羽田沖埋立事業会計から一般会計に五百億円お金を貸しているわけです。五百億円あるといっても、二百億円もう返ってきちゃいましたね。売れれば二千五百億円、こういう埋立事業会計の土地もあるということで、つぎ込むことができるし、それから、埋立事業会計から既に現物出資している土地のこともとやかくいわれることはないということになるわけです。
 それで、まさにこの三会計の統合というのは、財政的に全く破綻した臨海副都心開発を新たな都財政の投入、これでやっぱり賄っていく、繕っていく、こういうものにすぎないというふうに思います。
 そこで、お聞きいたしますが、三会計統合をいたしますと、二〇〇一年度末の繰越金というのはどのようになるでしょうか。十二年度末で埋立事業会計が二百二十九億円とか、羽田沖ももっとたくさん繰越金がありましたが、二〇〇一年度終わった時点ではどうなるでしょうか、統合した後。

○渡辺総務部長 平成十三年度末で約三百五十億円が繰越金となると見込んでおります。なお、羽田会計からの一般会計に貸し付けた二百億円につきましては、今年度の最終補正に提案されておりますが、この金額二百億円がこの三百五十億円に加わりますので、加わった場合には約五百五十億円になると考えております。

○西田委員 それは、補正分はこれに上乗せをされるということですね。五百五十億円ということになります。いただいた資料を見ますと、基盤整備が、それ行けどんどんということで、手続を飛ばして進められていた最初の時期に、埋立事業会計というのは、繰越額で三千億円を超えていたんですね。保有していたんですね。ところが、今年度末には二百二十九億円だということになって、まさに臨海副都心開発に食いつぶされてきたというふうにいわれても仕方がないと思います。
 今後、この事業終了間近の羽田沖の埋立事業会計に一般会計からお金が返されて、補正で二百億円ということになるわけで、それを合わせて五百五十億円になるということで、だから統合したということになるんだろうと思うんです。
 今いろいろとお聞きしてまいりましたけれども、整理をいたしますと、要するに、借金の利払いは毎年三百億円で、このうち三会計統合によりまして、百億円が要らなくなるということになりますので、二百億円の利払いは相変わらず続くわけです。今後、臨海会計が負担すべき事業費二千四百億円のうち、千二百億円は企業債が発行できない。開発者負担で二〇一五年度までに均等にこれを支出したといたしましても、毎年毎年百億円近いお金を調達しなければならないわけであります。
 一方、地代収入は、このまま行けば毎年百億円で差し引き二百億円のマイナスで、今後支払い利率の減少を見込んでも、手持ちのお金が五百五十億円あったとしても、本当に何年ももたないということになるんじゃないかと思います。
 三会計を統合したとしても、土地が、文字どおり処分ができなければ、早晩パンクしていく、破綻していくということにならざるを得ないと私は思うんですけれども、この点について改めて伺いたいと思います。

○津島開発部長 三会計統合は臨海副都心開発の財政基盤強化のための一つの手法でございまして、これとあわせて事業収支の両面にわたる徹底した改善策を講じることとしております。収入確保に向けた取り組みとしては、昨年事業者誘致促進本部を設置し、常時公募の実施なり共同溝の開放、仲介成功報酬制度の創設など、さまざまな誘致促進策に既に取り組んでおります。
 また、事業者から早期実施の要望が強く、誘致の生命線ともいえる交通利便性の向上に向け、平成十四年十二月には臨海線の大崎延伸を、平成十七年度には「ゆりかもめ」の豊洲延伸及び晴海通りの延伸を実現するよう、工事に全力を挙げております。
 こうしたことから、今後の土地処分は着実に推移するものと見込んでおり、破綻するとは考えておりません。

○西田委員 それは今、何回もお聞きいたしました。それは土地が処分できればという話であって、それが現実にどう進んでいくかなんていうのは、あなた方もそんな確信があるわけじゃないと思うんです。ただ、足りないときには、羽田沖、埋立事業会計、三会計統合したことによって、さっきもいったようないろんな資産が使えるから何とかしのいでいけるんだというふうに思っていらっしゃるんじゃないかと思うんです。それでも、今明らかにしたように、それだけでは何年ももたないというのははっきりしていると思うんです。収支の試算を今見直しをするという立場でのお話だったと思うんですが、それは本来三会計統合する前に明らかにして都民に問うべきだったと思うんです。都民の前にはっきりと情報をすべて公開して、都民の判断を仰ぐ、都民的に、抜本的に見直しをすべきだと思います。
 最後に私は一言申し上げますが、この臨海副都心がうまくいけばそれでいいという話じゃないと思うんです。もともと七兆円収入があるというので、基盤整備の計画をつくったわけです。都民に迷惑をかけない。だけど、さっきもいいましたように、さっき一兆三千億円のこれからの基盤整備というのはありましたけれども、臨海道路あるいは幹線道路、環状三号線とか、これからも一般財源で投入していかなきゃならないものや、あるいは環状三号線みたいに、もともと臨海会計でやるべきものを、既に検討路線というんで、臨海会計から外しちゃった。臨海道路の一期工事もそうですね。そういうような一般財源でこれから公共投資をしていく、そういう路線を今歩んでいるわけですね。今、公共事業の見直しが求められ、そして税金の逆立ち福祉や何かを切って、こういうところにはどんどん金をかけていく、この路線がやっぱり今問われているわけですよ。
 私は、改めて、収支の試算なんていうのは、早く明らかにすると同時に、全部情報を公開して、本当に抜本的に都民的な見直しをするべきだということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

○いなば委員長 ほかにございませんね。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 なければ、お諮りいたします。
 本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わりますが、理事者各位、そして当然のことながら各委員に対しましても、長い時間休憩もとらず、本当にご苦労さまでございました。
 これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十四分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る