経済・港湾委員会速記録第十八号

平成十二年十一月二十一日(火曜日)
   午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長いなば真一君
副委員長浅川 修一君
副委員長白井 常信君
理事林  知二君
理事川井しげお君
理事藤沢 志光君
山本  信君
藤井  一君
五十嵐 正君
宮崎  章君
河合秀二郎君
山崎 孝明君
川島 忠一君

 欠席委員 一名

 出席説明員
中央卸売市場市場長大矢  實君
経営管理部長長尾 至浩君
業務企画担当部長石川 俊一君
調整担当部長浅倉 義信君
施設部長内村 修三君
築地市場再整備担当部長小栗 英夫君
港湾局局長齋藤 哲哉君
技監高見 憲一君
総務部長渡辺日佐夫君
港営部長高橋 和志君
港湾振興担当部長小宮山元二君
開発部長津島 隆一君
臨海部開発推進担当部長南雲 栄一君
臨海部開発調整担当部長高野 一男君
港湾整備部長小池 正臣君
計画調整担当部長細川 泰廣君
離島港湾部長野村 孝雄君
参事押元 雅治君

本日の会議に付した事件
 港湾局関係
  事務事業について(質疑)
 中央卸売市場関係
  事務事業について(質疑)

○いなば委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び中央卸売市場関係の事務事業に対する質疑を行います。ご了承いただきたいと思います。
 これより港湾局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取してあります。
 その際要求しました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について、理事者の説明を求めます。

○渡辺総務部長 十月十七日開催の当委員会におきましてご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、経済・港湾委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。ご要求のありました資料は、表紙の次のページにありますように、全部で七項目、八ページございます。
 まず、一ページをお開き願います。東京港における取扱貨物量の推移でございます。内貿及び外貿に分けまして、平成七年から平成十一年まで五年間の推移を取りまとめたものでございます。詳細につきましてはごらんいただきたいと存じます。
 次に、二ページをお開き願います。東京港における港湾労働者及び船舶乗務員のための福利厚生施設の整備状況でございます。宿泊施設、診療所及び休憩所など施設区分ごとに施設内容等を取りまとめたものでございます。詳細につきましてはごらんいただきたいと存じます。
 次に、三ページをお開き願います。東京港への外国艦船の入港実績でございます。入港実績を国別に、平成二年度から平成十一年度まで十年間の推移を取りまとめたものでございます。詳細につきましてはごらんいただきたいと存じます。
 次に、四ページをお開き願います。臨海関係第三セクターの経営状況でございます。平成九年度から平成十一年度まで、三年間の臨海関係第三セクター三社の決算状況でございます。なお、平成十年度以降は、経営安定化策実施後の決算状況でございます。詳細につきましてはごらんいただきたいと存じます。
 次に、五ページをお開き願います。平成十年度から実施しております臨海関係第三セクターの経営安定化策の実施状況でございます。ほぼ全項目にわたりまして計画を実施に移しているところでございます。詳細につきましてはごらんいただきたいと存じます。
 次に、六ページをお開き願います。臨海副都心開発事業会計の長期収支及び過去三年間の実績でございます。平成九年二月の長期収支試算額及び平成九年度から平成十一年度まで三年間の決算額を一表に取りまとめたものでございます。詳細につきましてはごらんいただきたいと存じます。
 次に、七ページをお開き願います。臨海副都心における土地処分の状況でございます。長期貸付、売却及び暫定利用の土地処分形態ごとに事業者進出の状況を取りまとめたものでございます。八ページに土地処分の状況を図にお示ししてありますので、ご参照いただきたいと存じます。
 以上をもちまして、甚だ簡単ではございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○いなば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行いたいと思います。
 発言を願います。

○川井委員 臨海副都心における土地の処分状況のわかる絵図あるいは資料をいただいているわけですけれども、先般、プレス発表もあったこの臨海副都心における土地の処分促進に向けてということでありますので、何点かこれについてお伺いをしたいと思っております。
 最初に、臨海副都心の土地の処分状況を数字的に挙げてみていただけたらと思っているんですけれども。

○津島開発部長 臨海副都心の土地処分の状況についてのご質問でございますけれども、臨海副都心におきまして、有償処分の対象となっている用地の面積は全部で百三十九ヘクタールでございます。このうち、平成二年の第一次公募から今日までの処分実績は六十二ヘクタール、約四割となってございます。
 今後は、平成二十五年までに残りの七十七ヘクタールについて処分していくことになってございます。

○川井委員 十年間で四割強ということですから、そういう意味からすれば、かなり苦労されているのかなという思いがするんですけれども、ただ、昨今、大変にぎわいを見せているという報道もあります。また、来年は国際研究交流大学が開設するということもあり、そういう意味では、だんだんに事業そのものが順調に進む中で、その努力、苦労が報われるときもあるのかなという思いも実はしているんですけれども、一方には、大規模再開発などで地域間競争が高まる中、そうはたやすくいかないぞというものも実はあるわけであります。
 そんな中、今回、処分の仕方等について土地見直しを思い切ってしたんだと。新聞等でも、今度仲介料を見るんだとか、あるいは常時受け付けをするんだとか、こういうふうに報道されております。この見直しについて、もう少し詳しくご答弁をいただければと思います。

○津島開発部長 今回の見直しの内容についてでございますけれども、基本的には、進出事業者の経済活動の視点に立ちまして誘致を促進していくことを目的として、その方針を立てております。
 まず第一でございますが、常時登録及び常時受け付け方式を採用したことでございます。これは第二次公募の対象区画である八区画を一斉に公募の対象とすることによりまして、進出希望者の選択肢を拡大するというねらいがございます。また、常時受け付けすることによりまして、時期を失せず、タイミングよく進出事業者の需要にこたえるということを目的としております。
 次に、事業者に対するさまざまなインセンティブといたしまして三点打ち出しました。一つは、事業者の初期投資の軽減を図るために、権利金を五年間の分納を実施するという点でございます。二つ目が、先生おっしゃいました仲介料を支払うことを内容といたしました仲介制度を新設いたしました。三つ目は、とりわけ情報関連事業者の誘致を促進するという目的のために、臨海副都心をグローバルITエリアと位置づけまして、そのための具体策を提示するという内容でございます。そのために既に民間企業を中心といたしましたIT研究会を設置いたしまして、具体的にニーズを集約し、近くこれに対する対策を実施すべく検討に入っております。
 最後に、誘致体制の強化といたしまして、港湾局に局長を本部長といたします事業者誘致促進本部を設置いたしまして、これまでの誘致体制の大幅な改善と実効性あるPR活動を行うことを目的といたしまして現在検討を行っており、早急に具体策を提示の上、実施していく予定でございます。

○川井委員 今までよりはずっと事業者の選択肢が拡大する、時期的にタイムリーに食いつくことができる、あるいは民間活力という意味合いの中で仲介制度を設ける等々、一歩前進したなという思いがします。そういう中で、臨海にとっていい方向づけができたのかなという思いも実はしているんですけれども、その方策の一つであるグローバルITエリア、こういうことが出てきているわけですが、これはどのようなものを想定しているのか、それと同時に、このねらいを、具体的に何をねらっているんだということを含めてご答弁いただければと思います。

○津島開発部長 グローバルITエリアについてのお尋ねでございますけれども、これは文字どおり直訳いたしますと、国際的な情報技術産業の集積地域というふうにいえると思いますが、これは通信産業を一つの核として、映像メディア、それからコンテンツ、エンターテインメントといったさまざまな産業や研究機関など、ITに関連するさまざまな産業が集積いたしまして、各企業等が相互に交流を図り、そこから新たな産業の創造や発展が生まれ、国際的な情報の発信拠点として発展することを目的とした地域、このように定義づけております。
 この構想を打ち出したねらいでございますけれども、まず、アメリカのシリコンバレーや欧州のカンヌのテレコムバレーの例でもわかりますように、IT関連業者が集積いたしまして、その相互交流によって生み出された活力、これが二十一世紀の都市の発展にとって極めて重要な役割を果たす、こういう認識の上に立っているものでございます。
 次に、そういう認識の上に立ちまして、じゃ、臨海副都心がどうなのかということでございますが、臨海副都心は、都心から非常に近く、しかも陸・海・空の交通の結節点という立地に恵まれているという好条件を持っているばかりじゃなくて、安全性を備えた共同溝等のインフラが整備されている。さらには、情報通信機能を備えたテレコムセンターやデータセンター及び多くの企業が既に立地しているばかりでなく、国際研究交流大学村も開設を間近に控えておりまして、多様な集積の途上にあるというさまざまなポテンシャルがございます。こういった、ITの拠点として高いポテンシャルや可能性を有しているというふうにいえるかと思います。
 そういうことを前提にいたしまして、今回の構想は、一つは、IT関連業者の進出を促進するための条件整備をより推進していこうという点と、もう一つは、臨海副都心がITの拠点としてすぐれた特性を持っているという事実を、積極的に世界にアピールしていくということをねらいとしているものでございます。(「本当にできればいいな」と呼ぶ者あり)

○川井委員 今、本当にできればいいななんていう声も聞いているんですけれども、私は、これは東京だけでなく、日本をリードする拠点になるかならないかという思いも実はしているわけです。特に国のIT国家戦略なんていうことの中で、これから情報産業の、あるいはそこの部分に予算を投下していこうというような中で、東京都がどれだけこの臨海にそういうものを集約できるか、ある意味で国の予算を利用して、日本の中で、あるいは世界の中で、情報拠点であるというものの位置づけをしていけるかどうかということも私は考えているんですね。
 当然、今現在、東京都内で二十九のデータセンターがある。申請が出ているだけでも七十を超している、百近くあるんだと。そういうような状態の中で、押しなべて東京のITの情報産業の力を上げるということも必要なんですけれども、この臨海がまさに頂点に立って東京あるいは日本全体を引っ張っていくんだと、そういう気持ちとか思いというものの中での努力が大変必要なんだろうという思いを実は持っているんですね。あくまで一部には、これが何か臨海の全体の仕事を、ある意味で隠して引っ張っていこうとしているんじゃないかというようなうがった見方もあるんじゃないだろうか。そうじゃなくて、やっぱりこれからの東京、日本というものをリードするために必要な仕事なんだという思いを聞かせていただきたい。
 だから、これから臨海に関するそれだけのものを招致するには、それだけのインフラも必要なんだ、交通アクセスも必要なんだ、道路も必要なんだ。単なる公共投資、いわゆるインフラ整備じゃなくて、これからの日本、首都東京をどうするかというところの拠点づくりのための必要なインフラ、そういうことを踏まえての考え方を今回、港湾局が大きく打ち出しているんだ。何か物を抑えるがために、あるいはそれをバックアップするためにやるんじゃなくて、まさにこれが必要なんだという思いでやっているんだというふうに私は受けとめている。そこら辺はどうですか。

○津島開発部長 先ほど臨海副都心が非常に高いポテンシャルを持っているということの一つに、陸・海・空の交通の結節点であるという話をしましたけれども、私どもの役割としては、現実問題としてさまざまなポテンシャルを具体的に実現して、これを具体的な企業誘致に結びつける、こういうことが開発者としての使命だろうというふうに考えております。そういう中で、先生おっしゃる、さまざまな国の力も引き出してということのお話がございましたけれども、例えば臨海は陸・海・空の交通の結節点であるけれども、いろいろ広域交通基盤、こういったものを積極的に臨海に国庫を投入するとか、そういう意味でいろんな国への要望も、現在もやっておりますし、これから努力していきたいと思っております。
 それから、やはり何といっても、民間企業の経済活動、こういったものを踏まえて、役所の考え方じゃなくて、民間企業の経済活動の中で開発というものを進めていかなければいけないということなので、今回の見直しに当たりましては、特にいろいろな機会の中で民間企業の意向を十分に吸い上げるような形で、私どもの新しい方針をつくっていきたいと思っております。

○川井委員 私は、より一層ポテンシャルを高めるということになれば、今、陸・海・空で大変利便性が高いようなご答弁があったんだけれども、まだまだだなという思いが実はしているので、あえてこういう切り口で質問をしているんですね。ですから、やっぱりこの臨海を、まさにグローバルITエリアの日本の、あるいは世界の中心核にしていくんだという思いを持ちながら、それに対する交通アクセスなり、道路アクセスをどうしていくのかということの中から生まれてくる考え方というのがあっていいんだろう、こういうふうに思うわけであります。
 それと同時に、こういうことが大企業のためになされているんじゃないかというようなことが一方に考え方としてあるのかなと。現状の中で、これから事業を起こす、あるいはそういう方向の中で頑張りたい、この方々のために、私が聞き及んでいる部分では、施設とか、あるいは機器を無料提供するんだというような考えもあるように聞いているんですけれども、そこら辺はどうなっているんですか。

○津島開発部長 IT産業の集積という場合には、ITを使ったさまざまな種類の産業が集積しているわけでございますから、先生おっしゃるように、大企業から中小企業まで幅広い産業が集積するということで、それをいろんな形で育てていかなければいけないということだと思います。
 例えば臨海地域ですと、青海地区にタイム二十四というビルがございますけれども、これは私どもの労働経済局の仕事でございますが、これから企業を立ち上げていく、いわゆる起業者の方に安く場を提供いたしまして、これにさまざまな機器を無償で活用させるという事業もしておりまして、私どももそれと連携をとりながら進めていきたいというふうに思っております。

○川井委員 今、労経局でやっているタイム二十四、実はこの前、ちょっと労経局にお聞きした中で、まさに港湾局と一体となって、ここをITの大拠点とすべく、力を合わせていってほしいなという思いで、特に私は、この部分、情報化とかこういうものにハードな部分、あるいは人材的にも中小零細企業というものがなかなかついていけないんだろうという思いから、これはこの委員会とは全く関係ないんですけれども、七つぐらいの区の中に中小零細の商工業者に対してのネットワーク的なデータセンターができないかなということで、今、実は各区から人を集めて協議会を開いて、勉強会をやっているところなんですね。
 恐らくはこれから東京都も、ホームページを持たないような企業は入札に参加させないとか、そういう時代になりつつあるわけですし、また、その入札も、メールで送れよなんていう時代が来るんじゃないだろうか。そういうときに、中小零細の方々が、機械は買ったけれども、いわゆる人材的にマンパワーとしてその対応がなかなかできないなんていうことであってはいけないんだろうと。そうであるならば、センターに電話一本あるいはファクス一枚送れば、みずからの機械の中にそれが発信されて、また登録されて、相手方にも発信されるんだと、そういう中小零細企業を助けるようなものも考えていかなきゃいかぬのかなということでやっているんですけれどもね。そういう対応が、実は今、臨海で考えるグローバルITエリアの中にも、大企業から中小零細企業まで押しなべて考えながら進めているんですよという部分をちょっと聞いて、若干安心したかなという思いがしております。
 そこで、少し話を戻していこうと思うんですけれども、こうしたIT関連の産業の動きというのが、本当に一日としてこれでいいということじゃなくて、まさに日進月歩どころではないスピードで進んでいく、そういう最先端の情報をいかに取り入れて体制づくりをしていくのかなということが大変重要になってくるんだろうな、今回の港湾局で思っている構想に対してもまさに同じことなんだろうなと、こう思っております。この構想の体制というか、どのような体制で検討していくのかということでお伺いをしたいと思います。

○津島開発部長 IT構想の構築のための体制がどのような形で行われるかというご質問でございますけれども、IT関連事業者を中心といたしまして、既にIT研究会というものを立ち上げております。これで民間のさまざまな視点から今回打ち出したグローバルITエリアとするための具体的な課題、先生おっしゃるように、大企業ばかりではなく、中小企業あるいは起業者も含めまして、そういったものの支援されるようなエリアとしてどうするのかという課題を現在検討しております。
 もう一つは、局内に臨海副都心事業者誘致促進本部を設置しまして、研究会などから提起された課題なども参考にして、開発者としてグローバルITエリアの実現に向けて、具体的な施策を早急に打ち出すという状況でございます。

○川井委員 ぜひ研究会とか促進本部の中に、まさしく最先端で働く民間の方々の知識、情報を大いに取り入れやすいような体制づくりをしてほしいなと思います。
 次に、今の質疑の中にも既に何度か出てきているわけですけれども、臨海副都心のポテンシャルとしてデータセンターを先ほどご答弁の中で挙げているわけだけれども、このデータセンターというものはどういうものなのか、それと同時に、立地的な特性を含めてご答弁いただければと思います。

○津島開発部長 データセンターというものの内容と立地要件についてのご質問でございますけれども、インターネットが非常に爆発的に普及いたしまして、これに伴う通信業者の急増、また、企業活動におけるIT化によりまして、情報量が飛躍的に増加しているという状況でございます。これらの情報を専門的に保管、管理する業務が必要となってまいります。これらの大量の情報を的確にお預かりして、運用管理を代行する施設、これをデータセンターと称しております。
 こういったデータセンターが立地するための条件といいますと、一つには自然災害に対して堅牢であること、受電系統といいますか、いわゆる通信系統が複数持てること、それから地域として非常に高いセキュリティーが図られる、こういった要件が求められるわけでございますけれども、臨海副都心はこうした立地条件を備えた地域であるというふうに認識しております。

○川井委員 次に、この臨海副都心をグローバルエリアとしてきちっと位置づけ、方向づけしてやっていくということにおいて、さまざまな課題があろうかと思います。それらを具体的にどう想定して対応していくのか。

○津島開発部長 ご質問は、グローバルITエリアの構想を検討するに当たってのいろいろなポイントがどうなっているのかということであるというふうに思われますけれども、まず、このエリアの核となるIT関連事業者の積極的な誘致、そのために臨海副都心の備えている先ほどの高いポテンシャル、すぐれた基盤整備、これをうまく有効に活用する方策というものが大事ではないかというふうに思われまして、それをまず検討しております。
 次に、臨海副都心の開発の最新の情報。非常に企業が次々に立地しておりまして、現在約七百近い企業が立地しておりますけれども、この最新の情報、さらには今後の開発の方向などをわかりやすく示すとともに、これをさまざまな誘致策としてつなげていくということが大事じゃないかと思います。このようにして検討した結果を、インターネットや、全国の主要都市における誘致説明会とか、あるいは個別の企業訪問、そのようないろんな多様な機会をとらえまして、世界にPRしていきたいと思っております。

○川井委員 私は、こういう関連企業者がどんどん臨海に出てくる、進出してきてくれる、そのことによって相互間の協力あるいは相互間の競争、そういうもので新しい産業が生まれてくる可能性というのは非常に大きいんだろうなと。それには、やはり多くの進出者が出てくるようなポテンシャルを与えていかなきゃならない。そのために、単なる公共事業だというような判断ではなくて、きちっとした基盤整備として必要なんだという位置づけが大変大事になってくるのかなと。そういう中で、より進出者が多く出てくることによって、競争あるいは協力、そういう新しい産業を生み出すパワー、力になってくるのかなと、こういう思いが実はしているんです。
 そこで、進出を希望するIT関連業者が現時点でどの程度いるのかということをお聞かせ願いたいと思います。

○津島開発部長 現時点での進出を希望するIT関連事業者の状況、また、今後の進出の見込みでございますけれども、個別の企業名はこの際ちょっとご容赦願いたいと思いますが、臨海副都心は、共同溝によるライフライン等のIT関連企業が立地するための極めてすぐれた特性を有しておりますことから、現実にこういった企業からの問い合わせはたくさん来ております。
 しかし、やはり企業活動というものは、経営上の具体的な成果が厳しく求められるということから、私どもが単に臨海副都心が有するポテンシャルに安住しておりましては、現実の誘致には結びつかないということになろうかと思います。そこで、開発者としては、IT関連事業者の進出を引き出すために、具体的なニーズを的確に把握して、進出の前提となる条件を早急に整備する。また、そういった内容、成果を積極的にPRしていくこと、これが重要ではないかと考えております。こうした対応によりまして、今後の臨海副都心への進出希望者が確実に増加してくるものと考えております。

○川井委員 どのぐらいいるのかということでお伺いしたので、希望者がおりますよということだけ触れていただいたような気がします。どの程度の数、あるいは大小、こういう状態なんですよということをお答えいただきたいと思うのと、それと、これは最後の質問にしたいと思っておりますけれども、IT関連事業者の誘致は、今まさに大変なところに来ているのかなと。しかも、そのニーズも多様化し、スピードが要求されている、こういう思いがするわけであります。それにこたえていくには、やっぱり早急に課題であるものを整理し、IT関連事業者の誘致に向けて進出条件を備えていく。それは臨海副都心の開発につながっていくのかな、あるいは開発にもかなりの力点を置いていくことが、ひいては東京の活力再生につながってくるのかな、そういう思いがあるわけであります。
 先ほどの基盤整備を含めて、この臨海副都心開発についての局長の決意、特にIT関連事業者を誘致するということにおいての開発、そこら辺の思いをぜひ聞かせていただきたいと思います。

○津島開発部長 大変失礼いたしました。特に海外の第一種通信事業者も含めまして、大きなところでは五社ほど現在来ております。

○齋藤港湾局長 臨海副都心地域をグローバルITエリアと位置づけることによって、東京の活力の再生、ひいては日本の再生につなげていくべきだというお話を伺いまして、まさにそのとおりだというふうに思っております。そのために、ご指摘のとおり、IT関連事業者の誘致の問題というのは極めてタイムリーに行わなければいけないというふうに思います。といいますのは、ITをめぐる環境のスピードは極めて速くて、巷間いろいろ我々が民間事業者の人たちと接触して聞いているところによりますと、ここ一、二年がやはり勝負だろうというようなスピードで行われているというふうに承知をしております。
 そんなこともありまして、私どもといたしましても、こういう時期を失することなく、的確に対応するために、先日、新たな土地処分の方針を打ち出しましたし、その中でいろいろ申し上げましたとおり、インセンティブの一つとして臨海副都心を明確にグローバルITエリアとして位置づけようということも明確にしながら具体的な対応をとる。私を本部長とします臨海副都心事業者誘致促進本部というものを設けまして、そこで局が一丸となってこの問題に対応していこうというふうに考えているわけでございます。今後、私が陣頭に立って、グローバルITエリアの育成に向けて精いっぱい努力をしていきたいというふうに考えております。

○浅川委員 それでは、羽田空港の拡張に関連をして、若干お伺いをしたいと思います。
 先般、石原知事が羽田空港のC滑走路の東側千三百メートルの沖合に、桟橋D滑走路として、長さ三千五百メートル、幅四百五十メートル、海面からの高さが十五メートル、こうした桟橋方式の滑走路を築造する、この羽田空港の再拡張案というのを発表いたしました。東京湾の中に拡張するわけでありますので、ここを通行する船舶でありますとか、東京港を利用する船にも影響があると思いますので、このことについてお伺いをしたいと思うんですが、知事が発表した今回の案につきまして、港湾局には事前にお話といいますか、相談があったのでしょうか。あったとすれば、それはいつ、何月何日、どのような形で、どういう内容であったのか、お伺いをいたします。

○小池港湾整備部長 今回の提案は、所管の都市計画局において検討されておりました航空政策の一環といたしまして、羽田空港の再拡張案が公表されたものと認識しております。都市計画局におきまして、首都圏における空港機能の拡充方策の一つとして、かねてより羽田空港の再拡張について検討しているということは承知しておりましたので、検討に当たりましては、東京港の港湾機能に支障とならないように配慮され、港湾機能と両立するようにということで申し入れてきたところでございまして、そのようなことを踏まえながら、都市計画局が検討したものが公表されたと、こういうふうに理解しております。

○浅川委員 事前に承知をされていたので、支障がないようにお話をされたということなんですが、具体的な案はまだこれからなんですけれども、それは都市計画局の方から、こういう方向で行くんだというようなことでの正式な文書といいますか、あるいはお話といいますか、稟議書になるんでしょうか、ちょっとわかりませんが、そういうようなことで、先ほどいいましたように、何月何日にどういう形であった、意見を聞かせてもらいたいというようなことだと理解してよろしいんでしょうか。

○小池港湾整備部長 ただいまご質問のございましたような意見照会があったりとか、いつとか、こういったことはございませんで、私どもが承知しておりますのは、都市計画局の方ではことしの秋に航空政策を発表するということで検討されている。その中で、空港機能の拡充についての重要性を検討しておりまして、羽田空港の拡充についても検討されている、こういうことを聞き及んでおりますので、先ほど申し上げましたような観点から港湾機能と両立するようにということを申し入れてきたということでございます。

○浅川委員 経過はわかりました。
 新聞のいろいろな発表がありまして、私もコピーを幾つか持ってきたんですが、私たち自身も唐突な感じを受けましたので、これは都市計画局が考える空港の整備ということだけではなくて、羽田沖ということになりますと、当然、船舶その他港湾局にもかかわりますので伺っているわけなんですけれども、今回の桟橋方式の空港というのは、大変大規模な海上空港というプロジェクトだというふうにも思います。先ほどいいましたように、港湾機能にも影響を及ぼすことが予想されますので、十分な検討が必要だというふうに思います。
 それで、今回、港湾局としていろいろ意見をいったということなんですが、それは具体的にはどのような意見をいわれたということなんでしょうか。

○小池港湾整備部長 港湾局といたしましては、羽田空港の再拡張が検討される際には、港湾機能と両立するようにすることを基本として、最も基本的な事項といたしまして、次の三点が確保されるように都市計画局に申し入れを行いました。
 その第一は、東京港の基幹となる第一航路上に新たな高度制限が設定された場合でも、大型船舶の航行は確保されること。第二点といたしまして、輸送船等の小型船舶の航行ルートが確保されること。第三点といたしまして、羽田沖における浅場機能が確保されること。主に大きな要点として以上の三点、要望したところでございます。

○浅川委員 その点はわかりました。
 それで、東京港には大型船を初め多くの小型船が航行しているというふうに聞いておりますけれども、その航行している船の数は大体どれくらいになるのか。それから、当然こうした航行の中で事故等も起こると思うんですけれども、事故の発生状況もあわせて伺いたいと思います。今回示された滑走路の案というのは、こうした大型船や小型船の航行ルートを確保しているというふうに理解をしてよろしいのかどうか、この点もお伺いします。

○小池港湾整備部長 第一航路を通過するすべての船舶数、大型船、小型船、特にプレジャーボートとか漁船等、そういったものも含めまして、船舶数全体を把握することにつきましては、実態調査をするほかには方法がないわけでございまして、現在手元にあります実態調査の結果といたしますと、平成六年二月に調査したものがございますが、それによりますと、一日当たり五百九十七隻という調査結果になってございます。このうち、五百トン未満の小型船は五百五十八隻で、全体の九三%を占めております。
 あと、ご質問にございました船舶事故の発生状況はどうなっているかということでございますが、これにつきましては、東京海上保安部の調査によりますと、京浜港東京区及び付近海域における平成十一年の船舶海難発生状況、これは年間三十八隻と報告されてございます。ただ、ただいま申し上げましたように、これは東京港全域と周辺域という全体の中の状況でございます。
 また、これらの小型船舶の航行に関して、都案は小型船の航行ルートがどのように確保されているかということでございますけれども、今回の都案では、新滑走路をC滑走路から沖合へ千三百十メートル離した平行滑走路としております。現空港と新滑走路を橋梁で結ぶものという計画になってございます。その橋の下を航行することによりまして、小型船舶の航行ルートが確保できると都市計画は説明してございます。
 なお、詳細については今後検討されると聞いております。

○浅川委員 これからいろんな検討や、あるいは調査がされるということですけれども、港湾局としては、それにどのようにかかわっていくということになるんでしょうか。

○小池港湾整備部長 今後の取り扱いについてでございますが、この都市計画案につきましては、今回都案が示されて、これから航空行政を所管しています運輸省におきまして、本格的ないろんな調査がなされる。その調査過程と並行いたしまして、当局といたしましてもいろんな点から検討して、適切に対処してまいりたいと考えております。

○浅川委員 もう一つお伺いをいたしますが、今回の滑走路案につきまして、海運業界といいますか、そうした関係団体や業界があろうかと思うんですけれども、そうした方々には説明をされたんでしょうか。

○小池港湾整備部長 海事関係者の説明についてでございますが、羽田空港拡張案が公表されました後、港湾局に問い合わせのありました日本船主協会や大手船会社に、公表された都案の概要及びただいまお答えいたしました都市計画局に申し入れた三点について説明したところでございます。

○浅川委員 たびたびで恐縮なんですけれども、説明して、何かご意見等はあったんでしょうか。

○小池港湾整備部長 説明した際の業界の反応でございますが、今後、詳細な検討がなされ、より具体的になった段階で、東京港の将来展望も含め、意見交換のできる場を持つように要望されました。

○浅川委員 何か頭越しというような感じがちょっとなくはない今回の発表がありましたので、やはり関係者等のご意見もよく伺っていただきたいと思います。空港の問題は、ただ単に経済性というだけではなくて、これは港湾だけに限りませんけれども、騒音や環境や安全性というようなことで、他県との調整や空域の問題、いろいろあろうかと思います。その上で、港湾にかかわることもありますので、ぜひ十分な検討、調整をしていただきたいと思います。
 私も、船舶の関係者の方からちょっと伺って、ただ幅が確保されて、通れるということだけでいいということにはならないんだと。柱が立てば死角ができるだとか、いろんな心配が起きるというようなこともいっておられました。なるほどなというふうにも思いましたので、ぜひ今後十分な検討、慎重に対処していただきたいとお願いして、終わります。

○藤井委員 私は、まず最初に、十一月八日に来年度予算、各局の要求状況が発表されたわけですが、これに関連して何点かお伺いしたいと思います。
 その際の説明では、東京ベイエリア21中間のまとめを受けまして、東京臨海地域の総合的、一体的整備を推進するために、臨海副都心開発事業会計と羽田沖埋立事業会計を埋立事業会計に統合して、新たに臨海地域開発事業会計(仮称)を設置するというふうに説明があったわけでございます。港湾局は、このたびの予算要求において、こういう会計を創設するというふうになったことに関して、この三会計統合を図るねらいは何なのか、まずお伺いしたいと思います。

○渡辺総務部長 三会計統合のねらいについてのお尋ねでございますけれども、先生ご指摘のように、先般、東京ベイエリア21の中間のまとめを発表したところでございますが、その中で、東京臨海地域の総合的、一体的な整備を進め、東京の魅力と活力の創造に貢献していくという方針が明らかになってございます。
 今後、こうした広域的な観点から効果的に事業を進めていくためには、社会経済状況の変化に対応した事業手法の再構築や事業費の縮減に努めるとともに、新たな会計システムを早期に構築することにより財政基盤を強化する必要がございまして、今回の予算要求にございます三会計統合を行うとしたものでございます。

○藤井委員 それでは、この埋立事業会計に統合されます臨海副都心開発事業会計、それと羽田沖埋立事業会計、各事業は現在どういう状況にあるんでしょうか、お伺いいたします。

○渡辺総務部長 臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計の現在の状況についてでございますけれども、まず臨海副都心開発事業会計の事業につきましては、地域内都市基盤施設の八割以上の整備が終了いたしまして、今後は、広域交通基盤の整備に重点が移っていくところでございます。
 次に、羽田沖埋立事業会計についてでございますが、平成四年度に羽田空港の沖合展開地となりました本体の埋立造成が完了いたしまして、平成八年度までに用地処分も国に対して終了し、現在、浅場の造成管理事業を行っているところでございます。
 臨海副都心開発及び羽田沖埋立造成につきましては、このような状況から、新たな段階を迎えているというぐあいに認識をしてございます。

○藤井委員 今のご説明をお聞きいたしまして、今回の三会計統合は、広域的な観点から東京臨海地域の開発を進める上で必要である。しかも、現在の臨海副都心開発事業会計と羽田沖埋立事業会計とは所期の目的を大体達成したので、今回は独立会計として残す必要性が薄らいでいるのではないか、こういうことだと思うんですけれども、それでは、この三会計の統合を行いますと、具体的にどういう効果があるんでしょうか、お伺いいたします。

○渡辺総務部長 三会計統合によります具体的な効果ということでございますが、まず第一に、東京臨海地域を総合的、一体的に整備するための財政基盤が強化されまして、今後、優先的に整備する必要のある広域幹線道路の整備等に弾力的、重点的に対応できることがございます。
 第二に、会計事務や土地処分手続が統一されますことによりまして、所管部の組織を機能別、目的別に再編整備することが可能となります。これによりまして、簡素でより効率的な事業運営が可能になってまいります。
 第三に、現在、それぞれの三つの会計が貸借関係や出資関係等によりまして複雑で錯綜した状況になってございますけれども、統合によりまして、都民に対してもよりわかりやすい会計になるというようなことなどが具体的なメリットとして考えられるものでございます。

○藤井委員 今、部長からのご説明で、いわゆる広域幹線道路の整備等の投資が可能になること、あるいは簡素で効率的な事業運営が可能になること、また、都民によりわかりすく示すことができるというメリットがあるということでございますが、三会計統合は、この東京臨海地域の総合的あるいは一体的な開発を効果的に進めていく上で大きな意義を持つというご説明でございました。しかし、この事業展開に当たっては、決して新たな会計システムの構築だけに甘んじてはいけないというふうに考えます。事業手法とか、あるいは執行体制の面から、今後もさまざまな見直し、工夫を加える必要があるというふうに考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

○津島開発部長 先生ご指摘のように、事業の着実な推進のためには、新たな会計システムの構築にあわせまして、収入の確保、支出の抑制の徹底、執行体制の強化など、多方面からの取り組みが必要不可欠だと考えております。
 具体的に申し上げますと、既に実施中の取り組みとしては、進出事業者公募における常時受け付けの実施や仲介料の創設を決定するなど、また、局内に局長を本部長とする事業者誘致促進本部を設置するなどしております。また、臨海副都心がグローバルITエリアとなることを目指しまして、そのための課題と具体策についても現在検討しております。
 来年度に向けた取り組みといたしましては、これは今後予算でご審議されることとなるわけでございますが、事業費の縮減策、それから臨海地域の総合的開発にふさわしい組織体制、先ほど総務部長から申し上げました機能別、目的別の組織体制、このような構築に取り組んで、今、全力で対応しているところでございます。

○藤井委員 今回の会計統合について、一部の政党では、逼迫する臨海副都心開発事業会計の救済策にすぎないというような意見もあるようでございますが、これは今ご説明がありましたように、会計統合の大局的なねらい、あるいはまた経緯をあえて無視する偏った考えであるというふうに私は思います。
 東京ベイエリア21の中間のまとめからもわかりますように、会計システムの再構築を初めとする事業戦略については、東京臨海地域の潜在的な可能性を引き出し、東京の魅力の活力を創造するといった目的を持つものであるというふうに思います。現行の仕組みを弾力的に変えていくことは、まさに時代の要請でもありますし、理念や構想のレベルを超えて、早期に具体的な施策を打ち出したものとして評価していきたいと思います。
 最後に、新たな会計システムに基づいて、東京臨海地域の再編整備を進めていく局長の決意を伺いたいと思います。

○齋藤港湾局長 ご指摘にもございましたように、東京ベイエリア21中間のまとめで明らかにしてございますけれども、東京臨海地域の再編整備は、東京の魅力と活力を創造して、東京を再生していく上で極めて重要な意義を持っているというふうに思っております。この再編整備を効果的に進めるためには、今回予算要望いたしました会計統合等によってその財政基盤の強化を図った上で、ご指摘にもありましたように、加えて組織や事業手法の再構築を積極的に進める必要があると考えております。
 今後とも、社会経済状況の変化に適切に、かつ弾力的に対応するとともに、さまざまな創意工夫を凝らしながら、局を挙げて東京ベイエリアの再編整備に取り組んでまいります。

○藤井委員 次に、先ほどもご質問が出ましたが、羽田空港のいわゆる第三空港についてお伺いしたいと思います。
 私も地元の大田区でございますので、これについては何回か質問してまいりましたが、実は第三回定例会の際に我が党の代表質問で、首都圏第三空港を国が考えているということだけれども、知事としてはどう考えているんだということを質問した中に、知事の答弁の中にこうありました。既にある施設をどのように活用するかは発想の問題だと。私はある画期的な発想で東京都の案を国にぶつけていこうと思っているという答弁をされたわけですが、その後、発表されたのが例の桟橋空港構想でございます。今の羽田空港沖に三千五百メートル級の、高さ十五メートルの桟橋空港をつくる。これを知事が打ち出したわけでございますが、これによりますと、今、国の第七次空港整備計画の中で、新たな土地を求め、そしてこれから空港をつくるよりも約九千億円ぐらい安い、こういうのが東京都の発表でございましたけれども、いうまでもなく、今後、首都圏の航空需要というのはどんどん拡大をするわけでございまして、そういった意味で、羽田空港の国際化など首都圏の空港機能の拡充が重要だというふうに考えます。
 一方、東京港は、首都圏四千万人の人々の生活と産業の活力を支える物流拠点といわれておりまして、またこれも大変重要な役割を担っているわけでございますが、この羽田空港の再拡張と東京港との関係について、東京都の今回発表された案について港湾局としてどのような認識を持っているのか、まず基本的な考えをお伺いいたします。

○小池港湾整備部長 今回、知事が記者会見で発表いたしました都案につきましては、所管の都市計画局において検討されていた航空政策の一環として、羽田空港の再拡張案が公表されたものと認識しております。首都圏における空港機能の拡充につきましては、知事が記者会見で発言しておりますように、将来の日本の命運にかかわる大変重要な政策課題であると認識してございます。一方、東京港は、ただいま先生からご指摘ございましたように、首都圏における四千万人の都市生活と産業活動を支える物流拠点として大変重要な役割を果たしております。
 したがいまして、羽田空港の沖合再拡張の検討に当たりましては、東京港の港湾機能に支障とならないように配慮され、港湾機能と両立するようにすることが基本とされる必要があると考えているところでございます。

○藤井委員 港湾機能に支障がないようにするためにどうしたらいいかということについては、先ほど浅川副委員長の方にご答弁がありましたので、次にお聞きしたいのは、今回、知事が発表いたしましたこの東京都の案では、港湾機能に与える影響についてはどのように考えているんでしょうか。

○小池港湾整備部長 今回の都案では、第一航路における大型船舶の航行を確保するため、新滑走路の位置をC滑走路から南側へずらし、水面から十五メートルの高さに設置すること、また、小型船舶の航行ルートを確保するために、新滑走路の位置は羽田沖浅場区域を外し、現空港と橋梁で結ぶ計画としていることなど、一定の配慮をして作成したものと都市計画から説明を受けてございます。
 今回の都案について、所管の都市計画局では、基本形を示したもので、最終案ではなく、今後、拡張規模や空港施設等の詳細について検討していくことが必要であるといっておりますことから、当局といたしましては、都市計画局の検討と並行して海事関係者等の意見も聞きつつ、港湾機能に与える影響について検討してまいりたいと考えております。

○藤井委員 最後に、先ほどもちょっと触れられたと思いますけれども、もう一度確認の意味でお聞きしたいと思います。
 港湾局としての第三空港に対する対応をお聞きしたいと思いますけれども、その前に、今回の桟橋空港については是非があると思いますが、いろいろ大きな課題の中で、やはり問題は、海面に埋められた鉄、柱が腐らないかどうかという問題があるわけですね。既にある外国の桟橋空港の柱が海水でさびてきたというような問題もありますから、やっぱりこういった点もしっかりクリアしなきゃいけませんし、また、今ある羽田空港をさらに拡張して、埋め立てて、そして、しっかりとした空港をつくるべきだという考え方もやはりあるわけでございますので、先ほど川島先生がそんなの無理だよとおっしゃいましたけれども、今後やはり、これはもうできるだけ早くつくらなきゃいけないというふうに私たちも思うわけでございますが、そういったことも含めまして、港湾局としての対応をお伺いしたいと思います。

○小池港湾整備部長 羽田空港の再拡張につきましては、平成八年十二月に策定されました国の第七次空港整備五カ年計画におきまして、滑走路が一本ふえても空港容量の大幅増にならないこと、また、航空機騒音問題及び東京港の港湾機能への影響を考慮すると困難として見送られた経緯がございます。今回の都案は、従来の検討に対して、航空機の離発着間隔の短縮や三本の滑走路の運用方法の工夫など、管制処理の方法を変更することにより空港容量の増大が可能となるとの判断から提案されたものと聞いてございます。
 航空政策を所管する運輸省では、今回の提案を受けて、来年度、首都圏第三空港の調査費の中で羽田空港の再拡張について、その可能性、有効性を含めて検討するとのことでございます。したがいまして、今後、当局では、運輸省の検討と並行いたしまして、空港機能と東京港の港湾機能の両立を図ることを基本とし、東京港の将来の発展にも配慮しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。

○藤井委員 以上です。

○山本委員 私から何点か伺いたいと思います。
 まず最初に、危機突破・戦略プラン、それからベイエリア21でも、港のあり方の問題について、二十四時間三百六十五日のフルオープンという話が出ています。これは本当に今必要なのかどうか、その認識をまず最初に伺いたいんですが。

○高橋港営部長 港湾の二十四時間三百六十五日フルオープン化についてのお尋ねでございますが、東京港を初めとする我が国の主要港湾は、他のアジア諸国と比較いたしまして、港湾の利用にかかわるトータルコストが高いこと、あるいは利用時間に制約があること、諸手続が繁雑であることなど、港の使い勝手に問題があることからその相対的な地位を低下させておりまして、今、急速に国際競争力を失いつつあるという状況にございます。東京港が引き続きメーンポートとしての地位を占めていくためには、港湾を取り巻く規制の見直しや効率的な荷役体制など、利用者のニーズに対応した低コスト、高サービス体制の変革が不可欠であるというふうに認識しております。
 仮にメーンポートとしての役割が喪失することになれば、物流コストの上昇あるいは物資供給の不安定化、流通時間の増大など、先ほどいろいろお話が出ましたが、都民だけではなく、首都圏四千万人の生活と産業に多大な影響を及ぼすことになるというふうに考えております。このため東京港では、昨年四月に官民が一体となりましてアクションプランというものを策定し、港湾荷役サービスの拡充など、使いやすい港づくりに努めているところでございます。一方、国におきましても、港湾運送事業法あるいは港湾労働法の改正が行われまして、港湾運送事業の規制緩和が図られ、日本の港を使いやすいものにする努力が図られております。
 このように港湾をめぐる環境は大きく変化をしておりまして、国際港湾である東京港においても、二十四時間三百六十五日フルオープン化など、港湾サービスの充実を図っていかなければならないというふうに考えております。

○山本委員 二十四時間三百六十五日のフルオープンを進めていくということで今いわれたわけですけれども、そうした場合に、二十四時間そこで港湾労働者が働かなければいけないということになるわけですが、特に労働環境の悪化ということが非常に懸念をされているというふうに思うんですね。
 ほかの港との差なんですけれども、外国の、例えばロサンゼルスでありますとか、ロッテルダムでありますとか、アメリカ、ヨーロッパについても、それからアジアについても、労働者の働く体制というのは三交代、三直制と呼ばれている体制で労働が行われています。ところが、日本の場合には、これが一直制という形がとられています。ですから、働き方も大幅に違うわけですよね。
 そういう中で、例えば実際にコストの面の削減という話になってきたときに、じゃ、今の状況のままでコスト削減のどこにやいばが向いていくんだろうかと見た場合に、働く人の賃金のところに向くのではないかということを労働組合などは非常に心配をしているわけです。特にアメリカなどとの比較を組合の方から伺いましたけれども、大体賃金のベースで見た場合、アメリカは三直制であるにもかかわらず、日本の港湾の労働者に比べると一・五倍ぐらいの給与水準にあるというふうにいわれております。そうなった場合に、じゃ、同じだけの給与水準が保障されなくて、現在の給与水準よりも下がるというようなことになれば、これは絶対に納得できないし、それから、長時間労働または過密労働ということが出てくるということになれば、実際に働く上での安全という点からも非常に懸念があるという声が出ています。
 こうした問題について、今、労働組合と荷主さんと会社側との間でずっと話し合いが続けられているというふうに聞いているんですけれども、それについて港湾管理者としてはこの状況をどう考えていますか、認識をお聞かせください。

○高橋港営部長 二十四時間三百六十五日フルオープン化の実施によりまして、港湾労働者に過度の負担がかからないよう配慮することは必要と考えております。日曜荷役あるいは夜間荷役に対する労働者の交代制の勤務の導入、こういったものが検討されるわけですが、今、先生ご指摘のように、世界の主要港湾はもうほとんどが二十四時間体制をとっておりまして、二交代制、三交代制という勤務体制をとっているわけでございます。残念ながら、日本は交代制が行われていない現状でございます。
 具体的な勤務条件、これらにつきましては、例えばオーバータイム、時間外勤務などの追加的労働コストの負担をどうするかとか、あるいはすべて二十四時間労働者をべったり張りつけるわけじゃなくて、荷役の量に応じて柔軟に交代制勤務に応じていく、こんなことも検討する必要があるのではないかと考えております。
 いずれにしましても、こういった具体的な勤務条件等につきましては、基本的には事業者と労働者の双方でそういった実現に向け十分な話し合いをしていただき、条件を探っていただく、こういうことが必要であるというふうに認識しております。
 私ども港湾管理者である都といたしましては、港湾法に基づきまして、これまでも港湾労働者等の労働環境の改善を図るため、福利厚生施設等を整備、管理してきたところでございます。今後は、二十四時間フルオープン化に対応した福利厚生施設の整備に努めていかなければならないというふうに認識しております。

○山本委員 今その問題は労使の問題ですというお話があったんですが、労働組合から話を伺うと、労使の問題として、そこのところで暗礁に乗り上げているというお話なんですね。ですから、どんどんいろんな文書を発表して、二十四時間だと、フルオープンだと、こう進めていくようなお話ばかりが一方で出ていて、じゃ、実際に現場で働く人の問題をどうするんだというと、それは労使でお話しくださいと。私、非常にそういうやり方というのはひどいと思うんですよ。
 実際に労働組合もフルオープンについては受け入れざるを得ない部分があるだろうと。しかし、労働条件の切り下げであるとか、それから労働時間の問題、今ちょっとお話も出ましたけれども、荷役の量に応じて柔軟にということになると、場合によると賃金の大幅な縮小ということにもつながりかねないわけですね。忙しいときには、どうぞおいでください、仕事は山ほどありますと。ところが、きょうは暇ですので、お仕事はありませんと。その間の給料はどうなるかというようなことも含めて、いろいろ心配が出てくるわけです。こうしたところで、本当に現場で働いている人の労働条件の問題、切り下げにならないように、東京都としても必要な対応をぜひともしていただきたい、これは要望をしておきます。
 それから、今、厚生施設のお話が出ましたけれども、平成九年に基礎調査を行っているようですけれども、その中でどういうことがとらえられて、これからどのようにこの厚生施設の拡充をしていこうというお考えなのか、伺っておきたいと思います。

○高橋港営部長 平成九年に行いました東京港福利厚生事業基礎調査では、日曜荷役、二十四時間荷役に対応できる施設の整備や、ゆとりある快適な環境の整備等の検討が必要とされております。この調査結果を踏まえまして、既に売店の二十四時間営業の実施、あるいは休憩所のスペース拡大、エアコンやコインシャワー等の設備の充実、さらには休憩所の新設に際しまして、これは利用者の方から非常に要望の強かったことでございますが、食堂を併設するなどの整備を行ってきているところでございます。
 また現在、長期的、総合的な視点に立ちまして、二十四時間三百六十五日フルオープンに必要な施設整備や既存施設の活用、施設運営のあり方等を内容といたします今後の福利厚生事業のあり方について検討をしているところでございます。

○山本委員 ぜひ現場の声を最大限に生かした形で福利厚生施設の拡充に努めていただきたいということを申し上げて、次の問題に移りたいと思います。
 先ほどグローバルITエリアの話がいろいろと出ました。そして、その中でも、これからグローバルITエリアということを位置づけていくことによって、もっと企業の進出があるんだというようなお話であったというふうに思うんです。ところで、この間二次公募が行われたわけですけれども、その結果について、応募企業の数、それから業種などについて、まずご報告をいただきたいと思います。

○津島開発部長 第二次公募についての応募結果でございますけれども、第二次公募は、本年七月十九日にその実施を発表いたしまして、十月三十日から十一月一日まで三日間、応募受け付けを行ったところでございます。公募の発表以来、さまざまな引き合いや問い合わせがございました。その中には特に進出可能性の高いケースもございましたが、私どもの公募条件と企業側の希望内容が一致せず、結果として、締め切り日まで今回の二区画については応募がないという結果になってございます。

○山本委員 なかなかうまくいきそうだという話が一方であるんですけれども、その割には、公募の状況を伺うと、引き合いはあった、たくさん来た、可能性の高いケースもあった、しかし、締め切りまでに話はまとまらなかったというのが実情だと思うんですね。これは今回だけのことではなくて、一次公募以来、何回もこういうことを今まで努力をされた。そして、一次公募のときに名乗りを上げたけれども、いまだに契約が終わっていないというところまで含めてたくさんあるわけですよね。こういうふうにしてみますと、結局、この土地処分についてはうまくいっていないというのが実態だと思うんです。
 さっき十年で四割ということで、苦労されているという感があるというお話もありましたけれども、本当にそのとおりだと思うんです。実際応募企業も本当に少なくて、処分が大変だという中で、今度土地処分を推進するための新しいやり方をされるようになったということで、先ほどそのことについてのご説明がありました。じゃ、これは土地処分に当たって仲介手数料なども含めて間に入ってもらって、どんどん集めようじゃないかということのようなんですけれども、この仲介を例えばどこかの企業に委託するというようなおつもりがあるんでしょうか。

○津島開発部長 仲介手数料につきましては、特にどこかに委託するということではございませんで、仲介があった場合に、本契約が成立した場合に、手数料を支払うことによりまして企業の進出のインセンティブとするということでございます。

○山本委員 要するに、期日を区切って公募をしてもおいでにならないから、とにかく探してくださいということなんじゃないかなというふうに思うんですけれども、前回、九月二十八日の委員会でのやりとりをさせていただいた際に、余り売り急ぐつもりはないみたいなニュアンスもあったような気がするんですね。特に価格については、できるだけ東京都として有利な価格をもって土地を売却していくんだというようなお話があって、その場合に、鉄道の開通でありますとか道路の開通でありますとか、そういう条件ができて、土地が高く売れるようになるというときにというようなお話もあったんですけれども、その一方で、仲介業者を立ててでも何でもいいから、とにかく急いで売ってしまおうというふうなニュアンスも感じられるんですが、この間に整合性が私はないと思うんですが、いかがですか。

○津島開発部長 先般の委員会では、土地を売却する場合のタイミングをどう考えるかというお話でございましたので、ある程度交通アクセスが整備されて地価が上昇した、都に有利な状況を見きわめて売却するというお話をさせていただいたわけでございます。
 今回の土地処分というのは、現在行われております長期の賃貸契約の処分でございますので、これにつきましては、先ほど局長が申し上げましたように、やはりこの一、二年が、データセンターを含めて、いろんな意味で企業誘致の一つのかぎを握るというふうに考えておりますので、積極的な対応を図っていこうということでございます。

○山本委員 売却の方はゆっくりとしても来るだろう、そうじゃないところはとにかく急いで、かねや太鼓で呼びましょうということなのかなというふうにも感じます。今こういう形で臨海副都心の土地の処分というのは、いろいろな方法、手をかえ品をかえと出てくるんですけれども、現実にうまくいっていないというのが実態でありまして、前回のときにも私は指摘をしましたけれども、今この臨海開発をめぐって毎年約三百五十億の赤字が出る中で、この事業がいまだに続いているということだというふうに思うんです。
 先ほども質疑がありましたけれども、局の要求の中で、臨海副都心開発事業会計と羽田沖埋立事業会計を埋立事業会計に統合をして、新たに臨海開発事業会計を設置するというふうにしていますね。それで、この目的をもう一回確認をしたいんですが。

○渡辺総務部長 三会計統合の目的についてのお尋ねでございますけれども、先ほどご答弁申し上げましたけれども、臨海副都心を中心といたします東京臨海地域を総合的、一体的に開発をしていく。このために財政基盤を強化する必要があるということ及び効果的、効率的な開発を推進するために、地域ごとにばらばらになっております会計の仕組みを一本に改めて、執行体制を強化していこうというねらいで会計を統合するものでございます。

○山本委員 このベイエリア21構想の中では、こういういい方をしていますよね。臨海副都心開発事業会計と羽田沖、それから埋立事業会計の三つが独立して存在している状況について、より広域的、大局的な観点から、効果的で効率的な投資を行うための会計とはなっていない、だから、新しいシステムの構築が必要なんだと、こう述べていますよね。
 その一方、このベイエリア構想の中では、臨海副都心地区、それから豊洲・晴海地区、江戸川臨海地区、江東東部臨海地区、築地・月島及び周辺地区、港・品川臨海地区、大田臨海地区、大井・青海・有明・若洲・中央防波堤内側外側地区というふうに名前をわざわざ挙げて、ここの地域の開発をやるんだということがいわれていますけれども、この三会計の統合によって、これらの地域の開発についてもこの会計の中で進めていくというふうに理解してよろしいんですか。

○渡辺総務部長 予算要求しております新たな会計、三会計を統合した臨海地域についての会計でございますけれども、臨海地域全域を対象とした開発を担当する会計でございます。
 ただいまお話のございました東京ベイエリア21の中のさまざまなプロジェクトにつきましては、臨海副都心の地域につきましては既に事業実施段階でございます。また、晴海・豊洲につきましても事業実施に入っている、あるいは協議中のもの等がございます。また、新木場地区につきましてはいまだ構想段階であるもの等々ございまして、それぞれの開発の熟度が異なってございますので、それぞれの事業がどのような事業形態をとるのかということによりまして、この会計のかかわり合い方についてもいろんなバリエーションがあろうかと思います。したがいまして、現時点では、一般的にこの会計というものにつきましては、臨海地域全域を対象にした一体的、総合的開発を担保するものであるというぐあいに説明させていただきたいと存じます。

○山本委員 臨海地域全体を対象にした開発というふうにおっしゃって、今ここに載っかっている個々の事例については、それぞれ状況が違うのだといわれるんですけれども、臨海地域全体を一体としてというふうに見る場合に、この八つの地域については、その一体の中に入っていると理解してよろしいですか。

○渡辺総務部長 非常に抽象的な議論になって、一体という点についてのいろんな字句の表現が出てこようかと思いますが、例えば臨海高速鉄道について考えてみますと、新木場から臨海副都心地域を通りまして、さらに品川ふ頭を通って、それが大崎地区に延伸をされていくという事業でございます。ここに関与いたします会計につきましては、臨海副都心の開発事業会計並びに埋立事業会計が関与しているということになってございます。
 また、江戸川臨海という表現がございましたけれども、葛西の地域でございますので、埋立事業会計といたしましては、海上公園としての葛西の海浜公園が関与しているというふうなことでございますので、会計のいろんな性格によりまして、具体的な事業との関係で、一般的な形でのご答弁というのは非常にややこしいのでございますけれども、何らかの形でこの地域全体を大局的に見て、広域的、一体的に開発していくためにこの会計を設置しようというものでございます。

○山本委員 何らかの形でというお話もありましたけれども、要するに、臨海地域全体に開発ということの枠でこの会計が進んでいくんだろうというふうに私は思います。
 会計統合に当たって、会計の状況を何点か伺いたいんですが、まず、羽田沖埋立事業会計と埋立事業会計が臨海副都心開発事業会計に貸し付けている額、それから償還の時期、どのようになっているか教えてください。

○渡辺総務部長 貸付額等についてでございますけれども、臨海副都心開発事業会計につきましては、平成十一年度末時点で埋立事業会計から二千九百二十億円、羽田沖埋立事業会計から六百六十億円を借り入れてございます。いつ返すかという点につきましては、手元に今資料がございませんので、再度確認してご答弁させていただきたいと思います。

○山本委員 今返す時期についてはということでしたけれども、返す時期については、収支が均衡したときにというお話であったのではないかというふうに思うんですね。
 それで、もう一点伺いますけれども、二会計から臨海副都心開発事業会計に、現物を含めた出資はどういう状況になっているでしょうか。

○渡辺総務部長 埋立事業会計から臨海副都心開発会計の方に土地を現物出資してございますけれども、現物出資額につきましては、六千七百二十億円相当額の現物で土地を出資してございます。なお、羽田沖埋立事業会計からは出資はございません。

○山本委員 次に、現在、埋立事業会計と羽田沖埋立事業会計が保有をしている土地などの資産の総額はどういうふうになっているか、これを教えてください。土地などの面積を含めてですね。

○津島開発部長 東京港における埋立地の開発に関する要綱、これに基づく開発計画面積全体で二千七百三十九ヘクタールございます。このうち平成十一年度までに二千二百五十四ヘクタールを処分しておりまして、したがって、今後開発予定面積が残り四百八十五ヘクタールございます。この四百八十五ヘクタールのうち、有償処分予定面積が百二十四ヘクタールございます。処分の方法は売却と長期貸し付けを予定しておるわけでございますけれども、このうち売却を予定している土地は八十四ヘクタールでございまして、土地の評価額を試算いたしますと約二千五百億円でございます。

○山本委員 今八十四ヘクタールと二千五百億円これから売るということでお話がありましたけれども、これは造成ができた土地についてだと思うんですね。まだ造成がしていないところについても、行く行く造成をされれば、これは売却の対象になるんだというふうに思いますけれども、そういう理解でよろしいですよね。

○津島開発部長 そういう理解で結構でございます。

○山本委員 次に、会計の統合によって、借入金と出資金、剰余金というのはどのようにお互いに処理されることになるんでしょうか。

○渡辺総務部長 会計統合によりまして、今回の会計統合、港湾局の方で要求しております方式は、埋立事業会計、これが今までの経緯を考えましても、また実態から考えましても埋立事業の中心となるものでございまして、まず昭和三十九年に埋立事業会計が発足いたしまして、これは東京港の全域を対象に発足いたしました。その後、昭和五十七年に羽田沖会計、そして平成元年に臨海副都心会計がそれぞれ地区別に会計として発足したわけでございます。
 したがいまして、そのような経緯の中と埋立事業の性格から、この埋立事業会計に臨海副都心会計及び羽田沖埋立事業会計の二会計を吸収するものでございます。したがいまして、新会計につきましては、臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計の二つの会計の資産だとか負債、資本のすべてを包括的に引き継ぐというものでございます。いわば包括承継、要するに総価承継という表現になるものでございまして、この結果、三つの独立した会計が一つの会計になってしまうということでございます。
 内容的に申し上げますと、例えば三つの法人がございましたのが一つの法人に合併をする。そういたしますと、そこで相互に持っております資産でございますとか、債権でございますとか、債務のものにつきましては、新しい合併した会社のものになるということでございまして、その中で、それぞれ相互に持ち合ったものにつきましては、債権、債務関係は相殺されるという形になろうかと思います。

○山本委員 今、会計のできた経緯などお話がありましたけれども、臨海副都心開発事業会計をつくったときに、これは一九八九年、平成元年ですけれども、その提案理由はこうなっているんですね。臨海副都心開発事業について、独立採算制の確保と経費の負担区分の明確化を図るために、地方公営企業法の財務規定等を適用する必要があるといって、わざわざこの臨海副都心開発事業会計をつくったということだと思うんですよ。そういうふうにして今までの流れを見ますと、結局、独立採算でやるんだというふうにいってきたけれども、現実にはどんどん埋立事業会計からお金を借りる。そして途中から平成五年、一九九三年には現物出資という形に切りかえるということをして、独立採算制の確保ということをいっていたにもかかわらず、現実には全然独立採算制じゃなかったという姿じゃないのかと私は思うんですよ。
 それで、結果的には、独立採算だというふうにいい、また税金は使いませんといってやってきたんだけれども、現実には先ほど来議論がありましたとおり、十年たっても土地の処分は四割台で、実際に臨海副都心開発事業会計自身は毎年毎年三百五十億の赤字を生み出しているという状況もあり、そして実際にこれからいつになったら借りていたお金を返せるのかという保証もないという中で、今いわれたように、三つの法人が合併をするようなものなんだという例え話があったんですけれども、一般の会社で、赤字でこれほどひどい状態になっている会社と黒字の会社とが合併をして、そして黒字の会社から赤字の会社に貸していたお金がいわば消えてなくなる、債務がなくなってしまうということになれば、これは株主は納得しないですよ、普通の会社の場合ならば。
 ところが、今回三つの会計の統合ということをされて、そのことで東京湾全体の一体的な開発を進めていくんだという話になると、結局、今までやってきた埋立事業会計の中での仕事の仕方、要するに、埋立地をつくって、造成をして、売却をして、その収益については一般会計の繰り入れなんかも含めて使っていくというやり方を今まではとってきたわけですよね。ところが、今度のやり方というのは、そういうものを全部、臨海副都心開発事業会計で進められてきた開発、この事業につぎ込んでいくという結果になるんだというふうに私は思います。しかも、今までの借金の分についてさえ、これはいわば、言葉は悪いですけれども、チャラにするという状態になって、そして、さらにこれから土地の処分によって出るであろうといわれている二千五百億円の収益、それから、未造成の土地についても行く行く造成して売れる状態になれば、その処分で処分益がまた出るわけですよ。そういうことも含めて、これを臨海副都心開発事業、そして、さらには東京湾全体の開発事業につぎ込んでいくという流れになっていくものなんだというふうに私は思います。
 そういう意味で、既に破綻をしている臨海副都心開発事業の破綻自体を覆い隠すようなやり方、それ自身は絶対に許されるべきではないし、そもそもこの臨海副都心開発事業全体について、全体の情報を都民の前に公開をして、きちんとした見直しをするべきなんだ、これが会計統合の前にまずやらなければいけない仕事だということを申し上げて、私の質問を終わります。

○いなば委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますけれども、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○いなば委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取してあります。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○長尾経営管理部長 去る十月十七日の当委員会でご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布いたしてございます経済・港湾委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。要求資料四項目の件名につきましては、表紙に記載してございます。
 一ぺージをお開き願います。築地市場再整備の経緯と進捗状況でございます。
 まず、再整備の経緯でございますが、1の(1)のような経緯を経まして、一階を水産、二階を青果、三階を駐車場とする立体構造の基本計画に基づき、平成三年から正門仮設駐車場の建設工事に着手いたしました。しかし、業界調整等に時間を要しまして、計画が大幅におくれたこと、建設費用の増嵩が不可避となったこと、また、バブル崩壊後、流通構造の変化が急激に進んだことなど、当初計画を見直しせざるを得ない状況が生じました。
 そこで、(2)にお示ししましたように、平成八年十一月に第六次東京都卸売市場整備計画を策定した際、築地につきましては基本計画の見直しを決定いたしました。このため、都と業界で構成する築地市場再整備推進協議会におきまして、新たな見直し計画案を種々検討してまいりました。しかし、いずれの案も合意を得るに至らず、昨年十一月に、移転整備の方が合理性と実現性が高く、移転整備へと方向転換すべきとの意見が大勢を占めたとの取りまとめを協議会として行ったところであります。これらを踏まえ、現在、移転整備に向けまして地権者と用地確保の交渉を行っております。
 次に、工事の進捗状況でございますが、主要施設の進捗状況につきまして、準備工事と本格工事に分けて取りまとめてございます。また、それぞれについて、当初計画の建設予定年度と実際の建設年度をお示ししてございます。
 準備工事につきましては、ほとんどの工事が当初計画の予定建設年度よりもおくれ、いまだ着工に至らないものもございます。また、本格工事としましては、勝どき門駐車場の一期工事を平成七年度に完成させておりますが、事務所棟や冷蔵庫棟及び市場の中心施設である市場棟は未着工となっております。
 次のぺージに再整備の位置を図であらわしておりますので、参考にしていただきたいと存じます。
 続きまして、三ぺージから五ぺージにかけましては、東京都中央卸売市場で取り扱った輸入品について、十年間の状況を記載したものでございます。
 まず、三ぺージは野菜でございます。中央市場の総取扱数量、金額及びそのうちの輸入品の合計並びに総取扱高に対する割合と主要な品目について、上位五品目の数量を記載してございます。野菜の輸入につきましては、わずかずつですが、増加の傾向にあります。
 四ぺージをお開き願います。果実につきましては、平成六年をピークに減少を続けておりまして、平成十一年はピーク時の約六九%となっておりますが、この理由は、景気低迷の影響を受け、嗜好品的な性格の強い果実の消費が落ち込んだことによるものと思われます。
 五ぺージをお開き願います。食肉につきましては、牛肉の輸入が平成三年度に自由化されましたため、それまで輸入牛肉を一手に取り扱っていた畜産振興事業団からの割り当てがなくなったことにより、平成四年度以降は大幅に減少し、総取扱数量に占める輸入牛肉の割合は、近年は四%台にとどまっております。
 六ぺージをお開き願います。取扱部類別の販売方法の割合につきまして、取扱数量をベースに十年間の推移を記載したものでございます。水産物部、青果部、花き部につきましては、競り売り及び入札の割合が減少し、相対売りの割合が高くなってきております。食肉部につきましては、枝肉は原則として競りで販売することとなっておりますので、相対売りで販売される割合は、他の部と比較し極めて少なくなっております。
 次に、七ぺージをお開き願います。食肉市場及びと場における主な施設整備と契約状況でございます。食肉市場及びと場において、平成七年度以降に実施いたしました主な施設整備でございます。汚水処理施設整備、小動物棟整備及び北側棟建設等につきまして、工事件名、契約方法、契約業者、契約年度及び契約金額をそれぞれお示ししてございます。
 以上、甚だ簡単でございますが、ご要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○いなば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○川井委員 先般市場を視察させていただきまして、いろいろありがとうございました。見させていただいて、狭い、汚い、危険というか、そういうものも十分理解させていただいた、こういう思いを持っております。また、業界の団体の方々も整備に対しての早期決定、これを強く望んでいる。この問題をいち早く解決する必要があるなという思いで見てきたわけでございますけれども、資料要求の資料でもいただいているように、重立った工事というのはほとんど未着工であるわけであります。要するに、現在地の整備のための工事が全く今の段階以上進まない、こういう状況にあるんだろうなと。その原因というものをまずご披露願いたいと思います。

○小栗築地市場再整備担当部長 築地市場の再整備工事につきましては、昭和六十三年に基本計画を策定いたしまして、平成三年度に工事に着手したわけでございます。この工事に先立ちまして行います業界調整の結果、工事方法や設計に変更が生じたことなどから当初計画の約二倍の工期を要し、整備費の増嵩が見込まれることになりました。また、長引く不況のもとで、工事に伴う営業への支障が耐えがたいものになるおそれが高まってまいりました。
 このような状況を踏まえまして、平成八年に当初計画の水産一階、青果二階の立体整備案を見直しまして、平面配置へと方向転換をすることにいたしました。その後、平面配置の検討を行ったわけでございますが、業界との合意が得られなかった。さらに、業界からは平成十年になりまして移転論が浮上した等がございまして、再整備工事の進捗がとまったものでございます。よろしくお願いいたします。

○川井委員 今、業界からも十年に移転論が出てきたと、こういう話がありました。それで、平成八年の見直しは現在地の計画変更であるということは承知しているわけですけれども、都が再整備を断念して移転へとの方向転換をした大きな理由というものを挙げていただきたいと思います。

○小栗築地市場再整備担当部長 平成八年の計画見直しを決定した後、平成九年から業界と都で構成いたします築地市場再整備推進協議会の場におきまして見直し案の検討に入ったわけでございます。しかしながら、この場で成案を得ることができなかったわけでございます。このような中で、業界内部に先ほど申し上げましたような移転論が浮上しまして、平成十年四月に臨海部への移転可能性を検討されたいという要望書が提出されたわけでございます。
 そこで、都といたしましては、業界がその検討を求める以上、業界に移転の意思を明らかにするように求めたところ、十二月に回答がございまして、業界団体は移転で一致することができなかったということがございます。そのため推進協議会では現在地再整備に戻りまして、さまざまな案を検討いたしました。再びこの場におきましても成案を得ることができなかったという状況がございました。そうした中で、平成十一年七月から移転整備についても検討の対象とすることとしたわけでございます。このような経過を踏まえまして、平成十一年十一月の推進協議会の場で移転へと方向転換すべきとの意見集約を行ったものでございます。
 都といたしましては、こうした経過の中で、現在地再整備は極めて困難と判断し、移転整備に向けた本格的な検討を開始した次第でございます。

○川井委員 今ご説明いただいたわけですけれども、どうも私、当時の話を知り合いにも聞いてみますと、実はこの時点でもう移転という問題が--いわゆる局の方が再整備ということを決めた時点、それ以前からも現状の中での再整備は難しいんじゃないだろうかという議論が一方にはあった、その段階で移転という話も、業界内がまとまらないながらも既にあったんだよ、そういう話も実は聞いているんですね。その時点で実は何カ所かの候補地というよりも、豊洲ありきというようなものが見えていたんじゃないのかなと、こう思うんですけれども、そこら辺についてはどうなんですか。

○小栗築地市場再整備担当部長 平成十一年の十一月に推進協で取りまとめをした後に、各種候補地等について検討したわけでございます。豊洲も一つの候補地ということで検討したわけでございますけれども、それに限って決めたわけではないと私どもは承知しております。

○川井委員 もう一度年次でお聞きしますけれども、平成九年当時、移転という議論が局内あるいは関係業者の中にもあったように聞いているんですが、それはなかったんでしょうか。

○小栗築地市場再整備担当部長 平成九年当時のことを十分に承知しておりませんけれども、私、これまでいろいろ引き継ぎの資料等々確認をしておりますけれども、その事実についてちょっと確認ができません。

○川井委員 確認できないということになると、もうこれ以上質問しませんけれども、私が関係者からちょっとそういう話を聞いて、なおかつ移転の一つには豊洲があった、こういう話も聞いているんですけれども、そうなると、平成九年に都市計画局が出した豊洲・晴海整備計画との違和感を感じてならないんですね。ですから、そういう意味でちょっとお聞きしました。
 ただ、ここら辺については、私はなぜこういう話をするかというと、この後について、別に東京都の足を引っ張るわけでも何でもなくて、今後の用地確保というものをきちっとやっていってもらいたい。特に東京ガスさんの立場というものを大いに理解してかからないと話は進まぬのかなと。東京ガスにすれば、都市計画局が出した当時の整備計画というもので、あの豊洲が二号線を分けて、反対側が住居地域、反対側が業務・商業地域になって、そういう計画の中でみずからの計画を進めてきた。そういう思いで芝浦工大などにも話して、その一部を芝浦工大に計画に参画していただく、こういうような計画が実はあったのです。それは東京都の計画のもとに自分たちが絵をかいてきた、そういう思いがあるわけですから、そういうことをきちっと理解してかからないと、そして相手の立場を理解してこれから地権者にかかった方が、私は東京都が早くあの土地を移転地として得ることができるんだろう。そういうことを理解なしに、ただ頭からよこせ、よこせといったって、相手の立場があるわけであって、そういうがためにあえてお聞きしているんです。
 そうすると、平成九年に出した都市計画局の整備計画と、出す以前に移転という議論があって、なおかつその幾つかの候補の一つに豊洲があったならば、その時点で、都市計画局がこういう案を出しているけれども、実は我々もこういう案があるんですよということを地権者に多少なり耳に入れておくことによって、今のような厳しさというのはないのかなという思いがするんです。それであえて聞いているので、もう一度聞きます。

○小栗築地市場再整備担当部長 先ほど私、聞いていないというお話を申し上げましたけれども、業界からの移転の要望が出ましたのが十年の四月でございます。業界内ではその以前に、九年段階のようでございますけれども、移転の話が出ていたようでございます。そういったことを訂正をさせていただきます。

○川井委員 業界などでは出ていたようですということでありますけれども、きちっと出たのが十年だということですけれども、ちょっと私、業界の方々、知り合いに、かなり前から出ていたんだという話も聞いております。ですから、あくまで豊洲の市場用地を確保できるかどうかという結論を早急に出す必要があるんだと。それは今後の全体にかかわる二号線を含めたインフラ整備や何かの決定が実はもう迫っている、そういうことで必要になってきている。そうであるならば、その地権者との交渉がどのような経過で進んでいるのか、まずお知らせをいただきたいと思います。

○小栗築地市場再整備担当部長 平成十一年の十一月に推進協議会の集約がございました。それを踏まえまして、直ちに地権者でございます東京ガスさんに豊洲地区への築地移転の協力が可能かどうか、これの打診をしております。交渉に応じていただきたいという旨の要請を行ったわけでございまして、その後、交渉を進める中で、平成十二年五月、ことしの五月になりまして、副知事による交渉へと移行してございます。
 この際でございますけれども、六月二日に東京ガスから副社長名で副知事あてに質問が出てまいりました。それに対しまして、東京都の考え方を六月二十八日にお答えをしてございます。現在、東京ガスと継続して交渉、お話をしているわけでございますけれども、市場が行くことによって、これまで東京ガスがお持ちになっておりました計画との整合性を図る、その点での調整を行っているというのが現状でございます。

○川井委員 今いわれたように、東ガスさんが持っていた計画の多少の部分でも生かせるように調整を図っていくことが早い決着を見ることなのかなという思いが実はしております。
 それと同時に、これは矛盾するんだけれども--今東ガスさんが持っているところが四十七万平米かな、築地が二十三万平米。計画でとられる土地等々を入れると、ちょっと心配しているのは、場外の方々、それから関係する企業の方々、いわゆる冷蔵庫屋さんとか、こういう方々を全部一緒に連れていくわけにはいかないだろう。これを全部連れていくとなると、当然現状想定している土地だけでは足らなくなってしまう、こういうことになるわけですね。そうであるならば、残される場外の方々について、生き残りを図るがためのまちづくりを考えていかなきゃならない。そういうところにも十分、東京都がある意味リードしてまちづくりを考えてあげなければいけないのかなと。
 恐らくこれから、現状のままでいいのか、あるいは一緒に場外の人たちも行きたいのか、こういう話を聞いていく作業があるんだろう。しかし、現実には連れていけない、私はそういう判断をしているので、早くそちらの方の対応もしていただきたいし、冷蔵庫関係や、その他の関連企業者の対応もしなきゃいかぬのだろうなと。一部、東京ガスの反対側に石炭ふ頭や何かがあるから、その部分は東京都の土地ですから、そういうものを利用して考えるのか、あるいは全く連れていかないで現状のところで考えるのか、そういうところも早く形を出してあげて、しかしながら、こういう対応はしますよと。ある意味、オール東京で考えて必要なことというのはやらなきゃいけないのだろう。若干ある意味でこぼれる、それに対してどういう手助けをするのか、私は個人的に、これが行政だと思うんです。そこら辺はどういうふうに考えているか、お答えを……。

○小栗築地市場再整備担当部長 築地の場外の皆様とは、実はことしの十月から二度ほどお話をしております。いろいろの意見をお持ちでございます。やっぱり現在地で残って、残ることによって営業が続けられるという方もおりますし、やはり一緒に行きたいという方もございます。その方々の意見を十分にこれから踏まえなきゃいけないなと思っております。まだ私ども、場外の方とお話をしたのが二回しかございませんので、今後引き続き皆さんとお話し合いをしながら、また商店街の活性化というのはやっぱり区の仕事でもございますので、中央区とも十分話し合いをしていきたいと思っております。

○川井委員 特に中央区長を中心とした、断固反対する会なんていうのがあるようにも聞いております。逆にいえば、跡地二十三万平米、これもある意味、中央区が二度とない大きな夢を見るチャンスなんだろう、こういう思いも一方にはしております。それには東京都が本気になってどの程度中央区の夢に参画し協力できるか、こういうことになるんだろう。一方には、あの土地を売って移転先を買わなきゃならぬという両方の思いが実はあるんだろう。しかしながら、最大限そこら辺の地元区に対しての配慮も必要なのかなということだけいっておきます。
 最後に、いずれにしろ、そういうことを引きずりながらも早く移転先の決着を見て、せっかく業界の方が大方まとまってきたわけですから頑張ってもらいたい、こういう思いもありますので、移転問題の早期決着に向けての市場長の決意を聞かせていただいて、質問を終了します。

○大矢中央卸売市場長 築地の市場再整備問題につきましては、いろいろ先生方にご心配をいただいて、まことに感謝をしておりますが、これは昭和六十一年に決定以来、十五年の経過を経まして、先ほど部長が説明しましたようないろいろな経過がございます。そういう中で、この再整備問題は都庁の最重要課題の一つにのせられ、この結論を出すことが喫緊の課題でございます。
 いずれにいたしましても、二十一世紀における築地市場が、都民の台所で、首都圏の基幹市場としての役割を十分果たすためには、一日も早く移転の目途をつけることが重要というふうに考えております。そのためには、関係各局との連携のもとに、築地市場の豊洲移転についての地権者の賛同が得られますように、まずここが基本でございますので、現在そのために全力を尽くしているところでございます。また、このご理解がいただけるということになりましたら、現在もやっておりますが、それを踏まえまして、都議会、関係地元区を初め関係機関に対しましても、ご理解、ご協力をいただけるように、あらゆる面から全力を通して説明をしてまいりたいというふうに考えております。

○浅川委員 市場の件で若干お伺いをいたします。
 ことしの三月に中央卸売市場仲卸業者の取引等実態調査報告書、国内卸売市場取引運用実態調査報告書というのが出されております。この報告書の中では、中央卸売市場における仲卸業者の経営が厳しい状況と、経済不況の深化、それから消費の低迷から、量販店間での競争の激化で、量販店がその購買力を利用して仲卸業者に対して厳しい取引条件を要求することが懸念されていると、こういうふうにいたしまして、中央卸売市場の仲卸業者と量販店との取引実態と取引上の問題点などを把握し、仲卸業者の経営改善と卸売市場における取引の円滑化を図るための資料として調査がされたというふうに記載されておりますけれども、この調査報告書についてはご存じでしょうか。

○石川業務企画担当部長 ただいま委員のご指摘にございました農林水産省の方で行った調査でございますが、そのご指摘の調査については私ども入手いたしておりまして、承知してございます。その中では、量販店等と市場業者の間におきます取引におきまして、量販店等の優越的な地位を利用したような取引、そういった可能性があるというふうな指摘があることは承知してございます。
 また、その中では、一方では、そういった量販店と取引しております仲卸業者の大半が、今後売り上げを伸ばすためには量販店との取引は必要だと、こういうふうな考え方を持っているということも実態でございます。

○浅川委員 それで、この報告書では、例えば仲卸業者の方が量販店からの押しつけ販売をされたというふうにアンケートで答えているのが五〇%に上っているとか、あるいは自分の責任がない商品について、返品をいわば強要されたというのが三五%、また、従業員の派遣要請が四五%、協賛金の負担の要請が四五%ある。この協賛金の負担については、重いと答えた業者が七一%に上るというような報告になっております。さらに、これ以外にも、指し値や特売日の値引きなど、量販店がその優越的な立場を乱用している場合があるというようなことが報告をされております。こうした問題で、市場として東京の市場の実態を把握されているでしょうか。

○石川業務企画担当部長 今ご指摘にございましたような量販店からの値引きであるとか人材の派遣だとか、そういったことは今おっしゃいました資料にございまして、また、私どもの中央卸売市場におきましても、平成九年に市場業者の経営基盤の強化に関する研究会を設置しまして、卸売業者、仲卸業者の経営基盤の強化につきまして二年間にわたりまして研究を進めたわけでございますが、その際にも同様のアンケート調査をいたしまして、今国がやりました調査と同様の傾向の結果が出ていると、このように承知しております。

○浅川委員 それで市場として、自由で公正な取引を促進するためにも適切な実態把握が引き続いて必要だというふうに思いますし、こうしたいわば不当といいますか、こういう行為に関して、市場の開設者としての規制といいますか、正すという対応が必要だと思います。この優越的な立場の乱用を防止するためのガイドラインというのが設けられていると聞いていますけれども、先ほど紹介した報告書では、このガイドラインの周知徹底を必要としておりますけれども、東京都は、先ほどの規制の質問とあわせて、ガイドラインの普及啓蒙についてどのような対応をされているでしょうか。

○石川業務企画担当部長 ただいまの量販店等によります優越的地位を利用した取引についての規制と、それから先ほどの調査の中に盛り込まれておりますガイドラインについての普及啓発の問題でございます。
 まず優越的な地位を利用した取引についてでございますが、仲卸業者と相手方であります量販店等との契約でございますが、これにつきましては私人間の契約ということになりますので、私的な経済行為ということで、そこで行われます優越的な地位を利用した不公正な取引の規制、これは公正取引委員会の権限ということになろうかと思います。
 ただ、開設者といたしましては、こういった取引の一方の当事者であります仲卸業者に、先ほどのいわゆるガイドライン、流通取引慣行に関する独占禁止法上の指針、こういうものでございますけれども、これについて認識を深めていただくことは重要かと考えておりまして、今後そういった点の啓発などを含めまして適切に対応してまいりたい、このように思います。

○浅川委員 そういう点で、私は、先ほど実態把握ということも含めて、市場としてこうした不正な行為に対する規制等を行っていただきたいというふうにいったわけでありますけれども、例えば市場としても業務指導とか監督指導とかいうことで、取引業務の巡回調査というようなことをやられております。
 ガイドラインに沿って適正な取引が行われるようにということについては、認識は一致していると思うんですけれども、例えば去年の事業概要とことしの事業概要を見せていただきますと、そういう実態把握、あるいは指導、ガイドラインの徹底とおっしゃっておりますけれども、例えば取引業務の巡回調査については、昨年は青果物は五回、それから水産物が一回、花きが一回ということで、七回あったんですが、ことしは青果部市場が三回、水産物が一回、花きが一回ということで、減らされちゃっているわけですね。こういう点は、今の認識や、あるいは実態からして、こういう調査については引き続き行っていただきたいと。これは我が党だけではなくて、この間のここ何年かの記録を見ましても、こうした調査あるいは指導については、市場としても強めていただきたいというような要望や質問も出されております。この点についてはいかがでしょうか。

○石川業務企画担当部長 ただいまのご質問にありました巡回調査等でございますけれども、これにつきましては、いわゆる市場法の枠の中で、卸売業者とその買い受け人であります仲卸業者、あるいは売買参加者との取引が、市場法等の定める一定のルールに従った適正な取引がされているかどうか、そういった観点からするものでございまして、いわゆる仲卸業者と量販店等との取引にまで立ち入るものではございません。
 それから、今のご指摘の巡回調査の回数が減っているではないかということでございますが、その点につきましては、今後も十分適切に指導監督ができるよう努めてまいりたいと、こんなふうに考えております。

○浅川委員 ぜひ実態把握と調査と指導監督、これを強めていただきたいというふうに、これは要望いたします。
 それから、市場の経営体質の強化ということで仲卸業者の経営基盤の強化を挙げておられまして、先ほどご紹介ありましたけれども、統合、大型化ということがいわれております。私は本来、市場というのはすべての業者に平等に開かれているものだというふうに思いまして、大型化、統合ということで中小零細の業者の参入が規制をされたり、あるいはなかなか難しくなるというようなことについては懸念を持っているわけです。先ほどの経営基盤の強化の報告書ですか、これは「市場業者の経営体質の強化に向けて-最終答申」という中で、仲卸業者の経営基盤の強化ということに触れられております。統合の問題に触れて、そこに至る以前に留意点ということで何点か書かれておりますけれども、本来統合の前に、ぜひ経営基盤強化できるような指導あるいは援助をしていただきたい。この点は要望にとどめておきます。
 それから、先ほども質疑がありました築地市場の再整備についてでありますけれども、この点では、これまで我が党は、再整備に当たって関係者間の協議と合意が必要だ、これをぜひつくっていただきたいということを申し上げてまいりました。この業界団体との合意、何よりも個々の事業者の皆さんが、現在地にせよ、あるいは移転をするにせよ、将来的な見通しが立つというようなことの中での合意ということが図れるようにすることが必要だというふうに思います。
 先日、視察の中で業界団体の関係者の皆さんとの懇談がありまして、その中で私が非常に印象深くお聞きをしましたのは、これは魚市場卸協同組合の伊藤理事長さんですか、現在では組合の理事長として反対という立場だというふうにしながら、今、仲卸の存在や将来の市場のあり方まで含めて考えていきたいんだという発言をされておりました。きょう、その記録も出されておりますけれども、その中で、現状では場所がなかなか明確にならないとか、あるいは移った際のどうなるんだという将来の展望だとか、現在地がいいのかとか、自分たちも現在地の再整備の案をつくったというようなことも含めまして、比較検討が必要だということをいわれておりました。私も非常に率直なご意見だというふうに伺いました。
 こういう点で、市場としてこうした関係者の皆さんに対する情報提供というんですか、今までの経過、いろいろあったと思いますけれども、この点が非常に不足をしているのではないか。やはり本当に情報提供を十分にしていただいて、そして関係者との合意を図っていく、このことが必要だというふうに思いますけれども、この点について最後に伺って、質問を終わります。

○小栗築地市場再整備担当部長 昨年の十一月の築地市場再整備推進協議会における移転整備に方向転換すべきとの意見集約につきましては、現在地再整備の困難な理由や、あるいは現在地再整備と移転整備の比較等の検討を行った結果、得られたものでございます。この中で判断に必要な情報は実は提供はしてございます。しかし、ご指摘のとおり、築地の新市場の地権者協議がいまだまとまっていない、具体的に内容が見えてこないために、業界の中での議論が深まらない面もございます。
 しかし、現在、市場移転の前提となる用地確保について地権者と交渉している段階でございまして、その内容についてはつまびらかにできないわけでございますが、今後、用地の見通しがついた段階で、今後の市場のあり方について合意形成を図れるよう積極的に情報提供をしていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○林委員 どちらに質問したらいいかわからないんです。まず最初に、きょう出された、この前朝早く視察した議事録ですけれども、委員長が指示して、きょう用意したんですか。それで、あのときの席上の発言すべて網羅されているわけですか。それはどちらか、理事者の方が答えるの。

○小栗築地市場再整備担当部長 当日録音をとりまして、それを書き起こしてございます。ただ、ちょっと聞き取れない部分がございまして、その部分が若干抜けている部分がございますので、その点はご了解いただきたいと思います。

○いなば委員長 これは私の方からも担当書記の脇阪さんの方にもお願いしておきました。

○林委員 僕、去年もこの委員会だったんですけれども、去年はこういうご丁寧なことはなかったんですよね。去年の視察のときは、逆に現地で再整備するための工事や何かは全く見せていただけなくて、私も初めてだったから、どこをどうなんていうのはなかったんですけれども、後から行って、ここは現地整備のために仮設でつくったとか、あるいはここが構台だとかという話を聞いたものですから、そもそも一番の不信感はそこから起こったわけでありまして、今回も今度は逆にこうやって丁寧に出していただいたので、その不信感がちょっと増幅した感じで思っているんです。
 それで、今の浅川副委員長がおっしゃっていた伊藤理事長の発言にしても、私は全く逆で、自分の組織の中の賛成、反対が何対幾つですよなんていうことは、普通のそういう立場にある人は余りいわないんじゃないかというのが僕の常識的な感覚なんですけれども、組織としてはまとまって、こういう結論を出しましたという表現になるんじゃないかというふうに思って伺わせていただきました。
 それで一つ、いただいた資料の中で、方向が変わったといいますか、平成八年十一月、第六次の計画で見直しを決定したというふうにありますけれども、前いただいた資料などでは、この段階では現地整備を基本方針としてというのが入っていたと思うんですよね。それと、立体的整備から平面整備へというのは、逆にきょういただいた資料で僕は初めて見たような気がするんですけれども、そこをちょっと確認させていただきたい。

○小栗築地市場再整備担当部長 ここに示してございます平成八年の十一月の文言でございますが、これは第六次整備計画を策定いたしまして、その際に、四次に現在地再整備の立体案ができてきたわけですけれども、工事が進まない等々の関係から立体配置から平面配置に切りかえて、水産、青果でそれぞれのところで再整備をするということが望ましいということがありまして、そういう見直しがされたということで、これまでもお話をしているかと思います。

○林委員 そうですか。後で私自身、確認をしてみたいと思いますけれども、そのときに、六団体の意見の一致を前提とする。それからもう一つは、地元区、中央区の了解をやはり前提条件としてということがあったと思うんですよね。その辺は現在どうなっているのでしょうか。
 それで、もう一つ、先ほど調整を失敗したというのは、すべて東京都サイドの指導力だとか、あるいは調整能力だとか、逆に担当者がころころといっては失礼ですけれども、ある程度期間を置くとかわってしまうとか、そういうところに原因があるんですか。その調整がどういうものが原因となって失敗したという表現になっていくのか、その辺もちょっと掘り下げて説明をいただきたいと思います。

○小栗築地市場再整備担当部長 まず第一点目の、一団体でも反対があったら築地で再整備をしないといったという話でございますけれども、先ほど申し上げました平成八年の第六次整備計画におきまして、再整備計画を見直したわけでございます。先ほどいいましたように、これまでの立体配置を平面配置にするということでございました。そのため九年の十一月に推進協議会を開きまして、その見直し素案を東京都から提案をいたしまして、ご検討いただきました。しかしながら、合意が得られなかったということがございます。
 そうした中で、十年の四月に業界六団体から、臨海部への移転可能性について調査検討願いたいという要望書が提出されたわけでございます。それを受けまして東京都は、庁内関係各局と協議をした結果、六月に、現時点で移転の可能性を見きわめることは困難としながら、市場業界全体の一致した意思などが前提であるということを文書で示し、業界の意思確認をしたわけでございます。同年十二月になりまして業界からの、市場六団体のうち四団体が移転に賛成、二団体が反対という回答がございました。
 このように意見の一致が見られなかったことから、平成十一年二月に推進協議会を一年四カ月ぶりに再開し、現在地再整備に戻って検討するということで、この検討を進めたわけでございます。しかしながら、この協議も行き詰まりがございまして、同年七月の第二十二回推進協議会からは移転整備も視野に入れて検討がされるということになりまして、十一月に先ほど申し上げました意見集約がされたという経緯でございます。
 それから、調整の問題につきましては、現場でいろいろの問題がありまして、例えば工事搬入路がこの位置ではだめであるとか、工事を進める場合に、例えば右の方から始めてくれとか、そういったいろいろの現場の中での調整が難航したということでございます。

○林委員 中央区の方の話が出なかったんですけれども、たしか中央区は去年の十二月十五日に五つの質問をして、回答をちょうだいよというのがあって、東京都サイドとしては年度内にご返事しますというふうな返事をもらったというふうに--向こうから聞いている話ですけれども、ありますし、また、五月二十二日か何かに同様の話をしたら、夏までにはご返事しますという、やはり同じような形で答えられたけれども、いまだにもらっていないというような話を聞いているんですよね。
 それで先般、中央区長を先頭にして、反対の団体だとか、大勢の人が知事の方にも議会の方にも陳情に来たということを聞いておりますけれども、その辺の市場としての対応がちょっと誠意に欠けるんじゃないか。先ほど情報をどんどん出して話し合いを進めた方がいいというお話がありましたけれども、そういう点が無責任だなという感じが非常にするんですよね。
 それで豊洲の土地にしても、普通自分の店舗を動かさなきゃいけないときに、向こうが使おうとしている、所有者が決まっているところに、あそこはいいところだから、あそこの店に移ればもうかりそうだから、ちょっと使わせてちょうだいよなんていうやり方をしないですよね。そういうところにいろんな形で不信感がわき出てくるんじゃないかなという思いがすごくしているんですよ。自分の都合のいいことはどんどん進めて、だけれども、相手があるからなかなか進まないんでしょうけれども。しかも、その豊洲の土地の方は都市計画局が先頭になって開発をしようということで、逆に東京ガスにお願いして協力してもらっているような形があるわけですよ。それをまた同じ東京都の中の市場がそっちがいいからというんじゃ、やっぱり納得しないだろうと思いますし、その辺の今までの進めてきた都市計画事業に対する東京都としての責任はどういう割り切り方をしているのかなというのをいつも不思議に思っているんです。もしそれに対してコメントがあればいいんですけれども。
 また、あそこの豊洲の土地は工場だったですよね。どういう使われ方をしていたかというのは現実には私は見ていないんですけれども、話で聞くところによると、東京電力にしろ東京ガスにしろ、工場として使っていた。それで埋設物だとか、あるいは土壌汚染の心配もあるんじゃないかという話が一部に出ているんですけれども、土壌調査だとか、そういうのを行ったかどうか。逆に--逆にというか、市場ですから、食を扱う施設を移そうということですから、その辺はかなり大切じゃないかなというふうに思っているんですけれども、いかがですか。
 それと--まとめて聞いちゃいます。余り長くなると悪いですから。よくアスベストの話も出るんですよね。アスベストは、築地の今の市場が建設されたときには世の中に出ていなかったというふうに聞いているんですね。それの確認と、実際にアスベストがあるのであったら、公共施設のアスベストは今ほとんどすべて撤去しちゃっている段階ですけれども、今アスベストがちょっと厄介なんだという、あそこで整備できない理由の一つになっているかどうかは別にしても、障害の一つになっているということで、それに対してほったらかしといて、それでアスベストがあるからというのはどうなのかなという思いがしているんですよね。その辺も確認をさせていただきたいと思います。

○小栗築地市場再整備担当部長 三つの点があったということで確認をさせてもらいます。
 情報の問題と土壌汚染の問題とアスベストの問題ということで、情報の開示の問題でございますが、特に中央区等の反対の最大の根拠は、用地の確保が今できていないわけで、したがいまして、用地の確保の見通しをつけることが急務であるという認識に我々は立っております。見通しがついた段階で、五項目の質問が中央区さんから来ておりますけれども、それに誠実に回答していきたいと思っております。
 それから、東京ガスに対しましても、いろいろご相談という形で現在情報交換をしている段階でございます。
 それから、土壌汚染でございますが、工場のガスを製造するという機能があそこにあったようでございまして、土壌汚染があるやに聞いております。私ども現在、私ども地権者ではございませんので、地権者である東京ガスが調査をしているというようなことを聞いております。この内容については、それが判明次第、その対応をしなければならないと考えております。
 三番目のアスベストの問題でございますが、アスベストは吹きつけをしたアスベストの部分と、スレートで使われている部分がございます。その吹きつけの部分につきましては、現在私ども、わかる範囲で対処してございまして、いわゆる風によって吹き散らされるということがない状況でございます。ただ、アスベストの入ったスレートが一部使われておりまして、それは工事をする際に慎重に取り扱わなければならないという性格のものでございまして、今後あそこの解体をする段階に慎重に対応する必要があると考えております。
 以上でございます。(「都市計画との関係」と呼ぶ者あり)
 都市計画との関係でございますが、豊洲の利用につきましては都を挙げての問題でございまして、現在、都市計画局、建設局、港湾局、そして政策報道室、そして私どもの中で、豊洲の取り扱いについて今協議をしている段階でございます。よろしくお願いいたします。

○林委員 それじゃ、中央区との交渉は、ことしの三月まで、夏までとかという返事を、口頭でだと思うんですけれども、していたということは、ある意味ではその段階までに東京ガスとの交渉が見通しがつけられるだろうという思惑の裏返しなんですかね。逆にいえば、またそれが延びているということは、結構難しい段階なのかなというふうにも勝手に思っていますけれども。
 それとアスベストに関しては、小中学校のあの撤去作業を見ると、それこそ一日でも早くというような思いでやっていたように記憶しているんですね。私の地元の練馬区なんかは本当にすごい勢いでやっていましたし、十何億という予算を組んでやっていましたから。それをあれだけ多くの人が集まる市場に放置しておくというのもいかがなものかというふうに思います。それはああいう状況ですから、なかなか難しいというのはよくわかりますけれども。
 それと移転が--移転がというか、築地の市場、築地市場の性格といいますか、あそこが成り立っている根幹というか、核というかは、やはりだれに聞いても、あそこは魚市場だ、魚の市場だよというふうにいうと思うんですよね。それで、その中の大きな団体といえば、さっき伊藤理事長のところの魚市場の卸の団体、それからもう一つは、すし屋さんだとか魚屋さんだとか、東京全域に散って、個別で商売している買い出し人、魚商の組合がまず中心となってあそこの市場を支えているというのは、だれも異論がないところだと思うんですよ。ある意味では、その二団体が今反対しているんですよね。表現は悪いかもしれませんけれども、ほかは魚を中心とした周りにあるというような形だろうと思うんですよ。その辺にこの移転の難しさがあるんじゃないか。そして向こうへ移って大規模な物流センター的な市場を望んでいるんじゃないんだと思うんです。その辺の性格の色分けをはっきりしないと、なかなか話し合いがつかないんじゃないかなという気がしております。
 先ほど浅川副委員長がいったように、やはり積極的に意見交換をして、今、移転に賛成している人たちの中にだって、かなりの数で、現地でできるなら現地の方がいいんだよという人もいると思うんですよね。その辺も十分掌握をしていただきたいと思いますし、最後に伺いますけれども、東京ガスとの交渉は見通しはあるんですか、ないんですか。あるからやっているんだろうと思いますけれども、その辺の確率といいますか--だって、これ、だめになったら大変なことですよ。

○小栗築地市場再整備担当部長 詳しいことは、交渉中でございまして、申し上げられませんけれども、現在東京ガス等は、市場が移転した場合の従来の東京ガスの計画との調整ということで具体的に詰めているところでございます。私どもといたしましては、最大限合意できるように努力をしてまいります。

○林委員 終わります。

○いなば委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもちまして終了したいと思いますけれども、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十分散会

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