経済・港湾委員会速記録第十五号

平成十二年十月十七日(火曜日)
   午後一時六分開議
 出席委員 十三名
委員長いなば真一君
副委員長浅川 修一君
副委員長白井 常信君
理事林  知二君
理事川井しげお君
理事藤沢 志光君
山本  信君
藤井  一君
五十嵐 正君
宮崎  章君
河合秀二郎君
川島 忠一君
西田ミヨ子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
中央卸売市場市場長大矢  實君
経営管理部長長尾 至浩君
業務企画担当部長石川 俊一君
調整担当部長浅倉 義信君
施設部長内村 修三君
築地市場再整備担当部長小栗 英夫君
港湾局局長齋藤 哲哉君
技監高見 憲一君
総務部長渡辺日佐夫君
港営部長高橋 和志君
港湾振興担当部長小宮山元二君
開発部長津島 隆一君
臨海部開発推進担当部長南雲 栄一君
臨海部開発調整担当部長高野 一男君
港湾整備部長小池 正臣君
計画調整担当部長細川 泰廣君
離島港湾部長野村 孝雄君
参事押元 雅治君

本日の会議に付した事件
 中央卸売市場関係
  事務事業について(説明)
 港湾局関係
  事務事業について(説明)

○いなば委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、携帯電話の取り扱いについて申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、携帯電話の委員会室への持ち込みにつきまして、できる限り自粛することといたしまして、持ち込む場合は、会議に支障のないように取り扱うということを申し合わせました。よろしくご協力をお願いいたします。
 次に、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願陳情継続審査件名表のとおりですので、ご了承願います。
 本日は、中央卸売市場及び港湾局関係の事務事業の説明を聴取いたします。
 なお、本件につきましては、本日は説明を聴取し資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思いますので、ご了承を願います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、中央卸売市場長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○大矢中央卸売市場長 中央卸売市場長の大矢實でございます。
 いなば委員長を初め、委員の皆様方のご指導、ご鞭撻をちょうだいいたしまして、私ども市場に課せられました使命を達成するため、職員一同全力を尽くしてまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、お手元に配布をいたしております名簿に従いまして、当市場の幹部職員を紹介させていただきます。
 経営管理部長の長尾至浩でございます。業務企画担当部長の石川俊一でございます。調整担当部長の浅倉義信でございます。施設部長の内村修三でございます。築地市場再整備担当部長の小栗英夫でございます。当委員会との連絡に当たります、総務課長の佐藤守でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○いなば委員長 ありがとうございました。
 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○いなば委員長 これより事務事業について理事者の説明を求めます。

○大矢中央卸売市場長 東京都は、卸売市場法に基づいて中央卸売市場を開設するとともに、地方卸売市場の開設許可と指導監督を行っております。その目的は、水産物、青果物、食肉、花きといった生鮮食料品等を、衛生的な施設のもとで、公正かつ効率的な取引により、適正価格で円滑な供給を確保することを通じて、都民の食生活の安定に資するものでございます。
 東京都が開設をしております中央卸売市場の開設区域は都内全域で、現在、築地市場、大田市場を初めとして、十一市場、四分場が設置されております。このうち、食肉市場には東京都立芝浦屠場が併設されております。
 また、知事が許可した民営の地方卸売市場は都内に三十一市場あります。その内訳は、生鮮食料品を取り扱う市場が十八市場、花きを取り扱う市場が十三市場となっております。
 これらの中央卸売市場及び地方卸売市場は、それぞれ卸売市場法を初め、東京都中央卸売市場条例、東京都地方卸売市場条例等に基づいて管理運営されております。
 東京都は、中央卸売市場の施設の整備並びに維持管理を行うとともに、地方卸売市場を含めて、関係業者に対し、公正な取引が行われるよう指導監督をしております。
 また、消費者に対しても、生鮮食料品等に関する市況や商品知識の提供などの事業もあわせて実施をしております。
 次に、中央卸売市場において直接取引にかかわる関係業者でありますが、まず、荷受け機関として、農林水産大臣の許可を受けて卸売の業務を行っております卸売業者が、水産、青果、食肉、花きを合わせて四十二社ございます。
 また、知事の許可を受けて生鮮食料品等の評価及び分荷の役割を担当いたします仲卸業者が千六百四十六人、知事の承認を受けて卸売業者の競り売り等に参加できる売買参加者が約一万二千人おります。このほかに、市場内の業者及び買い出し人等に利便を提供するため、知事の許可を受けて営業しております関連事業者が四百十三人おります。
 次に、中央卸売市場の取扱量について、平成十一年の実績で申し上げますと、水産物で約七十二万トン、一日当たりにいたしますと約二千六百トン、青果物で約二百四十九万トン、一日当たり約九千トンでございます。食肉で約九万トン、一日当たり約三百六十トン、花きで切り花が約八億二千七百万本、一日当たり約二百七十七万本、鉢物が約四千三百六十万鉢、一日当たり約十五万鉢などとなっております。
 なお、金額にいたしますと、水産、青果、食肉、花きを合わせまして約一兆四千五百億円、一日当たり約五十四億円となります。
 次に、市場の予算でございますが、中央卸売市場が所管いたしております会計は、中央卸売市場会計及びと場会計の二会計でございます。
 中央卸売市場会計は、地方公営企業法の財務規定等を適用する公営企業会計となっており、と場会計は、地方財政法が適用されます特別会計となっております。
 平成十二年度の予算規模は、当初予算の中央卸売市場会計で四百二十億七千万円であります。と場会計は六十二億八千五百万円となっております。
 次に、市場の主な事業についてご説明申し上げます。
 その第一は、市場施設の整備拡充事業であります。
 施設の整備拡充につきましては、卸売市場整備計画に基づき整備を進めているところでありますが、平成八年度を初年度とする第六次卸売市場整備計画(十カ年計画)に基づいて整備を行っております。
 ここでは、本年度に実施しております主な事業についてご説明をいたします。
 まず、築地市場の再整備につきましては、平成十一年二月以降、都と業界で構成する築地市場再整備推進協議会の中で、さまざまな角度から検討を重ねてまいりました結果、同年十一月の同推進協議会において、現在地での再整備は困難であり、移転整備へと方向転換すべきであるという取りまとめを行っております。
 また、平成十一年二月、都庁内に築地市場整備問題検討会を設置し、築地市場の将来のあり方について、総合的な見地から鋭意検討を行ってまいりました。
 これらを踏まえ、現在、市場移転の前提となる用地確保について、豊洲地区の地権者と話し合いを行っているところでございます。
 築地市場の整備は、都民への生鮮食料品の安定供給や東京のまちづくりにかかわる重要な課題でありますので、今後は、推進協議会における取りまとめや、都庁内における検討、さらには都議会及び関係者の意見などを踏まえ、この問題について、できるだけ早期に都としての結論を出していきたいと考えております。
 次に、食肉市場につきましては、新たな衛生基準や食肉流通環境の変化に対応するため、食肉市場北側棟を平成十三年十二月完成に向けて建設をしているほか、と場の衛生対策工事を進めております。
 また、世田谷市場につきましては、来年春の花き部開場に向けて、鋭意工事を進めているところであります。
 さらに、多摩地域における青果及び水産民営地方卸売市場につきましては、現在、施設整備などの助成を行っているところであります。
 なお、現在、平成十三年度を初年度とする第七次卸売市場整備計画(十カ年計画)の策定に向けて、卸売市場審議会において整備基本方針のご検討をいただいているところであります。
 主要事業の第二は、業務指導、監督事務についてであります。
 近年における生鮮食料品等の消費動向は多様化しており、また、輸入品や加工食品の増加などにより、流通経路も多元化の傾向にあります。これに加えて、景気低迷に伴う需要の減退などから、市場取扱量は伸び悩んでおります。
 このような厳しい市場流通環境の中で、開設者といたしましては、取引業務の改善や合理化、また関係業者への適切な指導監督を行い、生鮮食料品等の円滑な供給と公正な取引の確保に努力しているところであります。
 昨年七月には、二十八年ぶりに卸売市場法が改正をされ、これに伴いまして、東京都中央卸売市場条例等の一部を改正し、本年七月一日に施行したところであります。
 改正条例施行後、三カ月余を経過したところでございますが、各市場各部におきましても、関係業者で構成する取引委員会において協議の上、取引ルールを定め、実施しておりますので、円滑な業務運営が確保されているところであります。
 以上、甚だ簡単でございますが、中央卸売市場の事業の概要についてご説明を申し上げました。
 このように問題山積をする中ではありますが、私ども職員一同、一層努力を重ねる所存でございますので、委員長を初め、委員の先生方のご指導、ご鞭撻を賜りまして、よろしくお願い申し上げたいと存じます。
 なお、詳細につきましては、引き続き経営管理部長から説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

○長尾経営管理部長 それでは、お手元に配布してございます事業概要に基づきまして、ご説明申し上げます。
 一ページをお開きいただきたいと存じます。
 中央卸売市場の目的につきましては、先ほど市場長からご説明申し上げましたとおりでございます。
 下段の表は、中央卸売市場の経由量でございまして、全国の生鮮食料品流通に占める中央卸売市場の割合を示したものでございます。表は、水産物、青果物、食肉、花きの区分で、全国の総流通量に占める割合を、全国の卸売市場並びに全国の中央卸売市場、東京都の中央卸売市場に分けて記載したものでございます。
 三ページをごらんいただきたいと思います。三ページから六ページにかけましては、市場流通に関係いたします機関、業者等につきまして、それぞれの役割などを説明したものでございます。
 続きまして、七ページをお開き願います。中央卸売市場の沿革でございます。
 江戸時代の市場の始まりから、市場法の制定、東京都中央卸売市場の開設、戦時戦後の統制経済下の市場、市場の復興などを経まして、最近の各市場の花き部設置までの経過を一二ページまでにわたり記載してございます。後ほどご参照いただきたいと存じます。
 次は、各市場の概要でございますが、一三ページをお開き願いたいと思います。市場の配置状況を記載してございます。
 現在、中央卸売市場としましては、築地市場を初めとして、十一市場と四分場が設置されております。下段には、市場別に水産物、青果物などの取扱品目をお示ししてございます。
 続きまして、一四ページをお開き願います。各市場別の所在地及び施設規模、取扱規模を一覧にして記載してございます。
 また、一五ページには、各市場の関係業者数を記載してございます。
 続きまして、次の一六ページから三一ページにかけましては、築地市場以下十一の中央卸売市場の概要と沿革を記載してございます。後ほどご参照いただきたいと思います。
 恐縮ですが、三二ページをお開き願いたいと思います。中央卸売市場の組織でございます。
 このうち、いわゆる本庁機構は、二部七課一室となっております。
 次に、事業所でございますが、築地、食肉、大田の三市場が二級事業所で、豊島市場外七市場が三級事業所となっております。
 このほか、食肉市場と淀橋市場に、合わせまして四つの分場が設置されております。
 それぞれの分掌事務につきましては、三三ページから三六ページにかけまして記載してございます。
 三七ページをごらんいただきたいと存じます。
 職員の定数でございますが、平成十二年四月一日の時点で、管理職は、事務、技術を合わせて三十七名、一般職員は、事務、技術、技能労務を合わせて六百七十九名、合計で七百十六名となっております。
 次の三八ページから四三ページにかけましては、財政状況について記載してございます。
 まず、中央卸売市場会計につきまして、四〇ページの平成十二年度予算総括表でご説明いたしたいと存じます。
 初めに、収益的収支でございますが、収入は、売上高割り使用料、施設使用料、一般会計補助金など合わせまして約二百二十三億六千百万円でございます。これに対して支出は、管理費、業務費、減価償却費、企業債利息など合わせまして二百二十一億三千二百万円でございます。
 次に、その下の資本的収支でございますが、収入が約八十四億九千百万円、支出が百九十九億三千八百万円でございます。
 平成十二年度の当初予算の支出総額は、収益的支出及び資本的支出を合わせまして四百二十億七千万円となっております。
 次に、と場会計についてご説明申し上げます。
 四三ページをお開きいただきたいと思います。
 平成十二年度の当初予算につきましては、上段の(3)、予算総括表にございますように、歳入、歳出とも同額の六十二億八千五百万円を計上しております。
 次に、四四ページをごらんいただきたいと存じます。中央卸売市場における業務の状況でございます。
 四四ページから四六ページの中ほどにかけましては、市場における取扱物品の概況を、四六ページの中段から四七ページにかけましては、平成十一年の東京都中央卸売市場の取扱状況を、また四八ページには、東京都地方卸売市場の取扱状況を、それぞれ水産物、青果物、食肉及び花きに分けて記載してございます。
 なお、平成十一年の東京都における中央卸売市場と地方卸売市場の取扱実績につきましては、四八ページ下段の表にお示ししてございます。
 次に、事務事業の内容に入らせていただきます。五〇ページをごらんいただきたいと存じます。
 まず、施設整備事業でございますが、卸売市場の整備は、五年ごとにローリングいたします卸売市場整備計画に基づき、計画的に実施しております。
 現行の第六次東京都卸売市場整備計画は、平成八年の十一月に策定され、平成八年度から十七年度までの十カ年において所要の整備を行うこととしております。
 この第六次整備計画の概要につきましては、五〇ページから五三ページの上段にかけまして記載してありますので、ご参照願いたいと思います。
 次に、平成十二年度施設整備の概要でございます。
 五三ページ中段から五四ページにかけまして、築地市場の再整備、食肉市場、豊島市場、淀橋市場、世田谷市場、北足立市場、足立市場、板橋市場及び葛西市場の整備について記載してございます。
 五五ページをごらんいただきたいと思います。市場における財産管理事務でございます。
 市場施設につきましては、卸売業者、仲卸業者を初めとした市場業者に対しまして、売り場、事務室、冷蔵庫等の各種の施設の使用許可をしております。
 使用許可状況につきましては、五五ページ下段に、市場別に使用者数、許可件数等を表にしてまとめてございます。
 全市場施設の使用者数は合計で二千四百七十二名、使用許可件数は七千九百九十九件、許可面積は約六十六万平方メートル、冷蔵庫の使用許可は約五万一千立方メートルとなっております。
 なお、使用許可に伴います施設使用料等につきましては、参考資料といたしまして、巻末の九六ページから九八ページにかけまして一覧表として掲げてございます。後ほどご参照いただければと思います。
 戻りまして、五六ページをお開き願いたいと思います。五六ページから六一ページ下段にかけましては、市場施設及び設備の維持管理事務につきまして、その概要を記載してございます。
 六一ページ下段から六四ページ中段にかけましては、市場内の警備衛生関係事務の概要と市場就業者の福利厚生事業について記載してございます。
 六四ページ中ほどから、業務の指導監督事務について記載してございます。
 中央卸売市場における取引業務の適正化を図り、生鮮食料品等の円滑な供給を確保するため、卸売業者、仲卸業者等の市場関係業者に対しまして、取引業務の巡回査察、経理及び業務検査、経営改善指導、現場取引業務指導、業務運営指導などの事務を行っております。
 六六ページ下段から六八ページ下段にかけましては、消費者である都民の皆様への啓発普及事業を掲げてございます。市場見学案内、インターネットホームページ、ファクス情報サービス、印刷物、ビデオ等の媒体を通じまして、生鮮食料品等に関する知識等の啓発普及を図るとともに、市況等の公表を行っております。
 次の六九ページ中段からは、地方卸売市場に関する事務でございます。
 地方卸売市場は、昭和四十六年に卸売市場法が制定され、従来の民営卸売市場を地方卸売市場として知事が許可し、指導監督することとなりました。そのため、中央卸売市場が、市場開設等の許認可、業務の指導監督、経理の監査及び助成事業等の事務を行っているものでございます。
 六九ページ及び七〇ページに、平成十二年四月一日現在の、生鮮食料品を扱う十八市場、花きを扱う十三市場、合わせて三十一の地方卸売市場について一覧表にしてまとめてございます。
 恐縮ですが、七一ページをごらん願います。と畜事業についてでございます。
 まず、と畜事業の沿革でございますが、昭和十一年、東京市が芝浦屠場を開設し、事業を開始いたしました。その後、食肉の需要増大に対処し、公正な取引と流通の円滑化を図るため、昭和四十一年、中央卸売市場法に基づき、食肉市場を開設いたしました。これを契機に、芝浦屠場は食肉市場の附属施設となり、現在に至っております。
 平成十一年のと畜頭数は、七二ページに記載してありますが、年間で牛が約八万八千頭、豚が約二十九万頭となっております。
 七三ページをごらんいただきたいと存じます。附属機関等の一覧表でございます。
 知事の附属機関といたしましては、東京都卸売市場審議会及び東京都中央卸売市場取引業務運営協議会が設置されております。また、市場運営の連絡調整を図るため、関係団体の代表者等で構成される築地市場再整備推進協議会など六つの連絡調整会議が設置されております。
 このうち、東京都卸売市場審議会は、都における卸売市場の整備計画、その他卸売市場に関する重要事項について調査、審議するため、条例に基づいて設置されているものでございます。また、東京都中央卸売市場取引業務運営協議会は、審議会同様、条例に基づき設置されているもので、中央卸売市場の業務の運営に関して、必要な事項を調査、審議する機関でございます。
 それぞれの附属機関の活動状況につきましては、次の七四ページ、七五ページに記載してありますので、ご参照いただきたいと存じます。
 なお、業務状況関係の資料、市場年表などの関係資料につきましては、七六ページ以降に参考資料としてまとめてあります。どうぞご参照願います。
 事業概要に基づきます説明は、以上でございます。
 次に、都の監理団体で、市場が所管しております団体につきまして、その事業等をご説明申し上げます。
 本日ご一緒に配布させていただきました資料3、東京食肉市場株式会社、この資料に記載してありますが、市場が所管しておりますのは、この東京食肉市場株式会社でございます。
 この会社は、食肉の価格安定と流通の円滑化を図るため、食肉市場の荷受けとして設立された卸売業者で、現在、家畜の荷受け及び販売、畜産加工品の販売の受託などの事業を行っております。
 なお、東京食肉市場株式会社は、都の監理団体区分のうちの協議団体に指定されております。
 以上、甚だ簡単ではございますが、中央卸売市場の事務事業及び当市場所管の監理団体について説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほど、お願いを申し上げます。

○いなば委員長 ありがとうございました。
 ただいま、市場長並びに経営管理部長の説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○山本委員 私の方からは、五点お願いしたいと思います。
 一つ、輸入農産物取扱量と取扱高の十年間の推移。それから、輸入肉の取扱量と取扱高の十年間の推移。食肉市場、と場における主な施設整備と契約の状況。四点目、販売方法別の取扱量の十年間の推移。それから五点目、卸売業者、仲卸業者の経営状態がわかる資料を。五年間の推移がわかる形で。
 以上です。よろしくお願いします。

○川井委員 築地市場の再整備のこれまでの経緯と、市場の現状がわかるような資料をつくっていただきたいと思います。

○いなば委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 ただいま山本委員並びに川井理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求されました委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○いなば委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、港湾局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○齋藤港湾局長 港湾局長の齋藤哲哉でございます。
委員長を初め、委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りながら、当局に課せられました使命を達成するために、微力ではございますが、全力を尽くす所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 港湾局技監の高見憲一でございます。総務部長の渡辺日佐夫でございます。港営部長の高橋和志でございます。港湾振興担当部長の小宮山元二でございます。開発部長の津島隆一でございます。臨海部開発推進担当部長の南雲栄一でございます。臨海部開発調整担当部長の高野一男でございます。港湾整備部長の小池正臣でございます。計画調整担当部長の細川泰廣でございます。離島港湾部長の野村孝雄でございます。参事で小笠原空港整備担当をしております押元雅治でございます。
 次に、当委員会との連絡に当たります、総務課長の新田洋平でございます。計理課長の宮下茂でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○いなば委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○いなば委員長 これより事務事業について理事者の説明を求めます。

○齋藤港湾局長 港湾局の事業につきまして、その概要をご説明いたします。
 港湾局は、東京港及び島しょ港湾、漁港等の整備管理や、埋立地の造成開発等の事業の実施を通じて、物流の円滑化や都市問題の解決、防災性の向上などを図り、都民生活や東京の産業の向上発展に努めております。
 今般、三宅島の噴火災害や、新島、式根島、神津島の地震災害により多大な被害をこうむられた住民の皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
 当局では、この災害の発生以来、住民の方々の安全を最優先に対応してまいりましたが、今後とも、早期の復興に向けて万全の体制で臨んでまいります。
 さて、近年、局事業を取り巻く環境は、経済のグローバル化の進展に伴う国際的な港湾間の競争の激化や、都市基盤整備のおくれなどによる都市機能、ひいては都市としての東京の活力の低下など、社会経済状況の変化を受けて厳しさを増してきております。
 こうした中、東京港が引き続きメーンポートとしての地位を確保するとともに、東京の危機を突破し、東京を再生していくためには、東京臨海地域が有する特性や潜在力を最大限に生かす方向で、この地域の再編整備を推進していかなければなりません。
 港湾局といたしましては、以上のような基本認識のもと、局事業全般にわたって事業の不断の見直しを行いつつ、新時代にふさわしい事業展開に取り組んでまいる所存でございます。
 以下におきまして、個別事業ごとにその概要を述べさせていただきます。
 第一に、東京港の管理運営と振興であります。
 東京港を取り巻く情勢は、経済のグローバル化の進展の中で、水平分業化による生産拠点の国際的な再編成が行われ、世界規模の物流ネットワークの拡大が急速に進んでおります。こうした中で、国際的な港湾間の競争が激化しており、港湾機能等のハード面での対応のおくれや、荷役等のコスト面での非効率な状態を放置することになれば、我が国の国際競争力の根幹をも脅かしかねないものとなります。
 二十一世紀においても、日本がアジア地域の牽引車としてリーダーシップを発揮していくには、港湾機能についてメーンポートとしての地位を確保していく必要があります。
 このため、当局では、東京港振興促進協議会のアクションプランに基づき、港湾施設等のハード面の整備に加え、国際競争力のある使いやすい東京港の実現に向け、行政手続の簡素効率化や港湾トータルコストの削減など、港湾サービスの充実に取り組んでいるところです。
 今後、さらに東京臨海地域と内陸部の物流拠点の整備拡充と連携を強化するなど、東京港を中心とした総合的な物流ネットワークの構築を進めてまいります。
 また、引き続き港湾施設の効率的な運営を行うとともに、港で働く人々のための福利厚生施設の充実や水域環境の保全に努める一方、東京港の利用促進に向けた船舶、貨物の誘致活動にも積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 続いて、東京港の整備につきましては、昭和三十一年以来、マスタープランとなる港湾計画を港湾法に基づいて定め、時代の変遷に合わせて改訂を重ねながら、着実な事業の推進に努めてきております。おおむね平成十七年を目標年次としております現行の東京港第六次改訂港湾計画では、国際的な貿易・産業構造の変化や輸送革新等に対応した外貿コンテナふ頭の整備や内貿ふ頭の再編整備等を計画するとともに、耐震強化岸壁の整備など、地震に強い港づくりを進めることとしております。
 現在、この計画に基づき、貨物の増大や船舶の大型化などに対応するため、大井コンテナふ頭の再整備や青海コンテナふ頭の整備を進める一方、東京圏の主要な幹線道路の一部を担い、東京港の効率的な物流に寄与するため、平成十三年度末の完成を目指して、東京港臨海道路の第一工区の整備を鋭意進めております。
 今後とも、首都圏の消費生活や都市活動を支える中枢国際港湾として、また国内海上輸送の拠点港として、東京港の整備を推進してまいります。
 次に、埋立地の造成と開発であります。
 当局では、港湾機能の拡充強化と都市機能等の受け皿として埋立地を造成しておりますが、このうち約二千七百三十九ヘクタールについては、東京港における埋立地の開発に関する要綱に基づき、都市の物流サービスや交通体系改善のための用地等として活用することとしております。
 このほか、中央防波堤外側に廃棄物の最終処分場を整備し、埋立造成を行うとともに、その沖合にある東京港内に残された最後の処分場である新海面処分場については、全体を七ブロックに分け、段階的に整備を進めております。
 また、東京臨海地域の中核をなす臨海副都心は、あすの東京の活力を担い、都民生活を支える新しいまちを創造する重要なエリアであり、その開発は、東京の発展にとって不可欠と考えております。
 青海地区においては、先般国の東京港湾合同庁舎が竣工いたしましたが、さらに現在、今年度末の竣工を目指して国際研究交流大学村の建設が進んでおります。また、有明の丘防災拠点に地域医療の支援機能と災害時における後方医療機関としての機能も担う病院が進出することとなっているほか、台場地区においても商業施設、業務施設及び住宅が今年度内の竣工に向け工事が進むなど、開発が着実に進んでおります。
 続いて、東京港の防災について申し上げます。
 東京の海岸部は、高潮の影響を極めて受けやすい満潮面以下の地域が、江東デルタ地帯を初め、区部の面積の約二割を占めております。このため、当局では高潮、津波などの災害から都民の生命や財産を守ることを目的として、防潮堤、水門、排水機場などの海岸保全施設を整備し、管理を行っております。現在、未整備地区の防潮堤や内部護岸の整備とともに、既設護岸の耐震補強等を進めておりますが、今後、水門と排水機場等の老朽化対策や耐震性の強化など、新たな課題にも積極的に取り組んでまいります。
 次に、伊豆諸島及び小笠原諸島の港湾、漁港、海岸、空港の整備であります。
 当局では、島民の生活の安定、向上に資するため、海上交通基盤としての岸壁を初めとする各種施設の整備拡充を図り、生活路線である航路、航空路の維持発展に努めております。
 就航率の向上等を目指して、大島元町港などの港湾の整備を進めているほか、漁業の振興を図るため、防波堤の整備を中心として、漁港の整備を進めております。
 また、空港につきましては、平成十四年度の供用開始に向けた大島空港の拡張整備や、本年度末の正式飛行場化を目指した調布飛行場の整備を進めております。さらに、八丈島空港の拡張整備に本年度から着手するとともに、島民の悲願である小笠原空港の早期整備に向け、環境調査等を鋭意進めております。
 最後になりますが、東京臨海地域は、人、物、情報の交流の結節点に位置し、二十一世紀の東京圏が世界に向けて文化、技術、情報を発信するための拠点として、大きく発展することが期待されております。
 港湾局では、本年九月、この地域を対象として、東京港などの物流機能や臨海副都心を初めとする拠点整備のあり方などについて、都市計画局と共同で「東京ベイエリア21(中間のまとめ)」を公表したところでありますが、今後、都議会並びに都民の皆様のご意見を参考にしながら、本年度内の最終の取りまとめに向け、検討を進めてまいります。
 社会経済環境が大きく変化する中、東京港及び埋立地の整備に当たっては、港湾機能の充実はもとより、まちづくり、防災、環境などさまざまな点に配慮をしながら進めていく必要がございます。職員一同全力を挙げて局事業の推進に取り組んでまいる所存でありますので、よろしくご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては、総務部長から説明させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○渡辺総務部長 局長の説明に引き続きまして、港湾局の事務事業全般につきまして、お手元の資料2、港湾局事業概要によりご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。まず、港湾局の機構と予算についてでございます。
 港湾局の事業は、(1)にありますように、五部四事業所の組織と八百二十名の職員によって運営されております。
 次に、(2)の平成十二年度局予算の概要ですが、当局所管の会計は、一般会計、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計、羽田沖埋立事業会計、港湾事業会計の五会計で、総額五千五十一億二千三百万円でございます。それぞれの予算の概要は、一ページ、二ページに記載のとおりでございます。
 三ページに参ります。東京港の管理運営と振興でございます。
 (1)の東京港の管理運営ですが、東京港は、東京を中心とする首都圏を含めた広い地域の経済活動や住民の生活を支える我が国有数の港でございます。
 当局は、東京港の港湾管理者として、係留施設などの港湾設備の管理に当たりますとともに、港湾機能の保全を図っております。また、港湾施設の運営に当たりましては、その一部を財団法人東京港埠頭公社等に委託しているほか、港湾労働者や船員のための福利厚生施設につきましては、財団法人東京港湾福利厚生協会などに施設の使用を許可し、利用者の福利厚生の充実に努めております。
 四ページに参ります。
 (2)の東京港の水域環境保全でございますが、現在、廃棄物等の不法投棄の監視、海水油濁の防止、海面清掃の実施など、港内の環境保全に取り組んでおります。
 次に、油流出等への対策ですが、大規模な油流出事故における官民協力体制の確立を目的として各種協議会が設置されており、当局もこれらに積極的に参加しております。
 (3)は東京港の振興でございます。
 東京港の振興を図るため、荷主企業や船会社等のニーズを的確に把握し、使いやすい港湾づくりを進めてまいりました。
 さらに、東京港がメーンポートとして国際競争力を確保していけるよう、平成九年七月、港湾管理者である東京都、関係官公庁、港湾関係団体や労働組合などの関係者が一体となって、東京港振興促進協議会を設置いたしました。この協議会におきましては、二十一世紀に向けた東京港の整備の促進と国際競争力を持った使いやすい港づくりを目指して協議を重ね、平成十年九月には全体のまとめが提言されました。
 昨年四月には、この提言を実施に移すためのアクションプランを定め、二十四時間三百六十五日フルオープンによる港湾荷役サービスの充実など、施策の実現に取り組んでいるところでございます。この提言を実現するためには、関係業界等においてもさまざまな困難を克服していく必要があり、都としても、率先して使いやすい港づくりに取り組んでまいります。
 六ページに参ります。東京港の港湾計画等でございます。
 現在の東京港第六次改訂港湾計画は、平成八年十二月の東京都港湾審議会の議を経て策定し、平成九年四月に告示をしたもので、おおむね平成十七年を目標年次としております。
 計画の基本的な考え方は、次の三つであります。
 第一に、国際的な貿易・産業構造の変化による食品等の輸入増加への対応や、モーダルシフトの推進による船舶輸送の拡大等が社会的な要請となっていることを踏まえ、港湾の機能の充実を図ってまいります。
 第二に、震災時の救援・復旧活動等の機能を確保するため、耐震性の高い港湾施設の拡充強化など、地震に強い港づくりを目指します。
 第三に、中央防波堤外側や新海面処分場の埋立地を、港湾関連施設用地、環境保全やレクリエーション等の用地として有効活用を図ってまいります。
 計画の主な内容につきましては、1から5までに記載しておりますので、ごらんいただきたいと思います。
 次に、(3)の新たな開発整備ビジョンの策定ですが、現在、東京臨海地域では、臨海副都心の開発が進展するとともに、羽田空港の国際化、大規模な土地利用転換など、多様な動きが展開されています。こうした状況を踏まえ、この地域全体を視野に入れた総合的、一体的な開発を推進するためビジョンを策定するもので、本年九月に「東京ベイエリア21(中間のまとめ)」を公表しました。引き続き、本年度内の最終の取りまとめに向け、鋭意検討を進めてまいります。
 七ページに参ります。港湾施設整備事業でございます。
 これは港湾計画に基づき港湾施設の整備を進めていくものですが、このうち平成十二年度に実施しております主な事業は、外貿コンテナ船の大型化に対応するため大井コンテナふ頭の再整備や青海ふ頭の改良、地震に強い港づくりの推進、東京港臨海道路の整備等であります。詳細は(1)から(4)に記載のとおりです。
 八ページに参ります。埋立地開発事業でございます。
 (1)の概要についてですが、現在、二千七百三十九ヘクタールの埋立地の造成整備を進めており、物流の拠点として活用するほか、都市問題の解決に寄与するため、土地利用計画をアからエの四項目に区分し、総合的、計画的に開発を進めております。
 (2)の埋立地の開発につきましては、東京港における埋立地の開発に関する要綱及び東京都埋立地開発規則を制定し、埋立地の開発の基本方針及び管理、処分の手続を定め、これに基づき埋立地の処分等を進めております。また、臨海副都心地域につきましては、用地の管理及び処分に関して東京都臨海副都心用地開発規則を制定し、これに基づき土地の処分等を進めております。
 (3)の埋立地の管理についてですが、当局が現在管理しております埋立地の総面積は約九百九十九ヘクタールでございます。これらの埋立地の管理事務といたしましては、一時貸付事務のほか、危険防止、不法占拠防止対策などがございます。
 九ページに参ります。臨海副都心の開発でございます。
 まず、(1)の経緯ですが、都は、平成七年第一回都議会定例会の付帯決議を踏まえ、平成七年九月に臨海副都心開発懇談会を設置して、開発の見直しを開始いたしました。この懇談会報告や都議会での多くの議論やご提案並びに都民から寄せられました意見等を踏まえ、今後の開発の基本的方向を示した、臨海副都心開発の基本方針を平成八年七月に決定いたしました。この基本方針に基づいて、平成九年三月、臨海副都心まちづくり推進計画を策定したところでございます。
 次に、(2)の臨海副都心まちづくり推進計画の内容についてでございます。
 まず、アの開発の基本方針ですが、1から3に記載のとおりでございます。
 次に、イの土地利用でございますが、面積は合計四百四十二ヘクタールで、利用区分は表に記載のとおりでございます。道路、緑地等が全体の五三%を占め、中でも公園緑地とシンボルプロムナードの合計は二七%でございます。また、業務、商業、住宅のための宅地面積は四三%でございます。有明の丘の防災拠点用地は四%となっております。
 一〇ページに参ります。
 ウの人口フレームは、就業人口七万人程度、居住人口四万二千人程度となっております。
 エの事業費ですが、臨海副都心開発に係る広域交通基盤整備事業及び地域内都市基盤整備事業の事業費の試算をお示ししてございます。総額二兆四千三百億円となっております。
 オの土地処分についてですが、臨海副都心地域内の土地処分については、長期貸付に加えて、売却方式や定期借地方式でございます。
 次に、カの柔軟で段階的なまちづくりについてでございます。臨海副都心開発は、大規模で、かつ長期にわたる事業であることから、開発に当たっては、社会状況の変化に迅速かつ柔軟に対応していく必要があり、おおむね十年単位に開発計画を区分し、段階的に開発を進めていくこととしております。また、おおむね五年ごとに必要に応じて開発の内容を見直すとともに、財政見通しを作成することとしております。
 一一ページに参ります。
 (3)の開発の進捗状況ですが、臨海副都心の都市基盤施設は、「ゆりかもめ」の新橋-有明間、東京臨海高速鉄道の新木場-東京テレポート間などの公共交通、レインボーブリッジなどの道路が既に完成しております。ライフラインを収容する共同溝や清掃工場、下水処理場、公園などの地域内都市基盤施設につきましては、約八割が既に完成しております。
 さらに、臨海副都心では、この九月に東京港湾合同庁舎が開業したほか、本社ビルや大学村が来年の完成に向けて工事を進めているなど、着実に開発が進んでおります。
 次に、(4)の三島開発、すなわち、有明北地区、豊洲地区、晴海地区の開発の進捗状況等でございます。
 まず、豊洲・晴海地区の開発につきましては、平成九年四月に「豊洲・晴海開発整備計画-改定-」を策定いたしました。また、開発者負担につきましては、従来から地元地権者と協議を進めてきたところですが、有明北地区では平成九年二月、晴海地区及び豊洲地区については平成九年六月に、それぞれ基本了解を得ております。
 豊洲地区については平成九年十一月に、有明北地区については平成十一年三月に、それぞれ大街区方式土地区画整理事業に着手いたしました。晴海地区については、早期に事業に着手できるよう、事業手法等について地元地権者と協議を進めているところでございます。
 なお、豊洲・晴海地区の防潮護岸整備につきましては、平成十一年八月から工事に着手しております。
 有明北地区の埋め立てについては、本年八月に免許を取得し、九月から工事に着手いたしました。平成十七年度の「ゆりかもめ」の豊洲延伸等が実現できるよう、着実に事業を推進してまいります。
 一二ページに参ります。(5)の臨海関係第三セクターの経営安定化策についてでございます。
 臨海関係の第三セクターの株式会社東京テレポートセンター、東京臨海副都心建設株式会社、竹芝地域開発株式会社の三社は、臨海部の開発を先導する役割を担ってきましたが、バブル崩壊後の社会経済情勢の激変から経営が厳しい状況となったので、会社の徹底した内部努力を前提に、東京都及び金融機関等関係者が一致協力して、平成十年四月から経営安定化策を実施しております。
 これに基づき、会社においては、役員を十七名から五名へ、職員を百五十七名から九十名に大幅削減するとともに、経費の大幅削減、増収努力を行ってまいりました。また、東京都及び金融機関等も支援策を講じてまいりました。この結果、平成十年度には、三社とも償却前黒字の目標を達成し、さらに、平成十一年度は三社合計で営業黒字となり、経営安定化策は着実に進展しております。引き続き、経営安定化策に基づき、経営改善に努めてまいります。
 一三ページに参ります。海上公園事業でございます。
 まず、(1)の海上公園整備事業ですが、この事業は、埋め立てによって失われた自然を回復するとともに、良好な環境の埋立地を確保するためのものでございます。この海上公園構想の全体面積は、表-1のとおり、約一千二百六十ヘクタールでございます。
 次に、(2)の海上公園等の管理でございますが、平成十二年八月一日現在、当局は、四十二カ所、約七百七十二ヘクタールの海上公園を管理しております。公園の管理につきましては、許可事務等の基本的部分は当局が直接所管しておりますが、公園の管理運営及び維持補修等につきましては、財団法人東京港埠頭公社などに管理委託をしております。
 一四ページに参ります。羽田沖埋立造成事業及び廃棄物処理場整備事業でございます。
 (1)の羽田沖埋立造成事業ですが、平成四年に埋立造成工事の竣工許可を受け、平成五年には空港用地を国に売却し、現在、引き続き護岸前面の浅場造成工事を実施しております。
 (2)の中央防波堤外側廃棄物処理場整備事業についてでございます。外周の護岸につきましては既に完成し、現在、廃棄物等の埋立処分を行っているところでございますが、その容量は限界に達しつつあるところでございます。
 (3)の新海面処分場整備事業ですが、二十三区の廃棄物を今後とも適正に処理していくため、面積約四百八十ヘクタールの新たな最終処分場として整備を進めているものでございます。
 新海面処分場につきましては、七ブロックに分け、段階的に整備を進めることとしております。このうち、Aブロックにつきましては平成九年六月に供用を開始し、Bブロックについては平成十年八月から供用を開始したところであります。また、Cブロックにつきましては、平成九年六月に護岸建設工事に着手し、平成十二年度におおむね完成するよう鋭意工事を進めているところでございます。
 なお、Gブロックにつきましては、本年度から護岸建設工事に着手してまいります。
 一五ページに参ります。建設発生土等の有効活用でございます。
 (1)の建設発生土ですが、その適正処理と有効活用のため、首都圏で発生する建設発生土を地方圏の港湾へ海上移送し、埋立用材として有効活用する広域利用を推進しております。
 この事業を適正かつ円滑に実施するため、運輸省、横浜市、川崎市等と協力して、株式会社沿岸環境開発資源利用センターを設立し、平成六年九月から事業を行っております。平成十一年度におきましては、東京港から約百三万立方メートルの建設発生土を石巻港などに搬出しております。
 (2)のしゅんせつ土砂ですが、しゅんせつ土砂の有効活用は、廃棄物処理場の延命化にも資するものでございます。これまで、羽田沖拡張部の前面水域で浅場造成事業及び覆砂事業を実施しておりますが、さらに、千葉県等と協定を締結いたしまして、千葉港の深掘り部の埋め戻し材等としてしゅんせつ土砂の提供を行っております。
 10の東京港の海岸保全でございます。
 海岸保全事業は、防潮堤、水門、排水機場等を整備することにより、高潮や地震による水害から都民の生命と財産を守るものでございます。外郭防潮堤については、計画延長の九六%に当たる約三十一キロメートルが完成しております。
 本事業の推進に当たりましては、防災機能の向上とあわせて、豊かで潤いのある水際線を創造するため、可能な限り遊歩道や植栽等を備えた親水性の高い施設の整備を行っております。本年度につきましては、港南地区、江東地区、港地区でそれぞれ整備を進めているところでございます。
 なお、水門、排水機場はそのほとんどが整備後三十年以上経過しており、今後、老朽化対策や耐震性の強化を図ってまいります。
 一六ページに参ります。島しょの港湾、漁港、海岸及び空港についてでございます。
 (1)の伊豆諸島の港湾、漁港、海岸保全及び空港の整備ですが、東京都離島振興計画に基づきまして、伊豆諸島の産業振興及び島民の生活の安定、向上を図るため、島しょの交通輸送路を確保し、産業基盤の整備を行うとともに、激しい風や波から島民の生命、財産を守るため、港湾、漁港整備とあわせて海岸保全事業を実施しております。
 まず、アの港湾整備ですが、第九次港湾整備七カ年計画に基づきまして、本年度は、大島元町港ほか十港の泊地、岸壁等の整備を実施しているところです。
 なお、現在の港湾は表のとおりでございます。
 一七ページに参ります。
 イの漁港整備でございますが、第九次漁港整備長期計画に基づきまして整備を行っております。本年度は、大島元町漁港ほか十三港の岸壁、防波堤等の整備を実施しているところです。
 なお、現在の漁港は表のとおりでございます。
 一八ページに参ります。
 ウの海岸保全ですが、第六次港湾海岸事業七カ年計画及び第六次漁港海岸事業七カ年計画に基づきまして、港湾・漁港の海岸を整備するものでございます。
 エの空港整備ですが、現在就航している航空機の更新、旅客の増大などに対応するため、空港の拡張整備などを行うものでございます。本年度は、大島空港については空港本体及び照明の工事等を行い、八丈島空港については実施設計及び用地買収等を行うこととしております。また、調布離着陸場につきましては、平成十年十二月、正式飛行場の設置許可を受け、本年度末の供用開始に向け、滑走路舗装や航空保安施設を整備しているところでございます。
 一九ページに参ります。
 (2)の小笠原諸島の港湾、漁港及び空港整備でございます。この事業は、新小笠原諸島振興開発計画に基づきまして、小笠原諸島の振興を図るため、海上交通輸送路の確保と産業基盤の整備を目的として、港湾、漁港及び空港を整備するものでございます。
 本年度は、港湾につきましては、父島二見港の岸壁改修と母島沖港の緑地などの施設の整備を実施しております。漁港につきましては、父島二見漁港の泊地整備及び母島漁港の防波堤の建設等を実施しているところです。小笠原空港につきましては、空港の整備に向け、環境現況調査等を実施しているところでございます。
 次に、(3)の島しょの港湾、漁港、空港の管理運営でございますが、現在、当局では、伊豆諸島と小笠原諸島の港湾十六港、漁港二十一港及び空港五港並びに調布離着陸場を管理しております。島しょにおける港湾、漁港、空港の現場管理事務につきましては、大島、三宅、八丈及び小笠原の各支庁におきまして、それぞれ行っております。
 なお、(4)の三宅島火山活動及び新島・神津島近海地震等への対応ですが、地震発生以来の当局の対応を1及び2に記載しております。
 3の航路確保につきましては、御蔵島-三宅島間の運航が困難となったため、御蔵島への代替航路を確保しております。また、この災害による離島航路事業者の旅客収入の大幅な減少への対応として、国に支援を要望するとともに、都の補助金について、早期の交付を実施いたします。
 現在、神津島に設置されている現地対策本部に、本部要員として職員一名を派遣しております。
 二〇ページに参ります。二〇ページから二二ページにかけましては、平成十二年度における港湾局の予算概要でございます。詳細につきましては、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 次に、都が二五%以上出資等を行っている団体で当局が所管しているものについて、その事業等をご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております資料3、東京都監理団体等一覧をごらんいただきたいと存じます。
 当局所管の二五%以上出資を行っている団体といたしましては、特別監理団体とされているものが、財団法人東京港埠頭公社を初めとしまして六団体ございます。また、協議団体といたしましては、株式会社沿岸環境開発資源利用センターがございます。また、東京都監理団体ではございませんが、その他報告を受ける団体といたしまして、二団体ございます。
 これらの法人の詳細につきましては、本日配布してございます経営状況説明書に記載しておりますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 これらの団体は、都の事務事業等を代行、補完し、都民サービスの向上に大きな役割を果たしております。
 委員の先生方におかれましては、これらの団体の健全な発展のため、今後ともご指導、ご支援くださいますようお願い申し上げます。
 なお、参考資料といたしまして、事業概要、事業関係規程集等をお配りしてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 以上をもちまして、大変雑駁ではございますが、当局の事務事業及び当局所管の二五%以上出資している団体についての事務事業の説明を終わらせていただきます。

○いなば委員長 ただいま港湾局長、総務部長の説明が終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○山本委員 六点お願いいたします。
 一、東京港の取扱貨物量について、内貿、外貿、それぞれコンテナと貨物とそれ以外に分けて、五年分。
 二、港湾労働者の厚生施設の整備状況がわかる資料。
 三、外国艦船の入港状況について、十年間で。
 四、臨海三セクの経営実態と支援策及びその効果と収支見通しについて。
 五、臨海副都心開発事業会計の収支見通しについて。
 六、臨海副都心の土地利用の状況について。
 以上です。

○いなば委員長 そのほかございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 ただいま山本委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いなば委員長 異議なしと認めます。
 理事者におきましては、要求されました委員と調整の上、ご提出願います。
 港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時八分散会

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