経済・港湾委員会速記録第五号

平成十二年三月十七日(金曜日)
   午後一時八分開議
 出席委員 十四名
委員長樺山 卓司君
副委員長藤井  一君
副委員長丸茂 勇夫君
理事松原 忠義君
理事林  知二君
理事大山  均君
服部ゆくお君
馬場 裕子君
山本  信君
木内 良明君
小松 恭子君
五十嵐 正君
山崎 孝明君
山本賢太郎君

 欠席委員 なし

 出席説明員
中央卸売市場市場長大矢  實君
経営管理部長碇山 幸夫君
業務企画担当部長小島 郁夫君
参事浅倉 義信君
施設部長小山 園子君
築地市場再整備担当部長内村 修三君
地方労働委員会事務局局長歩田 勲夫君
次長細渕  功君

本日の会議に付した事件
 意見書、決議について
 地方労働委員会事務局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出 地方労働委員会事務局所管分
 中央卸売市場関係
  予算の調査(質疑)
  ・第十一号議案  平成十二年度東京都と場会計予算
  ・第二十一号議案 平成十二年度東京都中央卸売市場会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百四十八号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
  ・第百四十九号議案 東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例
  ・第百五十号議案  東京都立芝浦屠場条例の一部を改正する条例
  請願の審査
  ・一一第四九号   東京都中央卸売市場条例に関する請願

○樺山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書四件、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 本件の取り扱いについては理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○樺山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○樺山委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、地方労働委員会事務局関係の予算の調査並びに中央卸売市場関係の予算の調査、付託議案の審査及び請願の審査を行います。
 この際、予算の調査について申し上げます。
 平成十二年度予算につきましては、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長より調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。
平成十二年三月十六日
東京都議会議長 渋谷 守生
経済・港湾委員長 樺山 卓司殿
予算特別委員会付託議案の調査について
(依頼)
 このことについて、予算特別委員長から別添のとおり調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
  記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時

(別紙1)
経済・港湾委員会
第一号議案 平成十二年度東京都一般会計予算中
    歳出
    繰越明許費
    債務負担行為
第七号議案   平成十二年度東京都中小企業近代化資金助成会計予算
第八号議案   平成十二年度東京都農業改良資金助成会計予算
第九号議案   平成十二年度東京都林業改善資金助成会計予算
第十号議案   平成十二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一号議案  平成十二年度東京都と場会計予算
第二十一号議案 平成十二年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十二号議案 平成十二年度東京都埋立事業会計予算
第二十三号議案 平成十二年度東京都臨海副都心開発事業会計予算
第二十四号議案 平成十二年度東京都羽田沖埋立事業会計予算
第二十五号議案 平成十二年度東京都港湾事業会計予算

(別紙2省略)

平成十二年三月十六日
予算特別委員長 清原錬太郎
東京都議会議長 渋谷 守生殿
予算特別委員会付託議案の調査について
(依頼)
 本委員会は、付託された議案の審査に当たって各常任委員会の意見を参考とすることに決定したので、左記のとおり調査の依頼をお願いします。
  記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時

(別紙1、2省略)

○樺山委員長 これより地方労働委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、地方労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○樺山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で地方労働委員会事務局関係を終わります。

○樺山委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び請願の審査を行います。
 第十一号議案、平成十二年度東京都と場会計予算、第二十一号議案、平成十二年度東京都中央卸売市場会計予算、第百四十八号議案、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例、第百四十九号議案、東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例、第百五十号議案、東京都立芝浦屠場条例の一部を改正する条例及び一一第四九号、東京都中央卸売市場条例に関する請願を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求のありました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○碇山経営管理部長 私からは、去る二月十八日の委員会でご要求のありました資料につきまして、ご説明させていただきます。
 ご要求のありました三項目につきましては、お手元にご配布の資料1にまとめてございます。
 初めに、東京都中央卸売市場における取扱量と取引方法の推移についてをご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料の一ページをお開き願います。市場の取扱量及び金額につきまして、平成二年から十一年までの十年間につきまして、一覧表にまとめてございます。
 表の指数をごらんいただきますとおわかりのように、平成二年を一〇〇といたしますと、水産物部、青果部、食肉部のいずれも、バブル期以降の景気低迷から消費が落ち込み、数量、金額ともに減少しております。
 特に食肉部では、数量は二五%、金額にいたしまして三〇%減少しておりますが、これは輸入牛肉の自由化に伴いまして、畜産振興事業団の市場放出が廃止されたことなどによるものが大きな要因となってございます。
 また、花き部におきましては、数量、金額ともに大幅に増加しておりますが、大田市場が平成二年九月に、板橋市場が平成五年二月、さらに葛西市場が平成七年四月に、それぞれ花き部を業務開始したことが大きな原因となってございます。
 次に、二ページをお開き願いたいと存じます。部類別の取引方法の割合について、取扱金額をもとに算定したものでございます。食肉部を除きまして、いずれも競り売りが徐々に減少し、相対売りが増加してございます。
 花き部におきまして、ごらんのように、相対売りが増加傾向を示しておりますのは、予約相対取引がふえているためでございます。
 食肉部におきまして、枝肉による競り取引が主流のため、競り売りの割合が高くなっている状況でございます。
 三ページをお開き願いたいと存じます。2の市場関係業者の経営状況につきましてご説明申し上げます。
 このページから四ページにかけまして、平成六年から十年までの五カ年におきます部類ごとの卸売業者、仲卸業者の業者数及び赤字業者数についてお示ししてございます。
 卸売業者につきましては、各年度末現在で、仲卸業者につきましては、各年十二月末現在、いわゆる歴年の段階でお示しをしてございます。
 なお、それぞれの部類の(2)に仲卸業者の欄がございますが、その括弧書きにつきましては、調査業者数に対します赤字業者の割合を一〇〇%で記載してございます。
 五ページをお開きいただきたいと存じます。3でございますが、主な中央卸売市場の大規模整備状況についてをご説明申し上げます。
 現在、各都市の中央卸売市場が進めております市場整備のうち、現在地での再整備及び移転整備を進めております札幌市中央卸売市場ほか、ごらんの五都市の中央卸売市場につきまして、その整備状況及び年間取扱数量を一覧表にまとめてございます。
 現在地での再整備を行う中央卸売市場は、札幌市、名古屋市、大阪市、福岡市の四市場で、いずれも、市場隣接地に用地を確保し、現在地での再整備が可能となったものでございます。
 また、盛岡市及び新潟市の中央卸売市場は、移転による再整備でございます。これを機に取扱部類をふやすなど、これら市場は新市場として整備するものでございます。
 以上、甚だ簡単でございますが、要求のございました資料三項目につきまして、ご説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○樺山委員長 説明は終わりました。
 次に、請願一一第四九号について理事者の説明を求めます。

○小島業務企画担当部長 中央卸売市場が所管しております請願について、ご説明を申し上げます。
 お手元に配布してございます資料6、請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明をさせていただきます。
 二ページをお開き願います。請願一一第四九号、東京都中央卸売市場条例に関する請願でございます。
 この請願は、昨年の十一月二十九日に開催されました当委員会においてご説明いたしましたが、改めて、請願で要望されたことに関する条例上の取り扱いについてご説明を申し上げます。
 請願の要旨の一番目ですが、売買取引の方法ごとの物品の選定については、各市場、各取扱部類ごとに、関係業界の意見を十分聴取し、取りまとめたものでございます。
 次に、二番目の請願の趣旨は、特に商物分離となる取引は、市場外での取引となるため、監視監督体制の強化等を図ってほしいとの要望であると思われます。
 この商物分離となる取引は、予約相対取引によるものに限られます。
 予約相対取引行為及び物品の引き渡し場所については、あらかじめ知事が許可、承認することとなるので、請願にあるような、さらなる監督体制の強化は考えておりません。
 なお、今後とも、中小の小売業者が取引上不利にならないように指導してまいります。
 次に、昨年十一月二十九日以降の状況につきまして、ご説明を申し上げます。
 恐縮ですが、三ページをお開き願います。
 最後の五行、なお書き以下でございますが、平成十一年十二月二日、知事の附属機関であります市場運営協議会に条例改正素案をお諮りしましたところ、一部委員から条例改正について反対する意見も出されましたが、原案のとおり改正することを適正と認める旨の決定をいただいております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

○樺山委員長 説明は終わりました。
 これより、先ほどの要求資料も含め、本案及び請願に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 今回の中央卸売市場の使用料の改定について、お尋ねをいたします。
 今回の使用料の改定につきましては、本来であれば、前回改定しておれば、ある程度クリアができた部分もあるのではないかと思いながら、しかし、市場の独立会計の制度のために、今まで生まれてきた累積欠損金等の問題があり、そういう問題を解消するために、どうしても利用者に利用料の改定をお願いしなければいかぬということで、提案をなされたと思います。その際に、そこを利用している業界の方たちのご意見等を十分勘案しながら、改定作業を行ってきたと思いますが、その業界の方たちとの調整の過程等をお知らせいただけましたら、ありがたいと思います。

○碇山経営管理部長 大山委員のお話にございました使用料の改定に当たりましては、私ども、何よりも業界のご理解が大事だと基本的に考えて、そういう対応をさせていただいたものでございます。
 業界への説明会は、十一月十九日に公式にやったわけでございますが、それに先立ちまして、非公式に、個別に業界を私ども大矢市場長以下訪れまして、ご説明を申し上げました。それから、十一月十九日の公式の説明会以降も、いろいろな各業界ごとに、ご要望に応じて、私ども出張いたしまして、ご説明をしたものでございます。
 説明に出かけた回数を申し上げるのも恐縮でございますが、合計で二十一回、三十団体にお邪魔しまして、ご説明を申し上げたものでございます。
 特に、ただいま大山委員からお話がありましたように、私ども、市場財政の健全化を図るためには、累積赤字の解消ということも十分考えてご提案申し上げましたが、百五十四億にわたります累積赤字を棚上げと申しますか、市場利用料の算定の基礎から除外しまして、向こう三カ年間の赤字見込み額、いわゆる経常的な経費の赤字見込み額三十四億を対象としたということでございます。
 その中で、いろいろなご意見が出たわけでございますが、市場審議会等の答申を含めまして、一月十一日に業界と合意したものでございます。

○大山委員 今、市場審議会のお話が出ましたけれども、その市場審議会でいろいろなご意見があったと伺います。その審議会の経過をご説明いただきたいと思います。

○碇山経営管理部長 使用料を私どもがご提案する前に、知事の諮問機関であります東京都卸売市場審議会へ諮問することになっております。したがいまして、十二月二十一日に東京都卸売市場審議会に諮問したわけでございます。
 その中で、いろいろなご意見も出まして、そのご意見が集約的に附帯意見というような形で出たわけでございます。収支均衡に向けてさらに内部努力を徹底し、経費節減に努める。あるいは、使用料改定に当たりましては、市場関係業者の経営状況を十分考慮いたしまして、激変緩和を図るなどの措置を検討し、今後とも業界との協議を行いなさい。あるいは、使用料のあり方について今後検討組織を設けなさい。こういうようなご意見が出たわけでございます。
 それで私ども、その市場審議会で、先ほどもご答弁申し上げましたが、激変緩和というようなことで、段階的措置を講じ、今定例会にご提案している激変緩和、いわゆる段階的措置ということを含めて、業界にもご提案し、合意し、本定例会にご提案した、こういう内容でございます。

○大山委員 今、ご答弁の中でありましたけれども、今回、業界が大変憂慮しましたことが、実は前回の使用料の改定のときに、市場当局としてその後協議会を続けていくという約束があったにもかかわらず、その後、市場当局と業界との協議会というものが立ち上がってなかったという不満が大変大きくあったと伺っております。
 今後は、その協議会というものを着実に立ち上げて、業界と市場当局がもっと信頼関係を培って、いろいろな内部事情もお互いに語り合っていけば、こういう大きな衝突にはならなかったんではないかと思います。そのことを強く要望いたしておきます。
 それから今度は、そこに来る買参人について、やはり弱小の業者でございますから、ある程度のご配慮があったのかどうか、お伺いをいたします。

○碇山経営管理部長 これまでも、使用料の改定につきまして、段階的な措置ということとは別に、ただいま大山委員からお話のございました買参人、小売屋さんに対しまして、特別な軽減措置というのが図られたわけでございます。したがいまして、私どもも特にここいら辺の観点が実際に重要であるということで、買参人等、小売屋さんに対する特別な措置をやるということで、現在進めてございます。

○大山委員 これは条例とは別でできるはずでございますので、今、市場当局として用意している案がありましたら、教えていただきたいと思います。

○碇山経営管理部長 段階的措置につきましては、ご提案しましたように、八%、一四%、一六%という形で行いますが、ただいま申し上げました小売業に対する配慮ということで、条例で定める範囲内で規則で定めるということで、現段階で、七%、一一%、一三%という形で、四月一日に向けて作業を進めてございます。
 それらに要しますおおよその削減額と申しますか、軽減額が、八千四百万円程度というふうに見込んでございます。

○小松委員 最初に、市場の使用料問題について何点か伺いたいと思います。
 今お話にもありましたように、今回の市場の使用料、段階的に八%、一四%、一六%と上げていくということでございますが、それではまず、全総額と各業者の平均を出していただきたいと思います。

○碇山経営管理部長 使用料の改定に当たりましては、初年度八%、二年度一四%、最終年度一六%ということでご提案申し上げました。業者さんへの影響ということでございますが、これはいろいろな業態がございます。例えば卸売業者でいいますと、水産関係で八百万円、青果で一千五百万円、それから、仲卸業者におきましては、水産で七万、青果で二十七万円の増額ということになろうかと思います。
 これは三カ年目の一六%におきます数字でございますから、激変緩和ということで、初年度で八%としますと、初年度はこれの半分程度になるかなというふうに考えてございます。

○小松委員 いずれにしましても、今の不況の中で大変な負担になるわけですが、それでは、市場がまとめられた文書でも明らかにしておりますが、例えば二〇〇〇年度の予算に占める減価償却費、それから支払い利息の割合、これがどの程度になるでしょうか。

○碇山経営管理部長 ご提案申し上げましたように、平成十二年度予算におきます割合でございますが、減価償却費につきましては四十三億円程度、割合にしまして一九・六%、それから企業債の支払い利息、三十八億円程度で、一七・二%程度ということで考えてございます。

○小松委員 昨年出されました市場財政白書、大変役立たせていただいておりますが、ここでも、そもそもそれが市財政の財政硬直化の要因だとしているわけでございます。そしてそこでは、市場会計にはそもそも支払われるべく幾つもの会計があるということを明らかにしているわけです。
 また、施設整備に対する国の助成、既設市場に対して三分の一補助になっておりますし、市場の持つ公共性を重視して、国がもっと国庫補助条件を改善すべきだと思われますけれども、例えば二〇〇〇年度、この点はどういう予算になっているんでしょうか。
 さらに、財政調整によります削減額、これも、累計も含めて伺いたいと思います。

○碇山経営管理部長 お尋ねの国庫補助金は、ただいま小松委員からご指摘ございましたように、私ども、財政白書をつくりました段階で、これを広く内外に訴えるということでございます。
 残念ながら、国庫補助金につきましては、東京都が富裕団体であるということで、削減を受けてございます。補助対象事業費のうちの補助率に、例えば築地市場でいいますと、三分の二が削減されておる。それから、築地市場以外でありますと、三分の一が削減されておるということでございます。
 この削減につきましては、私ども、従前からも鋭意、非常に不合理であるということで、国要望等を通じまして関係省庁に強く訴えたものでございます。
 平成十一年度までの財源調整による削減額が百二十五億円で、お尋ねの平成十二年度予算におきます削減額、影響額というのは、十五億円程度というふうに考えられます。

○小松委員 財政白書では、東京都が地方交付税の不交付団体であることを理由として、削減措置を受けていることに対しまして、地方交付税の不交付に加えての二重の調整措置、都の一般会計の財政状況を理由とした削減を独立採算で経理している企業会計に適用すべきではない、財政状況は極めて逼迫している、こう書いておりますね。
 この点につきまして、昨年、九九年の十月八日の市場審議会の議事録があるわけです。我が党の渡辺議員も指摘しておりますが、それに対しまして、ここには、ちょうど食品流通局長になられた委員がこんな話をしております。
 「あの当時、私の実感からいって、東京都はあんまり補助率の問題について熱心にやらなかったですね。同じように言えば、大阪市も、やっぱり補助率カットの問題に直面していたんですけれども、それは、大阪市の方がずっと熱心だったんですよ。本音を私は担当の人から聞いたことがあるんですが、ともかくあの当時は、都はお金はたっぷりある。だから、国の補助金なんかそう要らない。金も要らないけれども、口も出してくれるな。これが本音でございましたね。」こういうふうにおっしゃって、「だから、都としてはっきり理論立てをしまして、国の補助率、特に実効補助率の引き上げについては真剣に訴えていかれるべきであると、こういうように思います。」
 そのまま読ませていただきました。
 こうした発言があるわけですけれども、市場は、国に対して撤廃を強く求めておられるのでしょうか。

○碇山経営管理部長 十二月二十一日の市場審議会に私も幹事として当然に出席しておりますし、ただいまのお話についても、私も確かに席上で聞いて、非常に残念な思いというか、寂しい思いがして、がっかりしたような思いが残っておりますが、私どもにしてみますと、今後、市場整備ということもありますし、市場会計の健全化ということがございます。これまでも、我々の先輩も十分に、国庫補助の削減についての撤廃を要望してきたわけでございますし、現に私どもといたしましても、今後も精いっぱい頑張っていきたいと思います。

○小松委員 こんな発言を二度とされないように、ぜひ強い要望をしていただきたいと思います。
 また、この白書では、自治省通達に基づく応分の負担がされていないと指摘されておりますね。この九九年度の自治省の通知では、地方公営企業繰出金の繰出基準は営業費用の三〇%となっている。また、市場の建設改良に要する経費として、九二年度以降、発行企業債の利子支払い額の十分の五、二〇〇〇年度から二分の一繰出基準と設定されているわけですが、本来の基準は、実態は一体どうなっているのでしょうか。

○碇山経営管理部長 お話にございました市場会計と一般会計の負担区分でございますが、現実に、例えば業者の指導監督等に要する経費につきましては、営業費用の三〇%を目安として繰り出すというような物差しになってございます。ただ、現実的には、大体一八%しかないという状況でございます。

○小松委員 それでは、基準どおりに繰り入れがなされた場合、現在までの累積額と二〇〇〇年度予算での数字の面で伺いたいと思います。

○碇山経営管理部長 数値につきましては、基準どおりに繰り入れた場合というのはなかなか把握が難しいんですけれども、仮の数字でございますが、平成十二年度当初予算におきまして、ただいま申し上げました営業費用の三〇%が仮に繰り入れられたとした場合に、その影響は二十二億円程度かと推計しております。

○小松委員 累積値。

○碇山経営管理部長 累積でございますが、五年度から十年度をとらえまして、決算ベースで申し上げますと、ただいま申し上げました対象事業につきましては、八十八億円程度かと存じます。

○小松委員 さらに、市場施設の建設改良に係る企業債の元金償還額の二分の一が、一般会計から市場会計に出資されることになっておりますが、この市場の予算要求に対しまして、九二年度から財務局はカットを繰り返しておりますね。二〇〇〇年度はどうなっているのでしょうか。これの累計は幾らになるのでしょうか。

○碇山経営管理部長 五年度から十年度までにおきましては百五十一億、十二年度ベースにおきましては十一億程度ということになろうかと思います。

○小松委員 このほか、都の市場は、神田市場など跡地の売却益による利益、剰余金がありますけれども、九八年度末の処分益、運用益合計と同時に、残高、そしてまた今後、この利益、剰余金をどのように使っていこうとされているのか、お伺いしたいと思います。

○碇山経営管理部長 十年度末の処分益でございますが、先ほどもお話し申し上げました市場財政白書で、私どもでもこれを明らかにして、財政状況を訴えているわけでございますが、その二一ページにお示ししてございますが、五千百四億円でございます。それから、現在の残高でございますが、同じところに二千九百二十二億円とございます。
 それから、お尋ねの、剰余金はどのように使っていくかということでございますが、今後の市場整備事業の充実に充ててまいりたいというふうに考えてございます。

○小松委員 いろいろとお金が出てくるんですが、都債の借りかえについて、銀行分の企業債について、十年間の償還期限が来たものについて借りかえを行っているわけですが、直近では利率はどのくらいになっているんでしょうか。

○碇山経営管理部長 一番最近借りかえしたものの利率でございますが、十一年度発行で一・七%でございます。

○小松委員 それでは、企業債の残高は現在どうなっているのでしょうか、利率もそれぞれお願いしたいと思います。

○碇山経営管理部長 十年度末の企業債残高でございますが、九百四十二億円でございます。
 利率につきましては、それぞれの発行年次によって異なるものがございます。高いもの、安いもの、それぞれあろうかと存じます。

○小松委員 一番高いのはどうでしょうか。一つ二つお聞かせ願いたいと思います。

○碇山経営管理部長 平成六年度の発行分でございますが、四・五%のものがございます。それから、平成二年の発行分で六・五%、このような状況でございます。

○小松委員 今どきに六・五%、四・五%ということですけれども、この高い利息の企業債がそのままでは、利息の支払い負担の改善はできないわけですね。市場はこうした高い利息の都債を償還期限が来る前に借りかえを行ったことがあるでしょうか。

○碇山経営管理部長 ございません。

○小松委員 やったことがないということですが、今までの形からして、これは当然できること、ぜひこれを努力していただきたいということですが、さらに、こうしておいて二千億円の長期貸付があるわけですね。資金の有効活用をしているわけですが、高い利率の借金を一方で抱えているわけですから、資金の有効活用は当然なわけです。この長期貸付の利率はどうなっているでしょうか。

○碇山経営管理部長 十一年度予算にも計上いたしましたように、今年度中に二千億の貸し付けということでございますが、そこら辺の利率につきましては、私ども、現に二千億を抱えておりまして、当然に企業会計としまして運用も図らなければいけないし、金利も稼ぐということでございます。したがいまして、それよりも有利な形で運用できれば、私ども企業会計としては非常にベターな話でございますので、今、そういう方向で財務局と協議をしております。

○小松委員 しかし、二千億円を貸して値上げでは、業界の理解も得られないと思われるわけですが、それでは最後に、小売への影響です。青果業界から要望があったと思うんですけれども、小売への配慮はどのように考えられているのでしょうか。

○碇山経営管理部長 先ほどもご答弁申し上げたところでございますが、今回の段階的措置、八%、一四%、一六%に加えまして、小売業者に対する配慮というのは重々必要だということで考えてございます。段階的に、七%、一一%、一三%ということで実施してまいりたいということで、現在進めてございます。

○小松委員 今ずっとお聞きしてまいりましたが、過大、むだがないような施設整備に心がけて、本来のあるべき財政運営をすることによって、財政を健全にすることは可能だということが、今までの数字で明らかになったのではないでしょうか。そして、値上げも必要なくなると。
 昨年九月の市場財政白書でも、全体の財政に占める減価償却費、支払い利息が、財政構造を硬直化している要因であるとみずから指摘されております。同様な財政の健全化方策を指摘しているわけです。
 一方、使用料値上げの文書では、市場使用料の改定についてを見ますと、仮に累積欠損金を二〇〇二年度までに解消しようとすると、施設使用料を八七%の改定が必要であるとしております。また、市場使用料は、独立採算制の公営企業で運営している市場会計の根幹的財源でありまして、受益者負担の原則から、市場施設を利用する場合や市場における営業活動の対価として支払われるべき義務的経費である、このようにしていらっしゃるわけですね。
 しかし、今の質疑を通して見てきましたように、そもそも、市場自身が果たすべき責任がどうなっているか、これが明らかになっていない。白書で指摘したような改善の方向が出ていないんではないでしょうか。さらに今回、他の公共料金も含めて一斉に値上げがされるわけです。業界、小売業への影響は、合わせると大変深刻です。こうした中での値上げでは、都民の理解が得られない。
 そして、市場の活性化というのは、業者の元気が一番大切です。今回の条例改正においても、本当に市場の業者たちがやる気が起こるような、元気が出るような、そうした使用料であっていただきたいということを意見といたしまして、次の条例改正について質問に入っていきたいと思います。
 卸売市場の現状ですが、これは我が党もこれまで何回も委員会で取り上げてまいりました。すなわち、大量の量販店が、とにかく希望する商品の円滑な調達ができればと、市場のルールにこだわらない仕入れ方法をとることでしょうか、例えば前日の午後、夜に前もって発注するとか、欠品についてはペナルティーを負わすとか、価格を事前に設定するケースが多いとか、卸売業者にバックペイ、多頻度配送、低マージンでのパッケージ、イベントの手伝い、奉仕の強要など、市場関係は非常に弱い立場に立たされている。これは、市場業者の経営基盤強化に関する研究会の本がありましたけれども、それで明らかにされております。
 ここにも書いておりました。「量販店や加工業者等の大口需要者は計画的な販売戦略から、『定量、定質、定価』条件や、支払サイトの長期化などを取引条件として要請するほか、休市日を含めた保管・荷出し業務、人員派遣などを負担することを求めており、このような大口需要者のバイイングパワーに対応できる仲卸業者は限られる傾向にある。これらは、平成九年度に実施した青果部・水産物部の仲卸業者に対するアンケート調査結果でも明らかとなっている。」と具体的に認めておられるわけです。
 すなわち、卸売会社、仲卸の業者、納入業者は、そんな量販店の対応に困りつつも、取引の減少を恐れて継続しているわけですね。
 また、量販店は、独自の商品開発を求めて、市場外流通、産地と直送取引も拡大させているわけです。
 こんな中で、今回の市場条例改正に、彼らにとって障害となる中央卸売市場のさまざまなルールを変えようと試みているのではないでしょうか。例えば、今回の改正の主要項目であります市場外業者の統合、大型化、または市場ごとによる規則運営、または競り売り原則の緩和、または商物分離の導入、そして休市日の廃止などであります。
 そこで伺うわけですが、今回初めて相対取引が合法的に認められるわけですが、この相対取引をどの程度と考えていらっしゃるでしょうか。

○小島業務企画担当部長 今回の取引方法の改正は、取引の実態に合わせたものということになりますので、先ほどの資料の中で、今、相対売りがどのくらい、競り売りがどのくらいかというようなことは、傾向としてお示ししておりますが、現状のその割合に大体落ちつくのではないか、このように考えております。

○小松委員 お答えは全くの現状追認ということでした。数字をおっしゃらなかったので申し上げますけれども、資料の中にもありますように、水産物では、平成でずっといっていきますと、元年で六〇%ちょっとだったものが、どんどん相対がふえまして、十年度では七四・七%、逆に、競り売りは三九・一%から二三・一%、入札は六%から二・二%に減っている。これは青果また花きなどでもそれぞれ――食肉部はそう変わっておりませんが、青果は変わっている。特に水産などで変わっているわけですね。
 そうしますと、現在認めていないというにもかかわらず、実態は今のような状況です。これをそのまま追認したのでは、限りなく相対がふえて、競りがなくなってしまうのじゃなかろうか。今でもよい品物が競りの前になくなっているという声を、何人もの小売業者から聞いております。
 私の知る花屋さんでは、祭壇用の一本六、七十円のM、Sの白菊がなくなって、逆に一本百五十円以上もする2L――ツーエル、Lしか残っていなかったり、こういうことはしょっちゅうだ。一方、ある市場では、競りをする品物がなくなって文句が出て、市場で調査に行ったということも聞いております。やはり競りの占める割合の指標を都として持つべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○小島業務企画担当部長 まず、今後、競り売りがますます減るのではないかというようなご危惧があるようでございますが、今回、取引方法のルールを定めたということでございますが、それは、一号物品はどういう品目にする、二号物品はどういう品物にする、つまり、その品目ごとに各市場において十分検討した結果でございます。一号物品というのは全量競りということですし、二号物品の指定部分は必ず競り売りということになりますので、その辺は、今後減るということは、むしろないというふうに考えております。
 それから、それぞれの指標を出すようにということでございますが、これは各市場ごと、各品目ごとによって異なりますので、それを全体として何%というような形は示せないものであろう、このように考えております。

○小松委員 各市場ごと個別に決めていくことだということですけれども、それでは、もし個別の市場が、先ほどの現状追認とおっしゃっていた競りの割合を破って、今以上に競りを高く設定することもできるということですか。

○小島業務企画担当部長 各市場におきましては、それぞれの代表者、つまり、卸売業者あるいは仲卸業者、それから売買参加者、そういうものの代表者が集まって決めることになっております。したがいまして、それらの方々の話し合いによって合理的な割合というのを決めていくわけですから、今より高いという数字が出るかもしれませんし、低くてもいいというような形にまとまるかもしれない、そのように考えております。

○小松委員 それぞれの代表者が決めるから、それ以上高くなるかもしれないし、低くなるかもしれないということですね。それはわかりました。
 しかし、東京の市場における競りが、割合の数字をどんどん低めているというのが現状です。
 これは昨年の六月、国会で審議されましたが、参議院の農林水産委員会で我が党の須藤議員が、この改正によって、市場によっては競りを全く行わないことも可能になると指摘したのに対しまして、当時の食品流通局長が、最終的には市場開設者の判断と、これを否定していないんですね。
 このままでは競りがなくなってしまうという声も聞かれる。この状況をどうごらんになるでしょうか。競り原則についての所見を伺いたいと思います。

○小島業務企画担当部長 今回の資料の4の中に、条例上の一号物品、二号物品、三号物品というふうにお示ししてありますが、一号物品は、個々に評価を必要とする物品という形で、例えば水産でいえばマグロ、カジキ、エビというような例が示されております。こういうものについては、当然に競りが行われる必要があるし、やってもらえるものと考えております。それから、二号物品においても、同じような形で物品類を挙げておりますから、これに基づいて競りが行われる、このように考えております。

○小松委員 最低、競りの数量などは業務規程で定めるといいましても、七、八割が先取りされる現状を追認するような規定では、市場機能のゆがみを正す効力がないといわれてもいたし方ないのではないでしょうか。
 事実、競りの原則については、やはり昨年四月の参議院農林水産委員会で、全国水産物卸組合連合会の会長の増田さんという方が、参考人として意見を陳述しております。増田さんは、市場の価格形成は、出荷されたものがきちんと上場され、競りがやられて活性化する、競りの公開制確保のために最も重要なのは、競りと入札といっておられます。
 私ども、先日、共産党都議団の経・港委員の丸茂委員、山本委員などと大阪の市場を視察してまいりました。大阪には、見事、競りが残っている。大阪市場長は、市場の生命線は競りだ、今後も競り原則は堅持していく、このように述べられているわけですね。この違い、競りをしっかり守っている市場もあるんだなということを再認識して帰ってきたわけです。
 そうしますと、そもそも、市場の公共性、そして公開、公平、公正な取引という根本原則、これが今回の市場法の改正で、公平という言葉がどうも抜けているようです。この公平こそ競りの原則ではなかったのでしょうか、所見を伺います。

○小島業務企画担当部長 これまでに、市場の取引原則というのは、条文上は、明確に書かれてはおりませんでした。確かに、今おっしゃったような公平、公正、それから公開というような原則がいわれておりまして、その原則は当然に正しいものだと私も考えております。
 それで、今回、法改正に当たりまして国ともいろいろ議論はしたんですけれども、公平は公正の中に含まれているということでありまして、それから公開というのが特別にその別な方に記載をしたために、公平と、それから今回追加された概念であります効率というものをつけ加えたわけでございます。
 なお、もちろんこの公平につきましては、今後も重要な原則だと考えておりますので、そういう点で市場を運営していきたいと、このように考えております。

○小松委員 公平は公正に含まれている――きょう辞書を持ってきておりませんけれど、きっと辞書を見れば公平と公正というのは、これはもう日本人の方だったら皆さん同じような使い方はされていないと思うんです。大きいところも小さいところも弱いところも強いところも同じようにという、これは公平ですね。公正とは違います。
 そして市場における公平、これが競りの原則と思うわけですけれど、これも大切ということでしたら、これは今回の請願にもありますけれど、法にも含まれていないということでしたら、条例の中にはそれをきちっと明文化するということはできないものでしょうか。

○小島業務企画担当部長 原則をどのような形でつくるかということはいろんなやり方があろうかと思いますが、今、条例の五十六条には、差別的取り扱い禁止の原則というのがございまして、むしろ公平というよりは、もっと強く差別的取り扱いを禁止する、そういう原則の方が強いのではないかと考えられますので、それでも読めるんではないかと私は思っております。

○小松委員 ここで長い間議論するつもりはございませんが、また、差別と公平というのが同じような形に使われているようですけれど、差別というのは一つ、これはまた違ってきます。差別がなくても公平に欠けるということもあるわけですから、その辺も含めて、これは今回ここで今入れろといっても無理であるならば、ぜひ検討課題にしていただきたいということで、次に移りたいと思います。
 それで、この公平も含めて、今回はさらにもう一つ商物一致の原則、これが規制緩和されているわけですね。商物一致が市場の役目であり原則ではないかと思うわけですけれど、この点、いかがお考えでしょうか。

○小島業務企画担当部長 お話しのとおり、商物一致が原則であると思います。
 今回は、商物一致の原則の一部緩和ということでございまして、この取引は予約相対取引に限るということでございますから、しかもその実績は平成十年度で見ますと、水産ではございませんし、青果では二%程度ですので、大半は商物一致の原則で進むものと、このように考えております。

○小松委員 部長のお答えでは、商物分離が導入されても一号、二号物品も大丈夫と。相対も対応できる、予約であるからと。すなわち取引ルールを守れば心配ないということのように思われますが、それでは改めて伺いますが、その取引ルールは一体何なのか。そして、それを厳守させるということはどのように対応されるのか。情報公開も含めてご回答願いたいと思います。

○小島業務企画担当部長 取引ルールの内容でございますが、基本的には、先ほど申しました競りと相対それぞれの物品をどのように分けていくか。一号物品はどうするか、二号物品をどうするかというようなところを決めることであろうと思います。
 それからなお、まだ明確に結果は出ておりませんが、それぞれの販売開始時間をどのようにしていくかというような点がこれからの検討課題だろうと思います。そういうものが取引ルールの主なものとなると思います。
 それで、今回の改正は、市場関係者の自己責任において、みずから選択し定めた取引ルールはみずから守ることを基本といたしております。したがいまして、これまで以上には行政指導を強めることはしないつもりでございます。
 しかしながら、業界みずからが決めたルールは守るように、また取引委員会が公正かつ適正に運営されるようには指導していきたいと思っております。
 また、最後に情報公開の点ですが、これもその取引委員会で内容を決めることになっておりますので、同じような事柄として対処していきたいと思っております。

○小松委員 部長のおっしゃったような形で本当に進んでいけばこれは問題ないと思うんですけれど、こういう質問をさせていただくというのは、あらゆるところでいろんな問題が起きているということで質問せざるを得ないということもあります。ぜひ、その委員会が本当に効を発するようにしていただきたいんですけれど、この委員会の中に、各段階でありますね、すべてのところでの取引委員会に労働者の代表を入れるということでは、現状、これからいかがでしょうか。

○小島業務企画担当部長 労働者の代表は今でも知事の附属機関であります市場取引業務運営協議会、それから市場ごとにある市場別取引業務運営協議会の委員として委嘱しておりますし、その点は今後も続けていきたいと思っております。
 なお、今おっしゃっておられるのは、多分その下部の、具体的な取引に関する協議をする場としての委員会のことをおっしゃっているんだろうと思いますが、これにつきましては、現在、卸売業者、仲卸業者、売買参加者の代表者が出席しておりまして、今のところ、そこにまで労働者代表が入らなくてもよろしいんではないかということで協議をしております。

○小松委員 入らなくてもよろしいんではないかという根拠を、もう一回お願いいたします。

○小島業務企画担当部長 ちょっと説明が不足しました。
 つまり、その具体的な取引委員会というのは、例えばきょうの取引は、例えば青果についてはどのように、出荷はどうであって、競りのとか相対の場合はどうするとか、その日々の業務のことを検討する会でございますから、そこまで労働者の代表がお入りになってやることもないだろうということが一つですし、それから皆さんで協議するような重要な事項が出てまいりますれば、その上の機関であります運営協議会というのがございまして、先ほどいいましたように、ここに労働者の代表も入っておられますので、そこで議論していただければいいんではないかと、こういうふうに考えております。

○小松委員 これ以上、議論するつもりはありません。ぜひ、すべての段階での労働者の参加ということも含めて要望しておきたいと思います。
 今の論議を通しまして、競りの状況について最後に意見を申しておきたいと思います。
 競りが今のような状態で、都民の食卓を守っていくのが一体どうなっていくのか、大変心配されます。特にこの資料にありますように、生鮮三品の競りの減少が大きいわけです。商店街が十年間で二十万店が店を閉じているということですが、生鮮三品がその中でも特に多いというのは、過去に労働経済局からも出されております。
 生鮮三品がなくなると商店街そのものも活性化がなくなるということは、いわれているわけですね。今、この三品店を引っ張ってこようということで商店会みずからが空き店舗対策ということで懸命に努力をされておられる。地域の商店を守らなければならないということで、市場も、地域の商店を守らなければ危なくなってくる。すなわち競りの原則の崩壊があるとしたら、これは単なる販売形態論としての問題ではなくなって、卸売市場の公共性のあり方、これに直接かかわる問題にもなるのではないでしょうか。
 昨年の、やはり同じ参議院の農林水産委員会で我が党の大沢議員が、競り原則の廃止など今回の改正は小売専門店を守る視点がない、この指摘に対しまして大阪の市場長は、そういう懸念は非常にあると、市場長みずからが答えておられるんですね。事実、卸売の経営悪化の最大の要因が、大規模量販店の販売代金の回収日数の長期化や、目玉商品などのため安値での取引押しつけなどが大きな負担になっているということでありますし、国は大規模量販店の優越的地位を乱用するこの行為を規制すべきだと思います。ぜひ都としてもそれらをきちっととらえて国に要望していただきたいということ。
 そして、生鮮食料品の種類、規格、品質の多様さ、また、それと関連するが、小規模生産、出荷の多い、また、多様な商品と需要と供給、これらは大型量販店にはもともと大変なじみにくいわけですが、日本のすぐれた生鮮食料品の豊かな食生活を追求するためにも、こうした特色を生かした市場のあり方を追求していくべきだという意見を添えて、私の質問を終わります。

○林委員 私も一般質問で中央市場のことについて質問をさせていただいたんですけれども、多少時間が足りなかったものですからそれに関連してと、また、今回の法改正に伴う条例の改正、これについてもお伺いしたいと思います。
 まず、今、小松委員の方から大分条例改正に関しては出たんで、もう少し大ざっぱに、今回の改正で市場が将来的に目指す方向というか、そしてまた皆さんは現場にいるわけですから、現場の今の状況を踏まえて、こういう形で業者間の信頼関係だとか責任でルールをつくって、取引委員会の中でいろんな細かい規則を決めながらやっていって、将来的にどういう方向に向かうのかというのを、教えていただきたい。
 そして、今おっしゃったように市場の原則というか基本というのは、やはり卸があって荷物を集めてくるわけですよね、そして仲卸が競って、市場原理で値段が決まるわけです。それで買い出し人が来て、消費者の方に分散していくというのが基本だと思うんです。そういう意味でも、相対取引が水産物で七五%にもなっている、今までそれも恐らく皆さんの方では放置してきたんじゃないかと思いますけれども、こういう条例改正があるときに、やはり東京都が開設者となっている市場をどういう形で、ある種の哲学を持って、競り売りは最低でも五〇%確保するんだとか、そういう基本的な物の考え方がなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんです。
 もちろん方向性としては、それぞれの責任でやりなさいよというのは決して悪いことじゃないけれども、果たして市場の特殊性というか、特性というか、ある意味では利潤をこよなく追求している修羅場みたいなところがあるだろうと思いますし、ある意味では生き馬の目を抜くような行為も恐らく日常茶飯事的に行われているような場所だというふうに僕自身は認識しておりますけれども、そういうものを踏まえてこういう形で条例改正をして、恐らく法改正に伴うものですからやむを得ないんだと思うんですけれども、東京都の市場としてはどういうふうにお考えか、まずお聞かせください。

○小島業務企画担当部長 非常に大きな問題でございますので、どのようにお答えするのが一番適当かと今思いますけれども、少なくとも今回の条例改正は、市場をより活性化するということが目的であろうと、こういうふうに思っております。今、市場外流通が少しずつふえているという状況にございますので、それに対抗してといいましょうか、よりまた市場での取り扱いがふえるようにというようなことで考えているつもりでございます。
 それで、先ほどから競りの問題が出ておりますが、私どもとしても、一定量の競りがあるということは市場のにぎわいという点からも必要であろうと思いますし、できるだけ競りをやってもらいたいと、こういうふうに思っております。
 しかしながら、競りがやれない状況というのもございまして、これは余り説明しておりませんけれども、例えば、産地側からも販売希望価格というのが示されておりまして、大型化すればするほど、それ以下では出荷しない、そういうふうな圧力もございます。
 それから物が均一化あるいは規格化している、例えば青果物なんかにおいては特にそうでございますが、そういたしますと、競りによる評価の差というのが出にくくなっている、こういうこともございます。
 それから卸売会社は、競りで必ずその物が売れるわけでございませんから、残品が出た場合にはその損失というのを自分でかぶらなくてはならないということもありまして、できるだけ早く荷を渡したいということもございます。
 それからもう一つは、買い手にとりましても、これはこれまでの制度ではございますが、先取りというのがありましたんですが、これは小売商も相当先取りということで購入しているわけで、競りをやらなくてもそれでも購入できる、そんなようなことがございます。つまり、生産者から一般小売まで、ある程度、競りの減少についてはやむを得ないというようなところもありまして、下がってきているものだろうと思います。
 なお、ちょっと長くなりますが、大手スーパーというものの取引が少なくなれば、出荷される荷というのが少なくなってくるわけで、今産地からの市場の選別というのは、大きな市場でなければ荷を送らないということもございまして、そういう意味で、量を確保するためにスーパーとの取引も必要になってきていると。私どもとしては、そうした大手スーパーも必要でありますけれども、小売商にも一層活躍していただきたいと、そういう両面から考えていっているつもりでございます。

○林委員 今部長がおっしゃったのは、まさしく市場そのものだと思うんですよ。ですから、産地で値決めをして、これで売ってくださいというのは当然あるだろうと思いますし、逆にそれを受けて、競って売れなければ痛手をこうむるんですよね。そうすると、今の状況ではもう少し安く出さなきゃしようがないなとか、そのためにはやっぱりある程度の競る量がないと、市場として機能しないと思うんです。
 今、先取りの話をおっしゃったけれども、僕も幾つか聞いたら――まだ先取りの場合の価格の決め方が私自身はよく理解できていないんですが、地方では、ある程度の競りの量があれば、それの高値で先取り価格を決めている市場もあるんですよ。それはかなり合理的だなと。先に取るということは、品物が確保できるし、ある程度の品質のものがもらえるわけですよね。それで同じ品物が残って、競って、高値と安値が当然出ますよ。さっきいった残品も出るかもしれませんけれども、売り切っちゃいたいときは幾らでも安くして売るわけですよ、それが競りのよさですから。それで価格というのはある程度平均化していくでしょうし、欲しい人は高い値段でも買う。売る方でも、安くても売っちゃいたいときは安く売るわけです。それがやっぱり市場としての機能じゃないか、あり方だと思うんですよね。
 ですから、今部長がおっしゃったのは、まさしく市場ですから、そういう意味で、競りの量をある一定量確保していないと、社会状況に合った適正な価格というのは設定できないんじゃないかと思います。
 こういう法改正があって規制緩和の方向に向かっているようですけれども、少なくとも、今までの運営の仕方も考えながら東京都としての市場はこうやっていくぐらいの、一つの哲学をぜひ持っていただきたいなと思います。
 それで、築地の再整備なんですけれども、ちょっとおさらいをしますと、昨年の十一月九日ぐらいに移転が望ましいというような話が出てきまして、それを受けて中央区では決起集会をしたり、あるいは短期間で十万五千人かの署名を集めて、一応五項目の質問事項なんかがあって提出をしていると思います。
 現地で再整備をしようというのは、昭和六十一年の首脳会議で決まり、そしてまた昭和六十三年、当時の鈴木知事が、現地での再整備は東京都としての揺るぎない大方針だというようなことを、都知事名で文書でも出しているわけですよね。それ以後もずっと現地整備で動いてきて、平成八年、審議会だとか推進協議会でも現地整備でやろうということを確認しておりますし、またその翌年の九年の十月には、当時の市場長名で、ほかへ移るよりは、現地整備はこれだけ大変だけれども、それを補って余りあるいいところもあるんだよというような文書が出されていたわけですよ。少なくとも昨年の平成十一年二月までは、現地整備を中心に考えていこうということで来ていたと思うんです。
 それが昨年の七月、八月ぐらいから、移転も含めた形で論議をしていこうと。それで九月に石原都知事が視察をして、ある意味じゃフォローの風になったのかもしれませんけれども、十一月、十二月で移転の方が好ましいんじゃないかという流れになったんですが、片や十数年来、現地整備でということをやってきながら、わずか五カ月かそこらの間でその方向が全く変わったというのは、どういう状況の変化があったか。でき得る限り細かく教えてほしいと思います。

○内村築地市場再整備担当部長 築地市場の現在地での再整備は昭和六十一年に決定されましたが、それ以前に大井埋立地への移転論議がありまして、関係者などからの反対によりそれがまとまらなかったことを受け、また当時、他に移転場所も見つからないという状況のもとで決定されたという経過が基本にございます。
 それ以降、築地市場の再整備をめぐり目立った状況の変化としては、輸送の大型化や低温流通、情報化の進展など、流通形態の変化が予想以上に進んだことが挙げられます。
 また、最近における状況の変化でございますけれども、一つに、営業を継続しながらの再整備は、これまでに施行した工事の分析や計画の具体的な検討が進むにつれ、当初予想された以上に困難を伴うことがわかってきたこと、二つに、O157事件以来、HACCP、すなわち危害分析重要管理点といった高度な衛生管理を求める動きが急速に高まっていること、三つに、近隣の豊洲ふ頭地区が移転可能性を有した地区として浮かび上がってきたこと、四つに、築地市場業界において移転推進の声が強くなっていることなどが挙げられます。
 こうした状況の中で、築地市場の再整備のあり方を検討してきた築地市場再整備推進協議会においては、移転整備を求める声が大勢を占めるようになったと認識しております。

○林委員 でも、僕がいったように、片方は十何年にわたってやってきたんですよね。しかも鈴木知事が、四期務めたんだと思いますけれども、もう東京都として絶対揺るがないんだ、大方針なんだということをいって、それを受けて皆さん努力してきたんだと思うんです。もう少し、本当にどこの部分ができないのかというのを具体的にいってもらわないと理解できないと思うんですよ。少なくとも大勢の人が、そういう気持ちで今まで努力してきたわけですから。
 それと、この交渉というか、推進協議会なんかの段階で、東京都側から業界に、各種団体があるわけですけれども、意見の一致を見るのが前提だよということを投げかけておりますよね。それに関しては今も変わらないわけですか。

○内村築地市場再整備担当部長 築地市場再整備推進協議会におけるこれまでの検討の結果、築地市場の現在地での再整備は、敷地が狭隘で、かつローリング工事用の種地が乏しい中での再整備であるため、工期が二十年以上かかり多大な経費を要すること、また、再整備を行ったとしても、場内の混雑や市場周辺の路上駐車を解消し得ず基幹市場として十分に機能が果たせないこと、さらに、工事期間中、市場の営業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があることなどが明らかになりました。これらのことにより、同推進協議会としては、現在地での再整備は極めて困難であり、移転による整備が望ましいとの結論になったものであります。
 なお、現在、市場業界におきましては、築地市場の移転整備に対して業界六団体のうち二団体が反対している状況にありますが、市場の発展や将来を願う気持ちは共通と考えておりまして、都としては、今後とも業界団体の意見一致に向け、できる限りの努力をしていく考えであります。

○林委員 今、狭隘だとか混雑しているとか違法駐車がたくさんあるとか――違法かどうか、場内だったら違法じゃないんでしょうけれども、そういうのは最初からわかっていることで、全然状況の変化じゃないんですよ。ある意味では管理責任といいますか、あとは今後市場をこういう形で業者の責任でとか、業者のつくったルールでという方向に持っていこうとするんだったら、もっと早くからこういう方向を打ち出して、それなりのルールをきちっとつくって、現地の再整備をもう少し進められたんじゃないかという気がすごくするんですよね。ある意味では、僕は開設者、管理者の責任の部分もかなりあるだろうと思うんです。
 それから、前提が条件だということも市場サイドから、皆さんの方から投げかけているわけです。これが条件ですよ、前提なんですよということでやっているわけですから、とにかく最後まで意見の一致を見るような努力をしていただきたいというふうには思います。
 この前行政視察に、皆さんにセットしていただいて行ったときに、大変失礼ですけれども、要するに現地整備を前提にした工事用道路をつくったんですよね。僕は知らないから、あのときは全然そんな説明ないですから。それから、現地で整備するためには資材の搬出入が大変だろうということで仮設構台、そういうのをつくったというのもこの間行って見てきましたけれども、少なくとも再整備はここでやっていこうという時期が、しかも十数年にわたってあったわけですから、ああいう行政視察のときに、こういうものもつくってしまったけれども今ちょっと困っているんですよというぐらいの、腹を割った部分がなければだめだと思いますよ。(「そうだったの」と呼ぶ者あり)見てないでしょう。(「いや知っているよ」と呼ぶ者あり)丸茂先生は長いから知っているんですよ。駐車場もそうなんですよ。
 ですから、そういうのをぜひお互い、いい市場にという気持ちがあるわけですから、今申し上げたような気持ちで構えていただきたいなと思います。
 そして豊洲なんですけれども、全体で大体百十ヘクタールぐらいあるということですが、地権者としては東京ガス、東電、鉄鋼埠頭、それと東京都、この四者でいいかどうか。それと、それぞれの持ち分がどのぐらいか。それから、それぞれの地権者に対する現状での交渉、折衝状況を教えていただきたいんですが。

○内村築地市場再整備担当部長 豊洲地区における地権者の状況でございますけれども、現在四者ございまして、土地の所有状況は現時点で東京ガスが四十九・六ヘクタール、東京都が宅地及び臨港道路を含め十七・九ヘクタール、東京電力が十五・〇ヘクタール、東京鉄鋼埠頭株式会社が八・五ヘクタールとなっております。合計しまして九十一ヘクタール、現在ございます。
 また、移転整備の候補地である豊洲地区における市場用地確保の可能性についてでございますが、現在、各種計画との整合性なども考慮しながら検討しているところでございまして、豊洲地権者の方々とは、市場として移転問題についての経過や市場の役割などについて説明を行っているところでありまして、仮に移転の方向となった場合には、関係者と十分協議を進めてまいりたいと考えております。

○林委員 この間、矢部先生が予算委員会で質問されたときに、地権者それぞれの考え方があるという答弁が出ていると思うんですよね。
 それともう一つは、東京ガスの社長も子会社の社長も全然知らなかったというようなことがあって、何か外野で聞いたら知事が会ったのは十一月ごろだということだそうですけれども、少なくとも十一月九日には一応好ましいという結論を出しているわけですよ。だからその前後だろうと思いますし、好ましいという結論を出す前に、ある程度瀬踏みといいますか、地権者に対して、市場があそこでどうしても整備できないんで、どんなもんですかねというような感じの――全く経営のトップにいる人が知らないというのは、ちょっと理解に苦しむんで。それだったら、あなたの家、勝手にこっちで計画してやりますよというのと同じじゃないですかね。その辺は、出せる部分と出せない部分があるのかもしれませんけれども、どんなもんなんですか。

○大矢中央卸売市場長 先般の予特で知事が東ガスの幹部との話の一端を発表されましたが、昨年の十一月の初めに知事が東ガスの社長と会いまして、そこで知事が東ガスに対して、移転の候補地として考えているけれども協力をしてほしいというような話をされたというふうに伺っております。そのとき東ガスの社長が、いや、まだ聞いていないという話だったようでございます。
 したがいまして、たしか翌日、知事から私に電話がありまして、東ガスの社長に会ってそこらあたりの経過を説明しろと、こういうご下命がございました。それを受けまして、私と副知事が向こうの副社長と常務にお会いいたしまして、いろいろな経過をご報告を申し上げました。それ以来、東ガスとはいろいろ、先ほど部長が申し上げた移転問題についての経過とか市場の役割などについて説明を行っているところでございます。
 移転が好ましいという築地市場再整備推進協議会という会がございますが、これでそういう大方の取りまとめをいたしましたが、これは業界と行政が一緒になって会を設けているものでございまして、まさに再整備のための協議会でございまして、私は会長という立場にありますけれども、そこは公開で十四回にわたって会議を開きまして、一部の反対はございますけれども、大方の合意が、移転整備の方が合理性、実現性の上から好ましいという集約をされたということでございます。したがいまして、その段階で、東ガスとの具体的な折衝はしておりませんでした。(「わかったような、わからないような」と呼ぶ者あり)

○林委員 ねえ、全然。
 さっき申し上げたように地権者が四者というんですか、あるわけですよね。一応、豊洲へ移転するというのは、ある意味じゃ豊洲、その九十一ヘクタール全域のうちの四十ヘクタールということですから、とりようによってはいろんな場所が想定できるわけですけれども、道路が走る予定があったりとか、道路を逃げるとすればかなり特定される部分もあるだろうと思いますし、一部には人工地盤をつくってどうのとかという話も聞いておりますけれども、まだ市場としては、東京都としては特定していないということの理解でよろしいかどうかということ、まずそれだけ。

○内村築地市場再整備担当部長 豊洲地区の地権者の方々とは、現在、移転問題についての経過やあるいは市場の役割などについて説明を行い、またお話をしているところでございます。特に同地区の移転立地場所については、特定しているという状況ではございません。

○林委員 わかりました。今後もまだ機会があると思いますから、質問させていただく機会をまた持ちたいと思います。
 現在地でだめだというのは、とにかく混雑していて工事しにくい、それから狭隘だというのもそうだと思うんですけれども、この間、僕は夜中に築地に行って見てきたんですよ。正門の前に十時半ごろから二時ちょっと過ぎぐらいまでいたんですけれども、構内、要するに市場の中に入らない荷物が、新大橋通りだとか交番の前だとか巡視さんがいる前だとか、かなりの量置いてあるんですね。いろんな内容を教えていただくときにお話ししましたけれども、市場間転送とかというのもあるということで、それはちゃんと柏行きとか、白い紙がぶら下がっているんです。何も書いてない品物も結構多いんですよね。ああいうのがあれば、当然農協だとか漁協から来た車が来ても入りにくいですよ、間違いなく。そういう意味で混雑している部分もかなりあるだろうと思うんです。
 構内にも車線がちゃんと決まっていますけれども、ほとんど一車線ぐらいしか残っていなくて、荷物がぽんぽん置いてあるとか、トラックがとまっているとか、そういう部分での市場サイドの管理が、僕は少なくともあの夜中に見たときは、十分じゃないなというふうに思います。あの荷物は、どういう流れになっているんですか。

○碇山経営管理部長 林委員ご指摘のように、築地市場が大変入荷量も多いし狭隘ということもございますが、夜間、夜半にかけまして非常に混雑しているということは事実でございます。産地出荷車等の大型車両の混雑については私ども十分対応しているわけですが、なかなか苦慮しているというのが現状でございます。
 ご案内のとおり、設立当時は貨物輸送でありましたが、その後、コールドチェーンの発展等々もありまして現在のトラック輸送になっておりますが、そのトラック輸送に適した配置になかなか適合していないという築地市場の実態もございます。そういうことがありますので、お話しのように車両がふくそうしたり、あるいはそこの正門前で荷さばきをやっているというようなことは事実でございます。
 私どもといたしましては、私どもの職員、それから雇い上げの警備員、それから業界の方も、これは交通委員において頑張ってやっております。
 そういうような体制で、例えば荷物のはみ出しの車、私道だとか駐車違反だとか適正な配置とか、それからエントランスにスムーズに入れるような指導、こういうふうに努めておりますが、私どもでもなお一層努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○林委員 確かに貨物で入ってくるのが原則で設計された市場だというふうには聞いておりますので、あと船舶もありますが、難しいとは思いますけれども、少なくとも今までずっとやってきているわけだから、いろんな努力をしながら搬出入を円滑にやることは必要だと思うんですよ。
 さっき申し上げたように、ああいう業界というのは僕は余り――余りというか、僕自身もそういう商売をやっていますから内容的にはある程度知っているつもりです。話に聞くと、そちらのサイドでは荷受けはやっていなくて卸任せなわけですよね。それで卸の売上伝票で口銭、歩銭をもらっているわけでしょう、一千分の二・五というのを。ですから、ある意味ではあなた任せなんですよ。そんなの普通じゃ、今の時代考えられないですよね。少なくても、やり方は別ですけれど、コンピューターや何かいろいろなものを使って荷受けをきちっと市場サイドでして、それを卸が仲卸に売っていく、そして値段が決まって買い出し人が持っていくというふうな、その仕組みができてないんじゃないか。生意気で大変恐縮ですけれども。
 だって市場の中におろすのが当たり前なのに、道路に何でおろすの。もちろん小揚げ業者だとか横持ち業者とかいるらしいですけれども、少なくとも二時、三時の時点では道路の荷物がなくなって、それで卸の売り場にあるかといえば、余りないですね。しかも卸の人はいなかったですから。だから、きちっとやれば――もちろんある意味では流通センターのデポみたいな感じで道路を、市場の庭先が使われているんじゃないかなという気もしましたし、少なくともあれを卸が扱った形で中でさばいてくれれば、市場にも今いった口銭が入る仕組みができるだろうと思います。
 私は米屋をやっていますけれど、米屋は、例えば社会福祉法人や何かのところに納めるときには、特定の伝票を使わされるんですよ。だめになったのも、ちゃんと破いたやつを請求書の中に入れて出せよというぐらい厳しいですよ。というのは、要するにそこの人がどんどんお米を例えば持っていっちゃえば、その買い手が自分のところで使っちゃう可能性もあるでしょう。そういう考え方はよくないのかもしれないけれど、でも経営するサイドとしては、そういう気持ちがあって当たり前だと思うんですよね。
 そういうのをきちっとやることが市場としての秩序が保てることじゃないかというふうに思うんですけれども、ぜひ深夜のあの状況を、今度はお誘いしますから一緒に見ていただきたいと思いますし、それもやっぱり月に三日とか四日とか、ある程度の回数をやっていかないとだめじゃないかなと思います。
 ぜひ、今、築地市場で狭隘だとか混雑するとかというよりも、まず市場としての本来のあり方を一回追求してみる努力が必要じゃないかと思っているんですよ。中を見せてもらって、加工業者の建物がありますよね、あれも恐らく市場の方で許可して、そういう形での使い勝手がやむを得ないだろうということにしたんだろうと思いますし、冷蔵庫なども民間の冷蔵庫が結構立っていますけれども、冷蔵庫だとか加工業者は市場外で僕は十分だと思うんですね。いろんな流れがあるし、いきさつがあるからというのは十分理解しているつもりですけれども、あそこで再整備をするということを決めたんなら、ある程度というか、できる限りそういう方向の努力がなされたのかどうかというのは、ちょっと疑問に感じているところなんです。
 今、中央区にしても、公園をつぶして駐車場をつくってくれたり、それから東支川というんですか、埋め立てた川のところの用地を使ってもいいですよとか、いろいろな形で、何とか出ていってほしくないということで協力をしようとしているわけですから、そういう中央区の気持ちも酌んで、まず市場としてどうあるべきか。それはもちろん開設者の方もそうだし業者の方もそうですし、それを一度お互いに話し合う場をつくっていただいて、当然それが今後の市場経営にも役に立つわけですから、お願いをしたいと思います。
 また後日機会をいただいて質問したいと思いますが、市場長から最後にひとつ……。

○大矢中央卸売市場長 現在地整備を六十一年に決めて、今、十四年後にまた移転の議論をしているということに対する説明が十分でないという先生からのご指摘でございますので、あえてもう一度私の方からその理由等について説明させていただきたいんですが、いわゆる十四年前は、最大の要因は、先ほどの使用料じゃないですけれども、業界と行政が車の両輪のような行政展開をしているんですね。したがいまして、行政が、当時どこにするかということで業界の意見も求めております。そのときは、六十一年の時点においては、業界が現地でということを強力にいっております。そういう状況の中で、現地で再整備という決定がまず一つなされたと。そして、行政も昭和六十三年に基本計画を立て、平成二年に基本設計をして工事に着手してきたんです。
 その後の変化というのは非常に急激でございまして、先ほど状況の変化ということを部長が申し上げましたが、その状況の変化の中に、いわゆる貨車輸送で――あそこは平成の二年まで貨車がございました。そういう貨車輸送二千メートルを確保するために、ごらんいただいたように円形にして、二千メートルを汐留から確保しております。そういう貨車輸送から、モーダル化――今ほとんどがトラックになってございます。例えば十トン車でいいますと三百台くらい日常入りますね、そういう輸送が変わったということ。
 それからもう一つは、先ほど申し上げましたけれども、これは豊晴計画との整合性との問題もございますけれども、当時、豊洲というのはガスタンクはもう五、六基ございました。その近隣の豊洲地区の移転可能性を有した地区として一つの候補に挙がってきたというものがございます。
 もう一つは、いわゆる情報化というものが非常に発達いたしまして、あそこは何せ六十五年も経過しているものですから、建物も非常に耐用年数を過ぎていて、いろいろそういうものに対応するのに非常に金がかかります。そういう問題。
 それからあと、いわゆるHACCPの問題とか、そういういろいろな問題。それから基本的に、混雑の話を今林先生されましたけれども、基本的にあの二十三ヘクタールというのは、今申し上げました十トン車三百台というような状況で、一日入る、いわゆる自動車が一万六千台くらいございます。これは先ほど資料で提供いたしましたけれども、各市場の整備状況を見てもおわかりのとおり、築地市場というのは二十三ヘクタールでございます。ほかの市場は取扱高と面積比でいいますと、築地ほどはもちろんやっておりません。そして種地というのがこの市場にあるんです。その種地がないとローリング工事ができにくいと。こういうような問題がございます。
 それらいろいろ考えて、そういう状況の変化と、それから先ほどいいました現実の話として、いわゆる工事期間が二十年以上かかるとか、あるいは面積が狭いだとか、金がかかるとか、そういうことからそういう判断に至ったわけでございます。

○林委員 市場長、全然説明になっていないんです、はっきりいって。
 例えば、市場が二十三ヘクタールありますでしょう、だけれど、場外を入れれば三十三ヘクタールになると。それは以前は、そちらサイドで現在地整備がいいよという材料に使っているんですよ。だから説明にならないですよ。
 それから車の台数にしたって、三本の道路を豊洲までかけるわけですよね。そうすると今いった三万から四万台近い車が往復するような形のアクセスになるから、とてもじゃない、渋滞を起こしますよというのは、昔はそちらのいい分だったんです。そうでしょう。それで種地がないというので、僕はさっきいった、探しているか――見つかるかどうか別ですけれども、中身はどうなんだと思って何回か行かせてもらったわけ。それで市場の人とかにもお話聞いたけれど、加工業なんていうのは文字どおり、もちろん時代の要請もありますけれども、場外でもできる仕事ですよ。だから冷蔵庫にしても豊海の方にだってあるじゃない、あれだって機能しているわけですから。そういうのとの連携だとか、僕は全然知識が浅いからわかりませんけれど、はっきりいって、いろいろな工夫があるんじゃないかというふうに感じたわけです。
 だから、今おっしゃったけれども、全然説明にはなっていないと僕は今でも思っています。これからまたいろいろ機会がありますので議論をさせていただきたいと思いますが、やはりさっきの市場法の改正でも同じだと思いますけれども、小さな業者がつぶされていくような方向がすごく目に見えるんですよね。
 だって築地も、首をひねっているからいうけれど、車じゃない人だっていっぱい来ているわけでしょう。それで向こうまでだったら、だってアクセス、平成二十七年だっていうじゃない。だから、というふうに思っています。終わります。

○樺山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び請願に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○樺山委員長 異議なしと認め、本案及び請願に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十七分散会

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