経済・港湾委員会速記録第三号

平成十二年三月三日(金曜日)
   午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長樺山 卓司君
副委員長藤井  一君
副委員長丸茂 勇夫君
理事松原 忠義君
理事林  知二君
理事大山  均君
服部ゆくお君
馬場 裕子君
山本  信君
木内 良明君
小松 恭子君
五十嵐 正君
山崎 孝明君
山本賢太郎君

 欠席委員 なし

 出席説明員
労働経済局局長大関東支夫君
理事川崎 裕康君
総務部長鎌形 満征君
同和対策担当部長木内 勝三君
産業政策担当部長木谷 正道君
中小企業金融市場担当部長武政  潔君
労政部長坂本 満穂君
家内労働対策担当部長生井 規友君
職業安定部長米川 靖夫君
職業能力開発部長梅津 久昭君
雇用保険部長鈴木 克己君
商工計画部長中澤 正明君
参事山口 一久君
商工振興部長山本 俊一君
農林水産部長江口 直司君
農林漁業技術改善担当部長吉村  統君
港湾局局長浪越 勝海君
技監高見 憲一君
総務部長阿部  功君
港営部長高橋 和志君
港湾振興担当部長高橋 敏夫君
開発部長渡辺日佐夫君
臨海部開発推進担当部長平田 信幸君
参事高野 一男君
港湾整備部長増田 忠亮君
計画調整担当部長宮地 陽輔君
離島港湾部長小池 正臣君
参事押元 雅治君

本日の会議に付した事件
 港湾局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第二百一号議案 平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費 港湾局所管分
  ・第二百三号議案 平成十一年度東京都埋立事業会計補正予算(第一号)
  ・第二百四号議案 平成十一年度東京都臨海副都心開発事業会計補正予算(第一号)
 労働経済局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百四十四号議案 東京都緊急地域雇用特別基金条例
  ・第二百一号議案  平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 労働経済局所管分

○藤井副委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 東京都議会委員会条例第十条の規定によりまして委員長の職務を行いますので、よろしくお願いいたします。

○藤井副委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び労働経済局関係の平成十一年度関係の付託議案の審査を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、港湾局所管分、第二百三号議案、平成十一年度東京都埋立事業会計補正予算(第一号)及び第二百四号議案、平成十一年度東京都臨海副都心開発事業会計補正予算(第一号)を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○服部委員 それでは、港湾局関係で、緊急地域雇用特別基金事業、このことについてお尋ねをいたします。
 昨今の経済状況あるいは失業率、せんだっての新聞報道では四・七%。昨年よりは多少、まあ微々たるものですが、よくなったとはいいながら、なかなかまだ厳しい状況で推移をしているのが実情でございます。そこで、国において、緊急雇用対策として緊急地域雇用特別交付金が創設されたわけですけれども、雇用あるいは就業機会の創出を図ることとして、これに呼応して都としてもさまざまな雇用対策を実施して、今回の補正予算もそうですが、予算上必要な措置を講じようとしております。こうした都の積極的な姿勢は高く評価いたします。港湾局においても緊急雇用対策に取り組んでいるということでありますが、今回、補正事項として取り上げている緊急地域雇用特別基金事業、これに関連して三点、お伺いをいたします。
 まず、現在の厳しい雇用情勢を踏まえるならば、できるだけ広範な人を対象として雇用対策を実施することが必要だと思いますが、この事業ではいわゆるホームレスを対象としているのかどうか、この点についてまずお伺いいたします。

○阿部総務部長 路上生活者の人たちがこの事業の対象になるかとのお尋ねでございますが、労働経済局からの通知によりますと、この事業による新規雇用の対象は、雇用保険受給者、あるいは、いわゆる失業者に限定するものではなくて、就業意欲の高い路上生活者の応募を排除するものではないということでございます。

○服部委員 このことについては、また後ほど労働経済局の方にもただしたいとは思っておりますが。
 次に、港湾局で、勤労意欲の高い就労者ということですが、どのような内容の緊急地域雇用特別基金事業に取り組んでおられるのか、具体的にお願いいたします。

○阿部総務部長 港湾局の緊急地域雇用特別基金事業としましては二件ございまして、一つは、東京港におきましての臨港道路の除草委託の仕事です。また一つは、島しょにおきましては八丈島空港の除草委託を行っておりまして、この事業によりまして雇用の創出に取り組んでおります。

○服部委員 それでは、港湾局から今お話のあったような八丈島空港の除草委託とか、あるいは東京港の臨港道路、こういったことについて、その事業を発注する場合に、契約の相手方に対してどういう指示をされるのか、その点についてもお伺いいたします。

○阿部総務部長 契約に当たりましては、まず、仕様書の中で、この事業が緊急地域雇用特別基金事業であるということを明記しますととともに、労働経済局の緊急地域雇用特別基金事業業務委託取扱要領に基づきまして、新規雇用、就業創出計画書等の提出を求めるなど、事業の効果的な運用に努めております。また、できるだけ多くの新規雇用者または新規就業者の採用に努めるよう、契約の相手方に対して指示を行っているところでございます。

○服部委員 緊急雇用対策について、今、三点について伺わせていただきました。港湾局のこのほかの補正案件、東京港あるいは島しょの整備事業ですとか、あと空港整備事業、こういったことも大変大きな経済波及効果あるいは雇用創出効果をもたらすものであると評価をいたします。そこで、この点について局長もしっかり頑張っていただきたいと思いますので、局長にご答弁をいただきたいと思います。

○浪越港湾局長 緊急地域雇用対策の件でございますが、戦後類を見ない、十年にもわたる大変な経済不況が続いております。このような中で、都民一人一人の方が一日も早く景気回復を待ち望んでいるのが気持ちであろうと思いますし、都政にとっても大変厳しい財政事情でございますし、いってみれば、危機的といわれるような財政危機に陥っております。景気がよくなり、少しでも税収が増加することを首を長くして待っているのが全職員の気持ちではなかろうかと思っております。
 今、たくさん都民の方々から、新たな要望、福祉にも、あるいは、まちづくりなどにもいろいろな要望が出てきております。そういう要望に一日も早くこたえたいと思っているのは、知事のみならず、全職員の気持ちであろうと思っております。ご指摘のとおり、この補正予算が起爆剤となり、あるいは大きな経済波及効果、雇用創出効果を一日も早く出せるよう、適切な執行に努めてまいりたいと思います。

○服部委員 草取りだけではなくて、先ほど申し上げたように、東京港、島しょの整備事業、あるいは空港整備事業等も含めた質問でのお答えであったと思いますが、都財政が苦しい中で大変やりくりをされて、大変であったと私は思います。そういった中で、今の局長の大変力強い答弁を伺いまして、今回のこの補正予算案については全面的な賛意を表しまして、私の質問を終わります。

○丸茂委員 私の方は、まず、一般会計補正予算の関係で、廃棄物処理場の整備に要する経費として、新海面処分場の護岸整備五億円が計上されております。それで、この護岸整備は、どこを整備するのか、また、その理由についてお伺いしたいと思います。

○増田港湾整備部長 新海面処分場の護岸整備五億円でございますけれども、現在整備してございますCブロックの南西のコーナー部の地盤改良を施行するものでございます。このコーナー部は、波浪の影響を受けやすいために補強するものでございます。このCブロックにつきましては、平成十三年度からしゅんせつ土を受け入れなければならない状況でございまして、財政状況が厳しい状況にはございますけれども、補正予算で対応するものとしたものでございます。

○丸茂委員 こうした大規模な工事では、五億円という数字がわずかな金額に聞こえるのですけれども、これが、例えばシルバーパス、今度の千円負担で換算すると五十万人分に相当する金額なわけです。それで、こうした工事の途中、途中で、設計変更だとか、あるいは新たな障害が生まれて工事費を見直さなければいけないという形で、どんどん膨らんでいくのが一般的な流れになっています。
 今、答弁では、南西部の波浪等の影響があるからだと。こういうブロックでやっていくのですから、当然角部分は、都民の目からすれば予測されることではないか。私、当然そのコーナー部分は波浪を一番受ける、また大事なところですから、それなりの設計なり工事が進んでいるのだろうと思いましたら、こういう補正が出てくる。技術的にもどうなのかというところは、私もそこまで知り得ませんので、まあ安全上ということであればしようがないのかなと思わざるを得ないのですが、やはり、こうした点については、指摘だけはしておきたいと思います。
 次に、最終処分場については、私どもも必要だと思いますし、必要だからこそ、なるべく最終処分場の延命を図ると。そのためには、廃棄物の減量化だとか、それから建設発生土とか、再利用できるものは再利用をして、なるべくその延命をさせ、港湾にとっても貴重な、大事な水面は残していくことが必要だと思うのです。そのことが結果的には、大変な経費がかかる最終処分場の建設費の負担を抑えるということにもつながるわけですから、そういう観点で幾つかお聞きしたいと思います。
 まず、現在、都の最終処分場として、中防外側その一、その二がありますけれども、新海面処分場を計画する前提となったときの埋め立て可能な期限はいつと考えられていたのか、お伺いします。

○増田港湾整備部長 新海面処分場の計画の検討を始めました平成元年の時点では、当時の社会経済状況から、中央防波堤外側その一、その二埋立地は、平成七年度までしか使用できない見通しでございました。その後、社会経済状況の変化等を勘案し、さらに、都民と一体となりました廃棄物の減量、減容化、資源化の推進を図ったことによりまして、現在まで延命化が図られたものでございます。

○丸茂委員 今説明があったとおり、七年度までしか中防外側その一、その二は埋め立てられないという状況であったわけですが、現在でも廃棄物や土砂等の埋め立てを行っているわけですね。そこで、その一は、特に港湾局関連のしゅんせつ土砂あるいは建設発生土の埋め立てをしているのですけれども、その一の土砂系の処分量は現行計画と実績ではどうなっているのか、お伺いいたします。

○高野参事 平成十一年度、二カ年の合計の処分量でございますけれども、計画土量九十七万立法メートルに対しまして、百二十万立法メートルの見込みでございます。

○丸茂委員 百二十万立法メートルということなのですけれども、まだ埋め立てが可能なのか。これは、いろいろこれまでも埋立計画、実際に埋め立てていきますと、余裕があるということもあるわけですが、どうでしょうか。

○高野参事 埋立地盤の圧密沈下などによりまして、計画地盤高に対しまして多少の余裕が生じております。そのため、受け入れは可能であるというふうに考えておりますが、その量はわずかであるというふうに考えております。

○丸茂委員 計画九十七万に対して百二十万、そこだけでも約二十三万立米、埋立量がふえたと。なおかつ、まだ多少ではあるけれども余裕があるという点で、さらに減量あるいは再利用が徹底されれば、まだまだ、もう少しでも延命できるのではないかと。そういう点で、建設発生土も、いろいろ資料を見せていただきまして、発生量も予定よりかなり減量化している状況にもあります。
 もう一方の、その二の清掃局の関連も、ちょっと清掃局に聞きましたら、従前の処分計画が十年度で終了する予定が、減量化によって十五年度初期まで延命できるというお話でした。処分量はどうなっているのかとお聞きしましたら、平成八年度に百六十五万三千トン、九年度は百三十三万五千トン、十年度は百三十八万六千トン、十一年度は年度途中の一月までで百六万トンということですから、これを平均で年間に直しますと、およそ百二十七万三千トンという状況になります。そうなりますと、八年度と十一年度を比べると二〇%を超える減量の状況になっています。そのことがまた埋立地の延命につながるのではないかと、そういうふうに感じております。
 そこで伺いますけれども、港湾局所管ですから、私自身も以前、建設発生土あるいはしゅんせつ土など、再利用できるものは徹底して利用してほしい、東京湾の海底もバブルのときに海砂を掘って相当穴があいている、そういうところにも良質なしゅんせつ土であったら埋め立てが可能ではないかという質問をした記憶があるわけです。
 港湾局として、しゅんせつ土や建設発生土の再利用、これについて努力をされていると思いますけれども、この数年、平成八年度からで結構ですから、どのような取り組み、実績を上げているのか、お伺いいたします。

○高野参事 建設発生土及びしゅんせつ土砂の再利用の実績ということでございます。まず、建設発生土についてでありますが、都及び区市町村の公共事業から発生した建設発生土は、平成八年度で約六百七十万立米でございましたけれども、平成十一年度は約五百二十万立米にとどまる見込みでございます。このうち、工事間の利用や地方港湾の埋め立て、内陸部の宅地造成等に再利用された土量は、平成八年度約三百六十万立米に対しまして、平成十一年度の見込みは約三百十万立米に減少しておりますけれども、再利用の割合で見ますと、平成八年度の五三%に対して、平成十一年度は六〇%となる見込みでございます。
 一方、しゅんせつ土についてでございますけれども、平成八年度で約三百十万立米であったものが、平成十一年度は約三百六十万立米の見込みでございます。このうち、千葉沖ですとか羽田沖等で再利用された土量は、平成八年度で約二百三十万立米に対しまして、平成十一年度は約二百八十万立米の見込みであり、再利用の割合は、平成八年度の七四%に対しまして、平成十一年度は七七%となる見込みでございます。

○丸茂委員 努力されているというのが数字ではうかがえたわけですけれども、発生土も減少傾向にあります。ただ、しゅんせつ土については発生量が逆にふえているということで、なかなか大変だと思うのですけれども、やはり私は、最終処分場に埋め立てる量をなるべく減らすという点で徹底していただければ、延命化もさらに進むと。実際にそういう成果も上がっているわけですから、さらにそれを徹底していただいて、それから埋立方法の工夫など。それから、前に、臨港道路などの工事に当たっては、再利用することによってコスト縮減もできたわけですね。そういうことからもさらに徹底をしていただいて、最終処分場のさらなる延命に努力するように求めて、この件では終わりたいと思います。
 次に、補正予算で、今回、臨海副都心事業会計それから埋立会計から、それぞれ四十億六千五百万円、合わせて八十一億三千万円が計上されております。私ども、臨海高速鉄道そのものに反対するものではありませんけれども、今回の補正予算で、港湾局関係で八十一億三千万円が計上されたということで、私、非常に関心を持って、幾つか聞きたいと思います。
 そこで、まず、今回の出資の根拠ですが、この前は余り詳しい説明をいただかなかったので、ぜひ聞かせていただきたいと思います。

○渡辺開発部長 港湾局所管の二会計の出資のことについてでございますけれども、臨海副都心線の事業費が約七百九十一億円増加したことに伴いまして、東京臨海高速鉄道株式会社が増資を行うこととなり、応分の出資を求められました。このため、埋立事業会計及び臨海副都心開発事業会計におきましても、会社の円滑な事業実施のため、これに応じて追加出資することとするものでございます。

○丸茂委員 今、工事費が七百九十一億円増加したというのが主な理由ですけれども、工事費がふえた、七百九十一億のそのもとというのですか、その理由は何なのか。
 それから、臨海高速鉄道の二期の事業費、これも幾らであったのか、あわせてお伺いいたします。

○高野参事 工事費がふえた理由でございますけれども、既成市街地にある品川シーサイド駅付近の地下におきまして伏流水が出ることがわかりまして、その対策や地下埋設物への対応、それから、これはJR、東急でございますけれども、接続する他の鉄道事業者との調整等の結果であると、所管の都市計画局からは聞いております。また、臨海高速鉄道の二期分の事業費についてでございますが、既定分約二千八百七十六億円に今回の増分七百九十一億円が加わることから、約三千六百六十七億円になるものと理解しております。

○丸茂委員 まず、金額面で二期工事二千八百七十六億円で、今回、七百九十一億円の増ですから、二七・五%も計画からすると膨らむということが数字的には明らかなのですが、今、JR大崎駅等を含めて、いろいろ工事の変更があるということなのですが、もう少し具体的に、どう変更して、工事のどこが膨らんだのか、そういうものも明らかにしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○高野参事 具体的にどうかということでございますが、先ほど申しましたように、所管が都市計画局でございますので、詳細にわたってはなかなか説明し切れないと思いますけれども、事例で申し上げますと、先ほどの品川駅付近においては、地下約五十メートルに伏流水の存在が判明いたしまして、それまで地下約三十メートルと計画しておりました擁壁の深さが六十メートルになったということですとか、それから、大井町駅付近において、JRのアパートがあるわけですが、その基礎ぐいを受けかえて工事を進めるわけですけれども、当初は昼夜間で工事ができるであろうとしていたところが、地元調整の結果で、昼間のみの、夜間はできないというようなことになって工事費が上がったとか、それから、例えば東急大井町線につきましては、列車の運行の安全性を確保するために、それまでは大井町線の下をシールドが通過するわけでございますけれども、それを、大井町線を補強してやろうとしていたわけですが、安全性の面から両者で相談をしまして、より安全を保つために、約四百メートルの仮線をつくりまして、そこに現行の大井町線を動かしてからシールドを通過させるというような、そういうもろもろの工事の変更の結果というふうに聞いております。

○丸茂委員 ほかの委員の方もそれぞれ調べていると思うのですが、私も、都市計画局、いろいろなところから聞きまして、一つは、一番大きいのはJR大崎駅接続関連工事の変更等で二百三十三億、次が大井町駅連絡設備の構造変更で百六十四億、大井工場移転絡みで百五十三億、それから、今ちょっと説明のあった大井町線の仮線設置で百十九億、一番最初に説明された品川シーサイド駅付近の伏流水対策は六十三億なのです。一番金額が大きいのは大崎駅、次が大井町駅と、それぞれJR絡みなんですよ。
 いろいろ図面も取り寄せましたら、例えば大崎駅、これが埼京線のホーム、ここに駅をつくって流そうと。そうしたらJRは、これから乗客もふえるから、この部分をもっと駅の改札口に近い方へ改善してほしいとか、大井町の駅も従来の通路をさらに広げてこういう形にしてほしいと、かなりJRの要望というのが寄せられているのですね。その金額が大変ふえているということ等、やはり、私どもにも、審議するに当たっては、なぜこれだけの出資をするのか。特に、臨海会計も埋立会計も大変厳しい財政の中でやっているわけで、そこからそれぞれ四十億を超えるお金が出ていくというのは、私は重大問題だと思うのです。
 一つは、そういう点でも委員会に、きちんとわかるような資料をそろえて、改めて再度提案してもらいたいと思っているのですが、それも含めてもう一点確かめておきたいのは、今回、七百九十一億円の増資なのですけれども、この負担は、だれが、どういう負担割合を行って対応するのか、その点をお伺いいたします。

○渡辺開発部長 事業費の増加分は約七百九十一億となっておりますけれども、私どもが所管局の都市計画局から聞いておりますのは、増加した建設資金の手当てにつきましては二通りの方法がございまして、一つは、日本鉄道建設公団によりまして現在第二期工事で行っている部分につきましては、国に対してP線資金の増額を要請し、それによって増額をお願いしている、で、幾分の金額が認められているというぐあいに聞いております。また、会社による区間分につきましては、出資等によって対応していこうということでございます。
 今回のご質問の出資についてでございますけれども、出資割合につきましては、埋立事業会計及び臨海副都心開発事業会計の今回出資分の割合は、これまでの二期工事と同じ二七・一%でございます。ほかの出資者につきましては、予算原案発表資料等によりますと、今回の補正による出資額百五十億円のうち、一般会計は従前二八・二%でございましたものが四五・三%、金額で六十七億九千五百万円、それから、高速電車会計が従前と同じ比率の〇・五%で、金額は七千五百万円ということでございます。したがいまして、今回の追加出資は東京都が対応するというぐあいに聞いております。

○丸茂委員 臨海高速鉄道株式会社の出資構成表というのは、これは平成十一年の、これだけの企業で、出資でこの企業は成り立っているわけですけれども、もう一つ、私どもの手にあります資料によりますと、二期区間の出資金、これまでの民間企業者等との違いが明らかなのですけれども、どう違うのか、改めてお尋ねしておきたいと思います。

○渡辺開発部長 港湾局所管の二会計につきましては、これまでの出資割合で対応するものでございます。今回の出資につきましては、民間等の出資は求めておりませんで、東京都のみが行う予定であるというぐあいに聞いております。

○丸茂委員 これまで、出資金は、先ほどいったJRですね、東日本旅客鉄道が二期工事の出資でも四・九%負担していたのです。その他民間も九%。なぜそこが負担しないのですか、その理由は何かあるのでしょうか。

○渡辺開発部長 この会社につきましては当局が所管でございませんので、他会計、一般会計や高速電車会計、あるいは民間、JRの出資がどのような形で決まったかの詳細については承知をしておりません。
 しかしながら、都市計画局の方からは、今回の出資につきましては、会社の最大株主でございます東京都が先行して出資を行うことにより、この事業を円滑に進めていき、平成十四年十二月の大崎までの全線開業に向けて着実な事業の進行を図っていきたいと。そのため、対外的に会社への協力支援体制を明確に示し、今後、金融機関等からの資金確保を図っていこうという趣旨だというぐあいに聞いております。
 また、今回の補正予算によりまして都の出資をすることができました暁には、今後、他の出資者などに対しましても、広く会社への支援協力を働きかけていきたい、というぐあいに伺っております。

○丸茂委員 都市計画局、都市計画局という言葉が出てくるのですけれども、実際に港湾局も二つの会計からこれだけの出資をするわけですから、やはり、議会に提案されるときには、本来あるべき負担をそれ相応にしてもらう。私が幾つか調べた例でも、JRとの関係でかなりの変更があるわけです。ですから、JRも乗り入れするのだから、それ相応の負担をするのは当たり前ですよ。それを議会で議決して、後でお願いするといって、のまなかったら、結局、都の負担だけになるのではないでしょうか。都民にこれだけ財政が厳しい厳しいといいながら、そういうところではこういうお金をぽんと出していく、それも、この中途議決の案件で。私ども、短い時間で、何かおかしいなと思って調べたら、こういうことが一つ一つ明らかになっているのですけれども、そういう点では、やはり東京都の姿勢が弱いし、また、こういうやり方は私は到底納得できない。あと、ほかの委員の方がどういうお考えかはわからないのですけれども、我々が十分論議して結論が出せるように、きちんと、資料ももう少しそろえて、私はこの提案は改めて再提出していただきたいという要望にして、質問は終わります。

○木内委員 現下の経済状況の中で、景気回復というのは極めて重要な課題であるわけであります。補正予算の性格からいきまして、当面する緊急課題にいわば対策を講ずるということが一方で極めて重要であることはもとより、やはり、そうした緊急性に加えて、中長期的な対策というものも実は今回の補正によってその淵源をつくっていかなければならない、こういうふうに思うわけでありまして、いろいろな議論がありますけれども、今回の補正の中で一つ一つの事業内容というものを見てみますと、私は一定の評価をまずしてまいりたいと、こういうふうに思います。
 青海のコンテナふ頭について、何点かに絞ってお尋ねをするわけであります。
 先日、私はこの現場へ行ってまいりました。環境がますます整備されて、国際的に東京港の地位の低下が叫ばれている中で、今後への経済的な展望も含めて、このふ頭の現場からは大きなエネルギーが感じられるような気がしたわけでありまして、今回のこの補正予算に組み込まれた事業というものも着実にこれは進めていかなければならない、こういうふうに思うわけであります。港湾局としての一般会計四十九億四千四百万、補正予算が提案されているわけでありますけれども、申し上げている青海コンテナふ頭岸壁整備として六億五千四百万を計上しているわけでありますが、この事業の内容は具体的にどういうことになっていますか。

○増田港湾整備部長 青海ふ頭は、外貿コンテナふ頭といたしまして、現在、公社ふ頭二バースと公共バース二バース、合わせて四バースを供用してございまして、年間約九百六十四万トンのコンテナ貨物を取り扱ってございます。このうち、公社バースにつきましては、大手船会社が占用使用によりまして、主に北米、ヨーロッパ航路に利用しているのに対しまして、公共バースにつきましては、アジア各国の中堅船会社がアジア域内航路等に利用している特色がございます。今回の補正予算では、アジア域内航路を主として対象といたします青海コンテナふ頭につきまして、岸壁水深を十二メートルから十三メートルに改良するとともに、既存岸壁を二百二十メートル延長いたしまして、五百二十メートルの岸壁として整備するものでございます。平成十三年度完成を目指して整備をしてございます。

○木内委員 今、特にいわれたアジア域内航路を主として、これを対象とする公共コンテナふ頭の利便性を向上させるということで、私は大変意義があると思いますし、決してこれで十分だとは思いませんけれども、平成十三年度の完成を目指しているということで、円滑な進捗を強く要請していきたいところであります。特に、この青海公共コンテナふ頭は、東京港のコンテナターミナルの中でも、さまざまな先進技術が導入されている新鋭の施設ということになるわけであります。今回、補正予算でこうした整備をさらに実施していくことの必然性といいますか、当面の事業としてまずこれに着手をするという、その理由について伺います。

○高橋港営部長 青海コンテナふ頭の整備充実についてのお尋ねでございますが、このふ頭は、中国等からの生鮮野菜それから果物を初めといたしました、都民生活と密着した食料品、あるいは日用品等の輸入貨物を主に取り扱っております。
 近年のアジア経済の発展や、我が国の消費生活物資の輸入の増加などによりまして、中国、東南アジア地域等の中堅船会社から、青海公共コンテナふ頭への新規航路開設あるいは既存航路の増便等の要望が数多く寄せられておりまして、これに呼応した施設の整備を促進し、こういったニーズに十分迅速にこたえていこうと、こういう状況にございます。
 今回の整備は、こうした状況を一日も早く解消し、東京港とアジア地域の海上交通ネットワークをより一層充実させることによりまして、都民の消費生活や首都圏の経済活動を確実に支えていこうとするものでございます。

○木内委員 アジア地域との貿易の拡大の経緯についても、ご報告を願いたいところであります。この十年間の外貿コンテナ貨物取扱量の推移、特に、アジア地域との外貿コンテナ貨物取扱量の推移を数字で示していただくと同時に、アジア地域と東京港の結節といいますか、貿易の今後の見通しをどのように認識しておられるか、お尋ねします。

○高橋港営部長 この十年間の東京港の外貿コンテナ貨物取扱量の推移でございますが、平成十年実績では三千百二万トンございました。横浜港を抜いて、日本一の取扱量を記録したところでございます。これを十年前の昭和六十三年実績一千七百五十八万トンと比較いたしますと、約一・八倍の増加となっております。今、先生ご指摘のアジア地域との取扱量の推移でございますが、昭和六十三年実績が二百九十五万トンであるのに対しまして、平成十年実績は一千百六十六万トンということで、実に、約四倍の高い伸びを示しているところでございます。
 今後の見通しでございますが、アジア経済はさらに大きな伸びが期待できます。東京港とアジア地域のパイプはますます太くなっていくのではないかというふうに予想をしております。

○木内委員 今、実績の推移についてご報告いただきましたけれども、最近におけるコンテナ船の大型化、輸入貨物の増大、今言及されたアジア経済の拡大、こうした要因から、我が国の海運を取り巻く環境というのは大きく変化してきていると。したがって、港湾局としても、こうした環境の変化に適切に対応する事業展開というものが、たゆまずに今後も継続をされなければならない、こう思うわけであります。その意味では、我が国経済あるいは首都圏の経済、もとより東京の経済はそうでありますけれども、この中における港湾局の存在というものは大変重要である、こういうふうに思うわけでありまして、公共コンテナふ頭を含めたコンテナターミナルの整備の重要性とともに、東京港の港湾管理者としての局長の認識と考えを伺って、私の質問を終わります。

○浪越港湾局長 ただいまもお話のありました、東京港に対します船主さんとか、あるいは荷主さんの期待は大変高いものがございまして、港湾管理者としても、その期待にこたえていかなければいけないというふうに考えてございます。
 世界的に見てみれば、北米と欧州と東アジアの三極構造による、いってみれば産業の国際分業が進展している中で、特に東アジアが経済の生産拠点として進展しているのではなかろうかと。さらに、中国とか、あるいはインドなどの巨大な消費市場化が今後想定されるような状況でございます。したがって、国際間の物流が一層進展する中で、世界、アジアの中での、いってみれば都市間の競争が激化しつつあるのではなかろうかというふうに考えてございます。
 一方、東京港を含む東京の臨海地域は、東京港と、今いろいろ国際化が議論されております羽田空港と、それから三環状の道路とのいわゆる結節点でございまして、千葉、神奈川を結ぶ港湾軸などの首都圏を視野に置いた、いわゆる広域のネットワークのかなめとなる地域でございます。まさに、陸、海、空の物流の拠点であろうと思っております。さらには、この東京港は、一大消費地でございます東京に最も近い距離にあるという地理的条件から、物流拠点としての立地の有為性がこれまで以上に増してきているのが今日であろうと思います。今、担当部長の方からご答弁いたしましたように、外貿貨物の取扱量では、金額でも取扱量でも横浜を抜き日本一になってきたのは、そういう背景があるのではなかろうかと考えてございます。
 したがって、外貿コンテナふ頭を初めといたします港湾施設の、いわゆる高規格化と申しますか、そういうものを一日も早く達成をして、新しい物流産業の育成や海運業界の動向への迅速な対応など、多様に変化する時代のニーズに応じた港湾経営を推進することが求められているのではなかろうかと思っておりますし、そういうふうにすることが国際貿易港としての、また、基幹航路の船が直接寄港するメーンポートとしての地位を確立する必要があるのではなかろうかと、そのように考えております。
 このため、今お話がありましたように、私ども、大井コンテナふ頭あるいは青海コンテナふ頭などの整備に着手しているところでございます。今後、ご指摘のように、物流を取り巻く社会経済情勢に敏感に対応しつつ、使いやすい港づくりを推進しまして、東京港が、ひいては東京が、首都圏の経済と都民生活を支える一大物流拠点として発展するよう努力してまいりたいと思います。

○藤井副委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井副委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 港湾局関係を終わります。

〔藤井副委員長退席、丸茂副委員長着席〕

○丸茂副委員長 東京都議会委員会条例第十条の規定によりまして、委員長の職務を行います。
 これより労働経済局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百四十四号議案、東京都緊急地域雇用特別基金条例及び第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、労働経済局所管分を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○鎌形総務部長 去る二月十七日の当委員会におきまして要求のございました資料のうち、平成十一年度補正予算案及び東京都緊急地域雇用特別基金条例案に関連する資料をお手元に配布してございますので、その概要をご説明申し上げます。
 委員会資料1をごらんいただきたいと思います。表紙をめくっていただいて、目次をごらんいただきますと、補正予算案と条例案の関連で要求のありました事項は、ここに記載してございます二項目でございます。順次ご説明申し上げます。
 一ページをお開きいただきたいと存じます。一ページは、中小企業金融安定化特別保証制度の利用実績でございます。
 制度が創設されました平成十年度では、保証承諾件数が十一月には五万件に近づくなど、半年間で十五万件以上を数えておりましたが、平成十一年度は、十二月に一万件を超えたものの、四千から七千台で推移し、平成十一年四月から本年一月までの十カ月間の保証承諾件数は約六万八千件となっております。これらの数字を合わせました平成十年十月から平成十二年一月までの保証承諾件数は、表の一番下の総計欄にございますように、二十二万五千六百四十五件、金額は四兆四千百三十八億五千二百万円となっております。
 二ページをお開きいただきたいと存じます。平成十一年度における緊急地域雇用特別交付金事業計画でございます。
 緊急雇用対策の一環として国が創設しました緊急地域雇用特別交付金に基づきまして、平成十一年度において都及び区市町村が実施する事業計画でございます。都の事業といたしましては、労働経済局の十四件を初め四十四件、十九億九千五百余万円を計画いたしております。都及び区市町村の合計といたしましては、二百五十七件、三十二億二千九百余万円でございまして、これらによる雇用創出規模は延べ十六万五千六百七十三人を見込んでおります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○丸茂副委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○服部委員 まず最初に、中小企業金融安定化特別保証制度のことについてお尋ねをいたします。
 ただいま、鎌形総務部長からご説明がございましたように、この制度は平成十年の十月に創設をされた制度でございますが、ただいまのお話のように、保証承諾実績が二十二万五千件を超えている。また、金額も四兆四千億強という数字でございますし、全国シェアも東京の場合には約二〇%近い件数のシェアでもあります。また、金額的にも二二・六%、大変利用されている制度でございます。ただ、この制度が発足以来、私ども、利用される方からのさまざまなご相談等もいただいております。
 そういった中でお尋ねをしたいのですが、まず、今回、国の方でも新たに十兆円の額を追加するということになったわけですけれども、この追加措置を講じる必要性、また、追加後の制度運用の考え方、このことについてお尋ねいたします。

○山本商工振興部長 中小企業金融安定化保証の追加措置についての必要性及び運用の考え方についてのお尋ねでございますが、追加措置につきましては、先ほど資料の方の説明でございましたように、一昨年の十月からことしの三月までという形で、二十兆ということになっておったわけでございます。全国的にも、まだ最終的な二月末までの数字は出ておりませんが、その二十兆に近づいているということで、昨年秋、十月に通産省の方から、大蔵財政当局と相談の上ということでございますが、一年間の延長と十兆円の追加ということが発表されておるわけでございまして、最近になって少なくなってきているとはいえ、東京で申しますと月大体一千億弱の需要があるということが、今回追加に至った経緯でございます。
 追加後の制度運用の考え方でございますが、この四月以降ということになるわけでございますが、従来どおり、貸し渋りを受けている中小企業を対象とするという考え方は一緒でございますが、昨年の十月の通産大臣の発表によりますと、雇用の拡大、それから販売、生産、仕入れ面における改善等の建設的な努力の計画を有することが保証対象要件に追加されてくるということでございます。
 いずれにしろ、具体的な内容は、これは国の統一の制度でございますので、国の方から今後指示がある予定でございますが、モラルハザードを防止するという観点から、ネガティブリストの運用適正化や、回収体制についてどうしていくか。当然のことながら弁済はもう始まっておりますので、そういった問題について、今後、国の方と検討をしていくことになろうかというふうに思います。

○服部委員 そうなんですね。当初、この制度は、貸し渋り対策ということでスタートをしたわけですけれども、昨年の通産省のこの扱いについての中で、さらに、雇用の増大、それから販売、生産、仕入れ面における改善等の建設的で努力の計画を有することを対象要件に追加することとし、とあるように、そういうことで、これからこれを進めていっていただきたいわけなのですが、もちろん、制度融資ですから、運転資金であれ設備資金であれ、融資を受けたらそれを返済していかなければいけないわけですけれども、現在、融資を受けるときに、月商の大体三倍程度とか、それから、ある程度の、決めてはいないのでしょうけれども一つの上限が決まっている。もう少しあれば……。実際、この制度を運用して一息ついたという中小企業は非常に多いのですよ、ですから、まだまだこの制度は大いに活用もしていただかなければいけないわけなのですが。
 それで、こういった中小企業の事業の将来性、そういったものを弾力的に運用する。例えば、据置期間等もありますが、これもそれぞれなのですね。据置期間なしで、もう返済が始まっているところもあれば、ある程度、一年程度の据置期間があって返済が始まったところもあります。それからあと返済期間の五年、これもなかなか、運転設備等あるのですが、区の制度や都の制度もありますけれども、そういった点で多少弾力的に運用ができないか、むしろまた返済しやすいような、そういった考え方ができないかと私は思うのです。そんなことで、こういった直接の窓口は、地域の信用金庫なり、あるいは銀行でもあろうかと思うのですが、その点について都の方はどういうふうに考えておられるのか、あるいは国に対してどう働きかけようとされるのか、お伺いいたします。

○山本商工振興部長 中小企業安定化特別保証についての運用についてのお尋ねでございます。
 まず、上限についてということでございますが、上限につきましては、運転資金、設備資金とあるわけでございまして、設備資金についてはどのような設備を入れるかということで基本的に考えておりまして、三倍というお話がございましたが、三倍というのは、基本的に運転資金については一応三倍を目安にしてやっております。従来の制度融資では大体二倍ということになっておりましたが、貸し渋り対応ということで、三倍まで基本的な物差しを用意していると。ただ、三倍と申しましても、小口のものについては三倍というのは額が小さいということもございますので、一千万円以下の小口については、これによらないで、かなり弾力的な運用を行っているところでございます。
 それから、一千万円以上の利用につきましても、今、委員のおっしゃったような、企業の今やっている事業との関係で、どういった業態であるのか、事業内容はどうか、それから、返済との絡みで資金計画自身がどういった妥当性を有しているか等々を考慮しながら審査を行っているところでございまして、こういった中小企業の実情を踏まえた形で今後とも保証審査をするように指導していきたいと思っておりますし、国の方に対しても、現場の実情に合わせた形で、できる限り運用ができるような形でお願いをしていきたいというふうに思っております。

○服部委員 今、代位弁済の話もありましたけれども、これはまだ始まったばかりです。ただ、始まったばかりなのですが、現在の代位弁済のパーセントといいますか、それと、あと一般の制度融資の場合大体どの程度なのか、目安で結構ですから教えてください。

○山本商工振興部長 安定化特別保証制度におきます代位弁済の状況ということでございますが、平成十二年一月末現在までの累計で千九百十四件、四百十二億円というふうになっております。したがいまして、代位弁済の発生率ということでは、件数ベースでは〇・八五%、金額ベースでは〇・九三%ということでございまして、都の制度融資の三カ年の平均で見ますと、おおむね一%台半ば程度でございますので、始まってまだ一年ちょっとということもございますが、それに比べればまだ低い水準で今のところは推移しているということでございます。

○服部委員 一般の制度融資がそういうことだと。で、今回の安定化特別保証が金額で〇・九三%程度ということですが、今後この制度を適切に運用していかなければならないと思いますし、先ほど答弁にもありましたように、やはり現場の実情といいますか、その辺のことをよく把握された上で、今後とも保証協会なりといろいろ連携をとり合ってやっていかなければならないと思いますので、今後東京都としてどう対応していくのか、その点を最後に伺って、この件についての質問は終わります。

○山本商工振興部長 今後の制度運用についてということでございますが、先ほど、保証実績については最近の現状まで申し上げましたが、今後この保証実績はどういうふうに推移していくのかという問題もございますし、また、代位弁済自身まだまだ低い水準というふうに申し上げましたが、これが今後どうなるか、まだわかりません。それから、あともう一つ、財源的な問題からいいますと、事故が起こったときの回収率が、どのくらい回収できるのかという問題等々もございます。
 こういった実情を踏まえた形で必要に応じて国に対して財源の確保を求めるとともに、制度の適切な運用にとりまして必要な措置については、国全体、統一的な制度でございますが、現場に合った形で運用できるように国に要望していくつもりでございます。

○服部委員 次に、緊急地域雇用特別基金について、大きく三点についてお伺いをいたしますが、一つは、雇用・就業機会の提供、産業交流展、このことについてお尋ねしたいと思うのです。
 これは昨年のたしか十一月の三十日から十二月の二日までの三日間行われたわけですけれども、雇用の創出あるいは産業の活性化ということで、東京としての特色ある事業の展開を図るということと、あと二次的要素としては、出展企業の取引が促進されて、雇用の創出が期待できるものと思います。しかし、東京産業交流展は、イベント事業の性格からも数カ月の雇用とか就業というのはなかなか厳しい、そういう一面も存在しているということは承知をいたしております。
 そういった意味で、この産業交流展を実施して、実施をしました、終わりましたということでなくて、出展した企業が、どのような目的で参加したのか、そしてまた満足したのかなど、生の声を聞くことが大切だと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。

○鎌形総務部長 産業交流展には四百六十九という多くの企業にご出展をいただきまして、新たな雇用の創出を図るとともに、東京都内の企業の市場開拓だとか受注の確保を支援するため、実施したものでございます。
 ただいまお話がございましたように、出展企業の生の声を聞いて、そして、事業の効果測定を行うことというのは大変重要なことと認識をしております。そのため、産業交流展では、出展企業へのアンケート調査を実施しておりまして、百八十九社、全体の約四〇%でございますが、その出展者から回答をいただいておりますので、その声を今後の事業に反映させていきたいと、このように考えております。

○服部委員 アンケートを実施しているということですから、そういった出展企業の回答の傾向、それから、生の声をぜひ聞かせてください。

○鎌形総務部長 まず、出展企業の回答の傾向ということになりますと、出展料、これは一小間三万円でございましたけれども、三万円が「高い」また「やや高い」という方が九%、「適当だ」という方が五三%、それから「安い」「やや安い」という方が三七%でございました。「高い」というのは昨年と比べて若干減っているのではないかというふうに思っております。それから、今後の出展をするかしないかということでございまして、「次やれば、ぜひ出展をしたい」という方が二三%、「できるだけ参加をしたい」という方が五七%でございまして、今後とも出展をしたいと考えている方が全体の約八割となっております。
 生の声ということでご紹介を幾つかさせていただきますと、企業の交流に大変役立ったという方、それから、来場者が少ない、もっと宣伝をしてお客さんを呼んでほしいという声もございました。さらには、今回初めて参加したけれども、今回のように、都や各行政にこういった交流の場を提供してもらって、中小企業の後押しをしてもらいたい等々の声がございました。今後、これらの声をむだにしないように、施策への反映に努めてまいりたいと考えております。

○服部委員 企業の交流に大変役立ったということと、もっと宣伝してほしい、そういうような声については、またそれにこたえていかなければならないことだと思うのです。
 昨年の産業交流展が終わった後、経済波及効果が七億三千万、そういう試算結果を出されたわけですが、本年度の試算結果は、まだ終わったばかりですけれども、何かわかっているようでしたら教えてください。

○鎌形総務部長 今回の経済波及効果につきましては、現在試算中でございますけれども、入場者数も昨年をかなり上回っておりますし、取引が拡大されている傾向がうかがえますので、昨年を上回る結果になるということは大いに期待をしているところでございます。

○服部委員 都内の企業には景気の回復の兆しが多少なりともあらわれて、一部に明るい兆し、そういったものが見えてきたかなあということも思うのですが、まだまだ確実な雇用ですとか景気の回復には至っていないというのが現状だと思います。ぜひ、これからもこういった事業を継続しながら、こうした有効な交流の機会が確保できるよう要望しておきたいと思います。
 次に、中高年齢者のための仕事に使えるパソコン教室、このことについて簡単にお尋ねをいたします。まず、この事業の概要と特色、これも簡潔で結構ですから、お答えください。

○坂本労政部長 この事業は、おおむね五十五歳以上の経理実務の経験のある方で、今後も経理の経験を生かして働きたいという方を対象にいたしまして、企業において比較的よく使われております経理事務のソフトの使い方を覚えていただくものでございます。パソコン操作に習熟していない中高年齢者の方々にも技能が習得しやすいように講座内容等に工夫を加えまして、一日四時間、二十日間の実践的な講座としていることが特色でございます。

○服部委員 現在進行中のことでございますし、簡潔にお答えくださいといって、具体的にいってほしいというのも変なのだけれど、例えば、三十人の定員に応募がどのくらいあったのか、あるいは、五十五歳以上ということなのですが、最高齢だと何歳ぐらいの方が応募されたのか。その辺も済みませんが、もう一つお願いいたします。

○坂本労政部長 先ほどお話し申し上げましたとおり、経理実務の経験のある方等の資格を要件といたしましたので、今回につきましては五十一名の応募がございました。年齢的には、最高年齢者が六十六歳でございます。

○服部委員 昨年、三定の一般質問で我が党の中西一善議員が指摘をされたのですが、この事業は、技術技能を持たない中高年ホワイトカラーを対象にしていると。で、その趣旨に即した事業といえるということについては、今ご答弁いただいたように、私も評価いたします。しかし、こういった事業ではなるべく多くの人に機会が与えられることが必要だと思うのですが、規模という点でどうなのか、今後も含めてお伺いいたします。

○坂本労政部長 今年度につきましては、一回三十人の規模で現在実施しているところでございます。来年度につきましては、一回の規模を大きくするということは、パソコンを使用する関係上、また、きめ細かな指導をする上で難しい点がございますので、その回数をふやして実施してまいりたいというふうに考えております。今後ともいろいろ工夫を重ねまして、より多くの方に受講していただけるよう、充実に努めてまいりたいと考えております。

○服部委員 そうですね。この事業も例の飯田橋ですか、都の高年齢者就業センターで実施しているわけなのですけれども、区部と、それからまた三多摩の方もあるわけですから、その点もう一つお考えいただいて、これからも実施をしていただきたいと要望して、この件については終わります。
 いよいよ最後ですが、荒廃した渓流等の美化及び防災、このことについてお尋ねをいたします。
 これは、せんだって木内委員の方から、この事業の中で四十人を対象にする、当初、三十人の通勤の方、残り十人が、ある程度ホームレスの方も配慮するということで、大変強く木内委員から要望されて実現した経緯もあったと思うのですが、現状がどうなのか、その点をお伺いしたいと思うのです。

○江口農林水産部長 この事業につきましては、ただいまお話がありましたように、通勤雇用と宿泊雇用、二つの形態で採用をさせていただいております。通勤雇用につきましては、昨年十月一日に募集をいたしました。募集人員三十名に対しまして、五十一名の方が応募されております。それから、宿泊雇用の方につきましては、十二月六日に募集をいたしました。定員十名に対しまして、二十二名の方が応募されております。一月から勤務をされております。
 お話しのホームレスの採用についてでございますが、二十二名の応募者のうち、十一名がホームレスの方と思われます。この十一名のうち、六名を採用いたしたところでございます。したがいまして、十名の採用のうち、ホームレスの方が六名、一般の方が四名、そのような状況になってございます。

○服部委員 私は、こういった事業についてホームレスも配慮するという行政の姿勢、そういったものが非常に大事だと思うのです。それで、昨年ですけれども、当委員会で、この緊急雇用対策にホームレスも含まれるのかという質問の際、職業安定部長から、ホームレスでも要するに就労意欲の高い者であれば事業への応募については配慮すべきと思うと、そういう答弁をいただいて、その後、東京都の担当の方は、先ほど港湾局の方でも出たのですが、こういった事業を実施する場合に、各関係のといいますか、事業実施部局と連携をしてやっていく、そういう意味で、私、非常にこれは行政の姿勢を示し、また各局も――もちろん、この局だけではなくて港湾もそうだし、ほかの局もそうですが、そういったところにそういった気持ちが伝わっていって、それで雇用をするとか、そういった場合にはホームレスもある程度考えてもらっていく、そういうことが私も大事だと思うのです。
 この緊急雇用対策は、昨年、国で二千億、東京都が百八十二億ですか、で、二十三区と半分で八十一億と。これは、ただの草むしりだとか、それから道路の清掃だとか公園の掃除だとか、小さいかもしれないけれども、それが大変大きな事業になっていくことでもあるし、また、ホームレスにとってはまさに死活問題でもあるわけだし、ホームレスの中の七、八割は、働きたいという方がいるわけです。
 この間、一般質問で、そこにお座りの山本賢太郎議員が、やはりホームレス問題についてただして、新聞にも大きく出ておりますが、この受け皿をやはりつくっていく。例えば、自立支援センターをつくる。自立支援センターに入ったホームレスは、もちろん勤労意欲のあるホームレスですから、そういった自立支援センターに入ったところにはまた積極的に都が働きかけていく。そういうような連携をしながらこれからも進めていただきたいと要望をいたしまして、ちょうど時間のようでございますから、質問を終わらせていただきます。

○小松委員 緊急地域雇用特別基金事業、この要綱では、この事業を緊急に実現する必要がある事業であること、新規雇用・就業を生ずる効果が大きい施策としているわけです。とりわけ深刻となっている中高年齢者層の非自発的失業者、また、新規学卒者のうちの未就業者が対象、こういうふうになっているわけです。そして、今回の取り組みによります都としての雇用規模、これを三万人としているわけです。
 そこで、確認いたしますが、労働経済局としてのこの計画では、全期間、補正予算内、それぞれでどういう目標値を掲げておられるのでしょうか。

○米川職業安定部長 都の雇用創出目標値三万人に対する労働経済局の目標値についてお尋ねでございますが、十三年度までの計画事業で認められております現時点での状況でお答え申し上げます。
 全計画期間において予定しております延べ雇用就業人員の予定人員は、七万八千人・日となっております。これを一人平均二十日勤務といたしまして換算いたしますと、約四千人の雇用創出が計画されているところでございます。また、十一年度、今年度約半年間の状況で申し上げますと、同様の換算で、約九百人の雇用創出を予定しているところであります。なお、十二年度以降につきましても、新規の雇用・就業機会の生ずる効果の高い事業につきまして、積極的に財政当局へも働きかけ、一人でも多くの雇用創出に努めてまいりたいと考えているところでございます。

○小松委員 それでは、個々の事業についてお伺いしたいと思います。
 この議案の三番目の項目に載っております、企業が求める人材ニーズ調査、これは予算が八千万でありますが、実際の落札は幾らであったのでしょうか。その差金の生じた理由も含めて、労経局がご存じでしたら、お願いいたします。

○梅津職業能力開発部長 企業が求める人材ニーズ調査の契約金額でございますが、落札金額は一千九百四十二万五千円でございます。予算額が八千万円ということで、大変大きな額になっております。この予算額と落札価格の差が生じた理由でございますが、この調査につきましては、ちなみに財務局契約でございますが、指名競争入札方式で契約先の業者を選定いたしました。その結果、落札金額が、ただいまご答弁したような金額になったものでございます。

○小松委員 入札状況は情報公開されておりますので、私も先日、財務の入札経過を閲覧してきたわけですが、昨年の十二月十五日に、この計画の指名競争入札による入札が行われているわけです。入札価格は約二千万円から九千万円まで各者ばらばらであるわけですが、局もこの入札状況をつかんでいらっしゃるでしょうか。

○梅津職業能力開発部長 ただいまご質問にございましたように、入札状況については公開をされておりますので、私の方からご答弁させていただきます。
 この入札に当たりましては、業者数を指名いたしましたのが十者でございました。それに対して応札をいたしましたのが六者でございました。四者が辞退という形です。ただいまご質問にございましたが、入札金額は八千八百万というのが一番大きな金額でございました。それから、最も低いのが、契約した業者でございますが、一千八百五十万。先ほどの落札金額と申しますのは、それに五%の消費税を加えた金額でございます。

○小松委員 落札は、契約の規則に従って最低価格を提示した業者になるわけですが、私が心配しますのは、八千万円が四分の一に落ちることによりまして雇用創出効果がそれだけ落ちるのではないかと。労経局みずからが発案したこの事業であるわけですが、当初、今回の契約分の予算では雇用確保予定人数は何人だったのでしょうか、そして、実際にはどうだったのでしょうか。

○梅津職業能力開発部長 私ども、大変新しい試みをやったつもりでおりますので、この調査をやっていくには多分このぐらいの人手が必要であろう、このぐらいの外開発が必要であろうということを積み上げて、予算要求なり何なりをいたしました。その結果、私どもが当初予定しておりましたのは、人・日という単位でございますが、二千人・日を想定いたしました。ただいまご質問にございましたが、落札した業者が締結した後、事業計画というのをいただくわけですが、その事業計画を見ますと、新たな雇用創出効果は百八十七人・日であるということでございました。

○小松委員 そういうことで、本当に雇用効果は減っているわけです。雇用計画書がありますので、都が契約に当たって、仕様書に雇用すべき人数を指定するというようなことはできないのでしょうか。

○梅津能力開発部長 私どもも必ずしも契約に詳しくないので、これをやる際にはこの辺が一番勉強をさせられたところなのですが、仕様書に雇用人数を指定できないかということをいろいろ研究いたしましたところ、研究するほどのこともなくて、職業安定法の第四十四条、労働者供給事業の禁止という条項ですが、この関連で、実は次のような文言のある財務局からの通達がございます。「業務契約の委託に当たってはその仕様書に所要人員の指定はしないこと。」とございます。こういう通達がございますので、私ども、この通達に従った形で事務処理を行ったものでございます。

○小松委員 そういうことになるわけですね。そもそも、一般的な工事とか物品のような入札方式で行う限り、雇用効果はどの業者が一番大きいか、わからないわけです。発案した当局の雇用確保の責任が負えないことが明らかになったわけですが、しかも、発案は労経局で契約は財務になった場合、さらに雇用効果がうやむやになってしまうということにはならないでしょうか。
 競争入札である以上、本来、より安い金額で目的の成果物が得られれば、どのような人を使って、どのような方法で目的を達成するのかは、まさにその企業がそのノウハウを活用して工夫するところであるということは理解できるわけですが、しかし、今回の事業は、その成果物を確実に得るということ以外に、もう一つ、いかに雇用を創出するかという大きな目的があったはずです。ですから、これらの二つの観点から業者を選定していけるような工夫をすべきであったのではないか、改善すべき点として強く要望をし、また、指摘しておきたいと思います。
 次ですが、議案の一番目に示されております雇用・就業機会の提供。要するに、先ほど質問のありました産業交流展についてでございます。この事業は、本来なら金額的にいって財務での契約事項になるようですが、労経局の随契でやったということです。このように、発案した局がみずからの随契でやった場合は、要綱が目指しているその目的、その目標値が随契の契約時にはっきりと確保できるのかどうか、お伺いいたします。

○鎌形総務部長 契約に当たりましては、雇用・就業計画書というものを提出させておりまして、また、契約の相手方に契約どおり履行するように指導をしているところでございますが、契約上、その担保をとる、その数を担保するという仕組みは特にございません。また、事業終了後に実績報告書というものの提出を義務づけて、人数を確認しているところでございます。

○小松委員 そうしますと、これは担保ができる仕組みになっていないということですか。既にこの事業は終わったはずなのですが、実際に雇用したのはどれほどあったのでしょうか。この雇用者のうち、非自発的失業者、新規学卒者の就職効果、これはどうだったのでしょうか。

○鎌形総務部長 本事業におきます延べ雇用人数でございますが、これが二千四人・日でございまして、実人員でいきますと四百五十九というふうになっております。そのうち、お話しの新規雇用は延べで九百二十三人・日でございまして、実人員でいきますと二百七十三人になっております。しかし、この雇用した方々が非自発的失業者であるか等につきましては、把握はしてございません。

○小松委員 今お話がありましたように、産業交流展、これ自体による雇用・就業人数が二千四人・日、四百五十九人、ところが、新規雇用、就業人数は、今、九百二十三人・日とおっしゃいましたか、これを百万円当たりの雇用創出規模で計算してみますと五・〇人・日になるわけですが、今回の事業の中では、契約金額に対する雇用創出規模が、見てみますと一番小さいのではないか。作業準備期間は何日間かあったと思うのですが、実際の開催期間は三日間だったわけですね。開催期間だけの雇用契約もあったのでしょうか。

○鎌形総務部長 お話しのとおり、交流展自体は三日間の開催でございますけれども、契約期間は、産業交流展の準備段階から、今申し上げましたように、開催期間中の三日間、それからその後の始末ということでございまして、十月の十三日から十二月の十六日までの間が契約の期間ということでございます。したがって、今お話しの三日間だけという例も当然入っております。

○小松委員 念のために確認いたしますが、職安事業として、長期雇用ではなく、日々契約の雇用を行う日雇い労働者の雇用確保対策、とりわけ公共事業には日雇い労働者の雇用義務があったり、また、失業者の増加による特別就労対策事業があったと思いますが、どうでしょうか。

○米川職業安定部長 委員おっしゃるように、日雇い登録労働者を対象にいたします特別就労事業というのは、都費の予算で計画しているのが事実でございます。
 ただ、今回の事業は、日雇い雇用、日々雇用というのは対象になっておりません。これは先ほど、産業交流展は、例えば三日間という雇用の場合もあるかもしれませんけれども、それは結果としてであって、産業交流展自体は、中小企業の雇用の場をこれから確保していくという非常に大きな目的のもとに、国の労働省の方とも相談して計画している事業でございますし、それなりの交付金事業として効果があったものと思います。そういう意味で、委員がおっしゃっております日雇いの特別就労対策事業とは趣旨も異なるものというふうに理解しているところでございます。

○小松委員 そうですね。産業交流展自体、確かに私も大きく評価しておりますし、その場でなく、今後の中小企業の雇用の場の確保ということをおっしゃいましたけれども、まさにそういうことである。であるならば、局の本来の事業予算で行うべき性格のものではないかと考えるわけです。費用対雇用創出規模も、調べたところでは、予算計画の段階でも最低の数値で、百万円当たり二・二六人・日。全局、区市町村を含めた全都で見ても、けた外れにこの数字は低いわけです。こうした数字から見ても直接の雇用効果は極めて低い、しかも、交流展そのものは、実施日はわずか三日だということですね。都財政の危機を理由に一方で事業予算を削る、このことが一番問題であって、一方では、国から雇用対策であるべき予算を削られた事業に充てているというのが実態ではないでしょうか。
 緊急雇用特別基金事業、これは要綱で示すように、緊急に実現する必要がある事業であること、新規雇用・就業を生ずる効果が大きい施策である、と書いてあるわけです。とりわけ深刻となっている中高年齢者等の非自発的失業者、また、新規学卒者の就職失業者の就労効果で問題点はなかったのか、また、効果が大きかったものはどういうものであったのかなど、これまで実施した事業を総括して今後の事業に生かしていくべきであることを要望しておきますので、よろしくお願いします。
 今、失業で困っている方たち、百八十万人から福祉を根こそぎ切り捨てる一方で、臨海など公共事業には一兆円もつぎ込む開発第一主義によるむだ遣い、これをやめて、都財政を都民本位に改善することを求めております。緊急地域雇用特別基金事業を、失業者が本当に展望の持てるものにしていく必要があるのではないでしょうか。
 そこで、要綱では、委託先として非常に緩やかな規定をしております、任意団体も委託先として可能であると。例えば、東京高齢者就業事業団協議会というのがありますが、これは生活のために働くことを希望する高齢者の受け皿として、高齢者みずからが自主的に非営利で運営を行って、都内高年齢者の失業救済の一定の役割を果たしております。ここが事業を提案しながら、委託先としての希望を出しております。また、もう一つ、失業者自身でつくる団体「働きたいみんなのネットワーク」、ここも失業者の実態調査事業を行って、雇用政策の充実に寄与する提案をし、委託先としての要望が出されております。このように、いかに雇用を創出するかを企画提案型で求めて委託先を検討する方法もあり得ると考えますが、いかがでしょうか。

○米川職業安定部長 交付金事業におきます委託対象の範囲につきましては、今、委員お話しのとおり、交付金要領によりまして、その範囲を、法人企業、NPO法人、その他の法人または法人以外の団体等であって当該業務を的確に遂行するに足る能力を有する者に実施させることができるというふうに規定されているところでございます。当該業務を的確に遂行する具体的な能力といたしまして、総勘定元帳及び現金出納簿等の会計諸帳簿、それから労働者名簿、出勤簿、賃金台帳等の労働関係諸帳簿を整備していることというのが条件になっております。したがいまして、法人、法人以外の団体にかかわらず、委託事業を的確に遂行する能力を十分見極めた上で、現行の契約規則に従って委託先を選定していくというふうに考えております。
 なお、先ほど、委員が具体的に名前を挙げておられました東京高齢者就労福祉事業団につきましては、本事業を既に受託して実施しているというふうに聞いているところでございます。

○小松委員 税金を使う以上、その委託先には一定の適格要件が要るのは、わかります。こうした要望にこそ都も積極的にこたえるべく検討をすべきだということを強く要望いたしたいと思います。
 最後に、先日も奥多摩町に林業や獣害の調査に行ってまいりましたが、そのとき地元の関係者から伺ってきました。お話では、間伐等の作業者の雇用事業、これで先ほど出されましたが、実際は逃亡してしまったり、年金の手続や各種社会保険の手続で大変困難を強いられたと。そしてまた、あげくの果てに、すぐ病気になって、地元で生活保護の世話を全部しなければならなくなったと。何よりも困ったのは、こうした身元不明の場合は、自分たちがなりかわってお世話をしなければならなくなってしまう。こういうことで大変忙しい思いをしている、何とかならないかという改善を求められておりましたので、そうしたことを申し伝えまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○藤井委員 今回の補正予算の中に、先ほど総務部長からご説明がありました、平成十一年度における緊急地域雇用特別交付金、この事業計画が盛られております。私は、その中の一つであります東京都中小企業データベース作成事業について、何点かお伺いをしたいと思います。
 今回の補正で約四千六百万円の予算がついておりますが、まず最初に、この事業の概要について、お伺いをいたします。

○中澤商工計画部長 中小企業データベース作成事業は、東京都が各種の中小企業支援施策の実施に伴って、さまざまな部署で蓄積をしてまいりました中小企業データを整理集約をするために、現在、紙ベースの企業データをデジタル化をしていく入力作業を行います。同時に、既にデジタル化をしております企業データとあわせまして、統一の企業コードを付与した上で、重複の整理のために、いわゆる名寄せを行っていくものでございます。これによりまして、現在ございます下請企業情報システムを含めてクロス集計が可能となる新たなデータベースを構築しようとするものでございます。
 委託先を東京都中小企業振興公社といたしまして、雇用規模はキーパンチャー十二名及びオペレーター一名で、雇用期間は一カ月というふうにしております。

○藤井委員 東京都にはいろいろな中小企業に対する情報提供システムがあると思います。かつて私がこれを調べたときには、東京都の「マイネット」、そしてまた、商工指導所や、あるいは区、商店街の連合会等が保有している情報等々たくさんあったわけですが、東京都は平成九年にこれを「いきいきネット」として編成をしたというふうに聞いております。そこで、現在、中小企業向けの情報発信システムというものについてはどういうシステムがあるのか、お伺いしたいと思います。

○中澤商工計画部長 現在の中小企業向けに発信をしている情報システムとしましては、四つございます。一つは、都内約二万社の企業情報をデータベース化しております下請企業情報システム。この下請企業情報システムのうちの公開可能な都内約一万四千社の企業情報をパソコン通信で提供する「新マイネット」、これが二つ目でございます。そのほかに、インターネットによる江戸前企業情報と東京商品デジタルショールームがございます。
 下請企業情報システムは非公開情報でございますけれども、中小企業振興公社が支所や大田区など十二区との間にオンラインを結びまして、仕事の取引あっせんの効率的な運用を図ってございます。また、「新マイネット東京」は、下請企業情報システムのデータベースを広く活用していくために、企業情報や受発注情報等を広く会員企業に発信しまして、中小企業の取引拡大に活用しております。さらに、江戸前企業情報は、自社製品の取引拡大を支援するために、中小企業約三百五十社の企業、製品情報を発信するものでありまして、東京商品デジタルショールームは、海外市場の販路開拓支援のために、英語、日本語、二カ国語によりまして輸出入を取り扱う七千社の企業情報を商品情報とあわせて発信しているものでございます。

○藤井委員 そういうふうに整備を進めてきているわけでございますが、何といっても下請情報というのは、都内の、特に中小零細企業にとっては大事な情報であると思います。そういった意味で、今後、整備充実が求められているわけですが、今ご説明がありました東京都の中小企業総合情報システム、いわゆる「新マイネット」というものについてですけれども、これは現在、都内の何区あるいは何市と接続、連携しているのでしょうか。

○中澤商工計画部長 「新マイネット東京」は、下請企業情報システムの企業情報や受発注情報等、広く会員に発信しておりますが、都内の区市もその会員となって情報を活用していただいているということでございます。現在、会員となっている区市は、大田区を初め、墨田区、荒川区など十五区、市は三鷹市の一市でございます。

○藤井委員 そこで、この「新マイネット東京」の、平成九年からですか稼働をしておりますが、このアクセスの実績はどうなっているのでしょうか。また、そのうち中小企業からの受注あるいは発注情報の件数は何件か、お伺いをいたします。

○中澤商工計画部長 アクセス実績でございますが、平成九年度が一万七千四百二十六件、平成十年度が一万六千百四十八件、平成十一年度が、これは平成十二年の一月末現在でございますが、七千四百七十二件となってございます。また、そのうち、仕事が欲しい企業へのアクセス、これはいわゆる受注情報ということになりますが、それは、平成九年度が五百四十三件、平成十年度が四百八十二件、平成十一年度が二百四十三件となっております。一方で、仕事を出したい企業へのアクセス、これは発注情報ということになりますが、それへの実績は、平成九年度が千四百十四件、平成十年度が千四百七十七件、平成十一年度が八百七十二件でございます。

○藤井委員 今のご説明で、年々この「新マイネット東京」へのアクセス件数が減ってきている、九年度が一万七千四百二十六、十年度が一万六千百四十八と減ってきているわけですけれども、この減ってきている理由は何なのですか。

○中澤商工計画部長 ご指摘のとおり、残念ながら、だんだん減ってきてございます。このシステムは会員登録制のパソコン通信システムでございまして、そういう意味では不特定多数の方からアクセスができないということで、アクセスがなかなかふえにくい、まずふえないという要素がございます。一方で、平成十年度に実施した会員調査によりますと、検索方法が難しいとか、あるいは、その通信スピードが遅いなどという意見もございまして、こうした理由によってアクセス件数が減ってきたのではないだろうかというふうに思っております。

○藤井委員 確かに、私の地元の大田区の中小企業からも、このデータが見づらいとか、あるいは、これにアクセスするには一たん会員にならなければいけないということで、その手続が面倒だとか、いろいろな声が出ていますので、やはり、こういったことも今後改善していただきたいというふうに思います。
 そこで、東京都のデータベースは、先ほど、約二万社とか、あるいは一万四千社ということのご説明がありました。今後、この下請情報のみならず、さまざまな企業支援に活用していく必要があると思いますけれども、そういう意味ではもっとふやしていく必要がある。今回どれぐらいのデータをふやそうとしているのか、お伺いしたいと思います。

○中澤商工計画部長 お話しのとおり、中小企業データベースの拡充は非常に重要な問題だと思っております。このために、今回の作業では、都の既存の保有データとあわせまして、新しく約二十万社の市販のデータベースを購入いたしまして、全企業情報の名寄せを行うこととしております。したがいまして、それによりまして、データベースとしては飛躍的な拡大につながるものというふうに思っております。

○藤井委員 そういう意味では大いに期待をしているわけでございますが、先ほどもご説明にありました「新マイネット」、これはパソコン通信で情報提供をされているわけです。ほかのシステムであります江戸前企業情報とか東京商品デジタルショールームシステムというシステムは、インターネットで情報提供が行われているわけです。
 実は、私の地元の大田でも「オーネット」という企業情報ネットがありますが、今まではパソコン通信で区内の企業等を中心に情報提供が行われていましたが、これが昨年、やはり時代の流れに対応していこう、インターネットを活用するということで、今度「スメット」というシステムになりました。時代はもうインターネットの時代だと思うわけですが、そういう意味で、この「新マイネット」もインターネットに変化といいますか、インターネット化していくべきだと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。

○中澤商工計画部長 先ほども申し上げましたように、「新マイネット」、会費は無料なのですけれども、会員登録制のパソコン通信でして、それで情報提供をしていますので、不特定多数の方からのアクセスができないという難点がございます。そういう意味では、これからは、よりオープンな形で手軽にアクセスができる情報媒体として、お話のありましたインターネットが最適だというふうには思っております。今後、ご提案の趣旨を十分踏まえまして、検討してまいりたいと思っております。

○藤井委員 最後でございますが、先ほど申しましたように、今、大変不況の中で、物づくりの中核であります中小零細企業にとりましては、やはり受注・発注、特に発注情報というのが大変重要なわけでございます。さきの我が党の代表質問の中でも取り上げましたが、そういう意味では、先月、局長を中心に仕事を掘り起こしたいということで、約二百五十社ですか、二十二の業界団体に対しまして、東京都がみずから発注を拡大するためのご努力をされたということについては、大いに評価をしたいと思います。
 今後は、都として、局としても、この発注情報をさらに広げていく、それも国内だけではなくて、今はもう海外からのいろいろの発注情報も的確にこの「新マイネット」等で取り上げまして、そして、それを迅速に必要な企業に提供できるシステムを私は整備すべきだというふうに考えております。そういった意味で、今後、下請取引の拡大策について局長はどのように取り組んでいかれるのか、ご決意を伺いたいと思います。

○大関労働経済局長 ご案内のとおり、今、大変長引く不況の中で、下請企業は大変苦しい状況に置かれているわけでございます。私どもも、仕事を掘り起こしたいですか、いろいろそういう名前を組んでやっていきまして、いかに仕事一つとるのが大変なのかということをよくわかっているわけでございます。
 下請を見ていきますと、大企業の系列下の中でも二極化現象が起きているのではないだろうかと、こう考えています。非常にすぐれた技術を持っているところだけは非常に大事にされて系列下にあるのですが、どこでもやれる程度の技術しか持たない下請企業、これは非常に取り残されているという状況でございます。ここの部分に対してもやはりこれから力を入れていく必要があるだろうと、このように考えておりまして、確かに、今議論されておりますパソコンでの「マイネット」とか、スタートしたときには、その時代の技術としては大変すぐれ物でございまして、大変好評であったのですけれども、今の時代になりますと、やはりインターネットということを抜きにしてはなかなか現実的ではないであろうと、このように認識しています。
 そこで、ことし、秋口になろうかと思うのですけれども、そのころまでには何とかインターネットで、今度、その提供したデータで直接取引ができるような、そんなシステムを構築していきたいと、こんなように考えております。今ご案内のとおり、パソコンですと、中小企業振興公社が中に介在するという形ですね。もちろん、これからも介在はするのですが、一たん、そこで技術力なり公平な技術を登録しませんと信頼性に欠けるものですから、これはきちんとします。それに対して、インターネットでアクセスしていただいて、お気に召したら取引してくださいという、振興公社が介在しなくても直接取引できるような、そういうスピード感あふれる状況をつくっていくということが大事かと思っていますので、せいぜいそんな努力をさせていただきたいと思っています。

○藤井委員 よろしくお願いいたします。
 以上です。

○林委員 失業者対策だと思いますけれども、ちょっとおさらいをさせてもらいたいのですが、完全失業率というのが、先ほど四・七%とかありますよね。昔の記憶で恐縮なのですが、月末の一週間をとって、それで、一週間のうち、たしか二日だったと思いますが、二日働いた人は失業者にならなくて、何かいろいろ細かいあれがありますよね。ですから、実質的にはもっともっと数字が上になるのではないかという思いをしたことがあるのですけれども、どなたに聞いたらいいのかわかりませんが、もしおわかりの方がいたら、教えていただきたいと思います。

○米川職業安定部長 大変恐縮でございます、細かい資料を持ってきませんので正確なお答えができなくて申しわけないのでございますけれども、労働力調査ということで、全国で、サンプル数が非常に少ない、四万ぐらいの世帯関係の調査でございます。それを復元しているわけでございますけれども、おっしゃるとおり、月末の一週間で何日働いたか、働いて、しかも報酬を得たかというのが、失業者であるかないかの定義になっております。その何日かというところが正確でなくて大変申しわけございませんけれども、以上でございます。

○林委員 後で、個人的で結構ですから教えていただきたいと思います。何か記憶では、求職活動をやめちゃうと失業者にならないのですよね。本当は働きたいのだけれども、例えば一カ月、二カ月、三カ月仕事を求めてさまよったけれども全然仕事が見つからなかったといって、その後やめちゃうと、失業者にならないような仕組みだと思いますし、あと、これは世界共通なのかどうかも教えてもらいたいというふうに思っています。
 ちょっとよそにそれて恐縮なのですけれども、先ほど出ました森林ですね、山の木を守っていこうということで、昨年の十一月から実質的な作業に入っていると思うのです。その雇用の仕方は先ほど伺ったので重複しないようにしますが、小松委員からも出た、実質的な作業内容だとか、あるいは、その作業効果といいますか、それから、実際に従事している人たちの精神的な部分がどんなものか、教えていただけたらと思います。

○江口農林水産部長 まず、現在実施しております、荒廃した渓流等の美化及び防災事業でございますが、事業内容といたしましては、山地、山の中の渓流沿いの雪害による倒木、あるいは、林道沿いの山林に不法投棄されたごみなど、こうしたものを防災の観点から撤去し、あわせて山地の美化をする、そういう内容の事業でございます。
 現在既に、通勤雇用あるいは宿舎雇用の形で四十名以上の方にこの作業に従事をしていただいておりますが、事業が現在進捗している状況は、大変円滑に進んでおります。そうした中で、渓流が非常にきれいになり、また、林道が非常に使い勝手がよく整備されまして、好評のうちに進められております。
 ただ、実際に従事している方々のお声を聞きますと、やはり奥多摩、檜原、気候的に非常に寒冷地でございます、また、その作業をする現場が急峻な地形にございます、そうしたことから見て、従事者の健康管理あるいは労務管理、そうしたものが大変大きな課題になっております。そういう意味では、実際雇用をしております森林組合には目に見えない負担があろうかと思っております。こうした点もありますので、私ども、福祉局とも連携をとりながら、その対応に努めているところでございます。

○林委員 恐らく、部長は現地へ何カ所か、六市町村に行かれたのだろうと思うのですが、私も一般質問でお話ししたように、久しぶりに奥多摩の方へ行って、山が荒れているのに本当に驚いたのです。その印象を部長はどういうふうにお持ちになったか、山に対して。
 それと、今作業をしているのは恐らく公有林だけだと思うのです。どなたかの質問の中にあったように、向こうは七五%ぐらいが民有林だと思うのですが、その民有林に対してはどのように考えていらっしゃるか。

○江口農林水産部長 この事業を展開するに当たりまして、また、事業が始まってから後も、何度か檜原、奥多摩にも足を運んで実態を見させていただいております。そうした中で、従事されている方は先ほど申し上げましたように大変ご苦労もされて、また、その成果が着実に上がっている、また、地元の方の大変なご協力もいただいていると、そのように感じております。
 山の荒れ方につきましては、ご指摘のように、ますますひどくなっているかなと思っております。今回の緊急雇用対策の交付金の対象となります事業は、あくまでも地方公共団体が事業主体となり、それを第三者に委託をして行う事業が対象になるということになっておりますので、本来個人が行うべき私有林の整備につきましてはこの緊急雇用対策では対処ができないのかなと、そういう観点から、今回は、私有林につきましては対象にしておりません。東京都がみずから行うべき都行造林あるいは保安林等につきまして、今回の事業で対応をしているところでございます。

○林委員 余り今回にこだわらないでもいい部分を僕は申し上げたいなあというふうに思っているのですが、お山の杉の子という歌を知っていますか。隣の山は、丸々坊主のはげ山は、いつでもみんなの笑い物、杉の子出てこい、という歌ですけれども、そういう歌ができたように、杉の植林というのは、ある意味では国策であったと思うのですね。
 それが今、外材がどんどん入ってきたり、あるいは建築基準法が大変厳しくなって木材が使えなくなったりなんかして、山に木が残っちゃった、伐採しなくなっちゃっているのです。それが物すごい、六十メートル、七十メートルと高くなって、ちょっと触れましたけれども、檜原だとか奥多摩では日照権問題が出ているのです。調べましたら、檜原村なんかは八年度から伐採する補助を出すようになりまして、九〇%、二百万円まで出しているらしいのですが、八年度で四百万円ぐらい、九年度で七百万、十年度では千五百万ぐらい、稜線の木だとか、あるいは、民家のすぐそばにある木が高くなり過ぎて、伐採するのに補助金として出しているのです。それはもう民有林に対しても出しているのですけれども、その基本的な考え方が、東京の山は大変少ないわけですから、東京全体の財産みたいな感じで考えて――もちろん、酸素を送ったり、水もはぐくみ出しているわけですから、国にも当然働きかけなければいけないと思いますけれども、こういう部分の費用というのは別枠で都が抱え込んであげなければ余りにも気の毒だなという思いがするのですけれども、その辺はいかがですか。

○江口農林水産部長 森林の荒廃の原因につきましては、大きく分けて二つあろうかと思います。一つは、森林所有者の森林経営の管理に対する意欲が冷え込んできている。お話しのように、安い輸入材が入ってきたことにより国内の木材価格が低迷していることと、それからまた、人件費などが非常に高騰したことなどから森林の管理コストがかかる、そうした要因から経営に対する意欲が冷え込んできている、これが大きな要因ではないかと。あわせて、もう一つ、相続あるいは転売などによりまして森林所有の形態が細分化が非常に進んでいる、その細分化とともに、檜原、奥多摩等に住んでいない不在村の所有者がますますふえてきている、そうしたことが大きな原因かと思います。
 そうした中で、私どもも、今後の森林の持つ多面的な機能を評価しながら、整備推進地区などを指定しまして、そういうところの間伐、枝打ちなどの保育管理、それから林道、作業道の整備等、計画的に、また集中的に推進をしていきたいと思っております。また、ある意味では、林業の機械化等も導入しまして、省力化、生産コストの軽減も図っていくことが大事かなと、そうした施策についてこれからも積極的に進めてまいりたいと思っております。

○林委員 結局、間伐しても、材木はそこの場所に置きっ放しだとか、それから、枝打ちしても同じようです。そうすると、下草が生えないから、シカや何かがどんどん下におりてくる、猿や何かもドングリなどがとれないとか、とにかく悪循環なんですよね。それで集中豪雨や何かがあると、そういうのがまた一挙に流されて川の水路などが変わってしまうとか、いろいろな意味で、やはり今手を打たなければいけないのではないかという思いをすごく強くしましたし、そういうことを地元の役場に任せっ放しというのもいかがなものかというふうに思うのです。局長、ぜひ今度一緒に行きましょう。現場を見ていただければ一目瞭然だと思いますので、よろしくお願いします。

○木内委員 最初に、安定化特別保証制度の問題であります。
 先ほど、商工振興部長から、事業の執行に当たっての経緯について客観的な話がありました。通産当局と、それから大蔵財政当局との連携によってということでありました。手続はそうでありましょうけれども、実は、この背景というのは、私どもが、こうした長引く深刻な不況下で金融機関に資金調達を頼らざるを得ない中小企業への貸し渋り対策として、どうしても必要であるということで強力に主張をし、実現をした施策であります。当初段階でこれが二十兆規模であったわけでありまして、期間も限定されていた。昨年の十月、連立内閣が発足いたしました。たしか六兆五千四百三十一億の予算規模、事業規模で約十八兆、こういう補正予算が組まれようとした。この補正予算の特徴というのは、それまで役所の主導であったこうした予算の組み上げというものが、政治主導、政党主導になって、そして、施策の優先課題というものが議論をされた。
 この中で、当時実施されたこの安定化特別保証制度というのが極めて中小企業の資金調達に有効であるということで、優先課題の上位にこれを置きまして、そして十兆円の上乗せをし、さらに一年間の期間延長をしたという、極めて政策判断性の高い施策であったということが一つあるわけでありまして、これはよく認識をしていかなければいけない。まさに今、時代は、政治も、そして社会も激変を続けているわけでありますけれども、こういう中で、現場の中小企業、生活者が、どういうニーズを政治や行政に求めているかということを的確にとらえた上での実は今回の施策であったと、こういうふうに思うわけであります。
 したがって、先ほど来の議論を私は聞いておりまして、皆様それぞれ、細かな視点からの質疑が行われているわけでありますけれども、今回のこの質疑というものは、東京都がさまざまな努力と苦労をして今実施しているわけでありますから、この実施状況の中から、今後への教訓あるいは今回のこの施策の実施状況のメリットというものを十分に顕在化させて、必要があれば、今の連立内閣のもとで、さらに一年間の延長、あるいは、この枠の上乗せといったものも、都議会における議論の中から導き出していくという、そういう意味があるというふうに私は思っているわけであります。特に、商工会議所等によりますと、この金融安定化特別保証によって約七千件の中小企業が倒産の危機から免れた、そして、約六万人が継続的に雇用が担保をされることによって働くことができているという、非常に大切な数字も出ているのであります。まさに、中小企業にとっては干天の慈雨の施策である、こういうことでありますので、この審議というものはしっかりと行わなければいけない。
 したがって、何点か用意をしてまいりましたけれども、重複を避けなければいけませんので、今回の施策の実施の中でこれまで触れられなかった点、まず一点お聞きするのは、当初、代位弁済は一〇%と見込まれていたというふうになっているわけでありますが、先ほど来の答弁にもあったように、この代位弁済率というものが非常に今回の施策の中では予想に反して、いいことでありますけれども低かったと、こういう事実があるのですが、これについての認識は、山本部長、どうですか。

○山本商工振興部長 中小企業安定化特別保証における代位弁済率の問題でございますが、十二年一月末現在までで千九百十四件、四百十二億円ということで、全体の件数ベースで〇・八五%、金額ベースで〇・九三%でございますので、一〇%の想定ということから比べれば、まだ低い水準で推移しております。
 ただ、代位弁済が実際に起こるのは、二年目、三年目が非常に多いというのが従来の制度融資でございますので、今後どのような形で推移するかは、引き続きその推移を見ていかなければならないのではないかというふうに思っております。

○木内委員 山本部長、余り悲観視しないでね。その当初見込みの一〇%にならないように、またお互いに知恵を出し合いながら頑張らなければいけない。さっきも服部委員から話がありましたけれども、完全失業率に景況というものが反映されるのは半年から一年後になる。しかし、もう景気は底を打って、若干ずつでも回復の萌芽というものが認められるわけでありまして、こういうときに労経局が局長を先頭にいろいろな今努力をしているということもあるわけですから、どうか――これはよくわかりますよ、客観的には代位弁済の率を今評価するのは時期尚早かもしれないけれども、これを抑えていくという努力を直接、間接にやっていきたいと思うのです。
 だから、私はこの前本会議で聞いていて非常に感心したのは、仕事を掘り起こしたいと。あれ、今までなかったことで、局長を先頭に、数百の団体及び大手企業に行きまして発注を要請するというようなことがありますけれども、確かに、その作業自体によって掘り起こされる仕事は全体の絶対量からいえば小さいかもしれないけれども、行政が先頭に立って中小企業の立場で一生懸命救済しようという、そういう努力の波及効果というか、環境に与える影響というのは大変大きいものでありまして、これはちょっと情緒的になって恐縮ですけれども、今の代位弁済率というものが維持されるように、ともどもに、ひとつこれは知恵を出し合っていきたい、こういうふうに思うのです。
 それで、今回の補正予算を必要とする理由及びその算出根拠なのですけれども、先ほど来の質疑の中で、全国ベース二三%が東京、四分の一、東京は非常に大きいのですよ。特に私、この制度が発足したとき、有楽町の牧野さんでしたか、理事長にお会いしまして、いろいろとお話を承った。このときに、東京都は全国の道府県と比較して非常に精力的に制度の運用を進めていくのだという決意をいっておられた。これは、保証引き受けをする際に相当厳しい他府県の例もあるのですけれども、東京は、かなりこの審査要件というものを緩和するなり、現実の運用の中で随分弾力的にやってきているという事実があるし、また、私は、それが継続されるように強く要請をしてきた経過があるのです。二百七億円、補正で計上しているのですか。この算出根拠はどういうことでしょうか、また、それは数字としてはどう評価しておられますか。
〔丸茂副委員長退席、委員長着席〕

○山本商工振興部長 今回の国の補正予算の関係で、東京都の場合、二百七億が計上されております。この積算根拠でございますが、国の方から示された時点、要するに、平成十一年十一月末までの保証承諾実績を金額ベースで見ますと、ちょうど全国で二三%ということでございますので、一応、全国のシェアに合った形という形で計上されているものというふうに思われます。東京都といたしましては、この財源の確保については、信用保証協会の保証実績に見合った財源の確保ということで申しておりますので、それは確保できたのかなというふうに思っております。
 今、木内委員の方から、東京都信用保証協会の取り組みについてお話があったわけでございますが、一般的な各信用保証協会の保証の中で東京都が占めるシェアというのは大体十数%でございました。したがって、今回の国がつくりました安定化保証で二二ないし三%のシェアというのは、東京都信用保証協会が相当頑張った形で運用していることの一つのあらわれだと思いますし、それから、特に、制度発足当時、極めて貸し渋りがきつうございましたが、そのとき、信用保証協会の方は発足と同時にスタートできる体制を組むということで、きょうお示ししております利用実績の方も、平成十年の十月、十一月と、それぞれ月一兆円を超える保証承諾と。恐らく、そのときのシェアとしては、全国では東京が四割ぐらいのシェアという形で、制度スタートとともに、東京の中小企業の実情に合わせた形でこの貸し渋りにかなり対応してきたのではないかというふうに思っておる次第でございます。

○木内委員 山本部長、私、ちょっと知りたいのですが、発足当時の全国シェアに占める非常に高率の東京の扱いがある。その後の推移は、傾向としてどうですか。――いや、手元になければ結構です。山本さんは、いつも、いろいろ議論をするときには的確な答弁をしてくれると思っていますけれども、率直にいって、スタート段階での勢いというものは衰えていませんか。

○山本商工振興部長 安定化保証の実績の推移ということで、月ごとに見ますと、当初、スタートした十年の十月は、全国シェアで申しますと四一・九%、十一月は二三・八%、十二月は一七・四%という形で、その後、大体二〇%弱という形で推移してきております。当初高かったのは、東京の貸し渋りが当時、全国に比べて非常にきつかったということ、それと、東京の信用保証協会が制度発足とともにスタートできる体制を組んだということで、最初、スタートダッシュはよくて、ほかの協会の方がある意味では後で追いついてきたということではないかというふうに思っております。

○木内委員 これは答弁要りませんが、私の率直な印象は、さっき牧野理事長との話も申し上げたわけですが、相当エネルギッシュに、柔軟にということで四〇%になったと思うのです。
 その後、どうも私のところに相談に来る方の話を聞きますと、保証引き受けに対して、多少締めつけといいますか、厳しくなってきているような傾向も感じられるので、これはまた数字を精査して別の機会に議論をしたいと思いますが、申し上げたいのは、この安定化特別保証の果たしている、我が国経済、都県、それから東京の中小企業に対する効果は大変大きなものがありますので、推移を見ながら、また、国にも私ども党としても要請をしていきたいけれども、必要に応じて、さらに追加の補正で、時期を見て、この制度の延長等を進めてまいりたいと、こんなふうにも思っているところであります。
 さて、次の問題でありますけれども、緊急雇用対策。これは私、率直にいって、皆さんよくやられたと思うのですよ。一つは、この緊急雇用対策の事業そのものが急な話であったのですね、去年当時。それから、さっきいったように、直接の事業ができなくて委託をするということ、それが一過性であるということ、継続性がない。それで私、偉そうに申し上げるわけではないけれども、マックス・ウェーバーが政治家の資質として、先見性洞察力が一つ、それから責任ということ、情熱ということ、いろいろ挙げているのだけれども、よく質問のときに、これはだめだ、あれはだめだ、反対だという議論があるのだけれども、これは議会の議論としてはどうかなと思うことがあるのです。いろいろな提案をしていく、それを施策に反映させていく、行政と議会が両輪であるということはそういうことなのであって、いわゆる整合性のある施策を知恵を絞り出しながらつくり上げていくということが大事なのですが、私はいつもその視点からの質疑を行っているつもりでおりますけれども、今回の緊急雇用対策のときにも、じゃ、私が行政当局なら何をしたであろうか、何ができるであろうかと思うと、今申し上げたその規制の中でなかなか思い当たらなかったのです。だから、この委員会でも何点か主張を申し上げた、それが反映されて実施されているものはあるわけでありますけれども、そういう状況の中で、よくご苦労をされて、この百八十二億、都の単独事業といいますか、都の真水の分の九十一億について一応シナリオを書かれた。だから、いろいろ指摘される点はあるかもしれないけれども、あの短期間の中でにわかに起こったこの事業への展開というものは、本当によくなさったという面をまず一つは申し上げておきたいと思うのです。
 しかしながら、今後こういう事業があった場合に、では具体的に何が実施可能かということも平素から我々は温めておく必要があると同時に、今回の緊急雇用対策の実は要件が厳し過ぎることがあるので、この厳しさというものも緩和していく必要があるだろうと。だから、今後の施策の展開、国等において、こういう歯どめがかけられないようなことで私ども頑張っていきたいと、こういうふうに思うわけであります。
 重複しないように重ねて申し上げるわけでありますが、一つは、産業交流展。参加企業数と来訪者数については先ほど来答弁がありましたので避けますけれども、一ついえることは、去年に続いて、ことしが二度目。初回に比べて、来訪者数や参加企業数、活性化の面で非常に前進をしているということがいえると思う。私も行ってきました。皆さんがお帰りになった後、知事が出席して、局長も出て、技術大賞等の授与式等にも行きました。もう光輝いていましたよ、受賞される方は。あるいは、関係者の方が集まって、今度はおれがとろうというので非常に意欲をかき立てている。これも私は大事な事業だと思うのですけれども、さて、今年度予算にこれが予算として計上されていない、この穴をどうしていきますか。

○鎌形総務部長 木内先生もお話しのように、ことしは予算を計上していないわけでございますが、十一年度は、予算のない中で特別安定のこの新しい制度を使わせていただいてやったというのは、ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、当時、大変景気が悪い、雇用情勢が悪いという中で、少しでも労働経済局として、景気を回復させて、雇用の確保を図って中小企業の方々に役立ててもらたいという思いが非常に強うございまして、これは局長みずからが発案をして、産業交流展をこの制度を使ってやれと、こう下命を受けたわけでございます。
 その結果、先ほど来お話がございましたように、確かに、雇用創出効果という観点からは、数字からいきますと大きなものはございませんけれども、そこの関連で、先ほどお話ししましたように、まだ引き合い等があるわけでございまして、それから、新しい、あそこでやった技術大賞の結果がまたどういうふうにはね返って雇用に結びつくか、これまた、少し時間がかかるかもわかりませんけれども、そういった面ではかなり効果があった事業ではないのかなというふうにも考えております。そういった面で、その交付金事業を使って産業交流展をやったということは、まさに、地方公共団体の実情に応じて、創意工夫をしてこの事業を実施しろというのが労働省の事業の目的でございまして、雇用・就業機会を創出するという目的、それを十分に果たしたという意味では、交付金事業の趣旨にかなった事業であると私たちは理解をしております。
 さて、そういう意味では、景気、雇用が厳しいという中でこの事業を急遽立ち上げたということでございますので、十二年度につきましては、先ほどご質問をいただきましたように、参加企業の方々の声とか、経済波及効果などその成果を踏まえまして、今後の景気動向を考えながら、知恵を絞ってやってまいりたいというふうに考えております。今現在のところ、必ずやるということではございませんけれども、今申し上げましたような状況を十分判断をしまして、積極的に取り組む課題であろうというふうに考えております。

○木内委員 私は、産業交流展が二年続けて実施されてきている、三年目でなくなるというのはいかにも残念。私、寡聞にして、この予算の原案を見たときに、これが抜けているのに気がつかなかったのですよ。私、これがわかれば、復活要望か何かで入れて産業交流展は継続させたいと、後で後悔をしたようなわけなのですけれども。
 今、総務部長の答弁というのは、雇用に関してウエートが置かれていた。しかし、私は、この産業交流展の本質的な経済効果、波及効果というものを考えると、やはり今後は機会をとらえてやるべきだと、こういうふうに思いますね。これは強く申し上げておきます。答弁は結構です。これはだれが聞いても、そのとおりだという議論だと思いますから。
 さて、次に、中高年齢者のための仕事に使えるパソコン教室。もう既に議論は出ておりますが、私がここで問題にしたいのは、聞くところによると、平均が六十一歳、若い方が五十六歳で、最年長が六十六歳と。いずれも、これは申しわけないけれども、きのうも本会議で議論が出て、老年、老人というのはもういわないで、高年齢者と。高年齢者の、五十代を過ぎて、例えば経理の予備知識があるとかいったって、パソコンをマスターするというのは大変な努力ですよ、涙ぐましいことですよ。みずから就職をして、そして、その職場でもって頑張ろうという、人生二毛作のような決意で皆さん臨んでいるわけでしょう。三十人が二十日間ということですから、どの程度まで身につくかは別にして、私は、この事業というものは一過性に終わらせてはいけないと思うのです。大きな投網をかけて、この年齢の中高年齢者を全部ばあっと右から左へ雇用吸収をさせるというのは、実際、施策としては無理ですから、できるところからやっていく。まさに、そういう意欲のある人、あるいは、多少でもそういうエネルギーと、それから技術力とかノウハウを知った方については、もっともっと第一線の現場で働いていただくような措置を講ずることがあると思うのです。
 それで、今回の事業の参加者について、恐らく事業領域に入っていないでしょうけれども、これを卒業したりマスターした方等についても、ハローワーク等を通じてでも何でもいいです、具体的に就職あっせんが行われ得るような、そういう配慮もしたらどうでしょうか、そこで初めてこの緊急雇用対策というのが生きてくるような感じなのですが。ただ、この委員会の場でいきなり申し上げると、そうする、じゃ、後でどうなったと、こういうことでまた皆さん答弁をやるだろうけれども、どうします、答弁しますか。いや、どっちでもいいのだけれども、私の気持ちはわかりますね。――いいですか。するのなら、前向きにひとつお願いいたします。(笑声)

○坂本労政部長 今回の受講者のその後の結果ということでございますが、現在まだ実施中でございますので、まだ何とも結果についてお話しすることはできませんが、お話しのとおり、職業安定所等、必要に応じまして求人、求職に向けていきたいというふうに思っておりますが、実施をしております高齢者振興財団でも独自に関係ある団体にそういう情報を提供し、少しでも就職に結びつく努力をしていきたいというふうに考えております。
 なお、現在、始まったばかりでございますが、求職中の方という前提で今回受講をしていただいておりますので、受講中ではございますが、既に三名の方が現実に就職に結びついたということでございます。

○木内委員 いみじくも努力をされるということでありますので、部長、大変でしょうけれど、ぜひこれをフォローアップしてくださいよ。要するに、事業のための事業ではなくて、実質効果のある緊急雇用対策ということで実績を上げていくことが必要だと思います。
 さて、いろいろ用意しましたが、重複がありますので、最後、二〇〇〇年問題であります。これは、金額等について、あるいは二月末現在の実績ですね、中小企業に対するコンピューター二〇〇〇年問題への支援ということでやってこられた、今回の緊急雇用対策の中でこの支援事業というものが盛り込まれているわけで、その実績等について、簡単にまず説明してください。

○中澤商工計画部長 二〇〇〇年問題でございますけれども、この支援内容は、中小企業からの二〇〇〇年問題に関しての相談等についてやるということで、相談指導あるいはその巡回指導というのをやってきてございます。実績は、二月末現在で、相談指導が六件、巡回指導が十二件の合計十八件でございますが、これは年末年始の対応を中心にしてまいりましたので、幸いなことに、こうした少ない件数であったということでございます。
 主な相談内容は、発生が予想される事態と対応策について、あるいは、公的融資などの支援策の利用について、日付、誤表示の緊急対策等についての内容でございました。

○木内委員 後でまた、Y2Kではなくて、総括的に局長から答弁いただきますけれども。
 Y2K関連の危険日というのは残っているわけです。四百年に一遍のうるう年、二月二十九日、それから九月九日ですか、あるいは、コンピューターが誤作動を起こす可能性のある十日以上の日が挙げられているわけでありますけれども、これは木谷さんの方が専門になってしまうのですか、そうでもないですか。ただエキスパートということですよね、担当は商工計画部長でしょうけれども。実は、忘れたころにやってくるのが災害だといわれているわけで、今はもう年末年始を越年したから問題は既にないのだという認識はちょっと危険なので、意識として、やはり中小企業対応を中心として、労経局としてもY2Kの引き続き想定される危険日への対応、これも必要だと思いますので、ちょっと認識を計画部長からおっしゃってください。

○中澤商工計画部長 これから予想される西暦二〇〇〇年問題の危険日でございますけれども、会計年度の開始日の四月一日でありますとか、あるいは、会計年度の下期開始の十月一日などがいわれております。このため、引き続きこの問題に対する普及啓蒙に努めるとともに、中小企業振興公社や産業技術研究所、商工指導所等の各相談窓口におきまして、中小企業からの相談に対応していくということにしてございます。

○木内委員 以上で私の質問は終了させていただきますが、最後に、局長からいろいろまた答弁を願いたい。いつも私は、局長の答弁の中で非常に示唆に富んだ内容があるので耳をそばだてて聞いているわけでありますけれども、先ほども、なるほどそうかと思ったのは、中小企業の二極化が局長から指摘されました、そうなのだと。確かに、特定の技術、あるいはそのアウトスタンディングなノウハウというものを持っている中小企業と、そうではない、いわば一般のといいますか、ごくごく一般的な中小企業のすみ分けというものを、したがって、施策というものもきめ細かな対応が必要なのだということを、話を聞きまして実感したわけです。きょうの補正の議論というのも、実はゴールではなくスタートであるわけでありまして、都政における労働経済局の役割というのは、きょうのこれまでの議論にもあったように大変重要でありますし、きょうの議論を聞かれて、率直な局長のご決意、抱負を聞ければと思います。

○大関労働経済局長 私たちがよく民間企業を回って歩きますと、今景気はどうなっているのですかと、こう聞かれるわけでございます。これは、いろいろな見方があると思います。いいところもあれば、悪いところもあるわけです。一律に、今よくなっていますよとか、一進一退ですよということはなかなかいいにくい、そういう状況が今までにない景気の特徴かなというふうに思います。恐らく、これからどれだけ景気が回復したといたしましても、全体がよくなるということはあり得ないというふうに思っております。私の考え方からいたしますと、これからますます少子高齢化という時代になりますと、経済というものを量的に考えるならば縮小傾向に入ると、こう考えておりますので、昔のような大量生産、大量消費型の経済、あるいはそういう政策、これは恐らく行き詰まってしまうのではないだろうかというふうに思っています。
 そういう点で、先ほど申し上げましたように、中小企業だから全部弱いのだと、だから同じように施策をとらなければだめなのだという、そういうことでは効果の上がる施策はとれないというふうに思っておりまして、そういう中で、元気のいいといいますか、小回りのきく、三人ぐらいでも何億円という利益を上げているところはたくさんございます。そういうところはそういうところなりの支援策というのが必要でございましょうし、そういう中で、普通の技術しか持たない、そういうところはどうするのだということ。
 それから、これから幾ら資金を融資しても単なる延命だけなのかという部分、これはやはり早く業種転換をしていくということをしませんと、借金だけ抱え込んで、例えば三千万であったらそれこそ敗者復活ができるのですが、これが一億、二億になると敗者復活もできないという状況ですから、これは早く、お互いが意識改革といいますか、そういう状況をお互い共通の問題認識を持って、その中で政策をする側、それから、その中で同じように、受ける側といいますか、一緒に手を携えてやっていくパートナーの役割という部分で、同じ問題認識の中で進んでいく必要があるだろうと、このように考えております。そういう点で、同じ予算を使うにしても、そういう効果的なものをこれから厳選してやっていく、そんなことを考えておりますので、よろしくご支援のほどお願いいたします。

○樺山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○樺山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 労働経済局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十分散会

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