弔詞起草特別委員会速記録第一号

平成十二年六月二十八日(水曜日)
 午後一時十三分開議
 出席委員 二十三名
委員長奥山 則男君
副委員長中山 秀雄君
副委員長田中 晃三君
副委員長木村 陽治君
理事大西由紀子君
理事山崎  泰君
理事土持 正豊君
理事川島 忠一君
理事河合秀二郎君
理事渡辺 康信君
木内 良明君
森田 安孝君
和田 宗春君
古館 和憲君
大西 英男君
村松みえ子君
植木こうじ君
松本 文明君
藤沢 志光君
矢部  一君
内田  茂君
三田 敏哉君
田中  良君

 欠席委員 なし

本日の会議に付した事件
 委員長の互選
 副委員長の互選
 理事の互選
 議席の決定
 皇太后陛下に奉呈すべき弔詞の起草について

○渋谷議長 ただいまから弔詞起草特別委員会を開会いたします。
 初めに、正副委員長など役員互選を行っていただきます。
 委員会条例第八条第二項の規定により、年長委員が委員長互選の職務を行うことになっております。
 田中晃三委員が年長委員でありますので、田中晃三委員に委員長互選の職務をお願いいたします。

○田中座長 年長のゆえをもちまして、暫時座長を務めさせていただきます。
 ただいまから委員会条例第七条の規定により委員長の互選を行います。
 その方法についてお諮りいたします。

○山崎委員 座長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○田中座長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中座長 異議なしと認めます。よって、委員長に奥山則男委員をご指名申し上げます。ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中座長 異議なしと認めます。よって、委員長には奥山則男委員が当選されました。
 委員長よりごあいさつがあります。
   〔田中座長退席、奥山委員長着席〕

○奥山委員長 ただいま皆様のご推挽をいただきまして、皇太后陛下の崩御に対しましての奉悼文を作成する委員会の委員長という大任を仰せつかりました。
 思いもよらざる事態、希有の際でありまして、いずれにしても、歴史に残る委員会の委員長を仰せつかりましたことに感激すると同時に、委員の皆様の深いご協力をいただきまして、この大役を無事果たしてまいりたいと存じます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○奥山委員長 引き続いて副委員長の互選を行います。
 副委員長の数及び互選の方法はいかがいたしましょうか。

○山崎委員 副委員長の数は三名とし、委員長から指名していただきたいと思います。

○奥山委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○奥山委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には田中晃三委員、木村陽治委員、中山秀雄委員をご指名申し上げます。ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○奥山委員長 異議なしと認めます。副委員長には以上の方々が当選されました。

○奥山委員長 引き続いて理事の互選を行います。
 理事の数及び互選の方法はいかがいたしましょうか。

○山崎委員 理事の数は六名とし、委員長から指名していただきたいと思います。

○奥山委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○奥山委員長 異議なしと認めます。よって、理事には川島忠一委員、渡辺康信委員、土持正豊委員、河合秀二郎委員、山崎泰委員、大西由紀子委員をご指名申し上げます。ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○奥山委員長 異議なしと認めます。よって、理事には以上の方々が当選されました。

○奥山委員長 次に、議席についてお諮りいたします。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしたいと思います。いかがでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○奥山委員長 ご異議なしと認めます。よって、議席はさよう決定いたしました。

○奥山委員長 それでは、皇太后陛下に奉呈すべき弔詞の案文についてご検討願います。
 本件につきましては、ただいまから委員長私案をお手元にお配りいたします。
   〔案文配布〕

○奥山委員長 お手元に案文が配布されましたか。よろしゅうございますか。ーーお手元に案文が配布されたようでありますので、議事部長をして朗読いたさせます。
   〔會田議事部長朗読〕
奉悼文(案)
皇太后陛下におかせられましては
にわかに崩御あらせられました
このたびの悲報に接し 都民は斉しく
大きな悲しみにつつまれております
陛下のご慈愛ご仁徳に見守られ
東京は世界中から信頼され
親しまれる世界有数の大都市として
今日の繁栄を築いてまいりました
国民の幸福を願って 日夜思いをいたされ
ご労苦を重ねてこられた
陛下の御心に深く感謝し
ここに都民の至誠をこめ
東京都議会の議決をもって
恭しく哀悼の意を捧げます
 平成十二年六月二十八日
東京都議会議長 渋谷守生

○奥山委員長 朗読は終わりました。
 本件についてご意見がございましたら、発言を願います。

○木村委員 この際、私は、日本共産党都議団を代表して発言をさせてもらいます。
 皇太后の死去に対して、都議会として弔詞を贈るということについての我が党の基本的な立場について、まず申し上げたい。
 今日、天皇と皇室は、象徴天皇制として、憲法に根拠を持つ国家機関であって、その慶弔についての議会の意思表示は、社会的には儀礼に属することであって、反対はいたしません。我が党は、根本的には、人類の歴史の展望として、一つの家族が象徴としてであれ、一つの民族を未来永劫代表するということはあり得ないと考えております。いずれ国民の総意によって、そうした制度が変わるというときが必ず来ると考えてはいます。
 しかし、現憲法については、天皇条項も含めて、すべての条項を無条件に守るというのが我が党の立場であって、したがって、皇太后についての弔意の表明は、儀礼の範囲として賛成するということであります。
 昭和天皇が死去したときの決議には反対をしたということがありますが、これは、昭和天皇その人が戦争責任を問われる存在であったということと、当時、昭和天皇の死去そのものが大がかりな政治的問題として、政治利用されていたという事情があって反対したということがあるわけであります。
 しかし、皇太后の場合は、その政治的、歴史的な存在としての立場は昭和天皇とは明らかに違うのであって、その死去に対する哀悼の意を表することについては、儀礼の範囲として、その趣旨に賛成するというものであります。
 次に、提案されましたこの奉悼文の文案について意見を申し上げたい。
 奉悼文の内容についてでありますけれども、今も、何か難しくて読めないという話が出ましたけれども、案文については、必要以上にへりくだった言葉を使うべきではないというふうに思いますし、また、仮名を振らなきゃ読めないというような特殊な言葉遣いは、この際改めるべきだと。現代の都民が、ごく普通に理解できる平明な表現にすべきだというふうに私どもは考えます。
 もう一点は、奉悼文の中に、陛下のご慈愛ご仁徳に見守られ、東京は世界有数の都市として今日の繁栄を築いてきた云々という文章があります。奉悼文は、あくまで象徴天皇における皇太后への弔意という範囲にとどめるべきで、この点で、今私がいった箇所については、あたかも皇太后が、世界都市づくりという政治、国事に参画をして、そのことを評価しているような表現になっている。
 今日、東京は、都市として光の部分とあわせて影の部分も持っていることは事実であって、その都市の影の部分で苦しんでいる都民ーー具体的ないろんな問題が想定されますけれども、その影の部分で苦しんでいる都民から見れば、その苦しみの形成に皇太后が参画をしているということになり、それをまた評価するという矛盾をつくるわけなんですね。(発言する者あり)これは、儀礼としての弔意という表現の範囲を、私はこの文章は超えている、政治的な踏み込みがあるというふうに考え、奉悼文としてはふさわしくないんじゃないか、皇太后の果たした政治的役割を評価するかのごとき文章は避けるべきではないか、この点については、意見としてはっきり申し上げておきたいんです。
 以上です。

○奥山委員長 発言は終わりました。
 ほかに発言がなければーー誠心誠意、委員長としての私案を真心を込めて出させていただいたつもりであります。発言がなければ、特に今回は敬意を表するため、起立により採決させていただきたいと存じます。
 本件は、委員長私案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔総員起立〕

○奥山委員長 起立全員であります。よって、本件は、委員長私案のとおり決定いたしました。

○奥山委員長 次に、本会議における委員長の口頭報告の文案につきましては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○奥山委員長 それでは、さように決めさせていただきます。
 以上をもちまして弔詞起草特別委員会を閉会いたします。
   午後一時二十七分散会

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