新型コロナウイルス感染症対策補正予算等審査特別委員会速記録第二号

令和二年四月二十一日(火曜日)
第十五委員会室
午後一時開議
出席委員 十八名
委員長伊藤 ゆう君
副委員長まつば多美子君
副委員長清水 孝治君
副委員長小山くにひこ君
理事川松真一朗君
理事高倉 良生君
理事木村 基成君
斉藤れいな君
小松 大祐君
藤田りょうこ君
山口  拓君
入江のぶこ君
里吉 ゆみ君
東村 邦浩君
山田ひろし君
荒木ちはる君
増子ひろき君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
知事小池百合子君
副知事長谷川 明君
副知事多羅尾光睦君
副知事梶原  洋君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
政策企画局長山手  斉君
戦略政策情報推進本部長寺崎 久明君
総務局長遠藤 雅彦君
財務局長武市  敬君
生活文化局長浜 佳葉子君
福祉保健局長内藤  淳君
病院経営本部長堤  雅史君
産業労働局長村松 明典君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(質疑・決定)
・第百九号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第四号)
・第百十号議案 令和二年度東京都病院会計補正予算(第二号)
・第百十一号議案 東京都における新型コロナウイルス感染症のまん延の影響を受けた者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する条例
・第百十二号議案 東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和元年度東京都一般会計補正予算(第四号)の報告及び承認について
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の報告及び承認について

○伊藤委員長 ただいまから令和二年度新型コロナウイルス感染症対策補正予算等審査特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員外議員の発言の申し出について申し上げます。
 上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、本日の委員会に出席して発言したい旨の申し出がありました。
 本件については、理事会において協議の結果、必要なしとの結論になりました。
 お諮りいたします。
 本件について、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百九号議案から第百十二号議案まで及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和元年度東京都一般会計補正予算(第四号)の報告及び承認について外専決二件を一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領などに従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審議が行われますよう、ご協力をお願いいたします。
 なお、持ち時間につきましては、電光表示盤に残り時間を表示いたします。さらに、振鈴で五分前に一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。
 この際、委員の皆様に申し上げます。
 質疑に際しましては、持ち時間の範囲内で答弁まで行えるようご協力をお願いいたします。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、委員の質疑時間も限られておりますので、短時間で明快に答弁されるようお願いいたします。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 荒木ちはる委員の発言を許します。

○荒木委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、小池知事、そして教育長並びに関係局長に質問させていただきます。
 質問に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられました方々に心から哀悼の意を表します。また、現在、闘病で頑張っておられる皆様には、一日も早いご回復を心からお祈り申し上げます。
 そして、医療現場で奮闘されておられます医療従事者の皆様、そして私たちの日常を、しっかりと基盤を支えていただいておりますエッセンシャルワーカーの皆様、そして知事がお願いをされておられます休業等の要請、そして外出自粛の要請に関しまして協力をいただいております都民の皆様、そして事業者の皆様に改めて感謝を申し上げたいと思います。この皆様の協力なくしては、この国難は乗り越えることができません。この場をおかりいたしまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 緊急事態宣言から二週間がたちます。この一月余り、都民にとって大変厳しく、つらい苦しい日々が続いています。小池知事が超人的な活動をされておられることは心強く思っておりますが、新型コロナウイルス対策はこれからが正念場であります。
 知事も民意により選ばれた都知事でございますが、私たち議員も都民により民意で選ばれた都議会議員であります。都民の代表であります。毎日のように、私たちのもとには都民の命や健康、そして暮らしや雇用にかかわる大変悲痛な叫びや声が届いています。この都民の負託にしっかりと応えるべく、小池知事並びに教育長、そして関係局長に質問をさせていただきたいと思います。
 私たちは、新型コロナウイルス感染拡大の兆しが見えた二月中旬から、都に対しまして約十四回にわたりまして要望を重ねてまいりました。小池知事ご自身も要望書を幾度も受け取っていただきました。都内の感染者数は三千人を超え、引き続き高い水準にあります。東京都は現在、緊急事態宣言下にあります。
 まず、今回提出されました補正予算の基本的な考え方について、知事の予算案に込められた強い思いもあわせて伺いたいと思います。

○小池知事 お答えいたします。
 今ご質問にもありましたように、東京都内におきましては、きのうまでのところ、感染が判明された方は三千人を超えておられます。それぞれご家族があり、そしてまた、いろいろお仕事がある中で感染が判明をし、いろいろ心理的にもご不安な方が多いと存じます。
 中でも七十七名の死亡が確認をされております。中には私の知人もおります。そしてきのう、都外ではありますけれども、長年お世話になってきた方が、やはりコロナに感染して、そして最終的にお亡くなりになったという訃報を受け取ったばかりでございます。
 この新型コロナウイルスの感染爆発重大局面でございますが、傾向を見ておりましても、いまだにその重大局面については続いている、そして都民の命、健康、経済活動などへの影響はもとより、先行きが見通せないということ、これが心理的な不安になって、そのことが都民の皆様方にもさらに不安を増大させているのではないか、こう思います。東京、そして日本全体に深刻な影響も広がっているところであります。
 今まさに国難の真っただ中に私たちはいるんだ、そしてこの危機的状況において、感染の拡大を阻止しなければならない。阻止するとともに、皆様方のさまざまな不安を払拭するためには、都が今なすべきあらゆる手だてを今こそスピード感を持って総動員しなければならないと考えております。
 こうした考えのもとで、直面する目下の課題でございます、そこに集中的に取り組んでいく対策にまず焦点を絞っていきたい。それは、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策、そして経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化、さらに社会構造の変革を促して、直面する危機を乗り越える取り組み、この三つを柱に据えまして、総額約八千億円の緊急対策として取りまとめるとともに、六月までに着手すべき事項について、このたびの予算を措置することといたした次第であります。
 今回の補正予算案でございますが、自粛にご協力いただける都内の中小事業者に対しまして、感染拡大防止協力金を創設いたしました。そして、無症状や軽症の患者さんを受け入れるホテルなどの確保に充ててまいります。そして、中小企業制度融資の増額、感染拡大の防止、セーフティーネットの強化に資する取り組み、これらをこの予算に盛り込んだところでございます。
 また、こうした一つ一つの施策につきましては、ほぼ毎日、私自身がライブ配信をしたり、またホームページなどを通じまして、内容、そしてその問い合わせ先などの情報を一元的に、かつわかりやすく発信いたしております。
 要は、伝わる広報でなければなりません。この伝わる広報を展開することで、都民や事業者の皆様が都の支援を速やかにご活用いただき、そして、それを生かしていただく。そのようなさまざまな工夫を行っているところでございます。
 私たちの使命、それは都民の命を守ることが第一であります。そして、都内経済への影響を最小限に抑える工夫も必要であります。今回の補正予算案は、具体化したこの施策を迅速かつ確実に実行することによって、都民の命を守る、都内経済への影響を最小限に抑える、この二つの命題にしっかり応えていきたいと考えております。

○荒木委員 ありがとうございます。私たち都議会議員もそうですが、知事にも都民の命や健康を守る大きな責任があります。国により正式に緊急事態宣言がなされない状況下にあっては、知事ご自身が二月中旬に不要不急の外出自粛要請を出されました。
 そして、三月二十五日には、先ほどもありましたが、感染爆発重大局面と、東京都がまさにその危機的状況下にあることを都民に対し警鐘を鳴らし、そして宣言をなされました。
 四月五日には、現在の自粛が続けば終息できると、残念ながら大臣の楽観視した発言もございましたが、ようやく今月七日に緊急事態宣言が発出をされました。
 世論調査によれば、遅きに失したという評価が約八割にも及んでいます。緊急事態宣言の発出が一週間遅かったのではないかとの指摘もございますが、知事の見解を伺わせていただきます。

○小池知事 国は四月七日、現在の状況が国民の生命などに著しく重大な被害を与えるおそれがある、そしてまた、急速な蔓延で国民生活などに甚大な影響を及ぼす、そのおそれがある事態が発生したということから、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいての緊急事態宣言を行ったわけであります。
 都は、国の緊急事態宣言を待たずに、東京都におけます感染拡大の状況に対応するため、スピード感を持って都民や事業者に対しましての不要不急の外出自粛、イベントの中止などを要請してまいったところでございます。

○荒木委員 ありがとうございます。ご答弁のとおり、知事は緊急事態宣言の前に、さまざまな都としての施策を講じられていたと、このように理解をしています。
 東京都は、国の緊急事態宣言の前から対応を進めていたことは私も理解をしております。緊急事態宣言後に各都道府県知事が講ずることとなる都の緊急事態措置の検討の準備もこの一つだと思います。
 この措置のガイドラインとなるのが、国が定める基本的対処方針であります。知事は、この基本的対処方針に基づき、国による発令の前から都の措置内容について検討しており、その記者会見を四月六日に行いました。
 しかし、その次の日である四月七日になって、政府は東京都がその準備の前提としていました対処方針の内容を根底から覆すような大改定を行っています。
 (パネルを示す)こちらの右側が宣言前の三月二十八日に出されている基本的対処方針であり、そして知事が記者会見をしたのが、この間の四月六日、そしてこの一番左が四月七日の変更でございます。
 見ていただいたらわかりますように、この改定により、最初は、都道府県は的確に打ち出すと、都道府県に権限を与えていますが、この改正によって、国との協議、そして専門家の意見も聞きつつ、そして効果を見きわめた上でと、このような要件を求められることになりました。
 知事も社長から中間管理職になったようだと表現されていましたが、東京都はこの時点で、もはや明らかに様子を見る、見きわめるような状態ではなかったと私は理解をしています。
 この改定によって、調整にさらに時間を要したことになりますが、この間に何があったのか、知事の言葉で説明をしていただきたいと思います。

○小池知事 都は、都内におけます厳しい感染状況を踏まえまして、国が緊急事態宣言を発出した場合に都が実施すべき緊急事態措置などの検討をあらかじめ行っておりました。そしてまた、国にも実務担当者により説明も重ねていたところでございます。
 こうした中で、国は四月七日、緊急事態宣言と同時に基本的対処方針を改正されまして、都道府県が要請を行うことのできる施設について、新たな基準を示してこられたわけであります。
 また、施設の使用制限などにつきましては、外出自粛の要請の効果を見きわめた上で実施すべきとの見解を明らかにしたものであります。
 このため、私自身、西村担当大臣に直接都の逼迫した状況をご説明に参らせていただきました。そして、都の緊急事態措置などについて、国と再度の調整を重ねまして、四月九日夜、国との間で具体的な内容について協議が調ったというのがこれまでの経緯でございます。

○荒木委員 国との協議に当たり、これ以上時間をかけられないと、このような逼迫した東京都の状況であった、そして、知事の強い思いがあったと推察をいたします。国との協議が調った点に関しましては、知事の苦渋の決断だったと思いますし、西村大臣とも危機感が共有できた、このことが大きかったと思います。
 この国との調整の中で行われた対象施設について伺います。
 居酒屋などの飲食店を時短営業にしたことに関する知事の見解を伺いたいと思います。

○小池知事 先ほどもご説明いたしましたが、国が七日に改正した基本的対処方針でございますが、居酒屋を含む飲食店などは営業を継続する施設と明記されたため、これと全く異なる措置をとることが法的に難しくなったということでございます。
 しかし、一方で、いわゆる夜のまちが感染拡大の多発を招いている、そのことから、感染拡大を実質的に防止するために、居酒屋を含みます飲食店は営業時間と酒類提供時間の短縮を要請することといたしました。

○荒木委員 先ほども申し上げましたけれども、知事には、これ以上時間をかけられないと、このような思いがあったと思います。しかし、知事には東京都の現状を国にもこれからもしっかりと伝えていただき、そして国との連携をしっかりとりながら感染拡大防止に向けて尽力をしていただきたいと、このように思います。
 次に、感染拡大防止について伺います。
 私たちは、繰り返し医療機関、学童保育、保育園、幼稚園など児童生徒を預かる施設、そして介護、訪問介護を初め、高齢者施設、ごみの収集業、そして物流、公共交通機関、スーパーなど、私たちの都民生活の基盤を支える業務に携わる方々、いわゆるキーワーカー、エッセンシャルワーカーの方々への支援の強化を求めてまいりました。
 エッセンシャルワーカーの中でも、とりわけ医療従事者に対する支援は、都民の命と健康を守る意味で極めて重要です。大変厳しい状況の中で、医療の現場の最前線で命を預かる医療従事者に対する手当の増額や宿泊場所の提供の支援など、医療従事者に対する支援をさらに強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大に伴って、都内の医療提供体制は逼迫しつつあるわけでございます。
 都といたしまして、新型コロナ外来の診療体制の強化、それからあいたベッド、空床確保の支援によります患者受け入れ体制の拡充など、医療提供体制の強化を図っておりますが、こうした体制を有効に機能させるためにも、診療に携わる医療従事者の確保は不可欠でございます。
 都は、現場の最前線で患者さんの命を守っていただいている医療従事者の皆様方の負担を少しでも軽減するために、特殊勤務手当の支給、そして一時的な休憩や医療従事者の宿泊などに利用できますホテルの借り上げなどを行います医療機関を支援することといたしました。
 こうした取り組みによって、見えない感染症との闘いに向き合っていく医療従事者を手厚く支援していく、都としても全力で医療現場を守っていきたい、このように考えております。

○荒木委員 東京都のこれまでの取り組みは評価いたしますが、院内感染が拡大するなど、一層厳しい状況にさらされており、医療従事者に対するさらなる支援を求めておきます。
 また、医療従事者を初め、エッセンシャルワーカーに対する感染防止資材の優先配備について伺います。
 優先配備は極めて重要であり、しかし、マスクを初めとする感染防止資材そのものの絶対数が不足しており、生産能力を増強するための支援策が必要だと考えます。
 エッセンシャルワーカーを含む都民に対し、マスク、フェースシールドなどの感染防止資材の供給を可能とするために、都内企業に対する増産の支援が必要だと考えますが、東京都の見解を伺います。

○村松産業労働局長 新型コロナウイルス感染症の影響により供給が追いつかず、市場に出回りにくい感染症対策製品を増産する中小企業を後押しするため、設備投資の支援を開始いたします。
 具体的には、マスクや消毒用アルコール等に加えて、これら製品に必要な包装材、プラスチック容器等の生産設備に対する導入経費の五分の四を、一億円を上限として助成してまいります。また、速やかな設備導入につなげるため、随時の申請を受け付けるなど、迅速に手続を進めていくこととしております。
 こうした取り組みによりまして、感染拡大防止に向け、市場の需要に応えようとする意欲ある中小企業の事業展開を支援し、感染症対策製品の供給体制の強化を図ってまいります。

○荒木委員 局長、ぜひとも支援をお願いいたします。
 次に、新型コロナウイルス感染症に罹患したと思われる場合のフローのパネルを用意させていただきました。
 都内の医療機関には、コロナではないかと疑いのある患者が直接来院し、それが起因となって、医療機関における感染が拡大する事態が、院内感染が生じています。そのことを防止し医療崩壊を防ぐ必要があり、病院を起点とした感染を防ぐ取り組みが必要だと考えます。
 病院に行かずに診療を受けられるオンライン診療やコロナ専門の外来などの診療体制を強化することにより、医療機関における感染拡大を防止すべきと考えますが、福祉保健局長の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、外来診療を行う地域の医療機関での感染を防止するためには、かかりつけ医等によるオンラインでの相談、診察は有効と考えており、都は、そのための環境整備を行う医療機関を支援することといたしました。
 また、新型コロナ外来を設置している医療機関等に対しましては、感染が疑われる患者をより確実に受け入れ、診察やPCR検査を行う体制を整えられるよう、受け入れ体制拡充に必要な医療従事者の配置に対する支援を行います。
 さらに、入院患者を受け入れる医療機関に対しましては、病床確保のための空床確保料の補助を行います。
 引き続き、医療機関の対応力強化に向けた支援を行い、患者の命を守る医療機関の取り組みを全力で支えてまいります。

○荒木委員 特にオンライン診療については、感染リスクを大幅に軽減するものであり、積極的に東京都として進めていただきたいと思います。
 東京都はこれまでも、民間とも連携しながら感染検査件数の強化を進めてきました。しかし、特に感染源不明の感染者が増加し、クラスター追跡が困難となっている現状においては、これまで以上に検査の網を広げることが重要な検討課題の一つとなっています。
 地域の医師会との連携による検査体制のさらなる強化、医療従事者に対する検査における優先的な取り扱い、ドライブスルー方式、抗体検査などを含め、厚生労働省との連携も必要となりますが、現場の実情に即した迅速な対応を進めるべきです。
 PCR検査を受け控えさせているのではないかと、このような都民の不安、疑念を払拭するために、これまでの検査のあり方の検証と検査の方針の透明化、そして検査体制の一層の強化が必要と考えますが、福祉保健局長の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 検査対象者につきましては、医師が総合的に判断した結果感染が疑われる者など、国から要件が示されております。
 保健所及び医療機関でこの要件に即して検査が行われるよう、都は通知や説明会等で繰り返し周知をしており、昨日までに都内では約二万件のPCR検査を実施しております。
 今月十五日には、国から、PCR検査を集中的に実施する地域外来・検査センターの設置など、新たな検査体制やその運営方法等について示されているところでございます。
 都といたしましても、各地域の意向や取り組みを把握するとともに、地域外来・検査センターの設置に向け、医師会等と協議を進めるなど、地域の実情に応じて必要な検査を適切に実施するための体制整備を財政支援などにより進めてまいります。

○荒木委員 今ご答弁いただきましたPCR検査や現場での対応を行っているのが保健所であります。この保健所の体制が今、大変逼迫しておりまして、保健所の体制強化は極めて重要な課題になっています。これまでも都は、人員体制の強化に努めてきましたが、さらなる体制の強化が必要です。
 また、感染源、濃厚接触者を明らかにするためには感染者の協力が必要となりますが、現場では、自分のプライバシーや、知人、そしてお店に迷惑がかかる等の理由で、その協力を得られないという事例があるとも聞いています。民間と連携をし、データを活用した行動履歴や濃厚接触者の特定も検討すべきであります。
 保健所の人員体制の強化やデジタル化等による業務の合理化を進めるとともに、感染者が保健所の調査に協力するための仕組みも検討し、保健所の調査体制を一層強化するべきと考えますが、東京都の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 都はこれまで、感染症マニュアルや様式類の作成、患者調査や指導を支援するためのアプリ開発などによりまして、保健所が行う調査や指導の効率化を図ってまいりました。
 また、今般の新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、多様な業務に奔走し、多忙をきわめる保健所の業務支援のため、都保健所だけでなく、特別区や保健所設置市に職員を派遣しており、四月二十日現在、四十五名の職員が業務のサポートに当たっているところでございます。
 なお、ご質問にある保健所が行う調査への患者や感染者の協力につきましては、感染症法上、罰則が適用されるものではございませんが、調査の対象者には協力を行うことについての努力義務が定められております。
 都といたしましては、感染拡大防止のために必要な調査であるとの趣旨について、広く理解を求めてまいります。

○荒木委員 ありがとうございます。
 都内三十一カ所の保健所のうち、多摩五カ所と島しょ一カ所が都の設置する保健所であります。八王子市、そして町田市の二市や特別区二十三区が設置主体となっている保健所に対しても派遣、応援をしていただいているとのこと、福祉保健局を初め、東京都の職員の皆さんのサポートを、大変な中だとは思いますが、重ねてよろしくお願い申し上げます。
 次に、受け入れ医療機関について伺います。
 病床の提供で陽性患者の受け入れを行う病院に対しては、各種感染防止資材の配備や財政的支援を実施すべきと考えますが、福祉保健局長の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大による患者数の増加に対応するためには、医療機関における感染防止を徹底しながら、医療提供体制の強化を図ることが必要でございます。
 都は、入院治療を必要とする患者が適切な医療を受けられるとともに、院内感染防止の観点から、医療機関に病棟やフロア管理での病床確保を促しており、空床確保料を補助するとともに、治療に携わる医療従事者に対しまして、日額三千円の特殊勤務手当の支給などを通じて支援してまいります。
 また、患者を受け入れている医療機関に対しましては、医療従事者の安全を確保するため、定期的に必要数を調査した上で防護服を提供しており、こうした取り組みにより、患者を受け入れる医療機関を支援してまいります。

○荒木委員 民間病院に対しては財政的支援がなされることになりますが、一方で同じ状況であります、都立であります公立病院にも同じことがいえます。
 このような現在の状況を踏まえ、都立病院の職員も含め、感染症の治療など、リスクが高い業務に従事する都の職員の手当を速やかに改善すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症が急速に感染拡大をして、国難ともいうべき事態に直面する。先ほど申し上げたとおりでございます。そこで医師、看護師さんなど医療従事者の懸命な努力で多くの人々の命が救われている。改めて感謝を申し上げたいと存じます。
 そして、医療現場におきましては、予防対策を徹底しております一方で、感染症の治療、看護、検査の業務など、患者さんと直接接する機会が多くて、感染の危険性が高い状況にあります。
 新型コロナウイルスに関連する業務に携わる民間の医療従事者に対しましては、日額三千円の特殊勤務手当の支給を支援するため、既に補正予算を編成いたしております。
 ご指摘がございましたように、都の医療従事者等につきましても状況は同じでございます。そこで、民間の医療従事者と同様、特殊勤務手当の特例措置を実施してまいります。
 特例措置ですが、感染症への対応を開始した日に遡及して適用する、そして所要の条例の改正については、第二回の都議会定例会に提出する予定でございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 そして、現場の最前線で感染症対策に当たっている職員の皆さん、この職員の皆さんとともに難局を早期に乗り越えていくためにも、都庁の総力を挙げて取り組んでまいります。

○荒木委員 知事、ありがとうございます。条例改正が必要となりますが、その場合に遡及して手当が適用されるとのこと。当たり前のことでありますが、感染症のリスクは民間病院、公立病院、どちらで働くのも同じであり、差異が出ることのないように対応をよろしくお願いいたします。
 都がこれまでに進めてきた四千床を目標とした患者受け入れ体制の拡大、民間ホテル等と連携した軽症者受け入れ体制強化は極めて重要です。軽症者に移動いただくホテル等の確保について、多摩地域も含め、さらに進める必要があります。
 軽症者に向け、ホテルの確保について、知事の見解を伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の感染が急速に拡大する中で、いわゆる医療崩壊を回避するために、積極的な医療提供体制の増強は急務でございます。
 都は、目標の病床数を、今ご指摘がありましたように四千床に設定いたしておりまして、重症度に応じた病床の確保を段階的に進めているところであります。
 病床の確保に当たりましては、入院治療を必要とする患者さんを確実に受け入れられますように、感染症指定医療機関、そして都立、公社病院を中心といたしまして、高度医療を担う大学病院等、そして公立、公的医療機関、民間医療機関に働きかけているところでございます。
 一方、患者数の大幅な増加を踏まえまして、ウイルス検査の陽性者の方々のうち、無症状または軽症の患者さんを宿泊施設で受け入れて、療養及び健康観察を行う取り組みを開始いたしております。
 本件につきましては、先ほども西村大臣、加藤大臣と直接連絡をとりまして、宿泊施設へ、宿泊療養についての軸足について確認をさせていただいたところでございます。
 都民の命と健康、そしてそれを支える医療の現場を守らなくてはなりません。今後、入院医療機関の医療関係者を初め、地域の医療関係の方々、保健所などともしっかり連携をしまして、都の医療提供体制の確保を図ってまいります。

○荒木委員 重症患者、軽症患者の受け入れ体制の強化に加えて、自覚症状がない方に関しては、要件を満たす場合、自宅療養をお願いするケースもございます。
 この自宅療養の場合に、陽性者が安心して生活をすることができるガイドラインをつくるべきであり、またその支援もするべきでありますが、都の見解を伺います。福祉保健局長にお願いします。

○内藤福祉保健局長 都は、日常生活上の指導や健康状態の把握、急変時の対応など、自宅療養を行うために必要な支援を的確に行えるよう、マニュアルを作成し、健康観察を行う保健所等に提供しているところでございます。
 このマニュアルには、自宅療養を行う方向けに、ごみの取り扱いや居室の消毒方法など、自宅療養の注意点等をまとめたリーフレットのひな形を盛り込んでおり、保健所の担当者等が療養中の過ごし方などをわかりやすく適切に説明できるようにしてございます。
 今後、自宅療養を行った方や保健所等の意見を聞きながら、必要に応じてマニュアルの内容を更新し、自宅療養を行う方がより安心して過ごせるよう、保健所等を支援してまいりたいと考えております。
 ただ、先ほど知事からも申し上げましたように、できますれば宿泊療養を優先的に行うことによって、患者様、また地域の感染拡大が防止できるのかなと、このように考えております。

○荒木委員 次に、妊婦の支援について伺います。
 イギリスでは、妊婦が新型コロナウイルスに感染をし、赤ちゃんは無事に生まれましたが、母親は出産後に死亡という悲しいニュースが報じられました。また、妊娠中に感染が判明し、不安を吐露する報道も各種メディアで報じられています。
 私たち都民ファーストの会は、自分の命だけではなく、新しく誕生する命との二つを抱えながら、身重の体で通院しなければならない妊産婦、そして乳幼児に対する特別な配慮を求めてきました。
 一人でも多くの妊婦の不安が解消されるように、妊婦の方々への感染防止策を徹底すべきと考えますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 都は平成二十七年度から、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握して、そして継続した支援を行う区市町村を支援しています。そして昨年度、この件については四十六の自治体が取り組んでいるところであります。
 今年度は、子育て家庭が抱えるさまざまな悩みに、よりきめ細かに対応しようということで、産後の支援を大幅に充実したとうきょうママパパ応援事業を開始いたしまして、区市町村への支援を強化しているところであります。
 それから、今回、妊婦さんの新型コロナウイルスの感染防止と不安解消の観点から、この事業を一部拡充いたします。
 具体的に申し上げますと、従来の育児パッケージ、大体一万円ぐらいなんですが、そこに一万円をさらに上乗せしまして、妊婦さんが健診などの際にタクシー移動に使える、そのようなチケット、それからマスクなど感染防止のために必要な物品等を妊婦の方に配布いたしまして、さらに、あわせまして、必要な支援や状況把握等を行います区市町村を支援するというものでございます。
 都内の企業が女性従業員で妊娠された方の通勤の負担を減らしたり、感染を避けるために休暇を優先してとれる配慮、そして特別な有給休暇の仕組みづくりを行ってくださいということを私の方から東京商工会議所に直接働きかけも行いました。
 都といたしまして、妊婦の方が、この時期に、いろんなご不安がある中にさらにコロナが加わっているという方々に対しまして、安心して出産を迎えられますように、新型コロナウイルスの感染防止、全力で取り組んでまいります。

○荒木委員 ありがとうございます。これまでなかなか焦点が当たらなかった妊婦の皆さんから、知事が女性リーダーとして、経済界にも、そして妊産婦の移動支援にも着手していただいたということで、大変安堵の声が私たちのもとにも届いているところでございます。
 今回の支援の仕組みは、とうきょうママパパ応援事業を市区町村が採用する必要があります。現在、四十六区市町村が採用をしておりますが、とうきょうママパパ応援事業を採用していない、このような区市町村の妊産婦にも支援が届くように、妊婦にも届くように、一層ママパパ応援事業の採用を区市町村に取り組むべきと考えますが、福祉保健局長の見解を求めます。

○内藤福祉保健局長 都は、より多くの区市町村にとうきょうママパパ応援事業に取り組んでいただくため、未実施の自治体に対しまして、今回の事業拡充の趣旨を丁寧に説明するとともに、既に実施している自治体の取り組み事例を紹介するなど、個別に働きかけてまいります。
 こうした取り組みとあわせ、区市町村が地域の実情に応じて実施する妊娠、出産、子育てへの支援に対しましても、包括補助で幅広く支援するなど、区市町村と連携した取り組みを一層推進してまいります。

○荒木委員 ぜひ未実施の自治体に対しまして採用いただけるように働きかけを行うとともに、今ご答弁をいただきました包括補助でも幅広く支援をしていただけるとのこと、本当に妊産婦の皆様も心強く思っていることだと思います。
 次に、児童虐待、DV相談支援体制の強化について伺います。
 私たちは、家族の支援が得られないひとり親や障害者のご家族など、生活に著しい支障を来す立場の方に向けた相談体制の強化をこれまでも強く求めてまいりました。
 小池知事就任後、児童虐待防止条例の制定や児童相談所の体制強化やDVの相談体制等の強化が進んでまいりましたが、家族が一緒に過ごす時間が長くなったことで、児童虐待やDVのリスクは増加しているとの指摘も聞こえてきます。
 児童虐待やDVの相談体制の強化と生活支援、隔離場所の確保等の支援体制を強化すべきと考えますが、小池知事の見解を求めます。

○小池知事 学校の休業などで児童の生活環境が大変変化しております。そういう中で児童相談所は、教職員からの電話連絡などで児童の様子を確認している学校、そしてまた区市町村の子供家庭支援センターなど、地域の関係機関と連携しまして、要支援児童の状況把握、そして必要な場合は適切な支援につなげているところであります。
 女性相談センターでありますが、最近問題になっております、DVがふえているんじゃないかと。このDV等の相談に対応する、そのほか緊急時には一時保護で安全を確保するということから、福祉事務所などと連携しまして、母子生活支援施設などへの入所を願ったり、また生活保護の受給など、一人一人の状況に応じた支援を行っております。
 緊急事態宣言が出されている現下の状況におきましても、こうした相談支援などを適切に行っていきます。そして、都民の安全・安心をしっかりと守ってまいります。

○荒木委員 また、ひとり親家庭を初めとする都内の子育て家庭の実情を踏まえ、政府による児童扶養手当の上乗せ措置に関し、都独自の上乗せも検討課題と指摘をしておきます。
 次に、喫煙所対策について伺います。
 この四月一日から東京都受動喫煙防止条例及び改正健康増進法が全面施行となりました。喫煙が、コロナに感染した際の重症化の要因になるとの指摘もなされていますが、加えて、喫煙所が三つの密になり、感染を拡大する環境であるとのリスクも指摘をされています。
 港区など、いち早く喫煙所のリスクに対応した取り組みを行っている自治体もあります。都から都内自治体や企業に対して、喫煙のリスクを踏まえ、公衆喫煙所などの一時的な閉鎖などの措置を求めるとともに、都民に対し喫煙所の感染リスクを広く周知徹底すべきと考えますが、福祉保健局長の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためには、密閉、密集、密接の三つの密を避ける取り組みが重要でございますが、限られたスペースで複数の方が利用する喫煙所では、この三つの密の状態が生じる可能性が高いと考えております。
 都は、こうした喫煙所における三つの密を避けるため、喫煙所を利用する場合には、互いの距離を十分にとることなどを記載した張り紙の掲示、喫煙所を設置している民間企業等への注意喚起、さらには公衆喫煙所の一時閉鎖などを進めるよう区市町村に依頼しております。
 また、ホームページやSNSにより都民や事業者に対する普及啓発を行っており、引き続き区市町村と連携しながら、喫煙所における新型コロナウイルスの感染拡大防止を図ってまいります。

○荒木委員 次に、休校対応について伺います。
 都はこれまでも、都内の感染状況を踏まえ、五月六日まで都立学校の休校延長を決定しました。そして、区市町村所管の小中学校への協力の要請、仕事を休むことができない働く親の子供の受け皿となる保育園、学童保育等の支援強化などを行ってきました。
 他方で、国から緊急事態宣言後の保育所等の基本的対処方針が四月七日に打ち出されたことが、区市町村ごとで運営の方針が異なり、そして混乱が生じた面が指摘をされています。
 このように、区市町村ごとで保育園などの運営方針が異なることによる都民の混乱や、エッセンシャルワーカーに対する不利益が生じないように、都からの調整を強化し、かつマスク、消毒液などの物的な面や財政面も含めて、仕事を休むことのできない働く親の子供の受け皿となる保育園、学童保育等への支援を引き続き強化すべきと考えますが、小池知事の見解を伺います。

○小池知事 都は、緊急事態宣言後も医療、交通、金融、社会福祉等の社会生活を維持する上で必要なサービスにつきましては、継続を要請しております。いわゆるエッセンシャルワーカーの皆さんです。こうしたサービスに従事しておられるなど、仕事を休むことが困難な保護者の方々、この方々に対して確実に保育などを提供するように、区市町村に協力を要請いたしております。
 保育などの提供に当たりましては、感染症の防止に万全の対策がとれますように、都がマスクを購入いたしまして、保育所や学童クラブに配布をいたしております。そして、今回の補正予算案にも、追加で配布ができますように、そのための購入経費を盛り込んでおります。
 また、学童クラブの開所時間の延長に対応するために運営費を支援する、そしてまた、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって保育所などが臨時休園した場合、休園期間に係る運営費についても通常どおりの支給をいたしております。
 こうした取り組みで、保護者の皆さんが働いている家庭の子供さんたちが安全・安心に過ごせますように、区市町村と連携しまして、保育所、学童クラブなど、全力で支援をしてまいります。

○荒木委員 このような登園自粛の中で、在宅での仕事が困難で精神的に追い詰められているという声も私たちのもとに届いています。
 利便性の高いベビーシッターの活用を促すことで、こうした保護者の精神的不安を解消すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 都は平成三十年度から、ゼロ歳児から二歳児の待機児童などを対象にしまして、ベビーシッター利用支援事業を開始いたしております。認可外のベビーシッターを利用する保護者さんを支援してきたところであります。
 これに加えまして、今回の新型コロナウイルス感染症防止による学校の臨時休業に対応するために、三月から小学生もこの事業の対象といたしました。
 さらに、今月発表いたしました東京都緊急対策、これ第四弾になりますが、新型コロナウイルスの感染拡大で縮小して保育を行った場合、また、先ほどもお答えしましたように、臨時休園するような場合、通常は保育所に通っている児童もベビーシッターを利用できるようにしたということでございます。
 こうした取り組みで、これは区市町村との連携が必要になりますが、仕事を休むことが難しい、保育サービスを必要としている保護者とその子供を支援する、そのことによって社会もきちんと動くようにしていく、子供さんも安心、保護者も安心、そういう姿で進めていきたいと考えております。

○荒木委員 これまで、小池知事が先頭となって、都が批判にさらされながらも先駆けてきた、そして実施をしてきたベビーシッター支援に関し、今回改めて注目をされており、保護者からは大きな歓迎の声が聞こえています。
 コロナ対応の期間については、国もようやく非課税にしていただけるということです。極めて重要な一歩だと思います。本来であれば、国は当然、平時から非課税にすべきものであると強く申し添えておきます。
 次に、小中学校におけるICT環境整備の推進について伺います。
 休校の継続に伴い、子供たちの生活習慣の乱れや学習のおくれや格差が懸念をされています。
 私たちはこれまでも、ICT教育の環境の整備を強く求めてきました。この機に都内全域でオンライン教育を加速すべきです。一義的には自治体が責任を持って進めるべきものではありますが、特に取り組みのばらつきが多い六十二の基礎自治体の取り組みを東京都が広域的に支援する必要があります。
 ハードの整備に加え、導入をサポートする人員の支援、そして支援コンテンツなどを含め、市区町村所管の小中学校におけるオンライン学習等の環境整備を迅速に推進すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

○藤田教育長 学校の休業期間中におきましても、児童生徒に学びの機会を適切に提供していくためには、区市町村立学校におけるICT環境整備は喫緊の課題でございまして、一人一台端末と高速大容量の通信環境の一体的な整備を加速することが必要でございます。
 そのため、令和四年度までに整備を図るとしておりました都の整備計画の大幅な前倒しを行いまして、今年度中に全区市町村立学校のICT環境の整備を可能とする補正予算案といたしたところでございます。
 その結果、当初、一人一台の端末整備につきまして、二十三の区市町村での計画予定でございましたが、現時点におきましては、新たに十九区市町村の申し出がございまして、今後さらに増加する見込みでございます。
 引き続き、区市町村教育委員会に対し積極的に働きかけるとともに、ICTの利用促進につながる環境整備に向け、力強く支援してまいります。

○荒木委員 私の故郷であります熊本県も、大震災が契機となってICT教育が進んだという経緯もあります。東京の子供たちの学習のおくれにつながらないようにお願いをしておきます。
 今回の補正予算は、今年度中に全区市町村立学校のICT環境の整備を可能とするということでございますが、区市町村教育委員会が準備を整え、整備を希望した場合、最速でいつから一人一台の端末と通信環境の一体的な整備に着手できるのか、教育長に伺います。

○藤田教育長 本補正予算成立後、今年度当初予算に盛り込んだ補助事業とあわせまして活用していただくことで、区市町村教育委員会は一人一台の端末と通信環境の一体的な整備に直ちに着手することが可能となります。
 端末の調達につきましても、都教育委員会は国と連携し、早期に配備ができますよう区市町村教育委員会を支援していく予定でございます。

○荒木委員 ICT環境の整備が、ICTに対応が困難な家庭の児童生徒の学びの格差につながるような事態は避けなければならないと考えます。
 端末やWi-Fiルーターの貸与、通信費の支援、使用方法等に関する個別の対応など、ICTに対応が困難な家庭の児童生徒へのフォローアップ体制について、教育長の見解を伺います。

○藤田教育長 都内公立小中学校の全ての児童生徒の家庭における学習を支援するためには、ICTを活用し、学校と家庭をつなぐ環境の整備が必要でございます。
 そのため、家庭に端末や通信環境が不足している場合には、学校にあるパソコンの貸与を依頼するとともに、モバイルルーターの貸し出しや通信費について、区市町村教育委員会への支援を開始しております。
 加えまして、今回の補正予算におきまして、通信環境整備について引き続いて補助するとともに、機器の操作や学習支援ソフトの利用等の問い合わせにきめ細かく対応できるよう、支援員の配置も補助いたします。
 既に予備費によるこうした支援を活用し取り組みを開始した区市町村教育委員会もございまして、今後、都教育委員会は一層の支援を行うことで、全ての児童生徒の学習環境を適切に整えてまいります。

○荒木委員 いまだ都内の感染者が高い水準で推移している中で、学校の再開は現時点で見通せないことと思います。親や子供たちの不安は日に日に増加しています。
 都教委の方針は都立学校に関するものですが、都内の自治体所管の小中学校に対して、事実上、大きな影響力があります。その意味でも重要になってまいります。都内学校の再開に関し、いつ、どのような基準に基づき判断されるのか明確にしておくべきと考えますが、教育長の見解をお願いします。

○藤田教育長 都内公立学校では、国によります三月二日からの一斉休校要請によりまして、春季休業前まで臨時休業となってございました。
 新学期の開始に当たり、都内の感染状況の拡大を踏まえて、島しょ地域を除き、五月六日まで臨時休業といたしたところでございましたが、その直後に国の緊急事態宣言や当該宣言に基づきます東京都の要請がございまして、島しょ地域を含めて、現在は臨時休業となったところでございます。
 学校の再開につきましては、国の緊急事態宣言等の解除が前提とはなりますけれども、再開する場合に当たりましても、初めは分散登校とするなど、感染防止対策を十分に講じながら、段階的に通常の教育活動へ移行していく必要があるというふうに考えております。
 一方、都内の感染状況は依然として厳しく、予断を許さない状況が続いております。今後、日々刻々と変化する状況を見きわめながら、国の判断や専門家の意見を含む都の対応を踏まえまして、都教育委員会として適切に判断をしてまいります。

○荒木委員 長期間に及ぶ在宅での対応を求められるのは、子供たちだけではなく高齢者の皆様も同じです。フレイル対策の推進も福祉保健局の皆様にはぜひお願いをしたいと思います。
 次に、都内経済、産業、就労支援について伺います。
 戦後最大の危機ともいわれる世界を襲う新型コロナ感染症拡大によって、多くの産業が甚大なダメージを受け、会社によっては倒産の危機、人によっては収入を失い、職を失い、あす、家族を食べさせる食費を失い、命の危機になっています。
 私たちは、感染症でも、経済でも、都民の命を守ることを最優先に経済支援策を提言してまいりました。特に、国の補償が残念ながらない中で企業を何とか支えるためには、これまでと異なる制度融資が何としてでも必要だと訴えてまいりました。
 融資に関する信用保証料を全額補助するなど、これまでの都の対応は評価をいたしますが、融資の利子などの負担、そして緊急事態宣言に伴う休業等の影響も指摘されています。
 こうした状況を踏まえ、感染拡大を抑制しつつ、都民の生活や都内の企業を支えるため、これまでの常識にとらわれない経済対策を講じていくべきと考えますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って、ご指摘のように経済活動は大きな打撃を受けております。そして、都民生活のあらゆる面での影響が拡大をいたしております。
 その中で、感染症拡大を阻止するとともに、都民生活や東京の経済を下支えできるように、きめ細かな支援を迅速でスピーディーで、かつ切れ目なく展開することが肝要でございます。
 こうした認識のもとで、今回の補正予算には、先ほども申し上げましたように、セーフティーネットの強化と事業者の感染拡大防止の取り組みを促す、この施策を重点的に盛り込んだところであります。
 中小企業の資金繰りを支えます制度融資でありますが、昨年度末の専決処分に引き続きまして、一兆五千億円の融資に備え、当面必要とされます預託金を追加措置いたしました。とともに実質無利子化をいたします。これによって支援を大幅に強化しているところであります。
 また、さらなる感染拡大の防止のためには、都からの休業などの呼びかけに全面的に協力いただける都内の中小事業者に協力金を支給いたします感染拡大防止協力金を創設するとともに、この機会にテレワークの導入、これはもうこれまでも何度も都として支援をし、また促進するようにお願いをしてまいりました。これの拡大を一気に図る中小企業への支援も強化をいたしております。
 さらに、大変厳しい状況にある飲食店ですが、新たにデリバリーやテークアウトのサービスを立ち上げるサポートも開始をいたします。
 こうした取り組みで経済面での安心・安全の確保を着実に図りながら、感染症の動向、そして都内経済の情勢なども見きわめつつ、今後必要な対策を迅速かつ大胆に講じてまいります。

○荒木委員 ただいまご答弁がありました協力金については、あす、受け付けの要項が発表されると聞いております。全国の自治体の先頭を切り開いた、今回の知事が発表されました協力金について、知事の強い思いを伺います。

○小池知事 国による緊急事態宣言のもと、都といたしまして緊急事態措置などを講じて、都民や事業者の皆様方に、徹底した外出自粛をしていただき、また施設の休業等をお願いしてまいりました。
 このことは、現場を預かる都知事といたしまして、一日でも早く新型コロナウイルス感染症を終息させねばならない、そして都民の命と健康を守りたい、その強い思いから出たものでございまして、全ての事業者の皆様に協力をいただきたいと考えております。
 そこで、緊急事態措置期間中の感染拡大防止の徹底のために、都の要請に対して全面的に協力いただける中小企業、そして個人事業主を対象といたしまして、一店舗が五十万円、そして二店舗以上を有する事業者には百万円を協力金として支給することといたした次第であります。
 都内の中小事業者ですけれども、新型コロナウイルス感染症によって、これまでにない経済的な打撃を受けている状況にあります。そうした状況下でも、都の要請に応じていただいたことに対して支払う、それがまさしく、その名のとおり協力であり、今回の協力金でございます。受け付け体制を迅速に整備いたします。
 そしてまた、申請の手続におきましては、電子申請に当たりましては、捺印、判こですね、を不要とするなど利便性を高めます。できるだけ早期に中小事業者の皆様にこの協力金をお届けするというものであります。
 今後も都民、事業者の皆様とともに、この国難、一日も、一秒も早く打破していけるように全力で取り組んでまいります。

○荒木委員 協力金の原資は都民の税金であり、不正受給は避けることは当然ですが、全庁を挙げた体制の整備、オンライン等による申請の活用、専門家を積極的に活用し、窓口の混雑を解消するといった課題解決に加え、業者に対して可及的速やかにこの協力金を交付するという目的に向けて、手続の面においても、これまで以上に都民に寄り添った対応が必要となりますが、産業労働局長の見解を伺います。

○村松産業労働局長 事業者からの申請に対し適正に審査を行いつつ、迅速に支給する仕組みを整備することが重要でございます。
 今回の協力金は多くの申請が見込まれることから、主税局等とも連携いたしまして、新たに事務処理体制を整備し、審査、支出等の事務を集約して実施してまいります。
 申請方法といたしましては、感染拡大防止の観点から電子申請を基本といたしますが、事業者の利便性を考慮し、郵送や都税事務所の専用ボックスへの投函での受け付けも可能といたします。
 また、申請者が税理士や青色申告会など専門家によるさまざまな相談、助言が受けられますよう、そうした仕組みにするとともに、営業実態などについて事前確認を経ることで、適正な審査を効率的に進めてまいります。
 これらの取り組みにより、適正かつ迅速に協力金が支給できますよう万全を期してまいります。

○荒木委員 私たちは、四月八日に小池知事に対しまして、都内飲食店事業者に対しデリバリーやテークアウト、移動販売に取り組む助成を求める要望を行わせていただきました。
 新型コロナへの対応は、一年以上の長期化も指摘されています。苦しい状況の中で新しい挑戦を支え、かつコロナ終息後にもつながる飲食事業者の業態転換の支援を東京都が展開することは非常に重要です。
 各種飲食店が大変な状況の中で創意工夫をしています。デリバリーを行わない、行えない理由は、配達に係る人件費や代行費用、広告宣伝費の負担が多いこともいわれています。
 そこで、飲食事業者に対するテークアウト、デリバリー、移動販売支援策について、知事の見解を伺います。

○小池知事 四月七日に発出されました緊急事態宣言のもとで、都におきましても、都民の皆さんに徹底的な外出の自粛を要請しております。と同時に、多くの飲食事業者の方々にも営業時間の短縮をお願いいたしております。
 飲食事業者の皆さんのご協力は、新型コロナウイルス感染症の拡大の防止ということについて大変重要な項目でございます。一方で、経営への影響も大きいとの声も伺っております。
 このため、飲食事業者の方々がテークアウトや宅配などの新しいサービスに取り組んで事業を継続いただくように、御会派のご要請もあり、支援をしてまいります。
 具体的には、新たに始める事業をサポートする専門家の派遣を行います。新規事業の導入に必要な経費についても幅広く助成をいたします。
 また、こうした飲食事業者の情報をホームページなどでオープンデータとして広く公開をする、そして民間の情報サイトを活用したPRも行っていくということで、厳しい状況にある飲食事業者の皆様方の事業継続をしっかり支えてまいります。

○荒木委員 テークアウト、デリバリー等の支援を行うに当たっては、私たちからも要望させていただきました、実際の飲食店からのニーズに応じるべきと考えます。
 都が行う支援について、対象となる経費などの支援の内容について産業労働局長に伺います。

○村松産業労働局長 都が実施いたします飲食事業者向けの支援では、テークアウトや宅配等、新たなサービスを開始する上で必要な内装工事やPRに係る経費、容器等の購入費、さらには配達代行業者を利用する際に必要な登録料や配達料について、本年四月から実施する取り組みを対象といたしまして支援をいたします。
 助成期間は最長三カ月間といたしまして、経費の五分の四を、百万円を上限に助成することとしております。

○荒木委員 既に四月から実施している取り組みに対応するのは極めて重要と考えます。予定の四百件では大幅に不足する可能性が十分にございます。望む飲食店への支援が十分に行き渡るように重ねて要望いたします。
 次に移ります。
 都の休業等の対象については、今後、事態の動向を踏まえ、今回は要請の対象外となった理美容などの都内事業者の方の協力をいただく必要がある可能性も大いにあり、その際には、協力に伴う支援のあり方についても、あわせて検討することが必要です。
 今回の休業要請に関し、もともと朝五時から夜八時までの営業の中で、自主的に休業を行った店舗については、協力金の対象とすることも検討すべき課題です。
 現状では、休業等の要請は五月六日まででございますが、仮にさらなる長期化が必要となった場合、多くの事業者がさらなる苦境に追い込まれることになります。休業等の要請と協力金に関し、今後の事態の変化に迅速に対応することができるよう、追加的な措置の検討を行っておくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 国は、五月六日までを緊急事態宣言の期間といたしております。都もこの期間を対象に、緊急事態措置等を実施しているところであります。
 一日でも早く新型コロナウイルス感染症を終息させなければならない、その強い信念のもと、都としてあらゆる手だてを総動員する。そして、今回の感染拡大防止協力金について効果なども見きわめまして、まずは都内のご協力いただいた事業者の皆様方に迅速に支給できるように全力を尽くしてまいります。
 また、協力金についてですが、事態の変化が生じた場合につきましては、都の要請等に応じて施設の休業をいただく事業者の間で公平性が確保されるよう検討する必要があると、このように考えております。

○荒木委員 また、休業要請に全面的にご協力をいただいた施設については、その運営主体がNPO法人であっても協力金の対象とすべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症によって、これまでにない経済的な打撃を受けている中小企業者が都の要請に応じて休業等を行ったことに対しましては、今回の協力金をお支払いすることとしております。
 こうした厳しい状況において、中小企業と同じ規模と活動内容のNPO法人が都の要請に応じていただいた場合には、協力金の支給の対象とすることを今後検討してまいります。
 この国難を克服するためにも、多くの皆様のご協力のもとで、全力で取り組みを進めてまいりたいと考えております。

○荒木委員 今回の協力金に関しましても、先ほど申し上げましたベビーシッターの課税の例もございますので、ぜひとも課税がされることがないよう、国との間で課税関係の整理を行うべきと考えますが、産業労働局長の見解を伺います。

○村松産業労働局長 協力金に関しましては、国に対して非課税としていただけますよう要望してまいりましたが、国では、法令にのっとると非課税事由に該当しないとの考え方でございまして、本協力金は非課税とはならないこととなります。
 厳しい状況が続きまして、思いどおりに進まないことが多い中でも、都民、事業者の皆様とともにさまざまな課題を解決できますよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

○荒木委員 大変残念でございますが、引き続き国への要請をお願いいたします。強く求めておきます。
 次に、水際対策について伺います。
 都や自治体が感染拡大の防止に向けて全力で取り組んでいても、国による水際対策が不十分では意味がありません。これまでも、疑わしい状況があった入国者に十分な対応をせずにそのまま帰してしまうなど、不十分さが指摘をされてきました。国の水際対策の評価について、知事の見解を伺います。

○伊藤委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○伊藤委員長 速記を再開。

○小池知事 水際対策でありますが、世界各地で新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、都内はもとより国内の感染の拡大を防ぐ、そのためには空港での検疫を初めとした水際対策、これは国の責務として徹底することが極めて重要であります。
 しかしながら、海外から帰国した在留邦人に多くの感染者が確認されておりまして、専門家からは、国内での新たなクラスターの原因になるとの指摘もございます。
 このため、先月二十六日、私自身が総理大臣に対しまして、空港等における検疫、入国管理体制の強化など、水際対策に万全を期すよう緊急の要望を行いました。また、私自身も羽田空港の検疫所を視察してまいっております。
 古い話になりますが、日清戦争が終結した当時、国の官僚でありました後藤新平、第七代の東京市長になりますが、コレラが蔓延する中国から多くの兵士が帰国するに当たって、短期間で検疫所を建設するということで、コレラの流行を防いだという、このような歴史がございます。いかに水際対策が重要かを教えてくれる実績でございます。
 引き続き、さらなる水際対策の強化に向けましては、都としても国と連携をしまして、必要な対策を実施してまいります。

○荒木委員 国は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、地方自治体に対し一兆円規模の臨時交付金を出すと表明しました。
 いうまでもなく、東京は人口数、感染者数、人口密集度、経済的打撃の大きさ、どれをとっても全国一の危機真っただ中であります。ここは首都東京です。新型コロナウイルスから立ち直り、経済を、人の暮らしを取り戻していくためには、国の財政的な力強い支援が必要です。
 都の財政力などを理由に臨時交付金が減額されることがないよう国に強く求めていくべきと考えますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 新型コロナウイルスの感染拡大を阻止して、経済活動と都民生活を守り抜いていく、そのためには地域の医療体制や企業活動の状況などをよく見きわめながら、効果的な対策を迅速に講じていく必要がございます。
 感染の拡大が全国的な広がりを見せる中で、こうした対策を都を初めとする全国の自治体が積極的に実施していくためには、国による財政支援は、ご指摘のように不可欠でございます。
 こうした中で、今回の国の緊急経済対策で示されました地方創生臨時交付金でございます。各自治体が地域の実情に応じて、きめ細やかな事業を実施できるよう支援する趣旨で創設されたものでございます。そのように認識いたしております。
 一方で、リーマンショックの際に創設されました臨時交付金でございますが、都の財政需要が十分に考慮されなかったという経緯もございまして、都はこの間、国に対して、財政力にかかわらず、全ての自治体の負担に対して大胆な財政措置を講じるように要望をしてまいりました。
 都内の新型コロナウイルスの感染者数は、他自治体と比べても際立って多い数字でございます。医療提供体制の強化、感染拡大防止に向けました事業者への協力金など、多くの費用が必要となることから、引き続き国に対しまして、都の状況を踏まえた確実な財政支援を力強く求めてまいります。

○荒木委員 都民の皆様からは、テレワークを行いたいが、判こを押すために出社しなければならないと、そのような切実な声が届いています。今回のコロナ対策の中で、インターネット等を通じた情報発信の強化、テレワーク、オンライン教育、オンライン診療など、各種の取り組みの重要性が改めて認識されています。
 行政手続における判こ文化の縮小を含め、平時から積極的にデジタルトランスフォーメーションを推進することが今回のような有事にも極めて重要です。宮坂副知事の一層の取り組みを求めておきます。
 また、先般、都は、私たちのたび重なる要望を受け、芸術文化活動への支援を発表したところでありますが、今回実施する支援策について、知事に伺います。

○小池知事 芸術文化を取り巻く環境は、大変厳しいものがございます。こうした中にありましても東京の文化の灯を絶やさないためにも、現在、感染拡大防止のために活動を自粛せざるを得ないアーティストの皆さんやクリエーターの皆さんが創作への意欲を失うことなく、活動を継続してもらうことは重要であります。
 今回、当面の緊急対策といたしまして、プロのアーティストたちが個人、小人数のグループで自由な発想のもと制作した動画作品を、都が用意するウエブ上に発信する場を設けます。その際、出演料相当として一人十万円を負担することで、苦境に立っているアーティストやクリエーターの皆さんだけでなく、それを支える音響であるとか照明など、スタッフの方々の活動も支援することにつながります。
 また、今回の取り組みで制作されましたさまざまな動画作品ですが、それを都民の皆さんに楽しんでいただいて、自宅で過ごす時間を少しでも楽しいものにしていただく、その一助になるのではないかと期待をいたしております。
 このような参加型の事業ですが、アーティストだけではありません。都民の皆さんに共感を持っていただくことも大切ということから、今後、多くの方から評価された作品をおつくりになったアーティストに対しては、都の主催事業などにおいて、さらなる活動の機会を提供することなども検討していきたいと考えております。
 いろんな工夫をしながら、東京もアートのまちです、ぜひこのアートのともしびを絶やすことのないように、こうした工夫を重ねて、新型コロナウイルスの感染症対策として多くのアーティストの皆様方の支援をする、そして都民の皆様が外出を自粛されているこの厳しい時期を乗り越えられるように、全力で取り組んでいきたいと考えています。

○荒木委員 タクシーやバスは、私たち都民生活を支える重要な移動手段でございます。その事業活動の継続のためにも、乗客、乗員の安全・安心の確保に向けた事業者の取り組みを支援する必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○村松産業労働局長 都民や旅行者の移動を支える重要な交通インフラであるタクシーやバスにおいて、乗客、乗員の安全・安心を確保していくことは重要でございます。
 そのため、都は、都内のタクシー、貸切バス等の事業者が新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、車内への間仕切りの設置やサーモグラフィーの導入などに取り組む場合、経費の五分の四をタクシーは八千円、貸切バスは八万円を上限に支援いたします。
 こうした取り組みによりまして、タクシーやバスを安心して利用できる環境を整備することで、感染症拡大終息後の旅行者の受け入れ体制の向上にもつなげてまいります。

○荒木委員 都の発注工事等に関し、柔軟な納期、工期、支払い条件の設定変更や事業者に感染者が生じた場合の柔軟な対応に加え、経済情勢を見据えた適切な契約額の見直しなどが必要と考えますが、財務局長の見解を伺います。

○武市財務局長 東京都は、感染拡大防止に向け、受注者から工事の一時中止等の希望があった場合に、一時中止や工期の延長等を行うこととしておりまして、その際に生じた建築機械のリース料など経費に対しましては、契約変更を行うなど的確に対処していくこととしております。
 また、受注者等から感染者が発生した場合には、直ちに工事現場を閉鎖した上で、保健所の指導を踏まえ、消毒作業や安全点検などの工事再開に向けた対応を行うこととしておりまして、このことによって必要となる経費について受注者と協議し、適切に対応してまいります。
 これらの内容を取りまとめたガイドラインを今週中に策定し、受注者等に周知するとともに、区市町村等にも情報提供を行い、感染拡大防止に向け一丸となって全力で取り組んでまいります。

○荒木委員 ネットカフェ難民といわれる、安定して住む場所がない方に向けた取り組みについて伺います。
 一時住居等の提供の支援について十分な生活環境への配慮とともに、ニーズを踏まえながらさらに強化し、その後の就労支援までつなげる支援体制を確立すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、住居を失い、インターネットカフェ等に寝泊まりしながら不安定な就労をしている方を対象に、支援拠点であるTOKYOチャレンジネットにおきまして、民間アパート等の一時利用住宅を提供し、利用者のニーズに対応した就労支援などを行っております。
 今般のネットカフェ等への休業要請により居場所を失った方には、緊急的な一時宿泊場所として、感染防止の観点から、ビジネスホテルのバス、トイレつきの個室を提供しているところでございます。
 今後、こうした方々に対しましても、チャレンジネット及び区市の福祉事務所や自立相談支援機関におきまして、生活状況や就労自立を目指す意欲などに応じて支援を行ってまいります。

○荒木委員 島しょの新型コロナウイルス対策について、島民の命を守る医療体制を万全に行うべきと考えますが、総務局長の見解を伺います。
   〔内藤福祉保健局長発言を求む〕

○伊藤委員長 島しょの医療体制ですよ。(荒木委員「済みません、とめてください」と呼ぶ)はい、ちょっととめていただけますか。
   〔速記中止〕

○伊藤委員長 速記を戻してください。

○内藤福祉保健局長 失礼いたしました。島しょの医療機関におきまして、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者が確認され、医師が検査の必要があると判断した場合には、保健所等と調整の上、町村の申請に基づきまして、原則として、日中と夜間を問わず、東京消防庁の協力を得て、行政ヘリコプターで本土へ速やかに搬送することとなってございます。
 悪天候により東京消防庁のヘリコプターが飛行できない場合及び小笠原村の場合には、自衛隊の協力を得て、航空機で搬送することとなってございます。
 ヘリコプターでの搬送後、都があらかじめ調整した受け入れ医療機関でPCR検査を実施し、その結果、陽性と判明した場合には、症状に応じまして、入院等の必要な対応を行い、速やかに感染症医療を提供できるようにしてございます。

○荒木委員 ここまで補正予算に盛り込まれた各事業について質疑をしてまいりました。都民の命、健康、暮らし、雇用、そして都内の経済を守るため、今回の施策が一刻も早く都民のもとに届く必要があります。
 一方で、新型コロナウイルスに打ちかつために重要なことは、今回の補正予算に盛り込まれた取り組みの速やかな実施に加え、総額八千億円の緊急対策の施策の全てを早期に具体化し、迅速に予算措置をしていくことです。
 そこで、さらなる補正予算の編成も含めて、緊急対策の早期実現に向けた知事の見解を伺います。

○小池知事 緊急対策の早期実行に向けた決意ということでございます。
 新型コロナウイルスの感染拡大を阻止して、都民生活と都内経済への影響を最小限に食いとめていくためには、感染症との闘いの最前線で粉骨砕身して尽力されておられる医師、看護師の方々を初めとする医療現場への幅広い支援、そして都民生活や中小事業者の活動を守るセーフティーネットの構築など、多岐にわたる対策を迅速かつ確実に展開をしていくということが必要かと思います。
 そのために、緊急対策のうち、今回の補正予算案に計上した取り組みに加えまして、七月以降の対策についても早期の実施を図るため、第二回定例会での追加の補正予算案の提供に向けて、具体的な検討を加速させてまいります。これからもスピーディーに、そして積極果敢に講じていきたいと考えております。
 都民、事業者の皆様、そして都議会の皆様のご理解、ご協力を賜りながら、東京一丸となってこの難局を一日も早く乗り越えて、そのために、都知事として先頭に立って全力を尽くしてまいります。

○荒木委員 最後に--小池知事はきっと、都民の命、健康、経済を思うと、苦しく眠れぬ日々が続いていると思います。また、職員の皆様も不眠不休の日々が続いていると思います。私たちも、そして都民の皆さんも同じです。全国を、世界をも引っ張り、ともに戦後最大の危機を乗り越えていきたいと思います。
 私たち都民ファーストの会も都議会の第一党として、五十人全員がこの難局を、この国難をしっかりと乗り越えていくよう、全身全霊で取り組んでいきますことをお誓い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。(拍手)

○伊藤委員長 荒木ちはる委員の発言は終わりました。
 東村邦浩委員の発言を許します。

○東村委員 まず初めに、このたびの新型コロナウイルスにより亡くなられました方々に心からお悔やみを申し上げたいと思います。また、まさに今、このウイルスに感染し、闘病生活を送られている方々の一日も早いご回復をお祈り申し上げたいと思います。
 また、医療現場の最前線で治療に当たられている医療従事者の皆様、福祉関係者の皆様、ライフラインを支えてくださっている皆様、そして何よりも、そのご家族の皆様のご尽力に心から敬意と感謝を申し上げます。
 それでは、質問に入ります。
 今回の質問は、限られた時間ではありますが、公明党東京都本部三百十五名の区市町村会議員から、さまざま今現場で起きている要望を頂戴しました。そして、二十三名の都議会議員も含めて、三百三十八名の議員からいただいたそれを全て質問するわけにはいかないので、特に要望が高かったものを抽出して質問させていただきたいと思います。
 最初に、先ほど協力金の課税という話がありました。私は随分前から、協力金が課税になると、実質入ってくるお金は大きく減るよという話をしていました。それを踏まえて仕組みをちゃんと講じるべきだということをいってまいりました。
 しかしながら、今回残念なことに、仮に百万円もらったとしても、中小企業が決算で赤字になればいいですけれども、黒字になれば実効税率が三三・五%から三四・六%、つまり、百万円もらっても、真水で六十六万円しか懐に入ってこない、こういう実態になるわけです。だからこそ、こういう制度をつくるときは、課税か非課税かということを、きちっと政策を立案する当局が前もってやっておくべきだということを何度もいってきましたが、今回こういう結果になったことは非常に残念です。
 まず、国が緊急事態宣言を出してから二週間がたちました。この間、想定をしていなかった新たな課題が二つ生じました。
 一つは、土日における都内の主要な商店街の異常なまでの過密状態であります。三密どころじゃなくて過密であります。もう一つは、全てじゃありませんが、一部のパチンコ店が休業要請に応じないという問題です。特に、東京の人は千葉に行ったり、埼玉に行ったり、茨城に行ったりしています。逆に、群馬、千葉、茨城の人は、高速を使って多摩地域のパチンコ店に来ている、こういう実態が起きています。
 一つ目の土日における商店街の過密状態については、マスコミ報道でテレビでも何度も取り上げられていますが、吉祥寺駅の北口の、あの展開する商店街や、品川区の戸越銀座商店街など、マスコミで何度も取り上げられております。
 地元の方に確認をしたら、土日は銀座や渋谷、新宿などのお店が閉まっているため、地元以外から大勢の方が押し寄せてきているとのことでした。ただ、個々のお店にとっては大変にありがたいことで、この時代に非常にありがたいという話をしていました。したがって、この土日の過密状態、財政支援なしにお店を閉めるわけにはいかないと、こういう話がありました。
 全ての商店街に土日祝日の休業要請というのはできないと思いますが、都は、この二週間で過密状態になっている商店街を調査して、土日、さらには祝日、これからゴールデンウイークを迎えます、この休業の協力をしっかりと要請するとともに、応じてくれた商店街に財政的な支援を行っていくべきと思いますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 お答えいたします。
 商店街でありますが、いうまでもなく生活に必要な食料品などを販売する店舗で成り立っているということから、ほとんどが社会生活を維持する上で必要な施設と位置づけられ、法令上、休業要請の対象とはなりませんでした。そこで、適切な感染防止対策を講じた上での営業を継続していただくこととなったわけであります。
 一方で、地域の商店街に大勢の方が訪れているというのは、このところメディアなどでも紹介されています。様子を見ましても、まさしく三密の状態になるという現象が発生をいたしているわけであります。
 メディア的には、そういったところを流すと、あっ、あそこに、では行っていいんだというバンドワゴン的な効果がある、みんなが行っているんだからいいだろうというような効果になってしまっていることは極めて残念なことでございますし、逆に、それが別の意味で、ちゃんと視聴者の方々に受け取っていただければと思います。
 そこで、都といたしまして、商店街などを訪問しまして、外出の自粛、ソーシャルディスタンスの確保など、人と人との接触機会を減らすための呼びかけを実施いたしてまいります。
 こうした呼びかけなどを踏まえまして、感染拡大の防止に向けて商店街が一体となって実施をいたします取り組みについて、都としてどのような支援を行うのかということについては検討してまいります。
 パチンコはこの後ご質問が来るんですか。(東村委員「そうです」と呼ぶ)はい、わかりました。

○東村委員 ぜひともこの支援を早急に検討してもらいたいと思います。というのは、あとしばらくしたら、また土日がやってきますから、せっかくこの場でこういう問題が上がったというのに、何の手も打たなかったというのは、やはりこれはスピード感がないと思いますので、早急に手を打っていただきたいと思います。
 もう一つは、一部のパチンコ店が休業に応じないという問題であります。
 例えば、あきる野市では、パチンコ店が、市がその店長を呼び出して休業を要請しましたが、本社からの指示なので休業できない、こういう回答があったそうです。このパチンコ店の本社は、チェーン店ですが、何と鳥取県の米子市にあります。
 したがって、こういうところも知事会のネットワークを使って要請していく必要があると思いますし、昨日、パチンコ業界五団体に都は休業要請をする通知を再度出したそうですが、既に東京都遊技業協同組合の場合、事務局から四月十日に各店舗に通知を出したそうです。しかしながら、一部の店舗は休業してくれていない、こういう状況です。
 早急にこの実態を把握していただいて、パチンコ店が休業に応じるよう強力な対策に取り組んでいただきたいと思いますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 四月七日、国による緊急事態宣言が行われて以降、都は、特措法の規定に基づいて、パチンコ店を含みます遊技施設等に対しまして、施設使用の停止を要請してまいりました。
 とりわけパチンコ店ですが、各業界団体に対して、今ご質問にもございましたが、団体を構成する事業者が施設の使用停止に協力するように文書を発出いたしております。そして、強く要請を行っております。その結果、要請を真摯に受け入れて営業休止にご協力いただいたお店もあります。
 しかしながら、現在も営業を続けているパチンコ店があるとの情報も寄せられているところであります。
 こうした状況ですが、西村経済再生担当大臣とも連絡をとり合いまして、大臣からは、店名の公表など、さらに強い措置を講ずることについて検討しますと、このようなことを伺っております。
 都としましては、今後、パチンコ店の営業実態を把握いたしまして、個別の店舗に対して直接施設の使用停止の要請を行うなど、より強い取り組みを進めてまいります。

○東村委員 使用停止の要請をして、従わなければ、施行令四十五条によって、ぜひとも店名を公表していただきたいと思います。
 次いで、都は四月十日、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するための営業休止要請の対象となる施設を発表しました。当初、四月六日に、都が都議会の災害対策連絡調整本部で発表した営業休止要請の対象となる施設は、新型インフルエンザのガイドラインに記載されている施設を発表しました。
 しかしながら、今回、国と合意して発表した営業休止対象の範囲は、WHOが新型コロナウイルスは新型インフルエンザの十倍の致死率があると警告したにもかかわらず、一歩後退をして、理容や美容、質屋、ホームセンター等々が対象から外されました。
 どのような経緯でこうなったのか、交渉に当たった多羅尾副知事に説明を求めます。

○多羅尾副知事 休業要請の対象施設については、事前にさまざまな声が寄せられておりました。
 例えば、理髪店や美容院については、生活に不可欠なサービスであり、営業を続けたいとの声があると同時に、お客様と密接に身体的な接触をせざるを得ない業務であり、感染の不安から休業したいが、そのためには都からの自粛要請が必要であるとの声も聞いておりました。
 都は、国の施行令やこれらの声を総合的に判断し、要請の対象に含めることを考えていたものでございます。
 しかしながら、国が四月七日に改正した対処方針において、理髪店などは営業を継続する施設として新たに明記されたことから、これと全く異なる措置をとることは法的に難しくなりました。
 このため、理髪店などの施設については、休止要請の対象外としたものでございます。

○東村委員 四月七日に東京都美容生活衛生同業組合の理事長名で組合員に通知が出されました。その中に全美連、つまり、全日本美容業生活衛生同業組合連合会からの働きかけもあり、西村経済再生担当大臣の国会答弁で、緊急事態宣言の営業自粛対象業種から外れましたと、こういう答弁があったということを記載された文書が組合員に通知されました。
 つまり、人の命を守るというよりは、どちらかというと、この業界団体の国への強い要望によって、対象から外されたというのが実態ではないかと私は思っています。
 美容組合に入っている人たちも同じ思いなのかと思いまして、私は地元の組合員の皆さんに一人ずつ電話で確認しました。そうしたら、自分たちの仕事現場はまさに三密の状態であり、特に密接は防げない、したがって、とても怖くて仕事ができない、できれば休業したい、ただ、対象から外れたから非常に苦しんでいる、こういう話がありました。
 現に、福岡県の美容院でクラスターが起きました。さらには、四月十五日のNEWS23で東京都医師会の尾崎会長がテレビ出演され、理美容、私は危険だと思っていますと医師会の会長として申されました。
 国のクラスター対策班の北海道大学の西浦教授は、人との接触を八割減らすだけで三十九日間程度で新型コロナウイルスは終息し、六割だと高いところでの現状維持が続いていく、こういうことを解析されております。
 今の東京の感染者の推移は、何よりも知事ご存じだと思いますが、高どまりで維持している状況、つまり六割なんです。もっともっと減らさないとであります。
 一度休業対象から外された理容、美容について、今回の協力金の対象にすることは難しいと思いますが、今回のこれまでの経緯を踏まえて、感染拡大の防止の観点からも、自主的に休業しようとする人たちについては支援の枠組みを検討すべきだと思いますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 今回の休業要請に当たりましては、国は、緊急事態宣言と同時に基本的対処方針を改正しました。そして、都道府県が要請を行うことのできる施設について新たな基準を示したことで、一部の施設が事業の継続が求められる事業者として位置づけられたわけであります。
 こうした中でも、社会生活を維持する上で必要な施設での仕事として業務に携わる方々が、感染のリスクを気にしながらも日々の役割をしっかり果たしておられることには、まずは感謝をしたいと存じます。
 一方で、都の要請などに応じて施設の休業や営業時間の短縮にご協力いただいている事業者が数多くございます。
 こうしたさまざまな事業者の状況やこの間の経緯を踏まえまして、今後どのような対応を行うべきなのか検討していきたいと考えます。

○東村委員 ぜひとも現場の人たちに喜んでいただける、そういう支援にしていただきたいと思います。
 次いで、この休業要請に関連して、チャレンジネットについて質問します。
 都は、我が党の提案により、都単独事業として、十二年前にTOKYOチャレンジネットを生活支援、居住支援などの窓口としております。その対象者を東京都は、実は直近都内在住六カ月以上の方としています。
 現在、このチャレンジネットは、国庫補助も活用して今回の緊急事態に対応しております。特に休業要請の対象になったインターネットカフェ、ここから締め出された人たちの受け皿として、このチャレンジネットは非常に期待をされています。
 こうしたことから、公明党は、知事への提言でも、都内在住六カ月未満の方も対象にすべきであると申し上げてきました。それを受けて、東京都は、区市町村の窓口を対応として、このチャレンジネットの仕組みを活用しております。
 区市町村の窓口は、住宅確保給付金を含む生活総合相談の窓口であり、大変混雑しておって、なかなかそこにたどり着けないという声があります。また、十日間の対応の中で無料低額宿泊所を紹介されて、密接が一番だめだといわれている中で、よりによって二人部屋を紹介した、こういうこともいわれております。
 そこで、この六カ月縛りをぜひとも外して、都内での生活期間が直近六カ月未満であっても、ハイジアでのTOKYOチャレンジネットを窓口として支援が受けられるようにすべきだと思いますが、福祉保健局長、いかがですか。

○内藤福祉保健局長 都は、ネットカフェ等に寝泊まりしながら不安定な就労をしている方の支援の仕組みであるTOKYOチャレンジネットを活用し、住居を喪失した方の緊急滞在先としてビジネスホテルを確保するとともに、その後、一定期間利用できる住宅の拡充を図っているところでございます。
 このチャレンジネットは、継続的な就労による自立が可能な方々を対象としており、直近の都内での生活期間が六カ月以上であることなどを支援の条件としております。
 お話の支援条件の緩和につきましては、今回の支援対象の多くの方が都の緊急事態措置に基づいた休業要請に応じたネットカフェ等の利用者であることを踏まえ、相談前の生活実態が都内にある場合は、都内での生活期間が六カ月未満の場合であっても、東京都健康プラザハイジアにあるチャレンジネットでの対象として広く支援してまいります。

○東村委員 ぜひとも六カ月未満の人も、ネットカフェのこういうカードや領収証だけでも六カ月未満というのはわかると思うんですね。そういうのをしっかり柔軟に見て、支援をしていただきたいと思います。
 次いで、同じく休業要請に伴って大変困っている在宅子育て家庭、このことについて質問したいと思います。
 従来のベビーシッター利用支援事業は、待機児童対策として、認可保育所に入園できなかったゼロ、一、二歳児のご家庭が利用可能という事業でありました。今回、都議会公明党の提案で、今年度から、在宅子育て家庭の一時預かり保育にも活用できるようになりました。
 七日の緊急事態宣言を受けて、多くの自治体が保育所や学童保育の臨時休園を決定したことに伴い、ご家庭で子供を見ながら在宅勤務をする保護者が大変急増しております。
 こうした状況に際して、ベビーシッターを利用できる制度を構築したわけでございますが、制度の構築に当たって、ベビーシッターの利用料を非課税扱いにすることが重要でありました。当初、これ、課税という話だったんです。私たち都議会公明党は、遠山財務副大臣のところに乗り込んでいきまして、こういった緊急事態であるからこそ非課税扱いにすべきだということで、財務省は動いて、非課税にしていただきました。
 今回の措置において、感染防止のために休園となってしまった家庭だけでなくて、登園の自粛要請を受けて自宅保育をしているご家庭も、ぜひとも使えるようにしていただきたいと思います。
 また、今の保育園に在園しながら、居宅訪問型保育、ベビーシッターを使うことが可能であることをしっかりと明記して、わかりやすく、利用しやすい制度としていただきたいと思います。事業の概要とあわせて、福祉保健局長に伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、今月発表した東京都緊急対策(第四弾)におきまして、新型コロナウイルスの感染拡大により臨時休園した保育所等の利用児童を新たにベビーシッター利用支援事業の対象とし、この中には、お話の登園自粛要請を受けて自宅での保育が必要となるご家庭の児童も含まれております。
 こうした対象児童の考え方や、今回の緊急対策に係る助成金は所得税法上の非課税所得の取り扱いとなることなどについてわかりやすく示した質疑応答集を作成し、区市町村に情報提供していくなど、保育を必要とする方に確実に保育を提供できるよう区市町村を支援してまいります。

○東村委員 何より希望する方が速やかに利用できるようにすることが大事でありまして、学校の臨時休業に伴う小学生の一時預かりの場合は、十分の十、都が全額負担をしております。
 原則休園の自治体が多い中で、在宅ワークをされているご家庭で、ベビーシッターの利用を望まれている声も多く聞いております。保育園が臨時休園した場合も、十分の十を出さないと、区市町村が新たな負担が出た場合、予算を組み直さなきゃいけないし、そういうさまざまな手続が必要で、速やかにできないんです。
 だからこそ、全額都が負担をして、区市町村が事業を実施しやすく、そして利用されたいご家庭が活用できるよう、スピード感を持って実施すべきだと思いますが、福祉保健局長の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 保育所等が臨時休園した場合でも、仕事を休むことが困難な保護者に確実に保育を提供することが必要だと考えております。
 本事業の補助率を十分の十とすることで、区市町村が速やかに対応できる仕組みとし、保育を必要とする保護者が安心して保育サービスを利用できるよう支援してまいります。

○東村委員 十分の十、つまり全額東京都が負担するという話がありました。これは速やかに発信していただきたいと思います。区市町村は待っていると思いますので、よろしくお願いします。
 次いで、文化芸術活動の幅広い支援について質問します。
 公明党はかねてより、文化芸術立国日本を目指して、総力を挙げて、国も都も、そして区市町村会議員も、文化政策、芸術政策に取り組んでまいりました。今、国難といえる中で、この首都東京から断じて文化芸術の灯を消してはなりません。むしろ困難な状況だからこそ、文化芸術で、都民に対して希望のともしびをしっかりとつけていかなければならないわけであります。
 ホールや劇場など、都内全域の活動拠点が失われている現状では、創作発表の場をウエブに限定した今回の取り組みは理解できます。一方で、文化芸術は直接鑑賞したい、やはりテレビで見るのと、画面で見るのと、その劇場に行くのでは、全く臨場感が違うわけです。また逆に、芸術家も直接見てもらいたいという声があります。
 この間、プロの芸術家の皆さんは、コンサートを中止するなど、会場費のキャンセル料などの負担を抱えながら、新型コロナウイルス感染症の一日も早い終息を願われております。
 ぜひとも、現在の状況が改善された場合、その後の展開として、ホールや劇場でのアーティスト活動の機会を提供し、支援することも検討していただきたいと思いますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 ホールや劇場で、現場の空気感を出演者や観衆と共有する、その感動は、ほかには得がたい体験であります。芸術文化のだいご味の一つといっていいでしょう。
 芸術文化を直接鑑賞したいという都民の声、鑑賞してもらいたいという関係者の気持ち、ここは大いに共感するところであります。しかし、残念ながら、現時点では、ホールや劇場に直接足を運んでいただくことは難しいというのが現実でございます。
 今、東京の文化の灯を絶やさないための緊急対策に取り組む集中的な期間であり、また、今後、この未曽有の国難を乗り越えたときこそ、東京の芸術文化が再び盛り上がる、そのために灯を消してはならない。
 今回のアーティスト支援でありますが、文化芸術活動への緊急対策の第一弾であります。これでもちろん終わりではありません。事業への反響を踏まえまして、継続、拡充することも想定をし、新型コロナウイルス感染症の終息のステージに応じまして、じかに芸術文化に触れていただける機会を提供することについても検討してまいります。
 今は、まず集中して、みんなでこの新型コロナウイルス感染症の拡大防止にご協力をいただきたいと存じます。

○東村委員 次に、中小企業の血液ともいうべき資金繰りについて質問したいと思います。
 国は、政府系金融機関が無利子融資を既に実施しておりますけれども、実は、もうこの政府系金融機関の融資、かなりの数の申し込みがあって、今、迅速に借り入れができない、こういう状況にあります。
 そういう中、国は、令和二年度の補正予算において、自治体の制度融資を活用して、民間の金融機関を使った実質無利子融資を開始する、こういうことを画期的な政策として打ち出しました。これはすごいことだと私は思っています。
 中身は、二兆七千億の、これは全国の財源ですけれども、融資開始後の三年間、融資額三千万円を上限とする。対象事業は、個人事業主の場合は、直近三カ月の売り上げが前年比五%以上減少、そして、中小、小規模事業者の場合は、直近三カ月の売り上げが前年比一五%減少だという、こういう仕組みです。
 しかしながら、東京都の融資制度は、この無担保融資ですら、今回の緊急融資制度で八千万という限度があるわけです。国の三千万じゃ足りないわけで、もっともっとここをパイを大きくして、八千万円以上、この無担保の枠を広げていかなきゃいけないし、また、売り上げ減少も、個人事業主と中小企業で分けるというのは非常に煩雑で、また、一五%というのは、かなり受けられない人も中には出てくると思います。
 そこで、国の制度を横引きするのではなくて、やはり今回、東京都が利子補給をするというのであれば、実質ではなくて、原則、利子がゼロになるくらい利子補給をして、さらに融資額もふやして、そして、この条件も緩和していくべきだと思いますが、産業労働局長の見解を求めたいと思います。

○村松産業労働局長 都の利子補給につきましては、国制度の内容を踏まえつつ、事業者にとって利便性の高いものといたします。
 まず、対象事業者につきましては、都の緊急融資等の利用条件と同様に、企業規模にかかわらず、直近三カ月の売り上げ等が五%以上減少している全ての中小、小規模事業者とする予定でございます。
 また、利子補給を行う融資の上限額につきましては、都が独自に上乗せを行いまして一億円とすることにより、都の緊急融資等を無担保で利用する場合は、原則として全額を無利子とする仕組みを検討しているところでございます。
 既に実施しております信用保証料の全額補助とあわせまして、大幅な負担軽減を図ることにより、中小、小規模事業者の円滑な資金調達を強力に後押ししてまいります。

○東村委員 一億円まで枠を広げ、そして原則全額を無利子にする、こういった利子補給をする、これはもうすごいことだと思います。ぜひとも一日も早くこの受け付けができるように体制を組んでいただければと思います。
 次に、新型コロナ外来について質問したいと思います。
 各地域のかかりつけ医からの相談、情報が殺到する保健所は、機能の限界が迫っており、さらには、感染者を受け入れている地域の中核病院など、現場も混乱、疲弊をしております。
 国立国際医療研究センターの忽那国際感染症対策室医長は、都内の病院は崩壊しかかっていると申し上げられていました。また、都内では、今月、感染の疑いがある患者を救急搬送しようとしたら、何と百四十件の医療機関から断られた、七時間以上にわたって入院先が見つからなかった、こういう事例が出ました。決して断った医療機関が悪いわけじゃありません。体制が整っていなかったから、逆に、受けた場合の次の感染ということを心配されていたわけであります。
 そこで、こうした中、東京都医師会の提案、協力により、区市に発熱外来、PCRセンターを設置する動きが加速をしています。今もう既に杉並区、新宿区、葛飾区、墨田区などが公になっています。
 ただ、大事なことは、このPCRセンターがしっかりと機能できるように、財政的に厳しい、資材がない、こういうことが起きないように、都がしっかりとした支援をしていくことが重要であります。
 そこで、この支援について、まず見解を求めたいと思います。

○内藤福祉保健局長 都は、新型コロナ外来の体制の充実に向け、簡易陰圧装置等の設備整備や、保険適用によるPCR検査の患者自己負担分の公費負担、医療従事者の確保や特殊勤務手当への支援を行うとともに、防護服を提供しているところでございます。
 お話のPCRセンターにつきましては、令和二年四月十五日付の国の通知を踏まえ、PCR検査を集中的に行う地域外来・検査センターとして新型コロナ外来に位置づけるとともに、地域の実情に応じて整備できるよう、地元自治体や地区医師会の意向を十分に把握し、財政、資材などの支援をしてまいりたいと考えております。

○東村委員 ぜひとも現場が困らないように、積極的に、待つんじゃなくて、状況も聞いて支援をしていただきたいと思います。
 その上で、都に求められていることは、この医療ネットワーク体制の構築だと私は思っております。というのは、仮に新宿が先行してやるとします。そこに、さっきいった国際医療研究センターがある、慶應病院がある、そして東京医科大学病院がある、そして東京女子医科大の病院がある。こういうところが、非常に新宿区に固まっている。
 新宿区のPCRセンターから直にそこに行ってしまった場合、これは同じ医療圏であっても、先に先行したところがどんどんどんどん埋まっていって、後から出発したところは病院に入れてもらえないという事態が生じてくる。それを保健所に任せるんじゃなくて、やはり東京都の調整本部でさまざまなベッドの空室情報、BCポータルサイトなんかを活用しながら、さまざまなベッド情報を東京都がコントロールしていく、そして調整をしていく、こういうことがこれから大事になってくると思います。
 そうしないと、ある現場では足りないけれども、ある現場では、ある医療圏ではベッド数があいている、こういうことが生じてくると思います。
 そういうコントロールを調整本部の中でしっかりと、入院、入所調整センターとして位置づけて、これから対応していただきたいと思いますが、福祉保健局長の見解を求めます。

○内藤福祉保健局長 これまで保健所が担ってきた陽性患者の入院先の調整につきまして、都は、東京都新型コロナウイルス感染症対策の調整本部を設置し、入院調整の要請があったものを対象に、患者や空床等の情報を一元的に管理し、経験豊富な医師の助言を得ながら、病院や保健所と連携して入院調整を進めているところでございます。
 今後、相当数の調整が必要となることから、体制の強化を図り、保健所から要請のあったもの全てについて調整本部が関与し、お話のような入院、入所調整センターとして、広域的な入院、入所の調整機能を果たしてまいりたいと考えております。
 円滑な入院調整を図るため、感染症指定医療機関等から空床情報を毎日収集しており、今後、患者が増加した場合にも円滑な入院調整を図るため、空床情報を随時更新することや、報告のない医療機関に対して報告を働きかけてまいります。
 また、転院など医療機関の連携が円滑に図れるよう、病院間で情報共有が可能なポータルサイトを新たに開設いたしました。
 今後、保健所と密に連携しながら、患者の動向の適切な把握を進めてまいります。

○東村委員 ぜひとも東京全体の医療を支えるという観点から、都がやはり、今おっしゃったように調整機能をぜひとも発揮していただきたいと思います。
 次いで、多摩地域における検査体制について質問します。
 四月一日以降、都内の感染者数が市区町村別に発表されるようになりました。陽性となった患者数は、人口十万人当たりで、区部が二十一・三人であるのに対して、多摩は六・六人となっております。
 多摩地域では、かかりつけ病院等で感染の疑い、あるいは肺炎の診断をしたとしても、保健所でなかなかPCR検査を受け入れてくれない、あるいは、コロナ外来等の対応もいまだ遅いという現状がございます。
 その裏づけとなるのがPCR検査の実施数ですが、四月十六日現在、健康安全研究センターが実施した都内全体の検査数が八千六百三十四件、このうち多摩地域の都民に限ると千百五十五件で、比率が一三%です。人口は二対一に対して、検査を受けている数は一三%しかない。
 そこで、なぜ多摩地域ではこのようなPCR検査数が少ないのか、これについて見解を求めたいと思います。

○内藤福祉保健局長 お話のとおり、健康安全研究センターで実施した多摩地域の検査数は、区部に比べまして大幅に少ない状況がございます。
 多摩地域におきまして検査数が少ないことにつきましては、これまでの間、大規模な集団感染が少ないこともございましたが、特別区地域の急速な感染拡大も影響し、多摩地域では、特別区地域に比較して、PCR検査が相対的に受けにくい状況になっているものと認識してございます。

○東村委員 多摩地域、なかなか受けにくい。そのためには、PCR検査数を急ピッチで多摩地域でふやす必要があると思います。
 そこで、医療の最前線で診療しているクリニックや診療所で、肺の画像診断までできるところについては、PCR検査が実施できるようにしてはいかがかと思います。
 また、加えて、多摩地域にPCR検査センター、あるいはPCR検査スポットを新たに設置していくべきだと思いますが、福祉保健局長の見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 新型コロナウイルス感染症対策を確実に進めるためには、PCR検査の体制を確保することが必要だと考えております。
 多摩地域における検査実施件数の実情を踏まえ、一層の検査体制の強化が進むよう、希望する診療所などを新規指定し、PCR検査が実施できるようにしてまいりたいと考えております。
 医療機関などと連携しながら、先ほどご紹介した令和二年四月十五日付の国の通知を踏まえまして、都は、多摩地域において、かかりつけ医からの検査ニーズに対応できるPCR検査を行うセンターの整備を進めるなど、多摩地域の検査体制を強化してまいります。

○東村委員 今答弁がありましたように、希望する診療所、クリニックについては、新規指定をして、そこでPCR検査が行えることになると。こうなれば、随分、検査数がふえてくると思います。ぜひともお願いをしたいと思います。
 あわせて、多摩地域に、無症状、軽症者の宿泊施設、今回都が借り上げた中には一件もありません。やはり身近な地域で、多摩地域においても宿泊施設を借り上げていただきたい、このように思いますが、局長、いかがですか。

○内藤福祉保健局長 都は現在、軽症者の患者を対象といたしました宿泊施設を二十三区内の三カ所のホテルで開設しております。さらに受け入れ施設を確保するため、昨日まで公募を行っており、今回の補正予算では、既に開設しているものと合わせまして、当面、三千人分のホテル等の宿泊施設を確保する予定としております。
 現在、都が運営している宿泊施設では、多摩地域の方も受け入れているところでございますが、今後、多摩地域でも宿泊施設を設置し、宿泊療養の必要な方をしっかりと受け入れられるよう、多摩地域における新型コロナウイルス感染症に対応する体制整備に向けて一層取り組んでまいります。

○東村委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 この軽症者、無症状者が重篤化するという問題について、パルスオキシメーター、この活用について質問したいと思います。
 四月十日、小池知事に公明党は緊急提言を行いまして、その中で、軽症者や無症状の人を受け入れるホテルなどにおいて、患者の異変を素早く把握するための血中酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターを配備して、急な重症化に備えるべきであるということを申し上げました。
 今回の補正予算で、宿泊施設活用事業の中にパルスオキシメーター等の備蓄品の確保を盛り込まれたことは評価したいと思います。
 パルスオキシメーターについては、我が党の秋野公造参議院議員、元厚労省の医系技官でありまして、あの新型インフルエンザのときの水際対策をした方でございます。この方を先頭に、公明党青年局、そして山口代表が厚生労働省に提言し、厚生労働省は、七日にQアンドAに反映して事務連絡を出しております。
 そこで、パルスオキシメーターを宿泊療養だけでなくて、自宅療養の方にも配布すべきと思いますが、局長の見解を伺いたいと思います。

○内藤福祉保健局長 パルスオキシメーターは、動脈中の酸素飽和度を確認するなど、患者の健康状態の総合的な判断に役立つものでございます。
 現在、都が設置した宿泊施設において、医師や看護師が新型コロナウイルス感染症陽性患者の健康観察の際に活用しております。
 今後、自宅療養患者の健康観察でのパルスオキシメーターを効果的に活用する仕組みにつきまして、保健所とも連携しながら検討してまいります。

○東村委員 パルスオキシメーターの測定値については、それをどう活用するかが大事でありますが、なかなかこれは都民にはわかりにくい。
 そこで、秋野さんがおっしゃっていましたが、都立病院、公社病院は、かなりの知見を持っていると。この都立病院、公社病院での取り組みも参考にして、自宅療養者向けのガイドラインを策定したらどうかと思いますが、局長、いかがでしょうか。

○内藤福祉保健局長 パルスオキシメーターは、内服薬の影響、手指の血流、測定時の手の位置など、さまざまな要因で測定誤差が生じる可能性がございます。測定値が呼吸困難の評価に直接結びつかないなど、使用に際しては注意が必要と考えられております。
 現在、都は、新型コロナウイルス感染症陽性者で自宅療養となる方に、保健所があらかじめ療養中の一般的な注意点を説明できるよう、説明書のひな形を用意しているところでございます。
 今後、保健所がパルスオキシメーターを活用して、自宅療養の対象者を適切に支援できるよう、使用に当たって守るべきことや注意すべきこと、医師に相談する判断基準等につきまして、自宅療養者向け説明書に記載して活用してまいります。

○東村委員 医師に相談する判断基準は、まさに都立病院、公社病院の知見を活用して、ぜひとも決めていっていただきたいと思います。
 今、医師会が出している九三%未満というのは、九三を切っちゃうと、ぜいぜいはあはあで、もう動けないという状況ですから、本来ならば九五以下だと思いますので、そこはぜひとも、この公社病院、都立病院の知見を生かしていただきたいと思います。
 最後に、防護服、防護具、これについて質問したいと思います。
 四月一日現在、東京都は百八十万着の防護服、防護具、さらには、今回、八十万着の新たな防護具、防護服を買うということでございます。
 提供先は、三十一カ所ある保健所、国立国際医療研究センターや駒込病院など十二の指定感染症医療機関、六十九の診療協力医療機関、そして入院機関などであります。
 そこで、さらに今後、発熱外来やPCRセンターが設置されていきますけれども、ここにやはりこれらの防護具、防護服を無償で提供していくべきだと思います。
 あわせて、地域のかかりつけ医やクリニックなど、地区の医師会への供給対応はどうなっているのか、局長に見解を求めたいと思います。

○内藤福祉保健局長 都は、新型コロナウイルス感染症が都内で発生し、新型コロナ外来を開設した二月から、感染症指定医療機関を初め診療協力医療機関や保健所などに、個人防護具の必要量を定期的に調査した上で供給しているところでございます。
 また、医療機関が病床等の情報を登録する都のBCポータルサイトで、新たに患者を受け入れる意向を示していただいた場合も、確実に需要調査の対象に加えているところでございます。
 お尋ねのPCRセンターなども同様に、防護具を提供する対象機関としていくこととしており、さらに、都内の各地区医師会につきましても、三月四日に個人防護具を百セットずつ既に配布しており、その後もご要望があれば追加で配布しているところでございます。

○伊藤委員長 東村邦浩委員の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十二分休憩

   午後三時四十分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 小松大祐委員の発言を許します。

○小松委員 冒頭、新型コロナウイルスに感染し、お亡くなりになられた方のご冥福と、今、病と闘っている多くの方の一日も早いご回復を心からお祈り申し上げます。
 そして、医療の最前線で、感染リスクのある中、感染症と対峙をされている医療従事者の方を初め、キーワーカーの皆様並びにご家族の皆様のご尽力に敬意を表する次第であります。
 それでは、都議会自民党を代表いたしまして質問に入らせていただきます。
 まず、自粛期間について伺いたいと思います。
 行動量については、減少傾向にあるようでありますが、八割と掲げているこの自粛の目標にはなかなかまだ到達していないのが実情であります。予想より長期化する可能性も危惧されます。
 都の緊急事態措置の延長をするかどうかについて、どのような基準で、いつごろを目安にご判断をされるのか伺いたいと思います。外出自粛要請を緊急事態宣言の前から実施されましたとおり、都としても独自の判断ということもあり得るのかどうかもあわせて小池知事の方に伺いたいと思います。

○小池知事 現在の緊急事態宣言は、ご承知のとおり、五月六日までとされております。国は、対処方針におきまして、今後新たな科学的な知見、感染の状況、そして施策の実行状況などを考慮して、基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分に踏まえて、緊急事態宣言の継続もしくは終了を判断するという、このような手はずとなっていることは委員もご承知のとおりであります。
 また、緊急事態解除の宣言が行われました後にも、引き続き警戒を行うことは必要であります。国内外の感染状況を分析しまして、より有効な対策を実施することとなっております。
 このため、都が独自に、法律に基づく、つまり特措法に基づく緊急事態措置を延長することは、法律が、まずそこで決めるわけでございますから、これを延長することは都としてはできません。しかしながら、感染拡大を防ぐという観点からは、さまざまな状況を想定いたしまして、国と連携をしながら適切に対応することとなろうと考えております。

○小松委員 国と連携ということでもありましたが、やはり自粛の要請ということも、実際に判断されるときは大変難しかったと思いますが、この緩和や解除というのは、またさらに別の難しさがあろうかと思います。今、知事の方からも国と連携をしながらという話もありましたが、ぜひ区市町村の方との連携についてもご配慮いただければと思います。
 次に、都民生活への支援や影響について幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 今ご答弁いただきましたとおり、自粛の要請期間については、現在五月六日までとなっております。保護者や教職員の方からは、この五月七日以降再開するのかどうか、これはネットも含めて、賛否が大変大きく分かれているところだと思います。
 冒頭、先ほど都民ファーストさんの方からも、この件について幾つか確認がありましたので、ここはあわせて指摘を少しさせていただきたいと思うんですが、実際この四月に再開をする、しないのときは、自治体によってかなり判断が異なりまして、学校現場や教職員の方、また、保護者の方も大変混乱をしたことは、報道もされたので、よく皆様方もご存じだと思います。
 こうしたことの反省を踏まえて、次回の解除、緩和のところについては、しっかりと綿密な区市町村や学校現場との十分な打ち合わせや、また、都の方針、指針についても、より一層早期に示していただいて、前回のようなことがないようにご配慮いただきたいというふうに思っているところであります。
 関連しまして、インフルエンザ等がはやったりしたら、学校保健安全法に基づきまして、学校というのは、学級閉鎖や休校等の対応をとることになっています。いろいろ想定しなければいけないのは、今の臨時休校の状況から再開された後、学校現場で、児童や生徒、また、教職員の方の中から感染者が発生した場合、どのような対応をとるのか、都に伺いたいと思います。教育長、お願いします。

○藤田教育長 今般の学校の臨時休業措置につきましては、新型コロナウイルス感染症が、国により指定感染症とされたことを受けまして、学校保健安全法を根拠といたしまして実施をしたものでございます。
 学校再開後の臨時休業基準につきましては、都教育委員会として今般新たに定めたところでございますが、都立学校版感染症予防ガイドラインにおいてお示しをしております。
 具体的には、児童生徒等が感染した場合、WHOが新型コロナウイルスの潜伏期間を最長十二・五日としていることを踏まえ、原則として十四日間を目安に臨時休業を行うというふうに定めているものでございます。この対応につきましては、区市町村教育委員会に対しても既に周知を行っているところでございます。
 なお、新型コロナウイルスは、未解明の部分が多々あり、今後、新たな科学的知見が示された際には、必要に応じて休業の基準などの修正を図ってまいります。

○小松委員 ワクチンですとか特効薬等がいまだないという中で、保護者の方や教職員の方の不安というのは、ある意味でインフルエンザより大変大きなものとなっていると思います。
 教育長の方からは、必要に応じて見直す、修正を図られるということでありましたけれども、事前に十分な協議を専門家の知見も踏まえながら準備をしておく、そうした姿勢を示すことが、保護者の不安払拭にもなると、まずそれが第一歩ではないかということを指摘しておきたいと思います。
 まだ再開の見通しが立たないところでありますが、さらなる延期が続けば、学習のおくれは深刻なものとなります。特に受験生、心配です。保護者からは、オンライン学習の期待の声がネット上でも非常に多く見受けられます。私立校の中では、先行して実施されている学校もあるように聞いています。早ければ十二月ぐらいには推薦入試もスタートするので、受験生にとっては、これが少しでも延びたら、半年余りしか受験生期間が、準備ができないというわけであります。
 今回の補正では、通信料の支援が提案されているんですが、オンライン学習のアプリサービスの費用についても、一定の所得制限であったり、また、受験生に限るなど、学年であったり、そうしたことの補助や早期導入を検討すべき時期にもあるのかなというふうに思います。
 長期化に伴うオンライン教育の取り組みについて、都の見解を伺いたいと思います。

○藤田教育長 学校の臨時休業中であっても、児童生徒が学習を継続できるよう、ICT環境を整備することが重要でございます。
 そのため、都立学校では、生徒の所有するICT機器を活用して、民間の学習支援クラウドサービスを利用するなど、学校と生徒のコミュニケーションを図り、オンラインでのきめ細かい学習支援を行う取り組みを順次開始しているところでございます。
 また、家庭に端末や通信環境がない生徒に対しましては、パソコンやモバイルルーターの貸し出しを行い、学習環境を整えているところでございます。さらに、区市町村立学校におきましても、都立学校と同様の取り組みが可能となるよう区市町村教育委員会を支援してまいります。
 都教育委員会は、学びの機会を保障し、児童生徒や保護者の不安を払拭できるよう、都内公立学校のICT機器を活用した教育を一層推進してまいります。

○小松委員 今回の緊急対策の中で、先ほどの会派にもございましたが、妊婦の方に一万円分のタクシー券を配布するという案がございました。そこで、我が会派からも妊婦の方への対応について、一点要望を申し上げさせていただきたいと思います。
 緊急事態宣言のために、里帰り出産を断念されている妊婦さんが出始めていらっしゃいます。
 現在、母子手帳をお持ちの方が陽性判定となった場合の選択肢は、実は入院の一択しかありません。ベッド数の確保の問題も、今、東京都はあるわけであります。今後は、妊婦の方の健康状態に合わせて、軽症の方で、また、希望される場合に限っては、宿泊療養や自宅療養も認めるなどほかの選択肢についても用意するべきではないかなというふうに思います。このことは医療体制の維持にもつながると思います。
 ただ、そのためには、妊婦の方に万一のことがないよう、医療サポートの体制も充実しなくてはなりません。小池知事におかれましては、周産期医療協議会に諮るなど速やかな対処を強く求めておきたいと思います。
 続きまして、災害時対応について幾つか確認させていただきたいと思います。
 今月一日、内閣府や厚労省などから、災害時は避難所を可能な限り多く開設し、避難者のスペースを十分確保するように各自治体に通知がございました。豪雨や台風の災害というのは、この東京でも大変頻発をしているわけであります。自然災害等が発生した場合、コロナとあわせて二つの脅威が重複します。こうした異常事態も、もう十分想定をしておく必要があるのではないでしょうか。
 衛生管理と感染拡大防止、双方の対策を確認し、事前に必要な手を講じるべきというふうに思います。避難が必要になったときに、自宅で経過観察をされている方やそのご家族、濃厚接触の疑いのある方は避難所に避難することができるのか、コロナ患者の避難所の受け入れ体制や運営はどのように対処するのか、総務局長に伺います。

○遠藤総務局長 発災時の避難所における感染防止策として、都は、避難所管理運営の指針の中で、適切な換気や手洗い、手指の消毒の実施を定めておりまして、区市町村は同指針に基づき、避難所の適切な感染防止対策を行うこととしております。
 一方、国の通知によれば、自宅療養等を行っている新型コロナウイルス感染症の軽症者等につきましては、原則として一般の避難所に滞在することは適当ではないという方針が示されております。
 都は、国の通知を区市町村に周知するとともに、新たな避難先の確保等に関する取り組み状況や都に対する要望等について現在調査を行っております。引き続き区市町村と連携し、避難所における感染拡大を防止する措置につきまして検討を進めてまいります。

○小松委員 ただいまのご答弁で、国によりますと、原則として一般の避難所に感染者の方が滞在することは適当でないという方針が確認されました。
 これ、都は、自宅療養者の方の数、把握ができているんでしょうか。公表されていないわけであります。保健所は、必ず報告をしているわけであります。災害時も自宅待機を要請しながら把握できていないというのは、後々問題になろうかと思いますので、早期に把握をしっかりできるよう指摘しておきたいというふうに思います。
 さて、無症状の方、また、感染したばかりで本人はまだ気づいていない状況の中で避難するケースというのも想定されるわけであります。こうした場合、避難所が感染のクラスターとなる可能性もあります。
 避難所での感染症に詳しい新潟大学の教授によりますと、一人当たり二メートル四方のスペースが必要だ、床に落下したウイルスを含んだ飛沫を吸い込む危険性から簡易ベッドなどを用意することが望ましいという指摘がありますが、現実にはなかなか難しいというのは、ここにいる皆さんもご想像ができると思います。
 実際、昨年十月の台風十九号のときは、都内で八万三百九十七名の方が避難をされ、都内に約七百カ所避難所が設置されました。一カ所当たり約百人を超えるわけであります。まさにこのソーシャルディスタンスの確保ということを考慮しますと、三密の条件がそろいやすい避難所というのは、定員についても見直しをしておく必要があるんじゃないでしょうか。
 避難所を分散させるなど、見直しが必要となることは、先ほど国も通知をされていることを述べました。避難所運営は、確かに区市町村の役割でありますが、都立施設の活用など、都が協力できる、支援できることは多いと思います。
 都としての指針を示すべきだと思います。現在までの検討の状況を総務局長に伺います。

○遠藤総務局長 先ほどお話しいたしました国の通知によりますと、新型コロナウイルス感染症の蔓延する中で発災した場合に備えまして、区市町村は、通常の災害発生時よりも可能な限り多くの避難所の開設を図るとともに、ホテルや旅館の活用等も検討することや、可能な場合は、親戚や友人の家等に避難していただくことも周知することとされております。
 繰り返しになって恐縮でございますけれども、都は現在、国の通知を区市町村に周知するとともに、新たな避難先の確保等に関する取り組み状況や都に対する要望等について調査を行っているところでございます。
 引き続きスピード感を持って区市町村と連携し、避難所における感染拡大を防止する措置について検討を進めてまいります。

○小松委員 総務局長から、スピード感を持ってという力強いご答弁をいただいたので安心しているところでもありますが、無症状の場合、また、感染初期で本人もまだ気づけていない状況のときに、親戚や友人の家に避難していただくということは、現実的には余り好ましくない状況のはずでございます。
 今はまだ検討段階ということでございますが、つい先日も、この週末、都内でも記録的豪雨が降るんじゃないかということが、天気予報でも示唆されたわけであります。いよいよ梅雨、また台風の季節もやってきますので、できる限り急いで区市町村とも連携を進めていただきたいというふうに思います。
 あわせて、備品についても少し心配です。
 コロナによって、新たに必要となる、また需要がふえる備品というのもあるんだろうと思います。自治体によっては、災害時用の備蓄されたマスク等も医療機関などに提供されているという報道も見ています。今まさに大規模災害が起きましたときに、避難者の方に提供するマスクなどの備品がない避難所というのも出てくる可能性があります。都は、各避難所のこの備蓄状況について把握はできているのか、また、区市町村でしっかり把握するように指示が入っているのかどうか、大変心配するところであります。
 また、先ほどの答弁にもありましたけれども、発熱している方への避難所についての用意であったり、疾患のある方など高リスクの方向けにどうしていくのかなど、これまで積み重ねてきた災害時対応や計画についても、このコロナを踏まえて大幅に見直す部分が出てきたりするんじゃないかということを指摘し、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 先日、知事の方から自粛疲れはまだ早いよというふうに鼓舞するお話があったんですが、確かに、知事が緊急事態措置を出されたのは四月六日なんですけど、実は多くの高齢者の方が重症化しやすいですよといわれたのは、もう二月の段階でございまして、これ、専門家会議の報道がありました。そこから、実はかなりの方が、独自にそれぞれに自粛をされている方が多いわけであります。
 各地で自粛が要請されて、高齢者が健康を維持するために重要な役割を果たしてきたこの公共施設も休業を一月以上経過している、そうした自治体もふえてまいりました。
 高齢者の方からは、心身とも限界だという声も届いているわけであります。決してまだ早いというふうに鼓舞する気持ちもわかるんですけど、高齢者にとってはそれが結構しんどいということもどうかご理解いただきたいと思います。
 特に、この四月七日の緊急事態宣言以降、都の要請にもかかわらず、介護サービス事業所を休業する通所系や短期入所系の事業者が、この一週間で四十件から七十四件と倍近くに増加をいたしました。
 事業継続を要請する東京都として、区市町村と連携して、そうした事業所や見守りが必要な高齢者を支援するべきだと考えます。見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、介護サービス事業者に対しまして、利用者やご家族等の状況を踏まえ、必要なサービスを継続するよう求めるとともに、感染防止等を理由にやむを得ず自主休業する場合は、利用者に丁寧に説明すること、居宅介護支援事業者と連携し、訪問サービス等の適切な代替サービスを確保すること、事業継続のため介護報酬算定の特例が設けられていることを周知しているところでございます。
 また、今般の緊急対策では、高齢者福祉施設等に提供するマスクを九百二十万枚確保することとしておりまして、今後、区市町村を通じて配布する予定でございます。
 さらに、在宅高齢者が健康的な生活習慣を維持できるよう、ストレスへの対処、交流や運動、身体活動、食、栄養のポイントをまとめた資料を作成し、区市町村に配布しており、今後とも高齢者の心と体の健康維持に努めてまいります。

○小松委員 今は、高齢者の方を中心にお話しさせていただきましたが、障害をお持ちの方も同様のニーズがあると思いますので、あわせて福祉保健局の皆様方には、お力添えをお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、医療提供体制の強化についての質問を幾つかさせていただきたいと思います。
 この医療体制の強化として、都は、宿泊施設、ホテルの活用が進められています。重症者への病床の確保のため、何としても着実な成果につなげていただきたいと期待するものであります。
 四月の冒頭にこの話が出たとき、東横INNさんや東急REIさんの入所者につきましては、どちらかというと軽快中の患者さんで、いわゆるもう後期で、あとは陰性の確認だけとれれば大丈夫ですよ、つまり、どのような体制であっても急変するというリスクは極めて少ない方々ですというご説明をいただきました。なるほどなと思ったわけであります。
 今回の品川プリンスさんとの件につきまして、十五日に小池知事からご説明いただいた際には、今後は病院での入院を経由されずに、直接宿泊先に隔離する仕組みをとられるというお話もいただきました。その場合、私どもが懸念するのは、現場の体制は大丈夫なのかな、感染者の方の急変には対応できる状況になっているのかなということが懸念されるわけであります。
 このことについて福祉保健局に確認したいと思います。

○内藤福祉保健局長 都は現在、都内三カ所のホテルで新型コロナウイルス感染症の軽症者等を受け入れているところでございます。
 それぞれのホテルでは、医師及び看護師が入所者の健康観察を実施しており、新型コロナウイルス感染症の増悪が疑われる場合に備え、医師の指示のもと、医療機関に搬送する体制を確保しております。
 加えて、入院治療を経ずに宿泊療養を行うホテルにつきましては、より慎重な対応を行っております。
 具体的には、体調への配慮が特に必要な入所者をリストアップし、通常の問診に加え、相談等を実施するとともに、容体の急変に備え、救急外来や病床確保等の後方支援の体制を確保しているところでございます。
 こうした取り組みにより、入所者が安心して宿泊療養できる施設に滞在できる療養環境を整備してまいります。

○小松委員 このほか、患者さんの搬送や食事の配膳、清掃、また消毒などの館内オペレーションも発生すると思います。こうした業務は誰がやるのでしょうか。また、こうした方々への感染リスクを低減させながら、どのように実施するんでしょうか。万一、そうした方々の中から感染者が発生した場合、都の対応について、以上あわせて伺いたいと思います。

○内藤福祉保健局長 現在、宿泊療養を行っている三つのホテルでは、食事の配膳や清掃などの生活支援は、都の職員やホテル従業員が対応しており、業務に従事する職員には、事前に防護服の着脱訓練を含めた研修を行っております。
 施設内では、感染リスクを低減させるため、原則として、職員やホテル従業員は入所者とは対面せず、電話対応を基本としております。また、清潔区域と汚染区域とを分け、職員は極力清潔区域内で活動し、清潔区域を出る際は、入所者と時間差を設けることや、必要な防護具を装着するなどの対応をとっているところでございます。
 このような取り組みによりまして、宿泊施設の運営に従事する職員やホテル従業員の方々の感染防止対策を徹底してまいります。

○小松委員 ただいまの内藤局長のご答弁によりますと、都の職員の方もこの業務に従事されることがあるということがわかりました。
 先ほど、他会派の方の質問の中に、この特殊勤務手当、都立、公社病院等の医療従事者の方、これ、条例を改正されて手当がありますよということを小池知事みずからお話しされていましたけれども、今回この業務に従事される都の職員の方にも適用されるのかどうか、総務局長に伺いたいと存じます。

○遠藤総務局長 今後措置される特殊勤務手当につきましては、職員についても医療従事者等を中心として支給をするわけでございますが、受け入れ施設等において業務に当たっている職員についても支給する予定でございます。

○小松委員 都の職員の方にも適用されるということが確認がされました。ありがとうございます。
 さて、この救急輸送拒否、また医療施設での感染といった報道が続いているわけであります。
 先日の新聞では、都内二十六カ所のうち、九つの救急センターで院内感染があったという情報がありました。現場の方からの声では、情報が錯綜し、大変苦労しているというお話があります。こうしたことも受けまして、我々自民党の方でも、司令塔となるべき本部を早くつくることが必要なんじゃないかということをご提案させていただいたところであります。
 そうしたこともあったのか、四月の上旬に、この調整本部が設置をされたわけであります。福祉保健局の技監の方が代表となって、感染者と病院の方のマッチングをされているというわけでありますが、実際どうなのか。先ほど東村委員からもご指摘ありましたが、最多連絡医療機関数は約百四十件であったりと、最長医療機関選定時間は約七時間半であったりとか、現場から、さまざま悲痛な声が上がっている、これも事実であります。
 この救急体制の東京ルールも超えることが、この四月に入って大変急増している。つまり、つくったはいいけれども、まだまだ十分な機能を果たしていない。言葉を厳しくいうと、機能不全に陥っているんじゃないか、オペレーションを早く改善する必要があるんじゃないかというふうに思っているわけであります。
 これ、長期化しますと、人災ともいわれかねないと思っておりますので、早くこの現状認識をして、改善に向けて努力をしていただきたいと思いますが、都の現状認識について伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、患者の重症度に応じた病床の確保を段階的に進めまして、通常診療や救急医療体制を維持しながら、必要な病床を確保しているところでございます。
 確保した病床を有効に活用するため、保健所から報告される陽性者の情報に基づきまして、特に今は、現場の救命救急等々の経験豊富な大学のドクターなり、そういったドクターによる助言も踏まえながら、患者の入院調整を行っているところでございます。調整本部としては、機能が日増しに高まってきているというふうに実感しております。
 さらに、患者数が大幅に増加している現状を踏まえまして、無症状または軽症の患者で、必ずしも入院治療が必要でないと医師が総合的に判断した者につきましては、先ほど来からお話しいただいております宿泊施設や自宅での療養をいただき、健康観察を行うことといたしました。
 引き続き、重症患者等に対しまして、適切な医療が提供できるよう、保健所との連携、東京消防庁との連携等をとりながら、受け入れ調整を的確に行ってまいります。

○小松委員 時と場合によっては、命にもかかわる部分でございますので、しっかりと取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
 これ、検査数の不足についても、都民不安の根源の一つであろうと思います。このPCR検査体制の拡充についての取り組みについて伺います。
 感染者数の拡大に伴い、都の対応に対する不満というものが、基礎自治体から多く聞かれています。こうした背景から、基礎自治体の中には発熱外来などの取り組みがスタートされている、このことについては他会派からもご指摘がありました。
 都は、この協力体制と運営支援、また課題についてどのように捉えていらっしゃるのか伺いたいと思います。

○内藤福祉保健局長 新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大に伴いまして、都として検査体制の拡充を図ることは急務と考えております。
 令和二年四月十五日に発出されました国の通知では、PCR検査を集中的に実施する地域外来・検査センターの設置など、新たな検査体制とともに、新型コロナ外来の拡充策として、大型テントの設置やドライブスルー方式等による外来診療体制が示されたところでございます。
 これらの方式で感染防止を図りながら円滑に診療を行うためには、診療の場所や医師等の医療従事者の確保、感染防止のための動線の設定など、実施体制の確保のほか、保健所や近隣医療機関等との連携など、地域の実情に即した体制の構築が必要でございまして、関係機関と協議を進めながら、適切に対応してまいりたいと考えております。

○小松委員 ここから少し小池知事の方にも伺いたいと思うんですが、これまで他会派の質疑を通じまして、さまざまなマンパワーの不足が叫ばれる各保健所の支援を東京都がなされるということについてはよくわかりました。
 先日、都議会自民党でも、小池知事のもとを訪れて、知事のリーダーシップにおいて、ぜひ保健所の体制を早急に整えていただきたいと提言をいたしました。しかし、そのとき小池知事からは、基本的には、構図とすれば国になりますよというご発言がありました。
 確かに、感染症法上では、保健所単位で実施する事務として、感染症の発生状況等の調査、患者に対する入院勧告、患者が発生した場合の消毒などの事務は特別区が担うことになっています。しかしながら、新型インフルエンザ特措法においては、特別区に、特に都道府県固有の業務の権限というのはおりておらず、通常の市町村と同様の扱いになります。つまり、特措法に基づく措置が進む現在においては、知事の権限で特別区保健所を動かすということができます。
 今は、東京都知事が、この権限をしっかりと行使し切れていないがゆえに、各区の保健所の動きにばらつきがあるようにも捉えられている方が多くいます。感染者数の報告などの情報収集にも影響が出ています。この姿勢を早急に見直さないと、現場にさらなる混乱が生じるのは時間の問題だと思います。
 加えて、小池東京都知事のもと平成三十年に策定された東京都感染症予防計画では、複数の区市町村にわたる感染症の場合には、東京都が広域視点での対処方針の提示と連絡調整を行うこととしています。まさにこの新型コロナ対策はこれに当たると思います。
 以上のことから、小池知事に伺うのですが、感染拡大や医療体制の危機が指摘される中、特別区も含めた東京都全体の医療提供体制の確保や感染拡大防止に関することについて、東京都知事として保健所行政についてもぜひリーダーシップを強く発揮すべき状況にあるように思いますが、知事の覚悟を伺いたいと思います。

○小池知事 知事といたしまして、都民の命を守る、それは、特別区であろうが他の市町村であろうが同じことでございます。かつ、この見えない敵でありますウイルス、これは、特措法のもとになっております新型インフルエンザのときと、ウイルスの性質が異なる、さらには、このウイルスを治すための、治癒するためのワクチンがいまだに開発されていないなどなど、異なる点は多々ございます。
 しかしながら、今回このウイルスの属性なるものが徐々に明確になり、かつ実際に毎日感染者の数がふえてきている。さらには、最初は積極的な疫学調査を続けておりましたけれども、最近は調査中という方が随分ふえてきている。その背景には、数の多さもございますけれども、これが一番大きな問題ではありますが、平時の保健所の体制と、それから現在、有事という認識で私は取り組んでいるわけでございますが、そのときと仕事の内容、そして量、性質、それぞれ異なるものでございます。
 よって、東京都といたしまして、今回も、退院数の数がずうっと同じ数字がとどまっていたのは、どうもこれはおかしいのではないかということから、都の方から職員を送りまして、そしてまず全体の把握ということを、個々の保健所はそれぞれもう手いっぱいの中で、全体像をつかむということから、今回改めて退院者数が、じゃあ一体幾らなんだということを割り出したところでございます。
 きょう、けさ聞いた時点では、既に六百という数字が出ておりまして、ずっとあのCOVID-19のサイトでは、もとになる数字が五十三にとどまっておりましたけれども、そうやって保健所の皆様方が大変苦労をされている中で、全体を見るために、まさしく都の仕事としてそれを行わせていただくことによって、全体像が見えるようになる。そうなりますと、空床が生じているということも改めてわかります。
 ですから、保健所単位、病院単位、それが都立であろうが、公社であろうが、大学病院であろうが、全体を取りまとめるのがまさしく都の仕事であるという認識のもとから、まず、さまざまな日々の業務を重ねておりますけれども、退院者数という一番大きなファクター、要因ですね、これを今も精査をしているところでございます。
 これによって、今、病院の選択肢として、自宅療養と宿泊療養がある。そういう中で、担当大臣、ここは厚生労働大臣加藤勝信さん、そしてまた、今回の特措法の担当は西村担当大臣であります。仲間でございます。長い長い時間の仲間でございます。そういう中で、日々連絡をとり合いまして、そして、ホテルに宿泊療養の形をもう少し比重を変えてもらえないかなどといった細かいことなどもお願いをする、これはまさしく個々の保健所がなさるというよりは、都が代表して行うということでございます。(発言する者あり)そういった意味で、覚悟を問われているわけでございますが、覚悟もさることながら、日々のこのような役割を都として全体を見るという役割、マクロですね、それと同時に、それぞれの病院などから声も上がってきております。
 どんなに医療の担当者の皆さんが疲弊をして、そしておうちに帰ることもできないのかということも、直接、また間接に伺っているところでございまして、そのことを今回皆さんのご審議をいただいております……(発言する者あり)だって、覚悟って聞いておられるんでしょう。じゃあ、もうやめますか。(小松委員「はい、大丈夫です、わかりました」と呼ぶ)いや、済みません、まだわからないはずです、最後までいっていませんので。
 ですから、そういったこととして、都の役割をしっかりとこれからも、また、これまではそれぞれが別々にやっていた、それをシステム化することによって、保健所の皆さんの労力を、負担を軽減をしていくなど、全体的な話、これはまさしく都の役目であるということを認識しながら進めてまいりたいと、こう考えております。

○小松委員 先週、小池都知事の方には、日本集中治療医学会からの嘆願書が出されたと思います。都内における重症患者の受け入れ体制は万全なものになっていないというのが現状です。その結果、都よりも先に医療提供体制を整備されていた隣接県の医療機関に都内の重症患者を搬送するという事態が発生し、その県から東京都に対しても激しいクレームが上がっていると伺っております。このことについて、しっかりと取り組みを改善できるように強く求めるものであります。
 続きまして、経済支援について幾つか伺いたいと思います。
 感染拡大防止協力金がスタートしたわけですが、対象から漏れた事業者の方からも、さまざまこの自粛対象となる事業者が営業自粛されたので、学校や保育園等の給食の停止や納入業者の経営が逼迫されているというふうな話も伺っております。
 こうした周辺事業者に対しての支援も急務だと考えますが、都の見解を伺います。

○村松産業労働局長 感染症により都民生活や企業活動が大きく制約される中、休業要請により営業を縮小している事業者と取引関係のある多くの事業者も影響を受けております。
 都は、こうした事業者を幅広く支援するため、運転資金や設備資金などに活用できる緊急融資や返済期間の延長が可能な緊急借りかえなどを実施しておりまして、今後は新たに利子補給を行うなど、支援の強化を図ってまいります。
 また、資金繰りや経営に関する特別相談窓口における支援に加えまして、専門家を無料で派遣するなどの取り組みも行ってまいります。
 今後とも、中小企業の状況や都内経済の情勢などを見きわめながら、必要な対策を講じてまいります。

○小松委員 きょう、報道で、シャープ社のマスクが個人向けに販売が開始されると報道がありました。アメリカの方では、自動車メーカーが人工呼吸器などの製造に着手するとの報道もありました。
 今回、新型コロナウイルス感染症緊急対策設備投資支援事業十億円というものが提案されたわけですが、これ、さまざま周知をしたり、手続だったり、機材の納入までの時間や、生産、そして納品などを考えると相当なタイムラグもあるんじゃないかなと思うんですが、実効性をどのように担保されるのか、局長のご答弁をいただきたいと思います。

○村松産業労働局長 都は、供給が追いつかない感染症対策製品を増産するため、新たな生産設備を導入しようとする中小企業に対して、設備投資への支援を実施いたします。支援に当たり、中小企業が早急に機械設備を導入して増産につなげられますよう、助成金の申請を随時受け付けるなど、迅速に手続を進めてまいります。
 また、ホームページやメールマガジンなどを利用して、積極的に事業の周知を行ってまいります。
 こうした取り組みにより、感染症対策製品の早期の供給を目指してまいります。

○小松委員 このコロナ禍により、伊豆諸島や小笠原諸島の農林水産業にも大きな影響を及ぼしています。
 消費量の減少によって魚価などの低迷が続いています。その結果、収入が大幅に減少するなど、被害は甚大であります。島しょ部の農林水産業を守るため、例えば海上貨物の運賃の補助率の改善など島しょ部における経済支援についても今後検討を進めていただきたいと思います。
 また、島しょ部九町村から異例の来島自粛が要請されています。医療体制や高齢者比率が高いなどの特有の課題もあります。
 大型連休も近いわけです。都としても、観光業への支援と同時に、来島自粛に向けた周知の徹底をお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。
 財源について伺います。
 まさにこのコロナによってパラダイムが変わりました。これまでの延長線上にはない未来が来ると思います。
 今年度予算については、環境変化に伴って、事業の優先順位、このことについても見直す勇気が必要かと思います。効果やニーズの低下が想定されるものについては、ちゅうちょなくコロナ対策への原資に変えていく果断さも求められると思いますが、都の見解を伺います。

○武市財務局長 現在の都政は、新型コロナウイルス感染症の対策に全力で取り組んでいるところでございますが、同時に、災害への備え、少子高齢化への対応など将来に向けた施策の推進も欠かすことができないものでございます。
 このため、新型コロナウイルスの感染拡大を食いとめ、都民生活と事業者を守るべく、感染症対策に集中的に取り組むとともに、そのほかの施策についても、必要性、緊急性を見きわめながら、着実に実行していくことが重要でございます。
 こうした観点から、予算の執行段階において、現下の状況を踏まえつつ歳出の精査を徹底するとともに、創意工夫を凝らしながら必要な施策を着実に進めてまいります。

○小松委員 今回、三千五百億円を超える補正予算の財源に多額の財政調整基金を活用されました。その後の経済対策など二定以降の長期戦も見据えますと、今後この財政調整基金をどう活用していくのか。また、今回は都債は活用されていないわけですが、今後さまざまな対策に当たっては、都債の活用についても視野に入れていく必要があるんじゃなかろうかと思います。また、財政調整基金以外にも、特定目的基金があるわけで、これの活用についてもしっかり考える必要があると思います。財務局長のご答弁をいただきたいと思います。

○武市財務局長 新型コロナウイルス感染症対策の対策を講じる上では、都政が持ち得る限りの力を使い、総力を挙げて対策を講じるべきでありまして、それは財政面におきましても例外ではないというふうに考えております。
 同時に、いかなるときでありましても、都民生活を守るべく持続可能な財政運営に努めなければならない、これは財政当局の使命でございます。
 このため、対策に当たりましては、国庫補助金の積極的な確保に努めることはもとより、今後の財政運営を見据えまして、財政調整基金につきましても積極的に活用を図るとともに、都債につきましても戦略的な活用というのを考えてまいります。
 また、特定目的基金につきましては、今回の補正予算の中では、とうきょうママパパ応援事業のタクシーチケット費用の補助につきまして充当してございますが、今後引き続き、事業目的に応じまして特定目的基金につきましても適切に活用してまいります。

○小松委員 新型コロナを初めとするさまざまな対策にしっかりと対応するために必要な財源の捻出について、しっかりとさまざまな観点から財務局が戦略を講じるというお話を伺いましたので、しっかりと引き続き見きわめていきたいと思いますが、やっぱり自粛期間がどのくらい長くなるのかによっても、大変大きな影響も及ぼすと思います。二〇二二年までかかるんじゃないかというハーバード大学の研究もありますし、想定よりも長期化した場合の想定について、つまりプランBとかプランCについても、早急に検討を行っていただきたいというふうに考えるところであります。
 先ほど小池知事の方から、覚悟をいろいろと伺いました。しかしながら、私の与えられた四十数分の時間の中でも、避難所のことについてまだまだ不十分なことがあったり、また、備品についても、実際に東京都に確認すると、必要なものは十分備蓄されておりますというお話を伺うんですが、区市町村や医療機関、また事業者の方は必ず、大きく不足しているという言葉になるわけです。聞くと、求められれば出していますという話なんですが、把握すらできていないこともあったりするわけであります。
 また、圧倒的な感染者の増加に伴って、ベッド数や自粛の要請と、東京都ができることを矢継ぎ早に打ってきた、これ自体は事実でありますが、やはり先ほどの救急体制もそうですが、オペレーションに課題があることはまだまだいろいろあるんだろうと思います。これは小池知事の責任のもと、しっかりと全体で、全庁的に見直しをしていただいて、取り組みを進めていただきたいというふうに思っております。
 最後に質問をさせていただきたいと思うんですが、やはり小池知事の発言力というのは大きいなと思ったのが、三月のロックダウンや首都封鎖のことでありました。
 あれで実際に、買い物は小池さんのせいじゃないわよという声等もあるかもしれませんけど、実際に各スーパーでそうしたことが起きた。また、株価が千円近く下落するという、このインパクトは、恐らく小池知事ぐらいじゃなければ、発言力がなければできなかったことだと、ならなかったことだと思います。
 こうした社会混乱に対する責任をこれからの発信についてはしっかりと捉えていただきたいなということを伝えておきたいというふうに思います。
 そして、先日、四月十八日に、日本感染症学会という中で、新型コロナウイルス感染症専門家会議のメンバーの方から、やはり三連休の緩みというものが現在の状況を生んだという指摘がありました。
 都の感染者数、三桁が続く中で、三月二十日からの三連休に至る危機管理の低さがその後の感染拡大につながっている、こうした専門家会議のメンバーの方の学会での指摘について、小池知事はどうお考えになるのか、最後に伺いたいと思います。

○小池知事 ロックダウン発言が云々というご質問でもございました。これ、ロックダウンというのは、私がいい出したわけではない。政府の専門家会議でオーバーシュートとかロックダウンなど、この言葉が出てきたわけでございます。
 私の海外の友人などは、日本は甘いんじゃないかと、いまだに、いつちゃんとやるんだというようなメールがもう毎日のように参ります。
 やり方はいろいろだと思います。しかしながら、この長い闘いにするのか、しないのか、それともここで集中してこの対策を打っていくのか、八割なのか、六割なのか、密になる部分をどうみんなで避けていくのか、ここはまさに都民の皆様方の、また日本の知恵を出していく部分だと、このように考えております。
 ぜひとも、この新型コロナウイルスという見えざる敵に打ちかつためにも、都民の皆様方の英知、そして都議会の皆様方の一致団結した決意、これをエネルギーとして、日々都庁全体として活動してまいりたいと、このように考えております。
 ご質問ありがとうございました。

○伊藤委員長 小松大祐委員の発言は終わりました。
 あぜ上三和子委員の発言を許します。

○あぜ上委員 緊急事態宣言が発せられ、それを受けて、休業、自粛はさまざまな分野と都民生活に多大な影響をもたらしております。感染拡大の恐怖とともに暮らし続けることへの不安、これが広がる重大局面であり、都政の役割が問われていると思っております。
 医療現場の皆さんは、今まさに命がけで新型コロナウイルスの対策に当たっておられます。わかってほしいのは、医療者の負担が重いこと、東京都医師会長の訴えが胸に刺さります。この場をおかりして、医療関係者の皆さんに心からの敬意を表します。
 私たちのところにも、医療現場、それから都民の皆さん、業者の皆さん、多くの皆さんから切実な声が寄せられております。私は、この直面する新型コロナ危機から都民の命と暮らしを守るために、都が本気で支えてくれていると実感できるような取り組みを本当に前に進めていく、そのためには都が何をすべきなのか、そのことを提案する立場で、きょうは質問させていただきたいと思います。
 初めに、検査や医療供給について質問いたします。
 WHOの事務局長上級顧問の渋谷健司氏は、感染拡大をとめるには、検査と隔離を徹底するしかない、日本では検査体制の充実が急務だと訴えています。四月十八日時点で、人口千人当たりのPCR検査件数は、イタリアは二十二・一件、韓国十・八件、イギリス五・三件に対し、日本では〇・九件と桁違いに少ない状況です。東京は、最近の数字だと全国より多いのですが、一桁台ということで、大きくは変わりません。
 諸外国に比べて、PCR検査数は、日本全体も、そして東京も少ないことを知事はどう認識されているか、まず伺います。

○小池知事 PCR検査についてのお尋ねでございます。
 PCR検査は、発熱などの症状があって、医師の総合的な判断で感染が疑われる方、そして保健所の積極的疫学調査によって把握された濃厚接触者などを対象に実施をされております。
 都内におきましては、きのうまで既に約二万件の検査が行われ、医師の総合的な判断に基づいて必要な検査が実施されておると認識をしておりまして、今後とも、着実に実施をしてまいる所存でございます。

○あぜ上委員 医師の総合的な判断に基づき必要な検査を行っているというご答弁だったわけですが、多くの医師の皆さんが、検査の数は少な過ぎるんだという声を上げていらっしゃいます。認識が不十分であるといわざるを得ないわけです。
 先週には、与野党を含めた超党派の国会議員が、PCR検査体制の拡充を要請いたしました。検査の充実は、立場を超えて一致した課題であり、都としてもそうした立場で取り組んでいく必要があることを指摘しておきたいと思います。
 では、検査をふやしていくためにどうするのかという問題ですが、医師会が、各地にPCR検査を行うセンターを設置するという取り組みを進めております。
 そこで、私たち日本共産党都議団は、東京都医師会の尾崎会長にお会いして、直接お話を伺ってまいりました。陽性率が非常に高い状況で、検査をふやさないとどんどん感染が広がるんだと、こういうふうにお話をされていました。
 また、検査は保健所の新型コロナ受診相談窓口に相談して受診する仕組みになっていますが、保健所は、積極的疫学調査など多くの仕事を抱えています。対応し切れていません。保健所は必死に仕事をされているわけですが、これでも、公衆衛生が軽視され、減らされてきたので、対応し切れないということです。
 また、新型コロナ外来のある病院も負担が重くなっていて、こちらも課題となっています。
 そこで、PCR検査のセンターをつくり、住民はまずかかりつけ医などに相談し、検査が必要と判断したら、直接センターに紹介して、検査を受ける仕組みをつくっていくということです。
 新宿では既に、そうした取り組みが始まっております。新宿区にある国立国際医療研究センターの発熱外来では、新宿区民へのPCR検査を実施してきましたが、四月以降、件数が急増し、多いときで一日百件を超えることもありました。当然、医師の体制もふやす必要があり、ほかの医療供給にも支障を来しました。国立国際医療センターは、陽性者の入院も受け付けていますが、先週新宿区で行った記者会見で、理事長の話では、四十名強のコロナ患者を受け入れ、そのうち重症者が六名、体外式膜型人工肺、ECMOを使って治療している患者が二名、もうぎりぎりと発言をされていました。
 そこで、新宿では、医師会や区内の病院の協力で、検査スポットを設置しました。検査はそこで行うようにすることで、国立国際医療センターは、入院医療に力を割けるようになりました。
 東京都医師会では、都内の四十七地区の医師会を中心に、複数の医師会の共同設置も含め、設置する方向とのことであります。保健所と新型コロナ外来の負担軽減という意味でも、とても重要な取り組みだと思います。
 PCR検査センターの実施、検討状況等をどう把握していらっしゃるんでしょうか。こうした取り組みの意義を都はどう考えていますか。都はどう取り組むのですか。

○内藤福祉保健局長 感染者数の増加に伴いまして、都は、新型コロナ外来の拡充が急務と考えております。現在、PCR検査センターの設置につきまして、東京都医師会や保健所等と連携しながら協議を進めているところでございます。

○あぜ上委員 答弁されたとおり、PCR検査の拡充が急務なんです。東京都には、医師会の取り組みを強力に推進していくことが求められていると思います。マスクや個人防護服の供給を含め、積極的に対応することを求めます。
 また、検体を採取する上で課題となっているのが、感染リスクと人員体制です。
 感染した疑いのある患者から検体をとる際、くしゃみなどを浴びて、医療者自身が感染するリスクが非常に高い。そのために、医療者は、マスク、ゴーグル、ガウン、手袋など、厳重な装備で実施をしています。脱ぐときも危険なので、一つ剥がすたびに消毒したり、二人がかりで脱いだりしているそうです。そのため、医療機関の負担は重く、検査は時間がかかります。また、院内感染を防ぐために動線を分け、それができない場合は、診療時間を分けるなどの対応も必要ですし、消毒も確実に行う必要があります。
 こうした課題に有効な方法として、屋外で車に乗ったまま検体を採取して院内感染のリスクが減らせるドライブスルー方式や、電話ボックスのような箱を使って手袋だけを出して採取するウオークイン方式などを広げる必要があります。
 都として、検体採取のためのドライブスルーやウオークインの方式などに取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○内藤福祉保健局長 国は、去る四月十五日付の通知におきまして、新型コロナ外来の拡充策として、患者が自動車の車内にいる状態のまま診察や検体採取等を行う、いわゆるドライブスルー方式による外来診療や、感染管理が可能な適切な場所に大型のテント等を設置して外来診療を行う方式等を示したところでございます。
 これらの方式で感染防止を図りながら、円滑に診療を行うためには、診療の場所や医療従事者の確保、感染防止のための動線の設定、患者の容体急変時の対応手順の整理など実施体制を確保するほか、保健所や近隣医療機関等との連携など地域の実情に即した体制を構築することが必要でございまして、関係機関と協議を進めながら適切に対応してまいります。

○あぜ上委員 いかに感染リスクを減らして多くの検査が実施できるかということなんです。都としても積極的に活用するよう求めます。
 さらに、検査機関では、高度な技術を要する専門職が必要です。民間の検査会社で新たにPCR検査を実施する機関に対して、機器の購入を支援するのは重要でありますが、専門職への訓練についても、国と連携して積極的に支援するよう求めておきます。
 早急に整備しなければならないのが、陽性者が入院する病床です。二百近い陽性者数が出ているもとで、病床の確保が困難で、陽性になっても行き先が決まらず、自宅待機になっている方が少なからず生じています。
 杉並区荻窪病院では、PCR検査で陽性とわかったら、二月まではすぐに感染症指定病院に入院できていました。しかし、患者が増大し、荻窪病院でも入院を受け、軽症者だけでなく重症者の受け入れも行ってきた中で、そういう中でさらに自宅で検査結果を待っていた方が急変して入院が必要になっても、入院先になることができずERで治療をすることになり、その間ERの受け入れを断らざるを得なくなった、そういう状況も生じたそうです。
 現段階での目標四千床のベッド確保を急ぐべきと考えますが、どう取り組むのでしょうか。また、現在どこまで確保できているのか伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、通常診療や救急医療体制を維持しながら、患者の重症度に応じた病床の確保を段階的に進めておりまして、現在約二千床の病床を確保しているところでございます。
 今後も、入院治療を必要とする患者を確実に受け入れられるよう、患者受け入れに向けた空床確保支援等を行うとともに、感染症指定医療機関や都立、公社病院を中心に、高度医療を担う大学病院等や公立、公的医療機関、民間医療機関に積極的に働きかけてまいります。

○あぜ上委員 新型コロナ以外の医療需要も当然あるわけで、ベッドの確保は簡単ではありませんが、陽性者はふえ続けているわけですから、軽症者はホテルに行ってもらうなどの対応をするにしても病床確保は急がれるわけです。しかも、患者数が急増している状況から見て、四千床では足りない可能性も出てきています。医療崩壊させないためにも、あらゆるケースを想定した対策を講じることを求めておきます。
 また、病床確保は、人材面でも、財政面でも十分な支援がなければ進みません。
 空きベッドを確保するための支援や医師、看護師の確保のための支援、手術や健康診断の延期などを行った際の減収を補う支援が必要となります。コロナ患者を受け入れるための空きベッド補償として、一床につき一万六千二百円の補助を補正で行うこと、これは大変重要だと思います。
 しかし、金額は十分ではなく、国とあわせて、全て損失補填できるようにすることを求めておきたいと思います。
 さらに、入院医療提供体制の整備も必要です。病院内における感染対策には、人手と時間が必要ですが、コロナ患者がふえるにつれ、院内感染や医療者の感染もふえているわけです。医師会も提言されていますように、医療現場の負担を極力減らして、感染症医療とほかの医療を提供し続けられるようにするためにも、コロナ専門病院の設置が必要です。
 最重症の集中治療を行う病院、そこまで重くはないけれども、入院が必要な中等症患者などを受け入れる病院、そうした病院を設定し、それ以外の病院は、コロナ以外の医療に専念するようにして、それぞれについて手厚い支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

○内藤福祉保健局長 都は、患者の重症度に応じた病床の確保を進めておりまして、重篤、重症患者を受け入れる病床を七百床、中等症の患者を受け入れる病床を三千三百床確保することとしております。
 引き続き、通常診療や救急医療体制を維持しながら、重症者等への対応を中心とした都内全域の医療機関に対しての医療提供体制を整備してまいりたいと考えております。

○あぜ上委員 院内感染が発生しますと、本当に患者にとってもリスクが高いですし、職員が入院や、また自宅待機となれば、患者の受け入れにも支障が出てくるわけです。リスクを減らすためにも具体化を進めるべきだと思います。
 新型コロナ専門病院を都立病院や公社病院で行うことを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○堤病院経営本部長 都立、公社病院は、東京都全体の医療提供体制を初め、感染者数の動向や他の医療機関との役割分担等を踏まえながら、必要な体制を整備してきております。
 今後も必要となる病床数を確保してまいります。

○あぜ上委員 具体化の検討をぜひお願いしたいと思います。
 また、新型コロナ感染症が重症化したときに必要になる人工呼吸器を初めとした医療機器とその管理ができる体制が、どこの病院で整っているのか、しっかりと把握する必要があると思います。
 都内の医療機関に新型コロナウイルス感染症の患者に使うことができる人工呼吸器や人工心肺装置、ECMOは、現在何台あるんでしょうか。マンパワーを含め、最大何台稼働できるのでしょうか、伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、都内の全病院に調査を実施しておりまして、これまでに回答が得られた三百八十八病院では、四月十七日現在、患者に対応することが可能な人工呼吸器は、成人用、小児、新生児用を合わせまして千六百二十九台、また、体外式膜型人工肺、いわゆるECMOでございますが、これにつきましては百十六台となってございます。

○あぜ上委員 ECMOは、とりわけ多くの人手を必要とすると伺っています。その対応ができるのかも含めてよく確認していただいて、適切に患者が受け入れられる体制整備を東京都から強力に推進していただくことを強く求めたいと思います。
 保健所体制についてです。
 感染症が流行した際、最前線で幅広い業務を行うのが保健所です。今回も、受信相談、検査の対応、陽性者への対応、積極的疫学調査など保健所の業務は多岐にわたっており、現場は多忙をきわめた大変な状況が続いています。
 保健所の深刻なマンパワー不足の現状を知事はどう認識していらっしゃるでしょうか。
 今後、積極的疫学調査もPCRの検査も件数がふえていく中で、保健所がその役割を果たしていけるよう、知事はどう対応するのか伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で、保健所は、医師、そして保健師を中心として、住民からの相談対応、陽性者の積極的疫学調査、医療機関との受診の調整、検体搬送、患者の移送などさまざまな業務を担っておられます。各保健所では、夜遅くまで業務に奔走するなど繁忙をきわめた状況にあると認識をいたしております。これらのことはメディアなどでも報じられているところでございます。
 都は、こうした状況を考慮いたしまして、保健所の支援ということで、都が関係している保健所だけ、都そのものの保健所だけではなく、特別区、そして市の保健所にも職員を派遣することといたしまして、四月二十日現在でありますが、四十五名の職員が業務のサポートに当たっているところでございます。

○あぜ上委員 都の職員を派遣されていると。これは大変重要だと思います。
 江東区では、新型コロナ感染症に関する相談に対して、五回線ある電話をフル稼働して、さらに携帯電話も使って職員十五人体制で対応をされています。都職員の派遣以前から、各保健相談センターや区の別の部署からも支援を受けていたと聞いています。しかし、母子保健とか、精神の訪問事業など、ほかの事業を縮小して、コロナ対策に集中的に対応せざるを得ないような状況、これは絶対につくってはならないというふうに思うわけです。
 こうしたことからも、保健所がしっかり役割を果たし続けられるように、先ほどお話ししましたPCR検査センターの具体化を着実に進めていただくことを初め、保健所への支援等、負担軽減をさまざまな手だてをとって進めていただくよう改めて求めておきたいと思います。
 知事、新型コロナ感染症拡大が重大な局面にある中で、都立病院、公社病院は、今本当に大変な状況にあります。どのように認識されていらっしゃるでしょうか。また、都立、公社病院は、今どういう役割を果たしているのか伺います。

○堤病院経営本部長 都立、公社病院では、指定医療機関として感染症に重要な役割を果たしている四病院を中心に、医師、看護師等の職員が強い使命感や責任感のもとで一丸となり、都内の医療機関とともに、新型コロナウイルス感染症に対応してきたと認識をしております。
 昨今、感染者が危機的に急増する中、関係局や他の医療機関等と緊密な連携を図りながら、透析患者や妊婦、子供を初め、さまざまな患者を受け入れるなど、行政的医療である感染症医療を確実に提供しております。
 こうした対応をより安全に実施していくため、今回の補正予算案では、現場からのニーズを速やかに把握した上で、患者の治療や職員等の二次感染防止などに必要な医療資機材の整備費用を計上したところでございます。

○あぜ上委員 まさに命がけで、医師も看護師などのスタッフの皆さんも、もう本当に強い使命感や責任感を持って患者さんたちに真摯に向き合っていらっしゃいます。
 しかし、感染拡大は深刻化が進んでいます。先ほどコロナ専門病院の提案、させていただきましたが、さらなる取り組みが求められているわけです。だからこそ、都立病院、公社病院を大切にして、感染のリスクと隣り合わせの中、まさに命がけで頑張っているこの医療現場を敬意を持って支援する姿勢が、今、本当に知事に求められているというふうに思うわけです。
 そうした姿勢での現場への支援を強く求めまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、自粛と休業と補償の問題です。
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、中小企業業者の皆さんの営業、本当に大変深刻な事態となっているわけです。外出自粛だ、休業だといわれても、生きていくためには仕事を中断するわけにはいかないんだ、まずは国や都から、補償しますから、とにかく感染拡大を防止するために休んでくださいと、これが政治の本来の役割なんじゃないかと、多くの方々から、こうした声が私のところにも寄せられています。
 こういう中で、東京都が、感染拡大防止のために、感染拡大防止協力金に踏み出した、このことは大切な一歩、一歩前進だというふうに思います。しかし、改善、拡充すべきこともたくさんあるというふうに思います。
 私は、この協力金について何点か伺い、提案もさせていただきたいと思います。
 第一に、感染拡大防止協力金、これを使い勝手のよいものにするということです。
 協力金の実施概要をホームページで発表したのが、十五日の夜八時でした。夜八時に発表したんだけど、次の日の十六日から休業しないと協力金はもらえませんというのは、ちょっと余りにも一方的なやり方じゃないかなと思うわけです。
 私たち都議団にも、自分は協力金の対象になるのかならないのか、都の電話にかけたけど、つながらないんだと、こういう多くの問い合わせが、私たちのところにも寄せられたわけです。各会派の皆さんのところにもたくさん来たんじゃないかと思います。ここはやっぱり改善すべきです。
 さらに、感染拡大防止協力金のホームページに書かれていることだけではわからないこともたくさんあるんです。
 例えば、ホームページでは、飲食店のテークアウトは対象となっています。では、遊興施設のバーは、休業要請の対象となっていますけれども、施設を閉めてテークアウトをした場合も感染拡大防止協力金、これは支給されるんでしょうか、伺います。

○村松産業労働局長 都の緊急事態措置等におきまして、バーについては、基本的に休止を要請する施設に区分されておりまして、施設を休止した場合は、テークアウトサービスを行っていても支給の対象としております。

○あぜ上委員 そのことは、今ホームページを見ただけでは全くわからないわけですが、しかし、今ご答弁で認めるということがわかりました。私たちも、我が党からも要請していたんですが、確認がとれたと、できたということであります。
 休業要請を受けた事業者の実態や事業の方法は、都の想定におさまるものではなくて、やっぱり都も走りながら考えざるを得ない、こういう面もあると思います。NPO法人が対象外となっているのはおかしい、こういう声も届いているわけですが、柔軟に対応すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○村松産業労働局長 NPO法人につきましては、今回の休業要請等の対応あるいは協力のあり方等ですね、中小企業と規模だとかその対応など、同様であれば、今後その対象に含めるか等について検討することとしております。

○あぜ上委員 検討していると。休業したライブハウスの人たちからは、お店を閉めて、ネットで動画配信したら協力金の対象になるのかという疑問も出されていたわけですけれども、問い合わせをしたら協力金の対象になること、これがきのうのホームページで明らかになりました。このように本当に走りながら皆さんもご苦労されているんだと思うんですが、やっぱりできる限り柔軟な対応をするよう求めたいと思います。
 また、協力金の支給は、五月の十一日ごろからということでありますけれども、できるだけ早く支給することをあわせて求めておきたいと思います。
 第二に、感染拡大防止対策に協力する事業者には、幅広く協力金を支給するということであります。
 そこで伺いますが、感染拡大防止協力金の支給対象事業者は、支給額百万円と五十万円別に、それぞれ何件を見込んでいらっしゃるんでしょうか。また、支給額の積算根拠はどういうものなのか伺います。

○村松産業労働局長 感染拡大防止協力金支給の対象でございますが、国が公表しております統計データの事業所数から推計しておりまして、百万円支給の対象が五万社、五十万円支給の対象が八万社、合計十三万社と見込んでおります。
 また、支給額につきましては、事業運営に係るさまざまな経費を勘案し設定しております。

○あぜ上委員 十三万社ということでありますが、都内の中小企業、個人事業主は四十二万社です。対象になったのは約三割の事業者ということです。しかし、残りの二十九万社は協力していないかといえば、そんなことはありません。
 先ほども理髪店のお話がありましたが、理髪店はどうでしょうか。国との調整後、社会生活を維持する上で必要な施設であり、当初の休止要請施設の案から外れました。しかし、事業者からは、自分のお店で感染するのではないかと、もう本当に不安で仕方ないと、いっそ休業要請してほしかった、こういう声が寄せられています。
 また、ある美容院では、お客様が二人来たら席を離して座っていただく、会話はなるべくしないように努力するなど、感染拡大につながらないよう最善の努力をされています。
 濃厚接触とならざるを得ない鍼灸マッサージも休業要請の対象ではありません。鍼灸の仕事をされている、ある視力障害を持つ方、日々感染の危険におびえながら仕事をしているとおっしゃっていました。しかし、生活がかかっているから、消毒を徹底して、感染拡大防止に精いっぱい努力し仕事を続けていらっしゃるわけですが、お客様はやっぱり減っているということであります。感染拡大防止に協力しているのに、なぜ対象にならないのかといいました。
 休業要請を受けたお店に営業に必要な物品を提供していた事業者など、関連業者も仕事がなくなって休まざるを得ない状況に追い込まれていますが、協力金は支給されません。
 感染拡大防止に協力しているのは、休業要請の対象事業者に限ったものではありません。社会生活を維持する上で必要な施設として、お店を開いて頑張っている事業者も、休業要請を受けた施設に関連する事業者も、みんな感染防止に協力をしています。そして、都民が外出自粛の中で、営業していたとしても、大幅な減収の中で苦しんでいらっしゃいます。
 知事は、臨時議会の発言の中で、感染拡大防止に協力していただくために、感染拡大防止協力金を支給するとおっしゃいました。感染拡大防止に協力している幅広い事業者に対して、協力金は支給に踏み出すべきではないでしょうか、いかがですか。

○村松産業労働局長 今のご質問ですけれども、今回の協力金は、東京都の休業要請等に全面的に協力していただいた事業者の方々を対象にしております。
 したがいまして、その休業の要請に対応していただいた事業者に対して、一定の金額を支給するものでございます。

○あぜ上委員 そうはいっても、外出自粛、営業自粛の中で、全ての事業者が大変厳しい状況なわけです。本当に今、先ほども知事もおっしゃっていたけれども、業者の皆さん厳しい、この認識いかがですか、知事、お答えください。

○小池知事 緊急事態宣言が発出されてからというもの、もちろん都はその前からでありますけれども、都民、事業者の皆様には徹底した外出自粛、お願いしております。そして、施設の休業等もお願いをし、ご協力をいただいております。改めて、都民の皆様や事業者の皆様方に、ご協力に対して心から感謝申し上げたいと存じます。
 感染症の拡大というのは、そもそも人の命、健康だけではありません。経済、消費行動、人や物の流れ、先行きの見えない心理的な不安など、深刻な影響をもたらしているわけでございますし、また、とりわけ中小事業者の方々への影響は甚大なものでございます。
 そういう中で、今回の補正予算、第一に、三本柱でということで、新型コロナウイルス感染拡大を阻止するための対策、経済活動と都民の生活を支えるセーフティーネットの強化、そして三本目の柱が社会構造の変革を促して、直面する危機を乗り越える取り組みということで、過去最大規模の緊急対策となったわけでございます。
 これらの取り組みを早期に実行に移すことで、感染症の拡大を阻止するということと、今局長の方からもご答弁させていただきましたように、全面的にご協力をいただいている皆様に対しましての協力金ということで、目的としての感染症の拡大を防止する、これを最大の目標といたしまして、そして、五月六日と、この宣言の中では定められておりますこの期間におきまして、都民の皆さんのご協力を、絶対的なご協力を得て、感染の拡大防止に努めていきたいと考えております。

○あぜ上委員 事業者は、本当にそういう、今知事がおっしゃったような大変な中で、さまざまな事業者が感染拡大防止に協力しているわけです。事業者にとって休業するかどうかは、まさに死活問題なわけです。
 ところが、小池知事は、国とまともに調整することもなく、国が緊急事態宣言を出す前日に、都の緊急措置案を発表して、休業要請対象施設を先走って示してしまったわけです。
 国が補償を渋って要請に消極的なこと、これはもう本当に批判されて当然だと私は思いますが、結果的には、都が示した業種名を発表後に修正せざるを得なくなってしまったということは、やはり知事の責任も重いものがあるといわざるを得ないわけです。
 外出自粛、協力要請、休業要請は補償とセット、これは海外では当然のこととして取り組まれています。例えば、ドイツでは、会社員は会社が引き続き給与を支払っていますが、自営業者や小規模事業者へは約百八万円の支援金が支給されています。長年ドイツに暮らしている方のお話では、申請書を送ると、三日後には送金されたということです。
 知事は、自粛と補償はセットで行うことが感染拡大防止をする上で有効だという認識はあるでしょうか。

○村松産業労働局長 今回の協力金は、感染拡大防止を目的としたものでございまして、いわゆる損失補償ではございません。全国知事会におきましても、損失補償を行う場合は国で対応すべきものであると、先日、緊急提言を行っております。

○あぜ上委員 局長がご答弁されましたけれども、私は、この感染拡大を防止する上で有効ではないかと、その認識を伺ったんです。補償なき緊急事態宣言は、安心して自粛することも、休業することもできません。
 中小業者の皆さんからは、補償が出るのであれば休業する、補償がないから少しでも収入を得なければならない、家賃が払えないし従業員の給料が払えない、これからのことを考えると眠れないなど、本当に多くの悲痛な声が寄せられています。島しょ地域の方からも、民宿は事実上の休業、夏の団体客のキャンセルが続いていると不安の声が寄せられました。
 中小業者の思いは、新型コロナウイルス感染症は早く終息してほしい、早くもとの暮らしや商売に戻りたい、こう願っています。しかし、今のままでは新型コロナウイルス感染症が終息しても、東京の経済を支えてきた中小業者は、まちから姿を消されてしまうのではないかと危惧しています。
 未来に希望をつなぐためには何が必要なのか、やっぱり休業できる補償です。知事には、感染拡大防止のためには、自粛、協力要請、休業要請は補償とセットという認識をぜひ持っていただいて、国に対してももちろん要請していただきたいと思いますし、同時に都としても補償に踏み出すことを強く求めたいと思います。
 次に、緊急融資についてです。
 このたびの補正では、融資の預託金をふやし、保証料補助に加え、利子補給も都が行って、実質、無利子融資を設定していることは重要だと思います。しかし、緊急融資は既に実施されていまして、これまで緊急融資では利子補給はありません。ほんの数日の違いで、利子補給があるのとないのでは大きな違いにつながってしまいます。早く緊急融資を申し込んだ人が、待っていれば利子補給がついたのにと後悔するようなことがあってはなりません。
 この間、緊急融資が決まった事業者にも返済猶予があるわけですから、検討していただいて、既に決まっている緊急融資に対しても、遡及して利子補給すべきではないでしょうか、伺います。

○村松産業労働局長 都の利子補給は、国の補正予算案に盛り込まれております民間金融機関による実質無利子融資の制度を活用し、実施することとしております。
 遡及適用につきましては、今後の国の方針等を踏まえて対応していくべきものと考えております。

○あぜ上委員 今、国待ちというお話なんですが、利子補給は本当に切実です。わずかな申込時期の差で適用するか否かの差がないように、都がみずからの判断で実施をしていただくよう求めます。
 また、保証協会の審査については、短期間で行う努力がされていると伺っています。新規の申し込みについても、短期間での審査で早期の融資実現をこれも強く求めておきたいと思います。
 さて、ひとり親支援も重要です。
 ひとり親家庭を支援するNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむが実施したアンケートには、家賃も払えないほど困窮している、お米類でおなかを満たしている、日用品、生活費、食費もこれからどうするか悩んでいるなどの切実な声が寄せられております。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、シングルマザーの半数以上の方が収入減あるいは収入がなくなる見通しだと回答しています。子供の休校で食費がかさむ、困窮に拍車がかかっている。
 知事、ひとり親世帯のこのような現状、どのように認識されているか、ご答弁ください。

○小池知事 ひとり親家庭の親は、子育て、そして生計の担い手、この二つの役割を一人で担っておられます。一言でいえば負担が大きい。都が実施した調査でも、世帯収入も両親がいる世帯と比較しますと低い傾向にあることがわかっております。また、当事者団体が実施をいたしましたアンケート結果についても承知をいたしております。
 都は、独自に所得が一定以下のひとり親家庭に対しましては、月額で一万三千五百円の児童育成手当を支給いたしているところであります。そしてさらに、母子及び父子の福祉資金の貸し付けを行っておりますが、新型コロナウイルスの感染症の影響で、その返済が著しく困難になった場合は、その支払いを猶予することといたしております。
 以上です。

○あぜ上委員 ぜひ児童育成手当の増額を初め、当事者に寄り添った支援をしていただきたい、そのことを強く求めまして、私の質疑を終わります。(拍手)

○伊藤委員長 あぜ上三和子委員の発言は終わりました。
 山口拓委員の発言を許します。

○山口委員 それでは、質疑に入る前に、新型コロナウイルスによってお亡くなりになられた方にご冥福を申し上げますとともに、また、現在、闘病されている全ての皆様に、そしてご家族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、社会機能を維持するために仕事を続けてくださっている全ての皆様、そして都庁職員、ご関係の皆様、そして何より医療機関で最前線で尽力をされている、そして福祉の関係者の皆様、ありとあらゆる皆様のおかげで現在の生活が成り立っている、このことに心よりの感謝と御礼、そして敬意を表したいと思います。本当にありがとうございます。
 それではまず、知事にお伺いをさせていただきたいと思います。
 知事、外出自粛要請が出されて、そして休業要請が出されました。しかし、きょうの質疑でも、そしてテレビ報道でもなされているように、スーパー、駅前の商店街、さらにはホームセンター、都立公園と大変多くの方々が、状況によっては、場所によっては、いつも以上に人が出てしまっている。
 この状況というものは、これはどこに行っていいのか悪いのかという判断が間違って解釈をされている。出方、三密の解釈を誤解されている方が大変多くいるんじゃないかと私は思っています。
 この方々にしっかり、とにかく人に会わないこと、接触をしないんだというメッセージを、発信力のある知事が、この場を使って、この場でもぜひしっかりと発信をしていただきたいとまずは思うんです。まずはしっかりと都民が、わかった、協力をしようと思っていただけるように、また、いや協力をしなきゃいけないんだと感じていただけるように、ぜひ知事、発言していただけませんか、お願いします。

○小池知事 都は、国による緊急事態の宣言以前から、さまざまな機会を通じ、また臨時の記者会見なども開きまして、都民や事業者の皆様方に不要不急の外出、イベントの自粛要請を行ってまいりました。
 また、ご承知かと思いますけれども、私自身、都民に呼びかける動画の配信、これもよく皆様方に見られているかと思いますし、地上波がそれをキャリーするというようなことも、ごく普通、日常にもなってまいりました。いろいろな媒体を通じて発信をしているところでございます。
 また、都民、そして事業者の皆様方のご協力で、繁華街やターミナル駅の人の流れというのは、これはかなり劇的な部分、地域によってですけれども、一定の効果が出てきているということでございますが、ご指摘のように、地域の商店街やスーパーなどでは大勢の方が訪れてしまっている、いわゆる三密の状態を期せずしてみんなでつくっているということかと思います。
 先ほども、ご質問がありました際に、バンドワゴン効果ということを申し上げました。これはどういうものかといいますと、心理学的なものでありますけれども、ずうっとみんながいる場所、どこかの公園にいっぱい子供たちが遊んでいる、もしくはどこかのスーパーに人がだあっとレジにくっつき合って並んでいるというような、そういうシーンが流れますと、あ、いいんだなといって、かえってそこに行っちゃうわけですね。ということで、メディアの何というんでしょうか、力というのはそういう意味で、プラスもマイナスの効果も両方あるということを考えれば、いろいろこれからももっと工夫していかなければならないなと、このように思うところであります。
 おっしゃるように感染症ですから、飛沫感染やウイルスが手についてということで、皆さんの手洗いの励行など徹底してお願いをし、またピコ太郎を初め、手洗いについて、とても浸透はしてきているかと思います。また、金属についたウイルスが何時間そのままいるか、いないかとか、皆さん非常にお詳しくなっているわけでございますけれども、要は専門家の、何というんでしょうか、メッセージとして、八割削減すると下がるんだと。六割だったら、だらだらとそのまま続く、これ一番いけないですよね。六割はやっているつもりだけれども効果が出ないというのは、みんなの苦しみが、みんなの我慢が余計長くなるということで、人と人との接触機会を八割削減ということを専門家の方々もいっておられる。そうすると一カ月程度で感染は終息するという、そのようなメッセージであります。
 都民、事業者の皆様方には、引き続き徹底した外出の自粛を強くお願いいたしたいと思いますし、ですから、そうですね、何か社会を壊すようなことって余りいいたくはないんですが、ここは社会が壊れる前に人と人との接触を避けるということを徹底していただきたい。ぜひ山口議員におかれましても、地域で、また皆様方にしっかりとその旨お伝えいただければと存じます。

○山口委員 知事からのメッセージが都民の皆様に届くように、私たちも発信をしていかなければならないんだろうと。そして、私たちも、知事からのメッセージということだけではなくて、この感染拡大防止ということに努めていく発信をしていかなければならないんだろうというふうに考えております。
 さて、特措法に基づく緊急事態宣言は、国が権限を持っているわけでありますが、五月六日まで、この言葉に、皆さん今思いを寄せて、その期待を込めて、そこに今集中をして次の展開に向けて今我慢をし、努力をしているところであるわけですが、ここまで、あと遅くとも、休業明けて、それ以降に続投するならば一週間ぐらい前には準備を始めないと、皆さん準備が整わないわけです。
 そう考えてみると、一時的に減少傾向にあっても、二波、三波が来ることを指摘もされている中において、国が解除した場合においても、都として緊急事態宣言を行うのかどうかも含めて、独自の判断が必要になる場合というのは当然あり得るんだろうと思いますが、基準として都などの考え方について伺いたいと思います。

○遠藤総務局長 緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認められるときに、特別措置法第三十二条第五項に基づきまして、国が緊急事態解除宣言を行うことになっております。
 また、国は、緊急事態解除宣言を行った後にも引き続き警戒を行い、国内外の感染状況を分析し、それまでの知見に基づき、より有効な対策を実施するとしております。
 都としては、国のこうした動きを見据えながら、次のフェーズに備えて適切に対応してまいります。

○山口委員 協力金は、とにかく五月六日までの協力ということでお願いをしているわけで、みんな、この五月六日までとにかく歯を食いしばって頑張っていこうというふうに頑張られているわけです。
 事業をしていく上において、来週、再来週の見通しが立たないということはあり得ないことなわけでありまして、耐えられない人が出ないようにするために、国がどうであれ、宣言を出すときには、知事が都の独自の決断をされたわけでありますから、都民に向けた都の姿勢をしっかりと明言をしていただきたいと強く要望しておきたいと思います。
 この際、申し上げておきますと、外出自粛をされている都民の健康、親子の心のケアであるとか、勉強のおくれ、生活面の課題、長引くほど大きくなってくるわけでありますから、新型コロナそのものではなく、波及をして起こる問題が雪だるま式に大きくなってきている今の中で、全ての課題はないがしろにしてはならないわけでありますので、総力を挙げて取り組んでいただきたい、対応していただきたいと強く要望しておきたいと思います。
 さて、理美容を初め協力金についても伺いたいんですが、理美容は、国との調整の末、先ほどの質疑の中でも、休業要請対象にならなかったが、現状の状況を重く見て、今後の対象の見直し、拡大により、休業要請の対象に今後なった場合、これは後からでも都の協力金の対象にするべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○村松産業労働局長 協力金は、休業等の要請に応じて全面的に協力をいただける事業者を対象に支給するものでございます。
 お尋ねの理美容は、都の緊急事態措置等におきまして、社会生活を維持する上で必要な施設に区分され、休業等の要請の対象外となるため、支給対象となっておりません。

○山口委員 それはよくわかっているんですよ。休業ももちろん協力なんですけれども、社会生活を維持する上においてあけておいてくれと、これも立派な協力なんですよ。そう考えたときに、生活に必要な業種であって、でも続けることによって売り上げが著しく下がってしまっている方なんかには、やはりきちっと救済が必要な、理美容を初めとして、すぐにでもこれ対象にしていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 また、休業要請対象であるとか、都の協力金の手続は、これはインターネットで、ウエブでというふうにいわれています。しかし現状には、高齢者の経営者の方々とか、ウエブを使えない方々も、資料を見ても、私たちにとっても、見ても難しいものもたくさんあります。
 こういったパソコンを使えない方への情報提供とか用紙の配布は必須だと思うわけですが、区市町村への協力も含めて情報提供の方法の改善に努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○村松産業労働局長 協力金につきましては、都のホームページに対象要件や申込手続など実施概要を公表するとともに、相談センターにおいてさまざまな問い合わせに対応してまいりました。
 今後、受け付け要項の公表によりまして、申請手続に関する詳細な相談が多くなると見込まれますことから、相談センターの回線を拡充し、適切に相談対応が可能な体制を整備いたします。
 また、受け付け方法などを示しました協力金専用のポータルサイトを開設し、よくある問い合わせを順次更新するなど内容を充実するほか、申込書を含む受け付け要項を作成し、金融機関や支援機関を通じて周知を図ってまいります。
 協力金の支給対象となります事業者に情報が行き渡るよう取り組んでまいります。また、情報の周知につきましては、区市町村とも連携をしながら対応してまいりたいと考えております。

○山口委員 全ての事業者の方々が金融機関を利用している、もしくは融資を受けているわけでもないわけですから、どうやったって、習慣的に区役所に行ってしまったり出張所に行ってしまったりということはたくさんあると思うんです。ぜひとも、区市町村への協力も含めて、急場の中でやられていることはよくわかりますけれども、できる限り多くの皆様がしっかり手にとって見られるような体制を整えていただきたいと思います。
 さて、今、社会機能維持に必要な事業者への支援という点でも伺いたいんですが、日々感染のリスクを感じながら今働いていらっしゃる方々のストレスというのは、これはもう非常に大きいものがあると思います。
 補正予算案の中では、タクシーやバス事業者への感染防止対策費用の補助が計上されておりますが、これはまちのスーパー一つにおいても、社会機能維持に必要な事業だとして--まあ事業者が突然休止した場合の影響というのは、これはもう社会にとって甚大なわけであって、事業継続に向けての感染防止、また、職員体制などの負担も大きいわけです。
 来客等が著しく減少して経営的に厳しい中でも営業を維持している事業者に対して支援をしていくべきと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。(小池知事「私でよろしいんでしょうか」と呼ぶ)はい、お願いします。

○小池知事 緊急事態宣言が発出されたのが四月七日、その以降、都でも、都民、事業者の皆様方に徹底した外出の自粛、そして施設の休業などを要請してまいりました。また、経営に関する影響について切実な声が上がっていることについてもよく耳にしているところでございます。しっかりとその点、認識しております。
 こうした危機的状況に対しまして、行政としてなすべきことをなす、そのためには経済活動と都民の生活を支えるセーフティーネットの強化などを含みます緊急対策が必要ということで、今回の第四弾緊急対策を取りまとめたところでございます。皆様方のご採決によって速やかに実施をしていくことが最大の効果をもたらすことと考えております。
 また、経営が厳しい中でも事業を継続しておられる都内の中小企業に対しましては、緊急の融資、そして緊急借りかえなどの実施に加えて、新たに利子補給を行うなどの支援を強化してまいります。さらに、資金繰りや経営に関する相談対応、専門家の無料派遣などなど、中小企業に寄り添った支援も引き続き行ってまいります。
 今後とも、こうしたセーフティーネットの取り組みで、中小企業に対する支援を着実に実施してまいります。

○山口委員 先ほどの協力金のところでも申し上げましたが、何らかの形でこういった方々への支援を絶対にすき間なく実行していただきたいと常に思うところでございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 さて、感染拡大防止と医療崩壊の阻止についてもしっかりと伺いたいと思うところなのでありますが、医療機関だけでは足りずに、医療機関での受け入れ拡大が急ピッチで進んでいるとは聞いております。
 知事は四千床の確保、これをいわれているわけでありますが、二次保健医療圏ごとで確保をし、受け入れ調整するべきものであって、例えば、医療圏ごとに、今何床確保できているのか、ぜひ明らかにしていただきたいと思います。

○内藤福祉保健局長 新型コロナウイルス感染症の病床の確保に当たりましては、東京都全体を一つの単位として捉えまして、重篤、重症患者の受け入れを、都内十二の感染症指定医療機関や高度医療を担う大学病院を中心に、また、中等症患者等の受け入れにつきましては、感染症入院医療機関や、その他の民間医療機関に要請し、現在、約二千床の病床を確保しているところでございます。
 確保した病床を有効に活用するため、患者の受け入れ調整につきましては、東京都新型コロナウイルス感染症対策調整本部と保健所が連携しながら実施しておりまして、引き続き、患者への適切な医療の提供に努めてまいります。

○山口委員 二千もの、とにかく確保するということであれば、地域に密着をした医療機関の協力が当然必要になってくるわけで、となると、その体制の整備が極めて重要になってくるわけであります。
 一方、新型コロナの感染症患者の受け入れを行う医療機関においては、動線、スタッフも分けるなど、新型コロナ対応以外も含めた病院の診療スタッフ全体への負荷がすごく大きくて逸失利益も大きいわけであります。
 医療機関の多大なる負担を勘案すべきであって、病院経営に係る補償のような形、病院版の協力金であるとか、方法としては区市町村を通してもいいわけでありますが、この病院の協力金を実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。--知事、いかがですか。

○小池知事 失礼しました。新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大に伴いまして、患者数の増加に対応するために、積極的に医療提供体制の増強を進めているところであります。
 患者さんに医療を提供するためには、感染防止対策をまず徹底する必要がある。そして、適切なベッドコントロールや患者動線の設定、医師などの医療従事者の確保、そして教育、個人防護服、防護具などの資器材の確保など、医療機関が取り組むべきことは多々ございます。
 こうしたことから、都は、患者を受け入れる医療機関に対しまして、医療従事者の安全を守るための個人防護具を定期的に提供、そして今後は受け入れに向けました空床確保、あいているベッドの確保料の補助であるとか、医療従事者に対します特殊勤務手当への支援などを行いまして、医療機関の患者受け入れ体制の拡充を図ってまいります。

○山口委員 ここをきちんと整理しておかないと、すぐに支援の体制が整わない、ここが整わなければ四千床にはならないし、医療の崩壊を回避できないと私は思います。
 そこで伺いたいんですが、今、陽性で無症状、軽症の方は、病院からホテルへと移動させているわけです。加えて、自宅からホテルに移している方もいらっしゃるわけですが、都のホームページを見ると、自宅療養者が何人いるのかは明らかにはされていません。
 小さい字で、入院者のところに、入院調整中を含むと書かれているわけでありますが、そこに入っているのがどれぐらいなのかというのがわからないんですが、なぜ明らかにされないのか、四月二十一日現在でいうと陽性者三千百八十四人中二千五百七人が入院中となっていますが、その中に自宅待機療養者は一体何人いるんでしょうか。

○内藤福祉保健局長 都は、今月七日から、入院中の軽症者等の宿泊療養への移行を始めまして、今月十七日からは、自宅からの宿泊療養への移行及び自宅療養を開始いたしました。
 都のホームページに掲載しております検査陽性者の状況のうち、入院中の人数には、宿泊療養、自宅療養及び入院調整中の人数が含まれております。陽性者の容体は常に変化していることから、療養先は一定しておらず、特定の時点での統計をとるのは困難でございますが、各保健所では、陽性者の状況を把握し、入院調整や健康観察を行っているところでございます。
 都は、病院や保健所と連携しながら、入院、宿泊療養、自宅療養等の調整を進めるなど、保健所の取り組みを支援してまいります。

○山口委員 人々の不安と感染経路不明を減らしていくには、こういった一つ一つをしっかりと改善していくしかないと思います。今、ホテルに十万室以上が都内にはあるわけですが、十分にこれは確保できると思うんです。と考えるならば、一〇〇%に近いホテルでの滞在率に誘導するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○小池知事 感染症が急速に拡大する中で、都は重症患者、そして重症化するおそれが高い患者さんの入院医療のベッド数を確保するということで、それと感染拡大を防止するために、ホテルでの宿泊療養を開始したところでございます。これにつきましても、加藤大臣に、直接この点などをできるだけ早くお願いをしたりということで進めてまいりました。
 現在、入所に当たりましては、国の考え方に準拠した形で、まず、ご本人の同意が要る、無症状または軽症の患者、必ずしも入院治療が必要でないとお医者さんが総合的に判断した方、それから高齢者や基礎疾患がある方が同じおうちに同居しているか否か、自宅療養がそもそも困難な方にまず入所をしていただいているという、そのような項目を整理しながら進めているところでございます。
 けさほども、実は大臣の方にお願いをしたところでありますけれども、自宅療養というよりは、むしろ宿泊療養をさらに加速すべきではないかということでお願いもいたしたところでございます。医療的にそれらを精査するというお話でございました。
 今後、宿泊療養を必要とする方を確実に受け入れられますように施設の確保を進めてまいります。また、入院医療機関あるいは保健所との連携も重要でございます。この宿泊療養につきましては着々と準備を進め、また、既にそのためのホテルも確保し、そちらへの移行、自宅からそちらへ、感染症が陽性ということがわかった方々がホテルの方にお移りいただくという作業は今も続いております。

○伊藤委員長 山口拓委員の発言は終わりました。
 斉藤れいな委員の発言を許します。

○斉藤委員 初めに、新型コロナウイルス感染症により、とうとい命を失われた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、現在闘病中の方々の一日も早いご回復を祈っております。
 無所属東京みらいを代表し、新型コロナウイルス感染症対策について質問させていただきます。
 私たちは、二月末から医療関係者や各種団体、また、個人へのオンラインヒアリングを重ねた上で、検査体制の強化、重症度に応じた医療受け入れ体制の構築、文化支援、また、困窮世帯への生活支援などを要請してまいりました。
 本日は、まず検査体制について伺います。
 都内では、感染経路不明患者が増加し、発熱しても診療を受けられない患者もふえていることから、検査体制の強化は喫緊の課題といえます。宿泊施設の活用も含めて受け入れ体制が整ってきた今こそ発熱外来の設置や、さらなる検査体制強化を進めるべきと考えます。
 本補正予算では、広尾、多摩総合、都立二病院において発熱外来を設置する予算が設けられております。今後は、区市町村や医師会、民間医療機関等での発熱外来の設置やドライブスルー方式検査について、都として支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応するため、新型コロナ外来に対しまして、簡易陰圧装置等の設備整備や医療従事者の人件費等の支援を行うことで、施設数の増加や診療時間の拡充を図り、外来受け入れ体制の強化を進めているところでございます。
 今月十五日付の国通知におきましては、車内に患者がいる状態で診察や検体採取等を行う、いわゆるドライブスルー方式による外来診療が可能であるということが示されました。この方式で感染防止を図りながら円滑に診療を行うためには、場所や人員の確保、動線の設定、患者の体調不良時の対応手順の整理などの課題を解決する必要がございまして、都は、検査体制の構築が図れるよう区市町村等を支援してまいります。

○斉藤委員 次に、重症度に応じた医療体制ですが、これまで要望してきた都立病院の医師、看護師等への特殊勤務手当の増額に向けた条例改正については既に質疑がありましたので割愛をしますが、都庁職員も含め、最前線で働く方々への十分な手当をしっかりと進めていただきたいと要望いたします。
 また、ECMOや人工呼吸器等の設備を増強しても、それを扱う医療人材が不足すれば医療崩壊は免れません。非常勤での医療人材の確保、また、離職、退職した医師や看護師等の活用についても、ぜひ早期の検討をお願い申し上げます。
 外出自粛や休業要請に伴う影響について伺います。
 こちらも質疑は割愛をいたしますが、先ほど協力金の対象について、NPO法人等についても、中小企業と同規模で活動している場合は対象に含むよう検討する方向性が示されました。
 現在の協力金のホームページでは、中小企業と小規模事業者のみ対象となっており、このままでは、例えば株式会社が運営する学習塾は対象となり、NPO法人の運営では対象にならないという事態が発生する可能性があったということです。感染拡大防止という大義と協力金という共感を持って新型コロナにみんなで立ち向かう、そこに法人格による違いがあってはならないと考えます。
 理美容など新たな対象の検討もなされるとのことですが、協力金の趣旨に鑑み、感染拡大防止に協力する施設の背中を押していただくような検討を進めていただきたいと強く要望いたします。
 また、他県では、感染拡大防止に協力し休業した事業者等に対する業種を問わない給付金や、感染リスクを顧みず生活を支える社会福祉施設への謝意を込めた給付金も検討されております。また、障害者通所施設や認可外保育施設など、利用者の減少による打撃を受けている施設もあり、終息後の生活インフラを守っていくための支援が必要です。ここで立ちどまることなく、次に講じるべき施策の検討を始めるよう要望いたします。
 次に、新型コロナの打撃を受け、非対面型サービスへの転換を模索する事業者は、飲食事業者にとどまりません。
 ライブハウスの無観客配信や、イベント事業者によるVRフェスの開催、塾や習い事のオンライン化、オンラインフィットネスなど、業種を問わず意欲ある事業者を後押しするのが都の役割だと考えます。緊急要望でも重ねて業種を問わない支援を求めてまいりました。
 そこで、新型コロナを契機に業態転換を図ろうとする事業者について、業種を問わず支援すべきと考えますが、見解を伺います。

○村松産業労働局長 今般の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、人と人との接触による感染防止の観点から、インターネット等を活用した非接触型サービスへの移行が進んでおります。
 都はこれまでも、インターネット等のデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの創出やICTツールの導入の支援など、中小企業におけるデジタル活用の推進に取り組んでまいりました。さらに、今年度からは、次世代高速通信規格でございます5Gの普及を見据えた技術的な支援を開始したところでございます。
 今後とも、こうした動きを的確に捉え、中小企業のビジネスの変革を資金やノウハウの面から支援してまいります。

○斉藤委員 お答えいただきました今想定されている事業の交付の決定日は七月であります。かつ採択数も大変限られております。今まさに、業態転換を図り生き延びようとしている飲食事業者を初めとしたさまざまな事業者への早急な対応を求めるものです。
 次に、文化芸術分野の方々の打撃も大きく、その支援として五億円を計上されたことは、文化の灯を絶やさないという文化芸術界へのメッセージとして大変意義あるものと考えます。
 一方、こちらをごらんください。(パネルを示す)新型コロナに関連した損失はどの程度かといえば、自粛を開始した二月下旬から五月末までに、例えばライブ、エンタメ業界だけでも三千三百億円になると想定をされています。今回の文化芸術活動の幅広い支援では、一作品百万円を上限としておりますけれども、プロの映像作品をつくるには大変不足しているといわざるを得ません。このほかにも打撃を受けているアニメ、映画などのコンテンツも含むクリエーティブ産業につきましては、東京都には全国の一四%に当たる約八千事業所、そして人でいうと二四・五%に当たる百十一万人以上の従業員が集積をしておりまして、さらなる支援が求められると考えております。
 こちらのパネルの方にもまとめておりますけれども、文化関係者と申しましてもさまざまいらっしゃいます。芸術というのは多様かつ多彩でありまして、内容や分野にとらわれず、本事業の対象として受け入れてほしいとの声を多数いただいております。
 本事業は、文化支援というよりも公共事業のための映像コンペととられてしまう可能性もあると指摘をしておきます。本事業では、対象者をプロとしておりますけれども、芸術、アートの方には免許はございません。アルバイトを続けている芸術家も数多くいらっしゃいます。
 そこで、まず出演者と関係スタッフ含め対象者のプロとしての要件をどう認定するか、基準と方法、また、多様性を担保するための工夫を伺います。

○浜生活文化局長 この事業では、主に芸術文化活動に係る収入により生計を維持しており、対価を得て公演等を行っている方や制作に携わっている方などを幅広く対象とする方針でございまして、応募者に登録してもらった活動歴で確認することとしております。

○斉藤委員 芸術活動で収入を得るとおっしゃってくださいましたが、それもさまざまございます。
 例えば、伝統芸能には舞台に上がる人と一般向けにお稽古をする方がいらっしゃいます。いわゆるお師匠さん制度ですけれども、ほかにも公演等をする一方で、主に講師業を、教えることを収入の柱としている方は対象になるのか、また、すぐに撮影や編集が可能な分野に応募が集中するのではないかと危惧する声もいただいております。
 また、重要なのは、本事業を、今最も苦しんでいる演者や芸術家、それを支える裏方スタッフを支援する取り組みとすることで、今回の外出自粛や休業要請期間に収入が落ちた方を対象にすべきとの声も多いです。
 対象の分野や職種に限定をせず、今回のイベント自粛や緊急事態宣言に伴う施設の閉鎖などにより、活動に大きく支障を来している文化関係者への支援となるようにすべきと考えますが、見解を伺います。

○浜生活文化局長 対象の分野や職種につきましては、今後例示をする予定でございます。また、この事業は、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴って活動を自粛せざるを得ないプロのアーティストやスタッフなどの方々を対象にしております。

○斉藤委員 対象の分野や職種などを明示すべきではないと私は考えております。文化はそれほどに多様だからです。また、支援が必要な方に届く取り組みとするには、例えば、三月以降にかかわるはずだったイベント等が中止になったことを示していただくなどの工夫が必要であり、改めて今後ご検討をお願いします。
 文化活動には、時に風刺的な表現や、世間一般には理解されがたい内容のものもございます。これらの文化的価値の評価を行政が行うのは大変困難があるとも考えております。
 そこで、公募や選定の基準についてどう考えているのか、また、その選定は誰がどのようにして行うのか伺います。

○浜生活文化局長 審査は、都民や一般の方に向けて配信する前提を踏まえて、差別的、暴力的言動など公序良俗に反しないかなどの観点から外部有識者も交えて行う予定としております。

○斉藤委員 文化支援において、作品の内容を東京都が審査することには非常に危険性も伴うということを指摘させていただきます。
 文化活動への幅広い支援を目指すからには、作品の分野や内容については審査対象とせずに、審査すべきは活動や収入がどれほど減っているかという点だと考えます。公序良俗に関する基準を明示した上で、一般公開するか否かの判断をするにとどめるべきと思います。
 持続可能な文化芸術活動には、コンテンツと施設等の両輪での支援が必要です。今後は、ライブハウスや撮影スタジオを利用したオンライン配信や、そのプラットホーム構築への支援、また、文化に対する寄附の仕組みをつくることも重要です。中長期的な支援のあり方を検討いただくよう要望いたします。
 次に、こちらはフリーランスの人の働き方を類型別に示したパネルでございます。例えば、スタイリスト、ヨガインストラクターなど個々の仕事に対して対価を得る形で働く方々は、特に現在苦しい生活を迫られております。こうした方には既存の支援が届きにくいものですが、国の住宅確保給付金については、雇用契約によらない現在の就業を認める旨の通知を出すなど、新しい働き方に対応した制度運用が進んでおります。
 そこで、今般の補正予算で示された実質無利子の資金繰り支援についても、実質的に事業を行っていると認められるフリーランスの方々も対象とすべきと考えますが、見解を伺います。

○村松産業労働局長 都の緊急融資等は、中小企業信用保険法に基づき実施しており、中小企業者である法人及び個人に対し必要な事業資金を融通することを目的としております。
 このため、個人事業主の場合は、所得税法の規定による開業の届け出書や確定申告書等により、事業の状況を確認した上で融資対象の判断を行っております。

○斉藤委員 フリーランスの中には、開業届を出さずに事業を行っている方もいます。確定申告をして税も納めていることが前提ですが、都の相談窓口においては、開業届の有無ではなく、まず、事業実態を見きわめた上で個々の状況に寄り添った支援をお願いいたします。
 新型コロナの影響は、社会的に弱い立場の方に顕著にあらわれております。特に今回シングルマザーの方などからは、仕事が途絶えて久しく家賃や生活費が払えなくなる不安があると伺っております。
 全国的には、明石市がひとり親家庭へ五万円の支援を決めるなど、ひとり親家庭への現金給付や生活困窮世帯の子供への食料支援など自治体独自の支援も広がっています。
 都は、特別区については、区市町村振興基金を積み増すことで、各区の実情に応じた取り組みを間接的に支援をするということです。
 一方、市町村に対しては特別交付金を創設し、支援するということですが、この特別交付金について、ひとり親や生活困窮世帯への現金給付やアウトリーチ施策など含め、市町村の地域ニーズに応じた取り組みを限定的なものとしないよう工夫すべきと考えますが、見解を伺います。

○遠藤総務局長 市町村を対象に創設いたします特別交付金については、その対象経費を、感染症対策のほか生活困窮世帯への支援など、都民生活や地域経済の支援に要する経費などを幅広く認めていく予定であります。
 また、対象となる年度につきましては、今年度に要する経費を基本とし、基金造成による令和三年度の経費への充当も可能とすることで、市町村が柔軟な対応を行えるものとする予定でございます。

○斉藤委員 次に、児童の緊急一時保護委託先について伺います。
 保護者の方などから、自分が感染してしまい入院になった場合に、子供をどうすればいいかという点について不安の声が上がっています。
 また、通常であれば、親族がいなければ児童福祉施設などでの一時保護委託も考えられますが、都内施設からは入所児童の感染リスク予防のため、濃厚接触者である子供の一時保護を受けることは難しいという意見も伺っております。
 現在、東京都はそのような児童の受け入れ先についてどのように対応されているか伺います。

○内藤福祉保健局長 保護者の方が感染により入院した場合、児童を家庭で養育することが困難となった場合には、児童自身も濃厚接触者となることから、現在、児童相談所では、保健所と連携しながら医療機関等への一時保護委託を調整しているところでございます。

○斉藤委員 病院の負担軽減と児童の感染リスク抑制のためにも、医療機関を保護委託先とすることは望ましくないと考えております。国は、衛生部門と児童福祉部門が連携し、役割分担に向けた検討を行うよう通達を出しました。軽症者用の宿泊施設等に児童の一時保護委託を行うこと、加えてオペレーションを民間委託とすることも含めて検討をお願い申し上げます。
 次に、児童虐待防止に向けた取り組みについて伺います。
 学校休校から二カ月近くが経過し、保護者と児童の状態が危惧されています。子供食堂を運営する方々の調査によると、中には行方不明となっている母子や、DV被害者がいるといった憂慮すべき事態が起きています。
 民間支援団体等は、施設の休業などにより活動を続けられなくなっており、こうした団体が担ってきたアウトリーチ支援を行政が担う必要がございます。
 今回、社会福祉施設等における感染拡大防止の取り組みが示されていますが、児童の保護事業についても適切に継続していただけるよう望みます。
 あわせて、これまで要支援とされてこなかったご家庭も含め、今般の外出自粛が続く中で、児童虐待を防ぐための体制強化やアウトリーチ施策の強化について見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童相談所の体制を強化しておりまして、今年度は、児童福祉司及び児童心理司を五十八名増員いたしました。要支援児童等につきましては、現在、区市町村の子供家庭支援センターや学校など地域の関係機関と連携し、学校の休業等に伴う状況の変化を把握しており、支援が必要な場合には適切に対応しているところでございます。
 あわせて、乳児家庭全戸訪問事業などを通じまして、乳児と保護者の心身の様子や養育環境を把握し、必要に応じて適切な支援を行う区市町村を支援しておりまして、こうした取り組みにより、児童の安全・安心の確保を図ってまいります。

○斉藤委員 緊急事態宣言下においては、これまで要支援とされてこなかったご家庭の中でのリスクも大変高くなっているということで、必要な場合は、子供食堂などの民間支援団体の活動にも業態転換の支援を行うことも検討していただきたいと思います。
 国連機関、UN Womenは、外出自粛要請に伴い、DVが世界的に増加していると警鐘を鳴らしています。国では、二十四時間体制でのSNS相談や休日相談窓口などのDV相談プラスを開設しました。都においても、SNS相談や民間保護施設等での直接受け入れなどの取り組みを始めるべきです。民間支援団体等は、漢字は少なく簡単な言葉を用いて、つながり、助けるために話しかけていきます。東京都の広報もそのように努めていただきたいと考えます。
 こちらは福岡県のDV防止キャンペーンポスターでございます。見ただけで、はっと気づかされます。DVとは何か、その危険性、なぜ逃げる必要があるか、そしてどこに逃げる先があるのか、ぱっと見てわかるような周知啓発が必要と考えます。
 補正予算では、都政広報に四億円が計上されておりますけれども、DVについては相談窓口を改めて周知するべきであり、その際、先ほど述べた視覚的かつわかりやすい周知を行うべきと考えますが、東京都の見解を伺います。

○浜生活文化局長 配偶者暴力等の被害者が一人で悩まずに相談できるよう、東京ウィメンズプラザでは、土日も含め毎日相談を受け付けております。また、ホームページでは、多く寄せられる質問への回答、支援の内容などをわかりやすく情報提供するとともに、区市町村や警察など、相談窓口も掲載しています。
 これらの情報を広く周知するため、相談受け付け時間や電話番号を記載した携帯用のカードを病院等の関係機関や区市町村の窓口などで広く配布しております。さらに、SNSを活用した発信にも積極的に取り組んでおり、引き続き、支援が必要な方に必要な情報が届くよう努めてまいります。

○斉藤委員 外出自粛により、加害者が家から出ずに声を上げることができない、あるいはこれを機にDVが始まって、みずからも気づいていないということも考えられます。引き続きの取り組みのみではなく、特別なキャンペーンとともに、支援の出口である婦人保護施設の周知にも取り組むべきと強く指摘をしておきます。
 避難先を必要とする若年女性等への支援について伺います。
 家庭内の虐待から逃げている十代の少女やDVの被害に遭っているなど、家庭に連れ戻されることを恐れ、行政の支援を避ける方も少なくありません。こうした女性たちにとって、ネットカフェも一つの逃げ場所であり、民間調査では、利用者の約三割は女性であるとの結果もございました。
 先日、東京都は、TOKYOチャレンジネットにて、ネットカフェ難民の受け入れを開始しましたけれども、ここに女性はつながることができているのか、危惧をしています。
 チャレンジネットへの申請とビジネスホテルの利用状況について、男女それぞれの数を伺います。

○内藤福祉保健局長 都の緊急事態措置に基づくネットカフェ等への休業要請が適用となった今月十一日から十九日までの間で、チャレンジネットへの新型コロナウイルスの影響による相談件数は七百二件でございます。
 また、一時宿泊場所であるビジネスホテルの利用は、区市を経由した分も合わせまして、十九日現在、四百七十五件でございます。
 男女別の内訳でございますが、今月の十一日及び十二日の二日間、これはスタートしたところでございますが、この時点で、ビジネスホテルを利用した方のうち、男性は百二十四人で八七・三%、女性は十八人で一二・六%となっております。

○斉藤委員 ありがとうございます。やはり女性がつながりにくいという実情が明らかになりました。これをいち早く察した民間支援団体の方では、独自に資金集めを行い、若年女性や特定妊婦の居場所確保に現在奔走しておられます。今後は、例えば若年被害女性等支援モデル事業などで、こうした取り組みに対する手厚い支援を検討していただくよう要望いたします。
 また、こうした若年女性の悩み、苦しみを利用し、SNS等で自宅に泊めようとする、泊め男というらしいんですけれども、そういう方による性被害がふえているそうです。愛知県警の方では、SNSパトロールの強化を行い、泊め男の発信が激減したということがございまして、東京都警視庁にも早急な対応をお願いするところです。
 続いて、オンライン学習支援について質疑をする予定でしたが、こちらも重複をしましたので、質問を割愛いたしまして意見だけ述べさせていただきます。
 現在、児童養護施設などでは一台のパソコンを八人が交代で使うなどしているとのことで、一人一台を早期に実現するよう願うものです。また、通信環境のない家庭等においてはパソコンの扱いにもふなれな場合も多くございまして、家庭に出向くなどして丁寧に指導することを想定していただくよう要望をいたします。
 国の通達では、要支援児童について、教育委員会、児童相談所、また区市町村が連携し、児童の状況の変化を確認することを要請しています。パソコンやモバイルルーターの貸し出しを行う際など生徒の現況の聞き取りや心のケアにも積極的に行っていただけるようお願い申し上げます。
 なお、現時点では、授業動画の配信を念頭に環境整備を行うと聞いておりますが、オンライン朝礼などの対面に近いコミュニケーションをとることができるよう、さらなる取り組みを求めます。
 最後に、本補正予算は一歩踏み込んだ重要な取り組みが数多く盛り込まれていると考えます。一方で、セーフティーネットという面では、その網が届いていない方々や拾い切れていない課題があることは指摘せざるを得ません。より厳しい環境に追いやられている方々は、声を上げることすらできずにいます。こうした声をみずから拾いに行っていただきまして、迅速に支援を講じていっていただきたいと考えます。
 そこで、最後に知事に伺います。
 東京都緊急対策(第四弾)によると、第二回定例会に補正予算を提案するとのことですが、今回以上に社会的に弱い立場にいる方々を守る予算を組むとともに、その間も社会状況の変化に応じた支援を適宜講じていくべきと考えますが、見解を伺います。

○小池知事 今回の緊急対策でもさまざまな方々の意見に耳を傾けて、寄せられた要望を可能な限り反映させてまいりました。そのうち六月までに着手すべき取り組みを補正予算案として取りまとめたものであります。
 今後も刻々と変化する状況をしっかり見きわめながら、都がなすべきあらゆる手だてを総動員、必要な対策を時期を逸することなく積極果敢に講じてまいります。

○伊藤委員長 斉藤れいな委員の発言は終わりました。
 以上で、本日予定しておりました質疑は全て終了いたしました。
 お諮りいたします。
 第百九号議案から第百十二号議案まで及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和元年度東京都一般会計補正予算(第四号)の報告及び承認について外専決二件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、本案及び本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午後六時一分休憩

   午後六時七分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百九号議案から第百十二号議案まで並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和元年度東京都一般会計補正予算(第四号)の報告及び承認について、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に質疑を終了いたしております。
 これより採決を行います。
 初めに、第百九号議案から第百十二号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、第百九号議案から第百十二号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和元年度東京都一般会計補正予算(第四号)の報告及び承認について、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の報告及び承認についてを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも報告のとおり承認することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも報告のとおり承認することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査は終了いたしました。

○伊藤委員長 この際、小池知事から発言の申し出がありますので、これを許します。

○小池知事 ただいま令和二年度四月補正予算案をご決定いただきまして、まことにありがとうございました。
 現在、国難ともいうべき危機的状況に東京、そして日本は直面をいたしております。今こそ行政としてあらゆる手だてを総動員いたしまして、スピード感を持ってなすべき施策を実行していかなければなりません。
 そのため、この補正予算を速やかに執行するなど、感染症の拡大を阻止するとともに、経済活動、そして都民生活を守り抜くために、都庁の総力を挙げて取り組んでまいります。
 引き続き、都民の皆様、そして都議会の皆様方のご理解、ご協力のほどよろしくお願いを申し上げます。
 なお、これまでの審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご提言等につきましては、十分に尊重させていただきまして、今後の都政運営に万全を期してまいりたいと存じます。
 委員長初め委員の皆様方の熱心なご審議に対し、心より感謝を申し上げます。
 まことにありがとうございました。

○伊藤委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言挨拶を申し上げます。
 大変異例の審議日程となりましたが、質疑及び採決を本日一日で終えられ、そして、提案をいただきました補正予算案が可決いたしましたこと、審議に加わっていただきました各会派の副委員長、理事、委員の皆様方に、心からご協力に感謝、御礼を申し上げたいと思います。
 今なお、まさにこのコロナウイルス感染症と闘っている患者さん、あるいはまた医療関係者の方々、そしてまた、この間に甚大な被害を受けた経営者の方や、また生活者の方々がいらっしゃいます。
 きょうの質疑が、そうした皆様方の少しでも救いになれば、また貢献できればという思いを議会の一員の者として思うところでございます。きょう、この特別委員会はこれをもって閉会をいたしますけれども、今後も都議会の審議を通じまして、都民の皆様方のいち早いもとの生活に戻れる、そうした状況をつくるための政策提言をさせていただきたいと思っておりますので、理事者の皆様におかれましても、どうぞご奮闘、ご尽力いただきますようにお願いを申し上げまして、委員長からの挨拶にかえさせていただきたいと思います。
 本日はまことにありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十三分散会

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