建設・住宅委員会速記録第十三号

平成十五年十一月十八日(火曜日)
第九委員会室
午後一時三分開議
 出席委員 十二名
委員長鈴木 一光君
副委員長林田  武君
理事花輪ともふみ君
理事三原 將嗣君
理事大西由紀子君
河野百合恵君
小松 恭子君
いなば真一君
倉林 辰雄君
宮崎  章君
馬場 裕子君
木内 良明君

 欠席委員 二名

 出席説明員
住宅局局長高橋  功君
技監小林 崇男君
総務部長梶原 康二君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
連絡調整担当部長加藤 英夫君
地域住宅部長小林 計代君
区市町村調整担当部長高岡 信也君
民間住宅部長安藤  明君
参事山室 善博君
住宅経営部長青木 治道君
営繕担当部長渡部 景之君
参事石井 一夫君
参事庄司 静夫君
参事神通 和夫君

本日の会議に付した事件
 住宅局関係
  事務事業について(質疑)

○鈴木委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより住宅局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件は、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○梶原総務部長 それでは、去る十月十五日の本委員会でご要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元の建設・住宅委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をお開きいただきますと、目次がございます。合計十二件の資料の件名を記載しております。
 初めに、一ページをお開き願います。1は、都営住宅型別供給の住戸の標準規模でございます。
 都営住宅の住戸型式を一DKから四DKまでに区分し、平成五年度、十一年度及び十五年度の住戸専用面積を記載しております。
 二ページをお開き願います。2は、都営住宅の応募状況でございます。
 上段の表は、平成十年度から十四年度までの新築募集の応募状況を、中段の表は、本年度から新たに募集を行いましたバリアフリー仕様住宅の応募状況を、下段の表は、空き家募集の応募状況をそれぞれ記載しております。
 三ページをお開き願います。3は、公社一般賃貸住宅の応募状況でございます。
 平成十年度から十四年度までについて、新築募集及び空き家募集、それぞれの応募状況を記載しております。
 四ページをお開き願います。4は、都民住宅の応募状況でございます。
 平成十年度から十四年度まで、供給方式別に新築及び空き家の応募状況を記載しております。
 五ページをお開き願います。5は、エレベーター未設置の中層都営住宅の棟数でございます。
 既設の中層都営住宅におけるエレベーター未設置の棟数を廊下型と階段室型に分け、記載しております。
 下段には、参考といたしまして、これまでに設置した棟数を記載しております。
 六ページをお開き願います。6は、使用料等滞納者、高額所得認定者の都営住宅明け渡しの推移でございます。
 平成五年度から十四年度までについて、使用料等滞納者及び高額所得認定者の明け渡し件数を記載しております。
 七ページをお開き願います。7は、都営住宅直接受け付けの応募状況でございます。
 平成十四年一月から十五年七月までの応募状況を記載しております。
 八ページをお開き願います。8は、平成十四年度住宅変更の申請件数及び入居許可件数でございます。
 住宅変更について、申請の理由、申請件数及び入居許可件数をそれぞれ記載しております。
 九ページをお開き願います。9は、都営住宅のグループホームへの活用状況でございます。
 所在地、団地数及び戸数を記載しております。
 一〇ページをお開き願います。10は、都営住宅の計画修繕費の推移でございます。
 平成五年度から十四年度までについて決算額を記載しております。
 一一ページをお開き願います。11は、木造住宅密集地域整備促進事業実績及び木造住宅密集地域の面積でございます。
 上段の表は、木造住宅密集地域整備促進事業について、平成十年度から十四年度までの事業地区数及び決算額を、下段の表は、木造住宅密集地域の面積について、区部、市部に分けて記載しております。
 一二ページをお開き願います。12は、住宅局関係の工事に関する中小企業への工事発注実績でございます。
 平成十年度から十五年度上半期までについて、中小企業、大企業に区分し、記載しております。それぞれごらんいただきたいと存じます。
 以上でご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○倉林委員 先般発表のありました先行まちづくりプロジェクト実施地区の指定の関係について幾つか伺っていきたいと思います。
 東村山市本町団地の再編整備について、まず伺います。
 私は、昨年の第四回定例会におきまして、一般質問の中で、多摩北部地域の大規模都営団地の再編整備について、建てかえに際して、敷地の高度利用により生み出した用地の活用について、民間活用を視野に入れて検討していくべきだ、こういう観点から質問いたしました。
 そこで、先般、先月の二十二日に、東京都の重要施策において戦略的な取り組みということを掲げて、住み、働く場としての東京の再生の具体的な取り組みの一つとして、都有地を活用しながら民間プロジェクトを推進する、いわゆる先行まちづくりプロジェクトの実施地区の指定が行われ、今お話させていただきました東村山市本町地区プロジェクトが、その第一号に選ばれたということは大きな前進だろうと、こう評価するわけであります。
 そこで、その先行まちづくりの概要を見てみますと、都営住宅の建てかえなどにより新たに利用が可能となる都有地が相当規模存在しています、先行まちづくりプロジェクトは、こうした土地を活用しながら民間プロジェクトの実施によりまちづくりを推進していく取り組みですと、こう記されております。
 要するに、民間の創意工夫を引き出して、まちづくりを誘導していこう、こういう目的があるわけだと思います。
 私は、こうした取り組みが拡大して、区部だけでなく、多摩地域が元気になることによって、東京全体が再生することを強く望んでいるわけでありますけれども、そのような観点から、東村山市本町団地再編整備プロジェクトについて、何点か具体的に伺います。
 先行まちづくりの指定は、ご案内のように知事本部が行ったようでありますけれども、この先行まちづくりプロジェクトとして地区指定を受けて、住宅局として、今後どのように推進していくおつもりなのかをお伺いいたします。

○庄司参事 先行まちづくりプロジェクトは、全庁的プロジェクトでございまして、今後、住宅局は事業担当局として、知事本部を初め関係各局と連携をとりながら、積極的に本プロジェクトを推進していく考えでございます。

○倉林委員 東村山市本町地区再編整備プロジェクトについては、去る十月十七日、自民党東村山市議団の人たち、いわゆる本町都営住宅北ブロック土地利用に関する要請の中で、今後とも北ブロックの土地利用について、市の要望を踏まえ、地元と協議しながら事業を推進するよう要請しております。
 このような経緯の中で、地元である東村山市とどのような協議あるいは調整を行ってきているのかをお伺いいたします。

○庄司参事 昨年九月に都と東村山市で都営東村山本町団地再生用地活用協議会を設置し、計八回の協議会を開催してきました。
 この協議会の中で、まちづくり全体の方針や土地利用の方向性等について協議を進めてきたところでございます。

○倉林委員 それでは、東村山市本町地区プロジェクトの概要の面について具体的に確認していきたいと思いますけれども、このまちづくりの誘導目標の中に、多様な世代が集うゆとりある美しい住宅市街地の形成をコンセプトとして、地域で安心して暮らし続けるまちを実現するために、あらゆる世代が住まい交流する美しい住宅都市の形成を、多摩地域の郊外型居住モデル地区として進めていきますと、こういう観点の中で、低廉な価格でより広い住宅の供給、あるいは多様な世代が集う活力ある地域コミュニティの形成、あるいは豊かでいきいきとした住宅市街地の形成、あるいは子育て環境や高齢者福祉機能の充実と、こういう四点が記されておりますけれども、一点目、四点目については具体的にわかるんですが、多様な世代が集う活力ある地域コミュニティの形成、それから豊かでいきいきとした住宅市街地の形成、この二点について具体的に教えてください。

○庄司参事 具体的な内容でございますが、例えば活力ある地域コミュニティの形成では、地域のまちづくりに寄与するような日常生活を支える店舗や、にぎわいや触れ合いを創出する広場の設置などにより、コミュニティの形成を図る、また、豊かな住宅市街地の形成では、緑豊かな環境やオープンスペースを確保するなど、多摩地域における郊外型住宅市街地のモデルとして、個性や特徴のある街並みを形成することとしております。

○倉林委員 また、先行まちづくりプロジェクトの事業の進め方の方を見てみますと、本プロジェクトの都有地の一部は、別途、近接する府中街道の拡幅整備を支援する用地としますと、こうありますね。
 この考え方について、私は大変評価しているわけですけれども、これについてもちょっと聞かせてください。

○庄司参事 将来の府中街道の拡幅整備に伴い、用地が必要となります。
 例えば、沿道にある公共施設で移転が想定されているものの建てかえ用地等として、近接する地区西側の都有地の一部が活用可能と考えてございます。

○倉林委員 今後、これらの誘導目標を実現していくためには、いわゆる開発事業に関する民間の創意工夫を十分に活用して、多摩地域の潜在的に豊かな環境にも配慮しながらプロジェクトを推進していくべきだと考えておりますが、それについてもうちょっと聞かせてください。

○庄司参事 既に南青山一丁目団地建てかえプロジェクトで実施しましたように、公募による提案を受けながら、民間事業者の創意工夫が発揮された、すぐれたまちづくりとしていく考えでございます。

○倉林委員 東村山市とは、今後とも事業化に向けて十分な調整を図りながら進めていくべきだと思うわけですけれども、ここにもスケジュールが予定として書かれておりますけれども、これについてちょっと具体的に説明していただけませんか。

○庄司参事 地元自治体の東村山市とは、協議会を積極的に活用しながら、今後、事業化に向けた具体的内容につきまして調整を行ってまいります。
 今後の予定でございますが、今年度中に事業実施方針を公表し、その後、募集要項の公表、事業者提案の受け付け、審査を経て、十六年度中に事業者を決定したいと考えております。

○倉林委員 私の地元であります多摩北部地域には、ご案内のように東村山本町だけではなく、村山団地あるいは東京街道団地、東大和市の向原団地と、いわゆる建てかえ事業を行っている大規模団地があるわけですけれども、昨年の第四回定例会でも私は質問しておりますけれども、これらの団地においても、東村山市本町まちづくりに指定された今、この三つの団地における今後の取り組み、ちょっとこの辺ご答弁いただけませんか。

○高橋住宅局長 お話にありましたような大規模団地につきましては、都民共有の財産である都営住宅の建てかえに際しまして、敷地の高度利用によって生み出されました跡地を有効に活用していくということは、大変重要であると考えてございます。
 基本的には、多摩地域の豊かな環境と調和し、地域の活力を高める郊外型のまちづくりを進めていく考えでございます。
 具体的な土地の活用につきましては、地域のまちづくりを視野に入れまして、民間の創意工夫を引き出しながら、地元市とも十分連携をとり進めていきたい、このように考えております。

○倉林委員 ありがとうございました。
 もう一点、形を変えまして、今度は都民住宅制度の見直し関係についてちょっと伺っておきたいと思います。
 我が党は、先般の第三回定例会の代表質問で大西幹事長が、本年八月に出された東京都住宅政策審議会の答申に関連して、今後の都の住宅政策の基本的な方向を、民間住宅市場の活用を重視した、効率的で広がりのある施策へ転換を求めていく、こういう立場から質問いたしております。
 その際に、都民住宅制度等については、住政審から、その答申を踏まえ、抜本的に見直す旨の答弁をいただいたわけでありますけれども、ちょっとこの点について伺っておきます。
 見直しに当たっては、制度の創設以降の地価等の下落、あるいは住宅価格や家賃の大幅な低下などの社会経済状況の変化に的確に対応していくべきものと考えております。
 まず、答申でも指摘しているように、家賃補助等の助成方式が多大な財政負担を招来していることから、昨今の地価や家賃の動向等を踏まえ、施策目的に照らして抜本的に見直していく必要があると考えますが、どのような方向で検討しているのかお答えいただきます。

○安藤民間住宅部長 都民住宅制度等は、バブル経済期の地価高騰による異常な住宅事情に対処するために創設したものでありまして、厳しい市場環境において良質なストック形成に寄与してきたものと考えております。
 しかし、バブル経済崩壊以降、民間賃貸住宅家賃の低下など、社会経済状況が大きく変化しておりまして、これに適切に対応していく必要があります。
 このため、都市計画等の特例や税制も活用しながら、現行制度のような多大の後年度負担を伴わない費用対効果の高い施策として再構築していく方向で検討を進めています。

○倉林委員 次に、対象となる地域について、ちょっとお聞きしたいと思いますけれども、利便性の高い地域での供給の誘導に向けた施策の構築に取り組んでいくと、こういっているわけですけれども、利便性の高い地域とはどのような地域を考えていらっしゃるのかお聞かせください。

○安藤民間住宅部長 対象となる地域等につきましては、都心及びその周辺での職住近接や、郊外部においては駅から近い、いわゆる駅接居住が選択できるような供給の誘導に加えまして、木造住宅密集地域における老朽住宅の建てかえなど、既成市街地の整備更新と一体となった供給の誘導ができるように、対象地域を重点化する方向で検討を進めております。

○倉林委員 意見だけ申し上げて終わらせていただきますけれども、今後対象になる地域の設定に対して、多摩地域については特段のご配慮をするように、まず要望しておきたいと思います。
 また、住政審の答申のもう一つの柱であります、安心して貸し借りできる賃貸住宅市場の確立に関連して、紛争防止のためのいわゆるルールづくりが重要だと。こうした上で、賃貸借の契約や管理に関して、あらかじめ取り決めておくべき事項の明確化など、市場の透明性の確保に取り組む旨の答弁をいただきました。
 今回お尋ねした都民住宅制度等の抜本的見直しとともに、安心して貸し借りできる市場の確立へ向けて、都の今後の積極的な取り組みを期待して質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○花輪委員 それでは、まず最初に、都営住宅の市区町村への移管についてお尋ねしたいと思います。
 これも委員会の場、また本会議で何度かやらせていただいておりますが、繰り返しになることもあると思いますが、ご容赦いただければと思います。
 私は、都営住宅の移管というのは、三つの意味で大きなメリットがあると思うんですね。
 一つは、都営住宅に住んでいる方々というのは、福祉的な手当てが必要な方が大変多く住んでいらっしゃるということもありますので、福祉といえば、大体介護の話にしても、また民生委員さんの話にしても、地域の区とか市とかでやっていることです。そういう意味で、都営住宅が区とか市に移管されれば、福祉の連携が各地方自治体、地域で大変うまくいくのかな、そんなふうに考えています。
 二点目は、あれだけ広い土地に建っている都営住宅ですから、移管を受けた後、例えば建てかえとか、さまざまなときに、そこの地域で必要な保育園とか、お年寄りの施設とか、そういうものを併設するなどして、地域のいわゆるそういう施設の有効利用にも大変活用ができるかなと。
 そしてもう一つ、それぞれが区とか市に移管されれば、その地域の実情に応じて、例えば新しくマンションがどんどんできてしまって、子どもが多くふえてきた、ファミリー世帯が多くふえてきた。でも、もうこの地域はファミリー世帯が余りふえると学校が足らなくなる、そういうこともあるから、できればお年寄りの方にたくさん住んでほしいなという思いが地域にあれば、お年寄りをたくさん入れるような都営住宅の政策にするとか、逆にお年寄りがふえてきて、お年寄りの施設が足らないな、子どもが少ない地域ができてしまったらば、ファミリー世帯を中心に募集をかけるような、そういう地域のそれぞれの施策にも重要かなと。
 私は、ですから、この三つの意味で非常に、都営住宅の地域への移管というものは意味がある、意義がある、そんなふうに考えて、今までも質問を、また意見をさせていただいてまいりました。
 そんなときに、ことしの十月に第二次財政再建推進プランですか、これはどこが所管なのかな--財務局が出しました。
 このプランのこの薄い冊子の中で、何とこの都営住宅の区市町村への移管がわざわざ一ページを使って、多くの問題が内在している課題の多い施策だというような、そういう表現で載せていただきました。
 ぜひ、こういうこともありますので一生懸命やっていただきたいな、そんな観点から幾つか質問させていただきます。
 まず、この移管の計画について、これからの計画ですね、それについてもう一度具体的にご答弁いただければと思います。

○高岡区市町村調整担当部長 平成十三年三月に特別区移管推進計画を策定しておりまして、平成十三年度から平成二十二年度までの長期的な目標といたしまして、各年度二千戸、十年間でおおむね二万戸を移管する計画となってございます。

○花輪委員 十三年度から二十二年度まで、十年間で二万戸を移管。二十六万戸あるわけですから、二万戸ずつやっていくと一体何年かかるかという、今の計画でもちょっと先が長いなということなんですが、この計画に対して、実際のところ、実績はどのような形になっているでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 平成十三年度は十二団地、五百八戸、平成十四年度は二十一団地、六百八十一戸の移管実績となってございます。

○花輪委員 目標が一年間に二千戸、実績が十三年が五百八戸、二五%ですね。十四年度は六百八十一戸。
 今年度は、ちなみにどのぐらいいけそうですか。

○高岡区市町村調整担当部長 今年度につきましても、計画についてなるべく近い移管実績を得べく、現在努力中でございます。

○花輪委員 このような数字にあらわれているとおり、なかなか目標設定そのものも、もっと頑張る目標をつくってほしいと思ってはいるんですが、その二千戸という目標にも、残念ながら遠く及ばないというのが今の現状。恐らく皆さんは、それなりに精いっぱい努力はされていると思うのですが、この計画と実績に大きなギャップがあるわけですが、その原因というのは一体何だというふうに分析されていますか。

○高岡区市町村調整担当部長 移管につきまして十分な進捗が得られない理由といたしましては、区市町村側に、戦後の住宅難等を背景として、都が中心となって公営住宅を建設してまいりました歴史的経緯があり、公営住宅の設置管理は都の役割であるという認識が残っていること、移管後の財政上の不安や負担感が払拭し切れていないこと、公営住宅の管理のノウハウについて不安があること、厳しい現今の行財政状況から、事務事業の拡大や組織人員の拡大に慎重であることなどがあると考えております。

○花輪委員 今いろいろと、ギャップというか、できない理由をお話いただいたわけですが、私なんかも、地元の区議会議員とか、またほかの地域の市議会議員の方に、この都営住宅の移管の話をしますと、大体今のご答弁いただいたような感じになるんですよね。都営住宅をもらうと、大変な財政的な負担がかかるから、そんなもの実現するわけないじゃないかというようないい方をされるんですね。
 実際問題、移管を受けると、受けた自治体は財政的な負担はふえるんですか。

○高岡区市町村調整担当部長 都営住宅の移管は、原則として無償譲渡でございまして、また移管住宅にかかわります債務は引き継がないために、使用料収入で住宅の修繕、職員の人件費等に要する費用を賄うことができます。

○花輪委員 ということは、ただでもらって、家賃収入は各市区町村のものになると。その家賃収入、もらったうちで、人件費とか修繕費とか、さまざまなものが解決して、逆にいえば、少しはおつりも残るということですかね。

○高岡区市町村調整担当部長 区市町村への移管後の収支シミュレーションにつきましては行ったところですが、使用料収入で理事ご指摘のございました維持管理費用、職員人件費、事務費等、すべての費用について賄うことができるというような形のシミュレーション結果が出てございます。

○花輪委員 日ごろの収支は回るよという話でした。
 では今度は、心配されるのは、建てかえをするときに莫大なコストがかかるんじゃないか。大変で、これはできないんじゃないかというような心配を、いただいた後、二十年、三十年先の心配をする人がいるわけですが、このあたりはどうなんでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 区市町村が移管を受けた住宅を将来建てかえる場合のケースでございますが、建設費等について国や都から補助が受けられます。
 区市町村が百戸の建てかえを行うケースについて、三十五年間の収支累計を試算してみますと、使用料収入ですべての経費が賄えるものとなってございます。

○花輪委員 今のように、建てかえの場合は、半分はきっと国から出て、四分の一が都から出て、あと地域が、自分がやって、あとその四分の一は使用料で回っていくんではないかというようなご答弁でした。
 じゃあ今度は、都営住宅というのは滞納がすごく多い。滞納がたくさんあるんだから、そんなシミュレーションは崩壊するに決まっているじゃないかという人がいるんですが、そのあたりいかがでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 移管後の収支につきまして、都営住宅の一般的な使用料の収入率、これを織り込み、計算してございますので、結果として財政的な新たな負担というものはございません。

○花輪委員 もう一つ、皆さんが疑問に思うことは、日々の修繕、細かい話があるかもしれませんが、水道が壊れた、水が詰まった、そういうようなことで、結構都営住宅というのはお金がかかるんだと。そういうものだって、ちゃんと見ているのか、それを入れたらばだめなんじゃないかというふうな疑問を持つ方がいらっしゃるんですが、そのあたりはいかがでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 移管後の修繕につきましても、使用料収入の中で賄えるものと考えてございます。

○花輪委員 今お伺いしたように、要は都営住宅の移管というのは、非常に区市町村にとって、私がさっきいった三本の意味合いがありますが、そういう意味でも大変なメリットがある。
 さらに、財政的な負担が地域にもかからない。にもかかわらず、この移管が進まない。これというのは、先ほどいろいろとご答弁をいただきましたけれども、一体本当にどこに課題というか、問題点があるというか--私は、各地域の担当者に聞くと、面倒くさいとか、都営住宅というのはいろいろとか、むにゃむにゃむにゃというような感じで、精神的に負担がかかるから嫌だというような印象を受けるんですが、部長はそのあたりどのように考えていらっしゃいますか。

○高岡区市町村調整担当部長 先ほどの移管について十分な進捗が得られない理由の中で申し上げましたけれども、先ほど申しましたような歴史的な沿革だとか、あるいは事実とは違うのですが、財政上の不安感、そういったようなもの、もろもろの、先ほど申し上げました、そういった理由によってというような形でございます。

○花輪委員 部長もむにゃむにゃになっちゃうわけですけれども、要は、私、思うんです。各市の市議会議員さんとか、区議会議員さんも、理解がまだまだ浅いんですよ。どうしても財政的な負担、人的負担が各市区町村に大変かかってしまうんじゃないかという漠然とした不安が取り巻いていると思うんですね。
 ぜひ、その取り巻いている不安というものをしっかりと解決して、アピールして、財政的な負担はないんですよと、さらに地域にはこれだけのメリットがあるんですよということを、私はもっともっとアピールしていただきたいと思うんです。
 恐らく担当の方々は、各区の、各市の担当と一生懸命交渉しているとは思うんですけれども、こういうのはある程度トップの人から、上層部からしっかりと物をいって、解決していく、理解を得ていくということをしていくのが重要かなというふうに思いますので、ぜひ部長なりが足を積極的に運んでいただいて、理解をしてもらって、ということを熱心に--これ、交渉事ですよ。向こうは、別にもらわなくたって罪にはならないわけですね。法律でもらえという、そういう何か法律はないわけです。
 ただ、私たちが考えるに、移管した方が、地方分権、地方分権と彼らもいっているわけです。財源も仕事も寄こせといっているわけです。都営住宅の移管なんて、まさに財源も仕事も一緒に渡すようなものですから、ぜひそれは部長がリーダーシップを持ってしっかりやっていただきたいと思うんですが、その辺の決意はいかがでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 今後の移管に当たりましての具体策といたしまして、移管のメリットの理解や財政上の不安感などの解消に向け、粘り強い説明や交渉を続けてまいります。
 また、区市町村の上層部の方々への働きかけにつきましても、状況に応じながら引き続き行っていきたい、こういうふうに考えてございます。
〔発言する者あり〕

○花輪委員 何か決意も去年と同じだといわれていますので、ぜひ部長、今までと違う決意を持って一生懸命やっていただければというふうに思います。
 続きまして、都営住宅の管理についてお伺いしたいと思います。
 ことしの六月に地方自治法が変わりまして、今までは公の施設というのは公関係の団体しかできないというような法律があって、都営住宅の管理もずっと住宅供給公社がやってきたわけですが、この法律が変わって、指定管理者制度というのができて、その指定管理者が公の施設の管理ができるというような法改正があったようですが、それについて少しご答弁いただけますか。

○石井参事 これまで公の施設の管理につきましては、地方自治法の規定によりまして、地方公共団体の出資法人等にのみ委託することができるとされていたところでございます。
 このたびの地方自治法の改正によりまして、地方公共団体が議会の議決を経て、民間事業者を含む団体を指定管理者に指定しまして、その者に公の施設の管理を代行させることができる、そのようなこととなったところでございます。

○花輪委員 今まで私は何度か、都営住宅の管理を住宅供給公社が丸受けをしてやっていると。これは民業圧迫にもつながっているだろうから、ぜひ民間にもどんどん仕事を出した方がいいんじゃないか、そんなふうにご提案しますと、大体そのたびに、地方自治法には二百四十四条というのがあって、それが足かせでほかの団体には出すことができない、住宅供給公社一本でこれからもいくというようなご答弁をずっといただいていたわけですが、ついに法律が変わったわけです。
 これからは、民間にも出せるような可能性がある、これは法律改正ということでよろしいんですかね。

○石井参事 今回の地方自治法の改正によりまして創設されました指定管理者制度における指定管理者については、先ほど申し上げましたように、民間事業者を含むところでございます。
 また、都営住宅は公の施設であるということでございますので、可能性として、その管理を民間事業者にも代行させるということは、制度上可能でございます。

○花輪委員 では、可能というような法改正を受けて、住宅局としては、今どのような検討をされていらっしゃるのでしょうか。

○石井参事 今申し上げましたように、民間事業者も含めまして東京都住宅供給公社以外の者に都営住宅の管理業務を代行させることができるということになったわけでございます。
 しかしながら、都営住宅は他の公の施設とは異なりまして、都民の方が居住しているという、そういった特性、すなわち住まいであるという特性を踏まえまして、現在慎重に、かつまた効率性とか居住者サービス等、さまざまな観点から、都営住宅のよりよい管理のあり方について種々検討を進めているところでございます。

○花輪委員 何か、どこかにしかしながらという言葉が入って、都営住宅の特性だとか効率性だとかサービスだとかということを入れて、民間にやるかやらないか、なかなか明確にご答弁をされないようですが、まず住宅供給公社が都営住宅の管理でどんな仕事をしているかということをご答弁いただきたいんですが、住宅供給公社に委託している都営住宅の管理の中で、どういう事業があって、その事業ごとに幾らぐらいのコストをかけているか、そのあたりをちょっとご答弁いただけますか。

○石井参事 コストといいますか、公社の方に都営住宅の管理の委託をしているところでございます。
 平成十五年度予算でおよそ三百五十七億六千万円でございます。内訳でございますが、住宅営繕費三百十六億六千四百万円、募集入居事務が約七億四百万円、入居者管理が約二十二億二千四百万円、その他が約十一億六千八百万円、以上となっているところでございます。

○花輪委員 全部で三百五十億円超えの都営住宅の管理費、これだけでもすごい莫大な金額だと思うんですね。
 それで、今、募集入居事務の中で七億円ぐらいの数字が出てきたようですが、一年間に都営住宅を募集して入居させる事務というんですか、新しく入居してもらう、入れかえがあるというんですか、その数というのはどのぐらいあるんですかね。

○石井参事 平成十五年度、今年度の公募計画では、六千八百余戸という計画を持ってございます。

○花輪委員 一年に六千八百戸、七億円かけているわけですよね。一件当たり十万円です。入居募集事務の経費が一戸当たり十万円。私は、これは決して安い数字ではないと思うんですよね。いかがでしょうか。

○石井参事 今高いかどうかというお話でございましたが、これは恐らく民間の不動産管理会社の業務と比較して、高いというような印象を受けられるかもしれません。
 しかしながら、都営住宅、住宅公社に委託している募集入居事務の中には、入居者だけを対象にしたものではなく、例えば募集パンフレットの作成、そしてそれを配布するということ、あるいは募集の申し込みの受け付け、あるいはそれの電話照会への対応と、あるいは抽せん会の実施ということで、都営住宅の応募者に対する業務も含まれているところでございます。
 また、都営住宅の募集業務につきましては、公営住宅法等に基づくかなりの縛りがございます。同居親族とか、あるいは所得の認定と、それに基づく家賃決定、あるいは住宅に困窮しているかどうかという実態把握といったような入居資格の審査を厳正かつ慎重に行う必要があるということで、民間の賃貸住宅管理とは同様ではないところでございます。

○花輪委員 今いろいろと、これだけかかる理由をおっしゃったんでしょう。募集パンフレットも相当な量を印刷するんだろうし、入居者が本当に収入が少ない人かどうか審査するのも大変なんでしょう。
 しかし、普通の不動産屋さんというのは、まず貸し主を見つけてきて、そして借り主に引き継ぐ仕事があるわけです。この公社のやっている仕事というのは、基本的に貸し主を見つけてくる必要が全くないわけですよね。
 さらに、普通の不動産屋さんというのは、家を借りるときには重要事項の説明もしますし、これ、皆さんまとめてやっちゃったりしますよね。それに、さらに収入をチェックするために源泉徴収票を出せだとか、大家との間の打ち合わせだとか、これもそれなりに大変な仕事がかかっているわけです。
 ですから、私はこの一戸当たり入居事務に十万円かかっている、逆にいえば、これが高いとか安いというよりも、この金額をかけるんであれば、私は民間だって十分やるような仕事だというふうに、喜んでやってくれるような仕事だというふうに思っています。
 先ほど、都営住宅の特性とか、何が一番効率的かとかといういろいろな答弁がありましたけれども、効率性とかサービスを考えても、公の団体がやるよりも、やはり民間がある程度切磋琢磨の意識の中でやっていただく方が、サービスもよくなるだろうし、また効率性も高まってくる、そんなふうにも考えますので、今の数字一つとってみてもそういうことが可能です。
 これ、全部やっていったら切りがないですけれども、ですから、ぜひ民間にやってもらえるような、そういう積極的な努力をしていただきたい、そんなふうに考えております。
 さらに、これが民間にやってもらえるような法律改正が出たわけですね。民間に投げるとなると、じゃあ住宅供給公社は、あと何の仕事があるのかなという話になってくるんではないか、そんなふうにも考えます。
 もともと住宅供給公社がやってきた仕事というのは、住宅を建てて、それを売り、また貸して、いわゆる中堅所得者向けに、人口が急増して民間が追いつかなかったときにそういう仕事をして、一定の役割を得てきました。それで、いつの間にか、いつのときからか、都営住宅の管理もしてくるようになりました。
 その三つの柱のうち、都営住宅の管理がなくなり、そして住宅を新しく建てて、それを分譲するという仕事もなくなってきているわけです。
 そろそろ、何度も何度も、何度も何度もいっておりますが、住宅供給公社のあり方について、いま一度方向性を、廃止とか民営化とか、そういうことも含めて検討されていくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○加藤連絡調整担当部長 先生おっしゃいますとおり、民間の住宅市場が成熟してきている中で、公社は今後は賃貸住宅のストックの維持更新を中心に事業を推進することとしておりまして、昨年には新たな経営計画を策定し、また本年五月には、その具体的な行動計画としてアクションプランを策定し、都の財政支援に依存しない、自主自立的な経営の確立に向け、経営改革を進めているところでございます。
 先ほど来のお話のように、地方自治法の改正により、都営住宅につきましても、民間事業者を含む団体を指定管理者に指定し、その者に公の施設の管理を代行させることができることになりましたが、既存ストックの活用による中堅所得層向けの賃貸住宅の供給や地域のまちづくりへの貢献など、住宅政策の面で引き続き公社の担うべき役割があるというふうに考えてございます。
 こうした点から、都といたしましては、公社が自主自立的な経営を目指し、改革を推進し、事業の一層の効率化とサービスの向上を図っていくことが何より重要と考えておりまして、今後も適切に指導してまいりたいと考えているところでございます。

○花輪委員 今また、相変わらずの答弁だったわけですけれども、去年もいいましたけれども、今、全国に五十七の住宅供給公社があります。これも去年の情報ですが、そのうち二十一の団体は、存廃を含めた意味で今後の公社のあり方を見直していこう、考えよう、そういうことをやっているというような話も聞いております。
 最近ではまた、福島の住宅供給公社が廃止を含めた検討をしていくというような話がありました。
 きょうも、賃貸の方に住まわれている方が傍聴に来ているようですけれども、私はその賃貸の人たちにいたずらに不安を与えるつもりはありません。
 しかしながら、やはり公と民間の役割分担という中で、私は役所がやることというのは、民間でやれない仕事、役所でしかできない仕事をやっていくのが役所の役割ではないかな、そういうふうに考えています。
 住宅供給公社は、また都営住宅も含めてでしょうけれども、住宅の供給が少なくて、一つのアパートに二世帯、二家族が住んでいるとか三家族が住んでいるというような時代に、どうしてもその住宅難を解消するために、国家的な政策とか、また東京都の政策として住宅をふやすご努力をしてきた。そこには、私は大きな大きな意味合いはあったというふうに考えています。
 しかし今、民間の事業者、不動産を供給する人、これは、例えば地主さんなんかも含めて、そういう力がどんどんついてきているわけです。にもかかわらず、住宅供給公社がどすんと、税金も払わない。そして払わないどころか、税金をある程度、いろいろな補助金で入れてきて、最近はそれはなくなったというふうにおっしゃるのかもしれませんが、そういう形で、今でもどっしりと、いわゆる民間が頑張ろうとしている市場の中にまだまだ居座っている。
 これはやっぱり問題ではないのかな。公と民間との役割分担の見直しの中で、いま一度、住宅供給公社が本当に何をするべきか、一体、住宅政策の中で、供給公社はこれからどういう役割を果たしていったらいいのか、そのあたりをしっかりとやっていただくべきときではないか、そんなふうに考えておりますが、いかがでしょうか。

○加藤連絡調整担当部長 他府県の動向についても、今お話がございましたが、他府県で廃止を決定、これは聞くところでは福島県のみでございますけれども、その他検討しているところ、これらにつきましては、いずれも分譲事業主体で経営が行き詰まっているところでございまして、賃貸事業を主体とし、良好な経営状態にある都の公社とは、その置かれた状況に大きな差があるものと考えております。
 先ほどと繰り返しになりますけれども、市場が成熟する中で、公社は既に事業を、賃貸住宅の既存ストックの維持更新を中心に事業を推進するということで絞り込んでございます。
 都といたしましては、これまでも民間でできることは民間でということを原則としつつ、効率的経営のもとに、都民へのサービス向上が期待できる場合は監理団体を活用することとしておりまして、都営住宅の管理につきましても、だれがどういう形で業務を担っていくことが都民にとって最大のメリットになるのか、現在慎重に検討を進めているところでございます。
 都といたしましては、公社の自主自立的な経営を目指した改革を推進し、事業の一層の効率化とサービスの向上を図っていくことが、都民の立場から何よりも重要と考えてございまして、今後も適切に指導してまいりたいと考えているところでございます。

○花輪委員 これ以上いっても、またやりとりは繰り返しになるでしょうから、このあたりでやめますけれども、ほかの団体は、経営が行き詰まった上での廃止だ、民営化だ、改革だというふうな話ですが、今まさに東京都の住宅供給公社は経営が行き詰まっていないからこそ、いい改革ができるんではないか、そんなふうにも思いますので、ぜひこの改革というものをしっかりやっていただきたい、民間をしっかり活用するという視点でやっていただきたい、そんなふうに考えています。
 あと、ちょっと教えていただきたいんですが、今の理事長の前の理事長、何か一年ぐらいでおやめになったという話ですが、何か間違いでもあったんですか。

○加藤連絡調整担当部長 公社の前理事長である佐々木理事長につきましては、本年六月十六日付で退任してございます。
 この退任につきましては、前理事長から、一身上の都合であり、退任したいという申し出があったものでございまして、後任としましては、都として適任者を探し、現在、青山氏を理事長にお願いしたところでございます。

○花輪委員 去年、私が質問したときは、二年間、理事長のポストが空白で、副理事長が兼任してきたと。その理由は、いってみれば、要はちょうどいい天下りさんがいなかったから、理事長ポストをあけておいて、ちゃんと経営責任を担っている副知事が理事長のいすに座れなかったわけですよ。
 そんなの理不尽じゃないか、不条理じゃないかというふうにご指摘させていただきました。
 それで、今度理事長が来たと思ったら、その理事長は一年間でやめさせられちゃう。なぜかというと、ほかの天下りさんが来るから、玉突きで追い出されたわけじゃないですか。
 こんなことで、何が自主自立の経営ですか。住民サービスですか。冗談じゃないと私は思いますよ。
 さっき答弁で、都民の目から見ても、税の使い方から見ても適切でありということをいっていましたけれども、都民の目から見て、会社の社長が東京都の天下りさんのポスト探しのために、玉突きみたいな形で動かされてしまうんじゃ、余りにもこれ理解に苦しむし、問題だと思うんですけれども、局長、いかがですか。

○高橋住宅局長 昨年の決算特別委員会の総括の質疑の中でのやりとりについては、承知しているつもりでございます。
 ただいま担当部長の方からご説明させていただきましたけれども、ことしの六月に理事長がかわっております。
 ただ、昨年の決算特別委員会の経過を含めてお話をさせていただきますと、現職の副知事の充て職をやめるという趣旨でございまして、また公社は、非常勤の理事長と常勤の副理事長がおりまして、現在、常勤は副理事長一名でございます。
 いずれにしましても、公社の役員人事につきましては、その時々におきます可能な限りの最善の配置がなされているものと、このように考えております。

○花輪委員 去年の決算委員会で総務局長が答弁しているんですよね。副知事の充て職を経営責任の明確を図るために廃止したと。理事長、副理事長については、合わせて一名にしましたと。
 両方とも、これ、ほごにされちゃっているんです。副知事が、青山さんが天下りするために。あの人はお給料はもらっていないとはいえ、やはり会社の最高責任者がしょっちゅう、そう首をすげかえられるということは、決していいことだと私は思いません。何か責任をとってやめるんだったら、また別ですよ。そうじゃないわけです。
 ぜひ、こういうことというのは、まさに住宅供給公社で一生懸命働いて努力されている方々にとっても、やる気をなくさせるような人事だと思いますので、そのあたり、これはどこの責任なのか、総務局の責任なのか、局の責任なのか、わかりませんけれども、もう一度しっかりと認識していただきたいと思います。
 以上で終わります。

○木内委員 先日、ある商工団体の役員の方と懇談しましたときに、去年、全国で自殺者が三万人を超えている。このうち六千人から七千人程度は、中小企業、零細事業者、こうした方々の事業破綻による自殺ではないか、こういう話がありました。
 大企業が倒産して、社長がこれを苦に自殺したという例はほとんど我が国ではありませんけれども、零細事業者、中小企業におけるこうしたケースというのは、今なお後を絶たないわけであります。
 我が国のこの経済分野における事業の破綻に対する厳しさというものは、欧米の先進国に比べて、実は大変な差異があるわけであります。申し上げるまでもなく、我が国で起業、創業を行う、あるいは融資を受ける際に、金融機関に対して個人保証を行うわけであります。その個人保証によって、経営者個人に無限責任が強いられます。
 したがって、事業破綻いたしますと、生活費はもとより、家屋敷あるいは土地、工場、こういったものが実は全部奪われる結果になるのであります。したがって、こうした事態を恐れて、起業、創業する人がしり込みしてしまうという傾向があります。そのために、開業率が常に廃業率を下回るという事態が続いております。
 こうした点をとらえて、私はこれまで予算特別委員会を初めとして、さまざまな機会をとらえては、経済の活性化に向けて、また景気の回復に向けて、敗者復活システム、一たん事業破綻しても再チャレンジできる、そうした考え方を社会システムに反映すべきだ、このことを訴えてまいりました。
 一九九〇年代初頭、アメリカが経済のどん底に陥ったときに、あの米国では、一たん失敗しても立ち上がる意欲と情熱さえあれば、社会がこれを支え、育てていくという、こういう機運が盛り上がりまして、法整備が行われました。この結果、さまざまなベンチャー企業等が出現いたしました。それが今日のアメリカ経済の発展の大きな一翼を担ってきているという事実があるのであります。
 アメリカでは、一たん事業に破綻して再起した人の割合は四七%といわれております。二人に一人が、日本語でいえば七転び八起き、一たん破綻しても再起できる、こういうことをこの数字が物語っている。
 我が国では、一たん事業破綻した人のわずか一三%しか再起しない。十人中九人近い人は、そのまま実は倒れてしまうわけであります。水に落ちた犬をたたけということわざがありますけれども、事業破綻した人に対する日本社会の冷たさというのは、欧米の先進諸国に類を見ないものであります。
 この、やる気さえあれば何度でも挑戦できる社会システムをつくるための施策は、幾つも考えられます。例えば、融資を受ける際の個人保証のあり方を見直して、保証人徴求というものをやめて、そして財務制限条項を個人と結んで融資を行うなどの方策というものも一つあります。
 あるいは、一カ月、今二十一万円に抑えられている最低生活費の枠、これを拡大する方法も法律改正によって可能であります。
 実は、幾つかの提案をしてきたところでありますけれども、この住宅局に関連する敗者復活のシステムを申し上げれば、例えば一たん事業が破綻して、自宅や住む環境を失った人たちが、こうした都営住宅に入居して、一定の期間、再起のための力を蓄える、そういう制度なり施策の推進があってもいいのではないか、これをさきの予算特別委員会で私は提案いたしました。
 当時の浪越産業労働局長、橋本住宅局長等からもさまざまな答弁がありましたが、最終的には石原知事とのさしの議論の中で、それは大変にいい提案だ、ぜひ実現したいという趣旨の答弁がありました。
 しかし、だれでもかれでもというわけにいかないから、一定のルールをつくって、事業破綻した人が都営住宅に一たん入居して、そこから再起する、そういうものをつくろうという、こうした実は議論の果実が紡ぎ出されたわけであります。
 また、住宅局長からは、今後、関係機関と調整しながら、十五年度の具体的実施に向けて取り組んでまいりたいという具体的な答弁もあったところであります。
 今、まさに申し上げております都営住宅の敗者復活システムの中の位置づけというもの、事業破綻者の入居枠を設けるということ、これは先進的な施策で、常に国策をリードしてきた東京都の、また大きな成果、関係者にとっての朗報となるものと、こういうふうに私は思っているわけであります。
 そこで、住宅局長の、関係機関と調整しつつ十五年度の具体的実施という、得た答弁に基づいてお聞きするわけでありますけれども、まず私が申し上げております、すぐれて社会政策的な意味合いを持つ事業破綻者の都営住宅入居の具体的な提案について、率直な認識を伺いたいと思います。

○石井参事 昨年発表されました社団法人中小企業研究所の事業再挑戦に関する実態調査によりますと、倒産一年前に自宅を保有していた事業者のうち、負債整理のために約四分の三の方が自宅を売却しているということでございます。
 住宅は、生活の基盤でございます。多くの事業者がそれを失っておりまして、事業再建を居住の面で支援するということは大切なことと考えているところでございます。

○木内委員 答弁は、まさに申し上げている私の主張に沿ったものであると、こう受けとめておるわけであります。
 そこで、十五年度の具体的実施に向けての具体的な内容について明らかにしていただきたいんですけれども、現在、十五年度実施に向けて準備をしておられる制度の概要についてご報告願います。

○石井参事 現在考えてございます制度の枠組みでございますが、都では既に全国に先駆けまして、都営住宅の期限つき入居制度を導入しているところでございますが、この枠組みの一つとして、事業が破綻し、事業再建を目指す方に対し、都営住宅の期限つき入居制度を適用する方向で検討しているところでございます。

○木内委員 答弁されたように、東京都の都営住宅条例、この改正によりまして、三分野の期限つき入居というものが可能になった。
 一つは、若年ファミリーの利便性の高い地域における都営住宅への期限つき入居、あるいは、マンション建てかえ等に係る必要な方々への提供としての期限つき入居、第三項目めの分野として、これが位置づけられる、こういうふうに受けとめているわけであります。
 さてそこで、入居資格、応募資格としての一定の概念の提示が必要だと思います。事業破綻したから、だれでもかれでもというわけにはいかないと。やはり、より必要で適切な社会政策的見地から、都民合意を得られる、そうした状況の方ということになろうかと思いますけれども、どういう方が対象となるように今準備されていますか。

○石井参事 現在、制度全般にわたりまして、倒産や債務整理の専門の複数の弁護士さんなどに相談し、検討を進めているところでございます。
 その検討の中で、都営住宅に入居してから一定期間経過後に退去するという期限つき入居制度の趣旨からしまして、事業破綻の後、計画的な再建を目指す方を対象とするべきである、そのように考えているところでございます。

○木内委員 確かに私の提案の趣旨からいけば、そういうことになろうかと思います。事業破綻した、住む環境を失った、あるいは生活に困窮をきわめている。だから、そのまま何とか安い家賃の都営住宅にということでは、再チャレンジシステムの基本的な考え方にかなうものではない、こう思うわけでありまして、あくまでも事業破綻をしたということ、もう一つは、計画的に再建を目指すという意欲が認められる方ということになろうかと思うわけでありまして、例えば民事再生法における事業再建のあり方、さまざまな物差しの当て方があろうかと思いますが、より効果的で実効効果のある、そうした基準というものを設定されるように、強くここで要請しておきたいと思います。
 それから、この事業破綻者の都営住宅入居のシステムにおける期限を、どの程度の期間考えておられるか明らかにされたいと思います。

○石井参事 現在検討してございます制度が一時的な住宅困窮者への支援であること、また事業再建に要する期間等を考慮しまして、例えば五年程度を考えているところでございます。

○木内委員 十五年度じゅうの実施ということで答弁を得ておりますし、これまでその実施に向けてご努力を重ねてきておられると思いますけれども、いつこの具体的な募集をするのか。
 といいますのは、私のもとにも全国から中小企業団体を初め、関係者から問い合わせが来ております。東京都がいつ実施するのか、これまで全国で類例のない施策でありますので、非常に関心が集まっているところでございまして、この時期も明らかにされたいと思います。

○石井参事 時期でございますが、平成十六年二月の定期募集のときに募集できるよう、現在、準備検討を進めているところでございます。

○木内委員 来年の二月ですね、十五年度ぎりぎりの時期で、定期募集の際に事業破綻者の募集が初めて東京都の手によって全国に先駆けて行われると、こういうことであります。
 それから、募集戸数についてでありますけれども、新制度にということでありますので、具体的にどのような規模の戸数を用意するか。私もいろいろ腹案はありますし、これまで申し上げてきたところでありますが、需要、それから応募者の実態等、さまざまな要素を今後勘案しなければいけないと思いますけれども、募集戸数について私からあえて数字は申し上げませんけれども、どのように考えておられますか。

○石井参事 募集戸数につきましては、空き家の状況等を勘案いたしまして、今後検討を進めてまいりたい、そのように考えてございます。

○木内委員 募集戸数は、恐らく初めての試みでありますから、にわかに五十戸、百戸ということにはならないだろう。むしろ二けたの単位で、社会状況等をよく勘案しながらの設定になると思いますけれども、できるだけ実態に合った、そしてまたより多くの、こうした方々への門戸が開かれるよう努力していただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、来年の二月実施に向け、現在、準備検討を進めているということでありますので、準備検討でありますので、もうこれは二月にやるということでありますから、精力的にこれを推進されるよう、重ねて強く要請したいと思います。
 事業破綻者の都営住宅入居については、以上にさせていただきます。
 それから、次のテーマは、賃貸借にかかわる紛争の未然防止という問題についてであります。
 この八月、住政審がその答申の中でさまざまな問題提起をしているわけでありますけれども、この中のいわゆる敷金の問題についてお尋ねします。
 この答申では、安心して貸し借りのできる賃貸住宅市場の確立のために、賃貸借に関する紛争の未然防止のための措置の必要性が盛られているわけであります。
 この賃貸住宅の契約に関しては、さまざまな相談や苦情が東京都住宅局にも寄せられているわけでありますけれども、相談の中で最も多いのは何ですか。

○安藤民間住宅部長 私ども住宅局指導課の窓口における賃貸住宅に関する苦情や相談で最も多いのは、敷金清算に関するものでございます。

○木内委員 それは、これまでも長い間、こうした問題があったんでしょうけれども、ここ数年、にわかに顕在化してきた問題ではないかという、そんな印象も強く持つわけであります。
 貸す方、あるいは借りる側に十分な認識と理解がないためにトラブルが絶えない、こういう現実が非常に今、社会問題化しているわけであります。
 今の答弁で、敷金清算に関する苦情が多いということはわかったわけでありますけれども、この苦情の具体的な内容について簡単にご報告願います。

○安藤民間住宅部長 退去時の原状回復費用に充てるとして、敷金が全額戻らないケースがあったり、本来借り主が支払う必要のない費用まで敷金から差し引かれているのではないかというものでございます。

○木内委員 今いわれるように、敷金が本来の概念から外れて不当に要求されたり、あるいは取られたり、さらに借り主が支払う必要のない費用までもが、もっともらしく主張が行われる、そういう状況のもとで、いわば差し引かれてしまった、こういうことの訴えが非常に多いわけであります。
 そこで、具体論に入る前に、この敷金というものの法律的性格について、ここはオーソライズされた議論の場でありますから、明確にお答え願えませんか。

○安藤民間住宅部長 敷金の法的性格でございますが、敷金とは、家屋等の賃貸借に際し、賃貸人が賃貸借契約終了時に賃借人の滞納、その他、債務不履行がなければ返還するという一種の停止条件つき債務を負担して、賃借人から受け取る金銭であるといわれております。

○木内委員 いいかえると、敷金は借り主が退去する際に返還されるものでありますけれども、借り主側には支払うべき家賃が残っていたり、あるいは賃借物について原状回復すべきものがあったとき、貸し主はそれの支払いに充てることができるという、砕いていうと、今のはそういうことではなかったかと思うんです。
 それでは、原状回復の費用の負担区分、これは一般的にはどうなっていますか。

○安藤民間住宅部長 一般的には、借り主の故意、過失、善良な管理者としての注意義務違反、その他、通常の使用を超えるような使用による損耗等の復旧費用は、借り主が負担し、それ以外は貸し主が負担することになります。

○木内委員 今の答弁にあった善良な管理者としての注意義務、善管注意義務、これがなかなか関係者の中で理解が十分でないという点が指摘できると思います。
 この善良な管理者としての注意義務、これはどう受けとめればいいでしょうか。

○安藤民間住宅部長 民事上の過失責任の前提となる注意義務の程度を示す概念でございまして、その人の職業や社会的地位から考えまして、普通に要求される程度の注意義務のことをいいます。

○木内委員 それでも、なかなか現場のいろいろなケースに、今の説明では到底対応できない、実は非常にファジーな部分ではないかと思うんですね。しかし、何とかしなければならないわけでありますけれども、例えば、先ほどの説明でもありましたけれども、通常の使用を超えるような使用という文言がありましたけれども、それでは一つの例として尋ねるわけでありますけれども、畳が日に当たって変色してしまった、あるいはたんすを長い間置いておいたために、たんすをどかした跡がへこんでしまった、こういう復旧費用はだれが負担すべきなのか。
 よくあるのは、壁の黄ばみですとか、それから畳の変色、申し上げたようなへこみ、これまで全部取られちゃった。こんなこと許せますかという苦情相談も多いわけですよ。こういう場合、例えばどうでしょうか。

○安藤民間住宅部長 畳が日に当たって変色したりする、そういう場合は、通常の使用に当たり、貸し主側で負担すべきものと考えております。

○木内委員 今のは一例でして、こうした事例は残念ながら、実際には多くの場合、貸し主側で費用を請求されている、こういう事件例が報告されているわけであります。
 原状回復についての東京都の先ほどの説明があるにもかかわらず、現実には敷金清算をめぐって、こうした苦情が絶えないのが実態であります。
 さてそこで、実態がある、行政が何かをしなければならない、このために。善良な使用者がこのために損失をこうむるということは、行政責任できちっとした対策を講じなければならない、こう思うわけでありまして、この実態に対して東京都住宅局は何をしますか。

○安藤民間住宅部長 東京都住宅政策審議会答申では、退去時の原状回復についての負担区分を明確化し、これを契約時にあらかじめ定めておくべきと提言しています。
 都としましても、このような視点から負担区分の明確化について検討を進めてまいります。

○木内委員 今、明快な答弁が出ましたので、負担区分の明確化、これはぜひとも必要であります。畳のへこみ、黄ばみ、こういう場合、恐らく何十例、何百例と出てくると思うんですよ。
 この負担区分を明確にすれば、極めて直截的、また単純、率直に敷金の扱いの問題を解決する一助とすることができる、こういうふうに思いますので、何度もいうように、負担区分の明確化を早急に進められるよう要望しておくものであります。
 その際に私が提案したいのは、それと同時に、不動産業者の協力環境をつくっていくことが大事だということであります。賃貸住宅の契約において、貸し主と借り主との双方を仲介するのが不動産業者であります。そういう意味では、こうした業界の意見というものも、公平な立場で行政はしっかりと吸収していくべき、そういう努力もすべきだと思いますが、どうでしょうか。

○安藤民間住宅部長 ご指摘のように、不動産業者の協力は重要と考えております。そのために、関係団体とも十分な意見交換を行ってまいります。

○木内委員 非常に短時間の答弁ですけれども、重要な方針が明らかにされているわけであります。
 この不動産業者の協力の重要性は、今申し上げたとおりでありますけれども、敷金清算や管理の問題というのは、いわば私人間の契約に基づくという、そういう側面も実はあるわけでありまして、その意味では、幅広く都民に対する普及啓発を行っていくことが同時に重要である、こういうふうに思いますし、これも具体的に推進をすべきと思いますが、どうでしょうか。

○安藤民間住宅部長 これまでも相談窓口におきましてパンフレット等を配布するなどして、原状回復の考え方についての普及啓発を行ってまいりました。
 今後は、区市町村や不動産業界との連携をさらに強化し、広く都民に対する普及啓発に積極的に取り組んでまいります。

○木内委員 今の私が問題提起したことについては、それぞれ重要な答弁がありましたので、それを多としたいわけでありますけれども、最後に、この問題は都の住宅行政の中で、これまで比較的取り組みの弱いというか、空洞化した分野ではなかったかという私の実感から、ぜひ局長にもお答え願いたい、こう思うわけであります。
 都民が安心して貸し借りできる民間賃貸住宅市場の構築を図っていくためには、これまで以上に実効効果のある施策を策定し、推進する必要があると思うのであります。
 きょうの議論を踏まえて、局長から最後に答弁願えればと思います。

○高橋住宅局長 賃貸住宅市場の透明性を高めるためのご質疑をいろいろいただきました。
 お話の原状回復と敷金の問題につきましては、近年、退去時の敷金清算に関する苦情と賃貸借にかかわります紛争の増加から、紛争防止のためのルールづくりが重要な課題となってございます。
 このため、原状回復、敷金清算につきまして、都民にわかりやすく、実効性のある施策を策定することは大変重要なことと認識しております。
 現在、住宅政策審議会の答申を受けまして、退去時に原状に回復する際の貸し主、借り主の負担区分を初めとしまして、賃貸借の契約や管理に関しまして、あらかじめ取り決めておくべき事項をわかりやすく明確に示せるよう、市場の透明性を確保するための方策を検討しております。
 今後、実効性ある具体策を早期にまとめまして、都民が安心して貸し借りできる賃貸住宅市場の確立に向けまして、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

○河野委員 私は、四階建て、五階建ての中層都営住宅のエレベーター設置と、公社住宅の建てかえ問題について伺います。
 まず、中層都営住宅のエレベーター設置について質問いたします。
 居住者の高齢化が進む中で、エレベーター設置の要望は切実であります。東京都は、この居住者の要望にこたえる必要があると考えますが、中層都営住宅へのエレベーター設置はどのように取り組まれているのでしょうか。予算額や設置数などについて、取り組みの状況をお示しください。

○渡部営繕担当部長 既存の中層都営住宅についてのエレベーター設置に関します本年度の予算の内容でございますけれども、廊下型住棟で五十基、階段室型住棟に十五基でございまして、予算の総額は約二十一億円でございます。

○河野委員 先ほどご説明いただきました資料によりますと、東京都の設置基準によってエレベーターを設置すべきとされている中層都営住宅は、廊下型で八百八十五棟、階段型で千三百三十棟が残っているとなっています。
 そのうちで自治会からの設置要望があるのは、廊下型で二百六十棟ということなんですけれども、この要望が出されている都営住宅については、どう対応されるのでしょうか。
 私は、計画年次を定めて目標を持って取り組んでいく必要があると考えておりますが、いかがでしょうか。

○渡部営繕担当部長 中層都営住宅のエレベーター設置に当たりましては、自治会からの要望を受けまして、日影規制、その他の法的な規制、あるいは技術的な側面からの設置の可能性について検討を行ってございます。
 その上で、要望された時期を考慮いたしまして、予算の範囲の中で対象住棟を定め、当該居住者の意向を確認しながら、今後とも着実に設置してまいります。

○河野委員 予算の範囲内で努力されていくということが基本のようですけれども、都営住宅の居住者の高齢化が進んでいるのははっきりしていることであって、私は設置してほしいという要望は、今後ともふえていくことが当然予想される問題だと思います。
 私が住んでいます江戸川区内の状況で申し上げますと、同じ団地の中で複数の棟があった場合に、予算の範囲内ということですから、まず一基が今年度ついたとしますね。その次に、次の棟はどうなるかというと、なかなか居住者の方に示されなくて、そうした場合には、居住者の方は、果たしてどのぐらい待ったら自分のところへ回ってくるのかという思いを抱いて、本当に一日千秋の思いで日々を過ごしているわけです。
 同じ団地の中で複数棟で設置が必要なところへの対応は、ぜひ同時的に進めることが必要ではないかというふうに考えるんですが、この問題についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

○渡部営繕担当部長 対象住棟が複数ある団地についてでございますけれども、エレベーター設置を継続的に実施していくように努めているところでございます。
 しかしながら、設置基数が限られていることから、地域的なバランス、あるいは要望時期等にも配慮しまして、各年度の実施棟数を定めているところでございます。

○河野委員 私の知り合いの方、たくさんエレベーターのついていないところに住んでいる方がいらして、いろいろな要望を日々伺います。
 その中の一人の方なんですが、八十歳近い方でエレベーターのない棟の五階、最上階に住んでいます。高齢ですから、三年ほど前に心臓を患いまして、今、外出するたびに一遍には上がっていけないので、生活していく上で買い物なんかに行った場合には、もう何回も階段の途中で休んで部屋に戻るという往復を繰り返しているということです。
 それで、その方は悩んだ末に、その心臓を患ったちょうど三年ほど前に、体に負担の少ない低層の一階のところに住みかえたいという住宅変更の要望を出したわけですが、なかなかそれもかなわずに、今でもずっと五階に居住されたままです。
 住宅変更も、伺いますと、希望者が何人も待っている状態だから、この人の場合はその前に三人待機者がいるので、もうちょっと待っていてくださいということで、既に三年が過ぎて、本当になかなか順番が回ってこないということを行くたびにお話を伺っております。
 住宅変更の申請を出した場合には、一体どのぐらいの期間で希望するところ、下の階に移り住みたいと思ったら、それが可能になるのか。東京都の方でデータをお持ちであったら、その期間についてお示しいただきたいと思います。

○青木住宅経営部長 平成十四年度におけます階段昇降困難を理由とする者を含めた、全住宅変更申請者の申請から入居あっせんまでの期間は、平均約一年一カ月となってございます。

○河野委員 一年一カ月ということなんですが、場所にもよるんでしょうけれども、私が申し上げた方はもう既に三年経過しているということで、平均ですし、いろいろな理由で、下にいるけれども、上に移りたいという人も含めての数字でしょうから、体が悪くて一階におりたいと思われた場合には、なかなか一年一カ月という数字というのは一概に当てはまらないのではないかと考えています。
 私は、資料をいただいて思ったんですが、住宅変更の申請件数が千三百五十七、それから許可件数が四百五十二、三倍なんですが、今この資料だけでも、申請して住宅変更を待っている方が九百を超えていらっしゃると。
 こういう状況の中で、住宅変更の希望をされた方について、できるだけ早い対応をしていく必要があるのではないかと考えるんですけれども、この問題で、期間を早めるということについてはどのような工夫、検討をされておられるかお伺いしておきます。

○青木住宅経営部長 今お話の階段昇降困難を理由に住宅変更を申請している世帯にとりまして、変更先の希望の地域を広くとりますと、転居可能な空き家は総体的に多くなると思います。
 今までの移転希望先の大部分は、同じ団地の一階、もしくは近隣のエレベーターのある団地などを希望される方が多いというのが現状でございます。また、空き家公募で入居する高齢者や身体に障害のある方につきましても、同様の住宅が必要となっているところでございます。
 こうした理由から、住宅変更申請者に対しまして、希望の空き家を提供する機会が少なく、住宅あっせんするまでの時間を要しているところでございます。

○河野委員 ご苦労されているのは答弁でわかったんですが、具体的にどういう対策がとられていくのかという点では、いま一つ私たちにとっては理解のできないご答弁だったと思います。
 私、この機会に改めて、この住宅変更についても、本当に皆さん必死の思いで生活しておられますので、そこをしっかりと受けとめていただいて、対応を工夫していただくようにお願いしておきたいと思います。
 このエレベーター設置の問題は、これまでもいろいろな形で要望してまいりましたので、私は要望にとどめますが、本当に高齢化が進んで、階段の昇降すら困難になっている居住者がふえているのに、エレベーターがなかなかつかない。そしてまた、住宅変更も今のような状況で難しいというのが、都営住宅に住んでおられる心身が弱ってきた方の状態だと思うんです。
 要望が出されているところは早期に対応していただきたいし、また昨年度は、国の補正予算に基づいて、都は二十基分の補正予算を組んで当初計画に上乗せの努力もされております。
 今後とも、国に対する要望も強めていただいて、東京都も補正予算を組む努力をしていただきたいですし、本当に特にバリアフリーの問題については、東京都政は早くから位置づけて取り組みを進めているわけですから、都営住宅のエレベーター設置についても、家主である東京都が早急な対応を求められていると強く感じますので、予算の枠の中で頑張っていくというご答弁ではありますが、それにとどまらない積極的な対応を求めておきたいと思います。
 次に、住宅供給公社の住宅の建てかえについて質問いたします。
 東京都住宅供給公社は、ことし五月、公社一般賃貸住宅の再整備計画とアクションプランを発表いたしました。計画は、公社の経営の自立化と団地の再整備を進めるとしております。
 そこで、まずお伺いいたします。再整備計画の計画期間と計画対象はどのようなものでしょうか。

○小林地域住宅部長 公社では、昭和三十九年度以前に建設されました約一万九千戸の住宅を対象としまして、平成十五年度から三十七年度までに約一万七千戸の住宅に再編整備することとしてございます。

○河野委員 約一万九千戸が一万七千ということで、この建てかえ計画によって二千戸減少していくことになりますが、都民が公共住宅への入居について強い要望を持っている現在、計画戸数は従前の戸数を確保することが望ましいと考えるものですが、この点はいかがでしょうか。

○小林地域住宅部長 公社におきましては、民間による住宅の供給状況や、東京都の人口が将来的には減少に転じると見込まれていることなどを勘案いたしまして、本計画が終了する平成三十七年度には約一万七千戸の住宅に再編整備することとしたものでございます。
 なお、建てかえを行うことによりまして、住戸面積の拡大ですとか設備面の向上を図ることとしてございます。

○河野委員 この計画によりますと、一万九千戸のうち二千戸減少するわけですから、約一〇%が減ってしまうと。計画の初めから一割を取り除くことになるのではないかと思います。
 今、住政審の答申を読ませていただいても、東京都内の五百万世帯の中で約四割、二百五万世帯が民間住宅に住んでいて、そういう状況の中で、多くの都民が公共住宅に入る、このことを望んでいることは明らかだと思います。それは資料でも示されておりますが、都営住宅や公社住宅の応募状況を見ても明らかな事実だと思います。
 今後、高齢化と不況などによる収入減に対応すること、公共住宅に入りたいと願う都民の願いをかなえていくことが住宅供給公社の使命になっていることを私は痛感いたします。
 今回の二千戸減少するということは、そういう意味では、都民の求める施策を進めるという点では、いかがかなという疑問がありますし、従前の戸数を確保していくという問題については、今後公社としても再検討されるように、この機会に改めて述べておきたいと思います。
 次に、再編整備計画では、少人数世帯の占める割合が増加しているから、世帯構成に対応した住戸タイプの供給を行うとしており、三十四平米、一DKの小規模タイプを導入していくとなっておりますが、一万七千戸のこの再整備計画に対して、こういう小規模タイプの住宅の割合はどのようになるのでしょうか。

○小林地域住宅部長 一DKの割合でございますけれども、これは実際の建てかえに当たって、地域別の需要動向によりまして個別に設定していくこととしてございます。

○河野委員 そうすると、こういう少人数世帯の割合が増加しているから一DKなどを導入していくというのはうたいますが、計画というか、戸数については、個別の団地の建てかえの際しか、はっきりと今は示せないということになるのかなと感じます。
 ご答弁を伺っていると、二千戸減る分、居住水準はよくなるとか、いろいろおっしゃっておりますが、八月の住政審答申によれば、都内の民間賃貸住宅の平均床面積は三十六・七平米、全国は四十四・五平米、都の民間賃貸住宅は床面積が狭いということが書かれているわけです。これに比べて、三十六・七平米でも狭小だということがいわれている中で、建てかえによって一DKなんかがふえていく場合に、さらに居住水準がよくなるかというと、決してそうはならないんじゃないかと私自身は疑問を持っているわけです。
 そういう意味で、都民のライフスタイルが多様化しているとか、いろいろな、アクションプランとか、出された再整備計画には書かれておりますが、実際にこういう計画が公社や都の方から出されて計画を示されたときに、どのような住宅ができ上がるのか、計画が進んでみなくてはわからないというのでは、住民にとっては安心感を持つことができない、こういう感情を抱かざるを得ないのではないかということを私は指摘しておきたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 平成三十七年までの再整備計画では東京で六十四団地が建てかえとされていますが、そのうちの三割近い十七団地が世田谷区ということになっています。世田谷区は戸数も一番多くて、四千九百戸が対象になっています。
 今回は、世田谷区の建てかえ予定団地の中で太子堂住宅の問題についてお伺いをいたします。
 再整備計画によりますと、太子堂住宅は、昭和二十七年、一九五二年に建設されて、二百四戸の戸数を持っております。居住年数は五十年を超える人がおり、高齢者が最も多い団地ともいわれております。それぞれの方が地域に溶け込み、生活を送っておられます。
 ことしの六月二十三日に公社として建てかえの説明会を開いたということですが、五月に再整備計画が出されたばかりで、その後一カ月余りで説明会に入ったということを考えると、居住者の方から戸惑いの声が上がったのは、私は当然だと思います。
 そこで、お尋ねいたします。居住者の立場で考えれば、いきなり建てかえの説明会を開くのではなく、建設計画のスタート時点から住民参加が保証される、こういう方法が望ましいと考えるのですが、この点について公社はどのようなお考えをお持ちなんでしょうか。

○小林地域住宅部長 公社におきましては、太子堂住宅につきましては、隣接する国立小児病院跡地におきます市街地整備計画に関連することから、建てかえの具体的な内容の決定に先立ちまして、建てかえに対する基本的な考え方を説明する居住者説明会を開催したところでございます。
 太子堂の建てかえにつきましては、地域特性や将来ニーズを踏まえ検討しているところでございまして、公社といたしましては、こうした観点から、先ほどの説明会やその後の居住者の方からの意見についても勘案していきたいとしているところでございます。

○河野委員 居住者の皆さんの意見をお聞きになるということなんですが、太子堂住宅はこれまで自治会がなくて、建てかえ計画が今回明らかになったことで、住民の皆さんの中で相談をされて住民協議会ができております。
 この協議会として、居住者の皆さんの質問や要望、三十九項目にわたって取りまとめられて公社に提出をし、そして、その回答のための説明会開催を求めておられるわけですけれども、この三十九項目の質問、要望について直接声を聞くという大変大切な機会になっていくと思うんですが、説明会の開催について公社はどのようなお考えをお持ちでしょうか。

○小林地域住宅部長 公社は、住民協議会からの要望に対しまして、公社として建てかえについての具体的内容が決定し次第、速やかに回答するとともに、その主な内容につきまして、今後開催する予定の事業の説明会におきまして居住者に説明していくこととしております。

○河野委員 ちょっと確認をさせていただきたいんですが、今後開催する事業の説明会といいますと、それはどの時期に当たるんでしょうか。

○小林地域住宅部長 建てかえ計画ができ上がった段階ということになろうかと思います。

○河野委員 そうすると、住民の皆さんは、六月に説明会を聞き、その直後に住民協議会をつくり、早速三十九項目の質問、要望事項を取りまとめて、ぜひ説明会を開いてほしいということを求められているわけですよね。そういう皆さんの思いがこもった三十九項目の要望について、私は一日も早く説明の場を設ける必要があると思うんですが、今のご説明ですと、何カ月先になるかわからない。時期的なものでいえばどういうふうになっていくんでしょうか。

○小林地域住宅部長 公社とすれば、来月あたりを予定しているということでございます。

○河野委員 ぜひ、そういう点では、早く声を聞いて、そして公社の考え方もお示しになっていくことが、納得と合意に基づくという、まちづくりの最大の基本だといわれておりますが、そういう事業の進め方になっていくと思いますので、ご努力をお願いしておきたいと思います。
 次に、居住者の心配の問題なんですが、居住者が一番心配されていることは、建物が新しくなっても、仮移転先への引っ越しと工事期間中の三年近くの仮住まい、さらに戻り入居での引っ越し、こういうことがあって、高齢の方も多いので本当にしんどい問題だということが出されています。
 公団住宅の建てかえでは、戻り入居で戻ってこられなかった人が多くあるということも聞いており、新しく建てかえられた団地では、従前のような気心が通じたつき合いにならないということも感想として出されている団地があります。建てかえ問題はさまざまな点で居住者にとって不安を与えておりますが、公社がこうした居住者の不安をなくし、生活の安定性を継続確保することで支援をしていくということが重要になっていると思います。
 公社は、住民への概要説明の中で、仮移転あるいは本移転について、幾つかメニューというんでしょうか、選択肢をそろえられて、こういう対応をしますよということで説明はされているようですが、戻り入居も含めて、居住している方が今後の生活に不安を抱くことがないように責任ある対応をすべきと私は考えますが、この点ではいかがでしょうか。

○小林地域住宅部長 先ほど説明会の開催時期を来月あたりと申しましたが、一月に訂正をさせていただきたいと思います。
 それから、建てかえに当たっての不安の解消でございますが、公社といたしますと、太子堂住宅の建てかえに当たりましては、居住者の移転先に関する意向等について可能な限り配慮しながら対応していくこととしております。

○河野委員 生活の安心感を持てる住宅の提供ということでは、ぜひ努力していただきたいと思います。
 答弁に訂正がありまして、私としてはいかがかなと思いますが、一月ということではなくて、ぜひ、もしこれからご検討いただけるようであれば、住民の方は説明会を受けた直後からこの問題を心配されて見守っているわけですから、一日も早く、出された質問や要望について直接の説明をする場を設けていただくように、この場で改めてお願いをしておきます。
 六月に公社が主催した説明会では、建てかえ後の家賃については、高齢者の家賃はどうなるのかという質問が出たときに、近傍同種の考え方を導入していくこと、それから、これから三年ごとの家賃改定があるというようなお答えだったと聞いていて、このことについては、参加された方からため息あるいは動揺の声が出されたと伺っております。
 戻り入居の人には、激変緩和ということで若干の減額措置があるという説明もあって、これについては、少しでも救われたという方もいらしたようですけれども、いずれにしても、家賃の負担が重くなっていくということは明らかだと思うんです。
 また、公社は、建てかえを予定している団地の空き家については、定期借家制度を導入していく方針ということもお持ちのようですが、太子堂住宅についてはどのような方針を持っておられるでしょうか。建てかえ後の家賃負担の問題と定期借家制度についてのお考えをお示しください。

○小林地域住宅部長 建てかえ後の家賃でございますが、近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しないように定めることと公社としてはしてございます。
 それから、定期借家の件でございますが、太子堂について導入するかどうかはまだ決定していないということでございます。

○河野委員 太子堂については決定していないということですが、公社全体としては、建てかえを予定している公社住宅に定期借家制度を導入するという方針も出されているようですが、あいている住宅の有効活用とか、いろいろな名目があっても、定期借家制度については、短期間の入居であるということも含めて、住民同士のコミュニティの形成の問題や、入居された家族関係の良好な形成などの面からも何か問題が出てくるんじゃないかという声も出されておりますので、その辺もぜひご配慮いただきたいと思います。私たちとしては、安易に定期借家制度を導入することは認めがたいという判断を持っております。
 最後に、もう一点お伺いしておきます。
 アクションプランでは、今後、三年ごとの家賃改定をルール化するとしております。改定という言葉ではありますが、ほとんどの場合は値上げになると考えざるを得ません。都は三年ごとの家賃改定をルール化することについてはどういう認識をお持ちなのか、この機会にお伺いをしておきます。

○小林地域住宅部長 先ほど定期借家についてちょっと舌足らずだったので、もう少し説明をさせていただきますと、太子堂住宅の建てかえ後に定期借家を入れるかどうかはまだ決定していないということでございます。
 それから、家賃改定のことでございますが、公社賃貸住宅の家賃につきましては、制度の改正によりまして近傍同種家賃の考え方が導入されたところでございます。都といたしましては、公社賃貸住宅の家賃が、社会情勢の変化に応じ変動する賃貸住宅市場に適切に対応し、近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しないように定めることが重要でございまして、定期的な見直しは必要なものと考えております。

○河野委員 最後に申し上げておきますが、都民生活は、先ほどもお話がありましたように、長期の不況と失業、そして、医療や介護など社会保障の負担増、それから、高齢者の人にとっては年金の受給額の削減などで大変厳しいというのが実態としてあります。政府の調査でも、六七%、三人に二人の方が生活に不安感を抱いているということが明らかになっております。都民生活をかんがみて、三年ごとの家賃改定のルールについては改めて検討が必要だと思いますし、私たちは中止を求めておきます。
 また、太子堂を初めとした公社住宅の建てかえに当たりましては、居住者の意見や要望に基づいた事業になるように改めてお願いをしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 以上です。

○鈴木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十六分休憩

   午後三時八分開議

○鈴木委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

○大西委員 私の方からは、住宅と地球環境というところで一つお聞きしたいと思います。
 民生部門、とりわけそのうちの家庭部門におけるCO2の排出は増加傾向にありまして、住宅政策においても、建設段階、そして利用段階、廃棄段階における省エネ、省資源化を進めることが課題に加わってきております。国においても、LCA、つまりライフサイクルアセスメント、温室効果ガス削減を目的として、住宅の材料から廃棄まで一気にくるめた対策というものが検討されているようです。
 そこで、都の関係する住宅でもそのような視点での対策というのがあるのかどうなのか。特に都営住宅の建てかえなどを含めまして、各段階で、今住宅局でもそれを経験しているわけですから、それに対する国の方針を受けての認識と、それから、今後それを受けての対策等が検討されていくのかどうか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。

○小林地域住宅部長 住宅局におきます環境対策につきましては、現在、葛飾の新宿六丁目で、解体から建設に至る過程でなるべく廃棄物を出さないというようなモデル事業など、さまざまな取り組みを行っているところでございます。
 ご指摘のございました、設計から建設、利用、解体、廃棄まですべての段階を含んだ、ライフサイクルを通して発生する廃棄物ですとか二酸化炭素の総量などをはかるというこのライフサイクルアセスメントが適切に酌み上げられれば、これは環境対策を検討する上で有用なツールの一つになるのではないかというふうに思います。
 住宅局におきましては、現在国が総合技術開発プロジェクトの一つとしてやっていますLCAの開発の動向を見守っていきたいというふうに考えております。

○大西委員 そういう中でも都営住宅は年間三千戸の建てかえを行っておりますが、環境への影響が大きいということがいえると思います。都営住宅の建設における環境対策はどのようにしているのか、今の状況を教えてください。

○小林地域住宅部長 都営住宅の建設におきます環境対策といたしましては、耐久性のあるコンクリートの使用による建物の長寿命化、断熱材の使用による省エネルギー対策の実施、雨水浸透ますの設置や透水性舗装による雨水の浸透、敷地の緑化などに取り組むとともに、太陽光発電による自然エネルギーの活用や、建物解体時に発生するコンクリート塊のリサイクル化等に努めているところでございます。

○大西委員 今取り組まれている中にもCO2削減というものは部分的にも取り入れられているわけですが、六%削減ということも今課題としてあるわけですので、ぜひこういうところも視野に入れていただきたいなと思います。
 私は、都営住宅は、住宅としての機能に加えて、可能な範囲での先見性、先進性を体現することが重要だと思っております。お答えの中の建物の長寿命化や自然エネルギー利用等は、ちょっと先ほど申し上げましたけれども、いわゆるLCA、ライフサイクルアセスメントの観点から、その一部でありますし、系統的に実施することがこれから大事だと思っております。ぜひ、庁内の環境部局とも連携して、この面の施策を充実させていただきたいなということを要望しておきたいと思います。
 次に、先行まちづくりプロジェクトについて、先ほどお聞きになりましたが、ちょっと私もさせていただきます。
 平成十四年度にできたこの制度ですが、既成市街地にあって、時代おくれの都の未利用地が残されていたという感じであったので、先行というより後発型のような気が私はいたしました。
 民間との共同事業を行うという趣旨は賛成なんですが、同時に、周辺の既成コミュニティとの関係、近隣や同市内に住んでいる方たちのまちづくりへの期待を十分に踏まえてのプロジェクトを進めることが重要だと思います。この観点は、地域コミュニティの形成、いきいきとした市街地の形成という形でプロジェクト概要の中にも記述されておりました。
 至るところで建築紛争が起きている現状の中で、都有地がそういうものになったら笑うに笑えないという状況がありますので、ここに期待すると同時に、ちょっといろいろな不安もあるので、確認しておきたいと思っております。
 東村山市のプロジェクトは、同時期に発案されていました品川の目黒分駐所と異なり、特に周辺の民間所有の土地と共同して行う事業ではないわけですが、単なる都有地の売却や賃貸による事業とどこが異なるんでしょうか。
 それともう一つ、この先行まちづくりという命名は、多分知事本部がつけているんだと思うんですけれども、この先行という先行、これは住宅局としてどういう意味にとっていらっしゃるんでしょうか。

○庄司参事 この先行まちづくりプロジェクトでございますが、単なる都有地の売却と異なりまして、地域ごとの課題に対応したまちづくりの誘導目標を設定いたしまして、横断的、総合的な取り組みにより民間プロジェクトを誘導していくこととしております。
 東村山本町団地再編プロジェクトにおきましては、多様な世代が集う活力ある地域コミュニティの形成や、豊かでいきいきとした住宅市街地の形成など、誘導目標を設定いたしまして、これに沿ってまちづくりを先行して推進していきます。
 先行という意味は、このプロジェクトを推進することによりまして、地域の民間のプロジェクトとか、そういうものの先導になりまして、地域の活性化、まちづくりがより一層推進するということで考えているところでございます。

○大西委員 先行の意味は、民間プロジェクトを誘導すると、地域のまちづくり--済みません、ちょっと聞き取れなかったので、もう一度お願いします。

○庄司参事 失礼いたしました。先行ということは、地域のまちづくり、活性化に役立つ意味で先駆的なプロジェクトとして取り組んでいくという意味でございます。

○大西委員 ありがとうございました。
 隣接する民有地の所有者などと共同で行う事業というのは限定性がないのですけれども、まちづくりのために都有地を活用するには、周辺の既存コミュニティとの調和を考慮するのは当然のことと思います。
 計画段階での周辺住民、そして関係市民の参加についてどのように進めていらしたのか。先ほどの質問でもちょっと触れられましたが、私の方からは、市民参加という視点からどのような協議が進められてきたのか、教えてください。

○庄司参事 本プロジェクトの策定に当たりましては、昨年九月、都と東村山市で協議会を設置いたしまして、計八回の協議会を開催してまいりました。市民の意見を含めまして、地域の実情を十分熟知した地元市と連携し、この協議会の中で、まちづくりの全体の方針や土地利用の方向性等につきまして協議を進めてきたところでございます。今後とも、地元の意向も十分勘案しながら事業の推進に努めていく所存でございます。

○大西委員 この協議会はどういう形で行われているんでしょうか。市民の意見が入れるような、そういう市民参加の中で行われているんでしょうか。

○庄司参事 この協議会でございますが、東村山市の行政と東京の行政のメンバーで構成されてございまして、東村山市につきましては、市民アンケートも踏まえた上で都といろいろ協議、議論しているところでございまして、そういう中で市民の意見も十分反映されてくるというふうに考えているところでございます。

○大西委員 議会の中でも特別委員会をつくって、議会の中でやっているわけですよね。アンケート調査を行ったということも聞いております。
 この協議会は、ちょっと確認しますけれども、そこに市民の候補自体はない、都と市の行政マンだけの協議会で進んでいると。そして、東京都としては、市のアンケート調査や市議会の中の議会があるので、もう十分この協議会の中には市民の意見は反映されているというふうにとっていらっしゃるということでいいんでしょうか。

○庄司参事 若干答弁を補足させていただきますが、市議会におきましては、昨年、本町都営北ブロック町づくり調査特別委員会を設置しておりまして、本プロジェクトに関して調査を行っております。また、市では、広報紙を通じまして市民アンケートを行いまして、計画策定について市民の意見を聴取しているところでございます。それを踏まえまして、市との協議会での話し合いを通じましてこうした市民の意見が反映されるものというふうに考えてございます。

○大西委員 アンケート調査はもうすべて回収し終わったわけじゃなくて、今実施中ということですか。

○庄司参事 市議会での調査特別委員会はいろいろな現場視察とか調査を行っているところでございますが、市民アンケートにつきましては昨年実施しておりまして、その意向は市の方でまとめておりまして、それについては終わっているところでございます。

○大西委員 その中でいろいろ出てきているはずだと思うんですけれども、どれくらいのアンケート数とか、市民の関心度というんですか、あそこは一等地で、一等地でありながらもだだっと広くて、周りは普通の家があるというような状況で、市民の関心、期待度がとても高いところだと思うし、多分、そのアンケートの中にも収集できないくらいいろいろな要望も出ているんじゃないかと思うんですけれども、そういうのを協議会の中で受けて、どのように反映をさせていきながら先行まちづくりをやっていくのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。

○庄司参事 このアンケートにつきましては、昨年の七月十五日に募集しておりまして、提案総数で四十七件出てございます。そのうち、市民提案としては二十九件でございますが、個人の方が十六件、団体の方が十三件という中身でございます。
 この中身でございますが、相当いろいろ幅広く提案の話がございまして、例えば、保育園の設置とか、高齢者福祉施設とか、基幹型在宅介護支援センターのこととか、都市計画公園、イベント空間の確保など、また災害時の避難場所、そんな幾つもの提案が出てまいっているところでございます。

○大西委員 その市と都の協議会なんですけれども、よく市民の意見を反映しながらまちづくりをしましょうとか、合意形成をどうしましょうというのが今のまちづくりの中心になってきていて、そして特に、ここの地域はだれも住んでいなくて、みんなが夢を描けるような場所ということがありますよね。
 そういう意味では、一方で市民参加を呼びかけつつも、一応都の大きな方向としては示し続けて、その中でどう調整をとっていくかということが試される地域だと思っているんですが、まちづくりのいろいろなところでの不満は、情報がなかなか市民にちゃんと提供されないということと、それから市の決定がそこに--決定権がないというのがよく不満として残るんですけれども、この協議会を進めている中で、決定するのはやはり都なんですよね。

○庄司参事 本プロジェクトにつきましては、最終的に東京都の責任で方針を立てて進めていく。ただ、その際、市の意向も十分把握した上で、同じ認識に立ちながら本プロジェクトを推進していきたいというふうに考えているところでございます。

○大西委員 最終的には、十六年度中にこの協議会で一応の指針をつくり、方向をつくり、そして、業者へこういうものをつくってくれというようなことを都から出し、そして、事業者がそれに参加をするという形でいくんでしょうけれども、複数の提案が出てきて、それを本当に広くもう一度市民に返したり、キャッチボールをしながらつくる、そういう心理的余裕はおありでしょうか。

○庄司参事 これにつきましては、方針を立てながら、段階段階で募集をかけながら事業を進めていくということで、そういう意味では、段階段階に応じて、市の広報とか、いろいろな形を通じまして、みんなが知り得るような形で事業を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

○大西委員 事業者が提案をしていったときに、例えば、いろいろなコンペの中に市民も、決定権じゃないんですが、いいね、悪いねというような採決、市民が選ぶコンペというようなものが段階であるのかどうか、その辺は。

○庄司参事 今後の予定ですので、なかなかまだ明確にはしてございませんが、この民間の募集提案に当たりましては、学識経験者等による審査会を立ち上げまして、公平公正の観点から提案の中身を審査して、その上で優秀なものについて採用しながら事業を進めていくということでございます。
 そういう意味で、私ども、市を通じて地元の意向を十分把握していきたいというふうに考えているところでございまして、そういうことで進めたいというふうに考えてございます。

○大西委員 公平公正な立場、優秀なまちづくり、専門家が決める、これは今までのパターンでありまして、それによって本当によかったというまちづくりが本当にあったのかどうなのかというのは、ちょっと私は疑問を持っているんですけれども、やはりまちづくりは、これからは地域に密着したところで、ぜひもっともっと市民参加というものを広げていただきたいし、特にアンケートに協力した方たちは、業者が出した提案の中に自分の思いとかなんとかはどこにあるのというようなことで、消えてしまうというのでまちづくりに失望してしまうということが起きないように、ぜひそういう意味でも先行のまちづくりをしていただければなと思っております。
 この場所は本当に緑が豊かで、いわゆる都心の、青山のような先行まちづくりとは違った、東村山には東村山の緑を大切にしたまちづくりということで、単に業者へぽんと売り払って、突然大きなものが建つということにならなかったということでも今回は一応評価しておりますので、ぜひその評価が生かされるようなまちづくりにしていければいいなと思って、ちょっといろいろ聞かせていただきました。
 私のイメージとしましては、先行まちづくり事業と聞けば、常識的に考えて、この地域の将来像を先取りするような開発事業の実施を意味していると思っております。地域の将来像はやはり地域の市町村のマスタープランに描かれているでしょうし、さらに、それに基づいた市民合意をベースに方向が決まるのではないかということに一番こだわっております。
 東村山市の場合は周りの企業誘致と一体開発などの要素も全くないわけなので、一部府中街道に沿った部分は公共としてのあれがありますけれども、ぜひ、広く市民に地域の将来像を考えてもらい、それを先行的に実現するプロジェクトとして実施してほしいなと思っております。それにはやはり何よりも情報公開が必要ですので、それを丁寧にしていただいて、紛争のないまちづくりに取り組んでいただくことを要望して、質問を終わります。

○馬場委員 高齢者の住宅の確保についてお伺いいたします。
 団塊の世代と呼ばれる第一次ベビーブーム世代が高齢期に達する二〇一五年には、四人に一人が六十五歳以上の高齢者となる本格的な高齢社会を迎えます。現在でも、年金や医療、介護等への関心が高いのはもちろんですが、住まい、住宅、将来にわたってどこに住み続けられるかというようなことは、特に高齢の方にとっては大きな関心があります。
 こうした高齢者向けの住宅対策として、この事務事業でも一番初めに書いてありますシルバーピア事業、そして二つ目には、高齢者向け優良賃貸住宅供給助成事業というのがあります。建設、改良への補助ということでございますが、そのほか、その後に書かれています事業についてこれからお尋ねをしたいと思います。
 都内の住宅の多くを占める民間賃貸住宅では、家主が、家賃の不払い、病気、事故等に対する不安感から高齢者の入居を敬遠する傾向にあり、高齢者の居住の安定が図れないという状況にあるのではないでしょうか。このために、先ほど二つ目にありました補助事業、ハード面としての住宅供給だけでなく、ソフト面からの対策も必要であるとして、高齢者が安心して入居できる施策を国において決められました。
 平成十三年四月制定の高齢者の居住の安定確保に関する法律というのができたわけですが、これに基づいて高齢者円滑入居賃貸住宅の登録制度というものが創設されました。高齢者の入居を敬遠しない住宅を家主が登録し、その登録簿を住宅を探している高齢者の閲覧に供するという制度でございます。さらに、家主が国の居住支援センターと基本約定を締結した登録住宅では滞納家賃の債務保証制度を利用できる。この二つ、大きな施策ができております。
 そこで、お伺いいたしますが、国の制度であります高齢者円滑入居賃貸住宅の登録の実績はどんなでしょうか。また、二つ目の施策である家賃債務保証制度が使える住宅の数と、実際にその制度を使って入居した高齢者の数はどんな状況でしょうか。

○小林地域住宅部長 登録制度は平成十三年十月に開始したわけでございますが、登録された住宅の戸数は現在約六千戸でございます。このうち、家賃債務保証制度が使える住宅は約二千二百戸でございます。また、実際に高齢者が入居した戸数は、家主へのアンケート調査の結果によれば、平成十四年十二月現在で二百七十四戸でございまして、このうち、家賃債務保証制度を利用して入居した戸数は十七戸でございます。

○馬場委員 今教えていただいた戸数は、国施策であるということだけじゃないんでしょうが、大変少ないというふうに受け取りました。国の施策は、このパンフレット等を読ませていただくと、借り主というより、空き家、空き室解消対策ではないのかなというふうに私は受け取りました。特に二つ目の家賃債務保証制度というのは、一番目の登録というのができたところでなければこの保証制度は使えない。使えない方の中で、結果的にこの二年間で使った方が、十七件だということですよね。
 何でこんなに少ないのかなというふうに今見て思っているんですが、月額家賃の三五%、保証期間は二年間ということです。借りる人がまず保証料を払うんですが、実際に家賃が保証されるのは、貸している貸し主に対して六カ月間保証がされる。保証料を払った借り主さんは、払ってもらったものに対して弁済をしなければならないというふうにきちんと注意書きがされています。
 どういう場合、こういうのを申し込むのかなと私も考えてみたんですが、普通は、自分が保証料を払ったら、一定の期間保証されたら、それは弁済しなくていいとか、そういう状況でなければ、家主さんが保証されるために借りる方が三五%を払ってこの保証制度に申し込むというようなことは余り考えられないのではないかなと私は受け取りました。
 こういう状況に実際あるわけですが、国のこうした保証制度を使う、使わないということも含めて、同じような制度を各区市等の自治体でつくっているところがあるというふうな話を聞きました。国制度のほかにこうした家賃保証を行う制度を持っているところはどんなところがあるでしょうか。

○小林地域住宅部長 家賃の債務保証を行う制度は、新宿区、豊島区など七区で行われております。

○馬場委員 新宿、豊島はこうした要望をする対象の方が多いところかなと受け取りました。
 国制度が十分であれば、独自で区がつくるということはあえて必要ないのではないかなというふうに私も思いますので、こうした国の制度が本当に--貸す方がなければ借りられないわけですから、貸し家、貸し室対策ということも必要だとは思いますが、この辺の国の今後の制度改正ということも含めて、都はさらに国に対する要望等を含めて検討をお願いしたいというふうに思っております。
 高齢者の入居が進まない理由としては、今お話ししたように、これを望む高齢者はどちらかというと嫌だという住宅が多いわけですが、もう一方で、高齢者は保証人を立てにくいというような状況があると思います。この保証の内容も、滞納家賃の保証というような、今お話しした金銭的な保証以外にも、高齢者の方の病気等への対応等も嫌だな、できないなという民間の貸し主さんが多いのではないかというふうに思っております。
 そこでお伺いしますが、国の制度を補完するものとして、都でも、あんしん入居制度というのを平成十三年度、国の制度と一緒に創設をしたというふうに聞いております。このあんしん入居制度というのは国の制度をどのように補完していらっしゃるのか、また、都としての実績がどんなふうなのか、お聞かせください。

○小林地域住宅部長 家主が抱える不安のうち、家賃の滞納につきましては国の制度で解消されるとしても、入居者の病気などに対する不安は残るわけでございます。
 そこで、あんしん入居制度では、定期的な訪問、電話、緊急時や入退院時の支援を行う見守りサービス、それから亡くなられたときの葬儀の実施、残存家財の片づけの三つのメニューを用意してございます。高齢者がこのうち必要なものを選択して利用できる制度でございまして、これまで制度に関する都民からの相談は約三千四百件ありました。成約の件数としては、現在約百件となっております。成約の内容を見ますと、三つのメニューのすべてを選択するコースの契約が最も多く、約四割を占めている状況でございます。

○馬場委員 この制度への問い合わせは三千四百件で、成約件数は百件ということです。
 こうした制度を有効に活用するためには、まず不動産業界、この業界の専門の方、それから家主の方の理解と協力というのが不可欠であるというふうに考えます。希望があった方が実際の契約等の中で不動産の仲介の方や家主さんの理解が得られず、実質成約件数が百件というところになっているのかなということも思わざるを得ませんので、この制度をさらに使っていただくために、どのようなPR、また普及活動をしていらっしゃるのか、伺います。

○小林地域住宅部長 ホームページに制度内容を掲載するとともに、パンフレットを作成しまして、都や区市町村の窓口に配布してPRに努めております。
 また、直接の働きかけといたしまして、家主への説明会の開催や賃貸住宅の仲介管理を担う事業者団体の研修会などで制度の説明を行っているところでございます。

○馬場委員 ホームページやパンフレットということなんですが、高齢の方がホームページ、決めてしまってはいけないんですが、自分が相談する資料として、どういう形であればいいのかというようなことも今後とも研究をいただきたいというふうに思いますし、また、業者等への説明というのもできるだけ十分にしていただきたいというふうに思っております。
 これは都の施策ですが、高齢者のこうした住まい、生活の問題ということであれば、それぞれの身近な区市が本来トータルに高齢者施策の中でやっていくということが一番身近な今現在の進め方だというふうに思います。
 都と国の制度ばらばらでなく、市区町村の担当の方が高齢者それぞれの状況に応じて制度をうまくコーディネートして、区市町村内の不動産等の業界の方、そして貸し主と連携してこうした制度を進めていくということが一番必要なところだというふうに思いますが、これら高齢者の住宅の確保のためには身近な区市町村との連携、このことを都としてどのように取り組んでいらっしゃるのか、伺います。

○小林地域住宅部長 区市町村との連携につきましては、連絡協議会を設置し、情報の交換や制度運営についての検討協議を行っているところでございます。今後も、この連絡協議会を積極的に活用しながら、高齢者がより身近な区市町村の窓口で登録住宅やあんしん入居制度などについての情報の入手や円滑な相談ができるよう取り組んでまいります。

○馬場委員 まず国の制度があり、都の制度があり、区市町村のそれぞれの制度があるという、これを使い分けるというのはかなり大変なことだというふうに思います。これは先に制度を考えるとそういうことになりますが、本来であれば、借り主さん、高齢者、つまり都民の側から考えれば、その人にとって何が一番、どの施策をどう組み合わせればいいのかということが的確でなければならない。
 つまり、本来は住民のために施策はあるわけですから、そういう意味では、それぞれそういう個人の情報を知り得ているのは一番身近な区市町村であるというふうに思います。そういう区市町村の施策の中で、基本的なさまざまにあるハードの面、そして特にソフトの面が、どういう人を対象に、どのくらいいらっしゃるのかというようなことも含めて実態を把握していくということがなければ、これを何年続けていっても実際役に立つ施策になっていかないのではないかなというふうに思っています。
 最初に述べましたように、国の施策は特に空き家、空き室対策の感がどうもありまして、一般の民間住宅と同じですから、二年で契約更新をしていかなければならない。どんどん年を加えていって、そうした問題が難しくなっていくのに対しての対策というのはここでは出てきていないわけです。
 それを考えると、住宅局さんとして、住宅の問題を考えるという中で、福祉的な要素といったらいいでしょうか、この施策も福祉局さんと協議をなされたのでは、そういう過程の中で出てきたものではないかなというふうに思いますが、実際にあんしん入居制度を委託といったらいいんでしょうか、この事業をやっていらっしゃるのも、財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターというところがやっていらっしゃるということで、住宅局さんの事業というふうになっていると思いますが、これだけのソフトの面を充実させるということを考えますと、福祉局さん、また産業労働局さんでしょうか、そうした他の局とも十分に連携をとりながら東京としての施策が充実するように、また、区市との連携を十分とりながら、一人一人の高齢の方の安心の住まいの提供ということについて都としてきちんとした責任をとっていただけるよう強く要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○小松委員 まず、都営住宅の建てかえ事業について伺います。
 老朽化した都営住宅の建てかえは都の住宅政策の重要な柱の一つであるわけで、こういったことが今年度の事業概要にも書かれております。
 そこで、私は何点かについて伺うわけですけれども、まず初めに、建てかえ戸数について伺いたいと存じます。
 建てかえ戸数につきましては、これまで元戸数、すなわち、もと建っていた戸数ということで建てかえを行っていたわけですけれども、現時点での方針、どのようになっているでしょうか。

○庄司参事 建てかえ事業における建てかえ戸数でございますが、元戸数以下を基本としておりまして、個別団地の建てかえに当たりまして、入居実態を踏まえるとともに、立地条件、建築規制等を十分検討の上、建設戸数を決定していくことになってございます。

○小松委員 ということは、元戸数以下、以下ですから元戸数も入ると。元戸数まで、立地条件とか建築規制など、これがクリアできれば、あるということ、以下ということがはっきりしているという、元居住者ではないということですね。

○庄司参事 元戸数以下を基本としているということでございまして、地域の実情に合わせまして、総合的に勘案しながら個別にそれぞれ考えていくということでございます。

○小松委員 そうすると、もとの居住者がみんな大体入ってしまった、そういうことだったとしても、立地条件とおっしゃいましたね。それから、建築規制というようなことをおっしゃいましたね。それが十分ということであるならば、それを超えて、もとの居住者を超えて、元戸数は超えないけれども、それもあり得るということですか。

○庄司参事 基本的には、建てかえ事業というのは、従前そこに住まわれている方がそこに新たにまた住める、そこらあたりの戸数を基本に考えているところでございまして、元戸数ということで考えてございます。ただ、いろいろな状況がございますので、総合的に勘案しながらそういうことも考えていくということでございます。

○小松委員 このことだけでもやれば五十分もかかっちゃうからやめますけれども、でも非常に矛盾があるんです。そうおっしゃりながら、実際にはもとの居住者で切っちゃっているというのもあるんだけれども、どうですか。今、元戸数以下を基本としている、そして、その時々の立地条件とか建築規制などを考えた上で決定していくんだと。こういう方針というのはいつからやられているんですか。

○庄司参事 これにつきましては、平成十四年二月に策定いたしました住宅マスタープランを踏まえまして、平成十四年度から実施しているものでございます。

○小松委員 十四年度から。そうすると、十四年度前はどうだったんですか。

○庄司参事 この方針につきましては平成十四年度から実施しているというところでございまして、建てかえ事業中の団地につきましても、この考え方を基本といたしまして見直しを進めているところでございます。

○小松委員 今のお答えだっておかしいでしょう。はっきりと十四年度のマスタープランを踏まえて--十四年度というのは昨年ですよ、ここからやっているんだといいながら、その前もといったら、何か変わらないじゃないですか。
 それで、私、去年もやはりこんなことを聞いているんです。去年のときに、もし、もとの居住者が全部入れちゃったということになれば、元戸数を建てなくても、それで終わるということがあり得るということですかと伺ったんです。そうしたら、やはり庄司参事がお答えになっているのは、現在の考え方につきましては、元戸数程度まで建設していきたいと思っておりますと。これは去年の十月三十一日です。
 今のお話だと、二月のマスタープランを踏まえて--今、全然そんなお話じゃなかったんですね。これの整合性はどうお答えになりますか。

○庄司参事 基本的には元戸数以下というふうに考えてございますが、その団地団地、個々の状況に応じて、例えば、従前居住者が全部入れるような住宅ができた、その上でその後どうするかということは、周辺の状況とか全体の状況を勘案しながら、また、その土地の有効利用も勘案しながら考えていくということでございまして、そういう視点で考えているところでございます。

○小松委員 今はっきりしているのは、そういう方針が建てかえをするときに最初からきちんとあって、それに基づいているのではなくて、今十四年度とはおっしゃったけれども、実際にはどんどんころころ変わっているんじゃないかという感じがします。
 私は全都的に全部把握しているわけじゃありません。例えば私の地元である東村山、東大和、武蔵村山、ここについては一応はわかっているつもりです。
 東村山につきましては、元戸数が千九百三十四に対しまして建設戸数が千九百六十。それを超えた、だからここでストップする。おかげで新築といわれるような住宅で公募ができました。東京街道団地については、元戸数千九百五十三、今建っているのは七百四十二ですけれども、あと千五ですから、現居住者ということになれば千七百四十七戸、すなわち、元戸数から二百六戸少ない。向原については、元戸数は千百九十四、それが実際には千五十五ですから、百三十九少ない。村山団地になりますと、元戸数が二千百六十五戸、既設の建設が七百二十八、あと九百五十九、すなわち、千六百八十七建てると大体終わるんです。ですから、元戸数だと四百七十八少ないということになるというのが数字の上で出ているわけです。
 結局は、こうした形だけれども、大体入れちゃうと、今申し上げた現居住戸数、そこで終わっちゃうというのが実情じゃないんですか。
 例えば一つ伺いましょう。これで一番引っかかったのが東大和の向原団地、この建てかえ計画です。では、これが見直されたのはいつですか。

○庄司参事 東大和向原団地におきましては、他団地への移転が当初より多く、現在、建てかえ需要がほぼ満たされたために、十五年度以降の四期、五期の建てかえ計画の見直しをすることにしてございます。

○小松委員 十五年度以降の四期の建てかえ計画を見直しするということですが、要するに、昨年私が質問した段階で、東大和については、実際にはこの時期でもう入居者が大体入れているんです。そこでストップしちゃった。ですから、建設計画が途中から見直しをされた、計画段階ではなく。ですから、例えば、四期で建設する予定になっていた車いす住宅に入る予定だった障害者の方が、車いす住宅が三期にないんです。そのために、結局入るところがなくてまだ移転できないでいるわけです、全体をもうみんな更地にしようとしている最中に。
 事業中の建てかえ団地の計画見直し、こういうことをしていくと、今後このようなことも出てくるんじゃないかという心配があるけれども、いかがでしょうか。

○庄司参事 向原団地の建てかえ事業におきましては、三期までの居住実態に基づいた車いす住宅を整備してきました。お話の居住者につきましては、団地内の車いす住宅空き家への移転手続を進めており、間もなく入居の運びとなる予定でございます。
 また、建てかえ計画の見直しに当たりましては、居住実態を踏まえまして、適切に建てかえ計画を策定していく考えでございます。

○小松委員 今簡単に間もなくとおっしゃいましたけれども、もう八十近い方がたった一人で取り残されている。私が入れればいいんだけれども、ドアを自分であけられない、障害者住宅であればと。地元の方々に支えられてきたから、やはりここで一生を終わりたいんだ、そういう方が残っちゃうわけです。ですから、この方については今一生懸命やっているんだということで、私は個人の問題でここで追及するということはやめておきますけれども、今後も、今のようなやり方をしていると、東京街道団地や村山団地でもそういうことが起きはしないかという心配。もうこれは答えなくていいから、そんなことがないようにしてください。
 ということで、私がお聞きしたいのは、せめて元戸数まで建設すればそういうこともなくなるということです。もとの戸数の方が多いんですから。そして、今都営住宅の新築募集がどんどん減っているわけです。私も資料を要求しました。そうしたら、今年度からもう新築募集はないんです。昨年までなんです。新築募集じゃなくてバリアフリー募集というふうに資料に書いてあります、今年度から。
 すなわち、新築がなくなっていくからなんです。それはそうですよね、もう六年目でしょう、新規建設を全然やらないんですから。だから、建てかえにおいて--私、本当に控えめにいっているんですよ、せめて元戸数ぐらい建てれば、元居住者との差、さっき数字を申し上げましたでしょう、それが新築で募集にかけられるよという、そのことも一つありますよね。
 大体、今元居住者がこんなに減ったのは、みんな高額で出ていったとか、亡くなられたとか、それは一部です。多いのはやはり、後で数字を出してもらっても、どこかでいただいてもいいんだけれども、恐らく、建てかえになるということで、必死になって都も、これはそちらというより現場が必死になって、あちらだこちらだと紹介して、戻り入居ができますよ、本入居もいいですよと出しているんですよ。
 ところが、戻り入居や本入居になった事業用の空き家住宅、もしそれが元戸数で別にあれじゃなかったら、本当は空き家で募集できるはずでしょう。ですから、元戸数をやってこそ空き家の募集、これが新築になるわけです。せめてそのぐらいやりなさいということを申し上げたい。
 と同時に、このことをすることによって、例えば、いい例では村山団地。今元居住者を基準にしますと、一DKばかりです。なぜって、高齢者が多いでしょう。高齢者はいつまでも二人で、夫婦でいないんです。どっちか一人亡くなる。そうすると一人になる。当たり前ですね。そうすると、一DKばかりなんですよ。それで、一DKをたくさんつくりました。おもしろいことに、東京都は、一DKをたくさんつくったけれども、壁が突き抜けるようになって、二部屋にできるようになります--ひどいですよ、これは。二人一緒に死ねということか、お隣同士一緒にどこかに行けということか、そんなにうまくはいかないんですよ。やはり一部屋一部屋ぱらっぱらっと亡くなる。また入る方が中高齢者なんです、資格条件からして。
 だから、村山団地を高齢者の団地にしないためには、二DKも三DKも四DKもある、そうすれば若年ファミリー層も入る。地域の活性化、後で質問しますけれども、活性化、活性化といっているじゃないですか。都営住宅が率先して、都営住宅内の活性化というのは一DKだけでは、まして、今一DKに入れるのは五十歳以上ですから、決して団地の活性化はないんです。そういう意味で、元戸数を建築すべきというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○庄司参事 将来の人口、世帯の動向等を踏まえ、都営住宅のストックの維持管理に重点を移し、供給管理抑制を行うこととしております。したがいまして、今後も、建てかえ事業は元戸数以下を基本といたしまして、入居者の実態等を踏まえた上で事業実施していく考えでございます。また、敷地の高度利用により生み出した用地を有効に活用して地域の活性化を図っていきたいと考えてございます。

○小松委員 きょう一つだけよかったのは、元居住者という言葉を使わなかったよね。それでストップしますよと。元戸数以下ということは、元戸数もあり得るんですからね。それは今後の中で、これはひとつぜひ元戸数まで、私がさっきいったような理由で引き上げてほしいということでとどめておきましょう。
 そして次に、もう一つは、型別供給、その実施基準、要するに居住水準についてです。
 これは、昨年も私、質問しました。一ページに資料をいただきました。びっくりしました。私は、平成五年、十一年、十五年の分を三回要求しましたら、平成五年は、例えば一DKを例にとりますと、三十五平米から四十三平米、平成十一年、三十三から四十三、平成十五年、三十二、こんなになっちゃっているんです。五年、十一年は幅があるんです、四十三までの。だんだん具体の部分では減ってきておりますが、十五年は幅がなくて、いきなり三十二平米です。このように面積が設定されているけれども、この面積設定の考え方、これはどうなっているんでしょうか。

○庄司参事 近年、都民の世帯人員の減少や高齢化等、単身世帯の増加などによりまして世帯の小規模化が見込まれる中で、建てかえ事業において、より的確な世帯構成に応じた居室構成、面積規模の都営住宅の供給を図ることを目的といたしまして、基準の改正を行ったところでございます。
 また、住戸面積は、入居対象世帯の区分をもとにいたしまして、それぞれの世帯人員に応じた最低居住水準を確保するとともに、バリアフリーなどを考慮して設定しているところでございます。

○小松委員 世帯の小規模化、それはそうなんですよ、確かに世帯は小規模化している。そのことと居住水準とは全然別じゃないんですか、次元が。
 居住水準というのは、毎年、事業概要にも出ていますけれども、居住水準の目標ということで二〇四ページに出ております。そして、住宅ストックの質の向上を誘導する上での指針ということで、ちゃんと東京都が出しているじゃないですか。これは国から出されたものであるわけです。
 これを誘導居住水準ということで、幾つかに分かれています。私は一般型誘導居住水準なんていっているんじゃないんです。都市型誘導居住水準、要するに、都市の中心及びその周辺における共同住宅居住ということで、これを二〇一五年に全世帯の三分の二にしよう、平成十年では四六%だと。二〇一〇年においては大都市圏の半数の世帯の達成、平成十年には四一%だと。これが今何%だとお聞きしようとしたら、これは国の統計なので、来年以降にならないとわからないということです。
 そこで、一人は三十七平米、中高齢の単身は四十三平米というのがあるわけですよね。都営住宅だから狭くていいということにはならない。逆にこれを求めていかないと、質の向上というのは、東京都の住宅全体が上がらないというふうに思うんですが、少なくとも、今まであった三十三平米から四十三平米、四十三平米までの幅を持たせる。こんな三十二平米なんて、これを基準とするなんていうこと、これはひどいと思いますが、この所見を伺いたいと思います。

○庄司参事 都営住宅につきましては、都民共有のセーフティーネットであると考えてございまして、建てかえに当たりましては、最低居住水準を確保するとともに、バリアフリーの向上等に取り組むこととしておりまして、適切なものと考えてございます。

○小松委員 建てかえに当たっては最低居住水準を確保ということになりますと、二〇五ページにあるように、最低居住水準というのは、世帯一人当たり住戸専用面積十八平米。中高齢単身でも二十五平米。これを確保して、それにバリアフリーをつければそれでいい、そんなふうに考えていらっしゃるんですか。
 もう一つ、この根拠として九五ページにあるんです。都営住宅の設計と間取りという中に、コスト縮減を図るため、平成十年度には九八型、平成十二年度には〇〇型基準建物設計を開発したという--平成十二年。今度は、平成十五年、三十二平米です。
 ということで、結果的には、コスト削減、要するに、都営住宅は都民共有のセーフティーネットなんだ、セーフティーネットだから何も都市型の誘導居住水準までいかなくても、最低居住水準出ていればいいじゃないか、そのことでコスト削減をねらうんだ、そういうことなんでしょうか。

○庄司参事 今回の型別基準の改正につきましては、都民の世帯人員の減少や高齢化等、単身世帯の増加など、世帯の小規模化が見込まれる中で、建てかえ事業におきまして、より的確な世帯構成に応じた居室構成、面積規模の都営住宅の効率的な供給を図ることを目的としております。
 建てかえ事業に当たりまして、コスト縮減を念頭に置いて事業遂行を図ることは当然でありまして、今回の見直しは、結果としてコスト縮減にも寄与するものと考えてございます。

○小松委員 同じ答えになってくるとだめなんだよね。
 はっきりと、コスト縮減を図るためと書いてあるんです。要するに、東京都は、セーフティーネットなんだ、自分で家もつくれない人が入るんだ、だから最低居住水準を超えていればいいじゃないか、でも、まちづくり条例だとかバリアフリー条例もいろいろとできているから、バリアフリーだけはやろう、それでできるだけコスト縮減だ、そういうことなんでしょうか。
 もうこれ以上聞かないけれども、私は、そうじゃなくて、都営住宅だから、つくってやっている、あなた方は自分で早く家でも、もしこれが望みなら早く出て家でも建てろというんじゃなくて、家が建てられない人、本当に生活が厳しい人も--バリアフリーと同時に、もうちょっと広ければいいんですよ。あと十平米、一DKでいえば。六畳、全体から見て。それだけで一体どのぐらいコストが違うか。コスト縮減をいうならば、もっとほかにコスト縮減があるんじゃないのといいたくなる。
 ですから、今後は、やはりこういう姿勢は改めて、できるだけ都市居住型誘導居住水準、これを求めてほしいということで今回やめておきますので、ぜひ検討してください。去年いったら、逆に縮まっちゃったの。悲しい話なのよ。来年、少しでも広げてくださいよ。
 時間がないので次です。
 化学物質対策です。この化学物質対策につきましては、都営住宅でも結構頑張ってやっているんだということが十五年度の事務事業にも書いてありますが、まずは、化学物質に対してどのような対策をとっておられるのか、伺いたいと思います。

○小林地域住宅部長 都営住宅のシックハウス対策につきましては、平成九年度から順次、ホルムアルデヒドの発散量が一番少ない規格の合板類の使用や、ホルムアルデヒドを含まない壁紙用接着剤の使用などを行ってきました。さらに、ことしの七月からは、建築基準法でシックハウス対策が義務づけられたことに合わせて、二十四時間換気システムの設置や、希釈剤として、有機溶剤のかわりに水を使用する水性系塗料の使用を行っているところでございます。

○小松委員 日本は大変これがおくれていて、やっとことしの七月に法改正があって、国で、建築基準法の改正で、ホルムアルデヒドまたはクロルピリホスの使用禁止とか規制とか、こういうのができてきたわけですけれども、都営住宅、それはやられているということです。
 しかし、私も先日こんなのをいただいたんですけれども、みなさんもいただいたのかな、机の上に置いてあって、それを見ますと、シックハウス症候群に取り組むお医者さんの談話が出ているんですけれども、大変お気の毒な方は、シックハウスの患者さんの中には病院にさえ行けない人もいるんだと。どうしてかといったら、病院は、床にワックスを塗り、薬品を使って清掃し、消毒し、農薬でノミやダニを駆除する。それから、来る人々が香水を使ったり、整髪料を使ったり、お化粧をしたりとか、そういうものですらアレルギー反応を起こす方がいる。実際にいらっしゃるんですね。
 ですから、都営住宅、これはやっていないと追及するつもりはないんです。だけれども、それでも、今度はいいだろうと紹介されて行く。我慢しようと思うんだけれども、やはり何時間かいると耐えられないという人が実際に今回の建てかえの中にいらっしゃるのをきっとご存じだと思うんです。そういう方がいらっしゃる。そういう人に対しての対応をどのように行ってきたのでしょうか。

○青木住宅経営部長 今お話しの方は、現在、村山団地の今年度から建てかえ等を実施しております第三期建てかえ地域に居住していらっしゃる方だと思われますけれども、これまでこの方に対しましては、個別相談会で話を伺いましたり、空き家への移転のあっせんを行っているところでございます。
 本人からは、今お話しのように、化学物質過敏症のため、古い住宅への移転を希望したいというご相談がございました。ことしの七月と九月に村山団地内の空き家住宅をそれぞれあっせんしまして、九月にあっせんいたしました住宅に入居をしたいということで手続を進めておりましたけれども、つい先日、残念ながら入居辞退の申し出があったところでございます。

○小松委員 古くても、今は四十年も前からの古いところでしょう。ところが、そうじゃないところ、最近改善をしたとか、何か途中であったとか、そういうのがだめなんですね。
 今は私ちょっと個人の問題を申し上げたけれども、きっとこれからもそういう方が出てくるんじゃないかと思うんです。だから、こういう方には、本当に古いところしか、古いといういい方は失礼ですけれども、空き家のところ。ところがそうすると、一人だったら、今度は一DKがだめだとかいろいろあるんですけれども、一人は絶対一DKなんて変なことをつくっちゃったんだけれども、そうじゃなくて、柔軟な対応をその方の症状に応じてやるとか、今後そういう対応が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。

○青木住宅経営部長 今お話しのように、従前、都営住宅、二DK、三DKを中心にファミリー向けに供給をしてきた事実はございます。そういう点から、単身者向けのストックが不足しているというような実態がございますけれども、当時つくりましたものの規模というのは、三十平米台のものもございます。そういう観点から、居住規模と世帯人数を勘案いたしまして、できる限り早期に空き家を確保し、あっせんに努めたいと考えておるところでございます。

○小松委員 そういう形で、今後も、そういう方が出ていらしたときには、非常に難しい対応だと思うんですけれども、ぜひその対応はしていただきたいのと、基準は基準としてきちんとクリアしているけれども、さらに、今度これは地域部長の担当になると思うんですけれども、そこの部分でも、今の国の基準ではだめだという人が実際にいるということでは、もう一歩さらに研究を進めていただきたいということで、きょうはとどめておきたいと思います。
 建てかえということと関連はしませんけれども、先ほどから出ております先行まちづくりプロジェクト、これは本町の建てかえによって出た九・五ヘクタールのところですけれども、先ほどからお二人から大分出されておりますので、私もダブらないように質疑をしていきたいと思います。
 先ほど出された中で、一番基準なのは、市民参加ということで大分先ほど出され、やりとりがありました。これにつきましては、東村山は、市議会で特別委員会を設けて、市と都と、そしてアンケートもたしかとりましたし、いろいろと努力はされている。だけれども、そうやって市民の意見を聞いてやるのと、実際に市民もその話し合いの中に、企画の中に入っていくのは全然違うんです。何か意見を出してそれが取り上げられたというのと、具体的に自分がその会議で意見を出しながらやっていく。
 そういう意味では、東村山は、質問をこれは一番最後にしようと思ったんだけれども、今出てきたので最初になっちゃったんですけれども、東村山というのは、倉林委員もいらっしゃるけれども、自慢のできるのは、市民参加でやってきた分、三十年前から、図書館をつくるのもそう、公民館をつくるのもそう、ごみの問題もそうというように、全部市民が参加して、その中には自然と、市の中にいわゆる学識経験者みたいな方がいらっしゃるんです。
 そういう方も含めながら、市がそれをしっかりと受けとめながらやってきて、だから、図書館をつくったときも、公民館をつくったときも、東村山は公民館の到達点とか、今ではもう随分古くなっちゃったけれども、あのときは東村山が東京の到達点とかということで大変評価をされたというのは、市民参加だったからなんですね。そういう素地がせっかくあるので、やはりこれを使っていただきたいというふうに思うんです。
 中身は今からいろいろと伺いますけれども、まずは、どんなものになろうと、市民が具体的に参加できるようなプロジェクトチーム、そういうものを今後つくっていく意思があるのどうかということをまず最初に伺っておきたいと思います。

○庄司参事 先ほどもご答弁させていただきましたが、市議会におきましては、昨年、本町都営北ブロック町づくり調査特別委員会を設置しておりまして、本プロジェクトに関し調査を行っております。また……

○小松委員 全部聞いたのはいわなくていいよ。

○庄司参事 市では、広報紙を通じまして市民アンケートを行い、計画策定についての市民の意見を聴取しているところでございます。(発言する者あり)市との協議会での話し合いを通じまして、こうした市民の意見が反映できるものと考えてございます。

○小松委員 おかしいですよ、庄司参事。聞いたことをいわなくていいといったのは、何も、あれはひとり言、やじなんだから、それに左右されることないんですよ。
 私がお聞きしているのは、市民が参加した実際の、名前は何でもいいんだけれども、協議会でもまちづくり委員会でもいいんだけれども、そういうものを立ち上げてほしい、それを都が音頭をとってやれませんかということです。それとも、それは市がやるんだったら都も乗っかるよということなのか、その辺をお伺いしたかったんです。

○庄司参事 地元の意向につきましては、市と十分協議しながら、その意向把握をしながら本プロジェクトの推進を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○小松委員 そういうことしかいえないんでしょうか。ぜひそれは私、要望しておきます。
 それで、私ども日本共産党、これは、東村山市議団と私とで、この本町のプロジェクトにつきまして、六月六日だったと思うんですけれども、申し入れを行って、公園や広場や住宅の整備などに関して要請しているわけですけれども、今回の指定に当たってどのように考慮されていくのかなと、この申し入れに対する所見を伺いたいというふうに思います。

○庄司参事 東村山本町団地再編プロジェクトにつきましては、東村山市と協議会を設置し、協議を行ってきており、まちづくりの全体の方針や土地利用の方向性等について協議を進めてきました。この協議会の協議を通じて、地元市の意見も反映されているというふうに考えてございます。

○小松委員 ぜひ反映させていただきたいと思いますが、ちょっとその中で気になるのは、その中にも入れましたけれども、障害者住宅について、東村山市の百十戸建設計画というのが、これは何か協定の中にはないようなんですけれども、市と障害者団体とそれから都も入ってと、その当時あったと思うんですけれども、そうした計画があるんです。本町都営の中に百十戸。百十戸というのは車いすが百十戸じゃないですよ。障害者用に百十戸を確保するというこの対応についてはどうでしょう。

○庄司参事 都と市で設置しております協議会の場におきまして、障害者住宅についての市の考え方が示されてございます。市の考えでは、既に整備済みの都営住宅全戸につきまして、高齢者や障害者に対応したバリアフリー化がされており、障害者住宅は既に確保されているものとして考えているというふうに聞いてございます。

○小松委員 百十戸も確保されていないんです、元戸数で終わっているから。本当はこれはあと千戸建つ予定だったんです。それはいっておきます。
 今私があえて障害者住宅と申し上げたのは、実は、これは住宅局は直接関係はないんですけれども、最近の障害者に対する制度が変わって、支援費制度になり、そしてまた、東京都は、これも二次プランの中にも出てくるでしょうけれども、サービス推進費だとかいろいろいって、こうした福祉施設に対して大変補助金が削られる。
 そういう中で、障害者の入所施設のところがもうこれ以上やっていけないということで、入所じゃなくて、授産所なんかを通所にしていくと、今しようとしているんです。そうすると、通所というと、そこに入所されている方がどっと外へ出なくちゃならない。一方では国も、大体地域の中で障害者が暮らせるようにということで、施設じゃなくて在宅。今精神病院にいる精神障害者の方も、これも行く末は地域の中に。
 住宅が必要だけれども、大変失礼ながら、この方たちはご自分で住宅をつくるという、それは非常に無理なので、やはりこれこそ公営住宅。それは私、都営住宅がすべてとはいいませんけれども、せっかくこういうチャンスがあるわけで、百十戸というのは確保されていないんですからね。そういうのも含めて、ここでこれらを念頭に置いた今後のまちづくりというのをぜひ考えていただきたいと思います。
 先ほども出ましたように、この地域は、市役所もあれば、消防署も警察も、そして図書館も、駅に近いというように本当に一等地。障害者こそこういうところで安心して暮らしていけるという位置づけをぜひしていただきたいというふうに、これは要望しておきます。
 その次ですが、先ほどから伺っておりますと、民間事業者による事業ということです。南青山一丁目や港南四丁目は都営住宅と民間施設との一体開発であったわけですが、本町地区のプロジェクトでは、この形がどのような形になっていくのかというのをひとつお願いしたいと思います。

○庄司参事 この事業の推進に当たりましては、多様な世代が集うゆとりある美しい住宅市街地の形成をコンセプトにいたしまして、四つの誘導目標を設定してございます。その誘導目標に沿って、民間事業者からの提案を受け、まちづくりを進めていく考えでございます。

○小松委員 それは先ほどお聞きしているんですけれども、まあいいでしょう。
 都や市の施設の設置、または事業に関する財政負担、これをどう考えているのか。そしてまた、民間事業者ということで、まだひとつ、非常にイメージが難しいなと思うんですけれども、民間事業者任せの開発にならないようにしてほしいなというふうに思うわけです。そこでさっきから盛んに市民参加ということを申し上げていたんですけれども、その辺についてお伺いします。

○庄司参事 施設の設置や費用負担などにつきましては、事業の詳細な内容につきまして、未定でございます。今後、事業内容を検討いたしまして、公募条件を明確に示して事業を進めていく考え方でございます。

○小松委員 今明らかになっていることがまだ少ないので、そういう意味では、ぜひ都や市が責任を持つような形の中への入り方というのを、市民参加でというのがお願いです。
 それから、最後に、先ほど府中街道の拡幅整備を支援する用地ということで、これは代替用地というふうにとらえていいかと思うんですけれども、そうとらえていいのかどうかということと、代替の用地ということになりますと、府中街道というのはまだ全然事業認可もされていないんです、新青梅から北は。ですから、ここは府中街道用地というのは大変ありがたいことで、欲しいんですけれども、大分先のことになるので、それまで、今からもうその部分は一応その時点までということを区切りながら、子どもたちが自由に使っていいとか、オープンスペースとして今市民開放するよ、ここはしばらく建物も建たないからというような、そんなことを先行してできないものでしょうか。

○庄司参事 府中街道の整備に伴う代替用地という関係では、ここに近接する敷地の西側の一部について活用が可能であるというふうに考えているところでございます。その活用方法等についてまた市とも十分協議してまいりたいというふうに考えてございます。

○小松委員 いずれにしましても、これからです。先ほどからも出ておりますように、市民が大変期待している、そしてまた、これは都としても、九・五ヘクタールの都有地を、それもまとまって、ほかの団地はこれからあるとしても、実際にはああいうきれいなまとまり方はしない。それも一等地でということでは、本当に大切に、市民の期待を裏切らないような形で、夢あるまちづくりということでは、私たちも、私たちといっちゃいけないな、私も意見はいわせていただきますけれども、ぜひ、基本は市民参加だということで今後進めていただきたいということを要望しまして、最後のテーマに移りたいと思います。
 最後は、これは総務局が出しましたけれども、平成十五年度施策の見直し及び都と市町村の引き続き協議事項についてというのがありますけれども、その中に住宅局の項目として何点かあり、廃止事業が五事業あります。それらについて一つ一つ伺いたいわけですが、時間もありませんので、二つだけに絞って伺いたいと思います。
 まず、住宅局において廃止するといっている五事業のうち、特に公営住宅家賃補助と分譲マンション実態調査の事業について伺うわけですけれども、まず、公営住宅家賃対策補助、この廃止理由、そして、この事業の十四年度の実績金額、件数、これらを一緒にお願いします。

○高岡区市町村調整担当部長 住宅局の市町村に対します補助事業については、住宅政策審議会答申を踏まえるとともに、住宅施策を取り巻く環境の変化など、さまざまな観点から検討を行ってきた結果、事業の統廃合や再構築及び廃止等の見直し案を取りまとめ、市町村への協議提案に至ったものでございます。
 区市町村公営住宅供給助成事業の家賃対策補助を廃止する具体的理由でございますが、バブル経済による地価の高騰等を背景に、平成四年度に制度を創設し、実施してまいりましたが、その後の社会経済状況の変化を踏まえ、新たな補助は十五年度末で終了することといたしたものでございます。ただし、一時的に多大な支出を伴う建設費に対する補助については継続することといたしております。
 また、市町村における十四年度の公営住宅家賃対策補助は、過年度分も含めまして、十二市二町四村で、実績額は二億一千万円となってございます。そのうち、新規補助戸数は一市二町の七十一戸でございまして、中期的に見ると低下傾向を示してございます。

○小松委員 大変これは活用されているんです、今も実績が出されましたけれども。こんなに市町村に事業実績があるのに廃止するのは問題じゃないか、継続すべきだというのは、これは実際にまだ、投げ出してというか説明をされて、市町村のご意見はこれからとも思うんですけれども、ぜひ継続してほしいという声は、市町村幾つか聞きましたけれども、出ております。そんなことで、これはぜひ継続してほしいということでまず一回伺っておきます。

○高岡区市町村調整担当部長 家賃対策補助は二十年または十年間の長いスパンで補助するために、平成十四年度の実績額は二億一千万円でございますが、その大部分は、平成十三年度以前に補助を開始したところの過年度分でございます。都の家賃対策補助は、バブル経済の影響を抑えるため、国の家賃対策補助に上乗せしたものでございまして、当時とは社会経済状況が大幅に変化していることなどから、十六年度以降の新規事業について廃止するものでございまして、市町村に十分ご理解いただいた上、提案内容で協議が調うように努めてまいります。
 なお、建設費補助は継続する上、国の家賃対策補助や地方交付税措置もあり、今後も市町村による主体的な公営住宅の整備は可能であると考えてございます。

○小松委員 確かにそれは今後も可能です。でも、建設費補助があって、家賃補助があって、非常に脆弱な市町村でもこの制度の陰でやってきた。それが証拠に、島しょに結構多いんですね。大島、利島、新島、神津島、八丈島、青ヶ島とか、こういう小さな村にも大変な活用がされているということでは、東京都は、都営住宅はもう建てないけれども、ぜひ市町村頑張れといってきた。これこそ残すべきだということで要望しておきます。
 次に、分譲マンションの実態調査事業についてですが、この事業の調査の内容をまず伺いたいと思います。

○山室参事 分譲マンションの実態調査事業は、地域の実情に応じた分譲マンション施策を進めるための基礎的資料を得ることを目的として、区市町村の実施する調査に国の補助を加え、さらに都として補助するものです。
 調査の内容は、建物の構造、住戸数、修繕積立金、建てかえ検討の状況等、分譲マンションの維持管理及び建てかえに関するものとなっております。

○小松委員 それでは、この事業の例えば十四年度の実績金額、件数、または、これまでにこの調査を行った市町村、これはいかがでしょうか。

○山室参事 市部におきます今年度の本事業の十四年度の実績は、市の数だけ申し上げますと四市となっております。また、今年度に実施しました市も含め、これまでに実施した市は八市となっております。

○小松委員 そうしますと、二十六市、まだまだ実施していない市もあるわけで、これは必要性もあるはずです。これもやはり市からの要請があれば継続して実施すべきと考えます。部署が違うので、まずそこまでで伺っておきましょう。

○山室参事 本事業は平成十一年度に開始しまして、それ以降、区市町村に対しまして早急にこの調査を実施するよう働きかけてまいりました。その結果、平成十五年度までに、二十三区も含めますが、二十三区すべてと、それから、分譲マンションのストックが多く、また、築三十年を超えますマンションの多い主な市においておおむね調査が完了いたしました。そうしたことから、この事業の目的をほぼ達成できたと判断し、終了するものでございます。

○小松委員 二十三区はすべて終わったようですけれども、市町村でまだ八市しかやっていないと。主な市ではないんですね。やられていないところが多いので、今これは挙げませんけれども、そういう意味で続けてほしいということですが、この事業も含めまして、先ほどのと五事業ありますけれども、提案している事業の市町村との協議はどのような状況になっているんでしょうか。市町村の意向も伺います。

○高岡区市町村調整担当部長 本年十月に、市長会及び町村会に対しまして事業の見直し内容について協議提案を行ったところでございます。現在、提案内容について検討していただいているところでございまして、年内には一定の取りまとめが行われる予定でございます。

○小松委員 現在提案をして、年内にこれを取りまとめる、その段階において、予算では既に局要求で切ってしまうというのは、これはどういうことですか。他局では切っていないところも、だから入れていないのに、住宅局は局要求の予算の中で既に切っちゃっているということは、これはどういうことですか。

○高岡区市町村調整担当部長 市町村へ協議提案を行い、現在、市町村において検討していただいている最中でございます。都としては、提案内容を市町村に理解していただき、その協議が調うように努めているところでございます。

○小松委員 答えは全然合っていない。協議内容を理解していただきというならば、理解してからちゃんと予算につけるべきというのが、ほかの局ではそうあるんですよ。住宅局はもう最初から切っちゃうので、ぜひ、基本は、これをやるかやらないかというのは、都と市がお互いにきちんと協議をし合って、合意を得た上で進めていただきたいというふうに思います。というふうに、答えが返ってくるとまた次が出てくるよ。

○高岡区市町村調整担当部長 繰り返しで恐縮でございますが、見直し案について市町村の理解が得られるよう最大限努力しているところでございます。合意を得るべく、現在市町村と協議中でございます。

○小松委員 ああいうふうにいっちゃうと私も最後に一言いいたくなっちゃうから、これでもう、時間を過ぎただろうといわれちゃうから。
 廃止の方向に持っていくためにこれから合意をぜひ協議の中でしたいというんですけれども、あくまでも市町村との合意が基本だったらば、予算は切らないで、そして、どうですかといった中でやっていくという、これはほかの局でそういうところがありますけれども、ぜひ、今後もこういう施策の見直しというのがあると思いますので、そうした形で、あくまでも市町村との合意を基本にやっていただきたいということで、終わりましょう。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十四分散会

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