建設・住宅委員会速記録第九号

平成十五年九月三十日(火曜日)
第九委員会室
午後一時三十三分開議
 出席委員 十四名
委員長高島なおき君
副委員長星野 篤功君
副委員長木内 良明君
理事新井美沙子君
理事花輪ともふみ君
理事三原 將嗣君
伊沢けい子君
小磯 善彦君
高橋かずみ君
吉原  修君
臼井  孝君
小松 恭子君
池田 梅夫君
土屋たかゆき君

 欠席委員 なし

 出席説明員
住宅局局長高橋  功君
技監小林 崇男君
総務部長梶原 康二君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
連絡調整担当部長加藤 英夫君
地域住宅部長小林 計代君
区市町村調整担当部長高岡 信也君
民間住宅部長安藤  明君
参事山室 善博君
住宅経営部長青木 治道君
営繕担当部長渡部 景之君
参事石井 一夫君
参事庄司 静夫君
参事神通 和夫君
建設局東京都技監建設局長兼務小峰 良介君
次長上條 弘人君
道路監岩永  勉君
理事杉浦  浩君
総務部長町   格君
用地部長矢口 貴行君
道路管理部長須々木亘平君
道路建設部長柿堺  至君
公園緑地部長住吉 泰男君
河川部長鈴木  進君
市街地整備部長石井 恒利君
多摩ニュータウン事業部長高西 新子君
企画担当部長田中  亨君
総合調整担当部長熊谷  清君
道路保全担当部長依田 俊治君
道路計画担当部長阿部  博君
調整担当部長内海 正彰君
多摩ニュータウン事業技術担当部長野村 孝雄君
販売企画担当部長友繁 佳明君
参事新井 敏男君
参事島  博文君

本日の会議に付した事件
 住宅局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第二百三号議案 道路築造工事妨害禁止等の請求に関する民事訴訟の提起について
  ・諮問第三号 地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく異議申立てに関する諮問について
 建設局関係
  契約議案の調査
  ・第百九十八号議案 日暮里・舎人線下部工事(その二十四)請負契約
  ・第百九十九号議案 日暮里・舎人線下部工事(その二十五)請負契約
  ・第二百号議案 日暮里・舎人線下部工事(その二十六)請負契約
  ・第二百一号議案 日暮里・舎人線隅田川横断橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約
  付託議案の審査(質疑)
  ・第二百四号議案 東京都道路公社が行う第二多摩川原橋有料道路事業及び八王子中央有料道路事業の変更に対する同意について
  報告事項(説明・質疑)
  ・JR中央線連続立体交差事業に伴う仮線路切りかえについて

○高島委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅局及び建設局関係の付託議案の審査、建設局関係の契約議案の調査並びに建設局関係の報告事項の聴取を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十五年九月二十六日
      東京都議会議長 内田  茂
建設・住宅委員長 高島なおき殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
  記
1 契約議案
 第百九十八号議案 日暮里・舎人線下部工事(その二十四)請負契約
 第百九十九号議案 日暮里・舎人線下部工事(その二十五)請負契約
 第二百号議案 日暮里・舎人線下部工事(その二十六)請負契約
 第二百一号議案 日暮里・舎人線隅田川横断橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約
2 提出期限 平成十五年十月一日(水曜日)

○高島委員長 これより住宅局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百三号議案及び諮問第三号を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○小松委員 本件につきましては、ずっと経過を見ますと、非常に住宅局がきちんとやられているにもかかわらず大変な妨害があるというふうにも読めるんですけれども、しかし、お聞きするところによれば、最初は無償譲渡に応じられていた方だというふうにも聞いておりますので、そういう方が、こうやって最後このような形になるというのは、相当いろいろの経過があったのではないかというふうに思うんですが、今までの経過、それに対する対応、お願いしたいと思います。

○青木住宅経営部長 本件土地につきましては、今委員ご指摘のとおり、当初、土地所有者からの譲与ということで話が進んでまいりましたけれども、途中で、地主の方のご意向で、土地の売買契約を結ぶということで契約を締結したものでございます。その際、地中にございます浄化槽等の支障物件につきましては、移転費用を支払わないというようなことを双方了解、合意の上で契約を結んでございます。
 しかしながら、私ども、契約以後、その道路の整備のご説明、それから協力要請等を粘り強くお話し合いをさせていただいてきたわけでございますけれども、相手方の地主の方は、先ほど申し上げた、合意の上で設置されました浄化槽等への不満や移転補償を新たに要求するなど、なかなか話し合いが進展をしなかったわけでございます。
 そういう中で団地が完成いたしまして入居が開始されたということで、道路整備も整備ぎりぎりの時点に参りましたので、私ども、工事着手についてのお知らせをしたところ、障害物等を道路用地内に放置するなど工事の妨害をされたということでございます。

○小松委員 細かい内容は今後の裁判の中でということになると思うんですけれども、その経過の中で、この長澤さんに対しておわびの文書というようなものが出ているようですけれども、それはいつ、どのようなものであったんでしょうか。

○青木住宅経営部長 先ほど申し上げました土地売買契約時でございます。十三年三月でございますけれども、その締結に際しまして、今後の円滑な事業推進のために相手方に対しまして、契約内容の確定までに多くの日時を要したこと、その間さまざまなご苦労をかけたことなどにつきまして述べた文書を提出した経緯がございます。

○小松委員 実は、私のところに謝罪文ということであるんです。そして、これが出たところは東京都北部住宅建設事務所ということで、あとは個人名。見ますと、職員の方々の名前が出ております。そして長澤さん、三人の方の名前で出ております。
 これを見ますと、今まで協力してくれたことに感謝をし、住宅局が至らなかったことも反省をしているということで、こういうような謝罪文が出るというのは、やはり相当住宅局側にもいろいろ問題があったし、しかし、ここでしっかりと、こういう文書で出すというのも珍しいので、そういう意味では、今回、私はこの提訴には反対しません。
 ですからこそ、こういうものを生かして、しっかりと今後和解を求めるという立場で--というのは、都営住宅の方々も早く、この道路を待っているんです。それから、公民館も、この道路がないと東側三メーターの道路しかないということでは、いっときも早い道路が必要だと。しかし一方では、そうやって長澤さんとの関係があるということでは、司法の手をかりるのはいたし方ないのではないか。そんな立場から、ぜひ、いっときも早い和解への方向、そして、こうした謝罪文に対しても、十分これを教訓にしていただきたい。
 きょうはこれ以上のことは申しません。要望だけ申して終わりにしたいと思います。

○伊沢委員 民事訴訟の提起についてお尋ねいたします。
 まず、この道路の建設をめぐっての事柄なんですけれども、まず、平成十三年の三月に長澤さんと東京都の間で売買契約が結ばれ、そして、三月、同じときに所有権の移転登記が完了しております。その後、平成十四年の九月に道路の建設に住宅局が着手するわけですけれども、その間一年半という長い時間が経過しております。
 それで、先ほど質問もございましたけれども、その経過について、例えば浄化槽のことなどをめぐりまして、道路のことのほかにいろいろと所有権が移転して以降もめていたようですが、その辺について詳しくお聞かせください。

○青木住宅経営部長 平成十三年の三月の契約締結時以降、道路工事の早期着工を目指しまして、道路工事の説明や道路協力の要請、また、道路敷地内の既存浄化槽などの支障物の撤去、さらに新設浄化槽の使い勝手の協議など、主な交渉だけでも三十回以上、相手の方とお話をさせていただいておりました。

○伊沢委員 その中で、建設する道路の上に養豚用の浄化槽が設置されていて、それを移転しないと道路がつくれないということで、もともとあった、既存の浄化槽を移動したということから、この方とのいろいろな対立というのが出てきたというふうにお聞きしていますけれども、浄化槽の撤去や新しいものにつけかえたり、その後の対応についてもお聞かせください。

○青木住宅経営部長 先ほど申し上げましたように、新しくつくりました浄化槽の性能や使い勝手についてご不満があったのは事実でございます。その件でお話し合いをさせていただいた回数は大変多うございます。
 性能につきましては、私ども、排出基準を遵守しているものということで、相手の方とその能力、水準については合意の上、設置をしております。また、使い勝手については、可能なものについて対応させていただいているところでございます。

○伊沢委員 古いものを撤去して新しいものにつけかえたということですが、そのことについては相手の方はどういったことを述べられて、そのことについてどういう対応をされたんでしょうか。

○青木住宅経営部長 相手の方のご不満は、先ほど申し上げましたように、新設の浄化槽の機能及び使い勝手について、従前のものと相違があるということでご不満をお持ちのようでございます。
 しかしながら、私ども、先ほど申し上げましたように、新たな浄化槽の性能については十分排出基準を満たしておりますので、性能的には全く問題ないというふうにお話を申し上げておりますし、取扱説明書による使い勝手をしていただきたいというような申し入れもしているところでございます。

○伊沢委員 新しいものについて、結局のところ、相手方が不満を最終的に持っていて、道路の建設にもそれとちょうどリンクする形になるということで反対の立場をお持ちだったと思うんですけれども、その辺は、都はどういうふうに認識していらっしゃいますでしょうか。

○青木住宅経営部長 相手の方は交渉の中では、浄化槽のことのみならず、契約そのものについての無効というようなお話もされております。したがいまして、この一点だけで話が難航していたというわけではございません。

○伊沢委員 そうしますと、浄化槽のほかに、主にどういったことをめぐってこの件に反対をしていらっしゃるんでしょうか。

○青木住宅経営部長 主な点と申し上げますと、最初に申し上げましたように、新設の浄化槽への不満が大変多うございます。

○伊沢委員 それ以外のものはちょっと今挙げられなかったようですが、いずれにしましても、この方は、そのことを中心に不満を持ち、土地の売買は確かに契約が済んでいるんですけれども、建設のことについては合意をしていないというふうに私は理解をしています。
 ところが、それにもかかわらず、平成十四年、昨年ですけれども、九月に道路の着工に都側が入り、そして、そのことから今度は相手方も物理的な抵抗に出られて、トラクターを置いたりさくを置いたりというようなことで抵抗をするということで、話の収拾がつかなくなってしまっているという状況だと思いますけれども、こういう場合、話し合いを一年半にもわたって行っていて、それが全く平行線で、結局相手方は合意に至っていないということだと思うんです。
 それにもかかわらず道路を着工したということが相手の物理的な抵抗ということに発展していったのではないかと思いますが、私の考えでは、道路に着手する前に第三者を立てて議論をする--このお話を聞いていますと、二者間で行われていまして、向こうの方が呼んだ市会議員さんとか税理士さんとかが間に入った場合もあったんですけれども、それは結局実らなくて、住宅局と当事者という二者間での話し合いが続いて、それが実らず、それで結局、工事に着工したら、今度はそういう物理的な争いに入っていってしまったということであれば、もっとその前の段階で第三者を立てるなり、着手する前に裁判を起こすとか、そういったお考えはなかったんでしょうか。

○青木住宅経営部長 先ほど申し上げましたように、これまで三十回以上の交渉を行っております。これは、あくまでも当事者間で円満な解決を目指すということでお話し合いをずっと継続させていただいたわけでございます。その間、私ども、十三年三月には、土地の売買契約を結んだ後、道路整備時期について相手方にお知らせをしておりますし、実際の工事契約に当たっても、十三年の九月に、十月には着手をするというようなお知らせもしているところでございます。
 したがいまして、相手方は、十分この土地が団地のための道路として整備されることはご案内のことというふうに理解をしておりまして、先ほど申し上げたように、円満な解決を目指してお話し合いを鋭意続けさせていただいたところでございます。
 したがいまして、ご指摘の第三者というような解決方法ということは、その時点では考えておりませんでした。

○伊沢委員 でも結局、相手が、工事があるということは、それはわかってはいたでしょうけれども、合意はしていなかったと思うんです。でなければ、その後こういったトラブルに発展していくわけは私はないと思います。ですから、そうだとすれば、こういった物理的な争いになる前に、向こうの立場からすれば、話し合いの途中に強制的に工事が始まったというふうに理解しているというふうに、この経緯を見ますと、思います。
 ですから、今後のことを考えましても、例えばこういう事例が今後起こった場合に、話し合いがつかなかったらば即工事に着手していいということになると、私はとても問題だと思いますので、やはりこの点は、それだったら今裁判を起こすんじゃなくて、この時点で裁判を起こした方がまだよかったのではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○青木住宅経営部長 先ほども申し上げましたように、この道路の必要性については、地域の道路の安全対策上、また地域住環境の向上、それから、居住者、公民館利用者の利便性の向上等、その必要性については強く求められているものでございまして、当時団地の入居も開始されておりまして、一日も早い完成が望まれていたものでございます。したがいまして、当時、私どもが工事を着手するという必然性はあったというふうに、私どもは考えてございます。

○伊沢委員 ただ、結果から見ますと、その後、工事を始めたことで相手のさまざまな物理的な抵抗があり、そして、今の時点に至っても道路は完成していないということからすれば、さかのぼれば、このときに裁判を起こした方がまだ、それで解決をした上で道路をつくるという方が、何といいますか、より双方合意が得られる。住民の合意が得られないままでこういった工事が行われるということは、やはりあってはならないことだと私は思いますので、ほかの住民がどうかとかということよりも、その敷地の持ち主であった方のことがあると思います。
 そこを無視して争いが起こってしまうということはやはり避けなければならないことだと思いますので、ぜひ、今後こういうことが起こらないためにも、話し合いで解決しないのであれば、もっと違う、第三者を立てる、裁判を先に起こすということは考えられませんでしょうか。

○青木住宅経営部長 何遍も繰り返しで恐縮でございますが、私ども、こういう交渉に当たりまして、お話し合いでご理解、ご協力をいただいた上、円満に事業を進めるというのを大原則として交渉に当たらせていただいているところでございます。残念ながら、今回の事例は、私ども長く住宅建設をしておりますが、初めての事例でございます。
 ご指摘のように、今後こういう事例が皆無ということはいい切れないわけでございますけれども、今後とも、私どもといたしましては、先ほど申し上げたように、相手方とのお話し合いの中でご理解、ご協力を賜りながら事業を進めてまいりたいと思っているところでございます。

○伊沢委員 なかなか私がいっていることが理解していただけないようですので、最後に意見として申し上げますけれども、こういったことが起きないためにも、今まで、このことで既に話し合いをしたというのは結構なんですが、一年半にもわたって、結局合意に至っていないですよね。そういう事実があり、道路に着手したことで、さらに道路は建設も進まないということがあるわけですから、やはりここは考え直さなければならないというふうに私は考えます。早期に、二者間で話し合いがつかないのであれば第三者を入れるということを考える、あるいは裁判を考えるという方がより合理的ではないかと思いますので、申し上げます。以上です。

○高島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅局関係を終わります。

○高島委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百九十八号議案から第二百一号議案まで一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○三原委員 それでは、提案されました契約議案、四件とも賛成でございますけれども、関連ということで、日暮里・舎人線の工事の進捗状況についてお伺いをします。
 他の委員の先生方には恐縮なんですけれども、超党派の促進議連の会長を私が仰せつかっているものですから、お許しをいただいて若干質問をさせていただきます。
 まず、提案されました契約議案のうち三本が下部工事でございますけれども、この下部工事の三本の契約を踏まえてお話を聞きたいんですが、まず、現時点での工事の進捗状況、そして、この三本の下部工事の契約で全部、日暮里から見沼代親水公園、仮名称の駅ですが、そこまでの工事が着手できるのかどうか、そこをまずお伺いいたします。

○阿部道路計画担当部長 進捗状況でございますけれども、平成十五年九月末現在の進捗状況、これは、支柱などの下部工事は八〇%、けたの製作、架設工事は四七%、これが完成または施工中となっております。
 本案件の契約によりまして、下部工事については九五%の進捗となります。残る五%は日暮里駅付近などの工事で、今年度内に発注をいたします。したがって、下部工事の進捗は今年度内に一〇〇%となります。

○三原委員 ありがとうございました。
 今年度内で下部工事は一〇〇%着手できる、こういうことでございますので、ぜひよろしくお願いいたします。特にJRとの関係があると思いますので、十二分に連携がうまくいくように、くれぐれもよろしくお願いいたします。
 そこで、今回の契約案件の現場なども、尾久橋通りで大変交通量が多いところでございますので、なかなか大変だろうと思います。特に夜間工事が中心になっていくんだろうと思いますけれども、かつては、沿道住民のご理解がなかなかいただけなくて、夜間工事の実施できる時間帯が非常に短くて、工事の進捗が難しいのではないかというようなことがございましたが、局の関係者の皆さん、あるいはまた警察関係、さらには沿線住民の皆さんのご理解もいただいてかなり夜間工事がスムーズにできるようになったということで、下部工事がかなり進んだように私は理解をしているんでございますけれども、いずれにしましても、くれぐれも歩行者を初めとする関係住民の皆さんへの安全に十分に配慮して、これからも工事を進めていただきたいと思います。
 今回の契約、四本ありますけれども、これらの工事の見通し、特に最後に残っているんですから、いろいろ事情があって最後になったのではないかと思いますので、この工事の見通しと、それから、特に隅田川にかかる橋のけたが出てまいりますが、これもかなり特殊な難しい工事だと思いますし、非常によく目につくことですので、ちょっと見通しを教えていただければと思います。

○阿部道路計画担当部長 下部工事三件は、日交通量四万台以上の幹線道路である尾久橋通りにおきまして、埋設されている下水道本管などを避けながら橋げただとか駅舎の基礎及び支柱を設置する工事でございます。
 したがって、委員今ご指摘のように夜間作業が中心になるということから、工事内容につきまして沿線住民の方々にきめ細かな説明を行い、理解と協力を得ながら安全管理、工程管理を十分に行ってまいります。
 一方、隅田川を横断する橋梁工事は、尾久橋通りの通行に支障とならないように、橋げたを陸上運搬とせずに隅田川を利用して輸送し、河川からクレーン船による架設を行います。いずれの工事も平成十七年度に完了させる予定でございます。

○三原委員 今難工事のお話が出ましたが、難工事といえば、我々素人が一番大変だろうなと思っているのは、首都高速道路川口線を横断する部分があります。
 首都高速道路川口線は、一口に一日十万台の通行だというようなことを私どもはいっているんですけれども、そういう道路の上を、しかもかなり地上からの高さがありますので、どなたも、この上を通るの、大丈夫と、工事が大丈夫だろうかというような意味と、その後、実際に運用を開始してからえらい高いところを電車が走るという二つの意味で大丈夫という言葉が出るんだろうと思いますけれども、首都高速道路の上を本格的な橋げたを渡して工事をやるというのは余りないと思いますけれども、この難工事、ぜひ無事に乗り切ってもらいたいと思いますが、その辺の見通しを教えてください。

○阿部道路計画担当部長 橋げたの架設工事につきましては、理事今お話しのように、一日の交通量が十万台を超える首都圏の大動脈である首都高速道路のさらに上空にけたをかけるというもので、施工上の制約も多いことから、安全で確実な工法を採用するとともに、施工管理の徹底を図ってまいります。
 採用する工法ですが、道路や鉄道上空での架設工事に実績のある送り出し工法という工法でございまして、これは、既設のけたの上から新しいけたを組み立ててゆっくりと静かに送り出していく、そしてかける、こういう工法でございます。これまで、首都高速道路公団、警視庁など、関係機関と工事の実施につきまして綿密な調整を行ってきております。
 けたの架設につきましては、安全確保に配慮いたしまして、来年四月に、通行車両に影響の少ない深夜から早朝にかけて通行どめを行って実施する予定でございます。工事の実施に当たりましては、通行どめを行うために事前のPRを確実に行うとともに、安全の確保には万全を期してまいります。

○三原委員 通行どめをするというのは今初めて聞いたんですけれども、首都高を夜間とはいえ通行どめするという例はなかなか、首都高そのものの補修工事とかいうなら別ですけれども、全然別な工事ですから、これはもう大変なことだろうと思います。しかし、それをぜひ万全の体制を整えてやっていただきたい。万全の体制を整えても、この間の中央線のようなトラブルがあるわけですから、ぜひひとつお願いをいたします。
 また、私どもも、地元の皆さんにも、それだけ最新技術を使ってやる工事だということを積極的にPRもしてみたいなと今お話を聞きながら思いました。きっと沿線住民も関心を持つだろう、こう思います。
 ぜひ安全に工事を進めていただきたいと思いますが、いよいよ日限も、つまり十九年度開業という日限も迫ってまいりまして、ここでより一層安全な工事を進めてもらいたい、こう思います。
 といいますのは、大分前ですけれども、そして、建・住委も視察に行きましたが、広島市の新交通システムは、工事の途中でけたをかけるときに落としてしまいまして大事故になりまして、多分、ああいう事故があれば、安全体制を確立するために三カ月とか六カ月とかは完全に事業がとまってしまうだろうと予測されます。
 そういうことがありますと、十九年度開業という目標は一遍にすっ飛んでしまうわけですから、したがって、これから十二分に安全管理をしながら、かつ事業は着々と進めるということでお願いをしたいと思いますけれども、それで十九年度開業という目標に向かっての下部工事、けた工事、この契約を踏まえて大丈夫でございますでしょうか。もう一度伺います。

○阿部道路計画担当部長 大丈夫でございます。来年度につきましては、けたの製作、架設工事の残りすべてと、引き続き駅舎の工事の発注を予定しております。建設局で整備をいたします支柱、けた、駅舎、いわゆるインフラ部分につきましては、その後の軌道経営者が行う電気設備工事等がございます。これらの工期に配慮いたしまして、おおむね平成十八年度に完成させる予定でございます。平成十九年度の開業に向けまして、関係者一丸となって万全を期して工事を進めてまいります。

○三原委員 ありがとうございました。
 ちょっと関連して、用地買収のことで二点だけ伺いますけれども、七月三日のこの委員会で、十五年度中にこの事業のための工事用の用地は全部確保できる、このように確約をいただいて、作業も進んでいると思います。
 ただ、最近私が、非常に関心がありますので、沿線を調査というほど大げさでもありませんけれども、通らせていただいたり、関係者の方にお話を聞いてみますと、まだ十階建ての建物などが取り壊されていないというのがあるそうでございます。
 したがって、そういう物件がまだあるとすれば、どういう問題があっていまだに解体ができない、更地化できないでいるのか。もしこれに何か支障があれば、工事に大変影響が出ます。ちょっと気になるものですから、高層ビルのまだ現在取り壊されていないところの用地について状況を教えてください。

○矢口用地部長 用地取得にかかわります建物の移転状況でございますが、先生のお話にありましたように、高層ビルがまだ西日暮里地区にございまして、西日暮里地区には三階建て以上の建物が合計十棟ございましたが、これらはすべて契約は済んでございます。そのうち七棟につきましては移転が完了し、更地になってございます。
 現在残っている建物は、西日暮里五丁目の尾久橋通りの西側にございます十階建ての建物が一棟、四階建ての建物が一棟及び三階建ての建物が一棟、合計三棟でございます。これら三棟につきましては、工事の支障とならないよう積極的に今移転を働きかけておりまして、十階建ての建物につきましてはこの十一月中に、残り二棟につきましては来年三月までに解体、更地化の予定でございます。

○三原委員 わかりました。大変心配をしましたのでお尋ねしたんですが、もう一つ、舎人公園に車両基地をつくっていたおかげで、この事業は地下鉄建設株式会社の方の担当ですけれども、その舎人公園の車両基地予定地内と思われるところにまだ民家が残っているんです。ですから、これもちょっと我々素人から見ますと心配だなという気がいたしますが、その辺はどうでしょうか。

○矢口用地部長 車両基地の建設が予定されております地区には、ご指摘いただきましたように移転が完了していない建物が一棟ございます。この建物の権利者は代替の土地を探しておりましたが、なかなか適地が見つからずに契約がおくれてございました。そこで、多くの代替の土地のあっせんなどに努めた結果、移転先の土地が確保できましたので、用地取得の契約を締結したところでございます。
 現在、移転先に住宅を建設中でありますので、公園内に存します建物につきましては、今年度末までに取り壊され、更地になる予定でございます。

○三原委員 わかりました。用地にかかわって、その二点はちょっと心配していましたので、お話を聞かせていただきました。
 今お話を伺って、用地取得もほぼ万全だ、こういうことですし、下部工事についても、九五%この契約で実行できるということです。あとはJRとの、委託といいますか、そういう関係があるんでしょうから、そちらも万全を期していただければ、平成十九年度開業に向けてということは大変着実に進んでいるなという気がいたしました。
 申し上げるまでもなく、石原都知事みずから現場にも出向かれて、これは地域のためにやるしかないだろうというご決断をいただいて事業が進んでいるわけでありまして、予算の面や何かでいろいろ厳しい壁はありますけれども、議員連盟も一生懸命理事者側を応援しているところでございますし、それ以上に、荒川、北、足立区の関係住民が大変--昭和四十八年以来の悲願でありますから、ぜひ都庁挙げて、全力を傾注して予定どおりの開業になるよう、かつて二度も開業予定が延期になって、大変住民が失望されたり、あるいはまた、間に立っている議員が大変つらい思いをしたという経緯もあります。
 しかし、現実には、それ以上に、現場におられる工事関係の職員の皆さん、あるいはまた、請負の仕事をやっている工事人の皆さん方のご苦労、大変なものがあって、今日着実に進んでいるということは十分理解をしておりますので、これからも十九年度開業に向かってぜひ大いに力を発揮していただくよう心からお願いをして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○高島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。

○伊沢委員 ことし、平成十五年の六月に「機能するバランスシート」の結果が発表されまして、その中でこの日暮里・舎人線に関する結果が出されておりますけれども、この線につきましては、インフラ部と合わせますと、平成二十九年度の見込みで累積損失が約二百九十五億円に上るという結果が出ております。
 今後、こういった公共の事業のあり方を採算性という観点から見直す時期に財政難の中で来ていると思いますので、この事業を初め、今後バランスシートの考え方を取り入れていくべきだと考えて、この事業には反対をいたします。

○高島委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、ただいまの意見を含め、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、そのように決定させていただきました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○高島委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百四号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○小磯委員 まず初めに、今回の有料道路の障害者割引のその手続の簡素化、これに至った理由とそれから経緯についてお伺いをしたいと思います。

○須々木道路管理部長 今回の理由と経緯でございますけれども、現在、料金の障害者割引に当たりましては、料金所で割引証の提出及び障害者手帳の提示というものが必要でございます。障害者から手続の簡素化の要望が出されておりました。
 本年七月に全有料道路事業者の連絡会議が開催されまして、障害者の通行時の利便性を図るということで、割引に当たりましては、割引証の提出を廃止しまして、障害者手帳の提示のみでいいとするということで合意が整いましたので、今回の申請に至ったものでございます。

○小磯委員 国の方で、総務省の、いろいろな苦情といいますか、そういった行政相談を受ける機関があって、そこで国交省に対して改善を図るようにあっせんしたというふうにも伺っております。
 その中で、そういう手続面の簡素化、そしてもう一つは、実は、利用できる乗車台数を一台に限定しているのを、何とか介護をする人なんかにも広げてもらいたい、そんな要望もあったようでございますが、今回は手続面での簡素化ということに相なったと思っております。
 今回、東京都に関する部分については、稲城大橋有料道路、それからひよどり山有料道路になるわけでありますが、既にもう障害者割引は始まっているわけでございますので、その実績についてお伺いしたいと思います。

○柿堺道路建設部長 まず、稲城大橋有料道路の十四年度の障害者割引対象者の通行台数でございますが、約二万四千台で、全通行台数の〇・五%に当たります。また、割引料金は通常料金の半額でございまして、推計の割引総額は約二百四十万円でございます。
 また、ひよどり山有料道路については、通行台数は約一千四百台で、全通行台数の〇・一%に当たります。また、その割引総額は約十四万円でございます。

○小磯委員 稲城大橋の方は二万四千台ということで、かなりの方が通行されているんだなという思いがいたしました。今回の手続の簡素化は、今お話ありましたように、全有料道路事業者の合意のもとに行われていると伺っております。
 もう一つ、いわゆるノンストップ自動料金収受システムというんですか、ETCがありますけれども、障害者のドライバーから、ETCを使うと割引が受けられない、障害者の方がETCをやるときは、現在は障害者割引が使えない、そういう不満があるということでございますが、今回、こういう見直しがあって、どのようになるのか、お伺いしたいと思います。

○須々木道路管理部長 今回、議決の内容ではございませんけれども、ETCの関係でございますけれども、現在、障害者の割引に当たりましては、先ほど申し上げましたが、割引証の提出、それから障害者手帳の提示というものが必要でございます。
 その場合に、料金所で一たん停止を求めまして、その上でその内容を確認する必要がございます。ETCを利用した場合にはそのような確認ができないということがありますので、現在、障害者割引は行われていないという状況でございます。
 今回の全有料道路事業者が合意した内容によりますれば、障害者があらかじめETCカードを利用する旨の申請を行いまして必要な手続を行うということによりまして、ETCを利用した際にも割引を受けられるということになるものでございます。

○小磯委員 今のご答弁で、要するに、ETCによる障害者割引が可能になるということでございます。
 ある方の意見として、運転中のハンドル、そしてシフトの操作は比較的楽なんだけれども、高速道のゲートで手帳を示したり割引証を渡す動作にはかなり苦労している障害者も多い、健常者がETCですいすい通り過ぎる脇でハンディを負った人が不自由な動作を強いられるのはおかしい、そんなような声もあるわけで、今回、ETCによる割引が可能になったということで、大変よかったなと思っております。
 ただ、残念ながら、稲城大橋有料道路、それから、ひよどり山有料道路にはETCがないわけでございますけれども、今、国は一生懸命ETCの設置を訴えておりまして、無利子貸付とかいろいろなことを現段階では国も用意しているわけでございまして、バリアフリーの観点からは設置をすべきではないかなと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。

○柿堺道路建設部長 両有料道路についてのETCの導入でございますけれども、委員がご指摘のとおり、料金所の渋滞緩和あるいは環境改善として非常に効果のあるものでございますし、利用者の利便性の向上にもつながるものだというふうに認識をしているところでございます。
 東京都内でございますが、道路四公団のうち、日本道路公団東京管理局西局管内においては、全七十三料金所のうち六十九料金所で既に設置されておりまして、九五%の導入率でございます。また、首都高速道路公団におきましては、百六十二料金所すべてに設置済みでございます。
 そういうことで、私どもも検討しているわけでございますけれども、ETCの導入には多額の費用がかかる、また、大方の地方道路公社は大変経営が厳しいというようなことで、全国の地方道路公社の連絡協議会におきまして、今年度、国土交通省に対しまして、助成制度の創設について国に提言を行っているところでございます。
 今後、その助成制度が実現できるように積極的に努め、財源確保に努めた上で検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○小磯委員 今のご答弁で、国の助成制度を求めておられるということでございますので、国の方からもしっかりとそういう助成制度が実現できるよう我々も頑張って、障害者にとっても大変利便性の高いことでございますので、ぜひ、導入に向けて頑張りたいし、また、ご努力いただきたいと思います。

○小松委員 この提案につきましては、本当に私たちも気がつかなかったんですけれども、もっともっと早くやられれば、障害者はもっと早く簡素化できたのではないかということでは、もちろん大賛成なわけですけれども、今回のこの部分につきましては、ことしの八月五日にも出ておりますけれども、ですから、大分障害者の方々もこういうふうになるよというのは存じているようですけれども、一体いつからやられるということでしょうか。それがここには、同意ということだからでしょうか、どこにも日にちの設定がないということなので……。それと、やられるとすると、そこまでの周知徹底ですね、それをどうされようとしているのか、お伺いします。

○柿堺道路建設部長 まず一点目のご質問のいつから導入かということでございますけれども、東京都道路公社につきましては、現在ご審議をいただいている都議会の同意を得た以降、これは個々にできませんので、全国の有料道路と同時にやるということで、全国一斉に国土交通大臣に許可を受けるという予定でございます。目標といたしましては、今年の十二月一日から実施を予定しております。
 また、周知についてでございますけれども、先ほどからご説明を申し上げていますように、今回の変更につきましては、有料道路事業者の全事業者の合意ということで進められているわけでございますけれども、本年八月五日に一斉にまずプレス発表をしております。また、日本道路公団を含む四公団のホームページにも同様な内容を掲載し、周知が図られているところでございます。
 都といたしましても、今回の議会の議決をいただいて以降、道路公社のホームページにも掲載をさせていただくということと同時に、他の有料道路事業者と連携をしまして、障害者の方々への周知に努めてまいりたいというふうに考えております。

○小松委員 そうすると、周知徹底もそうですけれども、今までの割引証もしばらくはそのまま使えるわけですよね。それの確認と、それから、先ほどのETCでのノンストップ走行時の割引ということでは、東京都はまだこの二つの道路については処理がされていないということですけれども、先ほどのお話では、財源が整ったらこれを処理をしていきたいという方向に考えていいわけですね。
 ということになりますと、全国的にそうなんですけれども、このETC、お金がかかるとおっしゃったんですけれども、障害者の方にもお金がかかるんですね。そういう意味では、ぜひ国に対して、このETC、ノンストップ、いいんだけれども、障害者にとって、たかが一、二万よということにはならないので、ぜひそうした助成制度というか、そういうものを要請してほしいし、もし東京都が踏み切るようでしたら、そのときにはそういうことも検討していただきたいと思いますが、いかがでしょう。

○柿堺道路建設部長 まず、経過措置でございますけれども、現在の割引制度については、来年の五月三十一日まで継続して使用できるということでございます。
 また、障害者の方々がETCの設備をつけるということについては、ご質問の観点はよくわかるわけでございますが、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

○高島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○高島委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○新井参事 JR中央線連続立体交差事業に伴う仮線路切りかえ工事についてご説明申し上げます。
 JR中央線連続立体交差事業は、多摩地域の道路渋滞の緩和や沿線まちづくりの促進など、都民の期待の高い事業でありますが、事業の第一段階として、九月二十七日の夕方から上り線の仮線への切りかえ工事を実施しましたところ、分岐器のふぐあいにより、予定していた電車の運転再開が大幅におくれ、都民の足の確保に混乱を生じました。
 工事は、JR東日本株式会社が実施したものでありますが、事業者として大変遺憾と考えており、都民に大きな迷惑をかけたことを深くおわびいたします。
 高島委員長を初め委員の皆様には、多大なご心配をおかけいたしましたことを重ねておわびいたします。
 お手元に本件についての説明資料を配布しておりますので、説明にあわせてごらんください。
 一ページをお開きください。仮線路切りかえ工事の概要につきましてご説明いたします。
 本工事は、JR中央線の在来線路の北側に仮線路を設けて鉄道の立体化を図る工事方式で、JR東日本株式会社が施工をしております。九月二十七日の土曜日の夕方から、三鷹駅から国分寺駅間の約六キロにわたり、仮線の切りかえ工事を行ったものでございます。
 この概要図面は二ページにお示ししてございますので、二ページをお開きください。右側に三鷹駅、左側が立川駅となっております。この図面の右上に赤い文字で表示してございますが、今回の仮上り線路切りかえ工事区間、約六・二キロでございます。
 続きまして、三ページをお開きください。こちらには切りかえ手順が示してございます。手順ごとに〔1〕から〔4〕までを順次切りかえてまいります。今回、図面左側に赤い矢印で〔1〕と記してございますように、在来線上りを、あらかじめ設置しました仮線上りに切りかえたものでございます。
 続きまして、四ページをお開きください。こちらには、仮上り線切りかえの線路略図を示してございます。
 図面ではポイントと書いてございますが、分岐器のふぐあい等により、予定しておりました電車の運転再開が大幅におくれたものでございます。この図面により、おくれた原因をご説明いたします。
 第一の原因は、図面右側に(A)と示しております武蔵小金井電車区付近におきまして、二十八日の午前三時二十五分に分岐器が正常に作動しなかったものでございます。
 第二の原因は、電車区付近の分岐器のふぐあいの対策を行い、八時二十六分に試運転列車を走らせましたところ、図面右側に書いてございますが、(B)と示しております箇所の分岐器に新たなふぐあいが発見されました。
 第三の原因は、これら分岐器及び信号系統の点検に大変な時間を要したため、運転再開がおくれたものでございます。
 いずれも、二十八日終電終了後の調査により、ふぐあいの原因は分岐器の配線ミスと判明いたしました。
 なお、図面左下に示してございます事故の経過につきましては、後ほどご参照ください。
 それでは、恐れ入りますが、再度一ページをお開きください。中段の3、利用者への影響ですが、第一に、運転再開時間につきましては、当初七時開通の予定でありましたが、下り線が十三時十二分、上り線が十三時五十二分と約七時間おくれたものでございます。
 第二に、運休による影響人員でございますが、二十八日の工事のおくれに伴う影響が約十八万人でございました。
 第三に、運休時間につきましては、当初の計画といたしまして、二十七日十六時十分から二十八日七時までとしており、その影響時間は十四時間五十分で見込んでおりましたところ、実際には、工事がおくれたため、二十七日十六時十分から二十八日十三時五十二分となり、その影響時間は二十一時間四十二分となりました。
 第四に、このおくれによる列車の運休本数は全部で二百三十四本でございます。そのうち特急列車は二十四本でございました。
 次に、運転再開のおくれに対するJR東日本株式会社の対応につきましては、四度にわたりプレス発表をしております。午前七時十分に、JR東日本株式会社の八王子支社の広報から、第一回目のプレス発表として、東京から高尾間上下線での運転見合わせを、七時四十六分に第二回目として、東京から三鷹間及び立川から高尾間での折り返し運転と、三鷹から国分寺間でのバス代行輸送の実施をお知らせしたところです。
 その後、二度にわたり、工事のおくれた原因や、運転再開の見込みをお知らせいたしました。
 また、二十八日十四時より、JR東日本株式会社は、本社において、仮線路切りかえ工事の復旧のおくれについて記者会見を実施いたしました。
 バスによる代行運転は、当初、七時までの運行を計画しておりましたが、三鷹から国分寺間につきましては、九時十五分まで延長いたしました。
 その後、さらなる運行の延長を検討していたところ、バスの運行を担当していた京王電鉄バス株式会社から、これ以上の延長は困難であるとの申し出があり、西武バス株式会社にも急遽協力依頼を行ったところ、早朝からの運行台数に見合う車両を確保することが困難でありました。
 さらなる混乱を避けるため、やむなく代行運転を打ち切り、振りかえ輸送のみの対応といたしました。そのため、都民の足の確保に混乱が起きました。
 最後になりますが、都の対応といたしまして、JR東日本株式会社に対し、再発防止策を早急に講ずるよう指示したところでありますが、今後、関係者でさらに詳しく原因究明を進めてまいります。
 また、本件により、JR中央線の連続立体交差事業がおくれることのないようJR東日本株式会社を指導するとともに、地元住民及び関係機関の理解と協力を得て、事業の推進に万全を期していく所存でございます。
 以上をもちまして報告を終わらせていただきます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 ただいまの報告に対して何か質問等がございましたら発言を願います。

○星野委員 急に質問をすることになりましたので、お答えになる方も何が出てくるかわからないので戸惑っているかもわかりませんけれども、お答えのできる範囲で結構です。技術的な問題はJRの方ですから、質問に含みません。基本的なことをお伺いしたいと思います。
 三鷹-立川間の複々線事業ですか、これは大分前からいろいろな要望が出ておりました。私が審議会をやっていたころですから、二十年、もっと前からですか、多摩地域では待望の事業ですから、やっと動き出して、これはという希望を持っていたところ、残念な事故でございました。
 これは事故ですから、予期せぬこととは申すものの、やはりこの影響の大きさということを考えたときに、私どもはここで、いろいろな視点からこの事故を改めて検証する必要があるし、今後の対応についても検討しておく必要があるのではないかと思います。
 簡単な基本的な質問でございますけれども、まず、東京都とJRとの両者の関係というか権能というかすみ分けというか、担当している部分を改めて聞きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○新井参事 JR中央線連続立体交差事業は、三鷹駅から立川駅間の約十三キロにわたって十八カ所の踏切を除却し、幹線道路の渋滞や地域分断の解消等を実現するために行う都市計画事業でありまして、東京都が事業者としてJR東日本との間で施工協定を締結して事業を進めております。
 協定では、両者の基本的な役割分担を定めて、都は、用地の取得などを行うとともに、事業全体の進行管理や事業に関する都民への説明などを行っております。一方、JR東日本は、電車の運行の安全性を担保しつつ工事を施工する必要があるため、今回の仮線路新設を含む鉄道施設全体の工事を実施してございます。

○星野委員 そこで、今回の工事に伴いまして、JR側とどういう打ち合わせを行ってきたのか、そして東京都側としては、この工事に対してどういう体制をつくっていたのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

○新井参事 JR中央線は平成七年に事業認可をいただきまして、それ以降ずっと協議を重ねてきております。今回の仮線につきましても、十分な打ち合わせをして、事前のPR等をしながら、施工方法等について協議といいますか調整というか、相談を受けてきております。
 私どもについては、今回の体制につきましては、工事の着手時からJR東日本が設置しました現地対策本部に私を含む当局職員が控え、情報の把握に努めてきております。また、緊急事態に備え、あらかじめ緊急連絡がとれる体制を整えておりました。
 工事完了予定時刻である七時以降、大幅な遅延が予想されたため、この時点で直ちに、東京都技監ほか局幹部に報告を行うとともに、本庁に道路監を長とする対策本部を設置し、現地との連絡体制を整えております。また、知事、副知事、危機管理の所管局でもある総務局長にも適宜、状況を報告しております。

○星野委員 今回の事故で、JR側はお聞きしませんけれども、東京都側としての、この事件に対する損害というか損失、そしてどういう影響があったのか、これからもあるのか、そういった点についてお尋ねいたします。

○新井参事 東京都の損害というお話がございました。それについては、現時点では把握できておりません。あるとすれば、事業の延伸によるいろいろな工事の作業の費用とか、また代行運転の延長とか、そういうものが、東京都の損害といいますか、事業費がふえた、増強する、そういう意味になるかと思います。

○星野委員 そうすると、今回の事故で、代行のバスとか何か、それは東京都が持つということなんですか。私はそんなふうに理解してなかったんですけれども、これによる損害は、私はJRにあるのかなと思っていましたけれども、その辺、もう少しはっきりお願いします。

○新井参事 大変失礼しました。損害については、あくまでもJRのミスですので、JR側に請求をしていきたいというふうに思っております。
 二点目は……。

○星野委員 影響については答えがなかったけれども、いいですよ。
 最後にします。当然こういう事故がありますから、今後の対策だとか反省とか対応ですね、今後、何回かこういう工事があそこには伴うわけですから、これをいい機会に、どういう体制をもって当たっていくのかお聞かせいただきまして、それで終わりにします。

○小峰東京都技監 新井参事の答弁にもございましたけれども、現地では、JR東の現地対策本部の中に、新井参事ほか担当の職員が入っておりました。切りかえ工事が順調に進まないということで、運転再開がおくれそうだという連絡がございまして、本庁所管部の柿堺道建部長ともども現地に参りました。
 工事現場や駅の改札の状況など、また列車の運行が再開されましたことを確認いたしまして、現場を離れたわけでございます。
 先ほどの答弁にもありましたけれども、工事はJR東日本が実施したものでございますが、連立事業の事業者といたしまして、都民に大変なご迷惑をおかけしましたことについては、非常に遺憾に思っております。
 今、副委員長からありましたが、これからも、実は規模はあれほど大きくはないんですが、東西の区間で七回切りかえが行われます。そんなこともございまして、午前中でございますが、JR東日本の責任者に対しまして、このような事故が再発することがないよう指示をいたしました。
 今後、今回の事態につきまして、関係住民や関係機関に十分説明をいたしまして、信頼を回復するという意味で、また理解と協力を得まして、平成二十年度の高架化完成を目指しまして、事業の推進に万全を期してまいります。

○小磯委員 今回の中央線の事故につきましては、これからの一番の課題としては、迷惑を受ける東京都民の皆さんに、どれだけ情報をしっかりときちっとお伝えしていくかということが大事ではないかなという思いがいたします。
 JRとしては、どういう振りかえ輸送がありますよという、こういうお知らせのチラシなんかも、ずっとこの六月ぐらいから配布をしていたということで、万全の体制のつもりであったわけですけれども、こういうミスがあったということでございます。
 そういう観点で幾つか質問をさせていただきます。
 まず、東京都は、今回の事故についてどのような調査をしておられるのか、そしてまた、どのような観点で調査をしているのか、お伺いをいたします。

○新井参事 今回の事故に対して、JR東日本では、社内に常務をトップに原因究明のための組織をつくるとともに、原因究明、工事管理体制の見直し、再発防止等の確立を検討してございます。
 都としては、検討結果の報告を適宜求めるとともに、検討結果の都民への説明などを指示したところでございます。下り線の切りかえ工事など、今後同様の工事を安全かつ確実に施工する際の教訓とする観点から調査を指示してございます。

○小磯委員 先ほど技監からもお話あったわけでございますけれども、東京都はJRから、いつ、どこに、どのような報告が入ったのか、ちょっと詳しくお伺いしたいと思います。
 それからまた、東京都技監並びに石原都知事には何時に報告が入ったのかをお伺いしたいと思います。

○新井参事 JRからの情報につきましては、現地本部にいた私の方に逐次報告が入ってきております。
 主な点だけをお話ししますと、二十八日、先ほども説明しましたように、三時二十五分ころ、信号工事でトラブルが発生したというような情報、六時には、工事の遅延による始発電車の遅延、八時四十五分には、本町踏切付近の分岐器の故障等々の報告がございました。
 東京都技監には、二十八日六時五十九分に、電話で始発列車の遅延の情報を伝えてございます。都知事には九時十五分に連絡をしてございます。

○小磯委員 今のご答弁によりますと、六時ごろには、工事の遅延による始発電車の遅延があるというようなことが、東京都の方にJRから情報が入っているわけですけれども、これはあくまでも新聞情報でございますけれども、朝の六時ぐらいのニュースでは、やはり予定どおり七時から運転が再開、このようにテレビ、ラジオで流れていたと。だから、朝六時の時点で、あ、きょう大丈夫だなと思って出てきたら、実はそうじゃなかった、そんなようなことであったようでございます。
 そういう意味で、今回の、テレビ、ラジオでどのような情報を流すのかというのがすごく大事でありますし、その辺のチェックというものをしっかりと東京都もJRの方にすべきであると思いますが、いかがでしょうか。

○新井参事 運転再開のおくれに対するJR東日本の対応につきましては、四度にわたりプレス発表をしております。午前七時十分にJR東日本の八王子支社の広報から第一回目のプレス発表として、東京から高尾間上下線での運転見合わせ、七時四十六分に第二回目として、東京から三鷹間、立川から高尾間での折り返し運転と、三鷹から国分寺間でのバス代行輸送のお知らせをしてございます。その後、二度にわたり、工事のおくれた原因や運転再開の見込みをお知らせいたしております。

○小磯委員 JRのホームページを見ますと、三十分のおくれが生じた場合、情報を流すことにしますというふうにJR東日本のホームページにはあるわけですけれども、当日はどうであったか、お伺いをしたいと思います。

○新井参事 今回の発表につきましては、ホームページではなく、運転再開の見通しが立たないことが明らかになったことで、第一報として七時十分に、工事の影響による運転見合わせのプレス発表を行っております。

○小磯委員 ということは、要するに、プレスではやったけれども、ホームページではやっていなかったということだと思います。そういうことでいいですよね。やはり今、こういうITの時代ですから、ホームページとか、また携帯電話による文字情報サービス、これはもう当然行われなければいけないんじゃないかなと思います。そういった意味で、都としてはJRの方に、こういうIT活用の情報提供、これについてはしっかりと指示をしていただきたい、こういうふうに思っています。
 それともう一つ、利用者から電話による問い合わせがなかなかつながらなかったとか、また、駅で待っている人に情報が入らなかったというのも、いろいろ新聞等に出ておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○新井参事 先ほど委員がお示ししましたそのパンフレットには、九時からというふうに書いてございます。切りかえ当日は、九時から二十八日五時、次の日の五時まで、深夜にかけて電話による対応ができるような体制を継続してございます。また、駅で待っている方たちの情報ということ、これについては、田端の東京総合指令室から四回にわたり、テロップや構内放送による駅への情報提供を行っております。

○小磯委員 今回の大きなところは、やはり情報の提供についての迅速な対応ということであろうかと思っております。
 それともう一つ、新聞報道等でいわれているのは、JR東日本始まって以来の大規模工事である、これぐらいの大規模工事であれば、リハーサルをやるべきであった、こんなようなことが各紙に出ているわけでございますけれども、これからあと七回の工事が残っているわけであります。そういった意味で、リハーサル等についての指示もすべきではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。

○新井参事 リハーサルの件につきましては、今回の工事につきましては、工事箇所ごとに何度も打ち合わせを重ねてきて、全体のリハーサルを行わなくても、計画どおり施工できるという判断でJRは工事を実施したものでございます。
 今後の対応につきまして、リハーサルを実施すべきというお話ですが、現在、常務を筆頭とする調査グループで原因究明をしております。その結果をもって再発防止策を樹立するわけですので、そのときに結果が出るのではないかというふうに思っております。

○花輪委員 今回のこの事故というのは、中央線を利用されている方々ばかりではなくて、今、立体事業をしているほかの地域、ほかの路線、例えば私の世田谷なんかでいえば、小田急線は今、立体化を進めているわけですが、そういうところの方々にもいたずらに不安をあおるような、また不安になるような、そんな事故だと思います。
 ですから、今回の事故で、もともと、分岐器ですか、こういう物が悪かったのか、それとも設計そのもののミスだったのか、または人為的なミスだったのか、また、JRにさまざまなこれまでの準備の段階でどこか足らないところはなかったのか、また、事業者である東京都の中で何かできることはなかったのか、ぜひ、そのあたりをしっかりともう一度精査をしていただいて、事故再発の防止に努めていただきたいと思うわけですが、まずはその原因の究明が一つと、あとは責任の所在というものが一つと、もっとしっかりとしたペナルティーですね、設計にミスがあるのか、JRにミスがあるのかわかりませんけれども、そのあたりをしっかりとすることが再発防止につながると思います。
 一つだけお伺いしたいんですが、5の都の対応というところで、最初の文章で、JR東日本に対して再発防止策を早急に講じるよう指示したところであるが、今後、関係者でさらに詳しく原因究明を進めていくとあります。今後、関係者でさらに詳しく原因究明をというふうに書いてありますが、ここの関係者でさらに詳しくの部分には、都のかかわりというのは具体的にどのような形で行われるのか、ご説明ください。

○新井参事 先ほども答弁したように、JR東日本では、常務を筆頭とする原因究明のチームを編成しております。その方々が、検討結果を出し、再発防止をするという協議、打ち合わせをしております。
 その結果について、適宜、状況について報告をもらうとともに、それについて意見を述べていくということでございます。

○花輪委員 ということは、事故を起こした張本人のJRに調査はお任せをして、報告を受けるのが東京都の仕事ということでよろしいんですか。

○新井参事 鉄道の連続立体交差事業につきましては、工事については、電車を走らせながら安全運転をするということで、施工協定によりまして、工事全体を鉄道事業者に委託といいますか、施工協定でJR東日本に工事をしてもらっております。
 そういう意味で、技術的にも、鉄道事業者の鉄道事業、軌道とか配線とかいろいろな件がありますので、JRの中の専門家で調査をしていただくということでございます。

○花輪委員 東京都には専門家はいないんですか。

○新井参事 私ども東京都は、交通局等で地下鉄工事もやっておりますし、そういうことで、東京都に技術者はいないのかということであれば、いると思います。
 しかしながら、今回の鉄道の連続立体交差事業につきましては、協定に基づいて役割分担をしておりますので、この役割に基づいてお願いをしているということでございます。

○花輪委員 協定に基づいてということで、じゃあ調査はJR任せだということでよろしいわけですね。

○新井参事 先ほどもお話ししましたように、JRに工事そのものをお願いしております。やはりJRの技術、これは昔、国鉄からずっと来ておりまして、かなり技術が高いというふうに考えております。ただ、今回の事故につきましては、単純な配線ミス、人為的なミスというような調査結果が出ております。
 そういう意味で、これについては、そのミスがどうやって起きたのか、そういうようなところを究明するのが主であるというふうに思いますので、私どもも、調査結果に基づいて、それらについて意見を述べていくということでございます。

○花輪委員 単純なミスだからJRにあとはお任せするということでわかりましたが、やはりもうちょっと積極的に主体的に、受動的ではなくして、これだけの大きな事故で、東京都もほかに立体化事業をこれからまだ進めているところがあるわけですから、私はもうちょっと積極的に考えていった方がいいと思いますよ。

○柿堺道路建設部長 ただいま新井担当参事の方は、いわゆるもちはもち屋といういい方で、専門性という意味で、JRの専門性は、我々も信じながら施工協定を結んできたということについて申し上げました。
 そういうことで、当然に第一義的な原因究明、それはJRがすべきだろうと。まだ我々はそれの結果を待っている段階でございますし、専門性と同時に、やはりこの件については、これだけ多くの都民に影響を及ぼしたということもございますので、その検討結果が、都民理解をどのような形で受け入れられるのかという観点もまた重要なんだろうと思います。
 そういうことで、出てきた結果について、そういう都民から見た報告の受けとめ方みたいなものを含めて、先ほどいいましたように、東京都として、建設局にはなくても総体とすればいろいろ技術があるわけでございますので、それが出てきた段階で受けとめて、改めて検討させていただきたいというふうに思っています。

○新井委員 同じ名前で新井と新井なんですけれども、混乱が生じないように……。
 私の方も、今の花輪理事の方からのご質問なんですけれども、関係者、JRでつくられる究明の委員会ですね、せめてオブザーバーとしてでも参加をして、逐次状況を把握をしながら東京都の方でも対応するというふうにしていただきたいと一つお願いをしておきます。
 それから、重複しない範囲で二つお伺いしたいんですが、バスによる代行運転なんですけれども、これはJRの方の対応で京王バスに頼んでいたと思うんですけれども、例えば、都民に対する影響を最小限に抑えるという意味では、ここで東京都がどのような役割を果たしたのかということをちょっとお伺いしたいと思います。
 西武バスの方に頼んだけれども、急なことなのでだめだったということなんですけれども、都バスでの対応というのはお考えになられたんでしょうか。

○新井参事 バスの代行運転につきましては京王バスに頼んでおりまして、二十七日は百三十五台、二十八日は八十五台という代行バスを頼んでおりました。それらは、京王バスの運転手さんが、七時から二時間十五分延長しました。ローテーションを組んでバスを運転しておりましたので、労働規則ですか、労働時間、連続して運転してはいけない、そういうことから、既に限界に達している、そういうことで京王バスの方からは申し出がありまして、これはやむを得ないというふうに判断をしております。
 私ども、現地におりまして、もう七時過ぎのときから、代行をやめることはまかりならぬということで、JRの方に申し入れをしております。それで急遽西武バスにお願いをしましたけれども、何せ八十五台で運転したところに所要の台数は集まらないというような状況で、やむを得ず代行運転をやめたということで、東京都としても、当時、現場の方で強く申し入れをしましたけれども、残念なことにこういう結果になってしまったということです。

○新井委員 都バスでの対応は……。

○新井参事 都バスにつきましては、路線バスとかそういう系統にありません。そうすると、バスの運転手さんが経路もわからないし、あと、路線の認可もありますので、そういう意味で、都バスに対しては依頼ができないというような状況になっております。

○新井委員 本当は多摩の地域に都バスの路線がないということもちょっと問題かなというふうに思うわけなんですけれども、事情はわかりました。
 それからもう一つ、今後の対応なんですけれども、先ほどの東京都の担当ということで、都民への説明というのは東京都の担当であるというふうにお話があったんですけれども、こういったことに対して、十分JRの方に説明をするように指示をしたというお話がありましたけれども、東京都として何か都民への周知の対応とか、今後原因が究明されてきたときの説明とかというものを独自に行うことは考えていらっしゃいませんか。

○新井参事 今回の事業につきましても、事前のPR等については、東京都もお金を出して意見を述べてPRをしてきたところでございます。
 事故については、今回、JRの方で報告をしてございますが、私ども道路建設部としても、ホームページ等を通じて、それらについて掲載をしていきたいというふうに思っています。

○伊沢委員 JRの今回の事故について何点かお尋ねしたいと思いますけれども、まず最初に、今回のこの事業は、都が事業者ということで、先ほどから役割分担という言葉が出てきておりまして、東京都は用地取得、進行管理、都民への説明、JRは鉄道工事というふうにさっきお答えになったかと思いますけれども、JRに対してこの工事を委託しているという立場でよろしいんでしょうか。

○新井参事 この工事は、国から事業採択を受けまして--私ども、国の事業採択を受ける事業者の立場でございまして、JRとの間は、施工協定を結びまして、その役割分担で、甲と乙の仕事を分けて決めている、そういうことですので、施工協定に基づいてJRに工事をお願いしている、協定に基づいて実施しているということでございます。

○伊沢委員 今、委託という言葉は使われなかったんですけれども、基本的には委託をしている、一般的には委託をしているというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○新井参事 鉄道の連続立体交差事業につきましては、これは道路整備の一環として行っております。道路整備をするときは、家屋等があると用地買収をして道路をつくっていきます。
 今回の場合は、道路をつくっていくときに、そこに踏切がある、その踏切を除却するために、それを補償してあげる。それで、この事業については、JRに対して機能補償的な役割を持っておりまして、相手の財産に対して東京都が負担をしている、そういう考え方でございます。委託という考え方ではございません。

○伊沢委員 よくわからないんですけれども、全然今のはわかりません、私の頭では。
 結局、都の方からの説明を、私も最初受けたんですけれども、説明の仕方を聞いていますと、とても人ごとみたいに聞こえたんですよね。それは私のあくまで印象の話ですけれども、やはりこれは事業主体が東京都なわけですから、手を下したのはJRかもしれませんけれども、やはり東京都がこのことに対して、例えばこういう事故が起きた場合、非常に責任が問われるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○新井参事 あくまでも鉄道の連続立体交差事業は、大変都民の要望の強い連続立体交差事業でありまして、事業者として東京都は位置づけられておりまして、現在、私ども、八路線十カ所で事業を行っております。あくまでも事業主体は東京都ということで、現在、事業を行っております。

○伊沢委員 ということは、やはり今回起こった事故についても、当然、東京都が事業主体として責任を問われる立場になるんだと私は思います。
 役割分担ということは、それは協定上はあるかもしれませんけれども、その工事、非常に大きなものでしたけれども、今後もまだ、工事が始まったばかりということで、それに対して、やはり東京都が、役割分担という立場ではなくして、全面的にこのことに対して責任を負っていくべき立場にあると思います。ですから、役割分担という位置づけは、協定上はそういうふうになっているかもしれませんけれども、責任上はそうではないと思いますけれども、いかがでしょうか。

○新井参事 先ほどもお答えしましたけれども、施工協定で役割分担は決まっておりまして、工事については全責任を持ってJRが実施をする、そういうような役割分担を持っておりまして、一義的には、今回のミスについてはJRにあるというふうに私どもは考えております。当然に東京都も事業者として重く受けとめております。

○伊沢委員 ただ、今回事故が既に起こってしまったわけで、今後、完成までに二度と事故が起こらないというためには、やはり今みたいなJRとの関係では、同じことが起こるということが既に予測されていると思います。
 例えば、新聞紙上で発表されているだけでも、いろいろなことがいわれておりまして、先ほども指摘がありましたけれども、例えば、リハーサルが、品川駅の新幹線を延長する工事ではなされていた。JR東海ではやっているのに、今回のでは、現場でのシミュレーションというのが行われていないということを指摘されているということですとか、もっとすごいことは、例えば、JR東日本の現場に詰めていた人は、対策本部のトップは部長の下の次長クラスとかという人で、なぜもっと責任ある人がこの現場に詰めていないのかとか、新聞記事ですけれども、これを読んだだけでも、とても不安になるような状態で工事が進んでいたのではないかというふうに結果的にはなると思うんですけれども、こういったことに対して、今後、東京都がこういうことを二度とないようにしていくためには、今までと同じ対応ではとても対応ができないと私は思います。
 JRには原因究明チームがつくられ、それの報告を受け、意見を述べるということですが、国交省では、きのう二十九日にJRに対して説明を求めたというふうな記事がありましたが、東京都がJRに対して説明を求めたのはいつでしょうか。

○新井参事 当然に事故の原因等については、私ども現地におりまして、配線ミスとかそういうことを現場の中では話をしておりますが、正式に東京都として聞いたのは、きょうです。そして、きょう、配線ミスに至った事故の原因の解明とか、再発防止に向けたチェック体制や工事管理体制の充実などを図る、そういうようなことを指示しております。

○伊沢委員 国交省がきのうで、都がきょうということですけれども、本来だったら、事業者である東京都が真っ先に、きのうの段階でもう求めていなければならないのではないかというふうに思います。
 既に今の段階でそういうことがいえますし、今後もやはり、さっき、適宜説明を求め、意見を述べていくというふうなことがありましたけれども、適宜という程度ではなくて、こちらから説明を求めていくというような立場ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○新井参事 JRからの報告につきましては、今、きょうあったというのは、都技監のところに説明があったということでございまして、私ども、特命担当参事という特別な特命を受けておりまして、それについては常に情報交換をして、共同の事業者という形で対処しております。

○伊沢委員 いずれにしましても、やはり責任体制ということが一番問題かと思いますけれども、東京都も、まさに当事者といいますか、この事業の遂行者であって、JRが工事を行ったかもしれないけれども、まさに主体者として全体に対して責任を持っていくという立場であることを、もう一回確認をしたいんですけれども、よろしくお願いいたします。

○新井参事 責任につきましては、先ほどもお話ししましたように、JR東日本の方に工事をお任せしていますので、それについては、一義的にJRにあるということで、JRの社長も昨日、工事のミスでということで謝罪をしております。
 そういう意味で、私どもとしては、先ほどもご説明しましたけれども、事業者として遺憾に思っているということで、JRに対しては厳しく指導、指示をしていくということでございます。

○高島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十七分散会

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