建設・住宅委員会速記録第八号

平成十五年九月十七日(水曜日)
第九委員会室
午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長高島なおき君
副委員長星野 篤功君
副委員長木内 良明君
理事新井美沙子君
理事花輪ともふみ君
理事三原 將嗣君
伊沢けい子君
小磯 善彦君
吉原  修君
臼井  孝君
小松 恭子君
高橋かずみ君
土屋たかゆき君
池田 梅夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
住宅局局長高橋  功君
技監小林 崇男君
総務部長梶原 康二君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
連絡調整担当部長加藤 英夫君
地域住宅部長小林 計代君
区市町村調整担当部長高岡 信也君
民間住宅部長安藤  明君
参事山室 善博君
住宅経営部長青木 治道君
営繕担当部長渡部 景之君
参事石井 一夫君
参事庄司 静夫君
参事神通 和夫君
建設局東京都技監建設局長兼務小峰 良介君
次長上條 弘人君
道路監岩永  勉君
理事杉浦  浩君
総務部長町   格君
用地部長矢口 貴行君
道路管理部長須々木亘平君
道路建設部長柿堺  至君
公園緑地部長住吉 泰男君
河川部長鈴木  進君
市街地整備部長石井 恒利君
多摩ニュータウン事業部長高西 新子君
企画担当部長田中  亨君
総合調整担当部長熊谷  清君
道路保全担当部長依田 俊治君
道路計画担当部長阿部  博君
調整担当部長内海 正彰君
多摩ニュータウン事業技術担当部長野村 孝雄君
販売企画担当部長友繁 佳明君
参事新井 敏男君
参事島  博文君

本日の会議に付した事件
 建設局関係
  第三回定例会提出予定案件について(説明)
  ・日暮里・舎人線下部工事(その二十四)請負契約
  ・日暮里・舎人線下部工事(その二十五)請負契約
  ・日暮里・舎人線下部工事(その二十六)請負契約
  ・日暮里・舎人線隅田川横断橋りょう鋼けた製作・架設工事請負契約
  ・東京都道路公社が行う第二多摩川原橋有料道路事業及び八王子中央有料道路事業の変更に対する同意について
  請願陳情の審査
  (1)一五第一八号 足立区六町地区土地区画整理事業に関する請願
  (2)一五第二〇号 都立小金井公園へのドッグラン施設の設置に関する陳情
  (3)一五第二四号 都道補助一三三号線千川通り-新青梅街道間の早期着工に関する陳情
 住宅局関係
  第三回定例会提出予定案件について(説明)
  ・道路築造工事妨害禁止等の請求に関する民事訴訟の提起について
  ・地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく異議申立てに関する諮問について
  報告事項(説明・質疑)
  ・東京都住宅政策審議会答申について
  陳情の審査
  (1)一五第二八号 都営住宅の管理、運営に対する費用対効果、コスト意識に関する陳情
  (2)一五第二九号 都営住宅管理運営の法令尊重に関する陳情
  (3)一五第三二号 国立市泉二丁目アパート家賃引下げに関する陳情

○高島委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 初めに、第三回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において協議の結果、お手元配布の日程とすることを申し合わせました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局及び住宅局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、住宅局関係の報告事項の聴取並びに建設局及び住宅局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料を要求することにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○小峰東京都技監 第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の建設・住宅委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと思います。
 今定例会でご審議いただきますのは、日暮里・舎人線下部工事(その二十四)を初めとする契約案四件、東京都道路公社が行う第二多摩川原橋有料道路事業及び八王子中央有料道路事業の変更に対する同意についての事件案一件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細な内容につきましては、総務部長よりご説明申し上げます。

○町総務部長 第三回定例会提出予定の案件につきましてご説明申し上げます。
 最初に、当局関係の工事請負契約議案四件につきましてご説明申し上げます。
 いずれも区部北東部における交通の利便性を向上し、放射一一号線、通称尾久橋通りの慢性的な渋滞の緩和を目的に整備する日暮里・舎人線の建設に関連する工事でございます。
 資料1の一ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、日暮里・舎人線下部工事(その二十四)でございます。
 工事場所は足立区江北一丁目地内から同区西新井本町二丁目地内、契約の相手方は大成・東京建設共同企業体、契約金額は十二億八千百万円、工期は平成十七年十月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 二ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、工事延長五百六十五メートル、橋脚十六基を構築するものでございます。橋脚の形状は三ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、四ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、日暮里・舎人線下部工事(その二十五)でございます。
 工事場所は北区田端新町一丁目地内から荒川区東尾久五丁目地内、契約の相手方は奥村・林建設共同企業体、契約金額は十二億六千万円、工期は平成十七年三月十日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 五ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、工事総延長二百六十八メートル、橋脚十基を構築するものでございます。橋脚の形状は六ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、七ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、日暮里・舎人線下部工事(その二十六)でございます。
 工事場所は足立区扇一丁目地内から同区扇三丁目地内、契約の相手方は鹿島・堀真建設共同企業体、契約金額は九億四千二百九十万円、工期は平成十七年十月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 八ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、工事延長三百二メートル、橋脚十基を構築するものでございます。橋脚の形状は九ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、一〇ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、日暮里・舎人線隅田川横断橋りょう鋼けた製作・架設工事でございます。
 工事場所は荒川区東尾久八丁目地内から足立区小台一丁目地内、契約の相手方は株式会社横河ブリッジ、契約金額は十億五千万円、工期は平成十七年五月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 一一ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、橋長二百十八・五メートルの日暮里・舎人線隅田川横断橋梁の鋼けたを製作・架設するものでございます。鋼けたの形状は一二ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、事件案につきましてご説明申し上げます。
 資料2の一ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、東京都道路公社が行う第二多摩川原橋有料道路事業及び八王子中央有料道路事業の変更に対する同意についてでございます。
 この議案は、道路整備特別措置法第七条の十二第四項の規定に基づき、東京都道路公社が国土交通大臣に対し、第二多摩川原橋有料道路事業、これは通称稲城大橋有料道路と申しております、及び八王子中央有料道路事業、これは通称ひよどり山有料道路と申しておりますが、これの変更の許可申請を行うに当たり、同法第七条の十八第一項の規定により、同公社から道路管理者である東京都の同意を求められましたので、これに応ずるため、同条第二項の規定に基づき提案するものでございます。
 今回の変更は、有料道路の料金支払い時における障害者割引手続の簡素化について、全有料道路事業者が合意し、実施するものでございます。
 同意申請の変更内容につきましては、一〇ページの同意申請内容の新旧対照表によりご説明申し上げます。
 現在の手続は、下の旧の規定にありますように、その都度割引証の提出が必要となっており、割引証がなくなる都度、障害者が福祉事務所に行く必要がございます。また、割引証には、氏名及び障害者手帳番号の記載が必要であるほか、割引証の提出にあわせ、障害者手帳の提示が必要となっております。
 今回の改正は、障害者手帳にあらかじめ自動車登録番号などの必要事項の記載の手続が済んでいれば、手帳の提示のみの確認で割引が行えるようにするものでございます。
 今回の改正により、障害者は、福祉事務所に原則として二年に一度、確認のために行くだけで済むこととなるなど、障害者の負担軽減が図られるものでございます。
 なお、今回の変更にかかわる有料道路の位置等につきましては、一一ページの有料道路概要をごらんいただきたいと存じます。
 以上で平成十五年第三回定例会提出予定案件についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきました。

○高島委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、一五第一八号、足立区六町地区土地区画整理事業に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○石井市街地整備部長 お手元に配布してございます請願陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 整理番号1の請願一五第一八号をお開き願います。本件は、足立区六町地区土地区画整理事業に関する請願で、足立区六町町会会長秋山光勇さんから提出されたものでございます。
 要旨は、足立区六町地区土地区画整理事業において、換地設計の変更等の措置で貴重な保存樹を伐採しないでほしいというものでございます。
 現在の状況でございます。東京都市計画事業六町四丁目付近土地区画整理事業は、平成十年三月に道路や公園の位置及び事業費など区画整理の骨格となる事業計画決定を行い、平成十三年二月には換地設計の発表を行っております。
 現在、この換地設計に基づき、平成十七年度の常磐新線開業に向け、駅周辺部の建物移転工事を進めてきており、既に関係者の生活再建が始まっております。
 したがいまして、換地設計の変更による対処は困難でございますが、施行地区内の保存樹の取り扱いにつきましては、土地の交換分合などを手法とする土地区画整理事業の特性から、関係する土地の所有者と調整の上、専門家による当該樹木の生育状況の調査及び地元区との協議を踏まえまして、現地保存や近接地への移植の可能性を検討してまいります。

○高島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。よって、請願一五第一八号は趣旨採択と決定いたしました。

○高島委員長 次に、一五第二〇号、都立小金井公園へのドッグラン施設の設置に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○島参事 整理番号2の陳情一五第二〇号をお開き願います。本件は、都立小金井公園へのドッグラン施設の設置に関する陳情で、小金井市都立小金井公園にドッグラン施設の設置を希望する会代表尾崎庸子さん外千七百十三名の方々から提出されたものでございます。
 要旨は、都立小金井公園にドッグラン施設を設置してほしいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都立公園におけるドッグランの設置は、騒音、臭気等の周辺環境に与える影響が大きく、公園利用における犬の取り扱いについて、住民の十分なコンセンサスが得られていないことから、これまで実施が困難な状況でございました。
 しかし、近年、公園におきまして、犬の放し飼い等の苦情が増大し、新たな対策が必要とされるとともに、犬を自由に遊ばせる場所を求める意見等が寄せられております。そこで、ドッグランの設置が公園利用者と犬との共存及び分離策として有効か否かを検証するため、近隣住民への影響が少ない駒沢オリンピック公園と神代植物公園の二公園でドッグランを仮設置し、社会実験といたしまして、昨年十二月から六カ月間の予定で試行を実施いたしました。
 その後、夏場での利用状況の検証、ドッグラン施設の清掃などさらなる管理レベルの向上及び二公園のドッグラン利用者からの試行延長への強い希望がありましたことから、本年十月末まで試行期間を延長しております。
 このため、ドッグランの設置につきましては、これらの検証結果を踏まえた検討が必要になります。都立小金井公園へのドッグランの設置につきましては、都立公園全体におけるドッグランの考え方を整理した上で判断していきたいと考えております。

○高島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小松委員 ドッグランにつきましては、ことしの一定での陳情審査で論議を交わしておりますから、その到達点の上に立って質疑をしてまいりたいと思います。
 一定のときの陳情は、武蔵国分寺公園、ここにドッグランをということで、千六百四十八人の署名つきでした。今回はお隣の小金井の小金井公園にということで、千七百十三人の署名というように、ドッグランに対する都民のニーズは大変高いと見られます。ドッグランについての経験など都としてはほとんどなかった前回と異なりまして、今回は、駒沢、神代両公園での試行も延長実施をして、既に九カ月を過ぎておりまして、アンケートも実施しているということで、その中間報告もいただいております。
 そこで伺うわけですけれど、私どもに配布されたものは、五月三十日にプレス発表した中間集計でありますが、この時点でも既に、六千人の方々の回答者のうち、犬を飼っていない人も含めて八七%がドッグランを設置すべきと答えておりまして、ドッグランそのものが社会認知されてきたというふうに見てもよいのではないでしょうか。
 そこで、まず第一点、四カ月たちました現時点でのアンケートの結果をお知らせ願いたいと思いますし、現時点での当局のこのアンケートから受けます認識なども伺いたいと思います。

○島参事 アンケートの結果についてですが、平成十四年八月から十五年五月までのインターネットによりますアンケート調査結果では、都立公園に設置すべきが八八%、必要ないが六%ということで、設置すべきというのが高い比率になっております。

○小松委員 私も、その五月三十日の結果はいただいているわけですけれど、今のは現時点で、その後ということのあれですか。

○島参事 その後の結果ということで結構でございます。

○小松委員 そうしますと、この五月三十日の時点とほとんど変わらないというふうに見てもよいかなということになりますと、私、その数字は手にしております。割合として八八%というお答えでしたけれど、この中には犬を飼っていない人も、試行後は、この割合としては七六%ですね。七六%もの犬を飼ってない方々が、このドッグランの必要性を認めているということで、こうした必要性が都民の中に生まれているのではないかと思うわけですが、それでは、両公園の具体的な利用者からのご意見または要望などをお聞かせ願いたいと思います。

○島参事 現在、ドッグランの利用者からの要望ですが、大型犬と小型犬の分離あるいは犬の水飲み場や日よけなどの設置の要望が寄せられているほか、試行の結果、延長しておりますが、ドッグランの存続要望が特に多く寄せられております。

○小松委員 ドッグランの存続要望が非常に多いと。いろいろな細かい要望はあるにしても、とにかく続けてほしいという人が非常に多いということのようですけれど、こうなってきますと、やはり都としても計画的に設置していくべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○島参事 ドッグランの設置につきましては、社会的ニーズの把握でありますとか、施設に関する要望、管理上の問題点などの試行の検証結果を踏まえて、都の考え方を整理していきたいと考えております。

○小松委員 検証結果、要するに試行の集計を踏まえてということでしたけれど、それでは、正式に設置に踏み切るまで、要望の高い両公園の試行を延長できないものでしょうか。

○島参事 両公園につきましては現在試行をしておりまして、その結果を待った上で判断していきたいというふうに考えております。

○小松委員 要望しておきますが、既に今の段階でも利用者はこれを続行してほしいという希望があるということですから、正式に踏み出すのは、きちんと検討して、きちっとその結果に基づいてということで結構だと思うんですが、続けてほしい、ここでぱたっと切らないでほしいということがあるわけですから、ぜひ続けてほしいということをつけ加えておきたいと思います。
 そこで、今度は小金井公園そのものですけれど、この陳情の小金井公園というのは、皆さんもうご存じの方がほとんどだと思うんですけれど、駒沢とか神代とかとまた一つ違う、広い芝生もありまして、私もたまたま近所ですので、よく足を踏み入れるところですが、まあ本当に最近は、犬ですね、ほとんどね。小さいのから大きいのまで、本当によく散歩の場として小金井公園は利用されているだけではなくて、常にたくさんの犬が、一定のところでは、それこそ首輪を、綱を放して自由に遊んでいるという姿も見るのですけれど、こうした小金井公園自体の実態というのをごらんになっていらっしゃいますか。

○島参事 小金井公園におきます一日当たりの実数については、巡回の中で、平均七十頭ぐらいの犬を確認しております。その犬については、特に放し飼い、あるいは、ふんの始末についての苦情が月に一、二件程度、管理所に寄せられております。

○小松委員 先ほど、リードという言葉をど忘れしましたけれど、リードといっているようですよね。外して、そして放すというのは、これはいけないんですよね。いけないんです。ところが、そういうことがやられて、もうそれが当たり前のようになっている。それで、やはり今度は逆にそれがおもしろくない人がいて、思い余ってなのかどうかわかりませんが、過去にも、犬が毒を食べて死んでしまったという、そういう痛ましい事件もあったりするということですから、やはりそれだけ犬が自由に、リードを外しても大丈夫な場所をつくるべきだというふうに思うんですね。
 それで、配布された資料の中に、きれいな写真入りで、スポーツ、遊びといろいろ楽しませてくれる広々公園ですというのがあるわけですけれど、その中に、ナンバー1、2、3、4と、非常に緑の、芝も含めていろいろな草木がありますけれど、草木みたいなところがあるわけですけれど、これを見ますと、どこをとっても、とてもドッグランには適切な場所ではないかと思われるんですね。
 ドッグランを設置することで、他の利用者または近隣への影響、これは、ないというよりは、むしろその方がすみ分けができてかえっていいのではないかというふうに思われますし、ここは駐車場も完備されておりますので、まず初めにするには、他の公園より非常に優位性があるのではないかということで、この小金井公園にぜひ設置してほしいという、小金井公園でドッグランを設置していただきたいというのには、私もちろん賛成ですが、まず一年ぐらいの試行期間というのを、神代とか駒沢に続いてやってみるということはいかがなものなんでしょうか。

○島参事 ドッグランの設置につきましては、今の小金井公園のような公園の規模だけでなく、近隣関係や公園利用者との調整、ボランティアの存在等の検討が必要であります。現在、その試行結果をもとに、都の考え方をまとめておりますので、その上で判断していきたいというふうに考えております。

○小松委員 そのとおりだと思うんですよ。だからこそ小金井での試行をやってほしいといっているわけですけど、いずれにしましても、今、企業がペットブームをあおって、安易に動物を飼う人もふえてるわけですね。特に、散歩を必要とする犬については、マナーの問題も大きな問題になっているわけです。
 そうした中で、何とか正しく犬を飼いたい、自分だけでなく、みんながそうなってほしいんだということで努力をされている、犬を飼われている方々の団体やいろいろなサークルもあるわけですね。この陳情を出された方々も恐らくそういう方々だと思うんです。
 そうした思いの中から、立川でも昭和記念公園にこの五月からドッグランが設置され、大変好評を得ているといわれております。ただし、立川というのは入園料が結構高いですから、連日使用しようとしますと、お金がかかるわけです。立派な施設もいいんですけれど、とにかくフェンスと水飲み場だけでもいい、維持管理者も当事者を中心にボランティア的にやってみてもいい、こうした意見を取り入れながら、どんな犬でも気軽に利用できる施設が求められているのではないでしょうか。
 このことによって、犬も飼い主もストレスをなくし、本当の意味での動物愛護、動物との共生、または今、アニマルセラピーなどといわれておりますが、犬と人間のすばらしい関係が生まれていくのではないかと思われます。
 日本は欧米に比べますと、このドッグラン一つとっても、五十年、百年もおくれているといわれているわけです。今、犬の無法地帯のようになっている小金井公園、しかし環境的には、先ほど申し上げたように非常によいというこの公園で、景観を利用したモデル的なドッグランをぜひ設置してほしいということで--都も、前回からわずか八カ月ぐらいの間に、まるで違うように非常に前進していると思われます。当委員会でも、行政の結論を待つことなく、ぜひ採択をして、そして来年度予算にも反映させるべきだな、そんな思いからこの採択を主張して、質疑を終えます。

○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、本日のところ保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第二〇号は保留といたします。

○高島委員長 次に、一五第二四号、都道補助一三三号線千川通り-新青梅街道間の早期着工に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○柿堺道路建設部長 整理番号3の陳情一五第二四号をお開き願いたいと存じます。
 本件は、都道補助一三三号線、千川通りから新青梅街道間の早期着工に関する陳情で、練馬区在住の渡邉進さん外百三名の方から提出されたものでございます。
 要旨は、より安全な住環境とゆったりと買い物のできる商店街の発展のため、都道補助一三三号線、千川通りから新青梅街道間の早期着工をしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、本路線は、環状第七号線と環状第八号線を補完する地域幹線道路で、区部西部地域における交通渋滞の緩和と、防災性や安全性などの向上に寄与するものでございます。
 陳情箇所は、千川通りから新青梅街道までの延長千八十メートルの区間で、区部における都市計画道路の第二次前期事業化計画に位置づけられております。
 当該区間につきましては、昭和五十九年に事業化に向けた説明会を開催いたしましたが、地域の方々の理解が得られず、事業に着手できなかった経緯がございます。
 一方、当該区間の北側、千川通りから目白通りまでの延長四百十五メートルの区間については現在事業中でございまして、平成十六年度に完成する予定でございます。これに続く当該区間の整備により、中村橋駅周辺の交通渋滞が緩和されるとともに、現中杉通りから通過交通が排除され、歩行者等の安全性の向上や商店街の活性化につながるものと考えております。
 このような状況の変化を十分に説明の上、地元区とも連携を図りながら、事業化の検討を進めてまいりたいと考えております。

○高島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○高橋委員 私から、一五第二四号、都道補助一三三号線千川通り-新青梅街道間の早期着工に関する陳情について質問をさせていただきます。
 質問に入る前に、手元に資料を過日ちょうだいいたしました、その中に、補助一三三号線の主な経緯の中で、グランドハイツ跡地という活字がありました。これはグラントですから、私、この委員会でもこの件で発言したことがあると思うんですけれども、ぜひお間違いのないようにしていただきたいと思います。
 それでは質問に入らせていただきたいと思います。
 今、道路建設部長から経緯等、説明いただきましたけれども、地元の陳情でもありますし、幾つか質問させていただきたいと思います。
 練馬区中村橋付近から中村三丁目付近までの中杉通りは、ご案内のとおり、バス路線であるにもかかわらず、歩道がなく、歩行者が安心して通行することが困難な道路となっております。商店街でもあるこの地域で、歩行者はもとより、バスなどの自動車にとっても安全な通行を確保するためには、中杉通りと平行する陳情箇所の整備が必要不可欠と考えております。
 そこで最初に、陳情箇所については、過去に説明会を開催したにもかかわらず事業化がされていない、その経緯と理由について、先ほど部長からも話がありましたけれども、もう一度詳しくご説明いただきたいと思います。

○柿堺道路建設部長 グラントハイツについては大変恐縮でございます、以後、間違いのないように十分配慮してまいりたいと存じております。
 今ご質問のございました補助一三三号線につきましては、先ほども申し上げましたように、ちょうど環状八号線と環状七号線の中間に位置しておりまして、世田谷区から板橋区まで、約十六キロというかなり長い区間の地域の幹線道路でございまして、そういう意味では、区部の西部地域の交通渋滞の緩和、あるいは防災性、安全性の向上に寄与する大変重要な道路であるというふうに認識しております。
 そういうことで、当該区間につきましては、中野区境から目白通りまでの区間について、昭和五十九年に説明会を催したところでございますけれども、道路の新設につきまして、生活関係の懸念というようなものを主な理由としまして、地域住民の方から理解が得られなかったということでございます。

○高橋委員 今部長より経緯をお聞かせいただきましたが、昭和五十九年から時間が大分経過しており、連続立体交差事業により、中村橋駅は高架化されることなど、中村橋駅付近の道路整備を取り巻く状況も当時とは大きく異なってまいりました。
 そこでお伺いいたしますが、当該区間の北側については街路事業を実施しているところでありますが、用地の取得状況についてお伺いいたします。

○矢口用地部長 陳情区間の北側になります目白通りから千川通りまでの四百十五メートルにおけます用地の取得状況についてでございますが、本年八月末の時点で取得率八三%でございまして、取得できていない用地は三カ所ございます。
 この区間につきましては補正予算を投入しまして、用地の取得に積極的に取り組んできたところでございまして、その結果、これまで懸案でございました駅前のスーパーマーケットなどにつきましては、関係人のご理解をいただきまして契約を結ぶことができました。今年度末までには、更地となる予定でございます。
 残る用地三カ所につきましても、関係人とさらにきめ細かな折衝を重ねまして、用地の取得を目指してまいります。

○高橋委員 今一歩というところまで、北側部分については来ておるわけでございますけれども、もう少し詳しく工事の進捗状況と今後の予定についてはいかがでしょうか。

○柿堺道路建設部長 工事の進捗でございますけれども、延長四百十五メートルのうち、ほぼ四割に当たります百六十メートルの区間で整備が完了しております。残りの区間につきましては、先ほど用地部長がご説明しましたけれども、用地の取得が完了次第工事に着手いたしまして、来年度中には交通開放を目指してまいりたいというふうに考えております。

○高橋委員 今答弁がありましたように、北側の事業中の区間については、完成を間近に控えているという状況の中で、このように道路整備を取り巻く状況が変化している中で、北側の事業中区間に続く当該区間の整備は必要と考えます。都の考え方をお伺いしたいと思います。

○柿堺道路建設部長 ただいまも申し上げましたように、現在事業中の目白通りから千川通りまでの区間が完成いたしますと、補助第一三三号線と現在の中杉通りとは、千川通りで新たにクランク状の交差点が形成されることになります。このような変則的な状況を早期に解消し、地域の交通の円滑を図るために、当該区間を連続して整備する必要があるというふうに考えております。
 これによりまして、生活道路でありながら、通勤時間帯には一時間に二十台以上のバスが往来する、現在の中杉通りから通過交通が排除されまして、買い物客が安心して利用のできる商店街の形成につながるものというふうに考えております。

○高橋委員 陳情箇所の案内図を見ても、今答弁がありましたように、クランク状になってしまう。西武池袋線の大泉学園駅の周辺の都道一三五号線も実はそういう状況になっておりまして、大変交通渋滞を引き起こす状況になっていると思います。などなど、やはりこういった整備をしていかなくちゃいけない箇所であると私は思います。今後の事業化に向けてどのように取り組んでいくのか、その意向をお伺いいたします。

○柿堺道路建設部長 先ほどから申し上げておりますように、補助一三〇号線、地域のために大変重要な路線だというふうに考えております。とりわけ中村橋周辺につきましては、西武池袋線の連続立体交差事業も完成し、また、千川通りから目白通りまでの区間について、来年交通開放を予定しているなど、昭和五十九年の説明会開催当時とは状況が大きく変化しているというふうに考えております。
 今後、地元練馬区とも連携を図りまして、地域の住民の方々に対してこのような変化、あるいは道路整備によるまちづくりへの効果等について十分ご説明をし、事業化に向けて理解と協力が得られるように努めてまいりたいと考えております。

○高橋委員 これで終わります。
 一人でも多くの住民の理解と協力が得られるよう、合意形成を図っていく上での努力を惜しまないで頑張ってほしいと思います。
 本陳情については、趣旨採択すべきと考えさせていただきます。よろしくお願いします。

○池田委員 私の方からも、都道補助一三三号線千川通り-新青梅街道間の早期着工に関する陳情について何点か質問させてもらいます。
 私も先日現地に行きまして、中村橋をおりて千川通りを越して、そして商店街を見て、また、計画道路を予定されている地域をずうっと歩いてまいりました。そして、何人かの住民の皆さん方、また商店の皆さん方の意見も同時に伺ってくることができました。
 現状の中杉通りというのは、今も質疑の中でも答弁もありましたけれども、陳情者の願意にあるように、歩道がないわけです。そして、白線が引いてある。歩行者にとっても歩きづらい。また、狭いところをバスやトラック、またタクシーなどが通って、安全上も問題がある、こういう道路であるということは、確かに私も感じてまいりました。住民の皆さん方も、日ごろの生活の問題でも、また商店の皆さん方の仕事の上でも、いろいろな問題点が今までもいわれてきたんだろうというふうに思うんです。
 そこで、重ねてのお尋ねなんですが、ご説明にあった主な経緯、この補助一三三号線をめぐって、五十九年十一月二十二日に測量説明会を開催した。しかし、住民の皆さん方、二百名というふうに書いてありますけれども、これの都市計画に対して組織的な反対に遭った、そして事業化を見送ったというふうに説明をされています。
 しかし、計画そのものを白紙に戻すことはできないけれども、前期事業計画予定路線の実施時期、計画に、これを見直すことで対応したいというふうなことが書かれています。その辺で、当時の測量説明会で参加された住民の皆さん方の反対する、そういう声の主要なところを説明してください。

○柿堺道路建設部長 五十九年ということで、約二十年前になるわけでございまして、通常ですと、私どもはこういう説明会の記録等は十分に残っているんですけれども、ここについては、調べた結果、余り十分な資料がございませんでした。
 当時の説明会の担当の課長等にも聞きましたところ、通常私どもが説明会を開催し、事業の概要についてご説明をした後に質疑ということになるわけですけれども、この説明会については、そういうこと、説明がなかなか許されないような状況で、何か私どもの説明も十分にできなかった。
 ただ、ご質問の趣旨の中では、先ほど申し上げましたように、まるきり新しい住宅地の中に道路ができるということから、環境の変化に懸念する声が大きかったというふうに聞いております。

○池田委員 そこでお伺いしたいんですが、現在の都市計画道路として決められたのが、この資料によりますと昭和四十一年ですね。それ以前、ここの都市計画道路というんでしょうか、計画が何遍か変更されてきているんですが、その辺をちょっと説明してください。

○柿堺道路建設部長 現在の位置に都市計画道路が最初に決定されましたのは昭和二年の震災復興都市計画でございまして、この当時は幅員十一メートルでございました。その後、戦災復興計画、あるいはシャウプ勧告等によりまして、線形は変わっておりませんけれども、幅員が若干その都度変更になっているということで、ご質問にもございましたように、現計画は昭和四十一年に、補助一三三号線として、幅員十六メートルで都市計画決定されたということでございます。

○池田委員 詳しく説明がなかったんですが、これはお話を聞いて、ははんというふうに思ったんですが、この計画が決められた五十九年の前、今、戦後復興のいろいろな計画の話がありました。昭和二十二年のときには、幅員二十メートルで計画された。昭和二十五年には、これが幅員十五メートルに狭められた計画に変えられている。そして昭和四十一年に現計画の十六メートルと、こういうふうになった経緯があるというふうに思うんですが、そうですよね。

○柿堺道路建設部長 ご質問のとおりでございます。

○池田委員 大事なことなんですが、何遍かの都市計画の変更がされた。その都度、地元の方たちには説明されてきたんでしょうか。

○柿堺道路建設部長 昭和四十一年の都市計画でございますので、現在の都市計画法ではございませんで、いわゆる旧法でございます。旧都市計画法に基づく都市計画審議会でございますけれども、現在に比べて学識経験者、行政経験者、あるいは関係区市町村の審議会の委員というのは大変多かったようでございますが、それに加えまして、当該案件の地元区長、あるいは議長等が入って審議をされたということでございます。

○池田委員 今お話あったように、地元の住民の皆さん方にとれば、都市計画道路がどういうところに、どれだけの幅員で通っていくのか、そういう計画が変えられるということについていえば、位置は同じだというふうなご説明がありました。確かにそうだと思います。
 しかし、先ほど申し上げたように、幅員が変わる。そして、その変わった理由が何なのか、具体的な説明が、今の話ですと地元の区長さん、議長さんぐらいですね。いってみれば、直接かかわる地域の方たちにとってみれば、まさに机上で線引きをしている。自分たちには、変更したことも、その理由さえもなかなかわかっていない。こういう経過があることが明らかになったというふうに思うんです。
 これは私は、今でもどこの道路をつくる上でも、住民合意をつくっていくという上では一番基本的な問題であり、そして住民の皆さん方のさまざまな意見を、そこの中で吸い上げていくという意味からしても大事な視点なんだろう。しかし、それは今お話があったように、これは都市計画法ですか、四十五年以前にはそういうふうなことは法的にはやらなくていいことになっていたということだから、やらないで済んできたわけですね。
 そこで、もう一つお伺いしたいんですが、この主な経緯の中で、昭和六十一年十二月、反対派の代表の方が都の意向を確認しに来たというふうに書いてあります。そこのくだりの中で、昭和五十九年の説明会での凍結、見直し発言はともかく、前期路線であることは変わりない。また、区議会の申し出に対しては、それなりに対応せざるを得ない。しかるべき時期には、再度皆様と話し合うこともあり得る。
 再度皆様と話し合うことがあり得るというのは、測量説明会に来られて、反対を述べておられた方たちを含めた住民の皆さん方に、再度皆さんと話し合うこともあり得るというふうに答えておられたんだろうというふうに、私はこれを見て判断したんですけれども、もしそういうことであれば、この間、どういう話し合いがやられてきたんでしょうか、その辺を教えてください。

○柿堺道路建設部長 五十九年以降のお話でございますけれども、昭和六十一年に目白通りから千川通りまでの本陳情区間の北側について、現在事業中の区間でございますけれども、中村橋駅周辺の約三千九百名に上る住民の方から、都議会に対しまして促進陳情が提出されておりまして、昭和六十三年に趣旨採択されております。
 これを受けまして、西武池袋線の連続立体交差事業に合わせ、平成二年度に北側区間を事業化し、来年度の交通開放を目指しているということでございます。

○池田委員 そうですね。あそこは千川通りがありまして、そして中村橋という西武鉄道の駅がある。そこが高架化になる。高架化になることによってあの工事が進んで、千川通りの北側、いってみれば、千川通りを挟んで中杉通りの北側ですね。先ほど来お話があったように、来年度工事が完了するというところまで来ているわけです。しかし、いってみれば、千川通りから南側の地域、この中杉通りの問題になっている道路のところの人たちにとっては、何ら具体的なそういう話がされてこなかったというのが、やはり経緯なのじゃないんだろうかというふうに私は思います。
 そこで、一方では、中村北の地域の補助一三三号線については、先ほど来出ているように、西武線の高架化に伴って事業認可をとって事業を進めて、来年度には完了する、こういうふうになっているのが現状です。
 千川通り交番の向かい側は、私行ってみて--千川通りの交番があります。そして、その千川通りを渡ったちょうど向かい側なんですが、ちょっと広くなっているんですね。それで、その中杉通りの入り口になるわけですが、道路幅が広くなっている。このことについて、これはどういうことなんでしょうかということで、商店の人に聞いたんです。そうしたら、現道でセットバックして、道路確保をする計画ではなかったんでしょうかというふうに逆に質問されたんですよ。そんなことも昔はあったんですかねと、こういう話にもなったんですが、こういう方もおられました。
 その方の話ですと、セットバックして、この中杉通りを広くして、そして杉並の方に抜けていくんだと、こういうお話が当時あって、そして今見た場所は、例の中杉通りから入っていって、右側にミニストップというスーパーがあるんですが、その店までの道路が広くなっているというのが現状なんです。それはどういう経過でそういうふうになって、後のセットバックがやめられたかというのはよくわかりませんけれども、そういうことがある。
 私はさっきもちょっとお話聞いたんですが、昭和四十一年の七月三十日の都市計画決定以前の道路計画の変更に対する住民の皆さん方のそういう計画の決め方、そして住民の皆さん方にはやはり説明がない。法的にはやらなくて済んでいたわけでありますけれども、そういうことに対する住民の皆さん方の不信感、これがやはりあるということを感じました。
 これはどういう事業を進めていくについても、ここは地域のいってみれば生活道路というのか、幹線道路として、先ほど説明があったように、いろいろな意味のある道路だというふうにはいわれています。
 しかし、そういう経過や何か見てきますと、反対されている人の意見、何人かの方たちの話、聞きましたけれども、一つは、こういうふうにいっておられました。千川通りに面した側から、中杉通りの西側、四十メートルしか離れていないところに、現道がある、中杉通りがある。しかし、四十メートルぐらいしか離れていないところに、なぜ道路をつくらなきゃいけないのか。
 しかも、一三三号道路というのは、中杉通りを行って五百メートルか六百メートルくらい、中間点で一緒になるわけですね、計画道路。そして、新青梅街道に接する計画になっている。先に行くと歩道もあるわけですよ。
 そういう地域の状況などを考えてみて、なるほど、皆さんの、いってみれば閑静な住宅街です、そこのところで線引きの中に入っておられる方たちの思いからしても、やはり、今までの経緯、そして線引きのやり方ということを見ても、この方たちの意見というのは、一つの重さがある。
 二つ目に、今申し上げたように、閑静な住宅街を壊して、多くの住民の立ち退き、生活再建など重大な問題を引き起こすものだと。
 三つ目に、中杉通り商店街を通っているバス、そして自動車などの通路については、ほかに迂回路を考えてもらいたいということをいっておられました。さっきもちょっと説明ありました。私も資料いただきましたけれども、この中杉通り、三路線のバスが一時間で平均二十一台くらい通っている。ピークでは一時間当たり二十六台くらい通る。狭い道路で、そのほかにタクシーも通るし、やはり安全の問題は考えなければならない。そのためにはやはり迂回をしていく必要があるじゃないか、こういう意見がありました。
 その迂回の問題で、特に安全対策として考えられる、直接的に建設局がやる仕事というのは、道路だとか安全施設をつくるとか、こういうふうな話になるわけですが、こういう問題点について、今まで、局、そのほか関係の人たちとの相談だとか、そういう地元の皆さん方の交通安全対策を求める声にこたえた具体的な方途というか、そういうものを相談された経過はあるんでしょうか。

○柿堺道路建設部長 幾つかご質問いただきました。
 まず、現道の中杉通りの拡幅の件でございますけれども、地元の方々のうわさはともかくとしまして、私どもが調べた経過の中では、少なくとも都市計画事業としてここを拡幅したという事実はまずございませんでした。
 また、旧法に基づく都市計画決定についてでございますけれども、その時代時代の手続でやっていることで、今さかのぼっていっても、しようがないところもございますけれども、私どもは常に、事業を進めていく段階では、それらの手続も含めて事業概要あるいは測量の説明会、それからそれに続きます現況測量あるいは用地測量についての説明会、また、工事に当たっての説明会、用地に当たっての説明会ということで、できるだけ地元の方々にそういう経過も含めて理解していただけるような説明を心がけているつもりでございますし、本路線についてもそういうふうにしていこうと思っております。
 また、生活権についても、地元の方の当然のご心配でございますので、私どもの現場の職員がより親身になって、生活再建を含めた対応をさせていただいているということでございます。
 また、バスの迂回路についてでございますけれども、地元の方のいろいろなご意見、あるんだと思いますけれども、建設局としては、きちっとしたインフラ整備をした上で、どこにどういうバスルートを設定するか、それは地元の方々、あるいは地元の区の方の意向、あるいはバス事業者の意向を酌んで選択すべきもので、私どもとしては、そういう意味でインフラをきちっと整備して選択肢をふやすということが重要な仕事だと考えているところでございます。

○池田委員 以上、いろいろ質問をさせていただきましたけれども、先ほど来いいますように、昭和五十九年の十一月二十二日ですか、測量説明会で、地元の地域の方たちの反対で事業化を見送った経緯、その後の流れを見てきても、今、北側の事業が進んで、平成十六年度には完成するよ、だからということで、これを理由にして、現状のままでこの事業化を推し進めていくというやり方は、今までの行政の対応に対する地元の皆さん方の思いや意見や、そういうことに対して、こたえてこない。そこのところの不信感が根強くあるというふうに私は感じました。
 ですから、そういう点では、現状の計画で、しかも、北側がやられてきたんだから、こっち側も当然だよといわんばかりのやり方については、容認できません。よって、この陳情は反対という態度です。

○高島委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立をお願いいたします。
〔賛成者起立〕

○高島委員長 起立多数と認めます。よって、陳情一五第二四号は趣旨採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。

○高島委員長 これより住宅局関係に入ります。
 初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○高橋住宅局長 第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明を申し上げます。
 今回、当局が提案を予定しております案件は、事件案一件、諮問一件の二件でございます。
 最初に、事件案でございますが、都営住宅建てかえ事業に伴う道路築造工事におきまして、道路予定地として買収をいたしました土地の前所有者が工事の妨害を行っていることに対しまして、道路築造工事妨害禁止等の請求に関する民事訴訟を提起するものでございます。
 次に、地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づきます異議申し立てに関する諮問についてでございますが、この事案は、行政財産使用不許可処分にかかわる異議申し立てでございまして、東京都知事が平成十四年十一月二十九日付で異議申立人に対して行いました行政財産使用不許可処分の取り消しを求める趣旨の内容でございます。
 以上、第三回定例会におきましてご審議を賜ります案件につきまして、その概要を説明させていただきました。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては引き続き総務部長からご説明申し上げますので、よろしくお願いいたします。

○梶原総務部長 お手元配布の資料1、道路築造工事妨害禁止等の請求に関する民事訴訟の提起についてをごらん願います。
 訴訟の趣旨でございますが、小平市鈴木町二丁目にある都営住宅の建てかえ事業に関連した道路築造工事に対しまして、継続的な妨害が行われており、道路築造工事妨害の禁止及び道路築造のための隣接地の使用の許諾を求めるための訴訟を提起するものでございます。
 妨害の禁止を求める土地でございますが、所在、登記面積及び地目は記載のとおりでございます。
 訴訟の相手方でございますが、土地の前所有者である長澤万治外三名でございます。
 事案の概要でございます。平成十三年三月十二日に、土地の所有者である長澤万治外三名と土地売買契約を締結し、翌十三日に所有権移転登記を完了いたしました。
 翌平成十四年の九月二十六日、道路築造工事を開始する旨を通告いたしました。しかし、工事開始当日、本件土地に長澤万治所有のトラクターを乗り入れるなどして、道路築造工事の妨害を行ったものでございます。
 このため、平成十五年一月三十日、土地の所有権に基づく妨害排除請求権等を保全すべく、仮処分命令の申し立てを行い、同年四月十日、都の主張をすべて認容する旨の決定を得まして、同月二十八日、仮処分の執行が行われ、直ちに工事を再開いたしました。
 しかし、その後も長澤万治外三名は、土地売買契約の無効を主張し、新たに障害物を道路用地内に放置するなど、継続的に工事への妨害を行っております。
 本件訴えの提起は、仮処分命令申し立ての本案訴訟に当たるものでございまして、土地所有権に基づき、今後の道路築造工事の妨害行為を防ぎ、道路築造のための隣接地の使用の許諾を求めるために行うものでございます。
 訴訟の目的の価額は、四千百九十八万百四円となっております。
 次の二ページには案内図、三ページには道路所在図、四ページから六ページには議案の写しを添付しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 次に、資料2をごらんください。諮問第三号、地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく異議申立てに関する諮問について関係資料によりご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。本件は、東京都行政財産使用不許可処分二件の取り消しを求める異議申し立てに関するものでございまして、地方自治法第二百三十八条の七第四項の規定に基づき諮問するものでございます。
 二ページは、この諮問文の別紙を記載したものでございます。
 三ページをお開き願います。諮問の詳細についてご説明を申し上げます。
 一、異議申立人は、特定非営利活動法人護民官でございます。
 二、異議申し立て日は、平成十四年十二月六日でございます。
 三は、異議申し立ての趣旨及び理由でございます。
 (一)の異議申し立ての趣旨は、東京都知事が異議申立人に対して行った、瑞穂石畑第二アパート内の集会所及び瑞穂石畑第三アパート内の専任管理人事務所に係る行政財産使用不許可処分の取り消しを求めるというものでございます。
 (二)の異議申し立ての理由は、申立人の各行政財産使用許可申請は、東京都公有財産規則第二十九条の二第二号、第四号または第八号の規定により、いずれも許可されるべきものであるにもかかわらず、いずれも不許可とされたのは納得できないというものでございます。
 四、経緯についてでございます。
 次の四ページにかけまして、本件処分及び異議申し立てが行われた経緯を時系列に記載しておりますので、ごらんいただきたいと存じます。
 四ページの五は、異議申し立てに対する見解でございます。
 申立人は、当該申請について、東京都公有財産規則第二十九条の二第二号、第四号または第八号の規定により許可されるべきものと主張しております。
 しかし、行政財産の使用許可ができる場合として、規則第二十九条の二第二号では、「都の指導監督を受け、都の事務・事業を補佐し、又は代行する団体において、補佐又は代行する事務・事業の用に供するため使用するとき。」と規定されておりますが、申立人は、ここでいう団体には該当いたしません。
 次に、同条第四号では、「職員及び学生、入院患者等施設を利用する者のため、食堂、売店等を経営させるとき。」と規定されておりますが、申立人の使用目的とは異なるものでございます。
 次に、同条第八号では、「前各号のほか、特に必要があると認めるとき。」と規定し、この運用についての依命通達では、「都の指導・監督を受けない団体が、実質的に都の事務・事業を補佐又は代行する場合に、その事務・事業の用に供するため使用させるとき、都に寄付する建物又は工作物を築造又は設置するため寄付しようとする者に使用させるとき等をいうもので、その処理にあたっては、慎重な配慮を要するものであること。」とされており、申立人には、行政財産の使用を許可する特別の必要性を認めることができないものでございます。
 五ページをごらんください。以上によりまして、本件行政財産使用不許可処分は適法かつ妥当な処分であると考えるものでございます。
 以上をもちまして、今定例会に提出を予定しております案件についてのご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきました。

○高島委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○水流住宅政策担当部長 平成十五年八月五日、東京都住宅政策審議会答申、民間賃貸住宅施策の新たな展開についてご説明させていただきます。
 お手元の資料3、恐れ入りますが、一九ページをお開きください。A3判で、答申のポイントをまとめた資料がございます。この資料に基づきましてご説明いたします。
 答申は、全体、五つの章で構成されております。
 まず、Ⅰ、東京における賃貸住宅政策の変遷でございます。
 ここでのまとめといたしまして、バブル崩壊後の地価の下落や家賃水準の低下など、社会経済状況の大きな変化と、民間賃貸住宅市場のストック形成の進展を踏まえ、人口減少時代の到来等を見通しながら、新たな施策展開が不可欠と指摘いたしております。
 次に、Ⅲ、東京における民間賃貸住宅施策をめぐる現状でございます。
 左の欄、都民の賃貸住宅居住の実態といたしまして、例えば、東京では約四割、二百五万世帯が民間賃貸住宅に居住していること、子どもが五歳以下、いわゆる形成期ファミリー世帯の半数以上、高齢者単身世帯の約三割が民間賃貸住宅に居住していること、狭くても都心がよい、職住近接がよいとする人が過半数いることなどを特徴として指摘してございます。
 真ん中の欄、民間賃貸住宅のストック、供給の実態といたしましては、住宅ストックは数の上では充足していること、三十平米未満の民間賃貸住宅ストックが増加している一方、五十平米を超えるストックは、区部周辺部や多摩地域を中心に、これまた増加していることなどを指摘してございます。
 右の欄でございます。民間賃貸住宅の経営、管理の実態でございますが、賃貸借の契約、管理に関する苦情相談が増加していること、経営者の約四分の一が外国人、高齢者等の入居を制限していることなどを問題として指摘してございます。
 このような現状を踏まえまして、Ⅲ、都の民間賃貸住宅施策の検証でございます。三点指摘してございます。
 一点目、都民住宅制度、優良民間賃貸住宅制度は、制度創設時から社会経済状況が大きく変化したことを踏まえ、抜本的な見直しが必要、二点目、宅地建物取引業法の対象外である賃貸借の管理に関する紛争に対しては、一般的な相談業務にとどまっており、未然防止の取り組みが必要、三点目、高齢者の居住安定を目的として、高齢者円滑入居賃貸住宅制度、あんしん入居制度を実施しているが、十分には普及していないとの指摘でございます。
 Ⅳ、新たな民間賃貸住宅施策に求められる視点でございますが、ここでは五つの視点を掲げてございます。
 市場の効果的な活用、都民ニーズへの的確な対応、都市の再生、ストックの活用、良好な地域の居住環境とコミュニティの形成、この五つでございます。
 そして、Ⅴ、この最後が結論部分でございますが、今後重点的に取り組むべき施策の方向として、大きく二つの方向を指摘してございます。
 まず、安心して貸し借りできる賃貸住宅市場を確立する。具体的には、賃貸借についての紛争を未然に防止するため、契約、管理に関し、あらかじめ取り決めておくべき事項を明確化すること、経営、管理の効率化、合理化を促進し、賃貸住宅居住の質の向上を図るため、賃貸住宅管理業の育成、活用を図るとともに、貸し主の経営リスクを軽減するため、定期借家制度の普及を促進すること、高齢者等の居住の安定を確保するため、区市町村等と連携して、バリアフリー化、高齢者円滑入居賃貸住宅制度やあんしん入居制度の普及、外国人への情報提供等を促進することを指摘しております。
 次に、必要な地域に必要な民間賃貸住宅の供給を誘導し、選択の幅を拡大することであります。具体的には、都市の活力を支える形成期ファミリー世帯等の職住近接や駅接居住のニーズに対応するため、利便性の高い地域での供給誘導に効果を発揮するとともに、多大の後年度負担を伴わない施策へと都民住宅制度等を抜本的に見直すこと、まちづくりの諸制度と民間賃貸住宅の供給誘導施策との効果的な組み合わせにより、地域の良質な住宅ストックの形成、更新を推進すること、都営住宅等の再編整備により生み出された敷地を活用し、既成市街地の整備、更新を図りつつ、必要な民間賃貸住宅を誘導することを指摘してございます。
 以上で、東京都住宅政策審議会答申についての説明を終わらせていただきます。

○高島委員長 報告は終わりました。
 ただいまの報告に対し、何かご質問等がありましたら、発言を願います。

○高橋委員 ただいま民間賃貸住宅施策の新たな展開についてとの内容で、東京都住宅政策審議会の答申の報告を受けましたが、本答申では、民間賃貸住宅市場のあり方に関して幾つかの提言が行われ、答申の大きな二本の柱が、一つは、安心して貸し借りできる市場を確立することであり、二つ目は、必要な地域に必要な賃貸住宅の供給を誘導し、選択の幅を拡大するというものであります。
 どちらも重要な内容を含んでおりますが、本日私は、この答申の一つ目の柱であります、安心して貸し借りできる市場の確立について、とりわけ賃貸借における紛争防止に関連して質問をさせていただきます。
 答申では、賃貸住宅に関する契約や管理をめぐる相談や苦情が近年増加していることを指摘しておりますが、この点については、私自身も、日々多くの都民と接する中で痛感しております。その意味で、このたびの都の積極的な取り組みを求める東京都住宅政策審議会答申は、まことに時宜を得たものであり、意義のあることと考えております。
 本日は、答申を受けたばかりということで、今後の具体的な施策についての議論を行う段階ではないことは十分承知しておりますが、その検討は今後当然行っていくとして、現時点で幾つかの疑問点をお伺いしたいと思います。
 最初に、答申では、苦情や相談の多い例として、退去時の敷金の清算、契約の途中解約、契約更新の三つを挙げておりますが、これらは具体的にはどのような内容なのか、お伺いさせていただきます。

○安藤民間住宅部長 一つ目の退去時の敷金清算とは、退去時の敷金清算の際に、原状回復費用を過大に請求されたのではないか、二つ目の契約の途中解約とは、日当たりなど室内環境が、事前に受けた説明と実態と異なるので解約したい、三つ目の契約更新とは、二年ごとの契約更新時に、そのたびごとに更新料を請求するのは不当ではないかというものなどであります。
 これら三つが、賃貸借にかかわる苦情、相談の約六五%を占めております。

○高橋委員 今、お話のあった苦情や相談の多くは、契約後の管理にかかわって発生しているものでありまして、これは宅地建物取引業法に規定する業務以外の部分であって、法による指導ができないと思います。
 そこで、宅地建物取引業法に規定する業務以外の相談が都民から寄せられた場合には、都はどのようにしているのか、お伺いいたします。

○安藤民間住宅部長 ご指摘の管理上の相談についてでございますが、宅地建物取引業法で規定いたしております業務の範囲外でありますが、都民からの相談内容に応じて必要な助言を行っております。
 また、当局が実施しております不動産取引特別相談室におきまして、民事の専門的な立場から、弁護士による相談も行っております。

○高橋委員 宅地建物取引業法の範囲を超えたところで、都が弁護士相談を含め都民への相談体制をとっていることはよくわかりました。
 ところで、現実に起きてしまった紛争に対して的確に対応することは、もちろん大切なことでありますが、さらにもう一歩進んで、これからは、いかに紛争の発生を減らしていくのかを考える必要があるのではないかと思います。この点についての見解をお伺いいたします。

○安藤民間住宅部長 賃貸借にかかわる紛争は、直接の当事者であります貸し主と借り主のほか、両者の間に入ります仲介業者や管理業者も深くかかわっております。
 都はこれまでも、都民に対する普及啓発のために、住宅賃貸借(借家)契約の手引の作成に携わるなど紛争防止に努めてきましたが、今後はさらに、紛争にかかわる関係者が共通の認識を持って対応できるようにしていくことが、紛争の発生を減らしていくために重要と考えております。
 具体的な内容については、答申の趣旨を踏まえて検討してまいります。

○高橋委員 今の答弁にもありましたように、貸し主と借り主の間で生じるさまざまな紛争やトラブルを解決するために重要な役割を果たしているのが宅建業者であると思います。
 このような社会的な要請にこたえるべく、宅建業団体は、みずから綱紀委員会を設置したり、関係団体に呼びかけて賃貸不動産管理業務推進連絡協議会を発足させるなどして、業界のレベルアップのための自主的な努力を行っているところであります。
 したがいまして、紛争防止のための措置など、今後、答申の内容を具体化させるに当たっては、宅建業者の意見を十分に聞くべきと考えますが、いかがでしょうか。

○安藤民間住宅部長 ご指摘のように、宅建業団体が業務の質の向上のための自主的取り組みを行っていることは承知しております。
 答申の内容を具体化していくための検討に当たりましては、宅建業団体とも十分に意見交換を行ってまいります。

○高橋委員 最後に、この九月一日には、都は、宅建業団体や賃貸住宅経営者団体と、震災時の応急住宅として民間賃貸住宅を提供する旨の覚書を締結したところであり、民間と連携したこうした取り組みを、私は高く評価したいと思います。
 東京における住宅事情が今のようによくなってきたのは、民間の努力の成果だと思います。住宅にかかわる民間事業者などのさまざまな取り組みの歴史的沿革があって、今日があることを忘れてはならないと思うのであります。民間賃貸住宅市場を改革することは、大いに賛成であります。その際には、これまで努力してきた民間の人たちの意見を大切にしていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、本日は、答申の内容についてのご報告をいただいたばかりでありまして、今後の取り組みの内容についての議論をする段階ではないと思いますが、答申の趣旨を具体化していくに当たっては、宅建業界を初め、民間の声を十分に聞きながら進めていただくことを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○池田委員 それでは私の方からも、今回の住政審答申の問題について、何点か質問をさせていただきます。
 民間賃貸住宅施策の新たな展開についてという、東京都としての民間住宅施策の方向、その具体的な課題を明らかにしようとする審議に、専門的に知識、見識を持っておられる方、また、都民の幅広い意見が反映されることが重要だと考えています。
 同時に私は、この審議を進める上で大事なことは、民間賃貸住宅を借りている人、いわば借家、借間をしている都民の意見、また、都内には、借地借家人組合、借間人組合などいろいろな団体があります。こうしたところの意見を聞いていくことが重要だというふうに思いますが、その辺の意見はどういうふうに聞いてこられたのでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 審議におきましては、住宅問題に幅広くその知見を有する学識経験者の方々、または業界関係の方々を初めといたしまして、熱心なご議論をいただいたところでございます。
 また、私ども常日ごろの仕事の中で、そうしたさまざまな方面からのご意見を収集するように努めているところでございますし、また、ホームページ等を通じて意見が寄せられてもございました。
 そうしたことを通じまして、今回の答申がまとめられたものと認識しているところでございます。

○池田委員 私、今、具体的にちょっと名前を出した、東京都には借地借家、借間人組合というのがありますよね。都段階にもありますし、それから、それぞれの東京の地方別の地域にもあるんですね。そういうところの意見を聞いたとか、それから、実際に今、借りているという人たちの団体、こういうところの意見も聞いたことは具体的にあるんですか。

○水流住宅政策担当部長 あくまでも審議会の委員の先生方、あるいはホームページ等を通じた意見の収集等でございまして、直接ご指摘の団体の方々と意見交換をする等のことはございませんでした。

○池田委員 私は冒頭に、基本的な問題ですから、これ、お話を聞いたんですけれども、ぜひ民間賃貸住宅の今後の施策を決めていく、冒頭いいましたように、今も部長のお話があったように、豊かな知識を持っている、幅広い知見を持っておられる方、専門的な人たち、そういう方たちの幅広い意見を、審議会では聞いて収集していくわけですから。それでまた都民には、いろいろな意見を収集する、集約していくという努力もされたというふうに思うんです。
 しかし、実際に借りておられる方たちの立場からの意見というのは、今の東京の全体の中で、やっぱり大事なポイントがあるだろうというふうに思うんです。
 例えば、こういう借地借家人組合からの意見も聞いておられるだろうというふうに思うんですが、例えば、失業者や保証人のいない借家人が賃貸住宅をあっせんしてもらえないというのが、今、いろいろな場所で悩みとして出てこられる。これは高齢者もそうですよね。保証人にかわる公的な保証制度を創設してほしい、こういう意見もある。
 それから、私は、この中で触れられていますけれども、例えば、高齢者の居住安定を目的とした高齢者円滑入居賃貸住宅制度、あんしん入居制度、これは実際実施しているんだけれども、審議会でもいろいろ検証した結果、十分には普及していないというのが検証の中でも触れられているんですね。まちでもやっぱりそういう意見が出ている。
 検証しているわけですから、審議会の中でも突っ込んだ議論があったのかどうか、ちょっとよくわかりませんが、どこに問題があったんでしょうね、この高齢者の問題、あんしん入居制度。制度が知られていないということだけじゃなくて、検証された結果、どこに問題があったか、それをどういう方向で解決したらいいかという議論もされているんじゃないかというふうに思うんですが、その辺はどうだったんでしょうか。

○小林地域住宅部長 高齢者円滑入居賃貸住宅制度でございますが、平成十三年十月から始めておるわけでございまして、現在まで約六千戸の登録がございます。ただ、登録されているところの地域のばらつきを見ますと、やはり都心の方は少ない、どちらかというと、やはり住宅がある程度出回っているところの区市の登録が多いというような問題がございます。
 いずれにいたしましても、これはやはり貸し主の方が、いわば登録をしなければ始まらない制度でございますので、私どもとすれば、ホームページでこういう制度を紹介するとか、パンフレットを作って窓口で配布するとか、いろいろな説明会をして、いろいろとPRをしているところでございまして、今後、さらにPRに努めていくのが肝心かというふうに考えております。

○池田委員 例えば、高齢者の、利用する立場の人たち、この人たちの声が大事なんです。ところがやっぱり、所得の低い人たちはなかなか使えない。今、六千戸というふうにいわれていましたけれども、利用する側の立場に立った意見というのは聞いているんでしょうか。高齢者の皆さんの、所得の低い、こういう人たちは使えないという実態というのはある、知っているというふうに思うんですが、こういう問題もどう具体的に--宣伝するだけじゃなくて、その中身として制度を充実していくということがやはり求められる、私はそういうふうに思うんですが、そういう方向での議論、やっぱり今後やってもらいたいと思うんですが、その辺はどうですか。

○小林地域住宅部長 高齢者の方がなかなか入居できないという話の中に、先ほど先生の方からご指摘がありました保証人の問題があろうかと思います。保証人にかわる制度として、東京都ではまちづくりセンターで、現在、あんしん入居制度をやってございます。
 いわゆる見守りサービスをするとか、ないしはまた、家賃の不払いが起きると心配だというものについては、これはまた高齢者住宅財団の方で、いわゆる保証料をいただいて、半年ほどの家賃については補てんする、こういう制度もありますが、高齢者財団の方へ聞きますと、そちらの方の制度は余り利用者がいらっしゃらない、こういう話があります。
 それから、当然、センターのあんしん入居制度には、いわゆる手数料がかかります。これにつきましては、資金の貸付制度も十四年一月から開始しておりますけれども、余りこういうことに対する申し込みがないということでございます。とりあえず手元にお金がないという方は、これを使える形になっておりますので、ぜひ利用していただければというふうに思っております。

○池田委員 余り個々の話をするつもりはないんですが、具体的な意見として出されている問題の事例として、もう一つだけ挙げていきたいというふうに思うんですが、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、これは例の原状回復をめぐるトラブル、これをどう解決するか、また、それを未然に防ぐためにはどうするかという、今もお話が出ていました。
 それとの関係なんですけれども、国で出している、これは建設省の住宅局ですか、原状回復をめぐるトラブルとガイドライン、ありますよね。これの立場に立った指導というか、それからこれはやはり、まだまだ普及しているという状態じゃないですよね。これをどういうふうに普及していくかということの簡単なガイドラインというような、わかりやすい形でのパンフにしても、小冊子でもいいと思うんですが、そういうものをつくってやる必要があるんじゃないか。
 私は、実は資料が集め切れなくて具体的な話ができないんですが、大阪の方では、これがやられているというふうに聞きました。これは借地借家人組合の人もその話を聞いたら、具体的に大阪の方では独自にやっているという話を聞きました。
 そういう意味では、東京都の方もそういう努力をやる必要があるのではないだろうか、こういうふうに思うんですね。これはまさに裁判で争われているというふうな事態にも発展するような問題にもなるわけですけれども、事前にそれが契約時にちゃんとやれるようなものが大事なんじゃないか、そういう点でも、審議会の中でも議題になったし、討論にもなったんだろうというふうに思うので、その辺の方向を具体的に提起されている借地借家人組合からの要求をぜひ実現していく方向が大事なんじゃないかと思うんですが、この辺はどうですか。

○安藤民間住宅部長 ただいまお話のありました原状回復をめぐるトラブルとガイドラインという、国と不動産適正取引推進機構で作られたものですが、これにつきましても、私ども先ほど答弁申し上げましたように、都民からの相談に際しましては、こういうものの紹介等もしておりますが、また、住宅賃貸借契約の手引等、都としても一定のPR等をしているところでございますが、答申では、現場により近い都が率先して、関係業界の協力も得ながら、契約、管理に関してあらかじめ取り決めておくべき事項の明確化に取り組むべきであると述べております。この答申の趣旨を踏まえ、都として検討を進めてまいります。

○池田委員 答申の趣旨を踏まえて検討するというのはいいんですが、ぜひ具体的な解決の方途をやってほしいというふうに思います。
 二つ目ですが、これは住政審の中でも、当然議論もされてきたというふうに思いますけれども、居住水準の問題について、基本的な認識と、今、民間賃貸住宅の劣悪な状況というのは、なかなかいろんな難しい要素がかみ合って解決できないということは、経過を見ても、大変難しい話だろうというふうには思います。
 しかし、当然、居住水準の問題については、東京都の住宅マスタープランの中でもいっているわけです。とりわけ民間賃貸住宅、特に木造の賃貸住宅の劣悪さというのは、だれもが今までも強調して指摘をしてきているところです。
 そういう点で、住政審の中でどのような立場からの議論と、それから方向が示されたんでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 住政審におきましては、従来の都の民間賃貸住宅施策が新規建設を中心に住宅の広さの確保を主な目標としてきたことに対しまして、近年では、社会経済状況が大きく変化するとともに、ストック形成が進展する中で、新たな課題といたしまして、既存ストックの適切な維持更新、住宅の立地の改善、バリアフリー化の推進あるいは管理に関する紛争の未然防止といったさまざまな重要課題が出てきているということで、こうした民間賃貸住宅をめぐるソフトな面も含めました幅広い課題について議論があったと認識しております。
 そして、これらのさまざまな課題に対応するため、今後の民間賃貸住宅施策については、市場を活用して良質な民間賃貸住宅を効果的に誘導することが必要不可欠と指摘されたところでございまして、居住水準につきましても、こうした市場の活用を通じて着実に向上を図っていくことが大切である、そのような議論であったと認識してございます。

○池田委員 市場活用というと、今までの東京都の住宅政策、そしてビッグバンなり、今度のマスタープランの中で示されているように、民間に任せる、東京都が主体的にどういうふうに今の民間の劣悪な居住水準、これを打開していくかということについて、なかなかやはりやれないで来ているというのが実情じゃないか。
 私はそういう面から見ても、今の話を聞いていて、民間ということになれば、これは民間デベロッパーに任していくとかいうことを中心として、東京都はもう一方を向いたスタンスになっていくんじゃないかと思わざるを得ないというふうに--しかし、これはまた後ほどの議論になるだろうというふうに思うんで、これはこれまでにしておきますけれども、ぜひ民間の賃貸住宅の劣悪な居住、それから居住水準や狭さの問題なんか、いろいろ議論されているわけですから、そういうものをぜひ前向きな形で具体的な方向で考えて、対策もしてほしいというふうに強く求めておきたいと思います。
 そこで、今まで東京都がやってきた民間賃貸住宅施策の中心というのは、中堅所得層の住宅問題、これに対処するために都民住宅制度、それから優良民間賃貸住宅制度、こういうものをやってきたというふうに私は思っています。
 答申では、現行制度を抜本的に見直す、そして後年度の負担を伴わない施策転換といっているわけです。これは具体的にいえば、今、都民住宅だとかそういう制度によって行われている家賃補助、利子補給、こういう制度を見直していく。将来は補助を削減し、廃止、こういうことまでいっているものではないんでしょうか。その辺はどうですか。

○水流住宅政策担当部長 今回の審議会の審議におきましては、都民住宅制度等が創設された以降、地価、建築費等が下落いたしまして、現在においては家賃などが大幅に低下してきているなど、制度の前提となっている社会経済状況が大きく変化していることから、家賃補助等の意義が薄れてきているといった点、また、二十年間にわたって長期間の家賃補助等を行うことは、現下の厳しい都財政に多大な後年度負担を招いているといった議論があったところでございます。
 したがいまして、今回の答申におきましては、家賃補助のあり方も含め、都民住宅制度を抜本的に見直す必要があるという提言を受けたものと認識しているところでございます。

○池田委員 抜本的な見直しというのは私が今いったようなものだと、こういうふうに考えざるを得ないと思うんです。
 そこで、今、石原都政が二期目に入って、第二次財政再建推進プラン、この策定の具体化を進めろということで、十月にはそのプランを示していこうということをいわれているわけですね。そして財務局は、先日、補助金に関する調査というものを発表しました。東京全体の中で、約七百三十三事業の具体的な事業名が示されました。
 住宅局関係では、区市町村の住宅供給事業を初めとして、今申し上げたような事業、優良民間賃貸住宅供給事業、そして公社や民間活用の都民住宅供給事業、こういうものを明示されているんですね。私は、今度の審議会答申というのは、この方向にぴったり軌道を合わせていくというふうなものになっていくというふうに考えます。
 そこで私は、こういう流れの中で、東京都が財政再建をいっている、一方審議会では、先ほど部長の話があったように、将来に大きな財政負担を得るようなものになる、こういう事業については抜本的に見直していく、全く一致しているわけですね。そこで、私は、もしこれを実施するということになると、これは住宅局として大変重大な政策的な転機というふうになると思うんです。
 そこで、基本的な問題ですから局長さんにお伺いしたいんですが、今ちょっと聞いていて、今の事業の問題について、そういう都民住宅なりの家賃補助の問題や企業に対する建設費や、それから家賃の補助、助成、こういうものについて、どういうふうに考えておられますか。

○高橋住宅局長 今回の民間賃貸住宅施策のこの諮問に当たりましては、背景は、その前の平成十三年五月に住政審から答申をいただきまして、新たなマスタープランを策定しておりますけれども、その中で、新たな民間住宅施策の形成、展開について既に触れられております。
 また、時系列的には、三月末にこの諮問をかけておりまして、そういう意味では、先ほど財政再建推進プランのお話もありましたけれども、住宅政策として問題意識を主体的に持って、この諮問をかけてお願いをして、答申を得たというふうに認識しております。
 また、そうした中で、答申をいただく過程でも議論がございましたけれども、社会経済状況の大きな変化と、それから民間賃貸住宅市場のストックの形成、進展、こうしたものを踏まえまして、さまざまな課題を見据えながら、また、将来を見据えながら、住宅施策の不断の見直しが必要と、こういうことは私どもとしても基本的に認識をしているところでございます。
 厳しい都財政の状況を勘案するのは当然でございますけれども、市場を有効に活用しまして、的確な施策の形成が今求められているというふうに認識をしております。今回のお話にございました家賃制度のあり方も含めた都民住宅制度の抜本的な見直しを求めました提言をいただいたところでございまして、こうした提言の趣旨を十分踏まえまして、今後検討していきたいというふうに考えております。

○池田委員 住政審に諮問をしたのは三月というふうにありましたね。これは要するに財政再建推進プランとは直接かかわりはないというふうな表現の中で使われたというふうに思うんですが、もしそうだとすると、やはり大事なのは、住宅局としては、きちっと局の仕事、この基本は、私は東京都住宅基本条例だというふうに思うんです。この東京都の住宅基本条例の中の第九条の三項には、こういうふうに書いてあるんです。
 都は、都民住宅、いわゆる中間勤労者を対象に、その住居費負担を適切な水準にするため、地価を顕在化させない等その工夫を加えた供給方式及び家賃制度を活用して、都がみずから供給し、また、その関与もしくは財政上の援助により供給される公共住宅をいうということについて、その建設を推進するとともに、公社に対する都有地の貸し付け、その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする、こういうふうに書かれているんですね。
 私はそういう点では、この住宅条例の中で決められているスタンスというのは、住宅局の今の状況下での対応の基本だというふうに思うんです。その辺の絡みを考えてみて、どうでしょうか。

○高橋住宅局長 住宅政策審議会、そのようにもちろん基本条例に基づきまして設置をされている審議会でございまして、審議会の議論の前提といたしましては、当然、住宅基本条例を据えた上でのご議論がなされたというふうに認識をしております。
 そうした中で、この現在の民間賃貸住宅施策が構築されました時代的な背景、地価の状況ですとか建築費、家賃の状況、そういったものがここに至りまして大きな変化があるということを踏まえての今回のご提言である、答申であるというふうに認識をしております。

○池田委員 これから具体的な施策の検討が進められて、そして局としての方向が財務局なり知事本部の方に上げられていくんだろうというふうに思うんですけれども、向こうからの強い圧力というか、そういうものをぴしっとね、私はやっぱり基本的な条例の立場に立って、局として都民の居住を--とりわけこの都民住宅というのは、中堅所得層というか、そういう方たちの居住と生活安定を東京都としてやるということになってるわけですから。
 最近、全体として不動産、土地の状況だとか、マンションの下落だとか、いろんなことをいわれています。しかし都心部、まあ二十三区もそうでありますけれども、依然として家賃水準というのが高い地域があるんですね。家賃補助というのはやっぱり今後も必要だというふうに私は思うんですけれども、その辺はどうでしょう。

○水流住宅政策担当部長 繰り返しになりますが、経済社会状況の変化、制度を創設したとき以来の変化を踏まえますと、今後の住宅政策の基本は、民間市場を活性化して、そして良質な賃貸住宅その他の供給を誘導していくということだと認識してございます。
 そうした基本的な今後の政策の方向性の中で、家賃補助制度という直接対人的な手法を講じて住宅政策をやっていくべきなのか、やはり市場に基本を据えた全体的な、市場全体に効果が及ぶような政策をやっていくべきではないのかという、そういう指摘が審議会でなされ、答申がなされたわけでございます。
 したがいまして私どもとしましては、そうした今回の答申の趣旨を踏まえまして、家賃制度も含め、そのあり方も含めて、都民住宅制度等の抜本的な見直しを検討してまいるということでございます。

○池田委員 部長はそういうこと以外いえないんだろうというふうに思うけれども、これは当然、今後の東京都の住宅政策全般にかかわる問題ですよね。
 これは「都政新報」が報道しているわけですが、都民住宅制度抜本的見直し、家賃補助減額または廃止、必要な地域に必要な民間賃貸供給、こういうふうに書かれて、都の財政悪化が背景にというふうに解説されておりますけれども、こういう流れの中で、本当に流されていくということになれば、東京都が自治体として、都民の居住、これは憲法で保障されている権利であり、人権としても当然保障されなければならない。
 低所得者である皆さんが入っておられる都営住宅はもちろんでありますけれども、中堅所得層の方たち、特に若年ファミリーの人たち、大変要求が切実ですよね。そういうものに本当にこたえていく公共的な役割というのは、これは民に任せていいなんというようなことで、東京都が住宅政策をこの間ずっと後退させてきた。本当に残念なことです。それをさらにこういう層まで広げていく、これは許されないことだというふうにいわざるを得ません。
 最後に一つだけ、これは国の制度とのかかわり合いなんで、東京都にもはっきりさせておいてほしいと思いますが、二十三区のある区で、特定優良賃貸住宅にかかわる家賃補助制度の見直しを求める意見書というのを出されました。これはもちろん住宅局は見ておられると思うんですが、どういうことをいっておるかというと、近傍同種の家賃の程度、それより低く抑えようということで、国の方の制度で家賃が低減されるということになっているわけですね。しかし、今、その契約家賃が年三・五%ずつ上げられていっているわけですね。
 それを、今の実情からしてこれは合わない。この三・五%、実は国の方は五%といっているんですが、三・五%に今抑えている。しかし、これはもう実情として合わないから、これをもっと下げてほしい。やはり当然な要求なんですね。
 これはこういうふうにいっております。区民住宅の入居者負担額は、この法律によって、近傍同種の賃貸住宅と均衡を保つように定められた家賃から入居者の所得に応じて入居負担額を定め、その負担額は毎年三・五%ずつ上昇する制度となっております。今ちょっと私が説明した中身です。しかしながら、現下の厳しい経済状況の中で、区民住宅に入居している中堅所得者にとって、この負担額は、生活を維持していく上で大きな負担となっております。
 さらに、今一般にいわれておりますけれども、昨今の分譲マンションの価格が下落している中で、ユーザーにとって特定優良賃貸住宅制度を選ぶというメリットがなくなっている、こういう問題が生じて、そして制度創設時期に比較すると空き家が多くなっている、入居希望者も年々減少している、こういう状況にあるんだと。だから、こういう中堅所得者層のアフォーダブルな住宅供給による生活の安定を目指すため、早急に特定優良賃貸住宅の入居者負担額基準の引き下げ、これをぜひやってほしい、この見直しを強く要請してほしいというのが、国に上げられているんですね。
 そして、これは東京都は全くかかわりはないという話じゃないんですね、先ほど来申し上げているように。こういう国の制度に東京都が合わせて助成をしている制度まで、さっき私が問題にしていた家賃の補助、また建設費の補助ですね、そういうものも削減し、将来廃止の方向に向かっていくのかということを、私はやはり大変危惧しているんです。その辺はどうでしょうか。

○安藤民間住宅部長 都民住宅制度は、中堅所得者層を対象とし、傾斜的な家賃上昇を前提に、入居者の初期負担を軽減する仕組みでございます。現在の社会経済状況の中で、こうした枠組みにおける財政的支援を拡大の方向で検討することは困難と考えております。

○池田委員 困難、困難と、財政状況が、財政状況がというふうにいうんですけれども、これは国の制度なんです。国の制度に東京都が合わせて助成をやってる制度です。こういうところまで、今みたいな答弁が繰り返されるということになれば、ますます問題は深刻な方向に行かざるを得ない。私は、そういうことをぜひ反省をして、本来東京都がやるべき仕事、財政的な問題の困難な状況の中でも、居住という基本的な問題ですから、そのものを東京都として責任を負えるということを強く求めて、終わります。

○高島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○高島委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、一五第二八号、都営住宅の管理、運営に対する費用対効果、コスト意識に関する陳情及び一五第二九号、都営住宅管理運営の法令尊重に関する陳情は、内容が関連しておりますので、一括議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○青木住宅経営部長 まず整理番号1、一五第二八号、都営住宅の管理、運営に対する費用対効果、コスト意識に関する陳情でございます。
 陳情者は、西多摩郡瑞穂町にお住まいの斎藤隆男さんでございます。
 陳情の要旨は、都営瑞穂石畑第三アパート内の専任管理人事務所は約三年間放置され、平成十五年五月十六日から毎週金曜日に東京都住宅供給公社が使用している。一週間に一回の使用であれば、使用されていない集会所を使用すべきである。また、専任管理人事務所は必要のない施設である。これは、東京都住宅局住宅経営部に、費用対効果、コスト意識のないことが原因である。東京都住宅局住宅経営部は、都営住宅の管理運営に対して費用対効果、コスト意識を持っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、平成十四年四月に専任管理人制度を見直し、自分から窓口に出向けない高齢者及び障害者世帯等の方々に対しまして各種申請等に対する支援を行うため、巡回管理人制度を導入いたしました。それに伴いまして、従来の専任管理人事務所につきましては、巡回管理人立ち寄り所として、各種申請に関する情報提供や相談等の拠点としているところでございます。また、必要に応じまして書類等の保管場所としても活用しております。
 当該瑞穂石畑第三アパート内の専任管理人事務所は、平成十四年二月に竣工いたしましたが、その後、先ほど申し上げましたように専任管理人制度の見直しがございましたことから、これまで、改善事業等にかかわる備品等の保管場所として使用してきたものでございます。また、平成十五年五月十六日からは巡回管理人立ち寄り所としても活用しているところでございます。
 続きまして、整理番号2、一五第二九号、都営住宅管理運営の法令尊重に関する陳情でございます。
 陳情者につきましては、整理番号1と同じ斎藤隆男さんでございます。
 陳情の要旨は、以下の理由から、都議会は、住宅局職員の指導監督及び法令尊重を徹底するよう住宅局長をただしていただきたいというものでございます。
 その理由でございますが、瑞穂町に対し、瑞穂石畑第三アパート内の集会所を学童保育クラブとして過去にさかのぼって許可を与えたこと、瑞穂町が都の許可を得ずに瑞穂石畑第二アパートにあるむさしの公園に設置を認めた武蔵野老人会の物置の撤去を瑞穂町に対して都が指導できないでいること、瑞穂町が都の許可なく瑞穂石畑第三アパートにある広場にトイレを設置したことについて都が刑事告発しなかったこと、自治会による集会所の独占的、継続的使用について是正されないことというものでございます。
 現在の状況でございますが、当該瑞穂石畑第三アパート内の集会所につきましては、瑞穂町からの使用許可申請手続がおくれていたため、所定の手続をとらせた上、瑞穂石畑アパート内にありました児童館の建てかえ工事中の代替施設として使用許可したものでございます。当該物置及び簡易トイレにつきましては、都の指導の結果、瑞穂町により既に撤去され是正されております。また、瑞穂石畑第二アパート内の集会所につきましては、自治会に対し独占的に使用しないよう指導し、既に是正されております。
 以上でご説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○高島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。--発言がなければ、これより採決を行います。
 まず、陳情一五第二八号を起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方のご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○高島委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一五第二八号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情一五第二九号を起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○高島委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一五第二九号は不採択と決定いたしました。

○高島委員長 次に、一五第三二号、国立市泉二丁目アパート家賃引下げに関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○青木住宅経営部長 整理番号3、一五第三二号、国立市泉二丁目アパート家賃引下げに関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、国立市にお住まいの国立泉二丁目アパート自治会長久保田弘さん外六百九十六名の方々でございます。
 陳情の要旨は、国立市泉二丁目アパートの都民住宅傾斜家賃を都営住宅並みに引き下げていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都民住宅の入居者負担額は、入居者の所得に応じまして使用料から減額されております。使用料と入居者負担額との差額は、国と都で負担しているものでございます。入居者負担額は毎年三・五%ずつ上昇いたしますが、この使用料からの減額は、住宅管理開始から最大二十年を限度といたしまして、入居者負担額が使用料に達するまで行われるものでございます。平成十年十二月に使用料の見直しを行いまして、当団地につきましては既に平均四万三千三百十円、率にいたしまして二九・八%の引き下げを行ったものでございます。
 なお、本年八月に、先ほどご説明申し上げましたように、東京都住宅政策審議会から都民住宅制度の抜本的な見直し等について答申がありましたことから、都民住宅のあり方について検討を行っているところでございます。
 以上でご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小磯委員 去年の十月三十一日の当委員会におきまして、私もこの泉二丁目アパートの件について質問をさせていただきました。当時、私が質問したときの空き家の状況は、三百六十四戸のうち九十二戸の空き家、こんなようなことで質問しているわけでございますが、現在はこの住居の空き家状況はどんなものか、お知らせいただきたいと思います。

○石井参事 ご質問の泉二丁目の空き家の現在の状況でございますが、平成十五年三月末現在の空き家は、管理戸数三百六十四戸のうち、三宅島被災者の方を入居者として含めますと、六十五戸、空き家率一八%でございます。

○小磯委員 今お話しになったのは三月三十一日現在でございますけれども、直近のところでいきますと、三百六十四戸のうち入居が二百八、空き家が百五十六。その空き家の百五十六のうち、三宅の方が六十四戸入られておる、こんなふうに私聞いております。三宅の方を入れた空き家の数で計算すると四二%の空き家率ということになってしまうわけでございますが、やはりかなり空き家が多いという状況は、今もって変わってないなという感じがいたします。
 それで、当時、私が委員会で質問したときに、この都民住宅については、駅から遠いということ、それからまた近所に買い物をするお店がないということ、そしてバスの本数がない、こんなようなことで、やはりどうしても実感として家賃が高い、そういう理由。また、空き家が多くて、引っ越ししてそこに入居しても、もう二、三年で引っ越してしまう、そんなような状況が続いている、そんなことでございました。
 そういうことで、傾斜家賃の見直しであるとか、また使用料そのものを下げるとか、いろいろと質問をさせていただいたわけでございます。そういう中で、ぜひこの泉二丁目アパートについては検討チームをつくって何とか検討していただきたい、こんなような質問をさせていただいて、局内に検討チームをつくっていただいたと伺っております。その検討チームの構成メンバー、目的、そのチームとしての検討内容、そしてまた調査結果がどのようなものであったのかをお伺いしたいと思います。

○石井参事 ご質問の泉二丁目のPTでございますが、住宅局内部に、空き家率の高い当泉二丁目アパートにつきまして、担当参事をキャップとする関係課長等による検討チームを設置いたしました。
 現地の状況についてでございますが、今小磯委員の方からお話がございましたように、例えば徒歩ですと、多摩モノレール万願寺駅へ十五分、あるいはJR南武線矢川駅へ十八分でございます。また、バスを利用する場合は、JR中央線の国立駅、あるいは京王線中河原駅など各方面に、朝夕通勤時間帯にはそれぞれ一時間に一本から四本ございますが、日中は一時間に一本から二本ということでございます。また、ご指摘のとおり、駅周辺以外には店舗が少ない状況でございました。
 このような状況も含めまして、現在、空き家解消のための方策を総合的に検討しているところでございます。

○小磯委員 傾斜家賃について、その利用者から見ますと、家賃が上昇する形でありますけれども、家賃補助を国と都が行っている。国が二分の一、東京都が二分の一と。その補助額は年率三・五%で下がっていると。これまで東京都は、年三・五%ずつ上昇する家賃については、国の制度であるから、東京都ではどうしようもない旨の説明であったわけでございますが、国土交通省に聞いてみると、東京都の傾斜家賃の上昇率を変えることは、都が独自でできるとの回答があったわけでございます。
 そういうことで、制度的には東京都が補助を拡大すれば、傾斜家賃をしなくても済むことはあり得ることがわかったわけでありますけれども、使用料の減額、それから傾斜家賃の停止など、現時点でどう考えておられるか。
 また、傾斜家賃の方が現在まだ何人おられるのか、伺いたいと思います。

○石井参事 都民住宅制度は中堅所得者層を対象としてございまして、傾斜的な家賃上昇を前提に入居者の諸費負担を軽減する、そういう仕組みでございます。現今の社会経済状況の中で、このような枠組みにおいて、財政的支援を拡大の方向で検討することは困難とは考えるところでございますが、このような制度の基本的な枠組みにかかわる問題は、改めて都民住宅制度全体の見直しの中で検討するべき内容というふうに考えてございます。
 また、平成十五年三月末現在でございますが、二百二十七人の入居者のうち、傾斜家賃の適用を受けている方は百六十九人でございます。

○小磯委員 二百二十七人のうち百六十九人がまだ傾斜家賃の適用をされておられるということで、検討をするには十分な人数じゃないかなというふうには思っております。
 それから、今は都民住宅であるわけでありますけれども、これの都民住宅から都営住宅への変更、当初、一棟丸ごと三カ月以上空き家であれば、都営住宅への転換が可能である、そういう認識であったわけでありますが、これも国交省の方にいろいろと問い合わせて、その説明によりますと、理論的には空き家の部屋ごとに都営住宅への転換ができるということでございますが、この認識でよろしいのかどうか。
 そしてまた、泉二丁目アパートについて、三宅の方も入っておられるわけですけれども、それでもなおかつ九十カ所以上の空き家が現在あるわけでございます。そういった意味で、空き家の状況が変わらないわけでありますので、都民住宅から都営住宅への変更も可能ではないかなと、そのように思うわけでございますが、都はどのようにお考えでございましょうか。

○石井参事 都民住宅から都営住宅への変更でございますが、これは入居者募集のための措置を講じた上で、なお三月以上入居者がいないこと等、そのような一定の用件を満たした場合には、部屋ごとの都営住宅への転換も制度運用上不可能ではないと聞いているところでございます。
 しかしながら、同一棟内において都民住宅と都営住宅が混在すると、そういうことによる問題など、多くの困難な課題があるというふうに考えているところでございます。

○小磯委員 検討チームをつくっていただいて、いろいろなことをご検討していただいていると思うんですけれども、都施行の都民住宅がずうっと何年にもわたって空き家が何十カ所もあると。この状況を何とか打開するための検討チームという位置づけだと思っております。
 そのためには、空き家を解消するためには、そういう家賃の問題を解決するのか、また都民住宅から都営住宅に変えていくのか、やはりそういった中で検討する以外に私はないのではないかなと。もちろんバスの本数をふやすとか、お店をいっぱいつくるとか、そんなことができれば、それはいいわけでございますが、現状としてなかなかそうはいかないといったところでございます。
 そういった意味で、今の答弁では、東京都の住宅政策審議会の都民住宅の見直しの答申と合わせて、今回の泉二丁目アパートの対処方法について、何らかの結論を出していくというふうに私は認識しているわけでございますけれども、新聞報道によりますと、都民住宅制度抜本見直し、家賃補助縮小など、東京都来年度からというふうに書いてあるわけでありまして、この答申を受けて、それを東京都が検討して、そして結果を出すのは、来年度に合わすわけですから、もう間もなくかなという思いがするわけでございますが、いわゆるこの検討チームの結果については、都民住宅の全体の見直しと合わせて行うのか、そしてまたその時期について、いつぐらいになるのか、お伺いしたいと思います。

○石井参事 このPTでございますが、本年八月に出ました東京都住宅政策審議会の答申は、社会経済状況の大きな変化と民間賃貸住宅市場のストックケースの進展を踏まえて、都民住宅制度の抜本的な見直しを提言しているところでございます。当該団地についても答申の趣旨を勘案し、都民住宅制度全体の見直しを視野に入れつつ、種々の対策を総合的に検討してまいりたいと思います。
 そして、見直し、あるいはその結論をいつというのは、現時点では明示というのは不可能でございますが、できる限り早急にこの団地については結論を出していきたいというふうに考えてございます。

○小磯委員 その早急にというのは、年内ということでよろしいでしょうか。

○石井参事 時期につきましては、現在のところは明示はできませんが、できる限り早急に対応していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○小磯委員 できる限り早急に結論を出していただくよう、よろしくお願いいたします。

○小松委員 小磯委員とできるだけダブらない形で質疑してまいりたいと思いますが、やはり空き家の状況が大変多くなっているということで、これは本当に何とかしなければならないんですが、先ほどの中で、発生の原因は、昨年の小磯委員に対するお答えの中でも出ておりましたけれど、駅までのバスの本数が足りないとか、周辺に店舗がないとか、先ほどの現状を見ても、バスも一本から四本、非常に不便な地域である、このことを強調されておられましたけれども、本当にそのとおりだと思います。
 しかし一方で、使用料、家賃そのものが他のところで市場家賃とした場合には決して高くはないとしても、ここの場所ではこういうものが加味されて、非常に高く感じられる、そういったことも原因という形ではないのかと思うんです。
 都施行型の都民住宅の中では、泉二丁目のほかに空き家率が多い団地ということでは、調べたところでは多摩ニュータウンなど、前までは多かったけれど、今は三宅島から避難者が入居して空き家の数が少なくなっているということで、泉二丁目が最大ということで、まずここを解決することかなと思うんです。
 そこで、もう少し基本的なところをお聞きしますと、この泉二丁目住宅の最終使用料の最高額、最低額はどうなっているんでしょうか。それぞれ今傾斜家賃が適用されている人数をお聞きしましたけれども、この最終使用料にいつ達するのかも含めてお願いいたします。

○石井参事 泉二丁目の傾斜家賃が最終的に到達するところの使用料、それの最高額は十万四千九百円でございます。最低額は十万六百円でございます。傾斜家賃が使用料に到達するのは、いずれの場合も平成十九年十二月でございます。

○小松委員 やはりこういう地域でそれだけというのは高い感覚があるのと、それと中堅どころといいましても、既にもう十年くらいたっているんでしょうかね。そうしますと、年金者の方々が多くなるというところでは、そういった感覚が、ここにありますように非常に高くなっているんだと思います。三宅島からの入居者を除いて、空き家となっている住戸から、本来入るべく収入というのは年間どのくらいになるんでしょうか。

○石井参事 その額は、おおよそ年間七千三百万、そのように推定しているところでございます。

○小松委員 年間約七千三百万円が入るべくして入らないということですね。それが一年ではなく、ここずうっと続いているということになりますと、七千三百万円を計算してみますと、先ほどの空き家になっているのが六十四戸とか五戸とか、計算してみますと、一人当たり、月に計算して二万円ぐらいになるんじゃないんですか。ということは、二万円安くしても、結局は入る収入同じだよと、そういうことになるわけで、人が入らない住宅というのは大変荒れます。
 まして、ここもそうですが、都内は知りませんけれど、多摩の場合、非常にハト公害が多いんですよね。ここもご多分に漏れず、やはり空き家があるから、こういう公害にも見舞われるということですので、家賃を下げるとか、それらも考えられるのではないかということで、PTで今検討しているんだと。
 先ほどのお答えでは、担当参事をキャップとして、現地調査ですとか、空き家解消のための総合検討を行っているということですけれど、一年近くやってきているわけですから、具体的な中身、どんなことをどんなふうに検討しているのか--現地の状況は伺いました。ということは、現地に行って調べた、それだけといいたくなるんですが、そうではないですよね。もう少しお聞かせください。

○石井参事 PTにおきましては、現地調査等も含めまして種々検討してございますが、このたび答申も出たということもございますので、答申の趣旨を勘案し、現在、都民住宅制度全体の見直しを視野に入れて、種々の対策を総合的に検討しているところでございます。

○小松委員 今後は総合的に検討すると。先ほど大分質疑も交わされましたけれども、都民住宅の問題は、やはりいろいろとこれは見直しも必要かと思われます。ですから、それは結構なんですが、この一年間何をされて、どういうところが出ていたんですか。何かいろいろな形が出ているんではないんですか。

○石井参事 PTにつきましては、一年といいますか、設置してから一年近く経過しているわけでございますが、その中での議論につきましては、この三月に住政審への諮問といったようなこともございまして、その辺の動向も見きわめながらということでございまして、今現在でもって、こうこうこのような対策はどうかといったようなことはご報告できる状況にはございません。

○小松委員 実態は見たけれど、三月に、この住政審の答申も出るから、その様子をということでは、大変これは遅くなると思います。
 ところで、先ほどの小磯議員のお答えの中で、都営住宅への変更は、例えば入居者が三カ月以上いないときはできるんだと。しかし、同一住宅内に都民住宅と都営住宅が混在することになると非常に困難もあるということでしたけれど、ちょっとここで確認しておきたいんですけれど、今質疑を交わしていた基本というのは、空き家だけを都営住宅として募集することができる、そのことでしょうか。そういうところがあれば、すべてそこの団地は、都民住宅から都営住宅に変えることができるということでしょうか。確認させてください。

○石井参事 都民住宅を都営住宅へ変更するというこの制度でございますが、これは先ほど小磯委員の方からもお話しございましたように、棟ごとではなくても、一戸ごと、空き家が一戸単位でもって三カ月以上入居者がない、そういったような状況がある場合は、その他の一定の用件を満たした場合においては、制度上不可能ではない、そういうことでございます。

○小松委員 ということは、今あいている六十四戸か五戸を都営住宅にして、そして募集することはできるよというふうに解釈してよろしいわけですね。
 ということになりますと、今住んでいらっしゃる都民住宅の方々、これは到底納得できないんじゃないでしょうかね。そういう意味では、都営住宅に変えるというならば、それこそ住んでいらっしゃる入居者の方々と十分に話し合って、それから、もちろん高額所得以上の方も、結局中堅所得階層ですから相当いらっしゃるでしょう。そういう方たちには、よそへ出ていくんじゃなくて、そこにいて何とかなるという形、家賃はそのままでも、その方がいらっしゃる限り、都民住宅としてやるとか--何かわかりませんよ、でも、とにかくその合意がない中で、あいているところだけを都営住宅にするというのは、それは非常に問題ではないかというふうに思うんですが、もし都営住宅というならば、全体を考えなくちゃならないと思うんですが、ちょっと先ほどそういう話が出ましたので、もう一回確認したいと思います。

○石井参事 先ほどご説明しましたように、制度上は部屋ごとの転換というものも可能ではございますが、ただ、同一棟内に都民住宅と都営住宅が混在するという現象が当然生じますので、その場合、多くの課題があるのではないかということでございます。

○小松委員 そういうことにするということではなく、今後の問題ですが、意見だけを申し上げて終わりにしたいと思いますけれど、都民住宅につきましては、私ども共産党議員団も当初から、毎年三・五%、当時は五%でしたけれど、家賃を引き上げる制度自体について問題を指摘してきたわけですが、住政審でも取り上げられて、答申が出ました。ここで抜本見直しをということですので、社会経済情勢とあわせて、入居者が安心して住み続けられるものが求められるのではないかと思います。
 この住宅難の中でこれほど空き家が多いこと自体、もっと早くから検討を重ねるべきだったのではないでしょうか。住民との話し合い、合意のもとに、例えば都営住宅にしていくことも視野に含めて、基本的には使用料の引き下げや傾斜家賃の凍結など、早急に結論を出してほしいと思います。
 年間七千三百万円の収入減というのは、先ほど申し上げましたように、一戸当たりにすると二万円にもなると。使用料を二万円引き下げても、空き家がなくなれば収入は減少しない。部屋をあけておくということは、居室も傷むなど、私どもは大変心配しております。PTを立ち上げてから一年近くたったという中で、空き家は続き、都の収入は全くふえないという中では、もっとスピードを上げて検討を進めて、よりよい方向を見出していただきたいということを申し添えて、採択を主張し、質疑を終わります。

○新井委員 二人の委員の方が質疑をされまして、かなりいろいろと明らかになってまいりましたので、私の方からは若干最後に確認という意味で、少しお伺いしたいと思います。
 まず、家賃なんですけれども、陳情者の方は、三・五%ずつ上昇する傾斜家賃というものを一時据え置き、または凍結ができないかというふうにおっしゃっているわけですけれども、現在、居住者の方が負担している金額はどんなふうになっていますでしょうか。

○石井参事 使用料と入居者負担額があるわけでございますが、使用料の平均が十万二千円でございます。そして入居者負担額、すなわち既に使用料に到達している人を除くと、その場合の平均は八万六千六百円でございます。

○新井委員 広さ等を勘案しますと、家賃そのものはそんなに高いというふうではないのかなと思いますけれども、立地そのもの、環境等を見ますと、これだけ空き家率が高いということから見ると、全体を勘案すると、まあ敬遠されていて、割高感が残っているということなんじゃないかと思います。
 先ほどの小磯委員との質疑の中で、できる限り早急に見直すというふうなご答弁があったわけなんですけれども、先ほど来、住宅政策審議会の答申の中で、都民住宅の抜本的見直しということが出ているわけなんですけれども、その抜本的見直しをしていくのと別途、こちらの方だけ特殊なモデルケースとして検討をして早急に答えを出すということなのでしょうか、ちょっと確認をしたいと思います。

○石井参事 当該住宅は、都施行型の都民住宅の中でも空き家戸数が最も多いということでございます。したがいまして、こうした問題も含めまして、答申の趣旨を勘案し、制度全体の見直しを視野に入れながら、種々の対策を総合的に検討してまいりたいということでございますが、一方ではPTが発足して一年余り経過しようというところでございますので、できる限りこの団地について早急に結論を出していきたい、そのように考えてございます。

○新井委員 こちらの泉の方だけは別途早急に結論を出すというふうなお答えだったと思います。やはり住政審の答申で抜本的な見直しということがありますけれども、先ほど来お話されているように、家賃補助をなくしていくような方向がいろいろささやかれているような現状でもございますし、そういう中では、一律に見直していくということではなく、特殊事情のあるところについては別途検討していくという姿勢が大事なのではないかと思います。
 私の方からも、陳情者の方とよく話し合いながら、この泉について、できるだけ早い解決ということでお願いして、終わります。

○石井参事 今の件でございますが、当該住宅団地だけ別途切り離してということではなくて、全体の制度の見直しを視野に入れながらスピードアップを図っていきたい、そういうことでございます。よろしくお願いいたします。

○新井委員 そうすると、やはり全体としての結論を出すんだということなんでしょうか。先ほどのやりとりだと、ここだけ別途やってくださるのかなというふうな印象を受けたんですけれども、それでは全体的に見直していくということを早急にやっていくんだということのご答弁だったということなんですね。

○高島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、本日のところ保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第三二号は保留といたします。
 陳情の審査を終わります。
 以上で住宅局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十三分散会

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