建設・住宅委員会速記録第五号

平成十五年二月二十七日(木曜日)
第九委員会室
午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長高島なおき君
副委員長星野 篤功君
副委員長木内 良明君
理事花輪ともふみ君
理事新井美沙子君
理事三原 將嗣君
伊沢けい子君
小磯 善彦君
吉原  修君
臼井  孝君
小松 恭子君
高橋かずみ君
土屋たかゆき君
池田 梅夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
住宅局局長橋本  勲君
技監小関 尚久君
総務部長梶原 康二君
建設局局長小峰 良介君
次長上條 弘人君
理事石河 信一君
理事杉浦  浩君
総務部長谷川 健次君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 予算の調査(意見開陳)
 ・第一号議案 平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設・住宅委員会所管分
 ・第十二号議案 平成十五年度東京都都営住宅等事業会計予算
 ・第十三号議案 平成十五年度東京都都営住宅等保証金会計予算
 ・第十七号議案 平成十五年度東京都新住宅市街地開発事業会計予算
 ・第十八号議案 平成十五年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
 ・第十九号議案 平成十五年度東京都市街地再開発事業会計予算
 ・第二十号議案 平成十五年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
 ・第二十三号議案 平成十五年度東京都都市再開発事業会計予算
 付託議案の審査(決定)
 ・第百五号議案 東京都営住宅条例の一部を改正する条例
 ・第百六号議案 東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
 ・第百七号議案 東京都地域特別賃貸住宅条例の一部を改正する条例
 ・第百八号議案 東京都都営住宅等保証金会計条例の一部を改正する条例
 ・第百九号議案 東京都立公園条例の一部を改正する条例
 ・第百十号議案 東京都霊園条例の一部を改正する条例
 ・第百十一号議案 東京都砂防指定地等管理条例
 ・第百十二号議案 東京都市計画事業瑞江駅南部土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百十三号議案 東京都市計画事業花畑北部土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百十四号議案 東京都市計画事業瑞江駅西部土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百十五号議案 東京都市計画事業汐留土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百十六号議案 東京都市計画事業篠崎駅東部土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百十七号議案 東京都市計画事業秋葉原駅付近土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百十八号議案 東京都市計画事業新砂土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百十九号議案 東京都市計画事業豊洲土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百二十号議案 東京都市計画事業田端二丁目付近土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百二十一号議案 東京都市計画事業六町四丁目付近土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百二十二号議案 東京都市計画事業有明北土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百二十三号議案 町田都市計画事業相原・小山土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百二十四号議案 国分寺都市計画事業西国分寺土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百三十二号議案 平成十四年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
 ・第百三十三号議案 平成十五年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○高島委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○高島委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせました。
 なお、視察の詳細等及びその他に必要な場合の視察につきましては、その取り扱いを委員長に一任いただきたいと思います。あわせてご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査、並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査、調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設・住宅委員会所管分、第十二号議案、第十三号議案、第十七号議案から第二十号議案まで及び第二十三号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に質疑を終了いたしております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○吉原委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会に付託された平成十五年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 去る十四日に発表された昨年十月から十二月期のGDPは、景気の実感に近い名目値で見ると、前期比〇・一%の減、年率換算〇・五%と三期ぶりのマイナス成長に転じるなど、景気回復の先行きは予断を許さない状況にあります。
 一方、都財政は四年連続の実質赤字が続いており、さらに、景気低迷を受けて、十五年度の都税収入は、大幅な減となった前年度をさらに下回り、八年ぶりに四兆円を割り込むなど大変厳しい状況となっています。
 こうした中にあっても、東京の再生と都民の安心、安全の確保に向けた力強い施策展開や、中小企業、雇用対策など東京が直面する緊急課題への万全の取り組みが強く求められております。
 知事は、十五年度予算案を、財政構造改革に全力を挙げて取り組みつつ、現下の緊急課題や東京の再生に積極的に挑戦する予算と位置づけ、編成されました。
 内容を見ますと、歳出面では、我が党が特に重視している中小企業、雇用対策、ディーゼル車対策、三宅島等の災害対策などの緊急課題に積極的に取り組むとともに、幹線道路、公共交通網の整備や障害者地域支援緊急三カ年プラン、都立病院改革、観光産業の振興、ヒートアイランド対策、市町村への支援など、分野ごとに施策の重点化を図っています。
 このように都民の期待に応じた施策展開が図られる一方で、給与関係費の削減など、内部努力や施策の見直しにこれまで以上に取り組まれ、歳出総額、一般歳出とも厳しく抑制されております。
 歳入面では、都市基盤整備を推進するため、国庫支出金の確保に努めるとともに、後年度の財政負担の軽減を図るため、引き続き都債の抑制が図られております。しかしながら、税源の移譲など地方税財政制度の改善については、新たな改善が図られませんでした。今後とも、税源移譲を初めとする地方税財政制度の改善を強く国に働きかけ、地方主権の時代にふさわしい財政自主権を実現していかなければなりません。
 平成十一年、財政再建団体転落の危機に直面した都は、平成十二年度から財政再建推進プランに基づき財政再建の取り組みを全力で進め、財政再建団体への転落を回避するとともに、十五年度までに、内部努力や施策の見直しなど都独力でなし得る目標はすべて達成するなど、着実に成果を上げてきました。
 しかし、その一方で、プランの見込みを下回る都税収入や一向に進まない国から地方への税源移譲など、財政再建を真に達成するには、まだ道半ばの状況にあります。東京の再生を目指す積極的な取り組みを行うためにも、財政基盤の確立が重要です。あすの東京を切り開いていくためにも、今後とも、真の財政再建に向けてたゆまぬ努力が必要であることを申し述べます。
 なお、予算の執行に当たっては、各局とも効率的な事業運営に努め、都民の期待にこたえるべく、最大限の努力を重ねられるよう強く要望いたします。
 まず、住宅局関係について申し上げます。
 一、民間住宅施策については、今後増加が見込まれる老朽マンションの管理の適正化や建てかえを円滑に進める必要があります。このため、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の制定を踏まえ、優良マンション登録表示制度の普及に努めるなど、マンション問題に対する総合的な施策展開に努められたい。
 二、都内の木造住宅密集地域を災害に強い安全なまちとして再生していくために、区市町村と連携した整備の促進を図ること。
 また、都営住宅敷地を活用した整備の促進や住宅地区改良事業の積極的な活用、公社住宅の建てかえにより生み出される用地の活用、民間事業者の活力の活用など、施策の一層の充実強化に努められたい。
 三、都営住宅制度の抜本的改革に着実に取り組み、期限つき入居制度を定着させるなど、適正かつ公平で効率的な管理に努めること。
 また、港南四丁目団地など都営住宅再編整備モデルプロジェクトに積極的に取り組むとともに、ストックの有効活用をさらに促進されたい。
 四、地域の実情に即したきめ細かな住宅施策の展開ができるよう、区市町村住宅の支援に努めるとともに、都営住宅の移管を促進すること。
 また、三宅島災害に対応するため、村営住宅整備の支援に努められたい。
 五、若年ファミリー世帯や高齢者、障害者に配慮した多様な住宅の供給に努めるとともに、高齢者の居住の安定確保に関する法律を踏まえ、高齢者向け優良賃貸住宅供給助成を着実に進めるなど、施策の充実に努めること。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 一、東京都における道路、河川などの都市基盤は、まだまだ十分といえる状況にありません。その整備促進は、交通渋滞の解消や住環境の向上に寄与し、経済波及効果も大きいことから、今後とも国に対し、公共事業費の確保と配分拡大について要望されたい。
 二、都民生活を支え、都市づくりの基本となる道路については、都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間、島しょ地域の振興を図る道路の整備をそれぞれ促進するとともに、多摩川中流部橋梁等についても整備促進を図ること。
 とりわけ環状八号線や調布保谷線などの区部環状、多摩南北方向を重視した幹線道路網を重点に整備すること。
 また、首都高速王子線及び新宿線の関連街路については、早期完成に向けてその促進を図られたい。
 三、交通渋滞の早期解消を図るため、渋滞の原因となっているピンポイント箇所の重点的、集中的整備やバスベイの設置などを行う効果満点道路事業を強力に推進されたい。
 四、公共交通については、日暮里・舎人線及び東京臨海新交通臨海線「ゆりかもめ」延伸部、有明から豊洲の事業の推進を図られたい。
 五、交通渋滞解消やまちづくりに多大な事業効果のある鉄道連続立体交差事業については、JR中央線や小田急小田原線などで引き続き事業を促進されたい。
 また、踏切渋滞を早期に解消するため、緊急整備手法による踏切すいすい事業を推進されたい。
 六、おくれている多摩地域の道路整備を促進するため、みちづくり・まちづくりパートナー事業の着実な推進を図られたい。
 七、道路の騒音、振動の防止と中小企業の景気対策にも大きく寄与する道路補修については、より一層の事業の充実を図るとともに、工事の平準化を図るため、契約年度に支出が発生しない、いわゆるゼロ都債を活用されたい。
 八、渋滞緩和に効果のある交差点すいすいプラン一〇〇及び歩行者の安全確保を図る歩道の整備、防災機能の強化や高度情報化社会の実現に有効な架空線の地中化を推進されたい。
 九、都市型水害の解消を図るため、空堀川、石神井川などの中小河川の護岸整備を促進するとともに、環状七号線地下調節池の整備など総合的な治水対策の推進を図ること。
 また、水辺に親しめる環境を創出するスーパー堤防や隅田川のテラス整備を促進されたい。
 十、都民に緑と潤いを与えるとともに、防災の拠点ともなる場として、都市公園の造成並びに既設公園の施設整備を促進すること。
 また、青山霊園を霊園と公園が共存する空間と位置づけ、再生事業の推進に努められたい。
 十一、都民が安全で快適に暮らせる総合的なまちづくりを実現するため、都心部の汐留地区、秋葉原地区、環状第二号線新橋・虎ノ門地区及び副都心となる北新宿地区、晴海、豊洲、有明北地区の整備を促進されたい。
 十二、多摩ニュータウンについては、豊かな自然とすぐれた都市環境を生かし、産学公の連携による新たな機能や産業の集積を図るとともに、東京圏メガロポリスの拠点にふさわしい魅力的なまちづくりを目指すよう努められたい。
 十三、多摩地域における他の核都市との広域連携を確保する交通基盤の強化を図るため、南多摩尾根幹線の整備などを積極的に推進されたい。
 十四、三宅島の災害復旧について、島民の帰島に備え、道路や砂防ダムなどの整備を強力に進められたい。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○花輪委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成十五年度予算に係る議案について意見の開陳を行います。
 本予算案は、成長なき構造改革の小泉内閣のもと、都税収入は十四年度に引き続き落ち込み、一般歳出も、前年度比一千十六億円、二・三%減の四兆二千七百四十七億円という極めて厳しい内容となっています。財政状況の厳しさは十二分に理解していますが、政府予算が歳出構造改革なき総縮み予算となり、脱デフレにはほど遠い予算となっている中で、こうした緊縮予算が全府県に広まるならば、デフレの負の連鎖をさらに加速しかねないと危惧するものです。
 石原知事はさきの施政方針で、制度融資については、今後の状況によっては、たとえ年度の途中であってもさらなる融資規模の拡大に踏み込むべきだとされましたが、経済動向いかんでは、都債の追加発行による投資的経費の増額も考慮すべきであると考えます。
 緊急の政策課題に対する対応として、中小企業対策、雇用対策、都独自のディーゼル車対策、食の安全対策などを打ち出しており、これらは私たちの要望にも積極的にこたえたものとして評価したいと思います。さらに、今日、都民の関心の高い食品安全条例の制定についても積極的に取り組まれるよう求めるものです。
 同時に、十四年度最終補正予算で男女平等推進基金を廃止し、財政調整基金に振りかえるという措置を講じましたが、この措置が男女平等推進施策の後退を招くものではないという東京都の見解が、十五年度予算執行の中で事実として示されるように求めておきます。
 一方で、私たち都議会民主党の長年の主張であった公会計制度改革については、昨年末に発表された都立学校別バランスシートに引き続いて、十五年度新財務会計システム開発、十八年度本格実施と、さらに具体的に進展することになっています。このことは同時に、私たち政党の側に法改正の責任を課すものですが、都議会民主党としても、早期の法改正を積極的に働きかけていくことを表明させていただきます。
 今後、限られた財源のもとで景気回復と財政再建を両立させるためには、より一層の財政構造改革が欠かせません。それは、私たち自身にも厳しい決断を迫ることになりますが、都民福祉の後退となることのないよう、知恵を出し、工夫を凝らされるよう求めておきたいと思います。
 以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について述べます。
 まず、住宅局について。
 一、分譲マンション居住支援として、建てかえ事業をコンサルタントに委託する場合の費用を助成し、そのデータを都に提出させる制度を設けることで、東京都としての分譲マンション建てかえ支援モデルを構築すること。
 また、アドバイザーを派遣するなど、区市町村マンション改修を支援すること。
 一、民間住宅への支援として、中古住宅市場の活性化に向けた取り組みをさらに充実させること。
 また、木造住宅密集地域において新築分譲マンションを取得する際には、新たに利子補給の対象に加えること。
 一、多摩の木材を活用した住宅供給の仕組みづくりについて積極的に取り組むこと。
 一、住環境の改善を進めるために、木造住宅密集地域において、都営住宅敷地を活用した木密地域の新たな整備に取り組むこと。
 また、都心におけるオフィスの住宅への転用について新たな支援制度を設けること。
 一、区市町村住宅供給助成事業として、区市町村が民間住宅の共用部分のバリアフリー工事に助成し、その住宅を登録し、高齢者などへの供給を進める登録住宅バリアフリー改良助成を実施すること。
 一、都営住宅の区市町村への移管を積極的に進めること。
 また、港南四丁目での都営住宅再編モデルプロジェクトを実施すること。
 一、都営住宅の管理運営に当たっては、既存団地へのエレベーターの設置を推進すること。
 また、真に住宅に困窮する都民が都営住宅に公平、公正に入居できるよう、高額所得者対策を進めるとともに、期限つき入居の拡大や募集方法の改善を図ること。
 一、住宅供給公社については、廃止や民営化も含めて検討すること。
 次に、建設局について。
 一、区部環状、多摩南北方向などの幹線道路を重点的に整備するとともに、JR中央線や小田急線などの鉄道の連続立体交差化事業や踏切すいすい事業を推進すること。
 また、トラック物流のボトルネックとなっている橋梁の耐荷力を強化すること。
 一、街路樹の樹勢回復を含む沿道緑化の推進を図るとともに、保水性歩道の整備を推進すること。
 また、交差点改良や架空線地中化など交通安全対策を推進すること。
 一、神田川などの中小河川における水害対策を推進するとともに、旧江戸川や新中川における係留施設の適正化に取り組むこと。
 一、都市公園の整備として、個性豊かな都立公園や防災公園の整備を推進すること。
 また、ドッグランの試験導入の結果を踏まえ、その拡大を検討すること。
 さらに、青山霊園の再生に向けて、墓地の移転や広場の整備などに取り組むこと。
 一、汐留や秋葉原などの区画整理事業や多摩ニュータウン開発関連の各種事業を実施するとともに、市町村が施行する土木事業は、効果の大きい事業に重点的に補助を行うこと。
 また、臨海部における広域幹線道路などの都市基盤についても整備を進めること。
 一、北新宿や環状二号線地区における都市再開発においては、事業収支を適切、明確に示すとともに、事業リスクの回避、事業スピードの向上、採算性のすぐれた事業展開を図ること。
 以上で都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○小磯委員 私は、都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成十五年度予算案について意見の開陳を行います。
 本予算案は、長期化する不況のもと、都税収入が十四年度に引き続き約一千三百億円減と落ち込み、一般歳出は四兆二千七百四十七億円で、対前年比二・三%減、このうち投資的経費は〇・五%増にとどまり、一般会計全体では、対前年度比三・〇%減という緊縮型予算案となっております。
 こうした厳しい財政状況の中で、税収減と財源不足への対応、重要課題など都民サービス向上への施策の充実、財政再建と都財政の対応能力向上という命題に配慮しての予算案ともいえます。
 同時に、今日の最大の課題である景気、中小企業、雇用、福祉、教育、都市再生などの重要施策には財源を優先的に配分しており、とりわけ福祉と保健の構成比は一二・四%と、過去最高であった前年度よりも〇・一ポイントの上昇となっていることが評価できます。
 また、重要施策及び重点事業については、中長期的視点に立って、都政の重要課題に対し戦略的対応を行おうとするものであり、我が党のこれまでの主張が多く反映されており、その意欲的な取り組みを多とするものであります。
 平成十五年度は財政再建プランの最終年度に当たりますが、税財政制度の改善を除く内部努力、施策の見直し、歳入確保の分野では、おおむね財源確保目標の一〇〇%が達成されることになります。特に職員定数削減については、本年を含め四年で五千八百七十五人の削減を実施し、さらに監理団体の統廃合、団体職員の削減などが実施され、これまでの我が党の行政改革への強い主張に沿うものであります。
 今後、都財政を取り巻く環境はさらに厳しくなることが予想されます。地方税財政制度の改革に向けては、国に対してこれまで以上に強く働きかけていくべきであります。
 また、十五年度予算案においては、我が党の提案を受け、会計処理に複式簿記、発生主義会計を新たに導入する公会計制度改革の推進が盛り込まれ、従来型の発想を転換し、より効率的な施策展開が期されることになりました。このこととあわせ、今後、事業効果を予測、計量して事業執行に当たることが強く求められます。
 本予算案の執行に当たっては、より一層都民の期待にこたえられるよう、全力を尽くすべきことを強く要望するものであります。
 以下、各局別に申し上げます。
 まず初めに、住宅局関係について申し上げます。
 豊かで生き生きとした都民生活を実現していく上で、住宅施策の充実は都政の最重要課題の一つであります。
 東京都住宅マスタープランに沿って、都営住宅のストック活用を初め民間住宅施策の新たな形成と展開、都営住宅と民間住宅施策との連携などの施策を強力に推進するとともに、少子高齢社会の進展に対応した住宅対策や、環境や健康に配慮した施策の展開など、多様な課題に対する施策の積極的な推進を図るべきであります。
 一、都営住宅の整備については、既存ストックの更新に重点的に取り組み、建てかえ事業の着実な推進と良質なストック形成に有効なスーパーリフォーム事業を拡充すること。
 また、世帯構成に応じた型別供給と住みかえを的確に推進されたい。
 一、シルバーピアの建設及び高齢者、障害者等向けの住宅供給を着実に進めるとともに、高齢者、障害者世帯、母子世帯等が都営住宅に優先的に入居できるよう配慮されたい。
 また、事業破綻者など一時的に住宅に困窮する人々の入居システムを確実に実施すること。
 一、都営住宅の管理については、真に住宅に困窮する低所得者が入居できるよう、公営住宅の供給目的に沿った適切な管理に努めるとともに、都民サービスの一層の向上に努められたい。
 一、高齢者、障害者等に配慮した居住環境を整備するため、都営住宅建てかえの際の福祉施設等の併設、既存都営住宅の高齢者向け住宅改善や、廊下型住宅はもとより、階段室型住宅においてもエレベーター設置の推進を図ること。
 また、住宅のバリアフリー化について、公共住宅はもとより、民間住宅のバリアフリー化誘導を着実に推進されたい。
 一、中堅所得層向けの住宅施策として、民間活力を活用した都民住宅の適切な供給を進めるとともに、公社の賃貸住宅についても建てかえの促進に努められたい。
 一、民間賃貸住宅における高齢者の居住の安定確保に向けて、高齢者あんしん入居制度の一層の普及促進に努められたい。
 一、住宅ストックの円滑な流通と活用を図るため、区市町村や事業者等と連携し、中古住宅市場の活性化を図られたい。
 一、都市型居住として定着している分譲マンションについては、今後増加が見込まれる建てかえに適切に対応できるよう、マンションの建替えの円滑化等に関する法律を踏まえ、建てかえ・改修アドバイザーの活用や優良マンション登録表示制度の活用の積極的な普及に努め、マンション問題に対する総合的な取り組みを強化されたい。
 一、災害に強く、安全な住環境、市街地への整備、再生に向けて、公共用地の活用も含めて木造住宅密集地域の整備促進に努められたい。
 一、三宅島火山活動が長期化していることから、避難島民に対する都営住宅等の提供を初め、住宅の復興対策など万全な支援を行われたい。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 まちづくりは、都民の多様なニーズに配慮した均衡ある基盤の整備を図ることが重要であります。また、阪神・淡路大震災等の教訓を踏まえ、耐震性に強い防災体制の強化と整備を図るとともに、高齢化社会に対応できるまちづくりを推進することが急務となっています。こうした観点から、以下の項目を重点的に進められるよう要望いたします。
 一、阪神・淡路大震災の教訓にかんがみ、橋梁、河川の護岸、堤防など都市基盤施設について計画的な耐震対策を進めること。
 一、中小河川の改修を重点的、効率的に推進するとともに、あわせて調節池の設置を推進すること。
 一、神田川の浸水対策については、特段の対策を講じて川沿いの住民を浸水被害から守るように努めること。
 一、江東内部河川の整備を進めるとともに、しゅんせつによる水質浄化を図ること。
 一、清流復活全体計画に基づく中小河川の清流化を推進し、自然豊かな河川整備を進めること。
 一、青山霊園の再生に取り組むとともに、都民の霊園需要に対応するため、新形式墓地の増設に努めること。
 一、国の平成十五年度重点施策に位置づけられた水辺都市再生事業の一環である荒川の高規格堤防、スーパー堤防事業を円滑に推進すること。特に東墨田地区については、国、都、公団そして地元区と連携して、地元住民の意向を尊重し、可能な限り支援すること。
 一、歩道橋の安全性を調査し、地元要望を踏まえ、撤去、改築、スロープ化、及び必要な箇所についてはエスカレーター、エレベーターの設置等、総合的に見直しをすること。
 一、都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間、島しょ地域の振興を図る道路については逐次事業を推進するとともに、整備のおくれている多摩地域を重点的に促進すること。
 一、環状八号線を初めとする幹線道路のさらなる立体化を推進すること。
 一、早期に交通渋滞の解消を図るため、効果満点道路事業を推進すること。
 一、道路と鉄道の連続立体化を進めるため、国庫補助金の増額を国に要求するなど財源確保に努めること。
 また、JR埼京線の十条駅付近、京成押上線、小田急小田原線、東武東上線の立体化事業についても早期事業化を図ること。
 一、日暮里・舎人線及び臨海新交通「ゆりかもめ」延伸部の整備促進を図ること。
 一、用地買収等の公共事業による立ち退きについては、補償基準の引き上げ、生活再建資金貸付の拡大、代替地、公営住宅などのあっせんを積極的に進めること。
 一、事業中の亀戸・大島・小松川地区、白鬚西地区の市街地再開発事業や、瑞江駅南部地区、花畑北部地区の土地区画整理事業については、早期完成を目指し、強力に推進すること。また、北新宿地区、環状第二号線地区の市街地再開発事業の促進を図ること。
 一、木造密集地域の防災都市づくりの早期事業化を図ること。
 一、都民一人当たり七平米の公園を確保するために、用地確保と整備に努め、緑豊かな都市の実現を図ること。
 一、街路樹の保存、育成に配慮しつつ、美しい都市景観を創出するために、架空線の地中化や歩道のカラー舗装化等を促進すること。
 一、障害者のため、点字ブロックの設置等、優しいまちづくりを進めること。
 一、三宅島の災害復旧について、島民の帰島に備えた、道路や砂防ダムなどの整備を強力に進めること。
 一、都市計画道路の前期事業化計画を推進し、早期整備が図られるように努められたい。
 また、みちづくり・まちづくりパートナー事業は、現状は当初予定の三割執行であるため、予算の確保に努め、早期整備を図ること。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○小松委員 日本共産党を代表しまして意見開陳させていただきます。
 まずは住宅予算です。
 平成十五年度の予算の特徴は、十四年度に引き続き、連続四年間都営住宅の新規建設をゼロにしていることです。さらに、建てかえでも、予定されていた建てかえ住宅の一・二倍建設戸数を一倍、すなわち元戸数に、さらには、元居住者戸数にまで削減しています。
 長引く不況で、リストラや企業の倒産などにより失業者が増大する中、公営住宅を求める人々はますますふえています。近年の都営住宅募集時の応募倍率がこのことを物語っています。来年度予算で重要施策として挙げられている都営住宅再編整備プロジェクトは、南青山や港南を見ても明らかなように、低所得者にとってのアフォーダブル住宅には決してなりません。
 さらに、都は、国に対し公営住宅法の改定を求め、昨年、都営住宅に期限つき制度を導入する条例改定が行われました。公社住宅に至っては、いきなり無限定に期限つきの公募が行われました。都営住宅の専任管理人事務所をなくし、また、使用承継の資格を一親等に限り、収入基準を二百四十万円に引き下げるなど、都民サービスの低下は明らかであります。よって、本予算案には反対するものです。
 以下、項目別に主なものを申し上げます。
 一、公営住宅法と相入れない定期借家制度、期限つき入居制度を導入しないこと。
 一、都営住宅の新規建設を再開すること。
 また、建てかえに当たっては、従前戸数はもとより、戸数増や地元公共施設整備を図ると同時に、民間活力などの名目で利益を優先した開発は認められない。
 一、都営住宅の計画修繕やエレベーター設置予算を増額すること。
 一、都営住宅管理、募集などの住宅供給公社への全面委託をやめ、局直営に戻し、都の責任で住宅行政を行うこと。
 一、専任管理人事務所の廃止は行わないこと。また、巡回管理人制度は、住民の意見を聞き充実させること。
 一、木造密集地域の木造個人住宅の無料耐震診断、耐震改修への補助制度などをつくり、防災と居住継続が両立できる支援を行うこと。
 一、公社住宅の期限つき公募を行わないこと。
 一、公社住宅の近傍同種家賃基準を見直すこと。低所得者などへの減免制度を確立すること。
 一、公社建てかえ住宅の入居者が住み続けられるよう家賃減額制度を確立すること。
 一、木造住宅リフォーム支援制度を創設すること。
 一、マンション相談を初め、区市町村が取り組むマンション施策を支援する新たな補助制度を創設すること。マンション管理士制度の定着、普及のための支援を行うこと。
 一、東京都の不動産相談、マンション相談を充実すること。
 一、都営住宅に期限をつけない若年ファミリー向けの公募枠を設け、拡充し、民間マンションの空き室を借り上げ、若年ファミリー層の入居に活用すること。また、新婚家庭などへの家賃補助を実施すること。
 次に、建設局です。
 平成十五年度建設局予算案については、市町村土木費や公園費など都民生活と直結するものは一〇%のシーリングで滅額される一方、大型幹線道路や、特に豊洲、有明北、晴海地区の区画整理事業など、十四年度の五十九億六千八百万円から百三十三億六千三百万円へと、一挙に二二四%、七十三億九千五百万円の増と二倍以上にふやした。これは大型幹線道路と超高層業務ビル中心の都市再生を進めるための大型公共事業優先であり、このことが都財政を圧迫し、医療、福祉の切り捨てなど、都民に負担、痛みを押しつけることになっています。北新宿や環状二号線など、再開発事業も軒並みの増です。
 項目別に申し上げます。
 一、国の直轄事業負担金は廃止すること。
 一、巨額の都財政投入となる環状二号線地区、北新宿地区、汐留など、都施行の市街地再開発、区画整理事業を抜本的に見直すこと。
 一、大型幹線道路優先を改め、多摩地域などの生活道路の整備を促進させること。
 歩道の設置やバリアフリーの促進など、歩道整備費を大幅に増額すること。
 電線類の地中化を進めること。
 一、住環境を破壊し、住民の反対の多い環状二号線、調布保谷線、府中所沢線、環八などを初め、道路建設では、住民に情報を公開し、計画変更も含め十分な話し合いを行い、強行しないこと。
 一、臨海部などの低未利用地や遊休地を積極的に活用し、区部、とりわけ都心部での都市公園の新増設に努めること。
 一、路面悪化による振動、騒音、自動車事故などを未然に防ぐために、路面補修の事業費を大幅に増額すること。補修サイクルを大幅に年数を縮めること。
 一、自然を破壊し、大気汚染を拡大する首都圏中央連絡道路、東京外郭環状道路、中央環状線など自動車専用道路を見直し、関連街路も含め再検討すること。
 一、都市公園、緑道などを充実整備し、既存の公園の改修、整備を促進すること。
 一、都立公園の無料自転車貸し出し、プールなどを継続させること。
 一、建設局における緊急地域雇用創出事業を積極的に拡充し、雇用機会を拡大すること。
 一、臨海開発を促進する有明北、豊洲、晴海の大街区方式の区画整理計画は再検討すること。
 一、船舶の係留適正化に当たっては、係留施設の整備を優先させること。
 一、連続立体交差事業の地元市負担を軽減させること。
 一、すいすいプラン一〇〇を早期達成し、さらなる百への実施計画に取り組むこと。
 一、空堀川などの拡幅事業を促進すると同時に、できるだけ親水型河川とすること。
 一、多摩ニュータウン事業については、引き続き多摩ニュータウンのまちづくりに責任を持つ立場から、地元市に引き継がれる公共施設は、市とよく協議し、今後、地元の負担増とならないよう十分調整すること。
 一、民活型でなく、公共住宅を中心とした多摩ニュータウンのまちづくりを行うこと。住宅建設対策補助を継続すること。
 一、都市基盤整備公団が多摩ニュータウンのまちづくりに責任を果たすよう指導すること。また、未利用地活用は住民合意で進めること。
 一、多摩ニュータウンについては、公共交通の整備、駐車場、医療、文化、スポーツなど公共施設を整備し、バリアフリー化のまちづくり、住区商店街の現状を総点検し、住民本位のまちづくりを進めること。
 一、坂浜平尾地区の土地区画整理事業は、オオタカを初め野生動物の生息エリアを保護し、抜本的に見直すこと。
 以上です。

○新井委員 都議会生活者ネットワークを代表して、平成十五年度予算関係議案についての意見の開陳を行います。
 初めに、全局共通事項について申し上げます。
 一般会計の予算規模は五兆七千二百九十五億円と、前年度に比べて千七百八十三億円、三・〇%の減となり、二年連続で六兆円を下回りました。これは、歳入の側面で、とりわけ都税が三兆九千八十六億円となり、大幅減となった前年度をさらに千二百五十六億円、三・一%減少させ、八年ぶりに四兆円を割り込む厳しい状況となったためです。このため、財源不足への対応として、基金の取り崩しや退職手当債の計上など二千四百九十七億円の財源対策がとられました。
 厳しい財政状況の中で財源対策は不可欠であるとはいえ、男女平等推進基金と国際平和文化交流基金の二基金の廃止は、極めて政治的な判断であり、到底納得できないものです。予算全体においても、女性、子ども、NPOを政策的下位にみなす傾向があることを指摘せざるを得ません。
 財政再建推進プランに基づく財政再建の取り組みが進められてきましたが、景気の低迷によって、プラン策定時の見込みを大幅に下回る都税収入であり、深刻な事態は短期的ではありません。しかし一方で、今回都債の発行は、極力抑制したとしているものの、予算編成方針にある都市再生関連のためか、四千三百五十億円と、前年度より六百三十四億円増加させており、依然高目の水準にあるといわなければなりません。過去の過大な公共投資にあらわれる財政体質の改善と自主財源の確保は、財政再建を達成するために乗り越えていかなければならない大きなハードルといわざるを得ません。
 以下、各局別に申し上げます。
 初めに、住宅局についてです。
 一、住宅マスタープランの実施において、特に政策目標値を掲げた施策については、その達成のために年度を区切った計画的な進行管理を行うこと。
 ユニバーサルデザインを取り入れたバリアフリー住宅、環境共生、省エネ住宅の建設を推進し、民間住宅への普及及び支援を行うこと。
 一、多様なライフスタイルに応じて住みかえができるよう、管理ができなくなった一戸建て住宅や集合住宅の登録制度などでファミリー向けの優良な住宅ストックをふやし、賃貸市場の活性化を進めること。
 一、都営住宅の空き店舗や住宅を、NPOや市民とともに、子育て支援、高齢者支援、まちづくり活動、グループホームなどに活用すること。
 一、都営住宅特別会計については、連結会計を進め、透明性を保つこと。
 一、バランスシートについては、企業会計との短絡的な比較ではなく、自治体の仕事の基本である福祉の視点を踏まえ、住宅政策に対する公としての負担のあり方をチェックすること。
 一、都営住宅の建てかえについては、ミックストコミュニティを意識し、福祉施設の併設や、自然エネルギー活用など環境との共生を図りながら、包括的なまちづくりの視点で、地域の活力が出るよう市区町村と連携して行うこと。
 一、スーパーリフォームについては、地元の事業者を積極的に登用し、きめ細かく進めること。
 一、都営住宅については、シルバーピアなど高齢、障害者住宅の供給を進めるとともに、エレベーター設置を進め、バリアフリー化を積極的に進めること。
 一、都営住宅の浴槽等の原状復帰義務については、資源の有効活用や環境への負荷を低減するために早急に対策を講じること。
 一、ホームレス対策としての都営住宅入居者枠を拡充し、関係局と協力しつつ、ホームレス居住支援を進めること。
 一、期限つき入居については、高齢化率の高い団地から導入すること。
 一、都営住宅の巡回管理人制度については、福祉の視点に立ち、区市との連携を図りながら充実に努めること。
 一、都営住宅の移管については、地元区市と十分に協議し、合意形成に努め、進めること。
 一、中古分譲住宅の建てかえ支援は、事業の進捗の度合いに合わせ、ニーズに合った支援を行うこと。
 一、木造住宅密集地域の再開発については、防災だけではなく、福祉、地域コミュニティの増進などの視点を大切にし、まちづくりNPOとの協働による取り組みを進めること。
 一、住宅性能表示制度の普及に当たっては、独自の評価項目を拡大し、住宅建材等の有害化学物質対策を進めること。
 次に、建設局についてです。
 一、公共事業評価については、都民参加で事前、事後評価を取り入れること。
 一、都市基盤整備においては、生活に密着した、より効果的な事業を優先し、投資的経費を削減するよう努めること。
 一、道路や公園については、福祉のまちづくり条例に基づき、当事者参加でバリアフリー化を進め、高齢者、障害者、子どもなど、だれもが安心して利用できるようにすること。
 一、河川については、流域貯留浸透を進め、都市型水害の解消を図り、総合治水対策として雨水利用、雨水浸透を促進すること。
 一、河川を親水空間として、その地域に合った環境整備を進めるとともに、水循環を取り戻すため、多自然型工法による自然な水辺づくりを進めること。
 一、都市に残された貴重な緑や空きスペースは、市区町村と協力し、公園など公共スペースとして確保すること。
 また、市民緑地制度は、PRに努め、市区との連携で進めること。
 一、河川や公園、霊園の緑地などの環境整備については、企画段階から市民参加の手法を取り入れ、NPOなど市民による運営、管理を進めること。
 一、都市計画道路の整備に当たっては、東京圏の人口動向を踏まえた需要予測を立て、何もつくらないという代替案の検討も含めて関係住民と協議すること。
 一、二酸化炭素削減に向け、自動車の代替交通手段としての自転車普及のため、市区町村と連携し、自転車道及び自転車歩行道の整備を進め、ネットワーク化を図ること。
 一、パーク・アンド・ライドについては周知に努め、拡充すること。
 一、臨海部の広域幹線道路など交通アクセスについては、整備量を減らすなど事業を見直し、都財政の危機的状況にかんがみ、将来世代への負荷を最小限に抑えること。
 最後に、多摩ニュータウン事業について申し上げます。
 一、多摩ニュータウン事業については、ニュータウンの最終コーディネーターとしての役割を果たすとともに、トータルなまちづくりの視点をもって事業に取り組むこと。
 一、未利用地の活用は、地元市と協議し、地域住民の合意の上で決定すること。
 一、行財政要綱にあるリザーブ用地の考え方は将来にわたって堅持し、地元自治体の要望をできる限り実現するよう努めること。
 一、多摩ニュータウン周辺の貴重な緑や自然を里山として保全し、NPOなど市民の力で管理運営すること。
 以上です。

○伊沢委員 現在、国及び都が推し進めている都市再生は、東京の都心で旧来型の公共事業を行っているだけであり、全国で批判を浴びている事業が、東京ではまかり通っている。汐留、秋葉原、豊洲、有明北などの臨海部で行われている土地区画整理事業はその最たるものであり、一時的に、しかも一部業者にのみ利益をもたらすだけで、多くの都民はこの事業によるメリットはなく、都は、この不景気で財政難の中、さらに借金をしょい込むことになる。これらの区画整理事業については抜本的に見直しを行うべきである。
 また、外郭環状道路について、地下四十メートルの大深度によって建設を行いたいとの国、都の意向が示されたが、この方法をとったとしても、大気汚染など環境への影響は大きく、三鷹市内などを見ても、仮にインターチェンジができて大型車が市内に入ってくれば、ただでさえ狭い市内の道路に大きな混乱をもたらすこととなる。また、最低でも二兆円の予算がかかるといわれており、採算が何年たってもとれず、累積赤字をふやすことが既に明らかとなっているところである。したがって、この計画の中止を求めるものである。
 その一方で、都民の要望が高い公共事業の一つとして挙がっている都道への歩道の整備は、平成十四年度は五十一億四千九百万円、平成十五年度は五十六億四千八百万円で、四億九千九百万円増加はしているものの、その額は全体のニーズにこたえるものとはなっていない。都内でも高齢化が進み、生活道における歩行や移動の安全を確保するために、歩道の整備にはもっと力を入れて積極的に進めるべきである。
 最後に、世田谷の小田急線の喜多見-梅ケ丘間の連続立体交差事業については、生活環境を守る点から、住民の意向である地下方式がその建設において検討されるべきである。
 以上です。

○高島委員長 以上で予算に対する意見の開陳は終了いたしました。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたしますので、ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○高島委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百五号議案から第百二十四号議案まで、第百三十二号議案及び第百三十三号議案を一括して議題といたします。
 本案については既に質疑を終了いたしております。
 この際、本案に対して発言の申し出がありますので、これを許します。

○池田委員 私は、日本共産党都議団を代表して、第百五号議案、東京都営住宅条例の一部を改正する条例、第百八号議案、東京都都営住宅等保証金会計条例の一部を改正する条例、第百九号議案、東京都立公園条例の一部を改正する条例、第百十号議案、東京都霊園条例の一部を改正する条例に反対する立場から意見を述べます。
 第百五号議案は、都営住宅の専任管理人、管理事務所を廃止し、巡回管理人の配置及び駐車場料金額の上限の値上げをしようとするもので、都営住宅に入居している人々へのサービス低下につながる問題を含んでいることから反対です。
 第百八号議案は、都営住宅の土地に、公営住宅法上も問題がある定期借家権を導入、設定しようとするもので反対であります。
 第百九号議案は、都立公園の土地、施設の使用料、占用料の値上げ、井の頭公園プール廃止を行うものであり、反対です。
 第百十号議案は、青山霊園の貸付再開に伴う使用料の設定を行うもの。今までの固定資産税評価額を算定基礎としてきた方針を改め、民間の近傍墓地の使用料を参考として、同程度の料金設定としている。公営霊園の使用料は、一般都民にとって利用しやすい低廉な料金とすべきであり、よって、反対です。
 以上です。

○高島委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百九号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○高島委員長 起立多数と認めます。よって、第百九号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百五号議案、第百八号議案及び第百十号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○高島委員長 起立多数と認めます。よって、第百五号議案、第百八号議案及び第百十号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百十五号議案、第百十七号議案、第百十九号議案、第百二十二号議案、第百三十二号議案及び第百三十三号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○高島委員長 起立多数と認めます。よって、第百十五号議案、第百十七号議案、第百十九号議案、第百二十二号議案、第百三十二号議案及び第百三十三号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百六号議案、第百七号議案、第百十一号議案から第百十四号議案まで、第百十六号議案、第百十八号議案、第百二十号議案、第百二十一号議案、第百二十三号議案及び第百二十四号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。よって、第百六号議案、第百七号議案、第百十一号議案から第百十四号議案まで、第百十六号議案、第百十八号議案、第百二十号議案、第百二十一号議案、第百二十三号議案及び第百二十四号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○高島委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○高島委員長 この際、所管局を代表いたしまして、建設局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○小峰建設局長 お許しをいただき、所管二局を代表いたしまして一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 今定例会にご提案を申し上げております平成十五年度当初予算案を初め各議案につきまして、慎重かつ熱心なご審議、ご調査を賜り、まことにありがとうございました。
 審議、調査の過程でいただきましたご意見、ご要望等につきましては、今後の事業執行に十分反映させ、万全を期してまいります。今後ともご指導、ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。
 甚だ簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

○高島委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十六分散会

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