建設・住宅委員会速記録第四号

平成十五年二月二十六日(水曜日)
第九委員会室
午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長高島なおき君
副委員長星野 篤功君
副委員長木内 良明君
理事花輪ともふみ君
理事新井美沙子君
理事三原 將嗣君
伊沢けい子君
小磯 善彦君
吉原  修君
臼井  孝君
小松 恭子君
高橋かずみ君
土屋たかゆき君
池田 梅夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
住宅局局長橋本  勲君
技監小関 尚久君
総務部長梶原 康二君
住宅政策担当部長小川 富由君
参事加藤 英夫君
地域住宅部長小林 計代君
区市町村調整担当部長高岡 信也君
民間住宅部長井上 克彦君
民間住宅施策推進担当部長松田 紀子君
住宅経営部長青木 治道君
営繕担当部長渡部 景之君
参事野澤 直明君
参事庄司 静夫君
参事神通 和夫君

本日の会議に付した事件
 住宅局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 住宅局所管分
  ・第十二号議案 平成十五年度東京都都営住宅等事業会計予算
  ・第十三号議案 平成十五年度東京都都営住宅等保証金会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百五号議案 東京都営住宅条例の一部を改正する条例
  ・第百六号議案 東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
  ・第百七号議案 東京都地域特別賃貸住宅条例の一部を改正する条例
  ・第百八号議案 東京都都営住宅等保証金会計条例の一部を改正する条例

○高島委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅局関係の平成十五年度予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより住宅局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、住宅局所管分、第十二号議案、第十三号議案及び第百五号議案から第百八号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梶原総務部長 去る一月三十日の本委員会におきましてご要求のございました資料について、ご説明申し上げます。
 お手元の資料1、建設・住宅委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙を開いていただきますと目次がございますが、資料は合計四件でございます。
 初めに、一ページをお開き願います。1は、巡回管理人の主な業務内容でございます。
 巡回管理人が行っております業務内容、並びに巡回の頻度及び対象世帯をそれぞれ記載しておりますので、ごらんいただきたいと存じます。
 二ページをお開き願います。2は、地域開発整備事業の予算、決算及び実績でございます。
 平成六年度から平成十五年度につきまして、当初予算額と決算額は金額を、実績のうち、公園、道路等は箇所数を、福祉関連施設、地域関連施設等は施設の数を記載しております。
 三ページをお開き願います。3は、用地の引き継ぎ及び売却実績でございます。
 平成十一年度から平成十四年度につきまして、上段の1の表は財務局に引き継ぎした件数及び面積を、下段の2の表は売却の件数、面積及び金額を記載しております。
 四ページをお開き願います。4は、木造住宅密集地域整備促進事業及び緊急木造住宅密集地域防災対策事業の実績でございます。
 上段の1の表は、木造住宅密集地域整備促進事業について、平成八年度から平成十五年度までの地区数及び決算額を、下段の2の表は、緊急木造住宅密集地域防災対策事業について、平成九年度から平成十五年度までの地区数及び決算額を記載しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○高橋委員 私から、今回の条例改正で取り上げられております巡回管理人についてお尋ねいたします。
 巡回管理人は、今説明がありました委員会の要求資料にありますように、居住者みずから窓口センターに出向けない高齢者、障害者世帯等に対する支援、収入報告書未提出世帯に対する指導、不適正事例に係る実態調査などの業務を行うこととしております。高齢者世帯に対する支援は、高齢者社会への適切な対応として評価できるものであるし、収入報告書関係の指導についても、適正な家賃徴収の観点から意味があると思います。
 まず、この巡回管理人制度を導入した趣旨について伺います。

○野澤参事 巡回管理人制度でございますが、居住者の高齢化に伴う都営住宅の管理のあり方の観点から、みずから出向けない高齢者及び障害者世帯等に対する支援につきまして、都営住宅のすべての団地で効果的に実施するため、従来、千戸以上の大規模団地約六万戸のみを対象としておりました常駐の専任管理人制度を発展的に解消いたしまして導入したものでございます。

○高橋委員 常駐の専任管理人を廃止して、特定の居住者だけを対象としていたものをすべての居住者へ拡大したことは、公平かつ平等の観点から大いに評価できると思います。
 しかし、都営住宅については、個人資産が家賃や入居資格に反映されていないことや、高額所得者にならない限りいつまでも住み続けることができるなど、都民の不満と不公平感の象徴となっている感が否定できないものであります。このため、都営住宅の不適正使用については、もっと強固に指導していくべきだと思っております。
 このため、都営住宅の不適正使用の関係で、巡回管理人の業務に不適正事例に係る実態調査とありますが、これを、調査だけでなく指導業務も行わせるべきではないのか。都営住宅の現場を巡回しているのだから、より有効にその活用を図るべきであると思いますので、前向きの答弁をいただきたいと思っております。

○野澤参事 巡回管理人につきましては、現場管理の第一線といたしまして制度の充実に努めるとともに、委員ご指摘の不適正事例の解消に向けましても、今後、担当部署との連携を図るなど有効に活用していきたいというふうに考えております。

○高橋委員 現在、大規模団地においては、週に一回、巡回管理人が書類の受け付けなどを行っておりますが、これは居住者の一定の評価を得ていると聞いております。
 今後、効率的かつ効果的に居住者管理を行っていく観点からは、大規模団地などにおいて、例えば、現在の対応のように、日時を決めて集会所等で集中的に申請書等を受け付けるなどの工夫があってもよいのではないかと考えます。こうした巡回管理人の活用についても検討すべきと思いますが、この点について考えをお聞かせください。

○野澤参事 適切な現場管理の観点からの巡回管理人の活用に当たりましては、大規模団地などにおいて、窓口センターへの事務の集中を分散する意味からも、巡回管理人の勤務態様などの工夫につきまして検討していきたいというふうに考えております。

○高橋委員 意見として申し上げておきますけれども、先ほども申し上げましたが、都営住宅は、ある意味で都民の不満と不公平感の象徴になっております。今後とも、都民共有の貴重な財産である都営住宅の適正な管理に向けて、現場管理の強化を図るなど、実態に即した、より適切な管理体制の構築に向けて一層努力するよう強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○小磯委員 それでは、質問をさせていただきます。
 まず初めに、マンション建てかえの支援について伺います。
 都内には、既に約七十万戸のマンションが存在し、多くの都民にとって、マンション生活はごく普通の暮らし方となっております。マンション暮らしは、かぎ一つで自分の居住空間が確保できること、多くのマンションは交通の便利なところにあることなど、都市の居住形態としては今後もさらに拡大していくものと考えます。
 こうした快適さの反面で、マンションは、区分所有に基づく共同居住ゆえのさまざまな困難な課題があるのも事実であります。その一つが、老朽化に伴う建てかえ問題の難しさであります。建築後三十年を超えるマンションは、都内には現在既に四万戸もあり、十年後には二十万戸を超えるといわれております。
 こうした状況で、国においても、マンション建替え円滑化法を昨年十二月からスタートさせたわけでありますが、これに合わせて、都としても、マンション施策の総合的な推進について発表し、その一つの柱として建てかえ支援策を打ち出したわけであります。このことは、まことに時宜を得たものと評価いたします。そこで、十二月以降の具体的な取り組みと今後の対応について幾つかお伺いしたいと思います。
 まず初めに、現在、都内で建てかえを検討しているマンションがどれぐらいあるのか、お伺いしたいと思います。

○松田民間住宅施策推進担当部長 平成十三年度及び十四年度に、建築後三十年以上経過いたしましたマンションの千百三十七組合を対象に実態調査を行いましたところ、四百七十八件の回答がございまして、そのうち三十七のマンションの管理組合が建てかえを検討していると回答しております。ただし、建てかえ決議まで至ったものは、現時点では把握しておりません。

○小磯委員 現時点で建てかえ決議まで至ったものはないということでございますが、いずれ近い将来に建てかえが具体化するのは間違いないと思います。
 昨年の四定で都営住宅条例を改正し、マンション建てかえの際の仮住居として都営住宅を提供することとしたわけでございます。建てかえを円滑に進めるために効果的な施策と考えます。
 そこでお伺いいたしますが、都では先日、都営住宅利用の意向調査を行ったそうでありますが、利用の申し出は何件あったのか、また、実際に利用するのはいつごろなのかお伺いしたいと思います。

○松田民間住宅施策推進担当部長 二つのマンション管理組合から申し出がございました。意向調査票によりますと、実際の利用予定は、二件とも十五年度後半となっております。

○小磯委員 都営住宅の提供戸数は二十戸程度ということであります。十五年度は最初の年なので、これで足りるか足りないのか、やってみないとわからないとしても、今後はさらに建てかえ対象はふえるはずであると思います。
 そこでお伺いいたしますが、もし入居の申込者が提供戸数をオーバーしたときにはどうするのかお伺いしたいと思います。

○松田民間住宅施策推進担当部長 仮住居としての都営住宅は、本来みずから確保すべき仮住居を、高齢などの事情により確保できない方に対しまして限定的に提供するものでございます。このことから、仮に入居の申込者が提供戸数を超えました場合には、抽せんによることとしております。

○小磯委員 せっかく都営住宅を利用したいと思っても、抽せんの結果で、利用できる人とできない人が出てくるというわけであります。もちろん、都営住宅には都営住宅としての本来の役割があるわけでありますから、要望の数だけ提供するということはできないと思います。都民共有の財産としての都営住宅を、全体として今後どう活用していくのかという視点から、バランスよく的確に運用していくべきことを要望したいと思います。
 ところで、建てかえ支援のもう一つの取り組みとして、建てかえ・改修アドバイザー制度があります。この制度は、建てかえを検討し始めた管理組合などに対して専門家がアドバイスをするというものでありますが、ここで私は一つ注意を喚起しておきたい。それは、老朽化したマンションの進むべき選択肢が建てかえだけであるかのような風潮は誤りだということ。建設廃材を可能な限り減らし、環境保護を進める観点からも、大規模改修などで長く住み続けられるなら、それも大切な選択肢である、私はこう思います。
 そこでお伺いいたしますが、建てかえ・改修アドバイザー制度の運用に当たっては、建てかえに偏ったアドバイスとならないようにすべきと考えますが、見解をお伺いします。

○松田民間住宅施策推進担当部長 先生ご指摘のとおり、適切な維持管理や改修によりまして既存のマンションを有効に活用することが、まずもって重要だと考えます。一方、老朽化によりまして、建てかえた方が合理的な場合もあり、組合などによる検討に当たりましては、建てかえ、改修の双方を対象とする必要がございます。
 このため、制度名称も建てかえ・改修アドバイザーとし、また、アドバイスの内容も、建てかえと改修とを客観的に比較できるものとなるよう工夫いたしております。

○小磯委員 そのような趣旨で、このアドバイザー制度が広く都民に活用されることを期待したいと思います。
 マンション建てかえにおいては、地方自治体が担う最も基本的な役割の一つが、住民に対する情報提供や相談体制の充実であると思います。そこでお伺いいたしますが、アドバイザー制度の積極的な活用も含めて、住民に対する情報提供や相談体制の充実を今後どう進めていくのか、見解をお伺いしたいと思います。

○松田民間住宅施策推進担当部長 区分所有者による合意形成の進め方や、建てかえか改修かを判断するための基礎的な情報をまとめましてリーフレットにいたしました、マンション建てかえ、改修ガイドを本年三月に発行いたします。また、すべての区市に維持管理や建てかえに関する相談窓口ができておりまして、今後とも区市と連携して情報提供、相談体制の充実に努める所存でございます。

○小磯委員 ありがとうございました。
 続いて、高齢者の入居支援策についてお伺いをいたします。
 民間賃貸住宅における高齢者の入居支援策でございますが、現在、我が国、そして東京では高齢化が急速に進行しております。二〇一五年には第一次ベビーブーム世代が高齢期に達することから、四人に一人が六十五歳以上の高齢者となる本格的な成熟社会を迎えるわけであります。私は、成熟社会において都民が豊かな居住生活を送る上で、高齢者の住宅対策が大変重要であると考えております。高齢者の住宅や福祉に関する施策の充実に向けて、我が党ではこれまで、都議会においてさまざまな質疑、要望を行ってまいりました。
 高齢者の入居支援策については、平成十三年に高齢者の居住の安定確保に関する法律が制定され、この法律に基づく制度として、高齢者の入居を受け入れる住宅を登録する高齢者円滑入居賃貸住宅制度、また、東京都独自の制度として、あんしん入居制度が創設されました。これにより、民間賃貸住宅のストックを活用した高齢者の入居支援策が実施されることとなったわけであります。これらの制度については、円滑に運営されていくよう、制度の開始に際して我が党から質疑を行ったところであります。
 現在、制度の開始から一年半が経過しようとしていることから、これらの制度について、現状、また今後の展望についてお伺いしたいと思います。
 まず、高齢者円滑入居賃貸住宅制度であります。これは、民間賃貸住宅で高齢者の入居が敬遠されていることから、高齢者の入居を受け入れる賃貸住宅の登録と家賃の債務保証を行う制度ということでございますが、現在、住宅の登録状況がどうなっているのかお伺いしたいと思います。

○小林地域住宅部長 高齢者円滑入居賃貸住宅制度につきましては、平成十三年十月に開始いたしました。現在の登録住宅の状況でございますが、約四百棟、五千二百戸となっております。

○小磯委員 一年半という期間で登録住宅が五千戸を上回ったということであり、一応評価したいと思いますが、東京の高齢者、特に民間賃貸住宅に居住する高齢者の世帯数や今後の増加傾向を踏まえますと、もっと登録住宅をふやしていく必要があると思っております。東京都においては、その登録住宅の目標としてどれくらいの戸数が必要と考えているのか、お伺いしたいと思います。

○小林地域住宅部長 昨年二月に策定いたしました東京都住宅マスタープランにおきましては、今後の高齢者世帯数の予測等を踏まえまして、二〇一五年における登録目標戸数を十万戸と設定しております。

○小磯委員 今答弁にありましたように、将来、十万戸の住宅が登録されれば、例えば高齢者がアパートの建てかえで転居を余儀なくされても、円滑な住みかえが期待できるわけでありますので、ぜひ登録戸数を伸ばす取り組みを進めていただきたいと思います。
 そこで、二点ほどお伺いいたしますが、登録を行うかどうかは、基本的には家主さんの理解と協力が不可欠であります。これについて、これまでどのような取り組みをしてきたのか、また、今後どのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。

○小林地域住宅部長 東京都のホームページに制度の内容を掲載するとともに、わかりやすく解説いたしましたパンフレットを作成いたしまして、都や区市町村の窓口などに配布して広報に努めているところでございます。また、直接の働きかけといたしまして、家主さんへの説明会の開催や、賃貸住宅の仲介、管理を担う事業者団体の研修会などで制度の説明を行っております。
 今後もさまざまな手法を活用いたしまして、家主さんの理解と協力を得るため、普及啓発の推進に取り組んでまいります。

○小磯委員 ぜひそうした家主さんへの普及啓発活動を進めていただきたいと思います。
 また、登録住宅の情報は、登録機関である東京都防災・建築まちづくりセンターのホームページ等に掲載されているとのことでございますが、高齢者の中には、パソコン等の電子機器が苦手な人も多くおられるわけであります。高齢者にとっては、地元の区市町村が最も身近な自治体であることから、区市町村の窓口における情報提供が大事だと思います。
 この点について、都と区市町村との連携が大変重要になってくると思いますので、その点についてお伺いしたいと思います。

○小林地域住宅部長 高齢者にとりましては、インターネットによる情報だけではなく、身近な区市町村の窓口での情報提供が重要であると考えております。高齢者の入居支援を進めていく上では、情報提供を初め区市町村との連携が不可欠なことから、都と区市町村との連絡協議会を設置いたしまして、制度の運営等につきまして検討、協議を行っております。
 今後もこの中で、区市町村の窓口に高齢者の方からの相談があれば、登録簿の提示や相談に円滑に応じられるように、区市町村に対しまして一層の協力を求めてまいります。

○小磯委員 家主さんの協力を求めること、また、区市町村との連携を深めることについて、ぜひ取り組みを強力に進めていただきたいと思います。
 次に、あんしん入居制度についてでございますが、高齢者の入居を受け入れることに対して、家主さんの不安は、法律で整備された家賃滞納の際の債務保証だけでは十分に解消されない。そういったことから、入居する高齢者の入院、そして葬儀の際の支援を行うといった、身元保証人のかわりとなるあんしん入居制度が実施されているわけでございますが、この制度の実績がどのようになっているのかお伺いしたいと思います。

○小林地域住宅部長 あんしん入居制度につきましては、定期的な訪問電話、緊急時や入退院時の支援を行う見守りサービス、亡くなられたときの葬儀の実施、残存家具の片づけの三つのサービスがございまして、高齢者は、そのうち必要なものを選択して利用できることとなっております。
 制度に関する都民からの相談につきましては、これまで約千八百件ありました。制度の成約件数としては約四十件となっております。成約の内容を見ますと、三つのサービスのすべてを選択するコースの契約が最も多く、約五割を占めております。

○小磯委員 あんしん入居制度については、この制度の利用がなくても高齢者が入居できれば好ましいともいえることから、単に成約件数が伸びればよいというものではないと思いますが、せっかくよい制度をつくったのでありますから、広く普及を図っていくべきだと思いますが、いかがでございましょうか。

○小林地域住宅部長 あんしん入居制度の開始当初は、民間賃貸住宅に入居する高齢者を対象としておりましたが、制度が広く活用されるよう、都営、公社、公団住宅につきましても利用の対象といたしました。また、持ち家におきましては、ひとり暮らしの高齢者が多いことから、あんしん入居制度の中の見守りサービスについて利用できるよう、制度を拡大したところでございます。
 今後は、ご指摘を踏まえ、あんしん入居制度が広く普及するよう取り組んでまいります。

○小磯委員 先ほどの高齢者円滑入居賃貸住宅制度の取り組みとともに、あんしん入居制度についても、より対象を広げて制度の普及を進めていくことをお願いしたいと思います。
 冒頭申し上げましたように、今後、東京の高齢者は急速に増加し、間もなく本格的な高齢化社会を迎えるわけであります。こうした状況に対して、高齢者の円滑入居やあんしん入居の制度が活用され、高齢者が安心して生活できる社会が形成されるよう、これからの制度の着実な運営と、そしてまた、さらなる充実を要望して、私の質問を終わります。

○土屋委員 私は足立区の出身でして、足立区といえば都営住宅といわれるぐらいに都営住宅が多くて、近ごろは民間の分譲住宅もできましたので、分譲住宅と民間賃貸住宅と都営住宅と、あとは普通の家屋が混在しているところであります。
 きょうは、特に管理についてお伺いしたいんですが、公営住宅法というのは、委員会でもたびたび取り上げられましたけれども、第一条で、住宅に困窮する低所得者に対して安い家賃で賃貸をして、国民生活の安定と福祉の増進に寄与することを目的とするということがここに書いてあるんですけれども、公営住宅の施策対象というのがどういう人なのか、収入基準を親子四人世帯の具体的な事例で説明してください。

○青木住宅経営部長 給与所得者で、今ご質問の親子四人世帯の場合でございますが、都営住宅の入居収入基準は年収五百十万円以下でございます。

○土屋委員 年収五百万、月収だと四十万以上ということになるわけでして、これを低所得者と見るかどうかについては、いろいろ議論がある、疑義があるところだと私は思うんですけれども、さらに都営住宅は、今答えた施策対象でない人、今の例でいえば五百十万円を超える収入を得ている人たちがいると思いますが、その人たちは一体何世帯なのでしょうか。

○青木住宅経営部長 今の例の年収五百十万を超える方、いわゆる収入基準を超えている方は、十三年度の認定でございますが、三万三千九百三十八世帯でございます。

○土屋委員 収入超過者が、今のご答弁ですと三万四千世帯いるわけですよね。この世帯に明け渡しを求めることができれば、例えば平成十四年五月の空き家募集でも、それから十月の空き家募集でも、それぞれ千戸の募集に対して三万二千人の人が応募してきているわけですね。つまり、その三万四千人の人が良識を持ってというか、一定の基準の中で明け渡しを、できればしていただければ、応募してきた三万二千人の人たちの分を上回る住宅が出ることになるわけです。
 問題なのは、収入基準を超える人たちに対して、都は具体的にどのような指導をしているのか、そして、その明け渡しを求めているのか、お答えいただきたいと思います。

○青木住宅経営部長 いわゆる収入超過者の方には明け渡しの努力義務がございます。それにつきまして、居住者向けの広報紙で広く周知するとともに、収入超過者の中でも特に収入の多い世帯には、個別に明け渡し努力義務があることを通知いたしまして、住みかえ相談や、公団、公社住宅及び都民住宅のあっせん制度などで明け渡しを促進しているところでございます。
 先ほどの例の、親子四人で年収七百八十九万円以上の高額所得者に対しましては、明け渡しの指導を行うとともに、自発的に明け渡しに応じない者に対しましては、明け渡し請求を実施しているところでございます。

○土屋委員 収入超過者と一くくりにしますけれども、高額所得者というのはその中に含まれると思うんですけれども、いわゆる高額の所得を得ている人が都営住宅に随分入っているんじゃないかという都民からの批判というのは、過去の都への意見、都民の意見集約でも随分来ていると思うんですよね。
 では、都としては、高額所得者に対して、具体的にどのような手順で明け渡し請求を行っているのでしょうか。

○青木住宅経営部長 明け渡し請求の手順でございますけれども、まず高額所得者認定の通知をいたしまして、明け渡し相談会等での指導、また、私どもに設置してございます高額所得者審査会の議を経まして明け渡し請求を行っているところでございます。

○土屋委員 じゃあ、ここで、十年間の退去者数、平成四年から十三年の間なんですけれども、その数を教えてください。

○青木住宅経営部長 過去十年、平成四年から十三年の退去者数は一万一千二百三十八世帯でございます。

○土屋委員 そうすると、高額の所得を得ている人たちに対しては、そういう明け渡し請求を求めていて、一定の成果が上がっているというふうに理解できると思うんですね。
 一方で、いわゆる収入超過者といわれる人たちなんですけれども、都は明け渡し努力義務の周知をしているだけでして、収入超過者は、いわゆる応能応益家賃で、収入に応じて高い使用料になっていると聞いています。
 説明も受けているんですけれども、これは民間のアパートと比べる必要が非常にあると思うんですけれども、例えば築十年で駅から十分、私の選挙区の板橋の大山の例なんですけれども、民間アパートで、四十三平米で大体十万円ぐらいなんですね。幅がありますけれども、もうちょっと高いところもあるということなんですけれども、もし仮にその部屋が都営住宅だったとした場合、収入超過者の人の例ですけれども、収入が七百万程度の人と、それから年収が五百万円程度の方の場合は具体的にどのような数字になるのでしょうか。

○青木住宅経営部長 ただいまの例の、民間アパートが都営住宅だったと仮定した場合でございますけれども、年収が七百万程度の収入超過者が支払う使用料は、公営住宅法、政令等に基づいて算定いたしますと、約七万円程度でございます。また、収入が五百万円程度の場合の使用料は、同様に算出いたしまして約四万円ということになります。

○土屋委員 民間と都営を比較すると、これだけ差があるわけですよね。都営住宅の建設の基本、つまり先ほどの公営住宅法の基本を理解していれば--入居時に比べて、収入が当然安定してくる人がいるわけです。まあ、安定しない人もいるわけですけれども、安定をしてくる人もいるわけでして、入居時に比べて収入が安定した段階で自主的に民間に移ることが、私は良識だと思います。しかし、管理者も、その意識の徹底を行っていませんよね。先ほど幾つかのやり方で周知徹底しているといっていますけれども、私はその意識の徹底をきちっと行っているとは思えません。
 また、現実の問題として、これだけの民間との家賃格差がありますと、簡単に転居するというわけにはいかないと思うんですね。
 問題は、公営住宅法に問題があるわけでしょう、なかなかこの人たちに退去を求めることができないというのは。公営住宅法に問題があるんですけれども、都としては公平公正というのが必要だと思うんですね。平成十三年の住宅審議会の答申の中でも、改革の四つの柱がありますけれども、その一番最初の大きな柱の中で、公平性の確保ということがいわれていますよね。それからあと、改革に当たっては、現在の公営住宅法の枠内にとどまることなく、国などに働きかけをする必要があるとも書いてあるんですけれども、都として、こうした観点から新しい工夫が必要ではないかと私は思うんですが、その検討はしないのでしょうか。
 また、提案なんですけれども、使用許可書の使用許可条件。都営住宅に入る方は、請書と住宅使用許可書、二つ書いて、これは民間でいう契約書だと思うんですね。名前が違うんですけれども、これは立派な契約書でして、この許可条件に収入超過者の明け渡し努力義務というのを明示すべきだと思うんですね。
 これは後ろに都営住宅使用許可条件の主な内容ということが書いてあるんですが、この内容の中には、入居のときの注意だとか、世帯の中に変更があったときに変更届を出せとか、工作を加えるときには知事の許可が必要だとか、使用者が費用を負担すべきものについてはこうだとか、そういうことが書いてあるだけで、明け渡し義務については明確に書いていないと思うんですよね。私はこの中に入れるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○青木住宅経営部長 都民の声といたしまして、不公平感があることは私どもも十分承知しております。しかしながら、高額所得者と異なりまして、収入超過者に明け渡し請求を行うことは法的にはできない状況にございます。したがいまして、今後は、周知の一層の徹底を図るために、現在、特に収入の高い収入超過者に対して行っております個別の通知につきまして、すべての収入超過者に対して拡大していきたいと考えております。
 また、明け渡し義務を明示すべきということにつきましては、ご提案の趣旨を踏まえまして、何らかの工夫ができないか検討してまいりたいと考えております。

○土屋委員 確かにおっしゃるように、公営住宅法の壁がありますから、すぐに許可条件の主な内容の中に入れることはできないですよね。入れて、裁判とかやったら負けちゃうんだから。
 だけど、さっきお話をしたとおり、三万四千戸が収入超過者の人たちが居住しているところなんでしょう。だから、それで差し引きやれば二千戸余るわけですから、やっぱりこれは何らかの、やっぱりそこに入っている人たちも、共助の社会ですから、収入が最初低くても、収入がふえていく段階で--要は、入りたい人たちが三万二千人いるわけですから、そういう現実も、千戸の募集に対してそれだけの人たちが今来て、住宅を必要とする人たちが随分いるんだということもあわせて周知徹底して理解をいただくという努力は、私は局の義務だと思いますので、その点をしっかり検討して、実際入れなきゃ意味がないので、入れていただくということでお願いをしたいと思います。
 都は、いろいろ試みをしているということは認めるのですけれども、契約更新の観点から、東京都の導入した都営住宅の期限つき入居について、私、一言お話をしたいんですが、前回の第四回定例会の当委員会で、国が定期借家は公営住宅にはなじまないという見解を出しているとか、都内全域でないなどの議論がある中で、私は今より一歩前進だということで賛成をさせていただいたんですけれども、きょうのような議論を見てみますと、私は、定期借家というんですか、期限つきというのは、最終的に都内全域にかけていくべきだと思います。そうすれば、定期的な管理のチェックもできますし、さっきお話しした、住宅審議会が求めている、それから都民の人たちが求めている公平、公正性というのがかなり担保されるんじゃないかと思います。これは意見として、きょうは述べておくにとどめます。
 次に、共有部分の管理について質問をしたいと思います。
 共有部分の管理などは、ルールだとかマナーなども含めた居住者への対応についても、私は非常に疑問を感じているんですけれども、民間賃貸アパートであれば、大家さんは、それは財産ですよね。財産ですから、かなり入居時に--東京都がつくった入居時の契約書、契約書といってはいけないらしいのですけれども、住宅使用許可書というのは、後ろにこれだけしか書いていないんですが、民間のアパートないしマンションを契約すると、かなり詳細に取り決めができていると思うんですね。それは、大家さんが財産の保全だということが一つと、あとやっぱり次に入居する人たちのことも考えて、あと環境の保全ってすごく考えますよね。
 今、結構、新築のマンションだとかアパートが建っていますから、入居者も結構見る目が厳しいですよね。インターネットが使えなきゃいけないとか、床暖房がなければいけないとか、それからウォシュレットじゃなきゃいけないとか、かなり厳しくなりますから--当然、民間の大家さんはそういうことを、当たり前のことだと思うんですけれども、入居者の人に求めているわけでありまして、大家さんがある意味うるさいくらいにいって、借りている人たちがごみ捨てのルールを守るとか、共有部分に物を置かないとか、外に傘を置かないとか、自転車も変なところに置かないとか、そういうルールが守られると私は思うんですけれども、東京都の考える良好な住環境とは何なのでしょうか。
 そして、それを維持するために、東京都は居住者の人にどのような努力を求めているのでしょうか。

○青木住宅経営部長 都といたしましては、都民や居住者から見苦しいとの批判を受けないような住環境を保持することが必要だと考えております。共同部分の管理や火事、動物飼育、自動車の保管など住まいの心得や注意事項などにつきまして、入居時のパンフレットで説明するとともに、随時居住者向け広報紙で周知しているところでございます。
 今後とも、住まい方のルールやマナー、共同部分の管理などにつきまして一層の周知の徹底を図ってまいりたいと考えております。

○土屋委員 「すまいのひろば」という広報紙がありまして、これでかなり周知徹底しているというふうに考えているんでしょうけれども、私は、例えば入居時のときにきちんといっておく必要があると思うんですよね、ルールについて。
 民間の例を挙げますと、例えば第一番目に、入居申し込みに虚偽の記載をしたり、二番目に、二カ月以上連続して家賃や管理費を滞納したり、三番目に、無断で一カ月以上長期に不在をしていたり、また四番目に、契約条項に違反して貸し主に対して信頼関係を損なう場合などは、契約を解約して住宅を明け渡すことになっているわけですね。
 入居するときには、必ず私は詳細に、こうした常識ですよね、このルールを説明する必要があるわけだと思うのですけれども、都営住宅というのは、局の財産じゃなくて、税金で運営されているわけですから都民の財産ですよね。ですから、それを管理しているわけですから、管理者の視点で、どのような形で入居者の人に基本的なルールを説明しているのか、お答えください。

○青木住宅経営部長 都営住宅におきましても、入居の際に、先ほどの使用許可書で、滞納、長期不在を禁止し、明け渡し請求の対象となることを使用条件として明示しているところでございます。また、こうしたことにつきましても、入居時のパンフレットで説明するとともに、入居者向けの広報紙で随時周知しているところでございます。
 今後とも、周知の方法等工夫を凝らしまして、徹底を図ってまいりたいと考えてございます。

○土屋委員 ちょっと関連で聞きたいんですけれども、民間の場合ですと、例えば不動産屋さんに行ったり、大家さんに直という場合もありますけれども、かなり逐条的に説明しますよね。都の場合は、入居者に対して逐条的な説明というのは、具体的な例を挙げながらされているのでしょうか、どうなのでしょうか。

○青木住宅経営部長 先ほど申し上げましたように、入居時に入居者向けのパンフレットがございまして、それについて、逐条というよりは中身のご説明をさせていただいているところでございます。

○土屋委員 そのルールが周知徹底していれば、今のような都民からのいろいろな批判というのは起きてこないはずだと思うんですよ。細かくはここであえて聞きませんけれども、例えばこれを見せたり、それから、そのパンフレット、どういうパンフレットなのか、まあ簡単なパンフレットだと思うんですけれども、それを見せただけでは、なかなかそれは徹底しないんじゃないかなと。だから、入居のときというのは一つの大きなチェックの機会なので、そのやり方を--そこら辺をやっぱりきちっと説明をするということは、私は必要だと思います。
 次に、滞納についてお聞きしたいんですが、滞納については、滞納総額というのは幾らで、家賃収入の何%なのでしょうか。

○青木住宅経営部長 平成十三年度末の滞納額でございますけれども、前年度と比べまして、額で約八億円減少いたしましたが、四十六億三千万ほどの滞納になってございます。これを十三年度の住宅使用料の総額と比べますと、その五・七%という割合になってございます。

○土屋委員 そうすると、例えば十二年度、過去の累積が五十四億かな。五十九億、五十幾ら……。過去の累積は幾らですか。

○青木住宅経営部長 先ほど申し上げました四十六億三千万というのは、十三年度の滞納額と十二年度以前の滞納額の累積でございます。

○土屋委員 滞納整理の手順というのはどのように進めているのか、また、その効果というのはどうなのでしょうか。

○青木住宅経営部長 滞納整理の手順でございますけれども、滞納が一カ月以上になると、速やかに督促状を送付しております。また、三カ月以上になりますと、徴収員による納付指導を行っているところでございます。それでもなおかつ滞納が解消しない場合、六カ月以上の滞納者に対しまして、内容証明郵便で支払い請求と使用許可の取り消しの通知をした上で、訴訟手続に入っているところでございます。
 それらの法的な取り組みによりまして、十三年度においては、完納や和解等がございますけれども、約十三億円の回収効果がございました。

○土屋委員 要は、十三億回収したんだけれども、未回収が随分あると。三十三億未回収だということになるわけなんですけれども、都営住宅の場合でも、連帯保証人というのはいると思うんですよね。滞納があった場合は、連帯保証人にどのような働きかけをしているのでしょうか。

○青木住宅経営部長 本人に請求いたしましても支払いがない場合でございますが、連帯保証人に対しまして支払い協力の依頼を行っております。その結果、本人にかわって保証人にお支払いをいただいた例もございます。
 現在、連帯保証人への法的措置につきましては、連帯保証人になって長期間経過しているため、高齢化等により保証能力がないなどの問題がございまして、今後検討してまいりたいというふうに認識しております。

○土屋委員 要は、入居のときに二つ書類をとるわけだけれども、それが、一つが住宅使用許可書で、一つは請書というやつでしょう。この中に連帯保証人が判こを押すところがあるんだけれども、結局、要はこれ、とりっ放しなわけですよ。普通、民間住宅だったら、意思の確認というか契約の更新で--これも国の決めた法律が一つ足かせになっているんですけれども、その途中途中で意思確認というか、それをやらないから、例えば入居してから二十年--当然その範囲の中の人だったら、二十年でも三十年でも都営住宅に住み続けるというのは、私は正当な権利だと思いますよ。でも、権利は義務が伴うものだと私は思っているので、本来はこれ、途中途中でチェックするシステムをつくれば、例えば連帯保証人ですから、当然、本契約者の人が払うべき家賃を払わなければ連帯保証人の人に催告が行くというのは、民間では常識のことだと思うんですね。都営住宅に入っているから、いわゆる民法上の規定から逃れることができるということにはならないわけで、普通の、社会の基本的なルールだと思うんですよ。
 だから、本当は定期的な更新があればいいと。要は、突き詰めていけば、期限つき入居を拡大することが必要だという結論になるわけでありますけれども、この連帯保証人の問題について、局としては、現状を考えて検討をどうしていくのでしょうか。

○青木住宅経営部長 都営住宅二十六万戸余に対しまして、連帯保証人の方全員に定期的に更新するということは、膨大なコストと時間を要することが予想されます。
 したがいまして、今後、保証人のあり方等につきまして、費用対効果の面も含めまして検討してまいりたいと思っております。

○土屋委員 僕はどうしても--私有制、資本主義の社会の中では、社会がみんな力を合わせて手を差し伸べなければいけない人たちがいるというのは当たり前なんですよ。ただ、そのときも、やっぱり公平公正というのは絶対に必要だと思うんですね。別にそれは、冷たくするとか、そういうのじゃなくて、社会のルールだと思いますので。
 やっぱりそれをしないと、都営住宅に対していろんな意見があるじゃないですか。批判的な意見もありますよね。何ていうのかな、そういう都営住宅に住んでいるからというようないい方をされると、本来住んでいる人が非常に気の毒だと私は思いますね。だから、やっぱりここら辺の改善できるところは、局としても私は改善をしていただきたいと思います。
 要は、滞納については、都としては、ある意味厳しく対応している、今後検討するというご答弁だと思うんですけれども、それでも四十六億、差し引くと三十三億という滞納があるわけでして、ある意味、都の認識というのはまだまだ甘いと思いますよ。
 ところで、入居者の守るべき管理のルールについては、滞納同様に問題があると思います。これはさっきちょっと触れましたけれども、都は使用許可書で周知したと考えているようですけれども、いいっ放しで、守られていないと私は理解しています。
 例えばオープンスペース、共有部分である前提というんですか、普通の民間住宅でしたら芝生になっているところが畑になっているとか、それから、例えば選挙が近くなると、入り口のドアの外にポスターが張り出されている。外から都営住宅を見ると、その家が何党の支持か、すぐわかるようになっている。この前も足立区の鹿浜をちょっと通ったんですけれども、もう一面ポスターだらけなんですよね。
 だから、こういう部分について、やっぱりきちっと、管理者である住宅局の方として、それは共有部分ですからだめなんですと。これは、都営住宅だけ禁止しろというんじゃなくて、例えば民間住宅でそれを張ったら、それから例えば勝手に工作をしたら、すぐ大家さんから文句いわれますよね。これはやはり社会のルールだと私は思いますので、この点について、今まで都はその不適正の是正にどのような対策を講じてきたのか、聞かせていただきたいと思います。

○青木住宅経営部長 お答えの前に、先ほどの滞納額の件でございますが、十三年度で滞納額が四十六億円でございます。十三億円というのは、法的な措置で十三年度に回収した額でございますので、依然として四十六億円の滞納がございます。
 今お話しの、居住者に対して、不適正の是正に対してどう対策してきたのかということでございますけれども、当然に都営住宅におきましても、快適な住環境を維持するために一定のルールを守っていただかなければいけないということは、先ほど申し上げたように、あらゆる手段を通じて周知を徹底しているところでございます。その中でも不適正な使用というのが見られるわけでございまして、不適正な使用に対しましては、是正の指導員が訪問いたしまして、個別に指導を実施しているところでございます。また、公社の窓口センターの相談担当もございますので、必要に応じて訪問指導をしているところでございます。

○土屋委員 今お話があった、不適正是正の指導員というのですけれども、指導員は何人いて、どのぐらいの案件を処理しているのでしょうか。

○青木住宅経営部長 現在のところ、不適正の指導員は十四名でございます。一人当たり、常時三十件から四十件の案件を抱えて処理をしている状況でございます。

○土屋委員 たった十四人でやっているわけですから、なかなか手が回らないわけですよね。だから入居時にちゃんとした説明をすべきだと私は思うんですよ。
 まあ、ともかく十四人の人たちは頑張っていると思うんですよ、それなりに。頑張っているんでしょうけれども、その十四人で二十六万戸を回るというのはなかなかできない--できないというか、不可能に近いと思うんですけれども、今回の条例提案の中で、さっきちょっとお話が出ましたけれども、団地を巡回して管理する巡回管理人について触れていますけれども、改めてお聞きしますけれども、この巡回する管理人の業務内容について、それはどういう内容なのでしょうか。

○野澤参事 巡回管理人の業務内容でございますが、自分から手続等に出向けない高齢者及び障害者世帯等への支援を初めといたしまして(「資料に出ているよ」と呼ぶ者あり)収入報告書未提出世帯に対する指導、不適正事例にかかわる調査及び報告、建物外壁及び駐車場等の目視による外観点検などを業務内容としております。

○土屋委員 それは資料に出ているのはわかっていますよ。次に関連しているんだから。
 ただ、管理人という名前がついているわけですよね、巡回管理。今のお話の業務は、非常に私、高橋委員がさっき質問をされたと思うんですけれども、大変大切なことだと思うんですね。だけど、仕事の区分と内容という平成十五年一月の住宅局の資料があるわけですけれども、その中に、例えば不適正事例にかかわる調査及び報告、それから建物外壁及び駐車場等の目視による外観点検としか書いていないんです。
 管理ということになれば、当然、不適正事例があったり、それから、目視でこれはちょっとおかしいんだということになれば、要は、さっきお話しした不適正是正の指導員が十四名しかいないわけですから、この人たちも力を合わせて、しっかりとした管理を行うために指導するということは私は必要だと思うんですが、どうでしょうか。

○野澤参事 巡回管理人が巡回する中で、これまでわからなかった不適正事例につきましても情報を得る体制を整備したところでございます。
 今後、調査、報告にとどまらず、ご指摘のように、居住者に対する指導につきましても、担当部署との連携を図るなど有効に活用していきたいと考えております。

○土屋委員 不適正事例については調査、報告するということですけれども、ぜひ指導の方もあわせてやっていただきたいと思います。
 それから、最後というか、その前に一つ聞きたいんです。さっき、これから周知徹底をするということだったんですけれども、こういう「すまいのひろば」という機関紙もありますけれども、掲示板があるでしょう。ああいうところに、これは分譲マンションなんかはかなりうるさいですけれども、これをやってはいけない、あれはやってはいけないという、季節ごとにいろんなことが張り出されますよね。それから、違反者なんかがいると、例えばお年寄りがいるから、子どもたちに、自転車に乗って坂の上から走らせるなとか、それから、近ごろごみの分別の方法がおかしいから、やっぱりこれはちゃんとやりましょうということが張り出しをされるんですよ。かなり厳しいところは、自転車なんか勝手に、いわゆる使用料を払わないで置いておくと撤去しちゃいますよね。
 だから、ポスターなんかも含めて、そういう方法を考えて、そういう周知徹底というのは考えるべきだと思うんですが、それはどうなんでしょうか、考えていないんですか。

○青木住宅経営部長 先ほどからお答えしていますとおり、住まい方のルール等の周知徹底というのは非常に重要なことだというふうに私どもも認識しているところでございます。したがいまして、今ご提案の方法なども含めまして、今後、どのような方法が一番有効か、工夫を凝らしてまいりたいと思っております。

○土屋委員 やっぱり二十万戸を上回る住宅を管理しているという大家さんとしての自覚を持つべきだと私は思いますよ。だって、それが、例えば都営住宅に入っている人たちだけに特別なルールを課すわけじゃないわけですから。かえって十万、二十万の家賃を払っている人たちの方がルールをきちっと守っているということ自体、やっぱりおかしいし、それを放置しておくと、都営住宅に対していろんな誹謗中傷が出てくるということになりかねませんので、ぜひその点はよろしくお願いをいたします。
 今ちょっとお話ししたとおりで、民間のアパートの管理というのは非常に参考になると思いますので、そうしたことも含めて今後検討していただきたいと思いますし、それから、管理というものを新しくルールとしてつくり出すということも必要だと思うんですよ。今まで局の歴史の中でいろいろなことがあって一つのルールができてきて、役所だから、なかなか今までのやり方を変えるというわけにはいかないんでしょうけれども、どうしても巡回管理人が不足なら、それをふやす、これは大方の都民が納得することだと思うんですよ。だから、そういう根本的な見直しも含めてご検討いただきたいと思いますけれども、局長にご答弁をいただきたいと思います。

○橋本住宅局長 都営住宅は、その事業運営に当たりましても、ただいまご議論ありましたように、公平性、効率性が厳しく求められている、こう認識しております。このため、私どもは、都営住宅制度の改革につきまして全力で取り組んでおりまして、今年度におきましても、先ほど例に挙げていただきました、さきの四定でご議決いただきました期限つき入居制度の拡大とか、あるいは今年度、使用承継制度の見直し、あるいは特別会計制度等々、改革を実施してまいったところでございます。
 しかしながら、ただいまのご議論にありますように、多数の収入超過者の存在とか不適正使用の問題等、いまだ都民から見て問題があることも事実でございます。都営住宅は都民共有の財産であると私も強く思っておりまして、都民の理解と支持を得ていくためには、やはり先ほどのルールをしっかりと認識し、また知っていただく、そして都民の不公平感を解消するということが極めて重要だ、こう思っております。
 今後とも、真に住宅に困窮する都民に適切に都営住宅を利用していただけるように、引き続き制度改革、管理の適正化に積極的に取り組んでまいります。

○池田委員 私は、期限つき入居問題について質問します。
 都営住宅への期限つき入居制度、定期借家の導入について、国土交通省が、公営住宅法の例外として東京都の方針を追認した見解を都に伝えているということですが、都はどのようにこの制度を説明し、国が認めたのか、その内容をまず説明してください。

○野澤参事 国土交通省から正式な見解というのは承ってはおりませんけれども、国からは、報道取材等があった場合には、今回の都の制度については、公営住宅法の趣旨に明らかに反しているとはいえないというような対応をする旨、口頭で伝えられているところでございます。
 国土交通省に対する説明でございますが、必要に応じまして、機会をとらえて情報交換に努めてきたところでございまして、今回の条例の改正に当たりましては、条文を渡して、これに基づき説明を行ったところでございます。

○池田委員 朝日新聞の報道で、期限つき入居、例外で認めるという記事が出ていました。こういう報道が、基本的には国の方の都に対する見解ということで理解していいわけですね。
 それともう一つ、今お話あったように、国の方には、条例改定の条文をもって説明をされてきたわけですね。

○野澤参事 国の見解ではございますが、これは、報道取材があった場合にはこういう対応をする旨、口頭で私どもは聞いているということでございますので、正式な見解という形では伝わっておりません。
 また、国に対しての説明でございますが、条例文をお持ちいたしまして、これに基づいて説明を行っております。

○池田委員 昨年の第四回定例会で改定された都営住宅条例第三十九条の二には、知事は、各号のいずれかに該当する場合には、十年を超えない範囲内において、あらかじめ規則で定める期間に限って一般都営住宅の使用を許可することができる、こういう規定に基づいて、第一項の第三号、住宅政策上特に必要があるものとして規則で定めるというふうになっているわけです。
 規則を定めましたか。そして、その内容はどういう内容なのでしょうか、説明していただきたいと思います。

○野澤参事 条例上規則で定めることとしておりますのは、定期使用許可の期間、また、対象となります若年ファミリー世帯の年齢、定期使用許可にかかわる手続などを今後定める予定でございまして、現在、十五年四月一日の条例施行に合わせまして作業を進めているところでございます。
 第三号につきましては、まだ具体的な規則については定めてはおりません。検討はしておりません。(池田委員「検討していない……」と呼ぶ)検討はしておりますけれども、作業はまだしておりません。第三号に関する規則についてです。

○池田委員 今説明がありましたように、規則というのは、条例を施行する--今お話ありましたけれども、四月一日から施行されることになっているわけです。その中身を規則で具体的にしていない。
 特に、私は後ほど議論したいと思いますが、三十九条の二の三ですね。その前に、今いわれた三十九条の二のところの問題でも、あらかじめ規則で定める、そして、一、二は、若年ファミリー世帯やマンション建てかえが対象となるというふうに説明されている。こういうことについても、まだ明らかにはなっていないんですか。

○野澤参事 一号、二号に関しましては、現在作業を進めているところでございます。
 三号につきましては、いろいろ考え方がございますので、十五年度の実施に向けまして検討している項目がございますが、四月一日の条例施行に合わせての規則については、まだ作業をしているところではございません。

○池田委員 三十九条の二の三ですね、例外を認める場合はどういうものか、こういうものについては後ほど議論したいと思います。
 そこで、条例では、あらかじめ規則で定める、こういうふうになっているわけです。そこで、四月一日の施行日まで、きょうがもう二月の末ですから、あと一月。あらかじめというのは、そういう期間に入るんでしょう。四月一日までには、それははっきりさせるということで理解していいんですか。

○野澤参事 一号、二号につきましては、あらかじめ規則で定めるという期間に限って規則で定めることとしております。
 三号につきましては、期間につきましても今後検討する事項でございますので、現在はまだ作業には入っておりません。

○池田委員 そこで聞きたいんですが、若年ファミリー世帯の年齢が、条例上は明記されていないわけです。規則では、この辺はどういうふうになっているのか、これが一つ。
 もう一つは、三十九条の二の二についても、年数が明記されていない。これが規則ではどういうふうになるんですか。

○野澤参事 若年ファミリー世帯の年齢でございますが、夫婦ともに四十歳未満というふうに考えております。
 それから、二号の期間でございますが、三年を予定しております。

○池田委員 それでは、先ほど申し上げた三十九条の二の三の問題です。いわば例外的に認めるという問題です。
 この点については、国の方には条例は持っていった。しかし、規則は持っていっていないのは当然だと思うんですね。しかし、考え方、どういう仕組みになるかということについては、話はしているんだろうというふうに思うんです。
 そして、この問題についていうと、委員会での質疑でも、また答弁でも出されていますけれども、木造住宅密集地域の整備を促進する、こういうこと、また、一度事業に失敗し、再起を図る方への支援、こういうものを対象とする、こういうことで決めるというのが答弁の中で出ていました。そのことは規則の中で明確にされるわけですね。

○野澤参事 今後、検討の中で、そういうものが三号の規定にふさわしいということでいろいろ条件が整備できれば、規則に明確に定めていきたいというふうに思っております。

○池田委員 どうも歯切れが悪い話で、わかりづらいので、その辺は明確にしていく必要があるというふうに私は思うんです。
 例えば、木造密集地域の整備の促進、一度経営に失敗したが、再起の可能性が高い方への支援などの活用が考えられる、こういうふうにいわれているわけです。そして、今後、関係機関と調整しながら、十五年度の具体的実施に向けて取り組んでいくという答弁がやられているわけでありますけれども、そのものが具体的にされていくというのは、四月一日の条例施行の中で、基本的な方向がやはり明確にされていく必要があるだろうというふうに私は思っているわけです。
 この三のところの問題というのは、そういうことで、私はやはりはっきりさせなければならない問題だと。規則ではまだはっきりしない。あと一月ちょっとあると。しかし、さっきの話ですと、十五年度の具体的実施ということになれば、四月一日に条例が施行されるわけですから、そのときには、もうあらかじめ当然都民には知らされていなければならないということになるんじゃないでしょうか。そういうものでしょう。

○野澤参事 都営住宅条例三十九条の二第一項第三号の規定でございますが、公営住宅階層の一時的な住宅困窮者への支援策として、社会経済状況の変化に機敏に対応していくため、制度上の枠としてあらかじめ規定を用意したものであるというご説明を四定の委員会でもご説明させていただきました。
 これにつきましては、今後いろいろ検討の中で、今確かに木造密集地域の整備、また再チャレンジする事業破綻者の考え方、そういうものが対象になるであろうということは我々も考えているところでございますが、その具体的条件等については、これから整備をしていく、検討していくということでございますので、条例の施行に合わせまして規則で規定しなければならないものではないというふうに考えております。

○池田委員 今回、分野限定的に社会政策上の必要から期限つき入居制度を導入することに賛成、今後、一般の都営住宅については、この期限つき入居制度を一般的には導入しない、今回の条例改正をその突破口とはしないから認める、こういうふうに意見をいわれ、条例賛成の立場を表明された他党の方もおられるわけです。
 そういう歯どめを、それではどういうふうに考えているのか、このことをお聞きしたい。

○野澤参事 この規定でございますが、これはあくまでも、公営住宅階層で一時的に住宅に困窮になられる方に、期限を定めて支援策が講じられるという場合に限定して対応するということで考えております。

○池田委員 私は、こういう規定の仕方は、やはり公営住宅法の規定からいっても無理があるんだろうというふうに思うんです。私は、知事の政策判断で、住宅局の判断で、限度なく、際限なく定期借家、入居期限を一般都営住宅に広げていくことができる、これは公営住宅法を一層逸脱していくものであるといわざるを得ない。
 しかも、昨年の委員会審議の中で、ほかの党の委員からも、条文のあいまいさ、公営住宅法とのかかわり合いで、さまざまな危惧が表明されました。例えば紹介しますと、条例改正の中に、一カ所だけ明確にしなければならないのではないか、そういう点があるわけでありまして、その点について質問させていただく、こういうふうにいわれて、今私が申し上げた三十九条の二の三号の規定について、この問題で、一時的に住宅に困窮することとなる者のうち住宅政策上特に必要があるものとして規定で定める者云々とあるわけでありますけれども、本当にこういった漠然とした条例の書き方といいましょうか、つくり方といいましょうか、そういうものが本当にいいのかな、そういうふうに思っているわけでありますと、こういうふうにいわれている方もおられる。これは委員会の中でも出された議論。それから、全く具体的な考えがない中でこの三つ目のやつを--要は三号ですね。三つ目のやつをつくったということは到底考えられないわけでありますと、こういうふうにいわれているんですね。
 ですから、そういう議論の中で、例えばということで、木造密集地域の整備促進だとか、それから一度事業に失敗された方でも再建のために頑張っていくという、そういう機会をつくっていくということがいわれている。
 そういうことでいわれている疑問、そして、ここで審議の中で出された各委員からのいろんな議論があった。この到達点を、どういうふうに認識して対応しようとされているのか、この点を明確にしていただきたい。

○野澤参事 三号の規則で定めるものにつきましては、関係機関と調整の上、具体的な内容が固まり次第、十五年度の具体的な実施に向けまして規定を整備していくこととしております。

○池田委員 私たちは、この公営住宅法の目的に照らしてみて、都営住宅に期限つき入居制度を導入する、そのことそのものに反対です。知事は、期限つき入居制度導入について、利用機会の公平を確保するものなどといっています。待機者が多いということを口実にしています。今求められるのは、都営住宅の入居希望者が殺到し、何回応募しても当せんしない若年ファミリーだとか高齢者、単身者などの切実な要求にこたえることであります。
 二〇〇二年度、空き家募集の平均倍率は三十一倍を超えています。新築も五十三倍を超えている状況です。こういうものを少しでも緩和する。これは、不足している都営住宅を初め公共住宅の建設により、パイそのものを大きくしていく。一般の公募の枠をふやし、そのことの中で、若年層、高齢者など経済的に厳しい状況にある階層の要求にこたえていくものだ、こういうふうに考えます。
 そこで、私、具体的な提案をしたいと思います。
 まず、入居期限をつけずに、若年ファミリー世帯向けの公募をふやしていく、こういうことをやるべきだというふうに考えますが、どうですか。

○野澤参事 今回の期限つき入居制度の導入でございますが、これは、都民共有の財産であります都営住宅が都民の理解と支持を得ていくためには、利用機会の公平の確保が必要であるという観点から導入したものでございまして、期限つき入居を導入するためには、現行法の公営住宅法の趣旨に反しないよう、公営階層の居住の安定に配慮するとともに、対象を特定の住宅及び世帯に限定して導入したものでございます。

○池田委員 私は、基本的な立場をいっているんだから、そして具体的な提案をしているわけです。そのことの答えをしていただきたいというふうに思うんです。
 今申し上げたように、入居期限をつけずに、若年ファミリー世帯向けの公募をふやしていくべきだというふうに思うんです。
 それとか、今、マンションの空き家がふえています。その空き家をどういうふうに利用するか、これはオーナーの人もいろいろ考えているわけですね。そういう状況の中で、空き家を借り上げて、そして必要な部分については家賃補助をする、こういうようなことが基本的な考え方としてやはり出てくるべきだと。その辺はどうですか。

○小川住宅政策担当部長 都営住宅の全体の戸数に関してのご質問ということなので、私の方からお答えをさせていただきます。
 都営住宅につきましては、将来の東京の人口あるいは世帯の動向を踏まえますと、現在管理している住宅を有効に適切に活用することが重要であって、総戸数は抑制をするという考え方でございます。やはり都営住宅につきましては、真に困窮する方のために社会ニーズに的確に対応する形で提供する、そして、そのことにより都民の負託、期待にこたえるべきものと考えております。

○池田委員 そういう東京都の都営住宅政策、これは住政審の答申に出され、基本的にはビッグバンという方針展開の中で、いわば民間ディベロッパーの市場に都民の住宅要求、そして、今の状況の中で、非常に厳しい経済的な状態、長い間の厳しい不況の中で、倒産だとかいろいろな問題が出てきている。リストラで苦しい、賃金も上がらない、その上、社会保障費だけどんどんどんどん上がっていく。こういう状況の都民の生活から見れば、東京都の住宅政策がそういうところにこたえられない。みんな民間任せになってしまっている。そうでしょう。そして、逆にいえば、二十六万戸の都営住宅の管理戸数を抑制していく、四年も新規住宅は建てない、こういう状態でしょう。ですから、私は、今求められる、都民の要求にこたえるべき問題として具体的な提案をしているわけです。
 例えば、大阪市ではこういうことをやっているんです。新婚世帯向け家賃補助制度、それとか市営住宅新婚別枠募集、これは公営の市営住宅の新婚の方の別枠募集をやっている。それから、市営住宅の子育て世帯向け募集、こういうことを別枠で募集している。そして、どういうことで考えているかというと、市内の民間賃貸住宅に居住する新婚世帯に対して、初期の住居費の負担を軽減するための家賃補助制度を行う。そして、人口の減少、少子化対策の問題でもそうです、こういうことの中で若年層の市内定着を促進していく、そして活力あるまちづくりを進めるためやるというふうになっているわけなんです。
 私は、ここの管理をやっている公社の方に話を聞いてみました。やはり大変若い層の方たちに喜ばれているし、かなりの応募があると。まあ、当然の話だろうというふうに思いますよ。そういうことを積極的に推し進めていくということが重要なんだと。
 今、大阪でこういう事例がありますけれども、ぜひこれを検討して、そして、今の東京の若年層や単身者、そういうファミリーの人たちにこたえるべく、施策として具体化してもらいたい。どうでしょうか。

○小川住宅政策担当部長 ご指摘の若年ファミリー向けの施策といたしまして、私ども、一昨年、特定都営住宅に、まず初めて若年ファミリーの期限つきの入居制度を導入したところでございます。そのときの応募倍率等を見ますと、非常に高いということで、やはり都民の期待に沿うものだというふうに考えました。そういうことも踏まえまして、昨年の四定で一般の都営住宅に導入をしたということでございます。
 それぞれの地域によって、それぞれの住宅のニーズにどういう形で対応するかということについては、それぞれの地域の、ある種やはり自治に任されているところがあろうと思います。私は、東京都のこの二十六万戸の住宅ストックを良好に活用し、かつ都民の期待にこたえるという形で若年ファミリーの期限つきの制度がまとまったものというふうに考えておりますし、この四月の実施に向けて努力をしてまいりたいと考えております。

○池田委員 まあ、提案したものを検討するというようなことまでもいえないと。本当に今の東京都の住宅政策が都民に背を向けている。本当に残念なことです。しかし、これは、東京都がみずから自分たちの責任を放棄している具体的なあらわれだといわざるを得ないと思うんです。
 続いて、住宅供給公社の期限つき入居制度の問題について質問します。
 今回、公社では、コーシャハイム港南三丁目に定期借家制度を導入して募集をいたしました。公社の賃貸住宅に定期借家制度、期限つき入居制度を導入することの趣旨、そのねらい、具体的に説明してください。

○小林地域住宅部長 公社におきましては、賃貸住宅について、利用機会の拡大を図ること、分譲マンションの建てかえの支援を行うため、仮移転先住居として提供することなどを目的といたしまして定期借家制度を導入したものでございます。

○池田委員 都営住宅の期限つき入居制度導入は、公営住宅法改正が必要だということはもうずうっといわれてきている。だからこそ、今回、都営住宅の方は、限度、これを限ってということでやっているわけですが、今お話あったように、特定の地域、住宅、世帯を限定しての導入、こういうふうに説明されてきたわけですけれども、今回、供給公社は、最初から一般賃貸住宅空き家を対象として、対象の限定などの条件はつけていないわけです。地方住宅供給公社法の公社の目的、その業務を説明してください。

○小林地域住宅部長 公社の業務につきましては、公社法の第二十一条に列記されております。これらの事業を行う上での公社の目的と申しますのは、第一条に書いてあるとおり、住宅を必要とする勤労者の資金を受け入れ、これをその他の資金とあわせて活用して、これらの者に居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する宅地を供給し、もって住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするというものでございます。

○池田委員 これは、地方公社が目的とし、また業務として明確にしている二十一条、二十二条の中で明らかだというふうに思うんです。今、若干紹介をしてもらいましたけれども、勤労者が健康で文化的な生活を営むに足りる良好な環境の住宅または宅地が確保されるように努め、そして賃料または譲渡価格が適正なものとなるように努めなければならないと。勤労者が健康で文化的な生活を営む、これは公住法の中でいわれている基本的な国民の権利と通じるものがある。
 これは、公社の場合には勤労者ということで対象があるわけですね。収入分位も高くなっているということはあるわけですけれども、しかし、そういう中で進められている今回の公社のやり方、都民の皆さん方に、この期限つき入居制度の問題についてどこまで周知されたのですか、そして港南のハイムの募集をやられたのですか。

○小林地域住宅部長 公社の定期借家制度の導入につきましては、コーシャハイム港南三丁目が第一号で、これにつきましては一月二十二日付でプレス発表をし、その後の新聞に取り上げられたところでございます。

○池田委員 一月二十二日にプレス発表をして、この募集要項は、一月二十九日から二月十二日までの応募、申し込み、そして郵送は二月十二日と、同じ日になっていますけれども、一月二十二日に発表されて、わずか一週間後にこういう募集のパンフレットというのでしょうか、これをいただきました。これが都民に対する広報ということになるんですか。

○小林地域住宅部長 広報といたしますると、そのとおりでございます。

○池田委員 それは先ほどの議論とも通じるんですけれども、こういう制度の変更、今まで初めてでしょう。全国の公社でやる初めての入居期限つきの募集だ、こういうふうにいわれています。公社の文書でもこれはいっています。そういうものを、わずか一週間余りの公募で都民に周知する、これで十分だと思いますか。

○小林地域住宅部長 定期借家制度については、公社がここで改めて何かするために決めて使ったということではなくて、既に法律として存在し、民間賃貸住宅では使われていたものでございますから、そういう意味では、ただいまの申し上げました周知方法で十分であるというふうに考えたところでございます。

○池田委員 十分だということですか。
 とすれば、私はもう一方をお聞きしたい。実は、私は公社の評議員なんです。私がこの公社の知らせを受けたのは、この前日です。今回、定期借家制度の導入をやり、具体的な事業実施のやり方について、事前に私も全く知らなかった。まして都民の皆さん方は知る由もない、こういうふうに考えられますけれども、どうですか。

○加藤参事 公社の評議員会にどのような形で諮った、あるいは諮らなかったかということでございますけれども、公社の評議員会は、定款におきまして、公社の運営上重要と認められるものについて理事長の諮問に応ずることとされております。
 これをもう少し具体的にいいますと、住宅供給公社の評議員会規程の中で運営上重要と認められるものについては、定款の変更、毎年度の予算及び決算、毎年度の事業計画、その他理事長が重要と認める事項ということになってございまして、この案件につきましては、先ほど地域住宅部長が申し上げましたとおりの中身でございまして、評議員会に諮る事項ということには考えなかったということでございまして、さらに、プレス発表する内容につきまして、いつお知らせするかにつきましては、これはまた公社の自主的な判断に基づいて行われたものということで、特に都として、指導監督する都の立場として問題があるというふうには考えてございません。

○池田委員 先ほどいいました。公社が今度新規で建てた港のハイムにその制度を導入した。今度は空き家にも導入した。私は、公社の住宅管理の方向を、応募の方向を大きく変える制度的な変化だと思うんです、変更だと思うんですよ。そうじゃないですか。
 この公社法の二十七条、ここでは何といっていますか。地方公社は、毎事業年度、事業計画及び資金計画を作成し、事業年度開始前に設立団体の長の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様。設立団体の長は、前項の規定により事業計画及び資金計画を承認しようとするときは、それらの計画中住宅の積立分譲云々ということで国土交通大臣に協議しなければならない、こういうことまで書かれているわけですね。
 そうすると、今の答弁を東京都の話として聞けば、公社がこういうことをやらないでやったということについては、全く東京都の住宅局--この公社というのは、東京都が一〇〇%出資している団体です。しかも、東京都の今、住宅の建設の問題や修繕の問題、管理や募集問題、そういうものを大体やっている、そういう公社でしょう。さっきの答弁を聞いていると、そこに東京都が全く関与しないといわんばかりの話じゃないですか。これでいいんですか。

○小林地域住宅部長 公社の自主事業でございます公社賃貸住宅に対する定期借家制度の導入に当たりましては、公社から制度の趣旨や対象とする住宅などについて事前に説明がございました。これは、公社が都の住宅政策も踏まえ自主的に判断したものであり、都としては内容に特に異論はなかったということでございます。

○池田委員 全然違う話じゃないですか。なぜそういう答弁を先にしないんですか。それほど東京都に相談も報告もしないで済むような問題だから関与しないという答弁をさっきしたでしょう。取り消しなさい。

○小林地域住宅部長 私のした答弁の中で、住宅供給公社から事前に説明があったとかなかったとかいうことについては、先ほどの答弁を除いて、いった記憶はございません。

○池田委員 それは、じゃあ、後ほど記録を起こして、またはっきりさせましょう。それは、いったいわないで、ここで議論するほどのことでもないですから。
 私は、この公社住宅の問題についていえば、先ほどちょっと読んでいただきましたけれども、地方住宅供給公社法の目的や業務、そういうものから見て、先ほど来いわれるように、勤労者の適切な利用が確保される、そういうものに努めなければならないと。ところが、それを入居期限を切ってやるということについていえば、その安定的な住居条件というものを狭めていくことになる、こういわざるを得ないと思うんです。
 今、勤労者への住宅提供の戸数をふやしていく、そして、対象となる階層の勤労者の公社賃貸住宅の利用機会を拡大してこそ、公平な機会均等の方向がつくり出されていくんじゃないですか。ところが、そういうものを抑えて、逆に入居の公平だなどということをやること自体が、まさに都営住宅の政策、東京都住宅局の政策の方向がこういうところにも出てきているというふうにいわざるを得ないと思うんです。
 私は、公社が入居の公平を図るということならば、公社の住宅の建設、そして、そういう中身の水準を引き上げていく、そういうところに役割があるというふうに思うんですけれども、どうですか。

○小林地域住宅部長 勤労者の入居の機会の均等という考えでございますが、特定の方が入ってずうっと使うという意味での機会の使い方、それから、より多くの方が使えるようにする機会の均等、二通り見方はあろうかと思います。公社とすれば後者の方をとり、今回、定期借家を導入したということでございます。
 戸数につきましては、公社は既に六万戸持ってございますので、ストックを活用しながら今後の経営をしていくということでございます。

○池田委員 公社を直接的に東京都が指導する立場、また監督すべき立場からいって、今回こういう形で、都民にも広報の関係から見てもそうだし、内容の問題についても、こういう期限をつけた入居制度をいきなりやって、しかもこれを空き家に、全体として広げている。それは、建てかえの状況を担って、その前の空き家の状態を貸すことによって収益を得るという、そういう話も説明としては受けましたけれども、しかし全体としてそれが広げられていくということになれば--まさに今、定期借地権というのは全国的にも、法が制定されて三年になりますけれども、実際にはまちの市場はそうなっていないんですよ。いろいろな調べがあるようですけれども、定着をしていないですよ。
 そういうものを都営住宅や公社住宅で先行してやるというところの問題は、都営住宅でいえば、先ほど来いうように、公住法の問題から見ても、これは相入れないものだということは明らかだし、また公社の問題についても、こういうやり方自体に私はやはり問題があると。このことを強く指摘して、終わります。

○新井委員 それではまず、巡回管理人制度についてお伺いいたします。
 従来、大型団地だけに設置をしておりました専任管理人を廃止して、すべての団地を対象とする巡回管理人制度へ移行しまして一年たったわけですけれども、資料の方で、訪問の対象世帯数約一万三千世帯ということですけれども、これまで専任管理人がおりました大規模団地と、それから中小規模団地、なかったところですね、そういう団地とに分けて、訪問対象者世帯がそれぞれどのくらいになっているでしょうか。

○野澤参事 従前、専任管理人のおりました大規模団地につきましては約四千世帯でございます。今年度新たに対象となりました中小規模団地につきましては約九千世帯となっております。

○新井委員 高齢化が進んでいるのは、大規模団地だけでは当然ないわけで、中小の方も含めて非常に高齢化が進んでいるわけで、対象者世帯というのは、これまで全然管理人がいなかった方の中小規模団地の方が当然多いわけですよね。割合でいえば大規模団地の方が若干多いというのは、古い団地が多いので高齢化率が高いのかなというふうに思います。
 そういう意味では、大規模団地六万二千戸だけを対象にしていたものを、二十六万戸全体に広げて高齢者や障害者世帯の支援に向けるということについては、高齢化が非常に進んでいる都営住宅の現状を見ますと、適切な施策ではないかというふうに評価をしているわけなんですけれども、巡回管理人さんというのは、一人で大体どのくらいの世帯を訪問の対象としているのでしょうか。

○野澤参事 巡回管理人は、一人で約二百世帯の、自分から出向けない高齢者や障害者世帯を、標準的には毎月一回、定期的に訪問をしております。

○新井委員 ちょっとこのサービスを受けていらっしゃる方に伺ったんですけれども、オレンジのジャンパーを着ていらっしゃるということで、非常にわかりやすくて、間違いがないので安心してお話ができるというふうな声を聞きました。
 ただ、その方のお話ですと、今、標準的には月一回というふうにおっしゃいましたけれども、たしか前のお話の記憶ですと、標準的には月一回だけれども、もし希望があれば、より頻度を高く訪問するようにしたいというふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、その方は、たった一回来ていただいただけだったということなんですね。それで、認識としては、登録をして、毎月なり、あるいは自分の希望に応じて若干頻度を高く来てもらえるという、そういう制度であるということを認識しておられなかったんですよね。そういうものだったんですかということでした。
 そういう意味では、高齢の方はなかなか、話をなさったりしてもうまく理解ができていなかったりということがあって、非常に時間をかけて丁寧に説明をしていかないと、この巡回管理人制度、なかなかうまく進んでいかないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そういう意味では、市区との連携というのがとても大切になってくると思うんですよ。戸数が多いわけですし、基本的には東京都だけでやるというのはなかなか難しいかなというふうに思うんですね。
 それで、この件でいろいろサービスを受けられている方のお話を伺おうと思って、幾つかの市あるいは区の担当者の方に伺ってみました。そうしましたらば、その中でこの巡回管理人制度が去年から始まったということを知っていた方は、ある区の福祉の担当の方お一人です。住宅関連と在宅福祉関連と両方ともお聞きしたのですけれども、どなたも、そんな制度があったんですかということなので、ちょっと私も驚いてしまったんですけれども、都がやっていることという認識だったかもしれませんが、こういう施策については、基本的には市区との連携で進めていくことが大切だと思うんですね。
 まだ始まったばかりということもありますので、これからということになるかと思うんですけれども、今後、市区との連携というのはどんなふうにとらえられているでしょうか。

○野澤参事 説明で不十分な点がもしありましたら、適切に指導したいと思っております。
 福祉部門との連携につきましては、極めて重要なことであると認識しております。今後、区市町村の福祉部門に対しまして巡回管理人制度の周知徹底に努めてまいります。

○新井委員 ぜひ市区との連携ということで、市の方では福祉施策をたくさん持っていて、かなりダブるような部分もあるかと思うんですけれども、お互いに情報交換をしながらぜひ進めていっていただきたいというふうに思います。
 一人二百世帯担当というのは、高齢で、あるいは障害を持って外出不可能な方ということを考えますと、なかなか厳しい数であるのかなというふうに思いまして、その辺はぜひ数的な部分でも充実をさせていただきたいというふうに思います。
 一年、実際に経過したわけなんですけれども、私もいろいろ伺おうと思ったんですけれども、実際にそのサービスを受けていらっしゃる方、市が全然わからないとかという状態があったものですから、たくさんお声を聞けませんでした。そういう意味では、都の方ではいろんな声が届いているのではないかと思うんですけれども、本来、いいですよという声はなかなか届いてこないということはあるかもしれませんけれども、もし把握していらっしゃることがあれば具体的に教えていただきたいと思います。

○野澤参事 住宅供給公社の方へ居住者の皆様から寄せられました意見といたしましては、いろいろな申請の仕方がわからなかったけれども、巡回管理人に説明してもらってよくわかったとか、足が悪いので窓口センターまで手続に行くのが大変だったが、巡回管理人が書類を取り次いでくれるので大変助かるというようなものがございました。
 これらにつきましては、居住者向けの広報紙でございます「すまいのひろば」でもご紹介をしております。

○新井委員 やはり、これまで専任管理人がいらしたところについては、それがなくなってしまうということで、非常に不便だというような声があろうかと思いますけれども、この辺には、全体の中で高齢の方、障害の方を支援していくということでご理解をいただく努力をして、そしてまた、全体としてこれを進めていくために、管理人制度の充実強化にぜひ努めていただきたいというふうに思います。
 それから、先ほど申し上げました区市との連携、それから、モデルで導入した桐ケ丘団地等では自治会が非常に活躍しているということもありまして、都営では本当に自治会が物すごく一生懸命やっていらっしゃるところがあるんですね。そういうところでは、ぜひ自治会との連携ということについてもきめ細かに対応をしていただきたいということで要望をさせていただきたいと思います。
 それでは、次に、都営住宅の地元割り当てについて伺いたいと思います。
 今、東京都の条例上では、都営住宅の地元割り当てというのはどんなふうになっているでしょうか。

○青木住宅経営部長 いわゆる都営住宅の地元割り当てにつきましては、東京都営住宅条例第十条第二項に、知事は、必要があると認める場合は、一般都営住宅の供給戸数のうち五割を超えない範囲の戸数を、当該住宅の存する地区内の使用申込者に対して割り当てることができると規定されてございます。

○新井委員 五割を超えないということですけれども、それでは、実際の状況として、この地元割り当てというのはどの程度になっているのでしょうか。区市別に、できれば平均でお伺いしたいと思います。

○青木住宅経営部長 平成十二年から十四年の三カ年の実績の平均を見てみますと、区部、市部とも大差なく、新築については約四五%、空き家につきましては約二〇%となっております。

○新井委員 新築については約四五%ということですので、五割を超えないというところで、ある程度妥当な数字かなというふうに思うわけですが、空き家募集について、二割ということで非常に低いわけなんですけれども、条例の規定ぎりぎり、五〇%ということになると思うんですが、毎年、市長会の方から、これについては地元割り当てをふやしてもらいたいということが要望として出ているかと思うんですけれども、そこのぎりぎりのところまで上げるということはできないのでしょうか。

○青木住宅経営部長 昨年策定いたしました東京都住宅マスタープランにおきましても、都営住宅の地元割り当て制度の必要性について検討していくというふうに記述してございますように、地域のまちづくりとの連携や福祉サービスとの一体的供給などの視点から、都営住宅の市町村への移管を進めることとしてございます。地元割り当ての拡大は、この方向に逆行するものと考えてございます。

○新井委員 地元割り当てと、方向性として出されている市町村への移管というのが逆行しているということなんですけれども、それでは、その移管の実態についてお伺いをしたいと思います。
 二十三区では、十三年度から今後十年間で二万戸の移管計画だというふうに聞いていますけれども、その進捗状況はどうなっているでしょうか、実績を教えてください。

○高岡区市町村調整担当部長 移管の実績でございますが、平成十三年度は十二団地五百八戸、十四年度の見込みは二十一団地六百八十一戸、これらと合わせて、昭和六十一年度からの累積移管戸数は二百二十一団地、約七千六百戸でございます。

○新井委員 思ったよりも進んでいるのかなというふうに思いますけれども、それにしても、計画と比べますと、進み方はかなり緩慢であるというふうに思うんですが、パンフレットを見ますと、この移管というのはすばらしいということでメリットがいっぱい書かれているわけなんですけれども、パンフレットだけを見ていると、どこの市や区もぜひ移管に取り組みたいなと思うのではないかと感じるわけですけれども、実際にはなかなか進んでいかない。
 市や区が移管というのを嫌がっている理由を、東京都はどんなふうに把握していらっしゃるでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 市町村を再三訪問いたしまして、移管の意義だとかあるいは制度に対する説明など、積極的に移管を働きかけているところでございます。その中で把握された理由といたしましては、維持管理経費等、移管に伴う新たな財政支出発生への不安、あるいは組織、人員等の執行体制の整備の必要性、さらに公営住宅の管理のノウハウについての不安、こういったことが挙げられてございます。

○新井委員 私も、この件に関しては、市の方なんですけれども、何市かいろいろ移管に関する意見を聞いてみました。大体正しく把握をされているというふうに思います。一番大きいのが、まず財政負担であるということ。その次が、市部は住宅課というのがあるところが非常に少ない。住宅係があればいい方というような状態で、非常に住宅政策に対するノウハウの蓄積がないということですね。それから、今、財政とも関連するんですけれども、非常に厳しい状況ですので、新しい分野に今踏み込むということに対しては非常に慎重にならざるを得ないということ。それから、移管ということでいいますと、人が入った状態で移管されますので、地元のニーズ、都営を毎回地元割り当てをふやしてほしいというニーズが出ているわけですけれども、そういうニーズを満たすことができない。人が張りついたまま移管されるということですよね。あと、都の施策として都営住宅というのは進めてきたわけで、例えばすごく偏在をしているとか、先ほど土屋委員がおっしゃっていました収入超過の問題とか、いろんな問題を抱えているじゃないか、そういうことをまず先に解決してもらいたいとかというような、そういうようなかなり素直なご意見をいろいろ聞きました。そういう意味で、こういう市や区が持っている不安、こういうものを解消していかなくてはいけないんじゃないかというふうに思うわけなんですね。
 区で進んでいることで、建てかえ時移管というのがあると思うんですけれども、この制度ですと、建てかえ費用の二分の一は国の補助が出て、四分の一は都の補助が出ると。それで、十年間は、近傍同種の住宅の家賃と入居者負担基準額との差額について、建設費と同様の割合で国や都から家賃対策補助が出るということで、非常にいい制度だというふうに思うんですね。
 戸数をふやして建設することができますので、全部人が入っているわけじゃありませんから、建てかえのときに戻ってこられる方、戻らない方を含めて、新たに追加して戸数をふやしていくこともできたりとか、福祉施設を併設できたりとか、非常に地元のニーズを満たすことができるという意味で、区の方では非常にいい制度だということで、この建てかえ時移管ということであれば、区市との合意を進めるというのに非常にいい制度だというふうに思うんですね。これは現実に区の方で進んでいらっしゃると思うんです。
 でも、この制度は、対象となる団地、建てかえ時期を迎えている団地でないとできないということもありまして、区と市では随分傾向が異なってくるんじゃないかと思うんです。この建てかえ時移管というものが可能な団地ということについて、区と市に分けまして、おおむねどのような傾向があるのか教えてください。

○高岡区市町村調整担当部長 移管対象で、昭和三十年代までに建設されました建てかえ時期を迎えている団地は、区部の方が市部と比べて多く所在してございます。

○新井委員 それは大体わかっているんですけれども、おおむねで結構ですよ。細かい数字まではなかなか把握ができないかと思いますけれども、大体区部がどの程度で、市部がどの程度と、数字でわかりますか。

○高岡区市町村調整担当部長 恐れ入ります。現在、具体的な絶対戸数については把握してございませんが、市部につきましては、建てかえ時を迎えた団地は比較的少ない。したがいまして、私どもが日常、市部の方に行って、それを大いに推薦するというようなものに値する戸数というものは、残念ながら、市部については現在のところはございません。

○新井委員 そうなんですね。市部では、なかなかこの建てかえ時移管という方法で進めることができないということがあるわけなんです。そういうことも考えますと、区と市では、もともと財政状況、区の方は都区財調がありまして、市部に比べると非常に財政も豊かですし、規模も異なっています。区の中でもやはり、区を見ても、区だからいいということではなくて、偏在とかということも考えますと、区の状況もあります。市を見ても、市同士の状況というのもあるわけで、それぞれの区や市によって、状況というのは非常にさまざまな問題を抱えているわけです。
 都営のことだけではなくて、ちょっと一覧をいただいたんですけれども、例えば公団の賃貸とか供給公社など、都営以外に低所得者の方が入っていらっしゃる住宅というのがどのぐらいあるかということによっても、この移管についての考え方というのは随分違ってきますよね。市営住宅があるところ、今では区営住宅があるところ、その数とかによって状況が千差万別なんですね。
 そういう意味では、こういった個別の状況をきちんと踏まえていただかないと、一概に移管というふうにいっていただいても困るのかなというふうに思うわけです。画一的に移管をともかく進めていこうという取り扱いというのは不適切だと思うんですけれども、この点についてはどんなふうに考えていらっしゃるでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 各区市町村の財政規模だとか個々の地域事情等について、個別性ないしは多様性があるということは当然のことと、このように認識してございます。
 公営住宅につきましては、福祉やまちづくりとの連携など、基礎的自治体である区市町村が主体的に取り組んでいくことが望ましいと考えてございまして、今後とも、移管に当たりましては、十分地元自治体と協議をしながら行っていきたい、こういうふうに考えてございます。
 それから、先ほどのご質問で、建てかえ時期を迎えた団地の戸数、区部、それから市町村部のお尋ねでございますが、区部については大まか四千戸台、市町村部につきましては大まか五百戸近く、このような概数を把握してございます。

○新井委員 私も、住宅というのは福祉政策であるというふうに思っておりまして、基本的には、地方分権という視点からしますと、基礎自治体が行っていくということで、移管というのは基本的には賛成をしているわけなんです。進めていただたきいというふうに思っているわけなんですけれども、先ほど来申し上げていますように、いろいろな状況、個別の状況というものがある。ぜひそういう状況をきちんと踏まえていただきたいというふうに思います。
 それから、いろいろ建てかえ時移管などのように、これだったら取り組めるかなというような、市区町村が移管をより容易に受け入れることができるような、そういうインセンティブをもっと持たせる方策が、創意工夫によって必要なのではないかというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 区市町村への移管に際しましては、土地、建物等を無償としていることなどによりまして、その後の諸経費につきましては使用料収入等で賄える、このような形になってございます。
 こうした仕組みはございますが、なお組織体制に対する整備だとか、管理のノウハウに対する多くの不安というのは考えられるわけでございまして、その不安を解消すべく、データを示すなど具体的な説明に、より努めていく考えでございます。また、移管の手順など、事務手続上の問題でなお工夫できるような点があれば、積極的に区市町村の相談に乗っていきたい、こういうふうに考えてございます。

○新井委員 ぜひ区市町村ごとの事情が違うということを踏まえて、市あるいは区からのいろいろな提案が出てきた場合には、前向きにそれを取り上げていっていただきたいというふうに思います。
 例えば、私は、甘いとおっしゃるかもしれませんけれども、スーパーリフォームを終了して移管をするとか--今、短期的に単年度で移管を決めてしまうということなんですけれども、それだと、先ほど申しましたように、例えばノウハウがないとか、財政的な不安があるとか、新しい施策に踏み込むのは不安があるとかという、そういう自治体の状況を見ますと、単年度に決めて、そこでぱっと移管するというのはかなり無理があるんじゃないかというふうに思うんですよ。
 例えば、長期的なスパンをとって、五年後に移管をしようとかというような合意形成を図っていく。それで、その合意形成の移管協議が成立したところでは、その年から順次地元割り当てをふやしていくとか、そういうような工夫をして、これは私が今勝手にいっているだけなんですけれども、こういういろいろな部分での工夫というものがまだまだできるのではないかというふうに思いますので、その点はぜひ市区町村の意を酌んでご検討いただきたいというふうにお願いして、終わります。

○高島委員長 この際、議事の都合により十分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時二十三分開議

○高島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○三原委員 それでは、質問時間が大分あるようですから、質問通告していないのも、せっかくですから質問させてもらいたいと思います。
 最初に、先ほど土屋委員が質問をされておられて、答弁漏れだったのか、質問ではなくて要望だったのか、ちょっとよくわからないんですが、住宅管理の一端で、たまたまでしょうけれども、今、選挙にかかわる政党ポスターみたいなもの、演説会ポスターみたいなものが非常に出ているというお話をいっておられました。これは、我が党でも、それに類似することを非公式に要請をしたはずでございますし、また、そういうことも受けて、事実そういうことが非常に目立つから、都営住宅入居の皆さんにお知らせするという意味もあって、公社ニュースといいましたか、そういう広報手段で居住の方にきちっと連絡をとっておられるはずだ、こう思います。
 そこでまず、個人的に自分のお部屋の中に何を掲示されても、それは別に我々もいうことではありませんけれども、都営住宅における公共の部分、常識的に考えて、例えば敷地と一般の地域を区画する外さくとでもいいますか、いわゆるさく、あるいは生け垣のような形で囲ったもの、あるいはまた、それに準じた樹木、さらには建物内の階段とか通路とか手すり、さらにはベランダも、いわゆる共有部分というふうにいわれているんだろうと思うんですが、まずそこを教えてください。

○野澤参事 居住者向けの広報紙でございます「すまいのひろば」で、昨年の十二月号で、団地周囲のさくやベランダ、廊下、外壁、庭、通路等の共有部分にポスター、看板等を掲示することはできませんということで注意を喚起したところでございます。

○三原委員 わかりました。せっかくそういうふうに喚起されて、それはいけませんよということですから、きちっと指導されるならされないと、そうはいってもやりたい放題だよというのでは、いかがなものかという気がしますよ。いみじくも土屋委員もおっしゃっていたけど、いわゆるまちのマンション、これは賃貸はもう当然ですけれども、分譲マンションなんかの場合でも、共有部分については非常にうるさいですね。むしろ民間のマンションの方がうるさいといっていいぐらいかもしれません。そういうことを考えますと、やはりいけないのならば、きちっといけないということを指導を徹底される。
 選挙はいつあって、いつ終わるかわかりませんけれども、いずれにしても、そういうことはいけないんですよといっているうちに選挙があって、また次の選挙が始まって、また終わってというんじゃ、何も意味ありませんから。たまたま今回でいうと統一地方選挙などもあるわけですから、そういうことを踏まえるのなら、指導するなら、きちっと早く指導するということですね。
 それから、政党活動等であれば、選挙管理委員会とか警察とかにご相談されることもいいと思いますから、ぜひその辺をきちっと指導してもらいたいと思いますが、ご担当どうでしょうか。

○野澤参事 現在、居住者の皆様には、さらに撤去の協力依頼を行っているところでございます。引き続きまして、広報紙を活用して一層の周知を図るとともに、順次、巡回指導には現在入っているところでございます。

○三原委員 わかりました。期間があるものですから、そういうことも踏まえて、地域の選挙管理委員会とか警察等とも相談されるように重ねて要請をしておきます。
 それでは次に、スーパーリフォームについてお尋ねをしたいと思いますが、まずスーパーリフォームは、平成九年にたしか試行的にスタートしたと思いますし、当委員会でもスーパーリフォームの第一号の工事を視察に行ったような記憶があります。したがいまして、住宅局としては大変力を入れておられる事業の一つ、こういうふうに私どもは認識していますし、特に平成十年ごろの住宅局のご説明では、新築とか建てかえが、財政事情もあってなかなか思うように大量に発注できない、しかし、スーパーリフォームは、同じ予算を用意しても、戸数をたくさん対応できると。そういう意味で、スーパーリフォームは、ただ単に大規模な改修というイメージではなく、新築もしくは建てかえの新築というのと同じぐらいの評価をして住宅局として事業計画を進めます、こういうふうな姿勢でおられたと理解をしています。したがって、新築戸数とスーパーリフォームの戸数を合わせて、住宅局の新築建物事業みたいな報告を何度も受けた、こう思います。
 それは、一つの対応の仕方として、私は大変結構なことだと思いますし、大変財政事情が厳しい中で、建築以来年月のたった建物をより良好な住環境で生活していただくには、スーパーリフォームというのは大変結構なことだ、こういうふうに思います。
 そこで、ちょっと気がついたことを二、三お尋ねをしたい、こう思うんですが、まず平成十年度からスタートと見ていいんでしょうけれども、今までスーパーリフォームを何戸おやりになったのか、そして、これからどれぐらいやる、やらねばいけないということでしょうか。そういうご計画があるか。やる方はあるのでしょうけれども、その戸数と両方教えてください。

○渡部営繕担当部長 スーパーリフォーム事業のこれまでの実績についてでございますけれども、平成十四年度末、今年度末発注見込みを含めまして七千七百五十九戸でございます。
 また、今後の事業対象戸数でございますけれども、約三万戸としております。そのうち、来年度は約一千九百戸の計画を立ててございます。

○三原委員 わかりました。大体、年に二千戸ずつぐらいというような感じでございますけれども、それでも三万戸対象があるとすると、十五年ぐらいかかっちゃうということですかね。十五年たつと、また新たにスーパーリフォームする年月がたったという建物もまた出てくる可能性ありますから、少しピッチを上げるということで、予算的なことも含めてやったらどうかなと、こう思いますから、今度は次年度の予算編成に向かって、私ども政治側と住宅局の行政側とで、スーパーリフォームの戸数を少しふやしていくということについてぜひ議論をさせてもらいたいと思います。
 実際は、でき上がって戻り入居していただくわけでございます。たしか、幾らかちょっと家賃が高くなることにはなっているんでしょうけれども、しかし、それを機会にエレベーターを設置するとかということもありますし、戻り入居された方の評価といいますか、評判といいますか、皆さん方の方はどういうふうに把握しておられるか、教えてください。

○渡部営繕担当部長 入居者の評判についてでございますけれども、居住者のアンケートを行った結果を見ますと、事業に協力してよかったといった意見が非常に多くて、評価を得ているというふうに理解をしてございます。

○三原委員 それでは、ぜひ次年度からもう少しピッチを上げてスーパーリフォームをやっていこうというような姿勢で、私はまた委員会で発言をし、また局にもお願いをしていきたい、こう思います。
 そこで、大きく二つのことをまたお尋ねします。
 スーパーリフォームは局が発注されるというふうに理解をしておりましたが、去年、十三年度、十四年度で、たしか住宅供給公社発注のスーパーリフォームというのがあったはずでございます。これは、途中で我々が承知をして局にお尋ねしましたら、住宅供給公社で発注するのと、局が発注するのと、少しでも公社で発注してメリットが出てくるのではないかというようなことも考えて、公社発注方式について検証したい、こういうふうにご説明を受けた記憶があります。
 私などは、そういうことの素人だから何ともいえませんが、住宅局が起案して財務局が発注されても、供給公社が起案して公社が発注されても、そんなに大差はないんじゃないかなと。しかし、いわゆる外郭団体、第三セクターのような感じで発注される方が効果的なものがあるというのなら、それはそれでまた結構なことですが、一体、その供給公社で試験的に発注してみたという目的は何だったのか。それをまた、実際に今、二年がかりでやっていますから、少し検証結果が出ているのではないかと思うんですが、そういうことをどう評価しておられるか、お尋ねします。

○渡部営繕担当部長 公社への委託は、事業費の縮減等を目的として実施したものでございます。
 平成十三年度分につきましては、一定の成果を得られたというふうに考えてございます。現在はそういった状況でございます。

○三原委員 そういった状況じゃ、余りよくわからないんですけれども、幾らか何かよさそうだというご意見なんでしょう。でもまあ、何となくいいよじゃだめですからね。
 今は百戸ぐらい、五十戸、五十戸で二回ぐらいですか、おやりになったのかなと思いますが、それではきちっとした検証結果が出ないならば、ことしも引き続いておやりになるのでしょうから、ぜひきちっと検証されて、我々委員にも、公社発注方式ですとこういうメリットがありますよということを、ぜひ公にしていただきたいと思います。
 それからもう一つ、スーパーリフォームで、最近PC工法というので建てた建物については、PC工法経験者の会社にやらせてみたいというようなことで、また検証されるというんですけれども、随分検証を次々にしなくちゃいけないんだなと思いますが、このPC工法、プレキャストコンクリートというのだそうですけれども、これがどういう建物かも、そんなに私、専門的ではありませんが、どういう建物であって、かつ、それはどういう目的で経験者によって工事をやらせないといけないということの検証が必要なのか、目的ですね、それを教えてください。

○渡部営繕担当部長 PC工法がどういう構造なのかというお尋ねでございますけれども、従前の在来工法といいますのは、現場の方で型枠をつくって、鉄筋を組み上げながら生コンを入れて固めていくというものでございますが、これは大規模に大量の住宅をつくった時点に、なるべく工期を短縮したい、あるいは需要に応じたいということもありまして、工場で板をつくって、それを現場に持ち込んで組み立てるといった工法でございます。それにつきましても初めてスーパーリフォームをかけるということで、今年度初めて発注することになったわけでございます。
 これにつきまして、室内を全面的に改善します関係上、一部の壁を取り除いたり、あるいは設備配管用の新たな穴をあけるといったように構造に手を入れることから、施工の確実性を担保するということがございまして、PC工法施工経験の有無を応募の条件としたものでございます。

○三原委員 わかりました。ちょっとそういう特殊な建物なら、経験者が施工してみないといけないかなという感じもしないでもありませんけれども、じゃあその経験者がたくさんおられればいいですけれども、余りたくさんいないと、特定の人だけが特定の仕事ができるみたいになりやすいので、そこを私はちょっと危惧しますね。ですから、その点は、検証結果でどう出るかでしょうから、今から議論しても仕方ありませんが、その点をまずぜひ注目をしておきたいと思いますから、またぜひ教えてください。
 そこでもう一つ、供給公社で発注すれば、少し予算が縮減できたかなというようなことのご発言がありました。今度そのPC工法という建物だったら予算がどうなるのか、検証してみなきゃわかりませんが、いずれにしても、何となく、平成十年度ぐらいから発注して三、四年のことですけれども、スーパーリフォームの一戸当たりの標準単価みたいなのは、少し少なくなっている。つまりそれは、皆さん方の厳密な積算、そして請け負いされる業者さんの努力とか、いろいろ重なるのでしょうけれども、かなり少なくなっているように私は感じます。
 それはいいことではあると思いますけれども、一般建築が一般に物価が下がっているから安くなっているといわれていますけれども、一般建築と比較して、スーパーリフォームの単価がどの程度下がっているのかなというのがわかれば教えてくださいますか。

○渡部営繕担当部長 平成十年度と十五年度の一戸当たりの予算単価を比較いたしますと、約三割近く下がってございます。その要因でございますが、この間の資材あるいは労務費等の単価が下がったことや、あるいは委員ご指摘のように、コスト縮減の努力によるものというふうに考えてございます。
 なお、一般の建築物につきましては、例えば都営住宅の建てかえ事業につきまして同様に比較いたしますと、約二割近く下がってございます。

○三原委員 世の中、非常に経済低迷もあって、デフレぎみだというのはよくわかるので、特にいわゆる人工賃とでもいいますか、そういうものが安くなっているとも伺っていますから、下がるのは当然だと思いますし、そういう努力がなくちゃいけないんですが、三〇%というのはかなり縮減されていますよね。一般の経済常識から考えると随分、努力を通り越しちゃって、これは大変だなって、人ごとながら思いますよ。しかも一般建築が二〇%ぐらいというのですから、三〇%というのは褒めてあげたいような、本当に大丈夫ですかという感じもしないではない。
 もちろん、きちっとした入札制度で、完成検査もやっていることですから、工事の内容に間違いがあるとは私どもも思いませんけれども、ただ、よく世間でいわれるように、結局安かろう悪かろうで、手抜きでもあったら大変なことなわけでございますし、したがって、適正な価格で適正な利潤もあって、かつ我々が予算の中でできるだけ多くのスーパーリフォームを施工していこう、こういう熱意も反映しながら、こういうことですから、なかなかもろ刃の剣で難しいとは思いますけれども、私は予算単価が切り詰められることが大変すばらしいことだというふうには考えません。
 ですから、ぜひひとつ皆さん方もその辺を十分心していただきたいと思いますし、もう一つ、公社発注であったり、あるいはPC工法は経験者によるというような対応があったり、なかなか住宅局さんも、あの手この手を考えて事業の展開をなさっているとは思いますが、ぜひ考えていただきたいのは、余り難しい理屈をつけたり、特に技術の面で、PC工法のように経験がないとだめですよとかいってしまうと、特定な方だけが仕事ができるというふうな状況が出てくる可能性があるんですね。
 申し上げるまでもないことですが、今一番我々が心配りをしなければいけないのは、中小零細企業にできるだけ仕事を持ってもらって、地域の活力をつけていこう、こういう考え方です。そういう観点に立って、このスーパーリフォームにも、地域地域の中小建設業者さん、工務店さん、そういった方たちが参画できるような道が閉ざされないように十分に配慮していってもらいたい、こう思います。
 特に住宅供給公社の施工については、そういう検証が目的、こういうお話なんですが、我々政治側がよく注目しておかないと、言葉は適切ではないんですけれども、供給公社の方のお仕事がだんだんなくなってきたので、スーパーリフォームの仕事を少し回してあげて、局も仕事があります、公社も仕事がありますというような表向きの取り繕いに使われては困ったことだ、こういうふうに私は、少し邪推かもしれませんけれども、あるいは取り越し苦労かもしれませんが、そういうことを思いますよ。
 したがって、もちろん局は局の使命があり、公社は公社の使命があります。本会議で花輪理事さんが、もっと民間の活力を導入してというようなお話がありましたが、そういう精神から見ても、局も仕事を少し分けて、公社も仕事があってというような取り繕いというふうに見られるようなことではだめですから、これは公社がやる方が極めて予算が有効に使われるというのであれば、全部公社にやらせたらいい。しかし、どっちで発注しても同じだというのならば、それは、局が新築をやるのと同じ考えでスーパーリフォームをやりますと我々に説明してきたのですから、そういう姿勢できちっと行くべきだ、こう思いますし、最後にそういう局の姿勢といいますか、お考えを伺って質問を終わりにいたします。局長さん、いいですか。お願いします。

○橋本住宅局長 ただいま理事からご質疑いただきましたスーパーリフォーム事業でございますけれども、住宅内部を全面的に改善しまして、バリアフリー化等の居住機能を高めまして、既存ストックを耐用年数まで長期にわたり有効に活用していくということを目的としております。それによりまして、昭和四十年代に大量に建設しました都営住宅の将来的な建てかえ需要が一時に来るのを平準化させる、大変重要な事業でございます。
 スーパーリフォームの事業の実施に当たりましては、今後とも、局と公社の役割分担あるいは中小企業の振興に配慮しながら着実に進めてまいります。

○花輪委員 それでは、まずは移管について伺いたいと思います。
 今、都営住宅の移管については、新井理事の方からもいろいろと質疑がありましたので、割愛できるところは割愛をさせていただきながら進めていきたいと思いますが、まず私、一般質問でもお伺いいたしましたように、この移管というのは、例えば福祉の話でも、福祉というのは基本的に市区町村なんかが担っている事業ですから、先ほどの巡回管理の人なんかと上手に連携をとりながら、また地域の民生委員さん、または区役所、市役所の福祉の担当の方、そういう方々と連携をとりながら移管を進めれば、そういうこともうまく、福祉のことも進んでいくのかな、福祉と住宅が非常にうまく緊密に連携がとれるのかな。それはいいことだと思います。それは一点ですね。
 そしてもう一点、例えば都営住宅というのは、あれだけ広い土地に建っています。あの広い土地を、例えば建てかえのときなんかに有効に活用して、保育園もできるとか、また、お年寄りとか障害者のグループホームもできるとか、そういうようなメリットもあると思います。地域にとっては、あの広い土地をもらえるということは、非常に福祉の可能性というものが広がっていくのかな、そんなふうにも考えられます。
 あともう一点、その地域に都営住宅、それから区営住宅とか市営住宅になれば、その地域に今どんな人たちに住んでほしいのかなと。例えば、今この地域では高齢化が進んでいるから、少し若年ファミリー世帯を入れるような方向でやっていきたいとか、逆にいえば、最近新築のマンションがたくさん建って、若年ファミリー世帯、子育て世帯がふえちゃって学校が今パンク状態だから、ここはお年寄りを中心に入ってもらった方がいいとか、その地域地域によっては非常に福祉の施策が柔軟に拡大をしていく。そういう意味では、私はこの移管というのは大変メリットがあると思っております。多くの方がこのメリットを感じていただいていると思うんです。
 それでまた、職員の皆さんも一生懸命ご苦労されて、この移管を進めようと頑張っていらっしゃると思うんですが、実際のところなかなか、先ほどの新井さんの数字じゃないですが、進んでいないという実態があります。改めて、ここは繰り返しになりますが、なぜこの移管が進まないのでしょうか、お答えください。

○高岡区市町村調整担当部長 移管につきまして十分な進捗が得られない理由といたしましては、公営住宅の設置管理事務は都と区市町村との共管事務でありますが、戦後の住宅難を背景に、沿革的に東京都が中心となって公営住宅を建設してきました経緯があること、また、現在の厳しい地方財政状況の中から、事務事業の拡大や組織人員の拡充に慎重な区市町村の姿勢があること、さらに公営住宅の管理のノウハウにつきまして区市町村の不安が残っていること、このようなことを挙げることができます。

○花輪委員 そうですね。私も、幾つか市、また区、そういうところに電話をしたり、直接ご担当や何かにお目にかかったりしまして、いろいろとヒアリングをさせていただいてまいりました。
 今、財政支出というのが一つありました。私、実は五つの区と一つの市に聞いたんですけれども、すべての方々に、財政的な支出は本当にないんですかという聞き方をしたんですね。東京都から、移管をしても市区町村に財政的な負担はほとんどかからないような状態になっていますというふうに私は聞いていますけれども、それは本当なんでしょうかということを、その各区、市の担当の方に聞いたんです。そうしましたら、皆さん、はい、そうですと。逆にいうと、収支はプラスになっております。それを基金に積み立てている区もあるし、そうじゃなくて、それを今、お金がないから、ほかのことに使っちゃっている区もありました。
 そういうことから見ても、これは本当にプラスになっているというふうにいっていたのですが、実際、皆さんが今移管を進めている中で、財政的に大きく負担がかかってしまってマイナスになっちゃっている、そういうような区とか市はありますか。

○高岡区市町村調整担当部長 一例といたしまして、昭和六十二年度建設で八十戸の都営住宅を移管した場合のその後の二十年間の収支を試算してみました。使用料収入といたしましては、約四億四千万円が見込まれております。次に支出の方でございますが、計画修繕を含む維持管理費用が約二億三千万円、職員人件費や事務費が約八千万円と見込まれておりまして、使用料収入で職員人件費を含むすべての経費を賄うことができる、このようになってございます。

○花輪委員 まあ基本的には赤字になるようなことはないということで、今、移管をしているんでしょう。ただ、実際に、特にこれは一般質問でもいったのですが、担当レベルの方に聞きますと、今、新井さんからもありました、地域ごとに偏在があるとか、あと収入超過の人が住んでいるじゃないかとか、滞納の人がいるとか、あと、移管をしようと思ったら図面がなくて困っちゃったとか、そういうふうにいう方々がいました。
 でも、私は、それというのは、本筋からいえば、それがあるから移管がなかなか進まないという事由にはならないと思うんですね。そこはしっかりと話し合いをして、総論でこれは進めなきゃいけないということであれば、私は、まずはしっかりと進めていっていただかなければいけないと思うんです。
 それでまず、ここで財政的な負担がないということがよくわかったのですが、滞納があったとしても、これは財政的な負担にならないのでしょうか。要は、今の滞納の料率というんですか、平均的な滞納があります。先ほど土屋先生も滞納額は幾らあるんだといっていましたけれども、平均的な滞納の料率を掛けたとして、この収支というのはしっかり回るのでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 例えばただいまの収支計算におきまして滞納があった場合に収支はどういうふうに影響するか、こういうふうに受けとめまして、当然シミュレーションにつきましては、家賃の収納率だとか滞納率だとか、こういったものについては、現在、都営住宅の一般的な比率といいますか、そういうようなものを織り込みまして収支計算をしたものでございまして、したがいまして、先ほどのマイナスになることはあるかというご質問でございますが、マイナスになるということはございません。

○花輪委員 例えば計画修繕費とか、長期的な展望に立って計画的な修繕とか、あと人件費ですね、管理費。今、お話があったように、要は、人員がふえることによるデメリットを感じているという市区町村が多いという話でした。そういう意味からいうと、人件費もちゃんと見て、この収支というのは組まれているんですか。

○高岡区市町村調整担当部長 ただいま説明してまいりました収支については、人件費も織り込んだ上での試算でございます。

○花輪委員 そうしますと、やっぱり財政的に負担があるとか、あと人員をふやすことに対する後ろ向きな面があるというふうに聞かれるのですが、逆にいうと、そういう部分も全部担保をされた上で、この移管というのは今進めようとされているわけですよね。そういう認識でいいんですか。

○高岡区市町村調整担当部長 移管に当たりましては、それぞれの地元自治体のそれぞれの固有的なご希望といいますか、状況がございます。そういうことでございますが、したがいまして、十分、その移管に当たります、いろいろなもろもろのことにつきましては話し合いをしております。協議をしております。そういうことによって、区市町村のそれぞれの地元の居住政策に対するお考えを反映しながら進めている。先ほどちょっと申し上げましたが、いわゆる多様性的なものを含んだ形で行っております。

○花輪委員 ちょっと先に進んでいらっしゃるような気がするんですけれども、答弁が。
 要は、収支的、人的、そういうものでデメリットはかからないという認識に皆さんは立っていらっしゃるのかどうかということをお尋ねしているんですが、立っているということでいいんですか。

○高岡区市町村調整担当部長 先ほど、区市町村の考えとして、一つには収支に対する不安があるということを申し上げました。これに対して私どもは、そうではなくして、この収支計算によりますと、必要な経費については使用料収入で賄うことができますと、こういうことを実証的なデータを示しながら、その考えについて説明しているわけでございまして、東京都の立場といたしましては、その説明を一生懸命やっているということでございます。

○花輪委員 あと、もう一つの不安は、多分建てかえのときの不安があると思うんですね。今、建てかえ時移管といわれました。建てかえ時移管というのは非常に移管が進めやすいというふうに、多分皆さんも今までの経験からおわかりになっていると思いますが、例えば昭和六十年代とか五十年代、四十年代に建てたものを、今移管を受けてしまった。これがあと十年後、二十年後、建てかえの時期が来たと。そういうときには、何か市区町村に財政的な重荷にならないような、そういう工夫というのはされているんですか。

○高岡区市町村調整担当部長 区市町村が公営住宅を建設する場合には、建設費につきまして、国及び東京都から補助が受けられます。また、建てかえ後十年間につきましては、国と東京都から、同様に家賃対策補助金が交付されます。
 区市町村が百戸の公営住宅を建設いたしまして、区市町村の負担分であります建設費を三十五年間で償還するケースを想定いたしまして、三十五年間の収支累計を試算いたしました。使用料収入といたしましては、約十三億円が見込まれております。支出につきましては、建設費の償還費が約六億六千万円、修繕の維持管理経費や職員人件費、事務費を加えまして約五億二千万円が見込まれまして、これにつきましても使用料収入等ですべての経費が賄えるもの、このようになってございます。

○花輪委員 ということは、やっぱり建てかえ時移管ではなくしても、もらったものが将来的に建てかえになったとしても、それは市区町村の財政的な重荷にはならないというような判断をされているということでよろしいですか。

○高岡区市町村調整担当部長 理事のご指摘のとおりでございます。

○花輪委員 そうしますと、やっぱりもっともっと積極的に、私は堂々と進めていただいていいと思うんですよ。先ほどもいったように、担当の人に話を聞きますと、どうしてもネガティブな答えが返ってきやすいんです。やっぱり面倒くさいというようなことが裏腹にどこか感じられるような、そういうようなお答えが非常に多いんですね。精神的に重荷になるといっていた区もありました。
 ですから、そういうところはやっぱりちゃんとひもといていただくのも、交渉事ですから大変だと思うんですけれども、逆にいうと、区内の大変都営住宅をたくさん持っていらっしゃるところの部長さんも、今、基準でやっている百戸というこの基準は、逆にいうと足かせになっているんじゃないのと。そういうことの基準をあえて決めないでも、これは進められるんじゃないのというような部長さんもいらっしゃいましたし、ある区の区長さんに、私は直接お尋ねをいたしました。そうしましたら、その区長さんは、まあ新しい区長さんだったので、自分は勉強していないけれども、百戸という基準があるんでしょうと。要は、逆にいうと、区の方も、百戸という基準があるから百戸以上はもらえないんじゃないかみたいな認識を、その人は勉強不足だと思うんですが、そういう区長さんもいらっしゃいました。この前もいいました世田谷の助役は、別に百戸なんていう基準は余り関係ないよと。逆にいえば、どんどん大きいものをもらって、まちづくりに活用できるのだったらばどんどんもらうよ、いつでも交渉に応じるというふうにいっていたわけですね。
 ですから、担当レベルになると、どうしても面倒くさいというところが出てくると思うんですよ。それは人間としてしようがないと思うんですね。だから、そうじゃなくて、できればもうちょっとトップの方でしっかりと方向を出してもらって、移管は地域に本当にメリットがあるんだよということをしっかりと出してもらって、その方向性に基づいて担当の方々がご努力をいただくという--それは大変なご努力かもしれません。面倒くさいというところを、何とか押し問答しながらやってもらわなきゃいけないかもしれないけれども、まず大きな方向性として、しっかりとした方向性を出していただく、そういうことが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 移管を受け入れていただく自治体側の問題かと思いますが、当然私どもは、担当レベルから積み上げまして、移管の必要性云々、これを着実に進めていく、これは基本でございます。と同時に、自治体の中での、今、助役とか区長さんだとかのお話がございましたので、当然いろいろな機会を利用いたしまして、自治体首脳部等も含めましてご説明申し上げて、ご理解をいただくような努力をしてまいってきております。よろしくお願いします。

○花輪委員 この移管というのは、先ほどの福祉的な意味ばかりではなくして、ポスターのお話ですとか、そういう管理、そういうものも、移管をすることによって本当に地域で面倒が見られるようになります。先ほど、二十六万戸を持っていて、それを一つ一つ管理するのは大変だよというようなお話もありました。それが各地域に移管することによって、もっと本当にきめ細かな対応ができると思いますので、ぜひこの百戸という--何か私、百戸以下ということにしちゃっているのが、どうも気になってしようがないんですよ。ぜひこの百戸にとらわれずに、もうちょっと積極的にやっていただきたいと思うのですが、そのあたりのお考えはいかがでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 移管対象団地についてでございますが、平成十二年三月の都区協議会では、移管対象はおおむね百戸程度までの団地とされ、区の地域実情によりまして、都区協議の上で原則によらないことができる、このように合意されてございます。百戸を超える団地につきましても、従来から、区市町村の実情等に応じまして、私どもは協議の対象としてまいりました。実際にも、平成十二年二月には、一団地二百七戸の団地を区に移管したケースもございます。
 移管を進めるためには、移管の意義だとか、移管によりまして財政には負担を与えない、こういうようなことを区市町村に十分説明した上、建てかえ時移管の活用を図るなどして積極的に移管を働きかけてまいります。
 また、今後、百戸以上の団地につきましても、区市町村の意向や地域の実情に応じまして、積極的に協議の対象にしてまいります。

○花輪委員 今、百戸以上のものについても積極的に協議の対象としていくというようなご答弁がありましたので、ぜひ本当に一生懸命、大変な仕事だと思いますが、やっていっていただければなと、そんなふうに思います。
 次に、先ほど来、収入超過の話が相当出てまいりました。収入超過の問題、七百八十九万円までの収入の人が都営住宅に住んでいられるという、このあきれた状態があり、それは公営住宅法で縛られてしまっているという、非常に歯ぎしりをしたくなるような状況の中で、期限つき入居ですか、こういうものを積極的に導入をしてやっていただいている、そのあたりは評価をしたいと思います。
 ぜひもう一歩進んでいただいて、今は資産についての把握が全然できていないと思うんですね。先ほど高橋先生からもありました。例えば、住んでいらっしゃって退職金がどっと入った、または遺産が入った、または生命保険が入った。そういうものの評価が全くされずに、特に生命保険とか遺産、この年に例えば三億遺産が入ったとしても、一年のこの収入をちゃんと届けても、都営住宅を出ないでいいんですよ。次の年に収入がまた下がってしまえば出なくてもいいという、こういうことなんですね、今の都営住宅というのは。こういうことはやっぱり見直していくべきだと私は思いますので、何らかこれを改善していった方がいいんじゃないかと思うんですけれども、何かお考えはありますか。

○小川住宅政策担当部長 ご指摘のとおり、都営住宅の入居要件あるいは居住継続要件への資産の反映については、現在、公営住宅法に規定がないというところでございます。しかしながら、住宅困窮をされている方の事情をきめ細かく反映していくということを考えますと、やはり資産の有無についても、これは十分配慮する必要があるというふうに考えております。
 資産の評価につきましては、技術的にというふうに考えますと、金融資産など評価が明確なものがある一方、宝飾品など評価が難しいものも多い。また、個人情報の保護との兼ね合いで、資産の調査についても、現状では一定の限界があるということがございます。このため都といたしましては、平成十三年度から国に対して、公営住宅制度の抜本的見直しの一環として、法改正に向けて要望をしているところでございます。

○花輪委員 今のお話で、要望を国に対してされているという話ですが、国でもある程度、今そのあたりの議論が始まっているようにも聞いておりますが、東京都はそれに対してどのように参画をされているのか。もし参加をされているのであれば、今どのような目途で、どういう検討をされているのか、お聞かせいただければと思います。

○小川住宅政策担当部長 国の方におきましては、昨年から、この入居時の住宅困窮事情を反映した入居者決定のあり方、あるいは入居後の住宅困窮事情の変化等の対応のあり方といったことに関して検討を開始いたしまして、本年中に結論を得る予定と聞いております。この検討の中で、当然、入居者決定の中で保有資産をどう反映をさせたらいいかといったことも、具体的な研究のテーマとして取り上げられております。
 都といたしましては、当然、国に対して都の実態など情報提供を行いながら、この検討の結果を見守っていくという状況でございます。

○花輪委員 とにかく、きょうの質問の中でも随分ありました、都営住宅が不公平感の象徴のようなものになってしまっているという、この不幸な状況を解決するために、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 例えば収入の把握にしても、今、生活保護なんかは一〇〇%把握はできていないでしょうけれども、一生懸命、区の職員の担当が把握をしようと努力をし、そこにはノウハウも大変蓄積をされていると思うんですね、収入の把握の仕方なんかでいえば。そういうノウハウもしっかりと、これ、区に移管をしてしまえば、そういうノウハウを全部もらえるわけですよ。だから、移管とかそういうことも含めて、これはリンクをして、しっかりとやっていっていただきたい、そんなふうに思います。
 あともう一つは、都営住宅、木造がまだ結構あるというふうに聞くのですが、今どのくらい残っているんですか。

○青木住宅経営部長 現在残っております木造の都営住宅は、十三団地、五十三世帯でございます。

○花輪委員 まあ、ほとんどなくなってきているわけです。この都営住宅の再編整備の中で、皆さんご苦労されて建てかえを進めていらっしゃると思いますが、どこか私があるところで拝見をしますと、もう空き地みたいになっているんだけれども、そこに木造が何軒か残っているようなところがあるんですが、この再編整備に当たって、要は、立ち退きに反対をして出て行ってくれない人がいるような団地はありますか。

○青木住宅経営部長 先ほど申し上げた団地の中には、建てかえに反対をして、そのために居座っているといいますか、引き続き木造住宅にお住まいの方もいらっしゃいます。

○花輪委員 昭和五十年代に建てかえを決められて、それから交渉をずっとされてきて、最初には四十戸か五十戸あったんでしょう。それがまだ幾つか残っている。その中で何千平米という土地が寝ている、そういうところがあるというふうに聞いています。これも非常にばかげた話だと私は思いますよ。もう二十年以上です。ですから、私、こういうのはしっかりと強制的にやっていっていただきたいと思うんですよ。
 もう二十年も皆さんがそういうところにかかわって、出て行ってください、出て行ってくださいといいながらも、なかなか出て行ってくれない。そういうご苦労はわかりますけれども、やっぱりこれは余りにも長過ぎますよ。何とか強制的に出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○青木住宅経営部長 これまで、居住者の同意を得るべく十分な説明を行いまして円滑な撤去事業に努めてまいりましたが、ご指摘のように、現存する住宅があるのも事実でございます。今後は、法的措置を視野に入れ、居住者に対応してまいりたいと思います。

○花輪委員 本当にちゃんとやっていただかないと、都民のせっかくの財産がそこで寝てしまっている。それも一年、二年じゃない、何十年と寝てしまっているんですね。これは本当に、そういう方がいること自体が、また先ほどの都営住宅に対する不公平感とか、そういうものの目で見られてしまう、悲しむべき残念なことだと思います。本当によく考えていただきたいと思います。
 特に、私、そこを見に行ったんですけれども、本当に勝手に物干しみたいなものをつくっちゃって、畑耕してポスターも張ってある。そういうところなんですよ。もう本当に勝手に、ずるしてそこに居座っている。そんなことが本当に許されている。実はこれは、公営住宅法でやっぱり、建てかえとか、また、建てかえじゃない再編整備の撤去になってくると、追い出すのがなかなか難しいというふうに聞いておりますが、このあたり、法律の改正を国にしっかりと私は求めていっていただきたいなと。
 先ほどの資産の話じゃないですけれども、そういう、いわゆる今皆さんが都営住宅を運営されていて困っている、それが公営住宅法のどこかに問題があるのであれば、どんどんとやっぱり積極的に国にぶつかっていっていただきたいと思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか。

○青木住宅経営部長 ご指摘のように、公営住宅法の明け渡し請求がより広くできることは大変重要でございまして、今後国と協議してまいりたいと思っております。これを含めまして、木造住宅の撤去や都営住宅の建てかえが円滑に進むよう、努力してまいりたいと思っております。

○花輪委員 本当にこれは、何度も繰り返しになりますが、一生懸命やっていただきたいと思います。今、高橋先生もおっしゃっていたように、本当に正直者がばかを見ているような状況は悲しむべきことだと思います、はっきりと。例えば、もう本当に職員の方のご苦労を聞くと、ぶしつけな私でも、ここで言葉にできないようなご苦労、対応をされているというようなこともやっぱり聞きますよ。そういうことがまかり通って、都民の財産がいつまでも更地で、または彼らに畑にされて、逆にいえば、周りの家がどんどんなくなって、更地になって日当たりがよくなって、住居環境がよくなっちゃったりして、そこにまた自分で駐車場もつくっちゃったりして、そうやって生活をしていくことが許されるということを本当になくしていただきたいなというふうに思います。
 きょうは移管の話もさせていただきましたし、資産の話もさせていただきました。私、思うんですけれども、とにかくやっぱりこの移管を進めれば、今みたいな話、立ち退きの話も、わざわざこの大都庁から課長さんが出向いて、相手の人とやりとりをしながらやらなくても、本当に地域のコミュニティの中で解決できることもたくさんあると思うんです。だから、この移管もしっかりと進めてもらわなきゃいけないし、期限つきの入居制度の、いわゆる定期借家権つきの入居制度の拡大もあれば、こんな何年も居座れないわけですよ。期限つきであれば、計画が決まって期間が来たらば、速やかにお引き取りをいただけるわけです。
 ですから、この期限つき入居の拡大、そして管理運営の面でいえば、先ほどの土屋先生がいろいろと管理の問題点、ポスターの話、先ほどの畑の話も、物干しの話もそうです。勝手につくっちゃう。こういうものも、やっぱり住宅供給公社が管理をしていると、今までの長い歴史の中で非常に培われたノウハウだけに頼ってしまう。そうじゃなくて、この管理もしっかりと民間に委託をすることによって、民間のノウハウ、切磋琢磨、そういうものから、今の当たり前の、社会人として当たり前の住宅管理ですよ。アパートとかマンション、当たり前に管理できています、都営住宅じゃないところは。その管理のノウハウを、今度は都営住宅にもしっかりと持ち込めることになると思います。
 ですから、先ほど局長が土屋さんの答弁に、そういう不公平感をなくすように一生懸命頑張っていきたいという、そういうふうに答弁をおっしゃっていましたけれども、やっぱりこれ具体的に、この移管とか住宅供給公社の管理の民間への委託の問題とか、あとは期限つき入居の拡大、こういうものをしっかりとやっていっていただきたいと思いますが、最後に局長にお考えをお尋ねして、質問を終わります。

○橋本住宅局長 ただいま入居資格の資格要件の問題、あるいは都営住宅の明け渡しの問題、一般の都民から見まして、いまだ不公平感、あるいは課題が幾つもあるというご指摘をいただきました。
 都営住宅は都民共有のセーフティーネットでございます。真に住宅に困窮する人に対して住宅が供給されなければなりません。したがいまして、公平性や効率性が強く求められるわけでございます。私どもは、この十四年度につきましても、期限つき入居制度を初め、重なりますからもういいませんけれども、幾つかの施策を今年度実施してまいりました。しかし、都民の理解と支持を得ていくためには、まだまだ課題もあることも事実でございます。
 今後とも、引き続きまして都営住宅の制度改革を着実に実施してまいります。

○小松委員 まず条例関係についてです。
 今回の条例改正で、駐車場が都営住宅の共同施設として位置づけられたわけですけれども、現在、都営住宅にはどの程度の駐車場が設置されているのでしょうか。

○野澤参事 平成十四年三月三十一日現在でございますが、六百三十一団地、三万六百四十区画となっております。

○小松委員 駐車場は、都営住宅の建設時に設置しませんと、すなわち駐車場スペースを取り入れた住宅建設をしておかないと、今、足りない駐車場をつくるために緑を失わせるとか、さまざまな問題が出ているわけです。
 都営住宅の駐車場も、全くなかった時代から、一五%、三〇%、五〇%と、だんだんにふえているわけですが、集合住宅に駐車場設置が常識となりました今、都営住宅といえども一定の数値目標を設定すべきではないのでしょうか。

○野澤参事 都営住宅の駐車場設置に当たりましては、各団地の需要の状況や設置の可能性などを勘案しながら、適切に対応することとしております。このため、数値目標の設定はなじまないものと考えております。

○小松委員 なじまないと。そうしますと、今度は駐車料金を取っていくわけですけれども、こうしたところでも、駐車場が今後どういうふうになっていくかというところもわからないということでは、なじまないということではなくて、ぜひ今後検討していただきたいということで、とどめておきます。
 ところで、今回、条例改正案では、駐車場の料金の上限を五万五千円としているわけですが、この数値の算出根拠は何でしょうか。

○野澤参事 都営住宅等の駐車場料金の限度額の設定に当たりましては、今後予定をしております都営住宅の建てかえ事業や既存団地への新たな駐車場の設置を勘案いたしまして、都営住宅の近傍の民間駐車場の賃料のうち、現在最も高い駐車場料金を参考に設定したものでございます。

○小松委員 まあ近傍同種の一番高いところとはいえ、都営住宅という、これは低所得者ということで先ほどから出ておりますけれども、公営住宅の駐車場の料金として高過ぎはしませんか。
 それでは、現在、都営住宅に設置されている駐車場の料金の状況はどうなっているのでしょうか。都内全体の平均、そして区部と多摩地域に分けまして、それぞれ最高最低などお聞かせください。

○野澤参事 東京都全体の平均でございますが、一万一千円でございます。
 次に、区部におきましての最高の駐車場料金でございますが、四万二千円、区部における最低が八千円。多摩地域におきましては、最高が一万六千円、最低が二千四百円となっております。

○小松委員 そうですよね。私、多摩の人間ですから、五万五千円なんて本当にびっくりしました。この平均、最高をとっても、この最高という四万二千円がどこか、聞く必要もありませんけれども、都営住宅という性格からしても、やはり高過ぎると。五万五千円まで駐車場料金を取れるということになるわけですから。現状の最高四万二千円というのも、都営の家賃と比べても高いわけですね。
 こうなりますと、例えば車がどうしても仕事上必要な方や自営業の方々にとって大きな負担になって、結果的には車を駐車場にも入れられないということでは、駐車場料金も、例えば一万を超える場合は収入と比例させるとか、何らかの検討を要望いたします。これは要望にしておきます。
 ところで、条例改正案では、今度は地域開放についても含まれておるようですけれども、この内容について伺います。

○野澤参事 都営住宅の駐車場に空き区画がある場合につきましては、周辺の状況を十分に考慮いたしまして、公有財産の有効活用を図るため、管理上支障のない範囲で地域の方々への開放を実施することといたしました。

○小松委員 公有財産の有効活用、これを全く否定するわけではありませんが、近隣周辺の駐車場不足に都営住宅の駐車場を開放する前に、ぜひ来客用の駐車場を設けていただきたいと思います。(発言する者あり)皆さん、感じませんか。皆さんの中には、介護で実際にお子さんが、またはヘルパーの方々がということで、介護や看護に訪れる。そうした来訪者がふえているけれども、皆、駐車場所がなくて大変困っておられます。先日も、ヘルパーステーションの車が駐禁で切符を切られたとか、そういうことになっております。これは団地内ですよ。
 地域開放よりも、その前に来客用駐車場を設置すべきであると思いますが、何らかの対策を工夫して対応していただきたい、これも要望しておきます。これは提案ですけれども、要望しておきます。
 次に、巡回管理人についてです。
 巡回管理人制度を導入して一年たとうとしております。先ほど来いろいろと出されておりますが、特に管理事務所を閉じたところでは、大変不便している話を多く聞きますし、管理人についても、大変親切といった感謝の声も聞きますが、苦情の声も大変大きく聞かれます。
 先ほどの話では、申請の仕方がわかったとか、大変助かったとか、よいことだけがいわれておりましたけれども、住宅局へ直接いわれる方はほとんどないと思うんですけれども、こうした居住者からの声、もう一回お聞かせいただきたいと思います。

○野澤参事 居住者の皆様からの声といたしましては、公社の方から、この制度が好評である旨の報告を受けております。
 なお、苦情といたしましては、居住者団体を通じまして、巡回管理人の一部に、接遇上若干問題があったというような申し出は承っております。

○小松委員 もちろん一部でしょうけれども、やはり接遇に問題があっては困るんですね。管理人個々人に対する評価は人それぞれだと思うんですけれど、まあ私のところなんかに訴えてこられる、共通して聞かれるのは、自分の収入を初めプライベートなことまですべて知られているので恐ろしい、大変親切にいろいろいってくださるけれども、どこまで私個人の情報をつかんできているのかと、こうしたことを心配する声が聞かれます。
 巡回管理人はどのような人で、まあ身分も含めて、どの程度の情報を持たせているのか、そして個人情報保護の視点は大丈夫なのか、お答えいただきたいと思います。

○野澤参事 巡回管理人は、公社職員並びに人材派遣会社の職員で構成されております。巡回管理人につきましては、居住者の相談に応じるということを業務としておりますので、必要に応じ適切に情報は与えております。
 巡回管理人は、派遣職員につきましては、公社との派遣契約の中で機密の保持の厳守を規定しております。また、公社職員につきましては、地方住宅供給公社法により、みなし公務員の規定がございます。

○小松委員 そういう意味で、今後も、必要に応じ適切な情報を提供しているということですから、ぜひ高齢居住者が安心して信頼できる管理人の養成、そしてまた制度にしていただきたいと思います。
 最後に、前回、去年の質疑の中で、巡回管理人は金銭関係は扱ってはいないという、こういう答弁だったのですが、例えば、いただいた資料によりますと、業務内容として、その他管理上必要な事項と書かれております。こういうことからしても、巡回管理人に滞納指導の業務をやらせているのではないかという、そうした心配も聞かれますが、いかがでしょうか。

○野澤参事 巡回管理人は、収入報告書作成に係る相談及び取り次ぎ、これは収入報告書の未提出世帯に対します指導などを業務として行っております。
 滞納につきましても、居住者からの相談を受けた場合には、一時的な対応をすることとなっておりますけれども、その内容については、直ちに滞納指導部門へ伝達することとしております。したがって、滞納指導業務を直接に行うようなことは現在はやっておりません。

○小松委員 その辺が非常に微妙なところだと思うんですね。滞納指導業務は担当職員がいるということで、この方がやるべきであって、もちろん、いろいろな質問を受けたり、または相談を受けたり、それに答えることをいけないといっているわけではありませんけれども、この点を今後も明確にしておいていただきたいと思います。
 要は、巡回管理人が一定の役割を果たしているのは否定しないわけですが、やはり管理事務所を置いての専任管理人制度は廃止すべきではないと。特に大団地など、巡回管理人だけでは到底間に合いません。専任管理人制度を維持したままで巡回管理人との併用を図るのが望ましいんだ、こういう意見を申し上げて、次に進んでまいりたいと思います。
 次は、都の基本的な住宅政策と、また居住の保障ということで伺ってまいりたいと思います。
 今回の議会でも、本会議や予特などで都市再生の議論が活発にされたわけですけれども、こうした都市再生で残されてしまうのが庶民の住宅ではなかったのではないでしょうか。我が党の東議員も一般質問で明らかにしていたように、例えば江東区で起きているマンションの過剰による保育所や小学校の不足などの問題もあるわけですが、もう一つの問題は、都市再生で高級マンションは建っても、高齢者や障害者、若年ファミリーなど所得の低い人たちの住宅はつくられず、結局こういう人たちが住めない都市になってしまう。
 都心居住といいますけれども、所得の低い人や高齢者、障害者、若年ファミリー世帯など、住宅に困窮している人たちはどうすればよいのでしょうか。どう考えておられるでしょうか。

○小川住宅政策担当部長 都心居住あるいは都市再生と住宅困窮者についてでございますが、東京の再生ということでは、民間の力を最大限に引き出し、魅力と活力のある東京の再生を図る、これが地域経済の再生や都民生活の向上につながるというふうに考えております。都市再生に当たりまして、職住近接などの利便性が享受できる都心居住を進めていくことと、高齢者や低所得者の住宅対策が、あたかも相反するというようなご指摘は、そのとおりではないのではないかというふうに考えております。
 低額所得者への住宅対策につきましては、再三申し上げておりますように、都営住宅の戸数ということにつきましては、現在管理をしている都営住宅を有効に管理をし、活用することで、そのニーズにこたえていくということで考えております。

○小松委員 住宅政策というのを、まちづくりと連携しながら推進していくんだということで、それは大いに結構ですよ。まちづくりとあわせて、住宅困窮者が住める家がどんどん供給されるならいいんです。しかし、現実はそうなっていないと。
 石原都政のこの四年間、都内で建てられました住宅は三十万八千八百十一戸、このうち分譲マンションが二十三万二千六百七十戸、実に四分の三なわけですね。
 一方、新規の都営住宅、この四年間では五百三十五戸です。これは九九年度のみです。そして、この四年間、予算上での新規建設ゼロが続いております。なぜ都営住宅の新規建設、再開しないのでしょうか。

○小川住宅政策担当部長 都営住宅につきましては、将来の人口あるいは世帯の動向を踏まえますと、現在管理している都営住宅を有効に活用し、真に困窮する方のために提供していくことが重要というふうに考えておりまして、現在管理をしている戸数を抑制していくという考え方でございます。

○小松委員 しかし、都営住宅を希望していながら入れない人、この論議は何回もやりましたけれども、空き家、新築を見ましても、その後の二〇〇一年、二〇〇二年を見ても、新築では、二〇〇一年五月募集では七十一・六倍、十月募集では五十六・九倍、また二年の五月募集では五十二・七倍、十月では五十三・五倍と大変な倍率。空き家でもそうですね。二年の十月募集では、これは五月募集もそうですけれども、三十一・四とか三十一・七と。
 これだけの希望者がいて、実際に私これをいいましたら、最低居住水準を満たした人が応募しているからこんな数字になっているんだと、前回お答えをいただきましたが、実際は、居住水準をたとえ満たしていたとしても、家賃が高ければ住み続けていくことができないわけですよ。今できている住宅、例えばこの間の本会議等でもさんざん出されました。二〇〇七年に森ビルが東京駅前につくる予定の高級賃貸マンションが、何と家賃六十万から七十万といわれて、出張の多い会社経営者がターゲットといわれております。また、最近供給されている一DKマンションの購入者の多くが、都外から都心に通うサラリーマンで、いわゆるセカンドハウスとして使われているというんですね。これでは、幾ら住宅ストックがふえても、お金のない人には全く無縁なわけです。
 都営住宅というものを区や市が建てられるならば、とっくにやっているけれども、この高地価の大都市だからこそ東京都が積極的な役割を果たしてきた。これからも果たしていかなければならないのではないか。にもかかわらず、新規建設をやらず総管理戸数を抑制していく、とんでもないと思うんです。
 あの公営住宅が大変少ないといわれているアメリカですら、低所得者のためのアフォーダブルな住宅を考えなければならないとして、住宅提供しないなら家賃補助をしなければならない、こうしたことが今進められているといいます。
 都市問題の専門家などから、いろいろな批判の声が挙げられているのを最後に読み上げたいと思います。例えば、都市問題の経済学者、林宜嗣さん、市場メカニズムによる都市空間づくりは、都心部から住機能を排除してしまう。また、大崎元、建築工房匠屋、「建築とまちづくり」の一年の十二月号に出ていたものを見れば、必要最低限の生活を保障する住居の基盤が市場から消えていくことになるかもしれない。居住形態が市場原理によって画一化し、木賃アパートのような低家賃住宅がそれなりの役割を担った都内居住、アフォーダビリティーが低下するという見方もできるだろうと、こういうふうに危険信号を発しております。東京都には都営住宅用地もたくさんあるわけです。住宅困窮者の救済は都政の大きな仕事であることを重ねて指摘をしておきたいと思います。
 そして、こうした新規住宅が今ない中で、建てかえ問題が大きな問題になっているわけですけれども、この建てかえ問題、全都的に見た場合、大変遅々として進まない。まず、建てかえ対象の都営住宅、何戸あるのでしょうか。

○庄司参事 都内の建てかえ対象の住宅でございますが、昭和三十年代以前建設の住宅を中心に、また浴室のないものも含めまして、約三万六千戸あるところでございます。

○小松委員 そうしますと、そのうち建てかえ計画があるものはどのぐらいあるのですか。

○庄司参事 この三万六千戸でございますが、おおむね十年間のうちに、先ほどの三万六千戸を建てかえることとしておるところでございます。

○小松委員 いや、私がお聞きしたのは、この三万六千戸のうち、今時点で建てかえ計画があるものはどのぐらいなんですかということです。

○庄司参事 現在計画を検討しているところでございまして、おおむね十年間のうちに、先ほど申しました三万六千戸の建てかえを進めていきたいというふうに考えているところでございます。

○小松委員 私、例えば、全部の団地を把握することはできませんが、大規模建てかえ対象団地を一つ一つ、建てかえの計画がどうなっているのかと見たわけですけれども、実際には大変な状況ですね。この中には、住戸の専用面積が二十平米台の住宅で、おふろもない、こうしたところに家族四人で住んでいると。
 どういうところか具体的に挙げてみましょうか。足立区の上沼田、これが二十一・六八平米から三十七・五平米、平均三十一・六平米です。これに四人以上の世帯率は八・五%、一〇%近くいるんですよ。世田谷の池尻でも、二十一・五一から、四十五・六六というのもありますけれども、平均三十七・四で、一一・一%が四人以上の世帯率です。このほか挙げますと、北区の神谷というんですか、それから板橋の富士見町、葛飾の高砂、昭島の中神、こう挙げればまだまだあります、二十平米台の住宅。これはおふろなしなんですよね。単身者だけならまだしも、そこにはみんな、四人以上の世帯率が一〇%近く以上あるんですね。
 今申し上げたのは、具体的な計画の年度がないところですよ。おふろもなくて狭い、ほとんど建設年度が昭和三十年代の一、二年です。昭和二十年代はそろそろなくなりましたか。中には、二十年代、計画に入っていますね。先ほど申し上げた池尻も、昭和三十年から三十一年に建てられている。上沼田も三十五年から四十一年にというように、三十年代からですね。このような、計画もなくて、その中でこうした生活をしていらっしゃるということで、今この対象の数はいえない、とにかくこの十年間でやるということですから、あえて数を聞いたところで、実際にやられないと意味ないわけですから、ぜひ今おっしゃったわけですから、この十年の間にその計画を進めていただきたい。
 その約束をしていただきたいと思いますが、これら三十年代建設の建てかえ団地三万六千戸の方々の住宅の建設が完了して入居し終わるまで、十年間でとにかく、今は建てかえの計画にまで入る、着工まで入るというふうな見方をしてよろしいのでしょうか。しかし、これは完了までいかないわけですよ。それはどういう見通しを持っていらっしゃいますか。

○庄司参事 今の委員ご指摘の三十年代以前の住宅にありまして、一Kなど面積の小さいものもあるところでございます。これらがある団地につきまして、建てかえ条件の整ったところから順次建てかえていく考え方でございます。おおむね十年のうちにこれらに着手していきたいということでございまして、団地規模によりまして、その建設年次が若干長期にわたるということもあり得るかと思います。

○小松委員 確かに見通しは難しいと思いますけれども、いずれにしても、二十年以上は優にかかってしまうんじゃないんですか、最後までいけば。ということは、年間三千戸では少ないということになるのではないでしょうか。建設戸数をとにかくふやして、少しでもこの三十年代の対象三万六千戸の人々が、いっときも早く新しい住宅に移れる。二十年などという夢のような話ではなくて、現実性を持たせるべきだと。
 そういう意味で、一年間の三千戸というのではなく、ふやしてほしいというのは、担当局というよりは、局長ぜひ頑張って、新規建設ゼロの中で、新規建設を求めつつも、この建てかえこそ今ぜひ戸数をふやしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。
 そして、こうした中で、一方では再編プロジェクトということでやられております。これは来年度の住宅施策の目玉として、南青山を初めとします三つの都営住宅の再編整備モデルプロジェクトを進めようとしているわけで、十五年度予算では約六億一千万円の計上がされていますが、まずこの予算の内容をお聞かせください。

○庄司参事 平成十五年度に計上しております再編整備プロジェクトに関する予算の主な内容でございますが、港南四丁目第三団地や東村山本町団地のプロジェクトにかかわる工事請負費や委託料でございます。

○小松委員 再編整備の先行プロジェクトとしては、この南青山一丁目団地建てかえプロジェクトがありまして、一昨年三月の「都政新報」、ここにありますけれども、これには、南青山一丁目団地の建てかえ事業に、民間事業者が定期借地権制度を使って都営住宅と民間施設を一体的に整備するという新しい手法を導入して、この夏までに実施方針をまとめ、建物の容積率や住宅の家賃などを具体的に示した上で民間事業者の公募、選定を行い、二〇〇二年度当初に事業契約を行う予定、このように書かれております。
 これに対する是非も私はありますけれども、きょうはもう時間がないので、まずは今この事業がどこまで進んでいるのか、この進捗状況をそれぞれ敷地概要なども含めてお願いしたいと思います。

○庄司参事 プロジェクトの概要でございます。
 まず敷地でございますが、南青山一丁目団地につきましては、約〇・七ヘクタールございます。また、港南四丁目第三団地につきましては、約一・九ヘクタールの面積でございます。
 事業の進捗状況でございますが、南青山一丁目団地につきましては、昨年十月に事業者と基本協定を締結しておりまして、現在設計等を行っているところでございます。港南四丁目第三団地につきましては、公共ゾーンにつきまして昨年十一月に入札公告を行い、今月末に応募者からの提案を受ける予定でございます。

○小松委員 わかりました。この二団地に続いて、建てかえ中の東村山の本町都営も、元戸数を超えたとして、残りの九百六十戸の建設をストップして跡地の再編整備を検討中ですが、この本町団地の敷地概要、十五年度の予算内容などをお聞かせください。

○庄司参事 東村山本町団地のプロジェクトでございますが、敷地が約九・五ヘクタールございまして、平成十五年度につきましては、事業手法の検討などの費用を計上しているところでございます。

○小松委員 この本町団地につきましては、既に都と市の間に、都営住宅以外の公共施設についても、保育園ですとか老人施設などの建設が約束されておりますし、都営住宅には、障害者用住宅の全体百十戸の残も多く残されているんですね。
 本来はまず、この約束されたこれら施設や都営住宅を建設すべきということを私は強く求めるのですが、しかし、これらも含めて、今地元の市議会の中で特別委員会を設置して検討を重ねています。これらを尊重しつつ、都としての今後の進め方、スケジュールについてお伺いします。

○庄司参事 昨年九月から、地元である東村山市とさまざまな事項について定期的に協議を行っているところでございまして、今後も市と十分協議していく考えでございます。

○小松委員 東村山の本町都営については、既に先行しております南青山一丁目や港南四丁目と比べますと、敷地規模もまるで違う。十倍近くもある。既に議会の特別委員会ができたり、また都と市の協議も重ねているということですので、都が一方的な押しつけではなく、また、直ちに民間主導だというようなことではなく、これら議会や住民、そして市の要望や意見を十分に取り入れ、現在までの建てかえ経過も踏まえて計画を進めることを強く求めて、きょうは終わりましょう。まだあるんですが。
 最後、一つだけ、先ほどから出ております区移管の問題です。きょうは時間もありませんので、この区移管につきましては、減免制度の形だけ質問させていただきます。
 その前に、先ほどから聞いておりますと、区移管をしても全然デメリットはない、赤字を出して市がしょい込むようなことはないと、八十戸、百戸の例を申されましたけれども。ああ、そうか、そうすると、二十六万戸を持っている東京都の都営住宅、住宅局はすごい黒字なんだと。これでは、みんな居住者の使用料でできるんです、大丈夫ですと。ああ、使用料がそんなに多くなるんだ、じゃあ使用料をもっと全体的に下げたっていいじゃないかと。感想ですよ。そういうふうに、先ほどは私、聞こえました。これは私が聞こえた感想です。まあ反論があれば(発言する者あり)いやいや、まだこれは……

○高島委員長 小林地域住宅部長。

○小松委員 私まだ何もいっていない……(笑声)

○小林地域住宅部長 移管先の区市町村に財政負担が生じないというのは、建設したときの、例えば敷地を買えば、敷地を買ったときの起債だとか、うちが建設すれば、うちが出しました起債の分、それは全部うちが引き取った上で区市に渡しますので、そういう意味で、区市に行けば区市の方では財政負担にならない。建てかえのときは、もう土地はただのものでございますから、上物だけで済みますから、そういう意味で区市は大丈夫なんだと。東京都は、その分、営々と起債を払っていかなきゃいけないということでございます。

○小松委員 いや、そういうのもわかって聞いているんです。新規事業を全然今やらないで、今、抑制をしていく中でですから、そういう感想を一般に持ちますよ。
 ということで、私はまだ質問をしていなかったんですけれども、そこで、きょう質問したい減免制度では、今まで移管をしている区で、収入が低いことを理由とする使用料減免制度がない区はどこでしょうか。

○高岡区市町村調整担当部長 渋谷区でございます。

○小松委員 そうですね。私も全部調べてみたんですけれども、渋谷区はそうでした。そのほか、そうすると、ないわけですね。
 事実、渋谷区で最近、都営代々木三丁目アパートの居住者の皆様へという説明会配布資料が十五年一月十九日で出されておりますけれども、この中にあります。都から区に大家がかわって、今までと何が変わるのか。名称が変わりますとか、窓口が変わりますとかと書いた三番目に、東京都には住宅使用料の減免制度がありますが、渋谷区には同じ制度はありません、ただし、区移管に伴う激変緩和措置をとり、平成十六年度からおおむね五年間かけて少しずつ減額率を下げて、本来使用料へ近づけていきますと、こういうことが書いてあるわけです。そして、実際には表が出ております。
 しかし、こういうのを見てまいりますと、例えば七十歳以上の単身世帯の方で百九十万以下ですと、これは所得額を計算するとゼロになりますから、今の使用料は五千円と。その五千円の方が、五年後に三万六千四百円になる。同じように、母子世帯で今二万二千四百円払っていらっしゃる方が、五年後は五万三千二百円。
 幾つか例が出ておりますけれども、これはまあ大変なことであると思うんですけれども、ここは建てかえてから十年ぐらいたっているということで、大変古い団地だと思うんですね。ですから、建てかえ後の戻り入居した世帯が多いんじゃないか、高齢化しているんじゃないか。収入が低いと思われますので、減免を受けている世帯もあると思うんですよ。事実、そういう方から訴えられてきているわけですから。
 減免を受けている世帯の使用料が、こういうふうに変わっていく。これらに対して、使用料が上がる世帯の対応はどうされるのか。渋谷区との話し合いを含めて、ぜひお伺いしたいと思います。

○高岡区市町村調整担当部長 渋谷区におきましては、急激な家賃値上げを緩和するために、六年間の激変緩和措置を設けてございます。また、例えば高齢者などで収入が低く使用料が払えないというようなケースなどで、必要な場合には、福祉部門と連携いたしまして、区として総合的な対策を講ずる、こういう方針を区は持ってございます。以上です。

○小松委員 しかし、福祉というのは、恐らく生活保護とか--いっそのことといういい方は変ですけれども、生活保護にかかる方々はまだいいんですよ。少々のところでボーダー層になってしまうところが一番大変です。この母子世帯の方なんかは、所得月額十三万一千円。それに対して使用料が今二万二千円だけれども、五万三千二百円になるということですからね。
 そうした部分、これはもう都がどうこうしろ、責任あるということではないんですけれども、都内広い中で、今は区移管をしたところでは渋谷だけだということでは、そういうことも含めてぜひ、今は分権ですから、指導とはいわないのでしょうけれども、協議の中でしっかり詰めていただきたい。
 そして、都営住宅の居住者が、たとえ区や市に移管されても--先ほどは、いわゆる住民ではなく、その受ける区側あるいは市側が、ちっともデメリットないよという話でしたけれども、肝心な居住者が、一番大もとである家賃で負担を高じてしまっては本当に大変なんです、特に高齢者にとっては。
 そういう意味で、ぜひこれは要望しておきますけれども、もしこういうことで居住者が反対したら、これ、移管はどうなるんですか。

○高岡区市町村調整担当部長 今回の件でございますが、渋谷区は、区議会での真剣な審査、審議を経た上、その議決を経た上で移管の受け入れを決定してございます。また、私ども東京都は、同アパートの居住者の方々に、数回にわたり区役所とともに説明会を開催し、移管についての理解を求めてまいりました。現在においても、区において、戸別訪問などを含めまして説明し、理解を求めているところでございます。

○小松委員 理解を求めているところでしょう。こういう方々は大変心配されて、これじゃもう本当に、移管するのに納得できないとおっしゃっている。だけど、こういう状況を見ながら、渋谷の区議会は賛成多数で決めてしまったというのですから、これ以上、私も物がいえません。
 ただ、東京都としては、今後--これは今は区ですけれども、市なんかに入っていきますと、こういう市営住宅を持たないところもあります。さっきも話していましたように、こういう公営住宅のノウハウがないところもたくさんあります。こういったところでも、必ずその居住者が一番もとになる。その方々が安心して、よりよい生活の向上を求められるような移管をするなら移管という、ちょっと最後締まらなかったのですけれども、時間ですので、終わらせていただきます。

○高島委員長 ほかに発言がなければお諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後五時散会

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