建設・住宅委員会速記録第十六号

平成十四年十二月十六日(月曜日)
第九委員会室
午後一時六分開議
 出席委員 十四名
委員長高島なおき君
副委員長星野 篤功君
副委員長木内 良明君
理事花輪ともふみ君
理事新井美沙子君
理事三原 將嗣君
伊沢けい子君
小磯 善彦君
吉原  修君
臼井  孝君
小松 恭子君
高橋かずみ君
土屋たかゆき君
池田 梅夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
住宅局局長橋本  勲君
技監小関 尚久君
総務部長梶原 康二君
建設局局長小峰 良介君
次長上條 弘人君
理事石河 信一君
理事杉浦  浩君
総務部長谷川 健次君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
 ・第二百三十三号議案 東京都営住宅条例の一部を改正する条例
 ・第二百三十四号議案 東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
 ・第二百四十四号議案 都道の路線の廃止について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○高島委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 初めに、十二月十六日付の人事異動に伴い幹部職員の異動がありましたので、建設局長から紹介がございます。

○小峰建設局長 十二月十六日付の人事異動に伴いまして幹部職員に異動がございましたので、ご紹介申し上げます。
 理事の杉浦浩でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○高島委員長 次に、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○高島委員長 次に、今後の日程について申し上げます。
 先ほどの理事会でお手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに閉会中における請願陳情及び特定事件の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第二百三十三号議案、第二百三十四号議案及び第二百四十四号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対して発言の申し出がありますので、これを許します。

○小松委員 議案第二百三十三号、都営住宅条例の一部を改正する条例について意見を述べさせていただきます。
 本議案の条例改正は、昨年の三定で改定された特定都営住宅に限定した期限つき入居を一般都営住宅に拡大するものですが、この一般都営住宅とは、あくまでも公営住宅法に基づくものであり、公営住宅法ではその第一条に、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で賃貸し、または転貸することと目的に掲げています。
 公営住宅は、低額所得者である限りは居住し続けられることが前提とされており、民間の賃貸借契約のような賃貸期間は定められていません。だから、政府も、質問主意書に対する答弁で、定期借家制度にはなじまないと認識していると明確に答えているのです。
 この見解が今日なお生きていることは、先日の質疑を通じて明らかになりました。にもかかわらず、都は、国が全く動かないので踏み切ったとしていますが、これは明らかに法違反です。
 さらに都は、先日の委員会で、都営住宅を借地借家法の定期借家制度に当てはめて考えることができるとし、都営住宅の賃貸人、すなわち東京都と、賃借人、すなわち入居者が対等、平等の立場にあると、とんでもない解釈を公言しました。都営住宅は、社会的保護を要する低額所得者に住居を保障する社会保障の一つであって、貸し主である都が借り主の入居者に対する優越的地位に立ち、定期借家の想定する賃貸人、賃借人の対等、平等の関係とは全く様相を異にするものです。
 国の見解も、この立場に立つからこそ、定期借家制度にはなじまないと認識しているのであり、都は、前段でこの国の見解を是とするも、後段の今の解釈とは全く相矛盾しているといわざるを得ません。
 公住法上の公営住宅の建設は、第五条により、建設大臣が定める建設基準に従うものとされ、国の補助もあります。つまり全国的な統一性、平均性も求められ、それが住宅水準、住環境を確保、保障するという意味があるのです。
 自由法曹団東京支部の意見書でも、公住法の規制や要請に基づいて建設、供給されている公営住宅に、公住法の予定しない定期借家を都条例で導入することは、権利保障、社会保障の見地からして、法の要求する基準を下回るものを下位規範である条例で制定することになり、その適法性について重大な疑義が存在するといっております。
 我が党は、若年ファミリー層の入居を促進させる立場からも、期限つき入居に反対するものです。十年で追い出されてしまう若年ファミリーは、安心して子育てもできません。居住の安定性というからには、単に賃料の問題だけでなく、当該都営住宅を生活の本拠として確固とした地域関係、人間関係を形成していくことも当然に含まれるのであり、その中には、子どもの学校の学区や友人関係、近隣との人間関係、かかりつけの病院の有無、介護関係など、さまざまな人間の生活全般にかかわる要素が入ってくるのであって、それが住まいというものです。
 若年ファミリー層の入居で地域の活性化というなら、それこそ二年前から初めた一般公募による若年ファミリー向けを拡充することを求めます。
 また、若年ファミリー層が入居しやすくするためには、所得制限を緩和し、供給量をふやす。すなわち公住法の第三条でも、地方自治体の公営住宅供給の責務を定めていることからしても、新規建設を再開すべきです。
 また、今回の条例では、その他知事が認める一時的住宅困窮者も対象に含めており、解釈次第で広範な都民が対象となり得るものです。質疑応答の中で一定のやりとりがあり、具体例が出されましたが、規則で例示されていない以上、限定されるものではありません。大体、これほど重要な議案に、規則添付なしで議会提案すること自体、議会軽視といわざるを得ません。
 また、マンション建てかえ時の住宅困窮者にしても、必要な期間、公営住宅を供給されるべきなのであって、三年などの期限つきを導入する理由にはなり得ないことを最後に指摘して、当議案に反対を表明します。

○新井委員 付託議案に賛成の立場で意見を述べさせていただきます。
 昨年の住宅白書でも明らかなように、東京の賃貸住宅は、ほとんどが単身世帯向けで、ファミリー世帯層が入居できる住宅は極めて少ないのが現状です。したがって、都が昨年度に特定都営住宅に導入した期限つき入居は人気が高く、結果、平均で四十七倍、一番高い調布市では二百十四倍という倍率の高さになっています。
 一方、都営住宅の高齢化は進み、世帯主が六十歳以上の割合は、平均で五八%。今回指定された都心部では、さらに高く六二%と、これも異常な高さになっています。
 お互い助け合って暮らすコミュニティの必要性から、今のまちづくりではミックストコミュニティという概念が打ち出されていますが、都営住宅においては非常に偏ったものになっているといわざるを得ません。何らかの手段を打たない限り、今後、この傾向はますます強くなっていくことは明らかです。
 そういう意味でも、今回、都が一般都営住宅に期限つき入居制度を拡充したことは歓迎できます。しかし、なぜ都心のコア部分だけに区域を絞ったのか、その根拠は納得のいくものとはいえません。入居機会の公平性については理解できますが、利便性ということでは、なぜファミリー層だけに利便性が必要なのか、あるいはコアの十二区以外は利便性が低いのかなど疑問が生じます。
 期限つき入居は、公営住宅法との関連で非常に微妙な施策であり、区全体を指定するのではなく、高齢化率の高い団地を中心に導入するなど、だれもが納得のいく導入基準を示す必要があるのではないでしょうか。今後、施策を拡充する場合、さらなる検討を要請いたします。
 また、導入時にも申し上げましたが、十年という期限については、例えば子どもの卒業など入居者の生活の区切りも考慮し、柔軟な取り組みをしていただくよう、再度お願いをして賛成意見とさせていただきます。

○伊沢委員 第二百三十三号、第二百三十四号議案について反対の立場から意見を申し上げます。
 私は、都営住宅の貸し出しに期限を設けることが、居住の公平性につながるとは思いません。条件を満たしている限りにおいては、定住が認められるべきです。むしろ、収入や資産の上限を超えて居住している人たちの住宅の明け渡し、また、本当に困っている人たちから順番に入れるよう制度を見直すことが今必要です。
 また、全体的に希望者に対して住宅が圧倒的に不足していることから、家賃補助制度を充実させることが必要と思います。
 以上です。

○高島委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第二百三十三号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方のご起立をお願いいたします。
〔賛成者起立〕

○高島委員長 起立多数と認めます。よって、第二百三十三号議案は、原案のとおり決定をいたしました。
 次に、第二百三十四号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○高島委員長 起立多数と認めます。よって、第二百三十四号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第二百四十四号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認めます。よって、第二百四十四号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○高島委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 なお、委員の派遣が必要な場合には、その取り扱いを委員長に一任いただきたいと思います。ご了承願います。

○高島委員長 この際、所管局を代表いたしまして、住宅局長より発言を求められておりますので、これを許します。

○橋本住宅局長 お許しをいただきまして、建設局、住宅局の二局を代表し、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 今定例会にご提案申し上げました当局所管の条例改正議案二件、建設局所管の付託議案、契約議案につきましては、ただいまご決定をいただきました。委員長を初め委員の皆様方には、幅広く熱心なご審議を賜りまして、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りましたご意見やご指摘につきましては、十分尊重させていただきまして、今後の事業執行に反映させてまいる所存でございます。今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 甚だ簡単でございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○高島委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十九分散会

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