委員長 | 高島なおき君 |
副委員長 | 星野 篤功君 |
副委員長 | 木内 良明君 |
理事 | 花輪ともふみ君 |
理事 | 新井美沙子君 |
理事 | 三原 將嗣君 |
伊沢けい子君 | |
小磯 善彦君 | |
吉原 修君 | |
臼井 孝君 | |
小松 恭子君 | |
高橋かずみ君 | |
土屋たかゆき君 | |
池田 梅夫君 |
欠席委員 なし
出席説明員住宅局 | 局長 | 橋本 勲君 |
技監 | 小関 尚久君 | |
総務部長 | 梶原 康二君 | |
住宅政策担当部長 | 小川 富由君 | |
参事 | 加藤 英夫君 | |
地域住宅部長 | 小林 計代君 | |
区市町村調整担当部長 | 高岡 信也君 | |
民間住宅部長 | 井上 克彦君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 松田 紀子君 | |
住宅経営部長 | 青木 治道君 | |
営繕担当部長 | 渡部 景之君 | |
参事 | 野澤 直明君 | |
参事 | 庄司 静夫君 | |
参事 | 神通 和夫君 | |
建設局 | 局長 | 小峰 良介君 |
次長 | 上條 弘人君 | |
理事 | 石河 信一君 | |
総務部長 | 谷川 健次君 | |
用地部長 | 磯邊 武一君 | |
道路管理部長 | 須々木亘平君 | |
道路建設部長 | 岩永 勉君 | |
公園緑地部長 | 安藤 明君 | |
河川部長 | 鈴木 進君 | |
市街地整備部長 | 田中 亨君 | |
多摩ニュータウン事業部長 | 高西 新子君 | |
企画担当部長 | 山崎 俊一君 | |
総合調整担当部長 | 高松 巖君 | |
道路保全担当部長 | 依田 俊治君 | |
公園計画担当部長 | 住吉 泰男君 | |
多摩ニュータウン事業技術担当部長 | 野村 孝雄君 | |
販売企画担当部長 | 友繁 佳明君 | |
参事 | 阿部 博君 | |
参事 | 内海 正彰君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
建設局関係
契約議案の調査
・第二百四十一号議案 東雲一号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(十四-放三十四支一)請負契約
・第二百四十二号議案 新交通臨海線延伸部鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その四)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百四十四号議案 都道の路線の廃止について
報告事項(説明・質疑)
・区部霊園の管理について(東京都公園審議会答申)
・株式会社東京スタジアムにおけるネーミング・ライツの導入について
住宅局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百三十三号議案 東京都営住宅条例の一部を改正する条例
・第二百三十四号議案 東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
○高島委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
○高島委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の契約議案の調査、建設局及び住宅局関係の付託議案の審査並びに建設局関係の報告事項の聴取を行います。
契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成十四年十二月十一日
東京都議会議長 三田 敏哉
建設・住宅委員長 高島なおき殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第二百四十一号議案 東雲一号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(十四・放三十四支一)請負契約
第二百四十二号議案 新交通臨海線延伸部鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その四)請負契約
2 提出期限 平成十四年十二月十三日(金曜日)
○高島委員長 これより建設局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第二百四十一号議案及び第二百四十二号議案を一括して議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しております。
その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。
○池田委員 第二百四十一号議案の東雲一号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事、この請負契約について意見を述べます。
この契約案は、その破綻が明らかになっている臨海副都心開発を一層推進する広域幹線道路の一環としての放射第三四号線支線一の豊洲、有明北水域にかかる架橋をつくるものであります。契約額三十八億四千三百万円の莫大な資金投入は、都財政に一層の負担を押しつけるものであり、認められない。臨海副都心開発事業自体を都民参加で抜本的に見直しすべきであるとの立場から反対であります。
以上。
○伊沢委員 二百四十一号議案、そして二百四十二号議案に反対の立場から意見を申し上げます。
臨海副都心につきましては、こういった破綻が明らかになっている事業にこれ以上税金をつぎ込むべきではないという立場です。特に二百四十一号議案の件につきましては、先日の委員会でも申しましたように、地域の住民も車の流入増加による環境悪化を心配しております。そうした観点からも、この二百四十一号議案には反対をいたします。
以上です。
○高島委員長 お諮りいたします。
第二百四十一号議案及び第二百四十二号議案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○高島委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第二百四十四号議案、都道の路線の廃止についてを議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しております。
その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○高橋委員 私から、第二百四十四号議案の都道の路線の廃止に関してお伺いさせていただきます。
ご案内のとおり、道路は都市活動の基盤であり、人々の生活を支える最も基本的な社会資本であるとともに、また他方で、道路は公共空間としての機能を有し、緊急災害時には避難路や延焼遮断帯としての役割を担うなど多様な機能を有していると思います。
そうであるならば、道路は歩道と車道が分離していることは当然のことであり、というより、最低限の要請といってもいい過ぎではありません。また、歩道には、バリアフリーの観点から、車いすのすれ違いが可能な幅が必要であり、歩行者に潤いを与えるためにも、植樹帯などの緑も不可欠であると思っております。
しかしながら、現在の都の道路の形態を見たとき、幅員が四メートルにも満たないような道路が都道として存在することも事実だと思います。歩車道の区分がなかったり、白線だけで歩道を標示してあるような道路を、私はとても完成された道路とは呼びたくないのであります。
そこで、だれもが安心して安全に通行できる歩道が整備され、しかも植栽豊かな道路空間が確保されてこそ、真の道路と呼ぶに値するものといえると思っております。東京都は、移管する、しないにかかわらず、こうした道路の整備を進めてもらいたいと考えております。
ところで、今回移管を前提として提案されている都道の廃止について、提出された資料だけではわからないことがありますので、幾つか質問させていただきたいと思います。
まず初めに、残堀横田線の幅員、歩車道の状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
○須々木道路管理部長 都道残堀横田線の現況でございますけれども、標準的な幅員が約十メートルで、六・六メートルの車道、両側にそれぞれ一・七メートルの歩道となってございます。延長一千百十一メートルの道路でございます。
○高橋委員 次に、移管について全体的に把握する必要があるので、今までどれだけ移管をしてきたのか、また、都道の管理延長はどのくらいあって、そのうち、今後区市町村への移管についてはどの程度を予定しているのか、お伺いいたします。
○須々木道路管理部長 区市町村と本格的に移管につきまして協議を始めました昭和五十六年度から平成十三年度までの二十一年間で申し上げますと、百五十二キロの都道を地元区市町村に移管してございます。
平成十四年四月現在では、都の管理する道路の延長は二千二百四十四キロでございまして、そのうち、現在、全体で百四十五キロについて移管の協議に入ってございます。
○高橋委員 都道の区市町村への移管についてはどのような考えで行っているのか、お伺いいたします。
○須々木道路管理部長 まず、道路法の規定でございますが、都道府県は地方的な幹線道路網を構成する主要な道路を管理しまして、区市町村は地域内道路を管理するということとされておりまして、道路管理の役割分担を決めてございます。この法の趣旨に基づきまして、都市計画道路の整備等に伴いまして、幹線道路から地域内道路へと性格の変わりました都道につきましては移管の対象としてございます。
具体的に申し上げますれば、例えばバイパスの新設により主要な交通の流れが移行した場合、あるいは周辺の道路網の整備により交通量が分散された場合、こういったものが考えられます。このような都道を区市町村に移管することによりまして、道路法で定められました役割分担に即した管理を行うということになります。
○高橋委員 移管に当たって、それぞれ区市町村からの要望を踏まえ、どのような整備を行っているのか、お伺いいたします。
○須々木道路管理部長 移管に当たりましては、移管後、当面の維持管理に支障を来さないよう区市町村と十分協議を重ねました上で、路面の補修や街路灯の建てかえの補修工事、あるいはガードパイプの設置などを実施しまして円滑な移管に努めてございます。
○高橋委員 移管に係る基本的なことについて幾つか質問をさせていただきましたが、今後は、このような議案の提出に当たっては、あらかじめその現況と内容がわかるような資料を用意してもらいたいと、この際、要望させていただきます。
例えば、先ほどお伺いいたしましたけれども、現況ですね。幅員だとか歩車道がどうなっているのか、そういった図面を、いただいた中には入って--参考資料としていただければ、審議なり、そういった議案の調査もしやすいと思っております。
当然、議員でありますので、前もってこの議案が提案された段階でそれぞれ調査研究しなくちゃならないんですけれども、東京も広いですよね。例えば、奥多摩の方からいろんな島しょ部までありますと、行けるところと行けないところもあります。そういうことを考えますと、こういった議案審査にぜひもう少し親切に、丁寧な資料を提出いただきたいと、この際、要望しておきます。
都道を区市町村へ移管するに当たっては、区市町村との協議をさらに密にして適切に進めてもらいたいということを要望して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○小松委員 既に出ておりますので、一点だけ質問させていただきます。
先ほどもありましたけれども、廃止される残堀横田線ですね。住民からの要望もいろいろ出ていたと思うのですけれども、そうした要望が、今回の移管の中でどのような要望が出て、それがどのように反映されているのか、お伺いしたいと思います。
○須々木道路管理部長 今回、移管を予定しております残堀横田線についてでございますけれども、武蔵村山市より要望がありましたのは、歩車道の路面補修、街路灯の建てかえ、あるいはガードパイプの取りかえなどでありまして、これらにつきまして必要な補修工事を行いまして、地元市の要望を反映してございます。
○小松委員 そうした要望が住民から出て、市の方に行って、市から聞いたということですけれども、ぜひ、先ほども出ましたけれども、これからもこういう道路廃止するに当たっては、市から聞けば--もちろん住民から市に行っていればいいのですけれども、その地元の住民の自治会ですとか沿道とか、そういう方々の要望を十分聞いて、市としっかり調整していただきたいと思います。
今回、そういうことできちっと調整されているということでは、やはり今後は、さらにもう一歩、住民から直接にお聞きいただきたいということでは要望して、終わりたいと思います。
○高島委員長 他にございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○高島委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取します。
初めに、区部霊園の管理についての報告を聴取します。
○安藤公園緑地部長 東京都公園審議会の答申につきまして、お手元の資料1、答申の概要、また資料2、答申本編を用いましてご報告いたします。
区部には、青山霊園、雑司ヶ谷霊園、谷中霊園、染井霊園の四つの都立霊園がございますが、これら区部四霊園は、将来的に公園として利用することを目指してこれまで取り組んでまいりました。
一方、都市の魅力の向上には、東京に住み、働く都民の皆様に潤いと安らぎを与え、円滑な都市活動を支える緑の空間整備が極めて効果的であり、都市再生においても都心の緑の再生が緊急の課題でございます。
そこで、平成十四年五月に、知事より東京都公園審議会に対し、区部霊園の管理についてとしまして、具体的には区部霊園の将来像のあり方とその実現に向けた方策について諮問いたしました。審議会では、平成十四年十月十一日に中間のまとめを公表し、パブリックコメントで寄せられた意見を踏まえて、平成十四年十二月五日に答申を取りまとめました。
資料1、答申の概要をお開き願います。
第1、区部霊園の管理では、これまでの霊園の歴史や各霊園の現状を分析し、区部霊園の将来像について提言をしております。
一ページ中ほどの1、区部霊園の現況、(1)、区部霊園の経緯でございますが、簡単にこれまでの経緯を述べてございます。区部霊園は百三十年の歴史を持っておりますが、最近の四十年間は、空地の拡大を目的として新規の貸し付けを行っておりません。答申本編では三ページに記載されております。
二ページをめくっていただきまして、2、区部霊園の将来像、(1)、全面公園化の問題点でございます。この四十年間の貸付停止の結果、四霊園の合計で約一・五ヘクタールの空き墓所が発生しておりますが、墓所数で九%弱にとどまっており、全面を空地とすることは極めて長期を要すると分析しております。
次の(2)、区部霊園における自然資源と人文資源ですが、区部霊園は、霊園内の多くの部分が緑陰に覆われ、霊園であるがゆえに開発を逃れた巨樹が多数存在すると述べてございます。
恐れ入りますが、資料2の答申本編九ページをあわせてごらんいただきたいと存じます。こちらには各霊園の航空写真が掲載されておりますが、周辺の市街地と比べて、霊園が貴重な緑の空間であることがおわかりいただけるかと存じます。
また、本編一一ページには、区部霊園に埋葬されております歴史上の著明な方々を抜粋してございます。答申では、こうした墓所は、東京、ひいては日本の近代史を今に伝える歴史的人文資源となっていると位置づけております。
概要版の三ページをごらんください。(4)、区部霊園の将来像として、枠内でございますが、都は、そうした財産を良好に保全しながら、さらに四十年間で得られた空地を効果的に活用し、霊園利用者だけでなく広く都民が利用できるよう、霊園と公園が共存し、相乗的に機能を発揮する空間として再生すべきであるとの提言がなされております。
概要版の三ページ下段からは、第2、リーディングプロジェクトとしての青山霊園再生としまして、区部四霊園の中でも代表的な霊園である青山霊園をリーディングプロジェクトとして、再生のあり方とその実現のために必要な各種の制度手法について検討を加えてございます。
1、青山霊園再生のあり方、(1)、青山霊園の現況では、都市における緑のネットワークを形成する上で重要な拠点であることなどが述べられております。
恐れ入りますが、本編の一六ページをお開きいただきたいと存じます。こちらに青山霊園の航空写真がございますが、ごらんのように、非常に緑の豊かな霊園であることがわかります。表7にありますとおり、港区の緑被率が一八・六%に対し、青山霊園のそれは五九・〇%となっております。
概要版の五ページをお開きいただきたいと存じます。ここでは、青山霊園の現況を踏まえ、再生に向けたテーマが記述されております。基本テーマとして、「歴史の森、時の流れが積み重なる空間」とし、それを具現化する五つの再生方針が示されております。
六ページには、青山霊園におけるさらに具体的な取り組みとして、自然資源、人文資源の保全と活用、緑地空間としての整備などについて、再生方針との関係チャートを掲げています。
七ページ、八ページには、青山霊園における再生のイメージがより具体的に示されております。
九ページには、青山霊園の再生を進める上で配慮すべき事項として、施設の再生に当たっての留意点や制度手法の整備充実、一般利用と霊園利用の調整、都民、使用者への周知などの必要があるとしています。
九ページ下段からは、2、青山霊園再生のための制度手法の創設としまして、霊園の再生を実現するために必要となる各種の制度手法について提案がなされております。
(1)、散在する空地を集約する手法として墓所移転制度でございますが、恐れ入れますが、本編二七ページをごらんいただきたいと存じます。ページの中ほどにイメージ図がありますが、左のように散在している空き墓所を、墓所の移転によって右のように集約し、広場など憩いの空間として活用を図るものでございます。こうした移転については、東京都が費用を負担することが提案されております。
概要版の九ページにお戻りいただきたいと存じます。(2)、空地を拡大し有効利用を図る手法としましては、合葬式墓地等による用地の高度利用や無縁墳墓整理の促進、再生支援のための墓所返還特例などが提案されております。本編では二八ページから三〇ページに記載されております。
概要版の一〇ページですが、(3)、積極的な管理を行う手法といたしまして、霊園内の自然資源を良好に保全し育てていくための緑の保全と創造、約半分の面積を占める墓所の使用者に、霊園全体の空間形成に協力を呼びかけるような個人墓所の適正管理、また、名誉都民のレリーフなど歴史的人文資源の保全と活用を図る制度が提案されております。
続きまして、(4)、再生事業における財源の確保としまして、再生を進める財源確保制度が提案されております。空き墓所の一部貸付は、霊園と公園の共存という将来像に反しない範囲で墓所を貸し付け、その収入を財源の一部として再生事業に活用するというものです。その場合の使用料については、近傍類似の墓地永代使用料等を参考とし、使用者の受ける利益を適正に評価すること、墓所の区画の種類を用意するなど、都民の多様なニーズに対応できるよう検討すべきことなどが述べられております。本編では三五ページに記載されております。
3、青山霊園再生のスケジュールですが、青山霊園の再生については、五年程度で一定の成果を得て、十五年程度でテーマの実現を目指すべきであると述べております。本編では三六ページに記載されております。
一〇ページの最後は、第3、他の区部霊園の検討としまして、お手数ですが、本編のページをめくっていただきまして、本編三七ページでございますが、ここでは、リーディングプロジェクトである青山霊園以外の区部霊園については、それぞれ立地条件や特性が異なることから、そうした違いを踏まえて、ページの最後の段落になりますが、他の区部霊園の将来像や実現手法については、今後、地形、地勢、周辺の土地利用や公共インフラの整備状況、地元自治体のまちづくりの意向、想定される利用者像、霊園の有する自然資源や歴史的人文資源の量や質の違いなど、立地条件や特性に応じて個別に検討する必要があると指摘しております。
また、本編の四三ページから、附属資料としまして、パブリックコメントで寄せられた都民の皆様のご意見をまとめてございます。
以上、東京都公園審議会答申、「区部霊園の管理について」の内容についてご報告をさせていただきました。
○高島委員長 報告は終わりました。
なお、本件に対する質問等につきましては後ほど行いますので、ご了承願います。
次に、株式会社東京スタジアムにおけるネーミングライツの導入についての報告を聴取します。
○高西多摩ニュータウン事業部長 それでは、株式会社東京スタジアムにおけますネーミングライツの導入についてご説明させていただきます。
お手元にお配りしております資料3、「株式会社東京スタジアムにおけるネーミング・ライツの導入について」をごらんください。
表紙をお開きいただきまして、本件につきましては、東京都の監理団体であります株式会社東京スタジアムと味の素株式会社とで東京スタジアムにおけるネーミングライツについて基本合意に達し、去る十一月二十九日に、両者により調印が行われたものでございます。
新名称は「味の素スタジアム」となりまして、Jリーグ二〇〇三年シーズンの開幕に合わせて、平成十五年三月一日より、この新しい名称が使用される予定でございます。
契約期間及び金額でございますが、平成十五年三月一日から平成二十年二月末日までの五年間で十二億円となっております。
今回のネーミングライツの導入による効果でございますが、株式会社東京スタジアムの経営基盤が強化され、安定的な独立採算運営が可能となるものと考えております。また、公共施設としては日本初の導入事例となり、東京スタジアムの知名度が向上するとともに、新たな施設運営の道を開くものでございます。さらに、施設の改善や施設利用者へのサービスの向上等、地域への還元を行うことができるものと期待しております。
以上でご報告を終わらせていただきます。ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
○高島委員長 報告は終わりました。
ただいまの報告及び先ほどの区部霊園の管理についての報告に対し、ご質問等がありましたら、発言を願います。
○小磯委員 まず初めに、ネーミングライツの方のことについてご質問をさせていただきます。
五年間で十二億円ということで、本会議等においても石原都知事からお話があって、大変効果のある事業だと思っておりますけれども、まず、このネーミングライツの導入によって名称を変更するということでございますけれども、これによってスポンサー企業と施設の経営の関係がどうなるのかをお伺いしたいと思います。
○高西多摩ニュータウン事業部長 スポンサー企業と施設の経営との関係でございますが、今回のネーミングライツにつきましては、味の素株式会社は、スポンサーとして命名権を取得するだけではなく、東京スタジアムとともに利用者サービスの向上など運営面においても協力していくこととなるものでございます。
しかしながら、施設の管理運営権はあくまで株式会社東京スタジアムが有するものでございまして、味の素株式会社は経営に関する決定権を持つものではございません。
○小磯委員 経営そのものは、引き続きスタジアムで当たるということでございます。
それで、今後ほかの施設もぜひともというご意見もあるかと思うんですけれども、いわゆるそういうネーミングライツの導入が可能な施設の条件としてどういうことが考えられるのか、お伺いしたいと思います。
○高西多摩ニュータウン事業部長 ネーミングライツと申しますのは、企業にとりましては広告宣伝手法の一種ということがいえます。一般的には、まずマスコミにしばしば取り上げられたり、あるいは集客力があるなど、広く一般に知られている施設であること、そして、企業のイメージや経営戦略と施設設立の趣旨が合致しているということなどがスポンサーとなる条件であると考えられるかと思います。
また、現在の経済情勢のもとではなかなか厳しい面もありますが、施設によりましては、その種別や規模によらず、施設の持っている特色ですとか個性ですとかを生かしたネーミングライツというものもあり得ようかと思います。
○小磯委員 ネーミングライツを導入することによって、例えば名前がそういう名前になるというのはわかるんですけれども、それ以外に何がどのように変わるかという、その辺をちょっと具体的にイメージをいっていただければと思うのですが。
○高西多摩ニュータウン事業部長 東京スタジアムは、平成十三年度の入場者は百万人を超えまして、また一億円の営業利益を上げるなど、経営は順調に推移しております。一方、収入の大半をイベント収入に依存しているという不安定要因もありまして、今回のネーミングライツの導入は、一定の期間、安定した収入が得られることになりまして、経営基盤が強化されるということになります。
これによりまして、施設の改善、充実でありますとか、あるいは利用料金の割引、それからまた、味の素株式会社の協力を得ましていろいろなイベントを実施するということがありまして、地域や利用者へのサービスの向上を図り、スポーツの振興ですとか地域の活性化に貢献できるというふうに考えております。
○小磯委員 利用者の利用料金の割引があるというのは、これは大変ありがたいことであるかなと思いますので、ぜひとも検討というのではなくて実現をさせていただきたいというふうに思っております。
今回、ネーミングライツは初めてのことでありまして、そういった意味では全国的な注目を浴びていると思うわけでございますけれども、いわゆるこの制度が普及するかどうかは、一に東京スタジアムがどうなるかというその辺の取り組みにかかっていると思っております。そういった意味で、導入のメリットが十分出るような対策を実施して、将来につなげていくべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○高西多摩ニュータウン事業部長 今回の味の素株式会社とのネーミングライツの契約期間は五年間でございます。これを将来につなげるために、契約延長を含め安定的にスポンサー企業を確保するためには、企業にとってネーミングライツのメリットを示していくことが大変重要であると考えております。
今後は、各種メディアでのこの新しい名前の使用や交通機関等の案内標示の変更をお願いしまして、新名称の普及を図るとともに、事業の充実やサービスの向上に努め、利用者や地域の方々により愛され、親しまれる施設となるよう努力してまいります。
○小磯委員 続いて、東京都の公園審議会の報告についてお伺いをしたいと思います。
この答申を見ますと、バリアフリーについてちょっと触れていないような感じがいたします。意見の中にバリアフリーのことが何点か書かれてございまして、そういった意味で、車いすの方、また視覚障害者の方もいらっしゃるわけでございまして、答申の中に、青山霊園については回遊ルートの確立でありますとか説明板の設置、また管理所のインフォメーション機能の強化、こういったことが書かれてありまして、そういったものについて、やはりバリアフリーへの十分な配慮が必要であると思うわけでございますが、その点についてのお考えをお願いします。
○安藤公園緑地部長 答申にはバリアフリーについて特に触れられておりませんが、霊園の園路、広場等の整備に当たりましては、福祉のまちづくり条例に基づく施設整備マニュアルというのがありまして、それにより実施しております。
今後、答申の具体化について検討をしていく際には、委員ご指摘のバリアフリーにも十分配慮してまいります。
○小磯委員 答申では、青山霊園が国内外から多くの来訪者を迎えるための観光資源であり、東京の魅力を伝える東京の顔として再生すべきである、こういったことが方針の中に書かれてあるわけでございますが、それを実現するためには、例えば青山霊園を含んだパンフレットの作成でありますとか、また史跡めぐりのルートの中にこういったものを入れるとか、そのような広報活動というものを積極的にすべきだと思いますが、この点についていかがでございましょうか。
○安藤公園緑地部長 答申でもありますが、区部霊園には、百三十年の歴史の中で、近代日本の歴史に名を刻む著名人の墓所などの歴史的な人文資源や開設当時からはぐくまれた巨樹などの自然資源があり、こうした資源を活用するためには積極的な広報活動が必要と考えております。
今後、答申の具体化に当たりましては、工夫を凝らし、各種のPR活動に取り組んでまいります。
○小磯委員 墓地の中で合葬式墓地というのが今大変ニーズが高いんじゃないかなと思っておりますけれども、合葬式墓地のニーズについてどのように考えておられるか、その点をお伺いしたいと思います。
○安藤公園緑地部長 合葬式墓地でございますが、将来にわたって管理の心配がなく、個人でも利用できるため、子どもを持たない方や結婚しない方、身寄りのない方などが安心して利用できる施設でございます。そのため、少子高齢化や核家族化が進んだ現在の社会情勢におきまして高いニーズがあるものと考えております。
○小磯委員 この合葬式墓地も、それからまた墓所の貸し付けも、なるべく早くやってもらいたいという要望があるんですけれども、これは、条例が出てそれが始まるのでしょうけれども、いつごろから始まるか、答弁お願いできませんか。
○安藤公園緑地部長 公園審議会の答申を十二月五日にいただきまして、現在検討中でございます。したがいまして、内容について今精査しているところでございますので、ご答弁についてはご理解いただきたいと思います。
○小磯委員 ぜひ早期の貸し付けをお願いしたいと思っております。
ところで、青山霊園以外の他の区部霊園については、やはり地元自治体の意向というのが大事ではないかなというふうに思っております。今後検討していくということでございますけれども、例えば検討するにしても、いつぐらいから検討を始めて、いつぐらいまでに大体の方針を決めていくという、そういったタイムスケジュールとかその辺があればなと思うわけでございますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
○安藤公園緑地部長 今後のスケジュールでございますが、委員ご指摘のように、早期に貸し付けとかという都民の声も今配布されたパブリックコメントの中に載っておりますが、そういうことを受けとめまして、私ども今現在検討中でございますので、ご理解をお願いしたいと思います。
○小磯委員 それで、青山霊園以外の他の区部霊園についてはどうかということで……。
○安藤公園緑地部長 大変申しわけございません。答弁漏れがございました。
他の区部霊園についてでございますが、答申では、区部の四霊園につきましては立地条件や特性が大きく異なっておりまして、それぞれの霊園の将来像や実現手法は、今後、地形、地勢、周辺の土地利用や公共インフラの整備状況、地元自治体のまちづくりの意向、想定される利用者像などに応じて個別に検討する必要があるとしております。都としましては、答申の内容を踏まえまして、今後対応してまいりたいと考えております。
○池田委員 この東京都公園審議会の「区部霊園の管理について」の答申の報告を受けました。私、冒頭に確認しておきたいというふうに思うのですが、この本編の八ページに、区部霊園の将来像、そして(1)に全面公園化の問題点というふうに触れています。ここの中で、青山霊園と谷中霊園については昭和三十五年以来、雑司ヶ谷、染井霊園については昭和三十七年以来貸し付けを停止してきていると。そして、公園として全面的に空地化することを目指してきたと書いてあるんですね。
全面的に空地化するということは、言葉上とらえれば、更地に平たくしちゃう、こういうふうに考えられてきたのでしょうか。
○安藤公園緑地部長 全面公園化の趣旨でございますが、郊外等に受け皿を設けまして、その墓所を移転するという構想のもとに考えられてきたものだというふうに受けとめております。
○池田委員 私は、これらの霊園が、先ほど来報告があったように、例えば歴史的な人文資源だとか、それから大樹があって緑が多いという状態の中で、やはり貴重な東京都の文化資源であり、緑の緑被率からしても重要なものだと。今のお話だと、こういうものをすべてなくしちゃうというふうなことで考えられてきたと。しかし、これは違うんじゃないですか。
経過の中で、公園と墓地をどういうふうに共存させていくかというのは、今回の答申を受ける前からいろんなところで議論されてきているんですよ。そういう経過はご存じですか。
○安藤公園緑地部長 その経過の前に一言ご説明させていただきたいと思いますが、昭和四十六年でございますけれども、東京都公園審議会、当時の美濃部知事の時代でございますが、区部に存する都営霊園は早急に改葬するよう努力し、その跡地は公園とするというふうなことで答申をいただいているので、先ほどそういうふうな形で答弁させていただいたところでございます。
○池田委員 余り機械的な話を--私は、やはり現実を踏まえてやるべきだというふうに考えているんです。ですから、これを見ると、全面的に空地化すると。そうすると、やはり歴史的にも重要な自然資源や人文資源というものを全部ほかへ持っていっちゃうんじゃないかと、こういうふうに誤解を与えられるんじゃないですか。その辺はどうなんでしょうか。私はやっぱり違うというふうに思うんですよ。
問題は、やはりこの間いろいろな努力をして、四つの霊園について、いってみれば墓地公園化というんでしょうかね、言葉としては。こういう言葉を使って、やろうという努力が進められてきているはずなんですよ。ちょっとその辺を確認してください。
○安藤公園緑地部長 全面公園化につきましては、委員お話しのように、いろいろ問題点があるというふうに、かねてから私ども内部ではいろいろ考えておりましたが、そういう経緯のもとで、今回、知事が公園審議会に答申を出しまして、このような答申になったものというふうに考えております。
したがいまして、委員お話しのように、全面公園化について必ず問題がないというふうには受けとめておりません。
○池田委員 私は、今度の答申の中でいわれているように、公園と墓地が一体のものとして生かされている。当然の話だと思うんです。先ほど来いうように、歴史的な貴重なものがあるわけだし、自然、緑の面からいっても、やはり東京都としての重要な財産なわけですから、それを機械的にこういう形でくくるというのは非常に気になったものですから、一言いわせてもらいました。
それで、青山霊園の総面積は約二十六万三千五百平米あります。そのうち、墓所面積は十二万八千平米あります。墓地公園面積と墓地の面積をそれぞれどのぐらいの比率にして考えて、要するに公園と墓地を共存させて一体のものとしてやろうとしているのか。例えば今の数字は、全体の総面積からすると、墓所面積、つまり約四八%あります。そういう議論は都でされているんですか。
○安藤公園緑地部長 公園審議会では、青山霊園の再生につきましてさまざまな議論がされているところでございますが、どのぐらいの比率のものになったら霊園と公園が共存するのかということにつきましては、今後、答申を受けて、私ども考えていきたいと思います。審議会の場では、あくまでも公園と霊園の共存という大方針が示されたものというふうに受けとめております。
○池田委員 今度の答申の中でもう一つ重大なものは、今まで青山霊園も谷中も雑司ヶ谷も染井も貸し付けをストップしてきたわけです。しかし、これを今度は、青山霊園では貸し付けをやろうということで大きな転換になってきているわけですね。
そういう中で、先ほど申し上げたように、実際に公園と墓地を一体のものとしてこれから構想していくという場合に、青山霊園でいえば、今まで空き墓地として出てきたものを貸し付けを始めようというわけでしょう。どのぐらいの貸し付けをやろうとしているか議論もしないで、今、全体の中身としてイメージが出ないじゃないですか。その辺はどういう議論をされているんですか。
○安藤公園緑地部長 公園審議会では、霊園の再生のためにどのような再生を図るかというところでさまざまなご議論がなされました。例えば空地を集約するということでございまして、これまで空き墓地につきましては、その個々人の状況によりまして発生するものでございますが、面積としては相当ございますけれども、それが都民が適切に利用できる状態になっていないということで、そういうものを集約すべきだとか、都民が集える広場をつくるべきだとか、園路の整備もすべきだというさまざまな議論がなされまして、何分、そうした場合に財源というものが当然必要になるわけでございまして、この審議会では、ストックマネジメントという観点から、都民に税負担というものが極力ないような形で考えるべきだということで、再整備を図るために貸し付けを再開しようというふうな結論になってございます。
あくまでも霊園の今回の貸し付けにつきましては、再整備というのが前提になっております。再整備をするための限度で貸し付けをすべきだと。その具体的な数値等につきましては、今後私どもで詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○池田委員 新たな財源対策ということで、再整備に必要な財源を得るために、今まで貸し付けをストップしていたものを今度は貸し付けを始めようと、こういう話になっているわけでしょう。私は、やっぱりその前に、先ほど来いうように、青山霊園のイメージとして、どういうものをつくろうとしているかということも明らかにしないままに、そういう財源を得るためにということだけ先行して、それだけがはっきりしているというのは、変ないい方かもわかりませんけれども、今度の答申の一つの特徴だというふうに思うんです。
本編の二五ページを見ていただきたいと思うんです。青山霊園の土地利用状況と書いてあります。これが現状だと思うんです。ここまで書いてあって、それではどういうものをつくろうかということについてのイメージが全く語られないなんていうのは、私はおかしいというふうに思うんですよ。これはそういう私の意見です。
そういう立場から考えたときに、やはり今回の霊園の管理のあり方の大きなポイントというのは、新しく貸し付けを始める、こういう話になるわけですね。そうすると、実際にここに語られている、答申の中でいわれている使用料、今までは青山霊園はずっとストップしていますから比較の対象にはならないけれども、実際に答申による近くの民間の墓園との関係で見ていった場合には、算定方式が、今、東京都が霊園を貸し出すときに、例えば今やっている多磨だとか八柱、それから小平だとかいろいろやっていますね。こういうところと比較して、実際に青山霊園の場合、大体どのぐらいになるんですか。
○安藤公園緑地部長 先ほどご答弁いたしましたように、十二月五日に私どもは答申をいただいたわけでございまして、現在検討中でございます。
ただ、新聞報道によりますと、いろいろな報道がなされているように見ています。例えば、青山霊園はブランドがあるとか、それから一千数百万の価値があるとかというような新聞記事が載っておりますが、それは私どもが計算している全然論外のことでございまして、現在検討中でございます。
○池田委員 検討中ということですから、余りこのことで私がいう必要はないというふうに思いますが……。
このいただいた新聞の資料によると、民間の基準から、使用料は二百万円を超えるだろうと。これは社団法人の全日本墓園協会の方が語ったそうでありますけれども、こういう記事も出ているんです。
私は、やはりそういう意味で、検討中だというからそれ以上のことはいいませんけれども、本当に東京の貴重な人文資源だとか森林だとか緑のものをどう保存していくか、そして、一体として都民が大いに利用、活用できるようなそういう方向を考えていくというのが、やはりもっと中心的な問題として具体化されていく必要があるだろうということは、今までずっといわれてきたわけです。
この間ずっと、無縁仏だとか返還の墓地だとか、そういう整備がなかなか進まないということで思うようにいかなかったのは当然の話としても、やはり基本的なところはどうもあいまいだというふうに思って、その辺はかなり厳しいことをいったわけですが、ぜひ私が今お話ししたような経過があるわけですから、その辺を踏まえて具体的な計画を立ててもらいたいというふうに思います。
○安藤公園緑地部長 先ほど委員お話しの整備計画ということについて触れられましたので、若干説明させていただきたいと思います。
本編の二三ページをお開きいただきたいと思います。そこに施設再生方針図という図が記載されております。凡例の方をごらんいただきたいのでございますが、整備方針・内容として具体的に、霊園の森を象徴する広場、霊園の森のエントランス、霊園内の散策と回遊、滞留機能を担保する小広場、霊園周辺部から直接利用できる中規模広場、霊園周辺部からの景観に配慮した緩衝緑地帯、霊園の骨格となる園路、霊園道路、大径木を初めとした緑空間の保全、歴史的な人文資源の活用、その他、照明、サイン、舗装、沿道植栽、凡例を設けまして、左側の図にございますとおり、ちょっとひょうたん型をしておりますが、ここにこういう形のイメージ図で園路をつくって、エントランスを左右に設けまして、霊園の森を象徴する広場、これは例でございますが、オレンジ色で二カ所書いてあるというようなこと。それからまた、黒点で歴史的な人文資源の活用というのをイメージ図で書いておりまして、私どもとしては、今回の公園審議会の答申は、非常に具体的なものをいただいたものだと。
制度、それから再生方針図まで、通常ここまで示させていただけないものなのですが、かなり踏み込んだ答申をいただいているというふうに受けとめておりまして、これを重く受けとめまして、今後私どもとしては、より一層具体的な整備計画をつくってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○池田委員 そこで、先ほど整備計画の中身が具体的にされていくスケジュールという話がありましたけれども、五年以内に具体化し、十五年には大体実現をするという話ですね。そこの中で、今出されたこういう中身について具体化していくということなんですね。それはいいですね。
それで、二つ目にちょっと確認をしたいんですが、この三七ページ、他の区部霊園についてというところで触れているところの問題です。実は、この青山霊園というのがリーディングプロジェクトとして先行して、今回の答申では青山霊園に一つのスポットが当たっているわけですね。しかし、問題は、他の区の霊園にどういうふうにこの問題がかかわっていくか、こういう話になるわけです。
そこで、豊島区では雑司ヶ谷と染井墓地がある。豊島区長から意見書が出ているわけです。この内容をちょっと紹介してください。
○安藤公園緑地部長 お尋ねの意見につきましては、地元自治体の意向の反映、それから他霊園への転出等、他の都立霊園の墓所を優先的に貸し付けるなどの要望が寄せられております。
○池田委員 それと、ことしの二月、当委員会で雑司が谷墓地の墓地公園化に関する請願というのが出されて審議をいたしました。そして、一、二、三項あった中で、一項として、雑司ヶ谷墓地内に計画的に空き地を生み出すためのゾーンを指定することだとか、それから、計画ゾーンから空き墓地への移転を推進することだとか、こういう請願がここで採択をされているわけですね。
そうすると、地元の区長だとか、当委員会で都議会として意思を表明したのですけれども、この辺は先ほどご説明があったし、また三七ページに書いてありますけれども、他の区部霊園にかかわって、地元の自治体のまちづくりの意向だとか、地域の公共インフラの整備状況だとか、いろいろなものにかかわって今後個別的に相談をしていくんだというふうになっていますね。そういうことでいいんですか。
○安藤公園緑地部長 雑司が谷墓地の墓地公園化に関する請願につきましては、委員ご指摘のとおり、ゾーンの指定、それから計画ゾーンから空き墓地へ移転を推進してほしいということで趣旨採択されております。
今後、他の区部霊園の取り扱いでございますけれども、現在、青山霊園におきまして、リーディングプロジェクトとして答申が寄せられた状況でございます。その最終の方に他の都立霊園についての記述がなされております。今後、その答申の趣旨を踏まえまして個別に検討を進めていきたい、かように考えております。
○池田委員 ここでいっているんですけれども、この青山霊園をリーディングプロジェクトとして検討してきたけれども、区部の四霊園の立地条件や特性は大きく異なっているということで、この制度、手法が他の区部霊園にそのまま適用できるものとはいえない、こういうふうにいわれているわけです。
そして、地元の区長からも出ているように、また、当委員会で請願を審議したときにも私は強調したのですけれども、この豊島区の雑司ヶ谷霊園というのは避難場所になっているわけですね。それから、あの地域一帯の中では、不燃化促進事業だとか、そういう防災の視点からのまちづくりもやられている。それから、雑司ヶ谷霊園の周りにはインナーリンクをつくるということも含めて、やはり具体的な地元区の計画があるわけです。
だから、そういうものについては、まさに個別の問題として、青山霊園の答申とは違う、そういう中身として検討をするということが大事だと思うんです。その辺は確認できますね。
○安藤公園緑地部長 今回の答申でございますが、青山霊園も避難場所に指定されておりまして、青山霊園の再整備につきまして、青山霊園の空き墓所を再貸付するとともに、集約しながら整備を進めていくということで答申が出されております。
他の区部霊園につきましては個別にということでございますので、今後個別に検討していくようになろうかと思いますけれども、あくまでも委員お話しの霊園と公園が共存するんだという立場から個別に検討をさせていただきたい。その際には、地元区の意見を聞いてまいりたいというふうに考えております。
○池田委員 きょうは、この答申が出されて即ということですから、先ほど来いわれるように、検討中ということが中心になっているんだろうというふうに思いますから、これ以上具体的な問題で私は詰めるわけではありませんけれども、地元区の今までのまちづくりだとか、住民から出されているさまざまな要望だとか、または区から出されているこういう意見に十分こたえていくということで進めていくべきだということを重ねて要望して、終わります。
○高島委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、二件の報告事項に対する質疑はいずれも終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
なお、この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をしたいと思います。
午後二時一分休憩
午後二時十四分開議
○高島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより住宅局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第二百三十三号議案、東京都営住宅条例の一部を改正する条例及び第二百三十四号議案、東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○梶原総務部長 去る十一月二十七日の本委員会におきましてご要求のありました資料についてご説明申し上げます。
お手元の資料1、建設・住宅委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
表紙を開いていただきますと目次がございますが、合計二件の資料の件名を掲げております。
初めに、一ページをお開き願います。1は、規則等で定める予定の事項概要でございます。
今定例会に提出しております東京都営住宅条例の一部を改正する条例及び東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例について、今後規則等で定める予定の項目及びその内容を記載しております。
二ページをお開き願います。2は、都営住宅応募状況でございます。
平成四年度から平成十三年度につきまして、上段は新築及び空き家の募集の応募状況を、下段にはポイント方式による募集の応募状況を記載しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○高島委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○吉原委員 それでは、都営住宅条例の改正に関しまして、若干質問をさせていただきたいと思っております。
つい昨今に、国土交通省より、危険で有害な状況になったマンションに対して市町村が建てかえ勧告をする際の数値基準というものを公表されました。三つの項目によってその評価をするようになっているようでありますけれども、今、この改正に際しまして、都営住宅を公募によらず入居を認めるというのも条例改正の中で出てきたわけでありますけれども、全般的な国土交通省の勧告制度というもの、あるいは今度の改正に当たって、都営住宅を公募によらず入居を認めるという内容について、若干で結構ですので、制度的なことを説明いただければありがたいな、そういうふうに思います。
○松田民間住宅施策推進担当部長 まず、勧告の制度についてでございますが、老朽化が進展し、危険または衛生上有害な状況にありますマンションで一定の基準に該当するものの区分所有者に対し、区市町村長が建てかえの勧告を行うものでございます。これによりまして建てかえの合意形成を促すとともに、区分所有者による自発的な建てかえを実現しようとするものでございます。
次に、条例に係ります事項でございますが、簡単に申し上げるのが少し難しいので、若干説明をさせていただきます。
建てかえ勧告を受けましたマンションの居住者等の居住の安定につきましては、マンション建替円滑化法では、まず地元の住宅事情に最も精通しております市区町村長が、居住者等の要請に基づきまして、代替の住居などの提供またはあっせんに努めなければならないこととされております。
さらに、居住者などは、居住の安定のための計画を策定し、区市町村長の認定を申請することができます。この認定を受けた計画の中で代替住居として公営住宅が定められている転出者に対しましては、公営住宅に公募によらず入居ができるとともに、家賃の減額が受けられることとなっております。
このような転出者の居住安定のための措置に対応するため、今回、公営住宅の入居等の特例を設けることを含む条例改正を提案するものでございます。
○吉原委員 この勧告制度の中には、勧告というものについては、まあ勧告ですから、きっと法的な強制力はないものだろうと思いますけれども、そういう認識でよろしいでしょうか。
○松田民間住宅施策推進担当部長 ご指摘のとおり、勧告に法的な強制力はございません。
○吉原委員 法的な強制力が勧告にはないというわけでありますから、それはそれでいいとは思いますけれども、勧告が出されたマンションに住まれる方々にとっては、かなり深刻な問題だろうと思うんです。そして、もし勧告の結果、出ていかなければならないような状況になったときに、住居の確保だとか、そういうものについてはいろんな配慮をしなければならないと思うんですけれども、どのような配慮があるのか、お尋ねをいたします。
○松田民間住宅施策推進担当部長 先ほどの説明の若干繰り返しになって恐縮でございますが、まずは市町村長が代替の住居等のあっせんまたは提供を行うこととなっております。
次に、居住者等の提出いたします居住安定計画が市町村長によりまして認定されますと、公営住宅に公募によらず入居ができるとともに、家賃の減額が受けられることとなっております。
このほか、市町村長の裁量によりまして、引っ越し料の支払いなどが行われることになっております。
○吉原委員 私の地元の町田にも、かなりの老朽化に近くなったようなマンションがたくさんあるわけでありますけれども、公団住宅や公社住宅も、トータル的にはもう三千二百を超える。三十年以上たったものがそのぐらいあるわけでありまして、そのところに住む方々にとっては、これからさらに年数を重ねていくに従って、その勧告が出たらどうしたらいいんだろうというように悩む方もたくさん出てくるんだろうと思います。
しかしながら、都市基盤整備とか住宅環境だとか、そういった意味から考えても、やっぱりこういうことは大変必要なことだろうと思っておりますので、よりそういう制度を進めるに当たって、市町村の方とも連携をとっていただきながら、住んでいる方にとっても、ぜひともさまざまな角度からの声をお願いをさせていただきたいと思っております。
それともう一点、期限つき入居制度についてお伺いをさせていただくわけであります。若年ファミリー世帯へ優先的に都営住宅を供給することは、今いわれております少子化対策だとか、地域の活性化を図る面からも大変重要な施策だとは思うわけであります。そのためにも、都心地域などの利便性の高い地域においては、多くの若年ファミリー世帯に対して公平に都営住宅を提供していくことは、入居期間を限定する必要があるのではないか、そういうふうに思うわけであります。
こうしたことから、我が自由民主党としても、昨年来より特定都営住宅に導入した期限つき入居制度を一般都営住宅にも拡大するように要請をさせていただいてまいりました。知事も所信表明の中では、国で初めて導入した期限つき入居制度だ、そして、地域の実情に応じて導入できるようにこれまで繰り返し法改正を要求してきたが、国の動きが見えないことから、可能なものについて、国の対応をまつことなく独自に踏み切るべきと判断をした、そういうふうに述べられていることでありまして、そういった都民が求めているニーズに対して、俊敏に、あるいはスピーディーに対応していただいたものだというふうに評価をさせていただいているところでもあります。
しかしながら、この条例改正の中に、一カ所だけ明確にしなければならないのではないか、そういう点があるわけでありまして、その点について質問させていただくわけでありますけれども、第三十九条の二の三号の規定についてであります。
この規定の中には、前の三十九条二の第二号に掲げるもののほか、「一時的に住宅に困窮することとなる者のうち住宅政策上特に必要があるものとして規則で定める者」云々とあるわけでありますけれども、本当にこういった漠然とした条例の書き方といいましょうか、つくり方といいましょうか、そういうものが本当にいいのかな、そういうふうに思っているわけであります。
当然のことながら、今回の期限つき入居制度のような新たな政策を実施するというときには、その具体的な施策対象が決められていなければならないと思っているわけでありまして、お聞きするところによりますと、法律や条例にもこうした書き方があるというふうにお話をお聞きするわけでありますが、しかしながら、今回の条例改正案のような新たな施策展開に当たっては、当然具体的に決められていくべきではないかな、そういうふうに思うわけであります。
まず、なぜこのような規定を設けたのか、お伺いをさせていただきます。
○野澤参事 第三号の規定につきましては、公営住宅階層の一時的な住宅困窮者の方への支援につきまして、社会経済状況の変化に機敏に対応していくため、制度上の枠として設けたものでございます。
今後、新たな具体的なニーズが発生した場合に、機敏かつ的確に対応できるよう、あらかじめ規定を用意させていただいたものでございます。
○吉原委員 そのお話はわからないわけではありませんけれども、しかしながら、全国に先駆けてこの施策を展開する、そういう知事の強い意思のもとにできたわけでありますから、全く具体的な考えがない中でこの三つ目のやつをつくったということは到底考えられないわけでありまして、もし何かそれに対してのこういった想定があるんだよというものがあるようであれば、お伺いをさせていただきたいと思います。
○野澤参事 現時点では、具体的に仕組みとして固まったものはございませんが、今回のマンション建てかえ支援に見られるような、一時的に住宅に困窮する公営住宅階層の方々に限定して適用することを考えております。
例えば、喫緊の課題でございます木造住宅密集地域の整備を促進する上で支援となるような場合が考えられると思っております。
○吉原委員 今こうやって改正が進んできているわけでありますから、この時点で、今いわれたようなことも含めて入れていただきたいということは無理があろうかと思いますので、そのことはさておきまして、いずれにいたしましても、この改正が通っていくと、来年度、十五年度の四月一日からスタートされるというふうにお聞きしているわけでありますから、まだしばらくの期間があるわけでありまして、ぜひそれまでには何らかの形で入れていただくとありがたいなと思うわけであります。
やっぱり、こういった状況の中で一時的に住宅に困窮している方々ということになっておりますと、都民の皆様からは、さまざまな住宅に困窮している人がいると自分で思っている方がたくさんいるわけでありまして、そういった場合については、なぜ私が入れないんだという問い合わせが多分来てしまうのではないかなという危惧をしているわけであります。
そういった意味では、条例でありますから、条例の中に細かく入れるというよりも、また規則を別につくるということになるのだろうと思いますけれども、ぜひともきめ細やかな形で、都民の皆さんが、あるいはそういうことを希望する皆さんが、見ていただいたときに、ああ、このことだったらよくわかるよというようなものをぜひつくっていただきたいな、そういうふうに思っているわけであります。
さまざまな方々の中から、全体的にも、この住宅の改正については反対だといわれる方々もいらっしゃるわけでありますけれども、私は決してそういうふうに思っておりません。やっぱり公平な形で公営住宅というものを都民の皆さんに活用していただくその規則をつくっていく中で、どうしてもさまざまな規約があったり、規則があったりするということは当然でありますから、そういった意味でも、これから積極的に前向きな形で、公平、公正性が保てるような形で、こういった条例も含めて推進していただきたい、そのことをお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○小磯委員 都営住宅の改正についてのご質問をさせていただきます。
本会議でも、我が党は木内政調会長より申し上げたわけでございますけれども、都営住宅の本来の目的は住宅困窮者への住宅供給であるという、この基本的な概念はいささかも変更があってはならない、このように思うわけでございます。そういった意味で、公営住宅法の趣旨からいえば、期限つき入居制度の対象の戸数については、やはり歯どめがなければいけないんじゃないかなと、こう思っているわけでございます。
例えば、都営住宅全体の戸数の何%までとするなど数値を決めることなどが考えられるわけでございますけれども、東京都としてはどういうことで歯どめをしているというふうに考えているか、具体的にお願いしたいと思います。
○野澤参事 今回の一般都営住宅への拡大に当たりましては、公営住宅法の趣旨に沿って、公営住宅階層の居住の安定に配慮するとともに、対象を特定の世帯及び住宅に限定しております。具体的には、若年ファミリー世帯を対象に、住宅につきましては、特定の地域、利便性、建設年度等の限定条件を付しているところでございます。
この制度は、現在の居住者には適用はないこととしております。
○小磯委員 規則等で定める予定の事項概要という資料が出ておりますけれども、その4に期間満了時の取り扱いということで、若年ファミリー世帯については、都営住宅の入居資格がある場合に、希望により住宅をあっせんということで、期限つきが十年たったときに、その世帯の方が都営住宅の入居資格があって、しかも希望している場合は引き続いて都営住宅に入れるということをいっていると思うんですけれども、これはあっせんということでございますが、間違いなく次の都営が確保されているということでよろしいわけですね。
○野澤参事 十年の期間が満了した時点におきまして、都営住宅の入居資格がある方に対しましては、希望により他の都営住宅をあっせんすることとしております。
○小磯委員 要するに、間違いなく次の都営が確保されているかという質問に対して、もう一回ご答弁を……。
○野澤参事 十年後の空き家の状況というのがございますけれども、最大限の努力をいたしまして、確保するように努めてまいります。ほぼ確保しているというふうに(「空き家がまだないんだから確保はしていないんだよ」と呼ぶ者あり)確保するよう最大限の努力をいたします。
○小磯委員 確保されているということで、次に行きたいと思います。
現在入居している若年ファミリー世帯の方がおられるわけですから、そういう方の声を聞いて、ニーズに合った住居を提供すべきであると、こう思うわけでございます。また、若年ファミリーが入ることによって、高齢化が進んだ都営住宅が活性化される、こういった効果もあろうかと思っているわけでございますが、現在住んでおられる若年ファミリーの方の声といいますか、状況といいますか、どのように把握をされているか、お伺いしたいと思います。
〔「さっきのことはちゃんと訂正しておいた方がいいですよ」と呼ぶ者あり〕
○野澤参事 じゃ、先に答弁を……。
昨年十二月に募集いたしました特定都営住宅の居住者の方々でございますが、団地の自治会活動の参加につきましては、半分程度の方が参加をしているという状況でございます。また、若年ファミリー世帯向けの期限つき入居制度及びこの制度の拡大につきましては、全員の方から支持をいただいているという状況でございます。今後とも、こうした居住者の状況を十分に把握してまいります。
それから、十年後のあっせんの件でございますが、十年の期間満了後、公営住宅階層である場合は、ご希望により他の都営住宅をあっせんすることというふうに制度として定めております。当然、そのあっせんの住宅につきましては、十年後の空き家の状況等を勘案しながらあっせんしていく形になりますので、それをあっせんできるよう最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。
○小磯委員 マンション建てかえのための一時入居の制度というのがございます。これは大変有効な制度であると思いますが、我が党も主張しております、事業に失敗して住む場所もなくなったけれども、もう一回頑張る、こういった敗者復活を期する方のためのとりあえずの一時入居、こういったことも実現すべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
○野澤参事 ご質問は、条例第三十九条の二の第一項第三号にどういう内容を予定しているのかというご趣旨であると思いますが、この規定につきましては、マンション建てかえに見られるような公営住宅階層の一時的な住宅困窮者への支援につきまして、社会経済状況の変化に機敏に対応していくために制度上の枠として設けたものでございます。ただいまご質問のあったような場合も含めまして、今後検討してまいります。
○小磯委員 また、こうしたマンション建てかえのための一時入居の制度でございますけれども、公社住宅、また特定公共賃貸住宅、こういったものにも導入すべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○野澤参事 住宅供給公社におきましても、マンション建てかえのための一時入居といたしまして、公社住宅を活用することとしております。また、特定公共賃貸住宅につきましても適切に対応してまいります。
○花輪委員 私も、この期限つき入居制度の拡大について幾つか質問をさせていただきます。
いつもお話しさせていただいているんですけれども、この都営住宅というのが、本来は収入が少ない人、住宅に困窮をしている人、そういう方々のためのものであるんだけれども、なぜか都民全体から見ていくと不公平感の象徴のようなものになってしまっているというのが、今、私は残念だなと。今回というか、去年もありましたけれども、期限つき入居制度というものの導入は、この不公平感を少しでも和らげていくという意味では大変大きな意味を持っている。特に収入超過とか高額所得者、そういう方々への対策という意味でも、大変大きな役割を果たしていくんじゃないかというふうに僕は期待をしているわけです。
ですから、今回のこの、去年に続いて一般にも拡大をしていくという、私は去年、これが入るときに、もっと頑張ってくれ、特定だけじゃなくて一般にも広げていこうじゃないかというようなお願いをしました。それがかなったということで、私は大変評価をさせていただいていますし、国が時代認識が甘く、そして地域の実情というものを余り配慮しない。私は、これ、公営住宅法が変わっていかないというのは国の怠慢だというふうに思っています。そういう中で、本当によく皆さんが決断をされてやっていただいたな、そんなふうに考えております。
まず、国が動きが鈍い中で、この決断をしていただいて一般に拡大をするということになった理由、そのあたりを少しご説明いただけますか。
○野澤参事 公営住宅に期限つき入居制度を地域の実情に応じて導入できるよう、これまでも公営住宅法の改正につきまして提案、要求をしてきたところでございます。国の方では今のところ動きがないことから、国の対応をまつことなく、公営住宅法の趣旨に沿いまして、可能なものにつきまして独自に制度の拡大に踏み切るべきと判断をいたしました。
この制度によりまして、都民共有の財産であります都営住宅の利用機会の公平性の確保を図るとともに、地域の活性化にも寄与するものと考えております。
○花輪委員 今回のこの政策というのは、恐らく多くの都民の方に支持をしていただけるというふうに私は確信をしています。今までどうしても都営住宅の問題というのは、どちらかというと今住んでいる人たち、そういうところに目が行きがちだったんですね。確かに住んでいる人たちのことも大切です。
ただ、都民全体のセーフティーネットですよ。収入が少なくなったとき、そしてまた住宅に困窮したとき、そういうときに入るための一つのセーフティーネットです。このセーフティーネットというものを、都民全体から見たときに、ああ、僕たちのセーフティーネットになっているんだなというふうに思っていただくことが私は一番大事だと。住んでいる人の気持ちも大事だけれども、それと同時に、都民全体から理解をされて、自分たちが困ったときに入れる都営住宅であるという、そういうことが私は大変重要だなと。その理解が失われると、都営住宅そのものが、多くの皆さんから今度は冷たい目で見られるという悲しいことになってしまうわけです。
ちょっとお尋ねをしたいんですが、今、収入超過の一番高い方の収入というのは幾らぐらいになっているんですかね。
○野澤参事 給与所得者の例で申し上げますと、夫婦、子ども二人の四人世帯の場合でございますが、総収入が七百八十九万三千円を超えますと高額所得者ということになります。それ以下、すなわち七百八十九万円であれば収入超過者ということになりますので、最高の総収入ということでいえば七百八十九万円程度というふうにいえるかと思います。
○花輪委員 七百八十九万円の人が都営住宅に住んでいられるという、努力義務だから私には出る義務はありませんといって居座っていられるという、これは都民の理解を得られないと私は思いますよ。ひとり暮らしのお年寄りが、生活保護を受けながらも都営住宅に入れない。若年で子どもを背負っている夫婦は、都営住宅に入りたいけれども、入れないから民間の高い家賃を払っている。そういう中で、七百八十九万円の収入がある人が都営住宅に住んでいるという、この不公平感。それで出て行けといえない、このもどかしさ。これは本当に何とかしていかなければいけないことなのではないかな、そんなふうに思います。ですから、今回の条例の制定、できれば私は、今のように限定的な形ではなくして、もっともっと広げていっていただきたいと思うんです。
だって、たしか今、収入超過者というのは、表に出ているだけでも一三・何%かいるわけですよね。表に出ているだけで一三%いるんですよ。これは二十六万戸の一三%ですよ。約三万ですよね。表に出ていない、例えば世帯分離をして所得をごまかしているとか、そういう人も含めたら、これは何割いるかわからないというような話になっているんですよね。
きょうのこの建設・住宅委員会の要求資料を見ていますと、都営住宅の応募状況、十三年の十月のを見ますと、新築で応募した人が二万四千八十六人、空き家の方が二万五千六百三十三人、合わせると、これは約五万弱ですよね。五万の人が入りたいと思って応募している。その裏で、表に出ている収入超過者の数だけで三万以上いる。隠れているのはもっといるわけです。そうすると、この収入超過がきれいになれば、都営住宅をもうふやさないでも、十分、今の状況の中でちゃんと回っていく計算になるのではないかというふうに僕は思うんです。
ですから、この条例は、この収入超過をしっかりと片づけていく意味でも、私は有効な手だてになるんじゃないかなと思っています。だから、全部に、もっともっと一般に広げていただきたい。ここまで頑張ってやってきたんです。ホップ、ステップでここまで来ました。去年がホップだとすれば、ことしはステップ、来年あたりはぜひジャンプということで、制限をもっともっと下げて一般に広げていただきたいと思うのんですが、いかがでしょうか。
○野澤参事 当面、国におきましては、公営住宅法の改正は期待できない状況にございます。都といたしましては、限定的かつ入居者の居住の安定確保にも配慮すれば、法の範囲内で導入は可能であるというふうに判断をいたしました。このため、今回の一般都営住宅の拡大に当たりましては、公営住宅法の趣旨に沿って、公営住宅階層の居住の安定に配慮するとともに、対象を特定の住宅及び世帯に限定し、かつ施策目的も明確にしたところでございます。
なお、期限つき入居制度を都営住宅に一律に導入することにつきましては、公営住宅法の改正が必要であると考えているところでございます。
○花輪委員 まあ、そうですよね。確かに、今回のこのちょっとした改正だけでも、法律に違反しているというふうにいってきている人もたくさんいるわけです。この公営住宅法の本当の趣旨というのは、一条の目的にあるように、「住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸する」という、住宅に困窮する低額所得者、本当に困っている人を救済していくのが公営住宅法の趣旨だというふうに私は考えています。ですから、この公営住宅法の趣旨をしっかりと認識をして、国にぶつかっていってほしいなと。
それに、収入超過だけではなくして、都営住宅というのは、例えば資産なんかは全然勘案をしないわけですよね。去年の収入、前年度所得だけで見ていくわけじゃないですか。そうすると、例えば、ご主人が亡くなっちゃって退職金がたくさん入った方、または生命保険がたくさん入った方、そうやって億という財産を持っていながらも都営住宅に入っていることができるわけですよね。そういう一時所得については、入居のときの審査のいわゆる対象にならないということですから、要は、たくさんの現金とかたくさんの資産--これは家を持っていなきゃいいわけですよね。住宅を持っていなきゃいいわけですから。そういうような方々が都営住宅に住み続けられる。その裏で、本当に困っている人が何度応募しても入れない。そういうような不公平感をなくすために、ぜひ皆さんにも一層努力をしていただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
以上です。
○小松委員 私も、期限つき入居に関します質疑を何点かさせていただきたいと思います。
まず、公営住宅法との関係で伺います。
昨日の池田都議の一般質問に対し、知事は、この制度を導入できるよう国に対し法改正を提案、要求したが、国が動かないので踏み切ったと、こう回答しているわけですが、池田議員の質問は、都営住宅への期限つき入居制度の導入は公営住宅法に違反していると考えるが、どのように認識しているか、こうも聞いているのでありまして、この問いには全く答えていません。改めてここで局長に伺いたいと思います。
○橋本住宅局長 昨日の一般質問の答弁でお答え申し上げましたが、重ねて私の方から申し上げます。
知事が申し上げましたとおり、この制度の導入によりまして、都営住宅は都民共有の財産である、その利用機会の公平性を図るために今回踏み切ったわけでございます。
ご趣旨のお話の、公営住宅、国は定期借家制度はなじまない、こういうことをいっておるわけでございますが、私どもは、地域の実情に応じ、特定の地域、住宅、世帯に限定した上で、しかも公営住宅階層の居住の安定の確保に配慮して導入するわけでございまして、公営住宅法の趣旨を逸脱していないという認識でございます。
○小松委員 石原知事は、昨年の三定ですから九月議会の所信表明で、期限つき入居制度を公営住宅で本格的に導入するには法律の改正が必要といっているわけですね。また、同じ三定の建・住委員会でも、我が党の大山委員の質問に対しても、だからと、小川住宅政策担当部長も、期限つき入居制度を一般の都営に当てはめるためには法改正が必要でございます、こう答弁しているではありませんか。こうした都の認識というのは変わったのでしょうか。
○小川住宅政策担当部長 たびたび知事からも答弁させていただいておりますように、期限つき入居制度を一般都営住宅に全体的に導入できるということについては、これを法律で改正しなければいけないだろうということで要求をしてきたわけでございます。ところが、法改正の動きがないということで、これは知事も述べておりますが、公営住宅法の趣旨にのっとって、可能なものについて独自に制度拡大に踏み切るべきだというふうに判断をした。
私ども、そういうわけで、法改正をまつまでもなく、法の趣旨に沿って可能なものという形で、先ほどからるる述べておりますような施策目的の限定でありますとか、対象階層の限定でありますとか、住戸の限定でありますとか、そういった形で可能だろうということで導入をしたわけでございます。
昨年の三定での議論は、先ほどの議論にもございましたように、要するに公営住宅全体に一律に導入をするということについては法改正が必要である、その考え方は変わっておりません。
○小松委員 昨年の十月の「局報住宅」十号でも、期限つき入居制度は一般都営住宅にも導入すべきものと考えていますが、現行公営住宅法には期間に関する定めがなく、国も公営住宅には定期借家制度はなじまないとの見解を示しております、一般都営住宅に期限つき入居制度を導入するためには--一部とか全体とかいっていませんよ--公営住宅法に期限つき入居制度について明確に規定することが必要になりますと。これは「局報住宅」の中ではっきり明記されているではありませんか。いつこの判断が変わったのですか。
先ほどいったように、昨年は一切これを入れなかった。だから特定住宅しかできないんだとおっしゃっていたのが、たとえ一部であろうと、可能なところといって変えたじゃありませんか。いつ、どういう判断でこういうふうに変わってきたのですか。
○小川住宅政策担当部長 これまで一般都営住宅の導入には、法に明文化をし、実施をすることが望ましいと考えて法改正を要望してまいりました。しかしながら、法改正の動きがない。一方で、昨年導入いたしました制度について幅広い支持がございます。やはり早急に都民の期待におこたえをするということは、住宅政策上、非常に重要な観点でございます。
その観点から、施策目的の実現を図るため、先ほどから繰り返し申して恐縮でございますが、現行の法の趣旨に沿って、可能なものについて独自に制度拡大に踏み切ったということでございます。
○小松委員 今、全部書き取ることができなかったんですが、幾らやっても法改正できないと。しかし、一般からは支持がある。だから可能なものと。
そうしますと、東京都は法に反する施策を行っていると私は思いますけれども、それは全然思わないわけですか。
○野澤参事 公営住宅につきましては、公営住宅法及びこれに基づく条例に特別の定めがない限り、原則として借地借家法が適用されることが判例上確定をしております。借地借家法の定期借家制度、今回の期限つき入居制度はこの制度を踏まえているわけですが、この適用を排除する旨の明文の規定は公営住宅法にはございません。公営住宅法の趣旨に反しない限り、公営住宅にも適用があるものと解されるところでございます。
ただし、国の方で公営住宅制度につきましての一定の見解が出ておりますので、一律に公営住宅に適用することにつきましては、国の見解は重いものと我々は受けとめております。
今回の制度は、地域の実情に応じ、特定の世帯及び特定の地域、住宅に限定をいたしまして、公営住宅階層の居住の安定にも十分配慮して実施をするということとしておりまして、こういうことからも公営住宅法の趣旨に沿ったものであるというふうに考えております。
○小松委員 いいですか。どう述べられようとも、政府が、衆議院の質問主意書に対する答弁では、公営住宅は住宅に困窮する低額所得者のために賃貸する住宅であり、入居者が高額所得者になるなど格段の事由がない限り、居住が継続することを前提として制度が成り立っていることから、事業主体は入居者との間で期間の定めのない賃貸借契約をしており、定期借家制度はなじまないと認識している、こういっているわけですね。
この答弁というのは、これはご存じのように、衆議院の質問主意書ですから、総理の答弁にも値するものではありませんか。そして、今日これがなお国の見解であることを、私も池田都議と国土交通省を訪ね、確認してきているんです。今回、国に問うているんだと思います。国は何といっているんですか。
○野澤参事 国は、東京都の置かれている状況につきましては理解を得ているところでございますけれども、見解につきましては変わっておりません。
○小松委員 現状はわかっているけれども、見解は変わっていない。そうでしょう。これはそうですよ、見解は変わっていないと私たちも確認してきたんですからね。
それを進めるというのは、これは今マスコミなんかにも、例えば東京新聞では十一月二十日付で、今回、都は、入居期限を設けるのは好ましくないとの国の指摘を乗り越えて制度改正に踏み切る。また、都政新報の十二月三日付社説でも、今回は国の補助金を受けている一般都営住宅にまで対象を拡大するものであり、国に対する法改正の提案、要求が実現していない中での見切り発車となる。国は、現行法のもとでは公営住宅の期限つき入居制度を否定しており、都の導入にお墨つきを与えてはいない。国が補助金の返還を要求する可能性を完全に否定できず。こういっているわけですよね。
今、一部だからとか、地域の特性があるということで--そしてまた、定期借家は公営住宅にはなじまないんだと。だからと、きちんと国の見解が出されているのに、これをこのまま東京都が一般住宅に広げた。そのことについては、これは大変なことだと思います。
先ほど定期借家の問題が出ましたけれども、それでは定期借家というのは、賃貸人、それから賃借人、この関係はどういうふうにごらんになっていらっしゃいますか。
○野澤参事 定期借家契約につきましては、あらかじめ期間を定めまして契約をしておりまして、その期間満了と同時に、借家人は当然に退去していただくという形になっております。
○小松委員 そうじゃないんですよ。さっき定期借家とおっしゃっていましたから、じゃ、定期借家の想定する賃貸人、それから賃借人、この関係はどういうふうにごらんになっていますか。
○野澤参事 契約においては同等と判断しております。
○小松委員 そうですね。この定期借家における賃貸人と賃借人は対等平等でなければならないんですよ。だから定期借家ができるんです。都営住宅におけるいわゆる大家さん、東京都と、それから賃借人、入居されている方、これは対等平等と見るわけですか。
○野澤参事 対等だと思います。
○小松委員 そういうごらんになり方をしていらっしゃるわけですか。いいですか、都営住宅はあくまでも社会保障の一つですね。先ほどから質問が出ておりました。期限つき入居についての意見は異にするけれども、一致していたのは、それこそ低所得者に住居を保障する、この辺ではみんな一致していたわけですね。そうすると、これは社会保障の一つとして、東京都がきちっとした行政の責任として、低額所得者に低廉な家賃で住宅を保障しているんですよ。定期借家とは全く異なると思うんですが、いかがでしょうか。
○野澤参事 東京都と居住者の皆様とは、これまでも対等の関係で指導させていただいておりますし、特段、東京都の方が上位ということで対応したことは一切ございません。
○小松委員 わかりました。今は東京都の公式な発言と受け取りまして、国は定期借家を都営住宅になじまないといっているけれども、対等平等だからなじむんだと、そういうとらえ方をしているということでよろしいですね。これははっきり覚えておきます。ですから結構です。
そもそも、先ほども出ましたように、公営住宅法はその第一条で、「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸すること」、これを目的に掲げております。したがって、公住法は、高額所得者への明け渡し義務は規定されておりますが、入居者に期限を限って明け渡しを求めるような規定はどこにもないわけです。
ですから、例えば自由法曹団の東京支部が知事に対して提出した意見書には、こう述べられております。公営住宅法の予定しない定期借家を都が条例で導入することは、権利保障、社会保障の見地からして、法の要求する基準を下回るものを下位規範である条例で制定することになり、その適法性について重大な疑義が存在する、こう指摘しているんです。本会議答弁、そして、きょうまた質疑を通して、この重大な疑い、私は、晴れるどころか、ますます深まったといわざるを得ない。これ以上、並行線になりますから、こう指摘をして次に進みます。
さて、今回の対象住戸を十二区で六千戸としておりますが、この十二区の全都営住宅戸数を教えてください。
○野澤参事 総都営住宅戸数は約五万二千戸でございます。
○小松委員 この十二区全体とこの六千戸の年間の空き家発生戸数、それぞれ平均どのぐらいになりますか。
○野澤参事 十二区の総戸数につきましては、約千戸を推計しております。六千戸の対象戸数につきましては、約百戸を見込んでおります。
○小松委員 そうしますと、対象の六千戸に発生した空き家は、すべて期限つきに充てるんですか。
○野澤参事 一応期限つきに充てる予定でございます。
○小松委員 そうしますと、だんだんと空き家は、それこそ今新築がないわけですから、期限つきになっていく。先ほどもっともっと広げてくれという意見の方は、もっと広げてくれと喜んでいるわけですけれども、これは全く違う立場で、私はさらに質問を続けたいと思います。
この対象がなぜ若年ファミリーで十年間なんですか。まず、それをお伺いしておきたいと思います。
○野澤参事 十年間の期限ということのお尋ねでございます。期限つき入居制度につきましては、都営住宅の利用機会の公平性を確保することを目的としております。
若年ファミリー世帯向けは、より多くの子育て期の世帯に利便性の高い地域の都営住宅を利用する機会を広げるものであり、期間につきまして、十年は一定の経済的な成長が期待できるもの、また、十年間安心して子育てができるものということで設定したものでございます。
○小松委員 十年間安心して子育てができる、こうおっしゃっておりますが、若年ファミリーだからこそ、十年では子育ての真っ最中ではありませんか。特に、若年ファミリー世帯も、十年たてば子どもが中学、高校、大学生と、個々人によって違うでしょうが、最も金のかかる時期と同時に、また、もう一つは、人生の中で最も大切な友人ができて受験期も迎える子どもたち、この子たちのことを考えると、一般常識からいっても、この時期に子どもたちの友人関係まで断ち切って転居はしたくないですね。もし転居するなら、生活環境の変わらない、できるだけ近くに望むでしょう。
しかし、入居資格があって他の都営住宅をあっせんする、こうおっしゃっておりますが、こうした入居者の希望はかなうのでしょうか。先ほどは、こうした入居者の希望ではなく、とにかくその住宅そのものが数の上で確保できるんですかと。それに対して、最大限努力していく、そうお答えになっていましたね。
今私が質問いたしましたのは、その数だけではなくて、そうした地域のコミュニティだとか友人関係、学校、そうしたものを切らないでというと、近所しかないだろう。しかし、その近所にということで、そんな望みがかなうのでしょうか。十年後からは毎年入居期限が切れた世帯ができるわけです。どうですか。
○野澤参事 期間につきましては、利用機会の公平性を確保するという視点から設定したものでございます。あらかじめ十年の期間が最初からわかっているわけでございますから、各世帯におきましては、十年後の転居に向けた生活設計をしていただくことが望ましいと考えております。
なお、希望によりあっせんする住宅につきましては、その時点におきます空き家の状況を勘案しながら適切に対応していきたいというふうに考えております。
○小松委員 そうですね。高額所得者は出ていくわけですからいいんですけれども、金がなくて、そして結局は都営住宅に頼らざるを得ないということになりますと、都のいわれるままの遠距離、遠いところに行かざるを得ないではありませんか。これでは安心して子育てなどできっこないんですね。
だから、若年ファミリー層の子育てを本当に保障するためには、期限つきではない、すなわち、十年たって資産形成できた人は、定期借家制度を導入しなくても高額所得者になれば退去することになるわけですから、公営住宅の社会保障の理念に照らせば、平成十二年ですか、始まった若年ファミリーの一般公募をしていたではありませんか。これを拡充することでできるのではありませんか。
○野澤参事 今回の期限つき入居制度につきましては、都民共有の財産でございます都営住宅の利用機会の公平性の確保ということをまず第一として期限つきを定めたものでございます。
期限つきのそういう住宅に適する世帯ということで、一定の経済成長が可能である若年ファミリーが適切ではないかと。若年ファミリーを入れることによって地域の活性化も図れるという、そういう施策目的も考えておりますけれども、まず第一は、利用機会の公平性の確保ということで踏み込んだものでございます。
○小松委員 公平化だとか地域の活性化だとかいいますけれども、実際にはぱらぱらと入ってくる。それで若年ファミリー層で地域の活性化なんて、できるはずはないんじゃないですか。
そしてまた、五十七年以降ということですから、ファミリー層が入ってくる部分は。むしろそれ以前の方が高齢化が進んでいるんです。特に、私が住んでいる東村山とか、お隣の東大和、武蔵村山の建てかえ中の団地、これは大変な高齢化が進んでおります。
ですから、建てかえ後の戸数、これは元戸数にして今はもう進んでいますけれども、これを予定計画どおり建てて、そして、そこに若年ファミリー層を入れていけば、何も十年を期限にしなくたってできるじゃないですか。こうしたことは考えられませんか。
○野澤参事 たびたび同じような答弁で恐縮でございますが、このたびの一般都営住宅の期限つき制度の導入につきましては、都民共有の財産でございます都営住宅の利用機会の公平性の確保ということをまず第一にして導入を図ったものでございます。
○小松委員 何を聞いても、公平性の確保といえば済むと思うんですけれども、しかし、パイが足りないからでしょう。パイがきちんと広がれば--先ほど申し上げたように、元戸数でやめちゃう。これを予定どおり建てれば、そうしたら、その分、若年ファミリー層が入れるだろうということには全然お答えにならないわけですね。
若年層がこうやって入居しにくいのは、それこそ都営住宅の新規建設の中止による戸数の圧倒的な不足と入居収入基準の低さ、これが原因しているわけです。ですから、高齢者だ、若年ファミリーだと分配論ではなく、住宅基本条例でもちゃんといっているじゃないですか。東京都は、都民の住生活の安定向上を図るため、公共住宅の供給を促進するよう努めるものとする、このようにいっているわけです。これを怠ってきた。すなわち都営住宅の建設を怠ってきたからではないでしょうか。
今、東京都に求められているのは、都営住宅の建設を再開して、そして十分な数の住宅を供給する。若年ファミリー層についても、あの一般公募の中で進めていく。こうしたことを強く求めて、質問を終わります。
○新井委員 それでは、私も期限つき入居制度の拡大についてお伺いいたします。
昨年、住宅局で出されました住宅白書の中でも、日本の賃貸住宅というのは非常に単身者世帯が多い、ファミリー世帯がない、ほとんどが単身者ということで、ファミリー層が入りたい適正な価格の賃貸住宅がないということが端的にあらわれておりました。
そういう意味で、前回実施されました特定都営住宅への実績ということでも、平均で約四十七倍。調布なんですけれども、最高では二百十四倍ということで高い倍率が出ていまして、これまで若年ファミリーの方からも、結婚して住める家がなかなか見つからない、あるいは子どもができたんだけれども、引っ越すところがなかなかないとか、そういう声をたくさん聞いておりまして、そういう方々には非常に評価が高かったというふうに思います。
これを広げるということについては私も賛成をするところですけれども、今回、若年ファミリー世帯の対象住宅について、なぜ都心の十二区というところに限ったのでしょうか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○野澤参事 期限つき入居制度は、都営住宅の利用機会の公平性を確保することを目的としております。今回の一般都営住宅の拡大につきましては、若年ファミリー世帯に利便性の高い地域の住宅を提供する機会を広げるものであり、このことは子育て支援や地域の活性化にも寄与するものと考えております。
○新井委員 利用機会の公平性の確保ということは確かにそのとおりで、意味があると思うんですけれども、なぜ都心の区だけに限定したかということでいいますと、根拠としては非常に弱いというふうに思うんですよ。
この理由でいいますと、利便性の高い地域の住宅を提供するというのは、じゃ、なぜ若い人に利便性のある地域で--利便性が要らないのかとか、都心区以外は利便性が低いのかとか、この十二区以外は利便性が低いのかとか、そんなふうなことがいわれるわけですね。あるいは、今回は五十七年度以降ということになって、五十六年前のものはどうなのかとか、いろんな質問に対して、答えがなかなかしにくい部分というのがあるんじゃないかと思うんです。
私は、以前からミックストコミュニティ、いろんな方が入りまじって住んでいるコミュニティの中で助け合って暮らしていくような、そういう構成が必要なんだろうということをずっとお話ししているわけなんですけれども、この若年ファミリー世帯の入居に当たっては、高齢化率というものを一つの基準にしてはどうかというふうに考えているわけなんです。
都営住宅全体と今回対象にされた十二区、それから十二区以外の十一区と多摩地区の順に、都営住宅の高齢化率についてお伺いしたいと思います。
○野澤参事 都営住宅の高齢化の状況でございますが、例えば都営住宅名義人の年齢が六十歳以上の世帯について見てみますと、都営住宅全体では約五八%でございます。今回対象としております十二区につきましては約六二%、十二区以外の十一区では約五九%、多摩地区につきましては約五二%というふうになっております。
○新井委員 今お答えいただきましたように、都営住宅全体でも五八%ということで、少子高齢化が進んでいるとはいえ、異常な高齢化率だというふうにいっていいと思います。
期せずしてといいますか、当然、古い二十三区の中心部、十二区については、高齢化率が六二%ということで一番高いところになっているわけですけれども、都営にお住まいの方のお話をいろいろ伺いましても、本当に年寄りばっかりになっちゃって困っているとか、元気がなくなって、活気がなくなって、何とか若い人にも入ってきてもらいたい、こういう声はたくさん聞くわけです。
それは都心の区に限ったことではないというふうに思うわけですけれども、こういった高齢化ということを一つの対象にすべきだというふうに思うんですけれども、その基準についてはどんなふうにお考えでしょうか。
○野澤参事 若年ファミリー世帯向け期限つき入居制度につきましては、都営住宅の利用機会の公平性を確保することを目的としておりまして、あわせて若年ファミリー世帯の入居を促進することにより、地域の活性化を図るものと考えております。
このため、今回は、利用機会の公平性を確保するという観点から、利便性の高い地域を対象に、住宅規模等を勘案しながら団地を選定することとしております。
○新井委員 都心の十二区に限って古いところが多いので、結果としては、私が思うように高齢化率の高いところが対象になったということではあるんですけれども、区全体を指定するということになりますと、新しいところと古いところで高齢化率が当然違ってきますよね。ですから、そういう意味で、今回のような区切り方ではなく、私は団地ごとの高齢化率というものを十分勘案しながら、対象住宅を広げていくというふうにぜひしていただきたいというふうに思っています。
先ほど来いろいろ議論がありますけれども、公営住宅法との関係で非常に微妙な施策だというふうに思います。定期借家については、私もなじまないというふうに思うわけですけれども、この制度については、ぜひ多くの若い方に利用していただきたいというふうに思いますので、この基準をだれにでもはっきりと、ああ、これならばわかるという基準を設けていただいて、そして、それを広げていくというふうにしていただきたいと思います。
それから、十年という期間ですけれども、これも十年たったときに、あと一年で子どもが中学とか小学校を卒業するとかという微妙な時期になったりした場合には、十年だからすぐ引っ越しなさいということではなく、柔軟な対応ということをぜひお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
終わります。
○池田委員 私は、きのう一般質問でこの問題に触れさせてもらいました。そこの中で、基本的な問題ですから、きょう改めて何点か伺いたいと思います。
最初に、公営住宅法の目的は何かということを説明してください。
○野澤参事 公営住宅法の目的につきましては、公営住宅法第一条に掲げておりますように、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者の方々に対して低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としているところでございます。
○池田委員 この目的の中で、「国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」こういうことですね。それから、第三条でこういっているんですね。「常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するため必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない。」こういっているんですね。そして、地方自治体の責務を明記していると私は思うんです。
東京都はこの責務をどのように位置づけているんですか。
○小川住宅政策担当部長 公営住宅の供給につきましては、これは住宅基本条例に基づく住宅マスタープランで今新しい考え方で進めておるわけでございますが、当然、民間賃貸住宅に住んでいる方で、自力では最低居住水準を満たすことが困難な高齢者、あるいは今回議論になっておりますような若年ファミリー世帯、こういった住宅に困窮する方々を公営住宅の対象として、これは五年ごとに行われております住宅・土地統計調査等の結果を参照しながら、必要戸数、必要な階層というものを計算しております。
その結果を見ますと、二〇〇一年から二〇〇五年というような形で計算をいたしますと、今後、推計で、現在ある都営住宅のストックから発生する空き家で対応できるということでございます。毎年の空き家数が七千から一万というような形でございますので、そこで対応できる。
したがいまして、都営住宅の供給ということにつきましては、現在のそういうような推計状況、それから、今後は人口が減少する、あるいは世帯も減少するだろうというようなことを踏まえますと、長期間管理をするストックでございますので、むしろ現在の管理しているストックを建てかえやスーパーリフォーム、そういったもので都民の方に使いやすいものにしていく、そういう必要があるという形で考えておりまして、現在そういう形で都営住宅の建設を進めております。
○池田委員 いろいろ説明していただいて申しわけないんですが、先ほど第一条の目的の問題を説明していただきました。そして、私は、第三条で、東京都の責務がどういう立場で一条の目的に沿ってやらなければならないかということをはっきりさせる必要がある、こういうことで今申し上げたわけです。
そこで、この住宅供給の責務というのは、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障した憲法二十五条に基づくものではありませんか。基本的な問題としてどう考えているか、はっきりしていただきたいと思います。
○小川住宅政策担当部長 ご指摘のような憲法二十五条に含まれるといいますか、それを基本としたいろいろな考え方の中で、これは社会保障あるいは福祉、そういった考え方の中の一環として、住宅の分野として構成されているものと承知しております。
○池田委員 私もそのとおりだと思うんです。公営住宅法というのは、憲法を基本として、社会保障の一環として住宅の供給、提供を行うものである。今、小川住宅政策担当部長も、お話がありましたように、社会福祉、こういう面からも位置づけられている問題だというふうに考えるんです。そうですよね。もう一度。
○小川住宅政策担当部長 そのとおりだと思います。
なお、先ほど委員ご指摘のように、公共団体の責務ということでございますので、東京の中にありましては都及び区市町村ということでございます。住宅マスタープランでは、都のみならず区市町村によって、福祉やまちづくりと連携した公営住宅供給をお願いしているところでございます。
○池田委員 そうだと思うんですね。地方自治体が果たす役割は大変重要だということを今重ねて話がありました。
そこで、憲法の九十四条というのは、地方公共団体が法律の範囲内で条例を制定する権能を持っていることを規定しています。地方自治体は、法令に違反しない限りにおいて条例を制定することができる、こういうふうになっていますね。そうですね。
○梶原総務部長 法と条例との関係のお尋ねかと存じますが、お話のとおり、もとより条例は法の範囲内で制定されるものとされております。
○池田委員 そうだと思うんですね。いろいろなケースがあるんですけれども、法令の規制が一定の権利保障のためのもの、そして最低基準を明示する規制である場合、例えば労働基準法というのがあります。これは労働者の基本的な権利を保障する。働く人たちの賃金だとか時間だとかそういうものの、労働基準法というのは労働者の基本的な権利を保障することになっている。
例えば大気汚染防止法というのがあります。これは排出基準というのを決めて、そして国民を公害から守る。こういうことが決められて、守るべき最低基準が規定されている問題だというふうに思うんです。しかし、私は、その規制を縮減することは法令に違反するものだというふうに解釈しています。
この立場から考えると、国でも、先ほど来いろいろ話がありました。それで、住宅局も話の中で出ていました。公営住宅に定期借家はなじまない。きょう私は持ってきておりますけれども、定期借家権による混乱と危険性に関する質問主意書に対して、内閣は閣議として答えている。そういうことも先ほど小松さんからもありましたし、私も小松さんと一緒に国土交通省へ行って、そして今日的な意義を確認してきました。
そういうものとの解釈の関係で、法改正もしていないのに、東京都が都営住宅に定期使用許可を新設することは条例制定権にも反しているんだというふうに私は考えるんですけれども、どうですか。
○梶原総務部長 先ほどお答え申し上げましたとおり、条例は法の範囲内で制定されるものでございます。しかしながら、一方で、条例は自治体の自主立法として、その地域の福祉の向上のために最大限活用されるべきものでございまして、法の中に明らかに条例を排除するとか、あるいは法の趣旨として、同じように条例の制定を排除するとか、そういったものがない限り、私どもの地域の福祉の向上のために最大限の工夫をして、自治体としての立法権、条例制定権を拡大し、活用していくということが責務だと思っております。
その意味では、過去の公害防止条例、消費生活条例の例を見るまでもなく、東京都は率先して新しい領域を拡大してまいりました。
この趣旨に沿って、今回の公営住宅法との関係によりましても、先ほど来何度も申し上げておりますとおり、対象となる住宅、対象となる方、あるいは施策目的、それぞれ明示し、限定しつつ、法の趣旨に沿って今回の条例を提案したものでございます。
○池田委員 自治体のそういう自主的な立法権というか条例制定権、今お話があったように、東京都が革新都政のときに公害防止条例をつくって、全国に大きな影響を与えました。また、今いわれたように、消費生活条例も、東京都としては先進的な役割を果たしてきました。これは、いわば法的な形、法律では解決できないところの問題の上積みとか、私どもは、横出しというのか、枝出しというのでしょうか、よくいいますけれども、そういう住民の立場に立って、法律で規定されているより以上の福祉だとか医療だとかをやってきました。そういう点からすれば当然の話です。
しかし、今回の場合には、今の全体の都営住宅の状況から見て、確かに私どもも、若年ファミリーの方たちの応募状況を見ても、先ほど話がありましたように大変な応募率です。そういうところに支援をしなきゃいけない。当然の話であります。しかし、それは、やはり一般公募でやるべきなんだと。そのためには、これは知事も認めているように、なかなか当たらない、大変だと、だからということでやってきているんだけれども、パイをもっと大きくする。もっと新規の住宅を建ててやる。こういう中でそういう若年ファミリー支援をやるべきなんです。
そこで、私は、今いったように、この東京都の今回出してきた定期借家権を都営住宅の一般に広げていくということは、再三いうように、法律との関係でもやはり許されない中身だといわざるを得ないと思うんです。
そこでお伺いしたいんですが、定期使用権の制度を新設して、そして期限つき賃貸、入居を決める。先ほどもちょっと出ていました三十九条の二の追加部分ですね。そこの中で、そのほか「住宅政策上特に必要があるものとして規則で定める」、その規則の中身が、きょう一つは資料で出ていましたね。これ以外にいろいろ規則で定めるというふうになっています。どういうものを予定していますか。そして、その中身を説明してください。
○野澤参事 三十九条の二の第一項第三号の規定でございますが、現時点で具体的に仕組みとして固まったものはございません。
○池田委員 ないわけでしょう。そして、私は時間の経過もありますから簡単にいいますけれども、規則というのは知事が決めることになるんですね。そうじゃないですか。議会が討議もしない。出せないんだから討議もできないでしょう。審議もできないでしょう。そして、議会がそれを認めれば、知事の方で、これを施行するまでに規則をつくるというわけでしょう。
きょう、皆さんどうなんですか。ここで規則も出されない、中身も議論できないという中で決めろというのは、どだい議会軽視も甚だしいといわざるを得ないと思いますよ。私は、そういうやり方を、ここのところではっきりさせなきゃいかぬというふうに思うんです。今お話があったように、今出せない。(発言する者あり)ちゃんと聞いていなさいよ。いろいろな議論があるんだから、ちゃんと聞いていなさい。意見があるんだったら意見をいいなさい。
そういう状況の中で今ここで審議するというのは、私は、これはいかがなものかと。これは皆さんも考えてほしいと思うんですよ。そういう状態が今この議会に求められている。私は、このままでは認められない。どうなんですか。具体的に出してください。出せないというふうなことの中で議論するというのは、これは私は許されないと思います。どうでしょう。
○野澤参事 この規定につきましては、マンション建てかえ支援に見られるような、一時的に住宅に困窮する公営住宅階層の方に限定をいたしまして決めさせていただくこととしております。
○池田委員 大事なことなんです。例えば、若年ファミリーの方たちの十年という言葉も出ていました。それから、三年というマンションの話も出てきました。しかし、そういう問題についても、なぜこのような制度を設けるのかということの立法事実というのが具体的に明示されていないじゃないですか。なぜそれが必要なのか、なぜそこまで必要なのか、なぜこの期間が必要なのかということもやはり議論しなければならないんじゃないですか。
すると、今のお話では、やはり私は議論を進められないと思います。これは皆さんどういうふうに考えておられるか。議員としても、私どもは、やはりこういう大事な慎重審議をしなければならない問題です。これは単に行政側の対応に任せておいていいというふうにはならない。私は、白紙委任というのはまさに無責任だというふうにいわざるを得ないと思うんです。どうでしょうか。
○野澤参事 この規定につきましては、公営住宅階層の一時的な住宅困窮者への支援について、社会経済状況の変化に機敏に対応していくため、制度上の枠として設けたものでございます。
今後、新しい具体的なニーズが発生した場合に機敏かつ的確に対応できるよう、あらかじめ規定を用意させていただいたものでございます。
○池田委員 出せないという中で具体的な議論をやるということ自体、無理なんだから。私は、そういう点で--質問をやめるというわけにいかないでしょう。それは出されてきて--それじゃ、私、やりますよ。出されてきた時点で、私は質問を続けます。きょうはこのところで、やれないですよ、こんなことじゃ。違いますか。
○高島委員長 じゃ、よろしいですか。池田委員、もういいんですか。
○池田委員 いやいや、出されてきて、そして私はもう一回質疑を続けていきますよ。そうじゃなきゃ、これは審議できないですよ。
○高島委員長 それは意見としてお伺いいたしました。
○池田委員 さっきから私はいっているんですけれども、条例が出されてきて、そして大事なところの問題は規則でということになっている。来年の四月施行。その中身の議論を、ここのところでやっぱりやる必要があるというふうに思うんです。だから、そこを私はいっているんですね。
しかも、さっきから私がいうように、公営住宅法、公住法にもやはり抵触する問題がある。それから、地方公共団体としての法律の範囲内で条例を制定する機能を持つ、そういうことは当然の話だとしても、そこの問題でも二重にやはり問題がある。しかも、規則が明らかにできないというようなやり方で、今こういうことで議論を進めていくというのは、私は、これは我々議会の軽重が問われるというふうにいわざるを得ないというふうに思うんです。どうでしょうか。
○高島委員長 速記をとめていただきましょう。
〔速記中止〕
○高島委員長 じゃ、速記を始めてください。
○池田委員 今の質疑の中でも、私は、基本的な問題で公住法との関係、それから自治体としての法の範囲内での立法権との関係の問題、そして規則との関係で、本当に重要な問題は都民の皆さん方の前に明らかにされていく必要がある。非常に不十分だというふうにいわざるを得ないと思います。そういう中で決められていくことに対しては、私は容認できない。これは意見としてはっきり申し上げておきます。
以上です。
○木内委員 短時間でございますけれども、きょうの議論の経過を踏まえて、確認と、今の質疑への反論も含めて申し上げたいと思います。
今回の条例改正、私は、分野限定的に社会政策上の必要から期限つき入居制度を導入するということは賛成であります。もとより福祉政策的な理念の原点からいささかも逸脱することなく、今後、一般の都営住宅については、この期限つき入居制度を一般的には導入しない、また、今回の条例改正をその突破口とはしないということでありますから、これを認めてまいりたいと思う。
なお、今議論のございました三十九条二の第三、「一時的に住宅に困窮することとなる者のうち住宅政策上特に必要があるものとして規則で定める」、今何も具体論が出ないといったけれども、先ほどから二つ出ております。お聞きになっていると思う。一つは、さっき、木密地域解消のための施策展開に必要と認めるときという意味のご発言があった。それから小磯委員の方から、いわゆる敗者復活システムを社会の仕組みの中に入れていく上で、事業破綻をした人が再起を図るために、一時的に期限つきで都営住宅に入居をしてもらって再起への力を蓄える、こういうことも検討すると、例えばさっきおっしゃっていたわけであります。
したがいまして、今いわれる具体的な議論がないというのは間違いであって、例えばこういう具体的事例を想定しながらの質疑があったということを私は今ここで申し上げて、終了したいと思います。
○高島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高島委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で住宅局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時四十一分散会
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