委員長 | 田代ひろし君 |
副委員長 | 前島信次郎君 |
副委員長 | 星野 篤功君 |
理事 | 花輪ともふみ君 |
理事 | 川井しげお君 |
理事 | 新井美沙子君 |
伊沢けい子君 | |
ともとし春久君 | |
山田 忠昭君 | |
林田 武君 | |
小礒 明君 | |
西条 庄治君 | |
大山とも子君 | |
池田 梅夫君 |
欠席委員 なし
出席説明員建設局 | 局長 | 山下 保博君 |
次長 | 平井 健一君 | |
道路監 | 小峰 良介君 | |
理事 | 石河 信一君 | |
総務部長 | 森澤 正範君 | |
用地部長 | 磯邊 武一君 | |
道路管理部長 | 須々木亘平君 | |
道路建設部長 | 岩永 勉君 | |
公園緑地部長 | 安藤 明君 | |
河川部長 | 鈴木 進君 | |
市街地整備部長 | 梶山 修君 | |
多摩ニュータウン事業部長 | 高西 新子君 | |
企画担当部長 | 小島 信之君 | |
総合調整担当部長 | 平井 和之君 | |
道路保全担当部長 | 依田 俊治君 | |
道路計画担当部長 | 柿堺 至君 | |
公園計画担当部長 | 住吉 泰男君 | |
調整担当部長 | 市原 博君 | |
多摩ニュータウン事業技術担当部長 | 山崎 俊一君 | |
販売企画担当部長 | 友繁 佳明君 | |
特命担当部長 | 長野 宏君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
建設局関係
契約議案の調査
・第百八十三号議案 戸吹トンネル(開削部)整備工事請負契約
・第百八十四号議案 綾部原トンネル(仮称)整備工事請負契約
・第百八十五号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その一)(十四・四-一)(環八南田中)請負契約
・第百八十六号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-二)(環八南田中)請負契約
・第百八十七号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その三)(十四・四-三)(環八南田中)請負契約
・第百八十八号議案 北町・若木トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-四)(環八若木)請負契約
・第百八十九号議案 旧江戸川(東葛西)防潮堤耐震補強工事(その九)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百七十六号議案 東京都市計画事業環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業施行規程
・第百九十一号議案 土地の売払いについて
○田代委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がございましたので、お諮りいたします。
本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○田代委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査を行います。
契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がございました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してございます。
朗読は省略いたします。
平成十四年六月十九日
東京都議会議長 三田 敏哉
建設・住宅委員長 田代ひろし殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 第百八十三号議案 戸吹トンネル(開削部)整備工事請負契約
2 第百八十四号議案 綾部原トンネル(仮称)整備工事請負契約
3 第百八十五号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その一)(十四・四-一)(環八南田中)請負契約
4 第百八十六号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-二)(環八南田中)請負契約
5 第百八十七号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その三)(十四・四-三)(環八南田中)請負契約
6 第百八十八号議案 北町・若木トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-四)(環八若木)請負契約
7 第百八十九号議案 旧江戸川(東葛西)防潮堤耐震補強工事(その九)請負契約
○田代委員長 これより建設局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第百八十三号議案から第百八十九号議案までを一括して議題といたします。
本案については、既に説明を聴取してございますので、直ちに質疑に入ります。
発言を願います。
○川井委員 南田中その一、二、三と今回出ておるわけですけれども、これは、最初にトンネル、掘り割り、掘り割りという形で、特に掘り割りの部分の西武池袋線のつなぎというのはどういうふうになっておるのか、ちょっと教えていただけないですか。
○岩永道路建設部長 この契約案件、今回お出ししております南田中トンネル築造工事その一、二、三でございますが、これは、場所で申し上げますと、練馬区の補助一三四号線から、同じく練馬区の新目白通りと交差するまでの間の工事でございまして、西武池袋線の場所につきましては、西武鉄道に委託するということで現在調整を進めているところでございます。
○川井委員 同じく北町・若木トンネルその二、東武東上線、その一はもう終わっているのか発注されているのかわからないんですけれども、そこのところもどうなんですか。
○岩永道路建設部長 その一工事につきましては、現在発注しておりまして、事業を実施しております。
○川井委員 首都東京の道路という部分で、昨日の一般質問にも今のところが大分出ていたわけですけれども、東京の都市計画道路の整備率は、依然としてまだ五割弱という形の中で、ある意味では道半ばではないだろうかな、そういう思いがしてなりません。そのため、都内が慢性的な渋滞、特に裏道、生活道路、小さな子どもたちが非常に危険にさらされている、そういう思いもしてなりません。
そういう意味で、区部の環状あるいは多摩の南北道路、この幹線道路の整備を重点的にやっていかなければならないだろうという思いがあります。その中で、環七は既に全通しておるわけですけれども、環状六号線の首都高速新宿線を含め、平成十八年開通予定になっております。
そこで、今回発注になっている環八絡みでちょっとお伺いをしたい、こう思っておるわけですけれども、今現在、環八絡みで完成している部分というのは何%ぐらいになりますか。
○岩永道路建設部長 環八ですが、羽田空港から北区岩淵町に至る計画延長四十四キロございますけれども、平成十三年度末で約三十九キロ、八七%が完成しております。
○川井委員 今回発注の工事を含めて、全線開通へ向けての全線開通の時期ですね。何年度ぐらいまでに全線開通されるのか、お聞きしたいと思います。
○岩永道路建設部長 未整備区間が今回の練馬区、板橋区内の約六キロでございまして、これを完成させまして、全線開通は平成十七年度を予定しております。
○川井委員 八〇%程度が完成されている。完成していながら開通していないところというのが恐らくあるのではないだろうか、こう思うわけですけれども、せっかく完成しているならば、その一部でも部分的な開通を目指して近隣道路の渋滞に寄与する、そういう考え方というのはないでしょうか。
○岩永道路建設部長 私ども、完成した区間につきましては可能な限り供用開始するということで努力しておりまして、この環八につきましても、先ほど全線開通は平成十七年度と申し上げましたが、この途中にございます川越街道から放射七号線目白通りまでの間でございますけれども、一部完成しているところがございまして、今回またその区間も工事しまして、この区間につきましては平成十四年度末には供用開始したい、このような方向で努力しております。
○川井委員 東京が、世界の大都市として競合する、いわゆる競争していく力を大変失ってしまったんだろう。それが世界の経済からおくれをとった、そういう思いさえ私はしているわけですけれども、これは空港の問題、あるいは港の問題、そしてこの道路の問題が非常に大きくあるんだろう、こういう思いがしております。
特にこの八号線、都市の骨格となる環状線であろうという思いがしております。この早期完成というか、そういう形の中で、地域幹線道路の利便性や快適性の向上に大いに寄与するものだろう、こう思っているわけですけれども、この全線開通に向けての決意を最後にお聞きして、質問を終わります。
○岩永道路建設部長 この環八でございますけれども、いうまでもなく都市の骨格を形成しておりまして、あるいは都市活動や都市生活を支える大変重要な路線でございます。
したがいまして、この環八につきましては、今後工程管理、安全管理に十分留意しまして、また、今後もコスト縮減に努めながら全力を挙げて取り組んでまいりたい、このように考えております。
○大山委員 私は、百八十五号議案から百八十八号議案の環八道路の南田中トンネルと北町・若木トンネルの築造工事ということに関連して、契約議案に関連して幾つか事実を質問しながら、後ほど意見も申し上げたいというふうに思っています。
最初にお聞きしたいのは、財政というか予算の問題なんですけれども、この環八関係の南田中と、今回は若木と北町、全部で合わせますと約二百七十七億なんですけれども、この環八の事業費全体の額と、既に執行済みの額、それから残額というのをまず教えてください。
○岩永道路建設部長 この南田中、高松地区から赤羽北、岩淵町地区に至る区間でございますが、総事業費約一千九百億円でございます。この区間での平成十二年度までの執行済み額は約一千三百二十億円でございまして、差し引き五百八十億円が残工事ということになります。
○大山委員 環八の総事業費が一千九百億円で、既に一千三百二十億円執行したと。今回二百七十七億円ですから、それが終わっても、少なくても三百三億円はさらにかかるという予定になってしまうということだと思うんですね。
もう一つ伺っておきたいのは環境の問題なんですけれども、環八で現在事業中のところは、ほぼ現道がないというところがほとんどなわけですけれども、南田中のトンネルについても、住民の皆さんが、住宅地の中を、それから小学校はあるは、幼稚園はあるはというところを幹線道路が、本当にたくさん車が来る道路が住宅街の中を抜けるということで、環境の悪化を非常に心配されて、平面道路じゃなくて、せめて半地下のということで、まだましだということで半地下の今の形になったわけですけれども、トンネルといっても、半地下ですから天井があいているんですよね。ですから、振動だとか騒音は少しは緩和されるのかなという気はありますけれども、大気汚染については、平面の道路のときと比べてどれぐらい緩和されるというふうに見込んでいるんですか。
○岩永道路建設部長 南田中地区の道路構造でございますけれども、ちょうどこれに接続します井荻地区からの地下トンネルがございまして、これと交差する道路と立体化するということで計画をいたしておりまして、もともと平面ということを想定しておりませんので、比較したものは現在持っておりません。
したがいまして、道路計画上、平面構造が想定されておりませんので、私どもといたしましては、道路構造の中で可能な限り住環境を守るということから、幅員を二十五メートルから三十六メートルに拡幅いたしまして環境施設帯を設けるなどいたしまして、環境に配慮した道路整備を進めていくということでございます。
○大山委員 わからないということなんですよね。住民の皆さんたちは、大気汚染の心配だとか騒音の心配、振動の心配をされて、何とか少しでも緩和してもらいたいという話し合いが続いてきて、やっとこの形になったということで、今のところの到達点だと思うんですね。
今、わからないというふうなご答弁でしたけれども、先日、私も、その先の北町・若木、それから相生町の交差点のところの住民の皆さんが、トンネルで通してほしいということで環境の調査をやったら、建設局さんが考えているトンネルというのは上があいているトンネルで、結局、平面と変わりがないというような調査の結果を出されたというのはこの間の委員会でも発言させていただきましたけれども、そんなわけで、大気汚染については、ほとんど平面と変わらないというふうに見ていいと思うんですよ。
そんな中で、やはり自動車の交通量ですけれども、一日どれぐらいあるというふうに見込んでいるんでしょうか。
○岩永道路建設部長 環境影響評価書に基づきます予測値でございますけれども、南田中地区におきましては、平成二十二年で約二万九千七百台、北町・若木地区では、平成二十二年で約四万三千四百台でございます。
○大山委員 今まで通っていないところに、約三万台だとか四万三千台だとかという自動車の通る道ができるということですから、激変なわけですね。それで、環境問題ということに関しては、まだまだ住民の皆さんはもっと改善してほしいということで、例えば、これは環八道路事業化に伴う生活環境保全等に関する陳情書ということで、練馬の区議会にこの南田中の周辺の方々が、排気ガス対策について、騒音対策について、振動対策について、環境測定等について、低周波空気振動について、歩道、トンネル部についてということで二枚にわたる陳情書を出されて、ことしの第一回定例会で、これは全会派一致で採択されたということなんですね。
その中にも、やはり道路内、壁等に吸じん、浄化のため最新の技術を導入するというような要望も出ていますし、それから、この環八対策住民協議会ニュースという中では、平成十四年三月十二日に第四建設事務所長さんと話し合いをしましたというふうなことが書いてあって、ご要望の最新技術の導入についても、できる限りこたえたいというふうに前向きのご答弁をしているようなんですけれども、まだまだこの話し合いというのは継続しているということでいいわけですよね。
○岩永道路建設部長 地域の方々との話し合いでございますけれども、私ども、この環八の計画が持ち上がりまして、素案の説明会、平成二年の四月に行いました。それ以来、大小合わせまして百回を超える説明会を開催してまいりました。あらゆる機会をとらえまして今までやってきておりますし、また最近でも、北町・若木地区、あるいは南田中地区におきまして、この十四年三月以降十二回の説明会を開催しておりまして、今後とも、個別説明会も含めまして、地元の方々の理解を得るということから、説明会につきましては四建の所長が申し上げたとおりでございます。地域のインフォメーションセンターなどもございますので、これらを大いに活用しまして、理解と協力を得る努力を続けていきたい、このように思っております。
○大山委員 今、南田中の地域の皆さんのことをいいましたけれども、最近でも十二回の説明会をやっていらして、そして、今後ともまだまだ続けていくんだというお話ですが、先日の北町・若木トンネル、そしてその先の相生町の交差点のところまでの区間のことは、私もこの間の委員会で質疑しましたけれども、これについても、そのトンネル部分の煙突、それから排気のための脱硝装置をつけてくれという要望もこの地域の方々からは出ていると思うんですけれども、この北町・若木の地域の皆さんとの協議というのも、引き続きまだ続いているということでいいわけですね。
○岩永道路建設部長 私どもといたしましては、この半地下トンネルの構造で環境評価書で基準値をクリアしておりますので、新たにお話のようなものを設けるということにつきましては、現在考えておりません。
○大山委員 今のは、新たなというのは、どこの部分のことですか。
○岩永道路建設部長 トンネル部分に換気塔がございますけれども、今先生のお話しの、そこに脱硝装置云々というお話がございましたので、そう申し上げました。
○大山委員 脱硝装置はつける気がないということなんですか。
○岩永道路建設部長 現時点で、その脱硝装置を設けるということは考えておりません。ただ、この脱硝装置というものにつきましては、いろいろな技術もございますので、今後、この開発動向を踏まえて対応について検討していくということもやぶさかではございませんけれども、現時点で脱硝装置を設けるということは考えてございません。
○大山委員 今後技術が開発されて、今後の対応についてはまた検討するというお答えだと思うんですけれども、そのように南田中の地域のところについても、それから今の北町・若木のトンネル、それから、その先の緑の問題だとか相生町の交差点の問題だとかも、まだまだ住民の皆さんとの話を続けていく必要があるという時点だというふうに思いますので、事実を確認したということで、これは質問です。
○田代委員長 ほかにご発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。
○大山委員 百八十三号議案、百八十五号議案、百八十六号議案、百八十七号議案、百八十八号議案に反対する意見を述べます。
第百八十三号議案は、戸吹トンネル整備工事請負契約です。圏央道へ通じる新滝山街道の八王子市戸吹町地内に、二百十二メートルのトンネル工事を契約額二十三億円余で施行するものですけれども、地元でおくれている生活道路、河川などの整備改修をの声にはこたえず、圏央道に結ぶ幹線道路優先ということで、この契約には反対です。
百八十五号議案から百八十八号議案は、環八道路の南田中トンネルと北町・若木トンネルの築造工事で、ともに決して急ぐことはない事業であるということです。
一つは財政問題です。都財政が厳しいといいながら莫大な予算を使って、さらに都財政を圧迫することになるということです。財政難を理由にして福祉も医療も削っているという都政の中で、今回の議案になっています環八関係のトンネルだけで、合わせて約二百七十七億円という莫大なもので、建設局の予算だけ見ても、財政難ということで、都民生活に密着している道路補修費は昨年より減額して、年間予算で約百八十億円しかありません。今回のトンネルだけで、年間道路補修予算の一・五倍にもなります。環八の総事業費は約一千九百億円で、既に千三百二十億円執行してしまいまして、今回は二百七十七億円ですから、さらに少なくとも三百三億円はかかる予定になっています。
もう一つの理由は、環境問題です。先ほども質疑の中で明らかにしましたけれども、現在、環八で事業中のところは現道がないところです。だからこそ、住民の皆さんは、環境の問題についてきちんと話し合いをしてほしいという要望もしています。質疑でも明らかになったように、それぞれの住民の皆さんとの話し合いがまだついたわけではありません。だからこそ、環境対策について住民との合意がないのに、急いで着工することがあってはならないというふうに考えます。
この環八、それから調布保谷線は事業が始まっています。その上、外環道も始めようとしているように、幹線道路の同時多発的な事業化は財政面での大きな圧迫となり、その上、東京の大気汚染状況をさらに悪化させることは明らかであります。よって反対します。
以上です。
○田代委員長 発言は終わりました。
お諮りいたします。
第百八十三号議案及び第百八十五号議案から第百八十八号議案までにつきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、また第百八十四号議案及び第百八十九号議案につきましては、異議ない旨、財政委員長に報告いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○田代委員長 次に、付託議案の調査を行います。
第百七十六号議案、東京都市計画事業環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業施行規程及び第百九十一号議案、土地の売払いについてを一括して議題といたします。
本案については、既に説明を聴取してございますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○小礒委員 それでは第百九十一号議案、土地の売払いについてお聞きしたいと思います。
今定例会で、町田市内の相原・小山土地区画整理事業区域内の土地が処分される、この議案が提出されているわけでありますけれども、まず昨日の本会議で、売り払い先が育英工業高等専門学校ということが明らかにされましたけれども、この専門学校の概要についてお伺いしたいと思います。
○友繁販売企画担当部長 今回、宅地の購入を予定している学校は、杉並区にあります五年制の育英工業高等専門学校でございまして、昭和十年に育英工芸学校として開設されて以来、六十余年の歴史を持つ学校でございます。科目としましては、ビジュアル情報工学科、デザイン工学科、電子工学科、電気工学科、情報工学科の五つの学科を設置し、各学年約二百名、合わせて約千名の学生が学んでいるところでございます。
学校の計画では、移転を契機に最新情報工学機器の導入を図り、地域と連携して地元企業を支える技術者の育成を目指すこととしており、平成十七年四月に当地での開校を予定してございます。
○小礒委員 今回、この処分によって、この専門学校が当該相原・小山区画整理区域内へ進出をするわけでありますけれども、この相原・小山は文教ゾーン、福祉ゾーン、それぞれゾーンも分かれておりますね。それから、地元の町田市の意向、要望が大変強く出されているという中で、今回の土地処分に当たって、この専門学校が進出するどのような意義があるのか、それについて願いします。
○山崎多摩ニュータウン事業技術担当部長 この学校の進出の意義ということでございますけれども、その前に相原・小山の土地区画整理事業でございますけれども、町田市の北西部におきまして、東京都が事業主体となりまして昭和六十三年に着手した事業でございます。
先生おっしゃいましたとおり、住宅のほかに、業務ですとか商業施設、こういうものを立地しまして、複合的な魅力のある市街地を形成しようと、こういうものでございます。具体的には、当地区百七十四ヘクタールを五つのゾーンに分けまして、そのゾーンごとにそれぞれ見合った施設を誘致しようとしております。
この高専につきましては、この相原・小山のコンセプトに合致しておりまして、当地域全体の活力と魅力向上に先駆的な役割を果たす、こういう意義を持つものと思っております。
○小礒委員 今回のこの相原・小山の区整地区に進出するこの専修学校につきましては、地元の合意もあり、結構な話だと思いますけれども、しかし今、とりわけ旧多摩都市整備本部が建設局に合流した中で、建設局は、予算規模は六千億、職員が四千人ですか、大変大きな局だと聞いております。
そのような中で大変期待をするわけでありますが、現在、当該相原・小山の今回の土地処分もそうでありますけれども、多摩ニュータウン全体の土地処分について二、三聞きたいんですが、とりわけ今都は、今の未利用地、リザーブ用地というんですか、これについて土地処分を非常に早く行っていきたい。そしてまた、地元市の財政状況を顧みず、土地処分、とりわけ道路、公園の地元市への引き継ぎを、地元の状況が少し時間の猶予を持ってもらいたいという中でも、かなり強引に行われようとしていると思うんですね。
これらのことを踏まえて、土地処分に当たって、また、多摩ニュータウンの全体の整備状況について改めて確認をさせていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○山崎多摩ニュータウン事業技術担当部長 多摩ニュータウンの整備状況でございます。
ニュータウンは昭和四十一年より事業が開始されておりまして、新住宅開発事業あるいは区画整理事業、それに関連する公共整備事業というような事業で整備してきております。既に三十有余年が経過しておりまして、約二十万人が住む、緑あふれる快適なまちとなっております。
都施行の宅地造成ですけれども、既に九九%終了しております。尾根幹線など一部の公共施設を除きまして、整備はほぼ終了しているというふうに感じております。
これまで整備された公共施設につきましては、順次、地元の市ともよく協議しながら引き継ぎをしてきております。例えば流域下水道につきましては、平成十二年度の末に東京都の下水道局に、公共下水道につきましては、平成十三年度末に地元各市への引き継ぎを完了しております。
今後は、尾根幹線の整備など、残された課題に取り組んでいきたいと思っております。
○小礒委員 十五年が当面目安ということでありますけれども、いずれにいたしましても、地元から見ていまして、地元がやはり歓迎するような土地処分のあり方、それから、進出するこういうような学校もそうでありますし、地元に対して寄与してもらうというんですか、これを強く望んでいるわけでありますが、今現状から見たときに、この土地処分のあり方が非常に、ともかく土地を処分したい、売りたいと。そしてまた、前からありましたけれども、ウリウリ何とか課ができたり、ともかく土地をどんどん売る。そして、その周辺環境がかなり変化しつつある中で、これはもう駅前もそう。それから、いわゆる住区の間もそう。それぞれの状況があると思うんですね。
こういうことの中で、実際に、とりわけ今、相原・小山もニュータウンの事業内でありますので、今のような土地処分の進め方であるならば、また、その強引な、いわれるような十五年を目途とする地元に対する公共施設の引き継ぎ、これらをあえて、とにもかくにも、まちづくりという観点じゃなくて--地元のいわゆる自主、自立という一つの名目があったとしても、一向にそれが伝わってこない。伝わってこないというか、あくまでもそれは地元に引き継ぎを行う、そして東京都は、ともかく土地を処分して、ニュータウン事業から転回したいということが非常に強く感じられるわけでありますけれども、そこで、あえてまた聞かせていただければ、この事業区域内のまちづくりに当たって、いわゆる多摩ニュータウン全体の宅地販売に対する基本的な姿勢をまた改めて示していただきたいわけでありますけれども、そのあたりをお願いします。
○友繁販売企画担当部長 多摩ニュータウンでは、住む、働き、学ぶ、憩うという機能を備えたまちを形成していくことを基本としておりまして、このために、住宅はもとより、業務・商業、教育、文化等の諸施設を計画的に誘導し、立地していくことが重要であると認識しているところでございます。
今後とも、地元市と一層連携を密にして、宅地販売を通じて地域にふさわしい業務・商業、教育、文化などの施設の誘致を図り、居住している人たちがより快適な生活を享受できるよう努めていくことで、バランスのとれたまちづくりを進めていきたいと考えております。
○小礒委員 今ご答弁いただきましたけれども、地元市と一体となるとか、地元市と地元市とというけれども、実際上、今東京都が行っている土地処分のあり方というのは、とにもかくにも売れればいいと。ともかく買い手がつけばいいという形の中で、土地処分を、一刻も早くじゃないですけれども、早期に行っていこうという姿勢が明確にあらわれているんじゃないかと思うんですね。地元市、地元市というけれども、今後の土地処分計画を含めて、どのような連絡を地元と行っているんですかね。
それと、相原・小山、今いろいろお話がありましたので、あえてこれは結構だと思いますけれども、しかし、私どもはさまざまな地区を見る中で、一方では建物の老朽化だとか、それと、いわゆる核都市としての指定をされていても一向に進まない。これは局が違いますけれども、東京都が計画してもう何年たったのか。一向に手つかず。国に東京都から働きかけをして業務核都市に指定されたけれども、これも一向に進まない。しかし、土地はどんどん売るんだ、売るんだ、売るんだということ。
これだけの人、物、金を投入し続けてきた、いわゆるこの一大プロジェクトである、計画であるまちづくりをしてきた多摩ニュータウンの中で、今一つの節目に差しかかった中で、土地処分、あとは引き継ぎ、これが余りにも比重を占めているんじゃないかと思うんですが、都は、今後の多摩ニュータウンのまちづくりに対する進め方についてどのように考えられているのか、そのあたりもお聞かせいただきたいと思います。
○高西多摩ニュータウン事業部長 多摩ニュータウンの今後のまちづくりの進め方についてでございますけれども、多摩ニュータウンでは、これまでに道路、公園等、水準の高い都市基盤が整備されまして、住宅、オフィスビルあるいは学校、病院等の施設が立地し、すぐれた都市環境が形成されつつあります。今後は、このような良好な環境を生かしながら、より一層活力と魅力あるまちづくりを進めていくことが重要であると考えております。
また一方、未利用地の活用、あるいは施設のリニューアル等さまざまな課題を抱えていることは、先生ご指摘のとおりでございます。このため、都といたしましては、地元四市、それから都市基盤整備公団及び都で設置しております多摩ニュータウンまちづくり協議会の場も活用しながら、地域の活性化あるいは都市管理の充実等、地域に共通した課題の解決に向けて取り組んでまいります。
また一方、宅地販売につきましては、住宅、オフィスの都心回帰でありますとか、あるいは所有から利用にシフトしているというふうな近年の社会経済状況の中におきまして大変厳しい状況にありまして、そういうところから、売るのに、販売するのに非常に頑張るというふうなことがありまして、売ればいいというふうに聞こえるかもしれませんけれども、そういうことでは決してございませんで、地域特性に合った多様な施設を誘致するために、民間活力も含めまして、全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
このようなことを通じまして、なお一層、活力と魅力のあるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
○小礒委員 もう一点質問したよ。
○友繁販売企画担当部長 地元との協議でございますけれども、まず、宅地を売る場合に、年度当初にそれぞれの多摩市、八王子市、町田市にこういう土地をどうやって売りたいということで、それぞれの指定の宅地を提示いたしまして、まず話を進めているところでございます。
それから、個々の宅地に対する買い受け希望者がある場合についても、それぞれの各市と相談しながら、この宅地を売るための利用計画等、お話をしながら販売を進めているところでございます。
○小礒委員 最後にさせていただきたいと思いますけれども、活力あふれる、それから良好な都市環境、都市基盤整備をされて、一定のすぐれた都市環境が形成されてきたんだと、全くそのとおりだと思うんですね。それにしては東京都の施策は、例えば土地処分をとってみても、例えば相原・小山、地元が強くいろいろ要望してきたんですね。それは何かというと、駅前。どこもそうだけれども、駅前からどんどん民間マンションが建って、売りやすいところはどんどん--これは東京都の土地だったでしょう。マンションがばんばん建って、そうしたら児童発生数がまた狂っちゃった。学校もつくらなきゃいけない。一番手っ取り早く売れるのは、やっぱりそうですよね。
それから、ニュータウンの住区の中だってそうでしょう。当初計画になかったような計画を、住都公団の部分でもあるわけだけれども、マンション建設を初め、当初我々に示されなかったような計画変更を行って土地処分を行っていくとか、そういうことを、近ごろ我々は非常に見たり聞いたりするわけですね。
こういうことを踏んまえて、もう少し--地元市と意向をやっているんだ、ただ単に売れる、買い手が出たから、この企業が来るんだということだけじゃなくて、このまちに対しては、この地区はどのようなまちにしたらいいのか、それにはどういうような活力を持ち得るような企業なり、さまざまな業種、業態のものをとりに行ったらいいのかと。だって、そんなことはやっていないでしょう。ただ募集をかけて、手を挙げたところは、マンション業者だろうが何だろうが構わない。それで、地元の方にこれはどうだどうだと。それはもう東京都の土地を売るんだから、断固反対なんかできるわけない。もうちょっとまちづくりという観点で、この土地処分というものをやっぱり私は考えていくべきじゃないかなと思うんですね。
それから、活力ある多摩の育成は--多摩というのは、要するに三多摩全域ですけれども、活力ある多摩の育成は喫緊の重要課題であるというふうに私どもは認識しています。特に今、いろいろ話しました多摩ニュータウンなどの核都市ですね。核都市として位置づけられた都市をやはり起爆剤として、多摩地域全体のために、積極的に多摩地域全体がためのネットワーク化というか、自主、自立都市圏を形成していく、拠点を整備していく、こういうことを積極的にこの時期に取り組むべきじゃないのか。
それから、都市再生、都市再生といいますけれども、多摩は都市じゃないのか。多摩は首都圏じゃないのか。三千三百の中に多摩は入っていないのか。議論を聞いていても、余りにも多摩を軽視し続けているんですよ。
それから、先ほどからもいって、くどくて申しわけありませんけれども、これだけ人、物、さまざまな、そして良好な環境も整備しつつ都市基盤を行ってきた。これをただ単に土地を売るだけ、そして、さらに地元市へどんどこどんどこ自分らで--要するに、何市にまたがる道路は、東京都がほとんど策定した道路だ。これは地元市の意向を聞いたかもしれないけれども、しかしそれは、いずれかは四市にまたがる合併ということを考えて、そのときの想定でやってきた話じゃないですか。ところが、今となってみたらそうじゃない。東京都はそんなこと関係ない。じゃ、当初の話があった財政補完はどうなっているのか。そんなことだったら、もう煙が出てきちゃってよくわからない。こんな状態で、とにもかくにも、私どもはそういうふうに感じてならないんですね。地元が厳しいんだよ、はっきりいって。
それから、多摩を少し軽視し続けているということは、これはもう、ちょっとしつこいようですけれども、ぜひ--先ほどいったように、六千億、四千人の職員、東京都の組織の中だって大変大きな局だし、発言力もあるわけじゃないですか。ぜひとも建設局と合流した中で、これらの課題克服というんですか、現状の課題をもう少し精査していただいて取り組んでいただきたいと思います。
これについて局長の見解をお願いしたいと思います。
○山下建設局長 多摩ニュータウンでございますが、これまで住み、働き、学び、憩うということを基本にまちづくりを進めてまいりましたところですが、緑豊かな環境の中で、約二十万人の方が現在居住しているという状況になっております。
今後もこの基本的考え方のもと、整った都市基盤、あるいは豊富な人的資源、都立大を初めといたします大学の集積など、多摩ニュータウンのポテンシャルを生かして、人々が集まり、複合拠点を形成していくことが必要でございます。そういう意味で、多摩ニュータウン事業の重要性は十分認識しているところでございます。
建設局といたしましては、南北道路の整備など局所管の関連事業と一層連携を図りながら、関係局や地元市とも協力しながら、首都圏メガロポリスにおける重要な核都市の一つであるということで、多摩地域の発展に寄与できるよう、事業を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
○花輪委員 私は、環二のことについてお尋ねをしたいと思います。再開発の方についてお尋ねをしますが、まず、今回のこの議案で、施行規程の議決を、私たちが表決するわけですが、その後のスケジュールについてご答弁をいただければと思います。
○梶山市街地整備部長 これまで地元の住民の方々には、さまざまな機会を通じまして事業の仕組みあるいは進め方、まちづくりの絵姿などについて説明を行い、理解と協力を得てきたところであります。
六月末には、棟別あるいは用途別、そういったところの平均的床価格などを提示して、権利者の生活再建について説明会を開いてまいります。その後、事業計画を縦覧し、意見書の処理を行う予定でございます。
国土交通大臣への認可申請を経た後、この秋ごろには事業計画を決定し、権利者の生活再建にかかわる調整をさらに進めるとともに、本格的な用地取得を開始する予定でございます。
○花輪委員 それで、私たちが表決というか議決をした後、このプロジェクトが具体的にスタートするまでに、ほかにどこかで議決をするようなところというのはありましたか。
○梶山市街地整備部長 議決をするようなことはございません。
○花輪委員 ということで、これを議決すると、このプロジェクトは頑張ってやってくださいということになるわけですね。
いただいた資料をいろいろと見させていただいていたんですが、その中に、資金計画が実は入っていなかったわけです。プロジェクト全体の概要というのは大変よくわかりまして、新しい仕組みでやられていくというところは評価をさせていただきたいなというふうに思いますし、長年懸案だったこの再開発が進むということは大変喜ばしいなというふうに私自身は考えております。
ただ、そのお財布の部分がどうも見えてこないわけですね。今もちょっとご答弁がありましたけれども、今後、事業計画が決定をされていく。この事業計画の中で資金については出ていくということで、この後すぐに、スケジュール的には事業計画の縦覧みたいなものが始まるということで、そこで資金計画が出てくるということなんですが、私たちが判断をする材料のところでこの資金計画が出ていないというのは、若干これは問題があるのかなというふうに私は考えております。きょう、ここで質問しようかなと思ったんですが、新井理事の方が後で厳しく詳しく、このあたりは追及をされるということなので、私は、この部分では今はお尋ねはいたしません。
ただ、やっぱり物事の進め方として、資金計画が先にないと--私は再開発事業とか道路とか、いわゆるそういう仕事というのは、赤字だからやってはいけないとか、黒字だからやりなさいということで判断をすることではないというふうに思っています。もし必要な再開発事業であれば、赤字だろうと黒字だろうと、それはまちづくりとしてやらなきゃいけないと思うんですね。ただ、その前提として、このぐらいの赤字が出ますよ、このぐらいの税金を使わせていただきますよということが実は必要なんじゃないかなと。
例えば、今回のプロジェクトに幾らかかるという中で、例えばこの事業には三百億円のリスクがあります。もしかしたら、今収支はとんとんですけれども、時代の流れ、変化の中で、これまでの例えば十年間の物価の下落とか時価の下落を考えたらば、三百億円、四百億円のリスクは皆さん覚悟してくださいねという、いわゆるそんな説明をしてプロジェクトをスタートすれば、これはみんなの合意の中でこの事業はスタートしたということになるんですが、その部分が見えてこないでスタートをしてしまうと、例えば、いろんな再開発で今赤字になっちゃったりしていますけれども、そういうことを、逆にいえば皆さんは追及をされてしまうわけですよ。ここでちゃんと説明しておけば、あのとき説明をしてオーソライズされたじゃないですかということで、お互いに責任の分かち合いができるわけですね。だから、物事というのは、きっとそういうふうにこれから進めていった方がいいんじゃないかな、そんなふうに思います。
確かに、戦後のいろんなイデオロギー闘争の中で、開発事業をするときに、反対をすることでイデオロギーと結びつけようというようなことがあって、皆さんも、なかなか情報を出さない方がプロジェクトが進むんじゃないかみたいに思っているところもあるのかもしれないんですが、今、随分、市民の意識というものが向上してきました。国民主権の国で、私たちが考えなきゃいけないんだなというふうに、一人一人の国民、都民も考えられるような、そういう時代になってきています。ですから、そのあたりの情報をしっかりと出していただいて、今後またこういう再開発が出てくるかどうかはわからないですけれども、物事を進めていっていただいた方がいいのではないかなというふうなことを考えておりますので、それを要望して……。
ただ、このプロジェクトそのものは、私はしっかりやっていただきたいな、ここまでこぎつけたことは大変うれしく評価をさせていただきたいと思います。あと、収支のことは新井さんがしっかりとやってくださるということで、そちらにお任せしたいと思います。
以上です。
○ともとし委員 この事業に関しては、約半世紀にわたって、いうなれば五十五年間ほったらかしにされた、そういう事業であるなと。昭和二十一年の三月に環状第二号線都市計画決定がされて、ついぞそれから五十五年間もほったらかしにされて、やっと今回、一歩前に進む、そういう事業かなというふうに思うんです。
今までも質疑があったように、周辺住民の方は、ある意味ではあきらめかけていたものに、またともしびがついたのかな、そういうふうに思っている方もいらっしゃるんじゃないか。その反面、五十五年間もほったらかしにされて、やっと今、そのともしびが見えてきたこの事業も、本当にきちっと進むのかどうか、その辺に関しては、周辺住民の方はやはり疑心暗鬼になっているというようなことも聞いております。
そういう意味で、事業計画についても、いろんな面に関して若干聞いておきたいと思うんですが、新井さんが後になって聞くというようなことをおっしゃっておりましたけれども、まず、総事業費はどのくらいの概算を考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
○梶山市街地整備部長 当事業の総事業費は、おおむね一千七百億円の予定でございます。都市計画決定時での二千二百億円は、地下本線工事費を含め、起債による償還金を除いた金額でございますが、当事業では、そういった部分を除きますと一千七百億円でございます。
○ともとし委員 この事業の中で、当初の状況と大きく変わってきているというのは、平成元年に創設されました立体道路制度、この辺ではないかなというふうに思いますけれども、この辺を若干詳しく教えていただきたい。
○梶山市街地整備部長 立体道路制度は平成元年に創設されたものでございまして、法律的には都市計画法、都市再開発法、建築基準法、道路法の改正によります。具体的には、道路の上下区間を基本的に建築物の敷地の利用に供するために、道路区域を立体的に限定し、道路内に建築物を建築する制度でございます。
都市計画道路の区域のうち、建物の敷地としてあわせて利用すべき区域、道路があったら、空間ですね、どういうふうなことを--重複する区間と、建物の建築が可能な上下の範囲を定めるものであります。
○ともとし委員 この狭い東京の中に千数百万の人たちがいらっしゃるわけでして、これからの道路建設等については、あるいは再開発の中には、こうした有効利用をしていかなければできないというようなことも十分考えられるんですが、これは技術的なことになるので、所管がまた違ってくるのかなというふうに思うんですが、こういう立体事業になってきますと、一番気になるのは防災についてなんですね。
阪神・淡路のあれだけの地震を目前で見てきている、あるいは視察してきている我々にとってみれば、ああいう建物が、もし万が一ぼんと落ちてきちゃったら、それこそもう大変なことになってしまうんですね。
これは技術的なことですので、所管がまたちょっと違ってくるのかなと思うんですが、建設局ですから似たような感じもありますので、そういう技術面で、防災上、これはもう十二分に大丈夫だという、そういうものがあるかどうか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○梶山市街地整備部長 この立体道路制度というのは、土木構造と、それから建築構造、それが合体するわけです。しかしながら、現実的には、そういった構造形態も、土木と建築は若干違います。そういうことで、この立体道路制度については、道路構造と建築構造を分離いたします。そういうふうなことで、構造的に、基本的な考え方として安全を保っている、こういうことでございます。
あと自動車の衝突だとか何かとか、いろんなそういう意味での防災上のあれは当然ございますけれども、ここについては一部、トンネルの部分はほんのわずかでございまして、ほとんどあとは上空があいているスリット構造、こういうことでございますので、そこら辺については十分防災上の配慮がされていると考えます。
○ともとし委員 私があえて質問させていただいたのは、この件について地元の方のいろんな状況を聞きましたら、一番最初にそれが出てきたんですよ。道路の上に建物が何か建つらしいけれども、阪神・淡路のああいう地震があったときに、大変な状況をテレビで見てきたんだけれども大丈夫なんですかと、そんなような話がありましたので、恐らく地元に、またこれは説明会に行くのでしょうから、同じような質問が建設局にされるかと思いますので、若干、老婆心ながら質問させていただきました。
当然これは、借地権者だとか借家権者だとか、いろいろな方がいらっしゃるかと思うんですが、大体どのぐらいの方が今想定されているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○梶山市街地整備部長 平成十三年の十二月末現在で、地区内の借地権者は百十人でございまして、借家人の方は四百八十四人でございます。
○ともとし委員 それと同時に、もう一つ現地の方で危惧しているのは、こういうような一つの事業、大型のものが出てくると、必ずそこに出てくるのは、ゼネコンを初めとするところの土地の買いあさりじゃありませんけれども、いろんな問題が出てくる。結局、バブル当時にそういうような状況がありまして、はじけたと同時に残ったものは、あちこちのまさに食い荒らされたところの土地の状況であるという、そこのところがよくいわれているところなんですね。
今回も、この事業は明確に一つの計画にのっとって、平成二十一年には、この環状二号線についても完成するというような方向性は出てはいるんですけれども、その間の中で、こうした土地の媒介等がいろんな形で出てくるのではないかなというふうに思うんですが、その辺についての防護策というか、そういったことや何かというのは考えられているのかどうか。また、そういうことができないような、そういう方向性があるのかどうか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
○梶山市街地整備部長 東京都と、それから対地権者というんでしょうか、そういった関係におきましては、事業決定がされますと、いわゆる土地収用法が適用になるということが一つあります。
それからもう一つは、民間の売買は基本的に自由であります。しかしながら、都市計画法六十七条におきまして、そういう形の中では施行者に届け出を要することになってございます。届け出があった場合には、都が買い取る意思があれば、三十日以内に買い取るべき旨の通知をし、届け出の予定価格で取得できる、こういう制度がございます。
先ほど先生おっしゃいましたとおり、二十一年に完成でございますので、我々事業者といたしましては、基本的にはこの届け出があれば、予算の範囲とか、あるいは優先度、そういうものを勘案して、私どもとしては買収していきたいなと、こんなふうに思っております。
○ともとし委員 もう一つ調べていたときに、やはり現地の方から聞こえてくるお話は、非常に商店が多い。それが今回の対象の中に含まれているわけなんですが、そういう商店等についての補償、これがどの程度のものがあるのか。その辺のことも、できればぜひとも都の意向を聞いておいてもらいたい、そういうようなものもあるわけです。
それと同時に、状況に応じては公のそういうところに移転する、汐留か何かのあっちの方に移転するというようなことも聞いているんですが、ほとんどの方は希望していない。周辺の大田区ですとか、何かそっちの方に移転する用地を確保して、そっちの方に行くようなことも聞いているわけでして、それと同時に、人の方については都営住宅等のあっせんもやっていただけるかどうか、そういったことも含めてぜひとも聞いておいていただきたいという、そういうお話があったんですが、この辺についていかがでしょうか。
○梶山市街地整備部長 借家人の方でございますが、店舗系ですと、十三年度調査におきまして、五十二人というか五十二件ですか、そういう方でございます。
それともう一つ、一般のそういった小権利者と申しますか、借家人の方々への都営住宅のあっせんにつきましては、いろいろ基準はございますけれども、私どもとしては、住宅に困窮するということはいいことではない、こういうふうなことから、一般都営住宅へのあっせん、そういったものをしていきたいというふうに考えております。
○ともとし委員 この五十二件についての補償。
○梶山市街地整備部長 都の適正な補償基準に基づいて補償してまいります。
○ともとし委員 あとは新井さんに任せます。
○池田委員 最初に、環状第二号の新橋・虎ノ門地区第二種再開発問題、これについて聞きたいと思います。
先ほどもちょっと出ていましたけれども、権利者の権利別の規模別内訳、大きな権利を持っている人、また小権利者、それぞれどの程度の規模を持っているのか、それで、その割合がどうか。
そして、今回新しく事業協力者ということで、既に森ビルだとか西松グループが決定されているわけですけれども、それの土地所有の状況を示してください。
○梶山市街地整備部長 多岐の質問でございますので、一つ一つお答えいたしたいと思います。
全体では、土地所有者は三百四十八人、それから借地権者は百十人、借家人は四百八十人で、合計九百三十八人でございます。
それで、十三年の十二月末現在で、地区内の土地所有者のうち千平米以上の土地所有者は五人でございまして、パーセンテージでいえば約二%、その他の土地所有者は三百四十三人で九八%でございます。
それともう一つは、事業協力者として決定いたしました森ビルの所有の土地は千六百平米であります。それから西松建設グループにつきましては、地区内に土地を所有してはございません。
○池田委員 先ほど事業費について、現況では千七百億円という話がありました。そこでお伺いしたいんですが、これは平成八年の三月、財政委員会では、この再開発事業費を三千百六十億円というふうに報告していますというのを、平成十年の都・環の委員会で報告されているんですね。その後、二千二百億円、こういうふうに変わって、さらに今度千七百億円、こういうふうに推移してきているわけですけれども、この総事業費が縮減されてきている、その主要な原因というのは何なのでしょうか、具体的に教えてください。
○梶山市街地整備部長 ちょっとややこしくなりますので、わかりやすくご説明したいと思いますが、都市計画決定時での二千二百億円というのは地下本線部を含んでいる金額です。今回私どもが提案いたしました、正式には一千六百六十億円で約一千七百億円ですが、これは地下本線部を除いております。それで、都計時の地下構造物は約三百七十億円でございますので、これを加味しますと、正確には二千三十億円になります。
都市計画決定時の二千二百億円から比べると約百七十億円の減となりますが、この理由は、すべての再開発ビルに特定建築者制度を導入したことによります工事費の減、それから転出予定者の増加に伴う用地買収額が増加した、そういったものを相殺しまして百七十億円減になった、こういうことでございます。
○池田委員 何かちょっと具体的な数字として示していただけると、非常にありがたいと思うんですね。今なかなか難しい話だという前提で話されたんですが、聞いているだけではちょっとよくわからない。
ですから、二千二百億円が千七百億円になったこの中では、今の全体の事業の中身でこういうことが変わったよ、そのためにこの部分だけ縮減されたんだよということでちょっと説明してください。
○梶山市街地整備部長 特建者制度の導入による縮減効果が約六百二十億円です。それから、転出予定の増加に伴う用地買収増が四百四十億円です。それから公共施設工事費の増、これは区域を拡大いたしましたから、その分が十億円です。これを相殺しますと約百七十億円、こういうことでございます。
○池田委員 この間の都市計画決定されて以降の、要するに土地価格、バブルの状況でしたよね。それが、全体として地価が下落してくるということも大きな要因の一つではないかというふうに思っているんですが、その辺はどうですか。
○梶山市街地整備部長 確かに地価は年々五%ぐらい下がってきておりまして、そういうことで下がってきております。
○池田委員 こういう細かな話をやっている、時間的な問題もありますから、基本的な問題でお聞きしたいんですが、今回新しく事業協力者という制度ができて、それで、先ほどもいいましたけれども、決まりました。そして、こういう事業協力者の方が入ったことによって、先ほど六百二十億円、事業の経費が縮減されるというふうにいわれたんですね。それは、具体的にはどういうところで、どういう中身なんでしょうか。
○梶山市街地整備部長 ちょっと先生に誤解があると思いますので……。六百二十億円の減というのは、特建者制度を活用したと。今は事業協力者でございまして、事業協力者が二つ決まりました。これから、事業協力者イコール特建者ではございませんので、また改めて公募いたします。そういう意味で、まだ特建者はだれがなるか決まっておりませんけれども、ただ、それを特建者制度でやることによって六百二十億円減になるということです。
○池田委員 じゃ、ちょっと具体的に聞きましょう。事業協力者、この方たちが入ることによって、東京都のメリット、それから事業協力者のメリット、これはどういうことでしょうか。
○梶山市街地整備部長 施行者である私どものメリットといたしましては、ビルの付加価値を高める企画提案、あるいは権利者の生活再建などについての協力、そういうことを求めてまいります。こうすることによりまして住民の方々との早期合意形成が達成されて、事業のスピードの向上になる。これが第一点であります。
それから、事業のスピードが向上いたしますから、事業期間がそれだけ短縮されます。これに伴いまして、起債利子の軽減が図れる。
さらには三番目として、私どもが一番弱い部分でありますけれども、代替物件の情報提供、あっせん、そういうものができるということがメリットであります。
それから、事業協力者のメリットといたしましては、東京都のまちづくり事業への参画によります社会的信用の向上が一つありまして、もう一つは、将来の特定建築者を目指した新たなビジネスチャンスなどがあるかな、こんなふうに推測いたします。
○池田委員 東京都のメリットとしては、事業のスピードアップ、民間ノウハウの活用というような話がありました。そして、ここの事業協力者としてもう既に決まった森ビルさんだとか西松グループの人たちのメリットというのは、今いわれたように、東京都のまちづくりへ参画することによる社会的な信用の向上。大事な問題は、その後の特建者を目指して、そしてビジネスチャンスを拡大する。
今、私が誤解しているという話がありましたけれども、協力者ということで今は決まっているわけだけれども、当然、将来はこういう方たちが特建者の道に行くというのは、大体流れじゃないんでしょうか。それが、形としては応募して、それで決めていくということになるんでしょう。
しかし、実際に今の段階から参加をしていくということになれば、さっき部長さんもいわれたように、特建者を目指しているのは当然の話だというふうに思うんですよ。そういう点で一番の問題というのは、その辺のビジネスチャンスを拡大する、こういうことがメリットとして考えられるんじゃないかというふうに私は思うんです。これは、ここだけで指摘をしておくにとどめておきたいというふうに思います。
それで、問題は、ここの先ほどいわれた権利者の中で、こういう言葉を使うと語弊があるかもわかりませんが、弱小な権利者の皆さん、この方たちがここに居続けたい、住み続けたり商売をしたいという、こういう方たちに対して、今度の計画、立体道路制度の活用で、こういう方たちが地区内に住み続けたい、こういう意向に沿えるんだということを東京都はずっと説明してきているわけですね。じゃ、それを具体的にどう保障しようとしているんですか。それをちょっと説明してください。
○梶山市街地整備部長 弱小権利者、とりわけ借家人の方だと思うんですが、そういった方々への対応といたしましては、家主さんとのセット入居、そういうものに私ども努力するとともに、零細権利者の方々については、権利床の最小区画、床を一番小さくするにはどのぐらいか、そういうことを設定して、きめ細かな対応を行ってまいりたい、こういうふうに思っております。
○池田委員 平成十一年の五月二十八日に、平成九年度の各会計決算特別委員会で、こういうふうに当時の開発部長は答弁されているんですね。環状二号線のうち新橋-虎ノ門間につきましては、関係権利者の引き続き現地に居続けたいという強い要望を受けまして、平成元年に立体道路制度ができたわけですが、この制度を活用しまして再開発事業を提案いたしましたと。そこで、このことによりまして地元の方々が地域に残れるということで、関係権利者の意向が事業促進へと進展してまいりましたということで、地元の皆さんが、居続けたいという意思を持っておられる方は、ここに住む、また生活をし、商売をされるということが保障されるんだと。今部長が答弁されましたけれども、それで大丈夫なんですね。今の対応で。
○梶山市街地整備部長 借家人などの零細権利者につきましては、先ほどお話ししたとおり、私どもとして、特に借家人の方々に対しては家主とのセット入居に努めてまいりたい、こういうふうに思います。
○池田委員 それは後でいろいろ解決できない問題、それはなかなか大変なんですよ。民間と民間同士の補償の話し合いなんていうのはなかなか進まない。私は、もっと基本的なところの問題を、まずはっきりさせる必要があるというふうに思っています。
そこで、権利変換の問題ですけれども、従前の資産と、そして再開発後の資産について、権利変換比率はどういうふうになりますか。
○梶山市街地整備部長 市街地再開発事業におきましては、従前の資産額と権利床の価格は同額としております。つまり等価交換でありまして、率でいうならば一・〇ということでございます。
○池田委員 これは平たい話でいえば、今、百平米の土地を持っている。上物は、もう古くなっているから余り数字に入れない。要するに、百平米の土地を持っておられる方が、従前の資産として一定の価格が認定される。そうすると、例えば再開発されたビル、同じ百平米の床をもらうということになれば、これは等価交換ですから、従前の資産と従後の再開発後の資産を比べた場合には、当然百平米とるには、等額になるように何がしかの清算金として出さなきゃいかぬわけでしょう。ということになりますよね。そういうことで、事実上、実際に住まわれている方たちが外へ出ざるを得なくなるというのがいろいろなケースの中であるわけです。
私は豊島区ですけれども、豊島区では池袋北地区の区画整理もありました。それから、大塚駅を中心とした戦後復興区画整理もありました。いろいろそういう経過を見てきますと、実際に、従前の資産と従後の資産、等価交換だから一対一というふうにいわれるんですね。しかし、それでは、そこに住まわれた方たちが、そこに生活し、商売をし、住み続けたいという方たちが、そこにはいられなくなるというのが実情じゃないんでしょうか。その辺はどうなんでしょうか。さっきの部長がいわれるような対応で十分やっていかれるのですか。
○梶山市街地整備部長 再開発はちょっと複雑なところがございまして、みずからが出ていく場合、あるいはそうじゃない、どうしても譲り受けたい場合、だけれども、そういうことで担保ができない場合とか、いろいろケースがあって、ちょっとそこら辺がごちゃごちゃしておりますけれども、基本的には私どもは、そういう形で権利者の方々が従前が一〇〇だった、でも、従後は例えば一五〇だったと。じゃ、それは無理だな、五〇清算金を出さなきゃならないねと、こういうふうな場合には、先ほどお話ししたとおり、最小区画、床をできるだけ小さくして、清算金を少なくしましょう、これが一つあります。あるいは、さらには東京都の融資制度を活用していきましょう、あるいは、さらには清算金の分納などをいたしましょう、こんなことも今考えているわけであります。
あともう一つは、事業協力者というのを、そういう形で今回導入いたしますから、住民の方々の理解が得られるならば、周辺の賃貸ビルなどの代替物件のあっせんとか、あるいは権利床をもうちょっと資産運営されたらいかがでしょうかとか、こういうふうなことをお話しして、少しでも理解を賜るような形としてやっていきたいというのが私どもの今の考えでございます。
○池田委員 余り一般論をやっていてもしようがないので、例えば、こういう地元の方からの話を聞きました。商売、床屋さんをやっている方で、これは店舗を借りているんです。現時点で、今部長がいわれたような話というのは何も聞かされていない。商売柄、もしビルの高いところに店を出したら、お客さんは来ないだろう。現在の店の近くのサラリーマンや商売人が常連のお客さんだ。現在の店の極力近い場所で、同じように一階で商売できないと営業を続けるのは難しい。借間人の補償はどうなるのか、だれと交渉すればいいのかということで、今部長がいろいろ私に答弁していただいたんだけれども、そういうことの中では解決できない問題を、この方はそういう点で非常に不安を持っておられる。
それから、例えば、これは古いアパートに住んでおられる年配の方です。お年寄りです。現在払っている家賃が高くなったら、払えなくなっちゃう。東京都が責任を持って都営アパートに入れてくれるんだと自分は信じているというふうにいわれています。
それから、例えば、こういう人もいるんですね。区が地権者なら、虎ノ門地区にできる住宅がありますね。あそこに自分は入りたい。ひとり暮らしを含めてお年寄りが非常に多い地域なので、区が権利を持つ建物、これは第一工区の住宅ですね。ここにケアハウスのような計画を具体化し、費用も安く入居できるようにしてもらいたい、こういう気持ちを持っておられる。
こういう方たちが、やはり不安と、そして自分の今の生活の変化をどうにかしなきゃいけない、生活再建しなきゃいかぬということの気持ちを持っておられるんですね。
そういう方たちにこたえる上で、実は今回の施行規程を決める段階では、より具体的にそれぞれの方たちの今の権利、所有も土地だったら土地、そういう状態を具体的に調査してやっているわけじゃないから。これは、実際には秋ごろ事業計画を決定する。そして、より具体的に事業が進む段階じゃなければなかなか話ができないというのが仕組みになっているから、これはしようがないなんていうようなことで済まされない状態なんですね。
ですから、私は基本的な、さっきいった弱小な権利者の皆さん方たちの、そこに生き続けたい、商売をしたい、住み続けたいという気持ちにこたえる上で、今、権利変換比率というのは、こういう基本的な方向で考えていくんだよということをやはり出さなければ--出さなければというのはなかなか難しいかもわからないけれども、基本的にこういう方たちの権利を守っていくんだよということを、やはり姿勢として示していただきたいと思うんですよ。さっき、一だというふうなことをいわれましたけれども、それはなかなかそうはいかないだろうと。
私、そこで聞きたいんですけれども、再開発事業をやることによって、防災の問題だとか、それから道路が整備されることによるいろいろな効果というようなことが先ほどいわれました。同時に、私は、開発利益というものがいろいろあるだろうというふうに思うんですよ。今までのまちより、再開発によって整備されたその地域のさまざまな利益、ものがあるんだろうというふうに思うんですよ。部長、そういうふうには思いますか。
○梶山市街地整備部長 一般的に、再開発事業を行うことによりまして道路、公園等の都市施設の整備、そういうものが整う。それから防災性の向上、さらには住宅の質の向上、良質な居住環境の整備、そしてまちの活性化など、そういったものが事業効果として発揮されます。こうした事業効果を権利者に対して平等に還元していっているというのが再開発事業であります。
○池田委員 平等にというところをいうんだけれども、なかなかそうならないというところが、今あっちこっちでやられている再開発事業だとか、区画整理の問題でもそうですけれども、あるんですね。そして、やはり都施行でやっているわけですから、東京都がやる再開発事業というのは利益を得るものではないんです。それは、すべてそこの権利者の皆さん方や、そこの住民の皆さん方にひとしく、それこそひとしく還元されていくというのかな、そういうことであるべきだろうと私は考えています。
そこで開発利益があるというふうなことであるならば、大きな企業の事業活動にかかわる企業利益、ポテンシャル、そういうものと、ここに住んで、そして生活する地域住民、その人たちの利益というか効果というか、そういうものとは、その質も額も全く違うんじゃないかというふうに考えるんです。大きな企業だとかが、そこが開発をされた後、そこに入って、そして企業活動をやって企業利益を広げていく、そのポテンシャルをさらに広げていくのと、個人が、また個々の小さなお店や何かの人たちがやるものとは、質も額も違うだろうというふうに私は考えるんです。
とするならば、開発利益を住民や個人と企業、とりわけ大きな企業と同じ比率にするのは、逆に不公平ではないのか。この部分だけ見ればね。というふうに思うんですよ。そして、私は、弱小権利者が地区内に住み続けられる、そういうことを考えた場合に、特に弱小の権利者の皆さん方の資産の権利変換比率を一以上にしていくことなんだと、そういうふうに考えているんです。
これからいろいろ計画や何かが具体的になって、住民の皆さん方から、説明会などでいろんな意見が出てくるだろうというふうに思うんです。しかし、私は、都施行なんですから、再開発で利益を得ようというふうなことではないんですから、そういうことをやはり基本に施行者として持ってもらいたい。これは答弁をぜひしてもらいたいと思いますが、どうですか。
○梶山市街地整備部長 先ほどお話ししたとおり、都施行の再開発事業というのは、事業によるそういった事業効果を均等に住民の方々、地権者の方々に分配する、あるいは還元するといった方がよろしいんでしょう。そういうものだと思っています。
特に都施行のよさというのは何かといいますと、大企業だとか個人だとか、そういうものにかかわらず公平にやるというところが都施行の最大のいいところだと、そういうふうに私は思っております。
ただ、これからの権利の確定につきましては、東京都が責任を持ちまして管理処分計画を策定して、住民に縦覧した上で再開発審査会の議決を経るなど、公平、公正かつ透明に行われるよう努めてまいりたいと思います。
○池田委員 東京都のいいところは平等だというんだけれども、それじゃ、大きな企業が、先ほど最初に私がいいましたけれども、今度、事業協力者として入った人たちが将来特建者として入る、そういうメリットを目指していくんだろうというふうに思います。それはそれで、考えて入ってきているんだろうというふうに思いますよ。
しかし、それじゃ、先ほどちょっと紹介したようなあそこの住民の皆さん、都営住宅の話、ちょっと紹介しました。ここで、再開発住宅建設については全く計画にない。これは何でないのですか。そういう住民の要求があって、それはあっせんするという話はしましたけれども、もう一歩続いて、その地域の皆さん方がそこの地域の中で生活をする、そういう場所を提供したらいいじゃないですか。
それで、都営住宅をあっせんするといったって、入居基準に該当しなければ入れないんですよ。これはどこでもそうじゃないですか。この地域の人たちが、そういう点では特別なあっせんのケースというのでもあるのでしょうか。あわせてちょっと答えてください。
○梶山市街地整備部長 今二つご質問があったと思いますが、まず第一点目の再開発住宅の建設についての話ですが、私どもの環状二号線地区の地元説明会では、当初より既存の再開発住宅の活用、これはストックがある、こういうふうなことから、従来のように都営の再開発住宅を建設することは困難であるということをご説明して理解を得てきた、こういうふうに思っております。
それから、都営住宅の基準で、裏返しのいい方をすれば、特別にそういう形があるのか、こういうことだと思いますが、それは先生おっしゃるとおり、入居の基準についてやっていくということでございます。
○池田委員 そうでしょう。ですから、私は、本当にそういう居住の問題で不安を持っている方たちにこたえていくような計画を、やはり住民の声にこたえて練り直していくことが必要だと思うんです。見直していくことも。
それで、例えば都市計画法の中では、東京都の施行について、市街地再開発事業の施行区域内に居住する借家人などで、法により借家権を得られないように定められ、住宅に困窮することとなる者のために、都が賃貸する住宅を再開発住宅として建設または購入し、再開発事業の一層の進展を図るために実施している事業であると、再開発住宅の事業をちゃんと位置づけているわけですね。それで、亀・大・小だとか赤羽北でもそうだし、それから白鬚西もそうです。そういうところでは一定の戸数のものをつくっているわけです。
ところが、今東京都は、実は北新宿の再開発のところでは、再開発住宅がつくられるよというふうに住民の皆さん方にはずっと説明しておった。ところが、事業が進む中で、これはもうほごにしちゃっているわけでしょう。そういうのが現状ですよ。
私は、そういう意味で、今東京都がこの再開発事業で、権利者の立場の弱い人たちの生活再建にやはり責任を持つという意味からすれば、今の計画の中に、そういう保障できるものをちゃんと位置づけるということこそが求められているんじゃないか。
時間の一定の経過もありますけれども、きょうはこの辺で、私の方のこの問題についての--施行規程ですからね。これからもそういう機会があるだろうというふうに思いますけれども、私は、今の時点でこういうことが--住民の皆さん方の声を聞いてみますと、先ほどもちょっと紹介しました。いろいろ具体的に自分が不安を持っているんだけれども、いろいろ説明会や何かも、時間も余りなくて、具体的にはなかなか答えてもらえないという不安をすごく持っているわけですね。そういうことも含めながら、今のこの時期にこの施行条例を決めていくということについては、私は反対です。
こういう事業そのものの基本的な立場についていえば、今、都市再生ということでもって、基幹道路がああいう形で進められていく。一層、今のあの地域のさまざまな都市問題が深刻化していく。しかも、これは、汐留から臨海開発に抜ける環二を通すというのが再開発事業の主要な目的です。そういう面から見ても、私はやはりその問題を指摘しておかなければならないと思います。
引き続きもう一点、土地の問題で、若干時間をいただいてやりたいと思います。
この相原・小山土地区画整理事業の施行区域というのは、面積が百七十四ヘクタール、こういうふうになっています。そこで、事業費の実績を累計で示してください。
○山崎多摩ニュータウン事業技術担当部長 相原・小山区画整理事業のこれまでの総事業費でございますけれども、用地の先行取得費も含めまして、合わせまして約九百三十億でございます。
○池田委員 処分対象面積と処分済み面積、この実績を説明してください。そして、処分した土地の売却費、これは実績と総額で示してください。
○山崎多摩ニュータウン事業技術担当部長 平成十二年度末の集計でございます。申しおくれましたが、先ほどの数字も平成十二年度末の数字でございます。
処分対象面積ですが、保留地、都有地合わせまして五十一・六ヘクタールでございます。処分済み面積が九・一ヘクタール、売り払い費として得た収入が百二十五億でございます。
○池田委員 今まで事業費として、用地の先行取得費も含めて--これが二百五十億円あるそうでありますけれども、約九百三十億円。そして、処分の対象面積が五十一・六、そのうち処分済みが九・一ヘクタールということですね。そういう点で、実績が、買収して収入として土地の処分で上がってきたのが百二十五億円。そうすると、ここで約八百億円、事業費との乖離があるわけですね。そういうことの中で、先ほど地元の委員さんからかなり厳しい指摘がやられたんですね。売らんかなというのかな、そういうことで一生懸命やられたというふうには思いますけれども、しかし、実際にそういう乖離が出てきている。
そうすると、あと未処分の四十二・五ヘクタールを全部売り切って、売却をしたにしても、全体としてこの九百三十億円の事業費はペイできない。これは、処分する土地のあっちこっちの地域によって違いますよ。それで、私がいただいた資料を見ますと、平成十二年度で、先ほど実績として出された九・一ヘクタール、平均でいうと平米当たり十三万七千円だというふうに教えていただきました。しかし、今回のところは、平米当たり九万一千円ですよね。それは地域が違って、場所が違うから、当然その価格の差があるんだろうというふうに思いますけれども、しかし、前の年、数年前と今回は大分年もたっているわけですから、そういうことから見ても、例えば、あと未処分の面積である四十二・五ヘクタールを平米九万一千円掛けてみますと、約四百億円弱なんですね。こういうことから見ても、先ほど申し上げたように、全体の事業費というのがペイできないというような状況になってきている。ですから、私は、ここでもう一度考え直していく必要があるんじゃないだろうかと。
こういう今の相原・小山の土地区画整理事業の現状、地元からもいろんな意見が出てきている。先ほどもお話がありました。そういう問題を明らかにして、この相原・小山の区画整理事業そのものがどうだったのか、やはり一度、この場で総括をする必要があるんじゃないか。そして、余り売り急ぐのじゃなくて、いろいろ地元の市の意見だとか住民の皆さん方の意見を聞いて、貴重な東京都の処分用地ですから、都有地ですから、その有効活用も含めて、土地利用計画などの見直しも含めてやっていく必要があるんじゃないかということを、私は意見として強く申し述べておきたいと思います。
以上です。
○新井委員 先ほど、私が収支については質問するからということで、思いがけない予告がありましたのでプレッシャーがかかっているわけですけれども、どうぞそういう場合はご自身でなさっていただければと思います。
環状二号線の再開発事業について伺います。
まず、これまでの都施行の市街地再開発事業で収束を迎えようとしている既施行の三地区、いわゆる亀・大・小と白鬚西、それから赤羽北地区の現時点での収支状況についてお伺いいたします。
○市原調整担当部長 白髭西地区など、いわゆる三地区につきましてですけれども、事業の収束段階を迎えまして、所期の事業目的を達成しつつありますが、平成十三年一月の都予算の原案発表時点におきまして、約一千五百億円の欠損が生じる見込みでございました。
その後、収支改善に向けまして、民間特定建築者制度の導入による敷地処分の促進を図る一方、分譲住宅の販売に当たりましては、銀行による優遇融資制度の創設など新たな取り組みを行いまして、収入確保に努めてきたところでございます。また、これらに加えまして、都債の発行停止などによります利子負担の軽減など、事業コストを縮減することといたしております。
その結果、平成十三年度の推計におきまして、約三百億円の収支が改善されまして、約千二百億円の欠損の見込みとなっております。
○新井委員 いろいろ収支改善の取り組みをなさっているわけですけれども、価格でいうと、ほとんど都債の発行停止による利子負担の縮減ということで三百億が縮減されたのかなというふうに思います。
しかし、いまだに千二百億という非常に大きな赤字が確実になっているということで、これまでのこの市街地再開発事業でこういう大きな赤字を生んだ原因と、その反省についてお伺いしたいと思います。
○市原調整担当部長 欠損金が生じました主な原因といたしまして、バブル経済崩壊によります、事業の財源となります土地や保留床の処分価格が当初見込みを大幅に下回ったことが一点あるかと思います。また、事業の長期化によりまして、起債利子等の負担額が増加したことなどでございます。
反省点でございますけれども、再開発事業が保有いたします資産や負債等の財務内容が不明確であり、会計情報が十分でなかったこと、こういうことを反省点と挙げております。
○新井委員 そうですね。やはり結果として、土地の下落というのが大きな原因だというふうには思いますけれども、収支見通しを立てて、それから事業に取りかかる、そういう姿勢がちょっと欠けていたのではないかということと、収支見通しを立てる際の会計情報が不十分だったというふうに反省をおっしゃっていましたけれども、そういうことだっただろうというふうに思います。
こういう教訓に立ちまして、この千二百億という赤字ができてしまったということは、どんなふうに処理していくのかということは一つの大きな課題ではありますけれども、さておきまして、こういうことを今後の事業にやはり生かしていかないといけないということで、この教訓を今度の北新宿あるいは環状二号線などで生かしていこうということで、ことし四月から企業会計方式に移行したということですけれども、これではどのような効果を期待していらっしゃるのでしょうか。
○市原調整担当部長 企業会計の導入効果でございますが、まず第一に、事業収支がより一層に明確となることでございます。また、会計情報の公表によりまして事業の透明性が高まり、都民に対する説明責任が果たせること、職員のコスト意識が徹底されてくること、これらを通じまして、資産や負債などの会計情報を的確に事業に反映させ、採算性を重視した事業運営が可能となることなどでございます。
○新井委員 そうですね。そういうことだと思います。
それで、今回、平成十四年度の公営企業会計の予算説明書の中で予定貸借対照表というのが出されていまして、これを拝見したんですけれども、この中では、北新宿と環状二号線の再開発事業というのが一緒のものとして、個別に出てはいるんですけれども、両方一緒の事業としての予定貸借対照表というのが出されているわけなんです。
今回、企業会計方式に移行してバランスシートをつくるという場合には、それぞれ事業の中での収支が明確になるように、別々のバランスシートをつくる必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○市原調整担当部長 都市再開発事業会計におきましては、北新宿地区、環二地区両間におきまして弾力的な資金運用が図れるよう、同一会計で経理することといたしております。
貸借対照表、損益計算書の財務諸表及び予算書におきましては、地区別に勘定科目を設定しております。このことによりまして、地区別の事業収支が明確になるものと考えております。
○新井委員 基本的には、バランスシートは別々にする方が事業の収支が明確になりますし、透明性も一段と高くなるということだと思うんですけれども、バランスシートは一つにして地区別に明らかになるようにということですので、バランスシートを別々に出すことに対する人件費とか時間とかを考えますと、ある程度やむを得ないかなという部分がございますけれども、必ず両事業のそれぞれがはっきりとわかるような、そういう地区別なものがわかるようなバランスシートにしていただきたいということをお願いしておきます。
それから、先ほどの反省というところでも出てきたところなんですけれども、大きな再開発事業に取り組む場合、事業が思ったよりも長期化してしまったりとか、先ほどございましたけれども、それによって利子負担が増加してくるというふうな問題が起きてくるわけです。
この教訓を考えますと、一つはバランスシートということが出されましたけれども、もう一つは事業の取り組み方ということで、大きな単位でがっと一気に取り組むということではなくて、事業をブロック単位で小規模化して取り組んでいって、短期化ということも含めて、あるいは途中で引き返すということも含めて可能なような、そういう事業の取り組み方というのが必要だと思うんです。一たん取り組んでしまうと、もう引き返すことができない、赤字が膨らむんだけれども、もうどうしようもないというような、そういう事業の手法については改める必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○梶山市街地整備部長 本事業への取り組みでございますけれども、今回の環二の事業設定の区域というのは、どちらかというとブロック完結型といいますか、そういう形でできているのかなというふうに思います。そういう意味で、さらに我々は、そこを、ブロックごとの執行を徹底して図ろうというふうなことを今考えているところであります。それにあわせまして、事業費の縮減、それから事業スピードの向上を図るために、今回新たな手法を導入してまいりました。
その具体的な手法といたしましては、先ほどからご答弁しておりますとおり、民間活力の積極的な活用策として、事業協力者方式の導入を図っていきたい。それから、その後につきましては、さらに再開発ビルの建設、そういうものについても民間特建者制度を全街区に採用していきたい。こうすることによりまして、工事期間の短縮、事業のスピードアップ、それから、さらには赤字の大きな原因でありました保留床処分の事業リスクの回避、そういうものが図れるというふうに思っております。
○新井委員 わかりました。今回は道路を通すということがメーンの事業ですので、ブロック単位で取り組まれるということですけれども、今後こういった手法を、バランスシートと、それからブロック単位で小規模な単位で取り組んでいくというふうな手法を、土地区画整理とか、そういった開発の部分も含めて取り組んでいっていただきたいということを申し上げておきます。
それから、今後、都市再開発法第五十二条によって事業計画を縦覧して、秋には認可申請を行うというふうな手順になっていますけれども、この事業計画で定められています資金計画についてお伺いいたします。
○梶山市街地整備部長 当事業の総事業費は、おおむね一千七百億円となる予定でございます。その事業費の内訳といたしましては、用地費及び補償費で千三百億円、全体の約八〇%を占めてございます。街路工事費と再開発ビル工事費で百四十億円、起債の償還金及び事務費などで二百六十億円となっております。
これらに対します財源といたしましては、補助金が五百八十億円、都費が七百五十億円、起債百二十億円で、計一千四百五十億円、全体の約八五%を占めてございます。敷地処分によります財産収入で二百五十億円を予定してございます。
○新井委員 ありがとうございました。今、縦覧前ということですけれども、収支の見通しということで出していただきまして、先ほど花輪理事の方からもお話があったんですけれども、議会で条例で定めるとされているのは施行規程のみで、私たち議会の方が議決ということで関与できるのはここの場だけなんですね。そういうところに、事業計画というものが基本的に出てこないということはおかしいのではないかなというふうに思います。
法律では、施行規程と事業計画を定めなさいということで、その順番については明文化をしていないので、施行規程だけ出て議決をしてくださいといわれても、それは法律上は問題がないわけですけれども、議会の関与で私たちがどう判断するかということについては、特にこれまでの再開発の中で千二百億という非常に大きな赤字が生まれているということの中で新たに取り組む再開発ということでは、一番大切な部分だというふうに思うんですね。こういう部分をきちんと出していただかないと、なかなか判断ができないということがあると思います。
今後、東京都の施行の再開発はこれが最後ということになるのでしょうか、大きい開発はね。今後の事業については、土地区画整理事業なども含めて……(発言する者あり)民間の方がね。特措法の方も全部民間になってしまいますからね。その辺はちょっと置きまして、土地区画整理なども含めて、大きな事業のときには、基本的に資金計画を議会に明らかにして、そして判断を求めるというふうなことをぜひ留意していただきたいというふうに思います。
それで、その中身なんですけれども、今千七百億というふうにおっしゃったんですが、先ほどちょっと池田さんの方からもご質問がありましたけれども、これについては地下部分の構築費が除かれているということで、これを含めますとどのくらいになるのでしょうか。
○梶山市街地整備部長 先ほどもお答えいたしましたけれども、現在、正確な積算というんでしょうか、それについては今精査中でございますけれども、都市計画決定時点での地下部分の事業費は三百七十億円と試算してございます。千七百億円といっていますが、細かくは一千六百六十億円でございますから、それに三百七十億円を足すと二千三十億円でございます。
○新井委員 この三百七十億円の財源はどうなるのでしょうか。
○梶山市街地整備部長 所管が道建部長でございますが、これは街路事業費でやることになってございます。
○新井委員 ここの三百七十億の中では、もう都債は組まないんですか。
○岩永道路建設部長 三百七十億円でございますけれども、まず国費を導入するということで努力してまいりたいと思います。仮に全額が国費対象ということになりますと、二分の一ということで、その裏ということで都費が負担されることになりますけれども、通常の場合、その都費は起債でなされるというふうに聞いております。
○梶山市街地整備部長 道路建設部の道建部長がお話しした話は、東京都が起こす起債であります。私どもが先ほどからいっている起債というのは、事業者が起こす起債でありまして、金利のかかるお金でございまして、そこが違うということをあえてご説明させていただきたいと思います。
○新井委員 そうしますと、こちらに起債利子というのが四十一億、先ほどのお話でありましたけれども、インフラ部分の構築費もすべて含めて、いわゆる事業が仕上がったときに、この事業に一体どのくらいかかりますかという場合には、やっぱり分けて考えられないわけですよね。総事業費として、こちらの都債も含めた総事業費というのは一体幾らになるんでしょうか。
○梶山市街地整備部長 財源譲渡の問題がございますので、今の段階ではわかりません。
○新井委員 わかりました。
それと、じゃ、あと一点なんですけれども、ここの財産収入の二百四十九億のところに、土地の下落というのは見込んでいらっしゃるのでしょうか。これまでの事業の大きな赤字を生んだほとんどの原因は、土地の下落ということがあったわけですけれども。
○梶山市街地整備部長 土地の下落は見込んでございます。
○新井委員 わかりました。
それでは、赤羽北地区は十四年度で収束ということなんですけれども、この地域での地区外転出率というのはどのくらいになっていますでしょうか。
○梶山市街地整備部長 現時点の転出者数は、権利者三百九人中百九十九人でございまして、その割合は六四%となっております。
なお、この赤羽北地区につきましては、今年度中には事業が完了の予定でございます。
○新井委員 これまでの東京都の再開発事業では、大体六〇%ぐらいの方が転出をしているというふうなことを伺っていたわけなんですけれども、六四%の方が、十四年度で収束する赤羽北地区では転出をなさるということですね。そちらに住んでいる人の六四%が転出をしてしまうということについて考えますと、再開発というのが何のために行われるのかということを、やはりもう少し考えなくちゃいけないんじゃないかというふうに思います。土地の流動化とか経済の活性化ということだけに軸を置いた再開発というような気がするわけです。
もちろん、それも否定するわけではありませんけれども、そういう部分と、もう少しそこで暮らしている人に目を向けて、住み続けたいと思う方はそこに住み続けていられるような、そういうコミュニティを重視したまちづくりという視点を、再開発事業の中では忘れてはいけないというふうに思うんですね。特に、民間ではなくて東京都がやっている事業ということですので、こういった点についていろいろな手法をぜひ工夫していただいて、補償問題とか、ぜひ住み続けたいとおっしゃる方はその地域で住み続けられるようなそういう再開発事業に、ぜひこの環二の方はしていただきたいというふうに思います。
それから、今回、土壌浄化方式というのを採用されているわけですけれども、その理由と、換気塔方式と比較した建設コスト、ランニングコストの費用についてお伺いいたします。
○柿堺道路計画担当部長 ご質問の一点目の、この区間の換気方式でございますけれども、かねてからの地元の要望もございまして、建物計画の変更を踏まえまして、換気方式について検討を行ったところでございます。その結果、環状二号線上の建物がなくなった部分に、土壌浄化施設に必要となる大規模な空間確保が可能となったこと、また、トンネルの上部に開口部を設けて、自然換気方式と土壌浄化方式を併用することで環境基準を確保できること、以上のことから、換気方式として自然換気併用の土壌浄化方式を採用したものでございます。
また、二点目の費用の問題でございますけれども、換気塔方式、土壌浄化方式、双方ともが一つのシステムでございますので、どこまでを範囲に入れるか、なかなか難しい問題がございますので、そういう意味で概算ということでお許しをいただきたいと思いますけれども、まず換気塔方式、浮遊物質の除去ができる電気集じん機を採用した、その設備も含めて約七十億円、土壌浄化方式で約四十億円と試算してございます。
また、三点目のランニングコストでございますけれども、これは管理形態が大きくかかわってくる問題でございますので、現在明確ではございませんけれども、どちらのシステムにしても、おおむね同額程度というふうに考えているところでございます。
○新井委員 建設コストが半分近くで、ランニングコストがほぼ同じだろうということです。大和町で大気浄化の実験施設をつくられて実験をしているわけですけれども、この結果を見て私も本当に驚いたんですけれども、NO2が九九%、NOXが八六%、SPMが九二%除去されているということで、換気塔方式というのは、ただ煙突の中から出して薄めるだけですけれども、土壌浄化方式というのは、汚染そのものが除去されるということで、非常にすばらしいものだなというふうに思います。
ただ、場所の確保が必要ということで、どこでもできるという問題ではありませんけれども、ぜひこういった方式が可能なところは、積極的に今後とも取り入れていっていただきたいということを申し上げて、終わります。
○星野委員 何か質問する元気がだんだんなくなっちゃった。(笑声)というのは、ほとんど聞きたいことは出てきていますので、これを重複しないように聞こうというのはまた大変ですから、今まで答えた部分は、私の質問の中にあっても答えなくてもいいです。これは私どもの古賀議員の代表質問の中にも入っていますので、代表質問の模様は聞いておりましたけれども、委員会の中でそれに追加して幾つか質問させていただきます。
この再開発、一番最初に感じたのは、先ほどともとし委員からもいっていたように、よくぞこの五十五年間というか、この間、延ばしてきたものだなというふうな、これが実感です。というのは、東京都はここ以外にも、計画道路の線引きと、地図の上で簡単に線だけ引いて、そのまま放置してきた部分がたくさんあります。そこに住んでいる人たちが、やるんなら早くやってくれという人と絶対にやってほしくない、両方に分かれるわけですけれども、その間、五十五年といいますと、最初の計画を聞いていた人がどのぐらい生きているかということですね。相続時にたまたまやってくれればよかったとか、いろいろその間あったと思うんですね。
ですから、私はやはり、こういう計画を立てたものは、実際に計画を実行する間に都民の皆さんに大変迷惑をかけてきたんだということをまず念頭に置いてほしいと思うんですね。いろんな制約を受けていたはずですから。家を建てかえようかなと思ったけれども、いつ始まるかわからないから建てられないとか、いろんな問題を抱えてきて、そして、やっと現実に今始まろうとしているわけですね。
非常に単純に、基本的なことだけをお聞きします。今度の計画ですけれども、都側は、この事業をやる、そして、その結果としてどういう効果があるというふうに考えていらっしゃるか、まずそれから聞いていきたいと思います。
○梶山市街地整備部長 事業の効果といたしましては、環状第二号線の整備によって交通渋滞を解消できるということであります。具体的には、虎ノ門-有明区間につきましては現在三十分かかっておりますが、これが二十分程度に短縮されます。それと、もう一点は、臨海部へのアクセスの改善によりまして、臨海部の開発促進が期待できることが掲げられると思います。最後に、新橋・虎ノ門地区の地域のポテンシャルを高め、周辺の民間開発を誘導することができる。
このように、再開発事業による新橋-虎ノ門間の環状第二号線の整備は都市の再生の起爆剤となるというふうに考えております。
○星野委員 この計画は、当初考えていたのは道路事業ですよね。道路整備。道路整備と再開発事業というのを組み合わせた。これが今までの考え方から大きく変わったわけですけれども、一緒に再開発をしていくということについては、私はメリットの方が多いだろうなと思いますけれども、そのメリット部分、両方の再開発事業と道路計画というものを合体して、どんなふうなねらいを持ったか、そして、そこでどのぐらいの利益というか、効果が出るというふうに考えているか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○梶山市街地整備部長 再開発事業と立体道路制度を活用するということでございまして、まず、周辺のまちづくりと街路など公共施設の整備を一体的、総合的に行うことができる。東京都が行う再開発事業では、そういう意味では、権利者が希望いたしますれば、土地、建物の補償金にかえて新たな再開発ビルの床を取得することができる。こういうふうなことから、街路事業との大きな違いといたしましては、住民が地区内で生活再建できるということが考えられるかな、こういうふうに思います。
それから、効果ということですが、先ほど効果についてはお話ししたとおりですが、事業費的な効果からちょっとご説明いたしたいというふうに思います。今、環状二号線の全体事業費は一千七百億円でございますが、そのうち約一千億円は街路のための整備です。地下は除きます。残り七百億円でまちづくりを行いますが、国庫補助金等を除きますと、再開発事業に要する都の負担というのは二百億円。二百億円で、街路と、それから総合的なまちづくりができるというふうなことで、極めてまちづくりという観点から大きな貢献をしているのではないか、このように考えております。
○星野委員 先ほど来いろいろ話が出ていましたから、この辺は聞かなくてもいいかなと思うんですけれども、今回、その手法の中で事業協力者、そして、いずれは特定の建築者ですか、要するに民間の力を導入していこうと。これは現在ごく当たり前なことであって、また、これが事業のスピードアップにつながっていくというふうに期待をしております。
先ほどちょっとどなたかの質問の中で、事業協力者がいずれは特定建築者になるのではないかというようなお話がありました。お答えの方は、それはまたそのときに決めますということですけれども、私は常識的には、私の近所でも何とかまちを再開発しようというので、そこにずっと携わっていたことがあるんですけれども、通常はそういうエキスパートナーというか、そういう人たちを呼び込んできて、民間だけではできませんから、そして、やっぱり建築に至るまで、最後はそっちへつながっちゃうんですね。これは、こういう再開発をやる場合にはごく常識的だと思います。事業の一番初めからタッチしているわけですから、当然最後の物をつくる、建てるというところまで踏み込んでいくというか、流れとしてはそうなると思うんですね。
今からちょっと注意をしておきたいんですけれども、そういうときに、最初の事業協力者との癒着でこの建築屋さんが建てる、それを必ずいわれます。ですから、注意深くこの辺は運んでもらいたいと思いますけれども、実態としては、流れはそうなるのがごく当然だというふうに理解しています。その辺を気をつけてやってほしいなというふうに思っております。
今回、最後の特定建築者を選定する事態になるわけですけれども、これらも、ほかの地域で今までもこの手法についてはやっていらっしゃるんですね。その辺の事業の始まりのときに、そういうものの流れとして、最終的に建物や何かを建築する業者との流れといいますか、幾つかやっていらっしゃると思うんですね。それがもしわかれば、お聞かせ願いたいと思います。
○梶山市街地整備部長 これまで、事業協力者から、いわゆる民間のその後の特建者になった例というのは、私ども聞いておりません。したがいまして、今後、先ほどもご答弁いたしましたけれども、事業協力者の役割は、住民の皆さんのそういった生活再建だとか付加価値の高い建物だとか、そういうものをやって事業の促進を図っていくということが大きな目的でございますから、そこから先につきましては、法律に基づいた形で特建者制度ということでやっていきたいということでございますので、ある意味では、言葉を議会で使っていいかどうかわかりませんが、トンビに油揚げをさらわれるようなことだって業界ではあるかな、こんなふうに思います。
○星野委員 その辺のけじめがついていれば一番結構な話です。どうかすると、その辺のけじめがつかなくなってしまうという例がすぐ身近でありましたので、あえて申し上げました。
とにかく、こういった経済の低迷の中で、この事業をやっていこうという意思を持った。これは私は評価したいと思うんですね。確かに今までやってきた中で、当初の予定どおりにできなくて赤字をつくった。それも確かに経済の背景が違いますから。バブルの前に計画したものは、民間がやろうと国がやろうと、ほとんど全部失敗ですから。しかし、その経済的な背景というのは読めなかったわけですね。ですから、あの当時は、民間でもあっちこっちでまちの再開発というのをやりましたけれども、手がけたところは、バブルのときに終了していた事業は別ですけれども、バブル以降に抱えた仕事というのは、全部これは失敗といわれるわけですね。
ですから、私は逆に、今回のこの事業が今であってよかったなと思うんですね。今でなければ、恐らく事業費も用地買収で倍以上かかる、そういうことだろうと思うんですね。そして、バブルがはじけてからでき上がっちゃって、それを処分していこうと思ったらば値が下がっちゃった。これは、どっちにしたって数字が合わないのは当たり前ですから、かえってこの時期にこの事業を開始するということは、私はタイミングは非常にいいんじゃないかなと思っています。
ただ、きょう、委員の皆さんそれぞれ心配をして、そこに住んでいらっしゃる方、小さな事業者の方に対する配慮ということを心配しておりますけれども、私は、全体の事業の流れとしてはタイミングを得た企画であろう、そういうふうに評価をしております。
あと細かくこれからこの仕事をやるとなれば、二十一年に道路ですか、大体十年間かけてやるわけですから、その経済的な背景は変わるかもわかりませんけれども、ぜひ注意深くこの事業をしっかりやり遂げていただきたいなというふうに思っております。
最後に、皆さんがこれから頑張ろうとしているわけですから、それを代表して、局長の決意というかお話を聞いて、私の質問を終わります。
○山下建設局長 ただいま先生からご指摘がございましたように、環状二号線、大変経緯がございまして、この時期にようやく取り組むことができるようになりました。私どもといたしましては、いろいろと努力を重ねてまいりましたわけでございますけれども、今後、都市再生の一つの起爆剤ともなるように最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
今定例会におきましてご提案申し上げております施行規程は、これはまさに地区内の関係者の権利保護のためにつくるような条例でございますので、そうした意味でも、私は大変重要な条例だというふうに考えているところでございます。今後とも市街地再開発事業へのご指導、ご援助をお願いいたしまして、私の決意とさせていただきます。
○田代委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時二十四分散会
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