建設・住宅委員会速記録第二号

平成十四年三月四日(月曜日)
第九委員会室
午後一時六分開議
 出席委員 十三名
委員長田代ひろし君
副委員長前島信次郎君
副委員長星野 篤功君
理事花輪ともふみ君
理事川井しげお君
理事新井美沙子君
ともとし春久君
山田 忠昭君
林田  武君
小礒  明君
西条 庄治君
大山とも子君
池田 梅夫君

 欠席委員 一名

 出席説明員
住宅局局長橋本  勲君
技監小関 尚久君
総務部長関谷 保夫君
住宅政策担当部長小川 富由君
連絡調整担当部長阿部  亨君
開発調整部長青木 治道君
臨海住宅整備担当部長区市町村調整担当部長兼務高岡 信也君
建設部長小林 計代君
建設推進担当部長矢口 哲也君
参事大森 勝海君
管理部長井上 克彦君
参事野澤 直明君
参事渡部 景之君
不動産業指導部長渡利 紘司君
多摩都市整備本部本部長石河 信一君
建設監勝田 三良君
管理部長長野  宏君
事業企画担当部長二ノ宮 博君
建設計画部長山崎 俊一君
建設局局長山下 保博君
次長平井 健一君
道路監小峰 良介君
総務部長森澤 正範君
用地部長稲熊 明孝君
道路管理部長磯邊 武一君
道路建設部長岩永  勉君
公園緑地部長安藤  明君
河川部長鈴木  進君
市街地整備部長梶山  修君
企画担当部長小島 信之君
総合調整担当部長平井 和之君
道路保全担当部長依田 俊治君
道路計画担当部長柿堺  至君
公園計画担当部長住吉 泰男君
調整担当部長市原  博君

本日の会議に付した事件
 建設局関係
  契約議案の調査
  ・第百四十号議案 東雲二号橋(仮称)鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事請負契約
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百四十三号議案 平成十三年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区の負担の変更について
  ・第百四十四号議案 一級河川の指定の変更に関する意見について
  ・第百四十六号議案 平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
  ・第百五十二号議案 平成十三年度東京都市街地再開発事業会計補正予算(第一号)
 多摩都市整備本部関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百十九号議案 多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
  ・第百二十号議案 八王子都市計画事業由木土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
  ・第百二十一号議案 町田都市計画事業相原・小山土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
  ・第百二十二号議案 国分寺都市計画事業西国分寺土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
  ・第百四十六号議案 平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 多摩都市整備本部所管分
  ・第百五十一号議案 平成十三年度東京都新住宅市街地開発事業会計補正予算(第一号)
 住宅局関係
  契約議案の調査
  ・第百三十七号議案 都営住宅十三H-一〇三東(新宿六丁目)工事請負契約
  ・第百三十八号議案 都営住宅十三H-一〇四東(千住桜木一丁目)工事請負契約
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百十七号議案 東京都営住宅条例の一部を改正する条例
  ・第百十八号議案 東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例
  ・第百四十六号議案 平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費 住宅局所管分
  報告事項(説明)
  ・東京都住宅マスタープランの策定について
 付託議案の審査(決定)
 ・第百十七号議案 東京都営住宅条例の一部を改正する条例
 ・第百十八号議案 東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例
 ・第百十九号議案 多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百二十号議案 八王子都市計画事業由木土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百二十一号議案 町田都市計画事業相原・小山土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百二十二号議案 国分寺都市計画事業西国分寺土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
 ・第百四十三号議案 平成十三年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区の負担の変更について
 ・第百四十四号議案 一級河川の指定の変更に関する意見について
 ・第百四十六号議案 平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設・住宅委員会所管分
 ・第百五十一号議案 平成十三年度東京都新住宅市街地開発事業会計補正予算(第一号)
 ・第百五十二号議案 平成十三年度東京都市街地再開発事業会計補正予算(第一号)

○田代委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局、住宅局関係の契約議案の調査及び所管三局関係の付託議案の審査並びに住宅局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項につきましては、本日は説明を聴取した後、資料を要求することにとどめ、質疑は三月十九日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は、財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査報告を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してございます。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成十四年二月二十八日
      東京都議会議長 三田 敏哉
建設・住宅委員長 田代ひろし殿
契約議案の調査について(依頼)
 このことについて、左記により財政委員長へご報告願います。
  記
1 調査議案
 第百三十七号議案 都営住宅十三H-一〇三東(新宿六丁目)工事請負契約
 第百三十八号議案 都営住宅十三H-一〇四東(千住桜木一丁目)工事請負契約
 第百四十号議案 東雲二号橋(仮称)鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事請負契約
2 提出期限 平成十四年三月四日(月曜日)

○田代委員長 これより建設局関係に入ります。
 契約議案の調査を行います。
 第百四十号議案、東雲二号橋(仮称)鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事請負契約を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○大山委員 第百四十号議案、東雲二号橋(仮称)鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事について意見を述べます。
 東雲二号橋(仮称)の架橋は、既に破綻している臨海副都心開発に伴う広域幹線道路の一つであります。環状二号線を通すためのものです。
 計画されている広域幹線道路をすべてつくる必要はありませんし、財政負担も、今後一兆円といわれています。
 もう一つの反対の理由は、この環状二号線は、有明北の埋め立てを前提にした計画、東京湾の残された貴重な自然や水質浄化にも欠くことができない浅瀬を破壊することは許されないことです。
 私たちは、「ゆりかもめ」を通すことには反対していません。「ゆりかもめ」は道路上に通すことが前提といっていますが、既に開業している部分の「ゆりかもめ」も道路上でないところがあるように、法的にも技術的にもクリアしてきているものです。
 したがって、抜本的に見直すことを求め、この契約議案には反対です。
 以上です。

○田代委員長 発言は終わりました。
 ほかにございませんでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 お諮りいたします。
 本件につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告させていただきたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○田代委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百四十三号議案、第百四十四号議案、第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分、及び第百五十二号議案を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取してございます。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 十三年度の補正予算について、幾つか伺いながら、内容を明らかにしていきたいと思っています。
 まず最初ですけれども、国の直轄事業負担ということについてです。
 国の直轄事業負担金といえば、圏央道や湾岸道路などを初め、国道やスーパー堤防など国が所管している事業について、一方的に国が都に負担を求めてきているわけです。この問題について、私たちは昨年の予算特別委員会でもただしていますけれども、その後、どうなったかについても明らかにしていきたいというふうに思っています。
 昨年、予算特別委員会で我が党の木村幹事長の質問に答えて、知事は、場所も勝手に向こうで決めてきて、何%というのは一方的な話じゃないかと。ほかの県と違って、需要の一五〇%あるようなケースについては、これはまさに首都の機能の問題でありますから、国の国事として考えてもらいたいと答弁しています。少なくとも、知事も、国の一方的なやり方はおかしい、国が出すべきだといっているわけです。
 それでは、直轄事業費、今年度はどうだったのかということです。十年度から十二年度は決算額、そして十三年度は、補正予算案を足して予算が幾らか、まず示してください。億の単位でいいです。

○森澤総務部長 直轄事業負担金の三カ年の決算額でございますが、億の単位で申し上げますと、平成十年度は、道路二百七十億円、河川百七十六億円、合わせて四百四十六億円。平成十一年度は、道路二百九十六億円、河川百六十三億円、合わせて四百五十九億円。平成十二年度は、道路三百二十八億円、河川百六十四億円、合わせて四百九十二億円であります。また、平成十三年度の補正後予算額は、道路二百五十九億円、河川百六十四億円、合わせて四百二十三億円となります。

○大山委員 ごめんなさい。十二年度、合計幾らとおっしゃいましたか。

○森澤総務部長 十二年度の合計は四百九十二億円でございます。

○大山委員 予算の額ですけれども、四百億円台ということですね。
 予算は、合計しますと四百二十三億円なんですけれども、実際払う額は違うというように聞いているんですが、実際、三月一日付で国に支払い予定の額は幾らになるでしょうか。

○森澤総務部長 今年度に支払いを要する直轄事業負担金の予定額は、道路事業で三百七十七億円、河川事業では百五十八億円、合わせて五百三十五億円でございます。

○大山委員 十年度から十二年度までは決算額で示していただきましたから、それこそ全部支払った額です。それが四百億円台でずっと推移していて、今回というか、今年度、実際国に支払う予定の額は五百三十五億円ということで、昨年度よりもさらに大きくなっているということなんですね。この差額というのはどのようにしているのでしょうか。

○森澤総務部長 今回、差額は約百十三億円になるわけでございますが、既定予算の流用で対応することを考えております。

○大山委員 予算額よりもさらに大きくなってしまって、流用して充てているということですけれども、財政難だというふうにいって、ほかの事業というのは、建設局だけじゃなくて、一〇%削減なんだということでがんがん切られているわけですね。もちろん、建設局じゃないですけれども、福祉の予算なんていうのは本当に着実に減らしている。比較的予算が多い建設局でも、道路補修費などというのは、必要な予算を切られている。その一方で、国のいいなりになって、五百億円台、五百三十五億円にも増額されてしまったということなんですね。
 この直轄事業費というんですけれども、この中には、建設に伴うものや改築に伴うもの、それから、国道など河川も含めて管理維持費も入っているというふうに聞いていますけれども、管理維持費、どれぐらい入っているのでしょうか。

○森澤総務部長 今年度に支払いを要する直轄事業負担金のうち維持管理費でございますが、道路事業では七十一億円、河川事業では十六億円、合わせて八十七億円でございます。

○大山委員 五百三十五億円の中での八十七億円ですから、約一六%が管理維持費だということなんですね。国の施設の管理維持費まで東京都が出しなさいと一方的にいってきているわけですけれども、それに対して唯々諾々と出してしまっているというわけです。国の事業なんですから、きちんと国がやればいいことで、とりわけ管理維持費などは直ちになくすべきだというふうに思っています。
 十三年度予算では、当初予算で二百八十五億円計上しておいて、補正して、しかも支払う額が五百三十五億円、まさに一・九倍と。当初予算の一・九倍にもなっているわけです。国と交渉して、直ちに改善するべきだというふうに思っています。
 ところで、この直轄事業費の補正予算の財源内訳というのはどうなっていますか。

○森澤総務部長 今回の補正予算における直轄事業負担金百三十八億円の財源でございますが、道路事業では都債が六十一億円、一般財源が三十六億円、河川事業では都債が二十九億円、一般財源が十二億円。合わせて、都債九十億円、一般財源四十八億円となっております。

○大山委員 借金財政を立て直そうということで、財政再建だといっているわけですけれども、ここでもやはり都債を九十億円ふやすということでは、さらなる借金をふやす道に行っているというふうにいわざるを得ないというふうに思っています。
 もう一つの問題ですけれども、街路、道路などの問題です。
 補正予算額が、一般会計の総額が六百八十八億七千九百万円になっています。そのうち道路整備と街路整備で四百八十四億二千三百万円ですから、補正予算の七割を道路、街路の整備が占めているという状況です。もちろん、私たちは道路事業、街路事業すべてに反対しているというわけではありませんけれども、とりわけ住民の皆さんが反対をして、しかも、むだ遣いだといわれる部分については反対せざるを得ません。
 主な事業が予算説明書にありますけれども、多くの住民の皆さんが公害や環境破壊だということで反対している調布保谷線なども見えます。例えば、この調布保谷線は幾らになっていて、財源内訳はどうなっているでしょうか。

○岩永道路建設部長 今回の補正予算で調布保谷線に計上した事業費は、約五十二億円でございます。その財源内訳は、国庫補助相当分、これはNTT債による国からの無利子貸付金でございますが、これが二十六億円で、補助裏といたしまして、都債が二十六億円となっております。

○大山委員 ここでも都債が二十六億円ふえるということですね。
 うちの地元の新宿の放射六号線なども、今はほとんどでき上がってしまっていますから、住民の皆さんはあきらめているわけですけれども、やはりかなり大きな太い道路で、同じ町内が分断されてしまう。それから、商店街が、本当に道の両わきで行ったり来たりしながら買い物ができていたところですけれども、その商店街も、向こう岸とこっち岸で全く分かれてしまって、さびれてしまっている。今となっては、早いところ、くねくねしたようなところではなくて、工事は終了させてほしいという状況ですけれども、やはり莫大な予算を使ってまで、まちを大変な状況にしてしまうのが本当にいいんだろうかというのは、今も住民の皆さんの中では疑問になっているところです。
 この補正予算ですけれども、どういう理由でついているのかということを教えてください。

○岩永道路建設部長 今回の補正予算ですが、まず、国の補正予算に対応して景気対策に取り組むとともに、あわせて、都市活動や都市生活に支障を来している交通渋滞を早期に解消するために幹線道路の整備を進める。こういう立場から予算措置をしたものでございます。

○大山委員 国の補正予算の景気対策の中の一つだということですけれども、景気対策が主体になっているということは、景気対策だったら、雇用が拡大するとか、それから中小業者が直接受注できるとかということが考えられるわけですけれども、この幹線道路などの予算というのは、そのように使われるのでしょうか。

○岩永道路建設部長 今回の補正予算の使途でございますけれども、大半が用地取得に要するものでございますが、一般にいわれていますのは、用地取得を進めますと、その建てかえ需要等が発生いたしまして、建築材料、あるいは機械等を使用いたします。需要発生が期待されるということで、これが景気対策につながる。こういうことで、私どもも、用地取得ではございますけれども、景気対策に大いに貢献する、このように考えております。

○大山委員 ほとんどが用地買収費ということです。今、引っ越して建てかえるからということですけれども、非常に間接的といいますか、遠い話をしていらっしゃるわけですから、用地買収費で景気対策というのは、ほとんど景気対策にもならないというふうにいって構わないと思っています。
 今回、道路、街路で補正予算の七割。今ついたとしても、三月いっぱいで使えることはないというふうに思いますけれども、どうするのでしょうか。

○岩永道路建設部長 この補正予算ですが、先ほど申し上げました趣旨からも、その執行につきましては全力を挙げて取り組んでまいります。
 しかしながら、年度末での多額な補正でありますから、繰り越しも考慮に入れまして予算措置をしたところでございます。

○大山委員 今から買収ができるとは思いません。ですから、繰り越しをするわけですね。結局、来年度予算と一体のものとして使うということなんですよ。
 来年度予算では、予算案の概要の中でも、経常経費、投資的経費は前年度に比べて七・六%の減にしましたというふうに書いてあります。しかし、結局のところ、こうやって、投資的経費、幹線道路などの経費を来年度の分を小さく見せるためのものではないか。結局、一体のものではないかというふうにいわざるを得ません。
 もう一つ伺いますけれども、道路、街路で、補正予算でどれだけ都債がふえるのでしょうか。

○岩永道路建設部長 今回の道路、街路事業の補正予算、全体で約四百八十四億円でございまして、いわゆるその二分の一、補助裏として都債などで充てます金額は約二百四十二億円でございます。

○大山委員 結局、これまた借金をふやす道ということですけれども、不況対策、景気対策にもならない。それから、来年度予算を小さく見せるやり方で、さらに借金をふやす。ということは、財政再建にも逆行していることだといわざるを得ません。
 同時に、補正予算の中には、緊急地域雇用特別基金の事業が公園管理や道路維持などで出てきていますけれども、これでどれぐらいの雇用が確保できるのでしょうか。

○森澤総務部長 今回の補正予算におきます臨時地域雇用特別基金事業でございますが、それによります雇用創出規模は、街路樹剪定などの道路事業で四百四十人程度、樹木剪定やトイレの清掃などの公園事業で二千七百人程度。合わせて三千百四十人程度を予定しております。

○大山委員 剪定などで職人さんだとかの雇用も拡大するということですけれども、それは非常に重要なことですし、この不況対策というのはきちんとやってもらいたい、雇用対策というのはやってもらいたいというふうに思っているんです。
 しかし、今回の補正予算の建設局分を合計しましても、雇用を直接確保するという今のような事業には三億一千四百万円しかついていないんですね。これにはもちろん賛成ですけれども、その一方で、雇用対策にはならない、不況対策にもならない道路、街路には四百八十四億二千三百万円も出して、借金までふやす。この雇用対策と道路、街路などを比べますと、百五十四分の一でしかないんですね、緊急雇用対策。道路、街路、もちろんすべてに反対するものではありませんし、さらに、国のいいなりの直轄事業負担金も、昨年度よりさらに増額されているというのが今回の補正予算です。
 先ほどもいいましたけれども、「東京都予算案の概要」では、失業率が全国でも五・六%で、都内の失業者が三十五万人を超えというふうに述べて、雇用危機を突破しますというふうに書いています。雇用対策を中心にした補正予算だということだったら、雇用拡大に直接結びつくものに抜本的に予算を配分する補正予算にすることこそ、都民の願いにかなうものであるというふうに考えます。ですから、この百四十六号議案には反対です。

○新井委員 それでは、私も、補正予算について少しお伺いいたします。
 東京都全体の補正が千二百九十九億の中で、建設の方が約六百八十九億ということで、二分の一以上がこちらの建設局の方の補正というふうになっておりますけれども、この補正予算に対する考え方で、全体で四本の柱が出ておりますけれども、それがそれぞれどんなふうになっているか、教えてください。

○森澤総務部長 今回の補正予算編成の基本的な考え方は、都の補正予算でございますが、景気対策への取り組み、三宅島等の災害復旧対策、雇用対策への取り組み、税収減への対応などの四つの柱で構成されているわけでございます。
 建設局におきましては、この基本的な考え方を踏まえまして、国の補正予算に合わせた景気対策への取り組みといたしまして道路整備、街路整備などに約六百二十二億円、三宅島等の災害復旧対策として、道路、河川、合わせて約六十九億円、雇用対策への取り組みとして緊急地域雇用特別基金事業に約三億円、都税収入の減少への対応として生活再建資金貸付費を五億円減額、合わせて約六百八十九億円を補正予算として提案したところでございます。

○新井委員 四つの柱の中で、考え方の中で補正が出ているわけですけれども、景気対策への取り組みが六百二十二億円ということで群を抜いているというところですね。
 それで、ここの繰越明許を見ますと、五百三十一億円ということで非常に多くなっていまして、六百八十九億の補正のうち五百三十一億が繰越明許になっているということで、七七%が繰越明許ということなんです。非常に多いと思うわけなんですけれども、どういうわけでこんなに多くなっているのでしょうか。

○森澤総務部長 今回の補正予算案の繰越明許費については、国の第二次補正に関するものが五百十六億円、三宅島などの災害復旧に関するものが十五億円、合わせて五百三十一億円でございます。
 国の二次補正予算につきましては、一月の国会での審議を経まして二月に可決され、その後、内示されたものでございます。このため、予算執行の準備が二月となり、年度内に執行が終わらないことが見込まれるため、繰越明許費を補正予算として計上したものでございます。
 また、災害復旧費に関する経費につきましても、状況によりましては年度内に執行が終わらない場合が見込まれるため、繰越明許費を同様に計上させていただいたものでございます。

○新井委員 国の二次補正が非常に遅かったということで、やむを得なかった部分というのが今回あるかと思うんですけれども、ちなみに、過去三年間、最終補正に対する繰越明許の割合というのはどのくらいになっているのか、教えてください。

○森澤総務部長 繰越明許費の割合でございますが、平成十年度最終補正予算額は四百三十億円で、繰越明許費が三十七億円、比率で八・六%でございます。平成十一年度は、最終補正予算額三百八億円、繰越明許費五十三億円、比率で一七・二%でございます。平成十二年度は、最終補正予算額六百十四億円、繰越明許費六十六億円、比率は一〇・七%でございます。

○新井委員 過去三年間のをお聞きしますと、それでも、いわゆる基礎自治体から見ると、まだ割合が非常に高いなというところはございますけれども、今回は、群を抜いて国の二次補正の理由で遅くなったということはわかりました。
 ただ、繰越明許については、都の事業を単年度予算で考えろというふうにいっているわけでは全然ないんですけれども、補正ということについては、基本的にその年度内の補正ということで考えるべきであって、できるだけ繰越明許というのは少ない方がいいんじゃないかというふうに思います。
 そういう意味で、例えば三宅島の事業などについてはもう少し精査して、例えば、今回、一定で提案されているわけですけれども、昨年の四定とか、そういう部分できちっと精査して提案ができれば、早い時期に補正として提案していただいた方がすっきりするんじゃないかなというふうに思われるところもあるわけなんですけれども、そんなふうな努力をぜひしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○森澤総務部長 予算編成、補正予算をどういう時期にどういう内容で編成するかといいますのは、予算調製権のある財務局の判断にかかわるわけでございます。
 私ども局内においても、いろいろ不用額等につきましては、内部調整を図った上、財務局と協議の上、流用で執行するなどの努力をしているところでございます。

○新井委員 伺いますと、前年の四定などで提案されるのは、例えば三宅島のような大きな災害が起こった、本当に特殊な事情のときで、ほとんどが翌年度の一定で、最終補正というところで、どんと出てくるようなやり方が行われているというふうに伺いました。そういう意味では、もう少し財務の方とも調整をしながら、早くできるものについてはできるだけ早く出していって、繰り越しをなくしていくという努力をしていただきたいというふうに思います。
 もう一点は、先ほど大山委員の方からも指摘がありましたけれども、投資的経費の割合の問題です。これは、ほとんどが今回の補正、投資的経費ということになっていまして、例えば十四年度の投資的経費の割合でいいますと、全体で三・五%増、こちらのいただいた「東京都予算案の概要」で見ますと、建設局は一八・〇%の増ということで、非常に投資的経費が建設局はふえているんですね。
 全体としては、十五年までに、一財ベースで十一年度の三〇%減を目標にして投資的経費については抑えていこうという方向性を出していらっしゃるわけですけれども、当初予算で幾ら抑えても、最終年度にこういった形で繰越明許で投資的経費がどんと出てくるというふうになりますと、十四年度の隠れ投資的経費みたいな、そんなような雰囲気がして、六千二百三十六億円に十四年度は抑えているんだよといいながら、これに七百億近いものがプラスされていくということになりますので、非常にわかりにくいといいますか、こんなふうに少なくして努力していますよという一方で、最終的にまた年度末に補正がかかってくるというやり方は非常に好ましくないというふうに思いますので、そういう意味で、ぜひこういうことがないように努力していただきたいということを意見として申し上げておきます。
 もう一点なんですけれども、契約差金というものが事業が終わったときに出てくると思うんですけれども、その契約差金の扱いはどんなふうになっているのでしょうか。

○森澤総務部長 契約差金は、いろいろ契約の段階で、コスト縮減ですとか、あるいは実際の入札価格の関係で発生するわけでございますが、契約差金が確定するのは三月末になるのが通例でございます。

○新井委員 契約差金といっても、東京都の場合には非常に予算の枠が大きいので、とても大きい額の契約差金が出てくると思うんですけれども、ちなみに、昨年度、契約差金はどのぐらい出たのでしょうか。建設局で。

○森澤総務部長 今、手元に数字がありませんが、契約差金と不用額、合わせまして百億近い額が、決算段階で不用額として通例、例年出ている状況でございます。

○新井委員 不用額と合わせて百億近いということなんですが、最終的に、私もちょっと流れがよくわからないんですけれども、不用額と契約差金というのは違うと思うんですが、事業ごとの契約の差金が全部出てきて、三月の年度末に全部確定しますよね。そうすると、その契約差金の扱いというのはどんなふうになっていくのですか。

○森澤総務部長 契約差金を利用して事業執行をする必要がある場合には、財務局と協議をしまして、協議の結果、了承が得られれば事業執行に活用するということになります。

○新井委員 財務の方と協議してということですが、これまで契約差金が出て、どうしてもこういうことに使わなくちゃいけないというものがあったときに、財務と協議をして、何か事業に執行していくというふうな例はたくさんあるんでしょうか。

○森澤総務部長 全体で、土木費のうち投資的経費の部分、二千五百億程度の内容の予算を持っておりますので、契約差金も少なからず出ます。それの流用につきましては、協議の上、流用することもかなりの部分あろうかと思います。

○新井委員 かなりの部分ある。契約差金の精査をしたもので、流用がかなりの部分がある。それは、不用額と合わせて、かなりの部分があるということなんでしょうか。
 先ほど契約差金と不用額を合わせてというふうにご答弁があったんですけれども、私が伺ったのは契約差金のことだったんですけれども、その契約差金の中で、財務局と協議した上で流用というんですか、違う事業に使っていくということはかなりの部分であるということなんでしょうか。

○森澤総務部長 今私が申し上げましたのは、不用額も合わせたことでございまして、契約差金は、原則としては使用できないことになっております。したがいまして、最終的には不用額として決算されることになります。
 また、財務局と協議して使用することも、中にはございます。

○新井委員 昨年度で一応、百億程度、不用額と合わせて出てきたということですけれども、不用額と契約差金とちょっと別々に、契約差金はどのぐらいあったのでしょうか。

○森澤総務部長 今手元には、契約差金と不用額を分けたデータはございません。

○新井委員 予算を立てていくときに、事業の優先度で、この事業に予算をつけていこうというふうにやると、一般的に都民の方にも非常にわかりやすいわけですけれども、こういった最後に精査されて、残ってきたお金で何か事業をやろうといったときに、その使い方が非常に不透明ということで、なかなか都民に見えにくいし、私たち自身も、どんなふうにどう使われているのか見えにくくなってしまうということもございます。
 そういう意味では、契約差金は、ほとんどほかの事業に使うことがなくて財務局に集められていくということなのか、それとも、かなりの部分が例年いろいろな事業に流用されて、財務局には余り上がっていかないという流れなのか、その辺、どうなっているんでしょうか。

○森澤総務部長 契約差金につきましては、原則として使用できないことになっておりますので、最終的には財務の方に集まる、そういう流れになろうかと思います。

○新井委員 原則としてとおっしゃるんですけれども、先ほどお伺いしたら、使うことがあるというふうにおっしゃいましたよね。大体、その原則というのの度合いがよくわからないんですが、ほとんどのものが財務局に集まって、不用額と合わせて処理をされているということなのか、例えば、半分程度はおおむねいつも使っているのか、ほとんどが使われているのか、そのあたりはどうなんですか。

○森澤総務部長 あえて二つの言葉でいいますと、使われていないということになります。

○新井委員 そうしますと、各局で契約差金が出てきたものは、全部、とりあえず集められて財務に上がっていくと。その中で、もしどうしても各局で何かこういうものに使いたいということがあって、財務と協議した上で、これについては、財務がオーケーを出しましょうというものについては使われることもままあるけれども、ほとんどは使われないで不用額として財務の方に全部上がっていくんだ、こういう流れでよろしいでしょうか。確認して終わります。

○森澤総務部長 おっしゃるとおりでございます。

○田代委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。

○田代委員長 これより多摩都市整備本部関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百十九号議案から第百二十二号議案まで、第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算中、歳出、多摩都市整備本部所管分及び第百五十一号議案を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取してございます。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行いたいと思います。
 発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で多摩都市整備本部関係を終わります。

○田代委員長 これより住宅局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百三十七号議案、都営住宅十三H-一〇三東(新宿六丁目)工事請負契約及び第百三十八号議案、都営住宅十三H-一〇四東(千住桜木一丁目)工事請負契約を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取してございます。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議ない旨財政委員長に報告いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○田代委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百十七号議案、第百十八号議案及び第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算中、歳出、繰越明許費、住宅局所管分を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取してございます。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○池田委員 今回の補正予算の中で、減額になっている区市町村住宅供給助成事業の中身について若干質問させてもらいたいというふうに思います。
 今回、減額補正となっている七億円の問題でありますけれども、この供給事業の中での区市町村の住宅というのは、具体的にどういうことを指していっているのでしょうか。

○青木開発調整部長 今回、補正をお願いしました区市町村関係の住宅は、区市町村が行います公営住宅及び特定優良賃貸住宅でございます。

○池田委員 今年度十三年度と、年度によっては、こういう形で減額補正をやっているというふうな話も聞いておりますけれども、今回の減額補正の内容とその理由、その点を説明してくたざい。

○青木開発調整部長 今回、減額補正を行います理由といたしましては、先ほど申し上げましたように、事業主体であります区市町村が予定しておりました新規の住宅供給事業が来年度にずれ込んだ等による理由でございます。

○池田委員 今、ご答弁の中で、新規の住宅が来年度にずれ込んだという話ですね。これは、新規の建設を含めた住宅という意味なんですか。言葉をはっきりさせていただきたいと思うんですが、建てかえだとかいう中でも、新築という言葉も使われるわけですね。その辺はどうなんですか。

○青木開発調整部長 先ほど新規と申し上げましたのは、具体的に申しますと、区の方で買い取り型の公営住宅を予定しておりまして、それが何区かで、買い取る先が民間住宅でございますので、民間住宅の着手がおくれているという状況でございます。

○池田委員 区市町村の公営住宅等に関する実績の資料をいただきました。これを見ますと、予算戸数と実績戸数の乖離がかなり大きいわけですね。
 これは十三年度だけではないわけですね。例えば十一年度でいえば、予算戸数が三千三百、ところが、実施戸数は七百五十六。それから、平成十二年度では三千六百、これは予算戸数ですね。ところが、実施戸数は千八、こういうことになっているわけですね。十三年度の戸数を見ても、既にご説明ありましたように、かなり実績戸数は落ちている。こういう状態ですね。
 この差については、どういう理由であれ、私は、計画として位置づけられているわけですから、東京都として、当然具体的にそれを進めていこうという努力もされてきたんだというふうに思うんですが、このような大きな乖離が出てきている理由はどういうことになっているのでしょうか。

○青木開発調整部長 予算戸数と実施戸数の乖離の主な原因でございますけれども、区市町村の財政難によります投資的経費の削減によりまして、住宅関係供給の予算も減額されているという傾向にあることが大きな原因だと思っております。
 また、これまで公営住宅、主として東京都が行ってきたということなども影響しているかというふうに考えてございます。

○池田委員 しかし、予算戸数というのは、東京都のマスタープランの中での計画戸数そのものではありませんか。それをちょっと確認したいと思います。

○青木開発調整部長 ご指摘のとおり、マスタープランに沿いまして、私どもも区市町村と一緒に住宅の供給事業に努めているところでございますので、できる限り予算化に努めているという実情にございます。

○池田委員 少なくともそういう点では、東京都として--もちろん、区が財政的な困難な状況の中で、新規建設だとか、いろいろ民間の買い上げだとか、そういうふうな事業費を削らざるを得ないというような事態になってきていることも確かだろうというふうに思うんですけれども、私は、その底流には、東京都が財政再建推進プランということの中で、十一年度以降、新規の都営住宅の建設というものをゼロにしてきている。少なくともマスタープランの中では、東京都は、新規の建設プランというものを明確に都民に約束をしておったわけですよ。ところが、こういう状況の中で、財政を優先させるということでこれを切ってくるということがやられるという中で、区市町村の段階でもそういう流れがつくり出されてきているんじゃないんだろうか、こういうふうに思うんですね。
 しかし、私は少なくとも、先ほど申し上げたように、東京都として、区市町村の公営住宅の供給事業が十分やれるような、そういう役割を東京都は果たしていかなきゃいけないというふうに思うんです。そういう意味では、東京都としては、平成十年度に区市町村の住宅建設の補助の改正をするとか、これは国の法改定の中でいろいろやられていたというふうに思うんですが、そういう経緯の中で一定の努力はされてきているだろうというふうには思うんだけれども、その辺はどういうふうにやってこられたんですか。
 特に区市町村の公営住宅の建設を推進させるという意味で、どういう努力をされてきたか。

○青木開発調整部長 公営住宅供給につきまして、これまで主に取り組んでまいりました経緯を申し上げますと、今ご指摘のとおり、平成八年度には公営住宅法の改正がございまして、それまでの建設をするというほかに、民間住宅を買い取ったり、借り上げたりするという方式の供給が可能になりました。
 また、十年度におきましては、今ご指摘のとおり、私ども、区市町村の公営住宅の建設費の補助を拡充して、ほとんど他府県ではやっておりません、国庫補助金を除いた額の半分程度を区市町村に補助をしていくという制度を立ち上げたところでございます。
 また、十一年度におきましては、区市町村の借り上げ公営住宅の補助の拡充をいたしまして、公共施設の整備費等の補助率を六分の一から三分の一に引き上げたところでございます。

○池田委員 そういう努力を、平成八年度、そして平成十年度ですか、今若干の説明をいただきましたけれども、そういうことの中で、区市町村の段階で、公営住宅の建設や借り上げや、とりわけ高齢者の住宅の問題では大変な困難な事態がつくり出されてきている。こういうことの中で、東京都が、一定のそういう助成、また補助制度、こういうものをさらに活用させるという意味でも、この間の制度的な改定をやってきたけれども、これがなかなか進んでいない。これが、先ほど申し上げた十一年度、十二年度、さらに十三年度の計画と実績とに大きな乖離が出てきている。
 これは、単に区市町村の財政の問題で終わるだけではなくて、東京都として本当にこのマスタープランを具体的に推進していく。少なくとも、東京都のマスタープランに位置づけられているわけですから、そういう努力がされていかなければならないんだというふうに私は思っているんですね。
 ところで、平成八年度に、公営住宅として民間住宅の借り上げ、そして家賃補助ですか、家賃対策補助というんでしょうか、こういうものがやられるようになったわけですね。これは、実際に区市町村の住宅供給の事業にどういう役割を果たしてきましたか。

○青木開発調整部長 今申し上げましたように、全国で最も高いレベルの補助を区市町村に行っているところでございます。したがって、私どもとしては、区市町村が住宅供給をする、事業展開が非常にしやすくなったものだというふうに理解しているところでございます。

○池田委員 自分たちの事業として、そういう区市町村の公営住宅の建設に対する補助は全国的にもハイレベルのことをやってきたんだ、しかし、やられないのは区市町村の責任だといわんばかりの答弁だということだけれども、ちょっといただけないですね。
 先ほど来いっているように、東京都が今まで、区市町村の公営住宅の建設にかかわって大きな役割を果たしてきた。いろいろな経緯があるけれども、そういう点では、東京都が果たしてきた役割というのは、単に仕事を区市町村に渡したから、あとは区市町村の努力の中でやってもらう以外ないんだということでは済まされないんですね。
 ですから、そういう点では、今度の、今幾つかの改定の中でやられるようになった、例えば助成制度の中で、高齢者の住宅供給にも使えるようになってきているわけですね。そういう点では、区市町村の積極的な公営住宅の提供の道筋をつくってやっている。これをもっと積極的に進めていく必要があるんだろうというふうに思うんです。
 私、実は、地元ですから、豊島区の住宅担当者の話を聞いてみました。豊島区では、東京都のこういう事業を使って福祉住宅の建設をやってきているんですね。これにも利用できるようになっているわけでしょう。その辺は大丈夫ですね。

○青木開発調整部長 区市町村が公営住宅を使って高齢者向けの住宅を供給する場合には、先ほどご指摘のとおり、十分その制度が活用できることになってございます。

○池田委員 これは豊島区だけじゃないというふうに思うんですが、高齢者の方たちの住宅の困窮度というか、大変厳しい条件にあることは確かだというふうに思うんですね。豊島区では、福祉住宅の中で、高齢者六十五歳以上、そして五年以上区内に住んでおられる、こういう方たちを対象にした事業をやっているわけですけれども、見てみますと、平成九年度以降の空き家の応募だとか、大変な数字なんですね。これを見ますと、平均五十から六十倍、高いところでは八十七倍になっているんですね。これは、今の高齢者の皆さん方の住宅事情の厳しさを示しているだろうというふうに思うんです。
 担当者の話ですと、今の時点で、豊島区では十三団地の二百二十九戸を供給している。しかし、現状でもあと二百戸はどうしても必要なんだ、こういうふうにいわれているわけですね。それじゃ、そういうことについて、東京都の方との具体的な協議はどうなっているんだというふうに私は考えたわけですよ。
 東京都は、こういうような各区市の状況の中で、そして協議を求められてきたときに、数の問題も含めて、具体的な補助、そして、援助をどういう形でやっていこうとしているんですか。

○青木開発調整部長 通常の場合、区の方から、今年度どういう事業を実施したいかというのは、かなり事前の段階でご相談がございます。したがって、その当該年度よりも以前の段階から話がございますので、私どもとしては、その内容、それから制度的に適合するか等、十分ご協議させていただいて、十分その事業が実施できるよう、当該年度に間に合うよう協議をさせていただいている状況でございます。

○池田委員 私は今、豊島区の事例をいいましたけれども、これは豊島区だけに限らず、全都的にも、とりわけ二十三区や、また市町村の中でも需要が多い部分だというふうに思うんですね。そういうものにこたえられる、そういう面で見れば、少なくとも、十三年度の区市町村住宅供給助成事業が実績として計画戸数よりも落ち込んできているからということで減額をするというようなことじゃなくて、例えば、公営住宅の供給事業の助成の予算を、多ければ高齢者向けの住宅の需要に回していく。いわば流用していくというか、こういうようなことも含めてやっていく必要があるんじゃないんだろうかというふうに思うんです。そういう幅を考えておられるんですか。

○青木開発調整部長 高齢者向けの住宅供給につきましては、先ほど申し上げましたように、現在の区市町村の公営住宅の中で対応できますし、また、区市町村が行います特定優良賃貸住宅制度の中でも運用が可能でございます。したがいまして、予算で申し上げれば、この予算の中で十分対応できる制度になってございます。

○池田委員 この制度の中でやれると。

○青木開発調整部長 はい。

○池田委員 私は今、減額補正というふうな形で出されてきたわけで、この問題を一つのテーマにして、東京都のマスタープランとのかかわり合いの中で、全体としての区市町村の住宅供給事業の助成制度の一層の拡充という中で、実際に区市町村が使えるようなそういう体制をつくっていくべきだというふうに考えて、こういう質問をしたわけです。
 特に来年度で、十四年度では、十三年度の実績を踏まえて大幅に予算戸数を削ってきているということを考えたときに、私は、今の全体の住宅状況、そして、都民の需要にこたえられるようなそういう立場から、計画戸数をしっかりと守ってやるということを強く意見として要望を申し上げて、終わりたいと思います。

○田代委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○田代委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○小川住宅政策担当部長 去る二月二十日に策定いたしました東京都住宅マスタープラン(二〇〇一-二〇一五)につきまして、お手元にございます資料1(一)、要旨に沿ってご報告申し上げます。
 この住宅マスタープラン策定に当たりましては、昨年十一月末に中間のまとめを公表し、当委員会では十二月十三日にご質疑をいただいております。また、その後、都民、住宅政策審議会、区市町村からもご意見をいただきました。
 策定に当たりましては、中間のまとめを基本としながら、若干、文章を加筆修正するとともに、政策指標に具体的な目標を設定し、第三章及び第四章に図や写真による説明を追加するとともに、さらに、都民からの意見の紹介などの参考資料も加えております。
 第一章の住宅政策をめぐる状況でございますが、東京の住宅事情、都営住宅が抱える問題、あるいは人口、世帯数など社会経済動向について分析しております。
 第二章は、新たな住宅政策の方向についてでございます。
 二十一世紀はこれまでの時代とは全く異なる成熟社会となるため、居住政策としての総合化、ストックの活用、市場の活用、地域の主体的な対応の四つの新たな視点に立ち、民間住宅施策と都営住宅の抜本的改革を連携させて住宅政策のビッグバンを推進いたします。
 都営住宅制度では、公平、効率、活力、分権の視点から、特別会計制度の導入、使用承継制度の見直し、都営住宅団地の区市町村への移管の推進などを行ってまいります。
 第三章は、目標の達成に向けた住宅政策の内容でございます。
 活力が生まれる居住の実現に向けて、都営住宅団地の敷地を活用した民間プロジェクトの誘導や、オフィスビル等の住宅への転用などにより、都心居住を推進いたします。
 ニーズに応じた選択ができる居住の実現に向けて、家歴書やキャリア住宅を普及し、リフォームの促進や中古市場の活性化を図ることにより、良質な住宅ストックの形成、保持や円滑な流通、活用を進めてまいります。さらに、建てかえに伴う仮住居に都営住宅を活用するなど、分譲マンション対策を推進いたします。
 だれもが安心して暮らせる居住の実現では、バリアフリー化の推進や高齢者を対象としたあんしん入居制度、高齢者向け優良賃貸住宅制度、都営住宅を活用したグループホームなどを推進いたします。
 豊かで生き生きとした居住を支える住宅市街地の実現に向けて、不動産現物出資方式による整備手法の構築、都営住宅団地の敷地活用による民間活力を生かした木造住宅密集地域の整備を推進いたします。
 また、それぞれの居住像の実現に向けて政策指標を設定し、施策の効果を把握し、評価しながら、その達成を目指してまいります。
 第四章ではエリア別の住宅市街地の整備の方向を示し、第五章では今後の住宅のストックと建設戸数などの見通し、第六章では住宅マスタープランの推進に向けて取り組みの方針や姿勢を示しております。
 以上、住宅マスタープランについてご報告いたしました。

○田代委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で住宅局関係を終わります。

○田代委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百十七号議案から第百二十二号議案まで、第百四十三号議案、第百四十四号議案、第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設・住宅委員会所管分、第百五十一号議案及び第百五十二号議案を一括して議題といたします。
 討論の申し出はございませんので、直ちに採決を行います。
 これより採決を行います。
 初めに、第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設・住宅委員会所管分を採決いたします。
 本案は起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○田代委員長 起立多数と認めます。よって、第百四十六号議案、平成十三年度東京都一般会計補正予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設・住宅委員会所管分は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百十七号議案から第百二十二号議案まで、第百四十三号議案、第百四十四号議案、第百五十一号議案及び第百五十二号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認めます。よって、第百十七号議案から第百二十二号議案まで、第百四十三号議案、第百四十四号議案、第百五十一号議案及び第百五十二号議案はいずれも原案のとおりに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時九分散会

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