建設・住宅委員会速記録第十四号

平成十三年十一月三十日(金曜日)
午後一時六分開議
 出席委員 十二名
委員長田代ひろし君
副委員長前島信次郎君
副委員長星野 篤功君
理事花輪ともふみ君
理事新井美沙子君
伊沢けい子君
ともとし春久君
山田 忠昭君
林田  武君
小礒  明君
大山とも子君
池田 梅夫君

 欠席委員 二名

 出席説明員
住宅局局長橋本  勲君
技監小関 尚久君
総務部長関谷 保夫君
住宅政策担当部長小川 富由君
連絡調整担当部長阿部  亨君
開発調整部長青木 治道君
臨海住宅整備担当部長区市町村調整担当部長兼務高岡 信也君
建設部長小林 計代君
建設推進担当部長矢口 哲也君
参事大森 勝海君
管理部長井上 克彦君
参事野澤 直明君
参事渡部 景之君
不動産業指導部長渡利 紘司君
多摩都市整備本部本部長石河 信一君
建設監勝田 三良君
管理部長長野  宏君
事業企画担当部長二ノ宮 博君
建設計画部長山崎 俊一君
建設局局長山下 保博君
次長平井 健一君
道路監小峰 良介君
総務部長森澤 正範君
用地部長稲熊 明孝君
道路管理部長磯邊 武一君
道路建設部長岩永  勉君
公園緑地部長安藤  明君
河川部長鈴木  進君
市街地整備部長梶山  修君
企画担当部長小島 信之君
総合調整担当部長平井 和之君
道路保全担当部長依田 俊治君
道路計画担当部長柿堺  至君
公園計画担当部長住吉  男君
調整担当部長市原  博君

本日の会議に付した事件
 多摩都市整備本部関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・臨時東京都多摩、八王子、町田新住宅市街地下水道条例を廃止する条例
  陳情の審査
  (1)一三第六四号 高層マンション建設(八王子市松木)の計画変更に関する陳情
 住宅局関係
  報告事項(説明)
  ・新・東京都住宅マスタープラン(中間のまとめ)について
  ・平成十三年度東京都住宅白書について
  請願陳情の審査
  (1)一三第一二九号 都営住宅葛飾区新宿六丁目団地の建替建設計画に関する請願
  (2)一三第一四二号 東久留米市中央町二丁目アパート(仮称)の建替計画見直しに関する請願
  (3)一三第五〇号 瑞穂町石畑都営住宅の名称改正に関する陳情
  (4)一三第五六号 都営住宅の建替えに伴う入居基準及び計画の変更に関する陳情
 建設局関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都公園審議会条例の一部を改正する条例
  ・東京都市計画事業北新宿地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
  請願陳情の審査
  (1)一三第一三〇号 主要地方道(一八号)府中町田線鎌倉街道(仮)綾部原トンネルの早期完成に関する請願
  (2)一三第一三一号 主要地方道(一八号)府中町田線鎌倉街道(仮)綾部原トンネルの早期完成に関する請願
  (3)一三第一三二号 町田市小野路町「宿通り」拡幅工事の早期着工に関する請願
  (4)一三第一三三号の二 都営地下鉄大江戸線延伸の早期実現等に関する請願
  (5)一三第五四号 都道補助一二八号線の事業と計画の見直しに関する陳情
  (6)一三第六二号 補助第一二八号線街路拡張工事の反対に関する陳情
  (7)一三第七二号 世田谷通り(補助第五一号線)砧中前交差点付近の交通渋滞解消等に関する陳情

○田代委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○田代委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において協議の結果、お手元配布の日程とすることを申し合わせました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、多摩都市整備本部及び建設局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、及び住宅局関係の報告事項の聴取並びに所管三局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日はいずれも説明を聴取し、資料を要求することにとどめ、質疑は会期中の委員会で行うことといたします。
 これより多摩都市整備本部関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○石河多摩都市整備本部長 平成十三年第四回定例会に提出を予定しております当本部所管の案件につきまして、ご説明を申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、臨時東京都多摩、八王子、町田新住宅市街地下水道条例を廃止する条例でございます。
 東京都はこれまで、多摩ニュータウンの建設と一体的に、多摩ニュータウン区域内の公共下水道の設置及び管理を行ってまいりましたが、このたび公共下水道を地元市に移管することになりましたので、同条例を廃止するものでございます。
 なお、条例案の詳細につきましては、管理部長より説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○長野管理部長 それでは、お手元の資料に基づきましてご説明させていただきます。
 資料1の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 これは臨時東京都多摩、八王子、町田新住宅市街地下水道条例を廃止する条例の議案でありまして、裏面の二ページまでがその内容でございます。
 この条例案により廃止されます条例は、多摩ニュータウン新住宅市街地開発事業の施行区域とその関連区域の下水につきまして、当分の間、東京都が設置する下水道において排除及び処理するために、その管理及び使用について定めることを目的として、昭和四十六年に制定をした条例でございます。
 なお、施行期日につきましては、「東京都規則で定める日から施行する」としておりますが、平成十四年四月一日を予定しております。
 それでは、恐れ入りますが、三ページ目の説明資料をお開き願います。
 この条例が施行されて以来、既に三十年が経過したわけでありますが、1の移管の理由にありますように、平成十三年度には、公共下水道を含む多摩ニュータウン建設の主要事業がほぼ完了いたしますことから、公共下水道の本来の管理者である地元市へ移管し、これに伴いまして条例を廃止するものでございます。
 また、2として移管の内容、3としましては移管する施設の規模等をお示ししてあります
 次に、4のこれまでの経緯ですが、この公共下水道事業の移管につきましては、平成八年度から都と地元市との間で協議を行ってまいりまして、今年度に入り地元市との協議が調ったものでございます。
 5には今後の予定を記載してございます。
 甚だ簡単でありますが、以上で第四回定例会に提出を予定しております案件のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田代委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。

○田代委員長 次に、陳情の審査を行います。
 一三第六四号、高層マンション建設(八王子市松木)の計画変更に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山崎建設計画部長 お手元に配布してございます資料2をごらんいただきたいと思います。
 陳情一三第六四号は、八王子にお住まいの前島さん外四十二名の方々から提出されたものでございます。
 陳情は、八王子市松木の通称J-八地区と呼んでおります用地に計画されております高層マンションの建設についてのもので、その要旨ですが、良好な住環境を維持するため、周辺の意向を考慮した計画への見直しを行うよう、都が責任を持ってマンションの建設業者に対し適切な指導を行ってほしいとのものでございます。
 次に、現在の状況についてでございますが、恐縮ですが、次ページに当該地の概要ですとか経緯等について掲げてありますので、ごらんいただきたいと思います。
 またお戻りいただきまして、1にありますように、当該宅地は、四百四十戸程度の集合住宅を建設する用地として、東京都が平成十三年四月に購入希望の事業者を公募したところでございます。その後、事業者の示しました十四階建てを中心とした建築計画案に対しまして、周辺住民の方々から、建物の階数と配置の見直し、あるいは日照や風害等への対応、既存樹林の保全、交通問題への対応等につきましてご意見、ご要望が出されたところでございます。このため、東京都及び事業者とでそれぞれ三回にわたりまして住民の説明会を行ってまいりました。
 また、この間、東京都は事業者に対しまして、具体的な改善案を示して問題解決に努めるよう強く要請を行ってまいりました。この結果、事業者は、一部の建物の階数を十四階建てから十一階建てに下げるなど、地元要望に対応した変更案を周辺住民に提示いたしました。
 東京都としましても、隣接道路への歩道の設置など、周辺環境対策を提示してまいりました。
 この問題を解決するために松木町会に設置されました松木町会J-八マンション対策特別委員会は、この案を受けまして、事業者が住宅建設にかかわる手続を進めていくということを了承したものでございます。
 このような状況を踏まえまして、八王子市は本年十月三日に、事業者から出されました集合住宅等指導要綱に基づく事前協議を受け付けまして、この事前協議につきましては既に終了しております。今後、事業者が建築確認の申請を行い、八王子市において申請に基づく建築確認の事務が進められる予定でございます。
 以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○花輪委員 それでは、少しお伺いをしたいと思うんですが、今ご説明をいただいたわけですが、この土地の売却、業者の選定から、その後、住民の方々からいろいろな意見をいただいて、また業者の方に対して皆さんがいろいろとお願いとか指導とかしてきたわけですが、そのあたりの経緯を詳しく、特に業者の選定からここに至るまで、繰り返しになるかもしれませんが、一度説明をしていただければと思います。

○山崎建設計画部長 ただいまの説明と多少重なるところはお許しいただきたいと思いますが、本年の四月に、J-八につきまして事業者を公募したところでございます。事業者の決定が四月の末になされたわけでございますけれども、事業者で先ほどのような十四階建てを中心とする案をつくりまして、五月に入りまして地元に説明を開始し出したというところでございます。
 そうした中、八王子市と東京都に、直接市と都の方から説明してほしいというような声が寄せられてまいったと。こんなことを受けまして、東京都と八王子市が合同で六月に住民説明会を開催しまして、この土地に住宅が建てられるようになったこの間の経緯とかというものを説明し、まずは地元の方々のご意見をよく伺おうじゃないか、こういうようなことで第一回を開催させていただいたわけでございます。
 その際、先ほど説明しましたような、階数ですとか日照ですとか、いろいろな問題が出てまいりましたので、第二回の都の説明会を七月に行いまして、これに対する東京都の対応を説明いたしたところでございます。また、事業者にかかわる問題もありますので、事業者の説明を直接聞いてほしい、こういうような要請もしたところでございます。
 これを受けまして、八月十九日から三回にわたりまして、事業者から地元の皆さんへの説明がなされ、この間、先ほど申したように、都が具体的な改善案を提示するようにというようなことを申したこともありまして、事業者として、最終的に改善する、十四階を一部十一階にするというような案が出され、地元の対策委員会の基本的な了解を得る、こんな段取りになってまいったわけです。
 そのほかにも、小グループの方々に対する説明ですとか個別の説明とか、この間何回か行ってきたとともに、十月十日には東京都の第三回目の補足の説明会も行ったというようなことで、住民のご理解を深めてまいったというふうに思っております。

○花輪委員 今の説明の中で特に前段の、一番最初のところで、公募をする、募集をするに当たって、ある一定の条件をつけて募集をされているんじゃないかと思いますが、そのあたりを説明してください。

○山崎建設計画部長 募集に当たりましては幾つか条件はつけておりますけれども、住宅の戸数としまして四百四十戸程度、駐車場は各戸一台設けてください、それから周辺街区と調和した質の高い住宅計画となるようにしてください、宅地内の緑地をできる限り保全してください、隣接街区への日影には配慮してくださいというような条件はつけてございます。

○花輪委員 今ご説明いただいたわけですが、募集に当たってはある程度条件をつけて募集をして、また、どういう計画かという概要も知った上で皆さんは売却をされた。ただ、その後、住民の皆さんから反対が出てきたので、調整をされたり説明会を開いたということなんですが、ふと考えてみますと、今全く同じ問題が、例えば都立大学の跡地の方で、深沢なんかではこういう問題が起きているわけですね。財務局が条件をつけて販売をして、そして計画を見て、さらにその計画でいいよということで業者さんに販売をして、マンションを建てることになったら、深沢の住民の方々が反対をしているというような流れになっているわけですが、あの財務局の方はそういう意味でいうと、売ってしまったらば、後は業者さんに--認めて売っているんだから、東京都が間に入って何かをするということを一切していないわけです。
 今度、こちらの多摩の方を見てみますと、今の経緯を聞いていますと、東京都が間に入って三回も住民説明会をやっているというのは、これは私、ぜひあちらの財務ですとか都市計画課の方にしっかりとご連絡をいただいて、つめのあかでもせんじて飲ませてあげたらいいと思うんですよ。私はこの件は、多摩の方々は交渉をまた間に入って一生懸命やられているんじゃないかなというような認識を持ったということをお話をして終わります。

○ともとし委員 それでは、私の方から何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 現在の状況ということで参考資料をいただきました。
 まず第一点は、六十二年の二月、計画変更がなされているわけですけれども、この六十二年の二月の計画変更の時点では、地元住民に何らかの説明があったんでしょうか。

○山崎建設計画部長 これは新住宅市街地開発法という、新住法に基づきます処分認可という土地利用の変更でございまして、法に特段住民に対する説明というような義務的なものが掲げていないというようなこともございまして、当時は住民の方々に直接の説明はしてございません。

○ともとし委員 私は、それは結果としてはあくまでも高層マンション建設に対する計画変更についての陳情ということになっているとは思いますけれども、問題の発端は、この六十二年の二月、小学校の用地を住宅用地に変更する、その時点で地域住民に対する何らの説明もしない、ここに原因があったような気がするんですが、この辺についてはいかがですか。

○山崎建設計画部長 先ほどのような制度的な背景がありましたものですから、説明はしていなかったということでございますけれども、さきの常任委員会でもお話しさせていただきましたように、こういう問題が起こった後でございますけれども、地元市と公団、それから東京都との間で今後の進め方についての協議を行っておりまして、土地利用の変更についての周知につきましては今後努めていくというように改善したところでございます。

○ともとし委員 あえてそこを百歩譲ったとして、次に、十三年の五月、土地譲渡契約の締結というものがありますけれども、これの以前の段階で、こういうような形で土地を譲渡するよというようなことについての地元の理解というのはどうだったんでしょうか。

○山崎建設計画部長 本件につきましては、この土地を公募するというようなことについて、直接地元にご説明申し上げるというようなことはしてございません。

○ともとし委員 私は、この陳情に対する一つの起因になったところは、二番目の、ここの時点にもあったような気がするんです。要するに、用地の用途地域の都市計画の変更、これが第一点、そしてまた、その次の土地譲渡の契約の締結に対する説明、この二つ。このときはいずれも、地域住民は関係ない、あくまでも役所的なそういう体質の中で、法的にクリアすれば問題ないよというような形から進められていたのではないのかなと。そういったことが一つの起因として、いろいろと地元サイドでのこの高層マンションに対する建設の反対運動につながっていったのではないかなというふうに思うんです。
 状況的に、その後、この高層マンションについての住民説明会等で、多摩本部としても相当ご努力をされていたということについては、いろいろ聞かせていただきましたので、それはそれとして敬意を払うものでありますけれども、その中で、地元サイドで大筋了解していただいたと。大筋了解していただいたんだから、もう次の段階に進んでいいよということで進まれていると思います。
 それはそれとしていいとは思いますけれども、この陳情者は、その中にいらっしゃった方で、なおかつ理解しがたいということで再度こういう陳情を出されてきているのかなというふうに思うんですが、その辺のことについてのご説明をお願いしたいと思います。

○山崎建設計画部長 陳情者の方々につきましては、建物の階数とか、先ほど説明しましたような歩道の設置の問題ですとか、いろいろな考え方を持っておりまして、私どもとしても個別に何回か対応させていただいているところでございますけれども、今の時点で、なお全面的なご理解をいただけるというような状況にはなっておりません。

○ともとし委員 私は先ほど、二点のボタンのかけ違い、この辺からこういう陳情が出てきているというふうに申し上げました。まさにボタンのかけ違いから、地元に対する説明不足ということから始まっているこういう問題ですので、大筋今までの合意の内容があるかとは思うんですが、それはそれとして、しかしながら、これからのこういう計画変更に関するそういったものについては、ぜひとも、やはり今陳情を出されている方たちにも、ある意味では納得していただけるような合意形成的なそういう話し合いというのは、今後とも継続していくべきではないかなというふうに思うんですけれども、その辺の姿勢はいかがでしょうか。

○山崎建設計画部長 地元の松木町会に設置されました対策特別委員会におきまして、基本的な部分のご理解はいただいておりますので、その部分については、これ以上手がたくする余地はないのかなというふうには思っておりますが、個別の問題について、陳情者の方々と、あるいは地元全体の方々と今後引き続き話し合う機会は必要に応じて持っていきたいというふうに思っております。

○ともとし委員 確かに、都と事業者のそういう調整の結果、当初の階数から下げるなど、対応に相当前向きな姿勢があったということがあります。そしてまた同時に、集合住宅等指導要綱に基づく事前協議も済んでいる、こういう状況もわかります。そして同時に、地元市並びに大筋の地元の理解も得ているということはわかります。
 しかしながら、先ほども申し上げたとおり、こういう陳情が出ているわけですので、今後については、この進め方のルール、そういったことについてはぜひとも取り決めをしながら、その上に立って、こうしたルールの中でトラブルが発生しないように、地元住民をある意味では大事にしていただきながらぜひとも進めていただきたいな、こういうふうに述べさせていただいて、質問は終わりたいと思います。

○池田委員 この高層マンション建設の、地元住民の皆さん方の環境、生活、こういうことに大きな影響を与えるということでこの問題が出てきた基本問題、今も若干触れられていましたけれども、住民の皆さん方にとってみれば、これは事務事業の質疑の中でも私申し上げたんですけれども、学校用地だったというところが住民には全く知らされないままに、民間の業者が自由にマンションを建てることができる、こういう方向に変えられてきている。そして、具体的に最初は十四階のマンションを建てられるということで、これは大変だというので、周辺の皆さん方が対策協議会をつくっていろいろ交渉を始めたという経過から見ても、やはり多摩都市整備本部がこの地区計画を変更し、しかも、民間にこの土地を処分していく、こういうところの中から出てきた問題であり、被害をこうむる住民の皆さん方にとってみれば、全く青天のへきれきだというふうに思わざるを得ないような事態の中で進んできているわけです。
 ですから、私は今ここで整備本部の責任追及云々ということではないですけれども、基本的に、こういう問題が出てきた責任は東京都のこの多摩都市整備本部の責任として明らかにしていかなければならない。
 そういうことをはっきりさせた上でお伺いしたいんですけれども、今までいろいろ話し合いがされてきて、そして今経過の説明の中でいわれたけれども、地元との調整、今どこまで進んでいるんですか。具体的にどうなっているんですか。

○山崎建設計画部長 先ほども申しましたように、地元の松木町会に設置されましたマンション対策特別委員会におきまして、このマンション計画に関する基本的な事項のご了解はいただいているというような状況でございます。
 また、本陳情者の方々につきましては、一部ご納得されていないところもございまして、本陳情のようなことが出ているというふうに理解しておりますが、そういう方々については、先ほど申しましたように個別の話し合いを行っている、こういう状況でございます。

○池田委員 今のお話があったように、高層マンションの建築予定、この近隣の住民の人たちですね。要するに対策協議会というのは、かなり広範囲の中でつくられている対策協議会。ではなくて、陳情された前島さんほか、実際に一番近場の近隣の方たち、こういう方たちが出されている具体的な要望がある。その辺は、主なものはどういうことですか。

○山崎建設計画部長 陳情者の方々とも何回かお話し合いを続けてきているわけですけれども、先日改めてご要望いただいた内容につきましては、地元の対策委員会でご了解いただいたその戸数をさらに減らしてください、建物の高さもさらに下げなさいというような要望、それから建物の位置も自分たちの居住地より少し離せというようなこと、のり面というか、ちょっと高台になっていまして、のりになっているんですけれども、そこの部分の安全の問題、あるいは植栽の問題、歩道の設置の位置の問題等についてのご要望をいただいたところでございます。

○池田委員 いろいろの経緯の中で、今こういう前島さんを初め陳情をされた皆さん方の、環境を守りたい、一番近隣の方たちの、一番被害を直接受ける方たちの要望というのを、具体的な問題として一つ一つ詰めていく責任は、最初に私申し上げたように、東京都としての責任としてあると思うんですね。
 例えば階数の問題でも、全体としてはそういう確認がされているけれども、実際に一番身近なところで、例えば圧迫感の問題だとか、ちょうど壁面というか、がけになっていてちょっと高くなっているわけですから、そういう状態や何か見てみると、当然の話です。例えばのり面の安全防災対策、こういう問題も出されています。工事の内容だとか図面だとか仕様書などを示してほしいとか、それからまた、これはのり面の問題ですけれども、道路幅については交通量の問題だとか、より生活に密着したところから皆さんが心配をされている、こういう幾つかの問題が出されているわけですね。そういう点について、私は、強い皆さんの要望を東京都として真摯に受ける、そういう立場に立つということはやはり大事だと思うんですね。
 ですから、こういう状況の中で、現状、そこまで皆さんの声が詰まってきているわけですから、その辺を積極的に受けてやっていくべきだろうというふうに思うんですけれども、基本的にも、それから具体的にも東京都の責任が重要だというふうに私は再三強調するんですが、どうですか。

○山崎建設計画部長 何度も申し上げて恐縮でございますけれども、地元の対策委員会におきまして、当初計画から階高を下げるということで二十五戸を減らしたような計画につきましては基本的な了解はいただいておりますので、ここの部分についてはこれ以上の対応は困難かなというふうに申さざるを得ないということでございますが、この部分のご理解は賜りたいと思います。

○池田委員 さっきもちょっと申し上げたけれども、対策協議会というのはかなり広範囲の人たちですよね。それぞれの自治会だとか町会だとか、そういう単位の人たちも含めて。しかし、陳情を出されてきている人たちは、一番この高層マンションの近隣に生活されている人たち。そういう人たちが今実際に、自分たちは、全体としてはそういう合意を得てきているかもわからないけれども、ここまで来て、今やはり大事なことだけはどうにかしてほしいというふうに出されている問題ですから、そういう点では、今も話し合いが進められて具体的に行われているようです。ですから、それは再三申し上げるけれども、東京都の方の責任もはっきりさせて、そして住民のその声にこたえて、調整というか、そういう立場から役割を果たしてほしいということを含めて、特にそのことを要望しておきます。
 以上です。

○新井委員 こういった多摩ニュータウンの問題につきましては、事務事業のところで質疑をしておりますので、今回は一言意見を申し上げさせていただきます。
 こういった問題が以前から非常にたくさん起こっておりまして、今まで質疑の中で皆さんおっしゃっていましたけれども、全然住民の知らないところで用途地域が変更されていく、幼稚園の用地だったところに高層が建つ、図書館予定地だったところにまた高層住宅が建つというふうなことがあちこちで起こりまして、住民の方は事業が決まってから聞かされて、寝耳に水の開発で非常に驚いて反対運動が起こる、こういったことの繰り返しで、多摩ニュータウンの中のまちづくりの制度自体に問題があるのではないかということを指摘をしてきたわけです。
 そういった点につきましては、今回、事前協議のルールというものが整いまして、今後の開発については、一歩進んで、これからは地域住民の方々のご意見というものが生かされていくようになるのかなというふうに期待をしているところですけれども、今回、この松木の部分につきましては、そういったこともなく、従来どおりの形で反対運動が起こっているということです。
 特にこの方々は土地を提供された方々であるということもありまして、普通に住んでいて、突然用途地域が変わるという以上の驚きとか怒りというものがあったんだろうなということは十分に推測されるわけです。
 そういった意味で、多摩都市整備本部の方も随分努力をなさいまして、十四階建てから十一階に下げるということで話し合いを持って、事業者が努力しているということは十分わかるわけですけれども、まだ建築確認がおりていないという状況の中で、さらにこういった四十二名もの方が反対をされて陳情が出ているという現状でございますので、こういった方々と、もう少しさらに歩み寄りということでの話し合いをぜひ続けていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

○田代委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一三第六四号は保留といたします。
 陳情の審査を終わります。
 以上で多摩都市整備本部関係を終わります。

○田代委員長 これより住宅局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○小川住宅政策担当部長 新・東京都住宅マスタープラン及び平成十三年度東京都住宅白書についてご報告申し上げます。
 最初に、本日公表いたしました新・東京都住宅マスタープランの中間のまとめにつきまして、お手元にございます資料1(一)、要旨に沿ってご報告申し上げます。
 東京都住宅マスタープランは、住宅基本条例第六条に基づき、住宅政策を総合的に推進するために策定するもので、平成三年度、八年度に引き続き、今回は三回目の策定になります。
 このマスタープランは、本年五月に出された住宅政策審議会の答申を踏まえ、二十一世紀の半ばを見据え、二〇一五年までの十五年間の施策展開の方向を示すものとしております。中間のまとめを公表後、議会、都民のご意見を伺い、最終のまとめに反映してまいります。
 それでは、概要についてご説明いたします。
 第一章、住宅政策をめぐる状況でございますが、東京の住宅事情や都営住宅が抱える問題、さらに人口や世帯数などの社会経済動向についての分析を行いました。
 第二章では、新たな住宅政策の方向について述べております。
 二十一世紀はこれまでの時代とは全く異なる成熟社会となるため、住宅政策についても、居住政策としての総合化、ストックの活用、市場の活用、地域の主体的な対応の四つの新たな視点に立ち、豊かで生き生きとした東京居住の実現を目指し、住宅政策のビッグバンを推進していきます。特に都営住宅制度の抜本的改革では、公平、効率、活力、分権の視点から、管理の適正化、都営住宅団地の区市町村への移管の推進、民設民営方式の導入、管理戸数の抑制、団地の再編整備を図ってまいります。
 第三章は、目標の達成に向けた住宅政策の展開内容でございます。
 具体例の幾つかをご紹介いたしますと、活力が生まれる居住の実現に向けて、都営住宅団地の敷地を活用した民間プロジェクトの誘導や、オフィスビル等の住宅への転用などにより都心居住を推進し、職住近接を目指します。
 ニーズに応じた選択ができる居住の実現に向けては、家歴書やキャリア住宅の普及によりリフォームの促進や中古市場の活性化を図り、良質な住宅ストックの形成、保持や円滑な流通、活用を進めます。さらに、建てかえに伴う仮住居として都営住宅の活用など、分譲マンションの対策を推進します。
 だれもが安心して暮らせる居住の実現では、バリアフリー化の推進や民間賃貸住宅に入居する高齢者を対象としたあんしん入居制度、高齢者向け優良賃貸住宅制度、都営住宅を活用したグループホームなど、高齢者住宅対策を推進いたします。
 豊かで生き生きとした居住を支える住宅市街地の実現に向けて、土地の現物出資による整備手法の構築、都営住宅団地の敷地活用により、民間活力を生かしまして木造住宅密集地域の整備を促進します。これによって、災害に強く安全な住環境を再生するなど、住環境の向上を目指してまいります。
 第四章におきましては、エリア別の住宅市街地の整備像を示すということになっております。
 第五章につきましては、今後の住宅のストックということで、建設戸数等の見通しを行っております。
 第六章は、住宅マスタープランの推進に向けた取り組み方針を示しております。
 今後、都民の皆様からのご意見を募集いたしまして、今年度中に最終のまとめを公表したいと思っております。
 以上、住宅マスタープラン中間のまとめの要旨についてご報告いたしました。
 引き続きまして、平成十三年度東京都住宅白書についてでございますけれども、お手元にございます資料の2(一)、平成十三年度東京都住宅白書の要旨に沿いましてご報告申し上げます。
 この白書は、東京都住宅基本条例第四条に基づき毎年公表しているものでございます。
 第一編では、民間賃貸市場の構造改革に向けてをテーマに特集を組み、市場の全体を総合的に把握した初めての調査、統計ということで、実態と問題点を把握、分析し、今後の施策の方向を提示しております。
 第一章では実態についてまとめておりますが、東京の民間賃貸住宅は三十平米未満の狭小なものが過半数を占め、面積の拡大も頭打ちでございます。居住世帯の六割が単身でございますが、一方で、子どもが六歳未満のファミリー世帯の半数が居住をしているという実態がございます。
 地域別に見ますと、都心三区では面積も広く高額所得者が多いなど、他の地域とは異なる実態がございます。一方、狭小な住宅が多く居住水準も低い地域、そういう地域は木造住宅密集地域と重なっております。
 建築時期を見ますと、更新はしておりますが、狭小な住宅が再生産されているということがわかっております。
 第二章では、ヒアリング等の結果から、この狭小な住宅が再生産される構造を指摘しております。すなわち、まずディベロッパーは、事業採算性から都心五区以外での開発意欲がない。家主の方は、所有地での零細経営のため、資産保全を重視した低リスク志向に陥っている。宅建業者の方は、単身者向けの仲介を中心に短期的収益に重点を移している。都民の方は、良質な賃貸住宅の不足を背景に、いまだに持ち家志向が強い、賃貸住宅を仮の住まいと考える傾向があるというような構図でございます。
 第三章では、民間賃貸市場の課題を都心地域とその他に分けて整理をしております。
 まず、都心地域は、ニューヨークやパリに比べて賃貸住宅の絶対数が少ない。また、一室の住宅が三五%を占めるなど、小規模だと。また、東京では個人経営が圧倒的に多く、一方、アメリカなどでは大規模なものにつきましては法人経営が多いということで、世界都市にふさわしい居住を実現するには、企業的経営主体の参入が必要です。加えまして、持ち家ストックには良質なものが多いということで、定期借家制度を活用して賃貸住宅市場に供給することが望まれます。一方、木造住宅密集地域等では、この市場のミスマッチというものの克服、いわゆる構造の改革が必要だというふうにしております。
 第四章では、市場の構造改革に向けた施策の方向をまとめております。
 まず、都心地域では、都営住宅の再編整備の中で土地を生み出すこと、不動産投資を呼び込めるような情報開示の仕組みを整備すること、それから借家と持ち家の負担格差是正のための家賃控除減税といった提案をしております。
 一方、木造住宅密集地域等では、小規模な宅地の集約と賃貸経営の合理化のために、土地の現物出資による開発手法というものを提案しております。また、都営住宅の再編整備を通じ、地域再生や高齢者の入居の保証の充実についても提言を行っております。
 第二編では、最近の住宅市場の動向について調査、分析を行っております。
 ことしは新築分譲マンションが取得可能な年収について試算を行いまして、二〇〇〇年には、二十三区の周辺区では、一定の頭金があれば、年収五、六百万円台の一般的な勤労者世帯にも取得可能となっているという状況についてまとめております。
 最後に第三編といたしまして、東京都、区市町村、国における住宅施策の実施状況について紹介しております。
 以上、住宅白書の要旨についてご報告いたしました。
 以上でございます。

○田代委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○大山委員 九つお願いします。
 一つ目は、都営住宅用地として買収した土地で建設していないところの一覧。
 二つ目は、都営住宅大規模団地で建てかえ中、もしくは協議中の住宅。
 三番目は、都営住宅の十三年度の応募倍率。
 四番目は、住宅マスタープラン中間のまとめで、都営住宅の空き家を活用するという事業一覧をお願いします。
 五番目は、空き家募集で当せんから入居までの期間を、これは五年間お願いします。
 六番目は、最低居住水準を満たした住宅の総数及び誘導居住水準を満たした住宅の総数、これを区部と多摩別でお願いします。
 七番目は、都のマンション施策それぞれの実施年度と過去五年間の実績。
 八番目は、マンション管理適正化法の概要をお願いします。
 九番目は、バリアフリー対応がなされた住宅の総数とその内訳、どのようなバリアフリー住宅が何戸あるのかというふうにお願いします。
 以上です。

○ともとし委員 資料要求の時間帯でございますので、資料要求ということではございませんけれども、きょうの朝のNHKの報道に対する--都営住宅は今後建てない旨のそういう方向性がニュースの中で流されているわけなんですが、恐らくこのマスタープランの中の管理戸数の抑制という部分を引いてそういうニュースになっているかどうかはわかりませんけれども、この辺のいきさつというのは、何でああいうような形のニュースが流れるのか、その辺だけちょっと局長、教えていただけますか。

○田代委員長 今、資料要求中ですので……。
〔「それを後で資料要求として出させればいいんです。今ここじゃなくて」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員 確かに資料要求の時間帯なんですよ。それはお断りさせていただいたんですが、要するに、この資料要求したものに基づいて来月の十四日に質疑が行われるというふうに聞いているんですよね。そうすると、この約半月間というのは、このニュースに対するものは--都民には全部流れているんです。それに対する具体的な、我々に質問がされたときに、いや、これはこういう理由なんだよといえる内容のものは半月間何もないんですよ。
 何でそういうふうにマスコミにこういうものが先に流れてしまうのか、その辺のことを知りたくて今質問をさせていただいたんですが、答弁の内容にはなりませんか。(「後で資料として出してもらえばどうですか」と呼ぶ者あり)その辺のことは、いいんですか、では資料という形で出してもらって。(「それならそれでいいんじゃない」と呼ぶ者あり)では、資料という形で出してください。

○田代委員長 ほかには特にございませんか、資料要求は。
 ただいまともとし委員、大山委員から資料要求がございましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求されました委員と調整の上、提出を願います。

○田代委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、一三第一二九号、都営住宅葛飾区新宿六丁目団地の建替建設計画に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小林建設部長 ご説明いたします。
 整理番号1の一三第一二九号、都営住宅葛飾区新宿六丁目団地の建替建設計画に関する請願でございます。
 請願者は、葛飾区にお住まいのコスモタウン金町管理組合、管理組合員一同、理事長京谷勝彦さんでございます。
 請願の要旨は、葛飾区新宿六丁目二四八六番地に都営住宅建てかえ計画があるが、隣接するコスモタウン金町の住民の生活環境を守るために建設計画の見直し及び変更を行っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都営住宅新宿六丁目団地の建設計画につきましては、平成十年八月から九月に第一期計画及び第二期以降の全体計画の概要を近隣の方々に説明をいたしました。また、団地東側隣接地の分譲マンション、コスモタウン金町の開発事業者、株式会社リクルートコスモスに対しては、平成十一年三月に同様の説明をいたしました。
 コスモタウン金町は平成十一年六月に着工し、翌年三月に入居が行われました。
 本団地の第二期建設計画につきましては、平成十三年二月から九月に近隣説明会を四回実施いたしました。
 コスモタウン金町の居住者からは計画内容について強い変更の要望があったため、建物階数八から十四階を五から十二階に階数を下げ、また、敷地境界部分の団地内通路を内側に四メートル移し、植樹幅を二メートルから六メートルに広げました。また、集会所、受水槽、ごみ容器置き場及び駐輪場をコスモタウン金町から極力離して配置いたしました。
 さらに、第三期計画で予定しております建てかえ済み住棟への増築計画を各階とも四戸から三戸に減らすなど、できる限りの計画変更をいたしました。このため、当初計画と比べて三十三戸の減となっております。
 都といたしましては、本計画を本年度内に着手したいと考えております。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○花輪委員 事前に売り主さん、これはリクルートコスモスさんですか、開発業者さんに、この第一期計画及び全体計画の概要を説明されたとおっしゃっていますが、具体的にどのくらいの詳しさで説明をされたのか、ご答弁をお願いします。

○小林建設部長 コスモタウン金町の開発事業者でありますリクルートコスモスに対しましては、平成十一年三月に、都営新宿六丁目団地の第一期計画及び第二期以降の全体計画の概要を示した図書と図面をつけて説明をしております。

○花輪委員 私どもも住宅局がリクルートコスモスさんにどんなものを説明したのかということを入手しまして、今ここに手元に持っているんですが、この一番後ろに全体計画がついた図面があるわけですが、いわゆる配棟ですとか、そういうものまでちゃんとつけた全体計画の説明をリクルートコスモスさんにされているんですか。

○小林建設部長 四月二十三日に、リクルートの担当者が東部事務所に来所いたしました。その際に、計画の内容について説明し、確認した後、都営住宅の全体計画をくれぐれも買い主に対して説明してくださいというふうに伝えております。

○花輪委員 今問題になっている計画というのは、その当時ご説明をされたものと大きく変更がされているんですか。例えば隣地に与える日照ですとか、その他の影響が、著しく大きくなるような変更になっているんでしょうか。

○小林建設部長 リクルートにお示しした全体計画の概要は、当初計画として説明した内容でございます。したがいまして、現在変更しておりますから、そういう意味では、我々とすれば計画について十分配慮しているということでございます。

○花輪委員 皆さんがその計画についてリクルートコスモスさんにご説明をされたと。そうすると、今度は、リクルートコスモスさんが販売するときに、購入者の皆さんにしっかりと説明をする義務というのがあると思うんですね。重要事項の説明というのが宅建業者には定められていますので、義務づけられていますので、恐らく宅地建物取引主任者さんが詳しくご説明をされていると思うんですが、その重要事項をしっかり説明をしているかどうか確認をされましたか。

○渡利不動産業指導部長 売り主である株式会社リクルートコスモスが作成し、購入者に配布いたしました重要事項説明書には、本件都営住宅建設計画について、第一期工事の建設戸数、規模、階数のほか、第二期以降の計画があること、さらに東京都の担当者の連絡先等について記載してあることを確認いたしております。また、購入者に対し、契約締結の前にこの重要事項説明書をもって説明したと聞いております。

○花輪委員 そうですね。私も実はその重要事項説明書を入手したんですが、マンションを売るときには--それは高い買い物、百円、二百円の買い物じゃないですから、買う方も売る方も、お互いにしっかりとその辺の説明を聞いたり、したりすることが義務づけられているわけです。その中で、第二期計画もあるよというようなことがうたわれているわけですね。ですから、まず、東京都の方は販売業者、開発業者にしっかり説明をしたと。それを受けた業者さんは、重要事項の説明をちゃんとされているということなんです。
 では、それを聞いて、もっともっと詳しく知りたいとか、そういうときには、ここに東京都の連絡先が書いてあるんですが、ここに問い合わせというのはありましたか。

○小林建設部長 担当者に問い合わせましたところ、そういうような問い合わせがあったことは記憶していない、ないということでございます。

○花輪委員 以上で終わります。

○ともとし委員 私の方からも何点か質問をさせていただきます。
 住民の皆さんからの要望によって、住宅局としてもできる限りの計画変更を行ってきた、そういうような内容は聞かせていただいておりますが、その具体的な内容ですね、その辺について何点かご質問をさせていただきたいと思うんです。
 まず、都営住宅の建設に当たって、日照の件で、日影の件で、日が当たらない世帯が幾つか出てくるのではないかというふうにいわれているんですが、実際、どのような状況になっているか、その辺お聞きしたいと思います。

○小林建設部長 本計画におきましては、隣地への日照の配慮も十分に行っていますことから、冬至日においても、一日中、日が当たらないといったような住戸はございません。

○ともとし委員 これは冬の時点でも同じですか。

○小林建設部長 冬至日が一番、日影とすると大きく近隣に出るということでございますので、ほかの時期については、それよりもよい条件になるということでございます。

○ともとし委員 中層住宅から高層住宅になることによっての圧迫感、これについての配慮はどのようにされていますか。

○小林建設部長 コスモタウン金町に対しましては、都営住宅の妻面、立面図で見て面積の小さい方ですけれども、それが面していることから、圧迫感は少ないと考えております。
 なお、見直し後の計画におきましては、二期工事部分の建物階数について、八階から十四階だったものを五階から十二階に下げ、また、三期工事の増築棟とコスモタウン金町の敷地境界線からの距離を当初計画より六メートル広げまして十六メートルといたしましたので、結果的にはさらに改善されたということになります。

○ともとし委員 プライバシーの保護、あるいはまた隣接して配置予定の自転車置き場、これらについての騒音対策、このようなことはどのようになっていますか。

○小林建設部長 プライバシーの保護につきましては、都営住宅の廊下やバルコニーがコスモタウン金町に面しない住棟配置となっておりまして、また、近隣の要望に配慮いたしまして、都営住宅の廊下及びバルコニーの妻側、金町に向かっている方でございますが、そこに目隠しの設置を考えております。
 自転車置き場につきましては、配置を変えるとともに、コスモタウン金町の敷地境界から六メートル以上離し、さらに間に植栽帯の幅を約四メートルに広げるなど、十分な配慮をしたところでございます。

○ともとし委員 次に、高層化されますと、かなりの風の害ですね、風害が出てくるかと思いますけれども、それの調査あるいはまた対策はどのようになっていますか。

○小林建設部長 都営住宅は五階から十二階の高さでございまして、さらに、コスモタウン金町の敷地境界から十メートル以上も離してございますから、風害はほとんどないというふうに考えております。
 なお、敷地境界部分には六メートルから八メートルの植栽帯を設けておりますので、ここに高木を植えてよろしいということであれば、さらに風の影響は少なくなるものと考えております。

○ともとし委員 建設工事中の騒音、振動、粉じんですね、それらの飛散、あるいはまた工事車両の交通対策等、このようなことについてはどのようになっていますか。

○小林建設部長 工事現場周囲には仮囲いを設置いたしまして、使用する重機や工法については、低騒音型の機械ですとか工法を採用することとしております。また、粉じんの飛散防止につきましては、シートを全面に張るとか水まきによって対応いたしますとともに、工事車両の出入りにつきましては、誘導員の配置などにより安全を図るなど、工事中の近隣対策について万全を期してまいります。

○ともとし委員 今までのご説明によりますと、住宅局としては最大限の考慮をしつつ、例えば建物の高さを下げるとか、あるいは建築物のスパンを減らしたりしているとか、あるいは植樹帯の幅を広げるとか、コスモタウン金町の住民の要望というものに配慮されているのかなというふうにも感じられます。
 今回のこの請願の中には、我が党の野上じゅん子議員の紹介ということもあるわけでして、今後の工事着手については、くれぐれも近隣住民の方とよく話し合いを進めながら工事を進めていただきたい、このように要望しておきたいと思います。

○大山委員 今、計画変更のことだとかいろいろ質疑があったわけですけれども、近隣説明会で計画変更の希望が出たので計画変更を行ったということなんですけれども、その後の話し合いは行っているのでしょうか。

○小林建設部長 第二期建てかえ計画についての近隣への第一回説明会は、平成十三年二月に開催いたしました。その際出されました要望を受けて計画の見直しを行ったわけでございますけれども、変更後の計画案については、ことしの七月に近隣説明会を開催し、理解を求めました。その後も八月、九月と近隣説明会を開催し、話し合いを行ってまいりました。

○大山委員 説明はしたけれども、この請願が出るということは納得できていないからということなんですね。ずっと暮らしていくのはこのコスモタウン金町の方たちですし、それから都営住宅の人たちなんですよね。
 ですから、住宅局の役割としては、ご近所になる人たちにしこりが残らないようにしていくことが必要だというふうに思いますので、納得できるような話し合いに努力していただきたいというふうに思っています。

○田代委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○田代委員長 起立少数と認めます。よって、請願一三第一二九号は不採択と決定いたしました。

○田代委員長 次に、一三第一四二号、東久留米市中央町二丁目アパート(仮称)の建替計画見直しに関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小林建設部長 ご説明いたします。
 整理番号2の一三第一四二号、東久留米市中央町二丁目アパート(仮称)の建替計画見直しに関する請願でございます。
 請願者は、東久留米市にお住まいの、落合川に水生公園を作る会代表海老原和行さん外二千五百四十四名の方々でございます。
 請願の要旨は、中央町二丁目アパートの中高層建てかえ計画に対し、その建てかえ用地の自然環境の保護とその回復及び住宅環境維持等の観点から、次のように計画を見直していただきたいというものでございます。一、落合川の主たる水源の水脈と湧水及びそこに生息する動植物を保護すること、二、都及び市の基本構想である自然環境の保護及び回復を実行すること、三、建てかえ計画の見直しについては十分な調査を行い、自然環境に影響が及ばないことを明確にした上で計画し、実施すること。
 現在の状況でございますが、中央町二丁目アパートの建てかえ計画につきましては、平成十一年六月に全体計画の概要を近隣の方々に説明し、その際出されました要望を受けて湧水、地下水の調査を実施、その結果を踏まえ、地域の自然環境や住民要望に配慮した計画の見直しを行いました。そして昨年七月に、見直し後の建てかえ計画の近隣説明会を開催いたしました。
 主な見直しの内容は、第一に、敷地に接する河床に確認された湧水付近の建物配置の変更、第二に建物の低層化で、三から七階建てを三から五階建てに変更し、建設戸数につきましても、三百二十一戸を二百八十三戸に三十八戸減らしました。第三に、団地通路や公園を河川と一体的に整備し親水性を高めるなど、計画の変更をしてまいりました。
 昨年度にも、自然環境を保護する視点から万全を期するため、湧水や地盤等の調査を行い、第一期工事の建物配置等についてさらに変更する必要がないことが確認され、平成十三年、本年七月に調査結果を近隣の方々に説明いたしました。
 さらに、今年度に補足的に実施いたしました地下水等の調査結果におきまして、第二期以降の工事についても、建物の配置等を変更する必要がないことが確認されました。
 また、工事に際しましても、地下水に影響を及ぼさないくい工法の採用など、十分な環境への配慮を行うとともに、氷川神社に隣接して水辺公園を設置する計画も進めており、年度内に工事に着手したいと考えております。
 よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○山田委員 私は、この請願を審査するに当たりまして、地元の市の皆さんやあるいは市議会の皆さんからもいろいろご意見を伺い、また、請願者の方からもご意見をいただいていまして、そしてまた、地元のその現地も何回か足を運びまして調査もさせていただいたところでもございます。
 当地は、こちらにも説明がありましたけれども、南沢の緑地保全地域ということでありまして、また近くには、これは東京都が建設をするという六仙公園ですね。そしてまた氷川神社というのも隣接をしておりまして、まさに環境的には最高にすばらしい、自然環境の豊富なところだなということを改めて感じました。また、落合川につきましても、清流が豊富でもありましたし、また、川底には水生植物も青々として、水草が生えておりましたし、まさに都内から比べますと自然の宝庫という、そんな感じをいたしたところであります。
 しかしながら、この案件の審査については、ことしの二月に保留という扱いで今来ているということでありまして、その後、当局といたしましてもいろいろと調査をされていることも聞いておりますが、確認の意味で、東久留米中央町二丁目団地の計画の概要はどうなっているのか、まずお伺いいたしたいと思います。

○小林建設部長 昭和三十五年、三十六年に建設しました木造及び簡易耐火づくりの住宅二百六十七戸の建てかえ事業といたしまして、三階から五階建ての鉄筋コンクリートづくり七棟二百八十三戸を建設する計画でございます。計画につきましては、敷地の一部を水辺公園とするなど、湧水や自然環境にも十分配慮した団地づくりを行うことを基本としております。

○山田委員 ほぼ建築前の戸数と同数、近いといいますか、建てかえだと思いますが、落合川の湧水あるいは自然環境に十分配慮するということで今ご説明がありましたけれども、そういう観点から住宅局として、当地の都営住宅の建てかえ事業に対して、湧水あるいは地下水に与える影響について調査あるいは検討を行ってきているということでございますけれども、その調査結果はどのようなもので、どのように計画に反映されたのか、ご説明いただきたいと思います。

○小林建設部長 調査につきましては、平成十一年度から十三年度まで三カ年にわたって、隣接する落合川の河川流量や湧水点、それから都営住宅敷地内の地下水脈などの状況について実施してきました。
 十一年度と十二年度に行った調査からは、河川沿いの幅約三メートルの範囲は水脈が確認あるいは推定あるいは想定されるので、建築工事は行わないこと、それから、川底に湧水が確認された場所から一定の範囲は建物の影響を軽減する方策が必要なこと、また、その他の敷地は特に配慮の必要はないことを確認いたしました。
 この調査結果と近隣の要望を踏まえまして、建物の低層化や配置の変更を行っておりまして、さらに地下水に配慮したくい工法を採用することとしております。
 また、先日出されました今年度の調査結果によりまして、現計画の建物配置で支障がないことが最終的に確認されております。

○山田委員 最新の調査結果、先ほど説明ありましたように、補足的に実施した地下水等の調査結果、平成十三年十一月において、第二期以降の工事についても建物配置等さらに変更する必要がないことを確認されたということでありますけれども、一部、この調査については、請願者の方の中でも疑問視するといいますか、役所サイドの調査ではないかということを疑問視する声もあるんですが、その点についてどうお考えですか。
 また、本当にこの見直しで湧水が守れる、あるいは絶滅のおそれがありますホトケドジョウの動植物については守られるということで、環境面については工夫はほかにされているかどうか、それについてご説明いただきたいと思います。

○小林建設部長 調査は、落合川の湧水につきまして長年にわたって研究しておられる法政大学の山田教授にお願いをしております。その調査結果は十分に信頼に足るものであると考えております。湧水や地下水を守るためには、三年間にわたる調査結果に基づいて建物の配置の変更を行っておりまして、ホトケドジョウが生息する落合川への影響はないというふうに考えております。
 また、環境への配慮につきましては、川に沿った緑道、自然を生かした団地内公園を整備するとともに、氷川神社に隣接する土地に水辺公園を整備することとしております。

○山田委員 調査については、落合川の湧水を長年にわたって研究されている専門家ということでありますので、私もそのように受けとめております。
 また、自然保護条例との関係で、環境局と協議をされているということをお伺いしておりますけれども、その状況についてご説明をいただきたいと思います。

○小林建設部長 環境局とは、平成十一年から建てかえ計画につきまして協議をしてまいりましたが、計画内容に問題があるといったような指摘は受けてございません。

○山田委員 問題がないという環境局とのお話だということはわかりました。
 また、近隣の住民の皆さんへの説明ということなんですけれども、建てかえ建築に関して説明は十分に行ってきたのでしょうか。
 また、請願者であります水生公園を作る会とはこれまでどのような交渉を重ねてきたのか、話し合いの経過についてお聞かせいただきたいと思います。
 また、地元の東久留米市及び東久留米市議会は、今回の都営住宅の建てかえについてどのような見解であるのか、あわせてご説明いただきたいと思います。

○小林建設部長 当初の計画案につきましては、平成十一年に近隣住民説明会を開催させていただきました。その後、敷地北側の自治会から低層化等の請願が都議会に提出されましたが、代表者たちと話し合いを重ねまして、計画の見直しを行った結果、十二年九月に陳情は取り下げられました。
 また、落合川に水生公園を作る会とは、住民説明会のほかに、さまざまな機会の中で、計画の内容ですとか調査のことにつきまして再三お話をさせていただいておりますけれども、納得を得られていない状況にございます。
 また、東久留米市からは、平成十三年五月に、現在の建てかえ計画のとおり施行するように要望を受けております。
 市議会におきましては、ことしの九月に、中央町二丁目都営住宅の建設促進を求める陳情を賛成二十、反対三の賛成多数で採択したと聞いております。

○山田委員 近隣住民の皆様とは話し合いを持っている。ただ、請願者の方からは納得を得られていないということでありまして、また、東久留米市からは、平成十三年五月に現在の建てかえ計画のとおり施行するようにという要望が出ていると。また、市議会については、平成十三年九月に、建設促進を求める陳情が賛成多数で採択されたというご説明をいただきました。
 それで、今まで私もこの請願の中身を読んでおりまして、この請願者の文書の中には、今まで一部調査が十分されていないことがあったのではないかと。先ほども、ことしの二月の保留になった扱いについても、今後十分調査をしてからというようなこともありましたので、調査が十分されたということであるならば、その建設に対して理解を示すという方も、私は請願者の中にはいたのではないかなという、そんな感じもしております。
 先日、十一月ですか、最新の調査報告、地下水の補足的に実施した調査結果が出されたということでありますので、ぜひこれを早く地元の住民の皆さんあるいは請願者の皆様にご説明をして、納得していただくことも必要ではないかと思いますけれども、この報告書の地元説明会等について、当局としてどのようにお考えになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○小林建設部長 先日、本年度の調査結果も出されましたので、説明会につきまして、なるべく早い時期に実施したいと考えております。

○山田委員 実は、請願者の方から十一月十七日付の文書を提案としていただきまして、中には、その提案いたしました一部高台のD地区に移す案とか、あるいは南町一丁目の都営住宅の建てかえの際に、そこを高層にすれば戸数が増えて満足するんじゃないかとか、あるいは落合川の下流の調整池に代替地として都営住宅を建てることも検討してみてはどうだろうかというように、当地にわざわざ都営住宅を建てなくてもよいではないかというようなそういうような主張、提案がございましたけれども、この提案について住宅局はどのようにお考えであるか、ご説明いただきたいと思います。

○小林建設部長 都は、昭和三十九年度以前の団地約四万戸に対しまして順次建てかえを進めているところでありますが、本団地の建てかえ計画もその一つでございます。
 こうした建てかえを円滑に進めるに当たりましては、居住者が移転するための受け皿用住宅を確保する必要がございます。また、湧水、地下水の調査の結果、現計画で支障がないことを確認しておりますので、計画どおり建てかえを進めていく考えでございます。

○山田委員 それでは、今まで質疑をしてまいりましたけれども、今明らかになったと思いますが、請願者の要望であります落合川の湧水あるいは水脈、動植物の保護、建設の見直し等については、十分調査をして、影響を及ぼさないことを明確にした上で計画を立てて実施してほしいとの要望の趣旨は、昨日といいますか、いただいた調査報告書で私は明らかになったと考えております。また、山田教授の調査報告書では、現在住宅局の作成した建てかえ計画案についても、湧水や地下水に影響を与えることはないとの調査結果でありまして、環境にも十分配慮した計画になっていることが改めて確認されたと思います。ぜひこの建てかえの計画については、報告書に沿って請願者や地元の皆様に十分説明をして、納得いただくよう努力していただきたいと思う次第であります。
 また、都営住宅の建てかえ建設につきましては、建てかえ計画に必要な湧水や地下水の調査が、今申し上げましたように先日の調査報告書で明らかになったこともありまして、また、地元の市やあるいは地元市議会からも建設促進の要望あるいは意思が示されていることからいたしまして、ぜひとも請願者や住民の皆様と十分話し合いをなさりながら、建設、建てかえ計画を推進することを要望いたしまして、質疑を終わりたいと思います。

○花輪委員 今、山田委員の方からいろいろとご質問がありまして、あそこが自然の宝庫であるとか、これまでいろいろな経緯の中で皆さんもそれぞれご努力をされてきたということは、私も理解をさせていただいております。しかし、この湧水の調査の報告書、ついこの間、実は出たばかりなわけですよね。ですから、ここまで皆さん時間をかけてやってこられているので、もう一押し、できれば説明を頑張って理解をいただくように努力をしていただきたいなというふうに私は思っているわけです。
 あともう一つ、来年ですか、一月になりますと、聞くところによると、当該地の市長選挙があるとも聞いています。この市長選挙では、この都営住宅の問題もテーマになってくるのではないかというような、そんな話も聞いているわけです。ですから、もう少し、できれば時間をかけて、住民の方々と合意が得られるようなそんなご努力をいただければと思っているんです。
 一つお尋ねをしたいんですが、恐らくきょうのこの請願は、私たちの願いはかなわない結果になるんじゃないかと想定をしているわけですが、この工事の着工なんですが、これをぜひ市長の選挙の後に、少なくともその市長選を待ってという形でお願いができればと思うんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。

○小林建設部長 工事の着手につきましては、私どもとすれば、年度内に発注し、速やかに入っていきたいというふうに考えております。

○花輪委員 市長選挙が一月二十日にあるというふうに聞いているんですけれども、どうでしょうか。
 民意を少しでも酌むというようなことを考えてみますと、一月二十日以降に契約、発注という、そういうような状況にはならないですかね。

○小林建設部長 契約の発注につきましては、通常の手順に従ってやってまいります。その中で、実際に現場に入っていくということは一月中は無理かとは思いますが、今年度の工事としてやっていきたいなというふうに考えております。

○花輪委員 今、微妙ないい回しで、一月中には地元には入らないというような話でした。
 ぜひ住民の方と、ここまで皆さんやってきたんだから、もうちょっと理解をいただくような努力をしていただくということをお願いして、私の質疑を終わります。

○ともとし委員 私の方からは、既にこの問題につきましては、ことしの二月の委員会の中で同様の趣旨の請願が審査されておりまして、党としてもその意見を表明しているところでありますけれども、都営住宅敷地に接する落合川とその水源である湧水群、そしてまた、特に南沢緑地保全地域のあたり、その辺一帯は東久留米市内に残された貴重な自然であるというふうに聞いております。湧水や清流、動植物を含めた水辺の環境は、都民にとっても貴重な財産でもありますし、保護していくべきものであるというふうに私どもは考えております。
 住宅局としては、こうした自然環境に十分配慮して、近隣の住民要望なども十分に踏まえて都営住宅の建てかえ計画を進めてきたというふうに今日まで聞いたわけでありますけれども、これまで行った湧水や地下水に関する調査の結果に基づいて、既に建物の配置の変更、見直しを行ってきている。そしてまた、同様に住民説明会も昨年行ってきた。しかも、その後も引き続いて調査を行って、前回の委員会の際には継続中であった調査やその後の調査の結果も出てきておりまして、現在の建てかえ計画に支障のないことを確認しているというふうに、これも聞かせていただきました。
 住宅局が三カ年にわたって湧水や地下水に関する調査を行って、可能な限りの見直しを行ってきた。さらには、敷地の一部を提供した水辺の公園、近隣の人たちも水辺に親しめるように公園や緑道などの整備も計画をしてきたという、こういう内容については評価をしてもよろしいんじゃないかなというふうに思っております。
 現在、さらにこうした請願が出されてきているわけでございますが、計画の見直しについて必要な事項については対応してきたというふうに住宅局としては思っていらっしゃると思っております。同時に、地元の東久留米市の強い建設促進の要望が出ている、あるいはまた、市議会等についても同様な趣旨に基づいた採択もされているというふうに聞かせていただきました。
 しかしながら、こうした請願が出ているという事実を踏まえて、今後とも十二分に自然の保護や近隣環境への十分な配慮をして進めていかなければいけないのではないかな、このように申し上げて、終わりたいと思います。

○大山委員 東久留米中央町二丁目アパートの建てかえということですけれども、私も東久留米で生まれ育ったものですから、久しぶりに現地に行きまして、川も一時期よりずっときれいになっていますし、サギもおりましたし、それから水量も比較的豊かでした。何といっても、護岸も、基本が自然の状態を残すということで、蛇行している川が健在でありましたし、こういうのは、やはり市民の皆さんの川に蛍を戻そう、ホトケドジョウを戻そうという地道な活動が成果としてあらわれているんじゃないかなと思って、非常に心強く思った次第です。これらの自然を湧水とともに保護して、ともに生きていこうということが、現在の私たちが実践しなければならないことだというふうに思っています。
 自然を保護するという観点で、この請願の項目は当たり前のことですし、やらなければならないということですので、一つ一つ、実際どうなっているのかということを確認したいというふうに思っています。
 まず、請願1にありますけれども、落合川の主たる水源の水脈と湧水、そこに生息する動植物を保護してくださいというふうにありますけれども、地下水がこの地域ではどのような状態になっていて、保護するためにどのようにしようとしているのかということと、そうすれば動植物は保護できるのかという点について伺います。

○小林建設部長 地下水の状況でございますが、三カ年にわたる調査の結果、河川沿いの幅三メートルの範囲は水脈が確認あるいは推定、想定される、次に、川底に湧水が確認された区域が、建設敷地に接する区間で三カ所ございます。また、その他の敷地は顕著な地下水流動は確認されていないということでありますので、この調査結果に基づいて建物等の配置を決めたということでございます。
 また、落合川の動植物の保護につきましては、湧水や地下水を守るために調査結果に基づいて変更等を行っておりますので、ホトケドジョウなどが生息する落合川への影響はないと考えております。

○大山委員 設計変更したことによって水脈と湧水は守られるということですけれども、請願2の項目に、都、市の基本構想である自然環境の保護及び回復を実行してくださいというふうにありまして、理由の中を見ますと、東京における自然の保護と回復に関する条例、また、東京都環境基本条例などの湧水保護に関する条例を当地に適用され云々というふうにあります。この東京における自然の保護と回復に関する条例の三十八条に、知事は、区市町村と連携して、良好な自然を形成し、水源となる湧水等の保護と回復に努めなければならないというふうにあります。
 湧水をきちんと保つということについて必要になるのは、やはり地下水の涵養だというふうに思いますが、具体的にはどのように配慮しているのでしょうか。

○小林建設部長 地下水の涵養につきましては、団地内に降った雨水を敷地内に貯留、浸透させる予定でございます。具体的には、住宅の屋根に降った雨をといで集めまして、浸透ますや浸透トレンチを通して地下に浸透させること、団地内の通路、駐車場を透水性舗装とすることなどを考えております。また、団地内の緑地、緑化につきましては、敷地面積の二〇%以上を確保しまして地下水の涵養に努めることとしております。

○大山委員 地下水の涵養に努めるということですね。それで、請願の項目の三つ目ですけれども、これは、この都営住宅建てかえ問題では十分な調査ということがいわれているわけです。
 ことし二月十六日に建設・住宅委員会で同様の請願が審査されたときには、調査中ということで保留になった経緯がありますけれども、その後の調査がこの間出たわけですけれども、どういう結果で、どのように対応しようということなんでしょうか。

○小林建設部長 平成十一年に行いました調査結果を受けまして計画の見直しを行ってきたわけですけれども、さらに万全を期するということから、昨年の八月からことしの六月まで第二回目の調査を行いました。さらに、今年度につきまして補足的な調査を行いまして、先日報告を受けたわけでございますけれども、その結果、見直し後の現計画で問題はないということを確認してございます。

○大山委員 調査をして、その結果に基づいて計画を変更し、さらに不十分だという調査を補足して行って、それは大丈夫なんだという結果が出たということなんですね。ですから、この請願の趣旨、願意というのは、調査をしてきちんと対応、対策してくださいということですので、請願の趣旨は取り入れられているんだろうというふうに考えています。
 もう一つ、建てかえということですけれども、この都営住宅の建てかえ問題では、平成十一年六月に建てかえ計画について近隣の皆さんに説明会を開いて以来、市議会や都議会に幾つか請願や陳情が出されているわけですけれども、保留だとか継続というのは、決められなかったということですから、それは除いていいんですけれども、きちんと議会としての態度が決まったもの、それから取り下げられたものなどを紹介してください。

○小林建設部長 都議会関係につきましては、平成十一年九月、計画地北側の南沢さつき自治会から低層化に関する陳情が出されてございます。この件につきましては、昨年七月の説明会で計画変更の提示をいたしまして、九月に陳情の取り下げがされております。
 市議会関係につきましては、昨年二月、都営住宅跡地を水生公園とする陳情が出されているということですが、平成十二年三月に不採択となったというふうに聞いております。
 また、平成十三年九月には、中央町二丁目都営住宅の建てかえ促進を求める陳情が出されまして、九月に採択をされたというふうに聞いております。

○大山委員 今ご答弁していただいたように、低層化ということでは、階数を変更したということで陳情を取り下げられたということで、水生公園にしてほしいという陳情は、市議会では否決をされたということですね。
 建てかえ促進を求める陳情というのを読んでみますと、ただどんどんやればいいという陳情じゃないんですね。仮移転して戻りたいという方々は見通しが持てないんですとか、それから都営住宅に入居を希望している人たちも、戻り入居だけじゃなくて期待しているんですということを述べながら、湧水や緑の保全は大切なので、継続調査が必要なところは除いて計画的に進めてくださいということなんです。
 ですから、市民の意思は何かといったら、やはり環境を守りながら建てかえを進めてくださいということだというふうに思います。調査に基づいて対策を立てたということと同時に、市民の意思が明確になっているわけですから、都営住宅の建てかえは進めてよいというふうに考えています。その際、工事をするとかということも含めて、近隣の皆さんとの関係も丁寧に進めていっていただきたいということを要望しておきます。

○新井委員 私もこの地域を歩かせていただきまして、たくさんの湧水群を実際に目にいたしまして、本当にすばらしい地域だな、水環境がここまで整っているところというのは、なかなか東京の中ではないんじゃないかなということを実感して帰ってまいりました。
 私たちの会派では、水循環とか湧水のことについては一つの政策の大きな柱として、これまでも野川とか矢川の水循環を取り戻そうということでいろいろな運動をしておりまして、各地域では、これほど大きくなくても、それぞれの地元の川をよみがえらせようということで問題に取り組んでおります。
 そういった関係で水の専門家の方とおつき合いがございまして、私もそういう意味では素人の部類ですので、この山田教授の調査を見ていただきました。東久留米の状況にも詳しくていらっしゃって、山田教授とも実際に情報交換などをしていらっしゃる方ということですので、客観的にどんなふうに見られるかなということでご意見を伺いました。その結果を示しながらご質問させていただきたいと思います。
 今回、山田教授の調査ですけれども、八月の下旬から九月の上旬にかけてC地点の調査をしているということで、これは山田先生ご自身も、こちらの目的のところで指摘されているわけですけれども、「測定時期の深部河床の流出量はピーク時期に比較して小さく、水脈自身も規模が小さかったと思われる」、こんなふうにおっしゃっているわけです。
 通年でこの時期というのは、非常に湧水が少ない時期ということがあるわけですけれども、さらにことしは、皆さん覚えていらっしゃると思いますけれども、空梅雨で全然雨が降りませんでした。そういう意味では、通年を通して湧水がかれる時期。しかも、空梅雨で全然雨が降らなくて、ほとんど湧水が、いつもある湧水もかれている状態の中での調査であったということで、余りこの時期での調査については信憑性がないのではないか、こんなふうなご見解をいただいたわけなんですけれども、それについてはいかがお考えでしょうか。

○小林建設部長 湧水、地下水の調査につきましては、平成十一年から三カ年にわたって実施しております。十一年度は十二年の一月から三月、十二年度は十二年の八月から十三年の六月に、落合川の流量や湧水点の確認、敷地内の地下水の水脈等の状況を確認、調査しております。十三年度につきましては、補足的に調査を八月から実施しておりまして、湧水の変化に対応して調査時期を変えて、必要な調査は十分に行ってきたものと考えております。
 なお、気象庁によりますと、東京におけることしの梅雨どきの降雨量は平年並みであったということでございます。多分、梅雨明けが平年より二十日ほど早かった、七月一日だったということなので、空梅雨であると感じたものだと思われます。

○新井委員 皆さん覚えていらっしゃると思うんですけれども、梅雨入りをしても全然雨が降らなくてということで、本当にことしは雨が少ないねといったのを覚えていましたので、先生のその空梅雨だったということも素直に自然に入ってきたわけなんですけれども、専門家の一人としてそんなふうなご意見をお持ちであるということです。
 これは住宅局さんの方となかなか意見が一致しないわけですけれども、三カ年にわたってずっと調査をしてきたんだから十分だというふうにおっしゃっているわけですけれども、これまでの、十一年、それから十二年にかけて行われた調査については、山田先生ご自身が、この二カ年についてやった調査については、「水脈に直接関係する観測井戸による流速測定など河床流出量に相当する水脈の規模、深度、空間分布など解明する必要がある」というふうにいわれているわけです、最後のこれで。だから、このC地点の詳細測定が必要なんだということで今回取り組まれたわけですけれども、今申しましたように、専門家のお一人が、非常にこれでは不十分だというふうな見解も出されている。専門家の中でも意見が分かれている状況があるんだということは申し上げたいと思います。
 私自身、やはり実感として、空梅雨で確かに水がない時期の調査だったのではないかなというふうに思っておりまして、そういう意味では、もう少し湧水が豊かな時期に再調査ということをする必要があるのではないかと思いますし、また、ここの調査につきましては、本当に敷地内に限定した調査なんですね。
 地下水、湧水ということを考えますと、水ですから非常に面的に広がりがあって、黒目川、それから落合川があって、落合川のこちら側には非常にすぐれた湧水の保全地点があるということで、全体としてとらえたときに、果たしてその調査というのが、敷地内の調査だけで十分な結果が出るのだろうかということを考えますと、やはり水は生き物ですので、そういった意味で、もう少し慎重な、上流にかけての調査というものが必要なのではないか、こんなふうに私感じるんですけれども、いかがでしょうか。

○小林建設部長 調査の関係につきましては、都営住宅の建設に対する配慮事項の資料を得るために行ったものですので、限定的な範囲でやられたということでございます。
 落合川や南沢湧水に関する広域的な調査といたしましては、環境保全局が平成七年度に行いました南沢緑地保全地域内の湧水の涵養域評価調査などがございまして、これらの調査についても参考としておりまして、十分な調査を行ったものというふうに考えております。

○新井委員 この調査の方法についてはお話ししても結構平行線ですので、なかなかあれなんですけれども、こちらの落合川というのは、先ほどのお話にもありましたけれども、川底から湧水が出ていて直接川の流れになっているということで、柿田川湧水なんかは日本でも非常に有名ですけれども、そういったたぐいの川であるということで、東京の中では唯一落合川だけだというふうにいわれているんですね。
 そんなような川ですので、慎重には慎重を期して、専門家の意見が分かれるということも含めて考えて、また、地元ではこれだけの反対運動があるということも含めますと、もう少し慎重な調査をして、その上で建てかえということにもし入るのであれば入っていくというような、そういう姿勢が必要であるのではないかということを申し上げておきます。
 それから、湧水ということについて、東京都の中では、環境確保条例の百四十二条で、地下水の流れの確保ということをうたっておりますし、東京における自然の保護と回復に関する条例、これでは三十八条で、湧水の保全と地下水の流れを阻害しないようにものをつくる場合にはやっていけというふうなことが指摘をされているわけです。
 この自然確保の条例では、これから指定地を指定していくわけですけれども、指定する場合には、東京都がまず買収をしなくてはいけませんし、原状復帰をしなくてはいけないということになると、非常に多額のお金がかかっていくわけですね。この土地というのは、たまたま東京都が持っている土地で、しかもこれだけすぐれた水環境があって、ほとんど都営住宅というのは壊されていて、原状復帰というのがほぼできているというふうに考えますと、本当に最低限の費用で東京都の中での非常に貴重な自然を守っていくことができる。
 私にしてみると、緑という視点ではかなり環境局の方では指定をしているわけなんですけれども、この湧水というところの指定がないということを感じまして、何とか--これはこちらに申し上げるよりも、むしろ環境局の方に申し上げなくちゃいけないかと思うんですけれども、十分に保全をしていかなくちゃいけない地域でなかろうかというふうに思っているわけですけれども、いかがでしょうか。

○小林建設部長 湧水と環境の保護については、私どもも住宅計画を立てる際に十分配慮していかなければいけないということで、今回の見直しを行っているところでございます。

○新井委員 その十分というのが、さらにもう少しやった方がいいんじゃないかということもいっているわけですけれども、特に今回ここの地域は、単に都営住宅の建てかえということではなく、都市計画道路の問題もありますし、あるいは落合川の改修ということもありまして、単に住宅局だけの問題ではなくて、建設局、それから先ほどいいましたように環境局、住宅局、その三局が非常に大きな関係を持つような地域であるわけですね。そういった意味では、三局が協議をきっちりとした上で、この件について考えていかなければいけないというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。

○小林建設部長 計画をつくるに際しましては、これまでも建設局、環境局とは必要な協議、調整を行ってまいりました。今後も十分に協議をしながら事業を進めたいというふうに考えております。

○新井委員 今回協議をしてきましたというふうにおっしゃるのは、あくまでもこの敷地の中で都営住宅を建てかえていくということに関しての協議というふうに思うわけですけれども、先ほど来申しますように、落合川とそれから黒目川の間も含めた周辺流域をどう保全するかということについて、これは非常に大きな問題となってくると思います。
 東京都の貴重な財産という意味で、どんなふうにこれまで東京都にある条例の中に位置づけて保全していく、あるいは保護していくというふうになるのかというふうなことを含めて、もう少し建てかえということから一歩踏み出して、大きな視点で協議が必要ではないかというふうに思っているわけなんですけれども、いかがでしょうか。

○小林建設部長 住宅局といたしましては、これまでも環境局ともいろいろ協議、調整を行ってまいりましたので、さらにそういう協議を進めてまいりたいというふうに考えております。

○新井委員 私どもの方でも、これから自然保護条例に照らし合わせて、環境局の方にもきちっとご提案などをさせていただきたいというふうに思っているわけですけれども、そういうことも含めて、ぜひ慎重な姿勢をお持ちいただきたいと思います。
 湧水の保全という視点から今お話をさせていただきましたけれども、今回もう一つ、住宅施策ということで、住宅政策ということでお伺いしたいと思います。
 今、都営の建てかえということで、非常に公営住宅が足りないということは一方であるわけなんですけれども、都営住宅を建てて、そこに高齢者の方とか住宅に困窮している方を集めて住まってもらうというやり方ではなく、もう少し別の方法があるんじゃないかということにつきましては、例えばこちらの住政審のビッグバンというところにも提言がされておりますし、あるいは先ほどご説明がありましたけれども、住宅マスタープランが出されていまして、その中にも書かれているわけです。
 そういったことについて若干お伺いしたいと思うんですが、まず、今後高齢化を考えていきますと、公営住宅は東京都ではなく区市が担っていく必要があるんじゃないかという部分があるわけですけれども、県営住宅に比べて都営住宅は非常に割合が高い、もう少し区市に頑張ってもらいたいというふうなことが書かれていたりするわけですけれども、(「新井さん、関係ないよ。違う場所でやって」と呼ぶ者あり)一般的な住宅政策ということでちょっとお聞きしたいんですけれども(「だから、それはだめなんだよ」「請願陳情についてだよ、今」と呼ぶ者あり)都営の建てかえということのあり方について……(「それは広くいえば全部入っちゃうじゃない」「それはまた別の機会にやって」と呼ぶ者あり)
 では、ちょっと広げ過ぎるということですので、今ここに都営を建てていこうということに関して、別のやり方があるのではないか。例えば、区市では借り上げとか行っているわけですけれども、そういった別の方策でこの都営住宅の建てかえということを考えていこうということではいかがでしょうか。

○小林建設部長 私どもとすれば、この中央町にはもともと二百数十戸の住宅があったわけでございますから、現在の計画に沿いまして建設計画を進めてまいりたいというふうに考えております。

○新井委員 この建てかえ計画につきましても、単に都営を建てかえていくということではなく、民間の住宅のストックを活用するというふうな方法で、借り上げとか家賃補助とかということの提言も出されておりますし、公営住宅法の関係で今すぐは無理ということはありますけれども、そんな方向を探りながら別の方向を何とか工夫してやっていくというようなことも考えられると思うんです。ミックストコミュニティということからも、やはりこういった借り上げ方式の方がコミュニティの考え方からも適切かというふうに思われますので、ぜひそういった方向も含めて前向きに考えていただきたいということを申し上げます。
 それからもう一点、ちょっとお話を伺っていて、非常に反対の声がこれだけ高いのに、なぜそんなに住宅建設を急ぐのかなというふうな印象を持つわけですけれども、その点についてお伺いします。

○小林建設部長 今回の建てかえ計画に関しましては、平成十一年度に近隣の方々への説明会を開催しまして、その際に出された要望等を受けて現在の計画に至ったわけです。この間、十一年度着工であったものが既に二年間おくれております。そして、この間、三年間にわたる調査を行ってきておりまして、このたびの調査結果によりまして、見直し後の現計画で支障がないということが確認されましたので、建設に着手したいというふうに考えております。

○新井委員 十分これまで時間をかけてきたというお話ですけれども、なおかつ、これだけの反対の声が上がっているということがございます。先ほど花輪理事の方からもありましたけれども、来年の一月に市長選がございまして、その市長選の中で、ここの一帯地域を保全していこうということを一つの公約に掲げて出る方もいらっしゃるというふうに伺っております。
 そういった意味では、その市長選のときに、東久留米の中での民意がある程度はっきりしてくるのではないかということもいえると思いますので、ここまでお待ちになったんですから、もうあと一月半、少し寛大な気持ちを持って待っていただいて、民意が反映されてから着工するというふうなことをしていただきたいというふうに思いまして、話を終わりたいと思います。
〔傍聴席にて発言する者あり〕

○田代委員長 傍聴人の方に申し上げますけれども、委員会構成メンバー以外の方は不規則発言を差し控えていただきたいと思います。

○伊沢委員 何点かについてお伺いしたいと思います。
 私もこの湧水の場所に、実際に地元の方の案内を得まして行ってまいりました。それで、皆さんが口々におっしゃっていたように、本当に東京の中でも、私は少なくともこういう場所は見たことがないというぐらい大変に水がきれいな場所でした。落合川には水草があって自然の浄化作用もあり、また、シラサギですとかカモとか、そういう動植物も見ることができました。
 この地域は、すぐ近くに東京都の保全地区もあります。自然と、それから住宅などのたたずまいなども、私も行って驚いたんですけれども、私が住む三鷹市などとは大分違いまして、ほぼ二階建て以上の建物は駅からも余り見受けられないというような場所なんです。マンションなどもほとんど、少なくともこの近くでは目にすることはありませんでした。非常に低層の住宅街だったというふうに私は思いました。
 そういうところであるということで、ここに三階から五階建てのものをつくるということ自体、市内ということをいいましても、非常に突出した考え方であるというふうに思いましたし、ましてやこの湧水の地区ということになると、なおすごく違和感があるということをいわざるを得ないわけです。
 それで、この責任者でもある住宅局長さんにお伺いしたいんですが、この場所について、局長さん、行ったことがあるのかどうかということと、もし行かれたとすれば、この地域についてどういうふうなお考えをお持ちなのか。東京都として、この保全地域も含まれる地域についてどうお考えなのかということをお伺いしたいと思います。

○橋本住宅局長 この団地の建てかえの問題は、住宅局におきます、非常に課題の一つでございます。
 七月に現地を視察いたしました。印象といえば、私の印象では非常に閑静な住宅地、つまり自然と調和した土地だな、こういうふうに思いました。
 住宅に限らず、これまでの質疑で申し上げましたとおり、自然環境に配慮しましたまちづくりを進めることは、私どもにとりましても大変重要な視点でございます。
 これまでるるご説明申し上げましたとおり、この建設に対しましては、さまざまな調査や、時間をかけ計画を確認し変更し、そして、この落合川の周辺の緑道、水辺公園、こういったものの地域の環境を生かして整備をすれば、自然環境を生かし調和したといいますか、まちづくりが行われるのではないか、理想的なまちづくりができるのではないか、こういうふうに考えております。

○伊沢委員 そうしますと、この建設の予定地になっている場所についても、おっしゃったように自然を守るというか、そういった点を最大限に配慮するべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○小林建設部長 先ほど、この地域は低層住宅だけでというお話がございました。実は、私どもの建設敷地の下流側に五階建てのマンションが既に建ってございます。
 私どもは、ここで建設計画を立てるに際しては、やはり自然関係を十分に保護するような形でいろいろと考えて計画変更をさせていただいたというふうに考えております。

○伊沢委員 一つあるということをおっしゃいましたけれども、要するに、特にこの落合川の流域の、まさに湧水のわいている近くにこういう五階建てを建てるということについては違和感があるというふうに思わざるを得なかったんです。それは、ほかにあるかどうかということとは全く関係のないことです。
 でも、概してこの地区は二階建ての建物が非常に多い。二階建て以下。もともとこの場所にあった都営住宅も、かなり低層のもので木造のものだったというふうに聞いておりますので、そういった意味で、今回はかなりの変化、しかも鉄筋のコンクリートということで、それは全然違うものをこの場所につくるということだと私は思います。
 その上で次に進みたいんですけれども、もうちょっと技術的なことなんですが、ここの土地が、いただいたいろいろな資料を見ますと、非常に地盤の緩いところであると。以前は水田であったということで、地下は盛り土が地表から一メートルあって、その下三メートルというのは砂利層であるということがいわれております。ですから、非常に砂利があって、しかも、その砂利には地下水が多く含まれているというような土地が建設地となっているわけです。
 住宅局が依頼している山田教授のリポートでも、この砂利層のボーリング調査をしたところ、ここは透水性が--透水性というのは水が通るということですけれども--非常に高くて、水を多く含んでおり、崩壊性が強い。つまり、崩れ、壊れるおそれが強いというようなリポートがあったんですけれども、そこにこういう、これまでの低層ではなく五階建てを建てるということは非常に無理があるのではないでしょうか。

○小林建設部長 土地の利用につきましては、都市計画で用途地域というのが指定されているわけでございますけれども、この地域は第一種中高層住居専用地域ということで、中高層住宅を主に建てる地域というふうに都市計画上は位置づけられております。
 また、崩壊性の砂利だから危ないのではないかということでございますが、私どもは、地盤の調査を十分に行いまして、基礎ぐいを使って安全な砂利層までくいをおろすことにしておりますので、ご心配はないと思います。

○伊沢委員 それで、ここの土地について、落合川があると。その川の中に湧水ポイントがあって、五カ所、A、B、C、D、Eというふうに、ポイントが川の中にあるというふうにいわれております。そこからわいてきているということが一ついわれております。これはさまざまな調査で明らかになっているようです。
 それとともに、山田教授の調査にもそういう一文があったんですけれども、余り明瞭とはいえないけれども、左岸の、要するにその都営住宅の敷地より落合川へ地下水流下を読み取ることができると。余り明瞭ではないがという条件つきではありますけれども、住宅局が依頼している山田教授のリポートの中にも、住宅地の下にも落合川へ流れていく水路、水脈があるというふうにいわれております。
 ですから、それが一層地盤を緩くしているという理由にもなりますし、一方で、ここにそういう住宅を、しかもそういう柱を何本も立ててということになってくると、まさにこの地下水がかれてしまうということにつながるのではないか、その水脈を断つのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○小林建設部長 山田先生の調査報告によれば、そのような心配はないということでございます。

○伊沢委員 いや、山田先生もはっきり書かれているんです、これは。余り明瞭とはいえないがといいながらも、要するに、落合川の上流から下流に流れると同時に、団地を建てる予定の、そこは川よりも高くなっていますから、こういうふうに川に谷のような感じで流れてくるということで、ここには水脈があるはずです。それに、実際に地下一メートル掘れば水があるということは私も見ました。
 ですから、ここは水脈--ここの場所に、この左岸に水脈はあるというふうにお考えでしょうか。

○小林建設部長 水脈という言葉ですけれども、これはどういうふうに定義するかという問題が実はあるようでございまして、山田先生の定義によると、一秒間に一ミリメートル以上動くところが水脈である、そして、水脈というからには、ある長さが必要であると。
 そういう中で先生が調査したところ、今回建設するときには十分な配慮をした方がよろしいという地域を指定したというふうに聞いております。

○伊沢委員 どういうふうに受けとめるかというのは、これは考え方の違いになるんでしょうけれども、私が見た限りでは、少なくとも山田先生にしても、これはそういうふうに書かれているなということは感じました。
 それともう一つ、ほかでもここの場所について調査している方がいらっしゃいまして、技術者の方ですけれども、その資料などを見ますと、まさに、割と私みたいな素人でも考えればそうだなと思うんですが、本当にこの分析は非常に納得がいくんですけれども、そういう高台の団地の予定地から落合川に向かって無数の水が流れているということはほかの調査でもあります。地下水が流れているということがあるわけです。現に、それがゆえに、ほかの場所で、工事を進めたがために水がかれてしまったという例は多々あるわけです。
 ですから、その二の舞にこの場所がならないようにという点で、その水脈があるということ、問題がないんじゃなくて、山田先生も書いているし、ほかの技術者もそういうふうにいっているという事実があるんですけれども、いかがでしょうか。

○小林建設部長 確かに、一メートル掘りますと、地下水があの土地では出てまいります。その各種データを比較いたしますと、下流側にゆっくりと流れているということはいえるかと思います。
 しかしながら、建設工事によって水脈が断ち切られるという話は、先ほども申したように、ゆっくりじゃなくて、ある数字をもって明確に移動する部分が水脈であるということだそうでございます。ですから、その部分をしっかり守ることによって、いわば落合川の湧水を守ることができるんだというのが先生の見解でございます。

○伊沢委員 ですから、はっきり申しまして、そこの土地については、まだ結果がよくわかっていないというのが私は現状じゃないかと思うんです。
 それと、そういう可能性があるならば、では住宅を建てたときに、一〇〇%そういう水脈を断ち切る可能性がないというふうに今の段階でいえますでしょうか。

○小林建設部長 先日、私は法政大学に行って山田教授に会ってまいりました。いろいろ話を聞く中では、いわゆる不確定な部分を含めて今回配慮すべき範囲を決めたんだと。ですから、川から三メートルというのは、そこにのべつ幕なしに水脈があるということではなくて、そこら辺は十分に配慮しなければいけないから、はっきりしないけれども建設するのはやめた方がいい、このような指摘をされたということで、今回示された範囲というのは、いわば安全を見た上で、得られたデータ以上に厳しく建築行為を規制されたというふうに思っております。

○伊沢委員 山田先生のリポートを見ますと、A点とかB点とか、A、B、C、Dであらわせるような川の方の研究を主としているようで、私はもっと、流れてくる、まさに予定地となっているところについてきちんと調査をすべきではないかということを思うわけです。
 このことにつきましては、地元の自治会からも調査依頼というのがことしの七月の十六日に出ていまして、いわゆるDとかEとかいう、その予定地の街区について、ここはその水脈を断ち切る可能性がないのかどうかということをいま一度、不安が残るという表現だったと思いますけれども、納得できる調査をきちんとしてほしいということが依頼としてあるんですが、そのことについてはどう対応されていますでしょうか。

○小林建設部長 平成十三年七月十六日に、確かに南沢さつき自治会の会長さんから要望書をいただいております。この件につきましては、いただいた日に、会長に要望の趣旨と七月二十五日の湧水の説明会で回答したい旨を伝えて、了解を得ております。
 そして、七月二十五日の説明会の当日、会長からの同様の趣旨でご質問がありまして、山田教授の回答、それから私どもの回答で会長は了解したということでございます。

○伊沢委員 いずれにしましても、ここについては、きちんと調査をしていないからこの不安の声が上がっているわけでして、これはきちんと納得が得られるような調査をすべきではないかと思います。
 それからもう一つ、地元の動向としまして、市議会にこの水生公園を作る会の方々が請願を出していまして、この九月の市議会においても、その結果というのは、まだいまだに継続中です。
 内容は、今回出されているのと似ているんですけれども、一番として、落合川の水脈、水源と湧水あるいは動植物を守ってほしい、そして二番として、都、市の基本構想である自然環境の保護及び回復を実行してほしい、三番として、建設の見直しについては十分なる調査を行って環境に及ばないことを明らかにした上で計画を立て、その後実施することが必要という三点を挙げた請願が出されていまして、それがまだ継続審査中なんですけれども、このことについてはいかが受けとめられていますか。

○小林建設部長 市議会への請願という話の中では、先ほどの、中央町の都営住宅を早く環境に配慮しながら建設してもらいたいというのが議会の意思として採択されたというふうに聞いております。また、ご指摘の請願につきましては、東久留米市の方では、都の湧水の調査結果を待って審査するんだというふうに聞いております。
 都といたしましては、調査の結果、見直し後の現計画で支障がない旨の調査内容が今回はっきりいたしましたので、工事に着手したいというふうに考えております。

○伊沢委員 市議会に出された促進を求めるのは、一名の請願者だったというふうに聞いております。それで、こちらの水生公園を作る会の方の請願はまだ継続審査中です。そういう中で、こういう住民が示している意思について、都の住宅局としても、これは重く受けとめるべきではないかと私は思います。
 市議会や、それから地域の住民、そして自治会などが表現しているさまざまな形での不安や、また要望、ここをきちんと調査してほしいという地点については最大限の、もっときちんと行うべきだと思います。住民の合意もなく、こういう工事を先んじて行うべきではないというふうに思います。やはり十分な慎重さを持ってこれは臨むべきですし、本当に安全であるということがわからない以上は、それは行うべきではないというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○小林建設部長 繰り返しになりますが、都といたしましては、三年間にわたる調査の結果、現在の見直した計画で支障がないということが確認できましたので、なるべく早く着工したいというふうに考えております。

○伊沢委員 それが納得できないので、こういう形での請願が出てきているのだと思います。私は、この今出されている請願及びその他の地域住民、そして自治会などの意思を最大限尊重すべきだと思います。
 今度の一月には市長選挙もあるようですから、本当にその場で明らかにすべき問題でもありますけれども、こういう問題については、住民の最大限の意思、それから、今後これから続く子々孫々の世代まで間違いのないような態度をとることが正しいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○小林建設部長 繰り返しになりますけれども、私どもとすれば、あそこに住宅を建設するに際しましては、湧水や地下水、自然環境を最大限守るべく計画をしたというふうに考えております。

○伊沢委員 そういうことで、そういう私がいってきたさまざまな論点についてはもっと重視をしていただきたいですし、住民の方々が訴えていることなどについても真摯に耳を傾けるべきだと思います。市長選挙では政治的に明らかになることだろうと思いますので、その辺はよく皆さんにもごらんいただきたいところだとも思います。
 以上で終わります。

○田代委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○田代委員長 起立少数と認めます。よって、請願一三第一四二号は不採択と決定いたしました。

○田代委員長 次に、一三第五〇号、瑞穂町石畑都営住宅の名称改正に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○井上管理部長 整理番号3、一三第五〇号、瑞穂町石畑都営住宅の名称改正に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、西多摩郡瑞穂町にお住まいの斎藤隆男さんでございます。
 陳情の要旨は、瑞穂町石畑七百十三番地所在の都営住宅につきまして、その施設名称を東京都と瑞穂町で統一してもらいたい、こういうものでございまして、現在の状況でございますが、瑞穂町石畑七百十三番地所在の都営住宅の名称は瑞穂石畑第三アパートとなっておりまして、東京都営住宅条例第三条第二項及び第三項の規定によりまして、平成十一年九月三十日、東京都公報において公の施設として告示しているところでございます。一方、瑞穂町の住民基本台帳には都営石畑第三アパートと記載されております。
 団地自治会に確認したところ、これまで、このことによりまして生活上の事故が発生したという事実はございません。また、日常生活に支障はないということでございました。
 なお、瑞穂町は、今後、住居表示法による住居表示を検討しておりまして、その中で変更していくと聞いております。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○田代委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一三第五〇号は不採択と決定いたしました。

○田代委員長 次に、一三第五六号、都営住宅の建替えに伴う入居基準及び計画の変更に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小林建設部長 ご説明いたします。
 整理番号4の一三第五六号、都営住宅の建替えに伴う入居基準及び計画の変更に関する陳情でございます。
 陳情者は、新宿区にお住まいの戸山団地自治会代表、三浦忍夫さん外千六百三人の方々でございます。
 陳情の趣旨は、都営百人町三丁目アパート及び百人町四丁目の戸山アパートの建てかえについて、下記のとおり実現していただきたいというものでございます。一、単身者でも二DKに入れるように入居基準を見直すこと、二、一DKの建設戸数を減らし、二DKをふやすこと。
 現在の状況でございますが、都営住宅の建てかえは、居住者等の世帯構成に応じて、最低居住水準を確保する適切な規模の住宅を供給するとの考え方のもとに進めており、単身者については一DKを供給することとしております。
 よろしくご審査のほどお願いいたします。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○ともとし委員 それでは、何点かについてご質問をさせていただきます。
 現在居住している住宅の広さ、設備はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。

○小林建設部長 現在の住宅の専用面積は、二十九・四四平米から三十九・三九平米でございます。設備は、浴室やエレベーターはなく、バリアフリー化されていないというものでございます。

○ともとし委員 新しく建設を計画しております、この一DKと二DKの住宅の広さはどのようになるのか、お伺いいたします。

○小林建設部長 新たな住宅の一DKの専用面積は、三十三・六〇平米及び三十五・五八平米でございます。二DKの専用面積は、五十三・九九平米及び五十四・一四平米でございます。

○ともとし委員 同様に、新しい住宅は、設備を含めてどのように改善されるのか、この点についてお伺いします。

○小林建設部長 設備につきましては、ユニットバスの設置、あるいは台所、洗面所、浴室への三点給湯設備の設置を行いまして、室内につきましては、床の段差の解消やトイレなどへの手すりの取りつけを行っております。
 また、共用部分につきましては、廊下や階段への手すりの取りつけ、エレベーターの設置を行うなど、バリアフリー化を図っているところでございます。

○ともとし委員 要するに、少なくても、現在居住している住宅の広さあるいは設備、そうしたことについては大幅に改善されるという前提に立っているというふうに思いますが、水準が向上してバリアフリー化が図られていることについても今わかりました。
 ただ、今回の陳情のように、ひとりでも二DKに入れるようにとの要望については、この基準を見直すことについては住宅局として可能なのかどうか、この辺についてお伺いします。

○小林建設部長 都営住宅の供給は、居住者等の世帯構成に応じた適切な規模の住宅を供給することとしておりまして、ご要望のような基準の見直しは、都民全体の理解が得られないものと考えております。

○ともとし委員 今回の場合は、要するに百人町三丁目第三アパートあるいは百人町四丁目戸山アパートという、この二カ所についての実現をということなんですが、都営住宅の場合は、何カ所かというか、限定したそういうところの条例変更とか見直しだとかということは可能なんでしょうか。

○小林建設部長 何人にどの広さのというのは、条例とかそういうもので決まっているものではなくて、私どもの、いわゆる供給するに当たってどこのあたりが適切かという中で決めているものでございまして、居住者の構成に合わせた広さの住宅を供給するということが必要かと思います。

○ともとし委員 陳情を出されているそういう方のご意見、要望等というのも、ある意味ではよくわかるわけですが、都営住宅というそういう観点からいけば、すべての都民がある意味では納得できるような、そういう状況が必要かというふうに思っております。
 こういう請願、陳情を出されている皆さんのご意見もよく理解されながら、その辺の考慮もしながら、都民全体のこともひとつよろしくお願いしたいと思いますので、その辺について申し述べて、質問を終わりたいと思います。

○大山委員 この百人町の戸山アパートの建てかえの問題ですけれども、この住宅は非常に大規模な都営住宅でありまして、地元の新宿では、もう何十年も都営住宅の新築がないという中で、この建てかえの問題というのは、戸数も多くなりますから、住んでいる方たちだけじゃなくて、一般的に公募ができる、それから、シルバーピアなどでは既に公募されているわけですから、住んでいる方も住んでいない方も期待を持っている建てかえなわけです。
 一方、高齢化という面では、この住宅もご多分に漏れず高齢化でありまして、高齢化が大きくなりまして、高齢者のひとり暮らしは多いわけですね。建てかえですから、今まで住んでいる方がもちろん住みかえられるということは必要なことですけれども、将来的なことも含めて、この二番目の願意にありますように、一DKじゃなくて、複数の家族が住めるような団地にしていくんだというのは、これは当然のことだなというふうに思っています。長期的な展望を持って、まちづくりをどうするのかという観点で、やはりこの大規模団地というのは考えていかなきゃいけないというふうに思っています。
 一DKで、今ひとり暮らしの方が住みかえて、結局その方が、その家が空き家になったとしても、またひとり暮らしの方しか入れないわけですから、結局ひとりで申し込めるといったら、高齢者ですから高齢者がまた入るという状況で、そういうことになっちゃうんですね。
 型別供給基準による建てかえ事業の供給割合と、戸山アパートのこの計画の供給割合というのはどうなっていますか、一DK、二DKということでは。

○小林建設部長 現在の型別供給基準の中では、一DKから四DKまでいろいろ取りまぜて、ある割合でやるということになっておりますが、一つの、しっかりこれだけだということではありませんで、いわゆるその団地の状況などを踏まえながら割合を決めていくことも可能になっております。
 それで、百人町の実態でございますが、百人町三丁目第三団地につきましては、一DKは三三%、二DKが四一%、百人町四丁目団地におきましては、一DKが九十二戸、二DKが百五十一戸というふうになっております。割合は、一DKが二六、二DKが四二%ということでございます。

○大山委員 今質問したのは、この都営住宅等型別供給実施基準に載っている、建てかえ事業における戻り入居を想定する場合の一DK、二DKの建設割合というのをあわせてお願いしたんですけれども。

○小林建設部長 一応基準の中では、先ほど申したように実態に合わせてやることができるという話になっておりますが、建てかえ事業における戻り入居を想定する場合の例としてというか、考え方として、一DKが約二〇、二DKが約五〇ということになっております。

○大山委員 型別供給のこの基準に合わせても、百人町の三丁目第三団地が、三三%が一DK、基準は二〇%、それから百人町の四丁目団地は二六%。供給基準は二〇%ということですから、一DKの供給割合が、この基準から見ても大きいということなんですね。活力の維持増進ということを住宅局はマスタープランでもいっているわけですから、長期的な展望も持って、供給割合というのはきっとこの供給基準で決めているのでしょうから、ぜひそれはきちんと守って、なるべく近づけるということでやってもらいたいというふうに思っています。
 この陳情の願意というのは、広さというのを問題にしているわけですね。それで、先ほど、建てかえた住宅の一DKの広さは幾つですかという質問に対して、三十三・六平米から三十五・五八平米ですというふうにおっしゃいましたけれども、三十三・六平米と三十五・五八平米の数を教えてもらえますか。

○小林建設部長 三十三・六平米が百人町三丁目第三と百人町四丁目A号棟になっております。百人町三丁目第三団地については、一DKが三十戸、三三%ということです。
 百人町四丁目B棟が三十五・五八平米になっております--申しわけありません、ただいまの資料の中では、四丁目団地については一DKが九十二戸という中で、ちょっと棟別のあれがありませんので、九十二戸、二六%と割合だけお答えさせていただきます。

○大山委員 この間伺ったのでは、合わせて九十六戸は三十三・六平米、それから二十六戸は三十五・五八平米ですから、圧倒的に三十三・六平米が一DKの百人町アパートの、戸山アパートの広さだということがいえると思うんです。
 型別供給基準では、型別供給の住戸の標準という表がありますけれども、九五型標準設計と九八型標準設計というのが書かれていて、それが基準になっているようですけれども、その面積は幾らでしょうか。

○小林建設部長 九五型と申しますのは、一九九五年に開発された標準設計ということでございまして、一DKの面積が三十五・九八平米、同様に九八型の一DKの面積は三十四・六一平米となっております。

○大山委員 九五型よりも九八型の方が面積が狭くなって、戸山アパートは三十三・六平米ですから、さらに狭くなっているということなんですね。同じ一DKといっても、どんどん年を経るに従って、本当だったら進んでいくものだと思うんですけれども、どんどんスペースは狭くなってきているということなんですね。
 三十三・六平米といっても、その広さの中に、今まではなかったけれども、おふろはつくし、トイレがあるし、洗面所もあるし、押し入れも含んだスペースですから、居住する、使う部屋というのは六畳程度ということなんですね。三十年、四十年住んでいらっしゃる方が大勢いらっしゃるわけで、いろいろなものがあるというのは当然のことで、自分たちも引っ越しするときに、どうしてこれだけのものが入っていたのかしらと思うほど荷物があるわけですけれども、高齢者になればなるほど捨てられないというのは当たり前で、亡くなった方のものを捨てるというのは、身を切られるようなことだと思うんです。
 陳情書にありますように、介護を受けようとするとき、そのスペースということも、在宅介護を東京都は進めているわけですから、やはりその辺は考慮しなければならないことの一つだというふうに思っています。
 これは陳情者だけが考えていることなのかなというふうに思ったんですけれども、実は、マスタープランにも載っていますけれども、居住水準というのを国が決めています。ひとり世帯というところでは、ひとり世帯と中高年単身という、ひとりなんだけれども、わざわざひとり世帯と中高年単身という二つ項目になっているんですね。
 それで、それはどうしてなのかなということで、国土交通省に聞いてみました。マツイさんという方が出たんですけれども、それは一番目には、年をとられるに従って身の回りのものもふえるということと、二番目は、介護などを含めてベッドだとか設備がやはり要るでしょうということで、中高年の居住水準というのは広くしてあるんです、これが平成五年の第五期住宅五カ年計画をつくるときの住宅宅地審議会で検討されたことなんですということなんですね。ですから、国でもこうやって、中高年の方は当然広いスペースが必要なんですよということを決めているわけなんですね。認めているわけです。
 ちなみに、この誘導居住水準は、中高年齢の単身は四十三平米です。ですから、ひとりから二人が一DKという今の基準というのは、いかにも狭いかなというふうに思いますので、これは採択していただきたいというふうに思っています。

○田代委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○田代委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一三第五六号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で住宅局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時四十分休憩

   午後三時五十三分開議

○田代委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○山下建設局長 第四回定例会に提出を予定しております案件につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の建設・住宅委員会資料(建設局所管分)という資料をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議をいただきますのは、東京都公園審議会条例の一部を改正する条例及び東京都市計画事業北新宿地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例の条例案二件でございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細な内容につきましては、総務部長よりご説明申し上げます。

○森澤総務部長 引き続きまして、平成十三年第四回定例会に提出を予定しております条例案の内容につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます資料1、東京都公園審議会条例の一部を改正する条例をごらんいただきたいと存じます。
 本案は、一ページ後段の提案理由にございますように、広く都民の意見を公園行政に反映させるため、公園または霊園を利用する方々を東京都公園審議会の委員として委嘱できるように改正するものでございます。
 改正の内容は、委員の委嘱について、現行条例の第三条中、「学識経験者のうちから知事が委嘱する」を削り、第二項を追加いたしまして、「一 学識経験を有する者」、「二 公園又は霊園の利用者」へと改めるものでございます。
 二ページに、参考といたしまして新旧対照表を添付してございます。
 次に、資料2、東京都市計画事業北新宿地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例をごらんいただきたいと存じます。
 本案は、一ページ後段の提案理由にございますように、事業計画の変更に伴い、施行地区の工区を変更するもので、これにより放射第六号線の平成十七年度交通開放、権利者棟の早期着手など、北新宿地区の円滑な事業推進を図ろうとするものでございます。
 改正の内容は、施行規程の第三条第二項に定める工区の数を第四工区から第三工区に改めるとともに、それぞれの工区に含まれる地域の名称についても改めるものでございます。
 二ページ以降に、参考といたしまして新旧対照表、北新宿地区新旧工区図を添付してございます。
 以上で平成十三年第四回定例会提出予定案件についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田代委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○大山委員 二つお願いします。
 北新宿の再開発地域の地権者一覧、これは地図に落として、それぞれの広さもわかるようにお願いします。
 二つ目は、再開発の当初の計画をお願いします。
 以上です。

○田代委員長 ほかにはございませんか。--ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求されました委員と調整の上、提出を願います。

○田代委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、一三第一三〇号及び一三第一三一号、主要地方道(一八号)府中町田線鎌倉街道(仮)綾部原トンネルの早期完成に関する請願を一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岩永道路建設部長 お手元に配布してございます、請願・陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 整理番号1の請願一三第一三〇号及び同一三一号をお開き願います。これら二件の請願は同趣旨でございますので、一括してご説明させていただきます。
 本件は、主要地方道(一八号)府中町田線鎌倉街道(仮)綾部原トンネルの早期完成に関する請願で、請願一三第一三〇号につきましては、町田市、新倉孝之さん外一千四百四十名の方から、同一三第一三一号につきましては、町田市、大谷五郎さん外二千九百六名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、本事業箇所を早期に完成させ、付近の交通渋滞の解消と交通安全を図っていただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、本路線は、府中市本宿町二丁目の国道二〇号を起点といたしまして、町田市本町田の菅原神社前交差点を終点とする路線でございます。請願箇所は、小野路交差点から芝溝街道までの延長七百三十一メートルでありまして、多摩南北道路の一部として整備を図っております。平成十年度からトンネルの北側取りつけ道路整備工事、平成十三年度は南側取りつけ道路整備工事を行いまして、平成十四年度よりトンネル工事に着手できるよう準備を進めております。
 なお、用地取得につきましては、一部地権者の協力が得られず難航しておりましたが、平成十三年二月には収用裁決申請を行うなど、土地収用に向けた事務手続を進めております。
 以上でございます。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小礒委員 それでは、府中町田線鎌倉街道(仮)綾部原トンネルの早期完成に関する陳情につきまして一、二お聞きしたいと思います。
 この現在の状況等々につきまして、ここにもいろいろと示されておりますが、十四年よりトンネル工事に着手できるように準備を進めているということの中で、総工費が約六十億円というように聞いております。
 私も、この地区ではございませんけれども、鎌倉街道沿いに住む一人といたしまして、この円滑な交通事情の緩和等々につきまして、そのような観点も含めましてこれからお聞きしたいと思いますけれども、この綾部原トンネルのこれまでの経緯についてお願いしたいと思います。

○岩永道路建設部長 綾部原トンネルでございますが、昭和六十三年度から事業に着手いたしまして、この当該地が埋蔵文化財の包蔵地であるため、用地取得と並行いたしまして遺跡調査を行ってまいりました。平成十年度に遺跡調査の完了後、工事に着手いたしました。
 また、用地取得につきましては、一部地権者の協力が得られなかったことから、平成十二年二月に事業認定の告示、翌十三年二月に収用裁決申請を行うなど、土地収用に向けた事務手続を進めているところでございます。

○小礒委員 また、十四年からいよいよトンネル工事に着手をすると。その前段の中で、用地取得、ここに書いてありますけれども、一部地権者の協力が得られなくて難航していたと。平成十三年二月に収用裁決申請は行ったわけですね。土地収用に向けた事務手続を現在進めているというようなことでありますけれども、この綾部原の土地収用が、現状を含めまして、どのような状況の中でこの土地収用を行っていく方向で今進められているのか、そのあたりをお聞かせいただきたいと思います。

○稲熊用地部長 綾部原トンネルに関しまして収用手続を進めている案件の状況でございます。
 この案件につきましては、関係人がお亡くなりになりまして、その相続人が五十二名という多数に上っております。そのうちの一部の方々の間で三分割の協議が調わなかった、当事者の間で解決のめどが立たなかった、そういった状況から収用案件となったものでございます。
 それから、現在の状況は、ほとんどの相続人の方から、東京都の補償の内容に関しましては同意というような方向で意見書が収用委員会に寄せられております。平成十三年の十一月の二十二日、先週には収用委員会の審理も終了しております。こうしたことから、十三年度内には裁決の運びになるのではないか、そのように考えております。

○小礒委員 地権者が現在五十二名だと。そのうち、おおむね同意をされている方が四十六名、そして、いろいろなご事情もあるのでしょうが、まだ同意をされていない方が六名現存しておられる。とりわけ、これはトンネルですよね。ですから、地上権、要するに地上部については買収ではないですね。すなわち使用権設定料になろうかと思うんですね。
 この中で、五十二名中四十六名もの、これは事務処理というんですか、さまざまな交渉で大変ご苦労されたことも、本当に今までのお話を伺う中でもわからないわけじゃありませんけれども、この使用権設定料として、その交渉がいま一歩ではないかという感がするんですが、このあたりどうなんでしょうか。

○稲熊用地部長 これまで誠意を尽くしまして折衝を続けてまいりました。そのうち、先生ご指摘のとおり、五十二名のうち四十六名の方から、実際の収用委員会の審理に際しまして意見書の提出というステージがございますその意見書の提出で、明確に東京都の補償の内容については依存はない、こういうふうになっております。
 六名の方々は、額の問題ではなくて、それぞれ、これまでに至る関係者の皆さんの間の問題というのでしょうか、遺産分割をめぐる問題、そういったものが一番尾を引いておりまして、なかなかこれは、私どもがいろいろと手を尽くしましたけれども、解決のめどが立たない、やはり第三者機関であります収用委員会のご判断をいただく必要がある、そういった状況で申請をしたわけでございます。

○小礒委員 いずれにいたしましても、私は、この請願の趣旨は基本的には賛成なんです。そういう立場でもありますけれども、ここに書いてありますように、付近の交通渋滞の解消と交通安全対策云々、これ要望として出されておりますけれども、理解はするわけなんですけれども、しかし、さりとて最大限のご努力もされておられるかという話もあります。私は、土地収用はさまざまな要因関係、いろいろな利害関係も絡まっている部分も当然あろうかと思いますけれども、ご努力に対して一定の評価をさせていただく中であえていわせていただくんですが、先ほどもいっておりますように、買収ではないわけでありますから、これらのことを踏まえながら、よりご努力というんですか、さらなるご努力をしていただきながら、ぎりぎりまでもこの収用の適用を受け得ないような形で円満に解決できないものかなと。そして、この地元の方々、これだけの多くの方々も署名人として出されている現状もありますので、そういうことから踏まえても、土地収用については、私はより慎重に対応していただきたいなと思うんですね。
 そしてまた、過去十年間の多摩地区における収用件数について資料を実はいただきました。この数字を見る中で、全部で多摩地区では六件だということが出され、いわゆる過去十年間の収用件数の中で、それぞれの年度によって出てきておりますけれども、多摩地区では六件だと。そのうち四件が完了していて、二件が今後どのような対応かということで、そのうちの一件がこの綾部原だというふうにも聞いておるわけですね。
 いずれにいたしましても、この綾部原以外の、今までを含めての収用事件はどのような経緯、状況の中で収用法が適用されてきたのか、そのあたりをお願いします。

○稲熊用地部長 お答えします。
 これまで多摩地域におきましては、十年間で、本件を含めまして六件の収用事件がございます。
 大きく分けまして、第一のグループでございますが、借地権の存否、それから権利配分、そういったことに関しまして借地権者と土地の所有者との間で争いがある、そういうものが三件ございます。
 それから、借家人が補償金不満のために契約に応じていただけない、そうしたことから、土地、建物の所有者の方から、逆に私どもの方に収用法の適用を申請してください、そういう働きかけがあったものが一件でございます。
 そして、あと一件は、百四十七名という多数に上る共有の私道でございまして、その百四十七名のうち一名が補償金不満ということで、どうしてもご協力いただけない、そういったことが収用の案件になった、そういう状況でございます。

○小礒委員 今回の綾部原トンネルにおける収用法の適用、そしてまた、今、過去の多摩地区ですけれども、これについてのさまざまな事例についてもお話しいただきましたけれども、多くの都民といいますか、方々が一定的に納得できるような収用形態というんですか、これもおかしい話かもしらぬけれども、何年も何年もかけてどうしても前進しない、公がために、要因としてどうしようもない、これはどうしても適用以外ないという選択肢もあろうかと思うんですね。
 しかし、私はこの収用法については、多摩都市整備本部、前の委員会ですけれども、そのときでも、実は私の直近というか、ほとんど同じ、隣接なんですけれども、多摩ニュータウン開発の中で、せんだっても触れましたけれども、多くの土地収用が--これはその後の収用法適用内容と若干違うかもしれませんけれども、本当に土地、田畑を純粋に専業として当時やられていた方々が土地をどんどん奪われていく現状を、私も、子どものころに焼きつくほど見ているんですよね。
 そういうあれから見たときに、今後建設局としては、さらにこの収用法適用を積極的に取り入れながら、いろいろな用地取得を進めているかに聞いているんですよね。しかし、さりとて、それがそこのけそこのけで行くのではなくて、さまざまな要件、最後の最後まで調整する、そして交渉するといいますか、そういうご努力を、私はまだまだ、もう一段していただきたいなと思うんですね。そういう上に立って、今回の綾部原についてもぜひ最後までお願いしたい。
 先ほども要望させていただきましたけれども、これらのことを踏まえながら、建設局の今後の公共公益施設用地の土地取得に当たってのこの法の適用について、建設局長、どうなんでしょうか。

○山下建設局長 建設局におきましては、道路、河川、それから公園といった、都民にとって非常に重要な生活基盤を整備しているわけでございますが、特に道路につきましては、いわゆる線的な施設でございまして、広域的に施設を一体として整備していく必要があるということで、基幹都市施設の一つというふうに考えております。したがいまして、道路の用地取得につきましては、効率的かつ速やかに用地を確保することが非常に大事ではないかと思っております。
 ご承知のとおり、これまで九割ぐらいが大体取得できていたとしても、あとの一割、最近ではもっとぎりぎりのところまで丁寧に交渉し、誠意を持って地権者と、あるいは関係権利者と交渉してきております。しかしながら、残りの九〇%の投資を早く生かして、これを都民に活用してもらうということも、行政効率を考えた上ではぜひ必要だというふうにも考えているわけでございます。
 もちろん、関係権利者の方の理解と協力を前提といたしまして、粘り強く交渉していく必要はあるというふうに考えておりますが、場合によっては、解決が困難なものにつきましては、収用法の手続というような法的措置も活用する必要があるのではないかというふうに考えております。特に、こういう最近の財源が非常に限られている中では、そうした誠意ある交渉をやってもどうしても解決ができないものにつきましては、あるいはどうしても事情があって収用法をやらなければならないというようなものにつきましては、効率的な行政執行の面からも、この適用をどうしても避けて通れないものがあると思いますので、その点はまたご理解をいただきながら、事業の効率的執行に努めてまいりたいというふうに考えております。

○小礒委員 では、済みません、最後にしますけれども、速やかに用地取得をしていくんだという部分で、例えば、直近で私が見て聞いた事例でありますが、限られた財源の中で誠意ある解決を示すんだ、こういうことでありますけれども、一年、二年交渉にも行かない、一回交渉に行って断られたらもう行かない、さらに、周辺はどんどん虫食い状態になってきていてもなかなか行かない。これは、財源、財源というお話も確かにあろうかと思いますけれども、私は、一方では地権者の、また一方ではさまざまな要因関係を含んでいると思うんですね。ですから、一概に私は行け行け何とかじゃなくて、速やかに用地取得、基本原則論というのは全くわからないわけじゃないけれども、すべてが当てはまるかどうかということだと思うんですね。
 ですから、そのあたりでより慎重な形で--とにもかくにも、いわゆる最終解決策として、もう手続とったよ、そして裁決に持ち込むよ、収用委員会の裁決に持ち込んでもらうんだということが余りにもスピーディー過ぎることはいかがなものかと思うんですよ、速やかなる用地取得という観点から見ても。そういう立場でやられるでしょうけれども。
 しかし、私は、かかる最終的にぎりぎりの最大限の努力と、それから、相手の立場に立ってみての交渉というものをぜひ考慮していただきながら、これらの進め方をより公、また多くの都民が理解を示すように、ぜひより一層のご努力をいただければありがたい、これは要望であります。

○ともとし委員 今回のこの案件につきましては、四千三百有余の方のたっての願いというよりも、まさに町田市民の願いになるのかなと。そういう意味から、紹介議員にもなっているかと思いますけれども、我が党の町田から選出されております小磯議員の方からも、住民の思いをくれぐれも伝えていただきたい、こういうようなお話等も受けて質問させていただくわけですが、その前に、私の前にやられました、これまた小礒委員の方から、スピーディーな中にも沈着な、あるいはまた相手の心も思いながら収用はやっていただきたい、気をつけていただきたい旨の発言もあったわけですが、それはそれとして、十分に考慮も、これまたしていただきたいというふうに思うんですが、このトンネルの、十四年度に着手の予定であるという旨の説明も聞かせていただきました。
 着手予定のこのトンネルは、先ほどの小礒委員さんのお話によりますと、六十億云々というようなお話等もありましたけれども、関連のものを含めながら、工事予算規模はどのぐらいなのか、そしてまたこのトンネルの工事規模はどういうようなものであるか、その辺についてお伺いいたします。

○岩永道路建設部長 これまでやってきましたトンネルの入り口の工事その他も含めまして、全体事業費は、お手元にあります事業区間七百三十メートルでございますけれども、約百二十億円を予定しております。
 トンネルの工事規模でございますが、延長が三百九十メートル、それから片側の車道幅員が七・五メートル、歩道幅員が三・五メートルで、二連の眼鏡型トンネルを予定しております。

○ともとし委員 この工事の完成予定はいつごろとして見ているのか、お伺いしたいと思います。

○岩永道路建設部長 先ほどお話ししましたが、平成十四年度からトンネル掘削工事に着手する準備を進めておりまして、平成十六年度の完成を予定しております。

○ともとし委員 先ほどの小礒委員さんの関連じゃありませんけれども、十六年度の完成を予定されているというのであれば、それに見合うひとつ収用をお願いしたいと思いますので、よろしくこれは要望をしておきたいと思います。
 以上です。

○池田委員 この綾部原トンネルの早期完成の問題というのは、この請願の理由にあるように、小野路町から野津田町をほぼ直線で貫いているこの綾部原トンネルの工事の進ちょくを求める--私も先日行ってまいりましたけれども、地元にとっては、例の鎌倉街道の交通渋滞を解消するという意味では、ずっと早い完成を求めてこられたんですね。
 今、おくれた経過の中で、いろいろなご説明がありました。ですから、それは省きますけれども、ここで一つ確認をさせていただきたいのは、土地収用の問題で、行け行けどんどんという話がありました。収用法の改定によって、いわば強制的な、強権的なやり方をいろいろちらつかせてやられるような事態というのは--この場所じゃないですよ、一般論としていくというのは、いろいろ住民の生活権の問題だとか、さまざまな問題で、よく見ていかなきゃいかぬということを私どもは考えています。
 しかし、ここの場合には、収用手続というのをやられたのが、まさに相続される人たちの相続権をめぐってのいろいろな係争の問題があって、そして、なかなかいかなかったということだというのが経過の中で明らかになっているんだと思うんですね。
 ですから、これは確認なんですが、一般的な強制的な収用ということとは違うということは明らかでいいわけですね。

○稲熊用地部長 収用の適用につきましては、さまざまな理由によって協力がいただけない場合に適用しております。
 これはよくある例でございまして、当人の間でなかなか話がつかない、そういう場合には、どうしても当事者以外の第三者の場で解決していただきたいという形で、割によくある例でございます。私どもの方からあえて収用の申請を行わなくても、逆に地権者の方から、東京都やってくれ、こういう例も実は多々ございます。

○池田委員 今、確認したんだけれども、要するに、強制的な、権力的にやる収用とは別なんだということをちょっとはっきり……。

○稲熊用地部長 収用につきましてはそれほど差異がございませんで、私どものこの収用法の適用につきましては、さまざまな理由に応じましてこれを適用しておりますので、これもその一つのパターンである、このように考えております。

○池田委員 確かに、私も行ってちょっと聞いて、全体百七十平米ぐらいのところに、先ほどありましたように五十二人の相続人の権利者がいると。そして、経過の中で説明されたように、これを実際に相続の解決をするという意味では、今部長がいわれるように、いろいろなケースの一つとしてあり得るというふうに私は思っています。ですから、これは結構なんです。
 しかし、先ほど来いうように、収用法をちらつかせて、そして強権的にやるものとは違うんだということを私ははっきりさせておくということでいったわけなんですよ。それはいいですね、そういうことで。

○稲熊用地部長 先生、どうも申しわけございません。収用法のイメージが大変悪うございまして、何かぎらぎらすぐというふうにお考えですが、私どもは紛争解決の大変重要な手段だと考えておりまして、いつの場合にも、先ほど先生方からご質問ありましたように、誠意を尽くして最後の最後までやっていく。
 例えば、私どもは年間に三千二百件ぐらいの契約をしております。そのうち、実際土地とか建物にかかわるものは千七百件あります。そういう中でも、数件というオーダーでしかそういうことはありません。そういうどうしても、もう五年も六年もいろいろとお話をしてまいりました。そういうわけでございまして、ぎらぎらとやるつもりはございません。

○池田委員 いいづらいとすれば、私は具体的な問題で話をしているわけだから、ですから、先ほどちょっと説明があったんだけれども、収用手続で進めなきゃいけないような実情が、そのご家族の相続の問題であったということなんですよね。だから、事業そのものに対しては反対している方たちではないんだと。だから、そういう点で、未相続の問題もあって、そして、直接的には百七十平米の要するに補償、地上権の補償というものを整理する上では、この具体的な場所はまさにそういうケースに当たるんだということで私ははっきりしておけということなんです。それは確認されているからいいと思います。
 これは参考にお伺いしたいんですが、実は地元でちょっといろいろ話を聞いていましたら、当初、これは用地買収でやるというようなことがあったらしいんですね。その辺は、私よく、詳しく皆さんの説明を聞かなきゃわからないんですけれども、それをいわゆる補償方式にしたと。地上権なのか地下権なのかわからないけれども、そういう区分所有のものの補償に変えたという経過があったんですか。

○稲熊用地部長 ただいま詳細な資料が手元にございませんので……。
 私どもは、このようなトンネルの場合につきましては、かなり地上部から離れておりますので、土地を買収するということは通常は考えてまいりません。地上権方式というのは、かなりの経験も年数もありますので、この当時ですと、多分、地上権方式でお願いをしていったのではないかな、このように私は今、推測をしております。

○池田委員 これは参考に聞いただけですから、これでどうこういう話ではありません。
 ですから、私は、この地元の皆さんの、鎌倉街道の交通渋滞の解消のために、請願の最後のところに出ていましたけれども、十四年度予算でどういうふうにされるかというのが求められているんですね。先ほど建設部長がああいう話をしておりましたから、ぜひこの意向を受けて、地元の請願を生かしていただきたいというふうにいいます。
 以上です。

○田代委員長 ほかに発言がなければ、本件は一括してお諮りいたします。
 本件は、いずれも採択とすることにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一三〇号及び請願一三第一三一号は、いずれも採択と決定いたしました。

○田代委員長 次に、一三第一三二号、町田市小野路町「宿通り」拡幅工事の早期着工に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岩永道路建設部長 整理番号2の請願一三第一三二号をお開き願います。
 これは、町田市小野路町「宿通り」拡幅工事の早期着工に関する請願でございまして、町田市、新倉孝之さん外一千四百六名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、本事業の拡幅工事を早急に着工していただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、一般都道町田日野線、一五六号線は、町田市野津田町の並木交差点を起点といたしまして、多摩センターを経て日野市に至る路線でございます。このうち本請願箇所は、町田市小野路町の小野神社前交差点から堂場橋付近交差点までの延長約五百メートルでございまして、沿道両側には家屋が連檐しております。本区間はバス路線となっておりますが、現況幅員はおおむね四・三から四・八メートルでございまして、歩行者の安全確保や車のすれ違いにも支障を来しております。
 現在、東京都、町田市、住民代表の三者で構成する協議会におきまして、車両通行の円滑化及び歩行者などの安全対策の観点から、整備方法について幅広く検討中でございます。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○ともとし委員 それでは、何点か質問をさせていただきます。
 まず、この宿通りの整備促進についての請願でありますけれども、従来から非常に要望が強かったと聞いておりますけれども、進ちょく状況がはかばかしくない。それはなぜゆえなのか、その辺についてまずお伺いしたいと思います。

○岩永道路建設部長 この通称宿通りですが、かつての小野路宿の面影を残しておりまして、町田市の都市計画マスタープランにおきましても、現在の資源を生かして、できるだけ古い町並みを保全、再生していくというふうに位置づけられております。また、地元町内会からも、道路計画立案への参加について提案がございました。
 このようなことから、平成十二年度に東京都、町田市、住民代表の三者による協議会を設置いたしまして、整備方法につきまして幅広く、また慎重に検討を重ねているところでございます。

○ともとし委員 今ご答弁にありました三者、都、市、住民の協議会の検討内容でございますが、具体的にどういうものが検討されてきたのか、お伺いいたします。

○岩永道路建設部長 これまでに三回の協議会を開催しておりまして、この区間の現状の問題点及び課題を整理するとともに、将来の道路計画につきまして地元の方と意見交換を行っているというところでございます。

○ともとし委員 私も実は、先日、町田の方に行ってまいりました。はっきりいって、小さな道というか、狭い道が余りにも多くて、私の車もさほど大きい車じゃありませんけれども、本当に厳しいなという、そんな感じさえ受けまして、一日も早くこうしたところについては実施を進めるべきではないかな、こういうふうに思っているわけでございますが、来年度の予算を確保して拡張すべきという、こんなふうにも思っているわけですが、その辺についていかがでしょうか。

○岩永道路建設部長 今後、協議会におきまして、先ほど申し上げました検討を進めまして、整備方法についてまず取りまとめを行っていきたいと思います。その上で、予算確保につきましては努力してまいります。

○池田委員 この宿通りの拡幅工事の早期着工に関する請願というのは、これも私、地元へ行ってみて、もっともなんですね。
 それで、事業費がどのぐらい予定されているんですか、今。

○岩永道路建設部長 現在、整備方法を検討中でございまして、事業費については未定でございます。

○池田委員 未定だというけれども、おおよその事業費というのは考えられているんじゃないですか。この間、かなりの時間がたってきているわけですよね。
 地元の人たちにしてみれば、先ほど来、説明にもありましたけれども、私も行ってみて驚いたんですけれども、四・五メートル前後の幅員に神奈川中央交通のバスが走っているわけですよ。トラックは入れてはだめだ、進入禁止になっているんですね。しかし、実際には、すれ違うについても、先ほどお話があったように、ちょっと普通より大きな車が来ると、お互いに待ち合わないといけない。ところが、地元の人はそういうのを知っていますから、それぞれのうちの入り口、出口のところはちょっと避けて通るとか、そこで待っている、待避しているというような状況があるわけでしょう。それから、地元の人の協力で土地を提供してもらって、それで待避場所をつくるとか、本当にいろいろな苦労をされているわけですね。
 そういうことでやられてきているわけですから、少なくとも事業費がどのぐらいかかるかというのは、これは今、協議してみなきゃわからないと。これは精査していくのは当然の話ですけれども、おおよそのところはわかっているんじゃないでしょうか。

○岩永道路建設部長 先ほど申し上げたとおりでございます。

○池田委員 何かそんなことで突っ張っている感じでしようがないんだけれども、私どもは、生活道路として、ここの道路は朝夕のラッシュなんて大変ですよ。そして、ここにも書かれているように、野津田高校というのは、子どもたちが今自転車で通学するということになると大変だと。皆さんいっておられたのは、まず歩道を何としても確保してほしい、そういうことなんですよ。ですから、その中で、要するに高齢者だとか、若干足に不自由がある方というのは外に出られない、朝夕のそういうラッシュ時にはこういう事態ですよ。
 ですから、今お話があったように、建設局と町田市と住民代表の三者で構成する協議会でいろいろお話し合いをされているというふうにいわれているわけです。ところが、なかなか進まない。
 こういうふうにいわれていましたよ。平成九年の段階で、いろいろ道路についてどういうふうにやるかということについて、署名を添えて、そして皆さんが運動した。そういう中で、十年には地元説明会があって、そしてその秋には計画を実施するということで、十・五メートルから十一・二五というふうなことで、いろいろ議論されているというふうに話をされていました。しかし、具体的にどうなるのかというようなことになってくると、どうもあいまいになってしまう。ですから、今、私は事業費はどのぐらいなんですかというふうに聞いたわけです。
 そして、もう一ついえば、この請願の最後にも出ていました、十四年の予算の中でぜひ具体的にこの問題が進むような姿を見せてほしい、地元の皆さんはそういうことを求めているというふうに思うんです。ですから、その辺は、どうも突っ張った形でいっているんですけれども、どうなんですか。その辺、もうひとつ具体的に答弁いただきたい。
〔「後ろ向きな答弁だ」と呼ぶ者あり〕

○岩永道路建設部長 非常に後ろ向きな答弁だというふうな印象を与えたようでございますけれども、地元の状況あるいは地元の方々からの要請につきましては、この請願陳情を待つまでもなく、十分承知しております。
 したがいまして、整備方法につきましても早急に取りまとめを行いまして、具体化を進めていく、具体化を図っていきたい、このように思っております。

○池田委員 私は、こういう長い間の皆さんの要望、生活道路を優先的に整備を進めていくということは当然だと。私は、今の建設局、実践部隊ですけれども、東京都の全体の姿勢として、来年度の重点施策の段階でも骨格の幹線道路、特に環状三路線を重点として推し進めていく、そういう中でたくさんの莫大な事業費が使われていく。しかし、こういう生活道路や、実際に歩道が欲しい、安全を守ってほしい、こういうところがおくれてきているんだということをいわざるを得ないと思うんです、今の姿勢を見ていて。
 私は、そういう点で、この請願の具体的な早期の実現を求める皆さんの声にこたえる、こういう立場から、これをぜひ採択するということで、建設局にも特にこのことを主張して強調したいというふうに思います。
 以上です。

○田代委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一三二号は趣旨採択と決定いたしました。

○田代委員長 次に、一三第一三三号の二、都営地下鉄大江戸線延伸の早期実現等に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岩永道路建設部長 これは、都営地下鉄大江戸線延伸の早期実現等に関する請願でございまして、練馬区、香村昌江さん外一万六百四十九名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、都営地下鉄大江戸線の導入空間となる補助二三〇号線の整備を促進していただきたいというものであります。
 現在の状況ですが、本請願箇所である補助二三〇号線につきましては、第二次事業化計画におきまして、補助一三四号線から土支田通り間を区画整理事業により、土支田通りから補助一三五号線までの区間を街路事業による整備と位置づけております。
 街路事業につきましては、一期区間であります外環から補助一三五号線までの区間では、都におきまして平成十年度に現況測量を実施し、引き続き平成十一年度に用地測量を実施いたしました。地元の反対もございまして、用地測量の完了は五割にとどまっております。また、二期区間であります土支田通りから外環までの区間は、平成十一年度に現況測量を実施しております。これら街路事業につきましては、今後とも、地元との合意形成を図りつつ事業化に努めてまいります。
 なお、区画整理事業につきましては、区施行区画整理の範囲や都の支援方策につきまして、現在、区と協議中でございます。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○ともとし委員 それでは、私の方から一点だけ質問をさせていただきます。
 まず、今、現状の状況説明がございましたけれども、区施行の区画整理事業を行うというふうに聞いたわけですが、都として支援策はどのように考えていらっしゃるのか、この辺についてお伺いいたします。

○梶山市街地整備部長 土地区画整理事業につきましては、区施行としての区画整理の範囲、あるいは都の支援策について練馬区と今協議しているところであります。この中で、区に対する専門職員の派遣とか、土地区画整理事業助成制度の活用などを支援策として検討しているところであります。
 今後とも、土支田の地区のまちづくりが円滑に進むよう、区と連携を図ってまいります。

○ともとし委員 こうした事業は大変な年数、日にち等が、時間がかかるわけでございまして、どうか要望に沿って、非常に住民にとっては熱意のあるそういう要望事項になっているわけですので、くれぐれもよろしくお願い申し上げまして、私の質問とします。

○池田委員 この都営地下鉄大江戸線延伸の早期実現等に関する請願についてですけれども、都営大江戸線の大泉学園方面への早期延伸を求める、この実現を図ってほしいという住民の皆さん方の、特に練馬の交通不便地域の住民の皆さんの長い間の要求だ、こういう点については我々ももちろん賛成なんですね。
 そういう中で、例の国の運政審で、この光が丘から大泉学園方面への延伸が位置づけられたというのはいつごろでしたっけ。それをまず教えてください。--いきなりいったから。こっちでいいましょう。いきなりいったから悪かった。確認だけすればいいんです。
 これは一九七二年、運政審答申でやられたんじゃないんでしょうか。昭和四十七年でしょう。--いいです。これで位置づけられたわけですね。そして一九八五年、これは昭和六十年ですけれども、運政審答申の第七号答申では二〇〇〇年までに新設する、こういうふうにいわれていたわけなんですね。
 しかし、最初の運政審で位置づけられて、さらに七号答申でいわれて、二〇〇〇年度というふうに聞かれたんだけれども、なかなか進まなかった。このおくれた一番の原因というのは何だったんでしょうか。

○岩永道路建設部長 ご質問は、私どもの所管外でございますので、ご容赦願います。

○池田委員 何か建設部長は突っ張った答弁するんですが、そんなきつい話を私いうつもりはないんですよ。先ほど来いうように、地元の皆さん方は、こういう地下鉄の、特に大泉学園方面への早期延伸を求めておられる、そういう状態の中で私、質問しているわけですから。
 この間見てみると、やはり問題なのは、区民が一致してこの地下鉄の延伸を求めていながら、まちづくりとあわせて、どういう立場からこの地下鉄の導入空間をつくっていくかというところの問題が、住民の皆さん方の納得や合意を得られないやり方で、一つは区画整理事業だとか、それからまた二三〇号道路の街路事業、こういうものを上から住民に押しつけていっている、こういう相も変わらないやり方が本当に地元の皆さん方からの反発を受けてきている。
 ですから、例えばこの間、高松地域では、地元の町会だとか自治会挙げて、こういう区画整理だとか街路事業の進め方の問題について、九五%から六%、こういう反対の声が上がっているというふうに私、聞いています。また、土支田地域の区画整理の問題でも、七、八割の人たちが反対するというふうな状態があるというふうに聞いています。
 そういうことの中で、二三〇号道路の街路整備が大泉学園方面からやられていくというふうなことになると、ここでも閑静な住宅街に道路など要らないという声が上がってきている、なかなか測量も予定どおりいかない、こういうのが実態だというふうに聞いております。
 私は、そういう点で東京都が、建設局が、区との協議の中でいろいろな住民の声、こういうものを聞いて、そして合意と理解、こういうものを得ていくという努力をやらなければいけないのじゃないか。もちろんやってきているんだろうというふうに思うんですけれども、そういう点での不十分さが私はあるんじゃないかというふうに思うんです。
 ですから、私は意見だけ申し上げておきますけれども、こういう住民の皆さん方、地元の皆さん方の声を本当に生かしていくという意味では、この請願にあるように、第一項目は公営企業委員会で採択をしているわけですけれども、二項の問題については、強引な補助二三〇号の整備ということは現状合意を得ていない、住民の皆さん方の了解を得ていないということの中では、この二項については反対という立場を表明して、終わります。

○田代委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○田代委員長 起立多数と認めます。よって、請願一三第一三三号の二は趣旨採択と決定いたしました。

○田代委員長 次に、一三第五四号、都道補助一二八号線の事業と計画の見直しに関する陳情及び一三第六二号、補助第一二八号線街路拡張工事の反対に関する陳情を一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岩永道路建設部長 それでは、まず整理番号4の陳情一三第五四号をお開き願います。
 これは、補助一二八号線の事業と計画の見直しに関する陳情でございまして、世田谷区、小野牧夫さん外四百十四名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、本路線の事業と計画を見直していただきたいというものでございます。
 次に、整理番号5の陳情一三第六二号をお開き願います。
 これは、補助第一二八号線街路拡張工事の反対に関する陳情で、世田谷区、杉山守男さん外三十九名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、本路線の世田谷区宮坂一丁目地区における街路拡張工事を行わないでいただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、本路線は、地域交通の円滑化に寄与するとともに、都市防災機能の向上を図る上からも極めて重要な道路であり、地元区からも強い整備の要望を受けております。このため、弦巻五丁目から世田谷通りを越えて宮坂一丁目の間八百九十五メートルにつきましては、平成三年六月に事業着手いたしました。
 これまで、地元住民への説明を重ねつつ用地取得を進め、約五割を取得したところでございます。弦巻五丁目から世田谷通りまでの区間は平成十一年五月に交通開放し、周辺の交通渋滞緩和と地域の交通安全に寄与しております。
 平成十三年度は、世田谷通り以北の世田谷二丁目付近におきまして街築工事を実施する予定でございます。
 なお、本件と同趣旨の陳情が、平成九年、平成十二年など過去に四回、建設・住宅委員会に付託されておりますが、いずれも不採択となっております。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○池田委員 この都道補助一二八号線の事業と計画の見直しに関する陳情は、私は地元の皆さんの話を聞いて、土地買収が五割を超してきているというふうに局から説明をいただきました。しかし、実際に今地域の中で、生活環境の問題だとか、また特に文化的な問題の保持を、これを守ろうというような方たちだとか、ここに書いておられるような願いを持っておられるわけですね。
 そういう点で、今説明がありましたけれども、本件と同趣旨の陳情が平成九年の十月、そして平成十二年の七月六日など、付託されて不採択になっている、こういうふうにいわれています。
 今回の陳情の中で、私は大事だなというふうに思っていたのが、十二年の八月に東京都が行った桜木中学校校庭--これは、道路が地下で桜木中学校の校庭をくぐる仕組みになっているわけですね。ここの遺跡の試掘で、当該地域が埋蔵文化財包蔵地である、こういうふうに明らかになったことなんですね。
 それで、桜木遺跡ということで世田谷区も指定をして、試掘の調査委託結果が発表されました。以前ここの委員会で審議され、そして不採択にされた、それ以降にこの調査結果が出されてきているわけなんですね。このことについて、建設局はどういうふうに考えておられるんでしょうか。

○岩永道路建設部長 桜木中学校での遺跡試掘調査でございますけれども、これはいわゆる試掘調査でございまして、平成十二年八月に実施したものでございます。
 したがいまして、今後、世田谷区教育委員会と協議しながら本調査を進めていきたい、このように思っております。

○池田委員 本調査を進めるについて、これは具体的に今なっているんですか。いつごろその調査をやろうとされているんですか。
 そして、ここの桜木遺跡の中でいわれているんですけれども、いろいろ埋蔵文化財の調査をやった、そして、世田谷区の区立の桜木中学校校庭に関する埋蔵文化財の取り扱いについてということで、所見として、当該地区は埋蔵文化財包蔵地であり、埋蔵文化財の事前発掘調査が必要と判断される、こういうふうにいわれているわけですね。
 とすると、今線引きをされている都道の補助一二八号の中に入っているわけですね。当然そこのところで本調査をやって、そしてその結果によっては、当然道路の見直しだとか、ここの住民の皆さん方がいわれているように、かかわる皆さん方がいわれているように、東京都は対応しようとしていくわけですね。

○岩永道路建設部長 本調査でございますが、世田谷区教育委員会と協議いたしました結果、校庭内の南側約五百平方メートルにつきまして今後調査をしていく予定でございます。

○池田委員 委員長、私の質問に的確に答えてもらわないと、また時間になるので、もう一回いいますよ。
 本調査をやって、そして道路との関係をもう一回議論して、そして道路形態を見直していく。ここで皆さんがいっているのは、そういう計画の見直しの中で指摘をしている問題なんですね。ですから、私もここでいっているんですよ。

○岩永道路建設部長 この一二八号線でございますけれども、先ほど申し上げましたように、地域交通の円滑化を図るのみならず、都市防災機能の向上を図る上からも極めて重要な道路と考えております。
 また、現実に、地域といたしましても細街路が入り組んでおりまして、先ほど申し上げました極めて重要な道路ということは、多くの方からも認められているというふうに考えております。
 したがいまして、この一二八号線につきましては、遺跡調査をするとともに、今後着実に事業を進めていきたい、このように考えております。

○池田委員 この一二八号線の遺跡試掘調査委託を受けた試掘調査報告書では、ここの遺物というんですか、遺構というのが縄文時代の中期土器が大多数を占めているというふうにいわれているわけですけれども、かなりそういう点が調査の結果わかってきて、そして校庭の、これからの道路形態の中に入っていく本調査が必要な範囲として、今ちょっとお話があったけれども、約五百二十二平米が必要だと。調査をやったのは九十六平米なんですね。しかし、全体として、これからまだまだやらなきゃいけないというふうにいわれているわけですね。
 住民の皆さん方、地域からもそういう問題が提起されているということになれば、これは本調査をやって、その上に立っていろいろな検討をされていくべきだと。
 そして、今私の質問に対して、東京都は、この道路は必要だからという視点からの話しかないんですけれども、局長、その辺はどうなんですか。今部長さんがそういう話をして、私とのやりとりを聞いていて、どういうふうに考えられるのか。

○山下建設局長 この道路は非常に大事な道路であるということは、先ほどから説明しているとおりでございますが、ここが埋蔵文化財の包蔵地だということでご指摘を受けておりますので、それに従いまして調査を行いまして、その遺跡の調査の結果に応じまして必要な措置を教育委員会などと適切に協議をしていくということになろうかと思いますが、よろしくお願いします。

○池田委員 時間が追っていますから、これ以上私いいませんけれども、実は東京都でいろいろ都市計画の決定をされた、また区画整理だとか道路だとか、いろいろありますね。そういうところで、こういう遺跡の試掘調査の結果、計画を変更したという事例があるんですよ。
 これはこれ以上いいませんけれども、ここに西国分寺地区、これは多摩本部が今やっている仕事ですけれども、住宅市街地整備総合支援事業の中でも、東山道武蔵路が奈良時代のものとして出てきて、そしてその結果、西国分寺地区の埋蔵文化財調査を平成七年度にやったそうです。そして、奈良時代の東山道武蔵路ものと推定される、こういう遺構が出てきた。南北に延長約三百三十メートル、そして幅十二メートル、そういう道路面と、幅四十から六十センチ、深さ三十五から六十センチぐらいの側溝が確認されたということがあって、この遺構の保存と活用ということで、この道路の線引きを変えているわけですね。そういう努力がやられる場所もあるわけですね。
 これは一つの例でありますけれども、今陳情の問題として出されている皆さんの、自分たちの生活環境を守る、気管支炎の問題もあるし、それから、ここにも出ているように肺気腫の心配がある。ここは環八だとか環七の問題でいろいろ心配されている地域でもありますね。そういう中でこういう陳情が出されてきている。そして、今まで、こういう桜木中学校の校庭の調査の結果こういうものが出たということですから、私は、今局長がいうように、慎重にこの問題を、本調査をやって、そして、その上に立って具体的に計画そのものがどうなのか、本当にこの文化財を保存していくということを考えていくべきだというふうに思います。
 ですから、この陳情についてはぜひ採択をしていく必要があるということを申し上げたいと思います。

○田代委員長 ほかに発言がなければ、初めに陳情一三第五四号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○田代委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一三第五四号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情一三第六二号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○田代委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一三第六二号は不採択と決定いたしました。

○田代委員長 次に、一三第七二号、世田谷通り(補助第五一号線)砧中前交差点付近の交通渋滞解消等に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○依田道路保全担当部長 整理番号6の陳情一三第七二号でございます。
 これは、世田谷通り(補助第五一号線)砧中前交差点付近の交通渋滞解消等に関する陳情で、世田谷区、永井秀雄さん外九千二百二十六名の方々から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、世田谷通り砧中前交差点における交差点すいすいプラン一〇〇事業を早期に完成させていただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、本陳情箇所は多摩堤通りと世田谷通りが交差する砧中前交差点で、多摩堤通りに右折レーンが設置されていないために、慢性的な渋滞が発生している箇所であり、最大渋滞長は約百五十メートルに及んでいます。このため、交差点すいすいプラン一〇〇事業に位置づけ、平成九年度から用地測量に着手し、現在、用地取得に向けて関係地権者と折衝中でございます。
 今後とも、地元区及び関係住民の方々の協力を得て、事業の早期完成に努めてまいりたいと思っています。

○田代委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○池田委員 確認の意味も含めて発言したいと思います。
 ここの砧中前の交差点すいすいプラン、この問題で、農協の土地の買収を含めて拡幅をするということになっていますよね。それで、私もあそこへ行って歩道橋から見たんですけれども、あそこを買収してやれば、あそこの左折も、それから右折の方も、かなり大型車だとか中型車というんでしょうか、そういうものの渋滞を緩和することができるというような実態を見てきました。その辺の現状はどうなんですか、買収の方向と。

○依田道路保全担当部長 砧中前交差点は、世田谷通りへの右折レーンが設置されていないことから、交通量の三分の一を占める右折車両が障害となっておりまして、慢性的な交通渋滞が発生しているところでございます。
 したがいまして、ほぼ一車線分に当たります右折レーンを用地取得によりまして確保していきたいということで、農協の土地の一部を取得したいというふうに考えて事業を進めているところでございます。

○池田委員 それが用地買収ができて拡幅すれば、できるということですね。
 それで、もう一つ、これはいただいた資料の中でもあるんですけれども、区施行の補助二一七号、成城学園の方に向かっていく区の施行の道路ですけれども、これとは全くかかわり合いはない。このすいすいプランは、まさに単独の問題だということは確認できるわけですね。

○依田道路保全担当部長 当該プランは、多摩堤通りに右折レーンを設置し、現在発生している交通渋滞の早期解消を図るものでございまして、世田谷区が整備する予定の補助第二一七号線の事業とは直接的に連動するものではございません。

○池田委員 私は地元へ行ったときに、この陳情の理由の中にも含めてこれは出ていますけれども、世田谷区施行の補助第二一七号街路整備によって、さらに安全で使いやすい、そういう交差点になるというふうなことが書かれているわけですけれども、地元の皆さんが、例えばあそこの湧水、わき水、この問題で非常に心配をされているんですね、この区の施行の補助道路がやられていくというふうなことになれば。そして、環境を守るという立場で、今までこの区の補助第二一七号の街路整備に反対する運動をされている方たちは非常に心配をされていたわけです。
 ですから、私は、そういうこととは、このすいすいプランで今やろうとしていることとは全く切り離されているものだというふうに確認をいたします。
 同時に、このすいすいプランをやる場合に、この道路にかかわっている皆さん方に十分な説明をして、そして了解なり合意を得られるという努力を、これは東京都として、施行者としてぜひやってほしい、このことをいって要望としておきます。
 以上です。

○田代委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田代委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一三第七二号は採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することといたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時九分散会

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