建設・住宅委員会速記録第二号

平成十三年三月五日(月曜日)
午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長倉林 辰雄君
副委員長竹下 友康君
副委員長東ひろたか君
理事谷口 卓三君
理事三原 將嗣君
理事田島 和明君
町田てるよし君
福士 敬子君
小礒  明君
沢西きよお君
藤岡 智明君
小竹ひろ子君
野村 有信君
土持 正豊君

 欠席委員 なし

 出席説明員
住宅局局長戸井 昌蔵君
次長三上 雅之君
総務部長清水  巖君
連絡調整担当部長渡利 紘司君
開発調整部長小関 尚久君
区市町村調整担当部長井上 克彦君
参事三浦 靖夫君
建設部長青木 治道君
建設推進担当部長高橋  勝君
管理部長石橋伸一郎君
管理制度改善担当部長阿部  亨君
営繕担当部長小林 計代君
不動産業指導部長今井 浩司君
多摩都市整備本部本部長田原 和道君
管理部長長野  宏君
企画推進担当部長二ノ宮 博君
建設計画部長山崎 俊一君
建設局局長古川 公毅君
次長有手  勉君
道路監石河 信一君
総務部長森澤 正範君
用地部長稲熊 明孝君
道路管理部長磯邊 武一君
道路建設部長小峰 良介君
公園緑地部長中田 勝司君
河川部長高本 正彦君
再開発部長梶山  修君
区画整理部長岩永  勉君
企画担当部長小島 信之君
総合調整担当部長安藤  明君
道路保全担当部長鈴木  進君
道路計画担当部長柿堺  至君
公園管理担当部長平井 和之君
参事市原  博君

本日の会議に付した事件
 多摩都市整備本部関係
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第百十六号議案 平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 多摩都市整備本部所管分
  ・第百十九号議案 平成十二年度東京都新住宅市街地開発事業会計補正予算(第一号)
 建設局関係
  契約議案の調査
  ・第百三号議案 都立世田谷地区単位制高等学校(十二)建設工事請負契約中、建設・住宅委員会所管分
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第八十九号議案 東京都市計画事業亀戸・大島・小松川第二地区第一種市街地再開発事業施行規程等の一部を改正する条例
  ・第九十号議案 東京都市計画事業四葉二丁目付近土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
  ・第百十三号議案 平成十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
  ・第百十五号議案 一級河川の指定の廃止に関する意見について
  ・第百十六号議案 平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
  ・第百二十号議案 平成十二年度東京都市街地再開発事業会計補正予算(第一号)
 住宅局関係
  契約議案の調査
  ・第百四号議案 都営住宅十二H-三〇一東(町屋六丁目)工事請負契約
  ・第百五号議案 都営住宅十二H-一〇一北(東大和向原)工事請負契約
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第百十一号議案 債務弁済協定調停申立事件に関する調停について
  ・第百十六号議案 平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費 住宅局所管分

○倉林委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、多摩都市整備本部、建設局、住宅局の順序で、平成十二年度関係の契約議案の調査及び付託議案の審査を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査の結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成十三年三月一日
     東京都議会議長 渋谷 守生殿
建設・住宅委員長 倉林 辰雄殿
契約議案の調査について(依頼)
 このことについて、左記により財政委員長へご報告願います。
  記
1 調査議案
 第百三号議案 都立世田谷地区単位制高等学校(十二)建設工事請負契約中、建設・住宅委員会所管分
 第百四号議案 都営住宅十二H-三〇一東(町屋六丁目)工事請負契約
 第百五号議案 都営住宅十二H-一〇一北(東大和向原)工事請負契約
2 提出期限 平成十三年三月五日(月曜日)

○倉林委員長 これより多摩都市整備本部関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、多摩都市整備本部所管分及び第百十九号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 ご発言願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 ご異議なしと認めます。本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で多摩都市整備本部関係を終わります。

○倉林委員長 これより建設局関係に入ります。
 契約議案の調査を行います。
 第百三号議案、都立世田谷地区単位制高等学校(十二)建設工事請負契約中、建設・住宅委員会所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 ご発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議ない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○倉林委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第八十九号議案、第九十号議案、第百十三号議案、第百十五号議案、第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分及び第百二十号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 ご発言願います。

○小竹委員 直轄事業負担金についてお伺いをいたします。
 今年度の一般会計最終補正予算の建設局分は六百十四億円になっていますけれども、その三六・六%を占めるのが直轄事業負担金です。我が党は、この直轄事業負担金についての見直しを一貫して求めてきましたけれども、この負担金は年々総額がふえているという状況になっています。補正予算で大幅に増額されている状況がこの間続いておりますけれども、ここ五年間の年度別の負担金支払い額と当初予算及び補正予算の関係がどうなっているのか、お答えください。

○森澤総務部長 過去五年間の直轄事業負担金の当初予算額、補正予算額及び決算額について申し上げます。
 平成八年度の当初予算額は三百二十三億円でございます。補正額はありません。決算額は三百十八億円でございます。以降同じように、九年度は、当初が二百二十六億円、補正はなし、決算が三百三十九億円。十年度は、当初が二百二十六億円、補正が百七十億円、決算が四百四十六億円。十一年度は、当初が百八十五億円、補正は九十二億円、決算は四百五十九億円。十二年度は、当初が百八十五億円、補正が二百二十五億円。
 なお、十二年度は見込みでございますが、決算見込みは四百九十二億円でございます。

○小竹委員 年々、補正予算の額も膨れ上がっているというのがこの中でも明らかになっていますし、総額も相当高額な負担金の支払いになっているというふうに思うのですが、決算額と予算との差がありますけれども、これはどういうふうな状況になっているのか、お答えください。

○森澤総務部長 既定予算の中で、不用額が発生する事業から予算流用により対応したものでございます。

○小竹委員 不用額の流用ということですけれども、今年度も四百九十二億円ということですから八十億以上、それから、昨年度で見ますと百八十二億円も不用額からの流用ということで使われているわけですけれども、どういう事業で生じるのか。建設局の場合はこんなに多額に不用額が生じるのかなというふうに思ったのですが、その辺の具体的な中身と、それから、東京都の予算事務規則では、流用については、歳出予算の経費の金額は、各目または各節の間において相互に流用することができないというふうに二十条にうたってあるわけですけれども、こういう多額の流用が財政上許されるのかどうかという点もあわせてお答えください。

○森澤総務部長 なぜ不用額が多額に発生するのかというご質問でございますが、事業実施に当たりまして、関係機関や関係者との間で調整に時間を要して、執行ができないものもございます。また、コスト縮減などによりまして発生した不用額、そういうものを財務局と協議によりまして直轄事業の不足額に充てているものでございます。
 また、予算事務規則で流用が禁止されているのではないかということでございますが、委員ご指摘の二十条の第一項は、目間流用あるいは節間流用の禁止をうたってございますが、同条の第二項に、「前項の規定にかかわらず、局長は、歳出予算の執行上やむを得ない場合に限り、財務局長に協議のうえ、各目の間または各節の間において相互にこれを流用することができる。」という規定がございます。
 直轄事業につきましては、道路橋梁費の中で、また、河川海岸費の中でそれぞれ目間流用をして、協議を得た上で流用をいたしているところでございます。

○小竹委員 確かに、二十条の二項には、予算の執行上やむを得ない場合は認めるというふうなことで書かれているわけですが、財務局の方もやむを得ないと認めたのだというふうには思うのですが、やはり、ここに流用されたお金は、当然、一般財源ですよね。そういう点でいえば、都民の税金でもあるわけですから、不用額は一定、年度末になれば見込みが出るというふうに思うんですね。今、建設局の予算の中でいえば、この間いろいろ議論もあったところですけれども、中小河川の整備や歩道整備、それから交差点のすいすいプランだとか、そういう部分の予算などが大幅に削られたりしているわけで、要求も強いわけですね。ということからすれば、やはり、そういう不用額が発生するというふうな状況が見込まれた場合には、年度末に予算を組み替えることも含めて、組み替えれば、前倒しでそういう要望の強い事業というのはできるのじゃないかと私は思うんですね。そういうことを、やっぱり今後の問題としてやるべき中身なのではないかというふうに思いますので、この点は問題を提起しておきたいというふうに思います。
 こういう中小河川だとか歩道整備などについていえば、それこそ、町の中小企業の皆さんの仕事にもつながるわけですし、逆に、そういうところへ仕事が出れば景気対策にも大きく貢献することができるという点では、こんなに多額な不用額が出るという点でいえば、年度末の補正でこそ、前倒しで組み替えることも含めてやっていただきたいということを強く要望しておきます。
 引き続いて、直轄事業負担金については、現行では国が一方的に負担を押しつけてくるわけですけれども、その多額な財政支出を押しつけられて--多額な財政支出を強いられるわけですけれども、これが、実態としては都財政を圧迫する原因の一つにもなっているというふうに思います。この点では、この十年間、負担金の総額と、起債充当額及びその比率がどういうふうになっているか、お答えください。

○森澤総務部長 平成三年度から十二年度までの十年間の直轄事業負担金の総額でございますが、三千六百八十七億円でございます。それに伴います起債額は二千四百十一億円で、その充当率は六五%となります。
 なお、今回の補正予算の二百二十五億円は、すべて一般財源で対応しているところでございます。

○小竹委員 国の要求どおりに支払ってきているために、こんなに六五%もの都債の発行ということで、本当に借金が積み増されてきているわけですね。そういう点では、この利息だけだって相当な額になるというふうに思うんです。
 利息について伺おうと思ったのですけれども、これは財務局だということなので、私の方で平均金利等について調べて試算したのですけれども、平均金利は直轄事業については三・四%ぐらいというふうに伺っています。そういう点で試算してみたわけですけれども、これだけでも二千四百十一億円に対する利息は八十二億円にもなるのです。これだけあったら建設局の事業だって相当できるでしょうし、私、同じ建設・住宅委員会所管の都営住宅の建設の問題で計算してみたのですけれども、東京都単独でも四百八十戸ぐらい建設が可能になるのですね、これだけの、その利息分だけで。これは国庫補助を見ていませんから、国庫補助まで見れば相当な額になると思うのですが、それと同時に、この起債の残りの三五%の千二百七十六億円は一般財源ですよね。そういう点で、やっぱり、これが国に吸い上げられて経常経費を圧迫するという状況になってきているというふうに思うのです。今年度でいえば、予算的には、決算見込みでは四百九十二億円ですけれども、今回の三百三億円の補正予算、一般財源で賄われるわけですが、これだって都営住宅に換算してみると千八百戸ぐらい都が単独で建てることができるわけです。十年間で見れば七千戸。これ、国庫負担が都営住宅の場合は二分の一つきますから、二倍建設が可能になるということなのです。
 そういう点で見ると、この直轄事業が、いかに都民の願いにこたえるだけの金を国が吸い上げていっているかということがはっきりするのじゃないかというふうに、私は、この問題をちょっと検討をしてみて思ったところです。そういう点では、本当にこの直轄事業を改めて見直しをさせていかなければいけないなというふうに思いました。
 引き続いてなんですけれども、この間の主な直轄事業の事業内容や箇所は、どういうところでしょうか。

○森澤総務部長 平成四年度から平成十一年度までの主な事業箇所でございますが、道路事業では、例えば、国道三五七号の湾岸道路、あるいは国道一六号の東京環状、あるいは国道四六八号の圏央道などでございます。また、河川事業では、荒川や多摩川などでございます。

○小竹委員 今お答えいただいたのは、ほとんど骨格幹線道路ですよね。私も圏央道については現場を見てきたのですけれども、本当に自然豊かなところで、自然の宝庫といわれる高尾山をぶち抜いていく、それから、高尾山の反対側にある八王子城址は、絶滅危惧種であるオオタカの生息地ですよね。そこにトンネルを通す工事で、住民の皆さんの反対を押し切って強行されている工事でもあります。巨大な八王子ジャンクションが建設される予定地は、冬、今の時期は逆転層による大気の滞留現象が起こったりしているわけです。住民の皆さんは、これに対する調査をやってほしいということを要求しているわけですけれども、その調査もしないまま工事が進められています。また、自然の豊かな流れである秋川のところにも、あきる野橋のそばには一本一億円といわれている橋脚が七十本以上林立しているという、こういう、もう本当に自然の景観を無視した、景観を阻害するような様相を呈しています。スーパー堤防についても過大だというふうにいわれているわけですけれども、こういう自然を破壊する大型開発は、今、全国的にも見直す方向が打ち出されています。
 そういう見直しの方向と同時に、これらの仕事は、ほとんど仕事をやっているのは大手のゼネコンだけですよね。地元の建設業者は全く入っていないという、こういう状況になっているわけで、このような大型開発を中心にした直轄事業というのは、やっぱり見直しをさせていかなければならない中身だというふうに思うのですが、今、この直轄事業については、国が一方的に決めて、積算根拠も示さずに負担をさせるという点でいっても、地方財政法の点からも私は問題があるというふうに見ています。その点では、この見直しというのは全国的な流れになってきているわけで、この間、東京都も直轄事業の負担金について国に対して要求を出しているわけですけれども、どういう要求を出しているのか、そして、その点で改善があったのかどうか、その点をお答えください。

○小島企画担当部長 国直轄事業の制度改正要求についてでございますけれども、制度改正の提案内容としては三つございます。一つは、事業の内容や経費につきまして、計画段階から地方公共団体と協議をするよう国に義務づける、そういう法制度の制定が一つございます。それから、二点目が維持管理費について、これは負担を廃止することということでございます。それから、三点目が、事務費の比率につきましても、補助事業と同様に明確な基準を設けるなどの改善を行うこと、こういった三つの提案を行ってございます。
 これを都を挙げて提案要求をいたしまして、国に対して強く働きかけてきたところでございますが、こうした活動に対しまして、平成十二年度から事業計画の明確化という位置づけで、その全体の延長ですとか、それから個々の堤防だとかトンネルだとか、そういった事業の内容といったものを国が情報を提供してくるということに改められました。これは一定の前進だというふうに考えているわけでございますけれども、今後とも、その他のいろいろな提案要求について、都を挙げて、国に対し強く働きかけてまいりたいと考えております。

○小竹委員 若干の手直しはあったというふうには思いますけれども、根本的に、この直轄事業の事業内容すべてを開示するということだとか、事前に協議をするとかいうふうなのは全くやられないわけですよね。その点については、国がやっぱり、今の改善があったとしても、一方的な押しつけという点は全く変わらないわけですよ。そういう点でいえば、全国知事会の流れというのは、直轄事業の廃止を要求しているのです。この知事会の要望書は、地方公共団体に対して個別の財政負担を課するものであり、極めて不合理であるので、廃止すべきであるというふうに、直轄事業の負担金そのものを廃止しろという要求を出しているのです。同時に、維持管理にかかわる負担金についても管理主体が負担すべきものであり、直ちに廃止すべきだというのを全国知事会は要求しているのです。その点でいうと、東京都の方は全国知事会よりも後退していると私なんかは思えるのですけれども、やっぱり東京都も全国知事会と足並みをそろえて、こういう莫大な、先ほどいったような費用負担を伴う直轄事業については廃止を要求していくべきだというふうに思います。
 国が、景気対策だということで、多額の税金投入を自然を破壊してやる大型公共工事に次々と投入しているわけですけれども、その公共工事の負担を自治体にも負わせてきているという点で、莫大な借金を国も地方も抱えさせられているわけですから、そういう点で、もう改めなければならない時期に来ているというふうに思うのです。景気対策でやられたといっているのですけれども、この間でいえば、個人消費も低迷した状態ですし、中小企業の相次ぐ倒産や、完全失業率なんかについても最悪の事態を更新する状況がずうっと続いているわけです。だから、そういう点で見れば、もう数年間、景気対策だといってやっているこの大型公共工事が全く景気回復につながっていないというのは、この事態を見ても明らかだというふうに思うのです。そういう意味で、直轄事業については廃止を求めていくべきだというふうに最後に申し述べまして、質問を終わります。

○倉林委員長 ほかにございませんか。

○東委員 私は、建設局の平成十二年度補正予算における区画整理事業について、少し質問をさせていただきたいと思います。
 予算説明書の六ページに出ておりますが、もともとの平成十二年度予算が、この汐留の区画整理に関して百八十一億九千四百万円、それに対して、この補正で二百五十五億八千四百万円と、本予算よりも大体四割増しぐらいの予算額をつけているのです。それで、この中身を見ると、建物の移転費と、それから地下構造物築造費というのがその主な内容です。私も先日、現地へ行ってみたのですけれども、もともと、ここはJRの貨物駅の跡地で、これは更地だったと思うのです。新橋のすぐ東側の東新橋の地域なのですが、行ってみて驚いたのですけれども、その区画整理事業というのを東京都がこれだけ力を入れてやる、一体その目的は何なのだろうということを改めて疑問に思いました。
 今、どんどんビルが建ち上がっていますが、東京都が出している汐留の区画整理事業についてのパンフレット、リーフレットがありますけれども、ここを見ましても、その土地をだれが利用しているのか、だれが使っているのかというのを見ると、もう驚いたのですけれども、松下電工、それから電通本社棟、鹿島棟、日本テレビ本社棟、共同通信、トッパン・フォームズ本社、日本通運新本社、分譲住宅も少しあると、こういう内容です。だから、本当に行ってみて驚いたのですが、この汐留の区画整理事業というのは一体何の目的なのか、どうしてああいう巨大な事業をしなければいけないのか、その辺についてまず説明してください。

○岩永区画整理部長 汐留土地区画整理事業の事業目的でございますけれども、本事業は、都心と臨海部を結ぶ重要な交通結節点としての機能を高める、これが一つございます。それから、旧国鉄跡地の大規模な土地利用の転換を図りまして、世界都市東京にふさわしい業務、商業、文化、居住等の機能が複合した空間の創出を目的としております。

○東委員 これは大体、事業費というのはどれぐらいかかるのですか。総事業費、それから、その財源ですね、それを教えてください。

○岩永区画整理部長 総事業費は約一千四百六十三億円でございまして、その財源の内訳ですが、保留地処分金で約一千三百億円を見込んでおります。それから、国庫補助事業対象として約百四十五億円、さらに、下水道などの負担金が約十三億円で、これらが内訳となっております。

○東委員 総事業費一千四百六十三億円という巨大な事業のようですが、その一千四百六十三億円のこの内訳ですね。さっきは財源を聞きましたけれども、この事業費はどういう事業内容なのか、その内訳と、それから、もうかなり進んでいるようですが、今どういう状況になってきているのか、それを教えてください。

○岩永区画整理部長 事業の内訳でございますが、道路などの公共施設整備費で約七百億円、移転補償費で約五百七十億円、その他、埋蔵文化財調査や整地工事等を行いまして、これが約百九十億円でございます。
 平成十二年度末の進捗状況ですが、これらの公共施設整備、移転補償などで約四〇%になる見込みでございます。

○東委員 それで、この補正では、さっきちょっといいましたけれども、項目は二つあるわけですね。さっき出ましたが、移転七棟分四十三億一千四百万円と、それから地下構造物築造費二百十二億七千万円、これは、この補正ですよ。全体としては一千四百数十億円という巨大な事業なのですけれども、まず一つは補償費ですね、これは一体どういう考え方に基づくものなのか。この補償費の根拠といいますか、その辺はどういうことになっているのですか。

○岩永区画整理部長 建物の移転に伴う補償費でございますが、これは、移転に伴います通常生ずる損失を、都で定めました土地区画整理事業損失補償基準に基づき算定しております。主な補償項目といたしましては、建物等の移転料、動産移転料、仮住居等がございます場合は仮住居等の補償、さらに営業補償などがございます。

○東委員 現地に行ってちょっと私も話を聞いてきたのですけれども、この移転、説明書では七棟というふうにありますが、合計四十三億一千四百万円と。このうち、そのほぼ六割方、ですから、半分以上を占めるのがJダイナーという、わかりやすくいえば、前のJRの子会社の日本食堂の建物だというふうに聞いております。それが大体二十四億円ぐらいかかるそうですけれども、この補償費について、中身は細かく聞きませんけれども、かなり手厚い補償になっているのじゃないかという感じがするということを、ここではいっておきたいと思います。
 それで、その次の地下構造物なのですけれども、私も現地に行ってずっと中を見せてもらったのですけれども、巨大な構造物がつくられている。聞きますと、地下鉄が下を通っていて、そのわきの道路だとか、それから歩道だとか、その地下を車が通る道路だとか、それから広場だとか、まあ本当にびっくりするような構造物に見えましたけれども、なぜあんなものが必要なのか。一体、あの地下構造物という、あれは大体どれぐらいかかるものなのか。ここでは補正で二百十二億七千万円となっていますけれども、この辺のところはどうですか。

○岩永区画整理部長 地下構造物ですが、これは、地下歩行者道、地下車路、地下鉄大江戸線の汐留駅、それから新交通「ゆりかもめ」の基礎部など、一体的に、しかも、この限られた空間に整備するということで進めております。このうちの地下歩行者道につきましては、新橋から地区内に歩行者を安全かつ円滑に移動させる、さらに、建物の周囲に整備される地下広場と一体となりまして、ゆとりと潤いのある歩行者空間を提供するということで整備を進めているものでございます。また、地下車路ですが、地区内迂回交通の減少や、この地区に入ってきます車の駐車場を探すために生ずる交通渋滞の減少などを目的としております。両者とも都市計画で定められておりまして、この汐留地区のまちづくりにとって極めて重要な都市施設であると、このように考えております。
 全体の事業費でございますが、区画整理事業で負担する構造物の事業費は約三百四十億円を見込んでおります。

○東委員 いろいろいわれましたけれども、「ゆりかもめ」だとか、大江戸線だとか、そういう駅やホームと一体化したもので、地下の車道があったり、それから歩行者道があったりと、とにかく行ってみてびっくりしますよね。合計三百四十億円だというお話です。私、行ってみて、つくづく思ったのですけれども、この区画整理事業というのは、こういう大都市の場合は、密集した市街地などを、防災とか、あるいは生活環境改善というために、区画を整理して、それで道路や公園を配置して住みやすい町をつくるというのが、もともとの私は事業の目的だと思うのです。しかし、あの汐留の区画整理事業に行ってみると、最初に申し上げたように、まさに大企業のための、松下電工や鹿島や、さっきいったところですけれども、日本の中でもトップクラスの大企業のためのまちをわざわざ東京都がかんで創設してやると。更地だったのですから、もうそれ以外の何物でもないということを強く感じました。
 それで、事業費は、全体としては保留地の処分で賄うのだと。土地を歩切りをやって、その土地を処分して賄うのだから、税金の持ち出しはないというふうにいつもおっしゃるわけですけれども、しかし、現に行ってみて、例えば、東京都の職員の人が何人も行っていますよね。では、あの職員の人件費はどうなのかと、あの事務所にかかる費用はどうなのかと、こういう問題もあるし、それから、あの地下道路ができたら、恐らく、電気代だけで僕は莫大なものだと思うんですね、この都庁舎だって年間随分かかるというふうに聞いていますけれども。そうすると、地下の道路の維持管理費だとか、そういうかかる費用なんかは一体だれが出すのか。現地で聞いたら、それは道路だから東京都が持つようになりますというお話でしたけれども、これ結局、税金ですよね。だから、その区画整理と、聞こえはいいけれども、大企業のためにああいう本当に巨大な地下構造物まであるまちをつくってやって、そして、そのためのいろいろな、さっきいった進める費用、それから、それを維持管理する必要、こういうものは全部、都民の持ち出しになると思うのです。
 私は改めて感じましたけれども、いろいろ土地が入り組んでいて、そして建物があって、それを整理するということではなくて、更地をああいうふうにしたわけですから、私は、もともとは、こういう企業に必要であったら自主的にやらせればいい事業ではないかということを強く感じました。そういう点から、あの区画整理事業については、かなり進んできているので今さら中止ということもできないと思うのですけれども、私は、やっぱり公費負担を最小限に抑える努力はすべきだということを特に強調しておきたいと思います。そして、私たちとしては、この区画整理の補正予算をそのまま認めることはできないということを申し上げて、質問を終わります。

○倉林委員長 ほかにございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 なければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認めます。本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。

○倉林委員長 これより住宅局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 菊田住宅政策担当部長は、病気療養中のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承を願います。
 契約議案の調査を行います。
 第百四号議案及び第百五号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 ご発言願います。

○町田委員 それでは、二、三お伺いしたいんですけれども、今回、都営住宅がそれぞれ二つ契約案件で出ているのですが、この中で、予定価格を示した中でのいわゆる指名競争入札ということで、両方とも、この資料を見ますと十三者によって行われたということです。最終的にこの契約金額が決まったということなのですけれども、ただ、この資料を係数的に見てみますと、予定価格に対して、それぞれの案件でこの落札に対する価格の比率というものが大分違うのかなというんですが、これはいわゆる落札率で見たとき、それぞれ何%ぐらいになるのですか。

○清水総務部長 まず、町屋六丁目の工事でございますが、いわゆる落札率は九九・四%となっております。また、東大和向原の工事でございますが、七五・四%でございます。

○町田委員 それぞれそういった比率が示されたわけですが、これは、住宅局で事業計画に基づいて最終的に発注して、業者を決めて、それで、決まった業者が工事を行って都営住宅が建てられるわけですが、ただ、都営住宅の場合、非常に本体工事の金額が大きいために、最終的にはこういった契約事項を財務局が扱う形になっております。この辺の扱う、いわゆる契約手続の事務の流れというのですか、これはどんな形で流れているものか、教えていただきたいと思います。

○清水総務部長 建築工事の場合でお話ししますと、八千万円以上の工事につきましては財務局で契約を行うこととなりますが、その際の一般的な手続でございますが、まず、住宅局におきましては、設計図書等に基づきまして工事契約目途額を積算いたしまして、それをもちまして財務局に契約の締結を依頼いたします。財務局におきましては、工事発注予定を公表しまして入札の参加希望者を募集し、この入札希望等に基づきまして、業者を選定しまして入札を行います。入札結果に基づきまして、業者と工事請負契約を締結することになります。

○町田委員 最近、それぞれ業界が大変厳しい状況にあるということは、いろんな場面でお聞きするのですが、ただ実態として、私の地元の八王子で、大谷石川団地におきましても、実は、経営不振によって工事の続行ができなくなってしまったために入居がおくれてしまったという、このようなケースがありまして、一昨年度などは、逆に、もう既に入居が決まっておったのですけれども、おくれてしまって、九月に入れるのが十二月になってしまって、生活設計上困ってしまったよという、こんなような相談も具体的に私どもは受けたこともあるのですが、実際に工事途中で業者が倒産したときの残りの工事というのはどういう形で行われるのですか。

○清水総務部長 工事期間中に請負業者が倒産などの理由で工事の続行が不可能となりました場合は、まず、当該業者との契約を解除いたしまして、工事の出来高を検査、確認しまして、清算行為を行います。残る工事につきましては、契約目途額を積算いたしまして、改めて指名競争入札により、また、状況によりましては随意契約によりまして、別の業者と契約を行います。

○町田委員 確かに、事業を進めるのは住宅局で行いますけれども、最終的には大きな金額になると財務局という、こういった局が違う扱いになってしまうということもありますけれども、最終的に入居されるのは都民でありますので、ぜひ、そういった面では、入居される都民の方にご迷惑がかからないような形で、今後も都営住宅の建設あるいは建てかえ等につきましては積極的に進めていただけますよう要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

○倉林委員長 ほかにございませんね。--ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議ない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○倉林委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百十一号議案及び第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、住宅局所管分を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 ご発言願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅局関係を終わります。

○倉林委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第八十九号議案、第九十号議案、第百十一号議案、第百十三号議案、第百十五号議案、第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設・住宅委員会所管分、第百十九号議案及び第百二十号議案を一括して議題といたします。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○藤岡委員 第百十六号議案につきまして、意見を述べたいと思います。
 住宅局関係については、都営住宅建てかえ、スーパーリフォームや、エレベーター設置など、こうした都民要求に沿ったもので、賛成をするものであります。しかし、建設局並びに多摩都市整備本部関係につきましては、意見を申し上げます。
 一つ、まず、国直轄事業負担金についてでありますけれども、補正予算額が二百二十五億円、当初予算との合計は四百九億六千万円ということになっており、年々ふえ続けてきている。この三年間は四百億円以上の負担で推移をしているわけであります。質疑でも明らかになったように、直轄事業の事前にも事後にも、事業内容や必要性で国の説明も都との協議も不十分であり、積算根拠もあいまいになっております。しかも、環境破壊と住民の反対の強い圏央道や、財政危機の元凶である臨海副都心開発促進のための湾岸道路、事業自体に疑問も出されておりますスーパー堤防、こういった内容になっております。自然を壊す公共事業の見直しが叫ばれているとともに、いずれも財政難の中で緊急な景気対策だとして行っていく必要があるとは決して考えられるものではありません。国の進める大型公共事業こそ見直しを行っていくべきであり、都は国に対して、直轄事業は廃止するよう求めていくべきであります。
 二つ目に、汐留区画整理についてであります。この事業は、旧国鉄跡地を利用して、国と都、一体となって進める大企業本位のまちづくりであり、臨海副都心と都心部との結節点だということですが、このことは一極集中をさらに推進するものであり、我が党は、かねてより一貫して反対をしてまいりました。今回の補正では、地区内の企業本社ビルなどを連絡する三層にも及ぶ巨大な地下構造物築造費がその中心を占めております。まさに、大企業のための事業でしかないわけであります。財源としても、保留地処分金を充当するとしていますが、今後、都民の税金である一般財源投入も進められていくことになるわけであります。こうした事業については到底容認できるものではないわけです。
 三つ目です。街路整備についてです。建設局関係では調布保谷線、そして、多摩都市整備本部関係では南多摩尾根幹線、こういった幹線道路の用地買収となっており、住民にも強い反対があり、景気対策としても即効性があるとは決して思えません。緊急に必要な街路整備、それは、交差点すいすいプランや、だれもが安心して歩行できる歩道の補正予算を組むなら、まず、こうした生活密着型の整備を進めるべきであります。
 以上の理由で、百十六号議案につきましては反対をします。
 次に、第百二十号議案について意見を申し上げます。
 この議案は、環状二号線地区市街地再開発用地の移転補償予算であります。この事業自体、汐留区画整理事業と密接につながっており、臨海副都心と都心部の大動脈として環状二号線を整備し、一帯を巨大な再開発をしていこうというものです。五十年来、私権を制限されてきた小規模な権利者を追い出し、大規模な権利者に都合のいい大型再開発となっているわけであります。こうした事業は、都債に依存する事業ともなっております。したがって、第百二十号議案についても反対をいたします。
 以上です。

○倉林委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設・住宅委員会所管分を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○倉林委員長 起立多数と認めます。よって、第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設・住宅委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百二十号議案、平成十二年度東京都市街地再開発事業会計補正予算(第一号)を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○倉林委員長 起立多数と認めます。よって、第百二十号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第八十九号議案、第九十号議案、第百十一号議案、第百十三号議案、第百十五号議案及び第百十九号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認めます。よって、第八十九号議案、第九十号議案、第百十一号議案、第百十三号議案、第百十五号議案及び第百十九号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時散会

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