建設・住宅委員会速記録第十七号

平成十二年十二月十一日(月曜日)
午後一時五分開議
 出席委員 十三名
委員長倉林 辰雄君
副委員長竹下 友康君
副委員長東ひろたか君
理事谷口 卓三君
理事三原 將嗣君
理事田島 和明君
町田てるよし君
福士 敬子君
小礒  明君
沢西きよお君
藤岡 智明君
小竹ひろ子君
土持 正豊君

 欠席委員 一名

 出席説明員
住宅局局長戸井 昌蔵君
次長三上 雅之君
総務部長清水  巖君
住宅政策担当部長菊田 利春君
連絡調整担当部長渡利 紘司君
開発調整部長小関 尚久君
区市町村調整担当部長井上 克彦君
参事三浦 靖夫君
建設部長青木 治道君
建設推進担当部長高橋  勝君
管理部長石橋伸一郎君
管理制度改善担当部長阿部  亨君
営繕担当部長小林 計代君
不動産業指導部長今井 浩司君
多摩都市整備本部本部長田原 和道君
建設監勝田 三良君
管理部長長野  宏君
企画推進担当部長二ノ宮 博君
建設計画部長山崎 俊一君
建設局局長古川 公毅君
次長有手  勉君
道路監石河 信一君
総務部長森澤 正範君
用地部長稲熊 明孝君
道路管理部長磯邊 武一君
道路建設部長小峰 良介君
公園緑地部長中田 勝司君
河川部長高本 正彦君
再開発部長梶山  修君
区画整理部長岩永  勉君
企画担当部長小島 信之君
総合調整担当部長安藤  明君
道路保全担当部長鈴木  進君
道路計画担当部長柿堺  至君
公園管理担当部長平井 和之君
参事市原  博君

本日の会議に付した事件
 住宅局関係
  契約議案の調査
  ・第二百九十六号議案 都営住宅十二H-一〇四北(村山)工事請負契約
  ・第二百九十七号議案 都営住宅十二H-一〇六北(村山)工事請負契約
  付託議案の審査(質疑)
  ・第二百七十八号議案 平成十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、債務負担行為 住宅局所管分
 多摩都市整備本部関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第三百五号議案 東京スタジアムの買入れについて
 建設局関係
  契約議案の調査
  ・第二百九十八号議案 戸吹トンネル(仮称)整備工事(その一)請負契約
  ・第二百九十九号議案 神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設工事(その四)請負契約
  ・第三百一号議案 高砂橋鋼けた製作・架設工事請負契約
  付託議案の審査(質疑)
  ・第二百七十八号議案 平成十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費 建設局所管分
  ・第三百六号議案 都道の路線の廃止について

○倉林委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅局、多摩都市整備本部、建設局の順序で、契約議案の調査及び付託議案の審査を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略をいたします。

平成十二年十二月八日
     東京都議会議長 渋谷 守生
建設・住宅委員長 倉林 辰雄殿
契約議案の調査について(依頼)
 このことについて、左記により財政委員長へご報告願います。
  記
1 調査議案
 第二百九十六号議案 都営住宅十二H-一〇四北(村山)工事請負契約
 第二百九十七号議案 都営住宅十二H-一〇六北(村山)工事請負契約
 第二百九十八号議案 戸吹トンネル(仮称)整備工事(その一)請負契約
 第二百九十九号議案 神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設工事(その四)請負契約
 第三百一号議案 高砂橋鋼けた製作・架設工事請負契約
2 提出期限 平成十二年十二月十二日(火曜日)

○倉林委員長 これより住宅局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百九十六号議案、都営住宅十二H-一〇四北(村山)工事請負契約及び第二百九十七号議案、都営住宅十二H-一〇六北(村山)工事請負契約を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取してあります。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○清水総務部長 去る十一月二十九日の当委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料1、建設・住宅委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をお開き願います。村山団地第二期工事概要でございます。
 工事場所、交通機関などのほか、第二期工事区域の棟数、戸数や棟別の概要を記載しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、ご要求のありました資料についてのご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○小竹委員 今回、二件の契約議案は、村山団地の建てかえ工事となっています。都営住宅の建設促進の立場から伺いたいと思います。
 二つの工事は、建設の住宅戸数や工事の規模などについてはほぼ同じ条件ですけれども、契約金額が大きく違っています。一〇四北工事で見ますと、予定価格の九九・三%で、一戸当たりの単価は、く体工事について、消費税を除くと九百五十万、二つ目の一〇六北工事については、予定価格の八〇・八五%、最低制限価格すれすれですけれども、一戸当たりの単価は七百四十万というふうになっております。二百万以上の開きがあるわけですけれども、なぜこんなに、一戸当たりで二百万もの単価の差が出るのかというのが、私は率直にいって疑問を持っているんですけれども、単価にこれだけの差があって支障がないのかどうか、その辺、発注者としての認識をまずお伺いしたいと思います。

○青木建設部長 二件の落札結果でございますけれども、各案件ごとに入札をいたしました各業者が適切な見積もりをした結果だというふうに認識しております。
 したがいまして、おのおの工事内容を十分理解の上、今後、施工していただけるというふうに認識してございます。

○小竹委員 一戸当たりで二百万の開きというと、物すごく大きな差が出てくるんじゃないかと率直に思うんですよね。私、素人ですから正確にはわかりませんけれども、同じ村山団地の一期工事の中で、ことし三月から入居されている一一〇一号棟なんですけれども、私、入居が始まって数カ月たったところで、ちょうどことしの夏、この号棟を訪問したときに見ましたらば、廊下側の壁面のところにもう既にクラックが入っていたんですよね。その後、ここの住宅では、廊下部分やベランダのところで、雨がそこのところから降り込むような状況になっていたというふうなことが、現場の方からお話を伺いました。それから駐車場では、雨水の排水が悪くて水浸しになるような状況も建設直後に起きたというふうなことなんですね。
 こういう点でいうと、これだけの単価の差というのは、場合によっては、安かろう悪かろうというふうなことにもなりかねないんじゃないかというふうに思うんですが、その辺について、再度、大丈夫なのかどうかという点、お伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○青木建設部長 再度のご質問でございます。先ほど申し上げましたように、適切な見積もりの結果の入札結果だというふうに認識しておりまして、これまでも、落札率が低いからといって悪い建物、不良な建物なり工事になっていたというような結果にはなっていないはずでございます。
 いずれの案件につきましても、検収課の完了検査を受けて私どもに引き継がれたものでございますので、一部瑕疵等がございましたら、瑕疵担保の期間については、業者の責任でしっかりと責任を持って補修をしているところでございます。

○小竹委員 大丈夫だということですから、それ以上は申し上げませんけれども、でき上がった直後はそんなに支障はないはずだと思うんですね。それが、直後からいろいろな問題が起きるということ自身、それから耐用年数の期間内に問題が起きないかという疑問もありますので、そういう点では、きちんとチェックもしていただくということは重要だというふうに思いますので、その点は強く指摘をしておきたいと思います。
 先ほど、資料でもお出しいただきましたけれども、村山団地の二期工事については、今回、議会に契約議案として出されているのは一号棟と三号棟の二つですけれども、そのほかに四棟建てるということで、全体で六棟あるということがこの資料でも明らかになったわけですけれども、今、予定価格を公表するということで、七億円以上については予定価格を公表して、七億円から九億円までについては低入札価格調査制度を本格的に実施するというふうなことも出されておりますし、七億円以下についても試行でやるというふうなことが出ているわけですけれども、残りの四棟についてはどういうふうになるのか。それと、ローアーリミットを割る、最低制限価格を割った低入札という場合に、どのように対応していくのか、その点についてお答えください。

○青木建設部長 残り四件でございますけれども、先ほどの資料にございます二号棟の七十一戸の住棟につきましては、予定価格公表の対象になってございます。
 また、低価格入札ということで工事受注があった場合というお尋ねでございますけれども、先ほども申し上げましたように、過去の事例を見ますと、落札比率に比例して建物がよかったり悪かったりということは必ずしも一概にいえないわけでございますが、工事監督に当たりましては、工事が円滑に、かつ適正に施工されるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。

○小竹委員 低入札の場合には、落札業者を呼んでいろいろ調査をして発注というふうになると伺っているわけですけれども、既に昨年度の低入札価格調査制度の試行段階で、都営住宅の建設は七二%の落札率でやられている工事が行われているわけですね。今回の場合も、予定価格の公表が二号棟一件ということですから、本格実施の対象になるところなんだというふうに思うんですけれども、予定価格が実際上三割も割られるような落札になると、本当に、先ほどいったような問題についても危惧しなければならない状況になるのじゃないかというふうに思うんですね。
 今、中小企業全体で見ると、七割が赤字企業といわれていて、特に中小の建設業界は深刻な状況で、全体の倒産の二割を占めているのが建設業界なんですね。大手がダミー会社をつくって仕事を確保するということで、ダンピングが非常に激しくなっているというのを聞いています。低入札価格制度の発注金額が中小企業の参入分野に行われるということでは、中小建設業者の仕事自身ができないような状況にもなりかねないという点では、こういう低入札価格については、私どもは導入すべきでないという意見を申し上げておきたいというふうに思います。
 この価格ダンピングの陰に、今、特に建設関連産業で働く方々の人件費が削減されているという問題が起きています。また、そういう職人がいなくてやる、事務所だけの企業が仕事を受けて、丸投げをするというふうな事態も起きているというふうに関係者から伺っているわけですけれども、そういう意味では、本当に下請をする中小建設業者の方々が悲鳴を上げる状況になってきています。低廉な工賃、そして福利厚生費をカットして下請に押しつけてくるという点では、重大な問題が発生している状況にあると考えられます。
 来年からは、国の方で、公共事業の入札及び契約の適正化の促進に関する法律というのが出されますけれども、この法律に基づけば、丸投げの禁止、それから受注者に対して施工体制台帳の提出を義務づけていますけれども、人件費などが適正な金額で下請されているかどうか、そういう点で、チェックするということでの役割は果たすというふうに思うんですが、その辺についての認識はどのようになっておられますでしょうか。

○青木建設部長 ご指摘の公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律でございますが、十一月末に公布されたばかりでございます。法律の施行される段階までに、法令等整備する必要があろうかと思います。その整備が終わった段階、また、東京都のガイドライン等が整備された段階になりましたら、それに基づきまして適正に対処してまいりたいと思っております。

○小竹委員 法整備は当然必要だというふうに思うんですけれども、やはり今、建設業界でこういうふうにいろいろな問題が起きているという点でこのような法律もつくられてきているんだと思いますので、その意味では、もう既に十一月末に公布されているということですから、やはり村山団地の工事等についても、きちんとその法の精神に従って対処していただくように、強くお願いをしておきたいと思います。
 価格のダンピングについては、既にちょっと前までは人件費が中心だといわれていたんですけれども、最近の話ですと、工事の材料についてもダンピングして押しつけてくるというのが現実の問題として起きているというふうな状況を伺っています。そういう点では、特に低入札の契約などについては、そういう影響が直接的に出てくるのじゃないかというふうに私は危惧をしているんですけれども、工事監督上のチェックなどはどのようにしていこうとされているのか、その点についてお伺いをいたします。

○青木建設部長 私ども、工事監督に当たりましては、仕様書並びに工事の設計図等に基づきまして適切に工事が行われるよう十分目配りし、対応しているところでございます。
 したがいまして、今後とも、不良な工事が行われないよう、適切に対応してまいりたいと思っております。

○小竹委員 いずれにしても、これだけ価格ダンピングが起きると、中小企業の仕事を中小企業がやれないような状況にも追い込まれかねないというふうに正直思うんですね。そういう点では、ぜひきちんと中小企業が仕事が成り立つような状況は、東京都として確保するというのは大前提になるというふうに思うんですが、村山団地のこの六棟については、それぞれく体工事は分割、そして電気設備だとか給排水や外構工事については分離発注をされるというふうに伺っていますけれども、今後とも、この分離分割発注は維持していくべきだというふうに私たちは考えているんですけれども、その点についての見解をお伺いいたします。

○青木建設部長 私ども、従来から、工事の発注に当たりましては、分離分割発注やJV方式など、中小企業の受注機会の確保を基本として行ってまいりました。
 今後も工事発注に当たりましては、現場の施工性、安全性など技術的な検討やコスト縮減の観点を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと思っております。

○小竹委員 先ほども申し上げましたけれども、今、特に中小の建設業界では、本当に仕事がない、価格ダンピングによる大変な状況が強いられる事態に直面しています。そういう点では、受注機会の確保という観点からも、今後とも、引き続き積極的に分離分割発注を進めていただくように強く求めて、質問を終わります。

○倉林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]

○倉林委員長 ご異議なしと認めます。
 本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]

○倉林委員長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○倉林委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百七十八号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、債務負担行為、住宅局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取してあります。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言をお願いいたします。
[「なし」と呼ぶ者あり]

○倉林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]

○倉林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅局関係を終わります。

○倉林委員長 これより多摩都市整備本部関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第三百五号議案、東京スタジアムの買入れについてを議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取してあります。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○長野管理部長 去る十一月二十九日の当委員会においてご要求のありました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしてございます建設・住宅委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をお開きいただきますと、四件の資料の目次がございます。
 初めに、一ページをお開きください。東京スタジアム建設の経緯についてでございます。
 東京スタジアムの建設につきましては、調布基地の返還に伴う跡地利用の取り組みについて協議するために、調布基地対策連絡協議会、いわゆる六者協が結成され、跡地利用計画の合意がありましたことから建設が具体化し、第三セクターの株式会社東京スタジアムによって建設されたもので、本年十月に竣工、来年三月に開業を予定しております。
 なお、昨年九月に建設・運営方式の変更を行っておりまして、方式変更の理由を下にお示ししてございます。
 次に、二ページをお開きいただきたいと存じます。東京スタジアムの建設に係る総事業費とその財源等についてでございます。
 まず、競技場等の総事業費は約三百七億円でございます。財源は記載のとおりでございます。また、外構の整備費は、十一年度実績及び十二年度予算を合わせますと九億円となっておりまして、財源はすべて都費でございます。
 次に、三ページをお開きください。東京スタジアムの買い入れに係る財政支出の見込みについてでございます。
 平成十二年度は予算額を、十三年度から三十二年度までは、本年第一回の定例会で議決をいただきました債務負担行為の額を記載しております。それらを合わせますと、都の支出見込み額は約三百六十六億円となります。
 次に、四ページをお開きください。東京スタジアムの事業計画及び収支見込みについてでございます。
 まず、事業計画ですが、日数は年間百日の使用を予定しております。入場者数は、平成十三年度が八十万五千人、十五年度以降が百十五万人を予定しております。
 また、収支見込みにつきましては、平成十三年度が一番下の損益収支の欄にありますように四億一千六百万円の損失、十五年度が一億一千万円の損失、十八年度が二千九百万円の利益となっております。
 以上、甚だ簡単でありますが、ご要求のありました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 ご発言をお願いします。

○藤岡委員 サッカーの人気というのは、一時の熱狂ぶりというのは少し冷めたという状況にはあるんですけれども、国民の中に、サッカーを非常に愛好するというか、サッカーファンというのは定着してきていると思うんですよね。今月の九日にも、国立競技場でJリーグのチャンピオンシップが行われたところで、四万五千人の観衆というふうに報道されておったようですけれども、こうしたことが、多摩の地域にサッカー場として建設されると。東京スタジアムが建設される、そして十月完成ということで、来年度からオープンしていくということなんですけれども、このことは、本当に地元にとってみれば、多摩地域のスポーツの振興、そしてスポーツだけではなくて多摩の振興につながっていくということでは、期待は集まっているというふうに私は考えるところもあるんですよね。
 そういうところから若干質問をしていきたいんですけれども、本日提出をいただきました資料の四ページ、この中に東京スタジアム事業計画というのが出ておりますけれども、入場者数が二〇〇一年で八十万五千人、それから二〇〇三年度以降で百十五万というふうに踏んであるわけですけれども、そのうちでメーンのプロサッカー、これについて見るならば、二〇〇一年が三十七万一千、二〇〇三年以降が五十三万ということになっているんですけれども、この積算の根拠といいますか、これはどうなっているのか伺いたいと思います。

○長野管理部長 プロサッカーの入場者数等のお尋ねでございますが、プロサッカーにつきましては、FC東京と東京ヴェルディ1969のダブルフランチャイズということになりましたために、リーグ戦が二十六日、カップ戦が八日、その他の試合が二日で、合計三十六日の開催を見込んでおります。
 また、入場者数につきましては、平成十五年度の見込みで、リーグ戦が一試合平均一万五千五百人、カップ戦が一万三千人の入場者数を想定して積算しております。

○藤岡委員 そういう積算にはなっているということですけれども、私、Jリーグの一試合の平均観客数というのをちょっと調べてみたんですけれども、一九九三年から今年度、二〇〇〇年、これを比較してみますと、Jリーグ全試合では、観客数というのは六一・六%に減ってきているということがあるんですね。一九九三年が一万七千九百七十六人、二〇〇〇年度が一万一千六十五人。それで、ちなみに国立競技場の方の観客平均はどうかということも見たんですけれども、これが三〇%ぐらいにはなっているんです。国立競技場が五万一千八百二人から一万七千二百四十二人。
 先ほどいわれたように、二〇〇三年度以降は一万五千五百人ですか、そういう観客動員数を見込んでいるということですけれども、この数字というのは決して甘い数字ではないと思うんですよね。かなり抑えた数字になっているんだというふうには聞いているんですけれども、かなり力を入れないと、この一万五千五百というのは動員できないのじゃないかというふうに、私、こういう結果から考えているんです。そういうところでは、動員観客数等についても決して甘いものではないということを、ここで指摘をしておきたいというふうに思います。
 それから、二つ目の質問なんですけれども、このスタジアムは、多目的競技場、総合競技場という位置づけになっているわけですけれども、当初は、陸上競技のトラックは整備されていないということになっております。そういうこともあって、使用する日数が年間に百日が限界と。利用率といいますか、そういうことでいうと、年間三分の一しか回転しないということがいえるんですよ。
 したがって、私は、総合競技場ということであるならば、陸上競技場としての機能を備える、そうした整備というのも必要だと思われるんですけれども、こうしたことについてはどういうふうな計画がなされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○長野管理部長 東京スタジアムは、多摩地域のスポーツ振興の拠点といたしまして位置づけておりますので、陸上競技も重要な競技種目であると認識をしているところでございます。しかし、現段階では、第一種公認陸上競技場としての認定要件となっている補助競技場の建設というものが凍結をされておりますために、当面は陸上競技用トラックの上に人工芝を敷き、有効活用を図ることとしているものでございます。

○藤岡委員 トラックに人工芝を敷いて有効活用をしていくということですけれども、将来、多摩国体などがあった場合に、競技場を整備していく場合、地元ときちんとした協議が行われない形で進められるというのが、大変地元にとっても不安なところだと思うんですよ。だから、その辺については、ぜひ地元市ともきちんと協議をして、その協議が調った上で、こうした総合競技場としての整備を行っていくということを進めていただきたいというふうに要望しておきます。
 それから、今回のこの東京スタジアム買い入れに当たっては、きょうの資料でもわかるんですけれども、建設借入金が二百四十八億円、これに消費税相当額がついて、議案に出されているように二百六十億四千万ということになっているわけです。それに二十年間の利息、これを合計すると約三百六十六億円の都財政負担というふうに説明がありました。
 さらに、これまで、株式会社東京スタジアムに対する出資金が三十五億円出されている、それから外構工事に九億円、民活補助金、これは国と東京都が出すということですけれども、これに七億円を支出しているわけですから、これらを合わせますと四百十七億円の都財政負担ということになるわけです。
 そうした財政負担の中でも、私は、二十年分割の利息が百六億円になるというのは非常に大きな問題ではないかなというふうに考えているんですけれども、利率というのは何%を想定してこういう結果になっているんでしょうか。

○長野管理部長 借入金の想定利率につきましては、当初を年二・七五%、その後五年ごとに〇・五%アップいたしまして、最終的には四・二五%の変動金利ということになっております。二十年間の平均金利は、年三・五%ということで想定をいたしております。

○藤岡委員 この利率の想定について、ちょうど一年前の事務事業概要の質疑のときにも我が党の村松議員の方から質疑があって、同様の答えが出ているんです。この一年間で、その利率を銀行と交渉をする、低金利の融資にしてもらうというふうな交渉が当然必要ではなかったかと思います。都財政の負担を軽減させるという点からも、この辺の検討があってしかるべきだったのではないか、交渉がなされてしかるべきではなかったのかというふうに思うのですけれども、それについてはいかがでしょうか。

○長野管理部長 ただいま想定利率と申し上げましたのは、債務負担行為の額を積算するために、金利の上昇あるいは安全率というものを見込んで設定をしたものでございまして、実際の利率につきましては、現在、銀行団と協議をしているところでございまして、より低くしていただくという努力はしてまいります。

○藤岡委員 都債ですと、利率が一・八%とか一・九%というふうにいわれているんですよ。今回のこの買い入れ計画のもとですと、最終的な利率、これは都債の場合と比較すれば二倍以上にもなっているし、平均三・五%ということであるならば、かなり高い利率になっているのではないかなということがあるわけで、本当に都民の税金を使うわけですから、この辺については、きちんと低金利の利率融資をしていくように、銀行団と協議中ということでありますけれども、この金利協議を進めていくべきではないかというふうに思います。
 東京スタジアムの出資比率から見ても、金融機関十八行で二七・五%、二十六億五千七百五十万円の出資金を出しているわけですから、やはりそれだけの責任を金融機関にもきちんと持ってもらうと。第三セクターとして、破綻という言葉はよくないんですけれども、建設ができなくなったという状況があるわけですから、そうしたことについては責任を果たさせていくべきではないかということを強く求めておきます。
 それとあわせまして、スタジアムの運営管理に当たる株式会社東京スタジアムの収支見込みについてなんですが、資料によりますと、二〇〇六年度で、つまり開業六年目で単年度黒字という見込みになっているんです。それでは、二〇〇一年度までの累積損失、これは幾らぐらいあって、その損失解消、いつごろ解消できるのか、そのめどはどうなっているのかについてお伺いします。

○長野管理部長 株式会社東京スタジアムの開業初年度でございます平成十三年度の累積損失は、約二十億円が見込まれております。また、累積損失は開業後三十一年目の平成四十三年度に解消するものとの試算をしております。

○藤岡委員 三十一年先にこの損失が解消される、非常に気の長い話というか、気の遠くなるような話なんですけれども、そうしたもとでこの計画が計画どおりに進まない場合、第三セクターがまさに破綻するというようなことになった場合、そうした場合に、一体どうなっていくのかというのは大変な不安材料として横たわっているわけです。筆頭株主が東京都ということで、東京都がその責任をがっぽりかぶって都財政負担をさらにふやしていくとか、あるいは肩がわりをしていくとか、そういうことにもなりかねないのじゃないか、大変心配されるところなんですね。
 また、地元の三鷹とか調布、府中、これらの市にとってみれば、自治体にとってみれば、東京都が手を引いてしまうのじゃないか、そうなれば財政負担が自分たちの地元にかかってくるのではないか、こうしたことを常に不安として抱えているという状況になると思います。こういう問題について、都としては、責任を持って都財政の負担、自治体へのさらなる負担、これはやらないというふうにいい切れるのかどうか、この点についてお答えいただければと思います。

○長野管理部長 大きく二点のお尋ねがあったように思われます。
 まず、第一点目は、もし収支見込みどおりに運営が行われなかった、あるいはまた、会社が破綻をするような状態になった場合どうなるのかというお話でありましたが、東京都といたしましては、会社とも十分に連携を図りまして、収支見込みを必ず達成いたしますよう全力を挙げるつもりでありますので、ご理解のほどをお願い申し上げます。
 また、地元の皆様の不安等に対してのお尋ねがございましたが、株式会社東京スタジアムの経営見通しにつきましては、先ほどもご指摘がありましたように、開業後六年目に単年度黒字を達成し、その後は経営が安定するという見込みをしておりまして、地元市に負担をいただくということは考えておりません。経営につきましては、会社の努力と責任において行われるわけでありますが、東京都といたしましても、イベントの誘致など、側面からの協力を積極的に行ってまいりたいと考えております。

○藤岡委員 東京都の財政負担、肩がわりをするようなことはないんだ、それから地元の負担は考えていないという答弁ではないかと思うんですけれども、やはり側面支援をしていくということで、東京都が主催をするイベント、そういったことに偏ったりするようなことも今後考えられるのではないかということも、ちょっと今感じたんですよね。したがって、そういうことについても、財政負担のさらなる増、これを招くような支援の仕方というのは慎んでもらいたいというふうに思っております。
 こうした立場を本当にしっかりと守っていくということと同時に、出資者であり融資元でもあります金融機関、これを含めて、先ほど来出ておりました企業の責任をしっかりと果たす、そうした経営が今徹底されるということが何よりも必要なのではないかなというふうに私は考えているんですけれども、このことを強く求めまして、質問を終わります。

○福士委員 私の方も、少し重なるようなニュアンスのところもありますが、確認の意味も含めて、ちょっと違う観点もありますので、質問させていただきます。
 このスタジアムの建設については、ワールドカップの公認キャンプの候補地として立候補しているわけですが、立候補を表明している四十三都道府県、八十三カ所は、ほとんどが市民が普通に利用できるようなレクリエーション施設や体育施設を提供しているところが多いわけですね。それだと、誘致のメリットというのは理解できるのですけれども、これだけの、五万人規模の大きな巨大スタジアムをキャンプに提供するメリットがどの辺にあるのかなという疑問があります。ワールドカップの開催地ではないわけですから、むしろ負担の方が大きいかもしれないという思いもありまして、東京スタジアムは、通常のとおり営業して売り上げを上げた方がいいのではないのかなというのがあるんですが、キャンプ地としてはどのような負担をすることになるのか、その辺あたりもちょっとお伺いをしておきたいと思います。

○長野管理部長 公認キャンプ地につきましては、地元市民の招致に向けての活動、あるいは調布市の地域の活性化や国際交流の推進に向けました積極的な取り組みにこたえますとともに、東京スタジアムの知名度が高まることによる経営面でのプラス面等を判断に入れまして、立候補したというものでございます。
 また、キャンプ地になることによりまして、会社は施設の提供及び維持管理を行うということになりますが、実質的な負担はないものと考えております。

○福士委員 じゃ、通常の営業よりも知名度が上がるというふうにとらえていらっしゃるわけですね。で、実質的プラスがあるという考え方でいいのかどうか、今後見させていただくしかないわけですが、キャンプとJリーグの調整というのはついているのでしょうか。

○長野管理部長 キャンプとJリーグとの調整というお尋ねですが、詳細は明らかではありませんけれども、二〇〇二年のJリーグの試合は、ワールドカップ開催期間を避けて日程が決められると聞いております。

○福士委員 多摩国体決定の経緯なんですけれども、これは陸上トラックの整備をしないことを報告した会派あての資料ですが、ことしの三月にいただきました。委員会があった日ぐらいに、ぱっと、うちに帰ったら送られてきた、こんな感じで資料をいただきましたが、多摩国体が平成二十五年に開催予定だというふうにそこには書かれていて、これはどのような経緯で決定したのかお伺いします。

○二ノ宮企画推進担当部長 多摩国体の開催予定でございますが、国体の所管局である教育庁からは、東京での国体の開催が決定したとは聞いておりません。

○福士委員 あの文章を見ると、ほとんどそれに向けてみたいな文章になっているんですよね。皆さん資料をごらんになればわかる話ですから、ここでは申し上げませんが、そうすると、やらない可能性もあるねということになっちゃうんですかね。そうなると、多摩地域振興のためにという目的でこのスタジアムをつくられたわけですけれども、その辺はどうなるんですかね。(「やりますよ、それは。間違いない。」と呼ぶ者あり)頑張っておやりになるんでしょう、いいです。
 では、その辺のところも含めて、今後のことですから、しっかり考えていただくなり何なりしていただいて、東京スタジアムの建設の目的と多摩国体の開催とは、関係市の議会でも、その辺で理事者の説明の中にも出てくるわけですが、この二者の関係について、東京都としてはどのように説明をなさって、また、その根拠となる会議とか資料とかはどんなものがあって、いつのことになるのかというのをお伺いします。

○二ノ宮企画推進担当部長 スタジアムの建設目的と多摩国体の関係でございますけれども、地元市への説明でございますけれども、平成五年十月に開催されましたいわゆる六者協におきまして、東京都より、多摩国体等も開催が可能な施設規模を確保する必要があることなどから、既に提案しておりました土地利用計画の一部を変更することを提案いたしまして、地元市の合意を得てございます。

○福士委員 そうすると、関係自治体はいいということなんですかね。東京スタジアムは陸上競技用のトラックは整備されているけれども、関係自治体に対しては、それではどういう説明がなされたのでしょうか。

○長野管理部長 関係自治体に対しましては、本年の三月、株式会社東京スタジアムが説明を行っておりまして、了承を得たところでございます。

○福士委員 そうすると、特に要望とか申し入れとか何もなくて、すんなり納得していただいたというふうに考えていいんでしょうかね。
 そうなりますと、資料では補助競技場の整備がおくれたことを理由に挙げてこられたわけですけれども、これは、東京都の責任で陸上トラックの設置ができなくなったというふうに考えていいんでしょうか。その基本計画と異なる理由と、それから責任の所在というのはどういうことになるんでしょうか。

○長野管理部長 補助競技場の整備そのものが凍結をされるという東京都の方針を踏まえまして、株式会社東京スタジアムが東京都と協議をした上で、競技場の効率的利用等の観点から、現時点では整備を行わないという判断をしたものでございます。

○福士委員 補助競技場の整備には、では幾らぐらい足りなかったのか、また、陸上トラックをとめると、工事費用というのはどれぐらいお得になったのかというか、その辺のところはどうですか。

○長野管理部長 補助競技場の整備は、整備計画そのものが凍結をされたという経緯でございます。また、陸上トラックを整備する場合には、必要最小限の費用で対応可能な仕様となっております。
 なお、工事費用がどれだけ得だったのかという工事費用の具体的な縮減額につきましては、特に試算はしておりません。

○福士委員 普通だったら、こういう計画があるから大体これくらいのお金がかかりますという積み上げでやるはずですから、本当にそんなことで試算されてないということってあるんですかね。議会と行政側と、そういう細かなことも含めて、なるべくわかる話を本当は教えていただきたいというふうに思います。今回の場合はわからないということですが、それはまた、そのうちに出てくるんですかね。こういうことってあるんですかね、非常に不思議なことだと思います。
 そうしますと、国体のために陸上トラックに改修する必要が出てくるわけですけれども、その改修費用は幾らで、いつ整備するんですかね。それでまた、国体の年にJリーグのリーグ戦と両立できるようになるんでしょうか。

○長野管理部長 まず第一点は、陸上トラックを整備する場合の費用は幾らで、どこが負担するのかというお尋ねでございました。現在、まだ国体の開催自体が決定をされていない段階ですから、トラックの整備費用や負担の方法等につきましては検討の段階にはございません。
 それから、いつ整備するのかという点と、Jリーグ戦との両立ができるのかというお尋ねでございました。
 陸上競技場につきましては、補助競技場の建設の凍結によりまして、当分の間、整備を行わないで、球技関係者からの要望の強い天然芝面を拡大いたしますとともに、陸上競技に必要な基本施設をあらかじめ確保するということにいたしました。ただし、国体の東京開催が決定をいたしまして、東京スタジアムがメーン会場となるという場合には、国体の日程に合わせてトラックを整備することになるものと考えております。
 また、国体の陸上競技開催中、スタジアムをフランチャイズにする二チームの試合というものは、別の競技場で行うことになるというふうに考えております。

○福士委員 そうすると、国体のための陸上トラックを整備する必要がいずれは生じるわけですけれども、その費用は幾らで、どっちが負担することになるんでしょうか。

○長野管理部長 ただいまもお答えをしたかと思いますが、トラックの整備費用あるいは負担の方法等につきましては、現在、まだ具体的な検討の段階にはございませんので、ご理解いただきたいと思います。

○福士委員 だけれども、多分、施設使用契約の締結とかそういうときには、将来、確実に発生する改修費をスタジアムの負担とするのか都の負担とするのかというのは、大体普通だったら、速やかに結論を出して、それで交渉をして計画を進めるんだと思うんですけれども、大枠でも出ないんですか。

○長野管理部長 先ほどご答弁申し上げましたように、具体的な積算というものをする段階にございませんので、現段階では試算をしてないということになります。

○福士委員 今伺ったのは、都の負担にするのかスタジアムの負担にするのか、結論はちゃんと出すべきじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺はどうですか。

○長野管理部長 大変失礼いたしました。スタジアムの修繕費につきましては、これまで、どのように負担をするかということを協議してきたわけですが、このたび、都と会社の協議結果によりまして、会社が資本金から積み立てを行って、会社が負担をするということにいたしました。

○福士委員 将来、確実に発生する改修費というのは、普通、修繕費といういい方をするんですかね。そういう話ではないと思うんですよね。そこはどうなんですかね。

○長野管理部長 修繕費という場合に、私ども、平年度の修繕工事が行われるケースとしましては、室内が破損する、ガラスが破損する、手すりの破損がある、トイレ内の破損がある、細かな問題、あるいは天災等による修繕としては、避雷針を交換しなきゃいかぬとかいろいろなものが出てこようかと思います。それから中規模の改修としましては、空調機能フィルターを交換するとか、フィールド照明器具の一斉交換をするとかということが出てまいりまして、先ほど、修繕費の充当計画が会社側で負担をすることになったと申し上げましたのは、こうしたものを含んでの点でございます。

○福士委員 そうしますと、多摩都市整備本部は、十月二十六日付で株式会社東京スタジアムの社長あてに、本部長名の確認書を出しておられますよね。陸上トラックの設置費用は、確認書で、行わないというふうにしているわけですが、運営費の支援に該当すると解釈しているのか、それとも、陸上トラックの整備は運営費の支援ではないから、都の支援が可能と解釈しているのかどうか、その辺はどうなりますか。

○長野管理部長 陸上トラックの整備費が運営費に該当するかどうかという点につきましては、国体の開催が具体化をした時点で、東京都と会社で別途、協議をして決定することになろうかと考えております。

○福士委員 そういうのって、具体的になる前に、去年の九月の段階ぐらいでわかるべきものなんじゃないんですかね。そうすると、国体の後はまた、改修というのかな、競技場に戻すのか。それから、そういう費用というのはどっちが負担することになるのでしょうか。

○長野管理部長 ただいまお尋ねの費用負担等の問題につきましては、東京都での国民体育大会の開催が決定し、具体的なスケジュールが明らかになった時点で、東京都と会社との間で協議をすることになるものと考えております。

○福士委員 そうしますと、先ほど藤岡さんの質問にも出てましたけれども、やはり都の持ち出しはあるだろうというふうに考えた方がいいんですよね。じゃないですか、協議した結果。そういうことにはならないんですか。

○長野管理部長 ただいま申し上げております、まだ現時点でどのように負担するかということが決まっていない問題につきましては、協議の結果、そのように不測といいますか、国体につきましては、まだ現に、どういうふうにどちらが負担するかということが特に決まっているわけではありませんので、そういうこととか、あるいは不測の事態が発生したような場合には、そのときの協議が行われるということですから、そういう可能性があるかないかという話であれば、可能性としてないというふうには申し上げられないと思います。

○福士委員 そうしますと、来年度に決まっているイベントの資料をいただきました。Jリーグの集客力は、押しなべて二万から四万人とされていますが、先ほどからも質問が出ていますように、FC東京とヴェルディの昨年の実績では、五十三試合のうち、二万人を超えたのはわずかに二試合だけでした。三十五試合は一万人を下回っておりますし、最も少ない試合は二千七百三十八人という、ごくごくわずか。両者の試合をすべて平均しても九千七百五十七人で、やはり一万人を下回っています。ホームグラウンドの試合に着目しても、やっと一万人前後という感じであって、少ない日はやはり三千人台というのがあります。
 FC東京は、収容人数で東京スタジアムに匹敵する国立競技場でプレーすることが多くて、ヴェルディよりも人気があるようですけれども、私はサッカーはよくわかりませんので。それだけを抜き出して計算するのが一番楽観的な数字かなというふうに思って、それもやってみました。で、やっと一万三千人ぐらい。平均が一万三千人ぐらい、最も少ないときは六千人ちょっとぐらいしか入っていませんね。そうすると、東京スタジアムで行われるJリーグ戦の集客力が押しなべて二万人を超えるという予測を導くのは、よほどの秘策がなければならないわけですけれども、さっきもちょっとお答えになっていましたけれども、この分け方の問題がよくわからないんですよね。二万人から四万人、それから二万人以下みたいな、そういう分け方になっているわけですが、議会に報告する限りは--責任を持って多摩都市整備は頑張っていただかなきゃいけないわけですけれども、どういう理由でこういうふうな分け方をしていらっしゃるのか。
 それから観客動員数は、先ほどは、頑張ってかなりしっかり計算しましたというお答えですが、どのような理由で可能なのか、合理的な説明があればお知らせいただきたいと思います。

○長野管理部長 事前にいろいろと福士委員の方からお尋ねがございまして、渡した資料につきましては、アクセス交通対策として最大の数を見込んだというものが二万人以下、あるいは二万人から四万人というような数字でございましたので、実際の想定数字がそういうものとして見ているというわけではございません。
 また、観客動員数等につきましては、先ほども若干ご議論いただきましたが、十五年度の数字としてお示しいたしまして、初年度がそれの七割、二年目は八割五分というようなかための見込みをしておりますので、我々の計画が十分に可能であるというふうに考えているところでございます。

○福士委員 電車に何人ぐらいぎゅうぎゅう詰めで乗れるのかという話と、電車が何本そこにとまるのかという話でこういうのを計算するというのは、何か不思議な気がいたしますけれどもね。そうしますと、この分け方も、イベントの中で二万人以下というルールが、スポーツと商業ベースのものを合わせて四十三件になっています。そうすると、この四十三イベントのうち、集客が一万人以下のイベントというのはどのくらいあるというふうに考えたらいいんでしょうか。

○長野管理部長 集客数が一万人以下のイベントにつきまして、平成十三年度では、現時点で約六割程度と見込んでおります。

○福士委員 この資料によれば、九十七イベントあるわけですから、六割ということは、ほとんど二万人以下と書かれている四十三イベントが全部一万人以下というふうに考えていいわけですよね。そこだけちょっと確認しますね。
 それで、そうすると、開催が予定されているイベントの全売り上げの見積もりというのは、もう一度伺いますが、幾らぐらいなのか、それから、売り上げの純利益はどの程度になるというふうに考えていらっしゃるのかお聞かせください。

○長野管理部長 まず、イベントにつきましては、Jリーグの日程がまだ確定をしておりませんために、ほとんどが内定の段階となっております。
 利用料につきましては、相手方との交渉でございまして、契約締結時までに決定することとしておりますので、売上高が確定をするという段階にはなっておりません。
 また、純利益でございますが、平成十三年度で、営業外収支を含めまして、収入が八億三千二百万円、費用が十二億四千八百万円でございまして、四億一千六百万円の損失ということになっております。これは、開業当初は、東京スタジアムの知名度が十分でないといったことなどを考慮しまして、収入見込みを厳しく見積もっていること、あるいは開業費の償却等があるためで、東京スタジアムが広く知られてくると考えられます十五年度ごろからは収入も安定することが見込まれまして、開業後六年目の十八年度には単年度黒字が達成をされるというふうに見ております。
 なお、平成十五年度のベースで、競技場使用料収入の合計が約四億円、そのうちプロサッカーが約二億円、アメリカンフットボールやラグビーなどのスポーツが約九千万円、その他コンサート等のイベントや場内設備の使用料等で約一億一千万円というような内訳の試算をしているところでございます。

○福士委員 去年、私、文書質問で質問している限りでは、収入が八億六千万というふうに予定されていて、費用は約八億九千万、税引き後の利益が四千万の赤字になりますというようなことで、開業五年目で収入は九億七千万円、費用が約九億四千万円、税引き後利益で約三千万の黒字というようなお返事をいただいたんですよね。そうすると、下方修正をされた見積もり違いというのは、どこに原因があるんでしょうね。

○長野管理部長 今、下方修正というようなお話がございましたが、今回、本委員会に資料としてお示しをしました収支見通しは、昨年の収支計画策定後の状況の変化を踏まえまして見直しを行ったというものでございます。
 具体的には、FC東京に加えまして、東京ヴェルディ1969の二チームがフランチャイズになったというプラス面はありますものの、一方で、開業初年度及び二年目につきましては、東京スタジアムが十分に知られていないということから、競技場使用料や広告料収入を厳しく見積もるなど収入を見直すとともに、支出につきましても、先ほども申し上げましたが、修繕費を会社の負担にしたということなどによる修正を施したものでございます。

○福士委員 新たに都が資金投入することによって、都民利用の割合はどのように変わっていくのかなということがありますが、当初三分の一とされていた都の優先使用権というのはどのように割合が変わっていくのか、また、優先使用権はどのような形で公式に担保されているのかどうかということをお伺いします。

○長野管理部長 優先使用権の公式な担保についてのお尋ねですが、具体的に、一年間でそのうちの何日間というような形で都民利用の担保はされておりませんが、事業計画におきましても、アマチュアスポーツあるいは地域イベントの利用というものが想定をされておりまして、都民の幅広い利用が図られるように配慮しております。

○福士委員 それでは、公式には担保されてないということですよね。
 それで、この営業の責任なんですけれども、今、副知事が代表取締役をやっていらっしゃるわけですが、この営業の責任は、代表取締役たる副知事にあるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○長野管理部長 商法第二百六十条第一項の規定によりますと、会社の業務執行は取締役会が決することとなっておりまして、お尋ねの営業の責任という意味では、取締役会にあると考えます。

○倉林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認めます。本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で多摩都市整備本部関係を終わります。

○倉林委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百九十八号議案、戸吹トンネル(仮称)整備工事(その一)請負契約、第二百九十九号議案、神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設工事(その四)請負契約及び第三百一号議案、高砂橋鋼けた製作・架設工事請負契約を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取してあります。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○森澤総務部長 去る十一月二十九日の当委員会において要求のございました契約案関係の資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の建設・住宅委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をお開きいただきますと目次がございまして、契約案関係として三件の資料の件名が掲げてございます。この順番に従いまして、順次ご説明をいたします。
 一ページをお開き願います。戸吹トンネル(仮称)整備工事の概要でございます。
 1の全体計画と事業工程は、工事種別ごとの工事期間と事業費を示したものでございます。
 なお、米印でお示ししている工事が、本定例会に提案しております契約案件でございます。
 2は、関係自治体への協議経過でございます。
 3の入札経過は、(1)入札年月日、(2)入札場所、(3)予定価格、(4)落札者氏名、(5)落札金額、(6)入札者氏名及び入札金額を示してございます。
 なお、下の注書きにございますように、予定価格及び落札金額には消費税を含んでおり、表にございます入札金額には消費税を含んでございません。
 また、本件は財務局契約でございます。
 二ページをお開き願います。神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設整備工事の概要でございます。
 前ページと同様に、全体計画と事業工程、関係自治体への協議経過、入札経過を示してございます。
 三ページをお開き願います。高砂橋整備工事の概要でございます。
 同様に、全体計画と事業工程、関係自治体への協議経過、入札経過を示してございます。
 以上で、要求のございました契約案関係の資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○小竹委員 私は、戸吹トンネルの整備工事についてお伺いをしたいというふうに思うんですが、最近、私、二度にわたって現地を訪れて、まだまだ手が入っていないすばらしい里山の風景を目にし、紅葉真っ盛りの、自然豊かなとてもいい環境を目の当たりにいたしました。今議会に出されている自然保護条例でいう里山地域として指定されるような土地ではないかなというふうに率直に思いました。八王子側はまだ手がついておりませんけれども、あきる野側の方へ行きましたら、秋川の上に圏央道の巨大なコンクリートの橋脚がにょきにょきと立っている光景、周りのすばらしい自然の光景とは全く相入れない異様な光景を目にしました。
 こういうことを踏まえた上で質問をしたいというふうに思うんですが、戸吹トンネルの工事は、圏央道のあきる野インターチェンジにアクセスする新滝山街道の中心的な事業だということですが、この新滝山街道の八王子側部分については、特に国道四一一号線、現在の滝山街道から百メートルぐらいしか離れていないところに全く平行して走る道路計画で進められています。我が党の代表質問、渡辺議員がいたしましたけれども、この新滝山街道の整備事業五・三キロに要する費用は、五百億円にも上る費用が投入されようとしています。今回の新滝山街道の第一期工事の区間、一・六キロあるわけですが、その総事業費と用地費、それから工事費の内訳及び財源についてお伺いいたします。

○小峰道路建設部長 第一期区間、高尾街道から秋留橋までの一・六キロでございますが、事業費は約百八十億円でございます。そのうち用地費は約六十五億円、工事費は約百二十億円でございます。本事業は国庫補助対象事業であり、二分の一が国費となっております。

○小竹委員 国庫補助が半分つくということですけれども、南多摩建設事務所の事業の中心が、この新滝山街道になっていくんじゃないかというふうに思われます。事務所が所管する管内の八王子で見た場合に、都道への歩道を設置してほしいとか、ガードレールの整備を要求する声だとか、渋滞解消のすいすいプランだとか、そういう、それから(「南多摩事務所ってないよ。南多摩西部」と呼ぶ者あり)ああ、南多摩西部ですね。では、そこは訂正します。南多摩西部事務所ですね。
 新滝山街道に沿っている谷地川でも、上流部の方で川がはんらんしたりということで、八王子市内でいえば、そういう生活密着した事業に対する要望が非常に多いというふうに聞いております。そちらの方の予算についてはかなり削られているというふうな状況の中で、新滝山街道の事業が重点的に進められるという点では、非常に住民の皆さんの切実な要望を実現するという点では、問題が、開きがあるというふうに思いますので、この点については指摘をしておきたいというふうに思います。
 この新滝山街道の事業に関する環境影響評価書が九七年に出されていますけれども、この地域には、すばらしい自然が残っているという点で、貴重な動植物がたくさんあることが、この環境評価書の中にも挙げられています。特に貴重な、絶滅危惧種といわれるレッドデータブックに出ている種類がどのぐらいこの地域から出ているのか、そしてその対策はどのように考えられているのかお伺いいたします。

○小峰道路建設部長 現地調査の結果、動植物につきましては、エビネ、それからサギの一種でございますミゾゴイや、トウキョウサンショウウオなど十一種が確認されております。
 その対策についてでございますが、工事範囲にございます植物については移植をいたします。また動物については、生息地が工事箇所から離れているため、影響は少ないと考えております。

○小竹委員 今回のこの環境アセスは、八王子を中心にした地域の調査となっているわけですけれども、こういう貴重な動植物があるという点で、植物については移植をするということで一定保存がされるかなというふうに思うんですけれども、やはりここの滝山街道、三十メートル以上の幅の道路が、掘り割りとかトンネルとか一般道で通るわけですよね。そうすれば車の往来も激しくなる。それから、大気汚染だとか騒音、振動、こういうものが自然環境--今まで鳥や昆虫類が生息していた自然環境とは全く違った自然環境の変化が生まれてくるわけで、そういう点で見ますと、やっぱり生息そのものを困難にしていく要因をつくっていくことになりかねないというふうに思うんですね。絶滅危惧種については、自治体として保護しなければならないという法律もあるわけで、こういう点で見ますと、このような開発での影響を受けるという点では、やはり重大な問題があるというふうに、この点も指摘をしておきたいというふうに思います。
 あわせて、この環境評価書の中にも、この地域については接地逆転層の発生が指摘されておりまして、これについての影響は予測値の中に反映されているというふうに書かれているんですけれども、実際にどのような状況になるのか、そして具体的にこの点について調査をされたのかお伺いいたします。

○小峰道路建設部長 気温が高所に行きますとともに高くなる逆転層でございます。これについては、一般的には秋から冬、主に夜間に発生していくわけでございますが、この逆転層によりまして大気の拡散が抑えられることを考慮いたしまして、大気が鉛直方向に拡散する係数を昼と夜、別に設定いたしまして、環境影響評価を実施しました。その結果、逆転層による大気への影響は少ないというふうに考えています。
 実際調査をしたかということですが、これにつきましては、既存の知見をもとに、私どもが環境影響評価を実施してございます。

○小竹委員 八王子側だけじゃなくて、あきる野側の方でもこの現象というのは起きて、特に夜間、冬場の夜間、それから早朝においても起きるということで、かなりの状況になる、大気が滞留して拡散されないという状況になるわけですね。それで、特に秋川の方の関係の方などは、実際に煙をたいてどういうふうな状況になるかというのを実験して、そういう状況がしばしば起きるというふうなことも問題点として出しておられるわけですね。やはり相当な車の台数が、後ほど問題にしますけれども、走るという点でいえば、車の排気ガスに汚染された大気がそのまま滞留するということになるわけで、非常に大気汚染が今、それでなくても全国的に深刻な問題を与えているという点でも、きちんと、この地域においてどういう状況になるのか、やはり調査をすべきではないかというふうに考えます。この点についても指摘をしておきたいというふうに思います。
 次いで、この環境評価書の中に、多分住民の方からの意見、専門家の方からの意見だというふうに思われるんですけれども、最新の研究結果から、谷地川断層が存在すると。これについてきちんと調査すべきだということが指摘されているんですけれども、事業者の方の答えは、工事の段階でボーリング調査や弾性波探査などを行うというふうに書いてあるんですが、実際にこれは行われたのか、そしてその結果はどうだったのか、お答えください。

○小峰道路建設部長 火薬の爆発などによりまして人工地震を発生させまして、それによって、弾性波の伝わり方から地下の岩盤構造を調べるという弾性波探査ですか、これを行いました。また、ボーリングによる地質調査なども実施いたしました。その結果、予定ルート内には断層は存在しないことがわかりました。

○小竹委員 その断層調査については、資料は公開されているんでしょうか。

○小峰道路建設部長 公開はしてございませんが、私どもが実施した調査でございますので、必要があれば公開したいというふうに思います。

○小竹委員 当然住民の方々の心配もあるわけですし、それだけ心配される状況の中で工事が進められるということになれば、やはりきちんと公開をしていただくように--これはするということですから、了承したいというふうに思いますけれども、きちんと関係者のところに公表していただくように、この点については求めておきたいというふうに思います。
 あわせてですけれども、この環境評価書案、それから、当然見解書も出されているわけですけれども、住民の皆さんの関心は非常に高いというふうに聞いておりますが、その住民の方々の意見がどのぐらいあったのか、それと同時に、住民説明会は何回、どこでやったのか、お答えください。

○小峰道路建設部長 環境影響評価についての説明会でございますが、評価書案の説明会、それから見解書の説明会をそれぞれ、八王子市内の加住小学校あるいは純心女子学園でそれぞれ一回ずつ行ってございます。都合四回ということでございます。また、そのほかに公聴会を一回開催してございます。
 それで、評価書案についての意見等でございますが、評価書案につきましては、これは印刷された意見書が出されてございまして、それに署名したものを含めまして、二万二千九百名の方が意見書を提出してございます。
 見解書に対する意見でございますが、これにつきましては、やはり同様に印刷された意見書に署名されたものを含めまして、一万三百名の方から意見書が提出されてございます。

○小竹委員 やはり相当心配する、皆さん、道路建設に対しての意見が相当強いということが、ここの中でも示されているというふうに思うんですね。環境アセスが行われて十年近くになるわけですけれども、その中で五番目に多い意見だったということですから、そういう点からいっても、皆さんの関心が高いというふうに示されているというふうに思います。
 説明会については八王子市内のみで行われたということですけれども、なぜあきる野側ではやっていないのか、その点はいかがですか。

○小峰道路建設部長 説明会ですが、ただいま申し上げましたように、加住小とそれから純心女子学園ということでございますが、これにつきましては、開催の箇所につきまして、あきる野市、それから八王子市とも協議をして決めたものでございます。あきる野市に近いということも考えまして、加住小の方も選定してございます。

○小竹委員 いや、私も加住小まで、そこをずうっと車で行きましたけれども、やっぱりあきる野側の方がそこまで行くというのは大変だというふうに思うんですよね。やっぱりあきる野側でやるということはやらなければ、地元の方々は実態がわからないということにもなるわけで、そういう意味では問題があるというふうに思います。その点は指摘をしておきたいというふうに思います。
 次いで、特に一番交通問題が深刻な状況になるのは、戸吹トンネルを出た圏央道のあきる野インターとのアクセスのところだと思うんですが、戸吹トンネルの交通量はどのように想定しているのか、それと同時に、あきる野インター、圏央道とのアクセスをする両方合わせた交通量についてどういうふうに予測されているのかお伺いします。

○小峰道路建設部長 将来交通量の予測範囲でございますが、これは、東京都環境影響評価技術指針に基づき、事業区間内において予測してございます。新滝山街道が全線開通した時点の戸吹トンネルの交通量は、一日二万四千百台と予測しております。あきる野インターチェンジ以北の国道四一一号は、評価の対象外となってございます。

○小竹委員 あきる野インター以北について対象外というのは、確かに工事をやる区間はあきる野インターの手前の、橋のこっち側の山から出たところまでが事業区域だから、それは確かにそういうふうに、しゃくし定規の形でいえばなるんだというふうに思うんだけれども、実態は、あの秋留橋を渡ってあきる野インターに接続するというところまでが工事の中身ですし、あきる野、圏央道から出てきた車、それから入る車、合わさったらかなりの台数になるんじゃないんですか。
 一つは、圏央道のアセス、環境影響評価については、一九八八年だから、この滝山街道の問題が起きる前の段階でのアセスになっているわけですよね。そのときから見ても、このアセスの時点で十年間のずれがあるわけですけれども、そのときにも、アセスでは八千四百台から一万台というふうに出ているわけですけれども、それから見ても自動車の保有台数はふえているわけで、やっぱりそこのところをきちんとしなければ、あきる野側の方々の不安は解消されないというふうに私は見るんですけれども、その点はいかがですか。

○小峰道路建設部長 秋留橋までの道路整備ということでございます。この新滝山街道につきましての、先ほど申し上げましたように、どこまで、どういう形で影響評価を見るかということですが、私ども、先ほど申し上げました技術指針に基づきまして予測したものでございます。そういう意味からも、繰り返しになりますが、あきる野インターチェンジ以北の国道四一一号については、評価の対象外としたものでございます。

○小竹委員 評価の対象外ということですから、すれ違いになるので、余り強くはこれ以上やりませんけれども、一つは、やっぱりあそこの秋留橋までは片側二車線で行くわけですよ。そこから、あきる野インターを出たところから先、北の方は片側一車線になるわけでしょう。だから、もう物すごい渋滞。圏央道の車の交通量、そしてそこの国道四一一号線の渋滞、これを合わせたら物すごい、あきる野側は、それこそ大変な渋滞と同時に、大気汚染も深刻な事態になるんじゃないんですか。そういう点でいえば、やはり圏央道と合わせた総合的なアセスが求められているというふうに思うんですよね。
 このあきる野一帯では、圏央道の建設で、皆さんが、先ほどいいました逆転層の、冬場に逆転層のそういう現象が頻繁に起きるということで、煙をたいて実験をしたら、南秋留小学校の方に煙がたなびいていって、学校の上に煙が滞留したままの状態だというんですよね。そうすると、圏央道やこの新滝山街道、あきる野インター、国道四一一号線、ここから発生する排気ガスやなんかが全部子どもたちの頭の上に行くというふうなことで、学校でも大問題になっているということなんですよ。そういう意味でいったら、事業外だというふうな形で総合的なアセスをしないということ自身は、やっぱり大きな問題だというふうに思うんです。
 この圏央道の通過交通量やあきる野インター付近の交通量を、専門家の方は八万台を超えるんじゃないかという予測もしておられるということなんですよね。それだけ車がそこに集中するということになれば、先ほどいった大気汚染も本当に深刻になるという点、それから、今まで自然豊かな秋川沿いのところが、それこそ自然が破壊された上に大気汚染にも悩まされるという事態にもなりかねない、こういう状況にあるというふうにいえると思います。
 また、秋留橋は新秋留橋になって、片側二車線のきれいな橋に変わったわけですけれども、旧秋留橋を直す改修工事のときには、秋留橋が老朽化しているから直すんだということで、その接道部分の土地を持っておられた方から、そのことだけをいって買収されたという点では、その方々には、新秋留橋ができたら新滝山街道がつくられるんだということは一切知らされないまま、買収に、老朽化した橋は直してほしいからということで応じておられるわけですよね。そういう方々を含めて、きちんとした、新滝山街道についてあきる野側で説明会がやられてないという点でも、私は重大な問題だというふうに思うんですが、あきる野側できちんと住民の皆さんと話し合うような説明会を今からでも私はやるべきだというふうに思うんですが、その点はいかがですか。

○小峰道路建設部長 先ほどの答弁で、私ちょっと十分でなかった点がございますが、圏央道の整備などと新滝山街道との関係でございますけれども、総合的にという話ですが、新滝山街道の環境影響評価をするときに、これは都の条例に基づいて実施したわけでございますけれども、交通量の予測に際して使用した道路網につきましては、圏央道やその他未整備の計画路線も含まれて予測してございます。大気汚染の評価に使用したバックグラウンドの濃度につきましても、圏央道等の影響を考慮したものでございます。そういった中でも、影響評価をしたところ、環境の基準を、評価指標を下回っているということでございます。
 用地取得に際しまして、旧秋留橋の撤去をするんだということだけで地元の方に説明したというんですが、それにつきましては、私どもの職員、そういうことはないというふうには私確信してございますけれども、その辺につきましては、ちょっと不承知でございます。
 既に、秋留橋につきましては、ご案内のとおり完成をしてございます。地元の方々からも強い要望もございまして、地元の方が中心となった開通式も実施してございますので、またそんなこともございまして、改めて地元の方にご説明するというようなことは、現時点では考えてございません。

○小竹委員 話をしたかどうかというのは、直接携わっておられなかったからわからないかもしれませんけれども、実際に土地を買収された方のお話では、当時、老朽化している秋留橋を改修するから、ぜひその土地を譲ってほしいというふうにいわれて買収に応じたというふうにおっしゃっているんですよ。その後、一向に工事にかからなくて、橋の工事が始まらなくて、しばらくしたら新滝山街道の話が持ち上がってきたということなんです。橋はちゃんとしてほしいというのは地元の皆さんの要望であることは事実なんだけれども、新滝山街道に結びつける中身というのまでは知らされないで、寝耳に水でやられたということについて、大変、土地を譲られた地主さんが怒っていらっしゃるのは事実ですから、そういう点でいっても、やっぱりきちんと説明をする責任はあるというふうに思うんですね。
 あきる野側でなぜやらなかったかというと、多分私は、事業化区域が、牛沼と書いてあるんだけれども、トンネルの入り口なのか出口なのかわかりませんけれども、八王子側が起点となっているから出口の部分だと思うんだけれども、そこのところまでだから、橋を渡った北側の方々に対しての説明がされなかった中身なんだというふうに思うんですよ。
 だけど、実態は、事業としては圏央道のあきる野インターに結びついていくわけだから、そこには住民の方々が住んでいらっしゃるわけで、やっぱりそういう事業ですから、きちんとあきる野側の住民の方々に説明をすべき責任は都の方にあるというふうに思いますから、あきる野側の住民の皆さんのコンセンサスを得るという点で、この点は説明をきちんとすべきだということを主張して、質問を終わります。

○町田委員 今回、工事契約なんですけれども、特に戸吹トンネルにつきましては、地元の八王子ということですので、二、三質問をさせていただきたいと思います。
 特に、この新滝山街道ができる地域は、戸吹町会並びにまた宮下町会が関連をしてくる地区であります。先ほど質問者の中で、大変里山の雰囲気を持ついいところだということがあって、まさにはた目で見るとそういう感じで、昔の日本を思い出すような地区なんですけれども、ただ、いざ生活をしてみますと、なかなか車がないと日常生活が今日できないような状況でして、主に軽トラックを中心に、ほとんどの方が車を利用しながら毎日の生活をしている。また、いろいろな地区での集まりをやりましても、かなり宮下地区などは細長い地区でありますし、また、戸吹地区などは山の中に入り組んでいる地区ですので、会館に集まるなんていっても、かなり人数が集まりますと車が十台、二十台という、こういう形でないと集まれないような、そういった地域でありますので、そういう面では、滝山街道の現街道が一本道でありますので、早急にバイパスをつくっていただきたいというのは、これは地元の切なる願いでもあります。
 そういった面では、最近サマーランドのところにピアが立ち始めてきておりますと、地元の人にお話を聞きますと、まさにああいったピアの建設物を見ると、本当に二十一世紀がすぐそこに来ておるなという、こういうような感想だということもお聞きいたしております。
 特に、今回の新滝山街道につきましては、実は私も大変縁がありまして、この新滝山街道は平成九年の四月に都市計画決定をされたんですけれども、実は、この都市計画決定をしたときの八王子市の都市計画審議会の会長を私自身仰せつかっておりまして、事前に都市計画素案の協議あるいは環境影響評価書案の協議、こういった中で地元の人からいろいろと要望が出ておりました。特に地元の地権者の皆さん方から要望が出ておりまして、戸吹トンネルにつきましては、当時の戸吹町会長の松崎さんが、うちの方に、町会としてはトンネル工事ということで説明を受けたので、町会の皆さん、トンネルなので比較的影響が少ないということで、あとは出口のところにある三井病院さんですか、そこと施行者側がよくお話をしていただいてやっていただければよろしいんじゃないですかねと、こんなような事前のお話をいただきました。
 ただ、戸吹トンネルを抜けて、将来、これから工事に取りかかる滝山街道の宮下地区につきましては、皆さん方が、特に地権者の皆さん方が、現の滝山街道と新しくできるバイパスのちょうど間に昔の本当の旧道があるんですけれども、そこに大方、旧来の方たちがお住まいになっておりまして、ちょうど皆さん方の住まいの南側を新滝山街道が、バイパスが計画されておりました。近いところですと、ちょうど玄関の十メーターか十五メーター先ぐらいを通るというような最初の予定でありました。
 そんなことで、私も、都市計画決定に先立ちまして、個々に地権者さん、あるいはまた町会を中心に、会館等でいろいろと地元の事情をお伺いしまして、なるたけ山寄りに寄せた形で最終的には都市計画決定をしてくださいよという、こういうようなご要望をいただきまして、たしか宮下地区におきましても、一軒は、当初の案では家がかかっておりましたけれども、その家につきましては、二十メーター南側に寄せる形で変更いたしまして、その家にかからないような形で行いました。あともう一方は、多少奥さんが病弱ということで、実は自分の庭の少し先をバイパスが通るということでしたけれども、これも最終的には現場でよく調整をした中で、もう十メーター南寄りに寄せられるということで解決いたしたというような、こんなような経過がありまして、また、特に当時、南多摩西部建設事務所の所長さん以下、担当の職員等が大変まめに足を運んでいただきまして、また、八王子市の担当者も具体的に地主さんと個々にお話をしていただきまして、場所によりますと、木ぐいで予定線を示して、この辺でよろしいでしょうか、もう少し寄せた方がいいでしょうか、いや、ここがぎりぎりですよという具体的なことまでやりまして、最終的には、大方の地権者の皆さん方のご了解を得た中で、平成九年四月に都市計画決定をさせていただきました。
 ただ、当時、いわゆる反対派と称する人たちがこの審議会に駆けつけ、寄せてきまして、たしか、ここでいえば廊下のあたりに皆さん五十人ぐらい座り込みまして、かなり深夜まで審議会が長引いたわけですけれども、私も休憩のたびに出ていきますと、会長、これは何とかだということで、おたくどちらから来ているんですかというと、杉並ですとか、田無ですとかということで、比較的地元の方が少なかったなという感想を持っております。そういうような経過がありましたけれども、最終的には審議会で決定した中、今回は初めて八王子部分の戸吹トンネルの工事がいよいよ行われるということでもございます。
 ただ、こうした中、実は、審議会の中でも地元の委員が、この街道については、現在の滝山街道については一本道でもあって大変渋滞しておる、特に日曜や祭日等は、サマーランドへ行く車の渋滞で本当に何キロと、ほとんど滝山街道の半分ぐらいがインターチェンジから渋滞してしまうようなことで、ただ、滝山街道の地区というのは抜け道が一つもないんですね。ですから、大変日常生活に支障を来しておる。
 あともう一つは、日常なんですが、通学の子どもたちが加住小学校一カ所に、この滝山街道の両わきから通っておりまして、実は歩道幅が--歩道はないんですね。よく福士さんが歩道といいますけれども、我々の都道というのは、都道がありまして、ガードレールで置いた中側が歩道ということの扱いになっているんですね。だから、道路排水もそのまま、雨が降ると車道から--車道というより車道と歩道と区切ってあるところへ流れ込んでしまうような、ですから、歩行者の方が水がびしゃびしゃ、車の通る道路は水が逃げたところと、こういうような状態で、大変、歩道がとれないため狭いものですから、雨の日なんか子どもたちが傘を差すと大変危険な状態であるので、バイパスを早急につくっていただきたいという、たしかこんなような意見も出ていたのを記憶しております。
 そういった中、現在、滝山街道でありますけれども、そういう交通渋滞、また特に丹木の交差点が、もう恐らく今の時間なんかは相当込んでおると思いますが、こういった状況でありますけれども、建設局としては、現在の滝山街道ですね、まだバイパスができておりません、滝山街道につきましてどう認識しておるのかお伺いしたいと思います。

○小峰道路建設部長 滝山街道の国道一六号から秋留橋に至る区間でございますが、今お話がございましたように、歩道のない二車線の道路に、一日約一万五千台もの車が通っております。そのため、慢性的な渋滞区間となっているわけでございます。都道一六六号線や高尾街道との交差点では、渋滞が二キロ以上に及ぶこともございます。新緑や紅葉の時期、あるいは秋川がにぎわう夏におきましては、特に渋滞が著しい状況でございます。
 沿道には加住小学校や純心女子学園もありまして、八王子市やあきる野市など地元自治体から、バイパスである新滝山街道の整備促進要望も出されてございます。滝山街道の交通渋滞解消のためにも、新滝山街道の整備は重要であると考えています。

○町田委員 今回、戸吹トンネルという一部のところなんですけれども、実は、来年の一月二十八日にはひよどり山の道路が開通するんですね。最終的には、八王子の一番メーンの、五十二万市民の表玄関に当たります八王子の北口から真っすぐこの戸吹トンネルまでがつながりまして、あきる野インターまで約十分足らずで行けるような道路になっておるんですね。そういった面では、恐らく八王子市そのものに対する、いわゆる道路がもたらす経済効果、私はこれは大いに期待をできる道なのかなという、こんな気もするわけでもあります。
 また、もう一つは、北西部幹線とも接続いたしますし、また逆にいえば、今は、例えばこちらの地域の人たちが八王子の中心街へ出ていこうとしますと、かなり交通が不便なんですけれども、将来はこの道ができますと、まさにある意味では、八王子でも指折りの駅まで近い地域に変わっていくのかなという、こんな思いもするわけでございます。
 そして特に、この道路の計画を聞きますと、側道や緑地帯を十分にとってあるということで、特に現道の外に幅広く側道をとってあるような設計ということでございますので、そういった面では、私自身、かなり環境に配慮した形の道路設計になっておるなという、こんな思いがあります。
 そういった面では、特に、地元に大きな経済効果を含めていろいろなものをもたらす新滝山街道でございます。そういった面では、ぜひ建設局、そして局長のこれに対する決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○古川建設局長 新滝山街道は、滝山街道のバイパスとして、まず、地域の交通渋滞の緩和、歩行者の安全確保、環境の向上に大きく貢献いたします。来年一月二十八日に開通する予定のひよどり山有料道路と、今先生ご指摘ございましたが、この開通と相まって、業務核都市として発展する八王子市、これは多摩の心(しん)、業務核都市ということで発展していく八王子市の交通需要に対応するとともに、この地域の開発にも、経済的にも効果が非常に高い、貢献する路線でございます。
 また、自然豊かな南多摩西部地域とそれから西多摩地域とを結びまして、都民のレクリエーションにも大きく寄与する道路でございます。さらに広域的に申し上げますと、首都圏の交通の円滑化に大きな効果を発揮する圏央道のあきる野インターへのアクセスを向上させるということになります。
 以上のように非常に大切な重要な路線でありまして、その整備は、八王子市、あきる野市、青梅市など地元自治体の長年にわたる悲願となって、強い要請を受けてきております。この期待にこたえていく上からも、引き続き国費など財源確保に努め、積極的に推進に取り組んでまいります。

○福士委員 重なったところが、小竹委員が大分聞いていただいたので、私、簡単に、確認の意味も含めて、ちょっと一、二点だけお伺いしておきます。
 この新滝山街道の予測交通量ですけれども、今ほかの委員からもお話ありましたように、建設中の八王子からのひよどり山有料道路とか、それからその先の方に物流センターの計画もあるようですが、広域的アセスというのは大体道路づくりに今考えられていない大勢があります。これらの計画というのは、考慮されて先ほどの二万四千百台という数字なのかどうか、その辺のところもちょっと確認をさせていただきたいと思います。

○小峰道路建設部長 交通量の予測は、目標年次の道路網や周辺地域の開発なども考慮してございます。新滝山街道が全線開通した時点の戸吹トンネルの交通量は、先ほどお答えしましたように、一日二万四千百台と予測してございます。

○福士委員 それから、地質の点も大変住民の方は心配していらっしゃるようですが、地質と同時に地下水についても、あの辺は井戸を使っていらっしゃる方が多いようで、新滝山街道の周辺地域の井戸と、それからまた畑作への影響というのも、これは考慮していかなきゃいけないわけですけれども、これらの調査とか環境状況はどういうふうにとらえておられるのか伺っておきます。

○小峰道路建設部長 環境影響評価におきまして予測評価されてございますが、このトンネルは水を通しにくい、よく締まった地層の中に建設されることとなっておりまして、したがいまして、地下水に影響を与えるおそれは少ないというふうに考えています。また、そのこともございますが、トンネルの掘削による井戸や畑作への影響は少ないと考えてございます。
 現況を把握する意味からも、平成十年から地下水調査を実施しており、工事着手後も調査を続けてまいります。

○福士委員 そうしますと、この道路、私も伺っていて、それから現地の方も調査も含めて調べさせていただきましたけれども、ここで問題になるのは、この段階で、四一一はもう既にかなりの交通量があるということは先ほど来お話出ていましたし、バイパスができることで車の流れがよくなるだろうということは、私も理解できるんですが、あとは地域住民との話し合いというのがすごく問題になっているかなという気はいたします。
 特に、あきる野市側の住民に対する説明会のお知らせも問題があったのかなと。場所の問題がありますし、チラシをおまきになったというようなお話も、ちょっと確認いたしましたら、ございましたので。でも、知らない人もたくさんあったようでした。同時に、説明会の中で、断層問題に関しては、それから地下水問題なんかでも、どれだけ丁寧に話されているかどうかというのが、かなり大きなネックになっているのかなという気がするんですよね。
 私の方で調べさせていただいた資料でも、ボーリング調査の結果などは、逆にいうと、もっと丁寧にご説明すれば、地域の方の疑問を解くことができるのではないかというふうに思いますし、それから地質調査なんですけれども、ここでは、実施計画になってやっとその段階で行われているようですよね。その実施計画前に、本当はアセスの段階でこういうのがわかっていれば、もっときちんとした説明ができるのではないかというふうに思いました。
 前にも申し上げましたけれども、今の環境アセスのあり方というのが非常にまだ問題をいっぱい抱えていて、今回は、四一一と新滝山街道の合流地点以北の問題も、先ほど来出ていたように、環境アセスが行われなくてもいい形式になっているということなど、こういうことが地域の方々の不信感をかなり招いているんじゃないかという気がします。道路計画というのはこれからも次々起こっていくわけですから、そういうところを、やっぱり建設局としてもきちっとお考えいただくということが大変大事なことになってくるんじゃないのかなというふうに思うんですね。
 この滝山街道ができれば、私は、逆に圏央道はもう、あきる野インターチェンジから先の高尾山の方は要らなくなるんじゃないのかなというふうに思っていまして、そのバイパスにもなるんじゃないかというぐらいのものじゃないかというふうに思ったので、そういうことも、今後の検討の中にぜひぜひ入れていただきたいというふうに思います。
 それと、一つだけ、ちょっと余談になって申しわけないんですけれども、この図面ですが、委員会用の資料にいただいている議案の説明の図面では、トンネルまでもうほとんど道路ができているように線が引いてあるんですね。私も行ってみて、いい里山だということを、先ほど来小竹委員が何回もおっしゃっていますが、私もこんなような写真を撮ってまいりました。非常に美しい雑木林と畑のある場所でしたね。
 私行ったから、こうだと、それが道ができてないことがわかったんですけれども、あの図面だけ見ると、もうトンネルまで全部道がつながっているように見えますので、委員会審議用には、私もうちょっと正確な、普通だったらあれは点線で書くんだと思うんですが、図面をぜひぜひいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○倉林委員長 ほかに発言ございませんか。--なければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案に対して意見のある方は、ご発言を願います。

○小竹委員 戸吹トンネル整備工事の議案に対して、日本共産党としての反対意見を申し上げたいというふうに思います。
 第一の問題としては、本工事は、住民の反対の強い圏央道のあきる野インターチェンジにアクセスする幹線道路、新滝山街道の主要な工事であるということ。
 二番目として、工事に当たって行われた環境評価書に対する都民の意見が二万三千件、それから見解書に対する意見が一万件を超えるという点で、これまでの環境アセスに対する意見の五番目を占めているという点でも、住民の皆さんのいろいろな意見があるということがうかがわれます。このことが第二です。
 第三として、工事区域には、絶滅を危惧されるレッドデータブックに載っている動植物が、先ほど十一種類というふうにお答えいただきましたけれども、存在するということ。自然豊かな地域であり、植物は移植するということですけれども、ここに三十メートル以上の幅員の道路がつくられて、一日数万台に上る車が走ることになれば、大気汚染、騒音、振動などの公害で自然環境の変化が起き、貴重な鳥類や昆虫類などの動物の生息の条件の悪化を招くということになりかねないということ。
 四番目として、圏央道とアクセスするあきる野側においては、圏央道と新滝山街道を合わせた交通量については明らかにされていない。また、インター周辺の国道四一一号の大渋滞も予想されるという点で、この地域は冬季しばしば接地逆転層の現象が起きて、排気ガスなど汚染した空気が秋川一帯に滞留しかねないという住民の不安にこたえるようになっていないという点で、やはり圏央道と合わせた総合的なアセス、環境影響評価を再度実施すべきであること。
 五番目として、環境アセスをやってほしいという住民の皆さんの要求にこたえていないだけではなくて、先ほど質疑をしましたけれども、あきる野側の住民に対して、この新滝山街道について十分な説明が行われていないという点でも問題だというふうに考えます。
 六番目として、福祉を切り捨てて都民に犠牲を強いるなど、財政難が大きな問題になっている都財政のもとで、総事業費五百億円、この第一期工事だけでも百八十億円を投ずるという点で、さらなる都財政への影響を与えかねないものであるということ。これだけの多額の税金を投入するという点では、事業はそこまで必要、今急を要する事業ではないという点でも問題だというふうに考えます。
 したがって、都財政の危機の中で、少なくともこのような不要不急の事業については凍結をして、あきる野側の住民の皆さんに対して、圏央道とのアクセスの問題など、住民の不安にこたえる十分な説明や合意を得る努力が必要だと考えますので、我が党は本議案について賛成できないということを意見表明させていただきます。
 以上です。

○倉林委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、ただいまの意見を委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○倉林委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百七十八号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、建設局所管分及び第三百六号議案、都道の路線の廃止についてを一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取してあります。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○森澤総務部長 当委員会において要求のございました事件案関係の資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、先ほどの建設・住宅委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をお開きいただき、目次をごらんいただきたいと存じます。
 事件案関係は一件でございます。
 四ページをお開き願います。移管路線の地元区市町との協議経過でございます。
 この表は、都道の路線を廃止し、移管を予定しております清瀬停車場線外三路線の移管先及びそれぞれの移管協議経過について取りまとめてございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○東委員 質問じゃないんですけれども、この付託議案の二百七十八号、建設局関係の補正予算に関係して、少し要望をしておきたいと思うんです。
 これを見ますと、せっかく道路災害復旧等、それから河川海岸費、河川災害復旧費ということで組んであるんですが、これ見ていただけばわかるんですけれども、三宅と新島と神津になっているんですよね。利島が入ってないんですね。
 それで、私、ちょうどこの時期に利島に二回ぐらい行ってきたんですけれども、例えば、今でもそうですが、テレビのテロップで見ると、伊豆近海で地震がありましたと、震度は次のとおりですということで見ていると、新島、神津、震度三とか出るんですよね。利島というのは入ってないんですね。何で入ってないのかなと思って聞いてみたら、あそこには地震計がなかったらしいんですね。(笑声)最近何かつけたらしいんですけれども。たまたま私が行っていたときの朝ですけれども、食事をとっているところでぐうんと地震が、私もびっくりしたんですが、震度五の地震だったというんですけれども、本当に座っていて何か飛び上がるようなすごい地震なんですね。そのときの地震も、やっぱり利島と神津と新島、三カ所ほとんど同じだったらしいんですけれども、テロップに出るのは、利島だけはないんですよね。
 それで、この五ページ見せていただいたんですが、五ページの河川海岸費の神津島部分をちょっと見てほしいんですけれども、砂防、それから地すべり対策、急傾斜地崩壊対策というのは、神津島のものも入っていますよね。
 ところが、利島でもやっぱりほとんど同じような状態があるんですよね。ツバキ畑というんですか、ツバキ山というんですか、あそこはツバキが主産地らしいんですけれども、本当におわんを伏せたような島で、ご存じのように。平地がほとんどなくて、だから住宅も本当にわずかな、少し傾斜の角度の低いところに結構うちが建っていて、ミカン畑にうちが建っているような状態なんですね。その段々畑の段々というのは、玉石だとか溶岩で、長い間皆さんが積まれたんでしょうね、積んであって、そして一軒がその上に建っている、そしてまた石が積んであって、またその上に一軒建っている、こうなっているわけなんです。
 それで、この地震でそれが押し出して、もう崩れかかっているところが結構あるんですよね。例えば利島の総務課長さんのうちへ行ったんですけれども、そのすぐ土手が崩れている。ところが、もしその土手が崩れ落ちてくれば、被害を受けるのは総務課長さんのうちなんですよね。(笑声)ところが、その石垣の所有者は上の人なんですね。上の人はもうかなり高齢で、自分からそこを直すような力というのはないわけですよね。
 それで、道路に面しているようなところなどについては、利島の役場で金網を張りつけて、だっと来ないような、土砂崩れ、がけ崩れ防止の対策はやっていました。それから、小学校。中学校も一緒になっているんですけれども、そこも、これは教育庁でやるんでしょうけれども、やっぱり土手が崩れて、そのために建物自身が、上の方と下の方と二つ建物があるものですから、それは廊下でつながっているのがはがれちゃったんですね、がけが崩れたために。そして校舎も少し傾いている。それで、私ずっとそばへ行ってみたんですけれども、校庭といいますか、そこもよく見ると、草の中だからよくわからないけれども、ひび割れが入っているという状態があるんですよね。
 そこで、私が要望といいたいのは、利島についても、これは建設局でもいろいろ調査はされていると思うんですけれども、そういう状況がありますので、よく調査をして、地すべり対策というようなことで何か都としてできないのかどうなのか、それから、急傾斜地崩壊対策というようなことで、何かそういう、個人のうちにもかかわるわけですけれども、そういうところなんかの援助が、これは村役場で全部しろといったって無理な話ですから、そういうことができないのか。ぜひそういうことも検討していただきたい。とにかく三宅、新島、神津だけじゃないよと、利島もあるから検討してくれと、こういうことをひとつ要望しておきたいと思います。よろしくお願いします。

○倉林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時二十分散会

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