建設・住宅委員会速記録第十六号

平成十二年十一月二十九日(水曜日)
午後一時六分開議
 出席委員 十三名
委員長倉林 辰雄君
副委員長竹下 友康君
副委員長東ひろたか君
理事三原 將嗣君
理事田島 和明君
町田てるよし君
福士 敬子君
小礒  明君
沢西きよお君
藤岡 智明君
小竹ひろ子君
野村 有信君
土持 正豊君

 欠席委員 一名

 出席説明員
住宅局局長戸井 昌蔵君
次長三上 雅之君
総務部長清水  巖君
住宅政策担当部長菊田 利春君
連絡調整担当部長渡利 紘司君
開発調整部長小関 尚久君
区市町村調整担当部長井上 克彦君
参事三浦 靖夫君
建設部長青木 治道君
建設推進担当部長高橋  勝君
管理部長石橋伸一郎君
管理制度改善担当部長阿部  亨君
営繕担当部長小林 計代君
不動産業指導部長今井 浩司君
多摩都市整備本部本部長田原 和道君
建設監勝田 三良君
管理部長長野  宏君
企画推進担当部長二ノ宮 博君
建設計画部長山崎 俊一君
建設局局長古川 公毅君
次長有手  勉君
道路監石河 信一君
総務部長森澤 正範君
用地部長稲熊 明孝君
道路管理部長磯邊 武一君
道路建設部長小峰 良介君
公園緑地部長中田 勝司君
河川部長高本 正彦君
再開発部長梶山  修君
区画整理部長岩永  勉君
企画担当部長小島 信之君
総合調整担当部長安藤  明君
道路保全担当部長鈴木  進君
道路計画担当部長柿堺  至君
公園管理担当部長平井 和之君
参事市原  博君

本日の会議に付した事件
 陳情の取り下げについて
 多摩都市整備本部関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京スタジアムの買入れについて
 建設局関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・平成十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、建設局所管分
  ・戸吹トンネル(仮称)整備工事(その一)請負契約
  ・神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設工事(その四)請負契約
  ・高砂橋鋼けた製作・架設工事請負契約
  ・都道の路線の廃止について
  請願陳情の審査
  ・一二第三一号 観光地としての高尾山の環境整備に関する請願
  ・一二第二七号 綾瀬川の暫定係留施設建設計画の見直しに関する陳情
  ・一二第三一号 補助第一二八号線街路拡張工事計画の反対に関する陳情
  ・一二第三七号 都道補助一二八号線の事業と計画の見直しに関する陳情
 住宅局関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・平成十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、住宅局所管分
  ・都営住宅十二H-一〇四北(村山)工事請負契約
  ・都営住宅十二H-一〇六北(村山)工事請負契約
  請願の審査
  ・一二第三三号 町田地区公社住宅家賃値上げ反対に関する請願

○倉林委員長 ただいまから建設・住宅委員会を開会いたします。
 初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布の一二第四〇号、都立六仙公園(仮称)予定地内の東久留米市立第八小学校に関する陳情は、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承を願います。

○倉林委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせいたしました。ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、多摩都市整備本部、建設局、住宅局の順序で、第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料を要求することにとどめ、質疑は付託後に行いたいと思いますので、ご了承を願います。
 これより多摩都市整備本部関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○田原多摩都市整備本部長 お手元にお配りしてございます資料をごらんいただきたいと存じます。
 平成十二年第四回定例会に提出を予定しております当本部所管の案件は、東京スタジアムの買入れについての議案一件でございます。
 内容は、東京スタジアムを多摩地域のスポーツ振興の拠点とするため、東京都が株式会社東京スタジアムから買い取るというものでございます。
 詳細につきましては、管理部長よりご説明をさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○長野管理部長 第四回定例会への提出予定案件の内容につきまして、ご説明をさせていただきます。
 お手元にお配りしてございます資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。東京スタジアムの買入れについての議案でございます。
 まず、買い入れの目的でありますが、これは、多摩地域におけるスポーツ振興の拠点として利用するために買い入れる必要があるというものでございます。
 所在地は東京都調布市西町三百七十六番地三でございまして、次の二ページの別図1にお示ししてありますように、京王線の飛田給駅から徒歩五分程度のところに位置しております。
 前のページに戻っていただきまして、種類及び規模でありますが、この施設は多目的競技場でございまして、三ページの別図2に配置図をお示ししてございます。
 次に、東京スタジアムを買い入れるための予定価格でありますが、元金に消費税と地方消費税相当額を含めまして、二百六十億四千万円でございます。
 次に、四ページの東京スタジアムの買い入れの概要という資料をごらんいただきたいと存じます。
 買い入れの目的、所在につきましては、ただいまご説明申し上げたとおりでございまして、3の概要でありますが、用途は、競技場が多目的スポーツ施設で、収容人員は五万人となっております。商業施設は、レストラン、喫茶店及び物販施設であるコンビニエンスストアでございます。
 構造につきましては、競技場、商業施設、それぞれの材質、規模等、ここに記載してあるとおりでございます。
 また、競技場及び商業施設の延べ床面積は七万九千八百五十一平方メートルでございまして、内訳は、競技場が七万八千四百八十二平方メートル、商業施設が千三百六十九平方メートルとなっております。
 買い入れの予定価格は、先ほども申し上げましたとおり、二百六十億四千万円でありますが、利子を含む支払い見込み額は、約三百六十六億円となります。
 支払い方法は、二十年の長期割賦払いで、三年据え置き、十七年元金均等払いとなっております。
 最後に、運営方式等でありますが、東京都は、株式会社東京スタジアムが建設した施設を建設借入金相当額で買い取りまして、同施設を会社に無償で貸し付けることとしております。会社は、借り入れた施設の運営による収益で運営費を賄うということになります。
 以上、まことに簡単でございますが、平成十二年第四回定例会に提出を予定しております案件につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○藤岡委員 私の方から四点お願いいたします。
 東京スタジアムの建設以降、これまでの経過、経緯についてわかる資料をお願いします。
 二つ目に、用地だとか建造物、これらを分けて、総事業費、それと、その財源がどうなってきているのかという資料をお願いします。
 それから、三点目、今回示されている買い取り計画でありますけれども、二十年間で償還していくという計画もあるようですけれども、それの財政計画、もう少し詳しいものがあれば、示していただきたいと思います。
 それから、株式会社東京スタジアムの方で管理運営をやっていくということでありますけれども、これについての管理計画、これがどういうふうに進められていくのか、これについて、もう少し詳しい中身のものを提示していただきたいということであります。
 以上です。

○倉林委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 ただいま資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認めます。
 理事者においては、要求されました委員と調整の上、提出をお願いいたします。
 以上で多摩都市整備本部関係を終わります。

○倉林委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○古川建設局長 第四回定例会に提出を予定しております案件につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に平成十二年第四回定例会提出予定案件、建設局所管分という資料が配布してございますので、ごらんいただきたいと思います。
 まず、予算案といたしまして、災害復旧にかかわる平成十二年度補正予算案でございます。
 次に、契約案といたしまして、戸吹トンネル(仮称)整備工事(その一)を初め、三件でございます。
 次に、事件案といたしまして、都道の路線の廃止についてでございます。
 このうち、補正予算案の概要につきましてご説明申し上げます。
 さきに発生した三宅島火山活動及び新島・神津島近海地震により、当局が所管する道路を初め、砂防、海岸、急傾斜地などに甚大な被害がございました。その復旧のため、道路及び河川の災害復旧に要する補正予算案を提出するものでございます。現在、道路と河川を合わせて、全体で四百億円を超える復旧費が必要となる予定ですが、本年度施行可能な約百九十三億円を今回補正いたします。
 今後とも、島民の方々が一日でも早く安心して生活ができるように、局の総力を挙げて復旧に取り組んでまいります。
 なお、詳細につきましては総務部長からご説明いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○森澤総務部長 第四回定例会提出予定の案件につきまして、ご説明を申し上げます。
 初めに、平成十二年度の災害復旧にかかわる補正予算案についてご説明をいたします。 お手元にお配りしてございます資料1、平成十二年度補正予算説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開きいただきますと、平成十二年度建設局予算総括表がございます。
 1といたしまして、歳入歳出予算の表が掲げてございます。表の構成は、左から、各会計の区分、歳出の内訳といたしまして、補正予算額、既定予算額、計、その右側は特定財源の内訳、差引一般財源となっております。
 今回の補正予算案は、災害復旧に要する経費の一般会計のみでございまして、左側上段にございますとおり、補正予算額は百九十二億八千九百万円でございます。既定予算と合わせますと、一般会計で四千四百三十六億三千五百万円、これに特別会計を合算した補正後の建設局の予算額の合計は、その最下段でございますが、五千二十七億七百万円となります。
 今回の補正予算に係る財源は、括弧書きで表示してございます。特定財源として分担金及び負担金一億五千百万円、国庫支出金百十一億九千九百万円、都債六十六億一千七百万円で、差引一般財源は十三億二千二百万円となっております。
 下段をごらんください。2、繰越明許費でございます。
 一般会計で二事業、九十七億四千百万円を補正するものでございます。
 三ページをお開き願います。一般会計歳入歳出予算款項別総括表がございます。
 補正予算額の欄に記載されておりますとおり、百九十二億八千九百万円の補正額は、すべて土木費でございまして、その内訳は、下に参りますが、道路橋梁費五十七億三千万円、河川海岸費百三十五億五千九百万円でございます。
 右側概要欄に記載してございますとおり、島しょ部の道路と河川の災害復旧事業を実施しようとするものでございます。
 四ページをお開き願います。道路災害復旧でございます。
 右側の事業箇所に記載してありますように、三宅島で十三カ所、新島で七カ所、神津島で八カ所、合わせて二十八カ所の道路の災害復旧に要する経費五十七億三千万円を増額するものでございます。
 五ページをお開き願います。河川災害復旧でございます。
 同じく三宅島、新島、神津島で砂防、海岸保全、地すべり対策、急傾斜地崩壊対策などの災害復旧に要する経費百三十五億五千九百万円を増額するものでございます。
 続きまして、繰越明許費についてご説明させていただきます。
 七ページをお開き願います。事業の性質上、年度内に支出の終わらないおそれのあるものを翌年度に継続実施するために要する経費として、道路橋梁費、河川海岸費を合わせて九十七億四千百万円を増額するものでございます。
 以上で平成十二年度補正予算についてのご説明を終わらせていただきます。
 次に、契約案の概要につきましてご説明を申し上げます。
 資料2をごらんいただきたいと存じます。
 財政委員会に付託が予定されております当局関係の工事請負契約案件は三件でございます。
 まず初めに、工事場所及び内容を、図面によりまとめて説明をさせていただきます。
 四ページをごらんいただきたいと存じます。件名は戸吹トンネル(仮称)整備工事(その一)でございます。
 工事場所は、上段の案内図にありますように、八王子市戸吹町地内からあきる野市牛沼地内でございます。
 下段の平面図、並びに次の五ページの縦断図及び横断図をごらんいただきたいと存じます。本事業は、圏央道あきる野インターチェンジ(仮称)へアクセスする道路として整備し、あわせて周辺地域の発展に貢献するものでございます。このうち本事業は、工事延長六百十六メートル、片側幅員十一メートルのめがね型トンネルを構築するものでございます。
 次に、六ページをごらんいただきたいと存じます。件名は神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設工事(その四)でございます。
 工事場所は、上段の案内図にありますように、杉並区堀ノ内二丁目地内でございます。 下段の平面図並びに七ページの断面図をごらんいただきたいと存じます。本事業は、一時間五〇ミリの降雨に対処するため、都道環状七号線の地下に調節池を設置し、神田川中流部の水害を防止しようとするものでございます。このうち本工事は、善福寺川取水施設の導水路部を構築するものでございます。
 次に、八ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、高砂橋鋼けた製作・架設工事でございます。
 工事場所は、上段の案内図にありますように、葛飾区青戸二丁目地内から同区高砂二丁目地内でございます。
 下段の平面図、並びに次の九ページの側面図及び断面図をごらんいただきたいと存じます。本事業は、中川にかかる高砂橋について、老朽化や幅員が狭く歩道がないことから、かけかえを行うものでございます。このうち本工事の橋の長さ百八十六・五メートル、幅員十五メートルの鋼けたを製作、架設するものでございます。
 恐れ入りますが、一ページにお戻りいただきまして、契約の概要についてご説明を申し上げます。
 番号1、戸吹トンネル(仮称)整備工事(その一)でございます。
 契約の相手方は、前田・戸田・早野・清水組建設共同企業体、契約金額は四十四億九千四百万円、工期は平成十五年三月五日までとする工事請負契約を、指名競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 次に、二ページをごらんいただきたいと存じます。番号2、神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設工事(その四)でございます。
 契約の相手方は、小田急・はやし建設共同企業体、契約金額は九億六千六百万円、工期は平成十五年三月十日までとする工事請負契約を、指名競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 次に、三ページをごらんいただきたいと存じます。番号3、高砂橋鋼けた製作・架設工事でございます。
 契約の相手方は、株式会社横河ブリッジ、契約金額は十五億七千三百九十五万円、工期は平成十四年十一月二十九日までとする工事請負契約を、指名競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 以上で、契約案についてのご説明を終わらせていただきます。
 次に、事件案についてご説明申し上げます。
 資料3、都道の路線の廃止でございます。
 道路法第十条第一項及び第八十九条第一項に基づき、清瀬停車場線、奥多摩停車場線、大師橋瓦斯橋線及び荒川堤防線について路線を廃止するものでございます。
 廃止する理由でございますが、これらの各路線につきましては、周辺道路の整備等により、都道としての幹線道路機能が薄れ、地域内道路へと性格が変化したため、地元区市町と協議を行い、移管について協議が調いましたので、都道の路線を廃止するものでございます。
 各路線の概要でございますが、三ページの別図一、廃止略図をごらんいただきたいと存じます。
 清瀬停車場線は、西武池袋線清瀬駅を起点とし、都道練馬所沢線との交点を終点とする延長二百十三メートルの路線でございます。
 次に、四ページをお開きいただきたいと存じます。奥多摩停車場線は、JR青梅線奥多摩駅を起点とし、一般国道四一一号との交点を終点とする延長百メートルの路線でございます。
 次に、五ページをお開きいただきたいと存じます。大師橋瓦斯橋線は、大田区内の多摩川沿いに起終点を持つ延長六千七百四十八メートルの路線でございます。
 次に、六ページをお開きいただきたいと存じます。荒川堤防線は、荒川の堤防敷を使用して設置している、板橋区を起点とし、北区を終点とする延長一万二千二百五十七メートルの路線でございます。
 以上をもちまして、提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○東委員 二、三お願いします。
 まず、契約案三件についてなんですが、三件それぞれに、全体計画のわかるもの、それと、事業日程といいますか、全体計画がどういう事業日程で進められていくのか、それがわかるもの、これが一つ。
 二つ目は、それぞれの事業費と、それから、全体が完成するときの総事業費、これがどれぐらいかかるものかというのが二つ目。
 三つ目は、それぞれについての入札経過。
 四つ目が、関係自治体との協議の経過といいますか、協議の状況。
 この四点を、契約案件三件についてそれぞれお願いしたいと思います。
 それから、事件案の都道路線の廃止についてなんですが、これについても、地元の自治体との協議がどういうふうになされてきたのか、それがわかるようなものを出していただきたいと思います。
 以上です。

○倉林委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 ただいま東副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認めます。
 理事者においては、要求されました委員と調整の上、提出を願います。

○倉林委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、一二第三一号、観光地としての高尾山の環境整備に関する請願を議題といたします。

○倉林委員長 理事者の説明を求めます。

○中田公園緑地部長 お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表をごらんいただきたいと思います。
 整理番号1の請願一二第三一号をお開き願います。
 これは、観光地としての高尾山の環境整備に関する請願で、八王子市の間宮昭享さん外二名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、高尾山の環境整備について、次のことを実現してほしいとのご要望でございます。その第一は、山頂及びハイキングコース中の休憩所等において、間伐などにより眺望を確保すること、第二は、山頂見晴らし台において、特に女性客の便所が不足しているので、対処すること、第三は、老朽化している便所を順次改修すること、第四は、便所の改修に際しては、小中学生や車いす利用者に十分配慮することを要望しているものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 まず、要旨1でございますが、これまで自然公園内の山頂やハイキングコース中の休憩所等において、土地所有者や地元住民の了解のもとに間伐や枝打ちを行い、眺望の確保に努めてまいりました。高尾山においては、国有林等の土地所有者及び地元住民、関係者の協力を得ながら、さらに眺望の確保に努めてまいります。
 次に、要旨2でございますが、現在の山頂見晴らし台における女性用の便所は、十一ブースでございます。観光客の利便性の一層の向上を図るため、新規に女性用三ブースの増設を計画しております。今年度、そのための設計を行います。
 次に、要旨3でございますが、明治の森高尾国定公園の便所については、順次改築、改修を行ってまいりました。今後とも、老朽化等の状況を見ながら、快適性を確保するため、改築、改修を行ってまいります。
 次に、要旨4でございますが、既設便所の改修に当たっては、車いす利用者の入山状況を見ながら、小中学生を初め、車いす利用者が利用できるよう配慮してまいります。
 以上のように、当請願の趣旨を踏まえ、対応してまいります。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小竹委員 高尾山は都民のオアシスといわれるところでもありますし、環境整備についてのこの請願、地元の皆さんの趣旨を踏まえて対応するということですので、ぜひそれは推進していただきたいというふうに思うんですが、特に要旨の1の部分に関してお願いをしたいんです。眺望を確保するというのは大事なことですので、やっていただきたいんですが、過去においても眺望確保はやられてきたというふうに伺ってるんですが、高尾山は自然林と造成林が混在しているというふうなことでお話を伺っているんです。この間、伐採が、自然林も含めた形でやられているということから、やはり自然林は貴重なので、ぜひ自然林については保護をしていただきたいということが、地元の自然保護団体から強く要望が出されておりますので、眺望確保という点での間伐とか伐採等については、やはり造成林を中心にしてやっていただくということと、それから、地元の自然保護団体の中には樹木の専門家などもおられるようですので、こういう方々の意見、それから、立ち会いも含めてやっていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 私、ちょうど一週間前なんですけれども、裏高尾の方に行ってきたんですけれども、すばらしい紅葉と、それから、自然に非常に感動いたしました。残念ながら、そこに、全くこの自然環境にはミスマッチの光景を目にしたわけですけれども、それが中央高速道路に沿ったところでの圏央道の準備工事として行われていたという点で、非常に違和感を感じました。
 豊かな自然の中で巨大なジャンクションがつくられて、そのことを通じて大気汚染が、公害がまき散らされるという点でも非常に問題ですし、あのジャンクションがつくられるところは、逆転層といわれて、冬場の気温が下がったときには大気が滞留するというふうな状況も実験結果で出されているという点では、やはりそういうジャンクションをつくったり、それから、高尾山にトンネルを掘るということになれば、貴重な高尾山の動植物や、それから、修験者の方々が滝で修行されるという点でも、水がれの問題だとかが起きる危険性も出てきていますし、東京都民の宝である高尾山の自然が壊されてしまうんではないかという危惧を抱きました。高尾山がいつまでも都民のオアシスとして豊かな自然を守り続けていくためにも、圏央道の建設はやめるべきではないかというのを強く実感した状況ですので、そのこともあわせて申し述べて、請願の採択を主張して、意見表明を終わります。

○町田委員 請願の願意以外のことも、何か今ご意見として出たようですけれども、特に今回のこの請願につきましては、私の本当の地元になりますので、二、三質問をさせていただきたいと思います。
 平成十一年の第四回定例会で明治の森高尾国定公園について取り上げた中で、石原知事は、東京都にとっても非常に大事な野外レクリエーションの場であると認識しているとの答弁でもあり、私も、自然公園法の第一条の目的が利用増進を図ることであり、年間二百五十万人からの人が訪れる高尾山ですので、これらの人々に十分高尾山を満喫してもらうことが必要なことであります。
 また、ことしの五月には、地元からの要請を受け、建設局長みずから現地に出向き、山頂まで足を伸ばし、高尾山頂のビジターセンターでは、地元各団体の代表よりの意見、要望を聞いていただきました。実際に古川局長が高尾山に出向き、霞台より東京都庁を眺め、また、山頂まで登った高尾山の印象についてどのようなご所見をお持ちになられたか、まずお伺いしたいと思います。

○古川建設局長 五月に参った折、平日にもかかわらず、予想以上に多くの方々が山に登られておりました。高尾山は都心からも近く、豊かな自然が残る、都民に身近な山であり、子どもから熟年、そして高齢者まで、それぞれが楽しみ、憩える大切な野外レクリエーションの場であると、改めて感じました。
 このように高尾山の貴重な自然を生かし、より多くの都民が、新宿など東京の市街地が眺められます、そして、一転して富士山、丹沢などの眺望も楽しめる、そういう取り組みを今後とも強めていく必要があると感じました。
 また、当日、八王子観光協会など、地元の方々にもお会いしまして、自主的で意欲的な取り組みを行っていることを伺い、今後、これらの方々やボランティアとの連携が大切であるというふうに痛感いたしました次第でございます。
 なお、圏央道につきましては、これは、首都圏全体の交通渋滞を解消する、あるいは各地域の利便性を向上させ、東京の活性化を図るために非常に必要な事業でございまして、高尾山の自然との調和を図りながら、鋭意推進してまいりたいと思っております。よろしくお願いします。

○町田委員 特に、小仏方面から登っていく、いろはの森というのがあるんですが、ずっとイロハニホヘトと木が植わっているんですけれども、そこの地区が、先ほど他の委員がご意見として述べた圏央道のジャンクションができるところなんですけれども、ここでも、それぞれ地元町会で既に協議会が立ち上がっておりまして、そういった面では、国定公園の中、また、地元の町会の頭の上を通るジャンクション建設ですので、協議会、特に地元の住民の協議会等とも連携をとりながら、高尾山の自然を生かしたすばらしい道路の建設をしていただければと思うわけであります。
 一方、高尾山についてなんですが、霞台からはちょうどこの新宿の副都心がよく見えますし、元日には、霞台ですと、ちょうどランドマークタワーのところから初日の出が上るんですね。必ずそこから上るんですね。ですから、そういう大変すばらしいところであります。ただ、最近は、大変眺望が悪くなってきているんですね。というのは、木が伸びてきてしまって、局長も行かれたときに気づかれたと思いますが、実は、山頂から富士山が見える場所なんですが、昔、私どもが小学生や中学生のときに行ったときには、平場で、今ごろですと、本当に雪をかぶった富士山が真っ正面に見えたんですが、木が伸びてきてしまったために見えなくなって、二メートルぐらい、コンクリートで、いわゆる石垣みたいに積んだ、十平米ぐらいの台をつくりまして、で、見るようにしてたんですね。ところが、また木が伸びてきてしまって、それで見えなくなってしまったら、今度はその上に、物見やぐらじゃないですが、一・五メートルぐらいの足かせをしまして、まさにお城のやぐらみたいにして見ているんですが、でも、今でも、大人ですと、もうこのくらいまでなってきちゃったんですね、目の高さぐらいまで。ですから、それをやるんだったら、今度は本当に鉄塔か何か建てないと見えないような状況なんですね。そういった面では、多くの方たち--きょうも、私も京王線でこちらの副都心へ来たんですが、九時半の京王線に乗るときには、高尾山口行きの京王線は、もう座ってる席がほぼいっぱいで、リュックサックの立った方までおりまして、恐らくかなり、きょうは平日でも高尾山に人が登られてると思うんですね。ですから、そういった面では、都心が見える、あるいは横浜が見える、海が見える霞台、あるいは大見晴、また、特に大見晴から小仏、城山、一丁平に向けてのこれらの眺望の確保が私はぜひ必要だと思いますが、これについての取り組みはどのように考えておられるのか。

○中田公園緑地部長 霞台園地は、東京、横浜方面、また、大見晴園地は、それに加えて丹沢、富士山の眺望にすぐれております。いずれも重要なポイントになってございます。これら園地の一部について、本年十月、既に常緑樹の剪定を行ったところでございます。また、落葉樹につきましても、落葉後に枝おろしを実施する計画でございます。山頂から小仏、城山に至る遊歩道では、樹木の生育により、思うように眺望が得られない場所もございます。特に、杉の林は生産林であるため、関係者との調整を図っており、今後、一層の眺望の確保に努めてまいります。

○町田委員 確かに、この高尾山の場合には、特に、国有林がかなり主にあるものですから、そういった面では、国有林管理者や地元との協力が不可欠ということになると思います。また、市行造林もあるということですので。ですから、要するに国や地元や市が携わっておる、そういったところに対して、眺望確保のために間伐や伐採をやっていくということですから、これらについてどのような取り組みを考えられておりますか。

○中田公園緑地部長 眺望をさえぎっている樹林の大部分が国有林でございます。都は、管理者の林野庁東京神奈川森林管理署に対し、間伐や枝打ち等への協力要請を行い、できる限り協力するという返事をいただいております。
 今後、都が主体となり、国を初め、地元八王子市、観光協会、地域住民の方々等により協議組織をつくり、協力を得ながら眺望確保に努めてまいりたいと思っております。

○町田委員 特に最近は、こういった山に来る方でも、水洗トイレが当たり前という、こういう形で来るんですね。ですから、大変トイレが、特に女性のトイレが不足しておるんですが、請願の中でも、今後、女性用も三ブース増設をしていくということでありますので、ぜひそういった女性の登山客に対する配慮もお願いしたいと思います。
 あわせて、実は、最近ですが、車いす登山が大分多くて、特に高尾山のケーブルの山頂駅をおりてから薬王院までは、道路が舗装されているために、車いすの方もお見えになるんですね。ところが、下の京王の高尾山口とかケーブルカーの駅には車いす用のトイレがあるんですが、そこから先がないんですね。それで、利用者が不自由しているということと、あわせて、実は、車いすについても、登山ボランティアの方が山頂まで引っ張って一緒に登ってくれるということもやっておるんですね。ただ、そういった面で、せっかく山頂にビジターセンターがあるんですが、どうもお聞きすると、車いすの利用の方たちがちょっと不便だよという、こんなご意見も聞いておりますので、車いすのトイレについては、今後どのような整備計画を考えておるのか。
 また、あわせて、特に平日ですと、最近は知的障害者の方たちが高尾山にお見えになるんですね。私、お聞きしましたら、知的障害者の方の中には、いわゆる洋式トイレ、腰かけ式じゃないと、トイレができない方がかなりおるそうなんですね。そういった面では、洋式トイレの設備が不足しておるというんですが、あわせてこの二点について、今後どのような整備計画があるか、お聞きしたいと思います。

○中田公園緑地部長 山頂見晴らし台には、大見晴台園地トイレとビジターセンター内トイレがございます。特に、ビジターセンター内トイレにつきましては、利用者が多い割に女性用ブースが少ないという事情にございます。このため、ビジターセンターに隣接する形で女性用三ブースの設置を考えているところでございます。
 また、車いす利用者が使用できるトイレは、ケーブルカーの上下の駅付近に設置されてございます。最近、車いす利用者の多い薬王院においては、薬王院内の洋式トイレを使用していると聞いております。このため、都として、薬王院敷地内の都立トイレに車いす利用者用のブースを設置する計画を進めております。
 また、知的障害者から要望の多い洋式トイレの設置につきましては、今後、改修の際に十分配慮してまいりたいと考えております。

○町田委員 時間もありませんので、最後に意見ということで述べさせていただきますけれども、高尾山頂から一丁平にかけては、大変すばらしいハイキングコースなんですけれども、実は、残念ながら、左が国有林、右が市行造林ということで、両方とも杉を植えられたんですけれども、間伐を全くしてないんですね。ですから、本当に密集してしまって何も見えない状態で、木だけ伸びてしまっているんですね。
 ところが、ここに行く途中に、二つ、富士山が見える眺望のポイントがあるんですね。これは、実は、ある写真家の方が黙って木を伐採しちゃったんですね、二十本ぐらい。それで、営林署もびっくりしてしまって、署長も首が飛んでしまうんじゃないか、こんな話だったんですけれども、実際に行ってみますと、きょうも恐らく、伐採された二カ所では、皆さん、眺めがいいものですから、そこに座ってお弁当を食べているんですね。それでまた、その座っているベンチが、何と、伐採した木を横に並べて、三つぐらい並べたのを五つぐらいつくってあるんですね、ご丁寧に。それで、そこに皆さん、腰かけて、眺めのいいところでお弁当を食べている、こういう実態なんですね。ですから、やはり利用者は、せっかく汗をかいて山に登って一服する、眺めのいいところでお茶を飲んだり食事をしたい、こういうことですので、実態としてはそういうことですから、相手が国有林ということですから、なかなか交渉も時間がかかると思いますけれども、ぜひ利用者の立場でお願いしたいと思います。
 また、あわせて、ケーブルの山頂の駅から、今いったメーンのハイキングコースなんですが、杉と、特にカシの木が非常に伸びてしまって--木というのは、伸びた木がかぶさってしまいますと、下の木が枯れてしまうんですね。特に落葉樹なんかは伸びが遅いですから、かぶさられると、みんな伸びがとまってしまうということですので、そういった面では、今の紅葉の時期は、もみじを皆さん楽しみに行きますので、特にかぶさっているところのもみじというのは、緑のままで紅葉しないんですよね、風が抜けないので。朝晩冷えたときに冷たい風が抜けると、色鮮やかに赤くなるんですが、抜けないということですから、ぜひそういった配慮も必要かなと思います。
 また、もう一つ、これは今、地元で調整をとっておるんですが、高尾山に自生をしていないシラカバ、ナナカマド等がかなり植わっておるんですね。特にナナカマドは、信州から北の方面では大変すばらしい紅葉を見せるんですけれども、やはりこれは自然の摂理で、高尾山に植えてしまいますと、暖かいために紅葉しないで散ってしまうんですね。で、シラカバもナナカマドも、寒いところですと伸びが遅いんですが、高尾山は暖かいですから、普通の木よりも倍も伸びてしまうんですね。そうすると、今度、伸びた木がかぶさりますから、実際に自生をしているもみじとかその他の木が、上からかぶさって、とまってしまうんですね。ですから、その辺も、先ほど伐採について云々というご意見もありましたけれども、実際に自生をしていない木も植えられて、かなりそれが伸びてしまっているという実態もありますから、その辺のところもぜひ精査した中で、都民に親しまれるすばらしい国定公園として整備をしていただきますよう、地元としてご意見を申し述べまして、終わらせていただきます。

○倉林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認めます。よって、請願一二第三一号は趣旨採択と決定いたしました。

○倉林委員長 次に、一二第二七号、綾瀬川の暫定係留施設建設計画の見直しに関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高本河川部長 整理番号2、一二第二七号、綾瀬川の暫定係留施設建設計画の見直しに関する陳情につきましてご説明いたします。
 この陳情は、葛飾区にお住まいの瀧澤政弘さん外千八百九人から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、葛飾区東四つ木の綾瀬川左岸に暫定係留施設を建設する計画を見直していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都内河川における不法係留船対策の一環として、綾瀬川の静穏水域にプレジャーボート百隻を収容可能な暫定係留施設を計画いたしました。この計画を平成十一年に地元説明会で提示したところ、施設整備予定地の近隣では高速道路等による騒音被害を受けており、これ以上の環境悪化をもたらす施設設置は認められないとの意見が出されました。
 その後、地元町会役員と折衝を繰り返したところ、震災時に利用できる桟橋を併設するなど、地元にメリットのある施設にしてほしいという提案もございました。このため、地元の要望を踏まえ、緊急時に利用できる接岸施設を設けるとともに、施設規模や位置を検討し、植栽帯を設置するなど、地域の生活環境に及ぼす影響を極力抑えた整備計画を策定いたしました。
 なお、この後の状況につきましては、今ごらんになっている請願説明表には「現在、葛飾区と調整を行っている。この調整が整い次第、早期に地元住民との話し合いを進める。」と記載してございますが、先日、葛飾区におきまして、建設委員会に説明していただくなど、区との調整を踏まえ、現在、地元住民との話し合いを進めているところでございます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○倉林委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件は、本日のところは保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一二第二七号は保留と決定いたしました。

○倉林委員長 次に、一二第三一号、補助第一二八号線街路拡張工事計画の反対に関する陳情及び一二第三七号、都道補助一二八号線の事業と計画の見直しに関する陳情は、いずれも同趣旨の内容ですので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小峰道路建設部長 補助第一二八号線の事業に関する二件の陳情につきまして、一括して説明させていただきます。
 まず、整理番号3の陳情一二第三一号をお開き願います。これは、補助第一二八号線街路拡張工事の反対に関する陳情で、世田谷区、杉山守男さん外四十八名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、本路線の世田谷区宮坂一丁目地区における街路拡張工事の計画を強行しないでいただきたいというものであります。
 次に、整理番号4の陳情一二第三七号をお開き願います。これは、補助第一二八号線の事業と計画の見直しを求める陳情で、世田谷区、小野牧夫さん外三百八十六名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、本路線の事業と計画を見直していただきたいというものであります。
 現在の状況としましては、本路線は、地域交通の円滑化に寄与するとともに、都市防災機能の向上を図る上からも極めて重要な道路であり、地元区からも強い整備の要望を受けております。このため、弦巻五丁目から世田谷通りを越えて宮坂一丁目の間八百九十五メートルについては、平成三年六月に事業着手し、平成十一年五月には、弦巻五丁目から世田谷通りまでの区間約七十メートルを交通開放して、周辺の交通渋滞緩和と地域の交通安全に寄与しております。
 これまで約五割の用地を取得したところであり、今後とも、地元住民への説明を重ねつつ、用地取得に努めるとともに、順次街築工事等を実施する予定であり、陳情の趣旨には沿いがたいものがあります。
 なお、本件と同趣旨の請願及び陳情が平成九年、平成十年並びに平成十一年に建設・住宅委員会に付託されておりますが、それぞれ不採択となっております。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小竹委員 私は、昨年もこの陳情について審議をさせていただいたんですけれども、その後の状況を踏まえて、何点かお伺いをしたいというふうに思います。
 昨年伺った段階では、事業区間八百九十五メートルのところでの全体の用地、実際に買収しなければならない面積は一万二千六百平米というふうにお答えいただいて、九八年度末までに六千二百平米の買収が終わっているということで、進捗率五割というふうにお答えいただいたんですが、ここにも五割というふうに記載されているわけですけれども、その後の用地買収の状況はどのようにあるのか、まずお伺いいたします。

○稲熊用地部長 お尋ねの補助第一二八号線は地域の幹線道路でございまして、環状八号線と環状七号線との間を補完する南北道路として、また、馬事公苑などにつながる避難路として重要な役割を担っております。こうしたことから、地元区からも整備促進について強い要望をいただいているところでございます。
 お尋ねの進捗状況でございますが、当該事業区間約九百メートルの用地取得状況についてでございますが、その後、用地測量等が進みましたので、全体で一万二千九百平方メートルのうち、平成十二年十月末までに約六千八百平方メートルの用地を取得しておりまして、その進捗率は五三%でございます。

○小竹委員 用地買収そのものも、九八年度末から現在までで五三%ですから、そんなに進んでないということがやはり大きな問題にあるし、ここに出されている方々が大半地権者の方々というふうにも伺っておりますので、そういう意味でもきちんとした住民合意がなされていないというのが、この点からも出てくるんじゃないかというふうに思います。その上で、ことしの夏だと思うんですが、道路が通過する部分に当たっている桜木中学のところはトンネルになるというふうに前回も伺っているわけですけれども、それと南側が掘り割り構造ということでご報告いただいているわけですが、この掘り割り構造を含めて、トンネル部分や何かの道路幅員や道路構造はどのようになるのか、その点をお答えいただきたいと思います。

○小峰道路建設部長 本一二八号線ですが、これは、今、委員からございましたけれども、地元からも強い要望がございますし、また、既に、面積にしまして五〇%を超える方々の理解を得て取得させていただいていますので、我々としては道路整備を進めていきたいというふうに思っています。
 ただいまの道路構造についてのご質問でございますが、桜木中学校の部分につきましては、延長約百三十メートルのトンネル構造でございます。幅員は十五メートルで、そのうち車道が七メートル、歩道は二メートル三五の幅員で両側に設置いたします。
 また、トンネルの南側区間でございますが、延長約百メートルの掘り割り構造となってございまして、幅員は二十八メートル、そのうち本線部といいますか、車道は七メートル、歩道は二メートル三五の幅員のものが両側に設置されます。
 また、本線部の両側ですが、沿道利用者のための幅員六メートル五〇の側道を設置いたします。

○小竹委員 今、トンネル部分と、それから、掘り割り部分の構造についてご報告いただいたわけですが、いずれにしても道路面を掘るということになってきているわけで、そういう点では、ことしの夏、桜木中学校の校庭で埋蔵文化財の試掘調査が行われたというふうに聞いているんですが、遺構や遺物が発見されたというふうに聞いておりますが、どの時代のどのようなものなのか、それと、今後、埋蔵文化財に対してどのように対応していくのか、その点はいかがでしょうか。

○小峰道路建設部長 委員お話ございましたが、十二年八月--ことしの夏でございます--予備調査を行いました。その結果によりますと、縄文時代の土器片あるいは住居跡が出土いたしました。また、江戸時代の陶器片あるいは住居跡も出てございます。今後は、世田谷区教育委員会と協議し、本調査を行うこととしております。

○小竹委員 校庭内の試掘で、南側部分から中心に出ているということですけれども、そうなると、私も世田谷の教育委員会にちょっと伺ったんですけれども、ここは包蔵地ということで、世田谷区が指定をし、東京都の教育委員会も指定した。包蔵地に指定されている、そこが桜木遺跡というふうに名づけられているということなんですけれども、縄文時代のかなりの集落が出てくる可能性があるんじゃないかというふうにいわれて、その集落の北側の境が校庭の都道南側部分に当たるという点では、掘り割りで掘る部分がかなり集落が出てくる可能性の強いところだというふうに思われるわけですが、その地域も含めて調査をなさるというふうな計画なのかどうか、その点はいかがでしょうか。

○小峰道路建設部長 現在の協議の段階では、校庭の南側部分約五百平方メートルについて調査をする予定でございます。

○小竹委員 トンネルで掘るから、校庭は壊すのはそのとおりなんですよね。調査しなければいけないわけですよね。文化財保護法の規定からいっても、これは調査しなければいけないんですが、掘り割りの部分も壊すわけですから、この部分を含めて調査をするというのが--壊す場合においては、調査をしてきちんと記録に残さなければいけないというのが文化財保護法の考え方ですから、どうしてもこの道路をつくるということになれば、当然この部分については調査をしなければいけないわけで、その点、もう一回お伺いします。

○小峰道路建設部長 先ほど申しましたように、現段階では、校庭の部分でございますが、さらにその南側につきましては、包蔵地という可能性もございますので、用地取得が進んだ段階で、工事に先立ちまして行っていくということになりますが、それにつきましても、世田谷区と協議をしてまいりたいというふうに思います。
 また、掘り割りということでございますから、出土するものにつきましては、記録、保存などを図っていくということになると思います。

○小竹委員 今、お答えいただいたのは、文化財保護法にのっとって当然やらなければならない義務ですから、やるのは当然だというふうに思うんですけれども、こういう縄文時代、それから、江戸の遺跡、今、やはり開発によってどんどん壊されてなくなってしまっているんですね。埋蔵文化財というのは、基本的には壊さないで残しておけば、本当に二十一世紀に貴重な遺跡として引き継いでいくことができるという点では、私はやはり、こういう文化財を保護するという点で、保護地域を避ける、ないしは道路計画を見直すべきときに来ているんじゃないかというふうに思うんですよ。生活密着の道路だというお答えをこの間も建設局の方はされているわけですけれども、現に住民合意ができていないから、この間、地元の皆さんがやはり何とか見直しをしてほしいという要望として陳情が出されているわけです。
 杉山さんの方のでいえば、十一メートルの道路があって、この点でいえば生活上支障を来していない、安全で快適な生活を守っていきたいからということで出されているわけで、一日一万台の車が入ってくれば、当然、大気汚染も深刻な状況になるわけですから、こういう点での住民の皆さんの心配は当然のことだというふうに思うんですね。この間でいえば尼崎の公害裁判、それから、先日、名古屋でも、公害裁判が住民の完全勝利という判決も出ているわけで、道路をつくって、これ以上車をふやして大気汚染を深刻な状況にするということは、やっぱり見直していくべきではないかというふうに思うんです。生活密着の道路といえども、やっぱり現道のないところに道路をつくることだとか拡幅については、きちんと住民合意を得てやるというのが筋だというふうに思うんです。
 特に、住民合意を得ないで強行するということは重大な問題ですし、まして前回のときに収用手続云々というふうなお話もありましたけれども、収用法の適用ということになれば、憲法二十九条の財産権の侵害ということにもなるわけで、こういうことでいえば、憲法違反の行為を東京都が道路建設のためにやるのかという問題にもなるわけですから、そういう意味では、住民の皆さんとの合意をつくるための最大限の努力をするということが、やっぱりやられなければならない問題だというふうに思います。そのことを強く指摘をし、陳情を採択するよう求めて、発言を終わります。

○小峰道路建設部長 ただいまのお話の中で、第一点は、地元の方たちの合意が得られていないということでございますが、これにつきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、地元区からの強い要望もございます。また、私ども、用地のご協力をしていただいたということもありますし、また、全体としては大方の方の合意が得られたというふうに理解して、私ども、事業を展開しているところでございます。
 また、事業を進めるに当たりましても、地元への説明なども十分行ってきたというふうに理解しております。
 また、この道路を整備することによりまして大気汚染が進められるということでございますが、私ども、幹線道路なり、あるいは、先ほど話がございました三環状のうちの圏央道、こういったところの整備につきましては、全体の道路交通を円滑化する、こういった意味もありますし、また、生活道路、サービス道路といいますか、そういったところへの道路交通の進入を防ぐ、こういった意味からも事業を進めているところでございます。これからも積極的に進めていかなくちゃいけないというふうに思っています。
 また、土地収用法の適用の関係でございますが、収用法を実際に適用する場合には、相当用地取得が進んだ段階ということでございます。今の段階では九割以上の方が協力していただいて、残りのわずかの方のためにそれまでの投資効果が出せないというふうなこともございます。さらには、一坪地主や、あるいは紙一枚の、そういった地権者に対しても、それは適切なことではないということで、私ども、必要な法的な措置は行っていくというふうに考えてございます。

○倉林委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕

○倉林委員長 速記を始めてください。

○小竹委員 私はね、大方の合意が得られているというふうにご答弁いただいたんだけど、現にここに出ている--杉山さんの関係で四十八人ですよ。それから、小野さんの関係で三百八十六人ね。この出されている方の多くは、ここの道路拡張ないしは新しく設けるところの地権者の方々が圧倒的なんですよ。そういう点でいったら、現在、そこに道路を通す部分についての合意ができてないということは明らかじゃありませんか。
 そういう点でいって、だから、一年半ぐらい--去年伺ったのは、九八年度末で六千二百っていわれているわけで、やっぱり用地買収についても、合意ができてないからこういう実態になっているという点でいえば、やっぱりきちんと関係住民の人と--最低限、そこに道路を通すということからすれば、そこに住んでいる地権者の方々と、きちんと合意を得るというのは最小限度のことですよ。それを、もうこれは区が了承している、それから、大方が了承しているんだからといって強引に進めるというのは、それは憲法で保障されている財産権の問題からいったって、許されないことですよ。そういう点で、やはり私は、関係住民の方、そこの地権者の方々ときちんと合意をするというのが大前提になるということだけは、強く申し上げておきたいというふうに思います。

○稲熊用地部長 用地取得の状況について、るるご指摘がございました。詳しく説明申し上げますと、十年度末では四八%、十一年度末では五〇%、それから、十二年度が上半期で五三%と、そういったことで、今年度まだ半年ありますので、もう少しそれが進みます。ですから、こういう都の財政の厳しい状況の中で六%近く取得率が上がっているということは、私どもとしては、それなりに地域の皆さんの理解と協力があったたまものだと、このように考えている次第でございます。

○倉林委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情一二第三一号を起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択することに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○倉林委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一二第三一号は不採択と決定をいたしました。
 次に、陳情一二第三七号を起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○倉林委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一二第三七号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 建設局関係を終わります。

○倉林委員長 これより住宅局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○戸井住宅局長 平成十二年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております住宅局所管の案件につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 初めに、平成十二年度一般会計補正予算案の概要につきましてご説明申し上げます。 今回、補正予算としてお願いしますのは、三宅島火山活動及び新島・神津島近海地震等にかかわる災害復旧関係予算でございます。
 事業といたしましては、被災者に対し、新島村、神津島村が建設します村営住宅に対する補助と、被災者が自己用住宅を再建、補修する際の資金に対する利子補助でございます。
 以上が補正予算案の概要でございます。
 次に、工事請負契約議案につきましてご説明申し上げます。
 今回ご審議いただきますのは、都営住宅の建設に関する工事請負契約議案二件で、建設戸数は二百九十一戸でございます。
 以上、平成十二年第四回定例会に提出を予定しております案件の概要についてご説明申し上げました。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては総務部長からご説明申し上げますので、よろしくお願いをいたします。

○清水総務部長 それでは、お手元の資料1によりまして、平成十二年度一般会計補正予算についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。補正予算の総括表でございます。
 左側から二番目の補正予算額の欄でご説明いたします。今回の補正は、先ほど局長からご説明申し上げましたとおり、災害関係の予算にかかわるもので、上段の歳出合計に記載のとおり、二億二千四百万円を計上しております。
 二ページをお開き願います。二ページは、今回計上の事業内訳でございます。
 歳出予算として補正計上をお願いするのは、区市町村住宅供給助成事業でございます。これは、このたびの災害に伴い、新島村及び神津島村が、被災者のうち自力再建が困難な住民のために恒久的な村営住宅三十七戸を建設することといたしましたが、この建設に対する都の補助金二億二千四百万円を計上しているものでございます。
 三ページに移らせていただきます。三ページは、ただいまご説明いたしました経費内訳でございます。ごらんいただきたいと存じます。
 五ページをお開き願います。五ページは、債務負担行為のⅠの補正でございます。
 事項は、民間住宅建設資金利子補助で、被災者が自己用住宅の再建、補修を行うための資金に対する利子補助でございます。具体的には、住宅金融公庫の災害復興住宅融資制度がございますが、この借り受け者に対し、十年間利子補助を行うこととし、さらに利子負担の軽減を図りたいと考えております。
 なお、経費の支出は十三年度以降となることから、債務負担行為額の補正として計上しているものでございます。
 以上で補正予算案の説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、工事請負契約議案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、平成十二年第四回都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんいただきたいと存じます。
 工事請負契約議案の総括表でございまして、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由を記載してございます。
 なお、契約の方法欄の括弧書きは、入札回数及び指名者数でございます。
 次のページをごらんいただきまして、合計欄をごらん願います。
 契約件数は二件でございまして、契約金額は合計で二十五億六千八百三十万円、建設戸数は公営住宅二百九十一戸でございます。
 それぞれの内容につきましては、資料2(二)以下で順次ご説明申し上げます。
 それでは、一枚おめくりいただきまして、資料2(二)をごらんいただきたいと存じます。都営住宅十二H-一〇四北(村山)工事概要でございます。
 公営住宅百四十二戸を建設するものでございまして、構造等は鉄筋コンクリートづくり十二階建て一棟、契約の相手方は今西・カトービルド建設共同企業体、契約金額は十四億一千五百四十万円、工期は平成十四年十月三十一日まででございます。
 次のページに案内図、配置図、その次のページに平面図、断面図を添付してございますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 次に、資料2(三)をごらん願います。都営住宅十二H-一〇六北(村山)工事概要でございます。
 住宅の戸数は、公営住宅百四十九戸でございます。
 以下の説明は、まことに恐縮でございますが、省略させていただきますので、先ほどと同様にごらん願いたいと存じます。
 以上で工事請負契約議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○小竹委員 この団地の敷地の総面積が三万一千五百四十一平米ということですから、この二つの都営住宅だけではないというふうに思うんですが、そういう意味で、この二期工事の全体、計画全容がわかる資料、それが第一です。
 それから、全体の総事業費をどのぐらいに考えているのか、その点が第二。
 第三として、分離分割発注状況が、この都営住宅の場合、どういうふうに行われていくのか、そのわかる資料が三番目。
 四番目として、この二つの工事案件についての入札経過のわかる資料をお願いしたいと思います。

○倉林委員長 ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認めます。
 理事者においては、要求されました委員と調整の上、提出を願います。

○倉林委員長 次に、請願の審査を行います。
 一二第三三号、町田地区公社住宅家賃値上げ反対に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○井上区市町村調整担当部長 一二第三三号、町田地区公社住宅家賃値上げ反対に関する請願について、ご説明を申し上げます。
 請願者は、町田市にお住まいの境川団地自治会会長の元山勝さん外五人の方々でございます。
 請願の要旨でございますが、住宅供給公社の賃貸住宅家賃値上げ計画について、次のことを実現していただきたい、こういう内容でございまして、1、町田地区の値上げ計画を撤回すること、2、町田地区の住民代表を入れた検討委員会をつくり、再検討をすること、3、都は、以上の事項に関して公社を強く指導することでございます。
 現在の状況でございますが、公社は、一般賃貸住宅の家賃改定につきまして、平成十二年五月に決定し、九月から実施しているところでございます。
 今回の改定につきましては、一つは、公社賃貸住宅相互間に家賃のアンバランスが生じていること、二つは、前回の改定から六年を経過したため、その家賃収入では住宅の維持管理に適切に対応できない状況にあったことなどから行ったものでございます。
 改定額につきましては、近傍同種の住宅家賃を参考に決定したもので、その結果、家賃が引き上げとなる住宅と引き下げとなる住宅がございます。引き上げとなる住宅につきましては激変緩和措置を、また、高齢低所得者等へは特別の減額措置を講じております。町田地区の住宅についても同様でございます。
 家賃改定に当たりましては、学識経験者等で構成される調査会を延べ五回開催し、その上、評議員会の審議を経て決定されたものでございます。
 また、居住者の方々へも、家賃改定の考え方等につきまして、公社発行の「都公社だより」等でお知らせをしてきたところでございます。
 以上のような状況でございますので、よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○土持委員 家賃の改定が九月から行われたわけですが、私たちの会派では、特にこの改定に当たりまして、いつも家賃の改定の時期に同じ話題になるんですけれども、改定の理由というのが、今、説明が担当部長からありましたけれども、なかなか住民の皆さんに理解されてないということをいつも感じるわけなんです。担当者の方は、前後五回やったとかいっておりますけれども、近傍同種とか、あるいは六年前に家賃改定したから、今度は改定しなくちゃいけないとか、また、公社の経営状況がどうだとかということは、なかなか居住者にとってわかりにくいと思うんですね。やっぱり第一は、居住者の人が安心して住み続けられるということが一番大事じゃないかと思うんです。そのほか、いろいろな理由があるわけですけれども、やっぱり理解した上での改定というのが一番大事じゃないかというふうに思うんです。
 九月から実施をされたわけですけれども、今、担当部長から説明がありましたが、例えば高齢者の方の特別な減額の措置とか、あるいは減免の制度とか導入しておりますけれども、実際にそういう希望者が出てきていると思いますけれども、一つは、今回の改定に対するいろいろな意見が出てきていると思いますけれども、それをお聞かせください。
 もう一つは、高齢で低所得者の方、この方たちがどのぐらいの要望を出してきたか、また、その要望に対してどういう結果になっているか、最初に示していただきたいと思います。

○井上区市町村調整担当部長 今回の家賃改定に伴いまして、供給公社に各種の問い合わせ等が寄せられておりますが、現在まで私どもで聞いておりますのは、大体百件程度だというふうに聞いております。
 問い合わせの内容の主なものは、やはり自分たちの修繕をどうしてくれるのかとか、減額措置はどういう措置があるのかとか、あるいは、そういったような申請をするのはどういうふうにすればいいのか、こういったような問い合わせが寄せられているところでございます。

○土持委員 改定をいたしまして、増収額が当然計上されてきますけれども、その増収額については、今、問い合わせの中にもありましたとおり、例えば営繕の部分とか、今までなかなか進まなかった住宅の環境に対する対応とか、いろいろあると思うんですけれども、やはり増大額についての使途、どういうふうに使うかということは大切な課題じゃないかと思いますけれども、具体的にどういう形で使途していくのかということを示していただきたいと思います。

○井上区市町村調整担当部長 実際の増収分につきましては、公租公課の必要経費の不足額に充てるということが一つございます。それ以外に、従来から行っております住宅の修繕であるとか、あるいは浴室改修や電気の容量の増量--アンペアの増量でございますが、そういったようなものの住戸の設備改善の財源として充てるのが一つ。それから、先ほど申し上げました高齢低所得者世帯に対する特別減額措置をとりますので、これの財源として増収分を充てるのが一つ。それから、建てかえに伴います空き家の補てんの財源として充てる、こういうふうなことでやっているというふうに聞いてございます。
 なお、先ほどの答弁で、一つ答弁漏れがございました。大変恐縮でございます。
 高齢低所得者への特別減額措置の申請件数でございますが、十一月二十一日現在、三千百七十六件の方が申請してございまして、これにつきましては順次審査をしておりまして、一部を除きまして、そのほとんどが承認となる見込みだそうでございますので、ご報告申し上げます。

○土持委員 再度確認いたしますけれども、高齢低所得者の方については、ある程度そこで対応できるという認識でよろしいですか。
 あわせて、先ほどの部長の説明ですと、六年前に改定をした、あるいは近傍同種にしなくちゃいけないとかということでありますが、現実に公社、今、改革をしているわけですね。私たち、住宅局もこういうふうにいろいろ努力しているということも、やはり住民には知っていただかなくちゃいけないところだと思うんですけれども、あわせてその二点を、説明をお願いしたいと思います。

○井上区市町村調整担当部長 高齢低所得等の方々につきましては、先ほど申し上げましたように特別減額措置を講じておるところでございまして、大体平均で、一世帯当たり千八百円程度の値下げになっております。これと、一般の激変緩和措置を合わせまして、約四千円見当、家賃の値下げになってございますので、現在とり得る、供給公社としては精いっぱいの努力をしているものでございます。
 なお、引き続き、高齢低所得者あるいは居住者の方々と十分な話し合いをしながら、よくご理解をちょうだいするようにしてまいりたいと思います。

○土持委員 公社の内部努力を、ちょっと答弁してください。

○渡利連絡調整担当部長 公社経営の改革に向けての取り組みでございますけれども、公社におきましては、これまで、平成十年度に策定いたしました経営健全化五カ年計画に基づきまして、組織の改革や、以前高い金利で借り入れた資金の借りかえ、また、役職員の削減等の経営改善を進めてまいりました。と同時に、都民の皆様に満足していただけるサービスを提供するために、民間人材の活用でありますとか、全職員に対して、外部講師によるサービス向上を目的といたしました研修を実施するなど、全社を挙げてサービス強化に努めてきたところでございます。
 さらに、先般、監理団体改革の実施計画が発表になりましたけれども、公社といたしましては、これを踏まえまして、経営改善計画を策定し、徹底的な経費節減、また内部努力による強固な経営体質の構築などに取り組んでいくこととしております。
 住宅局といたしましても、その実現に向けまして、今後とも公社を強く指導していく考えでございます。

○土持委員 余りよくわからない答弁でしたけれども、いずれにしても内部努力を前提として、先ほど改定が--これは公社が厳しいからという改定という認識がもし居住者に出た場合は、やっぱりこれは大きな問題だと思うんですね。ぜひその辺を居住者に理解ができるような形にしていただければありがたいと思います。
 最初に申し上げましたとおり、改定に当たっては、居住者の方々が十分に納得できるような、とにかく丁寧な説明がどうしても必要じゃないかと思うんですね。今こういう時代ですから、特に必要を感じます。
 あわせて、先ほど申し上げた増収分については、必ず公社の居住水準を上げる、また、その他居住者に対するサービスに必ず充当するということをぜひお願いを申し上げまして、終わらせていただきたいと思います。

○倉林委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○倉林委員長 起立少数と認めます。よって、請願一二第三三号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 住宅局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十八分散会

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