○小山委員長 福井ゆうた委員の発言を許します。
○福井委員 私たち国民民主党は、現役世代から豊かにを基本姿勢として掲げています。
企業収益や雇用環境の改善により税収が堅調に推移する一方で、物価高騰、住宅費の上昇など、都民の手取りと生活の安定の基礎は揺らいでいます。
都の成長を、都民の手取りと生活の安心へと確実につなげていくために、現役世代支援、稼ぐ東京の実現、都民の命を守る取組について質問させていただきます。
国は昨年、新たな就職氷河期世代等支援プログラムの基本的な枠組みを定め、その中で、就農希望者への支援を取組の一つとして掲げています。
東京の農業を将来にわたり維持していく観点からも、就職氷河期世代に限らず、多様な人材が農業に挑戦できる環境を整えていくことが重要です。
我が会派は、東京農業アカデミーを視察し、他の業種からの就農を考える方にとっては、技術や知識の不足だけでなく、生活スタイルの変化や農地の確保が大きなハードルになっていることを実感しました。
都は、人材育成と就農地の確保支援の両輪で、多様な農業人材の確保を進めていくべきと考えますが、来年度の具体的な取組について伺います。
○田中産業労働局長 東京農業を次世代につなぐためには、多様な担い手を確保することが重要でありまして、都は来年度、人材育成研修や農地確保を支援する取組を強化いたします。
具体的には、新規就農者への実践研修に加え、新たに農家を継承するか悩んでいる方の就農を後押しするためのセミナーを実施するほか、先進的な農業を学ぶ研修の開始に向け、準備に着手いたします。
また、新規参入者の農地確保に向けまして、農地が見つからない就農希望者が、一定期間営農できます農場の整備を進めるとともに、生産緑地の長期貸借の契機となる短期の貸借に対し、二十万円の奨励金を交付する取組を開始いたします。
○福井委員 まずは農家を継承するか悩んでいる方への就農を後押しするということで、時宜にかなった取組だと考えます。
今後はぜひ社会人向けの講座の拡充や、農業法人と就農希望者のトライアル雇用マッチングなど、多様な農業人材の確保に取り組んでいただくよう要望して、次の質問に移ります。
昨今、都内の住宅価格、家賃高騰が続いております。我が会派はこうした住むためのコストの上昇が、現役世代、子育て世代の可処分所得を圧迫し、この世代が都外に転出する理由になるのではないかと懸念をしています。
都が進めるアフォーダブル住宅に関しては、いかに安定して供給戸数を確保できるかが今後の課題であると考えます。
都市整備委員会での質疑において、今後アフォーダブル住宅の供給を公共貢献として都市計画に取り入れると答弁があり、この取組は評価しますが、都市計画が実現するまでには時間もかかりますので、併せて別の対策も必要です。
そこで、我が会派は、特に都心部における有効な対策として、雑居ビルなどのリノベーションを通じたアフォーダブル住宅の供給事業に注目をしています。
都心部など住居費の負担が高い地域において、アフォーダブル住宅を供給するために、都はどのように取り組んでいくか、見解を伺います。
○谷崎東京都技監 都は、来年度実施を予定しているリノベーションによるアフォーダブル住宅供給チャレンジ事業におきまして、民間の事業を公募いたしまして、選定の上、工事費等を補助することとしております。
その上で、実施した事業を事例として発信するとともに、事業費や運営のスキームなど、得られた知見を今後の取組に生かしてまいります。
加えまして、都市開発諸制度を改正いたしまして、民間の開発の機会を捉えて、アフォーダブル住宅の供給を誘導いたします。
こうしたことを通じまして、都心部をはじめ、都内各地におきまして、民間活力や既存ストックを活用いたしまして、手頃な価格で安心して住むことができる住宅の供給に取り組んでまいります。
○福井委員 現状では、予算規模、供給戸数など、まだ少ないですけれども、ぜひこの事業を特に都心部における実効性のある施策として積極的に推進していただくことを要望して、次の質問に移ります。
昨年十月、台風二十二号、二十三号の直撃を受けた八丈島と青ヶ島では、島の主要な産業である観光にも甚大な影響を及ぼしました。
国民民主党東京都議団は、発災後、都に対して緊急要請を行い、復旧後の観光プロモーションの重点的な実施などを求めたところでございます。
これを受けて補正予算を組み、観光キャンペーンなど実施に取り組んでいることを高く評価いたします。
小池知事も、このキャンペーンのオープニングセレモニーにて、ピンチをチャンスに変えるという発想で、ただ元どおりにするというのではなく、以前にも増して魅力ある島にしていくとコメントをされており、大いに期待をするところです。
補正予算を活用して、来年度も切れ目ない観光プロモーションを実施し、八丈島、青ヶ島の観光の着実な復興を後押ししていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中産業労働局長 都は、昨年十月の台風により被災した八丈島と青ヶ島の観光産業の復興に向け、町村や観光協会と連携して観光キャンペーンを実施しております。
八丈島の割引旅行商品は、販売を開始した三月二日から二週間で約七割が購入されており、四月以降も販売を行う予定としてございます。今月末からは、青ヶ島の割引ツアーの販売も開始いたします。
また、島の特産品販売等の観光PRを都庁展望室で一週間実施し、約二千七百人が来訪していただきました。
来月には、東京駅近くの商業施設で、島のグルメや伝統文化を体験できるイベントを開催するなど、引き続き支援してまいります。
○福井委員 災害により生じた損失をしっかりと補填するとともに、島しょの新たな観光の魅力創出に向けて、引き続き取り組むことを要望し、次の質問に移ります。
人手不足が深刻さを増しています。労働生産人口の今後の推移を考えると、DXの推進による一人当たりの生産性向上が必要不可欠です。東京都が特に中小企業のこうした取組を後押しすることは重要です。
しかしながら、一言にDXといっても、企業ごとに課題や進捗状況は大きく異なります。DXは単なるデジタル化やデジタルツールの導入ではなく、働き方と経営の変革そのものです。
そのため、中小企業のDXの推進に向けては、各企業のDXの進捗状況に合わせた支援を行うことが大切だと考えますが、知事の見解を伺います。
○小池知事 東京の産業を支える働き手が減少する中で、中小企業が持続的に成長するためには、デジタル技術の活用による省力化やビジネスモデルの変革が欠かせません。
中小企業のデジタル化を後押しする窓口を設けるほか、専門家が巡回し、様々な業種の事業活動に適したデジタル機器などの導入をサポートしております。
来年度は新たに、取組が進んでいない企業がデジタル化の利便性を実感できますよう、機器等をトライアルで導入できる仕組みを設けます。
また、AIの活用やDXによる事業変革を加速させるため、システム等の導入経費への助成を拡充しますほか、最長三年間にわたり伴走支援を行います。
中小企業の状況に応じましたきめ細かい支援を行うことによって、生産性の向上、成長を促し、東京の産業の競争力強化につなげてまいります。
○福井委員 ありがとうございます。DXのファーストステップに取り組む企業から事業変革に取り組む企業まで、丁寧に対応する点を高く評価いたします。
また、デジタル化に係るソリューションは、サブスクリプションが主流になるなど、時代とともに変化をしてきています。さきの経済・港湾委員会の質疑においても、都はこうした変化にも対応していくことを確認させていただきました。
従来の機材やツールの導入費を一括で補助する支援から、伴走支援や人材育成、サブスクライブ型のデジタルツール活用を前提とした支援にシフトし、時代に即したDX推進を進めていただくよう要望いたします。
そして、DXは単なるツールの導入ではなくて、経営の変革そのものと言及しましたが、都政のDXも同じです。先日の総括質疑において、AIの活用に取り組むと答弁があり、こうした取組は高く評価をしています。あわせて、効率化によって生じたリソースを、都民が真にQOSを実感できるよう、都民目線でのサービスの質を高めることに振り向けていく、活用していくことが必要です。
我が会派はかねてより、煩わしいことはデジタルに任せ、思いやりは人の手で届けるという考え方が重要であると主張してきました。例えば、十八歳の壁の問題や孤独、孤立の深刻化など、様々な社会問題の解決に向け、例えば、前例のない新たな施策の立案や、児童相談所など現場における都民との関わりなど、人の判断や思いやりが求められる仕事へ重点的にリソースを振り向けていくべきではないでしょうか。
都は、都政のDXによって生み出されたリソースを人の判断や思いやりが求められる仕事へ振り向け、社会課題の解決を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。
○佐藤総務局長 将来にわたり、都政全体のQOSを向上させながら都政課題に取り組んでいくためには、効率的で生産性の高い持続可能な執行体制の構築を進めていくことが必要でございます。
そのため、都は、都政の現場を担う政策連携団体も含めまして、都庁全体で業務プロセスの最適化や生成AI等の先端技術の活用などによりまして、業務の抜本的な見直しや効率化を促進いたしまして、児童相談体制の強化をはじめ、二〇五〇東京戦略に掲げる重要施策など、社会課題の解決に向けまして、マンパワーシフトを進めております。
今後とも、より質の高い都民サービスの提供と、新たな重要課題への対応ができますよう、持続可能な執行体制の構築に向けて取組を進めてまいります。
○福井委員 次に、都民の命を守る取組について伺います。
都の救急医療体制について、東京都ドクターヘリが四月以降運航休止となるとの報道がありました。経緯については割愛しますが、我が会派は、整備士不足など専門人材の確保という構造的な課題が浮き彫りになっていると受け止めています。
もちろん、運航委託契約における事業者選定等の問題はなかったかというご意見も真摯に向き合っていただく一方で、冷静にデータを確認いただきながら、東京の救急患者の搬送の在り方について検討すべきという観点から改めて質問いたします。
まず、前提として、島しょ部では東京消防庁のヘリコプターにより、島しょの医療機関で対応困難な患者を本土に搬送しており、今回休止となるドクターヘリは多摩地域を中心に運航されるということです。
そして、この今回休止となる東京都のドクターヘリは、重症が想定される場合に出動し、これまで八百人を搬送してきた一方で、出動後約八割が搬送に至っていないという数字があります。このキャンセルの主な理由について伺います。
○山田保健医療局長 都のドクターヘリ運航事業では、一一九番通報時に東京消防庁の指令室が通報内容から重症、重篤と判断した場合に、救急車の出動とともに、直ちにドクターヘリの出動を要請しております。
ヘリで搬送しなかった主な理由といたしましては、患者の下に先に到着いたしました救急車の隊員が患者の状態を直接確認し、重症、重篤でないと判断した場合などが挙げられます。
こうしたケースでは、救急車で近くの救急医療機関へ患者を搬送し、ヘリは次の出動に備え、迅速に基地へ戻る運用としているところでございます。
○福井委員 この八割というキャンセル率の数字をもって、まるで都のドクターヘリの運営がずさんであったかのような指摘もありますが、我が会派は、この数字について冷静に捉えていく必要があると考えています。
このキャンセル率について、都道府県別の数字を調べてみると、確かに東京都は突出して高い数字にありますが、そもそも運用方法が地域の状況などにより大きく異なるため、一概には比較できません。
ほかの自治体では、現場で救急隊が必要性を判断してからヘリを要請する運用となっているケースもあるようですが、この場合、キャンセル率は低くなります。実際に島しょ地域では、医師の判断により東京消防庁のヘリ搬送を要請しており、キャンセルはないと聞いています。
また、他県では、重症ではないと判断されても、そもそも近隣に病院がないことから、そのままヘリで搬送されるケースもありますが、都では次の要請に備えて引き返すことが徹底されています。つまり、このキャンセル率の高さは、都が生命の危機が切迫している傷病者を早期に医師の管理下に置くことを最優先の目的として運航されていることの表れと捉えることもできます。
何のためにヘリを飛ばすのかという事業の目的の違いの問題であって、事業者選定の問題とは切り離して考えるべきです。そして、この休止期間中、どのような都民の安心を確保するのか、しっかりと説明をしていく必要があります。
改めて、運航休止を受けて、現在どのような代替対応を講じており、それによって救急医療体制はどの程度カバーできると見込んでいるか伺います。
○山田保健医療局長 都は、ドクターヘリ運航休止期間中、東京消防庁と連携して救急車で迅速に搬送するほか、山間地域を中心に消防ヘリコプターも活用してまいります。
また、多摩地域の救命救急センターとの間で、ドクターヘリと同様に、医師が同乗して現場に赴くドクターカーの運行地域の拡大に向けて具体的な調整を進めているところでございます。
あわせて、都県境周辺での患者の円滑な受入れのため、近隣県の救命救急センターに対しても協力依頼を行っております。
こうした対応によりまして、運航休止期間中も多摩地域の救急医療の確保に努めてまいります。
○福井委員 ありがとうございます。東京消防庁との連携やドクターカーの活用で救急医療体制を確保できることが分かりました。
今回の運航休止をどの業者でいつ再開するかという問題として捉えるのではなくて、東京という高密度都市において、どの手段が最も確実に命を救えるのか、どの手段が最も持続可能性があるかどうかという観点から、救急医療の在り方を考えるきっかけになるのではないかと思います。
ドクターヘリの再開の検討と並行して、ドクターカーの拡充や他県と連携したドクターヘリの活用など、新たなモデルを検討することを求め、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○小山委員長 福井ゆうた委員の発言は終わりました。
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