予算特別委員会速記録第五号

○伊藤(し)副委員長 西崎つばさ理事の発言を許します。
   〔伊藤(し)副委員長退席、中田副委員長着席〕

○西崎委員 立憲ミライネット・無所属の会の西崎つばさでございます。会派を代表いたしまして、締めくくり総括質疑を行います。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、目下の緊急的な課題について伺います。
 イラン情勢の影響により、原油価格の急騰に加え、中東が輸入の七割を占める石油派生製品ナフサの供給不足が、幅広い最終製品の供給を滞らせる可能性も指摘をされています。
 ナフサは、医療用の手袋や点滴バッグといった人命にも関わる製品から、児童生徒の制服の実に幅広い製品に使われており、様々な最終製品の値上がりも懸念されるところです。
 私たちは、代表総括において補正予算の編成も含めた対応を求めました。あれから僅か二週間余りでありますけれども、この間に状況が激変してきたことはいうまでもありません。
 このような情勢を踏まえ、都としてどのような対応を取る考えか、見解を伺います。

○山下財務局長 都はこれまでも、物価高騰に関して必要な対策を講じており、都民生活の応援や中小企業への賃上げ、価格転嫁対策など、重層的な対策を講じております。
 現下のエネルギー危機につきましては、都民や事業者への影響など、状況の変化に応じて柔軟に対応することも重要でございます。
 今後とも、都民や事業者への影響など、状況を注視してまいります。

○西崎委員 柔軟に対応することも重要という認識をいただきました。
 情勢が非常に流動的でありまして、見極めも難しいということは承知をしておりますけれども、必要性を見いだしたならば、積極的に先手を打っていただくことを求めたいと思います。
 さて、現在の極めて不透明な状況もそうでありますし、また失われた三十年と呼ばれる日本の停滞に鑑みても、人々が自らの生活、そして将来に抱く不安を取り除くことが最も重要な政策課題であると私たちは考えます。
 そこで進めるべきは、生きていく上で誰もが必要なサービスを社会全体で保障するベーシックサービスの考え方ではないでしょうか。弱者を救済するのではなく、弱者を生まない社会を目指すということです。
 例えば、子育て施策を充実させたら独身税、させなかったら子育て罰といわれるように、ある政策が社会で対立を招きかねないことも事実です。しかし、どんな立場に置かれている人であっても、そのニーズに応じて生活が保障されるベーシックサービスの充実が達成されれば、自己責任論と分断を乗り越えて、誰もが自分らしく多様な生き方を選ぶことが可能になると私は考えます。
 もちろんこれが都だけで実現できるわけではありませんが、徹底した子育て支援の充実、教育の無償化、医療や介護、障害者福祉などの体制確保など、都民が暮らしていく上で必要なサービスの充実が進んできたことを考えれば、決して方向性はたがえていないと思います。
 今後、例えば住宅支援などは一層充実させるべきと考えますが、東京においては、これまで拡大してきた格差に目を向け、幅広く社会的な平等を実現するという視点から、弱い立場に置かれた方々や声の小さい人たちに目を向け、あらゆるところに光を当てる都政を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 私は、様々な場面で東京の活力の源は人であると、このように申し上げてまいりました。これまでも人に焦点を当てました政策を推進し、これからも変わらず推進をしてまいります。このことは改めてご指摘をまつまでもないかと思います。
 例えば、今回の最終補正の予算でございますが、賃上げの支援など、国の補正予算と連携した対応や、子育て世帯を応援する取組を実施することといたしております。
 また、令和八年度予算案におきましては、都民生活の応援やセーフティーネットの充実はもとより、成長分野等への就労支援、子供たちの学びなど、未来を担う人々の新たな挑戦を強力に後押しする取組を盛り込んでおります。
 子育て家庭等も住みやすい都市づくりについても、本定例会の質疑の中でご説明をしてきたとおりでございます。
 今回の予算案を可決いただいた暁には、人が輝く東京の実現に向けましたこうした取組を着実に進めてまいる考えでございます。

○西崎委員 ありがとうございます。人に焦点を当て、また本予算案に組み込まれた様々な政策をお示しいただきました。
 まさに人の暮らし、一人一人の暮らしを徹底的に支えて、誰もが自分らしく生きられる都政の実現、ここを目指すべきだと思いますので、その取組をしっかりと進めていただきたいと思います。
 さて、政府の社会保障国民会議では、給付付き税額控除等に関する実務者会議が設置をされ、これから様々なヒアリングや議論が行われる予定となっております。
 給付つき税額税額控除は、納税額が少ない世帯も含めた格差是正が期待をされますが、諸外国においては、子育て支援、就労支援、付加価値税の負担軽減など、様々な政策目的を持って導入されている事例もあり、日本においても、そうした機能発揮が求められるところでございます。
 かつては、東京都税制調査会でも給付つき税額控除に関して答申されたことがございました。
 そこで、都としても、あるべき制度設計や早期実現に向けた提案要求など、積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○武田主税局長 現在、国は国民会議において、中所得、低所得の方々の負担を減らすため、給付つき税額控除の制度設計を含めた社会保障と税の一体改革について検討を進めております。
 都といたしましては、国の議論を注視してまいります。

○西崎委員 先ほども申し上げましたように、政策誘導的な性格を持たせるとすれば、どういった制度設計が都民にとって望ましいのか、考える余地があるのではないかと思っております。例えば、子育て支援を重視したアメリカの児童税額控除のような形もございます。
 国の検討が進んでいく中で、都の施策との相性など、必要に応じて伝えるべきと申し上げておきます。
 さて、ここからはジェンダー平等、女性活躍について伺ってまいります。
 今定例会の代表質問では、幹事長の竹井から、この日本、東京で女性会議が開催されるよう招致に取り組むことを求めましたけれども、最後の開催となっている北京会議、ここで提唱されたのが、ジェンダー予算でございます。
 すなわち、あらゆる予算編成や事務事業をジェンダー平等の視点から点検をする、いわゆるジェンダー主流化に基づく考え方です。
 身近なところでは、我が会派の銀川が指摘をしてきた女性トイレの混雑問題。国交省から指針案が示され、今後パブコメを経て策定をされる見込みで、実際の改善にはまだ時間がかかると思いますが、前進したといえます。
 これは分かりやすい例でありますが、一方で、例えばスポーツ庁の今月の発表によると、スポーツ実施率、これは男性五五%、女性四八・八%となり、男女差が過去最大になっていると。特に子育て世代が低い層でございます。
 これは女性の就業率が上がって、時間的余裕がなくなっているということが一因だといわれていますが、それでも男性は高いわけです。
 じゃあスポーツ推進策だけ見直せばよいかというと、いうまでもなく、働き方や家事分担、健康問題など、複合的な課題が関連しているわけです。だからこそ、あまり男女差の観点からは着目されていない分野も含めて、予算を総点検する考え方が重要と考えます。
 そこで、今回、ジェンダー予算をどう盛り込んでいるのか伺います。

○山下財務局長 令和八年度予算では、誰もが輝き、自らの可能性を存分に発揮できる都市を実現することが重要との考えの下、女性活躍のさらなる推進や、性別にかかわらず、介護や育児と仕事とを両立できる環境整備などの施策を盛り込んでおります。

○西崎委員 ジェンダー平等に向けて、様々な取組を進めているということは承知をしておりますけれども、予算編成や事務事業そのものを点検する考え方が重要であると思います。
 有名な事例がスウェーデンの雪かきですね。車道と歩道、どっちを先に除雪するかという話ですが、女性の利用割合が多い歩道を先に変更するだけで、けがが減って、医療費まで削減できたという有名な事例でございます。
 思わぬところに潜んでいるジェンダーギャップを見つけられるよう、各局で取り組んでいただきたいと思います。
 次に、育業について伺います。
 男性の育業取得率の中間目標、これ前倒しで達成をいたしまして、また、二〇三〇年としていた九〇%の目標年次も、二年早めたことは評価をするものでありまして、この早期達成に大いに期待をしております。
 そこで、取得率に加えて、期間の長さや分割取得、早期の取得など、育児休業の質の向上にも焦点を当てて取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 都は、従業員が希望する期間の育業をし、原職復帰等をした企業に奨励金を支給しております。
 来年度は、育業の応援に加え、有給の看護等休暇など、復職しやすい環境整備を要件とした支援を行います。
 また、男性社員が主体的に育児参画できますよう、育業中の不安などを軽減するメンター制度や、復職後の両立を想定した社内研修制度等の導入も促すこととしてございます。
 これによりまして、誰もが育児と仕事を両立できる環境づくりを後押ししてまいります。

○西崎委員 育業については、大分、こう社会の空気が変わったということは実感いたしますが、まだ男女差があるというのも事実でございます。それぞれの事情や価値観に合わせて、個々の希望をきちんとかなえる後押しをお願いしたいと思います。
 そして、ジェンダー平等を進めるに当たっては、何といっても長時間労働の是正が欠かせません。
 新たに制定された雇用・就業分野における女性活躍推進条例は、事業者に対し、性別に偏らない組織づくりや、男女間格差の解消などを求めておりますけれども、都も、長時間労働を前提とした仕事の仕方の見直しなど、具体的な事例について指針で示していく旨を答弁しています。
 そもそも労基法の時間外労働、月四十五時間、年間三百六十時間は、あくまでも上限です。社会はいまだに長時間労働から抜け出せず、家庭での男性活躍が阻害されているし、また、女性の社会進出の壁にもなっていると考えます。
 性別を問わず、当然のように残業して、家事や育児、介護なども全てこなすというのは無理ゲーです。
 改めて長時間労働の是正に向けた積極的な取組を求めますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 女性活躍推進条例に基づく指針案では、事業者が長時間労働の是正に向けた取組に着手できますよう、課題分析の視点と対応のポイントを記載しております。
 例えば、特定の部署、従業員が長時間労働になっていないかを点検し、該当する部署などがあった場合には、仕事の進め方や役割分担等を見直すなど、具体的な事例を示しております。
 今後、指針の普及啓発を進めるとともに、働き方改革を推進するセミナーなどのほか、超過勤務の削減に向けた推進計画の策定等に対する支援を行うこととしてございます。

○西崎委員 最近は、一部長時間労働を容認するかのような論調がありますが、私はそれにはくみしません。
 最新の女性版骨太の方針でも、長時間労働の是正は、女性のキャリア継続や両立支援の前提として明確に位置づけられており、緩めることなく取り組むべきと考えます。
 もちろん、これには健康リスクがあることもいうまでもありません。
 さて、そこで、この間、女性の健康問題について様々な議論が交わされておりますけれども、女性特有のがんの早期発見に関して、三年前の予特の締めくくり総括で、幹事長の竹井による職域でのがん検診に積極的に取り組むべきという質疑に対し、当時の福祉保健局長は、東京商工会議所と連携し、がん検診受診の重要性などについて、健康経営アドバイザーを通じて、企業の経営層に啓発をするとともに、従業員の健康に配慮した企業の取組を支援する職域健康促進サポート事業を実施していると答弁しています。
 健康経営への認識が広がっている中、女性の活躍を後押しするためには、より踏み込んで、職域でのがん検診に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

○山田保健医療局長 都は来年度、子宮頸がん及び乳がんの検診受診を促進するため、これらの検診を受ける方に健康関連グッズ等を提供する、女性のがん検診受診応援事業を実施いたします。
 本事業は、職域におけるがん検診も対象としております。従業員への受診勧奨の際に、事業の周知を併せて行うよう、企業や医療保険者に働きかけてまいります。
 こうした取組によりまして、職域におけるがん予防対策を推進してまいります。

○西崎委員 新たな受診応援事業では、二千円相当のインセンティブを付与すると示されているわけですが、これまでがん検診については、ナッジなど行動科学の知見を活用した受診率向上の取組も数多く蓄積をされております。
 例えば、受診すれば二千円もらえますというんじゃなくて、受診しないと二千円もらえませんと、こういうような工夫もあるわけですね。企業への働きかけによっては、様々な角度からこうした工夫を凝らしてほしいとお願いをしておきます。
 ジェンダー平等の推進には、制度の充実に加えて、やはり社会の意識改革が不可欠と考えます。
 特に昨今は、アンコンシャスバイアスを助長する固定的な性別役割分担や、性的側面を過度に強調した描写によって、ネットやSNSで炎上する案件が後を絶ちませんが、これらは多様な生き方を阻害し、生きづらさを強いる要因になることが問題とされています。
 そこで、都の広報等においては、公的発信における適切な表現の在り方を率先して示し、社会全体の理解を深めることが必要と考えます。
 誰もが自分らしく生きられる社会に向けて、広報ガイドラインを策定すべきと考えますが、見解を伺います。

○古屋生活文化局長 都は来年度、男女平等参画の視点からの適切な表現を確保するため、都民の目に多く触れるポスターやチラシなどの広報物の制作に当たりまして、職員及び事業者が参照できる広報ガイドラインを策定することとしております。

○西崎委員 既に先行事例も数多く存在をすることから、東京らしい効果的なガイドラインを策定していただくよう求めます。
 さて、ジェンダー問題にあっては、男性が男らしさを求められることによって生きづらさを抱えている点にも着目すべきであり、私も五年前に一般質問で指摘をいたしました。
 相変わらず、男性は競争に勝つことや成功を強く求められる傾向があり、弱さや不安を表明しづらいし、孤立しやすく、心理的な負担を抱え込みやすい構造があります。例えば、男性の自殺率は、OECDの全ての加盟国で女性を大きく超えています。
 こうした男性の生きづらさに寄り添う施策として、都はウィメンズプラザでの男性相談を行っており、これまで体制の拡充も行われてきたものと承知をしております。
 一方、基礎自治体の中には、男性に特化した対応にまで取り組む余力がないという声もあり、都による取組は重要です。
 そこで、東京都において、男性が相談できる環境整備を推進すべきと考えますが、都の取組について伺います。

○古屋生活文化局長 東京ウィメンズプラザでは、区市町村や民間団体の職員などを対象に、男性DV被害者からの相談に適切に対応するための研修を実施しております。
 また、男性相談窓口のない区市町村においては、東京ウィメンズプラザの男性相談窓口を紹介するなど、連携して対応しているところでございます。

○西崎委員 本来は各地域にあることが望ましいわけですが、まずは都でも広域的にも対応しているということと、研修による支援も実施をしているということでございます。
 この間、年間の相談件数が三倍ほどに増えているというふうにも聞いておりますので、男性の生きづらさに寄り添う取組の重要性は明らかです。
 それぞれのSOGIによらず、誰もが自分らしく生きやすい社会に向けて施策の拡充を求め、次の質問に移ります。
 ここから、多文化共生について伺ってまいります。
 様々な業界が深刻な人手不足に直面する中、外国人材は東京を共に支えるパートナーであるということは紛れもない事実です。都として、国に先んじて包括的な支援体制を構築し、多様な人々がその能力を最大限に発揮できるまちをつくることが、今まさに求められています。
 そのためには、単なる受入れにとどまらず、選ばれる都市としての魅力発信や環境整備を一体的に進める必要があると考えます。
 特に、受入れが進む介護分野では人材獲得競争が激化しており、東京で働くことを希望する外国人を増やす取組が急務となっています。
 そこで、キャリアアップの機会や生活の利便性など、東京の魅力を多言語で戦略的に発信するといった受入れ促進の取組を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○高崎福祉局長 都は、外国人介護人材の確保に向けまして、都内介護事業所などが海外向けの求人情報を掲載できる専用サイトを設置し、十一か国語で情報発信するほか、海外の就職イベントに出展し、現地で東京の介護現場の魅力を発信しております。
 また、特定技能の外国人を受け入れる際に、施設などが登録支援機関などに支払う紹介料についても支援しております。
 来年度は、介護事業者が外国人採用のイメージを持てるよう、既に外国人を受け入れている事業所への見学会を開催するほか、日本語学校などに通う留学生を募集しまして、外国人を採用したことがない事業所において、受入れ体験を実施することとしております。

○西崎委員 海外向けの発信などに加えて、都内の介護事業者の理解も深めていくという取組をやるということです。それ自体も、受入れ体制の充実という観点で都の魅力向上につながり得ると思いますので、多くの参加があるように取り組んでいただきたいと思います。
 さて、障害福祉分野でも人手不足は顕著で、外国人材受入れへの期待が高まっていますけれども、円滑な受入れには、事業所全体で多文化共生の意識を高めることが不可欠です。
 そこで、外国人に対する技能習得や日本語学習、そして生活面の細やかな支援に加えて、受入れ側の日本人職員への理解促進など、幅広い支援策を講じていくべきと考えますが、見解を伺います。

○高崎福祉局長 障害福祉サービスを担う事業所などにおいても、外国人介護人材の受入れが進むよう、都は来年度から、事業所などへの支援を開始いたします。
 具体的には、事業所などで外国人を受け入れる際の知識やノウハウに関する研修などを実施するほか、受入れ後の日本語学習支援、生活や文化の違いを学ぶための取組などの経費を補助いたします。

○西崎委員 障害福祉分野でも、同じように外国人材の受入れをサポートしていくということでございます。
 大事なのは、サービスの受け手が安心できる体制がつくられるということでありますから、充実した支援を求めておきたいと思います。
 さて、共生は推進されるべきと思いますが、同時に不法就労は見逃してはなりません。
 単なる取締りや通報ではなく、事業者が知らなかったとか、もしくは見て見ぬふりで不法就労を助長しないよう、積極的な啓発が求められると考えます。
 そこで、外国人の不法就労対策にどう取り組んでいくのか、見解を伺います。

○竹迫都民安全総合対策本部長 不法就労させない環境づくりのため、都では、毎年六月と十二月を外国人適正雇用推進月間として、関係機関と連携して繁華街等の店舗を訪問するなど、不法就労防止を呼びかけるキャンペーンを実施しております。
 また、事業者団体等に講師を派遣し、適正雇用を啓発する講習会も開催しております。
 来年度は、外国人を雇用する際の注意点を解説した外国人労働者雇用マニュアルの配布部数を増やし、外国人就労者の多い業種を中心に、より広く啓発を行うことなどにより、効果的に対策を進めてまいります。

○西崎委員 適正な受入れの推進に向けて、ここはきちんと対策を進めていただきたいと思います。
 さて、今度は外国人の日常生活の支援についてお聞きいたします。
 東京で暮らす外国人に行政情報などが届かないという孤立状態を防ぐことは重要です。
 従来の手法に加え、やさしい日本語や母国語を使って、日常的に利用するであろうスーパーや教会、レストランや雑貨店といった生活拠点での積極的な広報、周知活動を展開すべきです。
 そこで、在住外国人への効果的な情報発信に向けた取組について見解を伺います。

○古屋生活文化局長 都はこれまでも、外国人が地域で安心して暮らせるよう、やさしい日本語の普及啓発や多言語での生活相談事業を実施しております。
 来年度は、さらなる取組としまして、情報が確実に届くよう、外国人がその国ごとに日常的に情報収集する方法などを調査し、これを活用した情報発信ルートを構築いたします。
 加えて、外国人に日常生活に必要なルールやマナーを分かりやすく伝える動画を制作し、新たに構築したルートやSNSなどでの周知を通じまして、外国人への情報発信を充実させてまいります。

○西崎委員 多角的な調査と、またルートということでありましたけど、冒頭申し上げましたように、彼ら、彼女らはパートナーと捉えるべきでありまして、行政から情報を届ける工夫の余地は多く残されていると思いますので、様々な可能性を探っていただきたいと思います。
 さて、こうした外国人が参加する日本語教室、これ、数多くありますけれども、単純な学習の場を超えて、住民同士が文化や習慣を教え合う地域のサロンとして機能している例があります。
 私の地元の目黒区にMIFA日本語会話サロンがありますけれども、一方通行で日本語を教えるのではなく、学習者と支援者でグループを組んでフリートークが中心となっているため、語学的な学習を超えて様々なやり取りが生まれています。
 こうした場を日本社会との共生を育むコミュニティの拠点として支援していくことは、相互理解を深める上で大きな意味を持つと考えます。
 そこで、地域社会との共生につながる取組について、都の考えを伺います。

○古屋生活文化局長 これまで都は、地域の日本語教育を行う区市町村などにアドバイスや財政支援を実施しておりまして、現在、都内二十の自治体で活用が進んでいるところでございます。
 その中には、日本語学習だけでなく、地域での生活に必要な情報を得られることから、外国人の居場所となっている日本語教室もございます。
 来年度実施する日本語教育に係る調査におきまして、こうした好事例を幅広く把握し、展開することで、共生社会の実現につなげてまいります。

○西崎委員 やはりいろいろないい取組がありそうだということで調査をされるということでありますけれども、そこで判明した効果的な事例が参考になりまして、各地域社会における相互理解が深まっていくような、さらなる支援につなげていただきたいと申し上げておきます。
 さて、この項の最後に、高市総理は外国人との秩序ある共生社会を掲げておりますけれども、私はどうもこの言葉が引っかかるわけであります。
 日本で暮らす以上、法律やマナーを守っていただくことは大前提でありますが、そこに個々の違いを尊重する多文化共生の考え方は存在するのでしょうか。日本文化への同化を強いていませんでしょうか。さらにいえば、日本人に対してすら、一定の枠からはみ出すことを許容しない空気をつくっていないでしょうか。非常に心配をしております。
 多文化共生という観点から、知事はこれまでも、ヘイトスピーチや排他主義の危険性について認識を示されてきました。
 そこで、人権尊重の理念に基づき、排外主義には毅然と対峙し、多様性を力に変える多文化共生社会の実現に向けて、今後どのようにリーダーシップを発揮していくのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 都は、いかなる種類の差別も許されないという人権尊重の理念が浸透した都市となることを目的として、人権尊重条例を定めておりまして、ヘイトスピーチ解消に向けて取り組んでおります。
 また、東京都多文化共生推進指針に基づきまして、国籍や文化的背景等の違いを認め合い、多様性にあふれ、調和の取れた真の共生社会をつくり上げてまいります。
 今後もこうした取組を着実に進めてまいります。

○西崎委員 ありがとうございます。改めて、私たちは一人一人の尊厳と自由を守り、多様な価値観や生き方を尊重し、共生と支え合いによって東京の力を高めていくことを目指す、このことを申し上げたいと思います。
 さて、次に、障害者施策の推進について伺います。
 障害の中でも、精神障害は外見から気づかれにくく、偏見にさらされたり、孤立に陥りがちで、特性に応じた支援が必要です。
 二〇二三年に発覚した滝山病院の事件は、医療機関の適切な対応はもちろんのこと、長期入院患者の地域移行に向けた体制整備の重要性を改めて浮き彫りにしました。
 これまで私たちの会派は、精神障害者の円滑な地域移行を促進するとともに、精神身体合併症の受皿と医療体制の整備を要望してまいりました。
 そこでまず、都立病院において、精神身体合併症の受入れを積極的に行うべきと考えますが、見解を伺います。

○山田保健医療局長 都立病院では、一般医療機関では対応が難しい精神科救急医療や身体合併症医療など、急性期の精神科医療を提供しております。
 精神科身体合併症につきましては、松沢病院をはじめ六病院が東京都精神科患者身体合併症医療事業に参画しており、夜間及び休日に身体疾病を併発した精神疾患患者等に対して、迅速かつ適正に身体医療を提供しております。
 加えて、地域のかかりつけ医等から紹介されました身体合併症患者につきましても、精神科と他の診療科が連携し、積極的に受入れを行っております。

○西崎委員 急性期の合併症患者について対応していただいていますけれども、慢性期以降については、退院先の確保、長期療養体制、生活支援の在り方など様々な課題があり、総合的な対策が必要でありますが、やはり専門家チームによるアウトリーチや、二十四時間の支援拠点整備等が有効であると考えます。
 都は、専門家チームによるアウトリーチ支援を実施しておりますが、精神科病院に長期入院されている方の地域移行に向けた取組について伺います。

○高崎福祉局長 都は、精神科病院に入院中の精神障害者の円滑な地域移行を進めるため、病院と、福祉部門や保健医療部門など地域の関係機関との連携体制を構築するとともに、都内六つのブロックに地域の関係者間の調整を広域的に行う地域移行コーディネーターを配置しております。
 また、精神科病院に対して精神保健福祉士の配置を支援するとともに、入院患者の退院後の不安を軽減するため、グループホームを活用した体験宿泊なども実施しております。
 引き続き、精神障害者が地域で安心して暮らせるよう、取組を進めてまいります。

○西崎委員 改めて、地域で安心して暮らすことを選んでいただくためには、相談体制や住まいの確保、生活サポートなど様々な支援が必要です。
 そして地域移行については、来年度から精神障害を含めた障害者支援施設に対し、全ての入所者の意向確認が義務づけられます。
 そうしたことからも、地域移行に向けて今後さらなる取組が必要と考えますが、見解を伺います。

○高崎福祉局長 都は、施設入所者の地域移行を促進するため、入所施設に地域移行促進コーディネーターを配置しまして、利用者や家族への情報提供や相談支援のほか、地域での生活体験などを実施しております。
 また、グループホームなどを運営する法人に新規開拓・受入促進員を配置しまして、地域のサービスなどとのマッチング、入所施設などとの調整を実施しております。
 加えて、施設入所者の地域移行の意向確認などが来年度から義務化されることを見据えまして、事業者団体を通じて、担当職員の選任や確認手順の整備など、施設の取組が着実に進むよう促しております。
 引き続き、希望する施設入所者の地域移行を進めてまいります。

○西崎委員 これは全都的な取組が必要になろうかと思いますけれども、仏つくって魂入れず、意向を確認して受皿なしとならないよう、各地域における手厚い体制づくりに向けた支援も求めておきたいと思います。
 さて、障害者の社会参加や余暇活動の重要性は都も認めるところでありまして、来年度、区市町村に対して居場所づくりの支援を開始することは評価をいたします。
 一方、精神障害のある方には、不安や対人恐怖などから、夕方の外出や集団参加の心理的ハードルが高い場合もございます。
 そこで、精神障害者も参加しやすくなるよう、区市町村の情報交換や事例紹介を行う場を、当事者を交えてつくれないものでしょうか。見解を伺います。

○高崎福祉局長 都は来年度、区市町村が地域の実情や利用者の状況に応じて、障害者の居場所づくりを進められるよう支援を開始いたします。
 具体的には、障害の程度や時間に応じた補助を行うほか、看護師などの専門職の配置や送迎なども支援いたします。
 事業の活用が進むよう、区市町村の取組状況を把握しまして、説明会などの場を通じて事例を紹介することとしております。

○西崎委員 参加できる時間や過ごし方の内容など、精神障害をお持ちの方に特有の課題もございます。
 せっかく有意義な事業がスタートするのでありますから、それぞれの居場所の企画内容や支援体制が当事者の目線で改善されるような取組が積極的に行われることを求めます。
 ここでの最後に、障害者の運動定着支援について伺います。
 障害者の運動は、健康維持のみならず、権利の保障や社会参画、エンパワーメントの観点からも大きな意義があります。
 都は、二〇二三年から福祉事業所等へ指導者を派遣し、運動習慣の定着を支援しています。これは利用者の体力向上と併せて、施設職員へのノウハウ継承、これを両立させることで、支援が終わった後も施設が自立して運動を継続できる体制を整える取組で、非常に重要です。
 こうした取組が各自治体や施設に広がり、福祉現場で運動が当たり前になることを期待いたしますが、これまでの具体的な成果と今後の展開について伺います。

○渡邉スポーツ推進本部長 都は、本事業の意義を各区市町村や福祉施設に広めるため、運動の効果や障害種別に応じたプログラム、地域人材活用の視点などを盛り込んだハンドブックを作成し、周知してまいりました。また、見学の場を設けるなどの取組も進めてまいりました。
 対象の施設からは、運動が苦手な子供の運動意欲の向上や、活動を通じたコミュニケーションの活発化など、プログラムによる様々な効果を感じる声が寄せられております。また、同様の事業を開始した自治体も出てきております。
 今後も引き続き、区市町村等に対し、障害のある方の運動習慣の定着に向けた取組を促すとともに、ノウハウ等の普及を図ってまいります。

○西崎委員 障害者の居場所づくり支援が始まるわけでありますけれども、受入れ施設での運動プログラム実施は、健康づくりの面からも極めて有効です。
 これまでのスポーツ推進本部の取組を踏まえ、今度は福祉局から各自治体へ積極的に広めていただくよう、強く要望いたします。
 さて、ここからは子供施策について伺ってまいります。
 まず、子供のメンタルヘルスについて伺います。
 先週の参議院予算委員会において、立憲民主党の小沢雅仁議員が、一週間で十人もの子供が自ら命を絶っている現状への対策について質問しましたが、高市総理は、七代前まで遡れば二百五十人を超えるご先祖様がいる、その奇跡的な幸運を共有したいと、先祖からの命のリレーを強調する持論を展開されました。
 この答弁に対しては、そこまで追い詰められてしまう子供たちの苦しみに寄り添って考える感覚がないと波紋が広がっています。
 先ほどもありましたけれども、小中高生の自殺者数はコロナ禍で激増し、直近の二〇二五年には過去最多、極めて深刻な状況が続いています。今を生きる子供たちが、いかに苦しみ、悩んでいるかということであり、我々大人は決して目を背けてはいけないことだと思います。
 とりわけ思春期は、最も精神的な不調を抱えやすい時期といわれておりますけれども、不安や悩みを抱える子供たちに寄り添って、メンタルを支える取組をさらに進めていく必要があると考えます。知事の見解を伺います。

○小池知事 子供たちが将来に向けて希望を抱き、健やかに成長していけるよう支えることは、我々大人に課せられた責務でございます。
 都は来年度、不安や悩みをチャットで気軽に相談できるギュッとチャットの相談体制を強化いたします。また、京都大学等と連携しまして、最新の科学的知見に基づく思春期のメンタルヘルス増進に向けましたプログラムを開発いたします。
 これらの取組を通じて、子供たちの心身の健康づくりをサポートしてまいります。

○西崎委員 最初におっしゃっていただいたように、まさに子供を心身ともに守り支えることは、私たち大人に課せられた責務であると思います。しっかりと取組を強化していただくようお願いをいたします。
 さて、ここからは具体的に子供の命や安全を守る取組について伺います。
 自殺も含めて、全ての子供の死亡事例を検証し、予防策を提言するのが、チャイルド・デス・レビュー、CDRでございます。
 日本では二〇二〇年にモデル事業が開始をされ、都では二〇二三年から取組が始まっておりますけれども、ご遺族の同意を得る難しさから、検証できる数にも課題が出ております。
 CDRを進めるべきとする日本小児科学会からは、遺族の同意を不要とする趣旨の提言が出されており、三重県では、一部オプトアウトを組み合わせた手法も用いられております。
 同意の課題があるとはいえ、CDRにおいては、検証数が増えるほど予防策も充実すると考えられ、都においても考慮すべき点であると思います。
 そこで、検証を進めるために協力医療機関を増やしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○高崎福祉局長 チャイルド・デス・レビューにおける子供の死亡事例検証に当たりましては、個人の尊厳に関わる情報を取り扱うことになるため、遺族や関係機関の理解と協力が不可欠でございます。
 都は、医療や福祉の専門家などで構成される会議において、同意取得の在り方や事業の理解促進に向けた取組についても検討しておりまして、会議での議論も踏まえながら、遺族の同意取得を行う協力医療機関の拡大に向け、働きかけを行っております。

○西崎委員 さらなる推進に当たって、法整備も必要な話になろうかと思いますけれども、都としてできることに取り組み、また、国への要望なども上げていただきたいと思います。
 子供の安全、特に事故予防については、都が見守りだけでは防げない、変えられるものを変えるという考え方から、先進的な取組を進めているものと承知をしておりますけれども、これは国も少しずつ動いております。
 安全な製品という観点から、昨年の十二月二十五日から、三歳未満の乳幼児向けのおもちゃなどには、子供PSCマークが付されることが義務となりました。例えば、すぐに部品が取れて誤飲の可能性があるというようなおもちゃは、基準に適合しないということでございます。
 ただ、制度開始よりも前に製造、輸入された製品は今後も販売できることや、またフリマサイトなどのCツーCプラットフォームでは、マークのない商品が流通する可能性があることなどについて注意をする必要がございます。
 そこで、都は、こうした点も踏まえ、子供PSCマークについてきちんと周知をしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○古屋生活文化局長 都はこれまでも、消費者に向け、子供向け商品の安全性について普及啓発を実施してまいりました。
 子供PSCマークにつきましては、制度開始直後の今年一月に、マーク表示の有無を商品選定の参考にすることを、消費生活行政のホームページ、東京くらしWEBや、SNSなどで呼びかけたところでございます。
 あわせて、商品の対象年齢を確認することや、制度開始前に製造、輸入された商品は、一般社団法人日本玩具協会が推奨するSTマークを確認することが有用であることなども発信いたしました。
 引き続き、子供向けの商品に関しまして、ホームページ、SNS等により、安全性についての普及啓発や事故防止に向けた注意喚起を行ってまいります。

○西崎委員 ありがとうございます。
 昨日、久々にフリマサイトをチェックしたんですけれども、前より大分減った印象を受けたんですけれども、いまだにひものぶら下がった子供服、すなわちJIS規格に適合しない商品が取引されているという状況でございます。新たな制度が運用されていくということでありますけれども、継続的に啓発をしていただくようお願いをいたします。
 さて、PSCマークの議論でやり玉に上がったのが、水で膨らむボールとマグネットセットでありました。どちらも子供の誤飲によって、腸閉塞や内臓の壊死などを引き起こす事例が報告され、危険性が問題となりました。
 子供が何でも口に入れたがるということは、子供と関わる方なら誰でも理解できると思いますけれども、誤飲による事故が繰り返し発生をしています。
 都のセーフティ・レビュー事業、こちら三年目を迎えまして、テーマが転落、睡眠に続いて、今年度は誤飲、誤嚥となっております。
 毎回、大変詳細な調査研究と、それに基づく予防策が提言をされておりますけれども、今回の取組についても保護者への啓発や、安全な製品、サービスの開発など、セーフティ・レビュー事業で取りまとめる内容を徹底的に活用すべきと考えますが、見解を伺います。

○田中子供政策連携室長 都は今年度、誤飲、誤嚥による事故の予防に向けた調査研究に取り組んでおりまして、年度末に予防策を提言として取りまとめ、発信いたします。
 具体的には、提言の内容を子育て家庭へ分かりやすく伝えるため、ポケットブックを作成し、ウェブサイトやSNSを通じて広く周知いたします。
 また、提言内容が安全・安心な製品づくり等に生かされるよう、事業者などを対象に、子供の傷害予防の専門家が解説を行うオンラインセミナーを開催いたします。

○西崎委員 今からもう六年前ですけれども、私は目黒区議会議員時代に、節分で保育園で本物の豆を使わせるべきでないという発言をしたら、当時議場から失笑が漏れたことを覚えております。
 ただ、その後、消費者庁、今ではこども家庭庁から通知が出され、全国で本物の豆を使っているところはほとんどないと思います。このように対策は実際に進むのだと実感をしております。
 先日、セーフティ・レビュー事業のシンポジウムにもお邪魔をいたしまして、今回の報告書もすばらしいものになると期待をしておりますけれども、これが各局における具体的な子供の事故予防の取組につながることを求めたいと思います。
 さて、窒息事故を防ぐ観点からは、今年度のオープンデータ・ハッカソンにおいて、保育園などの献立表を撮影するだけで窒息リスクを可視化できるアプリ、よちヨチが審査委員特別賞を受賞しております。
 これは福祉局と消防庁のデータを活用した作品でありますけれども、こうした民間のアイデアによって子供の安全を守る取組は重要であり、都のサポートも求められます。
 そこで、オープンデータ・ハッカソンの表彰作品について、社会実装から普及までを含めた支援を充実させるべきと考えますが、見解を伺います。

○高野デジタルサービス局長 都知事杯オープンデータ・ハッカソンは、行政が公開するデータを活用し、デジタル分野で腕に覚えのある市民や学生など、いわゆるシビックテック等がサービス開発を競う取組でございます。
 令和三年度の開始以降、毎年度規模を拡大し、今年度は過去最高の百三十二件のサービスが提案されました。
 このうち、優秀作品に選ばれました十九件に対しまして、都は、実装に向けた技術支援や法的な助言を行ってまいりました。
 また、都が主催するイベントへの参加を促し、サービスの普及に向けて後押ししております。
 引き続き、これらの支援を通じまして、官民共創の取組を進め、都民が利便性を実感できるサービスを創出してまいります。

○西崎委員 子供の事故予防に限らず、作品は都民の安全・安心につながるようなものが非常に多いように感じておりますので、社会課題の解決につながるサービスの実装が進むことを期待いたします。
 さて、安全対策で何よりも大事なのは予防でありますけれども、事故が発生した際の対応も、命や健康を守るためには極めて重要でございます。
 予算案では、都民提案の新規事業として、中学生等への救命教育の普及促進が計上されておりますけれども、これは救命講習のテキスト代などを教育庁が負担するものと聞いております。
 私も消防団員として救命処置などを指導する側によくおりますけれども、万が一の際には、救急隊が現場に到着するまでの応急手当てが重要でありまして、胸骨圧迫やAEDの取扱いは、子供から大人まで広く都民に普及されることが必要だと認識をしております。
 そこで、児童をはじめ都民に対する応急手当ての普及について、東京消防庁の取組を伺います。

○市川消防総監 心肺停止状態に陥った傷病者を救命するためには、バイスタンダーによるAEDの使用を含めた応急手当ての普及促進が重要でございます。
 このことから、東京消防庁では、子供の発達段階に応じて、小学校四年生以上を対象に救命入門コースを、中学生には普通救命講習を、高校生には上級救命講習の受講を推奨しております。
 さらに、eラーニングを活用して講習時間を短縮するなど、より多くの都民が救命講習を受講できるよう取り組んでおります。
 引き続き、児童をはじめ都民に対する応急手当ての普及を積極的に促進してまいります。

○西崎委員 昨年の予特では、心肺停止となった子供へのAED使用について、高校生で大きな男女差があるという調査結果について触れましたけれども、引き続き性別などに関係なく、ためらわずに応急手当てが行われるような普及に努めていただきたいと思います。
 さて、時間の関係で一問飛ばしまして、インクルーシブ教育について伺います。
 本委員会における我が会派の岩永の総括質疑に対し、知事は、誰もが互いを尊重し、自分らしく活躍できる共生社会をつくり上げるため、子供たちの個性を強みとして発揮でき、相手のことを理解できる教育は重要とご答弁をされました。
 そのためのインクルーシブ教育の実践として、普通学級に在籍しつつ、必要な部分だけ特別支援学級で学んだり、特別支援教室での個別指導を受けるなど、支援員や介助員によるサポートを受けながら学べる環境を充実させることが必要と考えます。
 兵庫県芦屋市のように、地域の学校で一緒に学ぶことができると就学通知に明記してある自治体もございます。都内でも、特別支援学級に在籍していても通常級に机やロッカーがあり、給食や学校行事も一緒である文京区の小学校であったり、通常級で雑音を遮断するイヤーマフが使用できたり、床にカーペットを敷いて座卓を広げたりできる狛江市の小学校など、先駆的な取組が実践をされています。
 都においても、同じ場で共に学ぶというインクルーシブの理念に沿った施策展開を進めるべきであると考えます。
 そこで、インクルーシブ教育の観点から、新年度に予定している施策と期待される効果について伺います。

○坂本教育長 公立の小中学校におきまして、障害の有無にかかわらず子供たちが交流し、共に学ぶための取組は重要でございます。
 都教育委員会では、区市町村に対し、小中学校で障害のある子供の通う特別支援学級と通常学級とが、交流や共に学ぶ機会を設ける支援を行っております。
 また、公立の小中学校の特別支援教室の生徒等が通常の学級で学ぶ場合に、サポートを行う人材の配置を後押ししているところでございます。
 これらの取組につきまして、来年度も引き続き実施をし、子供たちの交流等に役立ててまいります。

○西崎委員 お答えいただいた取組は非常に重要であると思います。
 日本の分離教育は、国連から勧告まで受けているわけでありますけれども、今の状態から一足飛びにフルインクルーシブまでたどり着くことは難しいという現実も理解はいたします。
 しかし、子供のときから共に学ぶ場があってこそ、その後にも共に生きる感覚を養うことができると思います。まずは、子供たちの意思や希望を尊重すること、そしてそれを最大限に受け止められる体制をつくること、個々の特性に応じた支援を届けることを徹底的に進めていただきたいと思います。
 その上で、誰もが同じ場で学び、育ち、働き、暮らすことのできる真の共生社会を目指すべきであることを申し上げておきます。
 さて、中学校英語スピーキングテストについてお聞きいたします。
 ESAT-Jは、受験環境に関わる問題が毎年繰り返されております。会場準備に時間を要し、終了時刻の遅延が発生するなど、公平な受験条件が担保されているとは思えない状況が続いています。
 また、不受験者の取扱いについても、話す能力と読み書きの能力が必ず一致するとは限らない以上、推計値で都立高入試の合否が左右されることには、納得できる根拠と説明が必要と考えます。
 こうした様々な課題については、制度の妥当性を検証し、不断の見直し、改善に取り組んでいくべきでありまして、それがない限り、来年度、英語スピーキングテストを都立高入試に活用すべきでないと考えますが、見解を伺います。

○坂本教育長 スピーキングテストは、生徒の英語を話す力を伸ばす優れたきっかけとなり、学習意欲を高める効果を持つ重要な取組でございます。
 実施をいたしました事業者や、区市町村教育委員会等の報告によれば、試験は適切に実施をされております。
 さらに、都立高校入試では、学習指導要領で求められる英語の四技能の習得状況を測る必要がございます。
 やむを得ない理由で受験できなかった生徒等に対する不受験者の措置は、様々な生徒の受検する都立高校入試におきましては、合理的で最善な方法でございます。
 本テストは、生徒の申出を直接聞く体制を持つほか、これまでも検証と改善を重ね、生徒がより集中した環境で受験できる等の対応を行い、適切に実施をされております。
 引き続きこれらを行い、テストの結果を都立高校入試に活用してまいります。

○西崎委員 今の教育長のご答弁では、来年度も都立高入試には使うということでありますけれども、同時にこれまでも重ねてきた検証と改善をこれからも引き続き行っていくということだと聞こえました。そういうことで−−今、うなずいていただきました。ぜひさらに生徒たちの声に耳を傾け、不断の見直しに取り組んでいただくことを改めて求めておきます。
 次に、化学物質対策について伺います。
 柔軟剤や除菌、消臭剤などに含まれる化学物質による健康被害、いわゆる香害の対策は、子供の健康と安全を守るために重要です。
 その名称から香りが問題なのかと受け取られやすいんですが、実際にはその成分が問題なのであって、日本で使われている香料が外国ではアレルギー物質に指定される場合も多く、中にはEUで使用が禁止されているものもあります。
 日本の学校においては、シックスクール対策として特定の化学物質を規制しておりますが、同じような考え方に基づき、全ての子供たちのために、香料や化学物質のない空気環境を実現すべきと考えますが、見解を伺います。

○坂本教育長 公立学校の生徒が香りにより体調に影響を受けることのないよう、都教育委員会では、都立学校や区市町村に対し、様々な取組を行っております。
 香りが体調に影響する原因は明確でない中、国の科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアルを参考のため配布をしております。
 また、教室などの空気の検査の仕事を行う学校薬剤師に対しまして、研修会を通じ、香りに関し注意をするよう促しております。
 さらに、公立学校では、香りの影響に関するポスターを掲出しているところでございます。

○西崎委員 今ご答弁で香りという言葉がありましたけれども、その科学的な因果関係が明確になっていないという現状において、いろいろ対応いただいているということは理解をいたしますが、現実に苦しんでいる子供も少なからずいるということでありますから、できる限りの対策を取っていただき、また、国などの動向も常に注視するようお願いをしたいと思います。
 引き続き、VOC対策について伺います。
 光化学スモッグの引き金となる揮発性有機化合物、VOCは、様々な排出抑制策によって削減が進んできてはいますが、近年その傾向が鈍化をし、大幅な改善が見込みづらい状況となっております。
 そこで測定体制を強化し、汚染物質がいつ、どこから、どのくらい排出されたのかを精緻に把握するとともに、生成メカニズム等の詳細な解明に取り組むなど、VOC対策をさらに強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○須藤環境局長 都は、光化学スモッグなどの原因物質であるVOCの削減に向け、大気環境のモニタリング体制を順次構築するとともに、工場等への規制や事業者への支援策などを実施しております。
 また、周辺自治体と連携した削減対策を検討する連絡会を設け、大気汚染物質の移動状況や発生源の把握に取り組むなど、広域的な対策も推進しております。
 引き続き測定機材を購入するなどにより、必要なモニタリング体制を整備しながら、VOC対策に取り組んでまいります。

○西崎委員 測定機器の購入というお話がありましたが、新たな機器ということでありますから、モニタリング体制を強化しているものと理解をいたします。
 光化学オキシダント対策については、NOx及びVOCのどちらも削減していくことが重要となっておりまして、引き続きの取組を求めておきます。
 ここからは、公共交通の人材確保について伺ってまいります。
 民間バス運転士への居住支援について、中田の代表総括に対し都技監は、来年度、年間十二万円の居住に関わる支援を運転士向けに行うと答弁をされましたが、現場からは、確実に労働者に届くようにしてほしいとの声が上がっています。
 先行する福祉局の居住支援特別手当では、就業規則や賃金規定の改定、その際に社労士の活用、支払った給与や手当の実績報告などの条件を課しています。
 同様に、民間バス運転士支援においても、確実に現場へと手当が届くようにすべきと考えますが、見解を伺います。

○谷崎東京都技監 都は来年度、バス運転士を対象に、住宅手当の支給等を行う民間の乗合バス事業者を支援いたします。
 本支援事業の実施に当たりましては、バス事業者に対して、乗合バス事業者連絡会議やホームページ等を通じまして、支援の目的や補助金の申請方法等の周知を丁寧に行い、本事業の活用を促してまいります。
 また、事業者への補助金交付の要件といたしまして、運転士への手当支給の履行報告を義務づける規定を定め、バス運転士に必要な支援が行き届くよう取り組んでまいります。

○西崎委員 非常に大事なご答弁だったと思います。きちんと運転士の方に届く仕組みを整えるということを確認させていただきました。あわせて、業界では運転士だけでなく整備士の不足も課題となっていることから、今後の積極的な支援をお願いしたいと思います。
 さて、今度は都営交通についてお聞きをいたします。
 先日、現場の方々からお話を伺う機会をいただきましたけれども、その中では女性専用のトイレや入浴施設、宿泊施設が不足しているというご指摘をいただきました。仕事柄、泊まりを伴う勤務も多いことから、働きやすい環境をつくることが非常に重要です。
 そこで、交通局における女性が働きやすい環境整備について、見解を伺います。

○堀越交通局長 交通局ではこれまでも、庁舎や駅の大規模改修等の機会を捉えて、女性職員の休憩室や宿泊勤務の際に使用する仮泊室等、女性が働きやすい環境の整備に取り組んでまいりました。
 来年度は引き続き、新宿線九段下駅や江戸川自動車営業所などにおいて、女性職員向け施設の整備を進めます。
 また、男女を問わず育児等の事情を抱える職員に対し、可能な限り勤務シフトに配慮するなど、多様な働き方を推進しております。
 今後とも、誰もが活躍できる職場環境づくりを進めてまいります。

○西崎委員 ご答弁にもありましたように、ソフト、ハード両面から着実に進めていただきたいと思います。
 さて、時間の関係で一項目飛ばしまして、カスハラ防止対策奨励金について伺います。
 代表総括でも指摘をいたしましたカスハラ防止対策奨励金の受付中止につきまして、当時の答弁のとおり十八日に再開されたものの、開始十分ほどで二千件の募集枠がいっぱいとなり、申請が締め切られたということでございます。
 事業者の方からは、スタート前にサイトにアクセスしていたが、突然接続が途切れて復帰できず、再びつながったときには終了していたという声が寄せられています。
 また、この状況を把握していくことは、さきの議論、そして経済・港湾委員会でも明らかとなっております。
 これについてお聞きをいたしますが、まず、都内の中小企業数は四十万社を超えておりますけれども、この奨励金の三か年で一万という募集件数は、全事業者の二・五%にも満たない数字となっております。
 そこで、この件数を算出した根拠について伺います。

○田中産業労働局長 都は、条例で努力義務とする事業者の措置等を速やかに浸透させるため、カスハラ防止の取組を早期に行う中小企業等に対し、令和七年度から三年で一万件の奨励金を支給することとしたものでございます。

○西崎委員 都がカスハラ対策を進めようとしていることは、もう十分承知をしておりますが、一万件の根拠は、今のご答弁ではちょっと分からないというのが正直なところです。
 例えば同じ予算額でも、四十万円を一万件ではなくて、二十万円を二万件という選択肢も当然あり得るわけでありまして、要は、今の一万件で十分なのかが判断できないというふうに考えます。実際にこれはパンクをしているということでございます。
 それではもう一つ伺いますが、来年度には新たな申請受付が行われるものと思いますけれども、これまでと同じ先着順という手法では、今回と同様の混乱が繰り返されることが想定をされます。
 そこで、申請受付方法をどのように改善をしていくのか伺います。

○田中産業労働局長 今回の申請受付に当たりましては、受付開始直後から申請画面にアクセスできず、申込みができなかったという声もいただいたことから、様々な原因を想定して調査しているところでございます。
 令和八年度の受付につきましては、こうしたことを踏まえ、準備してまいります。

○西崎委員 様々な原因を想定して調査するということでありますけれども、システム上の問題があったということは、都も認識をされているところでありますし、開始十分で締切りになっているということからも、用意していた枠に対して申請があまりにも多く、殺到する状況になったということは、いうまでもないんじゃないかなというふうに考えます。
 来年度、調査などを踏まえて準備をするというお話でありますので、方法をぜひ見直していただきたいと思いますけれども、各企業がコストや労力をかけて実施をしたカスハラ対策の中身ではなくて、例えばネット回線の環境であったり、操作の速度、もっといえば、たまたまつながったという運でアクセスの可否が決まるのであれば、公的な支援の在り方としてやはり問題があるのではないかと指摘をさせていただきます。
 そしてまたお聞きをいたしますけれども、奨励金の申請状況を踏まえますと、想定以上の事業者が都の呼びかけに応じてカスハラ対策を講じ、奨励金の支給を期待していることは明らかです。これは逆にうれしい悲鳴なんじゃないでしょうか。
 この期待に応えられなければ、カスハラ対策のみならず、今後、都が奨励金をもって推進しようとする施策の説得力が下がってしまうというおそれがあります。
 都がカスハラ対策を進めようとしていることは評価をしておりますし、また奨励金をもって各企業の取組などを促すこと自体も否定はいたしません。むしろ頑張っていただきたいと思います。
 そこで、カスハラ対策の推進を実効性あるものにするため、奨励金の予算の大幅な拡充と枠の拡大を行うべきと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 都は、条例で努力義務とする事業者の措置等を速やかに浸透させるため、カスハラ防止の取組を早期に行う中小企業等に対し、令和七年度から三年で一万件の奨励金を支給することとしたところでございます。
 予算につきましては、施策の目的が達成されるよう、適切に計上されているものと考えております。
 なお、今後の受付につきましては、早期に終了したことを踏まえ、対応を検討してまいります。

○西崎委員 ぜひこの間の経緯を踏まえて、検討していただきたいということを申し上げておきます。
 最後になりますけれども、一般会計だけで九兆六千五百三十億円という莫大な予算、これで都民福祉の向上を目指していこうということであります。
 当然、都庁の皆様の体制も非常に強固なものであるかと思いますけれども、やはり我々は地域の視点、現場の目線、これを大事にしていきたいと思います。
 我々都議会議員も各地域に散らばっておりますけれども、しっかりと小さな声を集めて、そしてそれをこの都議会の場で闘わせ、皆様と都民福祉の向上についてしっかりと競っていきたいとこのように考えております。
 お互い都民福祉の向上をしっかりと目指してまいりましょうということを申し上げて、私の質疑を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○中田副委員長 西崎つばさ理事の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時二分休憩