午後二時五十分開議
○伊藤(し)副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
増山あすか理事の発言を許します。
○増山委員 自民党を代表し、総括質疑を行います。
本定例会のさなか、国際環境は目まぐるしく変化し続けています。イラン情勢の先行きは極めて不透明であり、現在の原油高の状況は、都民生活や事業者の経営活動に影響を及ぼしつつあります。
我が会派にも、今後の不安を訴える様々な声が数多く届いています。
原油高に対しては、国民生活を安定させる観点から、一義的には国において対策を講じるべきものではありますが、このような危機的な状況を踏まえると、都としても状況に応じた必要な対策の検討も行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
○山下財務局長 現在、国では原油価格の高騰を踏まえ、石油備蓄の放出や緊急的な激変緩和措置としての補助などの対策を講じていると承知しております。
現下のエネルギー危機につきましては、都民や事業者への影響など、状況の変化に応じて柔軟に対応することも重要でございます。
今後とも、都民や事業者への影響など、状況を注視してまいります。
○増山委員 緊迫化するイラン情勢など不安定な国際経済情勢の中、エネルギーの安定供給を確保するためには、脱炭素電源を中心に多様なエネルギーミックスを推進していくことが重要であり、中でも安定的なベースロード電源である原発は、より存在感が高まると考えます。
柏崎刈羽原発の再稼働に向けて作業が進められておりますが、首都東京の電源を支える原発の重要性について、知事の見解を改めて伺います。
○小池知事 都は、エネルギーの安定確保と脱炭素化を両立するため、再生可能エネルギーの基幹化やエネルギー効率の最大化など、あらゆる取組を戦略的に展開してまいりました。
不透明な国際情勢などによりまして、電力の安定供給をはじめ、エネルギーの安全保障が課題となる中、柏崎刈羽原子力発電所は、首都東京の経済活動を支える電源として、その重要性が高まっております。
現在、営業運転開始に向けた準備が進められていますが、東京電力には安全性の確保を最優先として、一つ一つ丁寧に取り組んでもらいたいと存じます。
都は、引き続きエネルギーの大消費地として、なすべき取組を果敢に推し進めてまいります。
○増山委員 エネルギーの大消費地である東京都は、電源立地地域の理解と貢献の上に成り立っていることを忘れてはなりません。
新潟県からは、東京都との経済的な交流の機会を増やしたいという声も聞いております。地方への貢献として、都が取り組んできた共存共栄の理念の下、経済交流をより活発化することが必要です。
現在進められている米粉の活用などに加え、都として一層厚みのある経済交流を図っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中産業労働局長 都はこれまで、新潟県との連携協定に基づきまして、米粉の活用促進や、相互の農林水産物の魅力発信による消費拡大などに取り組んでまいりました。
来年度は、これらの取組に加え、様々な分野での連携強化に向けて、新潟県側のニーズも踏まえながら検討を進めてまいります。具体的には、新潟県内の企業と都内中小企業とのビジネスマッチングや、都内で開催するイベントにおきまして、新潟県食材や観光等のPRなども視野に入れて協議してまいります。
こうした連携を着実に積み重ねることで、相互の強みを生かした経済交流を発展させてまいります。
○増山委員 新潟県との交流の取組を確認できました。ぜひ経済団体間の交流の機会創出も目指していただくことを要望いたします。改めて、都知事には東京都民を代表し、新潟県に足を運び、感謝を伝えていただきたいと願っております。
さて、原発が首都東京を支える重要な電源であることが確認できました。
一方で、こうした厳しいエネルギー情勢の中にあっては、電力の大消費地である都としても、率先してエネルギー対策を進めていくべきと考えますが、来年度の具体的な都の取組を伺います。
○田中産業労働局長 エネルギーの安定確保と脱炭素化を進めるため、令和八年度は、ゼロエミ関連予算として、前年度を上回る約四千億円の予算を計上しております。
この中で、再エネの地産地消に向けた取組や、新たな再エネ技術の社会実装化を加速するほか、企業における省エネ対策や建築物のゼロエミッションビル化、グリーン水素の普及拡大などの取組を重層的に行ってまいります。
エネルギー確保の重要性が高まっている中で、これらの取組によりまして、エネルギーレジリエンスの向上と、ゼロエミッション東京の実現につなげてまいります。
○増山委員 レアメタルやレアアースは、スマホ等のハイテク製品に使用され、現代の日常生活を支えています。
一方、重要鉱物や金属資源の多くを海外からの輸入に頼る日本は、国際紛争を背景に、資源制約のリスクに直面しています。国内リサイクルを進め、日本企業のサプライチェーン上のリスクを低減することは極めて重要です。
都はこれまで、メダルプロジェクトによる自治体回収や、宅配便等による事業者回収の拡大に向けた取組を行い、分別回収は着実に進んできました。
しかし、各家庭では、ガラケーやデジカメ、ゲーム機など、使用されていない小型家電が、自宅に多く置かれたままになっているというのが現状です。
そこで、都市鉱山に眠る希少金属の循環利用をさらに進めるため、都民に向けて小型家電の分別回収を一層促していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○須藤環境局長 使用されなくなった小型家電のうち、都内の家庭で保管されたままのものは数千万台あると推計されております。その多くは、過去の記憶の詰まった携帯電話などとなっておりますが、これを適正に回収し、都市鉱山として再資源化を図る取組を進めてまいります。
具体的には、区市町村が小型家電の回収品目を増やす際の支援を通じ、都民が処分する機会を増やしてまいります。また、データ移転などのサービスを行う事業者と連携した分別回収の周知を行います。
加えて、スマートフォンなどをAIで自動分別し、効果的に回収する機器を都庁舎に設置するほか、自治体施設などへの設置を後押しすることで利便性を高め、レアメタル等の再生利用の拡大につなげてまいります。
○増山委員 都は来年度、リチウムイオン電池を集めて資源化プロジェクトを推進し、電池内蔵製品等の安全な回収を進めるとのことですが、併せて都市鉱山に眠るレアメタル等の積極的な再資源化に取り組むことで、相乗効果を発揮することが期待されます。
ぜひ住民の利便性を高める取組を展開し、国内資源循環をさらに推進していただくよう要望して、次の質問に移ります。
国際情勢が混迷を深める中、不測の事態への対応を考えますと、サイバー攻撃を受けた場合、速やかに事業復旧させるためのデータ管理の取組強化が不可欠です。
また、全てを海外事業者に依存せず、経済安全保障の面からも国内企業の技術を活用することが重要です。
都議会自民党は、本定例会代表質問でこの問題を取り上げ、都からは、来年度、データのバックアップ対策の強化等のため、データ主権を確保した新たなデータ管理環境の構築に向けて、国内事業者の技術の活用を視野に検討を進めるとの力強い答弁があり、非常に期待するものです。
都は、データ管理の取組強化に向け、新たなデータ管理環境の整備を具体的にどのように進めていくのか、来年度の取組を伺います。
○高野デジタルサービス局長 都が保有する重要なデータを安全かつ確実に守るため、来年度から新たなデータ管理環境の構築に着手いたします。
現在、サイバー攻撃等に備えたデータのバックアップなどにつきまして、仮に不測の事態が発生した場合でも、都の主体的な管理運用を確保する観点から、国内事業者の技術やサービスの活用を視野に、幅広く情報収集を行っております。
来年度は、GovTech東京と協働し、国や専門家等と意見交換を行いながら、いわゆるデータ主権を確保した新たなデータ管理環境に必要な技術的な要件を整理するなど、構築に向けて着実に検討を進めてまいります。
○増山委員 公共の役割として、都が国内企業の技術等の活用を視野に取組をスタートさせたことを評価いたします。
都は現在、高度なセキュリティ対策を一元的に行う東京都クラウドインフラを構築し、全庁の業務システムの移行も進めており、データ管理の取組を強化していくことを期待しております。
昨今、ランサムウエアに代表されるサイバー攻撃が猛威を振るっています。
つい先日も、都庁の委託先でランサムウエア被害に遭いました。一たび侵入されますと、システム内のファイルは攻撃者により暗号化されてしまいます。
対策は、データのバックアップを安全な領域に確保することと、手順に基づき正しく復旧することが重要です。
都民の重要な情報やインフラを守るため、バックアップ対策の一層の強化が必要と考えますが、都の来年度の取組を伺います。
○高野デジタルサービス局長 サイバー攻撃の被害から確実に復旧できるよう、都はこれまでの取組に加え、新たなデータ管理環境の構築に先立ち、来年度、各局の重要なシステム等を対象にバックアップデータの収集を行います。
また、特に復旧の優先度が高いシステムにつきましては、バックアップが複数拠点で確保されているか、適切な間隔で取られているか、過去に遡って復元できるよう保存されているか、復旧手順が整理されているかなどを確認いたします。その上で、実際に手順書の方法で復旧訓練も行います。
こうした取組を通じまして、万が一被害を受けた際も、迅速かつ適切に復旧できる体制を整備し、都民の安心・安全を確保してまいります。
○増山委員 昨年十二月に開設したサイバーセキュリティセンターが各局を支援し、被害を未然に防ぐ取組と併せ、迅速に復旧する取組も推進することで、都民生活への影響を最小限にする体制整備を要望し、次の質問に移ります。
次に、都有施設の改築、改修について伺います。
現在、日本国内における建設工事の工期は長期化する傾向が顕著であり、深刻な人手不足と高齢化、時間外労働の上限規制、資材価格の高騰と調達遅延、猛暑対策等の安全管理の強化など、構造的な要因が複合的に絡み合っています。
さらに、イラン情勢が緊迫化する中、原油価格をはじめとする資源価格の高騰が工事費に波及することで、都有施設の改築、改修工事など、維持更新に影響することも懸念されます。
都有施設は都民の貴重な財産であるとともに、警察署、消防署、学校など、都民生活に必要な施設や様々な行政サービスを提供する場であり、安全・安心な都民生活の根幹です。
都民の安全・安心を守るためにも、社会情勢を踏まえながら、維持更新を計画的かつ着実に行っていかなければなりません。
そこでまず、都有施設の維持更新について、都の基本的な考え方を伺います。
○山下財務局長 都の行政運営を支える都有施設は、都民の貴重な財産であり、良質なストックとして有効に活用されることが重要でございます。
主要施設十か年維持更新計画では、一定規模以上の施設や、小規模でも防災上の観点などから維持更新が特に必要な施設につきまして、築十年を目安に設備機器の改修、そして築三十五年を目安に大規模改修や改築の検討対象としております。また、これら改修、改築の後、適切な維持管理などを行い、六十五年以上の活用を目指すこととしております。
今後も、施設の劣化状況や行政ニーズ、環境負荷など、様々な観点を総合的に考慮し、適切に維持更新を推進してまいります。
○増山委員 主要施設十か年維持計画では、築三十五年を超える一定規模以上の施設や、また、小規模であっても防災上の観点等から特に必要なものについては、改築を含めた検討の対象になり得るという基本的な考え方を答弁いただきました。
そこで、私の地元の府中消防署是政出張所は築五十三年が経過しており、老朽化が顕著です。このように二十四時間勤務を伴う消防庁舎であるにもかかわらず、都内には築五十年以上が経過した老朽化した庁舎があります。
加えて、建設当時と比べて女性職員が増えているにもかかわらず、トイレや更衣室など、女性活躍を推進する点からも設備が不十分であり、早急な対策が必要です。
地域の災害活動拠点である消防署の機能更新が求められており、建て替えも見据えて検討すべきと考えますが、東京消防庁の見解を伺います。
○市川消防総監 災害活動拠点となる消防庁舎の機能維持は極めて重要であり、既存庁舎の老朽度、狭隘度等を総合的に判断し、計画的に消防庁舎の整備を進めております。
現在、二十か所の消防庁舎の改築事業が進行中であり、来年度は世田谷消防署上北沢出張所及び秋川消防署秋留台出張所の竣工を予定しております。
また、消防庁舎の改築に際しましては、女性職員の勤務環境の整備にも配慮するとともに、既存庁舎においても、職員の勤務環境の向上に向けた改修に取り組んでおります。
引き続き、消防庁舎の改築が早期に実現するよう、着実に計画を推進してまいります。
○増山委員 また、都立高校につきましても施設の老朽化が進んでおり、改築等に段階的に取り組んでいるところではありますが、さらに前倒しして進めてほしいと思います。
その一方、校舎全体を建て替えるには時間を要しますので、建物の外装や内装、トイレの改修なども積極的に行い、施設の維持更新に取り組んでいくべきと考えます。見解を伺います。
○坂本教育長 都立高校の魅力を高める上で、日々の学校生活を快適な環境で送ることのできるよう、施設や設備の整備等を速やかに進めることは不可欠でございます。
これまで都教育委員会では、都立高校の大規模な改修などに関し、十年間の計画に基づき取組を進め、来年度、十三校の工事等を行います。
生徒等は、高校を選ぶ際、外装の新しさや廊下などの明るさのほか、快適に使えるトイレ設備等を重視しております。このため、計画にのっとった工事に加え、十四の高校で外装を改修し、十二校で廊下や階段の内装工事と照明の取替えを行います。また、三十五校でトイレに関し壁などを張り替え、鏡や洗面台を更新いたします。
これらによりまして、都立高校の環境づくりを迅速に進めてまいります。
○増山委員 これから建築コストのさらなる上昇が見込まれますので、必要な改築は前倒しして進めることを求め、次の質問に移ります。
現在、国際情勢の不安定化、とりわけ中東情勢の緊迫化により、原油価格が急騰しています。エネルギー価格の高騰は、電気代やガソリン価格のみならず、物流コストや食品価格など広範な分野に波及し、都民生活に直結するインフレ圧力を一層強める要因となります。
こうした状況で、銀行預金のみに資産を置いているだけでは実質的な購買力が低下し、いわゆる資産の目減りが生じる時代に変化しています。
しかしながら、我が国においては、依然として金融リテラシーが十分とはいえません。
昨年十二月に実施した都民アンケートによりますと、金融商品を購入しない理由の一位、約四五%の人が、金融商品についての知識が不足しているからと回答しています。資産形成や分散投資の重要性についてはさらなる浸透が必要です。
都としても、インフレ環境下における都民の生活防衛の観点から、貯蓄から投資への流れを単なるスローガンにとどめるのではなく、実効性ある金融教育の強化が必要です。
そこで、都として、インフレ環境を踏まえた都民の資産形成支援、特に金融リテラシー向上に向けてどのような考えで取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
○小池知事 国際情勢が不透明さを増し、エネルギー価格や金融市場が大きく揺れ動く中、世界経済の不確実性が高まっております。一方、我が国におきましては、長らく続いてまいりました低金利の時代から、金利のある世界へと経済環境は確実に移り変わりつつあります。
このような状況下におきましては、個々の生活設計に応じた資産形成について正しい知識を持ち、変化を前提に自ら考え、判断し、行動する力がこれまで以上に求められるところでございます。
このため、幅広い都民が年齢やライフステージ、就労状況などに応じて金融リテラシーを向上できますよう、金融について学ぶ機会をさらに充実し、一人一人が将来に希望を持ち、安心して暮らせる東京を実現してまいります。
○増山委員 ただいまのご答弁から、知事による金融教育推進に向けた意気込みが理解できました。
国においては、貯蓄から投資へのシフトを促すため、資産運用立国実現プランの一環として、NISAの拡充等、様々な施策に取り組んでいます。
都においても、これに呼応して、金融経済教育に関する様々な取組を進めてきたと認識していますが、今年度の取組状況について伺います。
○田中産業労働局長 都はこれまで、都民の金融リテラシー向上に向け、若手社会人やシニア世代等を対象に、その時々の関心事も取り入れた金融セミナーを行ってまいりました。
令和五年度からは、中学、高校での授業や、家計管理、資産形成などに係る社員研修などに金融の専門家を講師として無料で派遣しており、今年度は二月末時点で百四十五件となっております。
また、シニア世代の収入や支出等を分かりやすく解説した東京MONEYBOOKを活用し、五、六十代向けのセミナーを開催したほか、金融経済教育推進機構と連携し、個々の生活設計等に応じたアドバイスを行う個別相談を実施しております。
○増山委員 金融広報中央委員会が二〇二二年に実施した金融リテラシー調査においても、学校等で金融教育を受けた都民の割合について、都道府県別順位が二〇一九年調査の十位から二位に上昇しており、ご答弁のあった取組の成果の一つの表れではないかと感じております。
他方で、我が国経済は今、デフレ、コストカット型経済から、その先にある新たな成長型経済への移行を確実なものとできるか否かの大きな分岐点にあるといえます。
現在、預金金利が物価上昇率を大きく下回っており、お金を預けておくだけでは資産が目減りしてしまう状況にあるため、都民の安定的な資産形成を支援する観点からも、金融経済教育の取組はますます重要になってくると考えますが、都の今後の取組について伺います。
○田中産業労働局長 来年度は、学校や企業等への専門家派遣の規模を三百件に増やすとともに、無関心層の金融に関する興味を喚起するため、中小企業の経営者層に向けた講義を新たに行い、社員の資産形成の支援等を促してまいります。
また、東京MONEYBOOKにiDeCoなどの制度改正の内容を反映するほか、金融経済教育推進機構と連携した無料相談を拡充いたします。
このような取組を通じまして、無関心層も含めた幅広い対象に対して、金融リテラシーの向上を図り、将来を見据えた生活設計や安定した資産形成など、行動変容につなげてまいります。
○増山委員 現在、東京ポイントの付与効果で、多くの都民が東京アプリをダウンロードしていますから、ぜひ東京アプリも活用して取組の周知を図っていただきたいと思います。
我が党といたしましても、こうした取組は、都民生活の向上、都内経済の振興、そして東京の発展につながっていくものと考えており、しっかりと後押しをしてまいります。
国は、成長と経済安全保障を両立させる観点から、十七の戦略分野を取りまとめました。創薬、先端医療分野は、その一つとして、国民の健康のみならず、産業競争力強化の観点からも重要な分野と位置づけられており、官民が協働し、様々な議論が行われています。
特に創薬分野は、開発が長期間にわたり多額の費用がかかる上に、新薬の開発の成功率は約三万一千分の一といわれています。このようなリスクの高い創薬分野での企業の成長を促し、日本全体の成長につなげるため、都は国とも連携し、役割分担しながら取り組むことが重要です。
都は、こうした創薬分野で有効とされるカンパニークリエーションの手法を用い、グローバルを目指すスタートアップの創出を目指していますが、来年度の取組を伺います。
○吉村スタートアップ戦略推進本部長 カンパニークリエーションは、ベンチャーキャピタルなどが研究シーズを吟味し、狙いを定めてスタートアップを立ち上げる手法でございまして、都は、国や様々な関係者と意見交換を行い、創薬分野での効果的な支援体制づくりを進めてまいりました。
今月、がんや神経疾患など、難治性疾患の治療薬等を開発する五つのプロジェクトを発表いたしました。今後、有識者アドバイザリーボードによるきめ細かな助言に加え、研究者、経営人材、スタッフ等の開発チームへの費用面のサポートなど、取組を強力に支援してまいります。
研究開発を中心に後押しする国とも連携することで相乗効果を発揮し、カンパニークリエーションの成功につなげてまいります。
○増山委員 スタートアップ戦略二・〇で打ち出したスケールアップ企業の創出に向け、海外展開を強力に支援するSusHi Tech Globalについて質問します。
この事業については、有望企業が六十七社選抜され、その中から二億円の支援を行う成長加速プログラムの選定が進められるなど、順次取組が展開されています。
第一弾として、どのような企業が選ばれるのかは、本事業の今後を左右するものといえます。
そこでまず、成長加速プログラムの具体的な選定状況について伺います。
○吉村スタートアップ戦略推進本部長 成長加速プログラムでは、先月までに選定したSusHi Tech Globalスタートアップから、海外展開等に向けた事業計画を募り、先週十社を採択いたしました。
成長が期待できるか、世界に挑むタイミングにあるかなどの視点から外部専門家が審査を行いまして、人工衛星から得られる様々な地表データの解析プラットフォームを提供する企業や、非接触での給電技術を持つ企業、高度なゲノム編集技術により新薬開発に有用な素材を提供する企業など、優れた技術で持続可能な社会に貢献する企業を選定いたしました。
最大二億円のサポートを通じまして、海外拠点の整備やグローバル企業との協業の実現、世界市場に向けた知財戦略等を支援し、成長を後押ししてまいります。
○増山委員 これらの企業の今後さらなる発展を楽しみにしております。
本事業では、今後百五十社程度まで母集団を増やしつつ、その中から有望企業を厳選し、二億円のプログラムについて合計五十社程度を支援し、さらにそれを五社まで絞り込み、十億円のプログラムでより大きく成長させる取組も予算に盛り込まれております。
スタートアップの成長タイミング等の時間軸も含めて、効果的に支援を進めていくべきと考えますが、SusHi Tech Globalの今後の展開について伺います。
○吉村スタートアップ戦略推進本部長 企業の成長状況は、それぞれの技術や分野により異なりまして、海外展開に向けて機が熟した企業をタイムリーに支援する必要がございます。このため、最大二億円の成長加速プログラムは、おおむね六か月ごとに五回募集を行い、三年間で合計五十社程度を順次選抜し、それぞれ一年半にわたり支援を行います。
また、最大十億円のプログラムは、企業の成長状況等をKPI等で確認し、特に有望な企業五社を五年程度で順次絞り込み、海外での量産体制の整備等の大規模プロジェクトを、二年半にわたり強力に支援することで、世界に飛躍する企業を生み出してまいります。
○増山委員 先日の代表質問で、今後都と国との協議体において、地方税財政制度の改善、ひいては我が国全体の成長に向け、国と議論していくことを求めました。
その手始めとして、先週、知事をはじめとした東京都と自民党東京都連との勉強会を開催し、東京と日本の成長の重要性や地方税制に関する問題意識などについて、改めて共有したところです。
その一方で、他県選出の国会議員や地方の首長などは、いわゆる偏在是正を行うべきと主張しています。
来年度に入れば、六月の骨太方針から始まり、概算要求、秋口の与党税制調査会と税制改正に向けた日程が続いていきます。
今後のスケジュールなども踏まえつつ、地方税制度の不合理な措置について新たな協議体を活用し、国に対してどのように働きかけていくのか、知事の見解を伺います。
○小池知事 地方税制度の不合理な措置は、都の税収などに着目しまして、その財源を狙い撃ちにするものであり、都は断固として反対をいたします。
国と都の間で設けることとなりました新たな協議体でございますが、まずは六月の骨太の方針に向けて、大局的な見地から、東京ひいては日本全体の持続的な成長について、あるべき地方税制の在り方も含めまして、国と議論をいたしてまいります。
今取り組むべきは、限られたパイの奪い合いではなく、パイそのものを大きくすることでございます。
こうした考えの下、首都東京から日本全体の成長につなげるべく、志を同じくする国会議員の皆様とも協力をしながら、この協議体を通じまして、オール東京で国に対し、戦略的に働きかけてまいります。
○増山委員 小池知事が進める成長戦略と高市首相が掲げる強い経済、成長投資を重視する姿勢は軌を一にしております。
今般、新たに設置される国と都の協議体において、首都東京の強靱化を重要なテーマの一つに位置づけ、議論を深めていくことが必要です。
物価高騰や建設人材の不足といった課題に加え、国際情勢の不確実性の高まりなど、取り巻く環境は大きく変化しています。
このような状況が続けば、プロジェクトに掲げる二〇四〇年代までの総事業規模についても、十七兆円にとどまらないことが予見されますが、都民の生命と財産を守るために必要な施策は断行していかなければなりません。
首都である東京が災害に強くなることは、日本全体の強靱化にも直結します。
そこで、都は国と共に都市の強靱化を強力に推進していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
○小池知事 激甚化する風水害や首都直下地震など、切迫する災害の脅威から都民の命と暮らしを守るため、備えよ、常にの精神で、東京の強靱性を不断に高めていくことが重要です。
そうした考えの下、都はこれまで、強靱化プロジェクトを推進しまして、ハード、ソフトの両面から全国をリードする災害対策を展開することで、東京のレジリエンスを着実に向上させてまいりました。来年度におきましても、プロジェクト全体で九千億円を計上し、取組を一層加速してまいります。
日本のエンジンである首都東京の強靱化は、都民の命と暮らしを守るにとどまらず、日本の国力を支え、高める基盤であります。今後も取り巻く状況変化を踏まえまして、プロジェクトの充実強化を図るとともに、国との協議体も活用しながら、災害の脅威から東京、そして日本を守る取組を力強く推進してまいります。
首都防衛。この強い決意を胸にしまして、強靱で持続可能な東京の実現に向けまして、全力で取り組んでまいります。
○増山委員 都がこれまでも、強靱化プロジェクトの見直しを行ってきたことは承知しています。今後も様々な課題を捉え、プロジェクトの強化に取り組むとともに、国との協議体を活用し、首都東京の強靱化の必要性を国に対してしっかり主張していってもらいたい。我が会派も強力に後押しをしてまいります。
都が実現すべき避難所として、スフィア基準に準拠することを求めています。どの市区町村もこの基準達成のために苦慮しており、公立小中学校はもとより、例えば私の地元府中市では文化センターや地域体育館など、公共施設は全て確保しております。
それでも、一人三・五平米の面積を確保することは困難です。
以前より、我が会派の多くの議員から、実現性の課題を指摘されていると思いますが、この基準を達成するために都としてどのような対策を考えているのか、改めてお伺いいたします。
○佐藤総務局長 都はこれまで、建物の耐震化や不燃化、ライフラインの強靱化などを強力に推進してまいりました。
東京は、耐震化された集合住宅や戸建て住宅が多数存在し、在宅避難できる環境整備が進んできております。また、区市町村と都外自治体との災害時を見据えた関係づくりも進んできております。
このため、都は、避難所改革の取組に、在宅避難や被災地外への避難を柱として加えた避難者の生活支援指針を取りまとめました。引き続き、都市の強靱化と避難所改革の取組を加速させます。
これに加えまして、新たな指針に基づき、在宅避難者や被災地外避難者への支援を充実強化していくことで、スフィア基準に準拠した生活空間の確保など、避難所の環境向上につなげてまいります。
○増山委員 在宅避難や被災地外避難を促すことで、避難所に来る人数自体を減らす取組は分かりました。
しかし、高齢化と一人暮らし世帯の多い東京において、避難所に来る方は依然として多いと考えられ、避難所の拡充が求められます。市区町村の保有する公共施設にも限りがあるため、都が保有する施設も可能な限り活用されることが必要だと思います。
そこで、教育長に伺います。
東京都地域防災計画において、避難所に指定されている都立学校では、区市町村による円滑な避難所運営に協力することとなっており、地域の防災拠点として都立学校の果たす役割は重要と考えます。
そこで、都立学校における避難所指定の現状について、今後の取組を伺います。
○坂本教育長 都立学校について、自然災害が発生した場合、区市町村の避難所として活用できる仕組みを効果的につくることは重要でございます。
都立学校では、災害時に避難所の役割を担うに当たり、区市町村からの要望に基づき協定を結んでおります。また、これによりまして、避難をする住民を受け入れるスペースや備蓄品を置く場所等について学校と自治体が調整し、ルールを取り決めております。こうした協定等のある都立学校は、全体の約九割となっているところでございます。
今後、地元自治体から避難所に関わる協定やルールに関し要望のある場合、都教育委員会と学校を交え、一層円滑に協議を進める仕組みをつくります。
○増山委員 教育長から、仕組みをつくるという大変前向きな答弁をいただき、心強く思います。ぜひとも地元自治体と都立学校で、円滑で強固な関係を築いていただくようお願いいたします。
続いて、都立学校と同様、都立スポーツ施設における避難所指定の現状について、スポーツ推進本部長に伺います。
○渡邉スポーツ推進本部長 都立スポーツ施設におきまして、自然災害が発生した際、区市町村と協力して避難所の役割を適切に果たすことは重要でございます。
現在、東京体育館外七施設と所在区市などとの間で、大規模水害を想定した広域避難先として、または震災や水害を想定した緊急時避難場所として協定を締結しております。
今後も避難所の指定等について区市町村のニーズを捉え、施設の状況等を踏まえて適切に対応してまいります。
○増山委員 スポーツ推進本部長からも前向きな答弁をいただきありがとうございます。
私の地元府中市と調布市の間には、味の素スタジアムや京王アリーナTOKYOという大きなスポーツ施設があり、この施設を有効に活用できれば、多くの避難者を助けることができます。
避難所の雑魚寝解消のためにもスフィア基準を設ける意味は理解しますが、併せて物理的な施設の開放にも市区町村と協力していただくことを期待して、次の質問に移ります。
近年の豪雨は激甚化、頻発化しており、全国各地でマンションの浸水被害が発生しています。特に高層マンションが浸水した場合には、停電によりエレベーターが使用できなくなるおそれがあります。被害を防ぐためには、非常用電源の設置や、その非常用電源を守るための浸水対策が重要です。
これまで都は、東京とどまるマンションにおいて、非常用電源の浸水対策のための支援を実施してきました。
しかし、特に高層マンションでは、設置のための工事に多額の費用がかかることから、住民の合意形成に時間を要するなどの課題があり、対策が進んでいない状況です。
そこで、支援の強化が必要と考えます。都の見解を伺います。
○山崎住宅政策本部長 都は、近年頻発する豪雨災害を踏まえまして、来年度、東京とどまるマンションを対象に、非常用電源を守る浸水対策補助について、補助率を二分の一から三分の二に引き上げるとともに、簡易な止水板に加え、機能性の高い防水扉等の設置を後押しするため、上限額を七十五万円から八百三十三万円に大幅に引き上げます。
また、補助制度の活用促進に向けまして、新たに防災に知見を有する団体とも連携し、浸水対策を広く普及するとともに、特に浸水対策を実施していない登録マンションに働きかけ、希望に応じて専門家を派遣し、管理組合に助言を行うなど、合意形成も支援いたします。
これらによりまして、風水害にも強いマンションの普及を図り、東京の強靱化を推進してまいります。
○増山委員 東京港は、首都圏の物流を支える中枢インフラとして、都民生活や経済活動を力強く支えており、一たび災害が発生した場合においても、物資輸送を途切れさせることなく、港湾機能を維持することは極めて重要です。
発災直後に港湾施設等の被災状況を的確かつ迅速に把握し、応急復旧や物流機能の早期回復につなげるためには、DXの推進が不可欠です。
港湾分野の災害対応をより強固なものにするため、DXの取組を強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中港湾局長 八丈島の台風被害では、ドローンにより取得した被災施設の三次元点群データを生かすことで、防波堤の復旧工事の開始までの期間を約十日短縮することができました。
東京港におきましても、港湾施設等に関する情報を一元化する新たな基盤の構築を進めており、今月から東京みなとDXとして運用を開始いたします。
これにより、発災直後にはドローン画像等をシステム上で関係者と共有し、港湾施設の使用可否の速やかな判断や、迅速な応急対応につなげてまいります。また、復旧工事において、被災前後のデータを三次元で比較することで効率的に設計や施工を行うなど、災害対応力のさらなる強化を図ってまいります。
○増山委員 先月の我が党の代表質問において、都市計画道路の整備促進に向け、都は来年度から、用地の先行取得に際し、建物の除却費を補助する制度を新設するとの答弁がありました。
用地の先行取得は、地権者の希望するタイミングで売却ができるほか、土地の細分化による関係権利者の増加を抑制できるなど、メリットの大きい制度です。
そこで、道路整備の加速に向け、用地の先行取得の際に、建物の除却費を補助する制度の具体的な内容について伺います。
○谷崎東京都技監 都はこれまで、都施行の優先整備路線を対象に、地権者の申出により事業認可前から用地を先行して取得してまいりましたが、その際、地権者が自己負担により建物を除去し、更地化することなどを条件としてまいりました。
用地の先行取得を一層促進するため、整備方針の改定を契機といたしまして、対象地に建物がある場合、国が定める標準的な除却費に相当いたします額を上限として、来年度から地権者に補助する制度を新設いたします。
これにより、機動的な用地取得をさらに進め、都市計画道路ネットワークの早期形成を図ってまいります。
○増山委員 これまで地権者の負担となっていた建物除却費に対し、都が補助する制度を新設することで、地権者の理解と協力を得やすくなり、用地取得の円滑化が期待されます。
こうした整備促進の取組を通じ、都市の強靱化や国際競争力の向上に不可欠な都市計画道路ネットワークの早期形成が着実に進むことを期待しております。
全国的に路線バスの廃止が加速する中、都内もバス減便や路線廃止の波が押し寄せています。
都は、不足する運転士の解決策の一つとして、現在、運転士が同乗するレベル2の自動運転の実証実験等を行っていますが、運転士による監視や判断に依存する部分が大きく、安全管理の在り方が極めて重要です。
こうした中、高尾地区など自動運転バスの事故が発生しましたが、事故から得た知見を今後の自動運転の安全対策につなげ、自動運転技術に関する取組を進めることで、持続可能な公共交通を実現していくことが不可欠です。
そこで、レベル2の自動運転における運転士の教育を充実させることが必要と考えますが、都の見解を伺います。
○谷崎東京都技監 自動運転レベル4の準備段階にあるレベル2の運行には、車両やシステムの安全性確保に加え、危険回避等を担う運転士の役割も重要でございます。
都は、これまでの事故を含む知見を踏まえ、今後、自動運転の導入手順等を示したガイドラインを改定してまいります。
この中で、運転士につきましては、自動走行システムの仕組みや特性の理解を深めるとともに、公道走行前の実験施設等での訓練、不測事態への対応などの操作習熟を強化する取組を示しまして、安全対策の向上を図ってまいります。
こうした取組に加え、事業者と連携して自動運転車両やシステムのさらなる安全性能の向上を図りまして、持続可能な公共交通の実現につなげてまいります。
○増山委員 本年四月から、自転車の交通違反に青切符が導入されます。
我が会派は、一定代表質問で自転車通行の安全性について質問しました。
自転車の車道通行など、交通ルールの理解とともに、取締りの強化など、利用者への責任の負担を強いるだけでなく、同時に自転車通行空間の整備を行い、安全に利用できる環境を整えることも重要です。
都は、令和三年度に策定した自転車通行空間整備推進計画に基づき、自転車通行空間の整備に取り組んでいますが、さらに整備を加速させるべきです。
そこで、都の自転車通行空間整備の進捗状況と、事業推進に向けた取組について伺います。
○花井建設局長 都は、自転車通行空間のネットワークの連続性や自転車交通量、事故の発生状況等の視点から、二〇三〇年度までに優先して整備する区間、約二百五十キロメートルを選定いたしました。
このうち、令和六年度末までに約七十八キロメートルを完成させまして、来年度は、井ノ頭通りなどの約二十七キロメートルで整備を予定しております。
こうした取組に加えまして、都市計画道路の新設、拡幅や、路面補修に合わせて整備するなど、今後とも誰もが安全で安心して利用できる自転車通行空間の整備を積極的に進めてまいります。
○増山委員 多摩東西を結ぶ東八道路は、三鷹や小金井区間は自転車専用レーンがありますが、府中区間は早期に道路ができたせいか、専用レーンがありません。
現在、国立方面に抜ける新設道路事業が進む中、連続する道路にもかかわらず、府中区間のみ取り残されてしまいます。
沿道の方は自転車との接触事故を危惧しているため、ぜひ道路事業に合わせて自転車通行空間の整備をしていただくことを求めて、次の質問に移ります。
東京は、世界の都市総合ランキング二位を達成し、観光客数は過去最多を記録しています。多くの方に訪れていただく以上、今までの対策を根本から見直し、世界の観光都市の対策も積極的に調査し、取り入れていく必要があります。
そこで、観光客の増加に伴う課題への対応について伺っていきます。
観光客の急増による課題は、地域の特性によって様々です。繁華街では、雑踏や騒音、路上での迷惑な写真撮影、神社、仏閣などでは文化財への落書き、登山道や海水浴場などでは自然環境への影響も問題になります。
そこで、観光客の増加に伴う地域の課題を十分に踏まえた効果的な対策を推進していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中産業労働局長 都は来年度、東京の観光の持続的な発展に向けて、市区町村等が実施する住民の生活環境との調和を図る取組への支援を強化いたします。
具体的には、国内外からの旅行者の増加に伴う混雑緩和対策やマナー啓発、ICTごみ箱の設置等の取組のほか、実施前の調査や実施後の効果検証に必要となる経費について、最大五分の四を助成いたします。
市区町村が、地域の観光協会や企業などと連携して効果的な取組を行う場合には、補助上限額を八千万円から一億円に引き上げる工夫も行います。
これらによりまして、地域の実情に応じた観光振興を図ってまいります。
○増山委員 続いて、オーバーツーリズム対策について伺います。
特定の駅や観光地に多くの観光客が集中し過ぎないよう、分散させる対策をあらかじめ考えておくことも重要です。
近年は、携帯電話のGPSデータなどを活用して、人流を正確に把握する技術も進展しており、こうしたデータを効果的に用いることも一案です。
そこで、観光客の集中が懸念される地域については、あらかじめ防止する観点から取組を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中産業労働局長 都は来年度から、観光地における旅行者の過度な集中を防ぐため、AIを活用して人流データなどを分析し、地域の対策に生かす取組を開始いたします。
この取組では、観光地の混雑状況に関する調査や、地元の自治体へのヒアリングなどに基づき、混雑の深刻化が懸念される三つの地域を選定いたします。
当該地域には、観光振興やAI活用の専門家を派遣し、携帯電話の位置情報や交通機関の運行データ、ホテルの宿泊状況などを用いた分析を行います。混雑状況の将来予測に基づき効果的な対策を立案し、その実施まで一貫したサポートを提供いたします。
これによりまして、地域における混雑の未然防止を図ってまいります。
○増山委員 これからクルーズターミナルを増設するのであれば、一気に五千人近くの観光客が移動することも考えられます。
都民の日常生活に支障が出ることもある都心の混雑緩和は、重要なテーマとして取り組んでいただくことを要望いたします。
混雑と同様、負の側面であるごみの散乱について伺います。
ポイ捨てを防ぐためには、マナー啓発だけでなく、まち中のごみ箱、いわゆるリサイクルステーションを整備していくことが必要です。しかし、地域によっては、ごみ箱の設置により、ごみがごみを呼ぶのではないか、収集費用は誰が負担するのかといった不安の声もあります。
都は、こうした地域の声をしっかり受け止め、利便性と美観の維持の両立が図られるよう美化の取組を進める体制をつくり、まちをきれいにする行動を都内全体に広げていくべきと考えますが、見解を伺います。
○須藤環境局長 都は、清潔で快適な都市環境を維持するため、観光地などでの新たな取組を開始いたします。
具体的には、区市町村や宿泊、交通などの関連団体と連携した推進体制を構築し、景観維持に創意工夫を凝らした地域活動や、スマートごみ箱の優れた運用事例の共有等により、取組機運を醸成いたします。また、一貫したメッセージを関係者が一体となって発信する広報活動により、周知効果を高めてまいります。
加えて、ポイ捨て行動を監視する取組やリサイクルステーションの設置、運用までをカバーする都の支援策の活用を促し、自治体などによる地域特性に応じた対策の推進を図ってまいります。
これらにより、東京のまちをクリーンにしてまいります。
○増山委員 例えば、パリやベネチアでは、観光客の多い地域を絞って、ごみの収集は日に数回行うなど、地域ごとにごみの量に応じた適正な対策を行っております。
職員の皆さんはぜひ世界の観光地を視察し、ごみ対策という観点で研究し、東京に生かしていただきたいと思います。
東京も、今までの対策を拡充して対応するような対応ではなく、一位を目指しているわけですから、世界の観光都市としての抜本的対策を求め、次の質問に移ります。
国は、高市政権の発足以降、違法行為を行う外国人への厳格な対応へと方針を転換しました。
現場を抱える地域では、急増する通報や生活上のトラブルへの対応に苦慮しており、地域の負担は大きくなっております。
都としても、国が示す危機感や、実際に対応に当たる現場の声を踏まえた取組が求められるところです。
秩序を保ちながら共生を進めるためには、単に外国人を受け入れるだけでなく、適切なルールの周知や実効性ある対策を含め、総合的な視点が不可欠です。
そこで、都としてどのような考え方で秩序ある共生社会の実現を図っていくのか、知事の見解を伺います。
○小池知事 地域住民と外国人が共に安心して暮らす共生社会の実現には、外国人に日本の制度の理解を促進するとともに、関連する制度が適正に機能する環境を整えることが重要でございます。
そこで、都は来年度、外国人に対する情報発信を強化いたします。日本での守るべきルールや各種法制度等を確実に伝達できるルートを構築するとともに、全庁横断的に各施策の重要な事項や課題を集約し、必要な情報を適切に届けてまいります。
また、一月には国におきまして外国人に関する総合的対応策が決定されましたが、いまだ実効性のあるものとはいいがたいのが現状でございます。そのため、国に対して、外国人によるマンション取引等の実態把握や、医療費不払いに関する制度運用の明確化などにつきまして、速やかに具体的な措置を講じるよう要望いたしました。
引き続きこのような取組を通じまして、秩序ある共生社会の実現につなげてまいります。
○増山委員 迅速な対応に感謝申し上げます。
続いて、都内の高校生のうち私学に通っている生徒は約六割を占めており、私立学校が東京の公教育に果たす役割は極めて大きい状況です。
各学校は、それぞれの理念に基づく教育を展開し、次代を担う若者の育成に大きく貢献しています。私立学校は、東京の教育の質と多様性を支える重要な基盤であり、私学振興は都政の最重要課題の一つです。
都はこれまでも、私立学校の質の高い教育を支えてきましたが、近年、著しい物価高騰などにより学校運営に係る負担が大きくなっており、厳しい社会経済情勢を踏まえ、さらにきめ細かな支援が必要であると考えます。
そこで、来年度に向けた都の私学振興の具体的な取組について、改めて伺います。
○古屋生活文化局長 来年度に向けては、物価高騰等を踏まえて、学校運営への基幹的な支援である経常費補助を、幼稚園、小中高校、特別支援学校全体で約六十億円増額いたします。
また、暑さ対策や大規模災害に備えた備蓄など、学校の安全確保に向けた補助を行うとともに、いじめ対策といった学校の課題への対応に係る経費への補助など、新たな支援を開始いたします。加えて、高校無償化をはじめとする保護者負担軽減についても、さらに充実をさせてまいります。
引き続き、私立学校がよりよい教育環境の整備充実を図り、質の高い教育を提供できるよう、私学のさらなる振興に向けて取り組んでまいります。
○増山委員 近年は、生徒や保護者のニーズが多様化する中、成績や進路などの学校生活の問題などをめぐり、社会通念を超える要望もあるなど、学校と家庭のコミュニケーションにおいて難しい事例も増えてきていると聞いています。
中には対応が困難なものもあり、質の高い教育の確保に向けた学校運営の面からも非常に大きな課題となっております。こうした状況に学校が適切に対応できるよう、都として支援を行っていくべきと考えます。見解を伺います。
○古屋生活文化局長 私立学校に係る保護者等からの要望は、近年高度かつ複雑となっておりまして、各学校がこうした状況に適切に対応することは重要でございます。
今般、都教育委員会は、学校と家庭・地域とのより良好な関係づくりに係るガイドラインを公表され、家庭や地域との関係づくりに向けた日頃からの取組の留意点や対応方針について示されました。
今後、各私立学校における対応の参考とできるよう、校長等が集まる場などを活用しまして、本ガイドラインを周知いたします。
○増山委員 少子化や授業料無償化に後押しされた私学人気などにより、都立高校は、今かつてないほどの危機にさらされています。
こうした中、応募倍率が定員を満たさず、いわゆる定員割れに陥る学校が複数に及び、定員割れですと、かなり点数が低くても入学できてしまう弊害があります。すなわち、入学時点で生徒の学力差が大きくなっている学校があるのではないかと考えられます。
全ての都立高校に、自分の大学進学などの進路実現に向けて、学力を向上させたいと期待して生徒は入学しています。そうした生徒のニーズに対して、入学後の学校生活をサポートする体制が必要と考えますが、都教育委員会の取組を伺います。
○坂本教育長 都立高校の生徒が、将来に向け希望する進路に必要となる学力を身につけるためのサポートを充実する取組は重要でございます。
これまで都教育委員会は、生徒の進学を重点的に支援する取組を進め、指導を行う人材の体制を整え、学習に専念できる環境づくりを実施してまいりました。
こうしたサポートへのニーズは高く、来年度、より多くの学校において学習を後押しする取組を開始いたします。
具体的には、新たに三十の高校を対象に、大学に入った卒業生等が放課後に生徒の指導を行う仕組みを入れ、自習スペースの整備も行います。また、勉強を効果的に進めるポイントを学ぶ動画をつくり、学校に提供し、その活用を進めてまいります。
○増山委員 次に、都立高校におけるデジタルを活用した新たな学びについて伺います。
現在、生徒一人一人が自分の知識や興味に応じて主体的に学ぶ自立した学習者の育成を図る新たな教育スタイルを実現するため、次世代の学びの基盤プロジェクトを進められております。
この改革を実現するためには、教員組織の力を高めるだけでなく、デジタルの力を最大限活用することが重要です。
先月公表されたプロジェクトの中間の取りまとめ(案)では、学習状況を可視化して管理するLMSの導入を推進していく方針が示されました。
このLMSを単に学習の進捗確認に使うだけでなく、学ぶ意欲を引き出し、生徒自らが学習を計画的に進めることをサポートする基幹システムとして活用を広げていくべきと考えますが、教育委員会の見解を伺います。
○坂本教育長 都立高校の生徒が学びの意欲を高める上で、デジタルの力で学習の成果を速やかに把握し、教員から適切な助言を受ける仕組みは効果的でございます。
これまで都教育委員会は、新たな教育のスタイルの導入に向け、デジタルで生徒と教員がやり取りをするラーニング・マネジメント・システム、いわゆるLMSの仕組みをモデル的に実施をしてまいりました。
具体的には、二つの都立高校にLMSを導入し、教員が生徒にデジタルで教材を提供し、その学習の成果を共有し、適切な助言を行っております。
来年度は、LMSを使う学校を十校まで増やすとともに、生徒が関心等に応じ教材を主体的に選ぶ仕組みを導入いたします。
これに合わせまして、教員は生徒の多様な教材に係る計画的な学びに役立つ助言を行います。
○増山委員 今後の検証で、より効果的な活用方法を洗い出し、子供たちや教員にとって使い勝手のよい仕組みにブラッシュアップすることを要望し、次の質問に移ります。
我が党は、女性特有の健康課題を都政における最重要課題の一つと位置づけ、その推進を主張してきました。
さきの代表質問で取り上げると同時に、我が党の重点要望として小池知事に申し入れたことを受けて、来年度新たに、女性のがん検診受診応援事業を開始することは高く評価いたします。
子宮頸がんと乳がんは、早期発見によりほとんどの方が治る一方で、働き盛りや子育て世代の罹患が多いのが特徴です。
女性の活躍を脅かすがんから女性の命と健康を守るため、この事業の意義と取組について、改めてお伺いいたします。
○山田保健医療局長 がんを早期発見、治療し、死亡率減少につなげるためには、がん検診の受診率向上が重要でございます。
一方、子宮頸がん及び乳がんは検診受診率が低いことから、受診を一層後押しする必要がございます。
そのため、都は来年度、これらの検診を受ける方に健康関連グッズ等を提供する女性のがん検診受診応援事業を新たに開始いたします。
実施に当たりましては、全ての検診対象者が参加できるよう、国が推奨する検診の受診間隔を踏まえ、事業期間を来年度から二か年といたします。
また、ピンクリボン等の啓発キャンペーンと連動いたしました広報や、東京アプリでの周知など、女性特有のがん検診受診率の向上に向けまして、効果的に取組を進めてまいります。
○増山委員 女性特有の健康課題は、子宮頸がんと乳がんだけではありません。
女性は思春期以降、月経やPMSなどによる不調や、妊娠、出産といったライフイベントに伴う心身の影響などがあります。
その後は、女性ホルモンが急激に変化することで自律神経が乱れ、目まいや肩こりなどといった身体症状や、いらいらや抑鬱などといった精神症状などがあります。しかし、それが婦人科の受診につながらず、治療につながりにくいという課題があります。
そこで、女性の年代に応じた健康課題への支援が重要だと考えますが、都の今後の取組について伺います。
○山田保健医療局長 都は来年度、女性が自身の体の変化や、それに伴う症状などへの理解を深められるよう、女性のがん検診受診応援事業のウェブサイトを通じまして、広く普及啓発を行ってまいります。
具体的には、ライフステージごとの健康課題や相談窓口、専門医療機関などの情報を分かりやすく提供いたします。
こうした取組によりまして、生涯にわたる女性の健康づくりへの支援を一層推進してまいります。
○増山委員 ぜひ東京アプリなども活用し、サイトの周知を図っていただくよう要望いたします。
続いて、東京都高齢者保健福祉計画によりますと、高齢者人口は増加が続き、令和十二年には約三百三十四万人、令和十七年には約三百五十四万人に達し、都民の四人に一人が高齢者となる見込みです。
よって、後期高齢者の増加に加え、一人暮らしの高齢者が多い都においては常時介護が必要で、在宅生活が困難な高齢者の生活の場として、特別養護老人ホームなどの介護保険施設の整備を重点的に進めていくことが必要です。
そこで、都における整備促進の取組について伺います。
○高崎福祉局長 都は、介護保険施設の整備目標を定め、介護サービス基盤の整備を推進しておりまして、昨年度からは建築費高騰に対応するため、施設整備費の補助に物価スライド方式を導入しております。
来年度はさらに、施設の創設や増築に係る補助単価を一床当たり最大五百万円から一千万円に増額するとともに、介護医療院についても特別養護老人ホームなどと同様に、整備率が低い地域の補助単価を最大一・八倍といたします。
こうした取組によりまして、整備目標の達成に向け、介護保険施設の整備を促進してまいります。
○増山委員 介護施設の整備に向けても物価や人件費の高騰に対応するため、補助の増額を行うことを確認しました。高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう対応を求めます。
続いて、都内各地域においては、在宅療養の充実に向け、様々な取組が実施されています。
こうした取組を一層推進していくためには、区市町村が主体となり、多職種協働による継続的な在宅医療体制を構築していくことが重要であり、区市町村の体制強化を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺い、私の総括質疑を終了いたします。ありがとうございます。
○山田保健医療局長 都は、全ての区市町村を在宅療養に必要な連携を担う拠点と位置づけ、様々な職種が協働して継続的に在宅療養に取り組む体制の構築を進めております。
来年度は、区市町村における体制づくりを一層支援いたします。
具体的には、訪問診療を行う医療機関の状況や、住民の受療動向などの情報を区市町村ごとに集約、可視化できるダッシュボードを作成し、各自治体の施策立案等を支援いたします。
また、区市町村の職員や在宅療養支援窓口の担当者を対象に研修を実施し、ダッシュボードの効果的な活用を推進いたします。
こうした取組によりまして、在宅療養体制の底上げを図ってまいります。
○伊藤(し)副委員長 増山あすか理事の発言は終わりました。(拍手)
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