予算特別委員会速記録第四号〔速報版〕

○伊藤(し)副委員長 岩永やす代委員の発言を許します。
    〔伊藤(し)副委員長退席、中田副委員長着席〕

○岩永委員 ゼロエミッション実現に向けては、かねてから求めてきた再エネの拡大はもちろん、プラスチックごみの削減も鍵を握っています。
 日本のプラスチックごみの約八割が容器包装プラスチックで、そのほとんどが使い捨て、一人当たりの量は年間約三十キログラム、アメリカの次に多く、世界第二位といわれています。
 パネルをご覧ください。都は、プラスチック削減プログラムの中で、二〇五〇年CO2実質ゼロを目指して、廃プラスチックの焼却量について、二〇三〇年までに二〇一七年比四〇%削減という独自の目標を策定、そして、昨年、取組を加速するために、二〇三五年までに五〇%削減という新たな目標を追加しました。
 しかし、実際見てみますと、焼却量は直近の数値でも、この二〇一七年の七十万トンから変わらずに、横ばいで推移しているというような状況です。あと四年でここまで、そして、あと九年ではここまで減らさないといけないというわけです。相当積極的に自治体に分別回収を進めていただき、プラスチックの分別と焼却しないリサイクル、リユースを加速していかなければ達成は困難な状況です。
 プラスチックの分別とリサイクルを推進するためには、先進的な設備の導入を後押しすることも重要です。
 そこで、二〇三〇年目標の達成に向けて、プラスチック対策をどのように進めていくのか、伺います。

○須藤環境局長 都は令和二年度から、容器包装プラスチックの分別収集経費などについて、市区町村を支援する事業に取り組んでおります。
 また、今年度からは、廃棄物処理事業者による廃プラなどの高度リサイクルを推進するため、画像認識や光学選別等の先端技術を用いた設備導入を支援しております。
 こうした取組を着実に推進してまいります。

○岩永委員 集めたプラスチックを材質ごとに分ける光学選別機、今ご答弁もありました。これは非常に有効で、リサイクル率を高めるためにも支援の強化を要望いたします。
 次に、プラスチックの発生抑制についてです。
 プラスチック条約の議論が頓挫して国際的な枠組みの実現が難しくなっていますが、解決に向けては発生抑制が重要であることはいうまでもありません。とりわけ、使い捨ての容器包装プラについて、都が率先して取り組むことを求めます。
 拡大生産者責任に基づく施策を九都県市などで検討をし、広げることを提案しますが、見解を伺います。

○須藤環境局長 都はこれまでも、清涼飲料業界と連携し、使用済みのペットボトルを再生利用するボトル to ボトル東京プロジェクトを実施しております。
 また、プラスチックのリデュース、リユースや水平リサイクルを促進するため、先駆的な取組を進める事業者に対し、社会実装化や事業拡大に向けた支援を行うなど、プラスチックの資源循環に率先して取り組んでおります。
 加えて、九都県市の連携により、製造、小売事業者などと協働して、過剰な容器包装の削減を推進しております。

○岩永委員 プラスチック資源循環法では、発生抑制やリユースの視点が弱く、拡大生産者責任も徹底されていないという課題が残っておりますが、海ごみやマイクロプラスチック対策も待ったなしの状況です。本気で目標を達成するために、使い捨てプラスチックを国に先駆けて都独自で規制するなど、プラスチックごみの発生抑制の強化を強く要望し、次の質問に移ります。
 都市における緑は快適な都市環境になくてはならないものです。また、グリーンインフラをはじめ、緑と土の地面を増やすまちづくりは、気候危機対策、ゼロエミッションの実現に向けても大変重要です。
 東京の緑を守り、育てる、生かす東京グリーンビズをどのように広げ進めていくのか、見解を伺います。

○佐藤政策企画局長 東京グリーンビズは、都民や企業など様々な主体と連携し、自然と調和した持続可能な都市を目指す、百年先を見据えた緑のプロジェクトでございます。
 都はこれまで、都立公園や街路樹の整備等を進めるほか、官民連携により、まち中の緑の創出やグリーンインフラの導入を推進してきております。また、都民が緑に親しむことができるイベントを行うなど、緑への関心を高める取組を実施してまいりました。
 今後も多様な主体と連携し、取組の輪を広げ、緑と生きるまちづくりを進めてまいります。

○岩永委員 緑の広域計画の策定も始まります。具体的な数値目標を持って進めることが大切です。
 地球沸騰化といわれるほど夏の暑さも年々厳しくなっています。コンクリートの地面や建物など、グレーインフラの多い都心部でのヒートアイランド対策としても、緑の確保と併せて、土の地面を増やすことも要望いたします。
 次に、都立公園の緑確保について伺います。
 日比谷公園や葛西臨海公園など、公園の再整備に当たって著しい緑の減少が心配されています。公園の中の緑、特に高木の伐採を避け、むしろ増やすべきと考えますが、見解を伺います。

○花井建設局長 都立公園は、都民が快適で安心して過ごせる憩いの場や多様な生物の生息空間など、様々な役割を担っておりまして、その役割を効果的に果たすため、計画的に樹木を植栽し、管理を行っております。
 また、整備等に当たりましては、樹木を保全していくこととしており、新たな植栽も行っているところでございます。
 引き続き、緑豊かな環境づくりに取り組んでまいります。

○岩永委員 高木を増やすにはということには言及がありませんでしたが、欧米では、アーバンフォレストまたはタイニーフォレストなど、都会に小さな森をたくさんつくってヒートアイランド対策にも効果を発揮しています。真夏の都心を吹き抜ける風が天然のクーラーのように東京を冷やす、そんな東京のまちを目指して、都市の樹木を増やすことを求めます。
 都市に残る貴重な農地や田んぼを守り、農業者を増やすことは、環境面はもちろんのこと、食料自給の観点からも大変重要です。都市部では、相続や宅地化により農地が減少する一方、農地の貸借が進まず、新規就農者が生産緑地を確保することが難しい状況があります。
 東京都は、担い手支援策として研修支援や農地のマッチングを行っていますが、貸借をより加速させる必要があります。
 新規就農者が生産緑地を借りて就農できる環境を整えるために、どのように取組を強化していくのか伺います。

○田中産業労働局長 都はこれまで、生産緑地の貸借を進め、新規就農者や規模拡大を志す農家が農地を確保できますよう、十年以上の期間で貸し出す土地所有者に対し、面積に応じて奨励金を支給する制度を実施しております。
 来年度は、長期貸借の契機となる短期の貸借に対します二十万円の奨励金を交付する取組を開始いたします。

○岩永委員 新規就農者は地域との関係づくりからのスタートになります。マッチングと継続支援の両面からの都のフォローをお願いいたします。
 雨水をためる天然のダムとして機能する水田は、環境面、特にグリーンインフラとしても重要です。連作障害もなく、世界でも有数の優良な農地とされていますが、一度失われた水田を再生することは極めて困難です。
 私の地元国立市の谷保地域にも水田があり、四季折々の美しい田園風景が広がっています。今お見せいただいています。その田んぼで、毎年、小学生が田植や稲刈りを体験しています。都内に残る水田は僅か百七ヘクタール、東京ドーム約二十三個分の面積ですが、この十年間で約三分の一以上が失われてしまいました。このように美しい風景を残していきたいと、多くの市民が願っています。
 そこで、地域住民と共に田んぼを守る取組を都が支援すべきですが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 これまで都は、栽培技術の指導をはじめ、水田に不可欠な基幹的な水路の維持補修等に対し支援を行ってまいりました。
 来年度は、農作業や、生産者が管理する域内水路の維持補修など、消費者等と生産者が協働して水田を保全する取組に対しまして、最大三百万円の助成を開始いたします。

○岩永委員 草刈りや泥上げなど、市民が一緒に水路や田んぼを守る活動を広げていく後押しになることを期待しています。
 次に、子供の権利に基づく施策について、まず、子供の意見聴取と施策反映についてです。
 こども基本条例の制定から五年が経過し、都の施策への子供参加の仕組みや子供の意見聴取のPDCAサイクルが確立してきました。子供の声を引き出す役割を担うファシリテーターの育成や、子供の意見の政策への反映、意見を出した子供たちに対して、自分の意見がどう扱われたのかをフィードバックする仕組みが必要です。さらに、子供の意見聴取は、学校、地域、福祉など、生活の場に近い自治体の主体的な関わりが不可欠です。
 都として、子供の意見を聞くことについてどのように認識し、取組をどのように展開していくのか、伺います。

○田中子供政策連携室長 実効性の高い子供政策を実施する上で、子供の声を丁寧に聞き、施策へ反映することは重要でございます。
 都はこれまで、様々な手法により子供の意見を聞き、政策に反映してまいりました。具体的には、中高生政策決定参画プロジェクトでの中高生からの提案を踏まえまして、中高生向けの職業体験サイトを設けました。こうした政策への反映状況等は、分かりやすく子供へフィードバックしております。
 来年度、子供の声を反映した政策を都内全域に広げるため、市区町村が子供の居場所で様々な声を聞き、施策へ反映させ、その状況等を子供へフィードバックする取組に対しまして、三年間補助を行います。また、子供の声を聞くスキルを持つ人材を育成する研修も実施いたします。

○岩永委員 子供たちのエンパワーメントにもつながります。好事例を共有しながら進めてください。
 次に、子供、若者の居場所づくりについてです。
 私は一昨年の一般質問で、若者支援団体とも連携したきみまもの体制強化と併せて、夜間も利用できる子供、若者の居場所を身近な地域に増やすことを求めました。
 来年度、中高生の居場所事業の予算が計上され、大変期待しています。
 子供や若者の声を聞きながら、地域の特性に合わせて柔軟な取組を行えるよう求めますが、見解を伺います。

○田中子供政策連携室長 都は、来年度、市区町村が行う中高生の居場所づくりへの補助を行います。
 この制度では、市区町村が地域の実情を踏まえ、様々な規模や形態の居場所づくりを進められるよう補助区分を設定し、運営経費について、開設からの三年間、多様な機能を有する居場所の整備に対しましては、最大三年間助成を行います。
 支援に当たりましては、中高生が自分らしく過ごせる居場所となるよう、中高生の意見を取り入れることなどを要件といたします。

○岩永委員 次に、誰もが共に学べる学校づくりに向け、まず、インクルーシブ教育について伺います。
 子供たちが多くの時間を過ごす学校は社会の縮図でもあります。学校にいろいろな人がいて、違いを認め合うインクルーシブ教育ができていたら、子供たちは卒業後にそのまま共生社会を継続することができる、そんなインクルーシブな学びの場を東京から進めていきたいと思っています。誰もが地域の学校に通えて、いろいろな背景や特性を持った子供たちが一緒に育ち、学べる環境づくりが大切です。
 障害のあるなしにかかわらず、共に学ぶインクルーシブ教育の推進について、知事の見解を伺います。

○小池知事 誰もが互いを尊重し、自分らしく活躍できる共生社会をつくり上げるため、子供たちの個性を強みとして発揮でき、相手のことを理解できる教育は重要でございます。
 子供たちが、障害の有無などにかかわらず、共に学び、交流を深めることのできる環境を学校の中でつくり上げ、個性を認め合い、支え合う、多様性に富む社会の実現を図ってまいります。

○岩永委員 個性を認め合い、多様性に富む社会の実現に向け、共に進めていきたいと思います。
 新年度から、特別支援学校の分教室設置に向け検討が始まりますが、特別支援学校での専門的なスキルを地域の小中学校で生かしたり、障害のある子供が公立学校の通常学級で学ぶための支援員を配置できるような取組も併せて検討することを要望します。見解を伺います。

○坂本教育長 障害のある子供が通常の学級で学ぶ場合、適切な指導を行うことは重要でございます。
 このため、都教育委員会は、区市町村教育委員会からの要望に応じ、特別支援学校の教員が様々な知識等を小中学校に提供をしております。
 また、通常の学級での対応のため、教員をサポートする人材の配置を進める区市町村の取組を支援してまいりました。
 さらに、特別支援学校の教員が小中学校に出向き、そうした人材に対しスキルやノウハウを提供する実践的な研修を行っております。
 これらによりまして、引き続き、障害のある子供の教育を進めてまいります。

○岩永委員 地域の小中学校での対応スキルを上げることは、障害のある子供だけでなく、全ての子供にとって学びやすい環境づくりになります。現場からは、支援員など人員確保が難しいという課題も聞いています。都教育委員会の後方支援をお願いします。
 共働きの家庭が増え、障害のある子供の保育園への受入れは大きく進みました。就学後もインクルーシブな放課後の居場所として、地域の学童保育所を利用したいという声を複数いただいてきました。
 しかし、特別支援学校は距離が離れているために待機児童になったり、移動の手段がないので通えないという課題があります。学童保育所と連携した移動支援の取組が必要ですが、見解を伺います。

○高崎福祉局長 都は、学童クラブを利用する児童が学校から敷地外の学童クラブへ安全に移動し、帰宅できるよう、付添いやバスなどによる送迎を行う学童クラブを区市町村を通じて支援しており、特別支援学校に通う児童も対象としております。

○岩永委員 また、放課後等デイサービスの送迎で下校する子供たちも多いため、帰りのスクールバスを利用する子供の数が少なくなるという課題もあります。共働きの家庭にとって、朝のスクールバスのバス停までの送迎が出勤時間に間に合わないとの声もあります。
 こうした特別支援学校のスクールバスの送迎に関する課題について、都の見解を伺います。

○坂本教育長 都教育委員会では、特別支援学校のスクールバスについて、安全で安心な通学手段の確保を図ることなどを目的に運行をしております。
 現在、特別支援学校において、スクールバス等の利用の状況に応じ、授業の終わった後の対応をきめ細かく行っております。また、運行ルートやバス停の位置に関し、学校が保護者の意見や生徒の住所等を総合的に考慮し、決定をしております。さらに、特別支援教育の推進に係る計画の中で、肢体不自由特別支援学校のスクールバスの平均運行時間の目標を六十分以内としているところでございます。
 今後とも、スクールバスの運行について適切に対応をしてまいります。

○岩永委員 学童保育の送迎は入所を判断する際の貴重な条件になりますので、保護者への情報提供をお願いいたします。
 また、特別支援学校のスクールバスを柔軟に運行できるように、小回りが利くサイズにするなど、今後の検討を要望します。
 地域の学校に歩いて通えるインクルーシブ教育は、このような送迎の課題解決にもなりますので、共に進めていきたいと思います。
 子供たちの自己肯定感を高めて、楽しく通える学校は、不登校対策だけでなく、全ての子供にとって学校が居心地のよいものである必要があります。例えば、外からは分かりにくい疾患のため、誤解を受け、学校生活がつらくなることがある。その一つに起立性調節障害があります。
 当事者である高校生から話を伺いました。起立性調節障害は、自律神経の不調により、主に思春期に発症し、目まいや立ちくらみ、朝起きられないなどの症状があります。午前中は体調が悪く、午後から夜にかけて症状が改善するという特徴があり、怠けていると見えることも多く、社会の理解と配慮が不可欠です。
 そこで、起立性調節障害について、広く理解を広めるための周知啓発を要望します。あわせて、教員の理解不足で二次被害を受けることがないよう、都立、公立の学校現場での教職員向けの啓発や研修を要望しますが、見解を伺います。

○坂本教育長 公立学校で生徒の様々な病気に関する正確な理解を広げる取組は重要でございます。
 そうした病気の一つである起立性調節障害に関し、医師会の作成した手引書の中で、その内容を学校医に紹介をしております。
 具体的には、目まいや立ちくらみなどが起こり、寝起きが悪く、午前中は調子が悪いなどの症状が示されております。
 また、教職員にも冊子を配り、そうした病気に関し養護教諭などが正しく理解できる取組を進めているところでございます。
 さらに、都立学校の教員向けに、専門医が様々な病気について説明をする講演会を開きまして、起立性調節障害の内容を学ぶ機会を設けております。

○岩永委員 様々、取組も始まっているようですが、さらに学校での講演会を開催するなど、教員のみならず広く保護者や子供たちへの周知啓発を要望し、次の質問に移ります。
 東京には外国にルーツを持つ子供たちが多くおります。制度のはざまに取り残されることがないように、教育の機会を確保し、学びを保障する必要があります。
 特に高校は、入試や教科の専門用語の理解など、ハードルがより高くなります。これまで以上に、外国にルーツがある子供が都立高校に入学し卒業できるよう、入学試験における配慮と日本語指導の体制を整えていただけないでしょうか。

○坂本教育長 都立高校で、日本語の理解が十分でない生徒を受け入れるとともに、入学後、速やかに日本語を習得できる後押しは重要でございます。
 これまで都教育委員会は、在京外国人生徒等を受け入れるための都立高校での入学試験を行ってまいりました。そうした試験におきましては、問題用紙に平仮名のルビを振る配慮を実施しております。また、これ以外の受検をする生徒について、辞書の持込みや試験時間の延長も認めているところでございます。
 さらに、入学後には、日本語を教える外部人材の活用を図りまして、適切に指導のできる体制としております。

○岩永委員 続いて、学びのセーフティーネットとしての都立高校についてです。
 都立深沢高校では、今年度より、内申点を使わない入試の選択が始まり、四月からは新たな学びの場としてスタートになります。学びたい人が学びたいときに入学でき、高校卒業資格を得られるよう、都立高校が公教育のセーフティーネットとしての役割を担えるような改革を要望します。見解を伺います。

○坂本教育長 多様な困難を抱える生徒について、都立高校で受け入れ、適切な教育を行うことは重要でございます。
 都立高校では、不登校の経験のある生徒等に対しまして、専門家による相談体制を設けるほか、校内に居場所の確保を図っております。これによりまして、生徒の抱える事情や悩みに応じた様々なサポートを実施しているところでございます。
 また、チャレンジスクールの受入れ規模を増やし、困難を抱える生徒に対応した教育のできる環境も整備をしております。
 これらを総合的に進めることによりまして、適切な対応を行ってまいります。

○岩永委員 時代のニーズに合わせて学校が変わっていく必要があります。学びのセーフティーネットとしての都立学校の役割をしっかり位置づけて取り組んでいくことを求めて、次の質問に移ります。
 包括的性教育とは、体や生殖の仕組み、リプロダクティブ・ヘルス・ライツの理念、ジェンダー平等、多様な性の在り方などを総合的に学ぶことで、国際的にはスタンダードになっています。東京で育つ子供や若者が正しい知識と情報を得て、自分も他者も大事にできるようになるため、質問いたします。
 東京ユースヘルスケア推進事業として、ユースクリニックが新たに始まります。中高生や若者の悩みや相談が専門的な支援につながる場として期待しています。ユースクリニックでは、性に関することを含む健康課題について、具体的にどのような取組がなされますか。

○高崎福祉局長 都は来年度、中高生などの若者の体や心の悩みに対応する医療機関であるユースクリニックへの補助を開始いたします。
 具体的には、看護師などの専門職による個別相談のほか、ユースクリニックを気軽に体験できる機会の提供、緊急避妊や妊娠判定に係る診察などを行った場合に要する経費を支援いたします。

○岩永委員 性交から妊娠に至る過程や、避妊についての正しい知識は、自分と相手を守るために必要です。緊急避妊薬や妊娠への対応などの支援も行われるということで、こうした取組により、若者が身近な地域で相談しやすい環境が整備されていくことを望みます。
 性暴力被害者支援で、新たに男性向け相談窓口を開設することは評価します。圧倒的に多い女性被害者については、引き続き、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターなどによる相談支援の拡充に期待します。
 支援センターによる対応の後、困難を抱える女性支援の仕組みにつなげることについて、どのようになっていますか。

○佐藤総務局長 都は、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターにおきまして、二十四時間三百六十五日体制で被害者からの電話相談を受け付けております。
 その内容に応じまして、対面による相談、病院、警察等への付添い、公認心理師、精神科医のカウンセリングによる精神的ケア、協力弁護士による法律相談につなげるなど、関係機関と連携をいたしまして、被害直後からの総合的な支援を実施することとしております。

○岩永委員 性暴力は許されないという掛け声だけではなく、被害に遭った際に寄り添う公的な仕組みがあることが大事です。庁内と関係機関の連携による支援の充実を望みます。
 ユースクリニックも、ワンストップ支援センターも、そこにつながるための学びが必要です。また、性暴力被害のみならず、加害を防止するためにも教育は重要です。
 性教育の手引を活用し、産婦人科医と連携した授業など、性に関する知識を学ぶ機会や、学校において、性暴力、デートDV防止や性の多様性を人権教育として学ぶ機会は、授業としてどのように保障されていますか。

○坂本教育長 都教育委員会では、学習指導要領の内容に基づき、性教育に関する冊子を作り、公立学校に配布をしたところです。今年度は、この冊子を踏まえまして、産婦人科医が講師として公立中学校で授業を行う取組を支援しております。
 また、人権教育の実践的な手引である人権教育プログラムを毎年度作成いたしまして、公立学校の教員等に配布をしております。さらに、様々な人権課題への理解を深めるための研修会を開催しているところです。
 今後とも、学習指導要領に基づき、児童や生徒が適切に判断し行動する力を育むとともに、人権尊重の理念について正しく理解する教育を推進してまいります。

○岩永委員 産婦人科医が講師となる授業は、性交や避妊についても学ぶことができる貴重な場ですが、現時点では四十校の実施しかかないません。生活文化局が行っているデートDV防止、相談に関する事業などと併せて、総合的に分かりやすく伝えていくことが重要です。
 そこでお聞きしますが、性を含む健康情報に関する施策の庁内連携について、子供政策連携室はどのような仕組みを構築していきますか。

○田中子供政策連携室長 都は、思春期特有の健康上の悩みを解消し、十代の子供、若者の健康を増進するため、組織横断の推進チームを立ち上げております。
 これまでも子供政策連携室が総合調整機能を担いながら、関係局と連携し、福祉、教育といった政策分野の垣根を越えて、ユース自らの健康管理の後押しや、ユース目線に立った相談環境の整備を行ってまいりました。
 今後とも、組織横断の推進チームを構成する各局と連携し、発信内容の充実を図るなど、ユースの心身の健康や性に関する様々な不安、悩みの解消に向けた取組を進めてまいります。

○岩永委員 文部科学省は、刑法に明記された不同意性交罪について教えやすくするよう、学習指導要領の改訂を進めるとのことです。性交について触れられない歯止め規定の見直しも含め、時代に合った改訂となることを望みます。
 都においては取組を前進させ、国際都市にふさわしい学びを提供していけるよう要望します。
 次に、若者ケアラーについてです。
 会派代表質問で、知事よりケアラー支援の負担軽減に向けた取組を進めるとの答弁があり、大きな前進と受け止めています。来年度、新たに行われる若者ケアラーの調査においても、対象者へのアプローチの工夫が必要です。どのように取り組んでいくか伺います。

○竹迫都民安全総合対策本部長 国内におけるこれまでの若者ケアラーに関する調査は、大学生の一部や支援団体を対象としたものなどにとどまっている場合が多くありました。
 教育機関や支援団体につながっていない若者ケアラーも把握することが必要であるため、都は、幅広かつ広域的に対象者を抽出できるウェブアンケートにより調査を実施いたします。
 調査に当たりましては、家族の介助や見守り、家事負担の状況等、具体的な生活行動に着目したスクリーニング設問を設けることで、自身ではケアラーと自認していない若者の声も拾えるよう工夫してまいります。

○中田副委員長 岩永やす代委員の発言は終わりました。(拍手)