○小山委員長 伊藤大輔理事の発言を許します。
〔委員長退席、内山副委員長着席〕
○伊藤(大)委員 よろしくお願いいたします。
まず初めに、東京グローバル・パスポートについて伺います。
私は、高校を卒業した二か月後に単身ニュージーランドへ渡り、農場や旅行業、貿易業に従事してまいりました。現地で最も学んだことは、自分の当たり前とは違う当たり前が世界にはあふれているということです。最初は戸惑いもありましたが、様々な人や文化との出会い、そして異なる価値観を知ることで共生することの大変さと大切さを学びました。
特に、若い世代の方々には、世界に飛び込み、現地での様々な体験や異なる価値観に触れることを通じて視野を大きく広げる機会を得てほしいと思いますし、社会がそのための環境を後押ししていくことはとても重要なことだと考えています。
いよいよ今年の夏、都が創設した大学生などに向けた留学支援制度、東京グローバル・パスポートの第一期生が海外へと旅立ちます。本制度は、海外留学の最初の一歩を後押しするものですが、応募した学生の中には長期にわたって親元を離れることや、初めての留学に不安を覚えている学生もいるものと思います。
そこで、これまで海外経験のない学生が留学に行くことも念頭に、都としても事前段階においてしっかりとサポートする体制が必要と考えますが、来年度の取組について伺います。
○田中子供政策連携室長 東京グローバル・パスポートでは、派遣留学生全員に留学開始前の研修の受講を義務づけております。
研修内容の詳細につきましては今後検討してまいりますが、例えば留学生が互いに留学計画を英語によりプレゼンし、意見交換する機会を設けることに加え、留学中に起こり得る場面を想定した英語によるロールプレーイングを実施することなどを想定しております。
あわせて、海外渡航に当たっての安全管理や生活上の留意点に関する講義も行うことで、海外経験の少ない学生も含め、派遣留学生が安心して留学に臨めるよう事前準備をしっかりとサポートしてまいります。
○伊藤(大)委員 安全で楽しい留学になるための準備とともに、苦労や困難を乗り越える生きる力を身につける経験も極めて重要です。しっかりと事前研修を実施されることを要望いたします。
海外留学に挑戦したいという学生はもちろん一定数いる一方で、これまで海外との接点が少ない学生や、身近にそういった環境がない方々など、知らないことによってあまり魅力を感じていない、関心のない学生もいると思います。
学生が留学に関心を持つきっかけとして、海外経験のある家族や友人などの身近な人の話を聞いたことが最も大きな要因であるとの国の調査結果もあることから、今現在、留学に関心のない学生にとっても、留学を考える新たなきっかけになるのではないかと考えます。
そこで、海外留学に挑戦する学生の裾野を広げていくためにも、海外留学から帰国した留学生の経験を活用していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中子供政策連携室長 東京グローバル・パスポートでは、派遣留学生に対し、海外留学の機運醸成という観点から、留学終了後に都の広報活動に可能な限り協力することを支援の要件として求めております。
今年の夏から第一期生の留学が始まりますが、帰国した多くの留学生の協力をいただき、海外で得た貴重な経験や体験談を、成果報告会での発表や体験レポートの公表など様々な機会を通じ、広く発信していく予定でございます。
こうした取組を通じ、より多くの学生が海外留学に関心を持ち、新たな挑戦へと一歩を踏み出す好循環へとつなげてまいります。
○伊藤(大)委員 より多くの若者が都の支援を活用し、世界に羽ばたいていくことを願って、次の質問に移ります。
チャレンジクラスについて伺います。
都が不登校の生徒一人一人に寄り添う新たな仕組みとして開始したチャレンジクラスは、既存の学校内に安心して学べる環境を整え、生徒の状態に応じた柔軟な学びを提供する点で大変意義のある取組です。
実施校からは、生徒の出席日数が増加したことや、学習への抵抗感の軽減、生活リズムの改善、さらには表情の明るさや自己表現の回復など、生徒の変化が随所で見られると報告されています。このように、チャレンジクラスが、生徒が再び学ぶ意欲を取り戻す重要な場となっていることを高く評価いたします。
これまでの成果を踏まえて、都として、チャレンジクラスのさらなる拡充に向け、設置校の増加のほか、一人一人の実態に応じた支援の充実を図るべきと考えますが、今後の方向性を伺います。
○坂本教育長 公立中学校で通学の困難となった子供たちについて速やかな対応を行い、不登校の長引くことのないようサポートする取組の充実は重要でございます。
これまで都教育委員会は、公立の中学十四校で不登校の子供にきめ細かい対応を行うチャレンジクラスを設ける取組を行ってまいりました。これによりまして、クラスに通う約七割の生徒の登校日数が増え、学習が着実に進むなどの成果が出ております。
来年度は、こうしたクラスを設ける中学を九校増やし二十三校とするほか、それぞれの生徒に応じた一層きめ細かなカリキュラムをつくる工夫などを進めてまいります。
○伊藤(大)委員 来年度対象となる学校が増加するということが分かりました。引き続き、こうした取組による効果を検証しながら、今後はぜひ小学校への展開も検討いただきたいということを要望いたします。
続いて、子育てやその家庭への支援について伺います。
まず、産後ケアについてです。
初産に限らず、核家族化や高齢出産など、孤独な育児に陥りやすい現代において、産後ケアは産後鬱予防や母子の健康維持に不可欠な支援ですが、利用者からは、利用したくても近隣に施設がないという声や、施設によって予約方法が異なり手続が煩雑であるなどの声が寄せられています。
産後ケアを必要とする方に安心してご利用いただけるよう、都は取組を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
○高崎福祉局長 都は来年度、産後ケア施設の定員拡大に取り組む区市町村に対しまして、国の補助に加え、都独自に改修費などを支援いたします。
また、賃貸物件を活用して産後ケアを実施する場合、開設までの準備期間に必要な賃借料などへの補助を開始いたします。
さらに、電話などで行われている利用予約について、オンラインで予約できるシステムの導入など、デジタル化に取り組む区市町村への補助も実施いたします。
これらの取組により、産後ケアの受皿の拡充や利便性の向上を図りまして、必要な方が産後ケアを着実に受けられるよう取り組んでまいります。
○伊藤(大)委員 次に、病児保育について伺います。
子供が小さいときの突然の発熱や体調不良などによって、急に看護が必要になるということは、多くの保護者が経験することです。予見ができればよいのですが、夜中や朝方の発熱となれば、そこから仕事の調整を考えながら預けられる施設を探さなければなりません。こうした保護者の負担を軽減させるため、利用に関する利便性の向上を図ることが必要です。
また、共働き世帯が一般化する中で、病児保育のニーズは多く、都民のニーズに的確に対応できるよう、専門家などの意見も踏まえながら、病児保育の一層の充実を図ることが必要だと考えます。
そこで、都は来年度、病児保育の利便性向上や、都民ニーズに対応した病児保育の充実に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
○高崎福祉局長 都は来年度、病児保育の利便性向上を図るため、オンライン予約システムを構築する区市町村への支援を拡充いたします。
具体的には、導入経費について一千万円を上限に補助率十分の十で、運用経費について五百万円を上限に補助率二分の一で補助を行います。
保育所等に通う子供の体調不良時の対応は、保護者の就労状況や地域の資源などにより様々であるため、児童福祉や雇用の有識者、医療関係者などで構成する議論の場を新たに設けまして、子育て家庭のニーズを把握しながら、育児と仕事の両立支援の充実に向けて検討してまいります。
○伊藤(大)委員 こうしたきめ細やかな子供、そして子供を育てる家庭に対する支援が、昨今の出生数や婚姻数の増加につながっているものと考えます。引き続き、取組を進めていただくよう要望いたします。
次に、輝くシニア世代のための施策について伺います。
まず初めに、水道スマートメーターの福祉利用についてです。
私たちはこれまで、スマートメーターの導入は、検針業務の効率化や人手不足対策に資するだけでなく、使用量の急減、急増を捉えることで、高齢者の見守りにも活用できる極めて重要なインフラであると繰り返し指摘してきました。
特に、単身高齢者の増加が続く東京において、日常の水使用データは異変の早期発見につながる有効な情報です。自治体や地域包括支援センターとの連携が進めば、命を守る仕組みとして大きな可能性があります。
都は、既に基礎自治体に対する利用シーンの説明など取り組んできたと聞いていますが、水道メーターのスマートメーター化について、高齢者見守りへの活用に向けた検討状況について伺います。
○山口水道局長 水道スマートメーターから得られるデータは、生活実態との関連が強く、高齢者などの見守りに適していることから、水道局では、長期不使用などの異変を察知し、親族などに通知する機能を実装しております。
この機能につきまして、現在、区市町が福祉サービスで活用する仕組みの構築を進めており、年度内に都内複数の区市と協議を整え、本年夏の福祉現場での実証を目指してまいります。
今後、実証により得られた知見を踏まえまして、他の区市町にも展開するなど、様々な行政分野でのデータ利活用を推進してまいります。
○伊藤(大)委員 続いて、フレイル予防について伺います。
都は、民間企業などと連携をしながら、今年度から東京都健康長寿医療センターが開発したアプリと専用スマートウオッチを活用し、区市町村と連携したフレイル予防事業を実施しています。
本事業で得られたデータを、健康長寿に必要な介護やフレイルの予兆を早期に検知することで、その予防に生かしていくことが重要です。
そこでまず、本事業における効果検証をどのように取り組んでいくのか伺います。
○高崎福祉局長 都は、東京都健康長寿医療センターの知見を活用し、高齢者のバイタル情報や身体活動量から健康状態を把握する東京Chojuアプリを開発いたしました。
今年度は、本アプリと専用のスマートウオッチを活用した区市町村のフレイル予防の取組の効果検証を行っております。
来年度は、バイタル情報をかかりつけ医に提供できる機能や、認知機能の維持改善につながる機能などをアプリに実装いたします。これにより、医師の助言などを通じた利用者の行動変容を促すとともに、健康管理に対する一層の意識向上を図ります。
また、アプリと市販のスマートウオッチとの連携に向けた検証を新たに開始いたします。
○伊藤(大)委員 重ねて伺います。このアプリについては、日本医療研究開発機構、いわゆるAMEDの研究事業に採択されたと聞いていますが、どのような研究が進められているのか伺います。
○高崎福祉局長 昨年七月、健康長寿医療センターが民間企業などと共同で取り組む研究が、健康・医療戦略の下に実施される国のプロジェクトに採択されました。
この研究では、本アプリと専用のスマートウオッチなどを用いて、大規模かつ長期的な介入比較試験を実施しまして、デジタル機器によるフレイル予防効果を検証いたします。
この研究を通じまして、国のフレイル予防、改善に関するガイドラインの充実を図るとともに、全国の自治体や民間企業においてデジタルを活用したフレイル予防サービスが確立することを目指しております。
○伊藤(大)委員 東京都発の取組が今大きな注目を集めているということです。全国のガイドラインとなって、今後、全国のフレイル予防対策につながることを期待して、次の質問に移ります。
グリーンインフラについて伺います。
令和六年度から認知度向上を目的に実装を始めたグリーンインフラは、今年度、公共施設から民間施設へと導入を拡大してきました。
我が会派が掲げる多様な機能を持つグリーンインフラを施設に導入することで、浸水という災害対策だけでなく、敷地内に安らぎなどの空間が創出され、それらがつながり広がることで地域の価値向上が期待されます。
市街化が進んだ都内における限られた空間の中でグリーンインフラを導入し、都市の機能や価値を高めていくことは重要です。
そこで、令和八年度に実施するグリーンインフラの取組について伺います。
○谷崎東京都技監 都は、グリーンインフラの導入拡大に向けまして、公共施設に加えて都民に身近な民間施設にも広げ、累計約七十か所に設置し、効果検証や認知度向上に取り組んでまいりました。
令和八年度は、これらの取組を踏まえまして、区市町村と協力し、浸水リスクの高い地域の公園や道路など公共施設へのさらなる導入を検討してまいります。
また、多くの来訪者が見込める民間施設を対象に、周辺の緑地などと一体感のあるグリーンインフラを導入する事業者募集を予定しております。
こうした取組により、さらなる都民の認知度向上や、グリーンインフラの多様な効果を実感できる魅力ある東京のまちづくりを進めてまいります。
○伊藤(大)委員 次に、緑の広域計画について伺います。
我が会派は、これまで以上に緑への期待が高まる中、世界の主要都市以上に緑の恵みを存分に享受できる東京を目指すべきであることを主張してまいりました。この主張に対し、知事からも、緑の広域計画を新たに策定し、緑を実感できる都市を目指すと答弁をいただいており、本計画の検討状況について注目しているところです。
緑は非常に関心の高い分野ですので、計画策定に当たっては、行政の中、あるいは専門家だけでなく、広く都民からも意見を聞く機会を設け、そうした声を丁寧に反映させながら取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
○谷崎東京都技監 緑の保全や創出には都民の協力が不可欠であることから、緑の広域計画の策定に当たりましては、有識者の意見とともに、都民の意見を丁寧に聞きながら進めていくことが必要でございます。
このため、検討の早い段階で、東京の緑が目指す姿などの基本的な考え方につきましてパブリックコメントを実施し、寄せられた意見や有識者の見解も参考に、さらに検討を進めてまいります。
その後、緑の広域計画の案をまとめた段階におきましても、改めて都民から意見を募り、多様な主体が取り組む際の羅針盤となる計画を取りまとめてまいります。
○伊藤(大)委員 ぜひ十分に都民の意見を聴取していただきたいと思います。
本計画は、東京があらゆるところで緑を実感できる都市を目指す具体目標や取組が盛り込まれていくことになると思いますが、計画に基づいて施策が進められることを考えますと、都がこれまで指標としているみどり率も重要ですが、満足感など実感を把握することが必要だと考えます。
本計画の中に、この実感に関わる指標の設定とその目標を盛り込むことを検討していくべきと考えますが、見解を伺います。
○谷崎東京都技監 緑の広域計画では、東京の緑が目指す姿を明らかにするとともに、その実現に向けた具体的な施策や取組の目標を示すこととしております。
有識者による検討会では、一人当たりの公園面積や特別緑地保全地区の指定箇所数といった施策の直接的な成果だけではなく、都民の緑に対する満足度などの実感についても把握に努めていくことが重要であるとの意見をいただいております。
このため、令和八年度に緑に対する実感について調査を行い、緑の広域計画の検討を進めてまいります。
○伊藤(大)委員 広く都民の皆様にも関心を持っていただきながら取組を進められることを期待して、次の質問に移ります。
PFASについて伺います。
PFASを含む泡消火薬剤は、高い消火性能を有することから、主として駐車場などで使用されてきました。これら泡消火薬剤の使用は禁止されていないため、依然としてPFASを含有したものが相当量残存しています。
こうした課題を踏まえ、都は全国に先駆けてPFOS含有泡消火薬剤の交換に要する費用を補助する制度を創設しました。しかし、国が令和六年十一月に行った調査において、PFOSだけでなくPFOA含有泡消火薬剤も都内の駐車場などに広く残存していることが明らかになりました。
昨年第四回定例会において、我が会派からのPFOAについても具体的な取組を進めるべきとの提案に対し、都として適切な対応を検討していくとの方針が示されました。
そこで、来年度、具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
○須藤環境局長 経費負担などの理由から交換が進んでいないPFOA含有の泡消火薬剤を保有する都内の民間施設等に対し、都は入替えを促進する新たな取組を行います。
具体的には、来年度、PFOSに加えPFOA含有泡消火薬剤を補助対象に加え、非含有の泡消火薬剤購入のほか、配管の洗浄や撤去した薬剤の処理などに要する経費に対して、中小企業等は三分の二、大企業は二分の一を支援いたします。
さらに、消防法に基づく泡消火設備設置の届出のある施設のうち、PFOA等含有のおそれがある施設に対し、個別に訪問して適切な対応を促します。
これらにより早期交換を促進し、環境中への排出を防止してまいります。
○伊藤(大)委員 重ねて伺います。
都は、国に対して科学的根拠に基づく知見などを示すよう要望してきたこと以外にも、都の取組状況のホームページへの掲載、電話による相談窓口の設置など、都民の安全・安心に資する取組を行ってきました。
今後、新たに食事からの摂取量について調査を行うとのことですが、具体的にはどのような調査を考えているのか、また、こうした取組を都民の不安解消のため活用していくべきと考えますが、見解を伺います。
○山田保健医療局長 都は、食事を介して摂取する農薬などの化学物質の量につきまして調査をするトータルダイエットスタディーを継続的に実施をしております。
本調査では、都内で購入した食品を用いて平均的な食事から体内に摂取する化学物質の量を推計し、継続的に摂取しても健康に影響がないとされる指標値と比較することで評価を行っております。
国が指標値を示しましたPFOS及びPFOAにつきましても調査項目に追加し、今後、その結果を都民に対して丁寧に情報提供してまいります。
○伊藤(大)委員 今後とも、国への働きかけとともに、さらなる情報発信を進め、都民の不安解消に努めていただくことを求めます。
続いて、東京農業の発展について伺います。
東京ならではの特性や生産者のこだわりによって、私の地元立川市のウドをはじめとする各地域の伝統野菜や東京都エコ農産物など、特色ある農産物が生産されています。しかし、こうした農産物は販路が限られていることなどにより、その魅力が十分都民に届いておらず、結果として経営安定化につながりにくい状況にあります。
一方、近年特色ある取組を行う団体や個人を資金面などで直接支援する動きが広がっています。こうしたトレンドを農業の分野にも取り込むことで、経営安定や農家の志の高い取組の実現につながるものと考えます。
都は、東京農業の振興を図るため、支援者となる東京農業のファンを拡大する仕組みを構築すべきと考えますが、都の来年度の取組を伺います。
○田中産業労働局長 持続可能な東京の農業を実現するには、都民全体に東京農業の価値が理解され、支援者になっていただくことが重要でございます。
来年度は、環境保全やユニバーサル農業など社会的意義のある取組が都民に広く認知されるとともに、経営の安定にもつなげる支援を開始いたします。
具体的には、農業者を対象にクラウドファンディングの活用を促すセミナーを開催し、特色あるプロジェクトを五十件募集いたします。選定後、都民の共感を一層得られる工夫への助言や、都のホームページ等で東京農業の魅力と関連づけて発信を行います。加えて、農業者が負担する手数料の三分の二を助成いたします。
これらによりまして、東京農業のファンを増やしてまいります。
○伊藤(大)委員 ぜひ東京農業のファンを増やし、経営の安定に資する取組を進めていただくことを求めます。
一方で、農業の継続、発展を困難にしている要因の一つに、相続による農地の売却があります。
私が最も問題であると思っているのは、農業が続けられるのに農地がなくなってしまうことです。後継者がいて、まだ元気に農業を継続する意欲があるにも関わらず、原則現金となっている相続税の支払いのために土地がなくなってしまうという制度の問題です。
例えば、現金でなく物納への変更、納めた土地の再貸与など、農地を守り、東京農業を守るためには新たな取組が必要であることを、ぜひ国に対し具申いただくことを強く求めて、次の質問に移ります。
都立公園の樹木管理について伺います。
羽村市から新宿区まで約四十三キロメートルにわたって流れる玉川上水は、江戸時代につくられた貴重な施設です。上水の左右に広がる緑道は、日頃から散歩やサイクリングを楽しむ多くの方々に親しまれ、憩いの場となっています。
この玉川上水緑道で、昨年六月、地元市が管理する区域において強風で樹木が倒れ、民家の窓ガラスを突き破るという事故が発生しました。
これまでも樹木医による診断が行われていますが、昨今の倒木の原因が現在行っている検査方法では見つけづらいケースが増えてきていると聞いています。そのため、現在の点検方法では倒木の可能性を下げることに至らないため、例えば高さを抑えて倒木のリスクを下げる方法や、新たな検査方法の調査に取りかかるべきと考えます。
緑の保全、利用者や周辺住民の安全確保を進めながら、玉川上水緑道をはじめ、都立公園などで多数の樹木管理を行っている建設局における樹木の管理状況について伺います。
○花井建設局長 令和七年度は、年に一度の樹木点検を台風シーズン到来前までに前倒しして実施するとともに、利用者の多い園路及び広場周辺などの樹木につきましては、外観の点検に加え、樹木内部の異常を発見するため、器具を用いた打診も行うなど、点検の強化を図ってまいりました。
これらの結果を踏まえまして、緊急に措置が必要な樹木から順次、剪定、伐採を行いますとともに、対応に時間を要する樹木につきましては、樹木周辺を囲い、立入禁止措置を講ずるなど、利用者の安全・安心確保を最優先に対策を実施いたしました。
○伊藤(大)委員 樹木管理に当たっては、これからも倒木などによる事故を防ぐとともに、緑を守り、将来へ引き継いでいくために、新たな手法も視野に取り組むべきと考えますが、令和八年度の取組について伺います。
○花井建設局長 令和八年度においては、引き続き計画的な樹木点検を実施し、不健全木を早期に把握し対応するなど、都立公園等の利用者の安全・安心の確保に努めてまいります。
また、より効果的、効率的な点検に向けまして、AIを活用するなど新たな点検や管理の手法についても検討を進めまして、樹木の安全対策の強化に取り組んでまいります。
○伊藤(大)委員 年間の検査範囲を広げることですとか、対応スピードを上げるためにも必要に応じて予算措置を検討することを求め、次の質問に移ります。
次に、多摩都市モノレール延伸部沿線のまちづくりについて伺います。
これまで道路や鉄道など、インフラの整備を契機として沿線のまちが発展を遂げてきた例が多くあります。とりわけ、鉄道の駅は、沿線で住む人、働く人のライフスタイルを大きく変え、地域の価値を高める大きなポテンシャルを持っています。
現在の計画で予定されている新しい七つの駅が整備されることにより、公共交通の利用増加や多様な都市機能の集積により、にぎわいが生まれるなど、沿線地域の魅力が高まることを期待しています。
こうした駅舎、また駅周辺の在り方については、今から地元住民や関係者で連携して検討を進めることにより、まちづくりの機運を高めていくことが重要です。
単にモノレールを延伸するだけでなく、本事業の目標を共有できるよう、地元市町や多摩都市モノレール株式会社などの関係者で連携し、駅を中心とした沿線に人や企業を呼び込み、まちのさらなる発展を目指したまちづくりを進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○谷崎東京都技監 多摩都市モノレールの延伸は、多摩の成長の起爆剤となり、地域全体の魅力の向上につながります。
まちの象徴となる新たな駅舎につきましては、昨年募集した都民意見を踏まえ、コンペも実施しながらデザインの検討を進めてまいります。また、駅前広場の整備やウオーカブルな空間の創出、沿線への都市機能の誘導などのまちづくりを推進してまいります。
延伸部と併せ、既に開業している区間におきまして、まちの魅力や将来像を発信するなど、沿線全体でまちづくりの機運を高めてまいります。
個性ある七つの駅と沿線が一体となり、新たなライフスタイルを実現するこれまでにないまちを、関係者一丸となりつくり上げてまいります。
○伊藤(大)委員 当該地域の住民の皆さん、交通事業者や商業に携わる方々はもちろんのこと、延伸部以外の近隣自治体に対しても、理解と協力を得られるよう取り組まれていかれることを求めます。
次に、防災対策について伺ってまいります。
まず、通信インフラです。
都民が安心して質の高い生活を送るためには、スマートフォンなどを利用する際に必要な通信インフラの整備は不可欠です。特に、災害時においては、スマートフォンは情報を入手する手段として非常に重要な役割を果たします。
こうしたことから、都はこれまで、高速大容量の5G整備に向けた取組を進めてきました。
そこでまず、5Gなどの携帯基地局の整備に向けて、これまで都が進めてきた取組について伺います。
○高野デジタルサービス局長 都は、デジタルの力で都民が質の高い生活を送ることができる社会を目指し、5G基地局の整備を促進するため、庁舎や施設など、都が保有するアセットを通信事業者に向けて開放してまいりました。
また、区市町村や民間開発事業者等に対しましても協力を呼びかけ、拡充を図った結果、合計で約二万件のアセットが開放されております。
加えて、まちづくりの計画段階から、通信事業者や開発事業者等が連携して通信インフラの整備に取り組むことができるよう、マッチングの機会を設けるほか、その後のフォローアップなどにより支援を行っております。
○伊藤(大)委員 5G基地局の整備に向けて、区市町村や民間事業者と連携をし、アセット開放に向けて取り組んでくださっていることは評価をしております。
一方で、公園などの公共空間において、大規模なイベントが開催された際に、通信が集中することでふくそう状態となり、スマートフォンがつながりにくくなることがあります。実際に、立川の昭和記念公園で行われた花火大会でも同様のことが起きています。
昭和記念公園がまさにそうですが、こうした場所は、災害時の避難場所に指定されていることが多く、地震などの災害が発生した際には多くの人が集まってきます。
その際、スマートフォンがつながりにくくなると、災害状況や交通情報、行政による支援情報などを入手できなくなり、都が行っている避難所への誘導アプリも機能を発揮できません。避難者がこのような状況に陥ることは決してあってはならないと考えます。
そこで、公園などの公共空間においては、災害時に多くの人が集まった場所でも必要な通信手段が確保されるよう、さらなる携帯基地局整備の強化に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
○高野デジタルサービス局長 都民が発災時に必要な情報を得て適切に行動できるようにするためには、避難場所に多くの人が集まった場合におきましても、通信が確保される必要がございます。
都は、今年度新たに、都立公園等を対象に百十一か所のアセットを開放いたしました。
今後は、公園の電源や空きスペース等に関する情報を専用のウェブサイトを通じて、きめ細かく通信事業者等に提供するとともに、これら事業者と構成する会議体を通じまして、基地局整備を積極的に働きかけてまいります。
こうした取組により、災害発生時を見据えた基地局整備を加速させてまいります。
○伊藤(大)委員 立川の昭和記念公園のように大規模な公園などには国が保有するアセットもあるので、今後は、災害発生時を見据えたさらなる整備促進に向けて、国との連携も強化することを求めます。
次に、私の地元にあります立川広域防災基地につながる都市計画道路立川三・一・三四号線の整備について伺います。
立川広域防災基地は、災害時の政府災害対策本部予備施設や災害応急活動の拠点となることから、複数ルートの確保によるアクセス強化が急務となっていることは、これまでも我が会派として指摘してまいりました。
このうち、立川広域防災基地へのアクセスルートとなる立川三・一・三四号線については、その整備に当たって、地形的な課題やJR青梅線との交差方法が本事業を進める上での大きな課題の一つとなってきました。とりわけ、本路線上に二か所あるJR青梅線の踏切については、日常的な交通の妨げとなっているだけでなく、東日本大震災の際には、踏切が下りたままとなって南北方向の交通が寸断され、この地域の車両などの通行に支障を来したということがありました。
今後、防災基地内にある多摩広域防災倉庫の敷地を活用した防災拠点の再整備が予定されていますが、災害時に防災機能を十分に発揮させるとともに、渋滞解消にも資する本路線の早期整備に向けて、鉄道交差部を含めた本路線の検討をより一層加速させていくことが重要です。
そこで、立川三・一・三四号線の鉄道交差部における来年度の取組について伺います。
○花井建設局長 都はこれまで、鉄道事業者と連携して測量の実施や鉄道との立体交差構造等の検討を進めるとともに、関係者との会議体において、課題の調整等を行ってまいりました。
来年度は、鉄道交差部の調査に係る予算を増額いたしまして、これまでの検討を深度化してまいります。
また、鉄道交差部の事業手法や地域におけるまちづくりを調整するための部会を設置するなど、会議体の検討体制を強化してまいります。
引き続き、立川広域防災基地へのアクセスルートの早期整備に向けまして、積極的に取り組んでまいります。
○伊藤(大)委員 ぜひお願いいたします。
次に、中央道へのスマートインターチェンジについて伺います。
防災基地へのアクセスルートをつなぐためには、立川市のみならず、東京都内、南関東エリアに対する人員、物資の緊急輸送を行う役割を担っているため、既存の中央道の出入口に加えて、新たなスマートインターチェンジが必要であると考えています。
我が会派は、様々な場でスマートインターチェンジの実現を求めてきており、昨年の予算特別委員会における内山議員の質疑に対して、知事からも、関係機関と連携し取り組んでいくと答弁をいただいています。
都は、昨年度末に策定した多摩のまちづくり戦略において、初めてスマートインターチェンジの取組の方向性を示したところですが、今年度の取組状況と来年度の取組について、知事の見解を伺います。
○小池知事 広域的な災害応急活動の中枢を担います立川広域防災基地の機能を十分に発揮させるためには、中央道とのアクセス性を高めていく必要がございます。
都は昨年六月より、地元市や国、高速道路会社と共に、既存のスペースなどを活用しまして、比較的低コストで設置できるスマートインターチェンジにつきまして、防災拠点とのアクセス効果や周辺道路への影響などの検討を進めております。
来年度から新たに予算を計上しまして、まずは現地調査や概略設計に着手するとともに、関係者との調整等も踏まえまして、スマートインターチェンジの実現に向けて着実に取り組んでまいります。
○伊藤(大)委員 長年の我が会派の要望を受け、都として初めて予算化をしていただきました。知事はじめ関係者の皆様のご努力に感謝申し上げます。いざというときに、防災基地の機能が十分に発揮されるよう、丁寧かつ着実に取り組んでいかれることを要望しまして、次の質問に移ります。
多摩産材の活用について伺います。
都は、公共施設で多摩産材の活用を着実に広げていますが、多摩産材の需要拡大を一層進めるためには、裾野の広い民間分野での利用促進が重要であり、商業施設やオフィスなどでの多摩産材の活用余地は大きいと考えます。
都は、年間利用者数五万人以上を基準として、人が多く集まる商業施設などで多摩産材が活用されるような支援を進めていますが、これまで我が会派は、多くの人が集まりやすい都心部などだけでなく、より広い地域でも、木材を使ってもらえる制度にするよう求めてきました。
木材のさらなる利用拡大に向けて事業の再構築を図っていますが、その狙いと具体的な内容について伺います。
○田中産業労働局長 多摩産材の利用をさらに広げていくため、民間施設における内装や外装、外壁の木質化などを支援しており、来年度、その取組を充実させることといたしております。
具体的には、多摩産材に触れる場所を拡大するため、大規模施設だけでなく、チェーン店や商店街が複数店舗を取りまとめ、都と多摩産材の利用等の協定を結ぶ場合にも、制度の利用を可能といたします。あわせて、補助要件となる施設の利用者数を五万人から三万人に見直します。
これらによりまして、多様な地域での利用を可能とするとともに、民間事業者の支援規模を倍増することで、より面的なPR効果を創出し、都民が多摩産材に触れる機会を一層増やしてまいります。
○伊藤(大)委員 地域に偏ることなく、木材のよさを感じられる施設が広がり、多摩産材に触れる機会がより多くの方に増えていくことを期待して、次の質問に移ります。
続いて、私学における暑さ対策について伺います。
我が会派は、災害級ともいわれる厳しい暑さから都民の命と健康を守るため、これまで様々な要望を重ねてきました。
昨年夏に行った緊急要望では、その一つとして、幼稚園や保育所の子供を暑さから守る環境整備を要望し、それを受けて、都が幼稚園などに対し、暑さ対策のための緊急支援を行ったことを評価しています。
都は、令和八年度予算案に、私立学校の暑さ対策への支援を新たに計上していますが、屋外活動の頻度や部活動の有無など、教育活動は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校などの区分によって、また学校によって様々であり、各私立学校の暑さ対策のニーズに応じて、フレキシブルに活用できる支援とすることが必要です。
そこで、来年度の私立学校への暑さ対策について、どのように支援を行っていくのか伺います。
○古屋生活文化局長 都は、例年の厳しい暑さを踏まえまして、来年度から私立幼稚園、小中高等学校、特別支援学校等が、暑さ対策として購入する備品について百万円を上限に、購入経費の二分の一を補助いたします。
各学校の状況に応じた対策ができるよう、日よけテントやミストシャワー、スポットクーラーなど、暑さ対策に資する備品を幅広く補助の対象とし、支援を行ってまいります。
○伊藤(大)委員 子供たちの安全な教育環境確保のため、ニーズを把握しながら進めていただくことを求めます。
次に、下水道強靱化について伺います。
台風や集中豪雨による浸水被害、さらには大規模地震の切迫性が指摘される中、下水道は、都民の生命と生活を守る上で、極めて重要な社会基盤です。
特に、下水道機能の停止は、浸水被害の拡大や衛生環境の悪化を招き、地域の復旧、復興にも大きな影響を及ぼします。
こうした中、市町村下水道事業強靱化都費補助において、浸水、地震対策に加え、新たに下水道管の再構築を対象とし、財政支援を拡充したことは、非常に意義深い取組であると評価をしています。とりわけ、多摩地域では、地形的特性や市町村ごとの状況を踏まえ、都が主導的に支援を行うことが不可欠です。
そこで、多摩地域の下水道強靱化をさらに進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
○藤橋下水道局長 都は、市町村強靱化補助制度に、来年度から耐震性の向上を図る再構築を新たに追加し、避難所や緊急輸送道路周辺等の老朽化した下水道管、年間約十五キロメートルの再構築を支援いたします。
制度の拡充に当たりましては、市町村が補助制度を効果的に活用できるよう、多角的な支援を行うことが重要でございます。
具体的には、まず、全市町村への説明会を速やかに開催し、制度の詳細や運用の留意点などについて周知を図ってまいります。さらに、これまでの浸水、地震対策に加え、再構築の技術講習会や個別相談により、計画の策定から設計、工事まで広く技術支援を行うことで、市町村の取組を強力に後押ししてまいります。
○伊藤(大)委員 都民の安全・安心を確保するため、都の強力な支援により、市町村の強靱化の取組をしっかりと進めていただくことを求めます。
浄水場の自家発電設備について伺います。
近年、富士山噴火の可能性が改めて指摘されています。一たび大規模噴火が発生すれば、首都圏では広範囲にわたり降灰が想定され、送電設備の被害による長時間停電も現実的なリスクとなっています。
そこで、浄水場などでの自家発電設備の新設や増強を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
○山口水道局長 地震や噴火による降灰などにより、電気事業者からの電力供給が途絶えた場合でも、浄水場などの運用を継続するためには、電力の自立化が重要でございます。
このため、水道局では、近年の燃料調達の不確実性や価格上昇のリスクなども踏まえた上で、必要に応じた見直しを行いながら、計画的に自家発電設備の整備を実施しております。
現在は、朝霞浄水場や金町浄水場、三園浄水場などで新設や増強工事を進めておりまして、来年度からは東村山浄水場においても工事に着手いたします。
これらの整備を着実に進めることによりまして、浄水場などにおける停電時の備えを万全なものとし、安定給水を確保してまいります。
○内山副委員長 伊藤大輔理事の発言は終わりました。(拍手)
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時六分休憩
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