予算特別委員会速記録第三号〔速報版〕

○伊藤(し)副委員長 三雲崇正委員の発言を許します。
  〔伊藤(し)副委員長退席、中田副委員長着席〕

○三雲委員 三雲崇正でございます。
 まず、東京アプリポイントと生活支援策の考え方についてお伺いします。
 都は現在、物価高騰対策として東京アプリ生活応援事業を進めていますけれども、その受給条件としてスマートフォンでの東京アプリの利用が必須となっています。
 今回の東京アプリ生活応援事業に限らず、行政サービスのデジタル化によって、生活支援を必要とする世帯や単身高齢者が、支援を受けるために数万円の機材購入であるとか、通信費負担を迫られるとすれば、それは本末転倒な支援の有料化であって、物価高騰の中での生活支援は多くの都民にとって絵に描いた餅となる。
 その一方で、消化されない予算が、それを必要とする都民に届くことなく積み上がることになってしまいます。
 今後、東京都が行う生活応援事業をはじめとする様々な給付事業においては、事業実施のためのインフラ整備というものは、行政において負担すべきであって、その費用を行政サービスを受ける一人一人の都民に負担させるべきではないと考えますが、都の見解を伺います。

○高野デジタルサービス局長 都は、東京デジタルファースト条例に基づき、デジタルに不慣れな方への配慮を確保しつつ、行政サービスの根幹である行政手続をデジタルで行うことを原則としており、それぞれの目的や対象などを踏まえながら、条例の趣旨に基づき適切に対応しております。
 なお、東京アプリ生活応援事業は、東京アプリのさらなる普及促進と、都民生活の応援を目的に、マイナンバーカードによる本人確認を行った十五歳以上の都民に対して、東京アプリを通じて都民にポイントを届けるものでございます。
 デジタルに不慣れな方に対しては、操作手順を分かりやすく示したチラシ等の配布や、コールセンターでの丁寧なサポートなどを行うことで、希望する方が本事業に参加いただけるよう取り組んでおります。

○三雲委員 ありがとうございます。それぞれの給付の目的や対象などを踏まえた対応を行うということですので、東京都全体として、行政が備えるべき公平、平等という観点を踏まえ、受給者に負担の生じない仕組みによる事業実施を希望いたします。
 次に、東京アプリの仕組みについては、都は、マイナンバーカードを持つ十五歳以上の未成年者が、直接アプリを操作してポイントを受け取り、民間決済サービスのポイントへ交換することを許容しています。
 しかし、未成年者が都や事業者との間で契約を締結し、取引を行うといった法律行為には、民法五条に基づき、法定代理人である親権者の同意が不可欠であり、同意のない法律行為は、後日取り消すことが可能です。
 親権者が、東京アプリを通じたポイントの取得について同意をしていない場合には、都から未成年者に付与される一万一千円相当のポイントは、民法五条三項の法定代理人が処分を許可した、許した財産、いわゆるお小遣い等にも該当はしません。
 都が運営する、東京くらしWEBにおいても、未成年者は、成年者と比べて取引の知識や経験が不足し、判断能力も未熟です。そこで、未成年者が行う契約によって不利益を被らないように、法律で保護されています。民法で、未成年者が法定代理の同意を得ないでした法律行為は、取り消すことができると決められていますとして、親権者が取消しをする場合の手続について紹介をされています。
 生活応援という目的があるとはいえ、例えば、十五歳の子供が親の関知しないところで都から直接ポイントを受け取り、それを決済手段と交換し、さらに、全額をスマートフォンゲームの課金などに使ってしまった場合、親は同意していないとして、一連の法律行為の取消しを申し出るといったことも考えられます。
 親権者は、未成年者が無断で行った東京アプリポイントを取得する法律行為を取り消せると、こういった理解でよろしいんでしょうか。
 また、実際に取り消された場合、既に未成年者が使ってしまったポイントについては、法律上は返還を求めることができず、他方で、ポイント付与自体が遡って無効となってしまいますけれども、GovTech東京の会計上はどういった処理になるのか、教えていただきたいと思います。

○高野デジタルサービス局長 東京アプリは、行政と都民が直接つながることで、行政手続等をアプリから行えることを目指しており、十五歳から一定の行政手続について本人が行うことが可能となるため、東京アプリ生活応援事業では、十五歳以上の方を対象としております。
 利用規約では、利用者が未成年者である場合、法定代理人の同意を求めております。アプリの利用に際しては、規約のとおり利用しているものと認識しておりますが、法定代理人による取消しの申出があった場合は、法令等に基づき適切に対応いたします。
 なお、これまでにこうした事例はございません。
 また、使用したポイントの会計上の取扱いはGovTech東京で適切に処理するものと認識しております。

○三雲委員 ありがとうございます。答弁によれば、十五歳から一定の行政手続について本人が行うことが可能となるため、東京アプリ生活応援事業では十五歳以上の方を対象としたということですので、お伺いします。
 十五歳以上の未成年が親権者の同意なしでできる行政手続には、どういったものがあるんでしょうか。
 また、東京アプリ生活応援事業のような給付申請手続は、十五歳以上の未成年が親権者の同意なしで行うことができる法律行為、手続なんでしょうか。

○高野デジタルサービス局長 十五歳から本人が行うことができる行政手続としては、マイナンバーカードの取得申請や住民票の写しの交付、住民税の課税証明書の交付などの事例を確認しております。
 東京アプリは、利用者が未成年者である場合、利用規約で法定代理人の同意を求めており、アプリの利用に際しては、規約のとおり利用しているものと認識しております。

○三雲委員 ありがとうございます。つまり、自身に関する情報が書かれた、あるいは記録されている証明書等の取得をするといったところはできるわけですけれども、今回のようなことは、そこの対象に入ってこないんだろうというふうに思われます。
 そしてまた、答弁によれば、都は、東京アプリ利用規約において、利用者が未成年者である場合には、法定代理人である親の同意を求めていることから、未成年者は親権者の同意を得て利用しているものと認識していると、こういうことでございました。
 しかしですね、国民生活センターによれば、利用規約の一部に、未成年者の場合は法定代理人の同意が必要です、こういう記載がしてあるのみである場合には、親権者は同意がないことを理由に未成年者の法律行為を取り消し得るということとされています。
 親権者が取消しを主張した場合、東京都は、おっしゃっているような規約の記載をもって対抗することができるんでしょうか。
 あるいは、国民生活センターが指摘するとおり、取消しは可能なんでしょうか。東京くらしWEBを所管する生活文化局に伺います。

○古屋生活文化局長 都は、東京くらしWEBを通じまして、消費生活に関する情報を発信しております。
 民法では、単に権利を得たり、義務を免れるものを除き、未成年者が法律行為をするには、親権者等の法定代理人の同意を得なければならず、これに反する法律行為は取り消すことができることや、法定代理人が処分を許した財産は、未成年者が自由に処分することができることを定めております。
 このため、東京くらしWEBでは、一般論としまして、こうした民法の規定により未成年者が行った契約を取消しできる要件や、取消しの効果、取消し通知の書き方などを案内しているところでございます。

○三雲委員 ありがとうございます。規約に同意をするということは、当然何かもらうだけじゃなくて、その規約に書かれている様々な義務を負うことになりますので、要するに契約を結んでいるということになると。その結果として、同意がない場合には取り消せると、こういうことになってしまうわけです。
 行政と未成年者が、事実上親権者を飛び越えて直接つながると、そして、未成年者に法律行為を行わせると、こういった仕組みは、今まで東京都の中にもあまりなかったんじゃないのかというふうに思われます。
 現在のようにポイントの配布だけであれば、大きな実害はないかもしれませんけれども、今後のアプリ事業、どんどん展開していくわけです。その展開の仕方によっては、個人情報の提供であるとか、あるいは重要な選択を伴う意思表示、こういった場面も想定されてきます。
 こうした場面では、親権者による同意をしっかりと確認をすると。そして、未成年者の意思表示の安全性であるとか、行政手続としての法的安定性を担保する、こうした仕組みが必要になってまいります。今後、その点についても検討を進めていただきたいと、このことをご要望いたします。
 そしてまた、自ら操作をすることが困難な障害者であるとか要介護者の方の場合、家族や福祉施設の職員による代理申請というものが不可欠になってまいります。
 しかし、現在の認証システムにおいて、他人が暗証番号等を扱うことは、無権代理の問題だけではなくて、様々な法律違反、法令違反の問題を生じるリスクがあります。
 都が公式で安全な代理申請の仕組みを構築する必要があるわけですけれども、本会議質疑では、こうした取組を行う方針が示されました。
 委任関係、代理権限を確実に確認する仕組みについて、委任関係と受任者の本人確認手続は、アプリ上、デジタルで完結するんでしょうか。
 あるいは、別途、紙ベースで確認するなどのアナログの手続が必要となってくるんでしょうか。具体的にどのように代理申請の仕組みを構築するのか、お伺いします。

○高野デジタルサービス局長 東京アプリ生活応援事業における代理申請の仕組みにつきましては、申請の対象者、代理人の範囲、運用方法などにつきまして検討を進めているところでございます。

○三雲委員 ありがとうございます。現行の仕組みでは、未成年者であるとか高齢者、要介護者、障害者の利益を保護しつつ、本人の意思を行政手続に反映する、こういった仕組みに課題がございます。これらの課題が解決されれば、アプリを通じた取組による利便性の向上であるとか、行政コストの低減も期待できるわけです。
 他方で、デジタルのチャンネルを活用できない人というのは必ず残ってきます。デジタルでの行政サービスを設計する場面においても、アナログとの併用を意識する必要があると考えますけれども、都の見解を改めてお伺いします。

○高野デジタルサービス局長 個々の行政手続等を含む行政サービスの提供に当たっては、東京デジタルファースト条例の趣旨に基づき、デジタルに不慣れな方への配慮を確保しつつ、それぞれの事業の目的などを踏まえながら、適切に対応しております。

○三雲委員 ありがとうございます。行政サービスのデジタル化自体、私もそれほど反対とかいうわけではありません。やはり、デジタルによっていろんなメリットが社会に生まれるんだろうと思います。
 他方で、やはり、行政が本来備えているべき公平性であるとか、平等性、そしてまた、法的安定性、こういったところ、また、先ほど指摘をしたような、民法に規定されているような基本的な、法律的な要素ですね、そういうところを押さえながら進めていただかないと、思わぬところで落とし穴が発生すると、こういったことも考えられるわけですので、その辺しっかりと確保をしながら取組を進めていただきたいと、このようにお願いして、次の質問に移ります。
 続いて、データセンターについてお伺いをします。
 データセンターは、Society五・〇であるとかAI社会の基盤として、東京の国際競争力を支える社会インフラであるともいわれています。
 他方で、江東区、日野市、昭島市など都内各地の住宅地近接エリアにおいては、地域住民との間で深刻な摩擦も生じています。
 環境悪化を不安視する住民の切実な声に対して、多くの事業者は、環境アセスメントの対象外であるとか、あるいは、消防法などの法令基準をクリアしている、こういった回答に終始していると、こういう声もお聞きします。
 これは既存の法令がデータセンターを想定していないために生じる問題だと思います。
 加えてですね、事業者が合法であることを盾に、住民の不安に十分に寄り添えていない、こうした課題があると思います。
 多くのデータセンターは、現在の環境アセスメント制度の対象となる建築物に該当しないわけですけれども、他方で、周辺環境への悪影響を懸念する声も大きいです。
 都は、立地に関する情報を早い段階で把握する仕組み、つくるとおっしゃいましたけれども、これを通じて、早期に事業者を把握し、計画の早い段階で具体的な環境対策の実施と公開を求めていくべきと考えます。都の見解をお伺いします。

○須藤環境局長 都は現在、条例に基づく義務制度により、データセンターを含む建物に対して環境への配慮を求め、事業者の取組内容についても公表しております。
 具体的には、地域における脱炭素化に関する計画制度において、大規模な新築建物に対して、省エネ、再エネ目標の設定などを求めております。
 また、建築物環境計画書制度では、省エネ性能基準への適合や、再エネ設置、建物の排熱対策などの計画を求めております。
 さらに、建物の運用後は、キャップ・アンド・トレード制度によりCO2排出量の総量削減義務を課しております。
 今後はさらに、データセンターの情報を早い段階で把握する都独自の仕組みを構築いたします。

○三雲委員 ありがとうございます。江東区のデータセンター計画では、非常用発電機の燃料用に百二十万リットルの重油タンクが地下に設置される予定です。
 消防法では、二千リットル以上の重油を貯蔵する場合には、危険物施設としての設置許可が必要とされますが、その六百倍の規模のタンクが予定されているわけです。大地震の発生時や水害時にどうなってしまうのか、周辺住民の不安の対象となっています。
 また、月に何度か行われる非常用発電機の定期運転による騒音、ばい煙、重油の悪臭なども不安視をされています。
 消防法上、危険物施設は、様々な技術上の基準に適合することに加え、重大事故を回避するための予防規程の認可を受けることも求められます。
 設置後も、原則として一年に一回以上の定期点検と気密試験を受け、不定期であるものの、消防署の立入検査も行われる。
 こうした仕組みによって安全性が担保されているというのであればですね、これ、周辺住民の理解を得るためのリスクコミュニケーションが特に重要になってまいります。
 データセンターの建設時だけではなくて、建設後も、地元自治体や町会、自治会との間で、災害時の対応手順の共有、平時における点検や検査結果の共有、合同防災訓練の実施、災害発生時の安全確認結果の共有、こうしたものを促していくべきだと考えます。
 こうした法令遵守の状況であるとか、災害時の対応等について、建設前の説明だけではなくて、建設後の運営時も継続的に自治体、住民とのコミュニケーションを取ること、また、住民が納得できる環境対策を探る対話を事業者に求めていくべきだと考えますけれども、地域における円滑な対話のポイントを整理したガイドラインの役割は極めて重要になってまいります。その整備に向けた見解をお伺いします。

○谷崎東京都技監 データセンターの整備に際しましては、まちづくりや脱炭素等との整合を図るとともに、早期に地域とコミュニケーションを深めることが重要でございます。
 ガイドラインでは、地域における円滑な対話のポイントに加えまして、データセンターの一般的な概要や、事業者が地域住民や自治体と調整する際の目安となるような、地域共生や環境配慮に関する好事例を整理してまいります。
 区市町村とも連携しつつガイドラインを活用し、地域における理解と調整が円滑に図られる環境を整備してまいります。

○三雲委員 また、データセンターに関しては、都は認定制度を設けるという話も出ております。この都の認定制度には、地域貢献の指標が設けられると伺っています。
 よくいわれるような排熱の利用であるとか、災害時の地域への施設開放、電力共有等も大事ではありますけれども、さきに述べた地元自治体や住民との円滑なコミュニケーションが適切になされているかという点は、地域貢献の観点に照らして極めて重要です。
 具体的にどういった指標になるのかお伺いします。

○田中産業労働局長 データセンターの整備に向けましては、電力需要増加への対応や地域の理解促進を図ることが重要でございます。
 データセンターの認定制度は、国の省エネ性能の目標値などを参考にしながら、エネルギー効率や再エネの利用状況、地域への貢献、データの安全性確保の取組を評価することとしておりますが、各評価項目の具体的な内容につきましては現在検討中でございます。

○三雲委員 ありがとうございます。地域への貢献という項目について、しっかりと検討していただきたいとお願いいたします。
 デジタルインフラの整備と、都民の安全で平穏な生活環境の保護は、決してトレードオフであってはなりません。
 立地自治体、住民と連携して課題を洗い出しつつ、ガイドライン等を通じて事業者を適切に指導し、必要があれば、国に対して法的枠組みの整備を求めるなど、都民の暮らしを守る取組を要望して、次の質問に移ります。
 次に、宿泊税と民泊、観光施策についてお伺いします。
 令和九年度からの宿泊税改正により、新たに住宅宿泊事業、民泊が課税対象となります。しかし、民泊は個人事業者が多く、ホテル等に比べ事務負担の増加や徴収漏れが懸念をされます。
 膨大な数の民泊事業者から着実に宿泊税を徴収するため、各自治体での民泊届出情報を共有し、また、海外サイトを含む予約サイトの料金情報をモニタリングするなど、実効性のある仕組みを構築するものと伺っております。
 課税によって得られる情報は、区市の保健所にとって、民泊営業の適正化指導のために有用と思われます。区市と共有することができないものでしょうか。逆に、区市保健所から無許可民泊への処分情報等が寄せられた場合、税務調査等は適切に行われるのでしょうか。情報連携の在り方について見解をお伺いします。

○武田主税局長 宿泊税の適正、公平な課税には、新たに対象となる民泊も含めまして、課税対象を適切に把握することが重要となります。
 そのため、課税においては、保健所等から得た情報や国内外の宿泊予約サイトの料金データを基に、DXを活用したモニタリングを行うなど、幅広く情報収集した上で、効果的、効率的に税務調査を行い、課税対象を的確に捕捉してまいります。
 また、調査に当たっては、関係機関と連携を図りつつ、適切に対応してまいります。

○三雲委員 ありがとうございます。この関係機関というところには、当然、地元の区市の保健所というところも含まれてくるんだろうと思いますけれども、この区市の保健所がどういった情報を必要としているのか、また、どういった課題を抱えているのか、丁寧に聞いていただいてですね、地元自治体が必要とする情報連携を進めていただきたいと思います。
 また、騒音、ごみ出し等、民泊をめぐるトラブルへの対応は、一義的には保健所を持つ各区市が担っておりますけれども、住民からは、どこへ相談すればよいか分からないという声が絶えません。
 その中で、来年度より住宅宿泊事業ワンストップ相談窓口が新設されると伺っております。
 相談窓口に寄せられる苦情やトラブルの傾向を分析し、制度の改善や事業者の指導にどう反映していくのか、また、区市保健所との情報共有をどのようにするのか、都の見解を伺います。

○田中産業労働局長 都が開設するワンストップ窓口では、住宅宿泊事業の施設に関する様々な相談を受け付け、その内容を所管の保健所に連絡し、現場確認と速やかな対応を依頼いたします。
 また、無許可、無届け施設の通報につきましては、届出状況等を確認し、保健所や警察への情報提供により、指導や取締りにつなげることとしてございます。
 都は、区市と都の関係部署による連絡会を通じて事例やノウハウを共有しておりまして、窓口での対応に関する情報を整理し、提供することで、住宅宿泊事業の適正な運営を後押ししてまいります。

○三雲委員 ありがとうございます。情報連携、いろんなところでやっていただけるというふうにお伺いをしました。
 区市の保健所との情報連携ですね、主税局、産業労働局、保健医療局をはじめとする各局が行われると思いますれども、ばらばらにつながると逆に混乱が生じるといったことも予想されます。情報連携のルートについても庁内で整理をしながら進めていただきたいとお願いいたします。
 そして、宿泊税の活用先としては、観光地の美観維持に使うということも大切なことです。この点、渋谷区が来年度から、ごみ箱設置の義務化に踏み切るなど、自治体独自の動きも加速化しています。
 TOKYOクリーンアップムーブメントでは、区市町村や交通事業者などと協働して、ごみは持ち帰るという日本の美徳に対する外国人旅行者の理解促進やリサイクルステーションの整備等に取り組み、清潔で快適な都市環境の維持を図るということですけれども、ごみを持ち帰るという単なるマナー啓発では、まちの美観は維持できないと思います。
 例えば、ICTを活用したスマートごみ箱が普及しつつある中で、繁華街等でのごみ箱設置支援を進めていくべきと考えますが、都として、各区市町村の設置、運用コストをどう支援していくのか、見解をお伺いします。

○須藤環境局長 観光客等によるごみのポイ捨てを防ぎ、清潔で魅力ある都市環境を維持するためには、旅行者などが持ち帰りマナーを理解し、意識と行動を変えることが必須でございます。
 このため、都は来年度、関連団体などと連携して戦略的に広報を展開してまいります。
 同時に、観光地などにおいて、区市町村等がIoTを活用したスマートごみ箱を設置する場合、その導入や運営に要する経費を支援することとしております。

○三雲委員 ありがとうございます。観光地で購入した商品から出るごみについては、購入した店舗等には収益が発生する一方で、ごみが捨てられる場所には負担のみが生じます。収益と負担の主体がずれるわけです。
 事業者、商店街や区市町村等のどこか一部に偏った負担が生じないように、繁華街等でのごみ箱設置の整備を進めるとともに、都としてバランスの取れた施策を検討していただきたいとお願いをして、次の質問に移ります。
 次に、私学支援と情報公開についてお伺いします。
 東京都は、近年、私立学校等の授業料実質無償化の所得制限を撤廃するなど、全国に先駆けて手厚い私学支援を展開しています。建学の精神に基づく多様な教育機会を保障する私学の役割は重要であって、保護者の経済的負担を軽減する都の施策そのものは評価いたします。
 他方で、様々な施策によって、私学経営にはかつてない規模の都民の税金が投入されています。公金支出が膨大になればなるほど、納税者たる都民に対する経営の透明性確保と説明責任が強く求められるのは当然です。
 憲法八十九条は、公の支配に属しない教育事業への公金支出を禁じていますけれども、私学助成は、私立学校振興助成法等に基づく所管庁の監督権限、すなわち一定の公の支配が及ぶことを前提に合憲であると、こういった理解をしています。
 他方で、都独自の支援規模が急激に拡大し、私立学校の運営が都の公費に大きく依存する現状において、公費投入の正当性を担保するための公の支配の在り方は従来と同じレベルでよいのかという疑問も生じてくるわけです。
 憲法八十九条が財政の章に存在していて、財政民主主義を支える条文であることを踏まえると、支援拡充に見合った、より高度な透明性とガバナンスを私学側に求めていく必要があると考えますが、都の基本認識を伺います。

○古屋生活文化局長 私立学校は、それぞれ建学の精神に基づき特色ある教育を行っておりまして、私立学校法において、その自主性を重んじることとされております。都は、その趣旨を踏まえまして、法令に基づく認可、指導、補助金の交付を行っております。
 令和七年四月には改正私立学校法が施行され、学校法人のガバナンス強化や情報公開の推進が図られておりまして、都は、本改正についての説明会を開催し、各法人に周知するなど、必要な指導監督を行っております。

○三雲委員 ありがとうございます。今ご指摘いただいた、令和七年四月に施行された改正私立学校法百三十七条によって、学校法人の寄附行為の内容及び財務情報の公表が規定をされました。
 知事所轄学校法人である小中高校の場合はですね、これ、努力義務になっています。
 しかし、全国トップレベルの巨額な財政支援を行っている東京都において、努力義務だからと情報公表がなされないのでは、到底都民の理解を得られるものではありません。
 都は、この財務情報の公表を、巨額の公費支援を受ける上での都民への最低の説明責任としてどう位置づけ、各法人に指導を行っているのか伺います。
 あわせて、百三十七条に基づく財務情報のインターネット等での公表がどの程度行われているのか、都として把握をしている情報をお伺いします。

○古屋生活文化局長 学校法人に対しまして、計算書類などをインターネット等で公表することが努力義務とされた改正私立学校法は、今年度から施行されたところでございます。
 そのため、都は、改正法の施行に先立ちまして、学校法人向けの通知や説明会を通じて、内容の周知を図ったところでございます。
 今年度は、例年実施しております法人向け研修会を活用するなど、本規定に基づき、インターネット等での公表に努めるよう指導を行っているところでございます。

○三雲委員 ありがとうございます。法律が努力義務にとどまっていて、都において義務の履行状況の把握も行っていないということであれば、都民への説明責任を果たすため、今後、都独自の仕組みで実効性を担保する必要があると思います。
 この点、都には補助金の要件を定める裁量があります。私学経営の透明性を担保するため、東京都の私立学校運営費補助金交付要綱等を改正し、百三十七条に基づく財務情報の公表を補助金交付の要件とすべきではないでしょうか。
 あるいは、来年度、予算措置が講じられる私立学校教育課題解決促進事業費補助事業において、財務情報の公表を補助金交付の要件とすることも考えられます。
 特に、私立学校教育課題解決促進事業費補助事業は、いじめ重大事態の発生した、つまり学校内に問題が生じている法人に対して、公正かつ適正な調査を行わせ、生徒の安全確保を推進するための費用助成です。
 法律で努力義務とされている情報公表すら行わない法人が、学校運営に問題を生じた際に、情報を公表しないままに補助金を求め、それに都が補助金を交付することには、都民の理解が得られないと考えます。
 補助金の交付基準を充実させることによって、都として法律で求められた情報公表を促していくべきだと考えますが、都の見解及び今後の取組についてお伺いをします。

○古屋生活文化局長 私立学校法では、私立学校の自主性を重んじることとされておりまして、都は、その趣旨を踏まえ、法令に基づき補助金の交付などを行っております。
 改正法の規定につきましては、法人向け研修会を活用するなど、各学校法人に対し、インターネット等での公表に努めるよう指導しているところでございます。

○三雲委員 ありがとうございます。要綱に一文入れるだけですので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 ――(三百六十四字削除)――

○田中子供政策連携室長 ――(六十五字削除)――

○中田副委員長 三雲崇正委員の発言は終わりました。(拍手)