○小山委員長 質疑を続行いたします。
うすい浩一委員の発言を許します。
○うすい委員 よろしくお願いします。
初めに、認知症の施策について何点か伺います。
認知症の早期診断、早期支援について質問いたします。
認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けるため、認知症に早く気づき、早期に診断や支援につなげることが重要であります。
私は、平成三十一年の第一回定例会において、認知症の早期診断について質問を行い、また、令和六年の予算特別委員会においても、都の認知症検診推進事業の充実を求めてきたところであります。
現在、都は、前身の事業をリニューアルする形で認知症サポート検診事業を行っておりますが、まず、この事業について質問したいと思います。
都が現在行っている認知症サポート検診事業について、事業内容と実施状況を伺います。また、高齢者のみの所帯や独居高齢者などの増加が見込まれる中で、支援につながりにくい方を認知症検診につなげる区市町村の取組を後押しすべきと考えますが、併せて都の見解を伺います。
○高崎福祉局長 都は、認知症に関する普及啓発や認知機能検査、検査後の定期的な連絡や訪問を行う区市町村の取組を支援しております。
昨年度、検診の対象年齢を五十歳以上に拡大するなど取組の充実を図っておりまして、今年度は、昨年度より九自治体多い三十四自治体から補助の申請がございました。
来年度は、独居高齢者など、検診につながりづらい方へのインセンティブとして、認知症検診を受けた場合に五千円相当のクーポンなどを配布する取組を新たに支援いたします。
こうした取組によりまして、認知症のある人が早期に診断を受け、必要な医療やサービスにつながるよう、区市町村の取組を支援してまいります。
○うすい委員 次に、血液バイオマーカーについて質問いたします。
私は、令和六年の第三回定例会一般質問において、認知症の早期発見と適切な治療支援の重要性について取り上げました。
認知症は、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症と大きく分けて四つあります。その中で、アルツハイマー型は約七割を占めます。
現在の認知症診断の主流は、脳のPET検査や脳脊髄液を採取し分析する検査が主流で、患者にとって経済的にも身体的にも負担が大きいものがあります。
都はこれまで、東京都健康長寿医療センターを中心に、認知症の早期診断に向けた研究、とりわけアルツハイマー病の原因物質とされる脳にたまるたんぱく質の一種ですが、アミロイドベータの蓄積状況を血液検査で判別できる、いわゆる血液バイオマーカーの研究を進めてきたと承知をしております。
実用化に向けた動きも進んでいるようでございますが、センターの研究における進捗状況について、都の見解を伺います。
○高崎福祉局長 東京都健康長寿医療センターでは、アルツハイマー病の原因物質の蓄積状況を血液で検査できるバイオマーカーの研究開発に取り組んでまいりました。
センターは、民間企業との共同研究や生体試料の提供などを通じて検査薬の開発を支援しておりまして、昨年五月には、米国で初めての血液用体外診断用医薬品が承認され、十一月には厚生労働省に製造販売承認の申請がされております。
引き続き、センターでの研究開発を進めまして、患者の経済的、身体的負担が少なく、早期診断が可能な検査の実用化につなげてまいります。
○うすい委員 今、答弁いただきまして、国内においても、健康長寿医療センターの支援の下、昨年十一月に一社が開発した血液バイオマーカーの承認申請が行われたということであります。
まずは、認知症抗体医薬の投与のための検査などに実際に活用されることが期待をされ、経済的、身体的負担が少ない検査の普及に向けた大変大きな一歩であると思っております。
健康長寿医療センターの研究には今後も大いに期待をし、注目をしていきたいと思っておりますので、さらなる取組を進めていただきたいと思います。
次に、認知症がある方の医療提供体制について質問します。
認知症は、高齢になれば誰もが発症する可能性がある病気です。認知症になっても、最後まで尊厳を持ってその人らしく人生を生きられることが、本人にとっても家族にとっても大切なことであります。
認知症の人が早期に診断を受け、必要な医療につながったとしても、住み慣れた地域で安心して医療を受け続けることができる体制が求められております。
今後、認知症高齢者の増加が見込まれる中、認知症の人への医療提供体制の強化のため、都は、令和八年度予算で二次保健医療圏ごとにTOKYOオレンジ医療システムを創設し、医療提供体制を強化するとのことですが、その取組について見解を伺います。
○高崎福祉局長 都は来年度、二次保健医療圏ごとに、認知症のある人を地域で受け入れるTOKYOオレンジ医療システムの構築に着手いたします。
構築に当たりましては、圏域内の医療資源を把握し、入院受入れに係る調整などを行う要員を、拠点型認知症疾患医療センターに新たに配置いたします。
また、身体合併症や行動心理症状の強い人などを受け入れた病院に対し、実績に応じた支援を行いまして、地域での受入れ体制を確保いたします。
こうした取組を三つの圏域で先行実施しまして、他の圏域にも展開してまいります。
○うすい委員 TOKYOオレンジ医療システムの構築を、まずは、都内十三ある医療圏のうち、三つの医療圏で先行実施するとのことでありますが、実効性のあるシステムを構築し、他の医療圏へも速やかに展開するため、その準備も進めるべきと考えますが、見解を伺います。
○高崎福祉局長 都は、TOKYOオレンジ医療システムの構築に当たりまして、学識経験者や医療従事者などにより構成される新たな会議体を設置しまして、先行実施する三圏域の取組状況や課題について議論し、他の圏域への展開に向け検証を行います。
また、医師や医療ソーシャルワーカーを対象に、認知症の行動、心理症状への対応や、本人、家族への支援の方法などを学ぶ研修を新たに実施しまして、地域の医療機関における対応力のさらなる向上を図ります。
こうした取組によりまして、認知症のある人が住み慣れた地域で安心して医療を受けられる体制を確保してまいります。
○うすい委員 次に、認知症の方の行方不明対策について質問いたします。
全国の認知症行方不明者は、警視庁の令和六年の統計によれば、年間で一万八千人を超え、東京都内においても毎年およそ千人規模の方が行方不明となっています。認知症の行方不明者は、高齢化に伴い今後も増加することが見込まれます。
そこで、都の行方不明対策の取組と実施状況を伺います。
○高崎福祉局長 都は、行方不明の認知症高齢者などに関する情報を都内区市町村や近隣県と共有できる独自のサイトを運営しております。
また、高齢者の連絡先が分かるキーホルダーなども活用し、地域での見守りネットワークの構築に取り組む区市町村を支援しておりまして、今年度は二十九自治体が補助を活用予定でございます。
○うすい委員 認知症の行方不明者は、時には区市町村の境界を越えて行方が分からなくなる事例もあります。
早期発見のためには広域的な取組が重要と考えますが、都の見解を伺います。
○高崎福祉局長 区市町村では、認知症高齢者の行方不明対策として、GPS機器やキーホルダー、靴に貼るシールの活用など、地域の実情に応じて様々な取組が行われております。
都は来年度、認知症に対する社会の意識の向上や行方不明者の早期発見に向けまして、各区市町村の取組をホームページで一元的に発信いたします。
また、新たに区市町村や関係機関との連絡会を開催しまして、行方不明対策の課題や好事例について共有いたします。
さらに、地域で見守りや声かけなどを行う認知症サポーターの養成に当たり、各自治体の行方不明対策を周知いたします。
こうした取組によりまして、認知症のある人が行方不明になった際の早期発見につなげてまいります。
○うすい委員 桜美林大学老年学総合研究所の調査によりますと、行方不明になった方のうち、当日発見された場合の生存率は八割を超えたが、二日目では約六割、三日から四日目では約二割に低下し、五日目以降では生存者がいなかったという調査結果も出ております。
認知症行方不明者の早期発見は、命を守る上で極めて重要であります。区市町村の境を越えて行方が分からなくなる事例もあるため、東京都としては、広域的に認知症の行方不明者を探すためには、例えば衣類に縫いつけるワッペンとか、ヘルプマークのような統一的な仕組みが必要であると考えます。
お配りしている資料をご覧ください。これは取り寄せました愛知県の大府市で作成している認知症ヘルプマークであります。認知症の方は、一見すると分かりにくく、声かけしたらよいかどうか迷うことがあるので、このマークに気づいたら手を差し伸べてほしいという思いでつくられたそうであります。こうしたものがあれば、より探しやすくなるのではないかと考えております。
それぞれの自治体で取り組んでいるものもあると思いますけれども、それはそれとして、一元的に都として統一したものがあれば、より行方不明の認知症の方を見つけやすくなると思いますし、命を守るため必要なものと考えます。
今後、区市町村や関係機関、当事者からの意見を丁寧に聞き取りをしていただいて、ぜひとも検討していただくことを求め、次の質問に移ります。
これまで認知症施策について様々な観点から質問をしてまいりました。改めて認知症の人が増加している現状等に鑑み、認知症の人が希望を持って暮らすことができるよう認知症施策を推進することが必要と考えますが、知事の見解を伺います。
○小池知事 認知症は誰もがなり得るものであり、認知症のある人やその家族が地域で安心して生活できる環境を整えていくことが必要でございます。
そのため、都は、認知症施策推進計画を策定しまして、早期の気づきや医療提供体制の強化、家族に寄り添った相談の実施など、総合的な取組を推進してまいりました。
来年度でございますが、認知症の早期診断、早期支援に向け検診の補助を拡充するとともに、認知症専門病院機能を担いますTOKYOオレンジ医療システムの構築に着手いたします。また、認知症に対する都民の理解促進や見守りネットワークの強化などに取り組みます。
これらの認知症施策を強力に推進しまして、認知症のある人が希望を持って暮らすことができる東京を実現してまいります。
○うすい委員 次に、公共トイレへの介助用ベッドの設置の促進について質問します。
私は、令和元年に車椅子を利用されている方から、外出先で排せつの際、座位を保てないために横になって用を足せるよう、介助用ベッドを車椅子使用者の対応トイレに設置してほしいという切実なお声をいただきました。早速、その方々とともに小池知事宛てに要望書を提出し、この問題に取り組んできたところでございます。
令和三年の第四回定例会の一般質問でもこの問題を取り上げました。その後、公共トイレへの介助用ベッドの設置に取り組む区市町村への補助事業が予算化をされ、その取組を支援してきたところであります。
その成果として、区市町村施設における車椅子使用者対応トイレのうち、介助用ベッドが設置されているトイレは、令和三年度末時点で六百十五基でありましたが、令和六年度末時点では七百四十七基と、百三十二基が増加しました。様々な場所で介助用ベッドを利用できるよう、今後もさらに増やしていく必要があります。
そこで都は、公共トイレへの介助用ベッドを設置する区市町村への支援を拡充するとともに、区市町村の設置状況を把握し、積極的に働きかけるべきと考えますが、都の見解を求めます。
○高崎福祉局長 都はこれまで、既存の公共施設の改修の際に、トイレへの介助用ベッドの設置に取り組む区市町村を包括補助により支援してまいりました。
来年度は、施設の新設に合わせた設置も補助対象に加えるほか、設置スペースの確保が難しい場合に有効な移動式の介助用ベッドの導入支援も新たに開始いたします。
区市町村における介助用ベッドの設置を加速するため、その設置状況を定期的に調査しまして、個別に補助の活用を働きかけてまいります。
○うすい委員 来年度から新たに補助対象を拡大し、新規施設への補助等を開始することを評価いたします。区市町村が積極的に介助用ベッドを設置するよう、都がしっかりと後押しをしていただきたいと思います。
また、移動式の介助用ベッドは、介助用ベッドのバリエーションの一つでありますけれども、トイレに常設するタイプではありません。そのため、移動式の介助用ベッドの導入に当たっては、適切なベッドの購入や収納場所の確保をした上で、利用しやすい運用方法について十分に検討する必要があると考えます。
そこで、区市町村が移動式の介助用ベッドを単に導入するだけではなく、利用しやすい環境を整えられるよう支援する必要があると考えますが、都の見解を求めます。
○高崎福祉局長 移動式の介助用ベッドの導入に当たりましては、利用者が設置場所などの情報を分かりやすく入手し、安心して利用できる環境の整備が必要でございます。
このため、都は来年度、ベッドの設置状況についての情報発信や利用者の安全確保のための取組などの好事例を、区市町村に情報提供してまいります。
また、適切に管理することを新たに区市町村に求めるなど、介助を必要とする方が外出先で安心してベッドを利用できるよう、取組を一層進めてまいります。
○うすい委員 着実な整備、拡充を要望して、次の質問に移ります。
次に、リカレント教育について質問いたします。
私はこれまで、学び直しを通してスキルや教養を身につけ、転職支援や社会参加を促す上で、リカレント教育が幅広い世代にわたって重要であると本会議の場でも度々訴えてきたところであります。
人生百年時代が到来したといわれる今、高齢者にとってこそ、リカレント教育が必要であると考えます。
高齢者の健康増進を図るためには、人との交流や適度な活動を通じ、外出の機会を継続的に確保することが重要であります。とりわけ専門性や質の高い大学に高齢者が通い、学び続けることは、知的な刺激を得るとともに、同世代や若い世代との交流を生み、自己肯定感の向上、心身の健康にもよい影響を与えるといわれております。
都は、令和四年三月に、都民の学び直しをサポートするためのポータルサイト、東京リカレントナビを開設し、大学が提供する講座も含め、様々な分野の講座を掲載してまいりました。
そこで、大学講座の受講が高齢者の外出の動機づけとなり、健康増進にもつながるよう、東京リカレントナビの一層の充実を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
○佐藤総務局長 都は、東京リカレントナビにおいて、都内三十二の大学をはじめとして、自治体や民間企業等と連携し、語学やカルチャーなど、高齢者の関心が高いカテゴリーの講座内容を紹介することで、新たな学びのきっかけづくりを進めてまいりました。
来年度は、大学との定例懇談会等を通じて、語学や文化、教養など、高齢者の参加実績が多い分野につきまして、リカレントナビへの登録を呼びかけてまいります。
また、興味がある分野に加えまして、希望する地域の大学等で実施される講座が自動的に表示されるよう、サイトをより使いやすくすることで、高齢者の意欲的な参加を後押ししてまいります。
○うすい委員 東京リカレントナビ等により、東京都全域で高齢者の生きがいづくりにつながるよう、リカレント教育の充実に向けて、さらに取組を進めていただきたいと思います。
都内の単身高齢者は九十万人を超えておりまして、多くの高齢者の方が近くの大学に継続的に通うことができれば、社会から孤立することなく、生きがいを育む居場所となることが期待をされます。リカレント教育のさらなる充実に向けては、地域の資源である大学を生かし、地域住民のニーズを踏まえた取組を進めていくことが重要であります。
そこで、地元近隣大学との連携を含め、区市町村が行う高齢者の生きがいづくりを後押しする取組について、都の支援内容について見解を伺います。
○高崎福祉局長 都は、活力にあふれるアクティブな長寿社会の実現を目指し、高齢者の生きがいづくりや自己実現につながる区市町村の取組を支援しております。
具体的には、人生百年時代セカンドライフ応援事業により、区市町村が近隣大学と連携した学習プログラムや公開講座など、高齢者が参加できる文化、芸術、教養活動などに取り組む場合、その経費の三分の二を補助しております。
また、区市町村が地域の特性を踏まえて独自に高齢者の生きがい活動を支援する場合、その経費の二分の一を包括補助により支援しております。
今後も、好事例の横展開などを行いまして、区市町村の積極的な取組を促してまいります。
○うすい委員 大学にとっては、少子化の影響で、リカレント教育を行うに当たり、経費負担などの課題もあると聞いております。今、答弁いただいた都の支援があれば、取組が進むと考えます。大学と連携した生きがいづくりは、コミュニティ形成にも寄与することにつながり、シニア世代も健康に集い、健康に楽しみ、健康に学ぶという効果が期待できます。
現在、日野市や世田谷区で都の支援を活用した取組が進んでおりますが、都としても、関係する各局が連携をし、高齢者のリカレント教育を推進するとともに、区市町村に積極的に働きかけて、さらに後押しすることと、今後、予算も増額を求めまして、次の質問に移ります。
次に、下水汚泥から回収したリンの肥料の利用について伺います。
リンは肥料の三大要素の一つでありますが、ほぼ全量を輸入に頼っており、国際情勢の影響により、調達が難しくなれば、食料の安定供給が揺らぐ事態にもなり得るわけであります。
私は、かねてより、下水道が有する資源の有効利用について注目をしており、下水汚泥からリンを回収し、肥料として利用を進めることは大きな意義があると考え、必要性を訴えてきたところであります。
そのため、令和六年の予算特別委員会において、砂町水再生センターにおける下水再生リンの生産や都とJA全農が連携した肥料開発の今後の取組について質疑を行ってまいりました。
そこで、下水再生リンを活用した肥料開発に向けた取組状況について見解を伺います。
○藤橋下水道局長 下水道局では、下水汚泥中のリンの肥料利用に向け、砂町水再生センターに設置したリンの回収及び生産施設において、様々な運転条件で検証を重ね、肥料の関係法令の規格を満たすとともに、高いリン回収率が得られる下水再生リンの生産技術を確立してまいりました。
さらに、生産した下水再生リンを肥料の原料としてJA全農に提供し、ほかの原料と混合して肥料製品を開発いたしました。
下水再生リンの生産に当たりましては、多額のコストを要することが課題であり、現在、リン生産施設において、運転の効率化など、生産コストの低減に取り組んでいるところでございます。
○うすい委員 生産コストの低減など、ご苦労されながらも、下水再生リンを含む肥料の開発が着実に進んでいるということであります。
一方で、農業者に肥料を実際に使用していただくための取組も必要だと考えます。
そこで、下水再生リンを含む肥料の利用促進に向けた取組について見解を伺います。
○藤橋下水道局長 下水再生リンを用いた肥料の利用を促進するには、農業者に安心して使えると実感していただくことが重要でございます。
本年度は、肥料を都内の一部の農業者に利用していただき、既存肥料と遜色ない品質で同等の収穫量が得られたとの声をいただきました。来年度は、JA全農と連携し、より多くの農業者に試験的に利用していただく取組を進めてまいります。
本格的な流通に向けましては、下水再生リンの生産コストが、リンの輸入価格に比べて高額となる課題があり、コスト低減に努めるとともに、食料安全保障として国の積極的な財政支援を働きかけてまいります。
今後も、関係者と連携して下水再生リンの利用の取組を進め、肥料の安定供給に貢献してまいります。
○うすい委員 下水再生リンを含む肥料の利用促進に向けて、取組をしっかりと進めていただいているわけでありますけれども、一方では、生産コストなどの課題もあるとのことであります。リンの輸入価格は、歴史的に見て、これまでも大きく上昇しているときがあるほか、現在の世界情勢を見ても、リンの輸入が困難な状況になると、日本の食料の安定供給への影響が懸念されるわけであります。
そのため、東京都が率先し、創意工夫により生産コストの低減を進めるとともに、国とも連携をして取り組んでいただきたいと思います。東京の下水再生リン、メード・イン東京の取組をぜひとも進めていただきたいと思います。
続きまして、東部低地帯の水害対策について伺います。
東京の東部低地帯は、地盤が海水面より低いゼロメートル地帯が広がり、河川の堤防に上がりますと、河川の水面と、そして住宅の二階部分が大体同じ高さで住宅街が広がっているのがよく分かります。この地域には約三百万人が生活をしており、住民にとって河川の堤防は命綱であります。万が一にも堤防が決壊しないよう、地震や豪雨に耐え得る強い河川堤防でなければなりません。
都は、東日本大震災の平成二十四年度に東部低地帯の河川施設整備計画を策定し、さらには、令和三年度には対象範囲を拡大した第二期計画を策定し、現在、堤防の耐震補強工事が切れ目なく行われております。
そこでまず、東部低地帯における耐震、耐水対策の進捗状況と令和八年度の取組について伺います。
○花井建設局長 東部低地帯では、東日本大震災を受けて策定した計画に基づきまして、河川施設の耐震、耐水対策を実施しております。今年度末までに、堤防は対策延長の約七割、水門等の約九割の対策が完了する見込みでございます。令和八年度は、新中川など二十一河川で約五・三キロメートルの堤防と日本橋水門などで対策を実施してまいります。
引き続き、十三年度の完了に向けて、耐震、耐水対策を着実に推進してまいります。
○うすい委員 東部低地帯への対策は、国が管理する荒川の洪水においても重要です。荒川では、令和元年、二〇一九年の東日本台風の際、岩淵水門付近で氾濫危険水位まであと約五十センチのところまで水位が上昇し、まさに大規模水害の危機が目前に迫りました。幸いにも、平成十五年度に整備された荒川第一調節池が総容量の九割を貯留するなど、効果を発揮したことで一難を逃れましたが、東部低地帯の安全性を向上させるためには、荒川における抜本的な治水対策を行うことが重要であります。
都議会公明党はこれまで、令和二年第四回定例会における代表質問などで、荒川第一調節池内の荒川貯水池の活用について取り上げ、治水効果の早期向上を要望し、また、公明党の国会議員とも連携してまいりました。
その後、荒川治水協定の改正による事前放流により約二百九十二万立方メートルの容量が追加をされ、荒川の治水安全度は着実に向上してきたわけでございます。
現在、国においては、荒川第一調節池に続き、荒川第二、第三調節池の整備が進められており、令和十二年度に完成する予定と聞いております。本調節池の整備により東部低地帯に大きな治水効果が期待されますが、整備中におきましても、早期に治水効果を発揮する取組が必要と考えます。
そこで、荒川第二、第三調節池の整備内容と治水効果が早期に現れる取組について、都の見解を伺います。
○花井建設局長 荒川第二、第三調節池は、洪水調節容量約五千百万立米の施設でございまして、現在、国において築堤や排水門の新設などを実施しております。
また、段階的に治水効果を発現するため、既存の堤防を活用し、荒川第二調節池の一部となる約一千二百万立米分の洪水調節容量を、今年の出水期までに確保する予定であると国から伺っているところでございます。
都は、毎年実施している政府提案要求などの機会を捉えまして、事業の着実な実施とともに、効果の早期発現に向けた取組を国に求めてまいります。
○うすい委員 答弁いただきましたとおり、荒川第二、第三調節池は、着実に事業が進んでいるとのことであります。そして、今年の出水期前には、さらに荒川第二調節池の一部で約一千二百万立方メートルもの大きな容量がプラスになるとのことで、地域の安心感は高まるものと期待されます。多くの河川が流れる東部低地帯の安全性の向上は、国と都が連携して対策を実施していくことが大変重要であります。
今後とも、一層連携を強化し、水害対策に取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、地域公共交通について質問します。
現在、バス運転士不足等により減便、廃止が進行しており、区市町村における地域公共交通の確保は喫緊の課題であります。第一回定例会の我が党の代表質問において、物価高騰等を踏まえた補助限度額の引上げやルート等を見直す場合の支援期間の延長、地域住民が主体となったグリーンスローモビリティーやワゴン車両等の購入費を支援するなどの前向きな答弁がありました。区市町村の取組を後押しする新たな取組が示されたことは評価するところであります。
しかし、都のコミュニティバス等の導入に対する支援は、既存のバス停から半径二百メートル以内にコミュニティバスを設ける場合は対象とはなっておらず、半径二百メートル以上離れた交通空白地が対象となっております。
一方、バスの減便の進む中、既存のバス路線でも通行便数が少なく、交通の利便性が低い地域もあるわけであります。したがって、交通空白地のみならず、そうした地域の移動についても、きめ細かくサポートすることが大切であり、こうしたことが持続可能な地域公共交通の実現につながると考えます。
区市町村の地域公共交通の取組を促進していくには、都は引き続き、区市町村に対する支援の充実についてさらに検討していくべきと考えますが、見解を求めます。
○谷崎東京都技監 近年、バスの減便、廃止が進んでいることから、本年一月に公表いたしました地域公共交通の基本方針の改定に向けました中間まとめでは、ルート見直しや小型車両の活用などによるコミュニティバス等の再編の取組を促進することを示しました。
こうした区市町村の取組を後押しするため、来年度から、運行経費に対する支援期間を二年から五年に延長するなど、支援を充実してまいります。
引き続き、区市町村が抱える地域公共交通の課題やニーズなどを把握しながら、基本方針を改定してまいります。
○うすい委員 次に、緩和ケア等が必要な子供への支援について質問します。
都議会公明党はこれまで、東京子供ホスピスの実現を都に求めてまいりました。
一般的に成人のホスピスといえば、余命宣告を受けた患者が終末期医療を受けながら病院で静かに過ごし、みとられながら最期を迎える施設であります。
しかし、増加傾向にある小児がんや難病等を患う子供の場合は、治療方法がなくなってしまうと、ほとんどの時間を自宅で静かに過ごすことしか選択肢がありません。
一方、海外においては、先行する子供ホスピスは決してみとる場所ではなく、子供たちやその家族が孤立することなく、また、医療、教育、福祉などと連携しながら、安心して学んだり、遊んだり、楽しく過ごし、最期まで子供らしく過ごすことができる大事な居場所となっています。
しかし、東京において、子供ホスピス実現に向けては、医療施設なのか福祉施設なのか、法的な位置づけがなく、実現に至っておりません。
そこで、都議会公明党は、令和七年第四回定例会の代表質問で、国が始めたこどもホスピス支援モデル事業に積極的に取り組み、医療、福祉、教育などの関係機関をはじめ、NPOや当事者家族などとも連携を図り、東京子供ホスピスの実現に向けて取組を加速、具体化すべきと都に求めたのに対して、具体的な対応について検討していくと答弁がありました。
都は、来年度、東京子供ホスピスの実現に向けて、具体的に取組を進めるべきであります。都の見解を求めます。
○高崎福祉局長 国は、緩和ケアが必要な子供に対する療養環境の充実の取組、いわゆる子供ホスピスの普及に向け、関係者による協議会の設置や実態調査などに取り組む都道府県等を支援するモデル事業を開始いたしました。
都は来年度、この事業を活用し、関係者による協議会を立ち上げるとともに、実態調査を実施しまして、緩和ケアが必要な子供やその家族の生活実態やニーズ等を把握いたします。
○うすい委員 答弁にありましたが、協議会はどういう構成になるのか、当事者家族などの声も反映されるのか、また、実態調査については、LTC、生命を脅かされる状態の子供が都内にどのぐらいいるのか、生活や医療、福祉、教育などの必要なニーズに応えることができるのか、孤立していないかなど、誰一人取り残さないSDGsの観点を持って調査すべきであります。都の見解を求めます。
○高崎福祉局長 都は来年度、緩和ケアが必要な子供やその家族に関わる医療従事者、教育関係者、当事者団体で構成される協議会を設置しまして、専門的な知見や経験に基づいた意見を伺いながら、実態調査の進め方や項目などを検討いたします。
また、調査に当たりましては、都内の小児医療機関、関連団体に加えまして、当事者やその家族などにも協力を求め、療養生活や通学等の状況、支援ニーズなど、当事者や家族を取り巻く実態を把握してまいります。
○うすい委員 次に、モバイルファーマシーについて伺います。
先日の予算特別委員会での都議会公明党の代表質問で、モバイルファーマシーを導入した経緯や活用について質問したところでありますが、今月十日に、公明党は、東京都が導入したモバイルファーマシーを視察してまいりました。説明を伺う中で必要性をさらに認識したところであります。
そこで伺いますが、災害時は、他県と相互に連携して早期に医療提供が行えるよう体制を整えておくべきでありますが、見解を伺います。
○山田保健医療局長 都内で災害が発生し、医薬品供給体制の維持が困難となった場合には、都のモバイルファーマシーを迅速に出動させるほか、被災状況に応じまして、各地域で運用されている車両の派遣を要請いたします。
現在、モバイルファーマシーは全国で二十六台導入されておりまして、能登半島地震では日本薬剤師会の調整によりまして、県外から十三台が派遣されております。
この経験を踏まえまして、昨年十月、運用に関する指針が策定されておりまして、今後、都は、大規模災害が発生した場合には、この指針も踏まえながら適切に運用してまいります。
○うすい委員 モバイルファーマシーは平時の活用も大切であると考えます。
しかし、薬剤師法の規定により、平時の薬局としては活用できないことは承知をしておりますが、平時は防災訓練や都民の安心につながる周知など、積極的に活用を図るべきと考えます。都の見解を伺います。
○山田保健医療局長 災害時にモバイルファーマシーを円滑に活用するためには、平時から車両や設備の運用方法に習熟しておくことが重要でございます。
このため、都は藥剤師会と共に、運転や操作の手順に関する訓練を定期的に実施するほか、区市町村と合同で行う防災訓練でも積極的に活用いたします。
また、モバイルファーマシーへの都民の理解を深めるため、薬剤師会が各地域で行うイベントで車両を展示するなど周知を図ってまいります。
○うすい委員 東京の地理的な条件もあることから、今後、二十三区と多摩地域の両方で迅速に活用ができるよう、複数台の導入も検討していただくことを要望し、次の質問に移ります。
補装具の判定について質問します。
肢体不自由の方の車椅子や姿勢保持装置は、障害者総合支援法に基づく補装具として給付されておりますが、一定の年数が経過すると、再給付を受けることができます。
私の地元足立区の方から次のようにご相談いただきました。現在使用している補装具が古くなり、再申請を希望されたものの、判定を受けるためには、東京都心身障害者福祉センターに出向く必要があります。これまではお母さんが車椅子を押してセンターまで同行されていましたが、そのお母様も九十歳を超え、体力的に連れていくことが困難になり、やむなく姿勢保持装置の再申請を諦めざるを得なかったとのことでありました。
障害の状況に応じた適切な補装具を給付するため、センターの専門職による判定が必要であることは十分理解しております。しかしながら、介護する家族の高齢化や、ご本人の身体状況によっては、センターへ出向いて判定を受けること自体が大きな負担となり、必要な補装具の申請を断念してしまうケースもあるのではないかと懸念しております。
現在、センターでは、来所による判定のほか、医師の意見書による判定や、自宅への訪問による判定も行っていると伺っております。
そこで、センターにおける補装具の判定方法は現在どのようになっているのか、また、巡回判定の地域を拡充したり、オンラインを活用するなど、より身近な地域で判定を受けられる体制づくりを進めていくべきと考えますが、併せて都の見解を伺います。
○高崎福祉局長 姿勢保持装置などの補装具の判定に当たりましては、国の指針を踏まえ、心身障害者福祉センターへの来所を基本としておりますが、重度の障害など来所が困難な場合は、訪問して判定しております。
現在、西多摩地域などにおいては、地域特性を考慮し、必要な会場や専門職を確保した上で巡回による判定を実施しております。島しょ地域では、オンラインを活用した判定を試行的に実施しましたが、画像での判定に適した撮影方法や補装具が本人に適合しているかの確認方法などの課題が確認されました。
こうしたことも踏まえ、今後、利用者や保護者の負担軽減に向けまして、判定における工夫について検討してまいります。
○うすい委員 質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○小山委員長 うすい浩一委員の発言は終わりました。
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