予算特別委員会速記録第三号〔速報版〕

〇小山委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十八号議案までを一括して議題といたします。
 九日に引き続き総括質疑を行います。
 中山詩都委員の発言を許します。
   〔委員長退席、内山副委員長着席〕

〇中山(詩)委員 都民ファーストの会の中山詩都と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、観光客によるポイ捨て等への対応について伺います。
 近年、観光客が大幅に増加し、都内各地が大きなにぎわいを見せている一方、特に観光客等が集中する繁華街では、ごみが散乱し、まちの美観への影響が生じているところもあります。
 旅行者にごみの持ち帰りマナーの理解と実践を促すことは重要ですが、旅行者の増加を背景に、排出事業者への適正なごみの出し方の指導を含めたマナー啓発の強化に加え、見回り活動の充実や、ごみ箱の設置を始める地域もあると聞いています。
 こうした事情も踏まえ、都は、地域特性に応じ、ごみのポイ捨て対応を推進していくことが必要です。
 そこで、都は、まちの美化を推進し、快適な都市環境を維持していくため、今後どのような取組を進めていくのか、知事の見解を伺います。

〇小池知事 外国から東京を訪れる観光客の皆さんが驚かれるのは、まちの清潔さといわれております。ごみを持ち帰るという日本の美徳は、社会的責任と環境意識が融合した特有の習慣でございます。
 近年の訪都外国人旅行者の増加は、東京に経済的なメリットをもたらす一方で、観光地や繁華街等におけます新たな課題を招いています。
 このため、都は、区市町村や事業者等と連携しまして、オール東京でまちをきれいにする新たな取組を開始いたします。
 具体的には、戦略的な広報を展開し、旅行者等にごみの持ち帰りの理解を広げ、実践を促してまいります。
 加えまして、まち中で活動する団体の景観維持に向けた取組の後押しとともに、観光地等でのリサイクルステーションの整備を支援し、普及につなげてまいります。
 これらによって、地域美化への行動を社会全体に広げ、世界に誇れる美しい東京を実現してまいります。

〇中山(詩)委員 ごみは持ち帰るという基本マナー啓発にとどまらず、来年度は、区市町村や事業者等と共に、まちの景観維持に向けた取組やリサイクルステーションの整備を進めていくことが分かりました。
 リサイクルステーションについては、ごみ箱を単に設置するだけでは、ごみがあふれることで、ごみがごみを呼ぶような状況を招くことも懸念されます。また、ごみ箱を設置すると廃棄物収集運搬の作業が増えることから、事業実施に当たっては、省力化の視点も持ち、戦略的に進めていく必要があります。
 都は、リサイクルステーションを設置者が取り組みやすい形で着実に進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。

〇須藤環境局長 ごみの回収頻度やコストなどが課題となるリサイクルステーションの整備促進のため、収集運搬の効率化等に有効となる設備や仕組みへのサポートなど、設置者が取り組みやすい環境を整えてまいります。
 具体的には、IoTの活用により、リアルタイムで蓄積状況を把握でき、自動圧縮機能により、通常の約五倍のごみを収容できるスマートごみ箱を導入する場合、その費用の五分の四を支援いたします。
 加えて、ランニングコストを最長で三年間補助するなど、設置場所に応じた最適な維持管理体制の構築により、来年度は五十か所の整備を促します。
 これにより、観光地や交通ターミナルなどでの導入を加速し、ポイ捨て防止の実効性を高めてまいります。

〇中山(詩)委員 収集運搬の効率化に資するスマートごみ箱の設置を高補助率で支援していくとのことですが、既に都内で設置されているスマートごみ箱の中には、企業の広告を掲載し、維持管理に充当している事例もあります。
 また、不審物混入等の観点から、設置に不安を感じる事業者において、ごみ箱を撤去した事例もあると聞いておりますので、設置者のセキュリティ対策に配慮した取組も求められると考えます。
 都は、こうした事例も踏まえ、自立可能な形でリサイクルステーションの普及を進めていくことを要望して、次の質問に移ります。
 続いて、若者チャレンジ応援プログラムについて伺います。
 今、私たちが生きる社会はかつてないほど複雑化し、変化の激しい時代を迎えています。私は、こうした時代だからこそ、夢や目標に向かって果敢に挑戦しようとする若者を一人でも多く育てていくことが重要であると考えます。
 都は、若者が将来像を描く際のお手本となるようなロールモデルとの交流イベントを開催するとして、来年度の予算案に新たに若者チャレンジ応援プログラムを盛り込んでいます。
 そこでまず、本事業におけるロールモデルとは、具体的にどのような人材でどのように選定していくのか伺います。

〇田中子供政策連携室長 若者チャレンジ応援プログラムでは、若者が将来の目標やキャリアについて考えるきっかけとなる人材をロールモデルとして招くこととしております。
 具体的には、若者が多様な価値観や生き方に触れることが重要であるとの認識の下、ビジネスや科学技術、文化芸術、スポーツなどの幅広い分野において第一線で活躍されている方々を想定しております。
 また、イベントの企画運営は、学生主体で実施することとしており、学生の意見を踏まえつつ、若者の成長を後押しするような多様な人材を選定してまいります。

〇中山(詩)委員 次に、交流イベントの開催により都が期待している効果と、それをどのように把握しているのか伺います。

〇田中子供政策連携室長 本事業は、グローバルな舞台で力を発揮し、社会の様々な課題に対し挑戦する若者を増やしていくことを目的としておりまして、都内の高校生や大学生等を対象とする予定でございます。
 世界の動きや社会課題に関心を持ち、新たな挑戦へ踏み出そうと考える若者から、将来の目標やキャリアを模索する若者まで、幅広い層の若者が参加できる機会を提供してまいります。

〇中山(詩)委員 若者が自身のキャリアを考え、行動に移すには、人との出会いが非常に重要です。若者の挑戦を後押しする出会いを創出する事業となることを期待いたします。
 東京都が令和六年に公表した調査によれば、二十代で町会に加入しているのは約二割、若い世代にとって、町会、自治会活動は身近ではなく、関心を持ってもらうことが難しい現状があります。
 そんな中で、東京アプリで町会とマンションの合同防災訓練に参加するとポイントが付与されるという告知を見て、若い世代の目にしやすいところにお知らせがあることは重要であると考えました。
 こうした取組など、アプリやSNSを活用し、若い世代に町会、自治会活動への関心を高め、参加を促進すべきと考えますが、都の見解を伺います。

〇古屋生活文化局長 都は本年度から、町会・マンションみんなで防災訓練を東京ポイントの対象事業としておりまして、東京アプリに訓練情報を掲載し、参加につなげております。
 来年度、訓練の支援対象を九十団体に増やすほか、楽しみながら防災対策を学べるクイズなど、若い子育て世帯も呼び込めるような工夫を行いまして、より幅広い層の方が町会、自治会活動に参加するきっかけを提供いたします。
 また、地域活動の情報発信を促進するため、LINEなどのSNS活用の講習会を充実させまして、若い世代に町会、自治会に親しみを持ってもらうことで、加入につなげてまいります。

〇中山(詩)委員 防災訓練をはじめとした町会、自治会活動に若い世代が参加することは、地域にとっても、そこで暮らす若者にとっても大切なつながりの創出機会となります。東京アプリを活用した町会、自治会活動の周知徹底をお願い申し上げます。
 続いて、大学と連携した学生入居による地域コミュニティ支援事業について伺います。
 物価高騰が続く中で、若い世代にとって都内で住居を確保することは非常に難しいものとなっております。
 そんな中で、大学と連携をして、学生に都営住宅に住んでもらい、町会、自治会活動の積極的な参加を促す当事業は、若者目線で高く評価をするとともに、さらなる事業拡大を期待いたします。
 そこで、令和七年度に協定を締結した大学とこれまでの実績、学生の都営住宅への入居状況について伺います。

〇山崎住宅政策本部長 都営住宅への学生入居につきまして、令和七年度は、今月新たに一校を加え、七大学と協定を締結しております。
 これまでに協定を締結した大学の数は十九校であり、都営住宅に入居している学生の数は、三月一日時点で百五名でございます。

〇中山(詩)委員 今後、この取組をさらに進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

〇山崎住宅政策本部長 都営住宅の居住者の高齢化が進む中、団地や地域のコミュニティ活動を支援するため、本事業を進めていくことは重要でございます。
 また、学生にとりましても、地域のコミュニティづくりに関わることはよい経験であり、卒業後もこの経験は役立つといった声などを聞いております。
 このため、地元自治体とも連携を図りながら、地域への貢献に関心のある大学に直接訪問するなど、団地の近隣に限らず、より多くの大学に参加を働きかけて、協定締結につなげてまいります。

〇中山(詩)委員 学生の住居の確保にとどまらず、より実りある学生生活を送ることができる事業となることを期待しております。
 次に、若者応援空き家活用支援事業について伺います。
 大学を卒業した若手社会人にとっても、家賃高騰の影響は大きく、住居を確保することが厳しい状況があります。
 都内には空家が約九十万戸あるとされ、今後も空家が増えていくことが想定されます。こうした空家を若者の挑戦を応援するシェアハウスなどとして活用していくことも、若者支援策として効果的ではないかと思います。
 若者応援空き家活用支援事業は、どのような若者を対象として、どのような提案を想定しているのか、また、事業者等の取組を引き出すインセンティブについて伺います。

〇山崎住宅政策本部長 若者応援空き家活用支援事業は、都民提案を踏まえ、来年度新たに実施するものでございまして、空家を活用して夢やアイデアを持つ若者などを応援する民間事業者の取組を支援いたします。
 具体的には、起業を目指す若者同士の交流等を促すシェアハウスへの改修などを想定しており、こうした取組を行う民間事業者に対しまして、空家を改修するための工事費を一棟当たり三百五十万円まで補助いたします。
 また、関係局と連携しながら、創業等に向けた都の支援策を紹介するなど、若者の挑戦を後押ししてまいります。

〇中山(詩)委員 ぜひ、増加が見込まれる空家を活用した若者を支援する取組を進めていただければと思います。
 次に、東京ユースヘルスケア推進事業について伺います。
 男女を問わず、性や妊娠に関する正しい知識の普及を図り、健康管理を促すために、プレコンセプションケアの推進は大切であります。
 国は昨年五月に、プレコンセプションケア推進五か年計画を策定し、若い世代に向けた健康管理や性についての情報提供をしていくとしています。
 都としても、より若い世代に対する取組を含め、さらにプレコンセプションケアの取組を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

〇高崎福祉局長 都は、若いときから男女を問わず、性や健康に関する正しい知識を身につけ、将来のライフプランを考えることができるよう、プレコンセプションケアに関する講座、TOKYOプレコンゼミなど、都独自の取組を実施してきました。
 来年度は、ゼミの回数及び定員を今年度の十二回、九千百人から二十二回、二万二千人に拡大いたします。
 また、受講者へのアンケートでは、多くの方がプレコンセプションケアについて、もっと早く知りたかったと回答していることも踏まえまして、より若い世代が正しい情報を得られるよう、大学生世代向けセミナーを実施いたします。

〇中山(詩)委員 次に、商店街の活性化について伺います。
 商店街は地域とのつながりを感じられる場所でもありますが、近年は、商店街のお店の方の高齢化が進んでおります。
 さきの代表質問において、来年度、若者や女性などの商店街の担い手確保に向けた支援を強化していくと答弁がありました。
 商店街の将来を支えるプレーヤーを確保するためには、日常的に商店街との関わりを持つ区市町村と連携して支援を行っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

〇田中産業労働局長 都は、区市町村と連携して、将来の担い手となります商店街の若手や女性が企画するイベントに必要な経費への助成を行っておりまして、来年度は、商店街の負担を十二分の一に引き下げます。
 また、新たに区市町村が行う学生と商店主との交流会や職業体験など、若者の参画を促す取組に対し補助率二分の一、五百万円を上限に助成を開始いたします。
 さらに、若手や女性の商店街での開業を支援する助成金につきまして、区市町村の創業相談窓口等とも連携したPRも行い、商店街の活性化につながる担い手の確保を進めてまいります。

〇中山(詩)委員 東京都の商店街がいつまでも人のにぎわう場所であるよう、事業推進をお願い申し上げます。
 私は、都民ファーストの会の若者PTの座長を務める中で、子供や若者の実情にいかにしっかり向き合っていくのかという視点こそが政策の軸であるべきと考えてきました。
 令和七年第四回定例会の一般質問において、我が党の高橋都議から、区市町村が子供から意見を聞き、子供目線に立った政策を進めるための人材育成や自治体間の横のつながりについて質疑をし、都から前向きな答弁がありました。
 子供にとって身近な存在である区市町村が子供の意見をつぶさに聞き、子供目線に立った政策を進めていくことは重要です。
 地域レベルで子供の声を聞く取組を広げていくため、ノウハウの共有、ファシリテーターの育成など、区市町村への支援を多面的に実施していくことが必要です。
 都は来年度、区市町村の意見聴取の取組を支援することとしておりますが、その具体的な支援内容を伺います。

〇田中子供政策連携室長 都は来年度、区市町村が子供の居場所で様々な声や思いを聞き、施策へ反映させ、その状況等を子供へフィードバックする取組への補助制度を創設いたします。補助基準額の上限を五百万円、初年度は補助率十分の十とし、三年間継続的に支援いたします。
 また、子供からの意見聴取や政策への反映に必要なノウハウ等をアドバイスする相談窓口を設けるとともに、自治体職員が意見聴取の意義等を学ぶ講座や、子供が安心して意見をいえる環境づくりに不可欠なファシリテーターを育成する研修を行います。
 これらによりまして、子供の声やニーズを反映した政策を都内全域に広げてまいります。

〇中山(詩)委員 区市町村にとって非常に心強い支援事業となることが確認でき、安心できました。より多くの区市町村がこの事業を活用し、一人でも多くの子供に対して、幅広い意見聴取の機会が創出されることを期待しています。
 続いて、教育政策について伺います。
 子供一人一人が将来に希望を持ち、東京、そして世界で活躍できる力を身につけられる教育環境を整えることが今の都政に強く求められていると感じております。
 まず初めに、都立高校生の国際交流についてですが、先日の本会議での我が会派の代表質問において、教育庁では、これまでの一週間の海外への生徒派遣の充実に加え、新たに三週間海外に滞在するプログラムを開始するとの答弁がありました。
 そこで、本会議の代表質問でも答弁のあった都立高校生の海外派遣事業について、人数や内容の両面から充実することが必要と考えますが、教育庁の見解を伺います。

〇坂本教育長 将来の東京を担う都立高校の生徒が世界を舞台に活躍する力を高める上で、海外の同世代と交流する機会等の充実を図ることは重要でございます。
 このため、都教育委員会は来年度、国際交流に意欲的な都立高校の生徒が海外で現地の高校生や大学生と一週間程度の交流を図る取組を拡充いたします。
 具体的には、参加のできる生徒を約一割増やし、三百三十名以上とするほか、訪問する国も新たに加えます。
 また、全ての都立高校を対象に百九十二名の生徒が三週間にわたり海外に滞在するプログラムを開始いたします。
 この取組では、生徒はホームステイをしながら現地の高校での授業参加や様々な文化施設への訪問も行います。

〇中山(詩)委員 日本国内では得ることのできない海外での貴重な体験により、参加した生徒たちが将来、世界を舞台に活躍する人材となっていくものと確信しております。
 生徒たちが実り多い時間を過ごせるよう、社会情勢を十二分に注視し、安全な実施に努めることをお願いいたします。
 次に、急速に進化を遂げる生成AIなどは、かつてないスピードで我々の生活に浸透しています。このような時代には、多様な他者と協働しながら、生成AIを含めたデジタル技術の活用をして、社会課題の解決策を見いだしていくことがより一層重要になると考えます。
 将来、生成AIに対応できる人材を都立高校から数多く生み出すためには、既に高度な知識を持つ人材への重点的な支援に加え、多くの高校生にプログラミングを学ぶ機会を提供する取組が必要であると考えますが、都の見解を伺います。

〇坂本教育長 社会や経済のデジタル化の進む中、将来の東京を担う都立高校生が最先端の生成AIの技術を学び、活用できるよう後押しをすることは重要でございます。
 このため、都教育委員会は来年度、生成AIに関心や興味を持つ都立高校生を対象に、様々な知識や技術を学ぶ機会を設けます。
 具体的には、生成AIに関し一定以上の知識を持つ生徒四十名を募り、専門家が三か月間にわたり、きめ細かい助言等を行います。これによりまして、生成AIを組み込んだアプリを作成し、その成果を発表する場も設けます。
 また、そうしたアプリの作成に興味を持つ百五十名の生徒向けにワークショップを行い、プログラミングの学習や動作確認のできる力の習得を支援いたします。

〇中山(詩)委員 高度な技術を持つAI人材の育成と併せて、安全にAIを使いこなせるよう、リテラシーについて学ぶ機会をつくっていただくことも要望し、次の質問に移ります。
 二月十九日の東京都教育委員会への報告で、新たな教育のスタイルの実施校(仮称)を令和十一年度に開校することが報告されました。
 先ほどの海外派遣事業などとも組み合わせて、学生時代にはできるだけ学校の外に出て、社会の現場で多様な生き方、考え方に触れ、自ら考えて行動できる力を育むことが重要であると考えます。
 そこで、新たな教育のスタイルの実施校の教育方針の考え方を伺うとともに、プラチナ・カリキュラムに社会の様々な分野の最先端の内容を取り入れていくべきと考えますが、見解を伺います。

〇坂本教育長 新たな教育のスタイルでは、デジタルとリアルを組み合わせた教育によりまして、将来の世界を生き抜く力を育む取組を不可欠としております。
 新しく令和十一年度に開校する学校では、こうした考え方に基づき、教育を行う方針としております。
 今後の世界の見通しが困難さを増す中、自分の考えを突き詰め判断をする自己デザインの力の育成や、創造性を持ち多様な人たちとの協働を重視する教育を行います。また、これからの世界で必要となる最新の知識を学ぶ機会を確実に設けます。
 このため、生成AIや行動経済学等に関するデジタル教材に加えまして、来年度、新たに最先端の分野の五つの教材開発を進め、授業での活用につなげてまいります。

〇中山(詩)委員 教育は、教育方針やカリキュラムだけで成果が生まれるものではありません。生徒の学びに伴走し、教育理念を日々の授業として具体化していく、その中核を担うのは現場の教員です。
 新たな教育のスタイルは、前例のない取組であることから、それを担う教員を育成するための基盤づくりが必要であると考えますが、見解を伺います。

〇坂本教育長 新たな教育のスタイルでは、子供たちが自分の考えを突き詰め判断をする自己デザインの力を伸ばす取組を進めます。
 このため、教員も様々な内容の授業を生徒に応じ最適に組み合わせる力を高めることが不可欠となります。そうした教員の能力の強化に向け、都教育委員会は来年度より、研究と研修を一体的に進める体制を導入いたします。
 具体的には、AI等のデジタルとリアルを組み合わせる方法や、世界的に活躍する著名な人材に係る授業での活用などを研究し、研修を通じ教員に伝えます。
 また、今年度においてモデル的に取り組んだデジタル教材の活用の成果等を反映した十四の研修も新たに実施をいたします。

〇中山(詩)委員 研修制度を充実させ、基盤づくりを進めることが分かりました。
 しかし、教員が安心して働き続けられる環境がなければ、学校教育の質の向上を図ることはできません。
 特に重要なライフイベントである出産、育児に際しては、都としても育業の取得を推進していることから、学校現場においても取得しやすい環境整備が必要です。
 教員が安心して産休や育業を取得するためには、代替となる教員の確保が重要であります。そのためには、臨時的任用教員や時間講の候補者を増加させることが必要と考えますが、都教育委員会の見解を伺います。

〇坂本教育長 公立学校で産休や育業に入りやすい環境をつくる上で、仕事を引き継ぐ教員の確保を効果的に行うことは重要でございます。
 都教育委員会では昨年十月、教員の魅力を発信するイベントを開きまして、教職を志望する社会人等に臨時の採用の仕組みを紹介いたしました。また、民間の大規模な転職フェアに年間三回出展し、個別相談も実施をしております。
 これらに加えまして、来年度は、教員の資格を持ちながら教職の経験のない方などに、公立学校での就業を働きかける五百人規模のセミナーも開催いたします。
 こうした取組によりまして、教員の確保を着実に進めてまいります。

〇中山(詩)委員 人が輝く東京には、未来への投資が必要であり、その根幹にあるのが教育であると考えます。新たな教育のスタイルの実施校は、首都東京だからこそ推進できる事業であり、日本の教育改革の第一歩となると大変に期待をしております。
 未来ある子供たちの利益を第一に考えつつ、現場を支える教員の皆さんが安心して働ける環境を整えていくよう強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 登録販売員制度について伺います。
 国は、薬局における登録販売者制度を二〇〇九年から導入しました。この制度は、薬剤師不足への対応や、一般用医薬品の販売体制を強化することを目的としております。
 近年、オーバードーズ問題も深刻化しており、若年層を中心に健康被害が報告されています。登録販売者に求められる知識や対応力の強化が必要です。
 全国レベルでは、外部研修ガイドラインに基づき、医薬品の適正使用や法令遵守、倫理教育を含む継続研修が義務化され、修了証の交付により信頼性を高めています。
 国の制度に加え、東京都独自の研修を義務化または推奨することで、より質の高い医薬品販売体制を構築すべきと考えますが、見解を伺います。

〇山田保健医療局長 登録販売者は、薬局等で指定の一般用医薬品を販売し、適正使用に向けた情報提供や受診勧奨を行うなどの役割を担う専門家であり、毎年度、医薬品の安全対策等の研修受講が義務づけられております。
 加えて、都は、最新の医薬品情報や課題を共有する独自の研修を実施しており、今年度は市販薬の乱用等をテーマに開催いたしました。
 今般、市販薬の過剰摂取が社会問題となっている状況も踏まえ、研修内容を充実いたします。
 さらに、関係団体と連携し、登録販売者に広く参加を呼びかけ、適切な医薬品販売体制の確保を図ってまいります。

〇中山(詩)委員 高齢化の加速に伴い、在宅療養を希望する都民は確実に増加をしております。その一方で、医療、介護の人材不足が深刻化し、住み慣れた地域での療養を支える体制強化は、まさに待ったなしの課題でございます。
 国は近年、在宅医療の体制構築に関する指針を改定し、在宅医療の中核となる在宅医療に必要な連携を担う拠点を位置づけるとともに、その機能として、退院支援、日常の療養支援、急変時対応、みとりの四分野の体制整備を求めています。都としても、この国の示す方向性を踏まえ、在宅療養を推進すべきと考えます。
 そこで、在宅療養の二十四時間体制について伺います。
 国は、地域ごとの課題に応じ、夜間、休日を含む往診体制の整備状況を把握し、必要な地域では、ルールの明確化と体制構築を進めることを求めています。
 都としても、地域ごとに夜間、休日対応の現状を精査し、医療機関同士の連携や輪番体制の導入など、二十四時間の在宅医療提供体制を構築すべきと考えますが、見解を伺います。

〇山田保健医療局長 都は、二十四時間対応可能な在宅での診療体制の構築に向けまして、地区医師会と連携し、地域の実情に応じた取組を推進しております。
 来年度は、区市町村への支援を拡充し、これまでの取組を踏まえたさらなる体制整備を進めてまいります。
 具体的には、夜間の緊急時対応を行う往診医療機関の活用や、夜間帯において医師や訪問看護師等との連絡調整を担う相談窓口の設置などの取組を新たに支援します。
 こうした取組によりまして、地域における切れ目のない在宅医療提供体制を安定的に確保してまいります。

〇中山(詩)委員 続いて、ICTを活用した情報共有について伺います。
 国は、二十四時間体制を機能させる上で、ICTを活用した多職種連携と効率化が不可欠であり、地域全体で情報を共有する仕組みの導入を強く推奨しています。
 都として、在宅医療を担う医療機関、訪問看護、薬局、ケアマネ、病院間の患者情報を円滑に共有し、地域のどこでも質の高い在宅医療が受けられる環境を構築すべきと考えますが、見解を伺います。

〇山田保健医療局長 都は、医療、介護関係者間の情報共有を促進する多職種連携ポータルサイトを運営するとともに、地区医師会と連携し、デジタル技術の活用による在宅療養環境の整備を進めております。
 来年度は、区市町村への支援を拡充し、地域におけるデジタル技術を活用した取組をさらに進めてまいります。
 具体的には、ウエアラブル機器を活用した健康観察情報の共有や、オンラインによる専門医療機関との検査画像等の共有など、在宅医療現場における医療DXを推進する取組を新たに支援いたします。
 こうした取組によりまして、在宅療養患者を支える医療体制の充実を図ってまいります。

〇中山(詩)委員 全ての世代が安心して暮らせる東京都を医療現場から構築いただくようお願い申し上げます。
 東京都の令和八年度予算案では、防災拠点の機能強化に向けた取組が進められています。首都直下地震など大規模災害への備えとして、平時から防災拠点などの整備や備蓄体制の充実を図っていくことは重要です。
 一方で、区部においては、市街地の高度利用が進んでおり、防災備蓄スペースの確保が課題となっている地域も少なくありません。
 こうした中、都立公園は、地域防災計画において避難場所や防災活動拠点として位置づけられており、災害時には地域を支える重要な役割を担う施設であります。
 そのため、都立公園において防災関連施設の整備を進め、防災機能を高めていくことは、地域防災力の向上の観点からも重要であると考えます。
 そこでまず、都立公園における防災関連施設の取組状況や今後の取組内容について伺います。あわせて、区市町村から都立公園を活用した備蓄スペース確保の相談があった場合、都としてどのように対応していくのか、見解を伺います。

〇花井建設局長 都の防災公園では、管理所の非常用電源設備や情報提供のためのデジタルサイネージ、災害用トイレなどの防災関連施設の整備を進めてまいりました。
 今後、防災機能のさらなる強化を図るため、管理所の改築等に合わせ、太陽光発電設備等の設置を進めるとともに、避難場所の運用主体である地元自治体とも調整しながら、災害用トイレの設置を拡充いたします。
 また、地元自治体から、防災備蓄倉庫の設置要請がある場合、公園の管理上支障が生じないことなどを確認した上で、適切に対応してまいります。

〇中山(詩)委員 地元板橋区においても、防災備蓄スペースの確保は難しく、都立公園の活用に対する期待は大変大きいものです。
 今後も、区市町村からの相談に対し、地域の実情を踏まえながら、自治体と連携をして、地域の防災力向上につながる取組を進めていただくことを要望いたします。
 先日、地元板橋市場を視察し、産地から集められた豊富な商品が早朝から活発な取引により流通している様子に触れ、地域を支える供給拠点であることを改めて実感いたしました。
 一方で、施設の老朽化対策が課題となっている中、現在、都では、施設整備を通じた機能強化事業を推進しており、私も基本計画を拝見しましたが、地域特性を生かした集荷力の強化など、市場本来の機能を高めるための様々な取組が示されています。
 同時に、板橋区は荒川に隣接しており、水害から区民の安全を守ることを常に考える必要があるため、基本計画に防災面の充実をきちんと位置づけて取り組むことが重要であり、私の周りの住民の方からも、水害対策の強化を求める声が強く寄せられています。
 板橋市場の機能強化における防災面の取組予定について伺います。

〇猪口中央卸売市場長 板橋市場機能強化事業に係る基本計画では、交通利便性の高い立地を生かした物流拠点化などの方向性を掲げておりまして、その中では、防災機能の強化につきましても、地域との共生を推進する観点から、重要な取組の一つとして進めていくこととしております。
 具体的には、非常用発電設備の増強や、災害時の利用も想定した太陽光発電設備の導入、浸水被害を防止するための設備の設置場所の検討などを行い、災害にも強い施設づくりに取り組んでまいります。

〇中山(詩)委員 先日、地域の皆様に市場を開放する板橋市場プチマルシェが有機野菜の取扱い拡大を目指す市場業者の取組のPRも兼ね初開催され、私も参加いたしました。
 雪がちらつく寒さの中、有機野菜はほぼ完売し、地域の飲食店やキッチンカー、近隣大学の学生が参加し盛り上げるなど、継続開催が期待されるほど好評だったと聞いております。
 マルシェ開催や有機野菜の取扱い拡大は、市場と地域を結びつけ、板橋市場の特色や独自性を一層高めるものであり、積極的に推進すべきと考えます。
 そこで、機能強化におけるマルシェ実施の意義と今後の方向性を伺います。

〇猪口中央卸売市場長 板橋市場では、青果物の広域流通拠点としての機能強化に向けまして、特色ある取組として、卸売業者が有機農産物の流通拡大を図る事業に着手したところでございまして、都は、マルシェでのPR等を通じて後押ししております。
 マルシェでは、来場した地域住民から、有機農産物への理解が深まり、購入の契機となったとの声が寄せられたほか、地域の事業者の皆様に協力していただくなどの成果がございました。
 今後もマルシェを継続して開催いたしまして、地域の方々の理解をより深め、有機農産物の流通機能の強化につなげてまいります。

〇中山(詩)委員 板橋市場の機能強化においては、地域に根差した特色ある取組を住民の方々と緊密に連携しながら充実させていただきたいと思います。
 板橋市場が地域の顔となることを期待し、次の質問に移ります。
 動物愛護相談センターの新設について伺います。
 知事施政方針表明では、動物愛護相談センターの板橋区への移転が発表されました。地元板橋区に新しく整備される動物愛護相談センターが掲げる、明るく開かれた、都民が多く訪れる施設というコンセプトを達成するために、具体的にどのような取組を検討しているか、都の見解を伺います。

〇山田保健医療局長 動物愛護相談センターについては、多くの都民が訪れ、開かれた施設となるよう、世田谷区にある施設を板橋区仲町のアクセスのよい都有地へ移転をいたします。
 新しいセンターでは、保護された動物を自由に見学できるスペースを設け、新たな飼い主と出会う機会を増やすなど、譲渡機能を強化いたします。
 また、絵本を通じた文化交流等に取り組む板橋区と連携し、絵本により子供が命の大切さを学べる場を設けるなど、人と動物との共生社会の実現に向けた取組を一層推進いたします。
 地域への貢献については、今後、地域の方々の意見を丁寧に聞きながら、施設の一部開放や、防災対策への協力などを検討してまいります。

〇中山(詩)委員 実現した際には、すばらしい施設になると評価いたします。一方で、全ての人にとってイメージがポジティブとは限りません。
 想定される不安に対する対応について、都の見解を伺います。

〇山田保健医療局長 新たなセンターでは、周辺環境に十分配慮し、動物の臭いや鳴き声の対策を徹底するほか、保護している動物が逃げ出すことがないよう万全を期してまいります。
 また、建設工事に当たりましては、工事用車両の通行や工事現場の管理など、安全対策を徹底してまいります。
 こうした対策等につきましては、地域の多くの方々へ丁寧に説明するため、先月に引き続き、今月も説明会を開催いたします。
 来年度以降、継続的に意見交換を行う場を設け、地域の意見も踏まえながら整備を進めてまいります。

〇中山(詩)委員 地域住民と丁寧にコミュニケーションを取りながら、区民、都民に喜ばれる施設になることを期待し、最後の質問に移ります。
 東武東上線の連続立体交差事業について伺います。
 鉄道の連続立体交差事業は、踏切除去による交通の円滑化のみならず、防災性の向上や、駅周辺のまちづくりの推進など、都市基盤整備として重要な役割を担っています。
 板橋区の東武東上線中板橋駅周辺では、大山駅付近で高架化された後に、一度地上へ下り、その後、ときわ台から上板橋駅付近までの区間は、鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられています。
 地域からは、防災性の向上やまちづくりの観点から、鉄道立体化と併せた都市基盤整備を望む声が多く寄せられています。
 区施行の連続立体交差事業であっても、都が補助を行い、まちづくりと一体となった整備を支援してきた事例があります。
 こうした事例も踏まえ、区と連携しながら、防災性向上やまちづくりの観点から、中板橋駅周辺における鉄道立体化について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

〇谷崎東京都技監 区施行連続立体交差事業費補助につきましては、地元区が施行する連続立体交差事業に対しまして、その経費の一部を都が補助することにより、事業の推進を図りまして、交通渋滞や地域分断の解消等を目的とするものでございます。

〇内山副委員長 挙手をして。

〇中山(詩)委員 こうした事情も踏まえ、区と連携しながら、中板橋駅周辺における鉄道立体化について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

〇谷崎東京都技監 中板橋駅付近は、平成十六年に策定いたしました踏切対策基本方針におきまして、鉄道立体化以外の対策の検討対象区間に位置づけられております。
 鉄道立体化の検討に当たりましては、地元区によりますまちづくりや交差する道路整備計画の具体化が重要でございます。
 板橋区では、昨年三月に中板橋駅周辺地区まちづくり協議会が設立され、地域の方々により、地区の現況、課題や将来のまちづくりに関する検討が行われております。
 都といたしましては、これらの動向等も踏まえながら、適切に対応してまいります。

〇中山(詩)委員 ありがとうございます。中板橋駅周辺は、防災性の向上とまちづくりの推進の両面から、今後の地域の発展にとって極めて重要な地域であります。都としても、区と連携しながら、具体的な支援の可能性について、ぜひ検討を進めていただくことを強く要望いたします。
 本日は、最年少都議会議員として、また、都民ファーストの会の若者PTの座長として、一般質問の場に立たせていただきました。
 今回の質問では、若者PTでの視察を通じて聞いた若い世代の声や、地域活動、SNSでいただいたご意見、また、二十代である自分自身が日頃の生活の中で感じた問題意識などから質問をさせていただきました。東京都と都議会が両輪で社会課題を解決することを実感いたしました。
 私は、同世代の一人として、都議会議員という与えられた役職に真摯に向き合い、政策提言を続けていくことをお誓い申し上げて、質問を終わります。(拍手)

〇内山副委員長 中山詩都委員の発言は終わりました。