予算特別委員会速記録第二号〔速報版〕

   午後五時五分開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 中田たかし副委員長の発言を許します。

○中田委員 それではよろしくお願いいたします。
 まず初めに、この国内外で起きている問題について、知事の基本姿勢について伺っていきたいと思います。
 アメリカとイスラエルによるイランへの軍事行動と報復の連鎖により、民間人、とりわけ子供たちの命と生活が脅かされる事態となっており、大変憂慮しております。
 アメリカによるイラン攻撃の都内経済、都民生活への影響について、知事の見解をまず伺います。

○小池知事 現在起きていることは、日本にとりましても人ごとではございません。ホルムズ海峡は、いうまでもございませんが、我が国のエネルギーを支える生命線です。事実上の封鎖が長引くこととなりますと、経済、そして為替はもとより人々の暮らしにも直接的な影響が懸念されるところでございます。
 いつも申し上げておりますが、国民の命と財産を守るという安全保障については国家の要諦でございまして、国においてしっかりと対応していただきたいと思います。
 また、今回、この定例会に提案いたしております最終の補正予算ですが、当初予算には長引く物価高騰の影響から都民の暮らしを下支えするための支援策を既に盛り込んでおりますので、そうした支援策を都民、事業者の皆様に迅速かつ確実に届けていくということが重要なのは、もういうまでもございません。

○中田委員 今、知事から様々ありましたけれども、やはり国の事項ということもありますけれども、知事は日頃より、中東諸国の都市と活発的な都市外交に取り組んでいます。
 先日もイスラム諸国の外交団との情報連絡会も開かれておりますから、その関係構築を、ぜひそれを都民の生活に、都民のために役立てていただきたいと思います。
 既に原油価格の取引価格も上昇しており、中小企業や都民生活への早急な支援策が必要です。先ほど来、知事もありましたけれども、最終補正で組んでいるという話もありますが、やはりウクライナ危機のときとかでは、さすがに耐えられないというところで、補正予算などを追加で提出するなどというような対策も行ってまいりました。
 やはり今回のこの定例会中にでも補正予算を編成し、追加で提案するなど迅速な対応を求めますが、見解を伺います。

○山下財務局長 都はこれまでも、物価高騰の影響から都民や事業者を守るため、必要な対策を講じており、令和八年度当初予算におきましても、水道料金に係る基本料金無償臨時特別措置などの都民生活の応援や、中小企業への賃上げ、価格転嫁対策など、重層的な対策を講じております。
 今後、都民や事業者への影響など、状況を注視してまいります。

○中田委員 状況を注視していくということなので、できるだけ早い対応をお願いいたします。
 先ほど知事の都市外交に触れましたけれども、知事以外の特別職や各局長も最近では海外に出張に出かける機会が多いように思っております。
 私たちは、都幹部だけではなく職員も積極的に海外を訪れ、学びを得て、都の技術や経験をしっかりと伝えてくる。そして、さらに様々学んでくることが必要だと思っておりますし、私たち議員も海外視察を行ってしっかりとその事例を都へ提言していかなければいけないと考えております。
 しかしながら、やはり税金で行くからには行きっ放しというわけではいけません。特別職や局長の海外出張の状況は東京都のホームページには載っておりますが、よくよく探さなければ見つからないような状況ですし、一般の方がこれを探していくというのはなかなか困難な状況だと私は考えております。
 情報公開は知事の一丁目一番地ですから、知事をはじめ、特別職及び各局長の海外出張の活動内容、その成果は、一元的に、速やかに分かりやすい形で都民に公表すべきと考えますが、見解を伺います。

○佐藤政策企画局長 都は、知事の海外出張について、訪問先や活動内容、その成果を出張後速やかに、都庁総合ホームページの知事の部屋において分かりやすい形で公表しております。
 また、副知事や各局長などの海外出張についても、あわせて、情報公開ポータルサイトにおいて一覧形式で一元的に公開しております。
 引き続き、速やかで分かりやすい情報提供を行ってまいります。

○中田委員 引き続きのやり方で取り組んでいくという話でしたが、それだと分かりづらいので、あえて申し上げさせていただきました。ぜひ改善に取り組んでいただきたいということを申し上げさせていただきます。
 次に、核のごみについて伺います。
 原発から出る放射性廃棄物、核のごみの最終処分場選定をめぐり、国は東京都小笠原村の南鳥島での文献調査実施に向け、小笠原村へ申入れを行いました。
 核のごみの最終処分は全国的に非常に重要な課題であり、国民的な議論が必要です。
 全国で四か所目となる小笠原村での文献調査が行われれば、東京都内における最終処分場の建設へとつながる可能性も出てきます。
 法律では文献調査の受入れ自体は基礎自治体が決めることとされています。しかし、その先の概要調査以降は広域的リスクの観点からも、都道府県知事の合意が必要とされています。
 そのことからも知事の意見や同意が重要であり、都民合意のために透明性の高いプロセスが必要となってまいります。
 小笠原での文献調査について、知事が事前に知っていたのかも含め、核のごみの問題について、知事の見解を伺います。

○小池知事 まず本年一月、経済産業大臣から全国の都道府県知事に対しましてレターが発出されております。最終処分地の選定に向けた調査について、各地域に協力を要請していくという内容でございましたので、その旨、承知をいたしております。
 その後、二月に小笠原村に対しまして、調査に関する説明の打診があったという時点で、国から都にも情報提供がございました。
 最終処分の課題についてですが、将来世代に先送りができない問題でございます。そして、原子力行政の中で国が責任を持って対応すべきことでございまして、一方で、また日本全体で解決に取り組むべき喫緊の課題でもある、このように考えております。

○中田委員 文献調査の次のプロセスである概要調査地区については、国はこれまでも、当該の都道府県知事または市町村長の意見に反して選定することはないとしています。
 北海道では、道内に最終処分場を受け入れる意思がないとの考えにより、北海道における特定放射性廃棄物に関する条例を平成十二年に制定し、考え方を示しています。
 いずれにせよ、東京都においてもしっかりと時間をかけて、島民、そして都民の意見を聞き、検討を行っていく必要があると考えております。
 次に、令和八年度予算案における成果指標について伺ってまいりたいと思います。
 予算案のグリーンブックでは、政策評価における事業ユニットの一覧及び主な成果指標が示されていますが、これらの設定はどのように決めていかれたのか、お伺いをいたします。

○山下財務局長 政策評価の対象となります事業ユニットは、各施策の成果や進捗状況等を踏まえ、さらに踏み込んだ見直しが必要と考えられるものや、関連する計画が改定時期にあるものなどにつきまして、事業の所管局と財務局とで見直しの必要性などの課題認識を共有しながら、評価対象として設定しております。
 また、成果指標につきましては、各政策分野におきまして、それぞれの事業ユニットが目指すべき目標に対して、原則として定量的に把握できる指標を設定しているところでございます。

○中田委員 大枠の考え方を聞きました。定量的に把握できる指標設定とのことなので、ここからは具体的な例を挙げて質問をしていきたいと思います。
 例えば事業ユニットとして、介護需要に対応した施設整備の推進を掲げ、その成果指標を特別養護老人ホームの整備、定員確保数としていますが、ここに関しては、私はむしろ特養の待機者ゼロを成果指標として、在宅サービスの充実や特養の整備に取り組む方が指標としては正しいのかと思っておりますが、なぜこの指標にしたのか伺います。

○高崎福祉局長 高齢者が、介護が必要となっても住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、施設サービスや在宅サービスなどの介護サービス基盤をバランスよく整備することが重要でございます。
 都は、特別養護老人ホームについて、区市町村が地域の介護ニーズを踏まえて算定した入所者数の見込みに基づき、令和十二年度末までに六万四千人分の定員を確保することを目標としておりまして、施設整備費の補助や土地賃借料の負担軽減などの支援を行い、着実に整備を推進しています。

○中田委員 数の確保も重要でありますが、複合的に介護を受ける方のニーズに合った整備を行っていってもらいたいと思っております。
 事業ユニットの不登校対応の成果指標を学校復帰率としているところもあります。不登校対応は学校復帰を目指すのではなく、例えば専門家や支援員と継続的につながりを持っている子の割合とするなどとした方が適切ではないかというところなどもあります。
 このことからも、指標の達成状況等についての課題についてではなく、指標そのものが適切であるか、問題の捉え方、向き合い方も含めた検討を行い、開かれた議論を行って認識を深め、より適切な、効果的な事業ユニットと成果指標を設定した取組を求めるものですが、見解を伺います。

○山下財務局長 政策評価における事業ユニットや成果指標につきましては、評価対象や指標の妥当性を確保する観点から、複数の外部有識者による意見を伺っておりまして、これらを踏まえ、毎年度設定しております。
 また、透明性を確保する観点から、評価票と併せまして、各種指標の設定の考え方など、外部有識者からの意見と都の対応方針を公表しているところでございます。

○中田委員 外部有識者の意見を伺ってとのことですが、指摘した点についてはこれからの指標づくりでぜひ検討をしていただきたいと思います。
 そして、成果指標に関して、グリーンブックでは、介護離職者対策が前年度の一億円から二十七億円へと大幅にアップをしておりますが、介護離職者対策は、小池知事がかつて公約で介護離職ゼロを掲げていたこともある課題です。
 そこで、介護離職者対策のKPIないしは成果指標についてどのように考えているか、見解を伺います。

○田中産業労働局長 介護に直面する中にあっても、望む方が安心して働き続けられる社会を目指し、環境を整備することは重要でございます。
 そのため、従業員が介護休業を取りやすい取組を行う企業への奨励金におきまして、来年度は相談窓口の設置や研修の実施など、複数の環境整備を実施した場合に加算を行うなど、介護と仕事の両立に向けた多面的な支援を進めることとしてございます。
 また、介護サービス基盤の整備とともに、来年度は、特別養護老人ホームでの医療的ケアが必要な高齢者の受入れ促進に取り組みます。
 さらに、介護人材の確保等に向けた様々な取組を進めているところでございます。

○中田委員 介護に直面する中にあっても、望む方が安心して働き続けられる社会を目指し、環境を整備していくことは重要だということは分かりますが、それを税金をかけてどれだけ行っていくのかというところで成果を得たか、それが、先ほどの財務局長の答弁にもありましたけれども、定量的に測っていくかということが必要であると考えております。
 ましてや、知事はその数値目標、介護離職者ゼロを公約に掲げて選挙を行ったわけですが、この点は引き続き指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、事業評価による財源確保について伺います。
 都は令和八年度予算案の編成において、千六百四件の事業評価を行い、一千三百五十億円の財源を確保したとしています。
 私たちはこれまでも工事の終了など、当然に減少したものを全額財源確保に算入するのはおかしい、創意工夫で工事費用を圧縮できたのであればその圧縮額のみを財源確保にすべきだと求めてまいりました。無駄をなくし、最小限の経費で最大の効果を上げるための努力が必要だからだと考えております。
 令和八年度予算編成においても、一千三百五十億円の中には、事業の重複を見直し、事業を統合したもの、経費の精査が行われたものがあります。
 しかし、評価事業の千六百四件の中を見てみると、例えば、公社既存住宅への太陽光発電設備事業、協定期間終了による事業終了で十一億円、そして、帯状疱疹ワクチンの定期接種化に伴い一年限りでの自己負担を補助する事業など、事業終了で十一億円などと、一見すると財源確保の努力を行ったものでないものが算入をされております。これはどういった理由で財源確保に算入しているのか、見解を伺います。

○山下財務局長 事業評価では、全ての事業に終期を設定し、事後検証を徹底するとともに、的確な進捗管理を図ることで、事業の見直しや適切な終了につなげておりまして、こうした取組により、工事なども含めて生み出した財源を確保額として計上しているところでございます。
 具体的に申せば、現下の資材価格の高騰ですとか人手不足、さらには暑さ対策といった不可逆的な工期が延びてしまう状況など、様々な環境も踏まえて適切に進捗管理を実施しておりまして、計画どおり終了させるよう努めることで、生み出した財源を、まさにスクラップ・アンド・ビルドの観点から、翌年度の施策展開に活用しております。

○中田委員 令和八年度は世界陸上の終了や、デフリンピックの終了に伴う関係費用の減なども事業評価による財源確保とされております。大きな疑問があるといわざるを得ません。
 真摯に事業の経費の精査に取り組んでいた部分もあるだけに、このようなことが行われているのは本当に残念だと考えております。改めてこのやり方は見直すべきであり、強く主張をし、そして続きは財政委員会の方で行っていきたいと思います。
 次に、観光振興、宿泊税、カジノについて伺ってまいります。
 宿泊税の税収について、我が会派の中山議員の観光客、事業者、住民が持続可能に共生する財源にすべきとの一般質問に、都は、宿泊税条例の改正案で、都の観光施策に関する計画に基づく事業を使途の範囲と定め、施策領域の明確化を図ると答弁をしました。
 来年度予算案では、改正前の宿泊税八十一億円の使途として、観光と生活の調和、二十億円、受入れ環境の充実、二十七億円などが計上をされています。
 今定例会に条例改正が提案、審議されているところですが、令和八年度予算案にある宿泊税の使途は、この改正後に示されている使途の施策領域の明確化を図ったものなのか、伺います。

○武田主税局長 目的税である宿泊税の使途については、多くの方から納得いただけるものとすることが重要でございます。
 そのため、今回の条例改正案では、都の観光施策に関する計画に基づく事業を使途の範囲と定め、施策領域の明確化を図ることとし、令和九年度の条例施行を目指し、今後、取組を進めてまいります。
 なお、令和八年度予算においては、こうした改正の趣旨も踏まえ、宿泊税の全額を観光振興施策の財源に充当し、その内訳についても積極的に発信をしております。

○中田委員 現時点では、条例は改正案であるものの、改正の趣旨に沿って予算案を提案されているということを確認させていただきました。であれば、予算案に啓発三億円などのキャンペーン的なメニューが含まれていることには違和感があります。
 私は、広く経済効果が見込まれたり、PRに係る施策は一般財源を充てるべきで、宿泊税の税収は、ごみ箱設置、混雑緩和など、地元が直面している課題解決に直接作用するもの、税の負担者である宿泊客の利益にかなうもの、課題への対応に優先的に充てていくべきだと考えております。
 そこで、条例改正の趣旨をしっかりと施策構築に生かすため、観光施策の検討についても、ステークホルダーの参加を得て、オープンにすべきと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 都は、観光産業振興の方向性や主な施策展開を体系的にまとめたプランを作成しておりまして、これにより、東京の観光産業の持続的な成長に向けた取組を推進しております。
 プランにつきましては、観光関連事業者や区市町村のほか、観光に関する知見を持つ有識者などによる議論を踏まえ、パブリックコメントを実施した上で策定しております。

○中田委員 いろいろな意見を聞いて、プランをつくっているとのことですが、その点は評価いたしますが、都内の観光における状況は刻一刻と変化をしています。
 プランをつくったからそれでやるというわけではなく、しっかりとその状況も踏まえて区市町村の意見を聞き、宿泊税の使途への反映をお願いいたします。
 さらに、徴税事務を担う現場のホテルの業界団体からは、徴税額の増加により、その支払いに係るクレジットカード手数料の増加などが経営の負担となることから、特別徴収義務者への交付金、奨励金の上限額撤廃と支給率の見直しを求める声が上がっています。こうした要望についてどのように対応するのか、伺います。

○武田主税局長 宿泊税制度の円滑な運営に当たっては、特別徴収を担う宿泊事業者の皆さんのご理解とご協力が不可欠となります。
 そのため、現在、交付率二・五%、年間百万円を上限としている特別徴収交付金につきまして、交付限度額を撤廃いたします。
 加えて、申告納入手続における申告頻度の緩和など、特別徴収に係る事務負担の軽減にも着実に取り組んでまいります。

○中田委員 業界団体からはこれ以外も様々な要望が出ておりますから、しっかりとその団体に寄り添った対応を求めておきます。
 次に、臨海会計に計上されているODAIBAファウンテン、東京アクアシンフォニーについて質問をいたします。
 令和八年度予算には二億円が計上されておりますが、この支出内容についての説明を求めます。

○田中港湾局長 令和八年度予算案では、噴水の運営費として二億円を計上しており、内容として、安全対策費、清掃補修費、水道料金、電気料金、演出プログラム作成費、水質環境調査費を予定しております。

○中田委員 その中でも、この演出次第とされていた水道の使用量はどれくらいなのか、また水道代は幾らか、そして減免の有無も含めて伺います。

○田中港湾局長 上水を利用する高射噴水は、演出の中で効果的に活用することとしておりまして、水道使用量は令和八年度予算では年間約三万四千立方メートルを見込み、算定しております。
 水道料金につきましては減免の適用はなく、令和八年度予算では、年間約一千五百万円を予定しております。

○中田委員 今、答弁にもありましたけれども、年間で一千五百万円もの水道代金を使うということで、まさに驚きの数字ではありますけれども、今、東京においては、東京、神奈川、川崎で分水協定を結んでおり、毎日、日量で二十二万立方メートルの分水を受けています。
 このたび神奈川県から、県内の水事情が激しく今減っており、貯水量を温存する必要があるため、三月五日からは、分水量が全体水量の五〇%に削減することとなっており、今、水道局からも節水を求められている状況であります。
 やはりこうしたことからも、こうした水道をどんどん使っていくことに関してもしっかりと都民の理解が必要であると考えております。
 また、都はこれまで、税金を使っていないとの主張でしたが、お金の出どころである東京都臨海地域開発事業会計は、埋立事業の収支等の管理を明確にするために都が設置した経理区分であり、紛れもなく公金です。噴水は今月から稼働するとのことですが、その効果検証がしっかりと必要だと考えておりますが、見解を伺います。

○田中港湾局長 臨海地域開発事業会計は企業債の発行により調達した資金を原資として設置した会計でございます。
 本会計は埋立工事や都市基盤整備を進め、価値が向上した土地の売却、貸付けを行うことで、開発に必要な収入を生み出し、臨海副都心の魅力を高めるまちづくりを行う仕組みとなっております。
 噴水は臨海副都心のプレゼンス向上とさらなるにぎわい創出のために整備するものでございまして、進出事業者との連携により、回遊性の向上が期待できることがございます。
 経済波及効果は、年間約九十八億円が見込まれてございます。臨海副都心への来訪者数や経済波及効果については、継続的に把握していくこととしております。
 それから、先ほど渇水のお話もございましたけれども、状況に応じまして、高射噴水を使用せず、演出内容を一部変更し、海水を使用する桜噴水のみで演出を行うことも、そのときには考えて検討してまいります。

○中田委員 今、ご答弁ありましたけれども、経済波及効果は九十八億円を見込んでいるということですが、今月から始まりますから、この点についてはしっかりとこれからもチェックをしていきたいと思っております。
 続いて、一般会計から支出している都庁舎におけるプロジェクションマッピングについて質問をいたします。
 都が直接実施すべき仕事かどうかは甚だ疑問であり、巨額の予算を投じていることについても疑問があります。
 私たちは再三指摘してきた都庁舎におけるプロジェクションマッピングについて、令和八年度予算案には七億六千万円が計上されています。この支出内容についての説明を求めます。

○田中産業労働局長 本事業の予算のうち、映像制作やPR関連等の経費として約二億三千万円を見込んでおり、その積算に当たり試算した内訳は、コンテンツ三本の制作費が八千万円、警備費が三千万円、広報費が三千四百万円、運営費そのほかが八千五百万円となっております。
 また、機器のリースや保守の経費として約五億二千万円を見込んでおり、その積算に当たり試算した内訳は、リース費が四億五千五百万円、保守点検費が六千六百万円となっております。
 このほか、事務局経費として一千万円を見込んでおります。

○中田委員 内訳を聞いておりますと、一つ一つにそんなにお金がかかっているんだというところでまたびっくりするところではありますけれども、特にコンテンツ代です。ここまで私も庁舎からこのプロジェクションマッピングを見ておりますけれども、多くのコンテンツが作成されていると思います。常に新しい魅力的なコンテンツを投入することで集客を高めるということであれば、今後、毎年これだけの予算がかかっていくのかということを改めてお聞きをいたします。

○田中産業労働局長 都庁舎のプロジェクションマッピングは、国内外で人気の高い映画やアニメを活用した作品等を上映することにより、繰り返し訪れる観光客や新規の来訪者の確保に結びつけております。
 一方で、上映作品の数が増えてきたことから、新たに制作する作品の数については、毎年度見直すなど、予算の精査を適切に行っておりまして、令和七年度以降、本事業の予算は減少しております。

○中田委員 予算を精査して、減っているということですが、やはりしっかりとした評価、効果検証を強く求めるものですが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 都庁舎のプロジェクションマッピングは、観覧者が累計で百二十三万人を超えまして、今年度は、前年同期比で約四割増えるなど、都民広場に新たなにぎわいを生み出しております。
 経済波及効果は、東京都産業連関表を用いた分析ツールでの試算によると、映像制作や観覧者の観光消費による効果等につきまして、令和六年度の決算額約九億四千万円に対し、約二十六億四千万円となっております。
 観光事業者等による旅行商品の販売や飲食イベントの開催なども見られ、観覧者アンケートによれば、九割以上が周辺で食事や買物を楽しんでおります。
 引き続き、適切に効果検証を行い、事業を進めてまいります。

○中田委員 今答弁にありましたけれども、この観覧者アンケートなどは現状公開されておりませんから、そうしたものもしっかりと公開をしていただき、効果検証を行っているというのであれば、その情報をしっかりと都民の目に見えるようにしていくべきだと考えておりますので、その点、しっかりと要望をさせていただきます。
 次にIR、いわゆるカジノについて質問をいたします。
 私たちは東京にカジノは要らないという立場から誘致は断念し、調査予算の計上をやめるべきだと、これまで何度も求めてまいりました。
 この間もこの予算は五年もの間、未執行となっております。令和七年度はこの調査予算は執行したのか、また未執行であれば、その理由について伺います。

○田中港湾局長 今年度のIR調査予算は、現時点では執行してございません。コロナ後の社会状況等を踏まえ、海外IRの動向やギャンブル等依存症対策など、検討に必要な情報収集等を行っております。

○中田委員 現時点で執行していないということですから、もう今年度はきっと執行しないんだろうなと思っております。六年間も執行しない予算をまた次の年の予算に入れてくるということは、やはりどう考えてもおかしいといわざるを得ません。
 財務局としても予算を精査して、様々なところからワイズスペンディングだといっている状況で、この予算を毎年度、毎年度計上していくことが本当に必要なのか、また本当にこれ調査を行うつもりがあるのか伺います。

○田中港湾局長 IRについて検討を行う上で、IRに関する動向やギャンブル等依存症への取組等について適切な調査を行うため、令和八年度、必要な予算を約一千万円計上しております。

○中田委員 この質問をすると、もうギャンブル依存症のこの検討を行っていく、またメリット、デメリットを検討していくという答弁がずっと続くんですけれども、繰り返しになりますが、ここまでずっと使ってきていない予算を来年もまた一千万円計上すると。そんなに調査がしたいのであれば、使うときに補正予算を組むなど方法は幾らでもあると思っております。
 毎年毎年、使わない予算を計上し続けてきている。これまで何度も指摘してきておりますが、この現状ですから、私たちとしてはいつかカジノを誘致したいんだというところでうがった見方になってしまいますし、カジノについては愛知県が先月からカジノの誘致に向けての検討を再開しております。
 全国的にカジノ誘致で動きが出てきておりますこの状況で、やはりこの予算、この来年度予算は知事の名前で提案をされています。予算を提案している現段階において知事はカジノの誘致についてどう考えているのか、見解を伺います。

○田中港湾局長 IRについては、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待される一方で、ギャンブル等依存症など懸念の声もあると承知しております。
 都はIRについて、メリット、デメリットの両面から総合的に検討を行っているところでございます。

○中田委員 ここはしっかりと知事に答えていただきたかったんですけれども、やはり港湾局長が答えるというところで、そもそもこれ私も何度もいっておりますが、なぜ港湾局長がこの質問に答えるのかというところからこの疑問は始まってまいります。
 この臨海部にカジノをつくりたいのか、そんなことで、やはりそうした見方もされてしまいますからこそしっかりと予算を提案している知事に答えていただきたかったですし、やはり繰り返しになりますが、毎年毎年使わない予算をずっと積み続ける、未執行で終わっていく、こんなことが財務局として許していいのかっていうところも含めて、今後都庁全体で考えていただければと思いますのでよろしくお願いいたします。
 続いて、このように執行もしない予算を計上し続けているのではなくて、また、都の関係団体に出捐された多額のお金が放置をされていたという問題もあります。
 包括外部監査では、環境公社について指摘がありましたけれども、令和七年の行政監査報告書を見ると、観光財団において監査日である令和七年十月十日現在、令和六年度事業を終了した基金が百三十六億円滞留していたため、多額の資金が基金に滞留することがないよう検討することと意見が記載をされております。
 多額の資金が滞留していた理由と、今後このようなことがないようにすべきと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 本事業は、コロナ禍において、都内観光を促進するため、旅行商品を販売する宿泊事業者や旅行事業者に対し支援を行ったものであり、事業終了後に、東京観光財団から残金の返還を受けることになっていたものでございます。
 一方、この間、事業者による自主返納等が見込まれていたため、事業は終了しておらず、収入事務等に係る期間や経費の見通しを立てることが困難であるとして、都に返還させていなかったものでございます。
 監査結果を踏まえ、現在、必要経費を除き、返還手続を進めており、より適正な事業運営に努めてまいります。

○中田委員 補助を受けた事業者からの自主返納が見込まれるため、会計を締めなかったとのことですが、見込まれていた返還というのは何件で幾らぐらいだったのかお伺いをいたします。

○田中産業労働局長 事業者による自主返納等が見込まれていた件数は五件で、その総額は約四千百万円でございます。

○中田委員 今、答弁にもありましたけれども、返納が見込まれていた件数が五件で四千百万円、これが返ってこないがために百三十億円以上のお金を滞留させていたということですから、やはり大きな問題ではないかと思っております。
 コロナ禍で多数立ち上げた観光支援事業でしたが、令和六年、七年になると各地で観光客の増加による弊害、いわゆるオーバーツーリズム問題が深刻化していた時期でもあり、私も繰り返し都にこの支援を求めておりました。
 基金の造成は年度をまたいだ切れ目のない施策推進を図るメリットがある一方で、急な環境変化に対応が追いつかない場合もあるのではないでしょうか。
 こうした地域の問題に対して、都からの支援が不十分な中、年度をまたいで百億円を超える資金が滞留し続け、お金を生かせない状況となっていたことは大変残念なことです。
 観光財団に限らず、不用額の算定及び都の会計への返還を適時適切に行い、お金を生かす都政にすべきだと考えておりますが、見解を伺います。

○山下財務局長 都はこれまでも、毎年度の予算編成におきまして、事業評価を通じた無駄をなくす取組の徹底に加えて、政策連携団体に対する出捐金の精査などにも取り組んできてまいりました。
 令和八年度予算編成におきましても、都は前年度の実績を踏まえ、当該年度の出捐額を精査するとともに、過年度に支出した出捐金のうち、編成作業段階で、返還可能な額を歳入計上するなど、こうした形で確保いたしました財源を必要な施策に的確に振り向けているところでございます。

○中田委員 今、やっているというようなご答弁でしたが、現実的に今監査からも指摘が入っているわけであり、その点を重く受け止めていただき、財務局だけではなく、全局的に精査をしっかりと求めるものです。
 次に、カスハラ対策について伺います。
 東京都カスタマー・ハラスメント防止条例で規定する事業者による措置等を速やかに企業へと浸透させるための補助金について質問をいたします。
 カスタマーハラスメント対策に関するマニュアルの整備に加え、カスタマーハラスメントを防止するための実践的な取組を推進し、働きやすい職場環境整備を推進するための補助金の申請が止まっています。今後どのように再開していくのか、停止してしまった原因がどこにあったのか伺います。

○田中産業労働局長 昨年十二月に実施しましたカスタマーハラスメント防止対策に関する奨励金の三回目の募集につきましては、国のシステムであるJグランツにアクセスが集中して申請ができない障害が生じたことに伴い、受付を中止したところでございます。
 このため、アクセスが集中した場合でも申請に対応できるよう、都独自のシステムを構築し、今月の十八日から受付を行うことといたしました。受付を完了した後、Jグランツを通じて審査、請求等の手続を行うこととしてございます。

○中田委員 今、十八日から再開とのご答弁がありましたが、しっかりと再開のことに関して周知をしっかり行っていただきたいと思っております。
 また、この申請についてもやはりこうしたことをやりたいという企業が多くあることから、アクセスが集中した、応募が集中したというところであると思います。
 話を聞いていると一回目、二回目は千件の応募だったのを今回二千件にしたということですが、やはりこれだけアクセスが集中して、これをやりたいという事業者の方が多いということですから、その二千件という数にとらわれずしっかりと、こうしたものをやりたい企業がしっかりやれる体制づくりというものを産業労働局には求めておきたいと思いますのでよろしくお願いをいたします。
 また、企業からは多過ぎる書類や申請却下など、やる気がそがれてしまうというような声なども聞かれております。使いやすい補助制度にすべきと考えておりますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 都は、カスハラ防止条例で努力義務としております事業者による措置等を速やかに企業等に浸透させるため、奨励金を支給しております。
 本奨励金では、申請者の事務負担を軽減するため、事業者の基本情報やマニュアルの作成など、カスハラ防止に資する取組の実施状況を確認することに必要な書類を最小限にするとともに、申請手続のデジタル化を図っております。
 また、問合せが多い事例や、書類作成上の間違いやすい箇所のチェックポイントを示すなど、円滑に申請できるよう工夫を行っております。

○中田委員 今、間違えやすいポイントなどは例示をしているというような話だったんですけれども、産業労働局だけにいってもしようがないことではありますが、やはりデジタル化の部分が、なかなかまだ整っていないのではないかなと考えております。
 東京都のしごと財団に出す書類なのに、都税事務所に納税証明書を取りに行かなければいけないとか、そうした局間の無駄を省くことが、やはりこうしたところでデジタル化を進めるためには一番優先ではないかと思いますので、この点は改めて主税局に要望しておきますので、その改善を含めて、庁内で調整をお願いいたします。
 続いて、国の改正労働施策総合推進法でカスハラ対策が強化されたことによって、都のカスハラ防止対策の推進に影響があるのか伺います。

○田中産業労働局長 都は、カスハラ対策として国の法改正に先んじて条例を制定し、昨年四月から施行しております。
 国におきましては、事業主に対してカスハラ防止の措置義務等を課す法改正を行い、本年十月一日の施行に向け、先月二十六日、法に基づく指針を告示したところでございます。
 今後、指針の運用に関する国の通知等が示される予定でございまして、引き続き、国の動向を注視してまいります。

○中田委員 都は国に先駆けてカスハラの防止条例というものをつくりましたから、この国の動向もしっかりと注視をしていただき、様々、これから整合性を取っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 カスハラの最後に、学校現場でのカスハラ対策についてどうなっているのか、見解を伺います。

○坂本教育長 都立学校に係る保護者や地域の方々からの要望が高度で複雑となり、その方法に関しても、業務に影響の出るような場合は増えております。こうした状況に適切に対応することは重要でございます。
 都教育委員会では、先月、都立学校での保護者等に係るガイドラインを作成いたしました。この中で、日頃からの関係づくりや要望等への対応ルールを示しております。
 また、保護者との面談に当たりまして、現場の実情に応じ、専門家が教員と同席するなどの対応も可能としているところでございます。
 こうした内容に応じまして、来年度、解決の容易でない要望などに関し、弁護士が学校の代わりに対応する支援等を開始いたします。

○中田委員 この点に関しては、保護者をカスタマーと捉えるかというところもありますけれども、やはり教育の現場での教員の職場の環境を守るという観点からも、引き続きの取組をよろしくお願いをいたします。
 次に、障害者施策について伺ってまいりたいと思います。
 都では、障害者グループホームの設置が進んではいるものの、重度知的障害者や強度行動障害の状態にある人など、手厚い支援が必要な人を受け入れるグループホームがまだまだ不足をしています。
 高齢化への対応や入所施設からの地域移行の受皿がなく、住み慣れた地域で暮らし続けることが困難な状況にあります。
 関係団体からこうした声を毎年聞く中で、令和八年度予算案では、補助単価と面積基準が見直され、整備が推進されることを期待しております。
 障害があっても安心して地域で暮らしていくための都の役割について見解を伺います。

○高崎福祉局長 重度障害者が地域で安心して暮らすためには、障害の特性に応じた生活基盤の整備や支援が重要でございます。
 都は、障害者・障害児施策推進計画において、重度障害者の支援に係る目標を掲げまして、グループホームにおける重度障害者の受入れを促進しております。
 具体的には、整備費の事業者負担を軽減する特別助成を行うほか、強度行動障害など、特別な支援を必要とする重度障害者を受け入れ、手厚い職員配置などを行う事業者を支援しております。

○中田委員 この点は、ぜひ関係団体の声をしっかりと聞いていただき、施策を進めていただければと思います。
 また、関係団体から、毎年、障害者グループホーム家賃の助成金額や収入基準を改善する要望が寄せられています。物価や地価の上昇がグループホームの家賃設定にも影響を及ぼしている中、都の助成金額も、所得の算定基準も、平成二十三年十月から十年以上も変わっていません。
 八年度予算に向けての要望でも、工賃が少し上がると都の家賃助成が受けられなくなるケースが出てきているとの指摘もありました。
 障害者グループホーム家賃の助成金額や収入基準の改善について見解を伺います。

○高崎福祉局長 グループホームの家賃は、建物の建設費用や賃借料などを踏まえ、運営事業者が設定しておりまして、都は、利用者の収入水準などを考慮した家賃とするよう指導しております。
 国は、低所得者の家賃負担を軽減する補足給付を行っておりまして、都は、これに上乗せして家賃助成を実施する区市町村を支援しております。

○中田委員 自分らしい暮らし方や親亡き後の住まいとしてグループホームの増設が求められている中、土地や賃料の高い東京では、最近の物価高騰により、さらに厳しい条件が重なっております。
 都有地の活用や都営住宅内での整備、空家活用の促進によってグループホームを増やすなど、促していく必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○高崎福祉局長 都は、障害者グループホームの整備を促進するため、都有地の減額貸付けを行うほか、都営住宅の空き住戸の活用を希望する事業者に対しまして、必要な手続や手順、相談窓口などを情報提供しております。
 また、既存の建物を改修し、グループホームを整備する場合の補助を実施しております。

○中田委員 続いて、障害のある子供や青少年の居場所づくり、余暇活動の充実について伺ってまいります。
 十八歳になると放課後等デイサービスを利用できなくなり、特別支援学校を卒業し、福祉施設に通所する障害者が夕方や週末に過ごす場や活動の機会が少なくなる十八歳の壁があります。
 来年度予算に障害者の居場所づくり促進事業が盛り込まれたことは評価をいたします。
 一方、事業内容は区市町村の選択によるものですから、生活介護の時間延長だけではなく、当事者のレクリエーションや余暇活動など、社会参加の選択肢を拡充することが重要です。
 障害者の居場所づくり事業において、より障害者、当事者の希望に沿う内容が実現するよう、区市町村を積極的に支援すべきと考えますが、見解を伺います。

○高崎福祉局長 都は来年度から、特別支援学校卒業後の障害者の社会参加や家族の就労継続などのニーズに対応するため、日中の通所サービス利用後の夕方の時間帯などに障害者の居場所を確保する区市町村を支援いたします。
 本事業では、区市町村が地域の実情や利用者の状況に応じた居場所づくりを進められるよう、障害の程度や時間に応じて補助するほか、看護師などの専門職の配置や送迎なども支援いたします。

○中田委員 社会参加のための居場所確保というような答弁でしたが、やはり当事者のレクリエーションや余暇活動の充実に、より一層取り組んでいただくことを改めて要望をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 次に医療、介護について伺ってまいりたいと思います。
 超高齢社会の進展を踏まえ、地域包括ケアの視点に立った地域医療体制と認知症施策についてですが、団塊世代が後期高齢期を迎え、東京は今、超高齢社会の新たな段階に入っている段階にあります。
 高齢者のみの世帯や一人暮らしの高齢者が増加する中、高齢者を取り巻く環境は大きく変化をしております。
 誰もが住み慣れた地域で安心して、尊厳を守られながら暮らし続けるためには、在宅医療や介護サービスの充実、人材確保、介護基盤の強化、そして地域包括ケアを着実に推進していくことが重要です。
 とりわけ東京では認知症のある高齢者の増加が見込まれており、本人の意思や権利が尊重され、地域で支い合いながら暮らし続けられる社会の実現が求められています。
 一方で、訪問介護や訪問看護など在宅介護サービスについては、介護人材不足や小規模事業者の経営環境の厳しさが、安定的な提供に影響を及ぼしていることも懸念をされています。
 こうした状況を踏まえ、どのような取組を進めていくのか、見解を伺います。

○高崎福祉局長 都は、介護人材の確保に向けまして、資格取得支援や居住支援特別手当を支給する事業者への支援など、様々な取組を実施してまいりました。
 来年度は、人材確保に資する人事給与制度の導入などに取り組む事業者に対しまして、新たに年間最大百万円、最長三年間、コンサルティング経費の補助を開始いたします。
 また、訪問介護事業者などの小規模な事業者の経営力の向上を図るため、経営改善や協働化などに向けた伴走型支援を試行いたします。

○中田委員 介護人材の確保は、これからの都を支えるために絶対に欠かせないものですから、物価高に対応できる、事業者の声に寄り添った支援を引き続きお願いをいたします。
 知事公約であった認知症専門病院について、令和八年度から先行実施で機能型によるTOKYOオレンジ医療システム(仮称)の創設をするとされています。身体疾患を併せ持つ認知症の方については、受入先の確保に苦慮するケースも少なくなく、地域での受入れ体制を広げていくことは重要な課題です。
 こうした中、認知症専門病院ではなく、機能型による医療体制を構築とした都の基本的な考え方と、今後の認知症医療体制をどのように充実させていくのか見解を伺います。

○高崎福祉局長 認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らすためには、かかりつけ医や病院などが連携し、必要な医療が提供されることが重要でございます。
 都は来年度、二次保健医療圏ごとに医療機関が連携し、認知症のある人を地域で受け入れる認知症専門病院機能を担うTOKYOオレンジ医療システムの構築に着手しまして、三つの圏域で先行実施いたします。
 こうした取組によりまして、医療提供体制の確保に取り組んでまいります。

○中田委員 続けてですが、具体的な体制構築はどのように行っていくのか伺います。

○高崎福祉局長 TOKYOオレンジ医療システムの構築に当たりましては、圏域内の医療資源を把握し、病院などとの調整を行う要員を拠点型認知症疾患医療センターに新たに配置いたします。
 また、身体合併症や行動心理症状が強い人などを受け入れた病院に対しまして、実績に応じた支援を行うなど、認知症のある人を地域で受け入れる体制の確保に取り組んでまいります。

○中田委員 ここまで体制づくりについて聞いてまいりましたが、認知症医療体制を地域で支えていくためには、専門的な知見を持つ医師の確保と育成が重要です。
 認知症サポート医やとうきょうオレンジドクターの育成が進められていますが、とうきょうオレンジドクターは十分に増えているとはいえない状況です。この背景を都としてどのように分析し、今後どのように拡充を図っていくのか、課題認識と支援策について伺います。

○高崎福祉局長 都は昨年度から、地域包括支援センターなどと連携して活動する認知症サポート医をとうきょうオレンジドクターとして認定しておりまして、これまでの二年間で二百四名を認定いたしました。今年度からは、この医師を活用した医療相談や同行訪問などを行う区市町村への補助を行っております。
 引き続き、認知症サポート医に対し、リーフレットなどを活用してオレンジドクターの役割や活動内容を周知しまして、認定への申請を働きかけるなど、オレンジドクターのさらなる確保に向けて取り組んでまいります。

○中田委員 今、さらなる確保に努めていくということでしたので、しっかりと取組を進めていただくことを要望させていただきます。
 令和八年度には、東京都認知症施策推進計画の中間見直しが予定をされています。これまでも認知症当事者や家族の声を丁寧に取り入れながら施策を進めてこられたことは重要であり、評価するものであります。
 認知症基本法や認知症施策推進基本計画の趣旨を踏まえ、中間見直しに当たっても当事者や家族の意見を一層反映していくことが大切だと考えます。今後、どのように取り組んでいくのか、都の見解を伺います。

○高崎福祉局長 都は、認知症のある人や、その家族に対する支援体制の構築に向けた方策について検討するため東京都認知症施策推進会議を設置しておりまして、家族の代表には平成十九年度から、当事者には令和六年度から委員として参画いただいております。
 昨年度は、推進会議における議論に加えて、当事者などとの意見交換会を計八回行いまして、丁寧に意見を聴取しながら東京都認知症施策推進計画を策定いたしました。
 来年度は計画の中間見直しを予定しておりまして、当事者の視点に立った施策を検討するため、当事者などを委員として設置した専門部会において議論を重ねてまいります。

○中田委員 当事者の視点に立ち検討するため、当事者を委員として議論を重ねていくとのことで評価をいたします。全ての施策は当事者目線でなければならないですから、こうした姿勢は、福祉局だけでなく都全体で持っていただくことも併せて要望をさせていただきます。
 次に、特別養護老人ホームにおける医療的ケア対応促進事業について、十億円の新規予算が計上されておりますので、こちらについて質問をさせていただきます。
 これまで現場の努力によって支えられてきた実態を踏まえた前向きな取組として評価をさせていただいております。医療ニーズの高い要介護者が増える中、受入れは喫緊の課題です。特別養護老人ホームの今後の役割の位置づけと、看護職員の確保への対応について伺います。

○高崎福祉局長 後期高齢者など医療ニーズの高い方の増加が見込まれる中、特別養護老人ホームにおいて必要な医療的ケアを提供するためには、看護体制の確保などが必要でございます。
 このため、都は来年度、夜間も含めた看護職員の配置など、体制構築に係る支援を充実いたします。また、スキル向上のための研修などに参加した場合、職員一人当たり十五万円の補助を行うほか、医療的ケアを必要とする方の受入れ実績に応じまして、一人当たり十万円の補助も実施いたします。

○中田委員 ここまで福祉の分野について伺ってまいりましたが、次に、救急活動の体制強化について伺ってまいりたいと思います。
 多数の一一九番通報により通報を受ける体制が逼迫をし、通報がつながりにくい事態が発生をしています。令和六年東京消防庁管内の一一九番通報受付件数は百九万五千五百三十一件に上り、七割以上が救急要請ですが、軽症者の割合は五二・八%となっております。こうした問題意識から、私は昨年十二月九日の本会議代表質問において、救急車の適時適切な利用を促進する取組について消防庁の答弁を求めました。
 そこで、AIの活用も含めた救急相談センターの充実強化についての見解を伺います。

○市川消防総監 令和七年中における救急相談センターの受付件数は、速報値で過去最多の五十万三千四百七十九件となりました。
 このような増加する救急相談需要に対応するため、来年度は特別区と多摩地区の救急相談センターを臨港消防署に集約し、回線や受付台を増強するとともに、相談看護師等を増員いたします。
 さらに、受付台へのAI技術の導入により、緊急性の高い事案を検知するアラート機能等を追加し、リアルタイムに相談看護師への助言を可能とするなど、受付体制の強化を図ってまいります。

○中田委員 また、八年度予算案では、新規事業としてAI技術を活用した一一九番通報優先受付が盛り込まれております。一一九番通報逼迫時において、火災をはじめとする緊急性の高い事案に対し、AI技術を活用し、優先して着信させる仕組みを構築すると説明をされています。
 私は、行く行くは一一九番通報逼迫時だけではなく、平常時においても、さらには救急救命センターの選定においても、AI技術の活用が対応可能となる技術の深化を図っていくべきだと考えております。
 そこで、AI技術を活用した一一九番通報受付について見解を伺います。

○市川消防総監 東京消防庁では、増大している一一九番通報に的確に対応するため、来年度は、現行の指令管制システムを更新し、受付機能の向上を図るほか、AI技術を用いて通報内容を認識し、管制員の判断を支援する機能など、AI技術の有効性について検証を実施いたします。
 こうした取組により、増大している通報に対し、的確に対応してまいります。

○中田委員 消防庁では、一一九番の入電から現場到着までの目標を八・五分として、そして救急隊の四隊増隊やデイタイム救急隊の四隊増隊などを令和八年度予算に盛り込んでおりますが、受入れ側の救急医療機関が決まらなければ患者を速やかに搬送することはできません。
 一方で、この間、現在の診療報酬では、救急を受け入れれば受け入れるほど、民間医療機関は赤字となることが指摘をされています。
 今年二月十三日に、国の中央社会保険医療協議会が診療報酬の改定を答申し、急性期病院の評価体系が大きく見直しをされました。
 都の令和八年度予算案では、令和八年度の事業のみですが、急性期医療臨時支援事業十一億円が計上をされました。
 国の診療報酬改定の評価と併せ、都の事業の意義について見解を伺います。

○山田保健医療局長 物価高騰等に伴う病院運営の課題は、国が診療報酬等で対応すべきであります。今般、診療報酬改定等によりまして一定程度の措置が図られたものの、その効果などを見極める必要がございます。
 こうした状況におきまして、都は来年度、救急医療体制を安定的に確保するため、物価高騰などの影響を大きく受けております急性期医療を担う民間病院に対しまして、臨時的な支援を実施いたします。

○中田委員 都として臨時的とのことでありますけれども、救急医療体制の確保のために、しっかりと国にも要望をしていただき、この医療体制の安定化を図っていただくことを要望させていただきます。
 次に、動物愛護について伺います。
 昨今、ペットの多頭飼育崩壊が問題となっています。その中でも、多頭飼育崩壊を起こすのは比較的高齢者世帯が多いというような指摘もあります。私は、高齢者がペットを飼うこと自体を否定するものではありませんし、むしろ孤立防止や生きがいづくりの観点から大きな意義があると考えています。
 しかし、一方で、環境省が掲げる終生飼養の理念を現実にどう支えていくかという視点が必要です。都として、飼養困難に陥る前の予防的な取組をどのように進めているのか、見解を伺います。

○山田保健医療局長 都は、飼い主が最後まで責任を持ってペットを適切に飼うことができるよう、動物愛護のイベントやウェブサイトなどを通じまして、適正飼養に関する様々な情報提供を行っております。
 高齢者向けには、ペットと安心して暮らすためのポイントを解説したパンフレットを作成し、区市町村の福祉部門などで配布するほか、ウェブサイトでも紹介をしております。

○中田委員 適正飼養のために様々な情報提供を行っているとのことですが、多頭飼育崩壊や飼育放棄の発生は、多大な行政コストがかかるというところもあります。
 また、多くはボランティア頼みになっている現状もありますし、例えば、緊急連絡先の確保、入院時の一時預かり支援など、未然防止型の取組などが重要ではないかと考えておりますが、見解を伺います。
 あわせて、こうした問題は、動物行政のみならず、高齢者福祉、生活困窮など、密接に関係するため、高齢者福祉等を行う福祉部門との連携をさらに強化し、早期にリスク把握することが重要と考えておりますが、都としての取組と今後の方向性について伺います。

○山田保健医療局長 都は、ペットを飼い続けることが難しくなった場合に、身近な地域で相談や一時預かりなどの支援を受けられるよう、体制づくりに取り組む区市町村を包括補助で支援をしております。
 また、地域で高齢者の支援に関わる区市町村の福祉部門の職員や民生委員などに対しまして、ペットを飼っている高齢者が留意すべき問題や対応方法などを会議等で定期的に情報提供をしております。
 今後も、区市町村や関係機関と連携しながら、適正飼養の取組を推進してまいります。

○中田委員 問題点はここまで様々指摘をさせていただきましたので、引き続きの取組をお願いいたします。
 次に、教育施策について伺ってまいりたいと思います。
 我が会派は、各定例会において、教育の完全無償化の実現を継続的に要望をしてまいりました。義務教育段階における保護者負担を実質的に減らしていくためには、給食費の無料化のみならず、教材費の削減も喫緊の課題です。
 現在、各学校や自治体単位で行われている教材の選定、調達について、都が主導して共同化を進めることで、スケールメリットを生かした価格低減が可能と考えます。保護者負担を軽減するために、都内における教材共同化について調査していくべきと考えますが、見解を伺います。

○田中子供政策連携室長 区市町村立の小中学校等で使用する教材等は多種多様でございます。
 義務教育における教材等の在り方についての基礎資料とするため、来年度、海外の事例を調査することとしております。

○中田委員 海外の事例を調査するとの答弁でしたが、もちろん調査した後が大切なわけであります。やっぱり調査したから駄目だったというわけではなく、しっかりとそれが保護者の負担軽減につながる、そして最終的には教育の完全無償化を目指していただきたいということを要望させていただきます。
 続いて、令和七年六月二十五日に文部科学省は、学校における補助教材及び学用品等に係る保護者等の負担軽減についてという通知を出しました。他の教育委員会等が工夫している事例が示されるとともに、保護者等の経済的負担を軽減するために、各教育委員会においても積極的に取組の検討を求めています。
 そこで、保護者等の経済的負担の軽減に向けた都教委の取組について伺います。

○坂本教育長 都立高校の教材などについて、生徒による共同の利用や、複数の学年にわたり活用できる工夫を進める視点は重要でございます。
 これまで都立高校では、学習用の教材として辞書や資料集などを備え付ける場合がございまして、生徒の円滑な学習につなげているところでございます。
 また、海外におきましても様々な事例の紹介などもございます。
 来年度、外国などを含め、様々な取組について実情の把握を進めます。

○中田委員 都教委としても、海外の事例を調べて、様々な教材の共同利用について行っていくというような話がありました。
 繰り返しになりますけれども、最終的なところは、やはり保護者の負担軽減というところの義務教育の無償化というところだと考えております。そこにしっかりと結びつけられるような調査をお願いいたします。
 次に、平和施策について伺ってまいりたいと思います。
 戦後八十年を迎え、戦争の記憶を語り継ぐ方々が少なくなっている今、次の世代への継承は一刻の猶予も許されません。
 今月リニューアルオープンする江戸東京博物館においても、東京空襲などの体験者百九十八名もの証言映像が常時公開されることは、平和発信の拠点として高く評価するものです。
 一方で、まだ百名以上の方の貴重な資料が許諾等の課題により未公開のままとなっております。やはり、これも風化をさせてはいけない東京の大切な記憶であると私たちは考えております。
 これら未公開となっている証言映像の現在の管理状況とその数、歴史的資料としての価値について都の認識を伺います。

○古屋生活文化局長 戦争の記憶を風化させないため、空襲関連資料の活用を図ることは重要でございます。
 このため、貴重な資料のデジタル化に着手しまして、より広く活用していくこととしております。
 都が保有する三百三十名の方の証言映像のうち、公開や活用について未回答や不同意等の百三十二名を除く百九十八名分を現在までに公開しているところでございます。

○中田委員 空襲関連資料を活用していくことは重要とのことで、そうした認識を持っていただいていることは改めてよかったと感じておりますし、それをしっかりと活用していく、それが大切だと考えております。その上で、やはりこの収録された全ての映像を公開していく、そうした取組が重要ではないかと私たちは考えております。
 権利関係の整理が課題とのことですが、遺族への丁寧な説明や個人を特定しない形での一部活用など、工夫の余地はあるはずです。残された証言映像についても、プライバシーに配慮しつつ、丁寧な調整を経て早期に全面公開すべきと考えますが、見解を伺います。

○古屋生活文化局長 証言映像の公開に係る意向確認につきましては、郵送での確認に加えまして、確認が取れなかった方々に対して、担当者が住所地に直接訪問させていただくなどの取組を行ってまいりました。
 回答が得られていない方につきましては、引き続き意向確認を行ってまいります。

○中田委員 今、郵送であったり直接訪問であったり、様々取り組んでいただいていることは分かっております。
 全てもうこの今の時点で了承が取りようがない映像というものが出てきていることも事実であると私は考えております。それについても、やはり収録した都の責任というものもありますから、しっかり公開に向け、そして歴史を後世に伝えていくというこの東京都の責務を考えていただき、その一歩を踏み出していただく、そうしたことも要望をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 戦後八十年が経過し、戦争の記憶を後世に伝える戦争遺跡の重要性は高まっています。戦争の記録を後世に伝えていくものについての重要性について、都の見解を伺います。

○坂本教育長 都教育委員会では、文化財として指定の対象となっていないものの重要性についての判断はしておりません。

○中田委員 あまりにも残念な答弁といわざるを得ないと思っております。
 文化財にならないものについては重要だと考えていないというような判断でしたけれども、やはりこの戦争遺跡についてはどんどんどんどん風化をしてなくなっていると。先日も、私の地元である渋谷区の代々木公園で高射砲が破棄をされたというような経緯もありました。この話を聞いていると、やはりものの重要性というのが、誰の判断がしていいのかというのがつかなかったというような話も伺ってきてはおります。
 国としてもなかなか判断基準を示していないし、東京都としても判断基準を持っていない。だからといって捨てていいものではないと私は考えておりますし、やはりこうしたものはしっかりと、後世に歴史を伝えていく重要なものであると考えておりますから、東京都としてもしっかりと認識を持っていただき、こうしたものの保存に努めていただければと思います。
 先日も新聞に出ておりましたけれども、やはりこうしたことを全国的に取り組んでいる自治体がちらほら出てきているというような段階もあります。やはり戦後八十年というこの節目のところで、しっかりと東京都としても前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 その上で、戦後八十年が経過し、戦争の記録を後世に伝える戦争遺跡の重要性はますます高まっており、文化財指定に向けて東京都としても調査を行っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○坂本教育長 都教育委員会では、国の法律を踏まえた条例にのっとり、学術的に価値のある遺跡について、一定の基準を満たす場合、文化財として指定をしております。
 これに当たりましては、所有者や関係自治体の意向を踏まえ、条例等に基づき審議会が調査と検討を行い、答申する仕組みとなっております。
 これまで、戦争当時の様子を伝える遺構を都の文化財に指定した事例はございません。

○中田委員 繰り返しになりますけど、自分たちから主体的に動こうというような気が全くないような答弁だったので、大変残念に思っております。
 やはり都としても、教育委員会だけではなく、知事としてもやはり戦争を伝える、後世に伝えていく遺跡というものをしっかりと保存をしていく、そうしたことをやはり国に先駆け様々やってきた知事ですからこそ、しっかり東京都として取り組んでいくということの姿勢を示していただきたいということを強く要望をさせていただき、次の質問に移らせていただきます。
 次に、住宅施策について伺ってまいりたいと思います。
 まず、都内の住宅価格の上昇に伴って家賃の値上げの動きが広がっています。
 そんな中、都に対して家賃の値上げに関する相談が増えていると聞いております。住宅政策本部で実施してきた賃貸ホットライン、そして賃料値上げ特別相談窓口への寄せられた相談件数と相談対応の状況について見解を伺います。

○山崎住宅政策本部長 賃貸住宅に関する都の相談窓口に寄せられました賃料値上げについての相談件数は、令和五年度は約七百件、令和六年度は約千四百件でございます。また、令和七年十月に開設いたしました賃料値上げ特別相談窓口に寄せられました相談件数は、二月末時点で約千九百件となっております。
 相談に対しましては、借地借家法に基づき、正当事由がない賃料の値上げに対しては応じる必要がないことなどを相談者に案内するとともに、必要に応じて無料の弁護士相談を案内しております。

○中田委員 今数字を言っていただきましたけれども、令和七年に関しては十月から二月末までの五か月の数字ということですが、それでも令和六年間、一年間の数字よりも多くなっている状況でありますから、かなり深刻な状況であるということが分かります。この点に関しても、相談者に寄り添った対応を引き続きお願いをいたします。
 続いて、家賃補助についてです。
 区市町村においても家賃助成制度を十八の区市で実施をしています。高齢者や障害者、ひとり親世帯、児童養護施設の退所者などの若者など、自立支援を含めた世代も幅広い住宅支援に取り組んできている自治体があります。
 その上で、都においても区市町村による家賃補助制度を支援する包括補助を検討するなど、都内の住宅支援を支えるべきと考えますが、見解を伺います。

○山崎住宅政策本部長 都内の区市町村が実施しております家賃助成制度は、それぞれの区市町村が地域の実情を踏まえて対応しているものと考えております。
 都といたしましては、高齢者をはじめ、住宅の確保に配慮を要する都民の居住の安定を確保するため、引き続き都営住宅の供給に加え、東京ささエール住宅の供給促進など、民間賃貸住宅を積極的に活用することにより、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図ってまいります。

○中田委員 前向きな答弁はいただけませんでしたけれども、やはりそれでは足りないというふうに思っておりますから、いろんなところで支援をしていくということを改めて考えていただきたいということを要望させていただきますし、また、この問題についてもこれからも提案を重ねてまいりたいと思います。
 次に、エッセンシャルワーカーの居住支援についてです。
 国としても安定的な人材確保が求められる医療、福祉、運輸、建設、接客といった社会インフラ関連職の人材確保に取り組む処遇改善が必要であり、スキルや経験の蓄積に応じて賃金が段階的に上昇する仕組みを整えることなど、多面的な取組が重要だと述べています。
 都としても、給料水準が低いことや住宅コスト等が高いという東京の地域特性を考慮して、介護職員や保育児従事者、そして看護職員などに対して宿舎借り上げ支援などを行うことで人材確保を進めていることは重々承知をしています。
 その上で、エッセンシャルワーカーとしての都民の移動の自由を守り、東京の都市機能、社会インフラを支える民間バス運転士についても、事業者が安定的に人材確保できることが重要です。
 そこで、民間バス運転士が安心して働ける環境をつくるために住宅への支援が必要だと考えますが、見解を伺います。

○谷崎東京都技監 バス運転士を確保するためには、深夜、早朝勤務への対応も含め、運転士のより働きやすい居住環境を整備することが必要でございます。
 事業者団体によると、バス運転士は採用してから十年程度までの間に離職する傾向が顕著でございます。
 そのため、都は来年度、年間十二万円の居住に関わる支援を採用十年目までの運転士向けに行い、運転士の定着、離職防止に取り組んでまいります。

○中田委員 新たに事業を行っていくとのことですが、都の支援金がバス運転士に直接届くような形になることを要望させていただきます。
 また、エッセンシャルワーカーの一つである福祉業界の学童クラブ従事職員に対して新たな住宅支援が必要と考えますが、見解を伺います。

○高崎福祉局長 都は、学童クラブ職員の確保、定着が着実に進むよう、働きやすい環境の整備や処遇改善に向けた取組を進めてまいりました。
 来年度からは、宿舎借り上げ支援として、一戸当たり月額八万二千円を上限に最大で四分の三を補助する取組を開始することとしておりまして、引き続き学童クラブの人材確保を支援してまいります。

○中田委員 ここまでバス運転士、そして学童クラブ職員を例に、エッセンシャルワーカーの方々への住宅支援について聞いてまいりました。
 先ほども述べたように、この社会を支える全ての方がしっかりと東京で暮らし続けられる環境づくりを都としても積極的に取り組んでいただくことを強く要望し、次の質問に移りたいと思います。
 家賃の高騰により住まいの負担が増える中、断熱化による光熱費を含めた住宅費全体の負担軽減も重要な課題です。省エネ法が改正され、今後全ての新築住宅において断熱等級四以上の住宅とすることが義務化をされました。
 都としても、新築住宅だけではなく、既存住宅、そして賃貸住宅についてリノベーションするなど、環境性能の高い住宅が増えるようさらに後押しを行っていく必要があると思いますが、見解を伺います。

○須藤環境局長 都は、既存住宅の断熱改修について、これまで補助対象の設備を拡充するなど取組を進めてまいりました。
 来年度は、断熱改修を促進するため、高断熱窓等への支援について、戸建て向けなどの助成額の引上げや支援規模の拡充を行います。また、賃貸住宅オーナーに対しては、専門家による伴走支援や、地域の金融機関や不動産事業者と連携した取組を実施いたします。
 これらにより、住宅の断熱化に取り組んでまいります。

○中田委員 助成額の引上げや支援規模の拡充を行っていくということで、この点もしっかりと継続的な取組をお願いいたしたいと思います。
 さらに、住宅政策においては、新たな住まいを確保するだけではなく、住み続けられる環境づくりも重要です。やはり今、マンションを管理する様々なところで問題が起きているということもありますから、しっかりとこの点もやっていただきたいということを要望させていただきます。
 住宅政策の最後の質問になります。
 私たちは、住宅確保がベーシックな生活保障の一つと考えております。住宅価格の高騰が続く中、都があらゆる対策で、誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられることができるよう取り組むべきと考えております。
 東京が都市として機能し続けるために、都市を支えるエッセンシャルワーカーなどの人材や子育て世帯が住み続けられるなど、長期的な視点で都民が良好な住環境と良質な住まいをどう確保できるかを支援することが重要だと考えておりますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 都民が安全で快適に暮らせる都市とするためには、様々な観点から長期的、総合的に考えることが必要でございます。
 都はこれまでも、都市づくりに関する長期計画におきまして目指すべき都市像を示し、その実現に向け適切に都市づくりを進めてまいりました。
 今後とも、区市町村と連携し、民間活力等も活用しながら、緑あふれる都市空間の形成、良質な居住環境の確保、防災性の向上など、持続可能なまちづくりを推進してまいります。

○中田委員 以上をもって質問を終わりたいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○小山委員長 中田たかし副委員長の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後六時三十二分休憩