予算特別委員会速記録第二号〔速報版〕

   午後一時開議

○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 委員会の要求資料について申し上げます。
 先ほど委員会として要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 これより総括質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審議が行われますよう、ご協力をお願いいたします。
 なお、持ち時間につきましては、電光表示盤に残り時間を表示いたします。さらに、振鈴で五分前に一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。
 この際、委員の皆様に申し上げます。
 質疑に際しましては、持ち時間の範囲内で答弁まで行えるようご協力をお願いいたします。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、委員の質疑時間も限られておりますので、短時間で明快に答弁されるようお願いいたします。
 なお、発言の際には必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 龍円あいり委員の発言を許します。

○龍円委員 私たちは、都民ファーストの会のミッションとして、都民の幸福度の最大化というのを目指しております。ここでいう都民というのは、東京に暮らす人、働く人、学ぶ人など幅広い人が対象となっております。私たちの責務は、都民にとって何が最善なのかを見極めて、限りある財源を最大限に都民に還元し、東京のあるべき姿を見据えた未来への投資を行うことです。
 東京が誰もが自分らしく輝くことができる幸福度の高いまちにする理念を踏まえ、都民ファーストの会東京都議団を代表して、予算案質疑を行います。
 中東情勢の影響により、原油の供給不安が高まっています。国内には一定程度の原油備蓄はありますけれども、既に原油価格は急上昇しています。このため、今後、物価高への幅広い影響など、都民や事業者の不安が高まる懸念の声も聞かれています。
 こうした状況がいつまで続くか分からない中、都民や事業者の不安を払拭するためには、臨機応変に対応していくべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○山下財務局長 都はこれまでも、物価高騰対策として、運輸事業者など中小事業者を下支えする緊急対策事業に加え、最終補正予算におけます子育て世帯を応援する取組など、必要な対策を講じてまいりました。
 令和八年度当初予算におきましても、物価高騰の影響から都民や事業者を守るため、水道料金に係る基本料金無償臨時特別措置や中小企業の経営力強化に向けた取組など、重層的な対策を講じております。
 今後、都民や事業者への影響など、状況を注視してまいります。

○龍円委員 今後、原油価格がさらに高騰すれば、都民や事業者に与える影響は甚大となります。社会情勢の変化も捉えまして、必要に応じて都独自の物価高騰対策の強化ですとか、追加的な支援策についても検討するよう求めさせていただきます。
 さて、冒頭で限りある財源と申し上げましたけれども、私たちはワイズスペンディングと公金の積極運用を求めてまいりました。戦略的な施策展開の下支えとして、新年度予算では過去最高の千三百五十億円、この十年の累計では一兆円を超える財源確保を実現したところであります。
 事業評価については大幅なバージョンアップを図っておりまして、新年度は五百五事業にKPI、重要業績評価指標を設定するなど、事業の効率性、実効性を高めています。
 一方、事業評価においては、客観性の確保の担保も重要でありまして、そのため、外部専門家の活用について、かねてより私たちも要望してまいりました。
 そこで、こうした観点で、令和八年度予算編成において、どのような考えで事業評価制度の強化を図ったのか、知事の見解をお伺いいたします。

○小池知事 都民の理解と共感を得て都政を前に進めていくためには、客観性や信頼性を確保しながら、より実効性の高い事業に練り上げていかなければなりません。
 こうした考えの下、令和八年度予算におきましては、事業評価において、新たにデジタル、広報などを重点テーマといたしまして設定した上で、各分野に精通した外部有識者の知見を積極的に活用して、その内容を公表をいたしました。
 例えば、児童相談所におきまして、セキュリティにも配慮した警察とのリアルタイムの情報共有システムを構築するなど、評価の質も高めつつ、事業の実効性の向上につなげております。
 今後とも、評価制度に磨きをかけていくことで、ワイズスペンディングの取組を強化してまいります。

○龍円委員 私たちの求めに応じまして、外部有識者の意見を取り入れて、KPIの妥当性や事業の見直しと方向性を客観的に検証する仕組みを設けたことは、評価の信頼性を高めます。一過性にせず、継続的な取組を求めます。
 公金運用について伺います。
 私たちは、基金をはじめとする公金の運用益を未来への投資に充てるべく、積極運用を行うことを求めてきました。今年度の第三・四半期には、運用収入が前年に比べて四倍の約八十二億円となり、最高の収入額を上げました。去年の予算特別委員会で質疑した際に比べて、現在、十年国債利回りは大きく上昇しまして、政策金利も今後も引き上げられることが見込まれています。
 都民ファーストの視点に立ち、将来に備え、新たな施策や事業の財源を確保していくためには、有識者の知見を活用して、さらに様々な工夫を取り入れて基金の運用収入の拡大を実現するべきだと考えます。
 今後の具体的な取組について見解を伺います。

○梅村会計管理局長 都は、基金の運用に当たり、債券割合の引上げや預金の積極的引き合いなどに取り組んでおりまして、さらなる収益の向上を図るため、外部有識者の意見を踏まえ、新たな運用手法の導入を進めております。
 具体的には、基金ごとに個別に運用している特定目的基金について一括運用に転換し、運用可能資金を拡大いたします。さらに、高い利回りが見込める中期の債券も組み入れ、短期から長期の複合ラダー型ポートフォリオを構築することで、約三・五兆円の基金全体で流動性を確保しつつ、より高い効率性を実現いたします。
 これらの取組を来年度の公金管理計画に反映し、金融経済情勢を的確に捉えながら、関係局とも連携して、運用収入の一層の拡大に取り組んでまいります。

○龍円委員 公金は都民の税金が原資です。安全性を大前提としながらも、収益を高めることが将来の都民サービスへの投資につながります。運用収入のさらなる拡大が実現できるよう、引き続き注視してまいります。
 五年前、東京デジタルファースト条例が施行されました。都は、条例に基づく推進計画を策定し、行政手続のデジタル化を進めてきました。計画では、令和八年度末までに一〇〇%デジタル化するとしていますが、都の発表によると、昨年十二月末時点で九一%に達しております。五年前は僅か五%だったことを考えれば、目標達成に向けて一定のめどが立ったと評価いたします。
 しかしながら、デジタル化が進んだ一方で、添付書類の送付、持参が別途必要なものですとか、申請フォームの入力画面が分かりにくいなど、改善の余地もまだまだあり、必ずしも都民の満足につながっていない部分があると聞いています。
 デジタル化のめどが立った今、今後は手続の使いやすさについて都民の意見の把握に努め、デジタルで便利になったと誰もが実感できる行政手続を実現するべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○高野デジタルサービス局長 都は、利用者目線で継続的に改善を重ね、満足度向上につながるデジタル化を進めております。
 都の裁量で対応可能な手続のデジタル化は、来年度末をもっておおむね目標達成見込みでございますが、手続が煩雑など、都民や事業者が必ずしも満足していないものがございます。
 今後は、ユーザーレビューで寄せられた意見をAIも活用し、精緻に分析いたします。その上で、業務を抜本的に見直すBPRを通じ、添付書類も含めたフルオンライン化や、申請項目の簡素化による入力負担の軽減など、さらに簡便な手続を目指してまいります。
 こうした取組により、都民や事業者が真に利便性を実感できる行政サービスの実現を図ってまいります。

○龍円委員 都が持つ膨大なデータは、都民にとって大きな資産になり得ます。デジタル化以前の膨大な紙データというのはいまだに紙の資料として倉庫にありまして、ほかの部署とは共有も難しく、データの利活用に課題があります。
 行政データを単なる業務資料とせずに公共インフラとして捉え、情報の管理や活用に関するデータガバナンスの取組により、手続が早くなる、必要な情報が適切なタイミングで届くといった行政サービスの利便性向上が必要です。
 都におけるデータガバナンスを早期に構築することで、都民が利便性を感じられる質の高い行政サービスを提供すべきです。宮坂副知事の見解をお伺いいたします。

○宮坂副知事 データは、都民一人一人の暮らしに確かな価値をもたらす源泉です。データを公共インフラとして捉え、責任やルールを明確にしたガバナンスの下で活用することで、政策の質を高め、都民サービスの向上につなげていくことが重要です。
 そのため、都が持つ様々なデータを組織の垣根を越えて的確にマネジメントする観点から、年度末を目途に、データの整備、活用の考え方や取組の方向性を整理した方針を取りまとめます。
 その上で、AIが理解しやすい標準化された形式のデータ整備や、支援制度に関する情報などの基礎的データベースを様々な組織が利用できる環境の構築などに取り組んでまいります。
 これにより、例えばAIが行政手続をサポートしたり、様々な支援を迅速に受けられるなど、都民が日常の中でデジタル化の恩恵をこれまで以上に感じることが可能となります。
 データの力を最大限に引き出すことで、一度提出した書類は二度と求めない、申請を待たずに支援が届く、複数の機関の手続を一度で済ませるなど、都民の皆様が利便性を実感できる都市東京の実現を目指してまいります。

○龍円委員 宮坂副知事の答弁内容が実現しますと、劇的な行政サービスの向上が期待できます。都民の声を常に聞きながらPDCAサイクルを回しつつ、都のデジタル行政を推進していただきますようお願いいたします。
 次に、東京アプリについてです。
 現在、東京アプリ生活応援事業において一人当たり一万一〇〇〇ポイント付与しており、都民の生活の応援とアプリの普及促進がされていると認識しています。今回の取組を都民と行政をつなぐ基盤として使えるアプリと発展させていくことが重要です。
 これからは、ダウンロードの数ですとか、アプリでできることが見える化されることで、東京アプリは多くの人が使っていて便利なものなんだという評価につながっていくことと思います。
 そこで、東京アプリの利用促進に向けて、アプリのメリットなどについて都民に分かりやすく示していくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○高野デジタルサービス局長 昨年二月のリリース以降、都民の暮らしに身近なコンテンツを順次拡充してまいりました。東京アプリ生活応援事業を契機に、ダウンロード数は四百九十万を超えるなど、都民との接点が大幅に拡大しております。
 アプリを通じてポイントが最短即日で届き、紙申請に比べ、支援のスピードは飛躍的に向上するとともに、ボランティアへの参加や行政サービスへのアクセスがしやすくなったなどの声もいただいております。
 こうした都民のメリットを目に見える形で示し、利用者の定着と裾野を広げることが重要でございます。
 今後、アプリからできることや都民の声を踏まえた改善点、利用者数等、分かりやすく継続的に伝えるなど、さらなる利用拡大につなげてまいります。

○龍円委員 ありがとうございました。
 私たちは、全ての子供を大事な存在として育み、希望する数の子供を育てられる東京を実現していくことこそが都民の幸せをも育てていくことだと考え、小池知事と共にチルドレンファーストの政策に取り組んでまいりました。新年度予算では二・二兆円が計上されて、都が本腰を据えた取組をしていることを評価いたします。
 さて、都では出生数が九年ぶりに増加、婚姻数は二年連続で大幅増加、チルドレンファーストの取組が花開き始めています。ただ、出生数の増加は、東京への人口集中が進んだだけではないかという声も聞かれていますが、これまでの十年間、都への転入者の方が多い状況が続いているものの、出世数は減少を続けていました。ということで、今回の出生数増加は、単に人口移動だけでは説明することができませんので、要因を多角的に検討したいと思っております。
 人口移動という観点では、出産をするボリュームゾーンである三十代の動きに注目する必要があると思います。
 都内の出生数と人口移動の状況について年代別に分析するなど、統計データを詳しく見ると実際はどうなっているのかお伺いいたします。

○田中子供政策連携室長 都における出産年齢について見ますと、そのピークは三十代であり、都内の出生数の約七割を占めております。
 一方、直近十年間の人口移動の内訳を年代別に見ますと、都において、二十代は大幅な転入超過となっており、この傾向は変わっておりません。また、都における出産年齢のピークである三十代につきましては、コロナ禍以降、転出超過が続いております。
 さらに、三十代の人口移動について地域別の内訳を見ますと、コロナ禍以降、主に周辺三県への転出超過により、全体として転出超過が続いております。

○龍円委員 三十代はむしろ都外に転出する人の方が多く、特に近県の三県に引っ越すことが多いということでありました。一部の世論では、東京のチルドレンファースト政策が一歩先に行っているからこそ、近隣三県から、この子育て世帯が流入して、出生数が増えたのではないかという見方があると伺っていますが、今の答弁だとその実態とは違うのではないかと思われるんですが、改めてお伺いしたいと思います。
 都の子育て支援策により、実際にほかの自治体から子育て世帯の人口が流入しているのか、見解をお伺いいたします。

○田中子供政策連携室長 ゼロ歳から十四歳までの子供の人口移動を見ますと、都への転入は二〇二一年まで減少傾向にあり、それ以降は横ばいが続いております。一方、転出は二〇二二年以降大幅に減少し、子供の転出超過が減少したことが分かります。
 都の施策には多くの共感が寄せられております。今では都内子育て世帯の約九割が東京は子育てしやすいと実感し、その割合は二年連続で向上しております。
 これらのデータからは、都の子育て支援策により、子育て環境がより一層充実し、都内子育て世帯の定着につながっていることが明らかになりました。
 また、同時に、都の支援策は、都外からの子育て世帯の流入を促進しているものではないことも明らかになりました。

○龍円委員 近隣三県を含むほかの自治体から子育て世帯が転入しているというよりも、以前は都外に転出してしまっていた子育て世帯が、より都内に残り続けて東京に定着していただけるようになったということでありました。
 近年の家賃の高騰ですとか物価高によって、出産や子育てをする世代にとって東京での暮らし、年々大変になってきておりますが、その中で、都内に残っていただいて、出生数が増えたというのは、やはりこの東京の総合的な子育て支援策が果たした役割、大きいのではないかと考えます。
 私たちの会派も子育て真っ最中議員がとても多くて、現在の政調会三役、私も含めて全員がママ議員でありまして、この代表質問をつくる間も、やはりインフルエンザだとか胃腸炎だと子供たちの学校から次々と連絡が入りまして、みんな看病しながら、オンラインを常時併用しつつ作業を進めてまいりました。こういった生活実感の中から、待機児童の解消、小一の壁の打破、病児保育の拡充、障害児支援など、幅広く切れ目なく、様々な子育て支援策を提案してまいりました。
 東京の〇一八サポートですとか保育料無償化など、経済的な支援策に注目が集まりがちなんですけれども、それだけで子育てしやすい環境にならないというのは私たち自身が強く実感しているところであります。なので、子供の年齢ごとに様々な場面やニーズに寄り添った支援策をきめ細やかに進めてきたからこそ、東京は子育てしやすいといわれるようになったのではないかと考えます。改めて、都のチルドレンファースト政策を評価いたしたいと思います。
 次に、婚姻数についてお伺いいたします。
 婚姻数は出生数の先行指標とされていまして、今後の出生数の動向を見極める上で重要であります。先ほど、二十代は、東京への転入が多いと答弁にありました。東京に若者が集まり、東京では結婚や子供を持つことが難しく、そのため、日本全体の出生数が減っているのではないかという東京ブラックホール論という、極端に偏った話もあるんですけれども、実際そうなのでしょうか。
 そこで、日本における婚姻数のうち、東京が占める割合と、その推移をお伺いいたします。

○田中子供政策連携室長 二〇二五年速報値での都の婚姻数は、対前年比で四・八%増加いたしました。二〇二四年は五・九%の増加であったため、二年連続での大幅な増加となっております。
 都の婚姻数が全国の婚姻数に占める割合でございますが、二〇一五年には一四・三%でございましたが、近年増加傾向が続き、二〇二五年には一六・八%にまで上昇しております。
 この二年間について見ると、婚姻数は全国でも増加しておりますが、増加分のうち半分以上は東京都によるもので、二〇二五年については全国での増加分五千六百五十七組のうち、都内での増加分は三千九百十一組と約七割を占めております。

○龍円委員 ただいまの答弁により、都が全国の婚姻数の増加を牽引していて、結婚に向けた出会いの場になっているということが見えてまいりました。結婚は出産や子育てをするためだけにするものではありませんけれども、子育てしやすい東京となってきた中で、前向きに結婚するカップルが増えているという側面もあると思います。二年連続で大幅に増加したのは、出生数のさらなる増加に向けて明るい兆しとなったと思っております。
 これらの答弁によって、東京に人口が集中することによって婚姻数や出生数が増えているわけではなく、都のチルドレンファースト政策が徐々に功を奏してきているということが分かりました。
 ただ、その一方で、こういった批判的な見方が出てきてしまう背景には、東京には潤沢に予算があるからできるんだろうという印象を持たれていることもあると思います。実際は、冒頭の質問で伺いましたように、ワイズスペンディングの観点で新たな財源を生み出して、戦略的にこのチルドレンファーストに予算を振り分けてきたという背景があるのですが、こういったところも十分に伝わっていないかもしれません。
 そこで、都におけるチルドレンファースト関連の予算について、この十年間の推移を確認するとともに、都政の重要課題に積極的に対応できるよう、財源確保にどのように取り組んできたのかお伺いいたします。

○山下財務局長 都はこれまで、チルドレンファースト社会の実現に向けて、〇一八サポートなど積極的な施策展開を図ってまいりました。その結果、関連施策全体の予算額は十年前の平成二十八年度の約一・二兆円に対しまして、令和八年度は約二・二兆円と、約一・八倍に増額となっております。
 同時に、都の施策展開を支え得る強靱な財政基盤を堅持するため、全ての事業に終期を設定し、事後検証を徹底するなど、事業評価を通じまして、この十年間で一兆円を超える財源を捻出しております。
 今後も無駄をなくす取組を徹底し、チルドレンファーストの取組など、都政課題に的確に対応してまいります。

○龍円委員 この十年間で歳出予算全体の伸びは一・四倍である一方で、ただいま答弁にありましたように、チルドレンファースト予算はおよそ二倍にまで増えています。まさに予算の重点化を図りながら、同時に無駄をなくす行財政改革を進め、財源を確保してきたことが改めて確認できました。
 そもそもOECD諸国の中で、日本は子育てや教育に予算をかけない国だということがしばしば話題になっています。同じ国の中で足を引っ張り合うというのではなくて、東京が一つつくり出したいい事例をほかの自治体にも積極的に共有して、国にも働きかけながら、日本全体でチルドレンファーストの動きにつなげていくことが重要なのではないでしょうか。
 出生数の増加につながっている都の先駆的な取組を全国へと広げていくことが重要だと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。

○小池知事 この十年、チルドレンファースト社会の実現に向けまして、都民の不安や悩みに寄り添った施策を果断に展開をしてまいりました。
 都の切れ目のない支援策には、都民から多くの共感が寄せられております。そして今般、九年ぶりの出生数増加という結果が現れたところでございます。
 都の出生数の増加につきましては、専ら人口移動によるものであるといった論調もありますけれども、これはいまだにパイの奪い合いを前提にする議論だと、このように思います。大切なのは、パイをいかに大きくするかであります。国全体で結婚や子育てを望む若者が前向きな一歩を踏み出せますようにしていくことこそが重要であります。
 これまでも、都が先駆的に取り組んでまいりました〇一八サポートや高校等授業料の無償化などの施策は、国の政策に大きな影響を与えてまいりました。
 今後、都の先駆的な施策を国全体に一層波及させていくため、都としてなすべきことに邁進するとともに、国との連携をさらに強化してまいります。

○龍円委員 都知事からも、東京の先駆的な取組を全国に波及させたり、国とも連携していくとの答弁がありました。オール東京での取組を今後もしっかりと進めていただきますようお願い申し上げます。
 それでは、具体的なチルドレンファースト施策について伺います。
 私たちの重点政策、小一の壁を打破する朝の居場所づくりについてであります。
 親の出勤時間が子供の始業時間よりも早い場合、子供が自宅や校門の前で過ごすケースがあり、働き方に影響が出ていました。
 都は、今年度より朝の居場所づくりを進める区市町村に対して経費の三分の二を助成する制度を創設して、その取組を後押ししてきました。朝の居場所づくりをより一層推進するため、支援対象自治体の拡大や柔軟な運営体制への支援、さらには夏休みの居場所づくりも進めるべきです。
 都として、子育てと仕事の両立を支えるため、朝や長期休暇中の学校を活用した環境整備を進めるべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○坂本教育長 小学校の授業が始まる前に保護者が出勤する事例は増え、子供たちが朝の時間を安全で安心に過ごす場所の確保は重要でございます。また、夏の暑い時期でも運動を望む子供に対応する視点も必要となっております。
 都教育委員会は、今年度、始業前に地域住民等の力の活用によりまして、児童の居場所を提供する公立小学校の取組に関し、百三十を超える支援を実施いたしました。このサポートへのニーズは高く、来年度は支援の規模を約五百校まで拡充いたします。また、夏休みの児童の生活リズムや体力を保ちつつ、暑い中でも体を動かしたいとの子供の希望に添った対応も進めます。このため、夏休みの午前中に小学校の体育館等で児童を受け入れる場合も新たに支援をいたします。

○龍円委員 学校を活用した居場所づくり、しっかり進めてください。
 次に、東京版ユースクリニックについてであります。
 私たちはスウェーデンのユースクリニックを参考に、子供、若者が性のことを含む体や心の相談機関があり、さらに治療や支援にもつなげていく支援体制が必要だと訴えてまいりました。
 都は、令和四年度から東京ユースヘルスケア事業を立ち上げまして、子供政策連携室、福祉局、都教委の三局が連携して取り組んでまいりました。
 福祉局が立ち上げましたとうきょう若者ヘルスサポート、わかさぽとして、都内複数箇所に相談体制をつくり、医療機関への同行支援も行っているのは、とても重要なことであります。
 ちなみに、スウェーデンの場合は、人口が東京とほぼ同じなのに対して、ユースクリニックの数が二百五十か所ありますので、子供、若者たちの本当に身近な場所で相談ができるセーフティーネットとなっています。
 都でも、とうきょう若者ヘルスサポートなどの取組に加えて、今後さらに身近な地域で実効性のある取組を進めていくべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○高崎福祉局長 都は、中高生などの若者の体や心の悩みについて、身近な地域で相談から受診まで切れ目なく対応する医療機関であるユースクリニックへの補助を来年度新たに開始いたします。
 具体的には、保健師や看護師などによる個別相談や、ユースクリニックを気軽に体験できる機会の提供を行った場合、一時間当たり一万七千円を月最大三十二時間まで補助いたします。また、緊急避妊や妊娠判定に係る診療などを行った場合に要する経費についても支援してまいります。
 実施に向けましては、医師会などと連携の上、多くの医療機関が各地域で参画できるよう周知を図ってまいります。

○龍円委員 この事業の立ち上げから五年目となる来年度は、とうとう本格的に医療機関において相談から受診までできるということで、東京版ユースクリニックが動き出すこと、大変評価いたします。
 さて、都教委はといいますと、ユースヘルスケア事業として、都立学校において産婦人科医を校医として迎えて、生徒の相談に乗ってきました。例えば、生理痛が重いという生徒に改善方法をアドバイスして学業に集中できるようになったなど、様々な悩みに寄り添ってきていることを確認しております。学校という身近な場所で専門家に相談できるのは非常にいい取組でありまして、さらに充実させていくべきだと考えています。
 そこで、都立学校における産婦人科医を活用したユースヘルスケア事業について、これまでの取組や成果を踏まえた今後の展開についてお伺いいたします。

○坂本教育長 都立学校の生徒等が思春期に抱える心身の悩みに関し、専門的な知識を持つ医師と面談し、解決を図る取組は効果的でございます。
 このため、都教育委員会は、今年度、産婦人科の学校医が二十八の都立学校に毎月出向き、生徒からの思春期に係る相談に対応する取組を行っております。また、生徒や保護者からの要望に応じた時期等に面談を行うなど、きめ細かな対応も実施をしているところでございます。
 これらによりまして、生徒からの毎月定期的に生じる体調不良や倦怠感の相談に応じ専門の医療機関を紹介し、状況が改善する成果などが出ております。
 こうした相談ニーズは多く、来年度産婦人科医の学校医による対応を拡充し、三十八の学校で実施をいたします。

○龍円委員 来年度はさらに拡充していくということでありました。ぜひ、この都立学校において、わかさぽについても周知をしていただいて、実際治療が必要になった場合ですとか、卒業した後に困った場合は、わかさぽを利用してもらえるようにつなげていただけますようお願いいたします。
 次に、東京版インクルーシブ教育についてであります。
 これまで、大阪の豊中市の実践が先進事例としてありましたが、文科省との考え方がやや違う部分もありまして、なかなか全国に広がっていっていない部分があります。このたび、東京がオリジナルの実効性あるインクルーシブな教育を進めていることを高く評価いたします。
 そんな中、東京版インクルーシブ教育のフラッグシップともなる取組が進み始めています。特別支援学校は、分離教育の最たるものではあるんですけれども、それを地域の小中学校の中に分教室としてつくってしまおうというもので、これは特支の専門性はそのままにインクルーシブ教育を推進できるため、非常にいい取組になるはずです。ただ分室を設置するだけではインクルーシブにならないので、特支と小中学校の教員同士も交流したり、子供たちが日常的に交流できる仕組みづくりを丁寧にしなくてはなりません。
 こうした点を踏まえて、地域の通常の学校における都立特別支援学校分教室設置の推進に向けて、区市町村との連携により東京版インクルーシブの運営体制や施設整備などの検討に着手すべきだと考えますが、教育長の見解をお伺いいたします。

○坂本教育長 障害のある子供たちが学ぶ公立の小中学校において、都立の特別支援学校により教育を行う仕組みと場を設けることは効果的でございます。
 これまで都教育委員会は、特別支援学校の教員が公立の小中学校に様々な助言等を行う取組などを進めてまいりました。また、そうした学校の教員が最長で三年間にわたり小中学校に赴任し、授業を受け持ち、知識やスキルを職場で共有する対応も行っているところでございます。
 来年度は、公立の小中学校の中で特別支援学校の教育を行う分教室の設置に向け区市町村と協議し、研究と検討を進め、モデル実施につなげてまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。
 そして、特別支援学校にいる、今いる児童生徒たちのインクルーシブ推進も重要です。そのためには、副籍交流を活発化させなくてはなりません。
 実際に副籍交流をした私の息子の事例から、ボトルネックが分かってまいりました。それは、特支と副籍先の学校の教員双方が忙しい中で日程調整をして、さらに保護者とも調整しなくてはならないんですが、三者がオンライン上で一気に調整できたらいいんですけれども、それぞれが別個に電話とかメールとか、親とは連絡帳で調整したりしたんです。しかも、交流の初回に向けて三者が一度リアルで面談をするという機会もあったんですけれども、この調整も大変で、結局交流の開始は夏休み明けになってしまったということがありました。これをオンラインで面談をして、日程調整もオンライン上のツールを使うようにすれば、副籍交流はもっとスムーズにいくのではないかと考えます。
 副籍交流のための教員の労力を減らし、効率化していくことがインクルーシブ教育推進にとっては必要不可欠だと考えますが、都教委の見解、お伺いいたします。

○坂本教育長 特別支援学校で学ぶ子供が自宅近くの小中学校に出向き、地域の友人等と交流をする副籍を進める上で、その準備を効率的に行うことは重要でございます。
 このため、都教育委員会は、副籍の推進に役立てるガイドブックの中で、その準備に関し、保護者や学校等にウェブの会議システムの利用を勧めているところでございます。
 また、今年度から、先進的な対応を研究する三つの特別支援学校を選び、教育の質を高めるほか、手続面の負担を減らす工夫を進めているところです。これによりまして、副籍の利用を希望する保護者がリモートで特別支援学校の教員や地元の学校と相談を行う事例が出てきております。来年度、リモートによる準備の事例などを紹介する場を設け、副籍の活用につなげてまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。今後はオンラインの活用を積極的に進めていくということで、大変ありがたいことだと思います。
 さて、以前から副籍交流には親が付き添うものになっているため、そのところが大変だったこともあり、インクルーシブ教育支援員によるサポートも要望してまいりましたので、引き続き検討をお願いいたします。
 次に、都立高校のインクルーシブ教育です。
 都立高校には、知的障害がある生徒が一定数在籍していますが、高校の教員には経験がなく、指導が難しい面があることからサポートが必要であります。第四回定例会では、特別支援学校によるサポートを充実していくとの答弁をいただきました。
 知的障害等がある生徒への指導の専門性を有する特別支援学校の教員が、そのノウハウで都立高校を支援する仕組みづくりを進めるべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○坂本教育長 都立高校で様々な障害のある生徒への教育を行う上で、教員が知識やスキルを確保し、より適切な指導に力を入れる体制づくりは重要でございます。
 このため、都教育委員会は、来年度、都立高校に通う知的障害等のある生徒への指導に関し、特別支援学校の教員がサポートを行う新たな仕組みを導入いたします。
 具体的には、知的障害のある生徒を受け入れる特別支援学校の高等部のうち三校に関し、指導等に詳しい教員をそれぞれ二名配置します。こうした教員が二十八の高等部を分担し、各学校で知識やスキル等の共有を図ります。これによりまして、知識などを習得した教員等が都立高校に出向き、生徒に応じた支援のプランづくりや効果的な助言を行う仕組みといたします。

○龍円委員 都立高校と特別支援学校の連携づくり、引き続きしっかり進めていただけますようお願いいたします。
 特別支援学校の放課後の居場所づくりについてであります。
 先日の代表質問で、対象となる児童生徒の放課後の居場所が足りていないことですとか、放課後の移動が負荷になる、負担になるお子さんもいるなどの実態を踏まえて、特別支援学校の校内で子供たちが充実した時間を過ごせる取組を進めるべきではないかと質問をいたしました。
 教育長からは、都立特別支援学校の放課後において、生徒らが校内で過ごすモデル事業等の取組について調査研究を進めるとの答弁がありましたが、どのように進めていくのかお伺いいたします。

○坂本教育長 特別支援学校に通う障害のある子供たちが、放課後において将来の自立等にも役立つ充実した時間を過ごす環境づくりを進めることは重要でございます。
 このため、都教育委員会は来年度、特別支援学校のうち二校を選び、子供たちが放課後を校内で興味や関心等に応じ過ごす取組をモデル的に実施をいたします。この中では、自立して社会生活を送ることにつながるよう、子供同士が協力して物事に取り組むプログラムなどを行う工夫も実施をいたします。
 また、様々な障害に応じた放課後の校内での過ごし方について関係局と協力し、ほかの自治体の先進的な事例等について調査研究を進めてまいります。

○龍円委員 しっかり進めてください。
 そして、進学のインクルーシブについてお伺いしていきます。
 私たちはこれまで、特別支援大学構想について提案をしてまいりました。東京では八割が大学進学するなど十八歳以降も学び続けることが一般的になりました。一方で、知的障害のある子供を中心に、障害のある子は学びがゆっくりにもかかわらず、高校以上に進学することに高いハードルがあります。一般的にも高卒だと職業の選択などにおいて制限がかかることが多いのですけれども、知的障害児の場合はなおさら自立のための制約となっています。
 都教委では、都立大学と連携して、今年度からプログラムを実施していることを評価いたします。これらのプログラムの実績を伺うとともに、来年度の取組についてお伺いいたします。

○坂本教育長 特別支援学校を卒業する生徒が能力や意向に応じ学びを続けられる環境づくりの充実は重要でございます。
 これまで都教育委員会は、特別支援学校の高等部の生徒等の意向に関し調査を行いました。その結果を踏まえまして、都立大学と協力し、高等部の卒業生が健康維持や様々な人たちとの交流の進め方を学ぶ二つのプログラムを実施したところでございます。また、特別支援学校の小中学部や公立小中学校の特別支援学級の子供たち等の意向も調べ、文化芸術に関する学びのニーズの高いことが分かりました。
 これを踏まえまして、来年度、都立大学に加え、ほかの大学等と協力し、新たに文化芸術に係るプログラムも実施し、特別支援学校の卒業後の学びにつなげてまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。知的障害のある方たちなどの芸術面での異才というのが世界的にも評価が高まっていますけれども、来年度は芸大などと連携した芸術系のプログラムも開発していくということは、非常に期待が高まるところであります。将来的には、特別支援学校の高等部を卒業した子たちが、安定的に十八歳以降の学びを継続できる教育の場の創設をすることを改めて要望させていただきます。
 続いて、私学のインクルーシブですけれども、私たちはこれまで、障害児が私立学校に通うという選択を選べるように支援者の配置を求めてまいりました。来年度、私立幼稚園に医療的ケア児を受け入れるための支援を始めるということは大事な一歩です。ただ、これまでも私立幼稚園では受入れ実績がとても少ないということもありまして、幾ら人的な支援があるからといって、すぐに踏み出すのは簡単ではないと思われます。
 先日、我が会派の高野都議の一般質問で、都教委から、看護師による子供の学校での手助け指針を改定するとの答弁がありました。局は違うんですけれども、こういった指針は参考になると思いますので、ぜひ共有していただけないでしょうか。
 都は来年度、医療的ケア児を受け入れる私立幼稚園の支援を始めるに当たり、より多くの幼稚園で利用してもらえるよう積極的に周知をするべきだと考えますが、どのように進めていくのかお伺いいたします。

○古屋生活文化局長 障害の有無にかかわらず、教育、保育の様々な選択肢を確保できるようにするため、私立幼稚園で医療的ケア児を受け入られる環境を整備することは重要でございます。
 このため、都は令和八年度から、医療的ケア児を受け入れる私立幼稚園に対しまして、看護職員を配置する際に必要な経費の二分の一の支援を新たに開始いたします。
 本制度を必要な幼稚園に確実に活用していただけますよう園長等が出席する会議で周知を行うとともに、区市に対しましても所管する幼稚園への周知を働きかけてまいります。その際、私立幼稚園の参考となるよう、都教育委員会の指針についても併せて情報提供を行ってまいります。

○龍円委員 都教委の指針も共有しながら周知をしていただけるということでありました。東京版インクルーシブ教育を推進することで、これが全国のモデルとなっていく取組に続けていただけますよう、改めて要望させていただきます。
 次の質問に参ります。
 私たちは、NICUを利用する親子への支援に取り組んでまいりました。荒木都議を中心に要望いたしまして、NICU入院支援手帳のびのびが改定されましたり、世界早産児デーに合わせた普及啓発イベントを開催するなど、今年度は大きな取組が進みました。長期間入院する赤ちゃんの家族は、生後直後から離れて生活することで不安を募らせ、無力感などを抱くことが多いと聞いております。
 そこで、家族が子供と過ごせるファミリーセンタードケアが求められています。これは、親が主体的にケアですとか治療に参加して、家族の絆を育むという考え方であります。二十四時間面会、カンガルーケア、親子のコミュニケーションを大切にするというものであります。これは赤ちゃんの成長、発達にとっても大事であります。
 都は今年度から、NICU入院児相談支援事業を実施していますが、現在の取組状況と来年度の取組内容についてお伺いいたします。

○山田保健医療局長 NICUで家族が子供と共に過ごし、子供のケアに積極的に関われるようサポートするファミリーセンタードケアの取組は重要でございます。
 都は今年度、この取組の中核となるメンターを育成するとともに、その人材を配置する都立墨東病院と小児総合医療センターを支援しております。
 来年度は両病院のNICU全体で取組を実践していくため、メンターが院内のスタッフに対して家族と一緒に治療やケアを行うためのコミュニケーションスキルなどのトレーニングを実施いたします。
 これによりまして、ファミリーセンタードケアの取組をさらに推進し、NICUに入院する子供とその家族に寄り添った支援の充実につなげてまいります。

○龍円委員 ファミリーセンタードケアと同時に、家族の精神的ケアも必要であります。私も最初感じたんですけれども、やはりお母さん、母親は自責の念というのにとらわれがちであります。また後遺症への不安、退院後の生活、きょうだいへの影響など心配事は多岐にわたりますが、周囲に相談することができず孤立することも少なくありません。こういうときに助けになるのが同じ経験を持つ人同士、気持ちを共有することであります。障害児は家族会などがあるんですけれども、NICU入院児は、まだまだ当事者同士が支え合う自助グループというのが十分にありません。
 NICUに入院する子供の家族に対する支援を充実させていくべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○山田保健医療局長 NICUに入院した子供の家族は、子供の成長や発達、退院後の生活などについて様々な不安を抱えております。一方、地域において同様の悩みを持つ家族に出会う機会は限られております。
 このため、都は来年度から、家族同士が交流を通じて悩みや不安、必要な情報を共有できる場を提供するなど、家族支援の取組を行う周産期母子医療センターに対しまして、補助基準額二百万円、補助率二分の一で支援を開始いたします。
 こうした取組によりまして、退院後も地域で安心して生活を送れるよう、NICUに入院した子供の家族への支援を充実してまいります。

○龍円委員 よろしくお願いいたします。
 続いては、障害福祉人材の確保についてお伺いします。
 慢性的な人手不足や離職が続く中、人材の安定的な確保と定着が必要です。先日の代表質問では、来年度新たに求人サイト掲載料や研修受講費用への補助を開始するとの答弁がありました。現場の声を踏まえた取組として評価いたします。採用支援の取組に加えて、安心の就労環境を整備し、職場定着を図ることは極めて重要です。というのも、障害福祉分野は離職が多いんですよね。
 人材確保の取組に加えて職場定着の観点から、都は今後どのような施策を展開していくのかお伺いいたします。

○高崎福祉局長 都は、障害福祉サービスに従事する職員の早期の離職防止を図るため、新規採用職員同士が日頃の悩みなどを共有する研修や交流会を実施しております。
 また、来年度、職員が安全で安心して働けるよう利用者や家族からのハラスメントに関する総合相談窓口を設置するほか、利用者宅を複数人で訪問する場合の人件費や、緊急用防犯ブザーなどの導入経費に対する補助を開始いたします。
 こうした取組によりまして、障害福祉サービスに従事する職員が安心して働き続けられる環境整備に取り組んでまいります。

○龍円委員 障害福祉分野の就労は女性が多く、妊娠、出産のタイミングでの離職が多いのも特徴です。放課後等デイサービスの配置基準は、その配置に対しての報酬であり、事業者の方々、泣く泣く新しい職員を雇い入れ、出産休暇に入った職員が退職してしまうというのも聞いております。
 新しい職員が離職してしまった場合、前の職員を呼び戻そうとするんですけれども、既にほかで採用されてしまっているということもあるということなんです。大事な自社の職員を雇い続けられない苦悩というのをこれまで伺ってまいりました。
 先日のさいとう議員の一般質問で、介護事業所等における育業、介護休業等両立支援に取り組む事業者を支援していく旨の答弁があり、画期的なことだと評価しております。ただ、事業部門が脆弱な中小事業所にとっては、代替職員の確保ですとか手当支給、申請事務が大きな負担となってしまいます。
 そこで、都が進める育児や介護との両立支援に関する取組について、中小事業所でも活用しやすい制度にするため、都独自の財政支援と申請事務の負担軽減を併せて進めるべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○高崎福祉局長 都は来年度から、介護や障害福祉サービス事業所の職員が、育児や介護と仕事を両立できるよう環境整備に取り組む事業者への支援を開始いたします。
 具体的には、職員が介護休業等を取得する際の代替職員の雇用や、業務を代わりに担う職員への手当支給などの取組に対しまして、国の助成金に加え、代替期間等に応じて、都独自に最大二百万円を支給いたします。
 また、申請事務の負担を軽減するため、手続を伴走型で支援するほか、コールセンターを設置、きめ細かく相談にも対応いたします。
 こうした取組によりまして、介護職員などの離職を防止し、安心して働き続けられる職場環境を整備してまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。こちらの事業、非常に画期的だと思っております。しっかりと事業所の皆さんに利用してもらえるよう、周知も含めて進めていただけますようお願いいたします。
 こういった動きは、企業でも重要であります。改正育児介護休業法では、三歳未満の子や要介護状態の家族を持つ労働者がテレワークを選択できる環境整備が事業主の努力義務になりました。これは、多様な人材の確保のみならず、それぞれの能力を最大限に発揮してもらえる職場づくりにもなります。育児・介護との両立のためのテレワーク活用促進事業は、効果的な事業だと考えます。
 本事業を通じて、中小企業のテレワーク導入を一層促進するとともに、家族と仕事を両立するための選択肢として、テレワークを活用した働き方を推進するべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中産業労働局長 都は、家庭と仕事を両立できる柔軟な働き方としてテレワークを推進しておりまして、企業での機器導入や制度整備などへの支援を行っております。
 来年度、新たな取組として、育児や介護を抱える従業員のテレワークを後押しする企業を五百社支援いたします。具体的には、三歳未満の子や要介護状態の家族を持つ社員がテレワークを行えるよう規定を整備した場合や、介護離職防止のため、時間単位でのテレワークなどの制度を導入した場合に、最大三十万円の奨励金を支給いたします。
 これによりまして、望む方が安心して働き続けられる社会を目指し、企業の職場環境づくりを促してまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。
 さて、障害福祉に戻ります。
 都では、サービス管理責任者研修や強度行動障害支援者研修を実施しています。これは申込みが多くて、希望者全員が研修を受けられないと聞いております。これらの研修は、障害福祉サービスの質の確保のために欠かせないものでありまして、私たちは受講機会の拡大を求めてまいりました。
 サービス管理責任者や強度行動障害者への支援を担う職員の研修受講機会の確保に向けて、来年度、どのように取組を進めていくのかお伺いいたします。

○高崎福祉局長 都は、障害福祉サービス等事業所における支援の質を確保するため、サービス管理責任者研修をはじめ、様々な研修を実施しております。研修の一部は、民間の事業者を指定、登録し、受講機会を確保するとともに、来年度は、新たに研修受講料の補助を開始いたします。
 また、強度行動障害を有する方への適切な支援に向けまして、各事業所で中核的な役割を担う人材を養成する研修について、来年度は、定員を約一・五倍に拡大するなど、事業者が質の高いサービスを安定的に提供できるよう支援してまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。
 次は、私たちの重点要望についてお伺いいたします。
 女性活躍推進条例の制定に合わせて、私たちは、女性が生涯を通じて女性特有の体の変化に対応しながら、健康に仕事を続けられることが重要だと訴えてまいりました。しかし、子宮頸がんや乳がんといったがん検診の受診率が低い状態にあります。また、鉄欠乏貧血など血液検査によって不調の要因が把握できる場合があるんですけれども、こうした検査の意義への理解も十分ではありません。
 そこで、私たちは、職域健診において女性の健康を推進するプレコン健診を提案してきました。都が、女性の健康課題解決に向けて、企業健診を活用する取組を開始することを評価いたします。
 都は、企業健診を通じた女性の幅広い健康課題への対応を進めるべきだと考えますが、来年度新たに実施する女性従業員の健康支援の具体的な取組についてお伺いいたします。

○田中産業労働局長 都は来年度、女性従業員の健康支援を推進するため、事業者に企業健診の活用を促すモデル事業を新たに実施いたします。
 具体的には、都内中小企業二十社を対象とし、女性特有の検査項目を含む企業健診と、それに関するアンケート調査等を実施する場合に、二十万円の協力金を支給いたします。
 また、事業に参加した企業の取組事例を専用サイトで発信してまいります。
 これらの取組によりまして、企業の実情やニーズの把握を行い、働く女性が健康を意識し、持てる力を十分に発揮できるよう支援を進めてまいります。

○龍円委員 しっかり進めていただきますようお願いいたします。
 さて、私たちは、女性活躍推進条例の制定に合わせまして、働くだけではなくて、女性が様々な場所において希望する生き方というのを選択し、力を発揮できるように後押ししていくべきだと話してまいりました。
 その動きを広げるため、様々な場において、女性がさらに活躍できるよう、取組を拡充していく必要があると考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○古屋生活文化局長 都は来年度、女性活躍推進大賞におきまして、育児支援や健康課題への対応、地域活動といった幅広い分野における優れた取組にも光を当てられるよう受賞部門を見直すほか、受賞者の取組を通年で発信するための専用サイトを新たに立ち上げてまいります。
 また、家事時間の総量の削減に向けまして、スマート家電の活用などウェブサイト、TEAM家事・育児のコンテンツを充実させてまいります。さらに、いわゆる名もなき家事など家事、育児を可視化できるチェックリストを制作しまして、夫婦間での役割分担の見直しにつなげてまいります。
 こうした取組を通じまして、あらゆる分野で女性も男性も活躍できる社会を実現してまいります。

○龍円委員 女性の活躍、いろんな場面で応援してまいりましょう。
 さて、女性の子宮頸がんを予防するHPVワクチンなんですけれども、男性にも効果がありまして、集団免疫の獲得にも意義があるとして、我が会派ではおじま都議が中心に進めてきましたHPVワクチンの男性接種についてお伺いいたします。
 HPVワクチンの男性接種に関する補助制度について、昨年、男性への接種にも適用拡大された九価ワクチンを補助対象に含めるなど、さらに拡充を図るべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○山田保健医療局長 都は、HPVワクチンの男性への接種が定期接種化されるまでの措置として、小学六年生から高校一年生相当の男性を対象に、区市町村が接種費用を助成する場合、その一部を補助しております。
 昨年、より高い予防効果が期待できる九価ワクチンが男性の接種にも適用拡大されたことから、現行の四価ワクチンに加えまして、来年度より補助対象とすることといたしました。
 今後、本事業につきまして、様々な機会を捉えて区市町村に丁寧に説明していくとともに、ホームページに区市町村の実施状況を掲載するなど、都民に広く周知してまいります。

○龍円委員 続いて、高齢者施策について伺ってまいります。
 特別養護老人ホームでは、入所者が高齢化し、医療的なニーズが高まっています。たんの吸引や経管栄養など、住み慣れたホームで安全に行う体制の整備が求められる一方で、現場では十分に対応できていないというのが実情であります。
 こうした中、都が実施した調査により、受入れを進める上で、看護職員の二十四時間配置が有効であるということが示されました。
 この結果を踏まえて、特別養護老人ホームにおいて、医療的ケアを必要とする人を受け入れるための体制整備を一層進めるべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○高崎福祉局長 都が今年度実施した調査では、特別養護老人ホームにおける医療的ケア対応の促進には、看護職員の増配置やスキル向上、医師によるバックアップが有効であることが確認されました。
 このため、都は来年度、看護職員の二十四時間配置や医師不在時のオンコール対応など体制構築に係る支援を充実いたします。
 また、医療的ケアを必要とする方の受入れ実績に応じまして、一人当たり十万円の補助を行うほか、職員が医療的ケアのスキル向上に向けた研修などに参加した場合、一人当たり十五万円の補助も開始いたします。
 こうした取組によりまして、医療的ケアを必要とする高齢者の受入れがさらに進むよう支援してまいります。

○龍円委員 来年度は、介護職員の体制を構築していくということが分かりました。
 ホーム以外の様々な介護の場面でも、同様に医療的ケアの体制整備が求められております。私たちは、事業者団体との意見交換を踏まえまして、たん吸引等研修の実施研修先の確保を求めてまいりました。
 都は、これを受けて、大幅に受入れ規模の拡充をしたことは重要なことであります。
 来年度も、希望者が実地研修を受けられるよう、さらに取り組むべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○高崎福祉局長 介護事業者などが自らの施設で、たんの吸引等に係る実地研修を行う場合、受講生の実技を指導し、評価する指導看護師の確保が課題となっております。
 このため、都は来年度、指導看護師を都立病院から施設などに派遣する取組を開始いたします。
 また、不特定多数の利用者に対するたん吸引等の研修を実施する際、事業者が自ら指導看護師を確保した場合に要する謝金を新たに補助いたします。
 さらに、民間登録研修機関を活用し、定員を拡大することで、実地研修の受講機会の一層の拡大を図ってまいります。

○龍円委員 シニアの方々が、どの場所であっても必要なケアを受けられるような体制整備、よろしくお願いいたします。
 さて、シニアの国体とも呼ばれているねんりんピックが、二〇二八年に東京で開催されます。つきましては、東京らしい大会にしていただきたいと思います。例えばなんですけれども、SusHi Techなどで発掘した最先端のテクノロジーをシニアのQOL向上に役立てるよう、大会の中で提案するというのはいかがでしょうか。超高齢化された東京において、こういったテクノロジーの活用というのは、未来への投資ともいえます。
 この大会の開催を契機に、年を重ねても身近なスポーツに親しめるためのテクノロジーを社会実装したり、日進月歩で変わっていく新しい技術を生活の質の向上につなげていくことが重要だと考えます。見解をお伺いいたします。

○渡邉スポーツ推進本部長 ねんりんピック東京大会は、多様な業種、分野の企業が集積する東京の強みを生かしまして、様々なデジタル技術や先端技術に接し、その可能性を実感できる大会を目指しております。
 このため、来年度は、ユニバーサルコミュニケーション技術に加えまして、加齢に伴う身体機能の変化をサポートし、QOLやウエルビーイングの向上につながる技術を幅広く発掘し、高齢者をはじめ多くの都民に体験していただけるよう、各種展示会や区市町村のイベント等でPRしてまいります。
 これらの取組により、大会の機運醸成を図るとともに、誰もが幾つになっても生き生きと活躍し続けることができる社会の実現につなげてまいります。

○龍円委員 東京らしい魅力あふれるねんりんピックとしていただけますよう、よろしくお願いします。
 次に、まちづくりについてお伺いしていきます。
 年々暑さが深刻さを増す中、まちづくりに暑さ対策を組み込む必要があります。国連環境計画も、設計ですとか、デザインの工夫によって、まちを涼しくするパッシブ冷却の取組を求めております。
 私たちはこれまでも、暑熱対策として効果の高いグリーンインフラの導入を推進してきました。
 そして、インクルーシブの観点から見ても、車椅子ユーザーですとか、バギーを押していると、日傘を使えていないなど、社会インフラとして、暑くないまちづくりを推進する必要があると考えています。
 東京には、江戸から受け継ぐ伝統や文化とともに、涼しさや憩いを提供する豊かな水と緑も息づいており、地域資源を生かし、魅力ある都市として一層成熟していくことが重要であります。
 先日、都市づくりのグランドデザイン改定に向けた中間のまとめが公表されたところでありますが、新たなグランドデザインでは、暑くなりにくいまちづくりを目指し、東京ならではの個性や特色をさらに生かした都市づくりを打ち出していくことが重要であると考えます。見解をお伺いいたします。

○谷崎東京都技監 東京が世界を魅了し続けるためには、歴史が息づくまち並みや個性あるエリアを一層磨き上げるとともに、都民ニーズの多様化、気候変動の深刻化など社会情勢の大きな変化への対応が重要でございます。
 中間のまとめでは、日差しを和らげる緑や交流を生み出す空間の創出、風情ある商店街を生かしたまちづくり、生活をより豊かで快適にする先端技術の活用などを東京が目指すべき方向性として示しております。
 これらにより、グリーンインフラの導入など、酷暑への対応も含め、あらゆる場所で緑が感じられる活力とゆとりある高度成熟都市を実現してまいります。
 今後、都民の意見も聞きながら、令和八年度内の改定に向けて検討を進めてまいります。

○龍円委員 グランドデザインの中に、しっかりと暑さ対策としてパッシブ冷却のまちづくり、位置づけしていただけますよう要望しておきます。
 さて、先日の知事の施政方針におきまして、新たな取組、東京ストリートプラスを推進し、ウオーカブルなまちづくりを進める方針が示されました。世界の大都市では、道路空間を人中心に再編して、多様な活動の場を生み出す動きが進んでいます。私たちも、グリーンインフラや歩行者中心のまちづくり、公共交通の維持など、時代に合った道路整備というのを求めてまいりました。
 私の地元の渋谷では、この歩道を再編成して、まちの機能性と魅力を向上する取組というのも進めているところであります。
 東京ストリートプラスは、地域の状況を踏まえて、都が自ら整備するとともに、区市を適切に支援していくことも重要であります。
 そこで、東京ストリートプラスの取組を具体的にどのように進めていくのかお伺いいたします。

○谷崎東京都技監 東京ストリートプラスは、都市計画道路網の形成と併せ、道路空間の再編により、にぎわい等の新たな付加価値を生み出し、東京の活力や魅力向上を図る取組でございます。
 整備方針案では、新宿や渋谷など、国内外から人々が集まる拠点や地域の商店街等の中から、モデルとなる二十二路線をリーディング路線の候補として選定しております。このうち、区市が整備する路線を対象に、その整備費等につきまして、区市負担分の一部を都が補助する制度を新たに創出いたします。
 こうした取組により、歩き回りたくなる、訪れたくなるような人中心のウオーカブルな都市東京の実現を目指してまいります。

○龍円委員 この道の再編成というのは、魅力的なまちづくり、機能性向上に非常に重要だと思いますので、しっかり取り組んでいただけますよう、よろしくお願いします。
 続いて、スタートアップ支援についてであります。
 東京が世界に伍するスタートアップエコシステムを構築するには、創業から早い段階から、このグローバル展開というのを視野に入れた動きを支援していくことも重要であります。
 来年度は、SusHi Tech Globalプロジェクトが二十九億円に大幅拡充され、有望なスタートアップを選抜し、集中支援する仕組みが構築されます。より有望な企業には、大型資金つきのグローバル×スケールアッププログラムという大胆な支援も行われます。
 SusHi Tech Globalの取組においては、世界市場での競争力の強化と、都民の暮らしを豊かにする技術の社会実装を両立することが必要であります。
 そのため、選抜基準の透明性確保と成果の可視化を図りつつ、支援の質と量を一層充実させるべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○吉村スタートアップ戦略推進本部長 SusHi Tech Globalでは、有識者の知見により社会的インパクトや事業の革新性などを見極めまして、有望な企業を順次選抜しております。これまでに六十七社を決定しておりまして、資本戦略や人材、体制づくりなどの多角的な支援を展開してまいります。この中から、世界への飛躍期を迎えている企業を年度内に約十社選抜いたしまして、海外での実証プロジェクトや市場開拓などを最大二億円の成長加速プログラムで強力に支援いたします。
 企業ごとにKPIを設定し、売上げなどから成長状況を確認した上で、来年度はさらに、特に成長が期待される企業を絞り込み、最大十億円をサポートするメニューを新たに設け、グローバル市場でのスケールアップに向けた支援の充実を図ってまいります。

○龍円委員 世界に向けたスケールアップをする、縦に伸ばすためにも、起業の裾野を広げる横の広がりも重要であります。
 私の地元渋谷には、スタートアップが集積していますけれども、ゴー・グローバルというマインドの企業もある一方で、社会課題を解決したいという企業ですとか、もう半径三キロメートル以内が幸せであればいいんだという地域密着型の企業もあるわけなんですね。あらゆるスタートアップを応援していくことは、都民一人一人の幸福度を高め、多様性のある豊かな社会の実現に寄与します。そういう意味では、TIBはあらゆる挑戦者を応援する結節点であり、プラットフォームとなっています。
 社会課題の解決に挑む起業家など、東京から多様なスタートアップが生まれ、育っていく豊かなエコシステムをつくり出していくべきだと考えますが、今後のTIBの取組についてお伺いいたします。

○吉村スタートアップ戦略推進本部長 あらゆる挑戦者を応援するプラットフォームでありますTIBでは、社会課題の解決に挑む人々のアイデアの実現を多面的に支援しております。
 TIBスタジオでは、二千件を超えるアイデアをブラッシュアップし、事業化に向け二百件の伴走支援を実施しており、子育て世帯の負担軽減を図る保育園などの送迎代行サービスなどを実現いたしました。
 また、テストマーケティングの場、SHOPでは、コロナ禍で大量に使用されたアクリル板をアップサイクルした製品などの展示を行いました。
 来年度は、先輩起業家によるメンタリングや投資家のプレゼンテーション指導などの支援強化を図りまして、多様な課題に取り組むさらに多くの起業家を生み出してまいります。

○龍円委員 縦と横、それぞれで幅広い取組をしているということを評価いたします。
 国際金融都市東京の実現には、世界中の機関投資家から大きな投資を呼び込んで、国内資本市場の活性化も必要です。金利上昇やAI等のデジタル化の急速な進展など、情勢が激動する中、金融の力で社会課題解決ですとか、成長産業の発展を後押ししていかなければなりません。
 来年度、世界に羽ばたく潜在力を持つ企業へ上場前後の継続した投資、支援を行う官民連携ファンドを組成し、民間ファンド組成を促進するモデルケースを構築、展開するため、およそ五十億円が計上されています。
 このファンドにより、スタートアップの成長支援と資本市場の活性化を同時に実現し、東京市場の魅力向上と国際的な資金の呼び込み強化を図るべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中産業労働局長 我が国の株式市場は、企業の上場時における時価総額が海外に比べて小さいため、機関投資家の投資対象となりにくく、上場後の成長が停滞する傾向がございます。
 このため、都は来年度、百億円規模の官民連携ファンドを組成いたしまして、高い潜在力を持つ企業に対し、上場時の企業価値を高める成長戦略の策定支援などを行います。また、上場後も、機関投資家からの投資を呼び込めるよう、IR活動等を支援いたします。
 このように、上場前後をシームレスに支えるファイナンスモデルを構築することで、民間ファンドの組成を促し、スタートアップ等の継続的な成長支援と東京市場の活性化につなげてまいります。

○龍円委員 縦のゴー・グローバル・スケールアップ、横の裾野拡大に加えて、もう一つ重要なのが官民協働です。
 都はこれまでも、社会課題の解決にスタートアップの機動力や革新的技術を活用してきましたが、暑さ対策など緊急性の高いテーマへの迅速な対応には課題がありました。
 来年度開始する課題即応型官民協働ブーストアップ事業では、認定プロセスを見直し、導入までの期間を三から六か月程度早期化すると伺っています。案件の性質に応じた柔軟な導入規模や件数の設定により、社会課題解決のスピード向上が期待されます。また、こうした技術は、都民だけではなく、全国のサービス向上にもつながるものであります。
 スタートアップの製品、サービスを速やかに都民の暮らしの改善へつなげるとともに、同じ課題を抱えるほかの自治体とも手を携え、活用を推進していくことが重要だと考えますが、見解をお伺いいたします。

○吉村スタートアップ戦略推進本部長 来年度開始いたします本事業では、即時の対応が必要な都政課題にスタートアップの技術を活用するため、課題の内容やプロジェクトの規模に応じまして、上限二百万円と三千万円の二種類のコースを設けます。
 都側からの課題の提示やスタートアップの提案審査等を年間を通じて随時実施することで、スピードを重視しながら適切に技術を選定する仕組みといたします。各局と連携いたしまして、課題抽出から現場での実装まで一貫してサポートすることで、迅速な導入を進めるとともに、本事業の製品を都内外の自治体にも速やかに共有し、住民の快適で豊かな暮らしにつながる様々なサービスの導入に結びつけてまいります。

○龍円委員 さて、私の地元渋谷なんですけれども、スタートアップが都内でも集まっているんですけれども、同時に観光、エンタメ、ファッション、食文化、ナイトタイムエコノミーなど様々な魅力がぎゅっと、こう凝縮されているんですよね。海外から見た東京のスタートアップエコシステムの魅力というのは、ほかの国にはない東京独自の魅力と隣り合わせにあるということにあるんじゃないでしょうか。
 世界中のスタートアップや投資家らからも、東京に熱い視線が注がれていると伺っております。来月開催するSusHi Tech Tokyoは、過去最大の規模になると伺っているところなんですけれども、その際に、東京の魅力に触れる機会を提供することも必要であると思います。六月には、日本版グラミー賞を目指して創設された音楽アワード、MUSIC AWARDS JAPANが東京で開催されます。こういった力強い動きとも連携していくということも考えられるのではないでしょうか。
 ビジネスだけではなく、ほかの分野との連携をSusHi Techの場で実践することで、訪れる世界の人々が東京を楽しむ機会とするため、どのように取り組むのかお伺いいたします。

○吉村スタートアップ戦略推進本部長 スタートアップ戦略二・〇では、SusHi Techを世界のどこにもないユニークなイベントとするため、東京の多様な強みを打ち出すことを掲げてございます。
 四月のSusHi Techでは、注目領域にエンターテインメントを位置づけまして、AIと融合した未来の音楽を語るセッションや、江戸時代から進化し続ける歌舞伎の上演、自動翻訳で世界中に提供される漫画など、東京のエンタメを強力に発信いたします。
 さらに、水辺のナイトライフを楽しむ舟運やKK線でのウオーキングイベント、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭との連携など、東京が持つ魅力やコンテンツを生かしたまち中での盛り上げを図りまして、世界中の人々が満喫できる場としてまいります。

○龍円委員 スタートアップ関連の質問をさせていただきました。
 続いて、ナイトタイムエコノミーであります。
 昨年の訪日外国人の旅行者数は四千二百万人を超えて過去最多となり、その消費額は九・五兆円にも及びます。そして、今後ますます重要性を増しているのがナイトタイム観光の取組であります。
 渋谷は、都のナイトタイム観光推進エリアに指定されまして、二か年で計画が進められているところであります。官民が一体となった渋谷カルチャーディストリクト協議会というのが立ち上がりまして、観光客だけではなくて、渋谷を愛する人たちみんなが共存するナイトタイムエコノミーの方向性が探られているところであります。
 そこで、地域において、住民や事業者が一体となり、ナイトタイム観光を推進していく仕組みづくりが重要だと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○田中産業労働局長 都は、ナイトタイム観光を先導的に進める地域への支援を実施しておりまして、今年度より渋谷エリアの主体的な取組に対するサポートを行ってございます。
 具体的には、区や観光協会、商店街等で構成する協議会が実施いたします夜間の観光資源の洗い出しに関する調査や、住民と事業者等が課題を共有するワークショップなどの取組を支援しております。
 今後は、旅行者の分散を図り、回遊性を高める取組も後押しいたしまして、夜間の誘客や消費拡大につなげてまいります。来年度はさらに、支援対象となる新たなエリアの募集も行い、これらにより地域が一体となった持続可能な観光振興を図ってまいります。

○龍円委員 今後、都内のほかの地域にもナイトタイム観光の取組が広がることを期待するとともに、観光だけにはとどまらず、より広域なナイトタイムエコノミーの取組を都として戦略的に進めていただけますよう、よろしくお願いします。
 次に、宿泊税であります。
 観光客の急増に伴い、夜の混雑だったりとか、路上飲み、ごみのポイ捨て、無許可、無届けの宿泊施設などが課題となっている地域もあります。渋谷でも、各商店街が清掃活動をしているのですけれども、それぞれの商店街が単体で毎日何万人もの受入れをしているというのは限界が生じておりまして、まちの美化活動等に対する救済の声が届いているところであります。
 都は、観光の持続的成長に向けて、誘客の取組と同様に、住民の生活環境や観光関連事業者への支援など、バランスの取れた観光振興が重要としています。こうした中、都は、宿泊税条例の改正を進めておりまして、新年度予算でも宿泊税収の全額を観光施策の財源として活用しています。
 宿泊税については、区市町村の観光受入れ環境整備など、地域の生活と観光との調和を図る取組にも積極的に活用するとともに、徴収者である宿泊施設事業者の負担軽減にも配慮すべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○武田主税局長 宿泊税は、観光振興を財政面から支える目的税でございます。令和八年度の予算では、観光客の増加に伴い、区市町村等が実施する混雑緩和やごみのポイ捨て対策などへの支援、観光産業に携わる人材の育成、活用に向けた取組などに活用し、その内訳をホームページで公表するなど発信を強化しております。
 加えまして、申告手続の省力化や、現在、納入額の二・五%、年間百万円を上限としてございます特別徴収交付金につきまして交付限度額を撤廃するなど、特別徴収に係る負担の軽減に取り組んでまいります。

○龍円委員 改正後については、各地域のニーズに合わせて柔軟に活用ができるようになるよう、区市町村へのヒアリングをしながら制度設計を進めていただきますよう、よろしくお願いします。
 民泊でありますけれども、生活に密着した雰囲気を観光客が楽しめるという魅力がありますけれども、都では、無許可の違法民泊ですとか、近隣住民とのトラブル、ごみ出しルールの不徹底など、生活環境に影響が出ていると、顕在化している状況にあります。
 新年度予算では、民泊関連のワンストップ相談窓口を新たに設置するとともに、宿泊税条例の改正により、民泊も課税対象に追加されることになりました。
 都民からの苦情や相談に適切に対応できる体制を整備するとともに、違法民泊の摘発にもつなげるなど、適正な民泊利用を促進するべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中産業労働局長 都では、近年、住宅宿泊事業の施設において、ごみや騒音など様々な苦情が増加している状況を踏まえ、来年度、こうした相談に対応するワンストップ窓口を開設いたします。
 窓口では、電話やAIチャットボットで相談を受け付け、その内容を所管の保健所に連絡し、現場確認と速やかな対応を依頼いたします。また、無許可、無届け施設の通報につきましては、届出状況等を確認し、保健所や警察への情報提供により指導や取締りにつなげることとしてございます。
 仲介業者のサイトの監視も引き続き実施することで、住宅宿泊事業の適正な運営を図ってまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。
 次に、インクルーシブツーリズムであります。
 山や川、海などの自然体験活動というのは幸福度を上げてくれますけれども、自然には、残念ながら、天然の段差というのがたくさんあります。私たちは、障害のある方であっても自然体験活動を楽しめるインクルーシブツーリズムというのを提案してまいりました。都は、誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業を立ち上げ、自然の中で障害のある方たちと一緒にどうすれば楽しめるのかというのを実践し、多くの事業者が参加していただきました。また、自然の中で使える車椅子などの器具の購入補助も意義があります。
 インクルーシブツーリズムを本格的に進めるためには、人材の育成も必要であると考えております。障害のある方をふだんから支援している方というのは、自然体験活動においては素人でありますし、一方で、自然活動のプロは障害に関する知識が十分ではないということがあります。
 全ての人が安心して自然を楽しめる観光の推進に向けて、観光に携わる人材育成の視点も含めて取組を強化していくべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○田中産業労働局長 都は、観光関連事業者に対し、障害者等が自然体験などを楽しめる旅行商品を造成するためのノウハウの提供や専門機器の導入支援等を行ってございます。
 今年度は、モニターツアーを多摩・島しょの三地域で行い、参加した延べ五十二名の事業者の中から、新たな旅行商品の販売につなげた事例も出ております。
 来年度は、障害者等の自然体験のサポートにも対応できるガイドを養成するため、介助や安全対策等の実践的なノウハウを提供するセミナーを開催いたします。
 これらによりまして、誰もが東京の自然を安心して楽しめるツアーを増やしてまいります。

○龍円委員 来年度は、人材育成のセミナーも開催するということでありました。長野県では、インクルーシブ野外活動指導員という仕組みがありますので、こういったものも将来的には視野に入れて、さらなる取組の強化、よろしくお願いします。
 続いて、二〇五〇年のゼロエミッションの実現に向けて、都は、ZEⅤ普及促進事業を進めてきました。一方で、私たちは、一日の走行距離が長く環境負荷の大きい業務用車両へのEV導入加速を求めてきました。
 こうした指摘を踏まえて、新たに業務用ZEⅤ大規模一括導入促進事業が創設されることを評価いたします。大口事業者が一括してEVを導入することを後押しするこの事業は、業務用車両のEV化を加速する上で重要です。
 一方で、複数車両の同時充電やガソリン車用設備の撤去、受変電設備の導入など、導入に当たっての課題も明らかになっています。
 新たに創設する業務用ZEⅤ大規模一括導入促進事業においては、その導入を阻んできた課題の解決に向けて丁寧に寄り添う内容にするべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中産業労働局長 事業者によるEVの大規模な導入を後押しするためには、施設の電気設備改修などEVに特有な課題に応じたきめ細かなサポートが重要でございます。
 都は来年度、ZEⅤの一括導入を検討する事業者に対して、電気設備に関する専門的助言等を行う総合支援窓口を設置いたします。
 また、充電スケジュール等の運用計画の検討費用に対して最大で補助率四分の三、上限一千五百万円、複数の充電器を導入する際に必要となります受変電設備の大規模な改修に対して最大で補助率四分の三、上限三千万円の支援も新たに開始いたしまして、事業者の負担軽減を図ってまいります。
 こうした取組により、事業者によります導入の検討から実際の運用までをシームレスに支援してまいります。

○龍円委員 今回の支援によって、都における脱炭素の取組が加速するよう、しっかりと取組を進めていただきたいと思います。
 先ほど、デザインで冷却する話をしたのですけれども、ゼロエミ住宅もその重要な役割を担っているところであります。新築住宅の断熱性向上についてお伺いいたします。
 断熱性能の高い住宅は、冷房や暖房の効率がよくなるため、光熱費の削減などの省エネ効果だけではなく、健康で快適な生活を実現することができます。
 都は、新築住宅に対して、令和元年度から、国の断熱基準を上回る性能を有する東京ゼロエミ住宅への支援を行っており、今年度は、当初の想定を上回る申請を受けたため、去年十二月に補正予算を編成し規模を拡大することで、多くの都民ニーズに応えています。
 こうした機運を捉えまして、カーボンハーフの実現に向けて、東京ゼロエミ住宅に対する支援をより一層促進し、新築住宅の断熱性向上をさらに加速していくべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○須藤環境局長 都は、新築住宅の断熱性能向上のため、東京ゼロエミ住宅の建築費などに対する支援を行ってまいりました。
 今年度の申請見込みは三年前の三倍以上となるなど、住宅の高断熱化への関心が高まっております。
 そこで、来年度、助成規模を一万六千戸から二万四千戸へ大幅に拡大することで、ゼロエミ住宅の標準化を目指してまいります。その際、光熱費の削減等により一般的な新築住宅との価格差を約十年で回収できるなどの経済的メリットを広報し、都民等に制度の活用を促してまいります。
 さらに、地域工務店に対し技術的な支援を行い、施工の担い手を増やしてまいります。
 これらにより、新築住宅の高断熱化を加速し、脱炭素で快適な住環境の確保につなげてまいります。

○龍円委員 家庭部門のエネルギー消費量削減のためには、新築住宅の取組に加えまして、都内およそ七百万戸を超える既存の住宅の断熱改修も重要であります。
 都はこれまで、都民ニーズ等を踏まえまして、段階的に支援の拡充を図るなど、取組の推進を図ってまいりました。特に、高断熱窓の設置は、住宅の壁や床などの改修と比べまして、比較的容易に改修ができ、省エネ効果も高く、大きな注目を集めています。
 都には、こうした機運を的確に捉えまして、大きなうねりにつなげていくことが求められています。
 そこで、支援策のさらなる充実を図るなど、既存住宅の断熱改修をさらに加速させていくべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○須藤環境局長 都は、既存住宅の断熱改修について、これまで補助率の引上げや対象設備の拡充など、支援の強化を図ってまいりました。その結果、今年度の高断熱窓の申請数は、前年度の約二倍となる見込みでございます。
 来年度は、断熱改修のさらなる進展を図るため、高断熱窓等への支援を拡充いたします。具体的には、戸建て向け等の助成額について、経費の三分の一から二分の一相当へ大幅に引上げを行います。また、助成規模を十万戸から十三万戸へ拡大いたします。
 さらに、断熱改修により、年間光熱費を二万円以上削減できる効果があるなど、都民に分かりやすい広報を展開いたします。
 これらにより、断熱改修を一層加速し、家庭の省エネを推進してまいります。

○龍円委員 新築住宅、そして既存住宅、それぞれ取組を強化していくということでありました。脱炭素に加えて、都民の快適で健康な暮らしにつながる高断熱な住宅の普及に向けて、今後も施策の推進を図っていただきたいと思います。
 次に、人手不足が深刻な業界で働く人材への支援についてであります。
 建築や運輸の業界は深刻な人手不足に直面していて、担い手の確保は喫緊の課題であります。建設業は、インフラを支える地域の守り手であり、トラックやタクシーなどの運輸業は、都民生活に不可欠な業種です。
 こうした業界で働くには、施工管理技士や自動車整備士、自動車第二種免許といった資格や免許の取得というのが求められます。資格を取得したいと考える従業員もいますが、中小企業が資格取得等の経費を負担するのは重く、現場を担う人材の確保や育成につながっていません。
 都では、都民生活の基盤を支える現場人材の支援を強化し、資格や免許取得の支援を通じて、担い手の確保と人材育成を進めるべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中産業労働局長 都は、中小企業の従業員のスキルアップに向けた社内研修等に対する支援を行ってございます。
 来年度、人手不足に直面する建設や運輸などの分野の中小企業を対象に、従業員の資格や免許の取得に必要な経費の一部につきまして、最大百万円を助成する事業を開始いたします。
 具体的には、土木や造園などの施工管理技士や電気工事士、自動車整備士といった国家資格のほか、トラックやタクシーの運転手の養成に必要な講習の経費を支援いたします。
 こうした取組によりまして、都民生活の基盤を支える人材の確保と育成を進めてまいります。

○龍円委員 引き続き、担い手の確保の支援、よろしくお願いいたします。
 スポーツ政策についてお伺いいたします。
 まずは、国際スポーツ大会の運営ノウハウの伝承についてであります。
 昨年開催された世界陸上とデフリンピックの感動は、まだまだ記憶に新しいところでありますが、改めてスポーツの力とそしてスポーツがインクルーシブ社会の歩みを加速させるということを実感したところであります。
 都が大会運営に直接関わりましたので、職員の皆様にとっても、またとない経験を積む機会になったのではないでしょうか。特に、様々な会場で競技が開催された総合スポーツ大会でもあるデフリンピック、この開催準備過程で得たノウハウというのは、都にとって大きな財産になりました。これが人の異動に伴ってなくなってはいけません。
 この経験から都が得たノウハウは非常に重要で、しっかりと継承していく仕組みを構築し、今後も国際大会の開催を通じて、都市力を向上させていくことを可能にすべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○渡邉スポーツ推進本部長 昨年開催されました世界陸上とデフリンピックでは、多くの職員が携わることにより、様々な経験を得ることができました。
 こうしたことを踏まえまして、来年度、デフリンピックの運営を担った東京都スポーツ文化事業団にスポーツコミッションTOKYOを新たに設置し、大会準備や会場運営、関係者との調整などの知見を継承いたします。この組織では、国際スポーツ大会等の運営支援を担うとともに、人材の育成も行ってまいります。
 様々な大会の開催を通じまして、スポーツ振興はもとより、東京のプレゼンス向上や魅力発信に貢献してまいります。

○龍円委員 組織を新たにつくって、そこに知見を貯蓄していくということでありました。これからも国際スポーツ大会を戦略的に東京に誘致していただきたいと思います。デフリンピックの社会的インパクトというのを見ますと、今後もパラスポーツを東京で開催する意義もあると思います。
 東京で多様なパラスポーツの国際大会を開催し、興味、関心をさらに高めていくべきだと考えますが、どのように取り組むのかお伺いします。

○渡邉スポーツ推進本部長 都はこれまで、パラスポーツの観戦を通じてその魅力を知っていただくため、国際大会の開催を支援してまいりました。
 来年度は、パラリンピックの予選をはじめ、より幅広い競技や様々な規模の大会が東京で開催されることを目指しまして、補助額を一億円まで引き上げるなど、支援を一層強化してまいります。
 また、広報やマーケティングなどの専門人材の活用への支援を拡充いたしまして、競技団体の基盤強化も図ってまいります。
 こうした取組を通じまして、都民の観戦機会の充実を図り、パラスポーツの普及につなげてまいります。

○龍円委員 今年は、知的障害のある方たちのスペシャルオリンピックスの全国大会が東京で開催されるんです。都としてもバックアップしていくということでありますけれども、ぜひ全面的にサポートをお願いいたします。
 このスペシャルオリンピックスというのは、日本ではまだ知名度が低いんですけれども、海外では非常に知られている国際大会でありまして、パラ、デフに続いて、東京でもいつかスペシャルオリンピックスが開催されることを希望いたします。
 さて、スポーツの暑さ対策についてお伺いいたします。
 世界陸上では、都のキングサーモンプロジェクトに選ばれた企業の製品を使いまして、暑さ対策の実証実験というのが行われていました。放射冷却の効果が高い新素材を活用したテントだと、体の深部の体温が下がりまして、熱中症予防に大きな効果が見込めるなどといった成果があったというふうに伺っております。
 今後も、気候変動に伴う厳しい暑さが見込まれる中、都立スポーツ施設の暑さ対策において、こうした最新技術を取り入れていくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○渡邉スポーツ推進本部長 都立スポーツ施設の暑さ対策におきまして、放射冷却素材など、世界陸上の知見を生かすことは効果的でございます。
 そのため、世界陸上において使用したテントを都立スポーツ施設で有効活用いたします。また、新たに整備するカヌー・スラロームセンターの日よけ屋根においても導入を検討し、利用が進むよう取り組んでまいります。
 加えて、駒沢総合運動場の屋外施設などにミスト発生器や移動式の散水機を配備いたします。
 今後も効果的な暑さ対策を実施することで、安全・安心なスポーツ環境の整備に取り組んでまいります。

○龍円委員 スタートアップが発掘支援している社会課題解決のテクノロジーを検証に終わらせることなく、こういった都民に還元していくということは、いい循環が生まれていると思いますので、引き続き取組をよろしくお願いいたします。
 さて、東京マラソンは、ワールドマラソンメジャーズの一つとして世界有数の大会としても称号を得ているところであります。これらの大会では、CO2の排出量を削減したり、サステーナブルな物流を推奨したりと、環境課題にも積極的に取り組んでいるところであります。
 東京マラソンでも、持続可能なスポーツ大会運営に努めておりまして、今年は、CO2削減を可視化するなどして取組を進めていました。二十周年となる来年は、取組をさらに加速させていくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○渡邉スポーツ推進本部長 東京マラソンでは、世界一の大会にふさわしい運営を目指しまして、環境に配慮した取組を進めております。
 これまで、ボランティアウエアのリユース促進や緑の保全活動を支援するグリーンマイレージプログラムなどを実施してまいりました。
 先日の大会からは、国産電動バイクを活用し、また、リユース可能な給水用カップを配布したほか、大会の温室効果ガスの排出量を算出し公表しております。
 これらを踏まえ、来年の二十回大会に向け、より環境に配慮した大会づくりを推進することで、ゼロエミッション東京の実現に寄与してまいります。

○龍円委員 しっかりとした取組を進めていただきますようお願いします。
 さて、この秋、都が全力で準備を進めてきた国際美術展、TOKYO ATLAS、これが臨海部で開催されます。この美術展は、公園ですとか屋外の会場というのを中心に開催されるということなので、誰もが訪れやすい場所で開催することになります。その結果、子供だとか若者とか、いろいろな方に気軽にアートに触れていただける絶好の機会になるのではないでしょうか。
 都はこれまで、都営住宅の空き店舗をアトリエとして貸し出すSTART Boxなど、若手アーティストを中心に幅広い支援を行ってまいりました。美術展の開催に当たっては、そういった若手の力を最大限に生かしていくことも重要なことであります。
 TOKYO ATLASでは、ほかの美術展にはない特徴を打ち出していくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○古屋生活文化局長 TOKYO ATLASでは、草間彌生をはじめとする世界的に著名なアーティストと同じ舞台で、都がこれまで支援してきた若手による特別展を開催いたしまして、若いアーティストを世界に知ってもらうきっかけといたします。
 また、一般にあまり知られていないアート界の様々なプロフェッショナルの仕事に光を当て、美大の学生にそうした仕事をインターンとして経験してもらうことで次世代の担い手を育成し、アート界全体の活性化を図ってまいります。
 こうした取組によりまして、新しい価値を生み出す東京ならではの美術展としてまいります。

○龍円委員 TOKYO ATLASの開催、楽しみにしております。
 次は、防災関連についてお伺いしてまいります。
 令和四年にTOKYO強靱化プロジェクトがスタートし、激甚化する風水害や首都直下型地震の自然災害から都民の安心・安全を守る対策を推進しております。このプロジェクトは、ハード整備などの公助の取組というのはもちろんなんですけれども、およそ九百万人もの都民が暮らすマンションなどにおいて、自助、共助の取組が進むよう住民への働きかけを強化するなど、私たちの主張を踏まえ、施策を不断に見直し、取組を進めています。
 そこで、都は来年度、TOKYO強靱化プロジェクトをどのように強化していくのか、知事の見解をお伺いいたします。

○小池知事 激甚化する風水害や首都直下地震など、様々な脅威から都民の命、そして暮らしを守るために、備えよ常にの精神で、東京の強靱化を推進していくことが重要です。
 これまで都は、建物の耐震化や調節池の整備を推進するとともに、地域防災力の向上に向けまして、町会、自治会の活動を支援するなど、ハード、ソフトの両面から取組を強化してまいりました。これにより、首都直下地震の被害想定が大きく改善しまして、浸水被害が激減するなど、東京のレジリエンスを着実に強化いたしております。
 来年度は、地下河川の事業化に向けた取組や宅地開発におけます無電柱化など、災害から都民を守るインフラ整備をさらに推進してまいります。加えまして、家具類の転倒防止対策や東京とどまるマンションの一層の普及を通じて、自助、共助の取組を充実させるなど、強靱化プロジェクトを加速してまいります。
 首都防衛、言葉を胸にしまして、世界で最も強靱な都市の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

○龍円委員 TOKYO強靱化プロジェクトをしっかり進めていくということでありました。
 去年の十月の八丈島における台風被害では、水源や水道管が回復するまでの応急給水体制の重要性が改めて認識されました。私たちは、これまでの予算特別委員会において、能登の地震も踏まえ、災害時に多くの人が集まる避難所における応急給水の改善を繰り返し提案し、都からは、避難所の応急給水栓を拡充するとの答弁を得てきました。
 いつ起こるとも分からない災害に備えまして、避難所の応急給水栓などの整備を進め、より強固な給水体制に強化していくべきですが、これまでの状況と今後の取組についてお伺いいたします。

○山口水道局長 災害時の給水体制としまして、都は、おおむね半径二キロメートル内に一か所、給水拠点を整備しております。また、給水拠点を補完するため、避難所に応急給水栓を設置してきておりまして、発災時は、仮設給水槽や路上の消火栓も活用することとしております。
 能登半島地震の経験などを踏まえまして、これまで施工できなかった箇所への対応を図るため、今年度新たに約十か所の避難所に応急給水栓を設置いたします。
 来年度は、消火栓が近くにない避難所を対象としまして、年間六十か所を目途に、応急給水栓の設置を進めるとともに、設置できない箇所には、速やかに仮設給水槽を配備していくことなどによりまして、災害時における都民への給水に万全を期してまいります。

○龍円委員 次に、都民が確実に給水を受けるための取組について伺います。
 水道局が整備した応急給水栓が、発災した際に適切に使われ、安全な水が都民に供給されるようにすることは重要であります。また、応急給水栓や水道局施設に設置された給水拠点など、災害時に水を配る施設、いわゆる災害時給水ステーションは、都民にあまり知られていないのが現状であります。運営に当たる地元自治体との連携を加速するべきです。
 都民が被災した際に、速やかかつ確実に水を提供できるよう、地元自治体とも連携し、そのノウハウを高めるとともに、災害時給水ステーションの設置場所を分かりやすく周知するべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○山口水道局長 災害などで断水した際、避難所などの災害時給水ステーションで迅速に応急給水が行われるよう、訓練や周知に取り組むことは重要でございます。
 このため、水道局は、発災時に住民への給水を担う地元自治体と連携しまして、応急給水栓を開く操作などの習熟を図る訓練を行うとともに、水道局アプリやSNSによりまして、給水拠点の都民への周知を図っております。来年度は、避難所における対応力を高めるため、区と連携しまして、出前講習会を開始いたします。
 あわせまして、応急給水栓などを設置した避難所の場所をホームページに掲載するとともに、防災マップと連携した広報を強化することによりまして、災害時給水ステーションの認知度を高めてまいります。

○龍円委員 これらは待ったなしなので、スピード感のある取組、よろしくお願いいたします。
 さて、私たちは、防災における地域連携が重要だと考えまして、町会とマンションの住民が参加する合同防災訓練、みんなで防災のバージョンアップを進めてまいりました。私も一月に、地元で行われた訓練に参加したんですけれども、町会とマンションの住民の方々が避難所の開設の模擬訓練をしたりですとか、消火栓の開け方を練習したりとか、様々な講習を受けていて、実践的な内容であり、大変感心したところであります。この訓練を実際に災害時に生かすためには、さらにこの取組、広げるだけではなくて、その訓練を行った場所で、地域の防災リーダーとなるような人の養成も重要なのではないかなというふうに感じたところでありました。
 そこで、訓練を実施した地域も含め、さらに災害への備えに向けた防災力を高めていくことが必要だと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○古屋生活文化局長 都は、町会・マンションみんなで防災訓練を実施いたしまして、これまで参加者に対する東京ポイントの付与や訓練に用いる資機材の補助などを行い、地域で助け合えるつながりの構築を図ってまいりました。
 来年度は支援対象を九十団体に増やすとともに、より多くの地域で訓練が行われるよう、東京アプリを通じた周知、広報のほか、実施町会のインタビューなどの事例集を配布しまして、普及を図ってまいります。
 また、関係局や区市町村と連携し、訓練の参加者のうち、地域の防災活動の中心となる方に防災市民組織リーダー研修の受講を呼びかけるなど、地域でのより一層の防災力強化と共助の推進を図ってまいります。

○龍円委員 よろしくお願いいたします。人材の育成も取り組んでくれるということでありました。
 さて、改めましてチルドレンファーストのお話をさせていただきます。
 私の地元の話ばかりで恐縮なのですけれども、渋谷区には、創設から二十年がたつプレーパークというのがありまして、このプレーパークで遊んで育った子供たちが今大人になっているのを見ますと、メンタルが安定していたりとか、課題に柔軟に対応できたりとか、人と交流するのが好きだったりといったような感じで、共通点があるように見えているんですよね。子供時代にこの創造性を使って遊び込むということが、長い人生によい影響を与えているんだなというのをここからも実感しているところであります。
 一方で、課題はというと、プレーリーダーの社会的な地位というのがまだまだ低いということだったりとか、ボランティアベースの運営になりがちだというところにあると思っております。
 子供の未来を育むプレーパーク整備促進事業では、子供の意見を踏まえたプレーパーク整備に取り組む区市町村への整備費助成ですとか、セミナー実施が予定されています。
 都として、本事業を通じて区市町村のプレーパーク整備を強力に後押しするとともに、プレーリーダーの養成や先進事例の横展開、民間団体との協働促進など、質の高いプレーパーク運営に向けた総合的支援を展開するべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中子供政策連携室長 都は、子供の意見を取り入れた遊び場整備に加え、体験の幅を広げる役割を担うプレーリーダーの育成など、区市町村による遊びの環境づくりを支援しております。
 来年度は、子供がより身近な地域において自由な発想で遊び成長できるよう、プレーパークの整備に取り組む区市町村への補助制度を創設し、最大三年間、各年度三千万円を上限に支援いたします。
 また、整備の参考となる先行事例や子供の意見を反映するノウハウ等も新たに共有するとともに、プレーリーダー等の人材確保など、遊びを支える地域団体を支援する区市町村への後押しも引き続き行ってまいります。
 これにより、ハード面、ソフト面の両面からプレーパークづくりを促進してまいります。

○龍円委員 プレーパークの推進、よろしくお願いします。
 続いて、中高生の居場所づくりなんですけれども、また地元で恐縮なんですけれども、原宿外苑中学校というところが、中学生の居場所をつくろうということで、月に一回、原宿外苑カフェというのをつくっているんですね。このカフェ、子供たちすごく喜んで月に一回集まっているんですけど、卒業した後、どこに集まればいいの、いろんな学校にばらばらになっちゃうけれども、どこかに集まりたいなんていう声もありまして、中高生の居場所づくりというのは、今、求められているんだなというのを感じているところであります。
 中高生の地域における居場所づくりを推進するに当たり、チームで取り組める交流活動や中高生同士のネットワークづくりを支援する視点を取り入れていくべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○田中子供政策連携室長 都は来年度、区市町村が行う中高生の居場所づくりへの補助を開始いたします。
 具体的には、運営経費について、開設からの二年間、補助率十分の十、三年目は二分の一で支援するとともに、多様な機能を有する居場所の整備に対しましては、最大三年間、各年度一億二千万円を上限に、補助率十分の十の助成を行います。
 この制度では、中高生が自分らしく過ごせる居場所となるよう、中高生の意見を取り入れることなどを要件といたしまして、文化、スポーツ活動等、幅広いニーズを捉えた多様な活動を後押しいたします。
 これにより、地域の日常的な居場所において、中高生の同世代等との交流を促進いたします。

○龍円委員 中高生は自分を模索する大切な時期でもあります。この居場所で仲間と出会い、刺激を受け、また、悩みを分かち合うことで、夢を語れる若者に育ってほしいと思います。来年度、こうした居場所が各地域で増えるように、補助制度の丁寧な周知を要望させていただきます。
 続いて、私立中学校の保護者の負担軽減のための施策についてであります。
 私たちは、昨年度の予算要望において、所得制限を撤廃した十万円の支援を訴え、実現いたしました。多くの保護者らから喜びの声、いただいております。都の取組を評価いたします。
 一方で、長引く物価高騰が都民生活に甚大な影響を及ぼしております。とりわけ子育て世帯においては、教育などへの支出負担が重くのしかかっており、未来への投資という観点からも取組を進めるべきです。
 昨今の物価高騰が子育て世帯を直撃する中、本事業においても、臨時的に支援を拡充すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○古屋生活文化局長 物価高騰が長期化する中、私立中学校の保護者の学習費負担は増加傾向にあり、また、令和八年度前半までは、実質賃金のマイナスの状況が見込まれております。
 こうした状況等を勘案し、私立中学校の保護者に対し、二万円を臨時的に支援いたします。
 この取組を通じまして、保護者の経済的負担を軽減し、子育て世帯をサポートしてまいります。

○龍円委員 そして、公立小中学校では、既に給食費の無償化というのが実現されているところですけれども、私立小中学校等に通う児童生徒に対しても、同様に負担の軽減というのが求められております。
 私立小中学校の給食費負担を軽減すべきだと考えますが、来年度の取組についてお伺いいたします。

○古屋生活文化局長 物価上昇が長引く中で、既に給食費の負担が軽減されている公立学校に通う世帯との均衡という観点から、区市によりましては、私立小中学校などに通う世帯への補助を実施しております。
 区市町村が、私立の小中学校等に通う児童生徒の保護者に給食費相当額の補助を行う場合、都は、公立学校における補助単価の二分の一を限度に、その取組を支援いたします。

○龍円委員 東京において、公立であっても、私立であっても、全ての子供たちが安心して学ぶことができる東京の取組が進んでいることを確認できました。ありがとうございます。
 さて、厚生委員会で質疑をさせていただきましたけれども、去年から急激に乳児院におけるゼロ歳児の受入れ依頼というのが増えまして、乳児院の皆様、大変苦慮されていると伺っております。そのため、支援を求めてまいりました。ゼロ歳児といいますと、ほかの一、二歳児に比べまして、頻繁な授乳が必要だったりとか、乳幼児の突発死症候群を予防するために頻繁に呼吸を確認するなどの人手がよりかかるわけなのですよね。
 なので、乳児院における受入れ体制について議論しているという答弁を厚生委員会ではいただいたところでありましたけれども、現状に対してどのように取り組むのかお伺いいたします。

○高崎福祉局長 ゼロ歳児の一時保護委託件数の増加などを踏まえまして、受皿となる乳児院が、夜間における授乳、呼吸の確認などの業務や緊急を要する受入れに対応できるよう、都は、来年度、新たに職員の増配置への支援を開始いたします。
 また、特別養子縁組を円滑に進めるため、今年度から専任の職員を配置する乳児院への支援を行っておりまして、現在の四施設から来年度は六施設に拡大いたします。
 こうした取組によりまして、乳児院の体制を強化してまいります。

○龍円委員 最後の質問です。
 先日、令和七年度の自殺者数の暫定値が明らかになり、全体数が減少する中で、小中高生の自殺というのは、令和六年に続き、過去最多を更新する見込みであります。
 都は、若者の悩みを受け止める様々な窓口を設置し、学校等を通じた周知にも取り組んでいますが、一方で、死にたいという気持ちのときに誰にも相談しなかった若者が多くいるとされています。相談に踏み切れない若者がいることも踏まえて、若者に向けて相談以外の対応の方法も含めて発信すべきだと考えます。
 相談に踏み切れない若者がいることも踏まえ、若者に向けて、相談以外のつらい気持ちへの対応方法も含めて発信する方法、この取組について見解をお伺いいたします。

○山田保健医療局長 深刻な状況にある若者の自殺を防止するためには、相談に踏み切れない若者にも訴求をすることが重要でございます。
 このため、都は来年度、新たなウェブサイトを設け問題解決を手助けするAIチャットボットを実装するとともに、つらい気持ちを軽減するセルフケア方法を発信いたします。
 また、若者の目に留まりやすい漫画により、相談の方法や効果などを伝え、深刻な事態に至る前に相談を促してまいります。
 加えて、SNSでのアニメーション動画を用いた広告等によりまして、多くの若者に届くよう周知を図ってまいります。

○龍円委員 ありがとうございました。
 私たち都民ファーストの会は、都民の幸福度の最大化を使命といたしまして、限りある財源を未来への投資へとつなぐ都政運営を求めてまいりました。
 本日の質疑を通じまして、ワイズスペンディングとチルドレンファーストを軸に、都民の暮らしに確かな変化が生まれつつあることを確認させていただきました。
 都におかれましては、この流れを一層確かなものとする施策の推進を強く求めまして、都民ファーストの会東京都議団の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○小山委員長 龍円あいり委員の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二分休憩