○松田副委員長 さんのへあや委員の発言を許します。
〔松田副委員長退席、委員長着席〕
○さんのへ委員 児童相談所における人材育成について伺います。
こども家庭庁が約十億円かけた虐待判定AIの導入を見送りました。虐待の判定には、豊富な経験値と専門的知識が求められます。そうした判定ができる人材の育成には相当な時間を要するため、児童相談所の運営課題の一つとして、慢性的な人手不足に陥っていることが挙げられます。
児童虐待に関する相談件数が年々増加していることを鑑みますと、今後も地道な人材確保と育成につながる予算をつけることが期待されますが、迅速な虐待判定を行う上での都の認定と人材育成及び人手不足に対する今後の取組について伺います。
○山口福祉局長 都は、虐待通告後四十八時間以内に安全を確認し、リスクアセスメントを行った上で、児童の安全確保が必要な場合は速やかに一時保護するなど、児童虐待に迅速かつ的確に対応しております。
来年度は、児童福祉司と児童心理司を合計七十六名増員するほか、意欲のある優秀な人材を幅広く確保できるよう、業務の魅力などを発信する動画等を活用したリクルート活動や、専門性を重視した採用選考を行うこととしております。
また、人材育成につきましては、都のトレーニングセンターにおいて実践的な研修を実施しております。
○さんのへ委員 次に、障害者スポーツにおける合理的配慮についてです。
三月十四日に行った総括質疑において、都として介助者についてどのような対応をしているのかと伺い、都からは柔軟に対応していると答弁がありました。現場判断で利用を断ることがないようにと念を押したにもかかわらず、その五日後、全盲の方が都立スポーツ施設においてプールを利用しようと介助者二人を連れて訪れたところ、この施設では障害者手帳利用での介助は一名までとしているという説明を受け、介助者二名を連れての利用を断られたそうです。これのどこが柔軟な対応ですか。
いうまでもなく、障害者差別解消法では、行政機関や事業者に対して、障害のある人への障害を理由とする不当な差別的取扱いを禁止しています。昨年四月一日からは事業者、つまり東京都による合理的配慮の提供が義務化されています。
現場における合理的配慮の理解促進が足りていない現状を受け、都としてどう対応するのか、見解を伺います。
○古屋生活文化スポーツ局長 都立スポーツ施設では、障害がある方への対応に関する事例を各施設の幹部職員の集まる会議において情報共有しまして、施設において合理的な配慮がなされるよう取り組んでおります。
今後も、利用される方に対して、職員一人一人がより適切に対応できるよう、こうした取組を進めてまいります。
○さんのへ委員 二名の介助者を連れて利用を断られた全盲の方からのメッセージです。
視覚障害であるため、二名の介助者同伴が必要であることの説明を試みましたが、まともに取り合ってくれる様子もなく、ショックを受けました。そんなはずはないと、こちらから何度も確認をお願いして、やっと都の担当の方に確認をしていただける流れとなり、最終的に二名の介助者を同伴しての利用が可能であることが確認されましたが、その旨を伝えられた際にも、今回は特例のような形、口外無用ということを耳打ちされ、既に認められている利用の仕方をするだけなのに、自分だけが特別扱いを依頼しているように感じさせられたのも大変不快でした。ほかの障害のある方には、まだそのような使い方を許可していないからと、施設の都合を一方的に押しつけられた形です。障害種、競技特性によって異なって当然の合理的配慮への認識と情報周知の徹底を強く望みます。私たちも空いている時間帯を選んで利用しています。ほかの利用者や施設職員に迷惑になるような利用の仕方をするわけではないのに、毎回毎回このような思いをさせられるのはやめていただきたいです。
これがパラリンピック開催地での実態です。当事者の言葉を胸に刻んで、都として国からの合理的配慮の指導を受けるような恥ずかしい事態にならないよう、一刻も早く改善してください。
次に、お台場噴水事業についてです。
経済・港湾委員会での答弁を踏まえ、東京都海上公園条例を確認しましたが、水質に関する検査基準は見当たりませんでした。海水及び上水を噴水に使用するに当たり、水の衛生管理基準について再度伺います。
都としてどのようなガイドラインにのっとって水質を管理するのでしょうか。
○松川港湾局長 お台場海浜公園に整備いたします噴水は、海上公園の整備の促進及び利用の適正化を図るとともに、自然環境の保全及び回復を図り、もって都民の福祉の増進と豊かな都市づくりに寄与することを目的とする東京都海上公園条例などに基づきまして、適切に管理運営してまいります。
○さんのへ委員 ガイドラインはなく、お台場噴水の水質は自主基準で管理運営するということを理解しました。
同じく、都の海上公園における噴水などの水景施設を有する公園二か所に水質管理について状況を確認したところ、その衛生管理基準は遊泳用プールの衛生基準に準じて管理しているとのことです。この衛生基準においては、大腸菌群は一切検出されないこととしています。
都は、噴水をつくる前に、下水の分流を進めて東京湾を浄化し、瀬戸内海や伊勢湾のような自然の美しさで評価される場所を整備すべきです。
最後に、お台場噴水事業に係る根本的な都の認識を伺います。
港湾局長は、令和六年第三回定例会での一般質問に対し、整備費及び維持管理費は現在精査中でございますが、一般会計ではなく、埋立地の売却等による収入を財源とする臨海地域開発事業会計を活用するため、税金は一切使いませんと二度にわたり答弁されています。この特別会計を活用するので、税金は一切使わないという説明に納得できない都民や監査業務に携わる方から疑問の声が寄せられています。
そこで、埋立地の売却等による収入を財源とする臨海地域開発事業会計を含む特別会計が誰のものなのか伺います。
○松川港湾局長 臨海地域開発事業会計は、臨海地域における埋立地の造成、整備及び開発に係る事業を区分経理するため、地方財政法に基づきまして、都が一般会計とは別に、特別会計として設置したものでございます。
本会計は、企業債の発行により調達した資金を原資として、埋立工事や都市基盤整備を進め、価値が向上した土地を民間事業者等へ売却、貸付けを行うことにより、今後の開発に必要な収入を生み出し、臨海副都心の魅力を高めるまちづくりを行う仕組みとなっております。
○さんのへ委員 埋立地は売却するまでは都の所有であり、すなわち都民の財産です。その売却益を使うことから、誰のものかということを聞いているのです。
ここで、改めて確認したいと思います。
一般会計の土台もなく、税金の繰入れが一切ない都の事業会計が存在するのでしょうか。現に臨海地域開発事業会計を含む特別会計は、一般会計とともに監査の対象になっています。これは都民の財産が公正に取り扱われているかを客観的に審査するためであり、この臨海地域開発事業会計は、紛れもなく、幾ら詭弁を弄しても疑いようもなく都民のものということです。都政に関わる者として、お台場噴水事業にかかわらず、特別会計では税金を一切使っていないという認識で仕事をされているなら大問題であり、考えを改めるべきです。
税金を一切使わないというのは、税金の無駄遣いという批判から逃れるための詭弁にすぎないということを申し上げ、質問を終わらせていただきます。
○川松委員長 さんのへあや委員の発言は終わりました。
以上をもちまして付託議案に対する締めくくり総括質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
第一号議案から第二十八号議案まで、第百五十九号議案及び第百六十号議案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
なお、明日は午前十一時から理事会を控室一で、また、午後一時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時四十二分散会
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