○川松委員長 さんのへあや委員の発言を許します。
○さんのへ委員 初めに、都知事のトップマネジメントについて伺います。
令和七年度当初予算において、一般会計の総額は、前年度比八・三%増の九兆一千五百八十億円と四年連続で過去最大を更新し、初めて九兆円台となりました。
小池都知事は、本当初予算を公表した定例記者会見において、少子化は社会の存立基盤を揺るがしている国家的な課題であり、都は、もはや一刻の猶予もないと述べられています。
実際に、都の少子化対策として令和七年度一般会計予算に盛り込まれた子育て費用の支援をはじめ、ライフステージをシームレスにサポートする子育てしやすい東京の実現に係る予算が一般会計全体の二割に当たる、約二兆円が各施策に計上されています。
過去の話になりますが、二〇一九年に、都は、二〇四〇年代に目指す東京の姿、ビジョンとその実現のため、二〇三〇年に向けて取り組むべき戦略を示した「未来の東京」戦略ビジョンを策定し、公表しました。
このとき、私は江東区議会議員に就任したばかりでしたが、この冊子を手に取って読んだことを鮮明に覚えております。
理由は二つありまして、その一つは、表紙の絵が、江東区立の小学校に通う子供が描いた絵で、「ちじょうがぜんぶこうえんになったまち」というタイトルで、車や電車が飛んでいたり地下に住む人がいるなど独創的な絵だったということ、もう一つは、東京都の人口は二〇二五年でピークを迎えた後に、本格的な人口減少時代に突入するということが明記されており、そのことに対する強い危機感を抱いたためです。
質疑に当たり、私の記憶が正しいか読み返してみましたが、しっかりと明記されていました。
さらに、東京都の人口は二〇二五年に一千四百十七万人でピークを迎えるとあり、この人口数値は、令和七年一月一日の時点の推計で一千四百十九万人で、かなり近い数字をいい当てていることも分かりました。
目指す二〇四〇年代の東京の姿という項目の中には、このように書かれていました。
子供を産み、育てることが社会全体の喜びとなっている。その結果、合計特殊出生率が先進国最高水準の二・〇七となり、少子化からの脱却に成功、また、我々は、次世代に幸せと希望に満ちた社会を引き継ぐため、強い危機感を持って、この問題に正面から向き合っていく。人口維持に必要な水準である合計特殊出生率二・〇七という数字は、子供を持ちたいという個々人の願いをかなえるとともに、人口減少に歯止めをかける決意を表すものであるとありました。
一方で、今年一月に概要が公表された二〇五〇東京戦略(案)では、都として強い決意表明があった合計特殊出生率二・〇七という数字はどこにも掲載されておりませんでした。
都としての長期計画から、この合計特殊出生率の目標を消した理由について、小池都知事に伺います。
○佐藤政策企画局長 「未来の東京」戦略で掲げました百六十四の政策目標の中に、お尋ねの合計特殊出生率については含めておりません。
一方で、ご質問のように、合計特殊出生率二・〇七は、少子化の課題に向き合う姿勢としてお示ししたものでございます。
少子化の要因は複合的であり、新たな二〇五〇東京戦略でも、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援に加え、教育、住宅、就労や職場環境などの幅広い分野での対策が必要であるとの認識の下、婚姻率、出生数、有配偶出生率、男性の育業取得率など様々な指標に着目しながら、取組を進めていくこととしております。
引き続き、望む人が安心して子供を産み育て、子育ての喜びを実感できる東京の実現に向けて政策を展開してまいります。
○さんのへ委員 私は、この質疑で何を確認したかったのかといいますと、この目標となる数値なくして、子育てしやすい東京の実現のための事業予算を審査する、その効果を精査することが極めて難しいということです。
平成二十九年七月二十一日の都知事記者会見において、小池都知事はこう述べられています。
客観的事実に基づくエビデンスベースによる評価ということを新たに実施することといたしました。これまでの政策立案では、都庁内の経験とか予測など、ある種、限られた情報に基づく分析、これがエピソードベースというもので、エビデンスベースというのとエピソードベースという二つありまして、これまでがエピソードベースによる分析が行われて、それで計画途中で事業費が大幅に増加するなどのケースが間々見られたわけですと発言されています。
それにもかかわらず、客観的事実として捉えられる数値を計画から外すという行為は、都の政策立案がエビデンスベースからエピソードベースに逆戻りしている証左ではないでしょうか。
エビデンスベースに基づき、さきの一般質問でも確認したお台場噴水事業について伺います。
本会議一般質問での答弁において、お台場噴水事業が地域からは歓迎されていると他会派の議員に対して答弁されました。
何を根拠に、地域からは歓迎されていると答弁したのでしょうか。都が答弁した地域とは一体誰なのか、詳細な説明を求めます。
○松川港湾局長 噴水の整備に当たりましては、その意義や目的を十分ご理解していただくとともに、地域の方々に親しまれる施設とすることが重要でございます。
そのため、都は、令和六年九月の整備方針発表以降、お台場地域にお住まいの方々はもちろん、屋形船などの水域利用者や地元の進出事業者の皆様に対しまして、直接、丁寧に説明を行っております。
その中で、水域利用者からは、新たな観光資源ができることは大いに歓迎、集客増を期待など、大きな期待が寄せられております。
地域の住民や小中学校からも、魅力あるランドマークとなってほしい、見ている人も体験できるような取組があると面白い、生徒たちが自ら考えた噴水の演出が実現すれば喜ぶ、教育にもつながるよい取組であるなど期待の声が多数ございます。
進出事業者からも、噴水を活用したにぎわい創出策を一緒に検討し、共にエリアを盛り上げていきたいなどの声があり、多くの期待や歓迎の声をいただいております。
○さんのへ委員 答弁簡潔にお願いします。
水域利用者から歓迎の声があったということです。
地域住民への説明会、これ、いつ開催されたものでしょうか。また、これまでどれだけの回数を行ったか、小中学校以外で十八歳以下の子供から意見を聴取する場面があったか、説明会の参加人数及び都に寄せられた意見がなかったか伺います。
○松川港湾局長 これまで都は、住宅の自治会や学校のPTA等が参加する地域の連絡会に出席するとともに、都の主催で住民説明会を開催し、地域の方々に直接、丁寧な説明を行ってまいりました。
住民の方に直接説明し、意見交換した回数は、合わせて六回でございます。
地域住民からは、魅力あるランドマークとなってほしい、見ている人も体験できるような取組があると面白いなど、期待や応援の声を数多くいただいております。地元の小中学校からも、生徒たちが自ら考えた噴水の演出が実現すれば喜ぶ、教育にもつながるよい取組であるとの意見もいただいております。
また、地域の小学校の生徒会では、好意的に受け止められ、ぜひ演出に関わっていきたいとの声をいただいております。
○さんのへ委員 答弁繰り返さなくて結構です。
参加人数について、明白なご答弁はありませんでした。台場地区に住む住民、およそ五千五百人です。そうした方々を対象に計六回の説明を行ったという答弁と認識しております。
実際に町会で行われた説明会に二月二十七日に参加したという方からお話を聞きましたが、都から事業に関する簡単な概要説明があり、感想程度の住民とのやり取りがあったようです。
また、本委員会で、住民説明会に関する情報を港湾局ホームページに掲載すべきという趣旨の質疑を通告したところ、その翌週に突如ホームページが更新され、住民説明会に関する情報が掲載されました。
インバウンド客を主なターゲットにしているはずなのに、噴水の演出内容については地域住民からの意見を踏まえてとあり、都が期待する経済波及効果が果たして生まれるのか疑問に感じています。
また、再三申し上げている噴水の安全性について、住民へ説明されたのか不明瞭です。
私が行ったさきの一般質問において、経済波及効果十八億円や年間の観覧者数三千万人という、本事業実施による効果の算出根拠が甘いのではないかという指摘をしたところ、都議会のインターネット中継や各種報道を通してこのことを知った多くの都民から怒りの声が寄せられました。
こうした声を可視化するために、三月二日にお台場噴水設置計画の撤回を求める署名サイトを立ち上げたところ、今日まで僅か二週間という期間で二万二千六百九十件の署名が殺到しております。
小池都知事の都知事選の公約において、これからも都民のために、都民と共にと掲げられています。知事、お台場噴水事業に反対する都民が多くいます。この事実に目を背けないでください。都民の声を真摯に受け止め、即刻、本事業の実施を見直すべきです。
都庁プロジェクションマッピングと同様に、このお台場における噴水事業についても、どこで誰が何を決めているのか不透明、ブラックボックスだと、過去の小池都知事の言葉を借りて評させていただきます。
次に、都区財調についてです。(松川港湾局長発言を求む)私自身、公約に都区財政調整における区部の自由度を高め、区民ニーズの対応に努めることを掲げております。令和七年度は都区間の配分割合が変更され、特別区の配分割合が五六%となり、令和二年度に定められた五五・一%から〇・九%引き上げられたことを高く評価しております。
現行の特別区制度は、長年にわたる自治権拡充運動の成果であり、この都区財政調整について都区で毎年協議されていますが、令和七年度の都区財政調整における配分割合の変更の考え方について伺います。
○川松委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○川松委員長 速記を始めてください。
○松川港湾局長 先ほど、経済波及効果十八億円とおっしゃっておりましたけれども、九十八億円でございます。
また……(発言する者あり)十八とおっしゃったかと存じます。
○川松委員長 多分いい間違えちゃったんだよ。
〔さんのへ委員「いい間違えです、九十八億円です。はい、存じ上げています」と呼ぶ〕
○佐藤総務局長 人口が高度に集中する特別区の区域におきましては、大都市の一体性、統一性確保の観点から、他の道府県にはない都区制度という特別な制度が適用されています。
特別区は、住民を身近で支え、地域生活を充実させる施策を行う一方で、東京都は、鉄道、道路ネットワークなどインフラ整備、無電柱化の推進や調節池等の整備による強靱化、産業力の強化、ゼロエミッションに向けた先進的な取組など、ハード、ソフト両面において、東京の都市基盤や国際競争力を向上させる重要な使命を果たしております。今般の都区合意は、今申し上げた考え方に基づきなされたものでございます。
改めて申し上げるまでもございませんが、都区財政調整制度は特別区のためのみの制度ではなく、ただいま申し上げた、東京都が有する重要な使命を果たすこと、特別区がそれぞれの地域での役割を果たすこと、この双方を財政面で支える仕組みでございます。
○さんのへ委員 急速に進む少子高齢化への対応、また、今年一月には、南海トラフ地震の三十年以内の予想発生率が八〇%程度に引き上げられるなど、首都を襲う巨大災害の切迫性は今に始まったことではありません。
都区として連携協力して地域行政に取り組むべき施策もありますが、あらゆる状況下においても都区それぞれが柔軟に対応できるよう、協議を進めていただきたいと思います。
次に、都の広報について伺います。
令和七年度予算のうち、東京都が新たに始める新規事業は七百十二件あり、新規事業のみに係る予算の総額は三千三百五十九億円であり、この中で、情報発信や広報、各局における普及啓発や理解促進などの事業は四十件ほどありました。特に政策企画局においては、新規事業の四件中二件が広報、情報発信となっています。
行政広報を行う上では、常に効果的な広報活動に取り組む必要があると考えますが、都としてどのような効果検証を実施しているのか伺います。
○佐藤政策企画局長 都では、政策の実効性の向上に向け、都民や事業者などに施策の内容を確実に周知するため、目標設定や各種指標の分析を通じた効果検証を実施しております。
具体的には、都民へのアンケートなどにより、施策の認知度や行動変容などの状況を検証しております。
また、広く活用を進めている動画やSNSによる広報の検証については、ウェブ解析のツールを全庁展開し、デジタルマーケティングに精通した民間出身の専門人材の知見を活用してアクセス解析を行っております。
こうした効果検証の取組を重ねることで、広報活動を改善し、施策の効果を高めております。
○さんのへ委員 都が行う行政広報は、何をもって効果があったとするのか、それぞれ基準が設けられているのかと思います。
例えば政策企画局では、伝わる広報大賞として庁内の優秀な広報事例を共有していますが、令和六年グランプリとなったのは、生活文化スポーツ局が実施した、漫画「範馬刃牙」とコラボした名もなき家事普及啓発事業でした。
情報開示請求をしたところ、本事業に係る費用総額は二千七百万円で、PR動画は一か月で五十五万回再生になったことを受け、グランプリに選出されたとのことでした。意外性のある内容で確かに話題になったのかもしれませんが、広報の目的は、多くの再生回数を稼ぐことではなく、男性の家事、育児に係る意識改革、行動変容だと思います。
本事業にかかわらず、広報の効果検証の指標については、具体的にどのようなものを使っているでしょうか。
○佐藤政策企画局長 都では、広報の効果検証に当たり、様々な成果指標を活用しております。
例えば、アンケート調査で、事業に対する年代別の認知度などを把握し、ターゲットを明確化するほか、ウェブ広告のクリック数や、ホームページにどの経路から流入したかなどを測定し、費用対効果の高い発信媒体を選定しております。
また、SNSの投稿に対する反応の大きさを示すエンゲージメント率等を測定し、施策への共感度合いを分析することで、訴求力の高い広報物の制作に役立てております。
○さんのへ委員 行政広報の目的は様々ありますけれども、何が広報として効果的か、庁内でノウハウを活用しつつ、必ず費用対効果を意識したものを実施していただきたく要望します。
また、都として、国際広報についても取り組み始めたことを伺っております。
資料を要求させていただきましたが、令和六年度見込み数を見ると、記事広告の実績及び効果が昨年度比の倍近くなるようですので、広告に係る巨額な予算を実態悉皆調査に回すなど、引き続きエビデンスベースでの堅実な取組をお願いします。
次に、特定妊婦について伺います。
二〇二四年四月施行の改正児童福祉法に特定妊婦の支援事業が盛り込まれ、都としても努力義務が課されています。
都は、特定妊婦支援として、現在どのような事業展開を行っているでしょうか。また、特定妊婦をどのように把握し、どのような相談が寄せられているか伺います。
○山口福祉局長 特定妊婦は、児童相談所や子供家庭支援センターなど地域の関係機関が参画する要保護児童対策地域協議会の支援対象となっておりまして、関係機関が連携しながら、育児に不安を持つ特定妊婦を把握し、相談援助など必要な支援を行っております。
都は、妊娠相談ほっとラインにより、妊娠や出産に関する様々な相談に応じるほか、今年度からは、妊産婦等生活援助事業を実施しまして、民間団体による一時的な住まいや食事の提供、医療機関等への同行支援など、家庭生活に困難を抱える特定妊婦などを支援しております。
○さんのへ委員 今答弁でもいただきました妊娠相談ほっとラインの利用者年代別相談件数の推移を過去三年分資料要求したところ、延べ件数で三十代の利用者が最も多く、次いで四十代以上、二十代、十代以下となっていることが分かりました。
一方で、特定妊婦等に対する産科受診等支援件数の推移を見ると若干増加傾向にあるものの、妊娠相談ほっとラインの相談件数を見ると産科受診の支援を受けているのはおおむね一%以下の割合となっています。
母子を守る上で、どのような支援が有効であると都は考えているでしょうか。
また、特定妊婦の出産後も関係機関との見守り連携等が取れているか、都の認識を伺います。
○山口福祉局長 都は、妊娠届出時の面接など様々な機会を通じまして、悩みを抱える妊産婦を把握し、出産後も含めて必要な支援につなげる区市町村の取組を支援しております。
さらに、今年度から、改正児童福祉法に基づきまして、母子保健部門と児童福祉部門が一体となり、妊娠期から子育て期にかけて関係機関と連携しながら包括的な相談支援などに取り組む区市町村への支援を強化しております。
○さんのへ委員 ベビーライフ事件もあり、社会起業家やNPOのお手柄のために赤ちゃんの命を弄ぶような、拙速な特定妊婦支援も厳に戒めるものです。
次に、障害児者施策について伺います。
先月、都は、障害者雇用と職場活躍を進めるための都庁における障害者活躍推進計画の第二期を策定しました。
障害者雇用率や採用後一年後の職場定着率に加え、新たに障害者の職場満足度を現状の六八・一%から、二〇二九年度までに七〇%以上に引き上げるとしています。
この職場満足度の向上に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
○佐藤総務局長 都庁における障害者活躍推進計画の改定に当たりましては、職員へのアンケートや障害者団体へのヒアリングなどを実施いたしまして、障害を有する職員へのさらなる理解の促進や活躍の場の拡充などにつきましてご意見を伺いました。
これらの意見を計画に反映をいたしまして、来年度からは、上司などに障害特性等を伝えるコミュニケーションシートの導入などを進めていくこととしております。
こうした取組によりまして、職場満足度を向上させていくこととしております。
○さんのへ委員 障害者団体へのヒアリングのみならず、就職を控える若い当事者や不特定多数の当事者の声もヒアリングするようにお願いを申し上げます。
次に、障害者スポーツの現状と都の取組について伺います。
都は今年一月、都民のスポーツ活動等に関する調査結果の速報を公表しました。
過去一年間に週一回以上スポーツや運動をした十八歳以上の障害を有する都民のスポーツ実施率は四六・六%で、前回比〇・三%増となっていますが、その内訳は、ウオーキングと散歩が多く、次いで、体操、屋内運動器具を用いる運動、水泳、遊泳、陸上競技となっていますが、ウオーキングと散歩以外の屋内施設や器具を用いるスポーツに関しては、いずれも全体のスポーツ実施者のうち、一割から二割程度の実施でした。
私は、社会福祉士、精神保健福祉士として、地元江東区にお住まいの障害当事者やご家族の皆様からご相談をお受けするほかに、視覚障害をお持ちの方を支援する同行援護従業者資格を持ち、ガイドヘルパーとして勤務していた経緯もあります。
当事者の方と行動を共にすると様々な障壁があることを実感させられますが、その障壁の一つがスポーツへの参加でした。パラリンピックが開催された東京都においても、十分な環境が整っているとはいまだにいい難い状況であります。
視覚障害をお持ちの方が水泳をする場合を事例に挙げます。パラリンピックをご覧になった方はよく分かると思いますけれども、タッパーという、プールの両サイドに長い棒を持って選手をタッピングすることによって折り返しのタイミングを知らせる役割の介助者が必要となります。このタッパーがいなければ、選手はプールの壁に激突して大けがをしてしまいます。そのため、視覚障害を持つ当事者の方が水泳を練習する際は、介助者が最低二名以上必要となります。
都が運営委託する障害者総合スポーツセンターは、あらゆる障害のある方が利用できるスポーツ施設ですが、こうした施設でさえ障害者一人につき一人の介助者しか認められず、プール利用を断られた視覚障害者の方がいます。
障害の状態やスポーツ競技の内容によっては、複数人の介助者がつくことが当然想定されるべきと考えますが、都として、介助者についてどのような対応をしているか伺います。
○古屋生活文化スポーツ局長 東京都障害者総合スポーツセンター及び東京都多摩障害者スポーツセンターにおいては、障害のある方の利用に際して、利用者本人の障害の程度や施設の利用方法に応じ、介助者の人数や介助の内容について、従来から柔軟に対応してきております。
○さんのへ委員 柔軟に対応しているとのことですので、現場判断で利用を断られるようなことはあってはならないと考えます。
ぜひ、障害当事者の方にとって柔軟な対応とは何か、デフリンピックの開催も控える東京都においてはなおのこと、当事者からの意見要望を踏まえて、見直して対応していただきたいと思います。
次に、東京都選挙管理委員会としての投票におけるバリアフリー、合理的配慮として、電子投票に関する取組を伺います。
総務省は、二〇〇二年施行の特例法により、自治体が条例を制定すれば地方選挙において電子投票を実施できるようになり、二〇二〇年には専用端末に限っていた指針を見直し、市販の端末が使えるようになりました。
電子投票は、文字を書くことが難しい身体障害者にとってメリットがあるだけでなく、開票時間の短縮、職員の負担軽減などのメリットもあります。
選挙のバリアフリー対応として、音声機能つきの電子投票について、東京都選挙管理委員会は、これまでどのように取り組み、検討してきたのか伺います。
○川上選挙管理委員会事務局長 電子投票につきましては、現状では、候補者が多数の場合、全ての候補者を一つの画面に表示できないことによる公平性の課題や、機器やシステム導入に係るコスト増加の問題があると認識してございます。
国の制度運用の状況等、状況把握に努めてまいります。
○さんのへ委員 先日、インターネットに関する質疑もありましたが、電子投票の導入についても、最新技術を駆使し、都として前向きに取り組んでいただきたいと思います。
また、投票所において障害のある方が投票する際に生じる課題などについて、都は、どのように把握し、取り組んできたのか伺います。
○川上選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会といたしましては、投票所の事務を担う区市町村選挙管理委員会が、有権者の個々の状況を理解し、障害の状況に沿って対応することが必要であると考えてございます。
このため、毎年、区市町村選挙管理委員会職員を対象に、東京都心身障害者福祉センターの講師による研修を実施するとともに、各種選挙執行前には事務説明会を開催し、各選挙管理委員会の取組事例を紹介するなど、障害者に寄り添った配慮をお願いしているところでございます。
○さんのへ委員 研修について、ぜひ当事者の方をお招きして、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
次に、教育、子供政策について伺います。
令和五年三月に発生した台東区児童虐待死事件に関する検証報告を受けました。
亡くなった児童の母親は、児童を出産する前から精神的に不安定であり、特定妊婦として把握されていました。一方で、亡くなった児童は、同時期に複数の保育園に在園する二重保育や短期間の間に転園を五回繰り返すなど、養育状況に違和感を持つ場面がありました。
検証報告では、こうした場面において保育園と児童相談所が連携できなかったことが課題として残ったとされています。
児童虐待対応について、新年度予算では、警察との情報共有システムが挙げられていますが、この新規事業計画がどのようなものか伺います。
○山口福祉局長 都は、児童相談所と警察がより迅速かつ緊密に連携して対応できるよう、リスクが高いと考えられる全ての児童虐待に関する情報をリアルタイムで共有できる仕組みの運用を来年度から開始することとしております。
具体的には、警察が児童虐待に関する必要な情報を随時閲覧できるよう、児童相談所情報管理システムにアクセス可能な端末を都内の警察署などに設置することとしており、今後、運用状況などを検証しまして、その結果を踏まえ、警察と情報を共有する新たなシステムを開発することとしております。
○さんのへ委員 リスクが高いか否かというのは、誰が判断するのでしょうか。判断を誤り、過去に何人もの子供が虐待死に至っています。
事例に挙げた台東区の虐待死事件では、令和三年一月から事件発生までの二年間で、当該児童にたんこぶやあざなど外傷がある旨の報告が五回も保育園から子供家庭支援センターにされています。そのたびに、子供家庭支援センターは、児童相談所と情報を共有するにとどめています。その理由は、リスクが低いと判断されたからです。
全件共有するからこそ、データベースや情報共有システムとしての意味があると考えます。その前に恣意的なスクリーニングがあると意味がなくなることは、台東区の事例を見ても明らかです。これはデータを扱う基本ということを申し上げ、全件共有を重ねて求めるものです。
リスクについて誰が判断するのか、また、全件共有に関する都の見解を求めます。
○山口福祉局長 都は、虐待非該当、警察による通告及び助言指導としたものを除き、児童相談所が身体的虐待、ネグレクト、性的虐待として受理したケースなど、リスクが高いと判断する全てのケースを警察と毎月共有しております。
また、児童相談所において四十八時間以内に児童の安全確認ができない場合は、立入調査の実施を決定した上で警察への援助要請を行うなど、緊急性が高いケースは、警察とその都度情報共有しまして、連携して対応しております。
来年度から、これらの児童虐待に関する情報をリアルタイムで共有できる仕組みの運用を開始することとしております。
○川松委員長 さんのへあや委員の発言は終わりました。
以上をもちまして付託議案に対する総括質疑は終了いたしました。
○川松委員長 次に、部局別質疑について申し上げます。
部局別質疑は、本委員会設置要綱の定めるところにより、各常任委員会の調査をもって代えるものとなっておりますので、所定の手続を議長に申し入れます。ご了承願います。
この際、各常任委員長に申し上げます。
部局別質疑に関する調査報告書は、三月二十一日の午後五時までに提出されますよう、特段のご配慮をお願いいたします。
なお、来る三月二十五日については、午後一時から委員会を本委員会室で開会し、締めくくり総括質疑を行っていただきます。
また、三月二十六日に予定しております討論等の委員会運営につきましては、理事会にご一任願いたいと思います。ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時五十二分散会
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