○尾崎副委員長 北口つよし委員の発言を許します。
〔尾崎副委員長退席、中山副委員長着席〕
○北口委員 初めに、東部低地帯の河川耐震対策について質問をさせていただきます。
東京の東部低地帯は、地盤が海水面よりも低いゼロメートル地帯が広がっています。地元葛飾の河川堤防に上がりますと、河川の水面と、そして住宅の二階部分が大体同じ高さで住宅街が広がっているのがよく分かります。住民からは、夏の大雨が降るたびに不安になる、そういった声も聞いております。
東部低地帯においては、ここ五十年以上、大規模な水害は発生しておりません。これまでの関係各局の皆様のご努力に改めて感謝を申し上げます。
今では、この地域に約二百五十万人が生活をしております。住民にとっては、河川堤防は命綱でございます。万が一にも堤防が決壊しないよう、地震や豪雨に耐え得る強い河川堤防でなければなりません。
都は、東日本大震災後の平成二十四年度に東部低地帯の河川施設整備計画を策定、さらに、令和三年度には対象範囲を拡大した第二期計画を策定し、私の地元葛飾区を流れる中川、新中川においても堤防の耐震補強工事が切れ目なく行われております。
そこで、この中川、新中川における堤防の耐震対策の進捗状況と令和七年度の取組について伺います。
○花井建設局長 中川、新中川におきましては、東日本大震災を受けて策定した計画に基づきまして、堤防の変形を抑制する地盤改良などの耐震補強工事を実施しております。
令和六年度末までに、中川では対策延長約十五キロメートルのうち約九キロメートル、新中川では対策延長約九キロメートルのうち約五キロメートルを整備し、いずれも対策延長の約六割が完成する見込みでございます。
七年度は、中川では平和橋上流左岸など二区間で約〇・七キロメートル、新中川では細田橋上下流右岸など四区間で約一キロメートルの工事に着手してまいります。
引き続き、十三年度の完了に向けて耐震補強工事を着実に推進し、地域の安全性を高めてまいります。
○北口委員 一刻も早い事業の完了を要望いたします。
また、既に完成しています中川の堤防では遊歩道等が整備されて、日常的に川辺に親しめるようになっております。新中川におきましても、現在、高水敷が開放されておりますけれども、工事後は、その広さを生かしまして、緑豊かで回遊性の高い、住民が楽しめる河川敷になりますよう、併せて要望をさせていただきます。
続きまして、中川のスーパー堤防整備についても伺います。
こうした地道な堤防耐震対策工事とともに、さらに安全性を高めるために、川沿いの再開発と併せてスーパー堤防の整備事業が行われております。
スーパー堤防は、その完成が河川の一部だけであったとしても、大規模な水害が発生した場合には救助活動の拠点とすることも可能であり、着実な整備が求められます。
中川においては、葛飾区の西新小岩地区、そして奥戸一丁目地区にて整備が検討されています。このうち奥戸一丁目地区については、民間企業の大規模工場跡地の再開発をする際に、一部をスーパー堤防化するというふうに聞いております。
私もよく通る場所でございますが、中川沿いの広大な敷地で、既に新しい物流倉庫の再開発工事が始まっています。地元住民からは、スーパー堤防の方はどうなっているのかというお声を聞いております。
そこで、当該地区におけるスーパー堤防整備に向けた取組についてお伺いをいたします。
○花井建設局長 都は、地震に対する安全性と河川環境の向上を図るため、沿川の開発等と一体的にスーパー堤防の整備を進めております。
葛飾区の奥戸一丁目地区では、令和六年七月に、都と再開発事業者及び区の三者でスーパー堤防の整備に向けて施工区分等を定めた確認書を取り交わしました。都は、これまでに測量などを実施してまいりました。
現在、事業者により物流倉庫の建築工事が進められておりまして、七年度は都において築堤工事の設計に着手いたしますとともに、三者間で工事工程等の調整を進めてまいります。
引き続き、スーパー堤防の整備を推進し、安全で魅力ある水辺空間を創出してまいります。
○北口委員 早期の着工、よろしくお願いいたします。
こうした堤防整備に加えまして、万が一、大規模水害の発生が予想される場合には、都は浸水エリア外へ避難する広域避難を呼びかけております。
昨年の二定一般質問で広域避難の実効性について質問したときには、今後、関係機関のタイムラインの作成や、区が作成する広域避難計画のモデルを作成するとの答弁でありました。
今後、当該区が計画のモデルを活用し、実効性のある広域避難計画を策定していけるよう、都としても広域避難先の施設を確保するとともに、当該施設までの輸送手段の確保についても積極的に取り組むなど、区を支援していく必要があると考えますが、都の見解を求めます。
○佐藤総務局長 都は、大規模風水害時の広域避難先として都有施設を活用することに加え、国や企業、大学など十九団体と施設利用の協定を締結しております。
また、都と区が運営する大規模な広域避難先施設の開設運営及び警備などの業務を円滑に実施するため、本年一月、警備会社と協定を締結し、運営体制を強化いたしました。
輸送手段につきましては、年度末に作成する広域避難計画のモデルにおきまして、鉄道の増発やバスの確保などを要請する際の時期や手順を示しまして、円滑な避難につなげてまいります。
来年度は、広域避難先施設の確保をさらに進めていくとともに、災害時におけるバスの確保や運用の具体化を図るなど、区の計画策定を支援してまいります。
○北口委員 よろしくお願いします。
さて、広域避難につきましては、高齢者や障害者、あるいは病気などにより、どうしても広域避難が困難な方も一定数いらっしゃいます。そうした場合、やむを得ず地域に残り、垂直避難となります。垂直避難先の確保につきましては、区の取組となりますが、例えば都立学校や都営住宅、そして高速道路など、あらゆる場所を避難場所として確保する必要があります。
関係各局の皆様には、これまでも区の取組にご協力いただいておりますけれども、こうした都有施設がいざというときに緊急避難場所となりますよう、より一層のご協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
次に、東部低地帯においての大震災の際の懸念事項として、液状化の対策がございます。これについて質問します。
昨年の能登半島地震での被害を見ますと、液状化に伴う建物やライフラインの破損により、不自由な避難生活を長期間強いられたことが課題として上がりました。
能登においては、直接の地震被害よりも災害関連死の方が多いという状況に、改めて自宅にとどまれることが大事であるというふうに認識をしたところです。
昨年の予算特別委員会で、都議会公明党は面的な液状化対策の支援を急ぐべきと質問をし、検討を加速するとの答弁をいただきました。
都は今年度、有識者会議を立ち上げまして、対策工法の検討などに取り組んだこと、そして令和七年度の予算に面的液状化対策が盛り込まれたことを評価いたします。
改めて、面的液状化対策、さらに推進していく必要があると考えますが、都の見解を求めます。
○谷崎東京都技監 首都直下地震等における被害想定では、東部低地帯など広範囲で液状化の被害が示されており、液状化対策の推進が重要でございます。
今年度は、有識者会議におきまして、地震後においても自宅での生活継続が可能となるよう、宅地内のライフライン機能の維持に資する工法等について検討してまいりました。
今後は、開発事業などによる土地利用の転換を契機といたしました効率的な面的液状化対策のモデル実施について検討を進めてまいります。
こうした取組により、東京の液状化対策を推進し、都民の安全・安心の向上を図ってまいります。
○北口委員 一方、こうした面的な液状化対策については、やはり時間がかかります。あわせて、個人への液状化対策も必要でございます。
都は、個人住宅への液状化対策の推進に向けて、今年度から新築住宅を対象とした液状化判定調査費等への補助制度を創設するなど取り組んでまいりました。しかし、区への間接補助であり、現在、この液状化対策の補助制度を有しているのは葛飾区のみにとどまっております。
そこで、区市の補助制度の有無にかかわらず、都民が対策に踏み出せるよう、より使いやすい制度とすべきと考えますが、見解を伺います。
○谷崎東京都技監 戸建て住宅等の液状化対策を進めるためには、建物所有者が液状化による被害のリスクを把握できる環境を整えることが重要でございます。
このため、来年度は、一人でも多くの方の取組を後押しできるよう、区市等が制度を設けていない場合におきましても、都が建物所有者に対しまして液状化対策のための地盤調査費の二分の一、かつ最大十万円を直接補助いたします。
また、都民の利便性向上のため、通常必要とされている事前の申請を不要とするなど手続の簡素化を図ることで、補助を活用した取組を促し、戸建て住宅等の液状化対策を一層推進してまいります。
○北口委員 こうした新築住宅の取組と併せまして、既存住宅向けの対策も重要でございます。既存住宅につきましては、まず都民が安心して使える工法の確立が必要です。
都は今年度、都議会公明党の要望を踏まえて、昨年末に工法の認定取得に関わる事業者へ助成を開始したところでございますが、申請に至った案件はまだないと聞いております。
今後、液状化対策が当たり前に行われるようにしていくために、早期に工法を確立すべきと考えますが、見解を伺います。
○谷崎東京都技監 既存住宅の場合、工事スペースや施工方法に制約があることから、有効な工法を確立することが重要でございます。
このため、来年度は、工法の認定取得に係る事業者への補助率を四分の一から二分の一へと大幅に引き上げ、最大六百五十万円を助成いたします。
今後、既存住宅向けの工法を有するコンソーシアムの構成員に対しまして、拡充する補助制度を活用して認定を取得するよう積極的に働きかけていくことなどにより、既存住宅の液状化対策を推進してまいります。
○北口委員 よろしくお願いいたします。
この液状化の被害が想定される地域においては、その住民の皆様に対して、被害想定や対策の必要性を周知すること、そして何より皆様へ具体的な液状化対策の選択肢を示すことが重要でございます。液状化対策の多面的な取組、今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。
次に、地下街等の浸水対策について質問します。
毎年のように記録的豪雨が観測される中、昨年の夏、東京メトロの市ケ谷駅や大江戸線の国立競技場駅が豪雨により浸水し、地下鉄運行に影響が出るなど、都民生活に大きな影響を与えました。
気候変動により、豪雨の増加が懸念をされております。都内にこうした豪雨時に浸水しやすい地下空間が数多くあり、都民の生命や財産を守る上で、適切な対策を講じることが重要です。
東京都では、地下空間浸水対策ガイドラインを策定しておりますが、策定から十数年経過をし、当時と比べ、降雨状況やまちの形態も大きく変わっております。そこで、気候変動による影響やまちづくりの現状を踏まえ、地下街等の浸水対策を一層強化していくべきと考えますが、都の見解を求めます。
○谷崎東京都技監 気候変動による予想を超える豪雨への備えといたしまして、多くの都民が利用する地下鉄や地下街などの地下空間において対策を強化していくことは重要でございます。
これまで都では、大規模地下街等の管理者と連携いたしました浸水対策計画の策定、都民参加型の避難訓練などを実施してまいりました。
今年度は、他都市の地下街管理者や避難計画の主体となる地元自治体へのヒアリング、地下街の対策状況について調査いたしました。これらを踏まえまして、本年四月に有識者や地元自治体などによる検討委員会を立ち上げ、具体的な対策強化に向け、地下空間浸水対策ガイドラインの改定に着手してまいります。
○北口委員 本年四月から有識者などによる検討委員会を立ち上げるとのことでございます。文科省と気象庁がまとめた日本の気候変動二〇二〇で、大雨については、極端な大雨が約二倍に増加し、特に一時間降水量八十ミリ以上、日降水量三百ミリ以上の強度の雨が増えているとあり、検討委員会の中でも気候変動の影響に関する知見が重要でございます。
そこで、四月に立ち上げるこの検討委員会の組成に当たっては、地下街の関係者のみならず、気候変動問題に精通した専門家も入れるべきと考えますが、見解を伺います。
○谷崎東京都技監 地下空間浸水対策ガイドラインの改定に当たりましては、近年、豪雨被害が激甚化、頻発化していることから、気候変動による影響を踏まえることが重要でございます。
一方、民間開発などにより、地下施設の範囲が広がることで、利用者の動線が複雑になっており、水害時の安全確保が急務でございます。
このため、検討委員会の構成員といたしましては、地元自治体、地下鉄事業者、河川や下水道の管理者に加え、気候変動対策の専門家などを選定し、ガイドラインの改定を進めていくこととしております。
○北口委員 気候変動の専門家などを検討会に入れていくという答弁でございました。ぜひ活発な議論のもと、よりよいガイドラインの改定に向けて取り組んでいただきたいというふうに思います。
防災関連の質問の最後に、福祉避難所の整備について質問いたします。
重度の心身障害児者や医療的ケアが必要な方など、特別な配慮を要する方が自宅が被災した際に、避難所での生活において安心して避難できる場所をつくっていくことは大変重要でございます。先日も重度の心身障害児者の家族会の方と懇談した際も、様々な課題の中の一つが、この避難所の問題でございました。
昨年一月の能登半島地震においては、設備の破損など様々な理由で、多くの福祉避難所の開設が困難であったとも聞いております。
福祉避難所の設置は、主体は区市町村でございますが、要配慮者の数や避難所の数、そこに配置する看護師や介護士などの人材の確保、そして、非常用電源や吸引器などの設備の確保などを考えると課題は多く、東京都がもっと積極的に区市町村を力強く支援していくべきと考えます。
そこで、都は区市町村による福祉避難所の整備を後押しするため、具体的な支援策を打ち出すべきと考えますけれども、見解を求めます。
○山口福祉局長 都はこれまで、区市町村に対し、高齢者などの要配慮者の避難先となる福祉避難所の整備を働きかけるとともに、福祉避難所となる施設に対しまして、避難所運営を支える職員を確保するため、宿舎借り上げ経費を補助してまいりました。
来年度は、福祉避難所を整備する区市町村に対しまして、必要な資器材や備蓄物資の確保、施設のバリアフリー化などに要する経費の補助を開始するほか、整備を円滑に進めるコーディネーターの配置を支援いたします。こうした取組を通じまして、区市町村における福祉避難所の確保を後押ししてまいります。
○北口委員 来年度からは福祉避難所の整備に関する経費補助も開始するとのことでありました。ぜひ大事な取組ですので、東京都もよろしくお願いいたします。また、もし課題が大きければ、有識者による検討会の立ち上げ、こういったことも必要なのではないかというふうにも考えます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
次に、認知症施策について質問をいたします。
急速な高齢化の進展に伴い、我が国の認知症のある方の数は増加しておりまして、都内でも、今年は高齢者の六人に一人の割合で発症すると予想されております。
私の父も晩年、病から来る認知症を発症いたしました。施設に入居しておりましたけれども、認知症ゆえか、毎日毎日、私にも家族にも電話が鳴り、家に帰りたいと繰り返し訴えてきておりました。どんなに説明をしても理解してもらえない状況が続き、家族としても罪悪感を感じながら苦しい時間を過ごしたのを覚えております。
また、あるご家庭では、お母様が認知症を発症し、出歩きの症状が出てしまい、二十四時間、目を離すことができず、お母様の身の安全のため、やむなく在宅介護をするしかなく、仕事を辞めざるを得ませんでした。
認知症の本人もその家族も、自らの意思で尊厳を持って生きたい、生きさせてあげたい、そうは考えていても、様々な状況の中で、現実は厳しく、認知症患者とその家族の抱える課題は切実でございます。
都は、認知症のある方が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らせるように、この認知症施策を推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
○小池知事 認知症は誰もがなり得るものでございます。私たち一人一人が認知症を自分事として考え、理解を深めながら、認知症のある人やその家族が地域で安心して生活できる環境を整えていくことが必要でございます。
そのため、都は、本人や家族のご意見も丁寧に伺いながら検討を重ねまして、今月、東京都の認知症施策に関する基本的、総合的な計画でございます認知症施策推進計画を初めて策定をいたします。
計画には、早期の気づきや早期診断、早期対応に向けました医療提供体制の強化、家族に寄り添った相談の実施など様々な施策を盛り込んでまいります。
これらの施策を強力に推進をいたしまして、認知症になってからも尊厳を保ちつつ、希望を持って暮らすことができる東京を実現してまいります。
○北口委員 ただいまの知事のご答弁、認知症になってからも尊厳を持って、希望を持って暮らすことができる東京を実現していくという言葉は、認知症になっても、尊厳と希望を持って生きたいと願う多くの都民の皆様を力強く励ましてくださるお言葉だというふうに思います。私も全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。都政の重要課題の一つとして位置づけて取り組んでいただきたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。
認知症は比較的体が元気な場合に、要介護度も低く、施設に入れません。そのため、自宅で二十四時間、目が離せない介護をしなければならず、家族が先に疲弊をしていきます。
認知症については、介護をする家族の負担はとりわけ大きい状況にあります。自分の親を最後まで自宅で面倒を見たいと願う家族は多く、在宅介護へのさらなる支援が必要です。
都は、家族等の孤立を防ぎ、家族等も自分らしい生活ができるよう取組を進めるべきというふうに考えますけれども、都の見解を求めます。
○山口福祉局長 都は、認知症のある人を介護する家族の負担軽減に向けまして、認知症疾患医療センターの専門職による相談支援や医療機関と連携して家族介護者同士の交流会などを行う区市町村への支援を行うほか、特別養護老人ホームを整備する際に、レスパイトに有効なショートステイを地域の実情に応じて併設できるよう補助をしております。
来年度は、家族会などの民間団体と連携しまして、家族介護の経験者がピア相談員として、不安や悩みなどに寄り添いながら相談に応じ、家族介護者の心理的な孤立を防止する取組を新たに開始いたします。こうした取組を通じまして、家族介護者の一層の負担軽減を図ってまいります。
○北口委員 次に、認知症を発症した本人の意思決定支援について伺います。
認知症になると、とかく周囲の支援者が状況を理解できないからとの理由で、本人の意思を確認せず、支援や診療の内容を決定してしまうことがございます。しかし本当は、本人が何を望んでいるのか、認知症になってからも自らの意思によって社会生活を営むことができるよう、周囲が配慮していくことは大切なはずです。
こうしたことは、介護に関わる全ての方が心得ておくべきことだと感じます。認知症になっても、自らの意思で社会生活を営めるよう、介護や医療の現場において、意思決定への適切な支援が行われる必要があると思いますが、都の見解を求めます。
○山口福祉局長 都は来年度、介護や医療の現場において、認知症のある人の本人意思を尊重した支援や診療が広がるよう、従事者向けの研修を新たに開始いたします。
具体的には、介護サービス事業所の管理者や診療所に勤務する医師、看護師などに対しまして、意思決定支援の重要性や具体的な実践方法などについての講義をオンライン形式で実施いたします。こうした取組によりまして、介護、医療現場で意思決定支援が適切に行われるよう、さらに支援してまいります。
○北口委員 次に、単身高齢者の見守りについて質問します。
この単身高齢者の見守りにつきましては、区市町村において、民生児童委員や自治会、生活関連企業など、ネットワークづくりが進められていると承知をしております。また、最近では、民間警備会社と行政が協定を結んで、有料で見守り設備の導入を支援する、こういった自治体も増えてきております。
今後、単身高齢者のさらなる増加が見込まれる中、これまで以上に高齢者の見守りへの支援の充実が急がれます。都としても、区市町村が行う高齢者の見守りの取組を後押しすべきだと考えますが、見解を伺います。
○山口福祉局長 一人暮らし高齢者等が地域で安心して暮らすためには、地域包括支援センターなどが中心となり、自治会や企業など多様な主体と連携した見守り体制の構築を推進することが必要でございます。
都は来年度、見守り相談拠点における高齢者へのアウトリーチや地域の見守りネットワークの構築などを促進するため、専門職員の増配置などに取り組む区市町村への補助を拡充いたします。
また、都内の理美容業や銭湯など高齢者に身近な生活関連サービス業の業界団体などと緩やかな見守りに係る協定を締結し、研修を実施するほか、見守りで気づいた情報を共有できるアプリの開発なども進めまして、区市町村における見守り体制の強化をさらに支援してまいります。
○北口委員 さて、この高齢者の見守りについては、水道局が推進するスマートメーターも料金の算定に用いるだけでなく、単身高齢者の見守りなど幅広い活用が見込まれております。
都議会公明党は以前から、全戸展開や見守りサービスの拡大などについて要望してまいりました。水道局では、令和六年までに計画どおり約十三万個のスマートメーターの設置が完了したと聞いておりますけれども、今後はさらに、高齢者の見守りなどでの活用も見込みまして、スマートメーターの導入を加速させるべきです。
今後のスマートメーター導入拡大に向けた取組と、また、見守りなどの機能をより多くの都民に利用していただくことが必要と考えますが、併せて見解を求めます。
○西山水道局長 水道局では、来年度からスマートメーターの導入を加速し、今後四年間で、学校、公園などの公共施設や検針困難箇所等を中心に約百万個を設置いたします。
特に、都営、公社住宅には全戸設置し、関係部署とも緊密に連携しながら、単身高齢者やファミリー層など多様なお客様のニーズを把握することで、見守り機能などのさらなる改善や新たなサービスの創出につなげてまいります。
また、自治会等と協力しながら、スマートフォンによる設定方法や機能の説明会の開催など、きめ細かなサポートを実施し、利用者の拡大を図ってまいります。
今後とも、スマートメーターを通じたお客様サービスの向上に積極的に取り組んでまいります。
○北口委員 ありがとうございます。
このスマートメーターの設置が進めば、こうしたものを活用して、高齢者の見守り、大変有効に活用できるかと思います。ただし、このシステムは一定期間水の使用がない場合に設定したメールに通知が届くというものでございますけれども、そもそも身寄りのない単身高齢者の場合には、メールの送付先がございません。
こうしたことを考えると、福祉局の取組と、また水道局の取組などを組み合わせていけば、高齢者の見守り、もっとよりよいものになるのではないかというふうに考えております。どうぞご検討いただければというふうに思います。
次に、水素の活用についてお伺いをいたします。
水素については、脱炭素に資する次世代のエネルギーとして注目をしています。都議会公明党としても、これまで福島の水素エネルギーフィールドや、水素の活用が進む浪江町の取組を確認して、その有用性や課題を整理してまいりました。
水素は、再エネ電力から製造するグリーン水素の活用でなければ意味がありません。また、地産地消で活用されることがより効率的です。都として、都内での水素活用の普及拡大とグリーン水素の製造を同時に進めるべきと考えます。
都は今年度、大田区京浜島で大規模なグリーン水素の製造を進めておりますけれども、将来に向けて、グリーン水素の東京での製造の取組をさらに進めるべきと考えます。都の見解を求めます。
○田中産業労働局長 今後増大が見込まれる水素需要に対応するため、その需要地である都内での水素製造を増やす取組は重要でございます。
都は、大田区京浜島において、グリーン水素を製造する拠点の整備を進めてございます。来年度は、従来より小型で高効率な水電解装置一基を年内に先行稼働いたします。また、さらなる製造能力の増強に向け、二基目、三基目の整備も進めてまいります。
これに加えまして、中央防波堤埋立地におきましても、太陽光発電を活用したグリーン水素製造施設の整備に向けた基本設計等に着手いたします。こうした取組を通じまして、都内でのグリーン水素の供給量の増加につなげてまいります。
○北口委員 都が先頭に立って、グリーン水素の製造に力を入れていることを高く評価をいたします。今後ともよろしくお願いいたします。
あわせて、都の水素の需要の創出に貢献しているのが都営バスでございます。水素を燃料として走る燃料電池バス、都交通局は八十両導入していると聞いております。既に交通分野での水素活用で着実に実績を重ねていただいておりますけれども、さらなる導入車両の拡大と併せまして、水素ステーションの整備も必要でございます。
営業所内での水素ステーションの整備状況と、燃料電池バスの今後の導入拡大についてお伺いします。
○久我交通局長 交通局では、環境負荷低減のため、燃料電池バスを国内バス事業者で最大の八十両を導入しております。さらなる拡大に向けて、有明自動車営業所内に整備している水素ステーションにつきましては、既に最終検査を終え、開所に向けた準備を進めており、来月運用を開始する予定でございます。
今後、令和九年度までに燃料電池バスの導入を百両まで拡大する計画であり、こうした取組を通じて、ゼロエミッション東京の実現に貢献してまいります。
○北口委員 こうした取組によりまして、水素ステーションの拠点を増やしていくことが、将来の水素の社会の実現に向けた道につながっていくと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、ZEVの普及促進事業について伺います。
都は、ゼロエミッション東京の実現に向けて、ZEVを含めた非ガソリン車の割合を一〇〇%にしていくという目標を掲げております。
ZEVについて批判的な声を聞きますと、EVにおいては、発電所の脱炭素化が進んでいない、大型バッテリーの環境負荷が大きい、長距離の移動には適さないなどが挙げられます。また、FCV、水素の燃料電池車については、高額な車体や少ない水素ステーションなどが課題となっております。
都はこうした課題を乗り越えるために様々な助成を行っていただいております。また、水素については先ほど質疑をして取り組んでいただいていることを確認しました。ZEVの製造で最も環境負荷がかかる大型バッテリーにつきましては、私もかねてより、リユース、リサイクルの取組が必要だと訴えてまいりました。
これからも普及を進めるため、ユーザーが安心して乗り続けられる環境づくりや、生産から廃棄に至るまで、ZEVのライフサイクル全体で環境負荷の低減を自動車メーカーにしっかり促していくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。
○田中産業労働局長 東京の脱炭素化に向けまして、ZEVを利用しやすい環境整備やライフサイクルを通じた環境負荷の低減を図ることは重要でございます。
これまで都は、ZEVの購入支援におきまして、自動車メーカー別のZEVの販売実績に応じて補助額を加算することで、開発や販売を促進してまいりました。
来年度はこれに加えまして、販売店への充電器の設置やバッテリーリサイクルの取組などを幅広く評価して、各メーカーの補助額に反映させることで、EVを購入した場合の補助額を最大で百万円に引き上げます。
こうした取組を通じまして、ZEVを持続的に活用できる環境構築を後押しし、その普及を着実に進めてまいります。
○北口委員 充電器の設置やバッテリーのリサイクルの取組をメーカーへ促すために、そうした取組に対して、車両価格へのインセンティブを乗せていくということでございます。しっかりと取組を継続していただきたいというふうに思います。
次に、乗用車だけでなくて、都内の公共交通や事業活動を支えるバス、トラックなど商用車のZEV化も必要でございます。
昨年、国産初の大型EVバスの販売が開始されるなど、日本メーカーにおけるEV商用車の販売が本格化をしております。車種の充実が進むことは望ましいですが、一方で、車両によっては国や都の補助制度を活用しても、通常のディーゼル車以上の負担が生じる場合があります。商用車のZEV化を促進するため、支援を強化していくことが必要と考えますが、見解を求めます。
○田中産業労働局長 都は、EV商用車の本格導入を見据え、二〇三五年までに都内においてEVバスを一千三百台、EVトラックを七万台導入する目標を新たに掲げることとし、その普及に向けた取組を加速させることとしてございます。
来年度は、車両を導入する際の補助について、国産車も含めて車種の充実が進みます様々なバスやトラックに対応できるよう、上限額を一台当たり三千五百万円から四千二百万円に引き上げ、事業者の負担軽減を図ります。
その上で、各メーカーの販売計画に基づき、予算の規模を今年度の約三百台から約一千八百台へと大幅に拡充いたします。これらによりまして、商用車におけるZEVの導入を強力に後押ししてまいります。
○北口委員 総じてEVを便利に活用するには、自宅や事業所で充電できることが大変重要でございます。事業所等への充電設備の設置補助の取組も周知をお願いいたします。
続きまして、デフリンピックについて質問させていただきます。
デフリンピックについては、現在、地上波での放送は調整中ということでございますが、ぜひ放映に向けて働きかけをお願いしたいと思います。
運営組織では、大会時にインターネットによる競技配信を行う予定と聞いております。今のうちから、そのネットを活用して多くの人たちの心をつかむ魅力的なPRをすることが大切です。
例えば、選手や競技の魅力、関係者や家族の人間模様など、ネット配信であるからこそ、若い世代にも共感を生む可能性もございます。
そこで、ネットの利点を存分に生かしたデフリンピックの情報発信を行うべきと考えますが、見解を求めます。
○古屋生活文化スポーツ局長 都は直近の調査で大会の認知度が低かった若年層の関心を喚起するため、影響力のあるインフルエンサーなどの協力も得まして大会の魅力を発信するほか、動画やバナー広告なども活用してPRしてまいります。
また、多くの方たちにスポーツのすばらしさや共生社会の大切さを知っていただくため、特設ウェブサイトにおいて、デフアスリートや社会で活躍されている聴覚障害者を紹介いたします。インターネットを活用して、大会に関する様々な情報をタイムリーに発信してまいります。
○北口委員 デフリンピック東京大会では、マラソンがKK線、いわゆる東京高速道路で開催されます。約五キロの行程を八周するとのことですが、高台コースであるため安全ではありますが、沿道に大勢の応援者が詰めかける一体感が不足する懸念もあり、用意周到に準備をすべきです。
例えば、コース途中途中に大きなモニターを配置し、サインエールや応援メッセージを上映するなど工夫が求められます。また、周回路であるため、トップ集団を分かりやすくするなど、見ている人が楽しめる工夫をして中継を行うべきです。
デフリンピックのマラソンの盛り上げに向けてどのように取り組むのか見解を求めます。
○古屋生活文化スポーツ局長 マラソン競技の会場は選手が都心のビルの間を駆け抜け、東京ならではの景色を肌で感じることができるKK線を活用いたします。今後、関係機関と連携しながら、コースの設計や観客が選手を間近で応援できるエリアの設置など、会場運営計画を作成してまいります。
また、大会時のインターネットによる映像配信においては、競技の状況を分かりやすく伝えるだけでなく、選手に届く応援の声も紹介いたします。デフリンピックのマラソン競技を盛り上げ、より多くの方々が楽しめるよう準備を進めてまいります。
○北口委員 最後に、まちづくりの観点で質問します。
初めに、既設橋梁の橋のバリアフリー化について伺います。
既設橋梁のバリアフリー化については、都議会公明党が本会議等で折に触れて質問し、進捗を確認してきました。優先整備の六つの橋のうちの一つである地元葛飾区の中川に架かる環七通りの青砥橋につきましては、ビルの三階ぐらいの高さまで上る長いスロープの大きな橋でございますが、歩行者にとっても、買物や駅へのアクセスなど日常生活に欠かせない橋でございます。地域の皆様から、一刻も早いエレベーターの設置が強く望まれております。
昨年、第二回定例会一般質問で進捗を確認した際には、必要な測量や地質調査を進めるとの答弁をいただいたところでございます。その後の進捗状況と次年度の取組についてお伺いをします。
○花井建設局長 高齢者や障害者など全ての人が安全で円滑に移動するためには、橋梁を含めた道路のバリアフリー化を進めていくことが重要でございます。
青砥橋のバリアフリー化につきましては、今年度、エレベーター等の設置に向けまして、設計に必要な測量、地質調査を実施し、この三月に基本設計の契約を締結いたしました。
来年度は、引き続き基本設計を進め、エレベーター等の位置や橋梁との接続方法を検討するとともに、地元区と維持管理などの調整を行いまして、青砥橋のバリアフリー化を推進してまいります。
○北口委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。(拍手)
○中山副委員長 北口つよし委員の発言は終わりました。
この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
午後五時五十九分休憩
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.