○川松委員長 平田みつよし理事の発言を許します。
〔委員長退席、松田副委員長着席〕
○平田委員 穏やかにいきたいと思います。
昨年、日本を訪れた外国人観光客は三千六百八十七万人、消費額は八兆円を上回り、国内におけるアパレル産業並みの市場規模ともいわれております。
都内各地はインバウンド需要に沸いており、私の地元葛飾区におきましても、国の重要文化的景観である柴又はもちろん、今月二十二日に、こち亀記念館がオープンする亀有、私の生まれ育った立石でも外国人観光客が増えています。
将来に向けて観光で東京の活力を高めていくため、一層のインバウンド誘致を進めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
○小池知事 東京が持続的な成長を遂げていく上で、海外から多くの旅行者を呼び込み、経済の活性化につなげる取組は欠かせません。世界から選ばれる都市となるよう、東京が持つ多彩な魅力を存分に生かしていきたいと考えております。
江戸から受け継がれてきた伝統文化の活用、ナイトタイム観光の充実を柱といたしまして、インバウンド需要を取り込んでまいります。海外でも人気の高い食、そしてアニメのほか、都心に身近な自然など、観光資源の磨き上げにも力を入れてまいります。外国人旅行者の快適な滞在や、地域の生活に配慮した環境づくりを進めてまいります。
そして、伝統と革新が共存して、訪れるたびに新しい発見がある東京の魅力を効果的に訴求しまして、世界の人々を東京に引きつけてまいります。
これらにより、にぎわいと活気に満ちた国際観光都市東京を実現してまいります。
○平田委員 知事から、地域の生活に配慮した環境づくりという答弁をいただきました。
経済効果の一方で、外国人観光客が集中する地域の住民からは、ごみのポイ捨てなど、マナー違反に困惑する声も寄せられています。また逆に、国の調査によりますと、外国人観光客が日本旅行中に困ったことの一位に、ごみ箱の少なさを挙げているとも聞いています。インバウンドの誘客と地域住民の生活とのバランスを保つことが課題です。
そこで、都内の各地域が増加する外国人観光客を円滑に受け入れられる環境を整備すべきと考えますが、見解を伺います。
○田中産業労働局長 インバウンドを誘致する上で、旅行者の急激な増加による地域への影響を防ぐことは重要でございます。
都は、外国人旅行者の増加に伴って、区市町村が行いますマナー啓発やごみ箱の設置等の混雑緩和策につきまして、その経費を最大四分の三で助成しておりまして、来年度もこうした支援を引き続き実施し、地域の取組を後押しいたします。
また、鉄道事業者等と調整を図り、外国人旅行者などに対し、旅のマナーや日本の習慣を紹介していくこととしてございます。
これらによりまして、都と地域が連携しながら外国人旅行者を受け入れる環境を整えてまいります。
○平田委員 東京を観光都市としての魅力を高めていくためにも、オーバーツーリズム問題において先行している京都市の嵐山や祇園などの取組なども参考にしながら、顕在化しつつある課題の解決に共に取り組んでまいりたいと存じます。
青少年の健全育成の観点から二点伺います。
ホストクラブの女性客が売掛金等の名目で多額の債務を負わされ、その支払いのために売春や性風俗店で働くことを要求される事案が発生し、社会問題化しています。
今月七日、政府は風俗営業法改正案を閣議決定し、今国会での成立を目指すと聞いています。改正案では、料金の支払いのために売春や性風俗店勤務、AVへの出演等を要求することが禁止され、罰則化されました。
昨年一年間で全国の警察に寄せられた悪質ホストクラブに関する相談は二千七百七十六件と増加傾向にあり、被害者の低年齢化もゆゆしき事態です。
石破茂総理は一月の施政方針演説で、対策に全力で取り組む決意を表明しました。
悪質ホストクラブの被害が増大している中で、都は昨年度から、被害防止のための普及啓発に取り組んでいますが、こうした状況に応じ、都民への注意喚起を一層進めるべきと考えます。見解を伺います。
○竹迫生活文化スポーツ局生活安全担当局長 都では、悪質ホストクラブ等に関する相談に応じているほか、トラブル事例の紹介や警視庁や国の相談窓口を案内するリーフレット、啓発動画などを作成し、ホームページ等で注意喚起を行っております。
また、性犯罪被害やAV出演の強要等から女性自身が身を守れるよう、学校や事業所等で専門講師による被害防止講習会を開催するなど、広く啓発を行っております。
引き続き、警視庁や関係機関等と連携し、女性に対する犯罪の防止対策に取り組んでまいります。
○平田委員 東京都はこれまでも、社会情勢の変化を踏まえて、青少年健全育成条例を改正し、実効性を高めてきました。
例えば、青少年の自画撮り被害が社会問題化した際には、青少年に児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止規定を盛り込んだ実績があります。個人が気軽に動画配信を行うことができる時代となり、性的な動画配信サービスに一般的規範から逸脱した未成年の子供たちの映像が投稿されているという指摘もあり、大手動画配信サービス各社からも倫理規定の具現化を期待する声が届いています。
こうしたことを踏まえると、今回の風営法改正を踏まえて、東京の子供たちを守るため、青少年の健全な育成に関する条例の改正を検討するなど、実効性を高めるべきだと考えますが、見解を伺います。
○竹迫生活文化スポーツ局生活安全担当局長 条例では、青少年を保護するため、事業者等が青少年をいわゆるソープランド等の性風俗関連特殊営業で接客業務に従事するよう勧誘することや、ホストクラブなどの接待飲食等営業の客となるよう勧誘することを禁止しております。
また、青少年の深夜外出やインターネットカフェ等への深夜立入りの制限なども規定をしております。
引き続き、本条例を適切に運用しまして、青少年を犯罪被害から守ってまいります。
○平田委員 警視庁をはじめ関係機関と共に、実態に即した実効性ある対応をお願いします。
次に、下水道の再構築について伺います。
一月に埼玉県八潮市で下水道管に起因すると考えられる道路陥没が発生しました。事故に巻き込まれ、いまだ安否が分からない方の救出を願うと同時に、現在も多くの被害や影響を受けている方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
事故を受けて、都は直ちに腐食のおそれが高い箇所等の緊急点検を進め、異状のないことを確認しました。都民の皆様はひとまず安堵されたと思いますけれども、同様の事故を防ぐためには、下水道管の計画的な維持更新を行っていく必要があります。
さきの本会議における自民党の代表質問で、下水道局からは管の老朽化対策と併せ、雨水排除能力の向上等を図る再構築を実施しているとの答弁がありました。
下水道管には、家庭からの排水を受ける枝線と、枝線の下水を集め水再生センターに送る幹線があります。
まず、区部における下水道管の枝線について、再構築の進め方と今後の取組について伺います。
○佐々木下水道局長 枝線の再構築につきましては、ライフサイクルコストや中長期的な事業の平準化などを勘案しつつ、アセットマネジメントの手法を活用し、計画的かつ効率的に事業を推進しております。
事業の実施に当たりましては、区部を整備年代により三つのエリアに分け、最も古い都心部の処理区を第一期再構築エリアとして優先的に進め、約八割が完了しております。
令和七年度は、第一期エリアの整備を進めるとともに、その完了を見据え、都心部に次いで整備年代が古い区部西部の第二期エリアで地域状況に応じた整備手法を検討するための試行工事に着手いたします。
○平田委員 枝線の再構築、着実に進んでいただいているものと認識いたしました。
では、次に、区部における下水道管の幹線について、再構築の進め方と今後の取組についてお伺いします。
○佐々木下水道局長 下水道幹線の再構築は、整備年代の古い幹線や、調査に基づき対策が必要と判明した幹線など、約三百キロメートルを対象に再構築を実施しております。
施工に当たりましては、道路を掘削せず、既設管をリニューアルすることができる更生工法を活用して事業を推進し、令和五年度末までに約三割が完了しており、令和七年度は青戸幹線などで再構築を進めてまいります。
また、水位が高く、再構築を行うことが困難な幹線につきましては、下水の流れを切り替える代替幹線を先行して整備した後に再構築を進めており、令和七年度は新たに町屋幹線の整備に着手いたします。
○平田委員 ありがとうございます。答弁にありました青戸幹線は、私の地元葛飾区の青戸から白鳥、お花茶屋、堀切、小菅の水再生センターへと至る幹線です。幹線の再構築を着実に進めていただくよう改めてお願いをしておきます。
ところで、技術職の担い手不足が深刻です。適切に人材を確保できなければ、下水道事業の計画的な進捗にも影響を与えかねません。
都職員採用試験における技術職の受験者数は、近年低下傾向にあります。令和七年度予算に、都や区市町村の技術系職員向けの奨学金返還支援が盛り込まれたことを高く評価するものですが、労働力人口の減少によって人員確保が厳しい状況にある中、下水道事業を担う人材を安定的に確保していくことが重要です。
そこで、下水道局では技術職の確保について、どのように認識しているのかお伺いします。
○佐々木下水道局長 下水道事業の運営に当たり、技術系職員は、調査、計画から設計、工事、維持管理まで、様々な局面で重要な役割を担っており、将来にわたり安定的に事業を運営していくためには、人材の確保が不可欠であると認識しております。
そのため、下水道局では、学生を対象としたインターンシップを開催し、下水道事業への関心を持っていただけるよう、下水道の工事現場や水再生センターなどにおける就業体験の機会を提供しております。
また、都が実施する採用イベントにおいて、下水道に携わる仕事の魅力を来場者に直接アピールするなど、多様な機会を通じて人材確保に取り組んでおります。
○平田委員 ありがとうございます。今後とも下水道事業が安定的に運営されることを求めて、次の災害薬事コーディネーターに関する質問に移ります。
昨年は能登半島地震、今年は発生から十四年となる東日本大震災の被災地、大船渡市での山林火災など大きな災害が続いています。災害の際に、多くの薬剤師の先生方が被災地に出動し、医薬品の供給、管理、服薬指導や医師、看護師への助言等にご尽力いただいています。
今年度設置した東京都災害薬事コーディネーターが災害時に十分役割を発揮するため、どのように対応していくのか、都の見解を伺います。
○雲田保健医療局長 災害時には医療救護所などのニーズを集約し、医薬品を適切に供給する必要があり、都は薬剤師班の編成や派遣、協定締結団体を通じた医薬品供給などの体制を確保しております。
また、昨年四月には、災害時の薬事に関する活動を総合的に支援する東京都災害薬事コーディネーターを新設し、災害対応を熟知した薬剤師三名を任命いたしました。
現在、災害時の医薬品供給全般に関して災害薬事コーディネーターと意見交換を行っており、今後、医療救護活動訓練などを通じまして、コーディネーターの活動内容の充実を図ってまいります。
○平田委員 災害で受診できない、あるいはいつも飲んでいる薬が手に入らない、そういった不安の中で、災害薬事に精通した災害薬事コーディネーターの存在は大変心強いものと思います。能登半島地震における支援活動では、様々な教訓や課題も得られたというふうに聞いておりますけれども、そこで、能登半島地震での対応を教訓として、ガイドラインの内容の充実を図り、体制強化を図っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○雲田保健医療局長 都は、医療救護所における調剤、服薬指導や医薬品の調達などを行う薬剤師班の活動方針を示すため、平成三十年度に災害時薬剤師班活動ガイドラインを策定いたしました。
今年度末には、能登半島地震の教訓も踏まえてガイドラインを改定し、他県などから応援薬剤師班を円滑に受け入れ、活動につなげるための方策や、東京都災害薬事コーディネーターの活用などを反映し、充実を図ります。
今後、改定ガイドラインに基づきまして、薬剤師班を対象とした研修を実施するとともに、区市町村や薬剤師会などとも連携しながら医療救護訓練を行い、災害時の医薬品供給体制のさらなる強化を図ってまいります。
○平田委員 災害薬事コーディネーターのさらなる活動拡大を求めます。
次に、モバイルファーマシーについてです。
東日本大震災の災害対応経験を踏まえて、平成二十四年度に全国で初めてモバイルファーマシーが導入されて以降、普及が進んでおり、能登半島地震でも大いに活用されたところです。
都においても来年度、モバイルファーマシーを新規導入し、体制強化が図られることに期待をしています。
改めて、モバイルファーマシーの有用性について都の見解を伺うと同時に、併せてもう一問、能登半島地震で有効活用されたモバイルファーマシーについて、円滑に運用するに当たり、区市町村との連携を進めるべきだと考えますが、見解を伺います。
○雲田保健医療局長 モバイルファーマシーは、被災により薬局が機能していない地域などで医薬品供給を担う車両であり、調剤設備のほか、発電機や給水タンクなどを搭載し、ライフラインが途絶えた地域でも自立的な活動が可能でございます。
能登半島地震では、要請に応じて全国から十三台が被災地に出動し、医療救護班などと連携しながら、発災後の早い段階から医療救護所において、災害救助法に基づき保険医療機関以外で交付される災害処方箋の調剤を行うなど、有効に活用されております。
また、災害時にモバイルファーマシーを円滑に運用するには、医療救護所を設置する区市町村との連携が重要でございます。
そのため、都は、区市町村、医師会、薬剤師会などの関係機関に対して、機能や運用方法などを周知するほか、区市町村の防災訓練などで活用し、車両に搭載された機器を使用した調剤の実践など、区市町村職員や地域の薬剤師班などの理解促進や対応力向上を図ってまいります。
こうした取組を通じまして、区市町村などの意見も聞きながら、モバイルファーマシーを適切に運用してまいります。
○平田委員 このモバイルファーマシーの運用につきましては、地理的なアクセスですとか、医薬品の管理、供給等を慎重に勘案して体制を構築しなければならないと思いますけれども、私の地元葛飾区の青木克徳区長も受入れについて実は前向きな考えを表明されていまして、これは要望として、ご検討をお願いいたしまして、消防団の質問に移りたいと思います。
消防団の皆様には、火災や災害から地域を守るため、昼夜を分かたず献身的なご尽力をいただいています。居住地や勤務地の団に所属して活動していただいているわけですが、私の地元葛飾区をはじめ、各団の管轄区域が複雑に入り組んでいる箇所もあり、区域の境目に居住している団員さんからは、目と鼻の先に引っ越したら別の団の管轄区域だった。規則では所属を変わる決まりになっているけれども、長年の訓練を通じて地域の実情をよく知っている団で引き続き活動したいという声も寄せていただいております。
そこで、消防団の活動力を維持向上させていくため、転居等があっても、現に所属する消防団で活動を継続できるよう、在団要件の見直しが必要と考えますけれども、消防総監の見解をお伺いします。
○吉田消防総監 消防団の活動力を維持するためには、地域の実情に精通した消防団員が、その地域において継続した活動ができるようにすることが重要でございます。
このため、特別区消防団では、消防団員が管轄区域外に転居などした場合においても、現に所属する消防団での活動が継続できるよう、在団要件の見直しを検討してまいりました。
この結果を踏まえ、来年度より、転居先等からおおむね一時間以内に参集が可能であるなど、一定の基準を満たし、かつ消防団長が認めたときには、在団を継続できるよう要件を見直すことといたしました。
今後とも、消防団の活動力の維持向上に努めてまいります。
○平田委員 要件を見直すとのご答弁いただきました。ありがとうございます。地域に密着した消防団員の皆さんの実情に即したものと高く評価をさせていただきます。引き続き消防団への応援をお願いいたしまして、次の質問に移ります。
昨日、我が会派の青木委員が重要インフラのセキュリティ対策について質疑を行いました。関連して、人材育成について伺います。
デジタル社会の進展に伴い、パソコンやスマートフォン、企業の社内システムだけでなく、情報網や社会インフラ、あらゆるシステムがサイバー攻撃の対象となり得ます。
そもそもインターネット空間は、攻撃者が圧倒的に有利な環境といわれ、悪意ある攻撃者の脅威に備えなければなりません。
ところが、情報セキュリティを支える人材は不足していて、その育成が急務です。行政や企業などの情報資産を守る立場で高度な知識や技術を活用する、いわゆるホワイトハッカーといわれる専門人材を増やしていくためには、若い年代からの人材育成を強化しなければなりません。私は、都立産業技術高等専門学校、産技高専の存在こそが都が持っている強みだと考えます。
そこで、技術者の育成を担っている都立産業技術高等専門学校における情報セキュリティ人材の育成の取組について伺います。
○佐藤総務局長 都立産業技術高等専門学校では、次世代の情報インフラを支える人材を育成するコースを設置しており、情報セキュリティに関する実践的な教育を行っております。
加えて、このコースの三年生以上から選抜された学生を対象に、より高度な情報セキュリティ技術者を養成するプログラムを開設しております。システムの耐久性評価やサイバー攻撃の記録解析など、実務に直結したスキルを修得した修了生は過去五年間で六十名を超えまして、その多くは関連分野に就職、進学をしております。
今後も、高度化、巧妙化するサイバー攻撃に対応するため、企業等とも連携して教育内容を充実させまして、情報システム基盤の安全・安心を担う技術者を育成してまいります。
○平田委員 産技高専がそのようにサイバーセキュリティの人材育成に取り組んでいることを伺って、大変心強く、また大変重要であり、有意義だなというふうに考えております。さらなる展開をお願いし、期待しまして、次の質問に移ります。
区市町村における生成AIの活用についてです。
驚異的なスピードで進化を続ける生成AIを活用することは、生活に最も密着した自治体である区市町村にとっても必要不可欠です。
都では、既に昨年度から全庁での活用が始まっていますが、都内区市町村においても、例えば、私の地元葛飾区では、区の計画や例規集などを生成AIに学習させ、業務資料や文書の作成を支援しています。また、江戸川区でも、区ホームページの検索結果を生成AIが要約し、表示できるようにしています。先駆的な取組が進む一方で、生成AIの導入や活用が進んでいない自治体もあるなど、自治体の間で取組に差が生まれつつあるとも認識しています。
そこで、都は区市町村職員が生成AIを体験する機会を創出するなど、区市町村における生成AI活用に向けたサポートを推進すべきと考えますが、見解を伺います。
○山田デジタルサービス局長 区市町村の業務効率化やサービス向上のためには、生成AIの活用が効果的であり、区市町村職員がその利便性を実感し、実務に活用できるように支援してまいります。
来年度は、業務上の課題を持ち寄り、生成AIで解決策を具体化するワークショップを年四回開催し、区市町村職員に広く成果を共有することで、日常業務の効率化につなげてまいります。
さらに、都が構築する生成AIプラットフォームを用いまして、住民からの相談に対応する職員を支援するチャットボットの開発など、現場のニーズに応じた伴走サポートを実施いたします。
GovTech東京と連携し、区市町村における生成AIの活用を後押ししてまいります。
○平田委員 生成AIの活用を適切に進めていくことで、業務の効率化、ひいては都民の利益に資するように要望いたしまして、次の質問に移ります。
世界陸上の開幕まで半年を切りました。一昨日、我が会派の松田康将政調会長の代表質問で、子供と保護者合わせて約四万人を観戦に招待するという答弁をいただきました。一流アスリートによる競技を目の当たりにすることで、子供のスポーツに対する関心が高まることを大いに期待しております。
一方で、近年、子供の体力、運動能力の低下や、また学年が上がるにつれて、スポーツをすることが好きな子供の割合が減少するという調査結果もあります。子供が体を動かしたい、スポーツがしたいと思い立ったら、手軽に、気軽に楽しめる環境づくりが重要だと考えております。
そこで、今年、世界陸上の開催に向けて、スポーツの関心が高まる好機を生かし、子供たちがスポーツに取り組み、実際に体を動かすことができる機会を提供していくべきと考えますが、見解を伺います。
○古屋生活文化スポーツ局長 都は、世界陸上の開催が子供たちが日常生活において体を動かすきっかけとなるよう、例えば、より速く走れるようになるための方法などを学べる学習ツールを作成いたします。
また、そこで学んだことを実践できる場として、走った時間や距離を記録できるアプリを活用したバーチャルランを実施いたします。
参加者には、記録証と併せましてトップアスリートからメッセージを送付することも検討しております。
大会に向けて、子供たちにさらなる体験の機会を提供しまして、スポーツへの関心を高めてまいります。
○平田委員 様々な取組をありがとうございます。子供が様々な形でスポーツに関心を持って、また体験できるよう、手法にさらに工夫を凝らしていただいて取り組んでいただくようにお願いいたします。
不登校支援について伺います。
都が今年度、フリースクール等の利用料に対する助成制度を構築し、困難を抱える子供と保護者への支援を始めたことを高く評価させていただきます。
一方、令和五年度の都の不登校児童生徒数は三万四千百九十九人と増加の一途をたどっています。
不登校児童生徒への支援を実効性あるものとするためには、子供を取り巻く実態や、学校生活になじめない原因などを丁寧に把握し、施策につなげていく必要があります。
そこで、令和七年度、都として不登校児童生徒に関する実態調査を行うとのことですが、どのような点に着目し調査を行うのか、伺います。
○田中子供政策連携室長 不登校児童生徒は増加の一途をたどり、低年齢化の傾向が見られる中、その背景、要因を分析し、実態に即した支援策の検討に生かしていくため、都は来年度、学校生活になじめない子供の実態調査を実施いたします。
具体的には、小学生とその保護者に対しまして、学校生活や家庭生活の状況等について幅広い観点からアンケート調査を行います。あわせまして、フリースクール等、学校外の場所で過ごす小学生や支援に携わる従事者に対し、ヒアリング調査を行います。
ヒアリングでは、子供から学校生活になじむことが難しい状況等を丁寧に聞き取るとともに、従事者から現場で感じる低年齢化の要因等を聴取してまいります。
○平田委員 実効性のある施策につながるように、実態調査に取り組んでいただくようお願いします。
同時に、不登校の大きな要因の一つと考えられる学習障害について、教育的視点から深掘りして具体的施策の検討につなげていただくよう、これは教育委員会にお願いをしておきます。
不登校やいじめなど、学校で起こる様々な問題の発生を予防する視点も重要です。
都は教育委員会と連携し、学校風土を改善し、子供が直面する様々な問題を未然に防ぐ仕組みを構築する取組を進めています。子供たちが学校を居心地のよい場所と感じることができれば、おのずから学校に足が向いて、学校生活の充実につながります。
そこで、今年度の取組状況と来年度の具体的な取組内容についてお伺いいたします。
○田中子供政策連携室長 都は今年度、東京都医学総合研究所等と連携し、都立小台橋高等学校と都立立川国際中等教育学校の二校で、学校の居心地向上検証プロジェクトに取り組んでおります。このうち、都立小台橋高等学校では、生徒同士が気軽に交流できる居場所など、生徒自らの発案による活動を展開するとともに、活動前後で生徒が感じる居心地の変化を数値化するなど、科学的見地から取組の効果を検証しております。
来年度は、現在の二校の取組に加えまして、都教育委員会や区市町村教育委員会と連携して、高等学校や中学校での取組を拡大して検証を深めてまいります。
さらに、不登校児童生徒の低年齢化等に対応するため、小学校を対象としたスキーム等を検討してまいります。
○平田委員 いじめ、不登校といった課題の解決につながる効果的な取組の展開をお願いしまして、次の質問に移ります。
私の地元葛飾区では、葛飾元気野菜と呼ばれる地場産野菜の生産が盛んです。
その農業に欠かせない肥料に関して、昨今、円安や安全保障環境の変化に伴う価格上昇や輸入依存の是非に関する議論を聞くようになりました。
原料を輸入に依存し、価格が高止まりしている化学肥料から有機質肥料などに転換することは、製造過程で発生する温室効果ガスの削減にもつながり、環境負担の低減にも寄与します。
また、都内の畜産農家が生産する堆肥の利用を進めることで、畜産農家の収益確保にもつながります。
そこで、都は堆肥の利用を一層促進し、地域資源を有効活用する取組を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
○田中産業労働局長 経営コストの削減と環境負荷の低減に向けまして、化学肥料の使用量を減らすことは重要であり、来年度は有機質肥料や堆肥の活用を進める取組を強化いたします。
具体的には、有機質肥料等の購入に対する助成の規模を約二千六百件に拡充いたします。
また、栽培方法に適した堆肥を選択できるよう、都内で製造される堆肥の成分等の情報を掲載したガイドブックを作成し、栽培農家などに配布いたします。
さらに、畜産農家に対し、堆肥の袋詰め機等の導入を行う場合に、費用の三分の二を助成する取組を新たに開始し、堆肥の供給量を増やすことで、栽培農家との連携による東京農業の地域内循環を進めてまいります。
○平田委員 化学肥料から有機質肥料等への切替え、栽培農家と畜産農家との連携は、耕畜連携として全国的にも注目されています。肥料における地域資源の活用が実現されるよう求めます。
最後に、環境に配慮した農業を進めるには、生産現場におけるプラスチック等の石油由来製品の削減も重要です。葛飾元気野菜の代表的品種であるコマツナは、年間を通じてビニールハウスでの栽培が一般的ですが、資材価格の高騰に伴い、ビニールハウスの張り替えが農業者の悩みの種になっています。
そこで、都は環境に優しい資材への転換を進めるため、農業者への支援を強化すべきと考えますけれども、見解をお伺いします。
○田中産業労働局長 東京農業の持続的な発展につなげるためには、環境に配慮した農業への転換を促進することが重要でございます。このため、都は来年度、環境に優しい農業用資材に転換する農業者への支援を新たに開始いたします。
具体的には、ビニールハウスを張り替える際に、長期間使用可能な資材に転換する場合や、土壌に敷くマルチフィルムなど、土の中の微生物で分解されるものに変える場合に、その費用の二分の一を百万円を上限に助成いたします。こうした取組によりまして、環境と経営が両立する農業の実現を後押しいたします。
○松田副委員長 平田みつよし理事の発言は終わりました。(拍手)
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