○川松委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
この際、理事会の協議結果について申し上げます。
過日の委員会において白石委員より発言のありました資料要求については、理事会で協議した結果、予算特別委員会実施要領において、資料を要求しようとする者は、二月二十一日午後五時までに資料要求書を会派別に取りまとめの上、提出することを申し合わせており、今回の資料要求は認めないことといたしました。ご了承願います。
○川松委員長 これより付託議案の審査を行います。
第一号議案から第二十八号議案まで、第百五十九号議案及び第百六十号議案を一括して議題といたします。
昨日に引き続き総括質疑を行います。
増山あすか委員の発言を許します。
○増山委員 東京都出産・子育て応援事業では、決められたカタログから十万円分の子育て商品を選ぶことができ、子育て家庭からは大変喜ばれている事業です。
出産を機に、子供の将来に備えるために、節約機運が高まる時期でもあり、このカタログを活用して、なるべく多くのベビーグッズをそろえたいという方も多いと聞きます。スマホの普及で、物を買う際は最安値を検索することが当たり前になっている昨今、このカタログに掲載されている商品は、おむつやミルクなど、別のサイトや量販店で購入する方が安く、家電に至っては数万円も違うため、税金を使っているのにもったいないのではないかといわれております。
そこで、カタログ商品の価格をどのように設定しているのかお伺いいたします。
○山口福祉局長 本事業では、都民の様々なニーズに応えられるよう、専用ウェブサイトにおいて、おむつやミルクなどの消耗品や家電などの生活支援用品、子育て支援サービスなど、千点以上の育児用品などを用意しております。
これらの価格につきましては、複数の小売事業者における販売価格などを考慮して設定しております。
○増山委員 小売業者の販売価格などを考慮して価格設定しているということですが、ネットで簡単に検索できる現在、大幅に値が開くことのないよう、価格調査の方法を見直していただくよう要望いたします。
続いて、カタログ掲載商品の品ぞろえですが、ベビー服一着五千円とブランド物の高いものしかなく、日常使いとしてそろえるには、もっと安くて数をそろえたいと聞いております。
一つの商品につき幅広い価格帯をそろえ、低価格の商品もより柔軟に選べるようにすべきと考えますが、都の見解を伺います。
○山口福祉局長 本事業では、子供が生まれた家庭に対しまして、一ポイント一円相当として、子供一人当たり十万円相当の育児用品などに交換できるポイントを付与しております。
現在は、五〇〇〇ポイントを交換の最小単位とし、十万円相当の範囲内で育児用品などを選択できる仕組みとなっております。
来年度は、多様なニーズに一層きめ細かく対応できるよう、一〇〇〇ポイントを最小単位とすることで、より幅広い価格帯のミルクやベビー服などを選択できる仕組みとするとともに、引き続き、利用者アンケートなども踏まえまして、育児用品などの充実を図ってまいります。
○増山委員 高価格帯の商品しかなかったのは、カタログの最低価格が五千円に設定されていたことに原因があったのかと思います。来年度に期待して、次の質問に移ります。
昨年の一般質問において、私は、子供たちの身近な地域における体験活動の充実について質疑し、都からは、地域の特色を生かした幅広い体験機会を創出していくための検討をしていくとの前向きな答弁をいただきました。
子供が身近な体験活動に主体的に参加することは、自分が住む地域での交流を深めるだけでなく、祭りなどの伝統文化の継承にもつながり、社会性や共に生きる力の育成、豊かな人間性の形成といった子供の成長によい影響を及ぼします。そのため、様々な体験機会の場が提供されることは極めて重要です。
そこで、子供政策連携室の新規事業として盛り込んでいる子供の未来を育む体験活動推進区市町村支援事業の具体的な支援内容を伺います。
○田中子供政策連携室長 都は、来年度、子供たちが生活を送る身近な地域において、子供目線に立った体験活動が進むよう、学校外の多様な体験活動の創出に取り組む市区町村を支援する補助制度を創設いたします。
具体的には、子供が企画立案段階から参加して実施する地域活動や体験型のワークショップ、地域企業と連携した体験プログラムなど、市区町村が地域の実情を踏まえて実施する幅広い取組への支援を想定しております。
また、補助率を十分の十、補助基準額を一自治体当たり上限一千万円とすることで、市区町村の取組を力強く後押ししてまいります。
○増山委員 補助率十分の十は、市区町村にとって非常に心強い制度です。この事業を活用し、地域の特色を生かした幅広い体験機会が創出されることを期待いたします。
続いて、バスの運転士不足について伺います。
都内のバス路線では、コロナ禍を経た生活様式の変化による需要の減少や二〇二四年問題に起因する運転士不足などにより、減便、廃止が生じております。特に、多摩地域では、二十三区と比較すると、鉄道などのほかの交通手段が少ないため、バスの減便や廃止は、地域の方々にとって大きな課題となっています。
そのため、地域の足を確保する対応が急務であり、都が乗合バス事業者連絡会議の場などを活用し、取組を牽引していくべきと考えます。
そこで、バスの運転士不足について、どのような認識の下で、多摩地域も含め、地域の実情に合わせた支援策を考えているのか、都の見解を伺います。
○谷崎東京都技監 不足するバス運転士を確保するためには、官民が一体となり、二〇二四年問題などを踏まえた多角的な対策を早急に進めていくことが重要でございます。
都は、政府提案要求等におきまして、運転士の負担軽減に向けた支援の充実を要望するとともに、運転士の確保への協力を関係機関に働きかけるなど、事業者団体の意向を踏まえた対応を行っております。
来年度は、キャッシュレス顔認証システムなどのDX技術の試験導入など、運転士の負担軽減への支援に取り組みます。
今後とも、連絡会議におきまして、地域の実情を踏まえました運転士確保策の議論を進めるとともに、バス事業の魅力発信など、事業者団体の取組を国と共に後押しいたします。
○増山委員 運転士不足の問題は、コミュニティバスにおいても同様です。
私の地元の府中市内のコミュニティバスは、路線バスと同じ事業者が運行しており、運転士不足がさらに加速することから、車両数の削減について事業者から申入れがなされております。
コミュニティバスは、高齢者の通院や買物など生活の足として重要であり、維持確保のための取組をしていくべきですが、そのためには、路線バスも含めたバス交通全体を視野に入れた対応が必要です。
現在、府中市は、コミュニティバスを含むバス路線再編に向けた検討を地域公共交通協議会で実施しています。都は、こうした自治体の積極的な取組に対して支援すべきと考えますが、見解を伺います。
○谷崎東京都技監 地域公共交通は、地域に精通する区市町村が主体となり、交通事業者の創意工夫の下、多様な関係者が参画し、それぞれの役割を果たしていくことが重要でございます。
府中市では、事業者からは運転士不足に伴う運行車両数の減少についての申入れがある一方、利用者からは現状維持への希望が寄せられており、これらを踏まえ、路線バスとコミュニティバスの再編計画を検討しております。
都は、この検討に係る費用の一部を補助しているほか、地域公共交通協議会に参画し、技術的な助言を行っております。
こうしたネットワーク再編に関する取組を他地域でも参考としてもらうよう、行政連絡会で共有するなど、区市町村の取組を後押ししてまいります。
○増山委員 人材不足は、介護業界にとっても深刻です。
二〇三〇年には四万七千人の不足が見込まれており、今後期待されているのが、外国人介護人材です。日本に来て安心して働いてもらうには、住まいの提供が必要であり、都は、我が会派からの要望を受け、今年度から宿舎借り上げ支援事業の充実を図りました。
また、東京の介護現場の魅力を海外の方たちに知ってもらうため、専用サイトなどにより海外への魅力発信を行っています。
取組と成果について伺います。あわせて、日本に来た外国人が、長く日本で働いていくためには、介護福祉士資格の取得などに向けた支援が必要と考えますが、現在と今後の取組について伺います。
○山口福祉局長 都は今年度、海外からの介護人材の獲得に向けまして、インドネシアのジャカルタで開催されたイベントなどに出展して、東京の介護現場の魅力を発信するほか、都内介護事業所などが、海外向けの求人情報を掲載できる専用サイトを開設しまして、本年二月末時点で百九十人の応募を受け付けました。
また、介護職員の宿舎借り上げ支援事業について、外国人介護従事者を戸数制限の対象外とするなど、支援を拡充しております。
来年度は、インドネシア国内の複数の都市で介護現場の魅力発信を行うとともに、受入れ後に日本語学習の経費を補助するなど、外国人介護従事者の確保と定着を支援してまいります。
○増山委員 次に、ナイトタイム観光について伺います。
昨年の訪日外国人旅行者の消費額は八兆円を超えるなど、東京の経済のさらなる成長を目指す上で、観光は大きな役割を果たしています。今後も、旅行者の誘致とそれを消費拡大に結びつけていくための不断の取組が欠かせません。
今後、特にポテンシャルが大きいのが、夜の時間帯の観光です。パリやニューヨークなど世界の主要都市でも、ナイトタイム観光に力を入れており、東京も国際観光都市としての存在感を高めていく必要があります。
都心部の繁華街などは、現在でも夜に多くの観光客でにぎわいを見せておりますが、都内には魅力的な地域がまだまだたくさんあると考えます。
そこで、東京のナイトタイム観光のさらなる充実を図るべきと考えますが、知事の見解を伺います。
○小池知事 世界最高の観光都市東京を実現するため、外国人旅行者が限られた滞在時間を満喫できるように、世界に誇る安全・安心なまちという強みも生かしまして、ナイトタイム観光の活性化を図ってまいります。
都内の各地でライトアップやプロジェクションマッピングなどを活用して、まちに新たな光の輝きを生み出し、さらに多くの旅行者を引きつけてまいります。
また、夜間におきまして、美術館や博物館を開館いたしまして、芸術文化を楽しめる機会をつくる。また、歴史的な建造物などをユニークベニューとして活用しまして、旅行者が食事と憩いを楽しむ場を増やしてまいります。
さらに、エリアの特色を生かしまして、ナイトタイムの魅力を磨き上げるとともに、東京の夜の多彩な過ごし方を旅行者へ効果的に伝えまして、夜も楽しめるまちとしてのブランド力を高めてまいります。
これらによりまして、世界中の旅行者を魅了する東京の夜をつくり上げてまいります。
○増山委員 ナイトタイム観光は、都心部だけでなく、多摩を含む都内の各地域で楽しむことができます。
私の地元府中市では、千年以上の歴史を持つ大國魂神社のくらやみ祭りが有名であり、開催期間中は多くの方が訪れ、伝統ある行事を楽しんでおります。また、近隣には味の素スタジアムがあり、サッカーやラグビーの観戦などにより、夜間まで多くの集客があります。
しかし、一方で、イベントの終了後に引き続き観光客が楽しめるコンテンツが多くないことから、短時間の滞在の後、宿泊先の都心部に戻ってしまうという課題があります。各地域での消費の拡大を図るためには、夜間や早朝の観光を充実させ、宿泊の需要や滞在時間の長期化につなげることが重要です。
そこで、都内の各地域における夜間や早朝の観光イベントなどへの支援を強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中産業労働局長 都は、現在、夜間や早朝における誘客イベントの実施に取り組む市区町村等に対し、最大三千万円を上限に三分の二を助成しております。また、地域で取組を継続できるよう、三年間にわたる支援を行ってございます。
来年度は、こうした観光資源の開発に加えまして、旅行会社等が、夜間や早朝の観光スポットを巡るツアーを造成する取組を新たに支援の対象といたします。
加えて、助成規模を十二件から二十四件に拡大し、多摩をはじめとする地域の特色を生かした取組をさらに促してまいります。
これらによりまして、都内各地におけるナイトタイムの取組を後押しいたします。
○増山委員 予算を拡充して支援を強化するということですので、都内各地でこの支援を活用したナイトタイム観光の取組が進むようサポートをお願いいたします。
続いて、多摩地域の産業振興について伺います。
産業振興を進めるには、イノベーションを創出する土壌を育むとともに、多摩地域にはないアイデア、人材、技術などのリソースを積極的に取り込み、連携、協業を図ることにより、イノベーションを起こし続ける好循環を生み出していくことが必要です。
多摩地域内外の多様な主体を巻き込みながら、イノベーション創出に向けた基盤を強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中産業労働局長 都は、多摩地域の企業や大学等が協働して行います先駆的なプロジェクトを支援するとともに、ワークショップや交流会などを開催し、多様な主体が連携し、新たな製品やサービスを生み出すエコシステムの形成に取り組んでおります。
来年度は、さらに質の高いプロジェクトの創出に向けまして、ビジネスアイデアの具体化に必要なテストマーケティングなどの支援を拡充するほか、専門のコーディネーターを配置し、必要な技術力を持つ企業や大学等とのマッチングを進めます。また、国内外への進出に向けた戦略策定や国際展示会への出展の支援を行います。
これらによりまして、様々な主体が多摩地域に集い、連携することで、新たなビジネスが生まれる好循環をつくり出してまいります。
○増山委員 続いて、都市農業について伺います。
東京の農業者の多くは、地元の共同直売所などを通じ、農作物を販売しております。近年、生産コストが上昇する中、農業経営が圧迫されており、今後は、高単価での販売が期待できる都心部での出荷を進めるなど、地産地消を一層推進し、収益性を高めることが重要です。
しかし、地元での出荷が多い都内農業者において、都心部への販路拡大や消費者ニーズを重視した商品開発などはハードルが高いと聞きます。
そこで、都は、収益力の向上に向けて、販路の拡大等に取り組む農業者への支援を一層強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中産業労働局長 農業者の経営力を高めるため、地産地消を推進する販路の拡大や消費者のニーズに合わせた付加価値の向上に取り組む農業者を後押しすることは重要でございます。
このため、都は、来年度、農業者と都心部の飲食店などのマッチングを促進するサイトを新たに立ち上げます。特色ある農産物と購入したい品目など、売手と買手のニーズをリアルタイムで共有し、取引の拡大につなげてまいります。
また、消費者からの様々なニーズに応えるため、ブランド化などに取り組む農業者に対し、専門家を派遣する支援を強化いたします。具体的には、加工品開発からパッケージのデザインまでを一体的にサポートするなど、最大五分野から成る専門家チームを派遣する取組を開始いたします。
○増山委員 都心部への販路拡大は、都心の消費者に対して、都内産農作物の認知度向上にもつながる重要な取組となるため、きめ細かい支援を引き続きお願いいたします。
地産地消を進めるには、生産力を高めるなど農業経営を強化することも必要です。特に、土地の狭い東京で収益を確保するには、効率性や生産性が強く求められ、農家の皆さんは大変苦労しております。
このため、我が会派は、さきの代表質問で、農家の経営力の強化の重要性を主張し、都からは、施策の充実を図る答弁がございました。
また、近年、生産性の向上や人材の確保などの観点から、働きやすい環境をつくることが当たり前となっており、農業がその例外であってはなりません。
そこで、生産性の向上や作業環境の改善など意欲的に経営に取り組む農業者への支援を強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○田中産業労働局長 東京農業を魅力ある産業とするためには、経営意欲のある農業者のニーズに応えることが重要でございまして、都は、来年度、経営の強靱化を図る施設整備等への助成を強化いたします。
具体的には、新たにトラクターなど生産性の向上や作業の省力化につながる農業機械を対象に加えるほか、都内で営農する広域認定農業者が、経営規模の拡大を目指すため、隣接する県に栽培や加工施設等を整備する場合への助成も開始いたします。
さらに、働きやすい環境整備を促進するため、生産や出荷の作業を行う施設におけます空調設備の導入などに必要な経費の四分の三を助成することといたしました。
こうした取組によりまして、農業者の経営力の向上を図ってまいります。
○増山委員 スマート農業の進展などにより、農業の分野における機械や設備などにおいても、日々、革新的なものや使いやすいものにバージョンアップされております。こうした情報を農業者に的確に伝え、農業者の収益力が一層高まるよう、都として着実にサポートすることを求めて、次の質問に移ります。
多摩川では、漁協の取組などにより、毎年天然アユが遡上するほか、上流では、飲食店や宿泊施設に、養殖したマス類が提供されるなど、内水面の水産業は地域の活性化に貢献しております。
しかし、近年、養殖事業は気候変動に伴う飼育環境の悪化や餌代のコスト上昇など、厳しい環境にあると聞いております。
こうした中、設備内で水温や餌やりを自動で管理する陸上養殖の手法が注目されており、従来の養殖からの転換を図ることも課題解決の選択肢になると考えます。
都は、東京の内水面の水産業活性化に向け、陸上養殖の取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
○田中産業労働局長 気候変動などによりまして、養殖業の生産が減少する中、水温や餌などを管理し魚介類を育てる陸上養殖は、安定的な生産や雇用の確保にもつながる効果的な取組でございます。
このため、都は来年度から、内水面の漁協などが陸上養殖に参入できるよう、民間企業等と連携した取組を開始いたします。
具体的には、連携企業の先進的な養殖システムを導入し、漁協が採算性の高い魚種を効率的、安定的に育成するためのノウハウを蓄積いたします。また、企業とともに、養殖した魚の販路開拓やブランド化も進めます。
こうした取組によりまして、内水面養殖業の経営力の強化を目指します。
○増山委員 続いて、住宅政策について伺います。
おとといの会派代表質疑でも、都内の住宅価格上昇が話題となりました。しかし、申し上げておきたいのは、住宅販売価格は、同じ都内でも違いがあり、上がっているのは都心部を中心とした区部が中心であり、多摩地域はまちまちで、平均すると横ばいの状態です。特に、西多摩から徐々に人口減少と増える空き家について危機感を持ち、対策も行っていることから、都心部の価格高騰で、購入、賃貸が難しいという世帯には、無理して都心部ではなく、ぜひ緑豊かな、同じ都内である多摩地域への移住を促進していただきたいと思います。
その上で、今回、新たな住宅政策であるアフォーダブル住宅について伺います。
民間事業者の活性化を図り、空き家の活用を含めた社会課題を共に解決する道筋をつくるために、都がリーダーシップを持ってファンドを組成することは大変意義のあることと思います。
その一方で、都民の税金を用いる以上、出資したお金を毀損させないことも重要であり、そのバランスが課題となります。
そこで、都が目標とする理念をファンドの運営事業者を通じてどのように実現させていくのか、取組を伺います。
○吉村スタートアップ・国際金融都市戦略室長 来年度、取組を開始いたしますアフォーダブル住宅供給促進ファンドでは、中古ビルや空き家の活用など、民間の創意工夫を生かし、複数の運営事業者を選定し、様々な形での住宅供給に取り組みます。
民間事業者からの事業提案の審査に当たりまして、家賃の引下げ幅に応じたファンドの出資利回りの設定や家賃水準を審査での重点評価項目とするなどにより、低廉な家賃の実現に向けて取り組んでまいります。
また、ファンド理念に共鳴する事業者との緊密な意見交換や専門家の知見に基づき投資活動への意見表明を的確に行うとともに、分配に際して、都への優先配当を検討するなど、適切なファンド運営を図ってまいります。
○増山委員 単純に家賃補助として一部の人に単発でお金をばらまくよりも、課題を解決する仕組みを成長させることが、ひいては多くの人、住宅市場に効果があるものと思います。
今回のファンドの趣旨を実現していくには、民間事業者からより多くの提案を引き出すとともに、ファンドの運営を行う事業者を適切に選定することが鍵となります。
このファンドをきっかけに、アフォーダブル住宅の供給という民間活力の活性化が促されることを期待いたします。
次に、災害を未然に防ぐ取組を伺います。
首都直下地震の被害想定では、人的、物的被害の四割近くが火災を占めており、この火災の発生を防ぐ取組、出火防止対策が重要です。
昨年の予特代表における我が党の質疑において、二〇三〇年度までに首都直下地震による人的、物的被害をおおむね半減するという目標達成のために、出火防止対策等として、市区町村と連携し、感震ブレーカーや消火器の設置などを推進するとの答弁を得ております。
そこで、市区町村と連携した出火防止対策の具体的な取組についてお伺いいたします。
○佐藤総務局長 都はこれまで、区市町村と連携し、出火防止や初期消火の重要性につきまして、広報紙への掲載やイベントの機会などを通じて周知してまいりました。特に、木造住宅密集地域の対象世帯への感震ブレーカーの配布では、区市町村や町会、自治会と連携いたしまして、重点的な普及啓発を行ってまいりました。
こうした取組により、各家庭での出火防止の機運が醸成されている機を捉えまして、今後、都は、区市町村が地域の実情に応じて対象とする世帯に感震ブレーカーの設置を進められるよう、設置経費の二分の一を補助する新たな制度を創設し、支援してまいります。
○増山委員 感震ブレーカーの設置は、設置率二五%を掲げています。
今後、設置を促進させるためには、市区町村への補助に加え、都がさらなる取組を行う必要があると考えますが、見解を伺います。
○佐藤総務局長 都は、来年度、感震ブレーカーの設置を促進するため、新たに、住宅事業者に対する補助事業を実施することといたしました。
具体的には、新築住宅に感震ブレーカーを設置する場合に、住宅事業者に対し、感震ブレーカーの購入費の二分の一、三万円を上限として補助いたします。
こうした取組を進めることで、さらなる設置率の向上につなげてまいります。
○増山委員 首都直下地震は、いつ起こるか分かりません。大規模災害に備え、減災目標達成に向けて、出火防止対策の取組を加速化することをお願いいたします。
次に、増加する救急需要に伴い、コロナ禍が明けた令和三年以降も、救急相談センターであるシャープ七一一九の受付件数は増加していると聞いております。取り切れない電話もあるのではないかとの不安の声も都民から聞きます。
救急相談センターの令和六年の受付状況を伺います。
また、そのような電話をなくすためにどのような取組をしているのか、お伺いいたします。
○吉田消防総監 救急相談センターの受付件数は、令和三年中が三十六万二千三百九十二件で、以降、年々増加傾向にあり、令和六年中の速報値では、四十八万五千四百三十二件でございました。
このことから、東京消防庁では、増え続けている救急相談需要に対応するため、救急相談センターの電話回線及び相談看護師を増強するとともに、相談業務の一部を外部委託し、救急相談需要の多い時間帯に相談看護師を増員配置できるよう、受付体制の強化を図ってまいりました。
今後も、救急相談需要に的確に対応できるよう、救急相談センターの体制強化を推進してまいります。
○増山委員 シャープ七一一九の認知度が上がったことが、電話の増加にもつながっていると思います。三年前と比較して、約十二万件も増加していることが分かりましたので、ぜひとも体制強化をお願いいたします。
最後に、救急車の逼迫状況の解消についてお伺いいたします。
令和六年の救急出場件数が過去最多を記録した中、外国人の救急搬送もコロナ禍以降、年々増加していると聞いております。外国人観光客が増えていることに比例していると思いますが、外国人の傷病者搬送の状況についてお伺いいたします。
また、増大する救急需要に対応するため、救急隊の増隊が必要だと思いますが、来年度の増隊とその効果についてお伺いします。
○吉田消防総監 外国籍を有する傷病者の搬送は、令和二年以降、年々増加傾向にあり、令和六年中の速報値では二万二千百十一人でございました。
また、増大する救急需要へ対応するため、来年度は、救急隊四隊、デイタイム救急隊四隊を増隊することで、救急隊が現場に到着するまでの時間の短縮を図り、傷病者の救命効果の向上を目指します。
○増山委員 今後も外国人観光客は増える一方だと思いますし、高齢化社会になります。救急車逼迫アラートが出て、都民から不安な声を聞いておりましたが、来年度の増隊により解消されることを期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○川松委員長 増山あすか委員の発言は終わりました。
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