予算特別委員会速記録第三号〔速報版〕

○中山副委員長 西沢けいた委員の発言を許します。
   〔中山副委員長退席、松田副委員長着席〕

○西沢委員 まず最初に、事業評価についてお伺いをしたいというふうに思います。
 事業評価は、今回千三百三億円の財源確保をして、累計で九年間で九千四百億円の財源を確保したということでございます。事業評価自体は大変重要だというように思っています。税金の無駄をなくす取組ということで、大変重要な取組だと思いますし、かねてから私どもが申し上げてきた外部の目を入れる取組というのも進めてきたということで、極めて重要だというように感じております。
 今日は、以前から申し上げているんですが、この財源確保額ということに、言葉について議論したいというふうに思っています。
 事業評価で財源確保額というのが示されていますけれども、これまで何度も申し上げているんですけど、十億円の工事があって、例えば事業評価をすることによって八億円で済むことができたと、そういうことであれば二億円の財源確保というふうにいうのかというふうに思っていたらば、そうではなくて、十億円の工事を予定どおり十億円で終わらせたということだと、十億円の財源確保だと。これ、ちょっとおかしいんじゃないかなというのが私の思いであります。
 今回出ている、今回公表された政策企画局の庁舎改修に伴う執務室のフロア移転、これ、大体約千二百万円ぐらいが財源確保額、そして、財務局の都庁舎改修が約十四億円というようなことで公表されていますけど、でもこれは、一応これも財源確保額に含まれているのかというのを確認したいというふうに思っています。
 この事業を適切に実施して完了させるということは大事だと思うんですが、それがイコール財源確保額ってなっているのはやっぱりおかしいんじゃないかなと思いますが、見解をお伺いいたします。

○山下財務局長 事業評価では、全ての事業に終期を設定し、事後検証を徹底するとともに、進捗管理を強化することで、事業の見直しや適切な終了につなげておりまして、こうした取組により生み出した財源を財源確保額として計上しております。
 このため、事業の終了が見込まれる工事なども、当初の計画を踏まえた事後検証の徹底と的確な進捗管理の観点から、事業評価の対象としております。
 今お話のあった二点の事業につきましても、事業評価の対象として、計画どおり終了をさせたということで、約十四億円の財源を生み出しておりますことから、これを財源確保額とすることは妥当でありまして、ご指摘は当たらないものと考えております。

○西沢委員 やっぱり十四億円の財源を生み出しているということですが、生み出してはやっぱりいないんじゃないかなと思うんですね。いうんであれば、予定額と、財源終了予定額とか想定支出額というんであれば分かりますけれども、これを財源確保額というのはやっぱりちょっとおかしいんじゃないかなというふうに思います。
 今の話、ちょっと振り返ると、十四億円、例えば、例えばというか、今いった庁舎の改修工事十四億円ですけれども、予定どおり十四億円で済んで、例えば翌年追加で五億円例えばかかるかもしれないと。だけれども、事業評価をすることによってこの五億円を三億円で済ませたとかだったら、二億円の財源確保ということは分からなくもないと思うんですけれども、十四億円を生み出すということだったら、十四億円を、終わらせて、また来年度十四億円さらにかかるのを止めたじゃなきゃやっぱりおかしいというふうに私は思います。
 予定どおり十四億円の予算を十四億で終わらせたから十四億円の財源確保というのはちょっとおかしいかなというふうに思います。見直しを求めます。
 いいですかね、次行って。−−はい。
 次に、政策評価とグループ連携事業評価、この三つの取組について伺います。事業評価と加えてですね。
 これは、これまで事業評価と並んで政策評価、それからグループ連携事業評価があるわけですけれども、これまでそれぞれの局がやっていたわけですよね。政策評価は政策企画局が行っていて、そしてグループ連携事業評価、これ、監理団体の目標値とか定めていた当時のものから含めれば、総務局がこれ、やっていたということです。
 政策企画局がやっていたやつは、PDCAサイクルの検証をしてやっているという政策企画局ならではの取組があったと思いますし、それから総務局がやっていた政策連携団体の目標数値というのは、これ、議会にも報告があるわけですね。議会でも議論すると。このやり方はどうなんだろうかと。この財団、この社団法人の目標数値、どうなのかとか、そういったことができたわけですけれども、今はそれらがなくなってしまったというようなことです。
 効率を考えれば、財務局さん一つの局でやるのは、これは効率がいいというようなことだと思いますし、当時一つにしたときは、財務局の言葉を借りれば、深く分ける、深化させるというようなことだったと思うんですが、やっぱり私は各局がそれぞれの視点で、それぞれの評価をしていくということは意義があるものだというふうに感じるんです。
 これらの評価制度、見直しを提案するものですが、見解を伺います。

○山下財務局長 限られた財源の中で都政の諸課題に的確に対応するためには、各事業の成果や決算状況等を厳しく検証した上で評価を行い、翌年度の予算に確実に反映させることが重要でございます。
 このため、財務局では、事業評価に加え、令和四年度予算編成から施策全体の方向性を評価する政策評価を、さらに令和六年度予算編成からは、都庁グループ全体で事業効果を高めるグループ連携事業評価を予算編成の一環として一体的に実施しているところでございます。
 評価の実施に当たりましては、外部有識者や各局の専門的な視点を活用することで、効率性、実効性の高い施策の構築等につなげておりまして、毎年度、評価の結果を当初予算案に反映した上で、議会に対してもご提案をしているところでございます。

○西沢委員 要するに、報告書はそれぞれあったけど、ただなくなってしまっただけなんじゃないかなといわざるを得ないというふうに思います。
 これまで政策評価をやって、それぞれ政策評価は政策企画局で、監理団体、グループ連携評価については総務局でと、それぞれで、総務局でやれていたし、政策企画局でもやれていたけれども、なくなって、だけれども、評価の結果を予算案に反映していますよと。予算案に反映して、今、だから予算の審議をしているわけですけれども、ここで議会にちゃんと報告しているからいいじゃないかということですけれども、それだとやっぱり、ちょっと予算に反映されてから、それで、今までの報告書をなくしたけれども、それで、議論で判断してくれというようなことはちょっと強引なんじゃないかなというふうに感じます。
 評価制度の在り方、見直しも含めて考えてほしいと申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 続いて、カスタマー・ハラスメント防止条例についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 これまで、カスハラ、働く人の尊厳を傷つける人権侵害であり、誰もが働く人の尊厳を踏みにじってはいけないとの共通認識をし、防止対策の強化を求めてまいりました。
 これは、第五会派の私ども、真っ先に取り組ませていただいて、各会派の皆様のご協力いただいて、また、東京都の担当の方もご協力いただいて、最終的に今、知事がご決断をいただいて、成立に至ったということで、本当にうれしく思っている次第でございます。
 一方で、人権は働く人だけのものではなくて、顧客の側にも尊重されなければならない様々な権利があります。
 四月から施行されるカスタマー・ハラスメント防止条例について、消費者の権利や障害がある方への合理的配慮など、顧客側の権利も守る視点で普及させることが重要だと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 カスタマーハラスメントの防止に向けまして、条例では、禁止であることを明示するとともに、顧客等の権利を不当に侵害しないことを求めており、指針において、障害のある方などの権利や合理的配慮の方法を例示しております。
 先般公表した共通マニュアルでは、顧客側の権利に関する根拠法令や合理的配慮を提供する判断基準などを掲載しておりまして、事業者に浸透するよう普及を図ることとしてございます。

○西沢委員 業界向けのマニュアルに消費者の権利や障害者への合理的配慮が盛り込まれているということ、確認をしたわけであります。この考え方が事業所で働く現場までしっかり届くように、企業や従業員を含めた啓発を求めておきたいというふうにも思います。
 今まで、お客様は神様ですと、何かいわれていたこともありましたが、今後、働く側が神様に変わるとか、そういうようなことではないということを確認させていただきました。
 そして、一方、顧客側の状況にどれだけ注意を払っていたとしても、カスタマーハラスメントは発生してしまうということがあり、未然防止にも当然限界があると思います。
 また、行為をする側に障害や認知症などの事情があったとしても、暴言は人を深く傷つけるということに変わりはなく、上司や同僚がまずは被害者をいたわり、個人で抱え込まないようケアすることも重要だというふうに思います。
 東京都は、暴力や暴言など、カスタマーハラスメントが起きた場合に、どのような状況でも、企業において就業者が守られるよう取り組むべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中産業労働局長 条例では、事業者に対し、就業者がカスハラを受けた場合に速やかに安全を確保するよう求めており、指針において、被害が継続しない対策などを求めております。
 共通マニュアルでは、カスハラが発生した場合に、従業員個人を責めず、組織で対応することを促しておりまして、こうした考え方が現場に広がり、働く人が守られるよう啓発いたします。

○西沢委員 そうですね。従業員個人を責めないというようなこと、答弁がございましたが、君の考えが悪かったんだとか、被害者に何てことするんだとかいうようなことで、個人を責めるようなことにはならないようにしていただいて、使用者、管理者がしっかり全体、組織全体、会社全体でケアをしていくということが大切だというように思います。
 そして、迷惑行為の中には、その場での暴力や暴言だけではなくて、インターネットを利用して、後から個人を攻撃するというものも見られます。
 例えば、お客様に無断で撮影され、インターネットで拡散をされたというような被害であったり、ライブ配信の中で、例えば役所の窓口に対する不満、職員を名指ししながら発信されるというようなことで傷ついたという被害もお聞きいたします。
 最近こういう電凸、突撃をするユーチューバー、ユーチューブ自体がこういうのは収益化しませんから、こういうのはだんだん減っていくのかと思いきや、もちろん有名ユーチューバーがこんなことするわけではありませんが、底辺ユーチューバーであったり、迷惑系ユーチューバーであったり、個人の方がこうしたことをやるというようなことは十分に考えられるわけでありまして、こうしたことの被害というものはやはり考えなければいけないことだと思います。
 インターネットでは、書き込みは匿名で行われるということも多く、一たび掲示板などに書き込まれるとすぐ内容が広まって、完全に消すことが容易ではないといった点も踏まえた対応が必要だと思います。
 東京都は、カスタマー・ハラスメント防止条例により、インターネット上での迷惑行為も防止していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 条例では、あらゆる場におけるカスハラを禁止し、指針において、SNSの投稿に書き込む人などを行為者として例示しております。
 共通マニュアルでは、インターネット上の誹謗中傷に関し、証拠を保全することや、企業の対応方針を公表するなどの対策を示しておりまして、投稿や配信を通じた迷惑行為が防止されるよう促すこととしてございます。

○西沢委員 対応方針ではこういうふうになっているということを今確認しました。
 さらにウオッチしていただいて、特に撮られた側のケアというものは非常に大事なので、今後また新たな状況が生まれるかもしれませんから、注視していただきたいというように思います。
 私自身、昨年、阿佐ケ谷駅で、政治活動なんですけれども、この距離でスマートフォンを向けられて、阿佐ケ谷駅の街頭演説で、政治活動ですけどね、これは。都知事選挙の前で、ちょっと大きな声を出している人がいたんで、注意して、ちょっとトラブルになって、その方が何だおまえはと、この距離でスマートフォンで撮られて、殺すぞとか、俺は格闘技やっているんだということをずっとやられまして、非常に心傷つきました。
 私たちは公人ですから、そういうのは普通だといえば普通なんですが、でも、やっぱり、格闘技やっていたとかいわれて、もしくは、その方がその周りの方に私の動画で撮ったやつを広めて、夜道ちょっと何かやってやろうとか考えているんじゃないかなとかと考えると、やっぱりちょっと怖いですよね、それは。すごく怖いです。
 私はいいって、よくないんですけれども、私はともかくとしても、今後そうしたような方々が−−やっぱり防がないといけない、防いでいくということは極めて大事だということをちょっと申し添えておきたいと思います。
 それで、さらにちょっと医療現場のカスハラ対策についてですが、医療現場などで働く人たちと意見交換を先日行いました。
 地域の医療を担っている病院では、まず病院に来る人は、その時点で不安を抱えていることが多くて、こうした人たちからハラスメントを受けるのも案内窓口や会計窓口で働く、多くの場合、委託事業者や会計年度任用職員であるなど、病院の中でも立場の弱い人たちだというような話をお聞きいたしました。
 そこで、私は、地域医療の充実に貢献することを掲げている都立病院でも、早期にマニュアルを作成して、地域医療機関のカスハラ対策に貢献していくべきだと考えますが、都立病院のカスタマーハラスメントに対する取組について見解を伺います。

○雲田保健医療局長 都立病院では、暴力防止ポスターの院内掲示など、患者や家族などに対する啓発に取り組むとともに、他の患者や病院職員などに対する暴言、暴行や、正当な理由がない過度な要求などの著しい迷惑行為を確認した場合には、組織として厳正に対応することとしております。
 患者の医療を受ける権利に配慮しつつ、快適な療養環境と職員の安全な職務環境を確保するため、引き続き適切に対応してまいります。

○西沢委員 よろしくお願いいたします。
 ここまで、消費者の権利、働く人のケア、インターネット上のハラスメントについて、それぞれ共通マニュアルなどで対応が図れているんだというようなことのご答弁を確認したところでございます。
 一方で、正当なクレームとカスタマーハラスメントをどこで線引きするかというのは、時代の変遷とともに常識が変わることもあり、マニュアルを時代に合わせていくことも大切だというように思います。
 役所の窓口の話、ありましたけれども、昔はお役所仕事だというような言葉があって、おまえら税金で飯食っているんだみたいなことがありました。でも、私が就職する時代というのは、都庁に入庁するのすごいねというような、そういった時代にも変わってきて、優秀な職員の方、皆さんいっぱいいらっしゃって、しっかり仕事されているということもよく知っています。
 でも、私の親の世代、親が−−私、公務員試験、何度か受けているんですけれども、もちろん落ちているんですけれども、私が公務員試験を受けるといったら、母親はやっぱり、えっ、何でそんなところに行こうとしているのなんて、やっぱり世代によってこの感覚っていうのは違ってくるんだと思いますね。
 これ、今また民間の方に採用枠というのは流れているなんて話、後ほどちょっと話できればと思いますが、そうした形で、時代によって、やっぱり状況ってどんどん変化しているというふうに思います。
 このカスハラについて、最後、知事にお聞きしたいと思いますが、このカスタマーハラスメント防止対策について、社会の状況や常識の変化にキャッチアップし続けていくべきだが、知事の見解を伺います。

○小池知事 条例の実効性を高める、そのためには、ご指摘のように正当なクレームとカスハラの違い、これを社会状況などにも照らして適切に判断できるように後押しすることが重要でございます。
 都は、業界団体向けの共通マニュアルを作成いたしまして、業種に応じた効果的な防止対策が継続的に講じられるように促しております。
 現場のいい事例、好事例の情報共有などを行うことによって、時代に即した防止対策を進めてまいります。

○西沢委員 ぜひ時代に即した防止対策、進めていただきたいと思います。
 これもちょっと余談かもしれないですけれども、昨日、おとといか、ユーチューブのあの、焼き鳥屋さんのユーチューバーの動画を見ていたんですけれども、いらっしゃいませ、お客様。コントですよ。いらっしゃいませ、お客様と入ってきたら、従業員が寝ていると。何だ、従業員のくせに寝ているのかという話があって、いや、それカスハラですよと。焼き鳥欲しいんだったら冷蔵庫に入っているから自分で勝手にやってくださいっていうようなコントのやつ、見たんですね。
 これもやっぱり時代が変わってきて、そういうような時代になるかもしれない。パロディーとしてやっているんですけれども、これが、カスハラは駄目なんだというようなことがやっぱり浸透してきているというようなことが出てきているのかなと思います。改めて、時代に即した対応を求めておきたいと思います。
 次に、防災対策について伺いたいというふうに思います。
 避難所における健康管理体制の確保です。
 過去の大規模震災において、慣れない避難所暮らしで、高齢者はもちろん、若い世代でも緊張状態が続く中、運動不足や食生活の乱れから、循環器疾患、血栓症、認知機能などの低下など、様々な症状が現れる危険性が高まっています。
 また、避難所での集団生活において、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎などが流行しやすくなっています。
 都は先日、避難所改革を進めていくに当たって、東京都避難所運営指針の素案を公表しましたが、避難所避難者の健康管理体制をどのように確保していくのか、見解をお伺いいたします。

○佐藤総務局長 都は、避難所運営指針の素案におきまして、医療、保健、福祉専門職の巡回体制の確保や、避難所での集団生活において、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症予防のための必要な物資の確保など、区市町村が取り組む具体的な方策をガイドラインとしてまとめております。
 来年度は、こうした取組が着実に進むよう、指針の内容を丁寧に説明し、区市町村の避難所における健康管理体制の確保を支援していくこととしております。

○西沢委員 これまで、避難所運営って区市町村の事務だから、いろいろと質疑もしてきたんですけれども、ちょっと東京都は一歩引いていたというように感じますが、今、一歩進んだんだというふうに思います。評価したいというふうに思います。
 次に、在宅避難者なども含めた避難者全体の支援についてお伺いをしたいというふうに思います。
 大規模地震が発生した際、被災者全体を見ると、避難所への避難者だけでなく、自宅や友人、知人宅に避難する在宅避難者に対しても、避難所避難者と同様に、必要な支援を実施する必要があるというふうに考えています。
 今後、避難所避難者以外の在宅避難者など避難者全体の支援についてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○佐藤総務局長 素案におきまして、在宅避難者の安否確認、物資や情報の提供、ニーズ把握や生活支援など、区市町村が取り組む具体的な方策をガイドラインとしてまとめております。
 また、来年度、大都市東京の特質を踏まえ、在宅避難も含めた避難者全体の支援の在り方について検討を進めていくこととしております。

○西沢委員 これも、これからに期待したいというふうに思います。能登で在宅避難の在り方が問題となりました。大変重要な課題でございます。
 昨年、能登半島で、地震から復興途上にあったときに、被災地で記録的な大雨が発生して、再び甚大な被害に見舞われました。
 また、コロナのような大規模な感染症が蔓延する中で災害が起こるというような可能性も十分にあります。
 都において、こうした複合災害、これ、以前から私ども申し上げてきましたが、こうした複合災害をあらかじめ想定して対策を講じるべきだと考えますが、見解を伺います。

○佐藤総務局長 地域防災計画では、複合災害が発生した場合、被害の激化や広域化、長期化等が懸念されることから、こうした状況も念頭に置きながら、予防、応急、復旧対策を実施することとしており、引き続き、適切に対応してまいります。

○西沢委員 地域防災計画で複合災害は想定しているんですけれども、アクションプランとか防災プランというのは、例えば震災とか水害とか二つについて、ダブルで起こる場合というのは書いてあるわけですけれども、例えばコロナのような感染症も同時に起こると。同じ日に震災と水害というのは、可能性は低いけれども、当然想定しなきゃいけませんけれども、やっぱり同じ時期にそうした災害が幾つも発生するということは十分にあると思います。感染症と震災と水害と。例えば、昨日もちょっと話がありました富士山の噴火とか。そうすると、ダブル、トリプル、四つというような形で起こる可能性も、十分に備えるべきなんじゃないかなというふうに思います。
 そして、この被害想定についてですけれども、災害は、いつどこで起こるか、当然分からないわけでありますが、能登半島の震災は元日に起こったわけですね。正月やお盆などにかかわらず、三百六十五日、今でも、いつでも、発災時に職員の皆さんは速やかに参集できる体制ができていると聞いています。
 一方、都民の立場に立つと、この元日だったり、お盆だったりとか、季節の違い、個人の属性、発災時の滞在場所、イベントがあったりとか、そういったときになると、一人一人の状況によって想定されるリスクは異なるということから、被害想定を踏まえて、一人一人が自分自身のリスクをつくられるというようなことが重要なのではないかと考えます。
 東京マラソンなどのイベント開催時、平日、休日、被害の様相が異なるわけです。都民が身の回りで起こり得る被害について具体的に備えることができるよう、一人一人の状況に応じて想定される被害を確認できる、都民がですね、確認できるような仕組みが必要ではないかと考えますが、見解を伺います。

○佐藤総務局長 令和四年に公表した被害想定は、有識者で構成される東京都防災会議地震部会において作成をいたしました。この被害想定では、全国各地で頻発した大規模地震災害を通じて蓄積した最新の知見を踏まえ、科学的、客観的な手法や最新のデータを用いて、可能な限り定量的に被害を評価しております。
 評価に当たっては、火災の危険度が高くなる冬の早朝、昼、夕方をそれぞれ設定しております。
 これに加え、被害の定量化が困難な事象について、可能な限り定性的に評価をすることで、都内で発生することが想定される被害の全体像を包括的に評価しております。

○西沢委員 現状では、今答弁もありましたが、火災の危険が高くなる冬の早朝、昼、夕方ですね、風の強いとか強くないとか、そういった想定をしている、これは承知しているところでございますが、やっぱり、加えて、究極はもう三百六十五日ですね。元日に起きた場合はどうなのか、お盆のこの日、二月の第二週目、さっきいった東京マラソンが開かれるとき、東京に多く人が集まる、コンサートが開かれるとき、年末であったりとか、かなり精度の高いことを、予測ができるようになっていく時代になるんじゃないかというふうに思います。ぜひ、将来的には進化させていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、ちょっと地元の話で恐縮ですが、連続立体交差事業についてお伺いをしていきます。
 地元である中野区で、西武線中井駅から野方駅間での連続立体交差が行われており、開かずの踏切解消のために着実に整備を進めていく必要があります。先ほど高倉委員からも話がございました。これは本当に地元の、開かずの踏切の解消、もう地元の悲願なんですね。
 そこで、まず、中井駅から野方駅間の現在の進捗状況についてと、中井駅から野方駅、この令和七年度の取組について、併せてお伺いいたします。

○花井建設局長 西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業におきまして、これまでに九九%の用地を取得しておりまして、現在、新井薬師前駅及び沼袋駅の地下部で掘削工事などを実施しております。
 また、中井駅及び野方駅付近の掘り割り区間におきまして、擁壁工事などを実施しております。
 令和七年度も、引き続き、残る用地の取得を進めますとともに、駅部や掘り割り区間の工事を実施してまいります。
 また、シールドマシンの作製や、発進立て坑の工事も進めてまいります。
 今後とも、地元区及び鉄道事業者と連携し、本事業を着実に推進してまいります。

○西沢委員 続けてどんどん行きます。
 次に、野方駅の西側の区間についてもお聞きしていきます。
 この区間、先ほども本当に話がございましたが、野方駅の目の前に一号踏切というのがございます。私も目の前で事故現場に居合わせたことがございますけれども、現在、事業化に向けて計画中だというふうに聞いております。この除却は、もうマストだと思っています。野方駅から井荻駅付近の現在の取組の状況について、まずお伺いします。

○花井建設局長 西武新宿線野方駅から井荻駅付近は、中杉通りなどと交差する踏切が十六か所ございまして、鉄道立体化が必要でございます。
 都は、平成二十九年度に国から着工準備採択を受け、これまで構造形式や施工方法の検討を進めてまいりました。
 また、中野区では、野方駅周辺まちづくりの観点から、今年度、鉄道事業者と協定を締結し、鉄道立体化の範囲等を検討しておりまして、その内容について、都と区で意見交換を行っているところでございます。

○西沢委員 都と区で意見交換実施中ということであります。以前は、東京都に聞けば区がというし、区に聞けば都がということでありましたが、現在、これはかなり動いているというふうに認識をいたします。
 この区間の鉄道立体化について調整しているという状況であるということですが、沿線地域の一部には地下化を望む声もあるようなんですが、早期に構造形式を決めて事業化を図るべきだというふうに考えます。今後、本区間の事業化に向けて、鉄道立体化の構造形式はどのように選定していくのか伺います。

○花井建設局長 鉄道立体化の構造形式につきましては、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却される踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件の三条件を比較検討し、総合的な判断により最適な形式を選定することとしております。
 今後、区の検討結果等を踏まえまして、改めて本区間の構造形式の検討を深めてまいります。
 引き続き、地元区や鉄道事業者と連携しながら、鉄道立体化に向けて着実に取り組んでまいります。

○西沢委員 区の検討結果等を踏まえて、構造形式の検討を深めるというご答弁をいただきました。ぜひ早期に着手できるよう進めていただきたいということを申し上げます。
 続いて、平和の問題について伺っていきたいというふうに思います。
 今年の空襲資料展では、都が保有する三百三十名の証言映像のうち百七十八名分が公開されましたが、公開に同意する証言者の数、これをさらに増やすよう取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 証言映像の公開に係る意向確認につきましては、引き続き実施しておりまして、郵送での確認に加え、今年度は、確認が取れなかった方々に対して、住所地に直接訪問させていただくなどの取組を行っているところでございます。

○西沢委員 住所地に訪問していただくよう、私も企画検討委員会で何度もこれをお話しして、やっていただきました。
 聞くところによると、個別訪問されると、何か裏バイトとかで強盗の下見に来ているんじゃないかと疑われるなんて話は聞きました。確かにこういう状況の中で、年配の方は多いでしょうから、そうしたことはあると思います。ぜひ工夫して進めていただきたいというように思います。
 証言映像については、期間限定の空襲資料展だけでなく、常設で公開すべきであると考えますが、見解を伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 証言映像の常時視聴につきましては、リニューアルオープン後の江戸東京博物館で行うこととしてございます。

○西沢委員 リニューアル後の江戸東京博物館で行うという答弁をいただきました。既に、昨年ちょっと発表しておりますけれども、実際に常設での公開をしていくというようなことで、一歩進んだというふうに感じます。
 改めて、私、この平和祈念館整備についてですけれども、これも以前もいっていますが、二十年以上前に凍結したままでございます。戦後八十年の節目、ぜひ一歩踏み出すべきと考えますが、見解を伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 平和祈念館(仮称)の建設につきましては、平成十一年の予算審議において、都議会の合意を得た上で実施することとの付帯決議がなされた経緯がございまして、都議会での一定の審議と合意が必要であると考えております。

○西沢委員 これはもう二十数年前の付帯決議でございますが、ぜひ執行機関側から提案をしていただきたいということも申し上げておきたいと思います。
 次に、青少年問題について伺っていきます。
 昨年九月に開催された東京都青少年健全育成審議会において、不健全図書の名称を、条例の趣旨が誤解なく、より明確に伝わるよう、八条指定図書というような形で報告がありました。以来、様々な広報物に八条指定図書の名称が使用されております。
 このこと自体は大いに歓迎するものですが、この九月の審議会では、著しく犯罪を誘発するものとして、これまであまり適用がなかった基準による図書の指定がなされました。名称変更により規制が強化されたんじゃないかという懸念があるわけでありますが、解釈だけは前に聞きましたけれども、この指定に係る運用、これを変えたのかどうか、見解を伺います。

○竹迫生活文化スポーツ局生活安全担当局長 条例の規定に基づきまして、自主規制を行っている団体の意見を聞き、青少年健全育成審議会の答申を経て指定をしておりまして、運用に変更はございません。

○西沢委員 運用に変更はないことを確認して、質問を終わります。(拍手)

○松田副委員長 西沢けいた委員の発言は終わりました。