予算特別委員会速記録第三号〔速報版〕

○川松委員長 青木英太委員の発言を許します。
   〔委員長退席、松田副委員長着席〕

○青木委員 まず、防災対策の強化について小池知事に伺います。
 昨年の能登半島地震では、大規模な建物崩壊や火災、道路の寸断など、多くの被害が報告されました。
 特に避難所の運営では、物資の不足や、また、トイレの環境悪化などが問題となり、災害関連死が発生したことは、深刻な問題として私自身も捉えております。
 これは都市部においても決して他人ごとではなく、東京都において首都直下地震が発生した場合、建物の倒壊や火災の多発に加え、鉄道や道路の寸断により、多くの帰宅困難者が発生することが予測されます。
 令和四年度の都の被害想定によれば、冬の夕方に地震が発生した場合、約四百五十三万人が帰宅困難者となるとされており、対応の遅れが新たな困難を招く可能性があります。
 また、阪神・淡路大震災や東日本大震災でも見られたように、避難生活の長期化や医療、福祉サービスの不足が、高齢者や持病を持つ方の健康を悪化させ、災害関連死のリスクを高めると考えられます。
 こうした課題を踏まえ、事前の備え、そして迅速な対応が求められております。
 現在公表されている二〇五〇東京戦略の素案では、二〇五〇年代のビジョンとして、災害から命を守り、安全・安心、そして快適に暮らせる東京を掲げておりまして、いつ起こるか分からない大規模災害に備え、都の防災対策をより一層強化していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 いつ起こるとも知れない首都直下地震、また、頻発化、激甚化しております風水害から都民の命と安全・安心な暮らしを守ることは、私の責務でございます。
 都は、建物の耐震化や不燃化、調節池の整備など、都市の強靱化をさらに加速するとともに、都民の防災意識の向上やマンション防災など、災害への備えを充実してまいります。
 また、過去の災害から得た教訓を踏まえまして、トイレ環境の確保など避難所の改革にも着手をいたします。
 さらに、防災DXを活用して、都の災害対応力を一層高めてまいります。
 備えよ常にといつも申し上げております。この精神を都民の皆さんとも共有して、地域防災力を向上するとともに、万全な災害対処体制によりまして、いかなる災害にも屈することのない首都東京を実現してまいります。

○青木委員 知事からは、避難所改革にも着手していくというご答弁がありました。これは非常に重要なポイントだと私自身も思っております。
 避難所の生活の質を向上させることが、健康被害、そして災害関連死などの二次災害を防ぎ、被災者の方の尊厳を守るための改革であると思っております。
 現状、東京都は、災害時の避難所の環境向上を目的としまして、東京都避難所運営指針素案をこのたび策定いたしました。
 この指針の特徴の一つとしまして、各数値目標にスフィア基準を採用しているということがあります。
 このスフィア基準が何かというと、改めて説明しますと、これは国際基準でありまして、人道憲章と人道支援に関する最低基準として、一九九七年にNGOグループと国際赤十字などの団体運動が開始したスフィアプロジェクトにて策定されたものと理解しております。
 私自身も、このスフィア基準に関して書かれたハンドブックを読みました。そこに書かれていたこととしましては、人間の存続のために必要不可欠な四つの要素である、衛生、食料、居留地、保健活動の分野における最低基準をここで定めておりまして、避難所生活の質を考える点で非常に参考になるものでありました。
 ただ、この基準自体は、一九九〇年代の南アフリカの難民キャンプで多くの方が亡くなったことを受けてつくられたものでありまして、人口が密集する都心部においては少々状況が異なる部分もあるのではないかと私自身は感じております。
 特に、このスフィア基準におきましては、避難所における居住スペースを一人当たり三・五平米確保することを基準としておりまして、今回の東京都の指針におきましても、これに準拠する形で三・五平米の確保を記載しているものであります。
 現状、東京都は地域防災計画において、避難所の収容基準として、これ、居室面積おおむね三・三平米当たり二人としておりまして、一人当たり一・六五平米としていることから、今後は倍以上の居住スペースを避難所で確保する必要があり、その確保について、私は課題も多いと感じております。
 この基準は、二〇三五年を政策目標として東京都は掲げておりますが、居住スペースの確保を今後どのように行っていくか伺います。

○佐藤総務局長 都は、今回の素案におきまして、国際的な人道支援の最低基準でありますスフィア基準に準拠した生活空間の確保を、目指すべき避難所の基準として示しました。
 東京は、避難者が著しく多いことや、在宅避難が可能なマンションが多数存在することが特徴でございます。
 こうした状況を踏まえまして、来年度は、在宅避難も含めた避難者支援全体の在り方について検討を進めていくことにしております。

○青木委員 在宅避難に力を入れていくという答弁でありました。
 私の地元の目黒区などの自治体では、地域防災計画において、現状の東京都の基準である一人当たり一・六五平米を参考にしております。
 今後三・五平米を目指していくには、自治体との連携は必ず、これは不可欠ですから、丁寧な自治体との協議を重ねていただくことを要望しておきます。
 東京都は、先ほどの指針とともに東京トイレ防災マスタープラン素案を策定しておりまして、その概要版では、マンホールトイレの整備推進について項目を挙げております。
 公道上のマンホールトイレの整備について記載がありますが、マンホールトイレの整備については、公道上だけでなく、広くその整備が必要であると私自身は認識を持っておりまして、その一つが都立学校への整備だと思っております。
 先ほど公明党さんの方から、大変重要なやり取りがありました。
 目黒区は区内にある都立学校と地域避難所としての利用について防災協定を結んでおりまして、当該都立学校にはマンホールトイレがない状況であり、その対策と課題が残るところでございます。
 教育長の答弁からも、避難所指定を受けている都内の都立学校二百十九校中、マンホールトイレの整備が完了している学校は三十五校ということで、整備状況は約一六%、また、これまでの都教育委員会としても、都立学校のマンホールトイレの整備については、新築、改築、大規模改修等の機会に合わせて行っていく方針だったと確認しておりまして、それでは整備は一向に進まないと思っておりました。
 ただ、先ほどの教育長の答弁からも、今後は、新築や改築等の予定のない学校でもマンホールトイレの整備を進める検討を実施していくということで、いわゆる単独でもマンホールトイレの整備をやっていくという答弁であったと思います。
 ぜひ、この東京トイレ防災マスタープランの所管は総務局でありますから、今後の整備につきましては、総務局ともしっかり教育委員会は連携を取り、進めていただくことを求めてまいります。
 次に、都立高校等における国際交流の取組について伺います。
 感受性豊かな高校時代に国際交流を経験することは、異文化の理解を深め、自らの将来を考える大きなきっかけになると考えております。
 実際に海外での生活や異なる価値観に触れることで視野が広がり、グローバルな視点を持つ契機となるだけでなく、英語やほかの外国語を学ぶ意欲の向上にもつながります。
 そのため、東京都としましては、姉妹校との交流事業を推進するとともに、複数の高校の生徒が合同で海外を訪問するプログラムの充実を図るほか、海外への修学旅行にも配慮することが非常に重要であると思っております。
 世界で活躍するグローバル人材の育成について、都立高校等における国際交流の実施を支援する取組について、都教育委員会の見解を伺います。

○坂本教育長 都立高校等の生徒が、将来に向け、国際的な感覚を身につけ、活躍のできるよう、海外の現地で様々な体験や交流をする機会を増やすことは重要でございます。
 このため、都教育委員会は、海外にある学校との交流を進める都立高校等を百校選びまして、現地で生徒同士が交流する取組を支援してございまして、来年度、この規模を十校増やします。
 また、様々な都立高校の生徒を募り、世界十か国で二百七十人が現地を訪問し、多様な文化に触れる機会等を設けておりまして、今後、これを約三百人の規模で行います。
 さらに、海外での体験を増やすため、そうした修学旅行に関し、学校の定める費用の上限を柔軟に運用できる仕組みとします。
 こうした取組によりまして、都立高校等の国際交流を進めてまいります。

○青木委員 ご答弁では、国際交流の機会拡充についてありました。
 特に、答弁にありました海外の修学旅行については、現在円安も進んでおりまして、現状の予算の上限額ではなかなか行程が組めないという現場の声も伺っております。ぜひ柔軟な運用を、改めてここで求めておきます。
 次に、都発注工事の入札の状況について伺います。
 全国では、建築費の高騰や人材不足が深刻化しておりまして、公共施設や病院の建て替え計画に大きな影響が出ております。
 工事費の想定を大幅に超える事例が相次ぎまして、計画の遅延や縮小、中止に追い込まれるケースも増えております。
 例えば、先日発表されました中野サンプラザの再開発計画につきましても、区は、現時点において事業成立性の見通しが明らかではないとし、事業の白紙化が決定的となりました。
 こうして多くの自治体で施設整備の延期や中断が相次ぐ事態となっている中、東京都においても、学校や医療機関、インフラ施設の整備において、影響を大きく受けることが予想されます。
 都では、都有施設の整備に当たり、主要施設十か年維持更新計画を策定しており、そこで計画的に事業の実施をしているところではありますが、まず、近年の都発注工事全体の入札状況がどうなっているのか、また、不調を防ぐためにどのような対応を行っているのか伺います。

○山下財務局長 知事部局等において発注した工事の不調率は、令和元年度から五年度までの平均値が一二・九%であるのに対し、令和六年度上半期は一三・四%となっておりまして、業種別に見ますと、大規模な建築工事において不調率が大きくなっております。
 不調の原因は案件ごとに様々ではございますが、資材価格の高騰や、技術者及び技能者の人手不足なども影響しているものと認識しております。
 こうした認識の下、都は、施工時期の平準化に加え、資材単価を毎月改正するなど最新の実勢を踏まえた予定価格や、週休二日も考慮した適正な工期を設定するなど、事業者が入札に参加しやすい環境づくりに取り組んでおります。

○青木委員 ご答弁からも、大規模な建築工事において入札不調の割合が高まっていることが分かりました。
 建設業界では深刻な人手不足が続いておりますし、資材費の高騰も相まって、適正な価格での工事発注が難しくなっております。こうした状況は発注者側の努力だけではなかなか解決が難しく、公共施設の整備計画に遅れや見直しが生じる原因となっております。
 しかし、教育、医療、福祉などの都民の生活に直結する公共施設については、整備をやめるわけにはいきません。また、施設整備を進めるに当たっては、環境への配慮や省エネルギー対策など、時代に即した取組が求められております。
 これらの課題を適切に解決しながら、都民にとって必要なインフラを計画的に整備していくことが大変重要です。
 現在の建設業界の課題を踏まえ、東京都として、今後どのように都有施設の整備を進めていくのか、改めて見解を伺います。

○山下財務局長 現行の第三次主要施設十か年維持更新計画は、令和四年度から概算事業費七千五百億円で取り組んでおりまして、これまで社会経済状況の変化に対応しながら、着実に都有施設の整備を進めてまいりました。
 また、施設整備の構想段階から、環境に配慮した施設計画や法令適合の確認などの技術的な支援を行い、各局の事業の推進に努めてまいりました。
 引き続き、施設を所管する各局と連携しながら、都有施設が真に都民のために役立ち続けられますよう、適切に施設整備を進めてまいります。

○青木委員 施設整備に関しましては、社会経済状況の変化に柔軟に対応したものを求めてまいります。
 次に、サイバーセキュリティ対策について伺います。
 サイバー攻撃は日々高度化、そして巧妙化しており、医療機関や港湾施設など社会経済に欠かすことのできない重要インフラにおいては、サービスの停止を含む重大な被害の発生が報じられることが増えております。
 こうした事態を受けまして、国では、サイバー攻撃を未然に防ぐ能動的サイバー防御を導入するための法案を閣議決定し、さらなる対策の強化を進めているところでございます。
 東京都も、水道や交通など都民生活の基盤となる重要なインフラを抱えていることから、私自身、令和六年の第三定例会におきまして、重要インフラのセキュリティ対策の強化の必要性を指摘しました。
 そして東京都は、本年一月に、初めてとなる都立病院への重大なサイバー攻撃を想定した危機管理訓練を実施しておりまして、今後はさらに訓練内容を充実し、全庁的な対策強化につなげるべきだと考えております。
 今回の訓練から得た学びを生かしつつ、さらに重要インフラのセキュリティ対策を強化するべきと考えますが、見解を伺います。

○山田デジタルサービス局長 都立病院と実施いたしました一月の訓練では、サイバー攻撃への対処で最も重要な初動を中心に、関係部局間の速やかな情報共有や被害拡大防止のための現場への支援など、重要性を確認したところでございます。
 来年度は、都庁グループ全体の情報共有ツールの共通化や、GovTech東京の専門人材と連携いたしました支援体制の強化を行ってまいります。これらを訓練で実践し、有事の対応力を高めてまいります。
 さらに、攻撃発生時の重要インフラの事業継続を確保するため、潜在的なリスクを洗い出し、必要な対策を各局と連携して実施をいたします。
 平時からの備えをさらに充実することで、重要インフラのセキュリティ対策を一層高度化してまいります。

○青木委員 ありがとうございます。サイバー攻撃の脅威はこれまでになく高まっておりまして、セキュリティ対策の強化は待ったなしの状況であります。国や関係所管と連携しながら、引き続きスピード感を持って取り組んでいただくことを要望いたします。
 次に、一時保護所について伺います。
 一時保護される児童は、虐待により心身ともに傷ついておりまして、なれた地域から離れての生活は大きな不安が伴うと思います。少しでも不安を和らげ、安心した生活を提供していくことが必要です。
 特に、学校に通いたいと望む児童がいる場合、その置かれている状況を総合的に勘案しながら、これまで以上に通学を可能とする支援が今求められております。
 さらに、一時保護所においては、児童たちに多様な経験を提供することにより、児童の可能性を伸ばし、児童の生活をより豊かにするとともに、児童が安心して過ごせるよう、都としてどのような具体的な施策を講じているのか伺います。

○山口福祉局長 都は来年度、児童が一時保護所で安心して過ごせるよう、イラストなどを用いて一時保護所での生活を分かりやすく説明するリーフレットを新たに作成をいたします。
 また、入所前に在籍していた学校に児童が継続して通学できるよう、民間事業者を活用した送迎支援を一時保護所二か所で先行的に実施するほか、保育士などを活用して行事や野外活動などの余暇活動を充実しまして、児童の様々な体験機会を確保いたします。
 こうした取組によりまして、児童が一時保護所で安心して過ごせる環境を確保するとともに、生活の充実を図ってまいります。

○青木委員 ぜひ、児童が安心して、また、多様な経験ができる、そのような環境づくりを改めて求めておきます。
 次に、児童相談所について伺います。
 私自身、一般質問でも取り上げましたが、目黒区と渋谷区を管轄する新たな児童相談所を令和十三年度までに目黒区内に設置すると伺っておりまして、今後、この児童相談所の設置に向けて、都は、管轄自治体との連携をどのように進めていくか伺います。

○山口福祉局長 都は、目黒区内での新たな児童相談所の開設に向け、所要の改正を行う条例案を本定例会に提出をしておりまして、来年度、都児童相談センター内に目黒区と渋谷区の二区を担当する組織を設置いたします。
 渋谷区では、現在、区子供家庭支援センター内に都児童相談所のサテライトオフィスを設置し、都と区が家庭訪問や面接などを共同で実施をしておりまして、来年度から、目黒区においても同様の取組を開始いたします。
 こうした取組を通じまして、二区の児童相談部門と都児童相談所との緊密な連携体制の構築を進めてまいります。

○青木委員 今お話のありましたサテライトオフィス、ぜひ都の職員の方が積極的に活用していただき、区職員との連携や育成の支援が一層図られることを求めておきます。
 今答弁いただいたのは目黒区のお話でございましたが、東京都全体を見た場合、増加する児童虐待に東京都全体で対応するためには、都と区市町村のさらなる連携強化が重要であります。
 都は今年度、都全体の総合的な調整を行う取組を開始したと伺っておりますが、今後どのように進めていくのか伺います。

○山口福祉局長 一時保護の長期化やトー横問題など、大都市東京における広域的、専門的な課題に対応するため、都は今年度、全ての区市町村が参画する児童相談体制等検討会において、児童相談業務の標準化や個別ケースに係る専門性の向上、人材育成の共同推進などについて議論し、取組を進めております。
 来年度は、児童相談センターにおいて総合連携や人材育成を担う体制を拡充しまして、区市町村に対して困難事例への技術的な助言などを行う窓口を新たに設置するとともに、都と区が共同して研修を企画し、実施をいたします。
 これらの取組を通じまして、都全体の児童相談体制の強化を図ってまいります。

○青木委員 ぜひ、答弁にありました検討会を中心に、都と区市町村との連携を深めていただければと思います。
 次に、踏切対策について伺います。
 平成十六年に都が策定した踏切対策基本方針では、二〇二五年度までに重点的に対策を実施、検討すべき踏切として、重点踏切を三百九十四か所抽出しております。
 都はこれまで、踏切に関する調査を行ってきたところでございますが、現在の重点踏切についての対策状況を伺います。

○谷崎東京都技監 都は、平成十六年に策定いたしました踏切対策基本方針におきまして、重点踏切を三百九十四か所抽出し、鉄道立体化の検討対象区間と鉄道立体化以外の対策の検討対象区間を選定しております。
 鉄道立体化の検討対象区間では、連続立体交差事業などにより、重点踏切の除却を進めております。
 また、鉄道立体化以外の対策の検討対象区間では、ほぼ全ての重点踏切で踏切道拡幅や障害物検知装置の高度化など、早期に実施可能な対策を行っていることを確認しております。

○青木委員 自由が丘駅周辺では、昨年は目黒区側で東急大井町線・東横線踏切解消連絡会が設立され、令和六年八月には、世田谷区側の地元組織も組織化されました。東京都議会自民党と都に対し、本区間の鉄道立体化の早期事業化に関する要望書が提出されたところです。
 そのような状況の中で、改定後の踏切対策基本方針は、どのように鉄道立体化の検討対象区間を抽出するのか伺います。

○谷崎東京都技監 平成十六年に策定いたしました踏切対策基本方針では、遮断時間が長い踏切数、交通量が多い踏切数、幹線道路にある踏切数などの指標から総合的に評価を行い、鉄道立体化の検討対象区間を二十区間選定しております。
 現在、学識経験者も参画する検討会におきまして、今後の踏切対策について議論をしており、高齢化の進展など社会情勢の変化を踏まえた検証や、都内の特性を捉えた重点踏切の抽出が必要などの意見がございました。
 今後、これらの意見も参考としながら、鉄道立体化の検討対象区間の考え方などについて議論してまいります。

○青木委員 ありがとうございます。
 次に、火葬料について伺います。
 東京博善株式会社が運営する都内の民営火葬場の利用料金の高騰について、皆様もご存じのとおり、当該企業が海外資本の子会社になって以降、相次いで値上げが行われ、当初五万九千円であった火葬料が、現在九万円と二倍近くまで値段が引き上げられている経緯がございます。
 これまで東京都は、答弁としまして、墓地、埋葬等に関する法律において、事業者に対する指導権限は自治体にあると答弁を行ってきました。
 これは私も理解をするところでございますが、現在、当該企業が運営する火葬場は都内に六か所あり、その全てにおいて不透明な価格の値上げが行われていることから、私自身、これは東京都全体の課題と捉え、東京都として対応していくべきだと考えております。
 東京都としては、各自治体と連携し、値上げの根拠となるコスト計上の透明化や価格設定のプロセスの説明を求め、公正な料金となるよう働きかけることが必要であると考えます。
 また、民営の火葬場は都内七か所でありまして、そのうち六か所を当該企業が運営していることから、必要であれば独占禁止法の観点から国とも連携し、市場支配的な状況の是正を図ることも検討すべきだと考えますが、見解を伺います。

○雲田保健医療局長 国は、指導権限を有する自治体に対し、公衆衛生確保のほか、永続性の確保や利用者の利益の保護等の観点から、適正な経営、管理について指導監督の徹底を求めており、墓地、埋葬等に関する法律では、特別区の地域は区が火葬場の指導監督を行うことになっております。
 都は、区と情報共有を行った際、民営火葬場に対して区が立入検査等を実施し、必要な指導を行ったと聞いております。

○青木委員 必要な指導を行ったものと受け止めているということでしたが、これ、来月の四月にもまた、遺体を安置する一般保棺等の料金が値上げをされるというふうに聞いておりまして、東京都としても、今後もこの火葬料の値上げについてはしっかりと注視していただくことを求めておきます。
 最後に、パスポートの申請手続について伺います。
 現在、パスポートの申請手続は、申請と交付のために二回パスポートセンターへ足を運ぶ必要がありました。
 例えば、新宿のパスポートセンターでは、繁忙期には申請や受け取りのために長時間待つこともあり、都によると、日によっては待ち時間が一時間を超えることもあると伺っております。
 ただ、このたび旅券制度が変わりまして、今月二十四日から、新規のパスポートの申請がオンラインで可能になるということです。
 オンライン化されることによって、都民にどのようなメリットがあるのか、また、都民への案内を適切に行うことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。

○古屋生活文化スポーツ局長 パスポートのオンライン申請においては、スマートフォンで手続ができ、マイナンバーカードの活用によって戸籍謄本の提出が省略され、氏名等も自動入力されます。
 また、交付の予定日をウェブ上で確認できる都独自のサービスも導入いたします。
 こうした取組について、都の広報紙やホームページに分かりやすい解説を掲載するなどして周知を図ってまいります。

○青木委員 まだまだ、このオンライン化については、都民の方、知らない方も多いと思いますので、ぜひ、これは効果的な周知をしていただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

○松田副委員長 青木英太委員の発言は終わりました。