○川松委員長 おじま紘平委員の発言を許します。
〔委員長退席、尾崎副委員長着席〕
○おじま委員 真の地方創生について、小池知事にお尋ねします。
昨年、元東京都職員で作家の童門冬二氏がお亡くなりになりました。都政の一時代を担った先人のご冥福を改めてお祈り申し上げます。
童門氏といえば、小説、上杉鷹山であります。鷹山は江戸時代の米沢藩主として、藩の財政再建と民生の向上に尽力をされた人物であります。
財政再建、教育改革、そして産業振興など、守旧派の抵抗を打ち破り、鷹山が果敢に取り組んだ改革によって、窮乏にあえいでいた米沢藩の領民の生活は安定を取り戻し、減少を続けていた人口は徐々に回復をしていったといいます。鷹山のリーダーシップと改革精神は、現代においても私たちに多くの教訓を与えてくれます。
では、米沢藩の改革は、国や余力のあるほかの藩からの支援を当てにしたものだったでしょうか。
そうではなく、強いリーダーの下、自らの領地を自らの努力で耕した結果であります。幕末から明治期を担った薩摩藩や佐賀藩では、島津斉彬をはじめとする開明派のリーダーの下、早くから殖産興業が盛んでした。これらもまた、他国からの支援を当てにしたものでなく、やはり自ら改革を行い、自ら産業を興し、領民を安定させた結果であります。
金がないからできない、国の支援がないからできない、伝統に反するからできない。今の地方創生には、こうした発想からの脱却が必要であります。
小池知事がいつもおっしゃっているのも、できない理由を探すのでなく、できる方法を考えようです。これこそが真の地方創生に必要なマインドではないでしょうか。
例えば、熊本県では国とも連携して、世界的な半導体メーカーであるTSMCを誘致をした結果、十年間で約十三兆円の経済波及効果、一万人近い雇用効果を見込んでおり、世界経済の動きを地域に取り組んでいるものであります。
都市と地方、そして国がそれぞれ自らなすべきことをなす、このことこそが真の地方創生の根幹となる考えであると私は考えております。
真の地方創生はどうあるべきなのか、そのために東京は何をすべきなのか、小池知事の見解を伺います。
○小池知事 真の地方創生とは何かというお尋ねでございました。
都市部と地方部それぞれの地域がその特色を生かして新たな産業や雇用を創出するほか、女性活躍や子育て環境整備などに取り組むことで地域の発展と国全体の成長に続けていくこと、真の地方創生だと考えております。
そのため、都は、首都としてのポテンシャルを生かし、東京の成長の原動力となる人への投資、スタートアップやデジタルなどによる国際競争力の強化、首都防衛の要となるインフラの強靱化や気候変動への対応など、総力を挙げて、あらゆる施策を加速させていきます。
さらには、地方の豊かな資源を東京の購買力や発信力と結びつけまして、国内外の需要を喚起するとともに、世界的な大都市として、世界と日本各地をつなぐ結節点となりまして、地域のイノベーション創出や経済成長を促進してまいります。
これによって東京と地方が共に栄え、国全体が発展する真の地方創生を実現してまいります。
○おじま委員 ありがとうございます。ちなみに、上杉鷹山は和歌でこうも詠んでいます。受け継ぎて国のつかさの身となれば忘るまじきは民の父母。
最近のチルドレンファーストのこともあって、知事が都民の義母と呼ばれていることとも重なるところであります。
私も次の質問、一児の父としての立場から、待機児童対策について伺いたいと思います。
我が息子が一歳になりまして、育休、育業中の妻も控えているので、保育園探し、いわゆる保活をすることになりました。結果からいうと、練馬区に申し込んだ一次募集の利用調整結果は入所保留、つまり落ちたということであります。
小池知事が就任をした平成二十八年当時、都内に約八千五百名いた待機児童は今年度には三百六十一名となって、ほぼ解消されたということでありましたが、うちは少なくとも一次では落ちてしまったということです。
それもそのはずで、現在都内にいる待機児童の大半は一歳児であります。これは決して、私の息子が落ちたからということではありませんが、一歳児の受入れを重点的にてこ入れをしていただく必要があると考えます。
都の現在の取組と実績について伺いたいと思います。
○山口福祉局長 都は保育所等に空き定員や余裕スペースがある場合に、それらを有効活用しまして、一歳児の一時的な保育需要の増加に柔軟に対応する区市町村を支援しております。
対象となる施設は、認可保育所、幼保連携型認定こども園、小規模保育事業などでございまして、今年度は十一自治体に補助金の交付決定をしております。
○おじま委員 待機児童というのは地域によっての偏りというのもございまして、例えば私が今住んでいる練馬区平和台というところなんですが、ここ最近で急激に若いファミリーが増えてきまして、大変人気であるということなんですが、今回、練馬区に申し込んだ第一希望は十七倍でした。第二希望が二十九倍、そして第三希望は九倍という超高倍率になってしまっている地域であります。
練馬区全てがこんな感じではないということなんですが、うちの近くはこういう状態ということです。
こうなってしまった場合に、急遽、保育園を増やすということ自体は、これハード整備、すぐに何とかなるものではありませんので、受入れ枠の調整をしていただくということになろうかと思います。
この受入れ枠に関して、待機児童の発生が今回みたいにほぼ確実になってしまった年度末の時点で調整をするのではなくて、待機児童の発生が見込まれる時点で受入れ枠を確保できるような仕組み、これをつくっていただく必要があると考えますが、都の見解を伺いたいと思います。
○山口福祉局長 都は来年度、大規模マンションの建設に伴う人口流入などにより、局地的な保育需要の急増が次年度に見込まれた場合に支援する新たな取組を開始いたします。
具体的には、区市町村の要請等に基づきまして、保育所などが四月の入園に備えて受入れ枠をあらかじめ拡大した場合、その受入れ枠に児童の入園がなかった場合でも、その運営費相当分を補填いたします。
こうした取組によりまして、保育の実施主体である区市町村と連携して、保育需要の急増に機動的に対応してまいります。
○おじま委員 ぜひよろしくお願いします。
ちなみに、練馬区の場合は既に一歳児一年保育というのを行ってまして、通常とはこれ別枠、ほかの一歳児とは別枠になるんですけど、募集とか利用料も別になっていて、なんですけど、ほかの園児と一緒に受け入れてもらえるというシステムであります。
これは練馬区にとってもまさに苦肉の策だったんだと思うんですけど、これは現実としっかり向き合って編み出した方策でありまして、助かったパパ、ママも大変多いはずであります。
うちも次、二次募集に申し込みつつ、この一歳児一年保育にもチャレンジをしようとしているところであります。
そんな中、一昨年に政府が掲げたこども未来戦略方針において、こども誰でも通園制度というものの創設が発表されまして、今年度に法制化をされたところであります。
ただし、今都内で実施しているのは六自治体にとどまっているようです。
一方で、都も同様の趣旨で、多様な他者との関わりの機会創出事業を実施しています。こちらの都事業は独自に充実をさせたものであると聞いておりますけれども、支援内容の主な違いと今年度の実績について伺いたいと思います。
○山口福祉局長 都は現在、他者との関わりの中で、子供の健やかな成長が図られるよう、保護者の就労等の有無にかかわらず保育所などで児童を定期的に預かる取組を実施しております。
この取組では、より多くの児童が利用できるよう、国事業の対象となっていないゼロ歳六か月未満や三歳以上の就学前児童も対象とするほか、利用時間の上限を設けておらず、今年度は四十二自治体に補助金の交付決定をしております。
利用者負担額につきましては第二子以降を無償化しておりまして、本年九月からは第一子へ対象を拡大いたします。
○おじま委員 ありがとうございます。昨日も公明党さんの代表質問で答弁があったとおり、これは都事業では障害児や医ケア児への対応にも上乗せ補助があるということで、これは大変すばらしいことだと思いますし、この趣旨にも賛同するところであります。
一方で、この後は文字どおり誰でも、親が働いていなくても保育園に通えるようになる。かつ、東京都でも無償化もしていきますので、需要もさらに増えると思われる。ひいては、事実上の保育所全入時代に突入したときに、待機児童対策というのは果たしてこれまでと同じ戦略でいいのかというところを懸念もしているところであります。
かつては、保育は保育に欠ける子供のための福祉であるという前提、建前がありましたけれども、これを根本から転換しなければならない時代に来ていると思っています。
なかなか進んでいない幼保一元化の議論もあったと思いますが、これにも改めてしっかりと向き合っていただく時期が来ているのではないかと、これは申し上げておきたいと思います。
関連して、出産・子育て応援事業について伺いたいと思います。
こちらは、妊娠時や出産後に育児用品などを提供してもらえるということで、これはうちも大変お世話になったんですけど、来年度は都独自分を五万円から十万円に上げて、国制度と合わせると、これ二十七万円のサポートが受けられるということで、これ本当にありがとうございます。
一方で、出産前後はただでさえ精神的にも肉体的にもきついんで、少しでも申請のハードルを下げていただきたいということで、我が会派としてもこれまでも様々細かな要望を行ってきたところであります。
こちら、さらなる改善を図っていただきたいと考えますが、都の見解を伺います。
○山口福祉局長 都は来年度、東京都出産・子育て応援事業における出産後の十万円相当の支援につきまして、引き続き育児用品や子育て支援サービスなどの提供を行うとともに、申込み時の利便性向上を図るため、〇一八サポートと同時に申請できるワンスオンリーを実現いたします。
また、スマートフォンだけでなく、パソコンからも申し込む方に対しても、専用ウェブサイトへのアクセスをしやすくするほか、より幅広く育児用品等を選択できるよう、これまでの五千円単位から千円単位にするなど、子育て家庭が一層利用しやすい制度としてまいります。
○おじま委員 今ご答弁にはあったんですけど、この間、うちの後藤政調会長からもお願いして、リンクの件、大変細かいことなんですけど、こういうのがすごく重要だと思いますので、引き続きお付き合いいただければと思います。
さらに関連して、子供の多様な体験機会の確保について伺います。
都は三月末に第三期子供・子育て支援総合計画を公表予定ですが、二月に示された案では、我が会派の菅原直志議員が要望してきたとおり、子供の貧困の解消というのが明記をされていました。家庭の経済的理由により諦めることがないように、体験格差を視野に入れて具体的な取組を検討してほしいと、これも代表質問で申し上げてきました。
これらが実現をして、来年度、子供の体験機会の確保を目的とした事業が実施をされる予定ということで、経済的に恵まれない生活困窮家庭の子供も参加をしやすいように、これを工夫していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○山口福祉局長 都は来年度、家庭の経済的事情や家族構成にかかわらず、全ての家庭の子供に多様な体験機会を提供できるよう、自然と親しむ野外活動やスポーツ観戦など、子供や親子が楽しめる事業を実施する区市町村を、一自治体当たり補助基準額五百万円、補助率十分の十で支援をいたします。
さらに、低所得世帯に対して利用料を無料にするなどの配慮を行う場合は、一自治体当たりの補助基準額を二倍の一千万円といたします。
○おじま委員 引き続き、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
続いて、選挙管理委員会に伺いたいと思います。
なぜ日本ではインターネット投票が実現をできないのかということであります。
海外、エストニアでは二十年前の二〇〇五年、全国的に選挙でこれを導入して以来、技術を高めつつ国民の信頼を得てきて、直近二〇二三年の議会選挙では六四%の国民投票率、うち半数以上はインターネット投票を利用しているということであります。
自宅でも職場でも、あるいは海外にいてもスマホ一台、あるいはパソコン一台あれば一票を投じることができるということになれば、必ず投票率も上がるだろうし、若者も国民の権利である参政権を行使するようになるし、あるいは物理的に投票所に行けない高齢者の方、障害者の方も投票することができるし、普通に考えたら、これはやったらいい政策であります。
にもかかわらず、なぜこれが実現をしていないのか。それは、課題もあるということであります。
まず、インターネット投票の意義と課題について、都の見解を伺いたいと思います。
○川上選挙管理委員会事務局長 インターネット投票は、投票所の立地や天候、時間的制約などに左右されず、有権者の利便性の向上や投開票に係るコストの削減が期待できるものでございます。
一方で、実現に当たっては、本人確認やセキュリティの確保、投票の秘密の保持などの課題が指摘されてございます。
インターネット投票の導入は、選挙制度の中核をなす投票方法の在り方に係る事柄でございまして、法整備が必要であると認識しております。
今後も、国における検討の動向を注視してまいります。
○おじま委員 今、法整備が必要と認識というふうにご答弁をいただいたとおり、投票制度に係る公職選挙法というのは国のマターでありまして、一方で、これを変えられるのも現職の国会議員なんで、なかなか難しいのかなというふうに、そんな複雑な思いを巡らせながら、インターネット投票についてどうなっているのかなというふうにホームページを見ていたところ、都選管のホームページにたどり着きました。これがインターネット投票についての特設サイトということでありました。
先ほどご答弁をいただいたような意義と課題について触れつつ、インターネット投票を模擬体験できるようなページがあったりして、本当すばらしいなというふうに率直に思って、今日これ質問しているんですけど、今後さらに多くの都民がインターネット投票についての理解を深めるために、取組をどのように進めていくのか伺いたいと思います。
○川上選挙管理委員会事務局長 インターネット投票は、有権者の利便性の向上等が期待できる一方で、様々な課題も指摘されてございます。
そのため、都選挙管理委員会では、区市町村選挙管理委員会と連携した地域のイベント等において、インターネット投票の模擬体験を実施しております。
今後も都内教育機関で選挙に関する解説や投開票の体験を行う出前授業においても模擬体験を実施し、ホームページやSNSでも発信してまいります。
○おじま委員 改めて今回、インターネット投票の意義と課題ということについて質疑をさせていただいたんですが、このインターネット投票についても、これもまた、できない理由より、できる方法だと考えています。
茨城県のつくば市というところでは、国家戦略特区、スーパーシティの枠組みを活用して、今実装を目指しているところであります。紆余曲折あるようですが、いろいろ苦労もされているようですが、前進をしているというふうに伺っています。東京都もぜひ、これも研究をしていただきたいということを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
続いて、私の地元練馬区における政策課題について伺いたいと思います。
まずは、都立練馬城址公園についてであります。
ご承知のとおり、地元住民に長年親しまれたとしまえんは、現在、都立練馬城址公園として生まれ変わって整備が進められているところであります。
この後は、二〇二九年度の概成に向けて、緑地や、あるいは水辺の創出、防災拠点の整備、また、にぎわいの場としての公園づくりが期待をされているところであります。
公園北側の一部は既に開園がされておりまして、私も、地元住民あるいは周辺町会、商店街からも様々意見を、あるいは要望をあずかりまして、既に建設局、また、東部公園緑地事務所にも幾つかお願いを既にさせていただいているところでありますが、これから整備をしていくまだ開園していない部分、未開園部分についても、地元の声をしっかりと聞きながら丁寧に進めていただきたいというふうに思っております。
まず、東京都は、練馬城址公園に関する住民意見をどのように取り入れているのか、伺いたいと思います。
○花井建設局長 未開園地であります練馬城址公園石神井川南側の、人々を繋げ歴史を伝える文化ゾーンにつきましては、公園利用者をはじめ、地元町会など多様な主体からの声を伺いながら、整備のイメージの具体化を図るため、ワークショップを開催することとしております。
今年度は一月と二月の計二回開催いたしまして、土地の歴史の継承方法、自然と触れ合える水辺空間の在り方、樹木の取扱いなどにつきまして、活発な意見交換を行いました。
来年度もワークショップを開催いたしまして、これらで得られたご意見を参考にしながら、基本設計を進めてまいります。
○おじま委員 ただいまワークショップについてのご答弁をいただきました。
住民参加型のまちづくり、住民参加型の公園づくりというのが重要なのは、地域からの愛着に直結をするからだと思っております。
旧としまえんが閉園した際にも様々な住民グループがつくられまして、例えば自然を残してほしい、プールを残してほしい、昆虫館を残してほしい、あるいは古城を残してほしい、また、としまえんのシンボルでありましたメリーゴーランド、カルーセルエルドラド、これを残してほしい、様々な意見を寄せられていたところであります。それくらいあそこは歴史と経緯があって、かつ、ポテンシャルもある場所なんで、地元練馬区や西武あるいはワーナー−−ハリーポッター施設ですね−−ともしっかり連携しながら、丁寧に今後も進めていただきたいというふうに思います。
ここまでは、公園の中のことについてやり取りをさせていただきましたが、私はかねてから、公園の外、周辺都市基盤あるいは交通環境も重要であるというふうに申し上げてきました。
特に、公園の外周道路なんですが、これ、もともと非常に狭くて、拡幅をしてほしいという要望が地元から上がっているというふうに、三年前の一般質問でも私から触れたところであります。
当該の場所は区道なんですけど、公園整備と併せて拡幅をできないかということで、今、地元住民の声も大きくなってきているところであります。
そこで、公園と一体的に拡幅整備を行うことは可能なのか、都の見解を伺いたいと思います。
○花井建設局長 練馬城址公園の整備エリアでございます石神井川南側のエリアにつきましては、都が令和三年に事業認可を取得し、都市公園を整備するための都市計画事業を施行中でございますが、道路は公園施設には該当いたしません。
公園の南側エリアの外周道路は、練馬区が管理いたします区道でございますことから、都といたしましては、道路の管理主体でございます区が行う拡張整備に合わせ、公園内の外周部の園路整備については検討することは可能であると考えているところでございます。
○おじま委員 今ご答弁をいただきました。もちろん、法律とか条例とかの縛りがたくさんあるということ、様々な課題があるということも承知をしております。
しかし、練馬城址公園が、先ほども申し上げました、地域から愛着を持たれる、地元から愛される公園になるためにも、ここは可能な限り寄り添っていただきたいと思っています。ここでも、できる方法というのを建設的に考えていただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
続きまして、都営大江戸線の延伸について伺いたいと思います。
こちらも、地元練馬区にとって長年の悲願かつ最優先課題ということで、事業主体である東京都交通局、また練馬区役所、また都議会や区議会の諸先輩方の努力もありまして、ようやくここまで進んできたところであります。
特に最近となっては、かなり具体的な数字も出てきているところでありまして、事業スキームの検討も含めた本格的議論が始まってきているところであります。
振り返りますと、一昨年に武市副知事をトップとした庁内検討プロジェクトチーム、PTが発足をしまして、これが今、中村副知事に引き継がれまして、交通局、財務局、都市整備局、建設局が参加した会議体でいろいろと議論が進められているところというふうに承知をしています。
現在、将来の旅客需要や収支採算性に関する調査、そして検討を進めていただいていると聞いておりますが、令和六年度の検討状況について伺いたいと思います。
○久我交通局長 今年度は、事業化につきまして協議、調整を進めるため、最新のデータを活用し、将来の旅客需要に関する調査を行うとともに、区の沿線まちづくりによる旅客需要の創出やコスト低減、財源の確保、活用の面から、収支採算性等の課題解決のさらなる検証を進めております。
現在実施しております調査の過程におきましては、公共事業における費用便益比、いわゆるBバイCは一定程度改善しているものの、収支採算性につきましては、依然として課題があるとの試算となっております。
引き続き関係局や練馬区と密に連携を図りながら、検討を深めてまいります。
○おじま委員 よろしくお願いいたします。
続きまして、セーフシティの取組、住宅セーフティーネットに関連をして、高齢者の住まいの確保について伺いたいと思います。
東京の住宅、住まいが抱えている課題は、世代ごとに異なっておりまして、特に高齢者に関しては、今後、いわゆる独居高齢者が大きく増えていくという予測がある一方で、賃貸物件を借りるハードルは高いというのが課題であります。
大家さん、貸主側からすると、見守りの必要性や、亡くなった場合の遺品処分など特有の課題があるために、受入れに消極的にならざるを得ないとのご指摘もあります。
こうした状況に対して、都は、居住支援法人を指定しまして、ハードルを下げるための取組を進めてきたということであります。高齢者の住まいの課題解決に向けて、居住支援法人がさらに幅広く活動できるよう、対策を強化していく必要があると考えますが、都の見解を伺います。
○小笠原住宅政策本部長 高齢者の入居促進には、貸主、借主、双方を支える居住支援法人の認知度を高め、活動の場を増やす必要がございます。
都はこれまで、住宅セーフティーネット法に基づき法人を指定するほか、東京都居住支援協議会を通じて、法人の取組を関係者間で共有し、連携を後押しするとともに、区市町村の窓口や業界団体の会報誌等で周知を図ってまいりました。
来年度は、貸主向けのシンポジウムを開催し、法人の取組の好事例を紹介するほか、居住支援に関わる関係者で居住者への効果的な支援の在り方を議論し、貸主の不安軽減を図ります。
また、SNS広告によりまして、入居支援が必要な高齢者等に法人に関するプッシュ型の情報提供を行ってまいります。
○おじま委員 しっかりと後押しをしていくということで、よろしくお願いいたします。
これに関連して、もう一点なんですが、東京都はこれまで、高齢者という理由で入居を断られることがない住宅である東京ささエールの供給をしてまいりました。
また、昨年は国の法改正がありまして、新たに居住サポート住宅の制度が創設をされました。居住支援法人が居住者への見守り等のサポートを行う住宅を、区市が認定をするという制度だと聞いております。この新制度を円滑にスタートできるように、区市を支援しつつ取組を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○小笠原住宅政策本部長 都は、高齢者等の居住の安定のため、東京ささエール住宅の専用住宅の供給促進に取り組んでおり、専用住宅の戸数は、本年二月末時点で千三十戸に増加しております。
また、住宅セーフティーネット法の改正により、本年十月には居住サポート住宅の制度が開始される予定でございます。都といたしましては、区市が速やかに本制度の認定業務を行うことができるよう、国に対して、制度の詳細を早期に示すことを引き続き求めてまいります。
あわせて、東京ささエール住宅と同様に、改修や家賃低廉化などの補助を行う区市に対して財政支援を行ってまいります。
こうした取組によりまして、高齢者の居住の一層の安定を図ってまいります。
○おじま委員 ありがとうございます。
先ほども申し上げたとおりなんですが、この後また、東京都内、しばらくは高齢者が増えていくというデータもございますので、今ご答弁をいただいた東京ささエール住宅と居住サポート住宅、この二つの制度をしっかりと活用して、今後とも、高齢者の住まいの確保に向けて全力を尽くしていただきたいと思います。
続きまして、これもスマートシティの取組、水道のスマートメーターについて伺いたいと思います。
我が会派はこれまでも、都民サービスの向上、そして業務効率化のため、水道事業におけるデジタル技術の活用を求めてきたところであります。
水道局では、昨年度までの三年間で、都内に約十三万個のスマートメーターを先行導入するプロジェクトを実施いたしまして、技術的な課題の解消や新たなお客様サービスに取り組んできたところであります。
二〇三〇年代には、この全戸導入というのを目指しているところでありまして、これに向けて、さらに取組を加速していくべきというふうに考えますが、都の見解を伺いたいと思います。
○西山水道局長 水道局では、令和四年度から水道スマートメーターの先行導入を進める中で、着実な設置、運用を行うとともに、漏水の早期発見や見守り機能など、新たなサービスを提供してまいりました。
今後は、この成果を踏まえ、さらに規模を拡大し、導入効果を高めていく必要がございます。このため、七年度からの四年間で新たに百万個を導入するとともに、水道施設の維持管理や整備の最適化に加え、福祉や防災等、様々な分野での課題解決にも資するよう、得られたデータの利活用策を多面的に検討してまいります。
これらにより、二〇三〇年代の全戸導入に向け、新たな段階へと取組を加速し、お客様とつながり、信頼される水道を実現してまいります。
○おじま委員 このペースで行けば、二〇三〇年代全戸導入というのも現実的になってきているのではないかと思います。引き続きの取組を求めたいし、私は今、公営企業委員会に所属をしていますので、この続きはまた、この後の公営企業委員会でさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、中小企業の適正な取引に向けた支援について伺いたいと思います。
都内の経済を支える中小企業は、長引く原材料、エネルギーなどの価格高騰により、厳しい経営環境に置かれているところであります。
中小企業の経営を持続可能なものとするには、コストを取引価格へ転嫁をするということが重要であります。
また、新たな取引を始めようとしても、マーケティングなどのノウハウが十分でなくて、価格設定に苦慮する企業も多いというふうに聞いています。
中小企業が適正な価格で取引を行い、収益を確保できるよう支援を強化すべきと考えますが、来年度の取組を伺いたいと思います。
○田中産業労働局長 都はこれまで、中小企業が原材料等のコストを反映し、適正な価格で取引ができるよう、価格交渉の実務経験が豊富なアドバイザーが企業を訪問し、原価の把握や円滑な交渉の進め方に関する助言などを行ってまいりました。
来年度は、アドバイザーを増員するとともに、新たな製品開発や取引先の開拓におきまして、技術力や付加価値を反映した価格を設定するための助言を行う専門家を新たに配置いたします。
また、AIの技術を持つスタートアップが開発した原価管理を自動化するツールなどを、一社当たり百万円を上限に利用できる仕組みを構築し、百社に対して提供するなど、収益確保に向けた支援を強化いたします。
これらにより、中小企業の持続的な経営を後押ししてまいります。
○おじま委員 ありがとうございました。
中小企業支援というのも、大変重要な産業労働局の役割であると思いますので、引き続きの取組をお願いしたいと思います。
今日は、共通のテーマといいますか、できない理由よりもできる方法を考えてほしいということで、いろいろと申し上げてきたところであります。この後もしっかり、都民ファーストの会としては、政策実現、この発想で取り組んでいきたいというふうに考えております。
今日になって少し質問を落としてしまったので、これで終わりになるんですけれども、大変申し訳ないということを最後に申し上げまして、質問を終えたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○尾崎副委員長 おじま紘平委員の発言は終わりました。
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