予算特別委員会速記録第二号〔速報版〕

   午後一時開議

○川松委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 委員会の要求資料について申し上げます。
 先ほど委員会として要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 これより総括質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審議が行われますよう、ご協力をお願いします。
 なお、持ち時間につきましては、電光表示盤に残り時間を表示いたします。さらに、振鈴で五分前に一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。
 この際、委員の皆様に申し上げます。
 質疑に際しましては、持ち時間の範囲内で答弁まで行えるようご協力をお願いします。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、委員の質疑時間も限られておりますので、短時間で明快に、真摯に答弁されるようお願いいたします。
 なお、発言の際には必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 松田康将副委員長の発言を許します。

○松田委員 よろしくお願いします。
 令和七年度予算案は、子育て世帯への支援だったりとか、スタートアップ支援といった多くの新規事業や拡充事業が盛り込まれております。
 国交省の資料によると、中間層の経済的豊かさでは、東京は全国最下位であり、都民、とりわけ中間層が効果を実感できる施策が今まさに求められております。
 予算案では、保育料の第一子無償化であったり、医療費助成の所得制限の撤廃など、子育て世代や共働き世帯の負担軽減に様々な支援策を打ち出しております。
 今後も都民ニーズを感度高く捉え、ターゲットに応じた効果的な施策を実施していくことが重要であります。もちろん財政の健全性、これを損ねることがあってはなりません。
 そこで、持続可能な財政運営にも配慮しながら、施策効果の高い取組を積極的に展開していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 全ての人が輝き、幸せを実感できる東京へと発展していくため、都民ニーズに応じました実効性の高い取組を幅広く展開していかなければなりません。
 こうした考えの下で、令和七年度予算におきましては、妊娠、出産を希望する方へのきめの細かい支援、そして安心して子育てできる環境づくりなど、都民一人一人に寄り添いました施策に積極的に財源を振り向けたところでございます。
 同時に、景気変動の影響を受けやすく、不安定な歳入構造を有しております都におきましては、強靱な財政基盤を堅持していくということも不可欠でございます。
 そのために、施策の見直し、事後検証、徹底をいたしまして、効率性、実効性の一層の向上を図ることに加えて、将来を見据えて、基金、そして都債を計画的に活用するなど、財政の対応力にも目配りをしております。
 今後も中長期を見据えました財政運営の下で、社会経済情勢の変化を踏まえて効果的な施策を展開し、世界で一番の都市東京を実現していきたいと考えております。

○松田委員 都税収が増収局面にある中、中長期を見据えつつ、都民のためとなる施策を積極的に行っていただきたいと思います。
 この令和七年度の予算案の一般会計の歳出総額は、前年度から七千五十億増の九兆一千五百八十億と過去最大規模となっております。
 この背景には、四年連続の増収、好調な都税収入があります。この都税収入が増収となった主な要因と、特に影響の大きい法人二税について、増収となった業種について伺います。

○武田主税局長 令和七年度の都税収入は六兆九千二百九十六億円、前年度から五千四百三十一億円、八・五%の増収と見込んでおります。
 企業収益が堅調である法人二税や、雇用、所得環境の改善による個人都民税などで増収になると見込んでおります。
 法人二税については、需要が増加している生成AIや半導体に関連する業種や、インバウンドの増加による小売業をはじめとした幅広い業種で増収になるものと見込んでおります。

○松田委員 増収の理由、いろいろご説明いただきましたが、この都税収がいつまで堅調かというと、またこれは私は見通せないところかなというふうに思っております。
 いつ自然災害−−首都直下地震であったりとか富士山噴火も想定されますし、さらにはリーマンショックなどの金融危機、また、台湾有事なども想定をされることもありまして、こういったところ、戦争のリスクというのも決してないとはいい切ることができません。引き続き堅調な都税運営に努めていただきたいと思います。
 そして、この都税運営の好調が続いていくと、いわゆる偏在是正措置の議題が度々議論に上がってきます。
 代表質問でも、真の地方連携について知事にお答えをいただいたんですが、いわゆる偏在是正措置というのは、東京と地方、一対四十六の構図になりやすいものでありまして、そうならないためにも、東京と地方の連携、そして東京から地方への貢献、こういったことを進めることによって、ウイン・ウインの関係をつくっていくことが重要だと考えています。
 そういった中で、我が会派は福島県を訪れた際に、県庁を訪れた際に、東日本大震災からの次の復興策として、東京都との連携、これを模索して、今、TIB、Tokyo Innovation Baseでの連携につなげてまいりました。
 このスタートアップの分野で、今、特に期待をされているのは、日本の大学で研究が進むロボットやライフサイエンスといったディープテックの分野であります。
 そして、優れた技術を持つのは東京だけではありません。今月、申し上げた福島県や北陸三県の大学発スタートアップのピッチ会がTIBで開催されるなど、大学のシーズを活用する動きが全国で始まっております。
 都は、来年度、ディープテック系スタートアップの研究、実証の環境を整えて、事業化を後押しする取組を開始すると聞いておりますが、こうした全国の優れた技術を結びつけるオールジャパンでの視点が重要と考えますが、見解を伺います。

○吉村スタートアップ・国際金融都市戦略室長 都が来年度開始いたしますディープテック領域でのスタートアップの育成を支援する取組では、民間事業者と連携して、研究シーズの事業化に欠かせないウエットラボや実証フィールドなどの拠点整備を進めるとともに、様々な支援者とのネットワークづくりをサポートいたします。
 民間事業者からは、全国の大学などと連携した研究シーズの掘り起こしや、拠点を起点とした大学や大企業との協業に向けた方策などの提案を受け、優れた取組を採択し、支援いたします。
 ディープテックエコシステムの拡大に向け、幅広い関係者を巻き込み、オールジャパンの視点に立って取り組んでまいります。

○松田委員 オールジャパンでの視点、こういった取組は、大学だけではなくて、自治体との連携も欠かすことができません。自治体がスタートアップから公共調達を積極的に行うことは、信用力の向上につながり、成長を後押しするということから、こうした取組を全国の自治体と一緒になって進めていくことが重要であります。
 都は、各自治体が調達したスタートアップの優れた製品に係る情報を共有することで、公共調達での活用を進める取組を開始したと聞いております。これは全国初の試みでありまして、ルールづくりなど多くの苦労があったと思いますが、スタートアップの製品の活用が加速していくように、志を同じくする自治体と共に、さらに積極的に取り組んでもらいたいと考えますが、見解を伺います。

○吉村スタートアップ・国際金融都市戦略室長 スタートアップからの公共調達の推進に向け、都は今年度、国等との協議を重ね、自治体間での連携に必要な手続などを検討するとともに、先進的に取り組む八つの自治体と連携し、製品等に係る情報を共有するカタログサイトの構築を進めております。
 来週には、これらの自治体や製品、サービスを提供するスタートアップなどが集まり、具体的な導入事例の発表や調達のルールづくり、ノウハウについて議論し、自治体相互の活用につなげてまいります。
 来年度は、カタログサイト掲載の協働事例を充実させるほか、イベントなどを通じて本事業をさらに広く浸透させ、参画自治体数を二十以上に増やすなど、行政とスタートアップとの協働を一層促進してまいります。

○松田委員 スタートアップが、まさにスタートしたばかり、これからというときに、自治体間、行政が中心となって共同調達を行うというのは、非常にすばらしい取組だなと思っています。
 この取組に加えて、大企業が集積する東京の強みを生かし、ビジネスの観点からも全国のスタートアップと協業の実績を積み重ねていくことも、日本経済、ひいては都内経済の発展という点から重要であります。
 東京都においても、全国のスタートアップと大企業や投資家とのマッチング支援を行っていますが、こうした連携ニーズは各地にまだまだ眠っております。掘り起こしが重要であると考えます。
 このマッチングのさらなる活性化に向けて取組を充実すべきと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 都は、全国各地のスタートアップや連携に関心を持つ大企業、地方自治体、金融機関等に対し、協業を支援する拠点を設け、一千を超える企業等に利用されております。
 来年度は、新たに都内外のスタートアップが企業等との協働を一層進められるよう、これまでの対面形式に加えて、オンラインによるマッチングの仕組みを構築いたします。
 また、連携のニーズの地域的な広がりを踏まえ、地元企業とのネットワークを有する地方銀行などの協力を得て、スタートアップの製品やサービスの導入に積極的な中堅企業などとの協働を後押しいたします。
 こうした支援の充実を図り、スタートアップの連携と成長を促進してまいります。

○松田委員 先日、山形の県会議員の方二名、東京都にいらっしゃって、その際にTIBと、それからGovTech東京をご案内いたしました。こうしてスタートアップだけではなくてデジタル分野でも、地方との連携が私は必要だと考えております。
 そこで、技術者集団であるGovTech東京を擁する首都東京として、都内区市町村だけではなくて、全国の自治体が抱える共通の課題に対して、これまで蓄積をしてきたデジタルに関するナレッジやノウハウ、これを生かすことが重要であると考えます。
 都は、地方との共存共栄に向けて、GovTech東京の技術力を生かし、デジタル分野で全国の自治体のDXをリードしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○山田デジタルサービス局長 全国自治体のデジタルサービスのレベルアップに向け、都が進めてまいりましたDXの成果に基づき、行政の共通課題の解決に取り組んでおります。
 保活ワンストップや福祉施設等の指導検査業務システムなど、都の先駆的な事業では、国と共に全国で活用できる基盤の構築を進めております。
 また、被災者データベースの整備を進める石川県の取組につきましては、全国展開できるモデルの構築を支援しているところでございます。
 さらに、今後は、都が構築いたします生成AIプラットフォームを徹底活用した業務改善に取り組み、活用のノウハウを広く共有をしてまいります。
 引き続き、GovTech東京の技術力を最大限発揮し、全国の自治体DXに貢献してまいりたいと考えております。

○松田委員 まだまだDXが進んでいない地域もたくさんありますので、ぜひ連携の方をお願いいたします。
 次に、日本各地と連携をした、今度は観光振興について伺います。
 昨年の訪日外客数は三千六百万人を突破し、政府は、二〇三〇年までに六千万人の達成を目標として掲げております。物価の上昇などによって国内の個人消費が停滞する中、外国人の旅行者の増加は、飲食や小売などの事業者の経済活動を支えております。
 このため、外国人旅行者が、東京だけでなく地方も訪れるよう、これまで以上に各地と連携をした取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 都は来年度、東京を訪れる外国人旅行者が日本各地も訪れるようにするための取組を強化いたします。
 具体的には、東京都と各地域を結ぶ観光ルートを作成し、海外メディア等を通じて発信する取組につきまして、現在の連携先である東北や九州など四地域に加えまして、新たに東海及び近畿との連携を開始いたします。
 また、都内に滞在中の外国人旅行者をターゲットにしたウェブ広告により、これらの地域の観光情報をプッシュ型で提供いたします。
 このほか、他の自治体の希望に応じて、共同で海外の旅行会社向けのプロモーションなどを行う取組につきまして、連携先を現在の五自治体から七自治体に増やすなどにより、日本各地と協力した観光振興を進めてまいります。

○松田委員 ここまで、デジタルであったり、スタートアップであったり、そして観光といった面で、地方との連携というお話をさせていただきました。この地方連携をすることで、いわゆる一方的な偏在是正措置ということに陥ることがなく、共に地方と東京が成長する関係をこれからも築いていただけますように、お願いを申し上げます。
 今、地方との観光のお話をしたんですが、都内でも、やはり観光に関しては偏りがどうしても出てしまっているなというのを感じております。
 上野や浅草といった都内の観光地では、オーバーツーリズムといわれるような一極集中をしている面がある一方で、私の板橋区にも、そんなに多く外国の方、来られているようなイメージはないですよね、かまたさんね。そうなんですよ。
 それと、多摩・島しょ地域においても、継続的な集客を図る取組や、観光の魅力を効果的に周知をする取組を一層強化していくべきと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 都は現在、多摩・島しょ地域におきまして、季節や天候による旅行者数の減少を抑制し、安定的な集客を図る取組を行います観光協会等に対しまして、二千万円を上限に、三分の二を助成しております。
 来年度は、季節や天候を問わず楽しめる観光施設を新たに整備する場合の助成限度額を三千万円に引き上げ、さらなる取組を後押しいたします。
 また、多摩地域と島しょ地域の観光情報を多言語で提供するそれぞれのウェブサイトを新たに設け、豊かな緑や渓流、海洋といった自然のほか、独自の伝統や文化などの魅力をきめ細かく国内外の旅行者に向けて発信いたします。
 これらの取組によりまして、多摩・島しょ地域の観光の魅力向上などを図ってまいります。

○松田委員 次に、デジタル関連についてお伺いをしたいと思います。
 先ほどは、地方とのDXの連携というお話をしましたが、今度は都内の区市町村、ここが一番重要なところでありますので、区市町村のDXの推進について伺います。
 住民にとって身近な行政サービスを提供している区市町村は、DXに意欲的に取り組んでおりますが、人材やノウハウなどの不足で苦労している自治体も多いと聞きます。
 六十二ある区市町村がばらばらに取り組むのではなくて、GovTech東京の技術力を生かして、効果的に、そして効率的に質の高い行政サービスを生み出せるよう、区市町村を後押しすることが重要と考えますが、都の見解を伺います。

○山田デジタルサービス局長 質の高い行政サービスの実現に向けまして、ツールやシステムなどの共同化に取り組み、自治体に共通する人的負担やコストの縮減を進めているところでございます。
 来年度は、共同調達のテーマを、サイバー攻撃訓練など八項目に拡大をいたしまして、約五十自治体が参加をいたします。また、区市町村ニーズが高い業務を高度化するクラウド型ツールの調達にも新たに取り組みます。
 さらに、区市町村の先駆的施策やアイデアを基に、GovTech東京がシステムやアプリを開発し、横展開する事業を新たに開始いたします。
 引き続き、人材確保のサポートも充実させ、サービスの最前線を担う区市町村のDXを強力に推進してまいります。

○松田委員 ぜひ区市町村のDXを牽引していただくよう、お願いを申し上げます。
 次に、税務行政におけるDX推進について伺います。
 税務行政においても、DXを推進していくことは、自宅やオフィスでいつでも手続が行えるようになるなど、納税者の利便性向上につながるものであります。
 全国統一の取組として、地方税のオンライン手続のためのシステムであるeLTAXでは、電子申告や電子申請の対象となる手続を順次拡大するなど、共通基盤の整備拡充が進められております。
 都においても、パソコンやスマートフォンによる各種証明書等の電子申請の導入やキャッシュレス納税の推進など、税務行政のDX推進に取り組んでおられます。
 今後、さらなる都民サービスの質の向上のためには、例えば、申告や申請を受けた後の通知の電子化を実現するなど、将来的には、都税に関するあらゆる手続がオンラインで完結することを目指し、DXの取組を不断に続けていくことが重要と考えております。
 そこで、今後、都民や納税者の利便性をさらに向上させるために、通知の電子化をはじめとした税務行政のDXにどのように取り組んでいくのか伺います。

○武田主税局長 デジタル技術の進展が飛躍的に進む中、納税者の利便性の向上のためには、さらなるDXの推進が必要でございます。
 都においては、これまで、納税者からの申請等の電子化やキャッシュレス納税の推進などに取り組んでまいりました。
 現在、納税者への通知等の電子化に向けて、固定資産税等の納税通知書や納税証明書のデジタル化の検討を進めております。
 加えて、来年度からは、納税者との電話対応などにAIをはじめ先端技術の活用を図ってまいります。
 納税者サービスのさらなる向上を図るため、税の申告から納税までのあらゆる手続のデジタル化を目指してまいります。

○松田委員 東京アプリもできました。ぜひ将来的には、あらゆる部類の納税手続、オンライン化できるように取り組んでいただきたいと思います。
 東京アプリについてお伺いをさせていただきます。
 先月リリースをされたこの東京アプリの利用促進に向けて、区市町村と連携していくべきと、さきの第一回定例会の代表質問において、東京アプリの浸透を図って、区市町村独自の活用の幅を広げる取組を進めていくという答弁をいただきました。
 また、先駆的に取り組む自治体独自のアプリとの連携については、自治体との丁寧な意見交換や費用面でのきめ細やかな支援を要望したところであります。
 このアプリは、将来的に様々な手続やサービスの一元的な窓口にしていくとのことでありますが、区市町村と緊密に連携をして、オール東京で活用していくアプリにすることが重要であります。宮坂副知事の見解を伺います。

○宮坂副知事 東京アプリは、必要な情報を知る、サービスを利用する、声を寄せるなど、行政サービスがスマートフォン一つで完結する、生活をもっと便利にスマートにするアプリを目指しています。
 このアプリを都民の日常生活に浸透させ、欠かせないものにするためには、サービスの最前線を担う区市町村と共に、都民目線に立って、将来を見据えて機能を充実させていきたいと考えております。
 まず、来年度は、東京アプリと自治体独自アプリとの間でポイント交換を可能とする機能を実装します。地域の活性化に広く活用してもらえるよう、自治体負担の少ない接続方法を工夫し、GovTech東京の専門人材による技術相談やサポートも行います。
 区市町村CIOとの対話を重ねながら、連携した取組により相乗効果を生み出し、暮らしに欠かせない身近なアプリに磨き上げてまいります。

○松田委員 今、自治体負担の少ない接続方法というご答弁いただきましたが、ぜひこの自治体負担はなくしていただきたいというふうに要望しておきます。
 例えば、私の地元のいたばしPayとか、せたPayとか、先行してやっているところに関しては、もう自分たちでやっているところに、東京アプリと接続するメリットというのがなかなか感じづらくなってしまう中で、そういった中で手数料を取られるんだったらと、ちょっと二の足を踏んでしまう部分もあると思いますので、ぜひご検討をお願いいたします。
 また、このアプリに関しては、我が会派は、7up!TOKYOプロジェクトという公約を公表しているんですが、この中で、例えば高齢者に月五〇〇〇ポイントですとか、塾代、習い事などのポイントとか、それから子育て世帯の家賃補助二万ポイントだったり、住宅購入に一〇〇万ポイント、こういったことを提言させていただいております。ぜひ今後検討していただければと思います。
 また、今はワンタイムパスということで、いろんなイベントに行くと、五〇〇ポイント、一〇〇〇ポイントもらえるというのがやっておりますが、ぜひ都内事業者のためにも、例えば銭湯であったりとか理容、美容であったりとか、そういったところに関しても、このワンタイムパスを利用して何とか都内事業者にポイントを還元できる、そんな仕組みをご検討いただければと思います。都民生活の向上のために、この東京ポイントが活用されていくことを切に望むものであります。
 次に、多摩のまちづくり戦略について伺います。
 都はこれまで、多摩地域におきまして拠点整備に取り組むとともに、道路と鉄道の連続立体化交差事業や、多摩を南北に結ぶ骨格幹線道路の整備など、インフラ整備を進めてまいりました。
 多摩のまちづくりについては、これらの基盤の整備効果を最大限に発揮できるよう、魅力ある拠点を形成し、成長へとつなげていくことが重要であります。
 都は今回、約十五年ぶりに多摩の拠点整備基本計画を見直し、多摩のまちづくり戦略を本年三月に取りまとめるとされております。
 そこで、この戦略において多摩のまちづくりをどのように進めていくのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 多摩の成長に向けましては、都市機能の集積を図るとともに、既存の地域資源、歴史、文化など、地域の個性や魅力を生かしながら、めり張りのあるまちを実現することが重要でございます。
 本年一月でございますが、多摩のまちづくり戦略案を取りまとめました。豊かな自然や観光資源の集積など、行政界を越えた特徴を有するエリア、また、新たな交通基盤の周辺において、地域のブランド力やデジタル技術を生かしたまちづくりを進めてまいります。
 また、企業や大学など様々な主体が専門性を持ち寄って、まちづくりに取り組むプラットフォームを形成し、地域特性を生かした拠点づくりを後押ししてまいります。
 地元自治体などと連携を図りながら、色とりどりの個性をもっと伸ばし、多摩地域を緑のTAMA手箱にしてまいります。

○松田委員 地域の魅力ある技術やブランドを生かすというご答弁ありましたが、ぜひ魅力ある、特徴ある多摩を共につくっていただくことをお願いを申し上げます。
 この多摩地域では、新たな都市基盤である多摩都市モノレール箱根ケ崎への延伸が来年度事業に着手をする予定となっております。
 この地域は、都心の近くにありながら、豊かな自然や狭山茶などの特徴ある地域産業を有しております。多摩モノレールの延伸が地域のポテンシャルをさらに伸ばしていくものと期待が高まっております。
 延伸に合わせて新たに七つの駅が整備をされ、駅とこれらの地域を密接に連携をさせ、これまでにない新しいまちへと成長させていくことが重要であります。この沿線地域を発展させることは、当該地域にとどまらず、北多摩地域全体の発展にもつながるものであります。
 そこで、都は、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への沿線地域のまちづくりにはどのように取り組むのかを伺います。

○谷崎東京都技監 多摩都市モノレール箱根ケ崎方面延伸部におきましては、新設される七つの駅を中心としたエリアごとに機能を分担し、地域全体で、働く、暮らす、遊ぶが完結する新たなライフスタイルを実現するまちを目指します。
 地元自治体と連携して、駅周辺に様々な都市機能を集積し歩いて暮らせるまちとするとともに、道路ネットワークの整備や次世代モビリティー等の移動手段を確保することにより、周辺地域との回遊性も高めてまいります。
 加えまして、まちの風景や狭山丘陵の眺望が人々を魅了し引きつけるよう、有識者などの意見を聞きながら、駅を含めて、まちの景観をトータルにデザインしてまいります。

○松田委員 ぜひ将来を見越して、将来は自動タクシーとか自動バスとか、こういったものも動いていくと思いますので、そういったデザインをするなど、住み続けたい、訪れたいと思えるまちづくりをお願いいたします。
 次に、多摩ニュータウンのまちづくりについてお伺いをいたします。
 昭和四十六年、多摩市の諏訪、永山で初期入所が始まった多摩ニュータウンは、道路や公園などの都市施設が計画的に配置をされ、また、丘陵の地形を生かして歩車が完全に分離をされた歩道が整備されるなど、インフラが整う先進的なまちとして開発をされましたが、現在は、住民の高齢化、施設の高経年化、商業機能の低下などの課題が顕在化をしてきております。
 こうした中、多摩のまちづくり戦略では、今後のモデルとなる地区の三つの先行プロジェクトにより、多摩ニュータウンのまちづくりを進めていくと聞いております。
 そこで、多摩ニュータウンのまちづくりをどのように進めていくのか伺います。

○谷崎東京都技監 都は、三つの地区で先行プロジェクトを実施することにより、多摩ニュータウンのまちづくりを先導してまいります。
 諏訪、永山では、駅周辺に都市機能を集積し、再構築を促進するとともに、多様な住まいや学びの場の創出により、様々な世代が住み続けられるまちへ誘導いたします。
 多摩センターでは、来年度、地元市等から成る再構築会議を設置し、魅力的で機能的な都市空間を形成し、にぎわい、交流が生まれるまちを目指します。
 南大沢では、様々な主体が連携して、新たなモビリティーや地域情報を提供するアプリ等のスマートサービスを実装し、さらなるにぎわいを生み出します。
 これらの取組を地元市と連携してニュータウン全体に横展開を図り、住、育、職が調和したまちの実現を目指します。

○松田委員 今ご答弁にありました南大沢などでは、ぜひ、後ほどちょっとほかの質問で触れさせていただきますが、都立大学とも連携をしたまちづくりをお願いしたいと思います。
 次に、地域公共交通についてお伺いをいたします。
 多摩地区を中心として、人口減少、少子高齢化の進行など、都民を取り巻く環境が変化をする中、区市町村による地域の足の確保の重要性が高まっております。自治体が地域の足を確保するために、コミュニティバスなどの事業を実施しておりますが、厳しい状況にあると聞いています。
 地域公共交通は、これまでも交通不便地域の解消に向けて区市町村による取組が進められ、都も地域公共交通の基本方針に基づいて、これを積極的に支援してきたと認識をしております。
 自治体がコミュニティバスやデマンド交通などの事業を持続的に進めていくためには、都の支援を充実していくことが必要であると考えますが、見解を伺います。

○谷崎東京都技監 都民生活を取り巻く環境が変化する中におきましては、地域公共交通の取組を加速し、誰もが移動しやすく、自由自在な交流が可能な都市を実現することが重要でございます。
 都はこれまで、区市町村に対しまして、地域公共交通計画の策定やコミュニティバス等の運行経費などについて、経費の一部を補助しております。
 今後、鉄道や路線バスを補完するための交通モードとの連携強化に向け、区市町村によるコミュニティバスやデマンド交通の再編に向けた促進策を基本方針の改定に反映いたしまして、地元自治体の実情を踏まえた取組を支援してまいります。

○松田委員 今、自動運転バスもいろいろなところで実証実験が進んできています。ぜひ将来を見据えて、区市町村と連携をした取組をお願いさせていただきます。
 本年、いよいよ世界陸上とデフリンピックが東京で開催をされます。トップ選手の活躍、そしてデフアスリートによる熱戦は、多くの人の心を揺り動かす。とりわけ次代を担う子供たちにとっては、スポーツのすばらしさや、障害のあるなしにかかわらず互いを認める、尊重し合える、そういった大切さを学ぶ機会となります。多くの子供たちが大会を肌で感じ、貴重な経験をしてもらえるよう取り組むことが必要であります。
 まず、世界陸上における子供の観戦について伺います。
 昨年の第四回定例会、私の代表質問におきまして、都は、大会が土日、祝日を中心に開催されることから、保護者との観戦や子供同士の観戦を検討しているとご答弁をいただきました。大会日程を踏まえた合理的な方法であると思いますが、一方で、学校単位ではないことから、保護者の負担軽減、そして個人の学びをさらに深める仕掛けなど、実施においては工夫が必要であります。
 そこで、観戦招待の規模、そして具体的な実施方法について伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 世界陸上では、子供と保護者を合わせて約四万人を観戦に招待する予定でございます。子供の参加は無料、保護者については通常より低廉な料金とすることを検討しております。また、簡単に申し込めるよう、スマホなどウェブ上で手続できるようにいたします。
 観戦に当たりましては、事前に陸上に関する学習ツールを提供しまして、子供たちの学びをより豊かなものといたします。
 今後、都の子供向け広報媒体の活用や関係機関とも連携して、広く子供たちに届くよう事業の周知を図り、六月ごろから募集を開始できるよう進めてまいります。

○松田委員 今、六月ごろから募集開始という具体的なご答弁をありがとうございます。
 東京オリンピックのときは無観客になってしまいましたが、あのときは、みんなで応援チケットというのが二千二十円ということでしたので、今、低廉な価格で保護者についてはということなので、二千二十五円ぐらいでぜひよろしくお願いいたします。
 それから、デフリンピックについて伺います。
 先日、ろう学校を視察したときに、デフリンピックに向けて校内にポスターなどを掲示してあって、定期的にデフアスリートが訪れているというお話も伺いました。
 デフリンピックは、日本初開催でありまして、ろう学校の子供たちにとっても、直接デフスポーツの魅力に触れる貴重な機会となります。
 そこで、ろう学校の子供たちに、大会の観戦とともに、様々な参画の機会を提供すべきと考えますが、見解を伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 デフリンピックでは、ろう学校を含む都内の公立、私立の小中高等学校及び特別支援学校等を対象に、学校単位で約六万人の子供たちに観戦の機会を提供する予定でございます。
 特に、ろう学校に対しましては、個別に事業概要をご説明して参加を促すなど、子供たちの学びの機会の確保に努めてまいります。
 また、聞こえない子供たちにとって、大会は新たな可能性に気づく貴重な場ともなることから、メダルセレモニーのサポートや、選手入場時のエスコートキッズなどへの参加も積極的に呼びかけてまいります。
 今後、教育庁や学校関係者、区市町村などとも連携しまして、事業を進めてまいります。

○松田委員 当事者の子供たちが夢や希望を抱き、成長できるように、ぜひ実現をしていただきたいと思います。
 また、観戦招待は、世界陸上とデフリンピック合わせて十万人規模になるということですが、これだけ多くの子供たちへすばらしい経験が提供できることは、この二つの国際スポーツ大会がもたらす大きな価値であります。引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、私立高校の支援について伺います。
 現在、国では、令和八年からの私立高校の授業料無償化など、私学の支援の充実を進めようとしております。率先して取り組んできた都としても、私立高校の振興、発展に向けた取組を一層進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 都は、私立学校が東京の公教育に果たす重要な役割を踏まえまして、これまでも基幹的補助である経常費補助をはじめ、デジタル教育の環境整備、グローバル人材の育成など、様々な取組を支援してまいったところでございます。
 来年度は、物価高騰等の状況を踏まえた経常費補助の増額に加えまして、一人一台端末の整備費補助、教員の海外研修補助の拡充など、私立高校の振興のための予算を計上しております。今後とも私立学校教育の振興に努めてまいります。

○松田委員 なお、いわゆる高校無償化につきましては、国と地方との関係の論点も含め、骨太の方針二〇二五の策定まで大枠を示した上で、令和八年度予算編成過程において成案を得て実現するとされておりまして、全額国庫で面倒が見られるかは予断が許さない状況であります。
 都においても、全額国負担で担保されるよう国にしっかりと働きかけていただくことを要望させていただきます。
 これは全額国庫でということになると、大体五百億から六百億という財源があります。今、例えば私立高校では授業料が四十八万四千円、来年度から四十九万円までということでありますが、こういったところだけではなくて、施設整備費については出ておりませんので、こういったところをぜひ検討していただくですとか、例えば中学生は十万円までということでありますが、これの増額であったり、また、幼稚園においては、保護者負担軽減補助金は国が二万五千七百円に、東京都が千八百円の上乗せをしている。ここは、令和元年から変わっていない金額、そこに区市町村がそれぞれ上乗せをしている−−まあ、していないところもあると思いますが−−状況であります。この変わっていない千八百円に関しての増額も、併せて要望をさせていただきます。
 今、私学の無償化のお話をさせていただきましたが、この私学の無償化が数年前決まったときに、東京都教育委員会に、これは都立高校の地盤沈下に必ずつながりますよというお話をしたときに、当時の東京都教育委員会の担当者の方々は、いや、あと六、七年、子供増えるんだから大丈夫ですよと、笑っていたのを私は今でも覚えております。
 その空気が、坂本教育長の就任で、私はそのマインドが少し変わったんじゃないかなというふうに思っております。
 新たな教育のスタイルというのを打ち出されました。これを基に、教育の大転換を図る施策を構想すべきと思います。知事として、どのように教育の大転換に取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○小池知事 教育施策についてのお尋ねでございます。
 将来の社会や経済の予想のできない変化が生まれて、日常生活や産業を支える技術の発展は加速をいたしております。
 こうした環境への対応力を子供たちが発揮できますように、デジタルとリアルを巧みに組み合せました学びの仕組みをつくり上げて、東京の教育の大きな転換を進めたいと考えております。
 子供の関心に応じまして、斬新な知識をリモートで提供する、また、学校外の様々な現場での幅広い学びもサポートする、次世代の学びの基盤をつくる、そのようなプロジェクトを展開してまいります。
 新たなスタイルを確立して着実な普及に力を入れてまいります。特に、生徒が社会のリアルな現場ならではのことを学ぶ、そんな取組もしっかりと後押しをしていきたいと思います。
 最新の生成AIの知識を学ぶ科目などをつくるとともに、授業での伝え方を根本から見直した上で、都立高校に確実に根づかせてまいります。生徒が地域の様々な課題に主体的に向き合って、その解決を自ら考える探究的な学びを行うように促してまいります。
 これらによって、新たな教育のスタイルを推し進めて、未来の主役である子供たちの学びの充実につなげてまいります。

○松田委員 ご答弁いただきましたリアルな現場を学ぶ、そしてAIの知識を学ぶ、このデジタルとリアルの融合という面で、新たな教育のスタイルを打ち出していく、さらに地域に根差した、そうした学校をつくっていく、そんなご答弁をいただきました。
 先日の代表質問では、教育長からはこれに関しまして、通信制高校から進めていくというような答弁をいただいたと記憶をしておりますが、この新たな教育のスタイルというのは、通信制高校にとどまらず、どこまで展開していくのかというところで、一過性でもなく、一校の取組でもなく、これからの都立高校の変革を進める大切な取組であるというふうに考えております。これらをどのように都立高校に展開をしていくのか伺います。

○坂本教育長 都教育委員会は、来年度、デジタルとリアルの学びを組み合わせた新たな教育のスタイルの導入に向け、学びの基盤を新しくつくるプロジェクトを実施いたします。
 具体的には、通信制の課程を持ち、デジタル化を先行して進めてきた新宿山吹高校におきまして、生成AIの知識や起業のマインドなどを学ぶ講座を民間と協力してつくり上げます。また、デジタル教科書を本格的に活用し、授業の方法などを研究するモデル的な取組を六つの高校で展開します。
 この成果を取りまとめ、各校の特色を踏まえつつ、その魅力の向上に役立つよう、新たな教育のスタイルを様々な都立高校に着実に広げてまいります。
 これによりまして、東京の教育の新たな転換を進めてまいります。

○松田委員 先ほど知事のご答弁に、地域の様々な課題に向き合い、自ら考える探究的な学びをというご答弁がありました。まさに、これからの都立高校はそういった面をしっかりとやっていくべきだと思います。
 昨年、我が会派で都立の第一商業高校を視察した際、ここは地域と連携をして渋谷学というものに取り組んでおられました。地元企業とも連携をして、いろんな学びをしていく、すばらしい機会だなと感じたことがありました。
 そこで、地域に根差した教育を都立高校でどのように展開をしていくのか伺います。

○坂本教育長 新たな教育のスタイルを確立する上で、デジタルの学びとともに、リアルの現場での様々な学習を地域社会の中で効果的に進める工夫は重要でございます。
 これまで都教育委員会は、都立高校の生徒が産業や最先端の研究の実情を学ぶ機会を設けてまいりました。具体的には、地域の中小企業の経営者や近隣の大学などの研究者による講演会を開催しております。また、地元の製造業の会社等に、高校生がインターンシップをする支援を実施してまいりました。
 今後、新たな教育のスタイルとして、生徒がデジタルツールで様々な情報を集め、社会課題を自ら設定し、地域の力を活用してその解決を図る学びを後押しいたします。
 こうした探究学習を、新たな学びの基盤づくりに活用をしてまいります。

○松田委員 ぜひ地域と連携した取組をお願いしたいと思います。
 次に、特別支援教育についてお伺いします。
 知的障害特別支援学校に通う児童生徒が年々増加をしております。我々も、今ちょうど卒業式のシーズンですが、入学式や卒業式、学芸会で訪れた際に、カーテン教室といわれる教室であったりとか、本当に保護者からも、また学校の先生からも切実な声を伺っております。こういった中で、必要な教室を確保することは喫緊な課題であります。
 先日の教育委員会では、第三次実施計画で実施をする新たな施設整備として、私の地元である高島特別支援学校の改築や、緊急的な増築等について報告がありました。
 そこで、今後、都教育委員会は、特別支援学校の施設整備をどのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。

○坂本教育長 特別支援学校に通う知的障害のある児童や生徒が増加をする中、その新築や改築等の早期の実施は不可欠でございます。
 都教育委員会は、これまでの対応に加えまして、江戸川区での一校の新設と、高島特別支援学校を含む六校の増改築に向け、取組を進めます。これらの整備におきましては、教室を授業用と個別指導用とに分け、効果的に配置し、限られた面積を有効に使うほか、生徒の安全性に十分な配慮をした高層の校舎をつくる工夫も取り入れてまいります。
 また、来年度は児童等を速やかに受け入れる教室を確保するため、二つの学校で、敷地の一部を利用いたしまして、建物をリースにより短期間で整備する緊急的な対応に向けた取組も進めます。
 これらを計画的に行い、特別支援教育の充実を図ってまいります。

○松田委員 こういった建て替えも、今時期に来ておりますし、さらに教室不足という二つの課題があります。ぜひ計画的にしっかりと進めていくことを要望させていただきます。
 様々な機会を通じて、我が会派では、都立高校の魅力向上、今、百八十六校あるので、これが横につながることによって、合従連衡することによって、新たなスタイルをつくっていくことが必要であるですとか、例えば工科高校では、新たな学部、学科などをつくって、特にデジタル、AIなどをしっかりと強化することによって、さらにそこに都立大学との連携も考えていってほしい、こんな提案を様々してまいりました。
 都立大学についてですが、我が会派の第四回定例会、私の代表質問のときに、都立高校との連携、さらに強めていくべきという質問に対しまして、都立の学校として特徴を生かし、都立高校と接続を強化し、双方の教育の質と魅力の向上を図っていく、都立大に対する答弁がありました。
 そこで、都立高校との連携や入試の状況はどうなっているのか、そして今後の展望と併せて伺います。

○佐藤総務局長 都立大学では、都立高生を対象としたゼミや研究フォーラムなどを実施するとともに、普通科のみならず、工科高校等に推薦入試枠を設けるなど、都立高校との連携を進めてまいりました。
 こうした取組の結果、令和六年度の一般選抜入学者数の上位校の大半を都立高校が占めております。また、学校推薦型選抜による入学者数の四分の一が都立高校出身の学生となっております。
 今後、国際系新学部の開設準備を進める中で、受験生から選ばれるよう、教育内容の充実を図るとともに、都立高校との連携を一層強化することで、優秀な学生の確保に努めてまいります。

○松田委員 今、都立高校との連携を一層強化というご答弁でありますが、ぜひ推薦枠は、私は倍ぐらいにしてもいいというふうに思っておりますし、例えばお隣に、都立大学のお隣には八王子東高校もあります。こことのさらなる連携強化も模索をしていっていただくよう要望をさせていただきます。
 その都立大学では、本定例会の我が会派の小松幹事長の代表質問におきまして、国際系新学部の開設にとどまらず、時代に即した大学を目指すべきという質問に対して、世界的な課題を解決する新たな知を生み出す場所へと進化させていくという答弁がありました。これを実現していく上では、都立大学において、東京の持続的な発展に向けて、イノベーションの創出を担う研究者を育成することも重要であります。
 近年、我が国の大学では、全国的に修士課程から博士課程に進学する学生が減少しております。
 そこで、都立大学が令和七年度に実施をする、成長の原動力となる高度専門人材の輩出に向けた取組について伺います。

○佐藤総務局長 博士課程進学者減少の主な理由として、在学中の生活費や修了後の就職への不安が挙げられております。
 このため、都立大学では、令和七年度から、社会人などを除いた博士課程の学生を対象に新たな奨学金制度を導入し、生活費や授業料等の支援を行います。
 優れた二、三年次の学生に対しては、修士課程修了後、就職した場合の給与に相当する金額まで奨学金を上乗せいたします。
 また、大学や研究機関のみならず、産業界の幅広い分野での活躍につなげるため、研究インターンシップや企業とのマッチングなどを通じてキャリア形成を支援いたします。
 こうした取組により、都立大学への優秀な学生の進学を促進し、東京の活力を生み出す人材を輩出してまいります。

○松田委員 今、博士課程の方には修士で、主に都庁に就職したときの初任給を払うという大分進んだご答弁をいただきました。これはぜひ、先ほども少し都市づくりのところでお話をさせていただきましたが、この南大沢のまちづくりとも連携してやっていただきたいと思いますし、また、国際化というのであれば、英語だけエリアをつくったりとか、様々な取組をこの魅力向上として、非常に広いキャンパスでありますので、都立大学の魅力向上に、多摩ニュータウンのまちづくりとも併せて取り組んでいただくことをお願いさせていただきます。
 さて、我が会派は、さきの代表質問におきまして、都立高校の出張販売で様々な昼食を提供することで学校生活を充実させ、その魅力を高めると考え、教育長の見解を伺ったところであります。
 教育長からは、来年度、昼食の様々な出張販売の事例について、他自治体を参考に充実を図る旨の答弁がありました。
 他自治体では、高校の昼食提供方法として、キッチンカーを導入し、様々なメニューが提供されている事例があります。都立高校でも同様にキッチンカーを導入するなど、出張販売を充実させることで、その魅力が向上することになると思いますが、教育長の見解を伺います。

○坂本教育長 全日制の都立高校に通う生徒が昼食を持って登校することができない場合に、校内で食事を取るための出張販売の方法に工夫を加える視点は重要でございます。
 これまで都教育委員会は、都立高校におきまして、パン等の出張販売や自動販売機の設置のためのスペースなどを整備する取組を進めてまいりました。
 これに加えまして、来年度は、昼食の様々な出張販売について、ほかの自治体の事例を参考にしながら、キッチンカーを活用する工夫なども調べ、取組の充実に結びつけます。
 これによりまして、都立高校における昼食の提供方法の選択肢を増やしてまいります。

○松田委員 今、キッチンカー導入に向けて前向きなご答弁をいただきました。ありがとうございます。
 キッチンカーといえば、今、都民広場、都庁舎前、この議事堂との間の都民広場にもキッチンカーが出店していることを見かけます。この都民広場が庁舎の一部ということは認識をしておりますが、この都庁舎にさらなるにぎわいを創出するために、来年度から四年ぶりに、コロナ禍を明けて、この議会棟のレストランも新しい事業者が決まりました。こういったところと連携をして、例えば夏場にはビールなどを提供しながら、飲食をしながらプロジェクションマッピングを観覧できる環境をつくるなど、取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○山下財務局長 都庁舎のさらなるにぎわい創出のため、年間約二百万人が訪れる展望室に加えまして、都民広場を活用し、都庁を訪れた方が一層楽しめる空間を整備することが重要でございます。
 昨年から、各局の事業やイベントに伴いましてキッチンカーが出店され、都庁を訪れる方に軽飲食を提供するなど、都民広場の魅力向上を図ってまいりました。
 今後、都庁のフォトスポットをPRするなど、都民広場へより多くの人の流れをつくり出すとともに、都民広場が憩いの場となりますよう、椅子やテーブルなどでくつろげる空間を演出するなど、来庁者が飲食を楽しみながら都庁の魅力を感じていただくための環境を整備してまいります。

○松田委員 今、都民広場に椅子やテーブル等でくつろげる憩いの空間を演出して、来庁者が飲食を楽しみながらというご答弁をいただきました。ぜひビアガーデンのような形になりましたら、知事、ぜひビールを−−うなずいて、ありがとうございます。一緒に飲むということで了解をさせていただきました。
 続きまして、アルツハイマー病の新たな抗体医薬の投与が治療対象者に開始をされましたが、新薬の投与のタイミングを逃さないよう、認知症の診断をより簡便かつ正確に実施することが重要であります。
 また、認知機能の低下が見られる方が受診をためらい、診断や必要なサービスを受けるまでに時間がかかり、症状が進行する例もあることから、早期に必要な支援につなげることも重要であります。
 東京都健康長寿医療センターでは、認知症に関わる研究を行ってまいりましたが、これまでの進捗状況と今後の取組について伺います。

○山口福祉局長 東京都健康長寿医療センターでは、認知症に係る医師の画像診断を補助するシステムを開発したほか、アルツハイマー病の原因物質の蓄積状況を血液で検査できるバイオマーカーの研究開発に取り組んでまいりました。
 来年度は、診断の精度向上等に向けまして、こうした研究をさらに推進するほか、認知症の気づきから診断などにつながるまでの、いわゆる空白の期間における支援の充実を図るため、関係機関の効果的な連携など、先進的な取組事例等を踏まえた区市町村向けの支援プログラムの開発を開始いたします。
 今後、研究成果を臨床現場や区市町村で活用しまして、早期診断、早期支援を推進してまいります。

○松田委員 今、血液で検査できるバイオマーカーの開発ということをご答弁いただきました。今までは、脳髄液といって、採るのに非常に痛かったところが血液で、バイオマーカーですので、血液で採ることの研究を進める、さらにこれを進めていくというご答弁でしたが、これ、ぜひ将来的には家庭でも検査できるような形を都が率先して研究も進めていただきたいと思いますし、もう一歩予防するならば、そういったところに対する支援をすることによって認知症の早期発見につながると思いますので、併せて要望させていただきます。
 次に、介護、障害福祉サービスでございます。ここのデジタル技術の活用について質問させていただきます。
 現在、国の制度に準拠した都の補助制度では、介護分野においては、職員数に応じて最大二百六十万円を補助しているのに対しまして、障害分野では一律最大七十五万円の補助となっております。
 タブレット端末を活用して、サービス提供の記録や請求業務を一元的に行えるシステムを導入することや、インカムにより職員同士の迅速かつ円滑なコミュニケーションを図るなど、現場では大変効果が上がっており、事業者からは、さらなる支援を求められております。
 そこで、介護や障害福祉の現場において、デジタル機器等の活用を一層推進していくべきと考えますが、見解を伺います。

○山口福祉局長 都は現在、介護、障害福祉サービス事業所における生産性向上に向けた取組を促進するため、デジタル機器などの導入経費を補助しております。
 来年度からは、これまで一律としていた障害福祉サービス事業所への補助上限額を、事業所の職員数に応じて必要な機器を導入できるよう、介護分野と同様、段階的な設定へと見直します。
 加えて、補助の対象について、入所施設などを含む介護、障害福祉分野の全てのサービス種別に拡大するとともに、職員数が百十一人以上の場合で補助上限額を五百万円とするなど拡充を図りまして、デジタル機器の導入や活用に向けた取組を強化してまいります。

○松田委員 障害の引上げだけではなくて、高齢者も引き上げるというご答弁をいただきました。ぜひよろしくお願いをいたします。
 この介護分野においても人手不足が続いております。この人材獲得に向けては、それぞれの業界そのものの魅力発信、これも必要であります。業界としてまとまって活動することで、各社の知恵や工夫が共有をされて、求職者に、より訴求力のあるアプローチも生じるものであります。
 都は、人手不足で厳しい状況にある中小企業の人材確保に向けて、業界団体を通じた支援を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 人手不足に悩む中小企業が業務継続に必要な人材を確保することのできるよう、業界団体を通じて支援を行うことは効果的でございます。
 都は、業界団体が自主的に行います、現場の様々な職種の魅力を発信するPR動画の制作や運輸業に就職した社員の免許取得支援などの取組に対し、対象経費の二分の一を助成してございます。
 また、今年度から、建設、運輸の分野を特例として、助成額の上限を五千万円に引き上げております。
 来年度は、人手不足が今後さらに深刻化することが見込まれます介護の分野も特例に加え、中小企業の人材確保支援の強化を図ってまいります。

○松田委員 建設や運輸に加えて介護、いずれも社会インフラとして欠かせない分野であります。特例を設けて強化したことは評価したいと思います。
 そして、この分野はもとより、幅広い中小企業の人材確保を今後も支援することをお願いしておきます。
 次に、福祉人材確保につきまして、東京ポイントを利用した福祉人材確保について伺います。
 社会的意義のある活動への参加を促進する仕組みである東京ポイントでありますが、本年二〇二五年は全ての団塊世代が後期高齢者となります。今後ますます介護ニーズが増大することから、人材の確保は急務であり、大きな課題となっている福祉人材の確保にも活用すべきではないかと思いますが、見解を伺います。

○山口福祉局長 都は来年度から、介護福祉士などの資格を持ちながら福祉事業所で働いていない方の就労を後押しするため、都が運営する福祉分野の就職支援サイトである、ふくむすびに利用登録をした場合に五〇〇東京ポイントを付与する取組を開始いたします。
 また、登録者に対して、リスキリング研修や就職支援アドバイザーによるマッチングを実施しまして、都内の福祉事業所に就職した場合、さらに五〇〇〇東京ポイントを付与いたします。
 こうした取組によりまして、有資格者の復職等を支援し、専門性の高い福祉人材を確保してまいります。

○松田委員 ありがとうございます。登録に五〇〇ポイント、そして就職した場合五〇〇〇ポイントというご答弁をいただきました。
 この東京ポイントに関しては、先ほどもいろいろな提言をさせていただきましたが、東京都の施策、様々に、各局ともにでございますが、活用いただくことをもう一度お願いをさせていただきます。
 今年の夏もとても暑いそうであります。職場の暑さ対策についてお伺いさせていただきたいと思います。
 労働者の中でも、とりわけ夏の作業環境が苛酷であり、業務休止や作業時間の変更が極めて困難であるのが、人々の生活を支える清掃事業者などのエッセンシャルワーカーであります。
 都は今年度、区市町村が発注する業務により屋外で働くエッセンシャルワーカーについて、事業者への支援を始めました。
 しかし、業種や業態によって注意すべきポイントが異なることも考えられているため、個々の事業者を束ねる業界団体に対して支援を行っていくことも重要であります。
 そこで、エッセンシャルワーカーに対する取組をさらに強化をして、都が業界団体を通じた対策を推進していく必要があると考えますが、取組を伺います。

○須藤環境局長 都は今年度、エッセンシャルワーカーへのファン付ウエアの配布などに取り組む十二の区市への支援を行うとともに、ニーズが高い清掃事業の発注者である自治体職員向けに熱中症対策講習会を開催いたしました。
 来年度はこれらに加え、エッセンシャルワーカーの業界団体などに向けた新たな支援事業を開始いたします。具体的には、現場での対策を助言する専門家をプッシュ型で派遣するとともに、個々の現場に応じた予防法や取組例などをまとめた対策ガイドラインの作成を促し、経費の三分の二を支援いたします。
 こうした取組を通じ、エッセンシャルワーカーの命を守る熱中症対策を強力に推進してまいります。

○松田委員 熱中症対策というのはエッセンシャルワーカーはとても大事ですが、エッセンシャルワーカーだけではなくて、職種を問わず、働く方にとっては共通の課題であります。
 昨年の第四回定例会、私の代表質問におきまして、熱中症対策にも有効なテレワークの積極的な活用と、どうしても夏場に現場で働かなければならない従業員に向けました、いわゆる空調服の導入などについて、企業への対応を図るように求め、都から支援を検討するという答弁をいただきました。
 そこで、猛暑における熱中症を防ぐため、テレワークの活用と併せて、屋外現場で働く人に配慮する企業への支援を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○田中産業労働局長 都は、テレワークの定着に向けた取組を宣言し実践する企業を登録、公表する制度を設けてございます。これについて来年度から、猛暑や大雪などの際にテレワークを積極的に活用することを登録要件といたします。
 また、登録した中小企業への助成金につきまして、新たにテレワークを導入する企業が、テレワークが難しい屋外業務などがあることにより、電動ファン付ウエアや遮熱ヘルメットを貸与するなどの熱中症対策を併せて行う場合は、最大五十万円の加算を行います。
 これによりまして、猛暑対策としてのテレワークを普及し、そうした対応が難しい現場作業員の環境改善も進めてまいります。

○松田委員 空調服や遮熱ヘルメットなどということでご答弁をいただきました。一社当たり最大五十万円までということでございます。これから非常に暑い夏が来る中、しっかりこういった施策がまた事業者にも届くように、PRの方もぜひよろしくお願いを申し上げます。
 夏は暑くて、そして今はインフルエンザ、少し収まってきましたけれども、冬もかなりインフルエンザと、あといろいろありましたよね。コロナもはやりました。大変な状況の中、なかなか救急車が以前、大分消防庁の取組によって短縮をされてきたところでありますが、また時間が延びてきてしまっているという状況があります。救急車が到着してから、またそこからお電話をされたりするんですけれども、ここで少し時間がかかってしまうということで、今年度、東京消防庁ではAIを活用した音声認識、そして傷病、傷害者情報のデジタル化、文字起こしなどをAIがやってくれるという、そういった開発をして、来年度はこれを現場でも使っていくというご答弁をさきの第三回定例会で代表質問でいただいたところであります。
 一方、受入れ側の病院の方はどうなっているかというと、搬送先の選定が困難なために、地域救急医療センターで一時的に受け入れた患者について、転院が必要な場合は東京消防庁に配置をされている救急患者受入れコーディネーターさんが受入先を調整していると伺っています。来年度から、都はコーディネーターの業務にデジタル技術を活用するということですが、どのような取組となるのかを伺います。

○雲田保健医療局長 搬送先の選定が困難なため、地域救急医療センターで一時的に受け入れた患者につきまして、転院先を迅速に確保することが課題であり、患者情報の伝達にデジタル技術を活用することが有効でございます。
 このため、都は来年度から、東京消防庁の指令室に配置し、転院先を調整している救急患者受入れコーディネーターの業務に音声マイニングシステムを導入し、転院元の医療機関から聞き取った患者情報をテキストデータ化して、転院先の医療機関に提供いたします。
 こうしたデジタル技術の活用によりまして業務を効率化し、調整時間の短縮を図ることで、より迅速な転院先の選定につなげてまいります。

○松田委員 今救急医療センターで一時的に受け入れた方を、これが、じゃ次の病院だとすると、ここの今連携のデマンドの話をさせていただいたんですが、今、そして消防庁でやっているのはここの、これ救急車ですね、救急車、ここで音声認識でテキスト化する。それを来年度はこれを現場でもやっていく。ぜひここのデータ連携と全てできれば私は一元化にしていった方が効率が非常にいいのではないかなというふうに考えております。
 そこで、今度は消防庁に聞きますけれども、救急現場での情報を関係局だったりとか病院に連携するために救急活動の効率化、加速すべきと考えますが、見解を伺います。

○吉田消防総監 救急現場で収集した傷病者情報を迅速に医療機関等と共有することは、傷病者の救命効果と予後のためには重要でございます。
 このことから、傷病者情報をデジタル化してフォーマットに集約するシステムの開発に向け、検証を段階的に進めております。
 今後、関係機関とも連携し、デジタル化された傷病者情報を迅速に医療機関等と共有できるよう、引き続き検証に取り組んでまいります。

○松田委員 ぜひこういったことはデジタル、連携をしてやっていただくことをお願いいたします。
 今、救急搬送される数、令和元年が七十三万六千人、令和五年で七十七万八千人、四万二千増えている、そのうち高齢者が令和元年が三十八万六千人、令和五年が四十万六千人で二万人増えているそうであります。
 そこで、東京都は来年度、高齢者受入体制確保事業を開始すると聞いておりますが、その意義、そして具体的な内容についてお伺いいたします。

○雲田保健医療局長 高齢者の医療需要が今後高まることが予想される中、都内の病院では、高齢の入院患者は介助に人手を要することなどから、受入れが進みにくい状況がございます。
 このため、都は来年度から、高齢者用の病床を確保し、入院患者を受け入れる病院を支援することにより、地域の医療体制を確保する取組を開始いたします。
 確保病床数は、病院の規模に応じて二床から四床とし、一床当たり年間約六百二十九万円の確保料を支払います。
 また、対象病院には、来年度から三年間の高齢者の入院受入れ計画の策定や、令和六年度と比較した高齢者の受入れ数の増加などを要件とするなど、高齢者の確実な受入れを求めてまいります。

○松田委員 しっかり取組をよろしくお願いいたします。
 次に、文化について伺います。
 江戸の歴史、文化の世界遺産への取組につきまして、昨年の予算委員会で、この場所で質疑をさせていただきました。
 東京のプレゼンス向上には、非常に大きな提案だが、かなりハードルが高いのではないかと指摘をさせていただきましたが、今年一月には有識者会議がスタートをし、目に見える一歩を踏み出したと思っています。
 これから国との調整や機運醸成など、かなりの時間、多様な取組を展開していくことになります。
 そこで、まず江戸文化に対して世界遺産登録を目指す意義について知事に伺います。

○小池知事 江戸が二百六十年の平和と繁栄の中で生み出してまいりました歌舞伎、浮世絵、建築、そして江戸前の食などの有形無形の独自の文化は、世界に誇る東京の魅力でございます。
 本年一月の有識者会議におきましては、歴史や都市計画、外交などの専門家から、江戸が築いてまいりました伝統や価値、そして国際的な理解の重要性など多くのご意見をいただいております。
 今後、会議での意見を基にいたしまして、個々の文化資源の専門的、学術的な整理も進めまして、唯一無二の魅力を浮き彫りにしてまいります。
 伝統を受け継ぐ都市としての使命を果たすため、世界遺産登録も見据えまして、江戸が育んだ多彩な文化を世界へと発信をする。そして、東京のさらなるプレゼンスの向上を図ってまいります。

○松田委員 江戸文化の価値を国内外に発信をしていくということでありますが、江戸自体がまだ知られていない。東京は知っているけれども、江戸というのは知らないという海外の方、結構いらっしゃると聞いております。
 東京には、江戸由来の文化や史跡など多彩な魅力があることから、世界にも誇れる江戸の魅力や価値を国内外にしっかりと届けていただきたいと思います。
 そこで、今後の江戸文化の魅力発信について、どのように行っていくのか伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 江戸は、大胆で繊細、力強さなど多様な魅力が混然一体となった、粋でエネルギーあふれる都市、時代でございました。また、その精神は時代を超えて、現在の東京につながっております。
 この江戸の存在を力強く国内外にアピールするため、今般、新たに江戸紫を基調とした江戸東京のロゴマークを作成し、統一感を持った発信を行っていくことといたしました。
 今後は、イベントなどで配布できるようグッズも制作するなど、江戸東京博物館のリニューアルオープンに向けたPRや各局の事業のほか、世界陸上など東京に注目が集まる機会も捉えまして、江戸の魅力を発信し、認知を高めてまいります。

○松田委員 今グッズ制作とありましたが、こういった、我々もデフリンピックや世界陸上をこうやってアピールしています。こういったグッズなどをしっかりと取りそろえて、都議会議員だけでなくて、広く都民全体が世界に向けて江戸東京というのをアピールできるような、そういった仕組み、グッズなども作っていただければと思います。
 江戸から続く東京の文化の魅力は、国内においても都民だけではなく、日本全国の様々な地域、世代の方に、江戸博、今建て替えを行っていますけれども、江戸東京博物館に訪れていただいて知っていただくことも重要だと考えます。その取組についてお伺いいたします。

○古屋生活文化スポーツ局長 江戸東京博物館では、改修による休館中におきましても、都内で移動博物館やワークショップを行うほか、収蔵品を活用した展覧会を都外の様々な地域で開催しております。
 例えば昨年、大阪の中之島香雪美術館で開催した北斎と広重展は、同館における過去最多の入場者数を記録するなど、全国各地で多くの方々に江戸東京の魅力に触れていただきました。
 また、令和八年に予定しておりますリニューアルオープン後は、都外の中学生の料金を無料といたしまして、これまで以上に他地域からも訪れやすい環境を整える予定であります。
 こうした取組を通じまして、日本全国の方々にも、江戸から東京に続く文化の歴史的な価値を広く発信してまいります。

○松田委員 これから都外の中学生も料金無料ということをご答弁いただいたわけでありますが、やはり広く都民以外にも、こうした江戸という、東京というものを知っていただく非常に貴重な機会だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 この江戸東京博物館改修前も修学旅行生や外国人観光客など多くの方々が東京の歴史を学びに来館する人気の博物館でありましたが、江戸からの歴史という点では、武士だけではなく、町人などの人々の日常の暮らし、伝統的な技術、そして職人芸も非常に大きな魅力であります。
 リニューアルオープンに向け、こうした江戸の魅力をこれまで以上に多くの人に知っていただける施設とすべきと考えますが、その見解を伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 これまで江戸東京博物館では、すしの屋台や町火消しのまといなど体験型の展示によりまして、江戸の歴史と文化を楽しみながら学べる機会を提供してまいりました。
 リニューアル後は、長屋や芝居小屋など当時の人々の暮らしを感じられる再現型の模型を充実するほか、展示への期待を高められるように、メインエントランスの壁面を江戸で花形の職業の一つであった左官の技術で装飾いたします。
 来年の春に向け着実に準備を進めまして、江戸東京の歴史と文化を体感できる中心的な拠点として、都民や国内外からの観光客が必ず訪れたくなる博物館を目指してまいります。

○松田委員 江戸博への左官技術の導入は、我が会派がずっと要望してきたものでありまして、実現ということで本当にありがとうございます。
 地域には、独自の伝統芸能、文化があります。何百年も続いていたり何千年も続いていたりする。しかし、継ぎ手がいないというお話も聞いております。こうした貴重な伝統文化を継承し、将来につなげていくことは重要であると考えますが、都の取組を伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 都内には、それぞれの地域に根差した様々な伝統芸能、文化が存在しております。
 都は、地域芸術文化活動応援助成によりまして、文化財を活用した事業や郷土芸能公演など地域の歴史を継承するイベントなどを支援してまいりました。
 引き続き、特色ある文化の醸成、発展に寄与する芸術文化活動や各地域の文化財、文化資源を未来に継承、発信する取組について後押しをしてまいります。

○松田委員 文化関連予算というのは大体三百億円、そして先ほどお話あった江戸博の建て替えだったりとか、いろんな施設管理の委託費などを除くと百億円ぐらいが文化振興費として純粋なものであると考えておりますが、私はこれをもっともっと増やした方が、倍ぐらいに増やした方がいいかなというふうに個人的には考えております。
 例えば何百年も続いた行事というのは、主に日本では神事が多いんですが、神事というと、どうしても宗教行事ということで、なかなか支援対象にならないことがあるんですけれども、何百年も続いた神事というのは、私は文化であるというふうに思っておりますので、ぜひ文化として振興に向けて、ぜひ取り組んでいただくことを検討していただくということを要望させていただきます。
 さて、新聞においても度々報じられておりますが、全国の多くの自治体で共産党所属の議員が行政職員に対して「しんぶん赤旗」の勧誘を行っています。千葉県千葉市などの一部の自治体では、実態把握に向けて職員アンケートを実施するほか、神奈川県横浜市では、庁舎内での政党機関紙の勧誘行為を禁止するなど厳しい姿勢で臨んでおります。
 北海道千歳市のアンケート調査では、半数を超える市職員が市議から政党機関紙の購読の勧誘を受けたことがあり、そのうち約七割の職員が心理的圧力を感じたとし、その多くが購読をしたとされております。
 日本共産党東京都議団においても、以前からこの問題が指摘をされており、我が党の先人たちが度々この問題をただしてまいりました。しかしながら、昨今の「しんぶん赤旗」の発行部数の減少もあってか、日本共産党都議団の強制勧誘は収まるどころか、ますます先鋭化しているのが実態であります。
 我々のところにも、職員から多くの困惑の声が届いております。ある課長は、新任課長としてプレッシャーのかかる中で、突然〇〇先生から電話があり、就任おめでとうございます、以後お世話になると思いますが、よろしくお願いいたします、ところで、都政の勉強にもなるので、「しんぶん赤旗」を取りませんか、無理なら日曜版だけでもとしつこく勧誘をされ、都議会の先生などで断りづらい、断って組織に迷惑をかけたらどうしようという心理から、やむなく購読をしているというところであります。
 こうした勧誘に対して、妻と相談しますといった無理のない断り方が職員の中で広く共有をされているというブラックジョークまである始末であります。
 日本共産党東京都議団の新聞強制勧誘行為は、幾つかの重要な問題をはらんでおります。
 まず、庁舎内で都議会議員が政党機関紙の勧誘を無許可で行っているこの行為について、庁舎管理上問題がないのか、都の見解を伺います。

○佐藤総務局長 庁舎管理ということで、私の方からご答弁申し上げます。
 政党機関紙の購読勧誘につきましては、都庁舎における秩序の維持等を図り、もって公務の円滑な遂行を期するということを目的に、現在、庁内管理規則の第五条の第一項の第八号で禁止をされているところでございます。

○松田委員 庁内管理規則で禁止をされているというご答弁でありました。「しんぶん赤旗」の購入を事実上の強制をしているこの行為が、都庁舎における秩序と維持を図り、公務の円滑な遂行を阻害していることは間違いありません。そして、都民、国民の理解を得られるものでもありません。
 さらに問題点を指摘します。
 本年四月から施行されるカスタマー・ハラスメント防止条例。深刻化するカスタマーハラスメントを問題と捉え、全国で初めて都が条例化をした、まさに東京ならではの気づきと現場感覚が生み出したものであります。そんな都議会の中で、都議会議員という優越的な地位を活用し、「しんぶん赤旗」の購読を半ば強制する行為が公然と行われております。
 そこで、議員が都職員に対する優位的な立場を利用して購読の勧誘を行う、これはカスタマーハラスメントに該当をいたしますか。

○田中産業労働局長 東京都のカスタマー・ハラスメント防止条例では、条例第二条におきまして、カスタマーハラスメントの定義として、顧客等から就業者に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、就業環境を害するものをいうと定義されてございますので、この定義に沿ってカスタマーハラスメントかどうか判断されるものというふうに考えてございます。

○松田委員 著しい迷惑行為、就業環境を害するものというカスハラの定義については分かりました。
 それでは、パワーハラスメントの定義について伺います。

○田中産業労働局長 パワーハラスメントにつきましては、国の関係法令などによりますと、一つ目に優越的な関係に基づいて行われること、二つ目に業務の適正な範囲を超えて行われること、三つ目に身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害することということで、こちらが職場のパワーハラスメントという定義になってございます。

○松田委員 今ご答弁いただいたとおりで、一つ目が、ごめんなさい、正確な文言はあれですけれども、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、二つ目が業務の適正な範囲を超えて、三つ目が精神的、身体的苦痛を与える行為、または就業環境を害する行為、これを今の答弁では、国はパワハラと定義をしています。
 日本共産党東京都議団の「しんぶん赤旗」の事実上の強制購読は、パワーハラスメントそのものです。日本共産党東京都議団の「しんぶん赤旗」の事実上の強制購読は、パワーハラスメントそのものです。いうまでもありませんが、「しんぶん赤旗」の購読料は日本共産党の財源の一部でもあります。そのため、公務員が強制的に購読させられるということは、結果的に公務員が特定政党に資金を提供させられているということでもあります。
 こうした事実があるにもかかわらず、日本共産党は、企業団体献金も政党助成金も受け取らず、国民からの浄財で活動などという都合のいいデマゴーグをまさに「しんぶん赤旗」を使ってばらまいているわけです。
 日本共産党の令和五年政治資金収支報告書によると、「しんぶん赤旗」を中心とした政党機関紙等による収入は百五十三億円、全体収入の約八割に及びます。日本共産党東京都議団の令和五年の収支報告、収入が十二億四千百万円、支出が十二億円、このうち幾らが新聞購読料なのか、これだけのお金が一体何に使われているのか、政治資金収支報告書からは全く分かりません。
 今、改めて明らかになったこうした多くの問題について、今後、議論する政治倫理条例の検討においても、しっかり議論をしていくということを申し上げておきます。
 新年度予算では、英語スピーキングテストに関わる経費も計上されています。子供たちの英語を話す力を高める上で、スピーキングテストは着実に進め、会場でも厳正なルールにのっとり進めてほしいと考えます。
 そうした中で、令和五年の暮れ、立憲民主党や共産党などを中心とする、いわゆる英語スピーキングテストに反対する議員連盟の会長である都議会議員が試験官のアルバイトとして従事していたことが報道をされました。我が会派はこれを重く受け止め、議員としての倫理規範に反するとの問題提起のほか、会場の生徒の気持ちを考え、試験の公平性担保の点からも疑問を呈しました。
 教育の現場に特定の考え方を外から持ち込むことや、影響を及ぼすのは厳に慎むことが不可欠であります。このことは、教育行政において最前線の学校のほか、子供の参加する様々な施策や事業も同様であると考えます。
 そこで、都の教育庁の実施する事業に反対の立場の都議会の議員が、その実施の現場で、子供たちの前で様々な事務や対応をするような行為がある場合、それは通常どのような意味を持つのか伺います。

○坂本教育長 地方自治体の二元代表の仕組みの下におきましては、議会は執行機関を監視する、このような役割を担っております。
 こうした中におきまして、都教育委員会の事業を実施するに当たりまして、都議会議員の先生がその運営の仕事を現場で担うと、そういうような状況については、私どもは想定はしておりません。

○松田委員 今、つまり、執行機関を監視する役割の人間が監視対象の執行機関が行う仕事を請け負うということは想定していない。つまり、二元代表制という観点からも、理事者側に入ってしまうということは、この二元代表制の根本を否定する行為だということであります。
 英語スピーキングテストに関わる、いわゆる英語スピーキング議員連盟の会長である都議会議員の報道に関して、有識者は、都議会が承認し、都が発注した事業から派生したアルバイトに従事し、議員報酬とアルバイト代の税金の二重取りに当たる可能性があるとのコメントを寄せておりました。現場に都議会議員が入った以上は、その成果がどのようなものであったのかを説明責任としてはっきり示すのが筋であるとも考えます。
 その都議は当時、試験監督に従事した意図は守秘義務があるので答えられないとしておりますが、都議会の議員として、それだけで済まされるとは考えにくいと思います。まして、政治的な中立を不可欠とする教育の事業において自らの行ったことを、責任を持ち説明することは重要であります。その行為が、法律などを踏まえ適切であったのかも明らかにすべきであります。
 そこで、都の教育委員会の実施する事業に、都議会の議員が仕事の内容に応じた報酬を受けながら参加することについて、適正さや法律のルール上から、どのような問題が出る可能性があるのかを伺います。

○坂本教育長 先ほど申し上げたとおり、地方自治体の二元代表制の仕組みの下におきましては、議会は執行機関を監視する役割を担っているということでございます。
 このため、都教育委員会の事業を実施するに当たりましては、議員報酬を受ける都議会の先生、都議会議員が、その事業に関わって、さらに報酬を受けるというようなことについては想定はしておりません。
 なお、議員の報酬につきましては、条例等に基づき適正に処理されるべきものと、このように考えております。

○松田委員 今、このこと、二重取りの問題に関しても想定をしていないという答弁でありました。議員報酬と都教育委員会での報酬の二重取り、このことに関しても都民の不信は拭えないと思います。
 この二つの問題からも明らかなように、議会は二元代表の下、執行機関の様々な行政の取組を監視する役割を担っていることが分かります。そして、議会の一員でもある議員は、執行機関の仕事を行うことは想定していない状況もあるものと考えます。
 こうした観点から、国の定める法律などを踏まえると、議員は教育委員会のような執行機関の仕事を直接担うことは可能であるのかを伺います。

○坂本教育長 繰り返しになってしまうんですが、地方自治体の二元代表の下で、議会は執行機関を監視する役割を担っているということでございます。
 こうした中におきまして、地方自治法の逐条解説などを読んでおりましても、その中に出てくる中では、議会が地方自治体の事務を直接に執行することは原則としてあり得ないとされているところでございます。

○松田委員 今ご答弁をいただきました。議員でありながら、監視する役割がありながら、執行機関の事業を行ったことは、地方自治法の逐条解説によれば原則としてあり得ない。つまりあり得ないことを行ったということであります。当然、都民の理解は得られないものと考えます。
 先ほども申し上げましたが、これは二元代表制を否定する行為であります。このことにおいても、政治倫理条例検討委員会で議論をすべきものと申し上げます。
 最後に、人材確保について伺います。
 今、警察、消防、自衛隊、こうした国を守る、そして防災上必要な組織が連携をして人材確保をしていくことが非常に重要であります。そういった中、本当に今人材不足で困っている中、例えば先日、板橋消防署では、消防庁を中心として自衛隊や警視庁、呼びかけていただいて合同説明会を行っていただきました。こうした取組をぜひ広めることによって、しっかりとこういった職種の人材確保を進めていくべきと思いますが、消防総監の見解を伺います。

○吉田消防総監 生産年齢人口が減少する中、将来にわたり必要な消防力を維持するためには、職員の確保が重要でございます。
 このため、各消防署において業務説明会を開催し、実際の消防署の業務を体験してもらう機会を提供するとともに、受験者と年齢層の近い若い職員をリクルーターとして指定し、東京消防庁の魅力や業務内容を伝えるなど、全庁一丸となった職員募集活動を実施しております。さらに、警視庁や海上保安庁等と連携し、合同の業務説明会を開催するとともに、本年一月には、自衛隊東京地方協力本部と職員募集に関する協定を締結いたしました。
 今後も関係機関と緊密に連携し、公安職の魅力を積極的に発信するなど職員の確保に取り組んでまいります。

○川松委員長 松田康将副委員長の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十八分休憩