予算特別委員会速記録第四号〔速報版〕

○菅原副委員長 玉川ひでとし委員の発言を許します。
   〔菅原副委員長退席、谷村副委員長着席〕

○玉川委員 よろしくお願いいたします。
 能登半島地震の被災地では、通信が途切れたことにより、長きにわたり多くの被災者の方がご家族や大切な人と連絡が取れず、不自由な思いをされたことと思います。
 災害時に大手キャリアの通信環境が不安定な状態が続けば、人々の不安も募ってしまいます。また、それだけではなく、特に発災当初は、通信が途切れていたことにより、行政の情報収集が遅れるなどの影響もあったと報道されています。
 都は、能登半島地震の被災地、石川県輪島市へ職員を応援派遣する際に、人工衛星から電波を受信してインターネット通信に接続する、モバイル通信ネットワーク機器のスターリンクを持参したと聞いております。
 大規模災害時には、通信の途絶が懸念されますが、首都直下地震などにおいて、区市町村や関係機関との通信の確保をどのように行っていくのか、知事の見解を求めます。

○小池知事 能登半島地震におきましては、応援に入った輪島市の通信が途絶していたため、都のモバイル衛星通信機器を活用しまして、被災地と都庁を結ぶ通信手段を確保いたしました。他の自治体にも利用されまして、現地支援に大きな役割を果たしております。
 首都直下地震などの大規模災害時には、通信事業者の回線が使用できない場合も想定されます。
 このため、都は、区市町村や関係機関との情報連絡を確実に行うため、独自の防災行政無線や衛星携帯電話などを整備してまいりました。これに加えまして、今回、地震等の影響を受けにくいモバイル衛星通信機器を配備いたします。
 都と区市町村、関係機関とをつなぎます通信体制のさらなるバックアップを図りまして、迅速な被害情報の収集や救出救助を行えますよう、災害時の情報ネットワークを強化いたします。
 こうした取組によりまして、都民の安全・安心につなげてまいります。

○玉川委員 ありがとうございます。能登半島地震の被災地支援活動において、スターリンクが活躍したことで、災害時に行政が通信環境を確保できていることが、迅速で適切な被災地支援につながるということが分かりました。
 都においても、いつ、どこで、どんな災害が起こるか分かりませんので、都内全域にモバイル通信網が整備されるということは、大変心強いものであります。
 一方で、このような防災のための最新のDX機器は、日頃から使い慣れていないと、いざ災害が起きたときに、正しく、かつスピーディーに動作させることができないといったことも考えられます。
 そこで、せっかく都内の全区市町村にモバイル衛星通信機器を配備するのであれば、ふだんから使い方に慣れておくような工夫をするべきと考えます。都の見解を求めます。

○野間総務局長 都が新たに配備するモバイル衛星通信機器は、一般的なWi-Fiと同様に、平時から利用できるものでございます。
 このため、通常業務での使用のほか、Wi-Fi利用が困難なエリアや人が集中するイベント時などにおいて活用することが可能でございます。
 防災機器を平時から使用し、習熟しておくことは、発災時の円滑な防災活動に資することから、区市町村にも積極的な活用を促してまいります。

○玉川委員 防災のための最新のDX機器を、ふだんから活用する取組を高く評価いたします。
 さきの都議会公明党東村幹事長の第一回定例会代表質問では、フェーズフリーについて取り上げ、知事からの答弁を得たところでありますが、モバイル衛星通信機器をふだんから市区町村に活用してもらう取組も、身の回りにあるもの、サービスを日常はもちろん、災害時などの非常時にも役立てるというフェーズフリーの考え方に通じるものがあります。
 これに限らず、様々な防災設備についても、平時から積極的な利用を心がけていくことが、いざというときに役に立つので、これからもこういった取組を推進していただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 災害廃棄物の仮置場確保について伺います。
 令和四年五月に都が公表した首都直下地震の被害想定では、都内の自治体が処理する年間ごみ量の八年分に相当する約三千二百万トンの災害廃棄物が発生すると推計しています。
 この災害廃棄物を効率的に処理するとともに、活用可能な資源をできる限りリサイクルするには、災害廃棄物の仮置場の確保が重要と考えます。
 また、東京二十三区は、都内事業者と災害協定を結び、災害廃棄物の処理を行う予定であり、こうした場合に、廃棄物の発生した場所から処理施設へ効率的に運搬する際の中継点としても、仮置場が重要となります。
 都は平時より、都有地のうち仮置場として活用可能な敷地を把握するとともに、災害発生時には、ごみ処理を担当する区市町村が仮置場を確保できるよう支援すべきと考えます。都の見解を求めます。

○栗岡環境局長 災害廃棄物の処理を着実に進めつつ、資源の再生利用を図るためには、仮置場の確保が重要でございます。
 昨年九月に改定いたしました災害廃棄物処理計画では、都の役割として、都有地のオープンスペースの把握に努めることや、再資源化に向けた仮置場での分別方法等を盛り込みました。また、搬入から搬出までのサイクルを短縮し、狭い敷地でも効率的に処理する運用方法等も示しました。
 今後、こうした取組の実践的な演習等を通じまして、区市町村職員の災害対応能力の向上を後押ししてまいります。
 災害発生時には、被災状況や災害対応の進展に応じた用地の活用状況を勘案しながら、関係各局とも連携し、自治体のニーズを踏まえた仮置場の確保を支援してまいります。

○玉川委員 東日本大震災では、私の地元大田区と災害時相互応援協定を締結した友好都市である宮城県東松島市において、仮置場を活用し、災害廃棄物を十九品目に分別し、約九七%をリサイクルされました。
 地元の建設協会の方が発案し、地元の被災者たち自身が参加して手作業で行われ、処理コストは百五十億円削減できたということであります。この瓦礫処理の方法は、東松島方式と呼ばれ、二〇一六年の熊本地震の際にも、西原村の復旧で活用されました。
 先ほど仮置場の分別方法を示したとの答弁がありましたが、災害時においてもリサイクルを着実に進めるためには、都民の皆様にしっかりと分別していただくことが重要であります。
 都は、区市町村に対し、都民への普及啓発の方法についても具体的に示していくべきと考えますが、都の見解を求めます。

○栗岡環境局長 災害廃棄物の適正処理、リサイクル促進に向けまして、仮置場等へ廃棄物を搬入する住民やボランティアの分別等への理解は重要でございます。
 災害廃棄物処理計画では、発災直後に区市町村が分別ルール等について分かりやすい広報ができるよう、優良事例を紹介するとともに、チラシを作成する際のポイントを示してございます。
 また、平時からホームページやごみカレンダー等で災害時のごみの出し方を周知することも促してございます。
 今後、区市町村職員を対象とした研修等におきまして、最新の事例を共有することなどによりまして、災害廃棄物処理におけるリサイクル率の向上を後押ししてまいります。

○玉川委員 ウクライナの政府関係者が先月、東松島方式の視察で宮城県東松島市を訪れたことがニュースで報道されていました。母国が今受けている被害は、震災当時の津波の被害にも通じるところがある。大量の瓦礫をリサイクルし、そのほとんどを再利用した点に注目していると、視察されたウクライナ東部の副市長さんのコメントがありました。
 東松島方式は、十九品目の分別を地元の皆様自身がやることで、雇用につながりコミュニティを生むといった役割も担ったということで、約九七%のリサイクルや、処理コストも大きく削減されたといった、分別に取り組むメリットも併せて広報していっていただくことを要望しておきます。
 続いて、安全・安心につながる施策としまして、防災訓練に関して伺います。
 令和四年第一回定例会、私の一般質問で、防災の知識だけではなく、体を動かして五感で感じる実践が大事であり、これまでの定型化した防災訓練から、様々な状況を想定した訓練へと変化が求められることを訴えました。そして、夜間の災害発生を想定した防災訓練を実施することの重要性を、地域レベルから広く普及すべきと提案いたしました。
 総務局長からは、これまで、夜間に発生する災害への心構えを各種の防災講座で呼びかけるとともに、夜間の防災訓練を実施した町会、自治会等の活動を防災ホームページで紹介してきた。来年度は、町会等を対象とした防災の専門家による学習セミナーで、夜間の発災時における具体的な備えや地域における夜間防災訓練の重要性を取り上げるなど内容を充実していくとの答弁がありました。
 そこで、その後の夜間訓練の普及に関する取組状況及び成果を確認いたします。

○野間総務局長 都は令和四年度から、東京防災学習セミナーにおいて夜間防災訓練を実施する際の留意事項等の講義を実施しており、これまで約九百人の申込みがございました。
 具体的には、夜間防災訓練の実例を踏まえた、自主防災組織による災害対策本部の立ち上げ手順や本部メンバーの参集状況の確認手法、照明器具等の防災資器材の備えなどについて講義を行ってございます。
 こうした取組によりまして、夜間防災訓練の重要性を啓発してまいります。

○玉川委員 昨年の夏は、数年ぶりに各地でのイベントが再開し、地域の町会、自治会、商店街などが開催する夏祭りや盆踊りにも数多く参加させていただきました。そこでは暑さ対策、熱中症対策のため、ほとんどの会場で冷水や麦茶などの給水の用意がされていました。
 また、先日、自治会主催の餅つき大会が、雨の中、自治会内の公園にて行われました。地域活性化のイベントではありますが、災害時の一時避難所となる公園にてテントを立てて、資器材を使用して、グループに分かれて参加者にお餅を配布したりと、災害時を想定した訓練の要素もあることを実感しました。
 悪天候の中や夜間でのイベントなど、町会、自治会が日常とは異なる状況での活動経験によって、地域に必要な防災訓練の内容など新たな発想も生まれてくるのではないかと感じました。
 そこで、地域の底力発展事業助成における防災活動に対する支援状況と、来年度の取組内容について伺います。

○横山生活文化スポーツ局長 都は、地域の底力発展事業助成によりまして、防災訓練や防災講習会など地域の防災力を強化する取組を行う町会、自治会を支援しております。
 この助成を活用し、避難場所となる公園と町会会館をリモートで結ぶ情報伝達訓練や、地元の大学と連携して外国人が参加した防災訓練など、町会、自治会による創意工夫のある取組が行われております。
 来年度は、防災活動の助成率を引き上げまして、こうした取組が地域でさらに広がるよう支援を進めてまいります。

○玉川委員 実際に地域での防災訓練の参加者の顔ぶれが毎回あまり変わらないのと同じように、防災意識がまだまだ一部の都民に偏っているというのが現実であると思います。
 防災意識が高い方は、自分で自助力、共助力を上げるための取組をしますが、災害が発生すれば全ての都民が被害に遭うことになります。
 そこで、より多くの地域住民が、世代を超えて防災意識を高めていく協力体制が必要と考えますが、若い世代である都立高校における地域と連携した防災訓練及び避難所設営、運営訓練についての取組と成果を伺います。

○浜教育長 各都立高校では、毎年度、生徒が区市町村の防災担当者や消防団員等の助言を受けながら、避難所の設営や避難者の誘導、炊き出しなどの防災訓練を行っております。
 こうした取組により、学校からは、災害時に自分のできることで地域に貢献しようとする生徒の意識が高まったなどの成果が報告されるとともに、地域住民からは、いざというときに高校生が頼れる存在であることが分かったなどの声が寄せられています。
 都教育委員会は、来年度も引き続き、各学校の防災訓練に要する経費を確保してまいります。

○玉川委員 地域に貢献しようとする高校生の意識の高まりと、いざというときに高校生が頼れる存在であるといった地域の思いが調和して、また新たな力が生み出されることを願うところですが、さらに地域の自治会、町会とマンション住民との調和も必要と考えます。
 町会とマンションとの合同防災訓練の支援事業においては、働いている方も参加しやすくする工夫など、町会とマンションが主体的に意見交換しながら取り組むよう支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○横山生活文化スポーツ局長 来年度開始をいたします町会とマンションの合同防災訓練の支援事業におきましては、町会とマンションの仲介役となるコーディネーターを派遣しまして、訓練の開催に向けた調整を行います。
 調整に当たりましては、集まりやすい時間設定やイベントと合わせた開催など、より多くの住民が参加できる訓練の実施方法につきまして、町会とマンションがアイデアを出し合えるように支援をしてまいります。
 この事業を通じて、住民が主体的に防災活動に取り組む基盤づくりを進めてまいります。

○玉川委員 災害はいつ発生するか分からないことから、防災訓練だけではなく夜間や悪天候の中でのイベント開催などによっても、地域にどのようなものが必要なのかといった新たな発見があるかと思います。自治会、町会で導入した資器材も、災害時や防災訓練のときだけではなくいざというときすぐに使えるよう、また、限られた人ではなくより多くの人が使えるように、日頃から使用して慣れておくという備えが大事であると思います。
 いざというとき地域住民が協力し合って防災活動に取り組む基盤を日頃から構築できるよう、この事業の実施に当たっては、住民の意見を聞きながらきめ細かく対応してもらうことを要望しまして、次の質問に移ります。
 中小企業の製品開発への支援について伺います。
 近年、身の回りにあるものやサービスを、日常時はもちろん、災害時の非常時にも役立つようにデザインするフェーズフリーという新しい概念、考え方が広がりを見せています。
 先日の我が会派の代表質問でも知事に確認しましたが、防災や減災につながる製品開発の際にこうしたフェーズフリーの発想を取り入れることは、東京の災害対応力を高めるとともに、都民の防災意識の向上や安全・安心につながる有意義なことと考えます。
 都においても本年度より、フェーズフリー対応の製品など都民の安全・安心につながる製品開発への支援を行っています。いざというときの東京の災害対応力や、防災、減災意識を高めていくため、これらの製品開発に取り組む中小企業をしっかりと支援するとともに、製品の認知度の向上や普及促進への支援を強化すべきと考えますが、都の見解を求めます。

○坂本産業労働局長 安全で安心な生活を送る上で、日常で使う製品を災害時にも活用する取組を後押しすることは効果的でございます。
 これまで都は、災害が発生したときに使う製品の開発やその普及の後押しを行ってまいりました。
 具体的には、そうした製品を開発する取組に関し専門家を派遣し、その助言の内容の実現に必要な経費の三分の二に、上限一千五百万円まで助成を実施しております。また、その販路開拓に必要な経費の二分の一を、三百五十万円まで支援をしてまいりました。
 この支援につきまして、今後、専門家が製品開発に関しまして、日用品として利用するための助言も行います。また、セミナーの中で、日常的に使うことを想定した商品づくりの必要性等を説明いたします。

○玉川委員 まだまだフェーズフリーという言葉の認知度は低いかもしれませんが、この言葉を知らなくても、実際にはその概念や考え方が反映された製品やサービスはたくさんあると思います。
 いずれは、エコ、ユニバーサルデザイン、ライフ・ワーク・バランスといった言葉のように、誰もがこの言葉の意味を理解して、一般的に使われるようになり、SDGsのように多くの取組がなされ、災害の対応力や防災、減災意識の向上、安全・安心に大きくつながっていくことを願いまして、次の質問に移ります。
 先月二月八日、ライフ・ワーク・バランスEXPO東京二〇二四に参加いたしました。
 十五年ほど前、まだワーク・ライフ・バランスと呼ばれていた頃、前職IT企業のサラリーマンをしていたときにこの言葉に出会い、職場の有志と自己変革に取り組み、とても充実した、わくわくする職場生活を送ることができたことが懐かしいです。
 そのときにとても影響を受けた小室淑恵氏による基調講演、社員の幸せと、企業の成長戦略としてのライフ・ワーク・バランスを今回受講いたしました。その講演の中で、経営において睡眠が注目されているとの話がありました。
 人は、朝起きてからたったの十三時間しか集中力が持たず、十五時間以降は酒気帯び運転と同じぐらいの集中力しか発揮できない。その状況で無理に残業をしていくとミスを犯しやすくなり、また、そのミスで叱責され、モチベーションも下がっていく。
 また、睡眠して六時間までは体の疲れを取り、六時間以降の睡眠でようやく脳の疲れ、つまりストレスを解消していくので、六時間以上寝るということがとても重要であり、睡眠不足の上司ほど部下に侮辱的な言葉を使うとか睡眠の質が悪いと攻撃的になるなど興味深い研究結果も幾つか引用されておりました。
 睡眠の改善については、単純に睡眠時間を長く取ればよいということだけではなく、質の高い睡眠の確保が重要であると思います。
 私は、令和五年第二回定例会の一般質問で、中小企業で働く従業員の質の高い睡眠の確保が従業員の健康増進や企業における生産性向上の観点等から重要であることを訴え、都は、社員の良質な睡眠が、仕事に対する集中力の向上や健康の増進につながることを伝える機会を増やすと答弁いたしました。今回、早速このような内容の講演会が実施されたことを高く評価いたします。
 このような普及啓発は、仕事における睡眠の重要性を広く事業者等に理解していただくという点で大変重要でありますが、例えば公益社団法人全日本トラック協会では、運転手が睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査を行った際に助成を行っており、このような事例も参考に、一般企業においても取組が進むようさらなる後押しを行うことも重要であります。
 都は来年度、従業員の質の高い睡眠の確保に向けた支援をより強力に展開すべきと考えますが、都の見解を求めます。

○坂本産業労働局長 中小企業が社員の健康を守るため、質のよい睡眠の確保に役立つ職場環境の改善を図ることは必要でございます。
 このため、都は今年度、ライフ・ワーク・バランスを推進するイベントにおきまして、社員の睡眠確保に向け優れた取組を行った会社を紹介いたしました。また、睡眠の不足が仕事に及ぼす影響を社員に速やかに知らせる機器等の展示も実施をいたしました。さらに、働き方の改革に関するセミナーで、社員の睡眠の確保の必要性を伝える工夫も行ったところです。
 来年度は、社員のため、睡眠を妨げる病気に関しその治療に係る助成や通院に応じた柔軟な勤務の仕組みなどを導入する企業に対し、最大四十万円の奨励金を支給いたします。

○玉川委員 先ほど紹介した講演会では、平均睡眠時間が上位の企業ほど利益率が高く、あと一時間長く寝る社会になることで国民一人当たりのGDPの向上、利益率の向上、生産性の向上、ワークエンゲージメント向上、メンタル疾患罹患率低下、過労死、過労自殺防止といった効果が考えられ、他国では、睡眠は国家戦略であるといった話もありました。
 そして、睡眠七時間を確保し、勤務と勤務の間を十一時間空ける勤務間インターバル制度や、残業しないが当たり前といった働き方改革に取り組んだ幾つかの会社が、結果的に従業員の出生率が四倍以上にもなったという話も講演の中で紹介されていました。
 都は、世界的に短い都民の睡眠時間として既に課題認識があると思いますが、他国では国家戦略でもあり、先ほどの事例のように少子化対策にもつながっていく重要な課題であると思いますので、再度、この睡眠の重要性を見直して、他局とも連携して取り組んでいかれることを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 昨年、第三回定例会、都議会公明党代表質問で、宝くじをより当たりやすくし、一等賞金も高額化すべきと質問、要望いたしました。
 都は、来年度の都のブロックくじから購入者のニーズを酌み取り、関係機関とも調整を行いながら賞金体系のバリエーション拡充を検討すると答弁しました。
 そこで、来年度からの都のブロックくじの取組について説明を求めます。

○山下財務局長 宝くじ収入は都の貴重な財源の一つでございまして、売上げ確保に向けて、様々な購入者のニーズに合わせた魅力あるくじを発売していくことが重要でございます。
 このため、来年度の都のブロックくじにおきまして、賞金体系のバリエーションの拡充に取り組んでまいります。
 具体的には、関係法令を踏まえつつ、新たに中間等級の当せん本数を大幅に増やした、より当たりやすさを重視したくじや一等賞金を高額化した百円くじなど年間を通して多様な商品を発売いたします。
 こうした取組を通じまして、都のブロックくじの活性化を図ってまいります。

○玉川委員 この取組の効果を検証し、ジャンボ宝くじについても、より当たりやすいくじや一等賞金の高額化を検討すべきと考えます。都の見解を求めます。

○山下財務局長 ジャンボ宝くじは、都道府県と二十の指定都市とで共同して発売する全国自治宝くじの一つでございます。
 それぞれのジャンボ宝くじの賞金体系は、最高賞金など法令で定められた範囲の中で、直近の販売状況等を踏まえつつ、各発売団体で合意の上、発売をしているところでございます。
 ジャンボ宝くじの賞金体系の設定に当たりましては、購入者のニーズや嗜好等をきめ細かく把握し、検討していくことも重要でございます。こうした観点から、来年度の都のブロックくじの新たな取組について丁寧に効果検証を行いつつ、その内容を他の発売団体とも共有してまいります。

○玉川委員 宝くじの収益金は東京都の収入になり、道路や橋、学校、公園の整備など都内の公共事業に使われていると、イメージキャラクター、クーちゃんを活用した広報とともに、あなたに夢を、まちに元気をとのキャッチコピーのように、宝くじを買いたいと思う人が増えて盛り上がっていくことを願いまして、次の質問に移ります。
 能登半島地震で元旦から災害対応を続ける自治体職員が、一月末に休みを取って、金沢市の銭湯で約一か月ぶりに湯舟につかったときは、こんなにも心も体も温まるのかと涙が出そうになったと、新聞記事を目にいたしました。これが銭湯の存在価値であり、銭湯の大きな魅力であると思います。
 最近では、東京サイト、ひるまえほっとの#いいお湯見つけました、じゅん散歩など、テレビやメディアでも連日のように銭湯が紹介され、その魅力が伝えられています。
 コロナ禍や燃料高騰で残念ながら廃業される銭湯もある中、新たなデザインでリニューアルして、入場待ちになるような若者に人気の銭湯もあります。一年半ほど休業されていた創業昭和三十年代の老舗銭湯、台東区の白水湯も先週三月七日にリニューアルオープンし、SNSでも話題になっています。
 昨年度より、東京一〇一〇クーポンのキャンペーンや変わり湯イベント、#推し湯をさがせ!を実践し、銭湯の新たな客層の開拓の支援に都が取り組んできたことを高く評価いたします。
 そこで、さらに新たな客層の開拓として期待しています観光客向け銭湯の魅力発信・利用促進プロジェクトについて伺います。
 二〇一三年、東京二〇二〇大会が決まった際、東京の銭湯では、訪日外国人に銭湯に入ってもらおうと様々な意欲的な取組が行われていたことと思います。
 私の地元大田区では、外国人による銭湯の入り方といったユーチューブ動画を多言語で配信し、この十年で、日本語版で四万五千回、英語版では四十七万回を超えるほど再生されております。
 二〇一七年には、羽田空港から銭湯文化を世界に発信と題して、世界の玄関口である羽田空港国際線ターミナルお祭り広場で、SENTOを世界の言葉にと銭湯の魅力を語るトークイベントを開催、翌年はVisit Otaと題して、和菓子づくりの実演ライブなどとともに、銭湯大使フランス人女性、ステファニーさんと、フロリダ出身銭湯サポーター、アルフレッドさんによるトークショーが行われ、美容と健康、コミュニティ、宮造りや銭湯絵などアートといった外国人目線での三点にわたる銭湯の魅力を語られ、東京二〇二〇大会で訪れるであろう外国人をターゲットに、機運を高めてきておりました。
 また、浅草に宿泊している外国人観光客が、地元大田区の銭湯に入浴しに来たときのエピソードを店主から聞いたことがあります。浅草から都営浅草線に乗って、西馬込駅まで来て、そこからさらに十数分歩いて、その銭湯に入浴しに来たとのことです。
 どうしてわざわざ浅草から大田区のここまで来たのか尋ねると、タイムアウト東京の記事に、ここの銭湯が紹介されているのを見たからだとのことでありました。この話を耳にして、外国人にダイレクトに銭湯の魅力を伝えることが、公衆浴場、銭湯にインバウンド客を呼び込むのに効果的だと感じました。
 観光客向け銭湯の魅力発信・利用促進プロジェクトにおいても、実際に銭湯に足を運んでもらうためには、東京を訪れている外国人観光客に銭湯の情報を直接届けるとともに、これから日本に来ようとしている方にも広報すべきと考えます。都の見解を求めます。

○横山生活文化スポーツ局長 銭湯の魅力発信・利用促進プロジェクトの実施に当たりましては、空港のサイネージなどで東京の銭湯の魅力を観光客にPRするほか、都内の特色ある銭湯を紹介する動画や、銭湯の入り方などを解説する入浴体験記事等を制作して、海外メディアにも発信をいたします。
 また、ホテル等にご協力をいただきまして、銭湯に足を運んでもらえるよう、宿泊客に割引入浴モバイルクーポンを配布いたします。

○玉川委員 私もこれまで、各地の銭湯を巡る中で、大きなバッグを持った旅行者や外国人の方には、どこから来ましたか、この湯はどうですかと声をかけて友達になり、銭湯の魅力やお勧めの店など、地域の情報交換などをしてきております。
 あるとき、母親だけ入浴したい、少年は入りたくない、だからフロントで待っているというウラジオストクからの旅行者の親子と遭遇しました。入浴を終えたばかりの私は、母親が入浴している間、裸になるのが恥ずかしい十六歳の思春期の少年をフロントでお守りするサポートをしました。
 お互いのスマホの翻訳機能で会話を行い、ラーメンではなく、うどんを食べたいという彼の要望に応えて、風呂上がりの母親と三人で夜の蒲田のまちを歩き、一緒にうどんを食べてお別れしました。懐かしい思い出であります。
 コロナ禍では、銭湯は黙浴、黙って入るという、飛沫防止のために会話は自粛しましょうという取組が定着していましたが、今は会話もできるようになり、このような銭湯での国際交流も盛んにできるようになりました。
 今回のプロジェクトにおいても、このような外国人の呼び込みの様々な取組をする銭湯を支援すべきと考えます。都の見解を求めます。

○横山生活文化スポーツ局長 今回のプロジェクトでは、銭湯において外国人の受入れ体制整備が進むよう、入浴上の注意書きなどの多言語表記や、翻訳アプリを活用した接客、おもてなしマニュアルや英語版サイトの作成などへの支援も行います。
 加えて、外国人対応等の基本的ノウハウを習得するための研修の実施も予定しております。
 こうした取組を通じまして、都内の銭湯にインバウンドの獲得に意欲的に取り組んでもらえるよう、後押しをしてまいります。

○玉川委員 外国人を銭湯に迎えるのは、銭湯経営者だけではなく、その銭湯を愛するサポーターである入浴客も一役買うものであると実感しております。
 おもてなしの精神で受け入れるというコミュニティの場であるのが銭湯の魅力であります。大きな浴槽で、お湯につかって気持ちいい、公衆衛生、健康増進などに加えて、そこに集まる人との出会いや交流も銭湯の大きな魅力であります。
 まだまだ可能性を秘めた銭湯の魅力が、外国人の受入れによって、また化学反応を起こして、新たな価値が生まれていくことも考えられます。
 今後も斬新な発想で多くの人が銭湯に足を運ぶようになることを願いまして、次の質問に移ります。
 先月初旬に、地元大田区のJR大森駅西口付近の木造店舗で火災が発生し、SNSやニュース報道など、その立ち上がる炎の映像が話題となりました。
 現場には消防車が二十四台駆けつけ、狭い道路での消火活動のために駅前の池上通りが長時間通行止めになり、火災の影響でJR京浜東北線と一部の東海道線が運転を見合わせ、約五万八千人に影響が出ました。
 JR大森駅の西側では、都市基盤施設整備のテーマとして、つなぐとの言葉を掲げ、令和四年一月に、大森駅西口広場とともに、補助第二八号線、池上通りを拡幅する都市計画決定がなされ、池上通りの拡幅整備が行われることになりました。
 また、大森駅西口広場の整備により、歩道と一体となった歩行者空間や、にぎわい空間が創出されることとなり、大森のウオーカブルなまちづくりの実現に向けて、着実に進めていただきたいと強い期待を持っているところです。
 そこで、安全・安心のまちづくりに、大森駅付近の補助第二八号線の整備が寄与すると考えられますが、その整備効果について見解を求めます。

○中島東京都技監 今回の補助第二八号線の事業は、大森駅西口付近の五百三十メートルの区間で、幅員約十五メートルの現道を拡幅するとともに、バスやタクシーの乗降場等を整備するものでございます。
 本路線の整備によりまして、駅周辺の交通の円滑化が図られますとともに、鉄道やバス等との乗換え利便性が向上し、交通結節機能が強化されます。
 また、道路整備に合わせて、災害時の道路閉塞を防止する無電柱化を実施することで、地域の防災性が向上いたします。

○玉川委員 駅周辺の交通の円滑化や乗換えの利便性の向上、無電柱化による防災性向上といった整備効果があることが分かりましたが、補助第二八号線や大田区が行う大森駅西口広場の予定地は、隣接する鉄道との高低差があり、通称地獄谷と呼ばれる大森駅山王小路飲食店街のお店が現在も経営を続けております。
 また、JR大森駅は、一日の乗車人員が約七万人にも及び、駅前は早朝の通勤通学の時間帯から深夜まで、多くの人が行き交い、にぎわっています。
 このような状況におきまして、着実に事業を進めるには、地元の理解と協力が必要であると考えますが、大森駅付近の補助第二八号線の取組状況について見解を求めます。

○中島東京都技監 本路線につきましては、大田区が施行する大森駅西口広場整備事業と一体的に整備を進めることとしておりまして、これまで区と連携し、基本的な道路構造等の検討を進め、都市計画変更素案の説明会やオープンハウス等を開催してまいりました。
 先月には、都と区がそれぞれ事業認可を取得し、現在、事業の進め方等について、区と協議を行っているところでございます。
 今後、来年度に開催を予定している用地説明会に向けて準備を進めますとともに、本路線と広場との接続方法や、鉄道近接部の施工方法等について検討を重ねてまいります。
 引き続き、地元の理解と協力を得ながら、区と連携し、着実に事業を進めてまいります。

○玉川委員 早期整備を望む地元の強い要望もあり、大森駅前の放置自転車の対策も、周辺に駐輪場が確保できる見込みがないといった大田区の課題もあります。
 都が進める拡幅事業とともに、大田区が進める大森駅西口広場の地下空間の利用を含めた一体的な整備の推進も非常に重要であり、今後も地域住民への事業の周知と理解に努めながら、大森のまちづくりを支える道路整備を着実に進めていただくよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 機能性が高い太陽光発電システムの支援について伺います。
 太陽光パネルの設置義務化を含む新制度の施行が一年後に迫る中、ハウスメーカーやパネルメーカーは、東京の地域特性を踏まえた様々な製品の開発を進めていると聞いています。
 家庭用太陽光システムは、標準タイプ以外にも、小型タイプのもの、壁に設置できるもの、効率よく発電するもの、故障を検知する機能を有するものなど、製品化されています。
 こうした製品は高価であることから、都は今年度から、機能性が高い太陽光発電システムを認定の上、インセンティブをつけて補助を実施しています。
 このような技術は日進月歩で向上していることから、定期的に認定を見直し、市場での普及を後押ししていくべきであると考えますが、都の見解を求めます。

○栗岡環境局長 太陽光パネルの設置拡大に向けまして、都市特有の課題に対応した太陽光発電システムの普及促進が有効でございます。
 そこで、都は、小型、建材一体型、軽量型、防眩型及び出力最適化の区分別に認定基準を設けまして、十五社、百三十六件の製品を認定し、三つの住宅向け補助事業で、キロワット当たり最大五万円の上乗せ補助を実施してございます。
 来年度に向けましては、最新の製品開発や市場動向を調査の上、認定製品を更新するとともに、初期費用ゼロスキーム等を含む五つの補助事業に対象を拡大いたします。
 今後も、パネルメーカー等の創意工夫を促しながら、機能性が高い太陽光発電システムの普及促進に取り組んでまいります。

○玉川委員 都において、機能性が高い太陽光発電システムについて、最新動向を把握しつつ、支援の拡充を行っていくということでありますが、今後も、普及拡大に向け、最新の技術進展を注視しながら、基準を随時見直していくことをお願いしまして、次の質問、最新の技術として注目されているペロブスカイト太陽電池について伺います。
 私の地元大田区では、小学校にある小型の街灯にペロブスカイト太陽電池とセンサーを搭載し、照度や温度などの違いによる発電データの収集や、発電した電気を使って点灯する実証事業が行われています。
 児童の学習端末でリアルタイムに状況を確認できるなど、次世代の子供たちに、次世代太陽電池エネルギーへの関心や、ものづくりの技術の理解などが高まる取組が進められています。
 また、同じく大田区内にある都の下水道処理施設、森ヶ崎水再生センターでも実装に向けた検証を進められていることもあり、地元の方々と接する中で、ペロブスカイト太陽電池に対する区民の関心が高まっていることを実感しています。
 ペロブスカイト太陽電池は、従来の太陽電池と比較して薄く、軽く、フレキシブルといった特徴を持つため、耐荷重の少ない屋根や建物の壁面など、設置できる場所の拡大につながる可能性があります。
 ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けては、耐久性などクリアすべき課題があることも承知しておりますが、開発企業が様々な環境下で検証や改良を進められるよう、都からさらに後押しすることは重要だと考えます。都の見解を求めます。

○栗岡環境局長 再エネのさらなる導入拡大に向けましては、設置場所の拡大が期待できるペロブスカイト太陽電池を早期に実用化していくことが重要でございます。
 このため、都はこれまで、下水道処理施設や都庁舎などをフィールドとして提供し、耐久性や発電効率の向上など、開発事業者の実用化に向けた取組を後押ししてまいりました。
 来年度からは、都施設に加えまして、都内の民間施設等も含め、開発事業者がこれまで以上に多様な環境で技術向上に向けた取組が進められるよう、設計や工事などに要する費用の三分の二を、四千万円を上限として支援してまいります。
 こうした取組の強化を通じて、ペロブスカイト太陽電池の社会実装をさらに加速してまいります。

○谷村副委員長 玉川ひでとし委員の発言は終わりました。(拍手)
 機材の準備を行いますので、しばらくお待ちください。
   〔谷村副委員長退席、委員長着席〕

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