予算特別委員会速記録第三号〔速報版〕

○内山委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員外議員の発言の申出について申し上げます。
 上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、本日及び三月二十五日の委員会に出席をして発言したい旨の申出がありました。
 この際、本件に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○曽根委員 日本共産党を代表し、委員外議員の発言の申出について意見を述べます。
 我が党はかねてより、議員の発言の機会はひとしく保障されるべきであると主張してきました。
 都議会では、予算の審査が予算特別委員会と各常任委員会に分割付託されていて、予算特別委員会に委員を出していない会派は、自分が所属する常任委員会に分割付託された部分しか予算審議することができません。少数会派には予算全体の審議に対する発言の機会が保障されていないということになります。
 よって、委員外議員の発言の申出は認めるべきだと考えます。
 以上です。

○内山委員長 発言は終わりました。
 本件は、起立により採決いたします。
 上田令子議員の発言を許可することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○内山委員長 起立少数と認めます。よって、上田令子議員の発言は許可しないことに決定いたしました。

○内山委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十八号議案までを一括して議題といたします。
 昨日に引き続き総括質疑を行います。
 松田康将理事の発言を許します。
   〔委員長退席、小松副委員長着席〕

○松田委員 徳川家康が一六〇三年に江戸幕府を開府して以来、東京には江戸から続く歴史や文化に大きな価値があると考えます。
 「未来の東京」戦略 version up 二〇二四、この六七ページなんですけれども、江戸の歴史文化を世界遺産にという記載がありました。かなり踏み込んだフレーズが盛り込まれた印象もあります。
 昨日の川松委員のプロジェクションマッピングの質問の中で、東京のナイトライフ充実度は低いという、世界の都市の指標別データで、これは偏差値でいうと四十五だそうなんですが、同じように、世界遺産への近接性というのも四十九と非常に低い値になっています。
 世界遺産を目指すということは、東京のプレゼンス向上に向けては、非常に大きな提案だと思います。
 そこで、まず、江戸の歴史や文化の持つ魅力に対し、これまで都はどのように取り組んできたのか、お伺いします。

○古谷政策企画局長 都はこれまでも、東京のプレゼンス向上に向け、江戸から続く東京の魅力を広く発信してまいりました。
 例えば、江戸東京博物館での展示をはじめ、江戸東京きらりプロジェクトによる技術やノウハウの継承のほか、昨年度には、有識者から成ります歴史・文化を軸にした東京の魅力発信に係る懇談会を設置しました。
 懇談会の中で、今では世界に広まる、すし、のれんなど、江戸を代表する文化の魅力を掘り下げ、江戸の生活や文化に根差した人々の工夫など、その英知を改めて示しました。
 こうした魅力や英知について、体験型のデジタルコンテンツを作成し、都庁展望台やメタバース空間において、分かりやすく発信してまいりました。

○松田委員 これまで江戸の歴史、文化の魅力発信の取組を進めてきた、今回はそのさらに強化をするというご答弁でありました。
 東京において江戸の魅力発信の拠点といえるのは江戸東京博物館であります。現在、改修工事をしておりますが、国内外の方々にとって、より一層、魅力あふれる施設にしていただければと思います。
 この江戸博のすぐ隣には両国国技館があります。江戸時代に庶民の娯楽として広がったのが相撲の興行であり、もうすぐ咲き誇る桜をめでる花見、この風習も江戸時代からであります。
 ハード面でいえば、当時の情景を思わせる江戸城の石垣だったり、大名庭園、これもその魅力の一つではないかと思います。
 一方で、世界遺産というのは、かなりハードルが高いものであると思います。仮に世界遺産に登録するとなれば、何をどう目指すのか、かなりの時間、そして調整が必要となります。歴史的、文化的な影響力などが評価されて、晴れて世界遺産となるものと思います。
 そこで、世界遺産という目標に向かって、今後どのように進めていくのか、小池知事の見解を伺います。

○小池知事 かつて世界最大の人口を誇って、サステーナブルでもあった江戸でございます。江戸には、現代でも未来でも通用する英知、そして魅力が存在をいたしております。これらを我々が直面する課題の解決に生かしていくことが重要です。
 これまでの取組に加えまして、江戸の歴史、文化の魅力をさらに掘り下げるため、先般、東京の観光振興を考える有識者会議に新たに部会を設置いたしました。そして、そこで検討を深めていくことといたしました。
 さらに、全庁横断的な検討体制を立ち上げまして、国や関係機関とも連携を図りつつ、今も残る有形無形の史跡や伝統文化などが有する意義や価値に、改めて焦点を当てることによりまして、江戸の歴史や文化を、世界に誇る遺産として、後世へと継承してまいります。

○松田委員 魅力を発信するだけでなくて、遺産として後世へと継承していく、この考え方は大変重要であります。知事の、江戸の歴史、文化を世界遺産への思いと取組を我々もバックアップしてまいりたいと思います。
 全庁横断的に進めていくということでありますが、日本国内だけではなくて、海外の方にとってもその魅力をしっかりと伝えていけるよう、今後の継続的な取組をお願いしたいと思います。
 さて、徳川家康が命じて各地の街道につくらせた一里塚というものがあります。多くが国の指定の史跡になっているんですが、中山道の三番目の史跡に志村一里塚というのがありまして、先日、知事に揮毫をしていただきまして、今月、石碑が完成をするという運びになっております。ぜひ江戸の文化の発信にも協力のため、除幕式などご参加いただけたらというふうに思っておりますので、ご検討をお願いいたします。
 次に、自動運転についてお伺いしたいと思います。
 自動運転技術は、人手不足に悩む公共交通の維持確保につながる、都市のインフラを支える重要な技術であります。
 中国やアメリカなど一部の都市において、自動運転サービスの社会実装が進められている一方、日本は、まだまだ技術開発の途上にあって、このままでは、世界の潮流から取り残されて、国際競争力の低下につながる、そういったおそれがあります。
 そこで、日本における自動運転の社会実装を加速していくことが重要と考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 江戸から令和の時代によるわけでございますが、自動運転については、人や物の移動の円滑化、そして効率化に資するものでございます。
 その社会実装に向けましては、事業者による高い安全性の確保に加え、人々の自動運転に対する十分な理解が必要でございます。
 そのため、都は、国と連携を図りながら、東京を実装フィールドとして提供いたしまして、国産技術の育成、成長を促してまいります。
 また、SusHi Tech Tokyo 二〇二四の場などを活用しまして、都民が自動運転に見る、触れる、体験する機会を創出いたしまして、理解と共感を深めてまいります。
 こうした取組を通じて、東京において自動運転の実装を加速することで、人や物の移動を革新させ、人々のQOL、生活の質の向上、都市の魅力、ひいてはプレゼンスの向上につなげてまいります。

○松田委員 自動運転については、国も実装に向けた取組に力を今入れているところであります。
 二〇二三年四月から改正道路交通法が施行されまして、いわゆるレベル4の自動運転が解禁されるなど、技術開発に先立って、法制度の対応が進められております。
 国とも連携をして、国産技術の育成を促していく、こういったご答弁でございましたが、これから自動運転の実装を進めていく上で前提となる人々の自動運転に対する理解促進、すなわち社会受容性の向上にも取り組んでいく必要があると思います。
 そこで、この社会受容性を向上させるために具体的にどのように取り組んでいくのかを伺います。

○古谷政策企画局長 来年度は、事業者等が行う自動運転の社会受容性向上の取組に対する支援を新たに実施いたします。
 具体的には、試乗体験やパネルディスカッション、ワークショップなど、幅広い世代の方に自動運転に関する体験や学びの機会を提供する場合に補助を行います。
 こうした取組を通じて、自動運転に対する不安を解消し、身近なものとして理解促進を図り、社会実装を進めてまいります。

○松田委員 この社会受容性を進めていくためには、地域の方が日頃から利用するコミュニティバス、こういったものの身近な公共交通への自動運転を積極的に活用していくことも有効だと考えます。
 一方で、地元自治体からは、導入する際の負担が大きいことや、交通環境への対応などについて具体的な方策が分からないなどと伺っております。
 公共交通への自動運転技術の導入を進めるためには、区市町村や交通事業者に対して、積極的に支援をしていくべきと考えますが、具体的にどのように取り組むのかお伺いいたします。

○谷崎都市整備局長 自動運転技術は、運転手不足への対応など、社会的課題を解決できる可能性を有しており、公共交通に自動運転を生かしていくことが重要でございます。
 都は、区市町村等による公共交通への自動運転の活用を推進するため、技術的支援として、実証実験における検証方法や地域の交通特性に応じた安全対策などを盛り込んだガイドラインを今月中に策定いたします。
 加えて、来年度から補助制度を創設し、自動運転システムの修繕費等、導入期の費用負担を軽減してまいります。
 こうした取組により、様々な地域における自動運転技術の導入を支援してまいります。

○松田委員 ご答弁ありがとうございます。
 本当にお金がかかるんですよね。例えば、選手村で動いたe-Paletteというトヨタの車、あれ当初五億円ぐらいしたそうなんであります。国にも補助制度があるそうでありますので、国ともぜひ連携をして、区市町村をバックアップしていただきたいと思います。
 地元板橋区も平らな地形——今、平らじゃないとできないんですね、平らな地形で、高齢化が進む、高島平というところがありまして、そこどうでしょうかということで去年から導入の検討をお伺いしていたんですが、なかなかちょっと準備が間に合わないということでありますので、ぜひ準備できた区市町村を、全面的に国と協力をして、都がバックアップをお願いをいたします。
 次に、また東京の魅力向上という観点から、資産運用立国、東京の国際競争力の強化について質問します。
 我が党の本会議質問を通じて、東京がアジアのイノベーション、金融ハブとなることを目指す、そういった答弁がありました。これを実現するためには、人材と資金、この二つの視点が必要だと考えます。
 まず、イノベーションを生み出すには、知恵やアイデアを持つ人々が国の垣根を越えて交流することが重要であります。
 そのためには、特区などを活用して、多様な人々が我が国で活動し、国内の人材と交流できる環境を整えることが重要となりますが、都の取組について伺います。

○吉村スタートアップ・国際金融都市戦略室長 都は、様々な関係者から高度外国人材が活躍する上での課題を聞き取り、在留資格の緩和を国に提案してきてございます。
 投資を呼び込む観点では、昨年十月の国家戦略特別区域会議で、外国人投資家を対象とした在留資格の創設を提案し、先日、実現に向け検討を進める方針が示されました。
 また、イノベーションを活性化する観点では、昨年六月に、リモートワークをしながらの滞在を可能とする、いわゆるデジタルノマドビザの創設を提案し、今年度中の制度化が予定されてございます。
 さらに、先週の区域会議では、在留外国人の副業による起業活動を迅速に許可する仕組みを提案したところでございまして、今後とも、現場ニーズを踏まえた規制改革を積極的に働きかけてまいります。

○松田委員 ポテンシャルの高い海外の若者を呼び込む、国の未来創造人材制度の創設の際には、ビザの創設を都が提案したと聞いております。高度外国人材を呼び込むための規制緩和を、都が引き続きリードしていくことをお願いをいたします。
 二つ目は、やはり資金ですね。資金の流れを大きくする、これが重要であります。
 しかしながら、資金運用のところは、過去の実績が非常に重視をされていることによって、創業間もない事業者は原資の獲得に苦労するというお話を聞いたことがあります。
 こうした課題に対処しながら、意欲ある資産運用業者が活躍できる環境を整備していくことが重要でありますが、都として、資産運用業者の育成にどのように取り組むのかお伺いします。

○吉村スタートアップ・国際金融都市戦略室長 都は、新興の資産運用業者がイノベーションにつながる投資を実践できるよう、FinCity.Tokyoと連携し、海外の年金基金や政府系ファンドといった機関投資家とのマッチングを実施しており、これまでに、運用資金を獲得した事例が生まれております。
 こうした事例をさらに多く生み出すため、今年度は、特色ある運用方針を持つ十五の資産運用業者を選定し、本年一月、国内外の投資家などが参加するアセットマネジメントフォーラムで公表いたしました。
 今後、海外の機関投資家などへのプロモーションを展開し、運用につなげることで、新興業者の成長を後押ししてまいります。

○松田委員 新興資産運用業者がチャレンジできる機会、これをたくさん生み出すことに、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 人材と資金、この両面からの取組によって、投資とイノベーションの循環が起きてまいります。その上で、大切なのはこうした日本市場の取組やそのポテンシャルを世界に向けて強力に発信をしていくことであります。
 折しも、我が国の株価は最高値を更新しており、世界の注目を集めております。
 そこで、この機に、スタートアップなど成長分野に資金を呼び込む視点をもって、海外に向けて東京の魅力を強力に発信すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 我が国は、世界有数の経済規模や技術力のみならず、確固たる法の支配、成熟した都市インフラなど、世界に伍していく都市としての魅力が備わっております。
 昨今では、企業統治改革など投資促進に向けました取組も進みつつございます。
 我が国に、再び注目が集まっているこの機を逃すことなく、グローバルな資金を呼び込む世界へのプロモーションを果敢に展開をしてまいります。
 五月のSusHi Tech Tokyoにおきましては、海外から都市のリーダーやスタートアップ、投資家をお招きいたしまして、日本のポテンシャルを体感いただくとともに、持続可能な社会に向けた先進的取組をPRいたします。
 また、私自身や職員が様々な海外都市に赴きまして、現地での交流を通じた関係構築を進めております。
 海外に向けました情報発信拠点を新興著しいインドのベンガルールに新たに設けるなど、英語での発信を含めました総合的なプロモーションを展開しまして、東京を世界に選ばれる都市としてまいります。

○松田委員 投資とイノベーションの好循環を日本全体で実現すべく、東京都を牽引していただきたいと思っております。
 次に、デジタル関連の質問をしていきたいと思います。
 私は、デジタル庁にお伺いをして国の動向を確認した上で、都において、いわゆるアナログ規制の見直しについて昨年の第一回定例会で、一般質問をしました。
 これは、我が国の行政や社会の基本的な構造を形づくる法制度やルールにおいて、いまだ書面だったりとか対面だったり、こういったアナログ的な手法を前提とするものが残っております。こういった、対象条項を一日でも早く示し、各局の人材も活用しながら見直しを進めていくべき、そういった指摘でございます。
 そこで、今年度、都では、アナログ規制の見直しについて、どのような取組を行ったのか伺います。

○山田デジタルサービス局長 アナログ規制につきましては、都民の利便性向上に向けた取組を着実に進めるため、まず、全庁的な対象項目の洗い出し調査を実施いたしました。
 その結果、条例や規則など該当する規定が約千八百条項あることを確認し、対応可能なものから見直しを開始いたしました。
 具体的には、目視による現場確認でのドローンやカメラ、センサー等の活用、報告書などの閲覧における来庁方式とオンラインの併用などによる改善を行っております。
 さらに、全庁一体となった取組を推進するため、関係局から成る検討会を設置し、見直しの方向性を議論するとともに、改善の先行事例の共有など横展開を図っております。

○松田委員 条項の洗い出し調査、そして局横断検討会による議論など、規制の見直しに向けた取組を進めてきたということでありました。引き続きスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。
 都におけるアナログ規制の、今、約千八百条項というご答弁でありましたが、これだけ多くの規制の見直しを進めていくに当たっては、規制の趣旨や目的、現場の特性などから見て、直ちにデジタル技術を活用するのが困難な場合もあると思います。
 こういった視点も踏まえて、今後アナログ規制を見直すに当たっての課題及び今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。

○山田デジタルサービス局長 アナログ規制の見直しに当たりましては、衛生管理や事故防止などの観点から、代替技術の安全性や実効性などの検証が求められます。
 また、今ある業務を単にデジタルで置き換えるのではなく、現場の業務フローを丁寧に見直し、サービス向上に確実に結びつけていく必要がございます。
 このため、今後の対応方針や具体的な取組を定めた工程表を今月中に取りまとめた上で、各局と連携し、それぞれの業務に適した最新のデジタル技術の導入を進めるとともに、現場との意見交換を通じて、デジタルを活用した効果的な仕事の進め方を確立してまいります。
 こうした取組によりまして、令和七年度末を目指し、アナログ規制の見直しを推進してまいります。

○松田委員 今、令和七年度末をめどにということでアナログ規制を見直すということ、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、東京データプラットフォーム、TDPFについてお伺いします。
 本年一月末、官民データの連携基盤となる東京データプラットフォームが稼働いたしました。
 私はこれまで、民間データの活用を一貫して主張してまいりました。これを拡充するためには、民間企業が新たなビジネス展開の可能性を感じられるような運営を行って、参加を増やしていくことが必要であります。
 また、イノベーションを生み出すためには、組織や業種の垣根を越えて、多様なプレーヤーがデータを利活用できるようにサポートすることも重要だと考えております。
 今後、東京データプラットフォームにおいて、民間からの付加価値の高いデータを拡充して、利活用による新たなサービス創出につなげていくために、どのように取り組んでいくのかを伺います。

○山田デジタルサービス局長 一月に稼働いたしました東京データプラットフォームには、現在、二百を超える企業などが参画しており、人流や交通など広域的な民間データの掲載も始まっております。
 さらなるデータの拡充に向け、利用範囲や費用等の条件を柔軟に設定できるようにし、データを保有する企業への働きかけを進めております。
 また、データ利活用を促進するため、GovTech東京と協働で、会員間のマッチングや技術的サポートなどを行っております。
 来年度は、プラットフォーム上で会員同士がアイデアを出し合い情報交換できる場の提供や、観光や防災等をテーマとするコミュニティを立ち上げ、サービス開発を促進いたします。
 民間データの利活用を後押しし、新たなサービス創出につなげてまいります。

○松田委員 丁寧にご答弁ありがとうございます。今後、民間データがさらに利活用されていく中で、行政情報や医療情報、人流情報など都が国と連携してさらに積極的に進めていただくことをお願いいたします。
 次に、デジタル地域通貨プラットフォームについてお伺いします。
 我が会派の本会議の代表質問では、区市町村の地域振興に関して、自治体独自のアプリやQRコードとも連携できる基盤として整備する、こういった答弁がありました。
 私の地元板橋区には、デジタル地域通貨、いたばしPayというのがありまして、これと健康に関する活動を連動させ、区民の健康と経済の支援を目指す、いたPay健幸ポイントというのがあります。
 これ、八千歩歩くと、一ポイントもらえます。一円なんですけどね。これを毎日続けて、健康になるし、ポイントももらえて、それを地域通貨で使える。こういった取組なんですが、地元では、都が構築するデジタル地域通貨プラットフォーム、仮称Tokyo Tokyo Pointがリリースをされると、いたばしPayが使われなくなってしまうんじゃないかとか、あとは競合をやめてもらいたい、そういった声が上がっています。
 これは、仕組みが分かりづらいために起こる、誤解もあると思います。
 そこで、区市町村がプラットフォームを活用しやすいようにするよう、自治体独自のアプリと連携しやすくする、そういった構築をするとともに、関係者へ丁寧に説明をしていく必要があると考えますが、取組を伺います。

○山田デジタルサービス局長 都が開発するデジタル地域通貨プラットフォームは、区市町村も活用できるデジタル共通基盤として構築いたします。
 現在、民間QRコード決済事業者を活用するスキームの具体化や、ポイント移行の機能など自治体独自のアプリとの連携などにつきましても検討を進めております。
 区市町村に対して、来年度早期に、連携や活用の方向性を含めた説明会を開催するとともに、都のプラットフォームの利用意向も確認しながら、地域活性化に資する仕組みとなるよう開発を進めてまいります。

○松田委員 今のご答弁は、Tokyo Tokyo Pointで得たポイントを、連携する地域通貨などのPayに移行することも検討していくというような答弁でございました。オーケーですね。——はい。ということでございました。
 区市町村が活用しやすい仕組みとなるよう構築を進めて、多くの都民が利便性を実感できるサービスが次々と各局や区市町村から提供できるよう、取組を進めてもらいたいと思います。
 例えば、高齢者がなかなかデジタル化が進まない状況があるというのを踏まえて、一例ですけれども、例えば六十五歳以上とか八十歳以上とかにポイントが増えるような仕組みなども今後検討していただけたらいいかなと、デジタル化促進に向けてはプラスになるのではないかと思いますので、ご検討よろしくお願いいたします。
 次に、マンション防災に移ります。
 特に大規模な水害や地震の際には近隣に住む、様々な形態の住居における住民同士の共助の取組が重要になってまいります。
 まず、多くの都民が住まうマンションの防災対策を一層進めることを通じて、地域全体の防災力の向上に取り組んでいく必要があると思いますが、都の見解を伺います。

○山口住宅政策本部長 マンションの防災対策を進めることにより、地域全体の防災力の向上につなげていく視点は重要でございます。
 例えば、浸水のおそれのある地域に位置する東京とどまるマンションに対して、停電時に高齢者等が上層階に避難できるようエレベーターの非常用電源の整備や、簡易トイレや救護用品等の購入などを支援することにより、個々のマンションの防災力を強化してまいります。
 あわせて、こうしたマンションが災害時に地域の防災拠点として機能するためには、周辺町会等と合同で防災訓練を行うことなどが効果的であり、今後、関係局や地元自治体との連携を図りながら働きかけを強化してまいります。
 これらによりまして、地域全体の防災活動を活性化させてまいります。

○松田委員 やはり、とどまるというからには、エレベーターの非常用電源ですとか簡易トイレというのは非常に重要になってまいります。
 マンション防災を進める上で、地域との連携も重要な課題であります。来年度、都は、町会マンションみんなで防災訓練を開始します。
 そこで、この防災訓練を促進する事業において、町会とマンションの関係構築にどのように取り組んでいくのかを伺うとともに、あわせて、対象としているマンション、どういうマンションを想定しているのかを伺います。

○横山生活文化スポーツ局長 本事業では町会、自治会から申請を受け付けましてコーディネーターを派遣し、訓練の準備段階から事後の振り返りまで、町会、自治会とマンションが一体となった取組を促進し、日頃から顔の見える関係の構築につなげます。
 各地域や対象となる町会とマンションの状況に応じた取組が行われるよう、区市町村とも十分に連携をして事業を実施いたします。
 初年度は、町会との連携主体となり得る管理組合が組織されている分譲マンションから開始をいたしまして、事例を積み重ねながら、地域における共助の取組が広がるよう支援を進めてまいります。

○松田委員 都はこの事業を通じて、地域の町会と分譲マンションを顔の見える関係にしていくという、今ご答弁だったと思うんですが、当然のことながら、賃貸のマンションも都内には多数ございます。今後、事業の対象を賃貸まで広げることを要望して、次の質問に移ります。
 次に、葛西臨海水族園の新施設整備についてお伺いをいたします。
 近年、例えば美術館においては障害の有無にかかわらず鑑賞できる、触れて楽しめる展示が普及するなど、様々な分野でインクルーシブな取組が進んでいます。
 一方、水族館の展示は、一般的に来館者が目で見る、水槽を見る、視覚的に見て楽しむことを前提とした展示が多いので、触覚や嗅覚といった五感を使って楽しむ、多角的に楽しめる施設というのは少ないように感じております。
 昨年、我が会派で夏に葛西臨海水族園を視察した際に、新施設で計画をされているバリアフリー対応について、説明を伺いました。車椅子やベビーカーの利用者も含めて来園者が自由に観覧ルートを選べる動線設計がされており、分かりやすい表示サインもしてあり、点字ブロック、音声案内、ハード面の対応は充実をしているというふうに感じました。
 あらゆる人々が訪れる施設であります。また、未来を担う子供たちが学ぶ教育機関でもある水族園だからこそ、展示などソフトの面からもインクルーシブな施設であってほしいと思います。
 視察した際、そう感じ、以来、要望をしてまいりました。
 ハードだけではなくてソフト面でのインクルーシブが重要であります。
 そこで、水族園の整備をどのように進めようとしているのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 新しい葛西臨海水族園でございますが、世代や障害の有無などにかかわらず訪れる全ての人が快適に楽しめる、日本一アクセシブルな水族園を目指しております。
 例えば、生き物が暮らす環境を音や温度など五感で体感できる展示や、障害に応じました観覧ツアーなど、一人一人に寄り添いましたプログラムを楽しめるようにいたします。
 また、施設内のレイアウトの工夫や徹底しましたバリアフリー化によって、車椅子やベビーカーの利用者なども含めまして、全ての来園者が自由なルートで観覧できるようになります。
 これらの実現に向けて、障害者や子供などが参画するアクセシブルプロジェクトを来月、立ち上げることといたしております。
 全ての人が楽しみ、体験を共有できる水族園を、都民の皆様とともにつくり上げてまいります。

○松田委員 当事者の意見を丁寧に伺いながら、当事者と共に、あらゆる人が同じように楽しめる水族園づくりに取り組んでいるというご答弁でございました。
 障害があっても楽しめる展示を、関係者みんなでつくり上げていくという試みは我が国で他に例を見ないものでございます。このプロセスを経ることで日本一インクルーシブな水族園になることを期待しております。
 次に、樹木の取扱いについて伺いたいと思います。
 現在の水族園のガラスドームは、有名な建築家である谷口吉生さんが手がけた、ランドマークともいえる建物であります。都はこれを地域や団体の方々からの要望を受けて、保存するということにしています。これによって、現状保存をして、隣の芝生広場に新規に水族園を建設するということは、どうしても樹木の伐採を伴うこととなると思います。
 そうした樹木をどのように扱おうとしているのか。また、公園の樹木に対して、都はどのような考えを持っているのか、伺います。

○中島東京都技監 新施設の整備に当たりましては、工事の影響を受ける樹木について、樹木医による樹木診断を実施の上、移植し生かしていくこととしております。
 もとより、公園の樹木は、憩いの場や多様な生物の生息空間といった公園の役割を効果的に果たすことができるよう、計画的に植栽し育成していくものでございます。
 こうした考えの下、新施設と既存施設との間に移植する樹木を活用するとともに、新たな植栽も行いまして共生の杜を整備するなど、緑豊かな環境を将来に向けて引き継いでまいります。

○松田委員 限られた条件の中で、最大限努力をしているということは分かりました。引き続き、理解を得られるよう丁寧な説明をよろしくお願いを申し上げます。
 続いて、SAFについて伺います。
 航空業界の脱炭素化に向けて、廃食用油からの国内SAFの商用化が二〇二五年頃に始まると聞いております。
 こうした中、都はいち早く、自治体による廃食用油の回収拡大への財政支援、そして企業と連携をした都内スーパーでの回収に取り組むなど、その積極的な取組をする一方、全国の廃食用油の排出量は年間約五十万トンでありまして、半分は国内で飼料原料などにリサイクルをされています。二〇三〇年に百七十万キロリットルと推計されるSAFの必要量を考えると、別の原料からの製造も必要だと思います。
 東京で日々大量に排出をされる廃棄物には、廃食用油以外にも、SAFの原料となるバイオマスなどが多く含まれております。こうした廃棄物からのSAF製造を推進すべきと考えますが、都の取組を伺います。

○栗岡環境局長 今後のSAF需要量の大幅な増加を見据えまして、廃食用油以外の廃棄物を原料とすることも重要でございます。
 現在、国内外の企業で、都市ごみや木質廃棄物等からSAFを製造する技術開発が進められてございます。
 都は来年度、一般廃棄物を使ったSAF製造技術の開発に取り組む企業を三事業者程度公募し、将来的な商用化も視野に入れた事業計画の策定や、SAF製造所へ搬送するルート構築等の検討を支援してまいります。
 さらに、今後、業界の垣根を越えてSAF普及拡大等に取り組む団体と連携し、廃食用油の都内回収量拡大に取り組むとともに、一般廃棄物からのSAF製造を積極的に後押ししてまいります。

○松田委員 SAFの供給拡大に向けては、都には、廃食用油の回収拡大はもとより、都内廃棄物を原料としたSAF製造についてしっかりと取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、プラスチックのリサイクルについてお伺いをいたします。
 かつて二十三区においては、プラスチックは不燃ごみとして最終処分場に埋め立てていましたが、平成二十年からは最終処分場の延命化を図るため、可燃ごみに切り替えて、清掃工場で焼却をされてきました。
 しかし、現在は、気候危機対策として焼却に伴うCO2の発生の抑制が求められておりまして、多摩地域に比べ取組が遅れていた区部においても資源の循環利用に向けたプラスチックのリサイクルが重要となっております。
 私の地元板橋区でも、来月から、容器包装プラスチックと製品プラスチックの分別収集を開始いたします。
 分別収集を円滑に進めるためには、自治体の収集体制の整備はもちろんですが、住民の協力が不可欠であります。プラスチックのリサイクルの意義や分別方法について、日本語を母語としない方や若い方を含めた地元住民の皆さんの理解を得て進めていくことが重要であります。
 都は、プラスチックのリサイクルに向けて、住民の十分な理解を得て自治体の分別収集が一層進むよう支援することが重要と思いますが、都の取組について伺います。

○栗岡環境局長 自治体のプラスチックの分別収集は、住民の理解と共感を得て進めていくことが重要でございます。
 都は、言語の課題や世代に対応した伝わりやすい多様な普及啓発方法を、勉強会で自治体と共有するとともに、多言語対応の動画や分別AIチャットボットなどの啓発ツール等の制作経費や収集運搬業務等経費を、今年度は十九自治体に対して支援してまいりました。
 来年度は、分別収集を開始する自治体の増加に合わせまして、プラスチック再資源化支援の予算として、今年度の約三倍に当たります二十八億四千万円を計上し、強力に後押ししてまいります。
 今後も、住民の理解を得たプラスチックの分別収集が進みますよう、自治体のニーズに即した支援を実施してまいります。

○松田委員 都の支援をいただいて、予算を三倍にするということですよね。地元住民にしっかりと丁寧な説明をしているということは分かりました。
 プラスチックのリサイクルを進めることは、持続可能な資源利用の実現を図るとともに、二〇三〇年のカーボンハーフに向けた取組にも貢献をするものであります。自治体によるプラスチックの分別収集が一層進むよう、引き続き都が丁寧な対応、支援をしていくことを要望しまして、次の質問に移ります。
 次に、板橋市場の機能強化についてお伺いをさせていただきます。
 機能強化に当たっては、交通利便性が高い、周辺に住宅地が隣接しているといった板橋市場の立地上の特性を生かして、DXなどによる物流の効率化、市場流通における存在価値の向上、地域との連携推進などを進めていくべきであります。
 まず、板橋市場において、道路交通のアクセスに優れ、敷地に比較的余裕がある物流面での優位性を生かして、デジタル技術の導入などによって物流効率化を図れば、ドライバー不足による輸送力の低下が懸念をされる物流二〇二四年問題に対して、ドライバーの拘束時間の短縮を図る貢献ができると思います。
 また、板橋市場は、青果と花きが併設をされているんですが、現在、青果、花きでは建物が離れているので、施設整備を契機に接続性を高めることによって、花きとの連携を深め、共同配送などにより協力して物流効率化を図れる環境を整えることも検討に値すると思います。
 そこでまず、板橋市場において、DXなどによる物流効率化について、どのような取組を検討しているのか、お伺いします。

○早川中央卸売市場長 都は、板橋市場におきまして、道路交通の利便性が高い立地を生かし、広域的な物流拠点として機能強化を図る計画を進めております。
 具体的には、デジタル技術を活用した物流効率化の取組といたしまして、卸売市場内等での荷物の搬送を省力化する装置やトラックの搬入時間を事前予約するシステムの導入等を検討しております。
 また、施設整備を通じて、荷物や車両の移動が同一方向となるよう物流動線を整理いたしますとともに、荷待ちのトラックが待機できるスペースを確保することで場内物流の効率化を図る予定でございます。
 さらに、青果と花きの物流面での連携強化に向けまして、共同荷受場等として供するため、青果棟と花き棟との間に双方を接続する屋根の設置を検討しております。

○松田委員 次に、板橋市場の生鮮品流通における存在価値を高める取組についてお伺いをいたします。
 全国の産地から、多種多様な生鮮品が、都内各地に点在する各小売店や飲食店まで分荷されており、毎日送り届けられているのは、卸売市場において、生鮮品等を効率的に流通させる仕組みが既に確立しているためでございます。
 市場経由率というのは今、低下傾向にあります。しかし、生鮮品などの安定的な流通を確保していくためには、卸売市場はなくてはならない、不可欠な存在であります。
 顧客ニーズに応えるなど、市場流通における存在意義を強固なものにするため、やれることはまだまだあるはずであります。
 そこで、板橋市場の具体的な取組予定をお伺いいたします。

○早川中央卸売市場長 都は、板橋市場の機能を強化し、生鮮品等流通における役割を十分に果たしますため、量販店等のニーズに対応する加工、荷さばき機能の拡充を図ってまいります。
 具体的には、施設整備の検討に際して、加工や荷さばきに必要となるスペースの十分な確保に留意いたしますとともに、荷さばきや配送作業が円滑に実施できるよう施設の使用方法の整理などを行います。
 また、加工設備等の整備に当たりましては、建物の構造体を都が整備し、内部の仕上げや設備を各事業者がニーズ等を踏まえて創意工夫し整備する、スケルトンインフィルの考え方を取り入れ、将来的な環境やニーズの変化等にも柔軟に対応できるようにいたします。

○松田委員 板橋市場が将来にわたって市場流通における役割を果たすために重要なことであると思います。
 次に、近隣に住宅地があるこの立地を生かして地域との連携を深める取組についてお伺いをさせていただきます。
 板橋市場は、荒川の氾濫時には浸水リスクがあるエリアにも立地をしており、浸水対策は、板橋市場だけでなく、周辺地域への貢献も配慮して考えるべきであります。
 また、地域の活性化を図るために、生鮮品などを販売するマルシェの開催などに協力し、にぎわいの創出などに貢献することも検討していくべきだと思っています。
 こうした災害対策などの地域課題解決に寄与する取組、さらには地域に親しまれる市場づくりを推進することで、地元住民の皆様方から、板橋市場にさらに好感を持って支持されるように努めるということは、市場運営を円滑に進める上ではとても大事なことだと思います。
 そこで、災害対策などにおいて、地域との連携をすることについて、都の見解を伺います。

○早川中央卸売市場長 都は、板橋市場における災害対策の強化といたしまして、非常用発電機を増強いたしますとともに、非常時の利用も想定した太陽光発電設備の設置に取り組んでまいります。
 また、防災面で地域に貢献いたしますため、地元町会の要望も踏まえ、荒川の氾濫危険時に、被害防止のため地域住民の乗用車等を市場内の上層階に退避できるよう、地元区と調整しながら検討してまいります。
 さらに、周辺地域の活性化に向けた取組といたしまして、地元区や地域住民と連携しながら、市場まつり等により地域との交流をより一層深めますとともに、食育や花育の活動スペースを設けることなどを行ってまいります。

○松田委員 今ご答弁いただいたように、災害時に乗用車を市場内に逃がす、最初は避難所にしてほしいという要望があったんですけれども、あそこは新河岸川、荒川が氾濫すると二週間水が引かないという地域でもありまして、想定をされておりますので、孤立してしまうんであったら、まず人は高台に逃げる、そして、車を逃がしておくことによって、車が駄目にならないようにする、そういった取組を進めていただいたこと、本当にありがとうございます。
 また、これは都市整備なんですけど、避難路として城東の方で認められている高速道路の避難、また引き続き検討を、ちょうど首都高五号線がありまして、逃げられるところですので、ご検討いただければと思っています。
 板橋市場は、地域に支えられながら、日々の営業活動を円滑に実施をできていることを忘れずに、地域を支えるため、地域貢献に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 来年度の基本計画の策定に当たっては、板橋市場の立地の特性を生かして機能強化についてのさらなる検討の具体化を図って、大田市場や豊洲市場といった全国拠点型の市場と、板橋市場が同じ役割を担うことを想定するのではなく、この二つの市場とは一線を画す新たな市場となるよう、また一方で、沿岸部の二市場が被災をした際のバックアップ機能も持ちながら、特色ある整備を進めることをお願いして、次の質問に移ります。
 次に、笑顔と学びの体験活動プロジェクトについてお伺いをさせていただきます。
 このプロジェクトでは、各学校が、二百種類を超える多様なプログラムから、児童生徒の実態に応じて選択できるようにしており、今年度、公立学校では、九割を超える参加があったと聞いております。板橋区は全校が利用させていただきまして、ありがとうございました。
 プログラムには、劇場での鑑賞後における出演者との交流、これ、この間、都立学校の卒業式に出て、来ていた中学校の校長先生が、この人は劇団四季に行ったというんですけど、裏で舞台の演者と交流できた、本当にありがたい、バスも出してくれてありがたいということをおっしゃっていました。
 また、様々な国からの留学生によるワークショップなど、児童生徒が学校の授業や日常生活で経験できないような内容もあって、大変すばらしい取組であります。
 都教委は、来年度もこの笑顔と学びの体験活動プロジェクトに取り組むと聞いております。
 そこで、このプログラムの内容をさらに充実していくべきと考えますが、今後の取組について伺います。

○浜教育長 来年度のプログラムにつきましては、今年度、プログラムの実施後に各学校から得た評価や、体験に参加した児童生徒のアンケート結果を踏まえ、さらなる充実を図ってまいります。
 また、令和七年に東京で開催される世界陸上、デフリンピックを見据えたアスリートとの交流や競技の体験などのプログラムを追加いたします。
 さらに、都教育委員会が提供するプログラムに加えまして、児童生徒のアイデアを取り入れ、体験活動を複数回にわたって計画的に行う取組を新たに実施いたします。

○松田委員 来年度から、新たに複数回のプログラムを増やすというご答弁がありました。
 また、ご答弁にあった二〇二五年の世界陸上、デフリンピックの先にも多くの世界大会が東京で開催をされると思います。昨日の川松委員の代表質問でも触れましたが、eスポーツの世界大会も東京都が積極的に誘致をして、この面でも世界とつなぎ、子供の笑顔を広げていただきますよう、これは産労さんとか生文さんだと思うんですけど、よろしくお願いを申し上げます。
 また、ちょっと今、都教委に答弁に立っていただいたので、ちょっと一個、懸念しているのは、やはり来年度から、私立高校の授業料実質無償化が始まることによって、都立高校の将来を非常に心配、憂慮しております。
 さきの我が会派の菅野幹事長の代表質問では、普通科の進路多様校と工科学校において来年度から新たな取組をする。これは非常に高く評価をします。
 ただ、もう一段、二段、三段、上げていかなければならないと思っています。
 東京の子供の人口というのは、あと六、七年は増加をするんですが、その後は減少に転じていきます。一方で、特別支援学校の教室というのはもう何年も前からいっぱいです。将来的に、この統廃合ですとか転用といったことを考えなければならない時期がもうすぐそこに来ているのかもしれません。
 その前に、都立高校の魅力向上に向けて、例えば都立大学とのさらなる連携の強化でしたりとか、都立高校同士の合従連衡を進めることによって、これから受験をしようと思う中学生やその保護者に、都立高校に行きたいという魅力をもっと感じてもらえるような取組を、さらに、現場の校長先生も熱い人がいっぱいますので、ぜひ現場からの声も聞いて進めていっていただきたいと思います。
 次に、一日保育士体験の質問を、私、昨年の一般質問でさせていただいたんですが、ここで質問をして、結果として、東京都は、昨年九月の待機児童対策協議会で、一日保育士体験を実施している自治体の取組内容を共有をして、区市町村に働きかけをしていただきました。
 結果として、実施自治体は、昨年度の九自治体から、今年度は十八自治体に増加をしたと伺っております。
 その際、知事からは、都の職員も含めて取組が広まることは有効というご答弁をいただき、また、当時の西山福祉保健局長からは、都の職員にも呼びかけてまいりますとのご答弁がありました。
 その後、どのような対応を行われたのか、また、一日保育士体験の取組を広げるため、今後、どのように取り組むのか、伺います。

○佐藤福祉局長 保育士体験は、我が子以外の子供と触れ合うことで保護者の養育力を向上させるほか、保育士にとっても、保育内容を保護者に直接説明する機会にもなります。
 こうしたことから、本年一月、都の職員に対し、自身の子供が通う保育所での一日保育士体験への参加を呼びかけており、今後も、参加した保護者の声を紹介するなど、継続的に呼びかけてまいります。
 あわせて、区市町村や保育団体を通じて、保育所に対し一日保育士体験の積極的な実施を働きかけてまいります。

○松田委員 保育団体にも呼びかけるということは、これは区市町村立、公立だけではなくて、私立などにも呼びかけていくというご答弁でありました。
 ちなみに、理事者の中で、保育士体験をやられたことあるという方はいらっしゃいますか。——チーンって鳴りましたけどゼロですね。そのチーンじゃないと思うんですけど、できればやっていただきたいなと思うんですね。
 私は去年もお願いしたんですけれども、この一階には、とちょう保育園もあります。いっぱいの人が押しかけるとちょっと迷惑だと思いますので、知事、どうでしょうか。ぜひ体験をしていただいて、こういった取組を広めるアピールをしていただきたいとお願いを再度しておきます。
 次に、健康長寿医療センターの話をします。
 私の地元板橋区にありますが、昨年十二月に他の病院に先駆けて、アルツハイマー病の新たな抗体医薬のレカネマブの投与を開始いたしました。
 投与に当たっては、原因物質とされる脳内のアミロイドベータの計測や脳内出血などの副作用への迅速な対応が必要でありまして、こうした医師の診断支援に、センターの認知症研究の知見を生かすことが期待をされます。
 このセンターでは、認知症の早期診断、早期対応に向けて、医師の診断を補助するAI認知症診断システムの開発を企業との共同開発によって進めておりますが、進捗状況と今後の取組について伺います。

○佐藤福祉局長 東京都健康長寿医療センターでは、軽度認知障害など診断が難しい初期の段階での見落としを防ぐため、AIを活用して医師の画像診断をサポートする認知症鑑別システムを開発しております。
 また、新たな抗体医薬の副作用として挙げられる微小脳内出血をAIを用いてMRI画像から検出する脳疾患診断システムの開発も進めております。
 来年度は、こうした認知症の早期発見、早期対応に資する研究を、医療機器メーカー等とも連携しながらさらに推進いたしまして、臨床現場での活用普及を図ってまいります。

○松田委員 昨日の我が党の川松真一朗委員の代表質問で、DX推進に向けて、宮坂副知事からは、組織の縦割りを打破していくという趣旨の力強い答弁がありました。その際、知事は何度も大きくうなずかれていらっしゃいました。就任以来、都庁組織や予算の在り方への東京大改革を掲げてきた知事の覚悟を感じたところであります。
 DX推進だけでなく、TOKYO強靱化プロジェクト、新興・再興感染症対策であるワンヘルス、都市競争力の向上、子供政策。東京都が今、全力で取り組むべき課題は、いずれも組織の縦割り打破、構造改革が不可欠であります。
 これまでも、都政の課題に応じて迅速果敢に組織改編をしていますが、有機的に機能するまでさらなる改善が必要です。引き続き、小池知事の強いリーダーシップが期待をされます。
 そこで、学生時代から海外を経験し、民間を経て、国政、大臣、そして今、都政のトップとしてかじ取りをする上で、都庁組織の現状評価と、今後の構造改革をどのように後押しをしていくのか、知事の決意を伺います。

○小池知事 知事に就任しまして以来、都民ファースト、そして東京大改革の旗印の下で、例えば強靱化、そしてまたデジタル、DXによる構造改革など、本当に様々なプロジェクトに取り組んでまいりました。それも、組織横断で施策をスピーディーに推進してきたと存じます。
 時代は大きな転換点を迎えております。その中で、東京が直面する課題も複雑であり、また、多様化しております。そして、世界の動きはますます激しく、速くなってきている。そこで新たな価値を生み出していく社会へとスピーディーに変えていかなければ、世界から取り残されるという危機感も感じるところでございます。
 目まぐるしい社会課題の変化に、速やかにキャッチアップできる組織を目指しまして、今後も、都庁の各局に横串を刺す、そして組織の英知を結集する、そのことによりまして、明るい東京の未来に向けた改革を先頭に立って推し進めてまいりたいと考えております。

○松田委員 ありがとうございます。強い決意をいただきました。
 今、都庁内の話をされましたが、都庁内だけではなくて、今後も連携をして、国にも縦串を刺して、共に構造改革を進めてまいりましょう。
 終わります。

○小松副委員長 松田康将理事の発言は終わりました。(拍手)
     

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