予算特別委員会速記録第四号

   午後六時十分開議
○福島副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 関野たかなり委員の発言を許します。

○関野委員 まずは、ロシアによるウクライナへの侵攻について、知事の基本姿勢についてお伺いをいたします。
 私は北多摩一区選出で、三市で構成されているんですが、そのうちの一市、東大和市には、旧日立航空機株式会社の変電所、市の文化財があります。建物の内外には三百以上の弾痕や銃撃痕などがありますが、昨年、耐震工事をやっと終えまして、内部の一般公開がされ、小中学校、教員、または民間団体など多くの方が訪れ、戦争の悲惨さなどを体験していただいております。
 一方、海外では、二十一世紀とは思えない侵攻行為が発生し、二度と戦争を起こしてはならないという思いを新たにしているところです。
 今般のウクライナ情勢も含め、戦争に対する知事の思いをお伺いいたします。

○小池知事 まず、さきの大戦で犠牲となられました全ての御霊に謹んで哀悼の誠をささげ、ご遺族の皆様に心からの追悼の意を表したく存じます。
 このたびのウクライナへの軍事侵攻ですけれども、間もなくもう二週間がたとうとしています。荒廃する現地の状況、また増え続けている市民の犠牲に本当に心が痛むばかりであります。ロシアの行為は決して許されるものではありません。
 私自身は、エジプト留学中に第四次中東戦争に遭遇しておりまして、また湾岸戦争直前のバグダッドに入り、また空爆直後のパレスチナのガザ地区にも取材や視察で入っておりまして、まさにリアルで冷徹な世界の動きを幾度か経験もしてきたわけです。
 そういう意味では、戦争は決してあってはならないし、また今般のウクライナ情勢を踏まえて、改めて平和の尊さを胸に刻んでいきたいと考えております。

○関野委員 ありがとうございます。
 海外で今この瞬間に起きている戦争は、これまで戦争に触れたことがなかった人々に、戦争の無益さを伝える貴重な機会ともいえます。悲惨な状況が起きている今だからこそ、平和へのメッセージを伝える取組を強化すべきというふうに考えますが、知事の考えをお伺いします。

○小池知事 先ほど議員のご質問にありました東大和市の取組ですけれども、多くの方々に戦争の悲惨さ、そして平和の大切さを実感していただくという意味でも、大変意義深いものでございます。私自身、市が開催されます平和市民の集いにメッセージをお送りしたこともありまして、改めてその取組には敬意を表したいと存じます。
 我が国、戦後七十年以上にわたって平和を享受してきたわけです。これは戦没者の尊い犠牲と先人たちのたゆまない努力のたまものにほかならないわけですが、深刻度を増すウクライナ情勢や、北朝鮮によるミサイルの発射ですね、これは度重なるので、だんだんこれはむしろ鈍感になってしまっては危ないなと思っておりますが、我が国や国際社会を取り巻く状況は予断を許さないわけです。
 改めて、平和国家の日本の首都である東京を預かる知事として、平和の重要性を強く認識をしております。
 また、戦禍の犠牲となられた方々の思いを受け継いで、誰もが安心して暮らせる東京の実現に向けまして、全力を尽くしてまいります。

○関野委員 ありがとうございます。
 最近はコロナでちょっと開催ができていませんが、平和市民の集いには毎回メッセージをいただき、ありがとうございます。
 実は、平和市民の集いが開催される前から、東大和市では、そのとき私はというような形で、戦争の体験者の方にメッセージをいただく、またはビデオで出ていただいて、そのときのことを話していただくといったことを行ってきました。何だかんだ十何年続いて、もう十五冊というふうになっております。
 まだまだ東大和市の件については話したいんですが、質問もありますので、最後に時間ができたらちょっと皆さんにお伝えしたいなというふうに思っております。
 それでは次に、太陽光発電の設置義務化についてお伺いします。
 基本的にこの設置義務化については評価しているところですが、環境局の事務事業などでも、廃棄に対する問題定義を何度もさせていただきました。そのときの答弁では、近年、首都圏近郊では、民間事業によるリサイクル施設が稼働し始めているということでしたが、今後、廃棄量が増えてこなければ、費用的にかつ企業としては回らないということで、現状、廃棄処分、リサイクルについてはいまだに検討中な状況であります。ただ、やはり製造者責任、排出者責任などの観点から、家電リサイクル法のように、事前に廃棄費用を製品購入時に支払うなど、検討も必要と考えております。
 また、現在、審議会が行われておりますが、建物の所有者が直接設置する方法と、事業者が屋根貸しという形で初期費用を抑えた設置方法があるとの話もありますが、事業者の場合は十年、二十年で製品が所有者に移行されてしまうなどの契約も聞いているところです。正直、事業者の屋根貸しであれば、最後の撤去まで対応するのかなというふうに思っておりましたが、結果的には最後の撤去は所有者となる契約形態となると。このような契約では、最終段階の廃棄処分、リサイクルに回らない可能性も考えられます。
 設置を考える都民が、廃棄の際に想定外の費用の負担を求められたり、円滑に廃棄ができないなど、事態が生じないようにすべきと考えますが、都としての対策をお伺いします。

○栗岡環境局長 現在、都は、環境審議会の分科会におきまして、新築住宅等への太陽光発電設備の設置義務化の検討に当たって、適切な設置や運用、廃棄等についての検討も進めてございます。
 具体的には、設備設置の検討や設計、施工、維持管理等が適切に行われるよう、関連団体等との連携によるマニュアル等の作成、公表、また適正な廃棄、リサイクル等に対する関係部署との連携等を提示してございます。
 今後、住宅供給事業者や太陽光発電メーカーに対しまして、適切な設備設置の提案等を行うことによりまして、都民等の理解促進が図られるよう、都としても積極的な働きかけを行っていくとともに、維持管理等について検討をさらに深めてまいります。

○関野委員 太陽光発電設備の設置拡大を進めていく上で、設備設置に加え、その後の維持管理や廃棄、リサイクル等について、今から十分な検討を行っていくことを強く要望をしておきます。
 また、先ほどもいいましたが、悪徳業者などの詐欺対策なども検討していただくことを要望して、次に移ります。
 次に、住宅の断熱性向上に向けた事業についてお伺いをいたします。
 住宅の窓とドアの断熱改修に助成を行う、家庭における熱の有効利用促進事業は、本年一月から補助率が六分の一から三分の一に引き上げられたことで、多くの方からの申込みがあったというふうに聞いておりますが、どの程度の申込みがあったのか、また、次年度から、新事業である、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業は、その申込状況を踏まえた予算となっているのか、この点についてお伺いをいたします。

○栗岡環境局長 既存住宅のCO2削減には、冷暖房時の熱の出入りが大きい窓やドアの断熱化が有効であることから、都は令和二年度から、これらの対策への支援を実施してまいりました。
 こうした中、昨年十二月には、原油価格高騰を踏まえた補正予算を編成し、補助率を引き上げ、リフォーム関連団体等に周知を図ったところ、集合住宅の管理組合等へ速やかに情報提供されたことなどによりまして、それまで月平均で七百戸程度であった申請戸数が、二月末までの二か月間で五千戸超となるなど、大幅な増につながったと認識してございます。
 次年度から実施する、お話の新規事業では、補助率三分の一を継続し、窓やドアの断熱化に対する補助の規模をそれぞれ五万戸に拡充してございます。

○関野委員 補助率の引上げの効果が出ているようで、安心はいたしました。ただし、次年度事業では五万戸というふうに規模を拡大しているとのことですので、さらに事業周知などに力を入れていただきたいというふうにも思っております。
 この次年度からの新規事業では、これまでの窓とドアの断熱改修の補助に比べて、断熱改修等と同時に、太陽光発電設備を設置する際の補助も準備をされているところであります。断熱改修とセットで太陽光発電設備を設置する場合、CO2削減効果が高まるため、二〇三〇年カーボンハーフに向けて重要な取組だとも考えております。
 とりわけ、こうした新しい支援策については、内容やメリットをしっかりと事業者や都民に伝えていただくこと、これが重要だと考えておりますが、どのように周知、取組を進めていくのか、この点についてお伺いをいたします。

○栗岡環境局長 住宅の断熱化は、省エネだけでなく、ヒートショックの予防やアレルギー疾患の改善、結露防止など、健康や生活の快適性にも資するものでございます。また、太陽光発電設備の設置も併せて行うと、お話のさらなるCO2削減のほか、災害時にも継続して電気が使用できるなど、メリットは大きいものがございます。
 次年度の新規事業の実施に当たりましては、こうした複数のメリットがあることなども含め、事業の内容や効果がしっかりと都民に伝わりますよう、住宅、リフォーム、太陽光発電設備等の関連団体や事業者との連携をさらに強化するとともに、世帯構成等を踏まえた広報の在り方を工夫して、効果的に事業周知を図ってまいります。

○関野委員 昨今のさらなる原油価格高騰を踏まえると、取組の重要性は増しているというふうに思っています。いろいろな方面からこうした補助の情報が都民に届けられるよう、今ご答弁にありました事業者との連携強化をしっかり行っていただきたいというふうに思っております。
 次に、ZEV普及に係る充電設備の普及促進についてお伺いをいたします。
 前定例会の我が会派の代表質問において、都市開発諸制度を活用する大規模開発における充電器の設置義務台数の拡充を求め、検討する旨の都技監から答弁がありました。今般、予算案では、超急速充電器の設置費用補助や戸建て住宅における充電器の補助が新設されたことを評価いたします。
 ZEVの普及については、自動車ユーザーが不安にならないよう、出先で必要なときに短時間で充電が可能となる急速充電器の普及が重要と考えておりますが、導入には負担が大きく、都が率先して導入することや、先ほど言及した都市開発諸制度の適用を通じて、積極的な投入を図ることが必要と考えております。
 そこで、今後、都有施設において、また、都市開発諸制度の適用に当たって、急速充電器の導入をどのように促進するのか、さらに、来年度予算において急速充電器の普及に向けた取組をどのように強化しているのか、併せて見解を伺います。

○栗岡環境局長 都は、今月策定する都有施設における公共充電設備の整備方針におきまして、駐車台数に応じて急速充電器も含め、一定規模の充電器を原則設置することとしてございます。また、都市開発諸制度を適用し、新たに開発される商業施設等につきましては、急速充電器の導入を義務づけており、事前協議の段階で導入規模の上積みも図ってございます。
 来年度は、急速充電器の導入に伴い、受変電設備の改修が必要となる場合の補助事業につきまして、その規模を今年度の五件から二百件へと大幅に拡充するなど、取組を強化してまいります。
 こうした取組を通じまして、急速充電器のさらなる普及を着実に進めてまいります。

○関野委員 充電器の設置には電気が必要なことから、あちらこちらに設置は難しい状況にあるというふうにも考えております。今議会でも、コインパーキングなどの駐車場を新たな補助対象にするなどの話が出ておりました。
 現状、設置場所以外に、新たな設置可能場所を開拓し、充電設備のさらなる普及を進めていくことは重要と考えております。
 そういう意味で、道路上の設置も今後できるようになることを期待したいところであり、神奈川県では実証実験も実施されているということですが、道路上の充電器設置に係る都の見解、これをお伺いいたします。

○栗岡環境局長 道路上に充電設備が設置できるようになれば、その普及に有効である一方、設置に当たっては道路交通上の安全を確保することが重要と認識してございます。
 神奈川県では、道路拡幅が予定されている箇所を活用した実証実験が行われておりまして、月平均二百回以上利用されているとの中間報告が昨年されておりますが、一部の車両が進行方向と逆に駐車する例もあったと聞いてございます。
 都は、今後こうした事例も参考にしながら、道路上の充電器設置につきまして、関係機関と連携し、課題の整理等、検討を進めてまいります。

○関野委員 道路上に充電器が設置されれば、二十四時間充電器を使用することができますので、EVユーザーから非常に喜ばれるのではないかというふうにも思っております。ぜひ積極的に検討をお願いします。
 また、パーキングメーターも既に電気が来ていることから、一緒に充電器を設置することが可能ではないかというふうに思っております。
 設置に向けてはいろいろと課題はあると思いますが、検討をお願いしておきます。
 続きまして、自動車に関する税制についてお伺いをいたします。
 自動車に係る地方税としては、燃料課税である軽油引取税や、国からの譲与を受ける地方揮発油譲与税、車体課税であります自動車税環境性能割、種別割等あります。自動車に係る燃料課税や自動車税の税収を中長期的に見た場合、電気自動車等の普及など脱化石燃料化の流れの中で、税収は減少傾向になるのではないかというふうに考えて、質問をいたします。
 令和四年度当初予算の軽油引取税は約三百五十八億円、地方揮発油譲与税は約十八億円となっております。十年前と比べて、軽油引取税と地方揮発油譲与税の税収はどのように推移しているのか、主税局長にお伺いをいたします。

○砥出主税局長 軽油引取税の税収は逓減傾向にあり、十年前の平成二十四年度と比べて一三%、約五十四億円減少しております。また、地方揮発油譲与税の税収も逓減傾向にあり、十年前の平成二十四年度と比べて二三%、約五億円減少しております。

○関野委員 燃料課税の減収傾向は、電気自動車等の普及など、脱化石燃料が進んでいることの表れだというふうにも受け取れます。
 そこで、自動車税の税収の推移を確認したいというふうに思いますが、環境性能割は、制度改正により比較が困難と思われるところではありますが、自動車税の種別割について、その税収は十年前と比べてどのように推移しているか、お伺いいたします。

○砥出主税局長 令和四年度当初予算案の自動車税種別割の税収は、約一千十七億円でございます。自動車税種別割の税収は逓減傾向にあり、十年前の平成二十四年度と比べて八%、約八十三億円減少しております。

○関野委員 自動車に係る行政需要については、高度成長期に集中的に整備された道路の維持更新経費の増大に加え、自動運転や電気自動車等の充電設備の充実に向けたインフラ整備など、今後は新たな行政需要も見込まれてまいります。
 こうした行政需要や自動車をめぐる環境の変化に対応していくためには、化石燃料による走行を前提とした現行の税制のままでよいのかというところが疑問になります。
 自動車を取り巻く環境の変化の対応や財源確保の観点から、現行の自動車関連諸税について見直していくべきというふうにも考えますが、見解をお伺いいたします。

○砥出主税局長 近年、電気自動車等の普及や、シェアリングによる保有から利用への変化など、自動車を取り巻く環境が大きく変化しており、時代に即した税制の見直しが必要でございます。
 見直しに当たりましては、こうした動向に加え、インフラの維持管理等に係る財政需要、自動車ユーザーの負担や簡素化の視点など、様々な観点からの検討が行われるべきものと認識しております。
 このため、都は、東京都税制調査会における議論も活用しながら、国に対し、自動車関連諸税の課税の在り方の見直しや税収の安定的な確保について要望してまいりました。自動車関連諸税につきましては、令和四年度与党税制改正大綱において、中長期的な視点に立って検討を行うこととされており、都としては国の議論を注視してまいります。

○関野委員 次に、空き家対策について質問をいたします。
 空き家対策においては、適切な管理が行われていない老朽空き家を除去することで、地域の生活環境を改善することが必要であります。長期間にわたり放置されているような老朽空き家について、空家法施行後の市区町村の取組状況について、まずはお伺いをいたします。

○榎本住宅政策本部長 空家等対策特別措置法では、放置すれば倒壊等のおそれのある特定空き家等につきまして、市区町村が所有者等に対して、除却等の必要な措置を取るよう助言または指導、勧告及び命令することができることとされ、その措置が履行されないときは行政代執行が可能となっております。
 法施行後の六年間で、都内の市区町村では、特定空き家等への助言または指導を三百二十二件、勧告を七十九件、命令を十七件、行政代執行による除却等を四件実施してございます。

○関野委員 都内の区市町村の取組状況や件数を、今、確認をさせていただきました。
 区市町村別には出ていないんですけど、全国比で都道府県別に出ておりまして、助言、指導は四十七都道府県中で十九番目、東京都がですね。勧告は六番目という数字でありました。もちろん、都内と地方では状況が違いますので、対応も変わるというふうにも考えますが、それでもやはり進んでいない状況というふうに見えます。
 そこで、区市町村の空き家対策がなかなか進まない中で、特定空き家などのような状況になる前に、空き家の所有者に適正に管理を働きかけることは必要であるというふうに考えておりますが、今後の対応についてお伺いをいたします。

○榎本住宅政策本部長 長期間にわたり活用されていない空き家につきましては、地域の生活環境に悪影響を与えないよう、所有者等に適正な管理や有効活用を働きかけていくことが重要でございます。
 都は、民間事業者を活用しまして、空き家の適正管理に関する普及啓発とワンストップ相談を実施しております。こうした取組に加えまして、今年度からは、相談者からの求めに応じ、法律、建築、不動産の各専門家を直接派遣しまして、個別の相談に対応するアウトリーチ型の取組を開始いたしました。
 今後、所有者へさらに広く働きかけるよう、新たな取組として、税務部門と連携しまして、固定資産税等の納税通知書に空き家の適正管理を促す文書を同封して啓発を強化するなど、空き家の適正管理を一層促進してまいります。

○関野委員 今年度から相談者の求めに応じて専門家の派遣を行っていることや、今後、納税通知書に空き家の是正を促す文書を入れるなど、対応を行うということが分かりました。効果については、今後また確認をさせていただきます。
 さて、次は税金についてお伺いしたいというふうに思っております。
 空き家となった住宅の敷地に対する固定資産税の課税の概要についてお伺いをいたします。

○砥出主税局長 都内における固定資産税の賦課徴収は、区部においては都が、区部以外においては市町村が行っております。また、人の居住の用に供する家屋の敷地には、地方税法上、住宅用地の特例が適用され、固定資産税の負担軽減が図られております。
 一方、いわゆる空家法に基づき、放置すれば倒壊等のおそれがある特定空き家等に区長が認定の上、修繕などの措置を行うよう勧告し、賦課期日までに適切な措置が実施されない場合には、翌年度の課税において、住宅用地の特例の対象外とすることとされております。

○関野委員 では、勧告を受けていない特定空き家であっても適切に管理されていない場合に、住宅用地の特例を適用しないこと、これは可能かどうか、この点についてお伺いをします。

○砥出主税局長 空家法に基づいて、区長が特定空き家等に認定をし、勧告を行った家屋の敷地に対しては、住宅用地の特例の対象外とすることとされております。なお、適切に管理されていない空き家であっても、構造上、住宅として認められ、居住の用に供されるものである場合は、住宅用地の特例の対象となることとされております。

○関野委員 ありがとうございます。
 答弁では、特定空き家等として勧告を受けた後に空き家を解体して更地となるので、原則では一〇〇%の固定資産税を課税されることになります。一方、勧告を受けてそのまま放置しても、住宅用地特例の適用が除外され、一〇〇%の固定資産税が課税されることになると。どちらの場合でも固定資産税の課税額は同じ金額になるというふうに考えます。もちろん、再び住宅が建てられ、住宅用地の特例が適用されれば、固定資産税が三分の一や六分の一となるなど、減税はされますが、このような課税状況が空き家対策が進まない理由の一つというふうにも考えます。
 さらに、適切に管理されていない空き家でも、構造上住宅として認められれば、特定空き家として勧告などを受けない限りは、住宅用地とされることで特例が適用されます。
 このような状況を考えると、住んでいなくても、周辺に迷惑をかけていない程度の状態で、構造上住宅として認められれば、住宅用地特例による減税が受けられるため、所有者は特に何もすることなく、空き家の状態が継続されることは明らかであります。
 そう考えたとき、どうすれば空き家問題が解決をできるのか、私なりに考えてみました。
 所有者が一番気にしていることは、課税額であるというふうに考えます。まずは、長年にわたり適切に管理されていない空き家で、今後居住に使う見込みのない空き家については、特定空き家等としての勧告などを待たずに住宅用地特例を外すことで、空き家所有者自らに解体を促すような取組を行うべきと考えます。
 既にそのような住宅用地特例の取扱いを行っている自治体は、神戸市や京都市などの複数ある。都の区部においては、各区との調整が必要でありますが、現状は異なりますが、市町村も含めて、都全体で参考にしていただきたいというふうに思っております。
 本来、空き家は個人の資産であり、所有者の管理が原則であります。今にも崩壊しそうな現状になるまで放置され、その解体を行政が代執行することになれば、都民が大きな負担を負うことにもなります。そうなる前に所有者自らが解体等を行うよう、必要な働きかけなど取組を強化すべきであるというふうに考えます。
 例えば、解体費用が税額から控除されるなど、所有者による解体に向けた取組をしっかりと後押しすることで、空き家を減らし、土地の有効活用につながる仕組みを構築することも検討すべきであります。もちろん、空き家の管理ができなくなってしまった背景、事情は様々でありますので、一概にいえるものではありませんが、税制度による所有者への働きかけは有効な手段であるというふうにも考えます。
 こうした点を踏まえて、空き家対策の推進に必要な税制や制度の改正を国に要望することもお願いをいたしまして、空き家対策に対する質問を終わらせていただきます。
 次に、多摩都市モノレールについてです。
 十二月議会で子供特別運賃の表明がされ、今議会に調査のため、ゴールデンウイークなど学校が長期休暇となる期間を中心に、小児向け一日乗車券百円を販売すると、知事より答弁をいただきました。
 ただ、ゴールデンウイークは−−大型連休というような形でなく、遠出しやすい時期でもあります、この事業の政策効果を確かなものとするためには、より幅を持たせた期間で、沿線の親子が身近な施設に気軽にふらっと出かけやすい環境を提供し、利用状況を把握することが必要と考えますが、もちろん新型コロナウイルスの状況、感染状況も踏まえ、ゴールデンウイークなどの実施期間、まずはこれをどのように設定するのかお伺いをいたします。

○上野東京都技監 実施期間といたしましては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえつつ、まず第一弾として、親子の多くの利用が見込まれる大型連休であるゴールデンウイークを中心といたしまして、様々な利用状況が把握できるよう、その前後の平日や土日も含めた四月中旬から五月末までを考えております。夏休みや冬休みにつきましても、同様の考え方で期間を設定するとともに、利用者アンケート調査も行いながら、本事業の政策効果の分析につなげてまいります。
 なお、ゴールデンウイークでの販売の詳細につきましては、新年度に発表いたします。

○関野委員 ありがとうございます。答弁を聞いて安心しました。
 ゴールデンウイークなどということだったんで、ゴールデンウイークという短い期間だけかなというふうに思っていたので、先ほど話したように、ゴールデンウイークは短い期間ですので、旅行に行くと。夏休みであれば長期ですから、近くに訪れたり、いろんなところに行くというようなことが考えられますので、ある意味、今回の事業の狙いという部分では推進しやすいのかなというふうにも思っております。
 まずは、ぜひ夏休みや冬休みというような期間の幅を取り、親子が出かけやすい環境の創出、政策効果を高められるような取組を要望しておきます。もちろん、先ほどいったように、コロナ禍の状況によってです。
 また、今回の対象は六歳から十二歳という子供たちなので、沿線の小学校に周知するなど、ぜひ教育委員会とも連携しながら、この取組が行き渡るような広報の徹底をお願いして、次の質問に移ります。
 すみません、これはスケートボードの件ですが、ちょっと意見表明だけさせていただきます。
 今回の議会の代表質問でも、オリンピックの人気の高まりを踏まえ、都立公園における取組を拡充することとしたというような答弁をいただきました。私、都議会議員になってから何度も事務事業やいろんなところで質問をさせていただいておりますが、やはりスケボーというこの競技は、けがをすることが多くあります。行政の施設でけがをすると、ある意味、行政に対して損害賠償だというようなこともあると思いますが、私、常々いっているものは、こういうけがをするものは、けがと弁当は自分持ちという考えを必ず利用者に分かっていただいた上で、かつ傷害保険とかそういった保険に加入していただく、こういったことが私は必要だと思っております。
 以前も、事務事業でも話をさせていただきましたが、子供遊びとかそういったのを千葉の方でもやっていますけれども、ある意味そこでも、けがと弁当は自分持ちというような形で、思いっ切り遊んでいただくというようなことをされておりました。
 この点については検討をしていただきたいということを、意見表明をさせていただきます。
 次に、男女共同参画についてです。
 東京都、または小池知事は、女性活躍推進のため、男女共同参画、男性の育児休業率アップなどの対策を行ってきました。実際、それが整っているのかどうかというところに関して質問をしたいと思います。
 私の友人や、友人の旦那さんや奥さんから声があったのが、出先での子供のおむつ替えについてです。奥さんが仕事をし、旦那さんが子育てを行い、子供と一緒に外に遊びに行ったとき、これは旦那さんがおむつ交換をします。しかし、男性トイレにおむつ交換の台がないことで、おうちに帰っておむつ交換をすると。もちろん、夫婦で外に出たときに、その日は、多分旦那さんが育児をする日だったということで、旦那さんがやはりおむつ交換をしようとしたら、おむつ交換台が男子トイレになかったので、奥さんにお願いをしておむつ交換を行っていただいたというような話でした。
 そういう意味では、まず、都の施設を確認したところ、新しい施設は、男子トイレにはあるんですけど、古い施設というか、まだこれから改修しなきゃいけないものは多くあって、ほとんどない状態です。
 そこで、まず、今回改定する都の男女平等参画推進総合計画では、子育てしやすいまちづくりをどのように取り組んでいくのか、これについてお伺いをいたします。

○武市生活文化局長 次期の男女平等参画推進総合計画では、男女が共に子育てに参画しやすい環境づくりを進めるため、妊娠や子育て中の方が自由に行動できるようなまちづくりを推進するとしております。
 例えば、出入口の段差解消やベビーチェア、ベビーシートの増設など、都営地下鉄駅におけるトイレ改修や、子育て家庭が気軽に外出できるよう、授乳やおむつ替えができるスペースを身近な地域に設置するための支援など、子育て親子の外出環境整備に取り組むこととしてございます。

○関野委員 次は、赤ちゃん・ふらっと事業についてお伺いします。
 赤ちゃん・ふらっとでは、授乳部屋とおむつ替えの設備が設置されているというふうな形ですが、授乳室が使われていると、男性がおむつ交換したくても入りづらいとの声を聞いております。
 今後、誰もが利用しやすいよう配慮すべきというふうに考えておりますが、見解をお伺いいたします。

○中村福祉保健局長 都は、図書館、児童館、大型スーパーなど不特定多数の方が利用する施設のご協力を得まして、授乳やおむつ替えのできる設備や、調乳用の給湯設備などを備えました赤ちゃん・ふらっとの設置を進めておりまして、令和四年一月末時点で一千五百七十七か所となっております。
 授乳スペースにつきましては、カーテンや間仕切り等で仕切るなど、利用者に配慮することを定めておりますが、誰もが気兼ねなく利用できるよう、設置者向け赤ちゃん・ふらっと通信を通じて、プライバシーに配慮した環境の整備を改めて求めてまいります。

○関野委員 続いて、トランスジェンダーの方々に対してなんですが、見た目は男性だが性別は女性、見た目は女性だが性別は男性など、こういった方々への対応も必要だというふうに思っています。
 ただ、悲しいことに最近は、見た目は男性で性別は女性だというふうに名のって、女性トイレに入り、犯行を行う方がいるというような話も聞いているところです。
 そう考えると、男性トイレ、女性トイレというふうに利用状況を考えるよりも、共用で使えるトイレを多く設置するというふうに考えた方がよいとも考えられますが、都有施設を整備するに当たって、この問題にどのような考えを持っているのかお伺いをいたします。

○吉村財務局長 都は、全ての人が快適に利用可能な都有施設とするため、都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドラインを定め、施設整備を進めております。
 東京二〇二〇大会を契機といたしまして、トイレについても、車椅子対応や乳幼児対応などの機能の分散や、LGBTQなど多様な利用者にさらに配慮した設計とし、例えば有明アリーナでは、男女共用トイレの複数配置や、介助者が異性である場合を考慮したトイレ等も設置しております。
 こうした性別を気にせずに使える男女共用トイレの設置などの考え方を大会のレガシーとするため、ガイドラインに反映いたしました。
 今後とも、ガイドラインに基づいた都有施設の整備を行い、多様な利用者の幅広いニーズに配慮したトイレの整備を推進してまいります。

○関野委員 男性育児参加をメインに、女性活躍やトランスジェンダーの方々に対するトイレの状況、これに質疑をさせていただきました。
 答弁でも、多様な利用者の幅広いニーズに配慮したトイレ整備を推進していくとの答弁でしたが、一つ研究していただきたいことがあります。全てのトイレの出入口に、ピクトグラムのような、誰でも分かるような対応が必要だというふうに考えております。
 男子トイレであれば、おむつ交換台がありますよと表示したり、女性トイレであれば、ベビーカーで入れるトイレがありますよと表示したり、また共用であれば、今回、田の上議員が質問した、オストメイトが設置されているなど外から分かるように、共用トイレに集中しなくもなります。もちろん、設置場所によって、男子一、女子一、共用トイレ二というのも検討すべきだと考えておりますので、ぜひお願いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)

○福島副委員長 関野たかなり委員の発言は終わりました。

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