予算特別委員会速記録第四号

○三宅委員長 細田いさむ委員の発言を許します。
   〔委員長退席、宇田川副委員長着席〕

○細田委員 まず、中小企業の支援について質問いたします。
 ロシアによるウクライナの侵攻により経済に大きな混乱が生じています。原油をはじめ原油由来の素材、さらには穀物など様々な原材料の価格が高騰しており、小売業やサービス業など幅広い業種の中小企業において経営への影響が懸念されています。私の地元の事業者からも、先行きが見通せず経営に不安を抱える声が寄せられています。
 先日、都議会公明党の質疑の中で、金融支援について、三月中旬をめどに受付を開始できるよう準備を進めているとの答弁がございました。
 このように、スピード感を持って対応し、できるだけ多くの中小企業に手を差し伸べる必要があると考えますが、都の見解を求めます。

○坂本産業労働局長 ウクライナ情勢の影響により、東京の中小企業の経営環境は一層の厳しさを増しており、金融と経営の両面から速やかに支援を進めていく必要がございます。
 このため、都は、中小企業の資金繰りを支えるため、金融機関が今月、総額三十億円の貸付けのできる新たな制度融資のメニューを開始いたします。
 また、原油高の影響を受けやすい中小製造業の百社に今月から専門家を二回まで派遣し、その助言により固定的なコストを減らす設備の導入経費に助成を行います。さらに、様々な業種の中小企業に省エネと経営の専門家をグループで延べ八百回派遣し、その助言を受け、電力の使用を抑える機器の導入経費等に助成をいたします。
 こうした取組によりまして、中小企業の事業継続をサポートしてまいります。

○細田委員 局の迅速な対応を評価いたします。
 今回のウクライナの問題は、長期化するにつれて経済の情勢も悪化していき、都内の事業者へ与える影響も大きくなるおそれがあります。今後の動向をよく注視し、さらなる対策の必要性も含めて検討していくことを求めておきます。
 続きまして、都営住宅の自治会支援について、自治会の支援の拡充について質問をいたします。
 都営住宅では、団地の自治会による共助の取組が大きな役割を果たしており、居住者の安全と安心、快適な暮らしに貢献しております。しかし、居住者の方々の高齢化に伴い、若年の世帯も、子供たちの世帯も少なくなり、ほとんど高齢者が多くなってきている中で、自治会の活動の担い手が不足をし、活発な活動ができなくなっている自治会も多くあります。
 私も、今年に入ってからのこの二か月間で、幾つもの都営住宅の自治会、また役員の方々にお会いして、お声を伺ってまいりました。長年、良心的な居住者の方が役員を引き受けるなど、自治会の運営や日々発生する様々な居住者間の問題の解決などに苦労を重ねられています。自治会の活動が困難になれば、コミュニティ活動が停滞して、ひいては都営住宅の住宅セーフティーネットとしての役割にも影響を与えかねません。
 都は、都営住宅の自治会が迅速に相談できる窓口の設置や、自治会が苦労している住民同士のトラブル−−様々なトラブルがあります、多くのお声が寄せられております、法的な相談の対応など自治会の運営がより円滑にできるよう、さらなる支援に取り組むべきであります。都の見解を求めます。

○榎本住宅政策本部長 都営住宅の自治会は、団地のコミュニティの中核を担い、共用部の管理を行うなど重要な役割を果たしております。しかし近年、居住者の高齢化等により担い手が減少し、運営に様々な影響が生じております。
 このため、都は、指定管理者である東京都住宅供給公社を通じまして、共益費の代理徴収の実施やお客様センターの窓口で相談を受けるほか、巡回管理人による現地での相談対応などを実施しております。
 こうした取組に加えまして、来年度からは、自治会専用ダイヤルの設置や団地内の居住者間トラブル等に関する無料の弁護士相談の実施など支援の充実を図ってまいります。
 今後も、自治会運営が円滑に行われるよう一層の支援に取り組んでまいります。

○細田委員 生きる喜びを支え合う都住生活を構築していく、これに向けまして、引き続き、住宅政策本部におかれましてはご尽力をお願いいたします。
 さて、次に、大規模水害の対応について質問をいたします。
 都の公表した高潮浸水想定区域図によりますと、東部低地帯では、浸水が一週間以上継続する区域が広範囲にわたっております。都民の命を守り、社会経済の壊滅的な被害を回避するためには、迅速な救助、早期復旧、復興に向けた排水対策を推進することが極めて重要であります。
 また、IPCCの第五次評価報告書によると、地球温暖化の進行に伴い、台風など熱帯低気圧の強さが増す可能性が指摘されており、気候変動適応策の重要性は増しております。
 このような中、先日発表されました「未来の東京」戦略 version up 二〇二二では、都民の安全・安心を確保する対策、強靱でサステーナブルな都市の形成を図るために、都市強靱化十か年プロジェクトを打ち出したことは、タイムリーな取組であり評価できます。様々な危機がある中でも、今後の気候変動の影響を考慮すると大規模水害への対策を加速していくことが重要であり、特に、東部低地帯を抱える東京が避けて通ることができない重要なテーマであります。
 まず、都市強靱化を進めるに当たって水害への備えに向けた知事の強い思いを伺います。

○小池知事 先日、公表されましたIPCCの報告書におきまして、極めて厳しい気温上昇のシナリオが示されたところであります。線状降水帯による長時間の豪雨、巨大台風の襲来が、私たちがこれまで経験したことのない大規模な水害を発生させるおそれがございます。差し迫った脅威に対して、都民の命と安全を守る対策の強化は待ったなしということであります。
 今回、新たに立ち上げました都市強靱化のプロジェクトにおきましては、大規模水害を重要なテーマに位置づけました。最新のデータを検証して、エビデンスに基づいて都市を守るために何を強化すべきかについて、全庁的な体制の下で検討を進めます。長期的な視点に立ちまして、ハード面の備えをしっかり固めるとともに、ソフト対策も含めた実効ある対策によって、気候危機に打ちかつ強靱な都市をつくり上げてまいります。

○細田委員 知事より、今後の方向性を示す力強い明快なご答弁をいただきました。
 そこで、海面水位の上昇を見据えて、想定している計画高潮位を上回る高潮などが発生することを念頭に高潮対策を強化していくことが必要ですが、東京港の防潮堤だけでも約六十キロにも及びまして、それら全てをかさ上げするには長期間を有するものと考えられます。
 そのため、現在の施設の状況や気候変動の影響もしっかりと検証して、計画的に整備を進めていくことが必要と考えますが、現在の検討状況について伺います。

○古谷港湾局長 将来の気候変動に伴う台風の強大化や海面水位の上昇による高潮等の被害から都民を守るためには、長期的な視点に立ち、様々な角度から検証を行った上で対策を実施していくことが重要でございます。
 このため、都は、昨年度より、有識者の意見を踏まえながら、今後予測される海面水位や降雨量の具体的な数値などについて分析、検討を進めてまいりました。
 今後、これらの検討を踏まえ、高潮から都民を守る防潮堤等のかさ上げを段階的に実施してまいるとともに、降雨量の増加に対応できるよう排水機場の機能の強化等の取組を推進してまいります。
 引き続き、関係局と連携し、計画的に施設整備等を進めることで、都民の安全・安心を万全なものとしてまいります。

○細田委員 まずは、防潮堤により、高潮の被害から都民を守ること、これが何より大切ですけれども、万が一、計画高潮位を上回る高潮が発生した場合、先ほど述べましたとおり排水対策が重要となります。
 先ほどの知事の力強い表明がありました。「未来の東京」戦略 version up 二〇二二では、今後の気候変動の影響により激甚化する災害に対して都庁の総力を結集し、東京の危機克服・都市強靱化十か年プロジェクト(仮称)を策定していくことが示されております。
 下水道においてもこのプロジェクトに参画し、激甚化、頻発化する風水害への対応を検討していくべきですが、下水道局の見解を求めます。

○神山下水道局長 「未来の東京」戦略 version up 二〇二二で示されているとおり、今後、気候変動の影響によりまして激甚化する豪雨災害や切迫する巨大地震など、これまで経験したことのない危機に直面する可能性がございます。
 そこで、都市強靱化プロジェクトの策定におきまして、下水道局としても、下水道の役割を踏まえ、関係局と連携して取り組んでまいります。

○細田委員 都市強靱化プロジェクトの策定において、下水道局としても、下水道の役割を踏まえて関係局と連携して取り組むと。それなので、ハード三局の港湾局や建設局、また、もちろん総務局とも連携する、そういうことだと思いますけれども、今回のこの「未来の東京」、これには、まさにこの高潮対策に関しては、建設局の、気候変動を踏まえた河川施設の在り方に向けた取組、これが計画として出ています。また、もう一つ、港湾局の所管する東京港海岸保全施設整備計画に基づく整備、これも出ております。
 ですが、下水道局のはないのですけれども、今、知事がおっしゃってくれたように、まさに今回のプロジェクトにおいては、都庁の総力を結集して、これまでの取組をさらにレベルアップする、そして、都市強靱化十か年プロジェクトを策定したんだと、このことが明確になっているわけでありまして、今のご答弁は、これまで下水道局がいいました、想定し得る最大規模の高潮による浸水が発生した場合における対応については、関係局との検討の場を昨年度行ったという、行ってはいるけれども計画には入っていないから、これから高潮においてもしっかりと、この水害対策において、下水道局も安全・安心に向けて都庁一丸となる中取り組んでいく、そういう力強い表明であったと私は認識させていただきます。よろしくお願いいたします。
 そして、排水対策に威力を示す重要な下水道局所管のポンプ所による排水、こういうものもございますが、津波高には対応していたとしても、計画高潮位を上回る高潮高には対応していないのが現状であります。
 潮位の高さの上昇が見込まれる中で、もし首都直下地震、そして、その後に護岸にダメージがある場合の高潮との複合災害が訪れた場合など、ポンプ所の稼働が極めて重要になりますから、耐水化、遮水化、あるいは機械設備の上層階への移設などの対応を、早急に全庁を挙げて取り組んでいくことを要望させていただきます。
 さて、都議会公明党はこれまで、平成二十八年の緊急提言をはじめとして、平成三十年の第二回定例会や令和元年度予算特別委員会、令和二年第四回定例会代表質問などにおいて、国とも連携いたしました大規模水害時における排水計画の策定、そして、排水ポンプなどの施設の排水対策の重要性を指摘し、継続して訴えてまいりました。特に、地盤高の低い江東区では、発災時に浸水期間が長引くおそれがあるために、速やかに国に要請をしてポンプ車を配置するよう求めるとともに、国が所有している毎分六十立方メートルの能力を持つ排水ポンプ車も都が所有すべきと考えます。
 現在都は、毎分十立方メートルの車を十台持っておりますけれども、小回りが利いていいのかもしれませんけれども、今いったような高潮の大規模な水害のためには、都が所有する、都がすぐに動ける、三百台以上を持っている国のものを配置して集めているのを待っているのじゃなくて、都が持っている車をすぐに出す。このような取組をしていただけるよう、六十トンの排水ポンプ車を持っていただきますことを、改めてこの場で強く要望させていただきます。
 そして、排水作業準備計画の現在の具体的な検討状況と今後の取組について、東京都に答弁を求めます。

○中島建設局長 東部低地帯において、大規模水害時に早期に復旧、復興を図るためには、速やかな排水により浸水を解消することが重要でございます。
 このため、都は、排水機場などの排水施設の位置や能力を考慮し、東部低地帯を複数のエリアに分割した上で、浸水時における排水施設への燃料補給ルートや排水を補完するためのポンプ車の運用方法などの検討を進めてきております。
 今後、その結果を取りまとめ、本格的な台風シーズン前に、浸水時に迅速な対応を行うための排水作業準備計画として公表をいたします。
 引き続き、国や関係機関と連携し、水害時の速やかな排水等に向けた取組を推進してまいります。

○細田委員 ただいま排水準備計画についての答弁がございました。
 近年の、全国各地で大規模風水害が発生している状況から見ますと、こうした災害が東京でいつ発生してもおかしくありません。
 東部低地帯において、高潮の氾濫などにより大規模風水害が発生した際には、都庁の総力を結集して、ハード、ソフト両面からのあらゆる対応を行っていくべきと考えますが、都の所見を求めます。

○村松総務局長 東部低地帯において大規模風水害が発生した場合は、避難誘導や救出救助、復旧活動を迅速に行うことが不可欠でございます。
 このため、都は、大型台風の接近段階から災害対策本部を設置し、関係区等と連携の下、広域避難も含めた早期の避難誘導に当たっていくこととしております。
 また、国等とも連携した救出救助や浸水地域の排水活動、避難所への物資の供給やライフラインの復旧、被災者生活支援など、ハード、ソフト両面から、全庁を挙げて必要な対応を迅速に進めてまいります。
 さらに、こうした対応の実効性を高めるため、平時より関係機関と連携し、最新のデジタル技術も活用するなど、より実戦的な訓練を重ねることで災害対応力を一層高めてまいります。

○細田委員 これまで、大規模水害への対応について質疑をしてまいりましたが、強靱でサステーナブルな都市の形成を図るために、災害からいち早く都市の機能を取り戻す災害レジリエンスを高めることが重要であります。ぜひとも知事のリーダーシップの下、この点も踏まえた実効性のある都市強化に取り組むよう強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 さて、海洋生態系が吸収する炭素、ブルーカーボンについて質問します。
 ワカメなどの海藻、アマモなどの海草、アサリやゴカイなど、海の水生生物の作用で海中に取り込まれている炭素はブルーカーボンと呼ばれています。
 脱炭素社会の実現に向けまして、ブルーカーボンを隔離、貯留する海の植物、生物を育成する取組は、今極めて重要になっております。
 そこで、東京港においても、この海藻等を育む藻場や干潟の創出に取り組むべきと考えますが、都の見解を求めます。

○古谷港湾局長 脱炭素社会の実現に向け、海洋生態系に取り込まれる炭素、いわゆるブルーカーボンが注目されており、水生生物は新たなCO2の吸収源として期待されております。
 これまで都は、海上公園における干潟や、護岸を活用した浅場等を整備し、水生生物のすみやすい環境をつくることでその回復を図り、東京港の環境改善を進めてまいりました。
 今後は、水生生物のCO2吸収源としての機能にも着目いたしまして、これまでの取組を推し進め、海藻が生息する藻場や、干潟等のさらなる創出に向けて取組を進めてまいります。
 具体的には、来年度、水生生物の生育に必要な海中の日照度や水流等の現況調査を行うとともに、藻場等の整備手法や維持管理方法等の検討を行ってまいります。
 今後とも、脱炭素社会の実現に向け、東京港における水生生物の生息環境の向上に積極的に取り組んでまいります。

○細田委員 長期的には、海面上昇への備えを含めまして、沿岸域のまさに魅力を再生していって、次世代にバトンタッチをしていく重要な取組であります。脱炭素社会に貢献するこの取組の着実な実施を期待しております。
 さて、次に、盲ろう者支援について質問します。
 目と耳の両方に障害がある方を盲ろう者といいます。都内には視覚と聴覚の両方の障害が身体障害者手帳に記載されている盲ろう者の方が八百四十名いるとされており、そのうち、通訳介助者の派遣の利用を登録されている方は百四十四名ほどいらっしゃいます。
 盲ろうとは、例えば、見ているテレビの画面を消して、そして同時にスピーカーの音も消して、テレビのスイッチを切ってしまった永遠に続く静かな夜が広がっているような状況であり、また、地下鉄に乗っていて、騒音で耳が聞こえない中で目を閉じているような、光と音が失われた状態であると盲ろう者の方々はいわれております。
 盲ろう者は、独力でコミュニケーションや情報の入手、移動などができず、できても極めて困難な状況に置かれているというのが日常の生活です。
 多くの盲ろう者はこのような状況から抜け出し、社会の中で精いっぱい力を発揮したいと望んでおり、学び、働き、交流し、人々と共に暮らすという、生きている実感のある人生を送りたいと願っております。
 この支援拠点に、認定NPO法人東京盲ろう者友の会が運営する東京都盲ろう者支援センターがあります。
 十四年前の二〇〇八年、都議会公明党は、盲ろう者であります東京大学福島智准教授、当時の准教授と意見交換を行い、アメリカには盲ろう者の社会的自立を支援するヘレン・ケラー・ナショナルセンターがあります、ぜひ日本にも設置してほしいとのお声をいただきました。
 そして、福島氏と共に、当時の知事に面談をして、支援センターの設立をじかに訴えました。元知事は、初めて指点字での意思の疎通ができたときどのように感じられましたかと福島氏に尋ねられ、福島氏は、地獄の奥底の大きなつぼの中に閉じ込められていましたが、遠くの空のかなたに小さな一点の光がぽつんと見えましたと答えられたそうです。
 そして、支援センターをぜひつくろうと元知事が応じて、翌年の二〇〇九年に、台東区内に全国初の東京都盲ろう者支援センターが開設されました。
 盲ろう者支援について、小池知事の見解を求めます。

○小池知事 障害の種別や程度は人によって様々でございます。
 その中で、視覚、そして聴覚の両方に障害を併せ持って、光と音が失われた、ご指摘の盲ろう者の方々、様々な日常の場面で困難や苦労を抱えておられます。
 たとえどんなに障害が重くとも、必要とするサービスを利用しながら、安心して暮らせる社会、こうした社会の実現に向けまして、盲ろう者支援センターの設置など、障害者の地域生活を支える取組を積極的に進めてまいりました。
 障害のある人もない人も、互いに尊重して支え合いながら共に生活をする、多様性と包摂性にあふれた東京をつくり上げてまいります。

○細田委員 私も、毎年、東京盲ろう者の友の会の方々から、予算と支援の拡充の要望をいただいております。
 現在、コロナ禍で盲ろう者の方々も大変な思いをされております。
 都内の盲ろう者の推計と登録者数の差は七百名ほどございまして、支援があることを知らない方や、アウトリーチによる支援が行き届いていない方がいるかと思われます。センターの体制を拡充することが必要です。
 都は、支援が必要な人の掘り起こしを力強く推進していくべきですが、見解を求めます。

○中村福祉保健局長 視覚障害と聴覚障害が重複している盲ろう者は、コミュニケーション手段や外出などの日常生活に多くの制約があることから、できるだけ身近な地域でサービスを利用できるよう、アウトリーチによる支援が重要でございます。
 都は、盲ろう者支援センターで、通訳介助者の派遣のほか、区市町村と連携した訪問による相談や自立に向けた訓練、多摩地域の巡回相談などを実施しており、実績等に応じた体制を確保しているところでございます。
 今後、盲ろう者の支援ニーズに関する調査等を行い、実態の把握につなげ、引き続き、区市町村と連携して、利用者に寄り添った必要なサービスを提供し、盲ろう者の社会参加を進めてまいります。

○細田委員 SDGsの誰一人取り残さない取組、これを、前を向いて、言葉をいい換えますと、生きる喜びを分かち合える社会、これを築いていかなければならないと思います。
 知事は、今、ご答弁の中で、支え合いながら共に生活をする、多様性と包摂性にあふれた東京をつくり上げていくとおっしゃられました。すばらしいと思います。
 引き続き、予算と人材の拡充をお願いするとともに、拠点も拡充していって、多摩地域にも支援センターが拡充されていくことを要望しておきます。
 さて、次に、高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種について質問します。
 二〇一八年の本委員会をはじめとして、私は、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種助成の支援を強く求めてきました。
 都は、都議会公明党の一貫した提案に応じて、昨年十月より、高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種補助事業を開始いたしました。
 コロナ禍におきましても、都内の多くの区市町村で、以前より積極的に補助を活用し、接種がされていると仄聞しております。
 令和四年度は、補助期間が一年間に拡大することを受けまして、当初予算案では、今年度予算から九千六百万円増額し、約四・七億円が計上されています。
 この事業の活用をさらに進めていくためには、分かりにくい五年刻みの制度の中で、被接種者に理解をしてもらうための事業の周知が重要な役割を果たすと私は考えます。
 都は、接種率を向上するために、予防接種の実施主体である区市町村が、より効果的に事業を周知できるよう支援をすべきと考えますが、都の見解を求めます。

○佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 都は区市町村に対し、高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種率向上に向けた周知の経費を支援しております。
 これによりまして、区市町村では、新型コロナワクチンの予診票を送付する際に、肺炎球菌ワクチンの費用助成のお知らせを同封する、未接種者にはがきを送付する、周知ポスターを作成し医療機関に掲示するなどの様々な取組が行われております。
 今後、都は、こうした取組を事例集として取りまとめまして、区市町村と情報共有するなど、協力して接種率向上に努めてまいります。

○細田委員 都議会公明党は、都民の健康を守るために、高齢者肺炎球菌ワクチン接種の無償化を目指してまいります。
 全国平均より低い東京の接種率について、本年度の実績が大きく上がっていくことを期待しております。
 続きまして、免疫消失に対する再接種の費用助成について質問します。
 医療行為により予防接種の免疫を消失した人に対しての再接種に関わる支援、小児がんや白血病などの子供たちが、抗がん剤治療や骨髄移植などの医療行為を受けた場合に、既に受けた予防接種の免疫が消失、あるいは減少してしまうことがあります。罹患患者は体全体の免疫力が落ちており、可能な場合には予防接種を受けることはとても重要です。
 再接種を定期接種化し、全ての対象者に無償で再接種を行うためには、なおその安全性を国において確認することが必要でありますが、主治医により個別に再接種が問題ないと判断されている子供たちへの再接種は、積極的に進めていくべきであります。
 現在、小児を対象とした定期予防接種は、十四疾患に対応した十種類ありますが、全額自己負担だと二十万円程度かかる状況であり、自治体による支援が重要となります。
 三年前、平成三十一年の第一回定例会では、私が保護者の声を伺い紹介議員になりました再接種費用の助成の請願が全会一致で趣旨採択されました。また、令和二年第一回定例会で、都議会公明党は、代表質問において、区市町村に対して速やかに免疫消失に対する再接種費用の支援を実施すべきであると求めたところであります。
 これを受けて、都は、令和二年四月から助成制度を開始いたしました。
 都内では、令和二年度、三年度と、再接種費用助成制度を導入している自治体が拡大しつつありますが、現在、状況はいかになっているのか、そして、今後の取組について答弁を求めます。

○佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 都は昨年度から、白血病や小児がんなどの治療によって、麻疹や風疹など、定期予防接種により得られた免疫が消失あるいは低下した方に対する再接種の費用を、区市町村を通じて支援を行っております。
 この支援制度を利用している区市町村は、昨年度二十二区市、今年度二十九区市となり、このほか、三区市が独自に助成をしております。
 来年度は、八区市が新たに導入を検討しており、都は、より多くの区市町村で活用されるよう、予防接種担当者説明会や衛生主管課長会を通じて積極的な取組を働きかけてまいります。

○細田委員 多くの自治体に広がっていることを確認いたしました。
 さて、地下鉄八号線について質問します。
 東京メトロ有楽町線の豊洲−住吉間を延伸することは、東京区部東部の南北交通の利便性を高め、臨海部とのアクセスを向上させるとともに、東京メトロ東西線の日本トップクラスの混雑率を緩和させるためにも重要な路線となります。江東区民など多くの都民は、早期の延伸を大いに期待しております。
 私は、都議初当選以来、この路線の早期実現を求め、常に本会議の質問で取り上げてまいりました。また、昨年五月に都議会公明党が知事に要望を重ねる中、昨年七月、国の交通政策審議会から、早期の事業化を図るべきと答申がなされました。
 これを受けて、国と都は、東京メトロによる整備を進めること、東京メトロに対しての補助を行うことを合意しました。
 早期の延伸に向けて、東京メトロの取組に対して、来年度から具体的な補助を行っていくべきと考えますが、これについての都の見解を求めるとともに、併せて延伸に向けた手続等も早急に進めていく必要があると考えます。都の答弁を求めます。

○上野東京都技監 地下鉄八号線の延伸は、東西線の混雑緩和はもとより、臨海地域のさらなる発展にも寄与する重要な路線でございます。
 昨年七月、国の交通政策審議会から、本路線につきまして、早期の事業化を図るべきとされるとともに、十分な公的支援が必要であるともされました。
 この答申を踏まえ、国と共に、地下高速鉄道整備事業費補助を活用いたしまして、事業主体となる東京メトロへ財政支援を行っていくことといたしまして、これを受け、本年一月、東京メトロは、事業主体として本路線の鉄道事業許可を国へ申請いたしました。
 都は来年度、東京メトロが実施する環境調査や設計等に対しまして、国と協調して補助を実施してまいります。
 今後、国や地元区、東京メトロなど、関係者と一層連携し、来年度早々にも都市計画や環境影響評価の手続に着手するなど、本路線の早期の事業化に向け取り組んでまいります。

○細田委員 目標の開業年次、二〇三〇年代半ばに向けて確実に進みますよう、そして、さらに前倒しの開業ができるよう、力強い取組を都に求めておきます。
 次に、臨海地下鉄について質問します。
 臨海地下鉄は、国際競争力強化の拠点である都市部と臨海地域を結び、江東区の豊洲、有明などを通る新たな地下鉄計画であり、臨海部の発展に欠かせない路線であります。
 昨年、国の交通政策審議会から、事業化に向けて関係者による検討の深度化を図るべきと答申をされました。これを受けて、都は、昨年九月から、検討会を立ち上げて事業計画の検討を進めています。
 本路線の早期実現に向けまして、検討を加速すべきと考えますが、都の見解を求めます。

○上野東京都技監 臨海地下鉄は、国際競争力の強化に資する路線でございまして、都心部と開発が進む臨海地域とをつなぐ基幹的な交通基盤、いわば背骨としての役割を有しております。
 昨年七月、国の答申におきまして、事業化に向けて関係者による検討の深度化を図るべきとされたことを踏まえ、国は、本路線の実現に向けた都の取組に協力するといたしました。
 昨年九月から、国の参画も得た検討会におきまして、概略のルートや駅位置等を含め、事業計画の策定に向けた検討を進めているところでございます。
 引き続き、関係者と連携して検討を積極的に進めるなど、本路線の具体化をさらに加速してまいります。

○細田委員 続きまして、都心と臨海副都心を結びますBRT施設整備について尋ねます。
 今年の一月に工事が不調になったことから、このたび再び工事を発注したとのことですが、今後の停留施設の工事の見通しと関連して、プレ二次運行に向けての取組の状況について、都の答弁を求めます。

○上野東京都技監 プレ運行二次に必要な停留所の施設整備につきましては、工事規模の適正化等、発注計画の見直しを行いながら、入札参加者へのヒアリング結果も踏まえ、速やかに工事を実施できる三か所を先行して実施することといたしまして、一昨日の三月七日に開札があり、落札者が決定いたしました。
 他の停留所につきましても、今後速やかに起工できるよう検討してまいります。
 プレ運行二次につきましては、コロナ禍の影響による需要動向なども見ながら、運行開始に向けて、運行事業者等と協議、調整を行っているところでございます。

○細田委員 さて、地下鉄八号線延伸に伴い、東京メトロでは、地質調査などの環境調査が、豊洲から住吉間の五か所で二月から開始されました。
 調査候補地の一つの豊洲四丁目は、この秋に都営アパートの建て替えに伴う移転が完了し、大きな用地が生まれる予定であります。
 江東区や近隣の小学校、地元地域などが環境調査などのために困らないよう、また、調査などが円滑に進むよう協力をすべきと考えます。その後、豊洲地域の貴重な種地として、民間に委ねることはせず、防災公園や緑化、地域貢献施設など、公共に資する利活用ができる用地としておくべきと考えますが、併せて都の見解を求めます。

○榎本住宅政策本部長 都営住宅の建て替えによる創出用地は、都民共有の財産でございまして、まちづくりに効果的に活用し、都の政策目的の実現や地域の課題解決を図ることが重要でございます。
 都営豊洲四丁目アパートは、建て替えがおおむね終了し、本年秋頃には居住者の移転が完了する予定でございます。その後、既存住棟を除却することによりまして、約一ヘクタールの用地が創出されます。
 この創出用地につきまして、今後、地下鉄八号線延伸に伴う環境調査等に当たり、一時的な利用の要請があれば協力いたしますとともに、地元区と連携し、社会経済情勢や都民ニーズの変化を的確に捉えまして、将来的な有効活用を図ってまいります。

○細田委員 最後に、都立公園におけますスケートボード広場の整備について、来年度、具体的にどのように取り組むのか、都の見解を求めます。

○中島建設局長 スケートボード広場の整備に当たっては、利用に伴う騒音や安全に利用できる場所の確保等の課題に対応するとともに、他の公園利用者や地域住民の方の理解を得ることが必要でございます。
 来年度は、競技団体等とも意見交換を行いながら、利用に伴う騒音等を考慮した設置場所の調査を行いますとともに、整備内容の検討を進めます。あわせて、安全に利用できるルールづくりに取り組んでまいります。

○宇田川副委員長 細田いさむ委員の発言は終わりました。(拍手)

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