○福島副委員長 小林健二委員の発言を許します。
〔福島副委員長退席、小磯(善)副委員長着席〕
○小林委員 それでは、初めに、救急医療についてお伺いをいたします。
現在、新型コロナウイルスとの闘いにおいて、医療従事者の皆様に並々ならぬご尽力をいただき、東京の医療を支えていただいております。改めて、心より敬意を表し感謝を申し上げたいと思います。
コロナ禍において、改めて、首都東京の医療体制の強化充実が重要な課題であり、私も多くの方々からいただくご相談の一つが救急医療体制についてであります。
都では、救急医療対策を、入院を必要としない軽症者に対する初期救急、入院を必要とする中等症、重症患者に対する二次救急、生命危機が切迫している重篤患者に対する三次救急に分けて整備をしておりますが、全東京を対象としていく三次救急、救命救急センターの着実な整備は、都の責任として大変重要な役割であると思います。
初めに、救命救急センターを整備するに当たっての都の指定要件についてお伺いいたします。
○中村福祉保健局長 都は、東京都救命救急センター設置運営要綱を定め、おおむね二十床以上の専用病床を有し、二十四時間体制で重症、重篤な救急患者に対する高度な診療機能を有すること、そのために必要な職員の配置や、集中治療室等の施設、医療機器の整備などを整備基準としております。
指定に当たりましては、当該医療機関を実地調査し、整備基準を満たしていることや、重症患者の受入れ実績を確認し、東京都救急医療対策協議会の意見を踏まえた上で指定することとしております。
○小林委員 都は来年度、新たに二病院を救命救急センターに指定するために、運営費補助の予算を計上しております。
最も直近で救命救急センターが指定されたのは、二〇一二年十二月でありますので、十年ぶりの指定に向けた動きとなるわけですが、このたび、新たに二病院を指定することとした背景、理由についてお伺いいたします。
○中村福祉保健局長 救命救急センターは、心筋梗塞や脳卒中等の重篤な救急患者に高度な医療を総合的に提供する医療機関であり、現在、二十六か所を指定しております。
センターへの救急患者の搬送件数は近年増加傾向にあり、令和元年には三万件を超えております。
また、救命救急医療を提供しながら、災害時や新型コロナ感染症の拡大時に、緊急性の高い重篤患者を受け入れるなど、担うべき役割が増加しております。
このため、都は、既に同等の機能を有する施設を救命救急センターに指定し、救命救急医療体制の拡充を図ってまいります。
○小林委員 私の地元練馬区は、三月一日現在、人口七十四万人に迫る中、医療体制の強化充実が最重要課題であります。人口十万人当たりの病床数は二十三区で最も少なく、入院が必要な区民の約七割が区外の病院に入院している現状であります。
また、三次救急医療機関については、練馬区をはじめ杉並区、世田谷区にもなく、環状八号線沿いの南北縦のラインが空白地域となっております。
こうした中、災害拠点病院でもある練馬区の順天堂練馬病院が、三次救急医療の役割を担うべく、練馬区と連携して準備を進めているところであります。
救命救急センターの来年度の新たな指定に当たっては、こうした地域の実情もよくご理解をいただいて、順天堂練馬病院の指定に向け、都としても前向きに協議、検討を進めていただきますよう強く要望させていただきます。
次に、ひきこもりに関する支援についてお伺いいたします。
八十代の親が五十代の子供の生活を支える、いわゆる八〇五〇問題も、ここ最近では、九十代の親が六十代の子供を支える九〇六〇問題に移行しかねないとの指摘も散見され、ますます重要な課題となっております。
昨年八月に、東京都ひきこもり支援協議会による、ひきこもりに係る支援の充実についてとの提言が発表されましたが、今後は、提言を軸とした具体的な支援の充実に努め、解決に向けた取組を加速していかなければなりません。
私も、ひきこもりの支援について、当事者の親御さんからお話を伺い、様々なご要望をいただきましたが、その一つに、相談窓口の強化という点がありました。ひきこもりの支援においては相談内容も多岐にわたり、行政においての相談窓口も、保健所、福祉事務所など複数にわたり、どうしてもたらい回しになる嫌いがあるとのことで、ひきこもりに関する相談窓口の明確化と、円滑な相談体制の構築を求めておられました。
こうしたご意見を踏まえ、身近な地域である区市町村において、当事者やそのご家族が、年齢を問わず安心して相談できる相談窓口を明確化し、支援体制を整備すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○中村福祉保健局長 都は、身近な地域で、年齢によらず、当事者やその家族の状況に応じた相談体制の充実に向け、都と区市町村によるひきこもりに係る支援推進会議を設置し、区市町村の相談窓口の明確化、情報発信の強化を推進しております。
また、東京都ひきこもりサポートネットにおいて、区市町村の取組状況や実情に応じた地域における連携づくりを支援しているほか、来年度からは、多職種専門チームを新たに設置し、複雑困難なケースについて、医療、法律等の専門家がアドバイスするなど、区市町村への支援体制を強化いたします。
こうした取組により、身近な地域における相談体制のさらなる充実を図ってまいります。
○小林委員 また、居住地の自治体では周囲の目があり相談しづらいため、地元以外でも相談できる体制ができないかとの声も伺っております。
当事者やそのご家族が、地元自治体以外で相談や支援を受けられるよう、広域的な体制づくりについても検討していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○中村福祉保健局長 提言では、地元自治体に相談しづらい方に配慮した広域連携の視点も必要であり、ひきこもりに係る支援の地域資源を相互に利用できるようにする自治体間の連携も有効とされております。
都は、当事者やその家族がお住まいの区市町村以外の相談支援の窓口も利用できるよう、ひきこもりに係る支援推進会議において、広域連携の在り方について実務的に検討をしております。
また、ひきこもりサポートネットにおいて、都内全ての方を対象とした相談支援を行うほか、元当事者やその家族によるピアオンライン相談を拡充し、ひきこもりに係る専門的な相談窓口としての機能を充実していきます。
○小林委員 ありがとうございます。
公明党は、党内に社会的孤立防止対策本部を設置し、ひきこもり支援策の充実に取り組み、昨年五月に当時の菅首相に政策提言を行いました。提言においては三点の基本認識を掲げました。
一点目は、社会的孤立に向き合う上で、個人の問題ではなく社会全体で対応すべき問題であり、国を挙げて取り組むべきであること、二点目に、孤立している当事者はSOSを出せず、外部から見えにくいからこそ、当事者に伴走する支援者が重要であること、三点目は、孤立の問題を誰もが人ごとではなく、我が事と捉え、誰もが支え、支え合う地域共生社会づくりこそ孤立対策の基盤であること、この三点の基本認識に立って、ひきこもりについては、八〇五〇問題など複合的な課題に対応する重層的支援体制整備事業の全国展開をはじめ、ひきこもりへの理解促進やオンライン相談支援の推進、当事者活動や家族支援の強化などを提言しました。
都としても、今回のひきこもりに係る支援の充実に向けた提言を実効性ある確かなものとして、着実な支援に結びつくよう取組をよろしくお願いいたします。
次に、都立高校のICT環境の整備についてお伺いいたします。
かねてより、都議会公明党は、高校生の一人一台端末の配布に当たり、多子世帯や低所得世帯を含む保護者負担の軽減を繰り返し強く求めてまいりましたが、このたび、保護者負担額については一律三万円とし、さらに、多子世帯については、二十三歳未満の子供三人以上の場合は、保護者負担額の二分の一を支援、低所得世帯についても、現在の支援制度を活用し、工夫していくこととなりました。
新年度から実施されることになりますが、保護者の端末購入方法、補助金の申請時期、端末購入代金の支払い時期など、今後の端末の購入手続の内容についてお伺いいたします。
○藤田教育長 令和四年度、新入生から導入いたします一人一台端末につきましては、各学校の合格発表以降、購入受付を開始し、保護者等に対して、具体的な購入方法等をお知らせいたしますとともに、ホームページでもご案内をいたしております。
購入手続は、保護者等の利便性や負担軽減を図るため、ウェブ上の専用サイト等から購入と補助金の申請をワンストップで対応いたします。
また、端末の購入代金は、令和四年八月から九月に保護者等にお支払いをいただく予定としております。支払い方法につきましては、保護者等が選択できるよう、クレジットやQRコード決済など複数の手段を用意し、分割払いにも対応しております。
○小林委員 コロナ禍の影響もあり、各ご家庭の状況も様々であるかと思いますので、丁寧な説明を行っていただくようお願いをいたします。
私は、二〇一九年の予算特別委員会において、保護者の方からのご要望を踏まえ、全都立高校に無線LANの整備を早急に進めていくべきと質問いたしました。当時の教育長より、都立高校のICT環境の改善、充実に向けた具体的な検討を進めていくとの答弁があったところであります。その後、全都立学校への整備計画を策定し、当初、三年計画での整備を前倒しし、今年度中に既に整備が完了したと聞いております。
無線LANの整備が動き出し、ご要望をいただいた保護者の方も喜ばれる一方で、無線LANが整備されても、生徒が一斉に端末を使用した際に、通信速度が低下し授業に支障を来すことがあるとの新たなご指摘もいただきました。
昨年十二月、都議会公明党は、都立大泉高等学校附属中学校を訪問し、ICTを活用した教育環境の状況を視察いたしました。その際にも、同様に通信環境の整備強化という課題を認識したところであります。
来年度の新入生から一人一台端末での学習が始まることも踏まえ、これまで以上に通信量は増えると思われます。早急に通信環境の強化を図っていくべきと考えますが、都立学校の通信環境の現状と今後の取組についてお伺いいたします。
○藤田教育長 都立学校におきましては、オンラインの活用を推進する中で、通信容量そのものが増大をしておりまして、授業が滞らないよう、時間割を工夫しながらオンライン学習を進めております。
来年度からは、高校段階の一人一台端末の導入により、課題配信や双方向型の授業が増加し、さらに通信容量が増大をいたします。
このため、都教育委員会は、来年度、学校からインターネットに接続する通信回線の部分の増強工事を順次進めまして、年度内に全校で完了させる予定としております。
また、工事完了までの間は、モバイルルーターも用いまして、オンライン活用に支障が生じないよう取り組んでまいります。
○小林委員 無線LANの整備については、予算特別委員会の質問以降、迅速に取り組んでいただき感謝をしております。ぜひとも、生徒の皆さんが快適に学べる通信環境の整備についても着実な推進をお願いいたします。
視点は変わりますが、こうした無線LANの整備については、都立、公社病院を利用されている患者さんからも設置を求める声が都議会公明党に寄せられております。
病院で治療を受けている患者さんから、外来を受診するときや入院中にスマートフォンやパソコンをWi-Fiに接続できるよう、利便性を向上させてもらいたいとのご意見であります。
そこで、患者さんができるだけストレスや不便さを感じることなく、外来受診や入院生活ができるよう、都立、公社病院において、患者用Wi-Fiサービスの導入を進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○西山病院経営本部長 患者が外来や病棟において、スマートフォン等のモバイル端末を用いて家族や友人とのコミュニケーションやテレワークなどを行える環境を整備することは、患者サービスの観点から重要であると認識してございます。
このため、都は平成二十九年度から、駒込病院の外来をはじめ、患者用のWi-Fi導入を進めており、現在、都立、公社十四病院のうち八病院が、外来や病棟の全部または一部に導入をしてございます。
今後、患者が院内のどこでもインターネットを活用できるよう、患者やその家族のニーズを十分に踏まえながら、都立、公社病院において患者用のWi-Fi導入を積極的に進めてまいります。
○小林委員 病気と闘う患者さんにとって、医療環境の充実はもちろんのこと、患者サービスの視点からも、都立、公社病院として取り組む大事な課題であると思います。積極的に導入を進めていくとの答弁でありましたので、着実な推進をお願いいたします。
次に、芸術文化振興についてお伺いをいたします。
私は、昨年の第一回定例会の一般質問で、コロナ禍での経験を生かし、困難な状況下だからこそ、文化芸術の力で都民に希望を送る新たな文化政策を今後検討していくべきと提案をいたしました。
小池知事より、今後、文化施策の検討に当たっては、コロナ禍で得られたこうした経験や知見を生かしていくと答弁があったところであり、このたび、東京文化戦略二〇三〇が策定されます。
初めに、東京文化戦略二〇三〇の策定に当たって、コロナ禍での経験や知見がどう反映されているのか、知事の見解をお伺いいたします。
○小池知事 コロナ禍におきましては、公演などの中止や延期などによって、アーティストの皆さんや芸術文化団体の活動が制約されて、極めて厳しい状況に置かれたわけでございますが、再開された公演や展覧会に集う多くの方々の姿を目にいたしますと、芸術文化は人々の心の癒やしに必要であると改めて認識をいたした次第でございます。
一方で、コロナ禍を経験したことで、オンラインの活用や異分野とのコラボレーションなど、新しい芸術文化の楽しみが生まれてきております。
新たな文化戦略におきましては、こうした知見、そして、経験を踏まえて、デジタルテクノロジーを活用した芸術文化の可能性を広げてまいります。
あわせて、アーティストや団体などが継続的に活動できる仕組みを構築しまして、アーティストと都民が共に豊かさを感じられる芸術文化都市東京を目指してまいります。
○小林委員 都はかつて、三度にわたって指針などを策定し、芸術文化振興の取組を行ってきました。
一九九九年に十五年間を対象とする文化都市ビジョンを策定、二〇〇六年には十年間を対象とする東京都文化振興指針、二〇一五年には十年間を対象とする現行の東京文化ビジョンが策定されました。
私は、昨年の一般質問で、二〇一五年に策定したこの東京文化ビジョンも対象期間の折り返し時期を迎え、この文化ビジョンの取組を改めて精査する必要性も指摘をいたしました。
東京文化戦略二〇三〇は、対象期間を二〇二二年度から二〇三〇年度の九年間として策定されますが、策定するに当たって、その意義をどう捉えているのか、また、東京文化ビジョンの成果や課題をどのように文化戦略に反映をしていくのか、見解をお伺いいたします。
○武市生活文化局長 都は、東京文化ビジョンを二〇一五年に策定し、東京二〇二〇大会に向けた文化プログラムを展開するなど、芸術文化の振興に取り組んでまいりました。
このたび、大会の終了、新型コロナウイルス感染症の影響、持続、共生社会へのシフト、デジタル化の進展など、社会環境が大きく変化しているタイミングを捉えまして、新たな文化戦略を策定することといたしました。
新たな戦略では、国際発信力の強化などの課題を引き継ぐとともに、これまで推進してきた、子供や高齢者などが芸術文化に触れる機会の拡充や、若手アーティストの育成などの成果を反映し、発展させております。
○小林委員 私が芸術文化振興に取り組むに当たってご指導いただいている伝統芸能家の方がおりまして、このたびの東京文化戦略にも目を通していただき、様々な視点でのご意見をいただきました。
その中の一つに、文化に興味のある人だけではなく、文化を必要としている人、文化に触れる機会の少ない方へのアプローチの必要性ということの指摘がございました。
東京文化戦略では、戦略の方向性として、誰もが気軽に芸術文化を楽しめる取組の強化を示すとともに、目指す二〇四〇年代の東京の姿として、都民の誰もが身近に芸術文化に触れることができる環境を掲げており、芸術文化の魅力が人々に幅広く伝わることが重要であると考えます。
芸術文化に関心がある方だけでなく、芸術文化に触れる機会が少ない方々に対する施策のアプローチが必要であると考えますが、見解をお伺いいたします。
○武市生活文化局長 都は、東京二〇二〇大会の文化プログラムとして、様々な文化事業をまち中で展開するなど、美術館や劇場以外の場所でも気軽に見ていただける工夫を行ってまいりました。
大会後もできるだけ多くの方々に芸術文化に触れていただくため、若者向けのストリートダンスイベントの開催や、ワークショップなど体験型事業の実施など、気軽に楽しんでいただく機会を提供しております。
今後は、良質な芸術文化に触れる機会の少ない子供や若者にも届くよう、オンラインやSNS等を活用した取組など、裾野を広げる施策を展開してまいります。
○小林委員 二〇四〇年代の東京の姿として、芸術文化の力で躍動する都市東京を掲げた以上は、この将来像を都民に向けて大きく宣言して、都民が実感できるような芸術文化都市を構築していただく取組をお願いしたいと思いますが、そのための取組の一つとして、今後、東京に国内外から多くの魅力ある人材を呼び込み、芸術文化関係者が活動しやすい魅力的なまちにするためには、シンボルともなる拠点の整備を行っていくべきと考えます。
東京の芸術文化に関する全ての情報を把握でき、アーティストの様々な相談に対しても、ワンストップで対応可能な機能を構築すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○武市生活文化局長 新たに策定する文化戦略では、芸術文化のハブ機能の強化を柱の一つに位置づけております。
このため、東京の芸術文化に関する情報の発信や、新たな芸術文化を生み出す交流を促進するほか、アーティストの活動を支援する相談窓口等の機能も整備いたしまして、国内外から多くの才能を呼び込んでいきます。
こうした取組を通じまして、東京をアーティストが活動しやすいまちへ発展させ、芸術文化都市としての魅力を高めてまいります。
○小林委員 文化戦略の中では、フランス・パリのポンピドゥーセンター、フィンランド・ヘルシンキのケーブルファクトリーのような芸術文化の創造拠点が例示されています。
東京においても、ここが東京の芸術文化の拠点といえるような拠点整備を今後検討していただくことを要望いたします。
都の掲げる芸術文化都市東京を目指すに当たり、東京文化戦略の対象期間の中で、その進捗、都民の実感などを適切に掌握し、対象期間中であっても計画の修正や新たな展開なども考慮していく必要があると思います。
東京文化戦略の中では、KPI、重要業績評価指標を設定するとしています。KPIは、目標を達成する上で、その達成度合いを計測、監視するための定量的な指標とのことですが、大事な指標となると思いますので、今後、定期的に議会にも報告をいただければと思います。
以前の予算特別委員会や文教委員会の質疑でも触れさせていただきましたが、私は文化芸術振興基本法の制定に携わっていた衆議院議員の秘書をしていた際、その議員が、衆議院予算委員会で、当時の小泉首相と遠山文部科学大臣に、文化芸術振興に関する質疑を行いました。テレビでも放映されていたこともあり、質問の後、様々な声が国会事務所に寄せられました。
経済の厳しい状況の中、なぜ文化振興など悠長な質問をしているんだとのお叱りの声もありましたが、一方で、文化芸術を育む必要性を訴えられたことは、闇夜を照らす光線のようでしたとのご意見など、賛同の声が圧倒的に多くありました。芸術文化振興に期待する声、芸術文化を政治もしっかり支援をすべきだとの声が本当に多いことを実感いたしました。
多くの都民が芸術文化の恩恵に浴し、アーティストなどの芸術文化関係者が存分に活躍できる環境整備を、この文化戦略を基軸として大きく前進していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、駅における視覚障害者の安全対策についてお伺いいたします。
私は、昨年の第一回定例会一般質問において、駅構内における視覚障害者の移動支援のために、点字ブロック上のQRコードをスマートフォンで読み取り、目的地まで音声で案内するシステムの実証実験が民間で行われていることに触れ、こうした技術を活用して、視覚障害者が安心して移動できるような取組を都営地下鉄においても検討していくべきと質問をいたしました。
民間でのこうした動向も踏まえ、来年度予算案において、誰もが使いやすい駅づくりを進めるとして、先進技術を活用した案内誘導の取組を促進していく予算が計上されました。
そこで、都市整備局として進める誰もが使いやすい駅づくりの今後の取組内容についてお伺いいたします。
○上野東京都技監 高齢者、障害のある方々をはじめ、誰もが生き生きと活躍できる社会を実現するためには、安心して快適に移動できる環境整備は不可欠でございます。また、多くの方が利用する駅の安全性や利便性を高めていくことが重要でございます。
今年度の都民からの事業提案を受け、視覚障害者等がさらに便利で安全に駅を利用できるよう、先進技術を活用し、鉄道事業者と連携しながら取り組んでまいります。
来年度は、スマホアプリを活用した案内誘導など様々な先行的な方策の調査、分析を行った上で、対象駅を選定し、その駅の実情を踏まえた対策を試行的に実施いたします。
こうした取組の効果も踏まえつつ、ユニバーサルデザインのまちづくりをさらに促進してまいります。
○小林委員 先ほどお話しした昨年の質問の際、交通局長からは、様々な技術が開発途上にあることから、引き続きそれらの技術動向を注視していくとの答弁がありましたが、今回の都市整備局の取組は、鉄道事業者と連携して進めるとのことでもありますので、ぜひとも、技術動向を注視している交通局とも連携しながら精査をしていただき、視覚障害者の安全対策を促進する取組をお願いしたいと思います。
次に、地域公共交通についてお伺いをいたします。
先般、東京における地域公共交通の基本方針の中間取りまとめが発表されました。
都議会公明党は、二〇一九年第二回定例会の代表質問で、都内自治体がさらにコミュニティバスやオンデマンドバスの運行を拡充できるように制度を抜本的に見直し、安定的な財政支援を行うべきと提案しましたが、来年度予算案の中で、コミュニティバスに加えて、デマンド交通についても導入補助を行っていく予算が盛り込まれました。
都議会公明党は、以前、小平市で運行しているワンボックス車両を活用したコミュニティタクシーの実施状況を視察しましたが、まさに身近な地域での手軽な公共交通という点で大変参考になる取組でありました。
私も地元の高齢者の方々から、地元練馬区で運行しているコミュニティバスであるみどりバスのルート増強や増便の要望を多くいただきます。練馬区としても、今後の地域公共交通の在り方を模索し、他地域の取組の情報収集などに努めておりますが、地域事情を考慮した取組への支援が求められると思います。
そこで、区市町村が交通不便地域などにおける住民への移動支援を一層推進できるよう、地域特性に応じた取組に対し、財政以外の角度からも支援していくべきと考えますが、見解を伺います。
○上野東京都技監 区市町村が地域における移動手段を維持確保できるよう、財政面のみならず、技術的な側面も含め、様々な角度から支援していくことが重要でございます。
そのため、行政界をまたぐ移動など、自治体単独での対応が困難な課題の解決に向けまして、都はまず、検討案件を抽出いたします。そして、地元自治体と共に、交通事業者など関係者から成る検討の場を設けまして、例えば、隣接する自治体同士が連携して行う運行スキームの構築など、具体的方策について知恵を出し合い検討するとともに、現場への適用を図り、成果を含め先行事例として取りまとめいたします。
そこで得られた知見を、都と区市町村から成る行政連絡会などで情報提供いたしまして、広く共有するなどにより、区市町村の主体的な取組を後押しし、地域公共交通の充実を図ってまいります。
○小林委員 ありがとうございます。ぜひとも促進をよろしくお願いいたします。
次に、高齢者のデジタルデバイド対策についてお伺いいたします。
今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、都民生活をデジタルの方向へと大きく変化をさせました。こうした中、日常生活においてはスマートフォンが必需品ともいうべきものとなり、スマートフォンに不慣れな高齢者の方は、ワクチン接種予約など様々な行政サービスを受けづらい事態にもなっております。
一方、高齢者の方がスマートフォンを活用したいというニーズもあり、社会の変化に高齢者も対応していけるよう、都の支援が求められてきます。
こうした中で、来年度予算案において、スマートフォン利用に関するサポーターの認証制度を設置するための経費を計上していますが、この認証制度の概要についてお伺いをいたします。
○寺崎デジタルサービス局長 都では、高齢者等のデジタルデバイドの是正に向け、昨年十月から相談会等を実施しているところですが、その中で、利用者からは、身近な場所に相談相手がいないなどの声を多くいただいております。
このため、来年度、身近な場所でスマホの操作などをサポートできる人材を確保するため、新たにスマホサポーター認証制度を開始することといたしました。
本制度では、都が高齢者のスマホ利用に係るサポート人材の育成、確保を行い、区市町村や町会、自治会などが開催する相談会等に派遣し、各地域の取組を後押ししてまいります。
こうした支援を通じて、デジタルデバイドの是正に向けた地域における支え合いにつなげてまいります。
○小林委員 大事な取組であると思いますが、このスマホサポーターによる支援を、より効果的なものとしていくには、日頃からスマートフォンを使いこなし、その利便性などを知っている大学生などの若い世代の知識を生かし、多くの若者にサポーターの役割を担っていただけるような取組も必要であると考えますが、見解をお伺いいたします。
○寺崎デジタルサービス局長 都では昨年、多摩市などで、都立大学等の協力の下、学生が相談員となって高齢者向けスマホ相談会を開催いたしました。
本事業は、教える側の大学生にとっては、高齢者が抱えるスマホに対する不安感や操作に関する課題の共有ができ、また、高齢者にとっては、若い世代が日頃利用しているアプリを知る機会となり、世代を超えた交流を生み出すきっかけとなりました。
来年度は、このような取組をより多くの地域で展開していくため、認証制度の中で、学生サポーターを募集、育成するとともに、活動の場を提供することで、地域で支え合う仕組みづくりを進めてまいります。
○小林委員 若者が人生の先輩方にスマホの活用を伝えていくという取組は、世代間の交流を促し、そこから若者自身が学ぶことも多いと思いますので、多世代交流という観点からも、ぜひとも若い力の活用をお願いしたいと思います。
また、サポーターが高齢者を支援していくに当たっては、基本的なスマホの使い方だけを知るのではなく、使うことによって、どのように生活が便利になるのかということを実感してもらう必要があります。スマホの機能は様々ですので、高齢者にとってどの機能が必要か、また、何が便利なのかを見極めてサポートしていく必要があると思います。
そのため、今後の制度構築に当たっては、行政などのサービスのデジタル化を踏まえつつ、高齢者のニーズに合わせた使い方を習熟できるよう支援していくことが重要であると考えますが、見解を伺います。
○寺崎デジタルサービス局長 認証制度の構築に当たりましては、これまでの相談会等から得られた知見や高齢者の意見等を聞きつつ、キャッシュレスや災害情報の取得アプリなど、習熟レベルに合わせて利用する機能を設定し、その操作等を学ぶためのテキスト等の作成を進めてまいります。また、サポーター側にも、それらを教えるためのプログラムを策定し公開することで、人材の育成、確保につなげてまいります。
こうした取組により、効果的な支援策を展開し、誰一人取り残されないデジタル社会の形成を目指してまいります。
○小林委員 今後の制度構築に当たって、ぜひ検討課題としていただきたいことが二点ございます。
一点目は、先ほども触れましたが、若者の力の活用ですが、より多くの若者に、このサポーター制度に関心を持って力を貸していただけるよう、サポーターになることによるインセンティブなど、参画しやすいような内容の検討が必要ではないかと思います。
二点目は、サポーターからの支援を受けてスマホを活用できるようになった高齢者が、今度は自身がサポーターとなって教える側に立てるような仕組みがあると、さらに高齢者への支援が手厚くなっていくかと思います。
高齢者のデジタルデバイド対策と一口にいっても、世代を超えて、高齢者、若者、一丸となって取り組んでいくことが大事であると思います。
私の母も八十三歳になりますが、もう七十を超えてから、スマートフォンを手に持って、今やLINEやズーム、全て使いこなしております。様々教えて、絶対この人分からないだろうなと思ったんですけど、教えたら結構勉強になって、今、すごい使いこなしております。
そういう意味では、本当にご年配の方、そういう形で丁寧に教えていくことによって、一緒になって、スマートフォンという機器を活用していけるんだなというふうに思いますので、ぜひとも、すばらしい制度構築をご検討いただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
最後に、都営地下鉄大江戸線光が丘駅のエレベーター増設についてお伺いをいたします。
光が丘駅のエレベーターは北側に一基設置されていますが、都道を挟んで南側の出入口には設置されていないため、かねてより地域住民の皆様から設置を求めるご要望が寄せられており、私も都議会の質疑で、今まで繰り返し取り上げてまいりました。
二〇一七年の予算特別委員会では、駅の利用実態や駅施設の構造上の課題などを勘案しながら、設置の可能性を検討していくとの答弁がありました。
その後、二〇一八年の本会議一般質問では、関係機関と連携し、用地の確保や構造上の課題に関する検討を深め、バリアフリールートの充実に取り組んでいくとの答弁がありました。
昨年の公営企業委員会では、大江戸線光が丘駅については、バリアフリールートの充実に向けて、公共用地への設置を念頭に、駅施設の構造上の課題に関する検討を深めるとの答弁があったところであります。
今まで検討を進めていることが分かる答弁をいただいてまいりましたが、年度内に策定を予定している東京都交通局経営計画二〇二二において、バリアフリールートの充実に取り組む六駅の中に、念願の光が丘駅が盛り込まれることとなりました。
そこで、光が丘駅のエレベーター増設に向けた今後の取組についてお伺いいたします。
○内藤交通局長 大江戸線光が丘駅につきましては、現在、駅の北側にエレベーターが設置されており、駅の南側から当該エレベーターを利用する場合には、片側三車線の幹線道路を横断しなければならず、階段を利用する場合に比べ、改札口までの移動距離が約二百メートル長くなるなどの課題がございます。
このため、駅の南側への新たなエレベーター増設に向けまして、用地の確保や、駅の構造などを勘案しながら検討を進めてまいりました。
今般、公共用地へのエレベーター設置のめどが立ちましたことから、新たな経営計画におきまして、令和六年度の供用開始を目指すこととしたものでございます。
来年度は、詳細設計に取り組むこととしております。お客様の利便性向上に向けて整備を着実に進めてまいります。
○小林委員 ありがとうございます。
このエレベーターの問題は一番最初に担当の方とお話をさせていただいたときから、本当に、増設に向けた形で真摯にご対応いただき、着実に検討を深め前進をしていただいたかと思います。心より感謝をしております。
練馬区の令和四年度予算案では、同じく光が丘駅南側のバリアフリー化を進めるべく、エスカレーターなどの設置工事に着手する予算が計上されています。
エレベーターについては、令和六年度供用開始を目指すとの具体的な答弁をいただきましたので、無事故で着実に整備を進めていただくようお願いをいたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔小磯(善)副委員長退席、委員長着席〕
○三宅委員長 小林健二委員の発言は終わりました。
以上で、本日予定しておりました質疑は全て終了いたしました。
なお、明日は午前十一時から理事会を議会運営委員会室で行います。また、午後一時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時二十五分散会
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